ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:調整・改造 > 整備・修理

前回のSCA260でのトール兜星雲の撮影で、赤道儀を反転させると星像が大きく崩れてしまいました。



日曜の昼間をかけて光軸ズレの原因を探っていました。なかなか大変でしたがなんとか解決しました。


光軸の確認と副鏡の調整

天気は雪だったり曇りだったり時に晴れたりでコロコロ変わり、赤道儀を外に出すのは憚られたので 、少し狭いですが玄関で作業です。

まずは先日起きたことの再現です。

1. 鏡筒が西側に来て水平になるように、赤道儀を回転させます。接眼部にコリメータをつけて覗いてみると、そこそこセンターにいますが、少しだけズレています。
01_West_initial

2. 次に赤道儀を反転させ、今度は鏡筒が東側に来て水平になるようにします。再びコリメータを覗いてみると大きくズレています。縦方向にマーカーが下に落ちたようなずれかたです。これだけずれているなら、前回の赤道儀を反転させた時の星像のずれも十分説明ができるのかと思います。
02_West_low

3. 赤道儀を再反転し鏡筒を西側に戻し、再現性があるかどうかを確認します。マーカーがセンターにそこそこ来ることを確認し、反転時のズレよりはたいしたことないことがわかったので、十分再現性があると言っていいでしょう。
02_West_2nd

4. ここで、接眼部にガタがあることに気づきました。持ち上げるとカタンとずれます。原因は接眼部根本の回転部の3本のネジが緩かったことです。回転の滑り具合を調整し易くするために、元あったイモネジからキャップネジに変えています。その際、3本の固定ネジも調整したのですがゆる過ぎたようです。実際には接眼部を持ち上げてガタを取った時のズレが下の写真くらいです。これは反転したときに比べても大したズレではないので、無視して3本のネジをもう少し締めてガタをなくし、先に進みます。
04_West_2nd_focuser

5. ここで一度、大したズレではないですが一応副鏡を触って中心のマーカーがセンターで同心円になるようにします。 
05_West_center

6. 次に、何がずれているか確かめるために、鏡筒を東側にして、マーカーがズレた状態で副鏡二つのネジを90°程回して大きく調整し、センターに持ってきます。副鏡調整でマーカーをセンターにすることが可能だとわかったので、この時点でなんらかの理由で副鏡がずれていると判断しました。
IMG_4314
IMG_4315

IMG_4316
IMG_4318

06_East_centering

7. 主鏡が少しズレているようなので(上の写真の一番黒いリングが、外のリングと同心円になっていない)、主鏡のネジを2つそれぞれ90°程度回転し、調整します。ですが、主鏡のズレはそれほど重要でないことが後でわかりました。

IMG_4322
IMG_4323

IMG_4324
IMG_4325

IMG_4326


上部アルミプレートを外したことの影響

次は、一番怪しいと思った上部プレートを取り付けて同じようなことを繰り返します。

1. この時点では上の一番最後の写真のように、鏡筒が東側にあって、マーカーがセンターに来ている状態です。

2. 作業しやすいように鏡筒をホームポジション(鏡筒が真上に来ていて北を向いている状態)に戻し、自分で取り付けた2つのハンドルを外し、もともとあったアルミのプレートを鏡筒上部に取り付けます。

3. 再び鏡筒を東側にして水平を取りますが、マーカーはほとんどずれていません。
IMG_4328
11_East_after_upperplate

4. 次に赤道儀を反転させ鏡筒を西側にしてコリメータを見てみます。これでズレてなければプレートを外したことが原因で鏡筒のたわみを引き起こし、副鏡がズレたことになります。果たして...ズレは???

12_West_after_upperplate

なんと、前回見た時と同じくマーカーが下に落ちたような状態でした。ズレ幅もほとんど変わりません。ということは、上のプレートは関係ない?言い換えると、鏡筒のたわみとかではない???


じゃあ原因は?

うーん、この時点で一時中断。いろいろ考えます。鏡筒を西側、東側どちらにおいて合わせても、反転するとマーカーが下に行く。ということは重力が関わっている可能性が高いです。

いろいろ考えながら鏡筒を見たり触ったりしていると、副鏡を触ったときに「カタッ」と音がなりました。鏡筒内に手を突っ込み、副鏡を下から持ち上げるようにするとなんとカタカタ動くではありませんか!どうやら副鏡周りのネジが緩んでいるようです。

ところが、副鏡調整の3本のネジを締めても、中央のネジをかなり締めてもまだ同じようにカタカタ動きます。副鏡がどうやって取り付けられているのかわからなかったので一旦外そうと試みますが、SCA260の副鏡はかなり大きくて、スパイダーの隙間から出てきそうにありません。スパイダーごと外すか迷ってネジに手をかけて緩めようとしてふと立ち止まりました。

もしやと思って、手をつっこんで副鏡を回転させてみると、なんと副鏡をネジを締める方向に回すとうまく固定できるではありませんか!実際、一回転以上の緩みとなっていて無視できないような量でした。

この緩みが最初からあったのか、途中からあったのかわわかりませんが、副鏡が緩んでガタつくことがあり得るということは心に留めておいた方が良さそうです。ちなみのこの副鏡のガタ、少し触ってくらいでは多分気づきません。鏡筒内に手を突っ込んで副鏡全体を手でつかんでわかるくらいです。


一難去って、また一難、真の原因は?

