ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 天の川

以前撮影して画像処理に色々悩んでいた夏の星景写真です。今でも迷っていて、ずっと放置してしまっていたのですが、このままお蔵入りするのも惜しかったのと、少し時間があるので記事にすることにしました。

木曽シュミットを中心に天の川を撮影したものです。天体ドームと天の川はこの上なく相性ぴったりで、一度はきちんと撮影してみたいと思っていました。この日は一般公開の日で、透明度の高い夜で、クッリキと2本に見える綺麗な天の川に巡り会えました。個人的にはある意味フルサイズのカメラと、安いなりにも広角のレンズでちゃんと取り組んだ初の星景写真とも言えます。

流れ星が写り込んでいるのが2枚です。ペルセウス座流星群ちょっと前なので、流星もそこそこ見えるような時期でした。

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縦長の構図と、同日の北側の天の川で星野に近い構図になります。

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実は画像処理自体はずっと前に終わっていて、2ヶ月くらい経って改めて見ているのですが、黄色から黄緑、青を経ていくものはもう少しおとなしくしても良かったと今になって思います。処理している最中は正攻法はわざとらしくなるので嫌でしたが、撮って出し画像の印象が薄れている今となってはわざとらしさが気にならなくなり、正攻法もありかなとも思えます。でもまあ以前の処理のままで何もいじらずに載せておきます。もう少し経験と時間が必要でしょう。

あと、来年の天の川はソフトフィルターを使ってみたくなりました。

最後に、タイムラプス映像です。ドームがピョコピョコ動く様子が面白いです。



10月の3連休、当初は3つのイベントが重なっていました。あまりに大変でどうしようかと思っていたですが、台風の予報のためにまず土曜日からの福島スターライトフェスティバルが中止というニュースが飛び込んできました。残念ですが、写真を見ると前回の台風の影響で舞台の上部が吹っ飛んでいるような状態みたいです。残念でしたが安全第一ですね。

続いて、同じく土曜日に富山県天で計画していた飛騨コスモス天文台の見学会も中止。もともとこれは立山のスターウォッチングのお手伝いが泊りがけであったので行けない予定だったのですが、普段お世話になっているのでとても残念でした。

結局、台風が結構北にそれてくれて天気予報が晴れになったために、最後に残った立山弥陀ヶ原でのスターウォッチングのお手伝いは予定通り行うとのこと。土曜日の昼過ぎからロープウェイとバスで弥陀ヶ原まで県天のOさんと一緒に登りました。バスで登っている間は曇りでしたが、昼間に周りを散策してみるとだんだん晴れてきました。山の上から見ると、能登半島の先の方が見えるくらい透明度は良かったので夜に期待していました。

それでも夕食前まで天気は良かったんです。夕食後も天気だけはよく、星は綺麗に見えていました。でもあまりに風が強くて、望遠鏡を出したらパタンと倒れそうな勢い、砂利の砂つぶが顔に当たって痛いくらいです。流石に観望会は中止になってしまい、室内でのスライドとお話だけとなってしまいました。お話は70人くらい集まりそれなりに盛り上がりました。お客さんも途中や解説が終わってから外に出る人もいましたが、やはり暴風クラスですぐに戻ってきます。それでもめげずに、片付けが終わって誰もいなくなってから、私一人でカメラの三脚を開ききって地べたにへばりつかせるようにして何枚か撮影しました。

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目で見たときはほとんどわからなかったのですが、撮影した画像をモニターで見ると雲がかかっていたのと、カメラも飛んできそうなあまりの風で心が折れて、ここで諦めてしまいまいました。上はともにSAMYANG 14mm F2.8を改造6DにつけてISO3200、30秒露光の撮影です。雲の向こうに天の川が見えているのがわかると思います。ところが意外や意外、この雲越しの天の川というのはこれはこれで結構雰囲気が出ていて気に入ってしまいました。

その後、時間はたっぷりあったので、お風呂に入って、一緒に対応したOさんと部屋で夜遅くまで話していました。Oさんも撮影に凝っている方で、撮影方法や機材のことなどいろいろ興味深い話を聞くことができました。AZ-GTiの赤道儀モードも試したみたいで、ホームセンターで買ってきたボルトと、Vixen
のウェイトをつけてうまくいっているとのことです。


最後に、昼間の散歩で撮った弥陀ヶ原エリアの写真を何枚か載せておきます。紅葉がとても綺麗でした。実は一眼レフカメラでは昼間の写真をほとんど撮ったことがないのですが、明るい写真の画像処理はなんか新鮮で楽しいですね。

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でもいまいち加減がわからずまだまだ適当です。

次の日に続きます。 

ここしばらくブログの更新が滞っていました。忙しかったのもあるのですが、一番の原因は天の川の画像処理でずっと悩んでいるからです。

8月初めに撮った木曽シュミットを背景にした天の川。ところが、気合を入れて画像処理を始めたのが、今回の迷走の始まりでした。Lightroomのレンズプロファイルでの補正と、PixInsightのDBEで周辺減光とさらカブリを除きます。星マスクを利用したり、景色部分にマスクを施したり、天の川部分のマスクも苦労して作ったりして色々試しました。多分正しい方向で進めているはずです。でもなぜでしょう、やればやるほどわざとらしくなって自然感が損なわれていく気がします。

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多分上の処理でも悪くないのかと思います。でも、ふと元のJPEG撮って出し画像を見直してみると、もちろんホワイトバランスも取れていないし、周辺減光はありまくりだし、天の川も強調されていないのに、なぜかわざとらしさのないこちらの方が好きな自分がいることに気づきます。ここら辺で完全に迷走状態になりました。
  • 周辺減光はきちんと補正するのが善か?天の川を中心に持ってきたらむしろ周辺減光があった方が天の川を目立たせることができるのでは?
  • 背景のホワイトバランスを撮ることは本当に正しいのか?なぜ青い夜空はダメなのか?
  • 星景写真は、科学なのか?芸術なのか?
などなど疑問が尽きません。天体写真は自分の場合あくまで趣味なので、科学写真とは違います。それでも星雲などの天体写真は宇宙の深淵を覗くという意味でまだ科学に近い気がしますが、星景写真はその名の通り景色を入れます。景色と星の組み合わせという意味ではなにか主観を入れたいという意図があることが普通なので、やはり芸術に相当近いような気がしています。こんなことを悩んでいても、正解もなければ答えが出ないこともよくわかっています。

そんな時に、ちょうどプロの星空風景写真家の方の話を聞く機会がありました。その方に上のような疑問をぶつけてみたのですが「一旦補正した周辺減光をあえて加える場合もある」「結局は自分が何を表現したいかではないか」という助言をいただきました。おそらく天体写真として撮っているアマチュアと、生計を立てているプロの写真家というのでは、全然目指している方向は違うのかもしれません。それでも人に見せるという意味では、この写真家の方の言うことは正しいのではないかと思いました。