これで問題解決のはずなので、嬉々として鏡筒を東側と西側でそれぞれ水平にして念のためマーカの位置を確認します。さて、結果はというと....

13_submirror_screw

え、え、え???

ズレの量は3分の1くらいにはなりましたが、まだ有意にズレが残るようです。

念のため副鏡を揺らしてみると、それでもまだ少しカタカタ揺れるではありませんか!!!

もう副鏡はきちんとねじ込んであるのでしっかり固定されています。それでも微妙にどこかがカタカタ揺れるのです。

いろいろ触っていてわかったのですが、結論としては二方向あるスパイダーの片方の張り具合が十分ではありませんでした。鏡筒外側の大きなマイナスネジを両側で締め込み、十分なテンションを持たせることで、やっと揺すってもガタガタいうことは無くなりました。

IMG_4334

この時点で再び東西でマーカー位置を比べると、やっとどちら向きにしてもセンターに止まり、動かなくなりました!!!

おそらくですが、このスパイダーの緩みは上部プレートを外したことによって引き起こされた可能性が高いと思っています。上部プレートはそこそこの強度を保っていますが、スパイダーの張力と釣り合っていたはずで、プレートを外した瞬間にバランスが崩れたるんだのかと推測しています。この場合は完全に自己責任ですね。


結局プレートを外してもOK

その後、上部アルミプレートを再び外し、ハンドルに取り付け元に戻します。ここでも一応東西でマーカーのズレがないことを確認し、作業終了です。

プレートが原因でないことはかなり助かりました。プレートを再び取り付けなければならないとなると、また慣性モーメント激増で、揺れとの戦いに戻るからです。


まとめ

実際の原因は、予測したものと全然違っていました。むしろ予測よりもっと単純なものでした。でもこんなのでさえ、見つけるのは結構大変なんですよね。

今回2つの問題がありました。
  • 一つは、副鏡が回転してしまっていてきちんと固定されていなかったこと。
  • スパイダーの張りが十分でなかったこと。
これらがいつ発生したかは不明です。後者はおそらくプレートを外した時ですが、前者は一回転以上とかだったので、後から緩んだ量としてはちょっと多すぎるかと思います。M33とかでも赤道儀反転はしていましたが、天頂付近だったことと、まだ揺れとの戦いの最中だったので気づかなかったのかもしれません。実際、トール兜の一夜目の時もシーイングが悪いとこんなもんかと思っていました。

いずれにせよ、今回きちんと原因が確定して解決の方法もわかったので、今後SCA260での南天時の赤道儀反転も心置きなくできます。今後同様な問題が再び出たとしても、ここら辺を疑うことで回避できるのかと思います。

今回のように、マニア向けの天文機材の場合、問題が起きた場合や普段の調整なども含めて、ある程度自分で解決することが必要となります。これを不満と感じてしまうか、楽しいと感じるかは人それぞれかと思いますが、少なくとも私はこういったトラブル解決や改良などが楽しくてたまらなくて、天体趣味の大きな動機になっています。

次回撮影でどんな成果がでるか、とても楽しみです。


もうずーっと天気が悪くて、撮影も何も全くできていません。ブログネタも全然ありません。

そんな中、久しぶりに星仲間と会いました。いつものかんたろうさんと一緒に、以前牛岳で集まった県天のKさんです。KさんはDSOはまだ初心者なので、撮影の現場で困らないように、一緒に見て欲しいとのことです。もともとこの日は「天気が良ければどこかで撮影でもしましょうか」と話していました。でも朝から時々土砂降りの雨が降るような状態で、今晩の天気予報が悪そうなので、「いっそのこと昼間に集まりましょうか」ということになりました。目的はKさんが望遠鏡について色々見てほしいというものです。場所はファミレスとかの案も出ましたが、望遠鏡があるので結局私の家に集まることに決定です。

でも妻に許可を取ろうと電話をかけると、ちょうど忙しい時だったようですごく機嫌が悪くて、低頭低位「家の中に入らず、外にいるだけでなんのお構いもなしでいいから」というのでやっと許可が出ました。そのことをかんたろうさんに伝え、まあ軒下で望遠鏡を展開すれば雨もなんとかなるだろうということで、Kさんにも伝えてもらいました。

13時半頃、かんたろうさんが到着。宮路泉さんにずっとお借りしたままになっている4倍のPowerMATEが、(支払いを済ませた)かんたろうさんに所有権が渡ったとのことなので、忘れないように渡します。軒下に椅子を出して少し話していると、Kさんも程なく到着。


三脚の交換

早速望遠鏡をセッティングしますが、まず試したかったというのが以前の牛岳だけでも問題になった三脚を交換することです。赤道儀はVixenのSX2ですが、三脚は構造上どうしても弱くて、揺すったり捻ったりするとグラグラしていました。「うちにあるAdvanced VXの三脚に交換したら揺れがどれくらいになるか見てみたい」と言うのです。

取り付けは三脚の穴の方が大きく(60mm)、赤道儀の下部の径の方が小さい (45mm)のですが、とりあえずハマるので、ネジで締めてしまえばよしとします。三脚側に水平調整の棒があると赤道儀の枠が当たってしまい センターが出ないので、その棒は外しました。ねじを締めたらとりあえずガチガチに。

多少どう揺らそうと、全く揺れることはありませんでした。違いはやはり直径50.8mmの極太ステンレスの脚と、その3本の足を下の内側から押し上げることでガチガチに固定することでしょうか。ネジれやずれが出る余地も無くなるので、結果としてガチガチになるわけです。

やはり三脚を変えるのが優先ではという話になりました。アイベルに同等品が売っていて、Vixen用の赤道儀に対応したものも販売されているようです。




Kさんの新鏡筒

そうそう、鏡筒に触れないわけにはいきません。なんとFSQ85です!最近購入したとかで、かんたろうさんと私は羨ましそうに見つめるだけでした。FSQを選ぶくらいなので、当然撮影をしたいわけです。でもSX2でのDSOの導入さえままならなくて、撮影までたどりついていないとか。明るい惑星とかは大丈夫なのですが、目でなかなか見えないDSOは難しいとのことです。


セッティング時のアドバイス

最初からKさんの手順で一通りやってもらいます。

極軸望遠鏡で極軸を合わせ、ホームポジションに持っていきます。三脚とホームポジションは水準器を使って合わせているというのでいいのですが、ホームポジションの方は鏡筒に水準器を当てているということです。Vixenの赤道儀は西向きがホームポジションなので、その状態で鏡筒の真上に水準器を当てると、赤経方向は精度がそこそこ出ますが、赤緯方向はあまり精度が出ないはずです。

また、初期アラインメントをやらずにファインダーを使って手動導入しているようで、星雲は見えないので恒星で位置を確認したが、時間ばかりが過ぎていくとのことで、DSOを見るにはやはりいくつか問題がありそうです。

二人でキーポイントを順に説明していきました。
  1. 赤道儀の水平は取っておいた方がいい。
  2. 極軸はSharpCapやPoleMasterなどの電子極望を使うと精度が出るが、最初は大変なので付属の極軸望遠鏡を使えばいい。その際は一度北極星などを中心にして、短時間のうちに赤経体をぐるっと回して、中心に入れた星が回転しないか確かめること。これは確認なので、一度だけやればあとは年一回くらいで確認すればいいということ。
  3. ホームポジションは、赤経体の角度確認は鏡筒に水準器を赤緯体に載せるような方向で当てて確かめる。赤緯体の角度確認は鏡筒に水準器を赤経体に載せるような方向で当てて確かめる。
  4. 赤道儀の水平の誤差、極軸の誤差、ホームポジションの誤差が積算されたものが、自動導入、自動ちびの誤差になる。初期アラインメントで複数の星を使えばその誤差を補正するので、少なくとも2スターアラインメント、できれば3スターアランメントにした方がいい。
  5. その後、DSOは自動導入を活用することで導入できるはず。

カメラについてのアドバイス

などです。それでもこれまでなかなかうまく導入できないということなので、よくよく聞いてみたらカメラがASI290MCだとのこと。これは主に惑星用なのですが、センサー面積が小さいので最初の初期アラインメントなどでも視野に入ってこないのは十分あり得ることです。

そこでカメラ議論になって、「無理にCMOSカメラにせずに一眼レフでいいのでは?」という話になりました。するとその場で出てきたカメラがなんとEOS 5Ds R!! 非天体改造とのことですが、流石にこれを改造するのは勇気がいりそうです。

「これでもいいのですが、ちょっと重いのでは?」というと、EOS 60Dが出てきました。こちらも非改造ですが、最初はこれでいいのかと思います。FSQ85の焦点距離が450mmなのでAPS-Cのカメラだと例えばM31アンドロメダ銀河が画面いっぱいにちょうど収まるくらいのはずです。

カメラついでにですが、なんとKさん所有レンズの中からCanon純正のサンニッパが出てきました。でっかくて、専用ケースまでついているとのことです。Kさんすごい!