まだ迷いはとれませが、星景で自分の見せたいものを見せてもいいという道があることがわかっただけでも大きな進歩です。でも個性を出すということは怖いですね。それを凌駕して魅力的な作品を生み続けるのがプロということなのでしょうか。色々悩んでいたことも少し吹っ切れた気がして、今回の星景写真に関しては少し自分が好きなものを目指そうと思いました。

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素材がいい場合は、画像処理も最小限で済みます。強度なあぶり出しもしていませんし、周辺減光も必要以上にとったりしていません。ホワイトバランスも多少合わせますが、好みを残しています。カブリもそのままで、この黄色から黄緑を経て青へと変わっていくような色が結構好きです。

くだらない悩みかもしれませんが、ここに至るまでに二週間くらいかかりました。まだ迷走する気はしますが、しばらくは技術にあまりこだわらずに処理をしてみようと思います。

前回の記事の続きになりますが、同日牛岳でEOS 6DとSAMYANG 14mmで多数枚撮った天の川写真をタイムラプス映像にしてみます。

今回タイムラプス映像をを作るにあたり、レンズ補正のプロファイル以外でLightroomを初めてまともに使ってみました。タイムラプス映像はこれまでは簡単のためにほとんどJPEGフォーマットから作っていたのですが、事前にRAWファイルから多数枚に同じ加工を施して、各コマを作りたかっのがLightoroomを使った理由です。Photoshopでも多数枚の加工はできるのですが、LightRoomの方がはるかに簡単だったことと、SAMYANGのレンズプロファイルがLightroomにはあるのに、Photoshopにはないのが決定的でした。

そもそもLightroomの概念も存在意義も全くわかっていなかったのですが、これは思ったより便利ですね。
  • Photoshopが写真を含む画像一般のためのものに対して、Lightroomは写真に特化しています。
  • また、現像というメニューがあることからもわかりまが、多数枚の処理を前提にしています。なので処理が全然軽いです。
  • あと、全ての処理が可逆なのがすごいです。元のファイルをいじりたくないというのはすごく共感できます。
  • カタログという概念が便利です。処理の過程をすべて記録しているファイルと思っていいのでしょうか。RAWファイルから独立なので、RAWファイルとカタログファイルがあればやったことをすべて再現できるというわけです。

逆にそれによって制限されることもあります。
  • Photoshopのようなものすごい細かい操作を繰り返すと履歴がたまりすぎてこんがらがって来ます。処理が重くなるとかいうわけではなく、忘れることができないという意味です。
  • 多分ですが、Photoshopよりはできることは限られています。例えばトーンカーブをRGB別にさわれないみたいとかです。トーンカーブの曲げ方もPhotoshopほど細かくできるわけではなく、記録するためか触れるポイントとかに制限があるようです。2018/8/19 追記: トーンカーブ右下のアイコンを押すことで、RGB個別に、ポイントも任意に取れることがわかりました。PhotoShopとほぼ同じですが、繰り返しトーンカーブを適用するというようなことはできないようです。

前回の記事では、一枚を仕上げるのには途中PixInsightのDBEをつかって周辺減光やかぶりの補正をしているのですが、タイムラプス用にはそんな高度な処理を全枚数にかけるのは大変です。それでもLightroomでもかなりのことはできますし、下仕上げとして使うだけなら十分すぎる機能を持っています。タイムラプス用にどう処理をするのは

  1. Lightroomを立ち上げて、新規カタログを作成し、タイムラプスように処理したい枚数分のファイルを全て読み込む。
  2. 「現像」メニューに行き、その中の一枚に、レンズプロファイルを含む適当な画像処理を施す。
  3. 「ライブラリ」メニューに戻り、上で処理した一枚を含み複数枚のファイルを下部のサムネイルからシフトキーを押しながら選択する。
  4. その時出てくる「同期」ボタンを押す。
  5. 出て来た画面で適用したい処理を選択して、OKを押すと全てのファイルに最初ファイルに施した処理が適用される。
  6. 「ファイル」メニューの「全てを書き出す」からJPEGがファイルなど必要なフォーマットに変換して保存する。
  7. 待っていると全てのファイルが順に生成される。

このように、複数枚の処理がいたって簡単にできてしまいます。

LightRoomでJPEGに出力したあと、Sirius Compでタイムラプス映像にしています。

ただし出来上がったファイルは1GBクラスと相当大きいので、アップロードのために圧縮します。Youtubeにアップすることを前提に、今回はWindowsの64ビット版のHandbreakを使いました。以前のホタル映像ではiMovieを使って編集などをすることも考えて、QuickTimeを使って一旦.movファイルにしましたが、これだと圧縮されすぎてしまい、アップロードした際にあまり綺麗に再生されないことに気づきました。そのためHandbreakを使って、Youtube推奨の設定にします。今回使ったのはHandbreakの英語版の1.1.1です。最初日本語版の0.9.4を最初使ったのですが、コマンドプロンプトが一瞬出てすぐに消えてしまい、変換できないというトラブルがありました。英語版の最新にしたら素直に解決しました。

Youtubeの推奨に合わせていじった設定は、「Video」タブの「Framerate」を選択肢の一番上の「Same as source」にしたことと、「Quality」を「Avg Bitrate」にして10000kbpsにしたことだけです。あとはデフォルトの設定で、Youtubeの推奨のH.246コーデックのmp4ファイルが生成せれ、ファイルサイズが1.06GBから17.2MBまで圧縮されました。もちろん画質は落ちますが、見た目ではそれほどひどくはなっていません。

ということでできたタイムラプス映像です。


マスク処理はしていないので、雲のところが明るくなってしまっています。あと、錯覚かもしれませんが、左よりも右のほうが引き伸ばされて見えます。レンズプロファイルで補正してもこれなので、元はもっと差があるのかもしれません。何れにしてもファーストテストで撮影した時より、ひずみが大きい気がします。もう少し例を増やしてきちんと検証した方がいいかもしれません。

でもまあ、やっとタイムラプス映像の手法も確立してきました。マスク処理とかもLightroomで多少はできそうなのですがちょっと大変そうなので、これは今後の課題にしたいと思います。

ちょっと前の記事になりますが、入門者向けにEOS Kiss X7牛岳で天の川を撮影した時に、同時に天体改造済みのEOS 6DとSAMYANG 14mmを使い、同じ場所から天の川を撮影していました。その時の画像処理を終えたので記事にまとめておきます。以前の記事の番外編のような位置付けです。

まずは天の川の一枚どりの画像処理です。EOS Kiss X7の画像処理の時は無料のDPPもしくはGIMPしか使っていませんが、今回は特に制限はしません。また実際の処理もDPPもしくはGIMPでの処理も、明るさ、コントラスト、トーンカーブ、ホワイトバランスしか使わなかったですが、今回はそういった制限もせず、多少複雑な処理もしています。