ソフトについてのアドバイス

まずは天体改造があまり関係ない銀河で撮影して、画像処理の練習をした方がいいのではというアドバイスになりました。これまで触ったのは惑星用のAutoStakkert!3とか、RegiStaxだけで、まだDSO用のスタックソフトも、Photoshopなどのレタッチ系のソフトも触ったことがないとのことなので、まずはこちらで練習です。フリーでやるならDSSとGIMPでしょうか。英語が苦手とのことなので、ステライメージ9とPhotoshopがいいのかと思います。


ガイド鏡についてのアドバイス

鏡筒は全く問題ないのですが、今日のもう一つの課題がガイド鏡です。「長時間撮影しようとしても星がすぐに流れるとのことなので、ガイド鏡をかなり前に買ったのだが全然使えていない」とのことです。ガイド鏡は口径50mmの焦点距離がおそらく200mmのもの。カメラがQHY5L-IIMかと思います。電子ファインダーとしても使いたいとのことですが、カメラのセンサー面積がかなり小さいので、実はFSR85とASI290MCと同程度の視野しか見ることができず、ファインダーの意味をなさないことを理解してもらいました。なので、
  1. 今のガイド鏡を使うなら電子ファンダーは諦めて、初期アラインメントをしっかりやって自動導入の精度を上げること。
  2. その上で60DでISO12800程度で数十秒露光するとDSOは普通は写るはず。これで写ってなければ自動導入の精度が悪いので、まずはきちんとDSOを確認しながら、その上で位置を微調整するといいのでは
とのアドバイスになりました。

でもカメラも色々トラブルがありました。Kさんが持っているASI290MCを忘れてきてしまったとのことなので、私の手持ちの同面積のASI462MCを使いました。でもZWOの相当古いドライバーが何故か複数インストールされているみたいで、カメラを認識しません。うまく自動でアンインストールもできないので手動でアンインストールしてから、最新のドライバーをインストールしてASI462MCが認識されました。

また、QHYのドライバーが入っていなかったので、一から入れたのですが、ちょっとZWOに比べて不安定な印象です。私はQHYのカメラを使ったのは初めてなのですが、サードパーティのソフトをインストールする選択肢があったり、ドライバーも機種を選ばなけらばならなかったり、慣れている人にはいいのかもしれませんが、初心者には少し敷居が高い気がしました。またドライバーインストール後も、接続しても最初全然動かなくて、何度かドライバーの入れ直し、PHD2やSharpCapの立ち上げ直しで、やっとカメラで写している画面が見えました。見えた後も突然画面の更新が止まったりで、私とかんたろうさんの二人がかりで苦労していました。おそらく初心者のKさんでは全く太刀打ちできないレベルかと思いました。でもこれは慣れのせいかもしれません。機会があればまたQHYのカメラをじっくり試してみようと思います。

ガイド鏡に対するアドバイスとしては、
  • 電子ファインダーも兼ねるなら焦点距離50mm程度の視野の広いものの方がいいこと。
  • ガイドも焦点距離は本鏡筒の10分の1程度でいいので、FSQ85なら、50mm程度の焦点距離で十分なこと。
  • カメラは安定なものにした方が本番で困らない。
などとなりました。


まとめ

IMG_3296


すでにかなりの数のアドバイスとなっています。おそらく影時に誰か詳しい人に一緒にいて見てもらった方がいいと思います。多分一人で暗い中でやると、たとえ明るいうちに理解していても現場でトラブってパニックになるかもです。

夕方近くになり、しばらく色々話しながら、気づくと大きな虹が出ていました。あ、Kさんから果物をいただきました。家族で食べましたがとても美味しかったです。どうもありがとうございました。

IMG_3301

今回はKさんへのアドバイスをまとめる形になりましたが、久しぶりに仲間と会うのは楽しいものです。コロナ禍なので一緒に食事とかとはいきませんが、天文趣味はあまり密になることもないので、まだいいのかもしれません。ちなみに、かんたろうさんもKさんもすでにワクチンは二回打っていたので安心でした。私は明日やっと一回目です。

結局夜も外に出るとドン曇りです。撮影なんかはできるような天気ではなかったので、昼に集まるので正解でした。


前回のASI290MMに続いて、


今回は、同システムを使ったEOS 6Dのクリーニングです。


これまでの6Dの経緯

でも6Dって4月初めにクリーニングしたんですよ。その時の結果が
IMG_3360_RGB_VNG_ABE
になります。 

でも、青い馬星雲を処理した時の途中の画像を見ると
masterLight_DBE
と、既にゴミが入ってしまっているのです。

その時のフラット画像(PixInsightでABEをかけてやっとこれだけ見えるようになりました)を見てみると
IMG_3474_RGB_VNG_ABE
ゴミがいくつか残ってますが、ほとんどのものはうまくフラット処理されています。ほんの数個、天体撮影中、もしくは天体撮影時とフラット撮影時で、動いてしまうゴミがあります。これを覗くことが目的と言えます。


新しいシステムとの比較

6Dでのセットアップはこのようになります。
IMG_2428
レンズが大きくて重いため、フルサイズカメラでも全くふらつくことがありません。光源が紫色に見えますが、これで天体改造した6Dだとちょうどホワイトバランスが取れています。

今回の新しいシステムで先と同じセンサーの汚れを見てみると、
Capture_00017 15_19_14_WithDisplayStretch
と、遥かに汚れていることがわかります。汚れ自体は特に変わっていないはずです。よく見えるようになっただけです。

フラット補正などもしていなくて、SharpCapのストレッチだけでこれだけ見えるのは、やはり周辺減光の少ない中判レンズを使ったからかと思います。


このシステムの課題も見えた

ただし、この画像をコンスタントに出すのは難しいことも分かりました。

まず、SharpCapに6DをASCOM経由で接続します。この機能自身がまだベータ版のみで使えるものです。


ところが、この時に静止モードでsnapshotなどどの撮影方法をとっても、ストレッチした見たままの画像で保存することができず、ストレッチ前のRAWのような状態でしか保存することができません。仕方ないので、見たまま保存するためにライブモードにしますが、シャッターを切り続けることになります。まあ、これは気にしないこととしましょう。

とことが、シャッターを切り続けると、どうもこのライブモード時のシャッター毎に明るさが一定にならないようなのです。6Dのセンサー性能を測定した時


同様に明るさが一定にならずに調整をひたすら繰り返し、1000回くらいシャッタを切ったことを思い出しました。どうもSharpCapでDSLRを接続した時のライブモードのバグのようです。そのため、今回は上の画像のとことまで炙り出さずに、少し見にくいですが、多少明るさがばたついてそこそこ見えるくらいになるように炙り出すことにします。


クリーニングスタート

上記画像をそのように調整すると

Capture_00003 15_23_11_WithDisplayStretch_start
と多少暗くなりますが、これがスタートになります。

まず、前回の記事のASI290MMでも使った、フルサイズ専用のスワブを使います。
センサークリーニングスワブ
 

一度だけ拭いたのが以下になります。
Capture_00001 15_28_34_WithDisplayStretch_swab1
少し左上に残っていますが、ここで止めればよかったんです。


泥沼の始まり

気に入らなくて、もう一度同じスワブで拭いたら下のようになりました。
Capture_00001 15_31_36_WithDisplayStretch_tool2
左上のゴミは少し少なくなりましたが、右の方に縦にゴミが見事に並びました。ここから迷走です。

次はスワブにエタノールをつけて拭いた場合です。
Capture_00001 15_33_17_WithDisplayStretch_ethanol
ゴミはかなり取れましたが、拭きムラが残っています。

拭きムラがさらにひどくなると以下のようになります。
Capture_00001 15_34_41_WithDisplayStretch
でもこれは、乾いたスワブで何度も拭き取ることできれいにすることができます。このときに新しいスワブを出しました。ASI290MMから合わせて4本目です。でもその代わりに下のようにいつのまにかゴミがついたりします。
Capture_00001 15_36_23_WithDisplayStretch_after_mura

もうこうなってくると泥沼ですね。

この後、拭きムラとゴミをひたすら繰り返し、一進一退。毎回のクリーニングのたびに保存した画像だけで20枚。そのうち嫌になって画像も残さなくなって30回以上色々試したので合計50回以上、拭いて、モニターして、というのを繰り返しました。その中で一番酷かったのがこれでしょうか。拭きムラは最悪、かつゴミもまたついてしまっています。
Capture_00001 15_51_10_WithDisplayStretch
でも重要なことは、傷さえつけなければ、ゴミも拭きムラもとることはできるということです。


最終結果

もう最後の結果だけ示します。上の画像から1時間半後の画像です。
Capture_00001 17_02_14_WithDisplayStretch_ok
まだ濃いのが一つ、細かいのはいくつも残っていますが、これが限界でした。この最後の一個を触る勇気が出ませんでした。

おそらくこのゴミもフラット補正さえすれば全く問題ないレベルになるかと思います。これで満足することにしました。


まとめと今後

とにかく、大きなサイズのセンサーはキリがないことがよくわかりました。スワブを使ってもかなり丁寧に吹かないと、すぐにムラになったりゴミが残ったりします。意外にスワブが何度か使い回しが効くこともわかりました。ゴミはそこそこコントロールできますが、全部いっぺんにというのはかなり運に任せるしかないです。

ゴミがある程度の数になったら、大体の位置はわかるので、PENTAX イメージセンサークリーニングキット O-ICK1 39357(通称ペンタ棒)を使った方がいいのかもしれません。



次はこれを仕入れてやってみることになりそうです。

とにかく今回は疲れました。毎回の吹でかなり気を使うのと、先が見えないことです。毎回見るシステムを組んでこれです。もしかしたらセンサークリーニングは素直にメーカーに出すのがいいのかもしれません。でも天体改造をしたカメラも受け付けてくれるのでしょうか?


以前、6Dのクリーニングの記事を書きました。



前回の反省から、今回もう少し楽に確実にクリーニングする方法を考えてみました。


クリーニングのセットアップ

タイトルには大袈裟なこと書いてますが、なんのことはないF値の高いレンズに一眼レフカメラやCMOSカメラを取り付けて、SharpCapで汚れをモニターするだけのセットアップです。センサーをクリーニングして、その都度状況が見えるように、センサー部を取り外し易くしています。


使ったもの:
  • 光源: iPad ProでColorScreenというアプリを使い、任意の明るさと色を出す。
  • レンズ: Pentax 6x7の200mm。中判レンズで、周辺減光が少ないのがメリット。収差がひどく撮影に使えなくて余ってた。大きくて重いので、カメラをつけてもふらつかない。
  • アダプター:  Pentax -> Canon EFマウントへの変換、さらにCMOSカメラ用にCanon EFマウント->アメリカンサイズへの変換
  • モニターソフト: SharpCap。オートストレッチをしないと、ほとんどゴミも何もわからないので、SharpCapか、それに相当する機能を持つソフトが必須。最初はリアルタイムのフラット補正を使い、きちんと炙り出そうと考えたのだが、6x7レンズにしたために周辺減光がほとんどなく、この点に関してはSharpCapを使うメリットはあまりなかった。