特徴としては、レンズプロファイルを適用し、歪みと周辺減光を軽減するために、Lightroom Classic CCを使ったことと、さらなる周辺減光とカブリの除去にPixInsightのDBE(DynamicBackgroundExtraction)を使ったことくらいでしょうか。PixInsightの「MaskGeneration」の「RangeSelection」で雲のあたりのマスク、恒星のマスクを作っています。この機能を使うと、ものすごく手軽にマスクを作ることができます。あとはPhotoshop CCに引き渡して適当に処理しています。マスクもPhotoShopで利用して画像処理しています。結果は以下のようになります。

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撮影地: 富山県富山市牛岳, 2018年7月13日23時2分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, JPG), 露出20秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC
Lightroom、PixInsight、PhotoShopで画像処理


入門記事で処理した画像(DPPで処理したバージョンを下に再掲載)と比べてみましょう。

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今回の方が天の川が圧倒的に濃いことと、ノイズが少ないことがわかると思います。これは露光時間が長いことによると思います。入門記事ではISO6400で10秒、今回はISO3200で20秒です。ISOと露光時間の積は同じですが、後者の方が露光時間が長い分、読み出しノイズが少なくなります。もちろん、カメラ本体の差もあるでしょう。6Dはセンサーの一素子のサイズが大きく、ノイズが少ないカメラと言われています。ノイズが少ないと当然、対象をより濃くあぶり出すことができます。

ソフトの違いも相当大きいです。入門記事ではせいぜいトーンカーブを少し弄る程度までです。例えば今回6Dの画像では天の川は明るいのに、雲の方は逆に目立たなくなっています。これはマスク処理のおかげで、雲の部分とその他の部分を分けて処理できるために、雲を暗いままにしておくことができます。

また、周辺減光が目立たなくなっていることもわかります。フラットフレームはとっていませんが、PixInsight上で周辺減光とカブリをなくしたことが効いています。これは天の川をより濃くあぶり出すことにもつながっています。

今回の方が、より広い範囲で天の川を捉えていることもわかります。これはカメラのセンサーサイズの違いで、X7の場合はAPS-Cといい、6Dの場合はフルサイズとか言います。各辺の長さが1.6倍違うために、同じ焦点距離のレンズを使って写すことのできる範囲も1.6倍かわってきます。しかも、使っているレンズもX7の方は標準の18mm、6Dの方は14mmなので、1.6 x 18/14 = 2.05と約2倍違います。面積にすると2 x 2で4倍の違いですね。


うーん、こうやってみるとさすがに結構違いますね。でも露光時間も違うし、ソフトの制限もかなり大きい違いなので、そういった差をなくして、カメラ単体の違いだけでどこまで迫れるのかもいつかやってみたいと思います。


  1. EOS kissで天の川を撮ろう (その1): 撮影の準備  
  2. EOS kissで天の川を撮ろう (その2): 実際の撮影  
  3. EOS kissで天の川を撮ろう (その3): 画像処理  
  4. 番外編: 天文っ子のためのカメラ選択 
  5. 番外編: EOS 6Dで天の川を撮ろう

さて今回の記事は、Natusが撮った天の川を実際に画像処理ソフトを使って見栄えよくしてみようと思います。対象は写真は撮ったことがあるけれども、画像処理なんてしたことがないとかいう人です。


0. できるだけ簡単に試してみたい人

まず、下の長すぎる説明を読むのが大変だと思った人は、Macだったら「プレビュー」で画像を開いて、「ツール」メニューの「カラーを調整」を選んで適当にいじってみて下さい。Windowsだったら「フォト」で画像を開いて右上の「編集と作成」から「編集」を選び、「調整」から色々いじることができます。この二つの標準でついてくるソフトが最も簡単かと思います。できることは限られますが、それでも多少の強調もできてしまいます。もう少し本格的な処理をしたい、本格的な画像処理への道しるべが欲しいという方は、以下の記事を読んでみて下さい。




ではでは、画像処理の超入門編始めます

さて、本格的な画像処理として使用するソフトですが、初心者ということで無料のものから選びたいと思います。ここでは2つ挙げようと思います。

一つ目はCanonカメラを買うと付いてくる「Digital Photo Professional (DPP)」です。ダウンロードするときにカメラ本体のシリアル番号が必要になります。なので無料かどうかは少し微妙ですが、タイトルが「EOS kissで」となっているので、皆さん使えると思って進めます。中古で買った本体でもダウンロードできるはずです。Mac版もWindows版もあります。ダウンロード、インストールして、まずはこのDPPで画像処理を始めてみましょう。



1. 明るさ、コントラストの変更でjpeg画像をちょっといじってみよう

とにかくもう難しいことはあまり考えずに始めて見ましょう。DPPを立ち上げて、撮った天の川の拡張子が「.jpg」のファイルを開いてみてください。基本的にどこをいじってもいいのですが、なぜか触れるところは限られていますし、いじるところを明るさやコントラストくらいと割り切ってしまえば難しくないです。これだけでも結構見栄えは変わります。

まず元の画像がこれ、前回の撮影で取った天の川です。

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DPPの明るさ、コントラストをいじってみます。下の写真のように、明るさを30、コントラストを20くらいにしてみます。

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その結果がこちらになります。最初の画像と比べるとこれだけでも結構天の川が強調されたのがわかると思います。

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でも拡大するとちょっとノイジーですね。せっかくなのでDPPについているノイズ除去機能を使ってみましょう。輝度ノイズ、色ノイズをいじってみてください。

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あまりやりすぎるとのっぺりします。適度なところでやめておきましょう。取り合えずここでは両方とも10にしてみます。結果は以下のようになります。拡大しないと違いがわからないかもしれません。

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それでもやはりノイズが残ってしまうのは否めません。これは撮影時にISO6400と感度を高く取りすぎたためにノイズが出てしまったのかと思います。やはりもう少しISOを落として撮った方が良かったかもしれません。

でもここまでだけでもかなり見栄えは変わりますので、まずは自分が一番綺麗だと思った明るさ、コントラストを求めてみましょう。



2. トーンカーブをいじってみよう

でも、もっと強調できないでしょうか?暗いところはより暗く、明るいところはより明るくできれば、もう少し派手に天の川が見えるのではないでしょうか?こんな時にはトーンカーブをいじります。

一番最初の.jpg画像を再度開き直します。次に、下の写真のように、「トーンカーブ調整」のところが「RGB」となっているのを確認して、ヒストグラムの上にある線に点を2つ打って、写真のようなS字のようなカーブになるようにします。