今回テストクリーニングしたカメラはASI290MM、EOS 6Dです。

まずはASI290MMです。こんな感じでセットしてます。

IMG_2427

まあ、みるも無残な酷い汚れですね。さてここからクリーニング開始です。もともとクリーニングをもう少しシステム化したくなった動機がこのASI290MMです。太陽を撮影していても、ゴミが酷すぎて画像処理に影響してしまったからです。

センサー面のクリーニング

まずはクリーニング前の初期画像。実際の撮影後の画像処理ではここまで汚れているは思いませんでした。この中の目立つ大きな汚れが影響しているのだと思います。

Capture_00003 14_14_57_WithDisplayStretch_start

設定を説明しておきます。レンズのF値ですが26くらいで始めています。SharpCapはわかりやすいようにGain100、露光時間100ミリ秒にしています。iPadのScreenColorはRGBともに256段階中の256になるように設定しています(上の写真を拡大すると実際の数値がわかります)。周辺減光も少しはありますが、汚れを確認する分にはフラット補正などなしでも十分なようです。

次にブロアーで拭きましたが、ほぼ全く変わらずの画面なので割愛します。あいからずブロアーはほとんど効果がありません。

次が重要で、センサーを保護する目的でついているフィルターガラスを外して見てみます。
Capture_00005 14_16_19_WithDisplayStretch_nofilter
前の画像と比べるとよくわかりますが、画面で見て大きくてぼやけた汚れがフィルターについていたもの、小さくてシャープな汚れがセンサー面についているものとわかります。

このように、何度も簡単に残りの汚れ具合が確認できるのが、今回のシステムのポイントです。

試しに綿棒で拭くとこんな風になります。ひどいですね。
Capture_00006 14_18_42_WithDisplayStretch_nofilter_menbo

ここで今回の新兵器、センサークリーニングスワブ

を投入します。パッケージ写真はAPS-Cと写っていて、フルサイズで頼んでも実物もこの箱でくるのですが、中身はちゃんとフルサイズように幅が広いものが入っていました。

これが結構凄くて
Capture_00007 14_19_28_WithDisplayStretch_tool1
のようにかなりきれいになります。スワブは10本しか入っていないので、ケチってもう一度拭きます。
Capture_00008 14_20_24_WithDisplayStretch_tool2
のように、完全に汚れが取れました。これはすごい!


フィルターガラスのクリーニング

次に、フィルターを戻します。
Capture_00009 14_21_10_WithDisplayStretch_withfiter
問題は、この汚れがフィルターの裏か面かわからないことです。気にせずまずはおもて面を新しいスワブを出してクリーニングします。

Capture_00010 14_22_10_WithDisplayStretch_withfilter_clean
いくつかのゴミが取れたのがわかります。残りが取りきれなかった表面のゴミなのか、それとも全部裏のゴミなのかは不明です。

ここでフィルターを表裏ひっくり返します。
Capture_00011 14_23_07_WithDisplayStretch_filterflip

これをクリーニングします。もったいないので2本目と同じスワブを使いました。
Capture_00012 14_24_40_WithDisplayStretch_scratch
ほとんどの汚れが取れましたね。でもよくみると縦向きに引っ掻き傷のようなものがあります。

この引っ掻き傷のようなものを取ろうとして、少し迷走しました。フィルターを再度ひっくり返すとか、その間にセンサーにまたゴミがついたとか、いろいろやって、かなりきれいになってもういいかと思ってレンズの絞りをF45にしたのですが、実はまだ汚れが取り切れていないことに気づきました。これが下の写真です。
Capture_00013 14_29_16_WithDisplayStretch_F45
センサー面の汚れではなく、ほぼ全てフィルター面の汚れと思われます。

これをクリーニングしたものが以下になります。
Capture_00016 14_48_52_WithDisplayStretch_OK_F45
まだすこし汚れとスクラッチが残ってますが、これ以上はもう取り切れなかったので、ここでOKとしました。

F45だと上のように目立ちますが、これを太陽観測時のF10にしてみると、
Capture_00017 14_49_13_WithDisplayStretch_OK_F10
のように、ほぼ何も目立たないので大丈夫でしょう。

ちなみに、一番最初に見せた画像のF26に合わせてみると
Capture_00018 15_02_38_WithDisplayStretch_OK_F26
のようになります。少しだけ線のようなものがありますが、最初の酷い状況と比べると遥かにマシです。一度これで撮影して、影響を確かめたいと思います。


とりあえずのまとめ

このブログ記事ではクリーニングの過程はかなりはしょってますが、実際にはもっと何度も掃除して、モニターしてを繰り返しています。クリーニングの効果を毎回確認できるので、今回はかなり楽になりました。実際にかなりきれいになったと思います。スクラッチがいつついたのか、もともとついていたのかわかりませんが、これが撮影に影響を及ぼすのかは注意して見たいと思います。もし撮影に影響があるなら、フィルターだけ購入できると助かるのですが、どうでしょうか?

とりあえず、楽な方法はある程度確立できてきました。すでにかなり長いので、6Dの清掃については次回の記事とします。

 

今回はEOS 6Dのセンサーの掃除についてです。方法はテストも兼ねた自己流ですので、決して自らやることを勧めません。最悪、センサーに傷をつけてしまう可能性もあります。参考程度にしてください。もし自分でやる場合には、あくまで自己責任でお願いします。


そもそもなんで清掃か? 

まず、おとめ座銀河団を撮影した時のフラットフレーム。

masterFlat_RGB_VNG_clone_ABE

かなりひどいですね。実際には小さな点はフラット補正をするとほぼ問題なくなってしまうので、そのままでもいいのですが、一応比較してみます。以前も出した画像ですが、

フラット補正無し
masterLight_integration_DBE1

フラット補正あり
integration1_DBE

やはり、フラット補正をしないと壊滅的に細かいゴミの跡が出ます。フラット補正をすると小さいゴミはほとんどわからなくなりますが、それでも大きなゴミはどうしても目立ってしまいますし、おそらく撮影中や撮影後に微妙に動いてしまい、それが原因で補正しきれなかったり、過補正になったりしてしまいます。 

ただし、これはかなり炙り出した状態です。実際の仕上げでは背景をもう少し暗くするのでここまでは目立ちませんが、それでも何らかの補正は必要なレベルです。


現状確認

まずは現状の6Dの汚れを見てみました。方法はフラット画像を撮影する時と同じです。ただし、そのままだと何も見えないので、撮影したRAW画像をPixInsightで読み込み、DeBayerしてABEの4次でフラット化して、SFTでオートストレッチしてゴミを見やすくしています。オートストレッチでもまだ見にくい場合は適当にマニュアルでストレッチしています。

最初は光が直線に入ってくる方がいいと思い、適当なレンズを使い、(ズームで80mmにしてました)F値を50とかなり大きくして光を絞って見てみました。小さな点ですが、上と同じような位置にたくさんゴミがあるのが分かります。

IMG_3342_RGB_VNG_ABE
小さな多数のゴミがあるのが分かります。

IMG_3342_RGB_VNG_ABE_Preview01
左真ん中に見える2つの点の下側を拡大。


この画像で見ると、大きいものでも直径10ピクセルくらい、小さなものだと5ピクセル以下です。1ピクセルが6.3μmなので、たとえ10ピクセルあったとしても63μmの大きさなので、なかなか目で見える大きさではありません。実際、センサー面をじっと目を凝らして見ても全く何かあるようには見えませんでした。

また、大きなシミのような5-6個みえますが、これはおそらくセンサー面から遠いレンズ面などにある汚れかと思います。この時のレンズは中古の安いジャンク品なので、カビなどがあるのかもしれませんが、いずれにせよセンサー面とは関係がないので無視します。


せっかくなので試しにいろいろやってみる

さて、これらを取り除いていきます。清掃は、6Dのメニューで「センサークリーニング」を選びます。

7244D6A9-D03B-4579-A7D2-81A22BBCB180

FB8C48DB-C57B-4506-A08A-D5A1F6734B02

2A1F756F-4E75-4096-90C3-4EFAEC32542F

最後の画面で「OK」を選択すると、シャッターが上がって清掃できる状態になります。清掃後は画面に出ているように、電源を切ることでシャッターが閉じます。

清掃後はFS-60CBにEOS 6Dを取り付け、iPadのColorScreenというソフトで出した白い画面をフラット光源がわりにしてゴミを撮影しています。

まずはダメな例です。綿棒にエタノールを染み込ませ直接こするとどうなるか?
IMG_3347_RGB_VNG_ABE
問題外ですね。綿棒の繊維が飛び散ってしまっています。

次に、FUJIFILMのクリーニングペーパーを、(センサーが奥の方で指だと届かないので)綿棒の綿のところに蓋をするように巻き付け、清掃します。エタノールは渇きカスが残ることがわかったので、乾燥したままのクリーニングペーパーを使いました。

IMG_3348_RGB_VNG_ABE

綿棒の繊維は取れましたが、まだ大きなゴミが1個、小さなゴミがたくさんあります。ただ、最初と位置は変わったようです。

同様にクリーニングペーパーを綿棒につけ縁から順に、一方向に丁寧に清掃していきます。
IMG_3354_RGB_VNG_ABE
かなり良くなりましたが、右下縁にゴミが溜まっています。これは縦横に順に清掃して最後にゴミが行き着いたところです。

さらに、同様にクリーニングペーパーを綿棒につけ4角を重点的に清掃。
IMG_3355_RGB_VNG_ABE
4隅はきれいになったが、逆に真ん中は悪化しています。