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このグラフの下の軸の左側は暗いところを表し、右側は明るいところを表しています。左の軸は出力を表し、グラフの中の線は下の軸と左の軸の関係を表します。S字のようにすると、左側の暗いところの出力がより下がり(より暗くなり)、右側の明るいところの出力が強調され(より明るくなる)ます。より天の川が強調されるわけです。結果が以下のようになります。

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確かに天の川部分は強調はされましたが、ノイズもより強調されてしまいました。なかなか厳しいですが、ここではまあノイズには目をつぶりましょう。上でやったノイズ処理をすると少しはマシになりますが、焼け石に水かもしれません。

さて、今RGBまとめてS字で強調しましたが、特定の色だけ強調できないのでしょうか?先ほど「RGB」となっていたところを「B(ブルー)」にしてみて下さい。これで青色のみいじることができます。Natsuにやらせたら、写真のように青全体を膨らませるように強調し、

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その結果下のようになりました。青い夜空のようで綺麗ですね。でもちょっと派手すぎでしょうか。

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普通の人は夜空というとこのような青いイメージなるかと思います。私も青い夜空が好きなので、いつも青色寄りになります。


3. ホワイトバランスをとる

上では自分の好みの色を出して、夜空を表現しました。私はこのように自分の好きな色を出せばいいと思うのですが、星だけでなく、写真を撮る時に広く正しいと言われている方法があります。「ホワイトバランスをとる」などと言うのですが、赤、青、緑のバランスが取れているものが良いとされています。特に星空の背景の色はバランスが取れているのが良いとされています。繰り返しますが、私自身は自分の好きな色にしても良いのかと思います。でも、それだと基準がバラバラになるので、バランスを取れたものを基準とした方がわかりやすいと言うだけのことです。とりあえずはそんな評価基準があるということだけ覚えておけば良いでしょう。

さて、ホワイトの取り方ですが、DPPでは結構面倒です。下の写真にあるように、スポイトマークをクリックして、撮影した写真の中でホワイトバランスを取りたい点を選びます。ただ、点だとばらつきがあって、なかなか背景全体がうまくホワイトになりません。

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とりあえず適当に妥協してある程度ホワイトにした結果が次の写真になります。ずいぶん緑っぽく見えるかもしれませんが、それでもまだ少し青が強いかもしれません。

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このようにホワイトを取った上で強調をするのが、写真の世界では正しい方向になりますが、逆に個性は無くなっていくのかもしれません。これはどちらが良いということはなく、自分でいいと思う方法をとれば良いのかと思います。下はホワイト後、強調したものです。ホワイトを取らずに進めたものとはだいぶん印象は違うと思います。

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4. モノクロも悪くない

どうしてもノイズが気に入らない場合は、いっその事「彩度」を0にしてモノクロにするのも案外悪くないです。

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こうやってみるとノイズが良い感じに見えることもあるので不思議です。



5. GIMPも使ってみよう

もう一つの画像処理ソフトはGIMPです。GIMPは有名なPhotoShopに似た操作体系です。ちょっと前までバージョン2.8が主流で、8bit画像までしか扱かえなかったのですが、ついこの4月に6年ぶりにメジャーアップデートして2.10になり、やっと16bit画像を普通に扱えるようになりました。天体写真のように淡い模様をあぶり出したりするときには実はこの8bitの制限が致命的だったりしてGIMPを使うのは避けていたのですが、今回はあえてGIMPを使ってみましょう。こちらもMac版もWindows版もあります。

GIMPでもDPPと同様な「明るさ、コントラスト」があります。

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結果もDPPの時とよく似たものになります。

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オートでホワイトをとるのは、似た機能はあるのですが明るさまで変わってしまうので、代わりに「レベル補正」を使ってマニュアルでやります。一部日本語化が完了していないみたいで、「色」->「Levels」を選びます。

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ヒストグラムを見ながら、下のように各色の山の左の裾のラインが一致するようにR、G、B個別に合わせます。その時出来る限り真ん中の三角印のみ触るようにします。そうしないと階調を失うことになり損することがあります。

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結果は以下のようになります。

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このレベル補正を使うやり方は、至極真っ当なやり方で将来PhotoShopなどのより高機能なソフトに乗り換えても使える方法です。DPPでオートでホワイトを合わせるより、手間はかかりますがより自然になります。

トーンカーブもあります。S字にしますが、上の方に何点か点を打って線をまっすぐにしています。これは星などの明るい部分を明るくなりすぎないように保護しています。

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結果は以下のようになります。

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結果はちょっとノイジーですね。さて、こんなときに問題なのですが、GIMPの弱点の一つがノイズ除去機能が弱いところです。一応機能自身はあります。メニューの「Filters」->「Enhance」->「ノイズ除去」から選びます。
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結果を載せますが、結構のっぺりしてしまいます。もう少し星専用のノイズ除去方式が必要かと思います。
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GIMPの欠点ももう少し書いておきます。上のようにJPEGファイルを編集するぶんにはいいのですが、デフォルトでは拡張子が「.cr2」のRAWファイルを直接開くことができません。方法がないことはないのですが、ここでは割愛します。別途DPPなど、RAWファイルを読み込めるソフトで一旦開いて、ファイル形式をTIFFなどに変換して保存して、改めてGIMPで開かなくてはいけません。

また、メニューの全てが日本語化されているわけではないので、慣れない英単語に戸惑うかもしれません。あと、一部ボタンが押せなくなる時があるなど、バグも結構残っているものと思われます。



まとめ

今回紹介したやり方は、天の川画像処理のほんの入り口にすぎません。また、各ソフトの機能に限界もあることもわかります。でも今回の分だけでも色々いじることができることもわかると思います。他の機能も色々試してみることをお勧めします。

また今回はJPGだけ試して、RAWファイルと呼ばれる「.cr2」という拡張子のファイルを扱っていません。試しに、DPPで撮影した.cr2ファイルを開いてみて下さい。JPGファイルの時には使えなかったホワイトバランスやレンズの補正などの機能が一気に使えるようになります。興味があったらどんどん触ってみて下さい。

今回は触れませんでしたが、天体写真の処理はダーク補正やフラット補正など、より綺麗に見える方法が確立しています。天の川の写真を何枚も重ねてノイズを落とすという方法もあります。今回は初めて天の川を撮ってみて、はじめて画像処理をする人が対象なので、その範囲を超える方法は割愛していますが、興味を持った方は調べてみるとたくさんの先駆者の解説が見つかること思います。ほしぞloveログでも星雲についてですが、過去に画像処理の記事なども書いています。



最後になりましたが、有料ソフトを少しだけ紹介しておきます。DPPとGIMPの代わりに「PhotoShop」を使うことができます。RAWファイルも扱えますし、かなり高度な処理をすることもできます。NikCollectionというフィルター集(この間まで無料だったのですが、現在は1万円切るくらいでしょうか、でも昔はこれだけで6万円ほどしていたらしいです)は天体処理にも秀逸で、簡単に非常に大きな効果を得ることができます。使いすぎで中毒になるくらいです。PhotoShopは月々980円でLightRoomと合わせて使えるプランがありますが、私もこれに入っています。普段PhotoShopを使っていて、今回久しぶりにGIMPを使いました。慣れのせいもありますが、それを差っ引いても速度や操作性、性能など、やはりPhotoShopの方がはるかに優れていると思います。いつかGIMPに不満が出たら試してみてください。

あと、天の川にとどまらず星雲などを写し出したら、アストロアーツ社のステライメージも視野に入れるといいと思います。写真を何枚も重ね合わせてノイズを落とすスタックという機能を使うことができます。このスタック機能もフリーのソフトで代用することもできますが、ステライメージは高価な分とても使いやすいソフトです。

天の川以外の天体で、どこまでフリーで迫れるかというのも興味がありますね。いつかやってみたいと思います。

一眼レフカメラを持っていて、星を撮ることに興味があるけど、かなり難しいんじゃないかと思われていませんか?

今回は中2の娘のNatsuが持っている機材で実際に撮影をしてもらいます。挑戦してみるのは天の川です。天の川なんて敷居が高いと感じるかもしれませんが、星雲や星団に比べたら望遠鏡なども必要なく、初めての夜空の写真としてはちょうど手頃なターゲットで、満足感も得られます。マニアが「うーん」と唸るような写真を撮るのは簡単ではないですが、天の川を写してみるだけなら意外なほど綺麗に、しかも入門用の機材でも十分に写ります。自分で撮った天の川の写真は格別ですよ。

というわけで今回は入門記事。一眼レフカメラに興味を持っている方、一眼レフカメラを買って星の写真を撮ってみたいという方が対象です。レンズも標準セットについてくるものを使います。


機材

まずカメラ本体ですが、ここではNatsuが愛用しているCanonのEOS kiss X7で試すことにします。一眼レフとしては一番買いやす部類の入門機です。軽量で女の子が持っても全然楽に扱えそうです。レンズはダブルズームキットについてきた二つのレンズのうち、より広い範囲を写すことができる焦点距離18-55mm 、絞りF3.5-5.6の方を使います。

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Natsuの愛機EOS kiss X7

もちろん一眼レフカメラならNikonなど他のメーカーでも構いませんし、レンズも焦点距離が短めのものなら入門用のもので構いません。もっというと、一眼レフカメラでなくても構わないのですが、「シャッター速度(露光時間)」と「ISO」と呼ばれる感度を調整できるカメラなら試してみる価値はあるかもしれません。最近のスマホのカメラは意外なほど感度がいいものも多いので、新しい機種なら天の川を写すことも可能かもしれません。一応ここでは、EOS kiss X7相当の入門クラスの一眼レフカメラで試していくことにします。

そのほかにもう一つ、どうしても必要なものがあります。三脚です。あまり軽くてグラグラしたものはブレてしまうかもしれませんが、普通にカメラ屋さんで売っているものなら十分かと思います。ものすごく頑張れば、うまくカメラの下に何かを入れて多少傾けることで三脚なしで撮影することも不可能ではないですが、逆に大変になるばかりなので、三脚は一つは持つことをお勧めします。ちなみにうちの娘は中国製の無名ブランドの三脚を中古で格安で手に入れたもの使っていますが、とりあえず最初はこんなのでも大丈夫です。

あと少し、無くてもいいのですがあると便利なものを書いておきましょう。一つはレリーズ。リモートシャッターでもいいです。シャッターを手で押すとどうしてもブレてしまいます。レリーズやリモートシャッターがあればぶれずにとることができます。まあ、最初は気をつけて手で押すのもいいでしょう。でもブレが気になるようになったら少し考えた方がいいです。

もう一つがレンズヒーターです。天の川が良く見える夏といえども、長時間撮影していると湿気でレンズが曇ることがあります。ヒーターは曇りを抑えてくれますが、これも最初はなくても構いません。しばらくの間は曇らないでしょうし、もし曇ったラレンズペーバーなどで拭き取れば大抵は大丈夫です。拭き取るのが面倒と感じてきたらレンズヒーターを探してみてください。



光害のない場所を探す

天の川を撮影するときにとにかく一番重要なことは、暗い場所を探すことです。どれだけいい機材を持っていても、都会の真ん中で天の川を写すことは至難の技です。逆に、ものすごく光害の少ない場所で撮影したら、入門用の機材でも驚くほど綺麗に天の川を写すことができます。街から離れた場所、例えば夏のキャンプなんかに行ったときに、空を見上げたらものすごい星が見えたという経験は一度くらいはあることかと思います。そのような場所なら天の川撮影は十分できるはずです。

暗いところに行って車から降りて、あれ?何も見えないと思っても諦めないでください。車のライトで、目が明るいところになれしまっている状態では天の川は見えません。少なくとも暗い状態で何分か待って、改めて天の川が目で見えるか確かめて見てください。空にうっすらと白いモヤモヤしたものが天の川です。人間の目は光を溜め込むことができないので、写真ほどはっきりとは見えないことも覚えておくべきでしょう。うっすら見えるくらいならカメラで撮れば十分に見えてきます。


季節と時間も大事です

場所と同じくらいに必要なのが、季節と時間です。夏の方が濃い天の川を楽しむことができます。冬も天の川は出ていますが、夏に比べたらとても薄いです。そもそも天の川とは地球から見た銀河の断面方向を見ていて、夏の南の方角が銀河の中心方向を見ることになるからです。基本的には春先なら夜中以降の遅い時間、夏なら一晩中、秋なら日没からしばらくの間と思えばいいでしょうか。どの時期でどの時間に見るといいかもっと調べたい場合はプラネタリウムソフト、例えば無料のStellariumなどを使うといいでしょう。




もう一つ見栄えに大きく関係するのが月です。月は天の川に比べてものすごく明るいので、基本的に月が出ているときは天の川撮影には向きません。月が邪魔するかどうかも先ほどのStellariumで調べることもできますが、月の満ち欠け月の出入りの時間がわかるサイトもありますので、利用するといいでしょう。私はiPhoneで「Diana」というアプリを使って調べています。アンドロイド用もあるみたいです。


透明度

さらにもう一つ重要なことがあります。もちろん天気は重要で雲が出ていたらダメなのですが、それだけではなて「透明度」というのがとても天の川の見え方に効いてきます。これはなかなかわからないかもしれませんが、昼間に遠くの山がはっきり見えるなんていう日は透明度が高い日が多いです。富山では立山の見え方が日によって大きく違い、たまに驚くほどはっきり見えます。こんな日は天の川日和です。