非接触の清掃も試してみる

上の状態から、ここで一度缶のエアーダスターを試してみます。
IMG_3356_RGB_VNG_ABE
いくつか大きはものは取れましたが、いつくか新しいゴミも付きました。でも、細かいゴミの大勢はかわらず。

更に、カメラのセンサークリーニング機能を試してみました。合計5回やりました。
IMG_3357_RGB_VNG_ABE
エアダスターと同様に、目立つのがいくつか取れましたが、大勢はかわらずです。


清掃方針

これまでの経験から
  • 大きなゴミはエアダスターが効く。
  • 小さなゴミはエアダスターもカメラのクリーニング機能もほとんど役に立たない。
  • エタノールは乾きカスが出ることがあるので、必ずすぐに乾いたクリーニングペーパーで拭き取ること。
  • 乾いたクリーニングペーパーを綿棒に巻き付けてセンサー面を拭き取ると、小さなゴミを移動することはできる。
  • 拭くたびに毎回チェックすべし。 
というようなことがわかってきました。

このことを踏まえて、以下のような手法で清掃を改めて行います。
  1. 最初にエアダスターで大きなゴミを取る。
  2. 最初はエタノールを綿棒につけ、その上にクリーニングペーパーを巻き付け拭く。
  3. 乾いたクリーニングペーパーを綿棒に巻き付け、丁寧に一方向に拭き取り、最後に溜まった部分も丁寧に拭き取る。


結果

上記手順で清掃した結果が、以下のものです。
IMG_3360_RGB_VNG_ABE
真ん中はそこそこ綺麗になりましたが、左上角に大きなのがいます。でもここらへんで力尽きました。簡単そうに書いてますが、結構苦労しています。小さなゴミも残ってますが、下手に触ると悪化することもあり、ここら辺が妥協点かと思いました。というか、素人が適当にやるとこれくらいが限界なのかと実感しました。細かいゴミは、実際にはフラット補正してしまえばほとんど問題にならないと思います。左上が問題になるようなら、再び清掃します。


まとめ

今回はセンサーの実際の汚れを見て、それを清掃するとどうゴミが動くかとかの反応を知ることができました。市販のクリーニングセットがヘラみたいなの形になっている理由もよくわかりました。センサーの端の方にたまるゴミを撮るためですね。

市販のクリーニング用品も試してみたくて、アマゾンで安めのツールを注文しました。



届いたらまた試そうと思います。

センサーの清掃は本来はメーカーに依頼するべきなんだと思います。でも天体改造をしているので、なかなか頼む気になれず、今回我流で清掃してみました。結論を出すのは再度撮影してからだと思いますが、少なくとも傷がつくようなこともなく、汚れもコントロールできることがわかりました。角の方に溜まるゴミを取るのはまだ課題ですが、これは市販ツールで解決することを期待しています。

前回の記事で、Advanced VXの赤経体のところで、円周方向にガタがあって、それを取り除く記事を書きました。その後一度撮影を試したのですが(それはまた別の記事に)、像がブレるようなことはなかったです。



ところが、赤経体のガタがとれると、今度は赤緯体のガタが気になってきました。かなり大きかった赤経体のガタはほぼ完全と言っていいほどピクリとも動かなくなりました。するとそれほど大きくなかった赤緯体のガタが相対的に目立ってきたというわけです。

というわけで、今度は赤緯体部分を取り外し、モータなどが隠れているプラスチックカバーを取ります。プラスチックカバーは上下に分かれていて、下の方まで開けないとウォームホイールの調整機構にアクセスできません。しかも下のカバーの最後の一本のネジが、アリミゾクランプが邪魔になってドライバーがネジまでアクセスできません。しかたないのでアリミゾクランプのところのネジを4本緩めて、クランプ分も外してしまいます。するとプラスチックカバーも容易に外すことができます。

さて、今回も同じようにモーターの下にキャップネジ2本と、その間にイモネジがあって、押し引きネジ構造になっています。前回と同じかと甘くみていたのですが、今回の方が赤経体の時よりも難易度が高いです。というのも、モーター下のスペースが短くて、六角レンチが入らないのです。イモネジの方は小さなレンチでよかったので、まだ短手の方がギリギリ入りました。左右のキャップネジは径が大きく、レンチの短手の方も、長手のボールになっている方で斜めにしても入りません。

IMG_1993


IMG_1994

ここでの解決策の一つは、ギヤを外して、さらにモーターも外してしまってネジにアクセスすることです。迷ったのですが、ギヤを外してしまうとバックラッシュ調整などさらに手間がかかる可能性があるので、今回はイモネジを緩めるだけにとどめました。イモネジも相当きつく締められていて、引きネジ分の効果が多少そうされているような状態だったので、若干イモネジを緩めるだけでガタはほぼなくなりました。

その後全て元に組み直して再度確認しましたが、わかる範囲でのガタはなくなり、赤経、赤緯ともに完全にガタは無くなったと言っていいと思います。

次回再度撮影してみて、他に不備はないか洗い出したいと思います。もし問題が出るようなら、ギヤを外しての調整になるかと思います。

このページのトップヘ