実際の遠征

こうやって見ると、実は天の川を撮影できる日は思ったより少ないことがわかります。夏前後で、暗い場所に遠出ができる休日前とかで、新月期に近くて、天気が良くて、かつ透明度が高い。都会に住んでいてい忙しい人だと、年に何日チャンスがあるかわからないくらいかもしれません。それにもめげずに撮影に行くわけですから、チャンスだと思った日にすぐに出発できるように事前準備をきちんとしておく必要があります。

まず忘れ物はないか?メインの機材は
  • カメラ本体、レンズ、三脚、レリーズ、ヒーター
などです。でもそれだけではありません。例えば
  • メモリーカードは入っていますか?十分な空き容量はありますか?
  • カメラの電池は充電されていますか?予備の電池もあった方がいいかもしれません。
  • 小さなライトがあった方がいいかもしれません。スマホのライトなどでもいいですが、他の人の迷惑にならないように、あまり明るくないもの、できれば赤いライトが望ましいです。赤いライトがなければ、赤い透明のフィルムをライトのところに貼っておくだけでもいいです。赤いフィルムがなければ、サランラップに赤いペンで色をつけて貼っておくだけでもいいです。
夏だからよっぽど大丈夫かと思いますが、山の上などは思ったより寒いかもしれません。
  • 防寒対策
もしておいた方がいいともいます。また、虫刺されに悩まされることも多いので、
  • 虫除け
もあった方がいいでしょう。あとはお腹が空いたときの夜食とかでしょうか。

あと、安全にも気をつけてください。暗いところなのでなかなか見通しがききません。できるなら昼間に一度下見に行っておいた方がいいかもしれません。山の中だと熊が出ることもあります。音楽を鳴らすなど、音を出していた方が動物たちも寄ってこないので安心です。最初はできるなら一人よりも、複数人で行く方がいいと思います。天の川の絶景ポイントには天文を趣味とする先客がいるかもしれません。話しかけてみると色々教えてくれるかもしれませんし、何より仲間がいた方が何かあったときも安心です。



撮影練習

さて、実際の撮影に入りますが、以下で説明することを時間のある昼間のうちに練習しておいた方が絶対にいいと思います。昼間の明るいうちに色々なスイッチを確認しながら、それこそカメラを見なくても手で触るだけでどこにどのスイッチがあるかを知っておくと、当日の暗い中での撮影がものすごくスムーズになります。星の撮影は基本的に全てマニュアルモードで行います。
  1. カメラの上部右のダイアルを回してMのところに合わてマニュアルモードにします。もしレリーズをさすと、自動的に外部からコントロールできるバルブモードになります。
  2. 実際によく忘れるのが、レンズ本体の設定です。レンズのところに切り替えスイッチがありますが、マニュアルフォーカスモード(MF)、手振れ補正(STABILIZER)はオフにします。
  3. カメラの背面のメニュー(MENU)ボタンで色々設定します。まず、撮った画像の保存ファイル形式はできるだけいいものを選びましょう。JPGなら一番圧縮率が低くファイルサイズが大きいもの。できるなら後で色々加工しやすいようにRAWで残しておいた方がいいです。私はファイルサイズは大きくなりますが、基本的にRAW+JPGで両方とも残すようにしています。
  4. ホワイトバランスは白色蛍光灯か白熱電球のほうが夜空の色に近く見えます。本当はきちんとホワイトバランスを合わせた方がいいのですが、RAWで撮っておけば後から変更できるのでそれほど気にしなくてもいいです。オートホワイトバランスは何枚も撮影していると途中で色温度が変わることがあり、統一処理ができなくなるため、やめておいたほうがいいと思います。
  5. 絞りはレンズの一番明るいところに合わせます。Fの値を一番小さくするという意味です。今回の標準レンズの場合F3.5にします。星像が変な形になる、周辺減光がひどいなどという場合は少しFの値を大きくして絞ります。注意することは、あえてきちんとF値を設定しないとFが勝手に大きくなったままになってしまって撮影してしまうことがあるので、必ず確認したほうがいいです。
  6. ノイズリダクションなどの機能は基本的に全てオフの方がいいと思います。ただし、後で画像処理をすることが前提です。画像処理をしない場合は長時間ノイズキャンセル機能はオンにしてもいいかもしれませんが、撮影できる時間が半分になってしまうので時間がもったいないです。
  7. 液晶画面の明るさは普通の設定だと明るすぎるののと、暗さに慣れた目を戻さないように一番暗くします。
  8. ピントを星に合わせるのは意外に難しいです。できるならば昼間に(距離はレンズによりますが)数キロメートルと十分離れたところを見ながらピントを合わせて、その位置でピント調節リングをテープなどで固定してしまいます。ちょっと高いですが、パーマセルテープが便利です。レンズによりますが、必ずしも無限遠の設定で本当にピントが合うというわけでもないので、きちんと確かめたほうがいいです。
  9. シャッターを押す際の星像のズレを防ぐために、レリーズやリモートシャッターを使うなら、昼間のうちに操作に十分に慣れておいて下さい。
  10. 一度、三脚に乗せてカメラがきちんと固定できているか、ガタがないか、方向を変えることができるかなどもチェックします。暗闇で三脚に固定するのも、カメラの向きを変えるのも、明るいところとは勝手が違います。
  11. 意外にも、レンズキャップや、レンズの付け替えなども暗闇では大変です。外したレンズキャップをしまう場所もあらかじめ決めておいた方がいいでしょう。
  12. 小さなライトを用意しておくといざという時に楽です。ライトには赤いフィルムを貼るなどして、暗闇に慣れた目を戻さないようにする工夫などが必要です。
  13. ISOや露光時間、F(絞り)を変える場合のスイッチの位置を改めて確認しておくといいでしょう。これらは暗闇で何度もいじる必要があるので、手探りだけでスイッチの位置がわかるようにしておく必要があります。
  14. 撮影した後に、何秒間画像を表示するかの設定も見直しておきましょう。4秒くらいが適当でしょうか。また、撮影画像を後から見る方法もきちんと確認しおきましょう。青い三角マークのプレイボタンですね。撮影画像を表示した状態で、拡大する方法も練習しておきましょう。撮影した画像のピントが合っているかどうか、その場で確認したくなるものです。

ここまでをとにかく昼間のうちに準備してしまいます。できるならば、これらのことは真っ暗なところでもできるように、暗い場所で何度も練習しておくことをオススメします。

さて実際の撮影ですが、本番当日の撮影をする前に余裕があるなら、別の日に事前に夜の星の撮影を試すといいです。多少周りが明るい自宅からとかでもいいので、夜空を写してみてください。意外に星が写ることにびっくりすると思います。十分な練習をしてから、本番の当日の撮影に向かいます。



実際の撮影

さて、いよいよ本番です。練習も繰り返して準備は万端なはずです。臆せずに撮影開始といきましょう。
  1. もし昼間にピントを合わせ忘れていた場合は、Live viewで明るい星を映してから、それを5倍か10倍で拡大して、一番小さく見えるところにフォーカスリングを合わせます。パーマセルテープなどで固定したほうがいいでしょう。慣れないとこれが一番難しいかもしれません。後から画像を見て、ああピントがずれてたと後悔することがないようにきちんと合わせましょう。
  2. ライブビューモードは楽ですが、カメラの温度が上がりすぎてノイズが出やすくなります。基本的にライブビューは切って撮影します。
  3. さて、天の川にカメラを向けます。方角ですが、天の川は東の空から出始め、時間とともに徐々に立ち上がってきます。夏だと南側にそびえ立つ雄大な天の川が楽しめることでしょう。目で天の川が見えるくらいならそちらにカメラを向けてください。
  4. 画角はこんなサイトや、Stellariumでも手持ちの機材を登録すれば(実はこの機能結構便利です。)計算できたりしますが、まずは実際に撮ってみた方が早いでしょう。18mmでも天の川の濃い部分なら結構な範囲が入るはずです。
  5. その際、水平度はきちんと取るといいでしょう。X7は水平出しの機能がないので、三脚についている水準器があればそれを利用するといいでしょう。
  6. ここから最後のパラメータ選びになってきます。ISO感度とシャッター速度です。ISO感度をいくつにするかは周りの明るさによるので、何枚か試し撮りをして決定します。感度はノイズに直結するので、ノイズが目立たない程度の最大のISOを探します。機種やレンズにもよりますが、ISO1600か3200くらいが適当かと思います。最初あまりノイズを気にしないのなら6400とかでもいいと思います。今回の撮影ではこれまでの経験上ISO3200に統一しようと思います。
  7. シャッター速度(露光時間)ですが、レンズの焦点距離や方角にもよりますが、30秒くらいまでだと拡大しなければなんとか星が流れずに見えます。余裕を持って20秒くらいまでが適当かもしれません。今回はの撮影では多少拡大してもいいように20秒にしようと思います。
  8. 実際にシャッタを切って(レリーズがあれば露光時間を設定してからレリーズのスタートボタンを押して)しばらく待ちます。一番ドキドキする瞬間です。露光時間の20秒がすぎて画面が液晶モニターに映し出されると思います。天の川は写りましたか?目で見るよりはるかに濃い天の川が見えているのに驚くことと思います。もしここでまだ、天の川としては大したことないなとか思ってもがっかりしないでください。画像処理でもう少しあぶり出して見栄え良くすることができます。
  9. その後、画角などを合わせ直して、何度か撮り直します。明るすぎたり暗すぎたりしたら、ISOを小さくしたり大きくしたりしてちょうどいい明るさになるように変更します。
  10. レリーズなどでずっと連続して撮影すれば、後からタイムラプス映像などもできますね。

とにかく、事前の練習がすごく有効だと思います。暗い中で、手だけでボタンの位置を覚えてしまうくらいにしておかないと、実際の撮影ではなかなか上手くいかないでしょう。

とりあえず今日はここまで。明日から3連休。高気圧で全国的に天気もいいようです。カメラを持って出かけましょう。私もこれから娘と一緒に実際の撮影に行ってきます。


次回は「その2」実際の撮影の様子です。
さらにその後、撮ってきた画像の処理を予定しています。できるだけ無料のソフトで済ませたいと思います。




七夕は全国的に大雨でしたが、次の日の8日は午前半ばから晴れ、夜には透明度の高い素晴らしい空を見ることができました。一日遅れましたが、この天の川を見る限り織姫、彦星も無事に会うことができたのかなと思います。


さて、先日購入したSAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMCの絶好のテスト日和です。始めた時間が遅くて、次の日も仕事なのでほとんど時間をかけることができませんでしたが、とにかくファーストライトです。

IMG_0634
撮影地: 富山県富山市自宅庭から, 2018年7月9日0時3分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, JPG), 露出20秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC
画像処理なし


これ信じられますか?自宅からの天の川です。RAWも撮りましたが、これはJPGの撮って出しで何の加工もしていません。この日は普通に目で見てもはっきり天の川が見える珍しい日でした。これまでも天の川が見えたことはちょくちょくありますが、自宅でこれほどはっきり見えたことはありません。富山なので確かに田舎ですが、それでも国道沿いの町で、周りは普通の住宅街です。この日は南の低い空まではっきり見えました。連日の雨がチリとかも洗い流してくれたのかもしれません。その代わり星は瞬いていて、シンチレーションは良くなかったのかと思います。

この日はたまたまホタルが庭に一匹迷い込んでいて、この写真に写り込んでしまいました。写真をクリックして拡大するとわかりますが、3つくらい光の筋が見えると思います。

20秒露光なので、拡大すると星が流れているのが見えますが、片ボケなどは見られないと思います。いや、フル開放2.8でこれなら十分すぎるかと思います。とりあえず何の不満もありません。でも高級レンズとか触ったことがないので、もしかしたら見る目が甘いだけなのかもしれません。周辺減光は噂通り激しいですが、私的には許容範囲です。下部の景色を見るとわかりますが、歪みはやはりひどいですね。でもこれはレンズ補正で緩和されるらしいので、これもあまり心配していません。うーんこの値段でこの写りなら十分満足です。


次は上空の天の川です。これもJPG撮って出しです。右が南側、左が北側です。

IMG_0642
撮影地: 富山県富山市自宅庭から, 2018年7月9日0時25分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, JPG), 露出20秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC
画像処理なし



上下左右と四隅を拡大してみます。

IMG_0642_four


真ん中と上はほぼ点像。右はまあ許容範囲、下は少し上下に流れています。左は下方向に少し残像みたいにずれています。四隅は左下が一番マシで、右上と左上が少し三角形になっています。右下は斜めに流れてしまっています。これも他のレンズの経験がないので何とも言えないですが、星像の乱れは微々たるものかと思われます。

実際、手持ちの誠文堂新光社の西條善弘氏著の「星空撮影&夜景撮影のための写真レンズ星空実写カタログ」の写真と比べると、SIGMAの14mm F1.8 DG HSMと比べても、F1.8なら圧勝、F2.8と比べても等価かむしろいいくらいです。書籍の中ではF2.8で「すばらしいと画面」評価されているので、少なくともこの個体の画像は悪い星像ではないと思われます。もう一つの候補だった、TAMRONのSP15-30mm F/2.8 Di VC USDとの15mm側で比較しても、F2.8では明らかに勝っているように見えます。CANON純正のEF14mm F2.8L II USMとは比較にならなくて、NIKONのAF-S IKKOR 14-24mm f/2.8G EDと比べても圧勝です。

書籍の方はどうやら周辺減光を補正してあるものを掲載しているらしいので単純な比較はできないかもしれません。うーん、それでもなんか良すぎる気がします。何か間違っているのか、ひいき目で見ているだけなのか?

でもまあ、不満がないということは精神衛生上いいことなので、たとえ将来後悔するかもしれませんが、今回は大当たりだったと思うことにします。


最後に上記画像を加工したものを載せておきます。以前自宅で撮った天の川がここにあります。リンク先の日も透明度は決して悪くないですが、かなり炙り出してこれなので、いかに昨晩の透明度が良かったかがわかると思います。

IMG_0642_RGB_VNG_DBE_cut
撮影地: 富山県富山市自宅庭から, 2018年7月9日0時25分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出20秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC
Pixinsight, Photoshop CCで画像処理 


自宅からコンスタントにこれくらい天の川が撮れればいうことないのですが、やはり昨晩の透明度は七夕の贈り物なのでしょう。

今年も蛍の季節がやってきました。富山に来てから毎年6月初めはゲンジボタルを見に行きます。もう何度目になるでしょうか?星を初めてからは、一昨年昨年と、今年で3回目の蛍になります。蛍が出るのは基本的に梅雨の季節ということもあり、蛍と一緒に星を撮るのは難しく、去年も雲の合間にちらっと星が写ったのみでした。

蛍の寿命は短いです。実際に乱舞して見えるのはせいぜい1-2週間です。梅雨入り直前の6月7日、平日ながら雲もあまりなくラストチャンスかと思い、思い立っていつもの蛍スポットに娘のNatsuと向かいました。夕方雲が結構あり本当に行くかどうか迷っていたので、自宅を出たのが20時頃、到着したのは20時半過ぎです。駐車場はいっぱいでしたが、蛍も一旦休憩に入る時間で、もう他の人はほとんど帰るような時間でした。到着するとカメラを向けている人が何人かと、子連れの家族が一組いるだけでした。

ほんの5分もすると、他に誰もいなくなったので早速撮影に入ります。なぜ誰もいない方がいいかというと、今回はASI294MCでの撮影を試したかったからです。CMOSカメラを駆動するのにPCが必要なので、その画面がどうしても明るくなってしまい、他の人に迷惑になってしまうからです。

時間的に蛍は少なくなりますが、それでもまだまだ飛んでいます。撮影を開始して、最初は雲が出ていましたが、次第に空一面晴れて来ました。遅い時間に来たのはもう一つ理由があります。天の川を狙いたいからです。蛍は暗くなり始める午後7時半頃から飛び始め、午後9時前くらいで数が少なくなってきます。天の川はこの時間だとこの時期まだ低い位置にいて、なかなか蛍と天の川が重なる時間がありません。今回のタイトルでもあるように、下のように今年やっと念願の蛍と天の川を取ることができました。


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富山県射水市, 2017年6月7日22時17分から22時33分
Canon EOS 60D(ISO3200), 露出20秒
SIGMA 10-20mm F4.5 EX DC HSMを10mmで使用
蛍: 露出20秒 x 41枚をSiriusCompで比較明合成
星: 22時33分から20秒露光したもの一枚を処理(Photoshopを使用)


今回も天の川がやっと光害の少ない暗いところに登って来た頃までのものです。この日はホタルの数も多く、この時間まで結構飛んでいましたが、これ以降はかなり少なくなってしまいました。天の川部分は20秒露光の一枚からの処理になりますが、場所柄それほど暗いところではないので、一枚撮りからの天の川はこれくらいが限界ですが、それでもやっと撮れたものなので結構満足しています。梅雨入りしてしまった今年は、おそらくもう蛍と撮るチャンスはないのでまた来年もう少し時間を見計らって撮影したいと思います。

下はもう少し早い時間帯の、まだ雲がある頃のものです。

IMG_5866a
富山県射水市, 2017年6月7日21時12分から21時20分
Canon EOS 60D(ISO3200), 露出20秒x24枚をSiriusCompで比較明合成
SIGMA 10-20mm F4.5 EX DC HSMを16mmで使用


下は6月10日の週末日曜に撮ったものです。上の水路の反対側で北西の方向です。この日はドン曇りで星は全く見えません。

IMG_5934a
富山県射水市, 2017年6月11日20時43分から20時53分
Canon EOS 60D(ISO1600), 露出20秒x18枚をSiriusCompで比較明合成
SIGMA 10-20mm F5 EX DC HSMを16mmで使用


最後に、一番上の天の川の写真を星まで含めて比較明合成したものです。晴れ渡っているのがわかると思います。

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ところで、上の方で言っていたASI294MCの画像が見当たらないと思われるかもしれませんが、こちらは主に動画で撮影しました。編集にもう少し時間がかかりそうですが、さすが超高感度CMOSカメラです。かなりすごい映像が撮れています。2018/6/14 追記: 動画アップ記事書きました。



 

前回の記事と少し前後しますが、先週11月12日の話です。

今回の飛騨コスモス天文台の観望会はめずらしく日曜日開催でした。子供達はこの観望会をすごく楽しみにしているみたいで、いつものように3人で数河高原を目指しました。明るいうちに着きたかったのですが、途中食事をとったりで、結局到着したのは18時過ぎ。車から出るととても寒かったですが、天の川がものすごく綺麗で、南西から北の方までかなりくっきりとかかっていました。

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この日の目的の一つは修理した赤道儀のテストでしたが、セットアップしている途中で電視に移ってしまい、最後まで試すことができませんでした。電視の方はというと、高山の方から来ている方が何人かいるということで、いつものM57とM27をみんなで見ました。ちょうどドームの中で写真をみせてもらったらしく、それが実際に空にあるものを見ることができたので、喜んでくれたようです。数河高原はさすがに光害も少なく暗い空です。星雲もとても色鮮やかに見ることができました。他にももう少し見ようとしたのですが、Nexstarの導入精度があまり取れていなかったので、あきらめてしまいました。それよりも天の川が綺麗なのと、おうし座北流星群が極大日だったので、普通に空を見上げて星を見るのが楽しかったです。

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今回子供メンバーはというと、4年生のKちゃんに、5年のSuke、中1のNatsu、中3のS君と、いつものメンバーで、走り回って大騒ぎをしていました。S君がSukeにとってちょうどお兄さんみたいで、いつも相手をしてくれています。途中Yさんが出してくれたコーヒーが暖かくてとても美味しかったです。子供達はお菓子をパクパク食べていました。Yさん曰く、修理したドームも夜に温度が低くなってもきちんと動いているということで一安心です。

実は今年度は今回で最後の観望会です。間も無く雪が降って来るので、来年の春、4月か5月くらいまでは車で入ることもできなくなってしまいます。みんな名残惜しそうに、「よいお年を」と声をかけ、22時頃にコスモス天文台を後にしました。代表のYさん、いつも双眼鏡や望遠鏡を出してくれるSさん、今回会えなかったですがコスモス天文台の皆さん、今年も楽しい観望会をありがとうございました。また来年春の観望会を楽しみにしています。



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