ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:調整・改造 > 整備・修理

飛騨コスモス天文台のドームの修理をするという機会がありました。もちろん初心者の私はドームなど持っている訳がないので、ドームの仕組み自体よくわかっていないのですが、今回の修理を通じてとてもいい勉強になりました。考えたこと、やったことをメモがわりに書いておきます。他の人にはなんの参考にもならないです。多分。

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事の発端は、前々回の観望会でドームの屋根が開かなかったと、代表のYさんから聞いたことです。この時の観望会は胎内星まつり最終日と同じ日に開かれ、さすがに疲れ果てていた私は参加できなかったのですが、故障の様子は次の週に行った原村の星祭りで、一緒に行った飛騨コスモス天文台の常連の中3のS君から聞いていました。遠方の業者に頼むのも大変だということで、先月のペルセウス流星群の観察の時に中を一度見せてもらって、必要そうな道具を揃え、娘のNatsuと一緒に昨日2017/9/10の午後から飛騨コスモス天文台に向かい、13時半頃に到着し、早速作業に取り掛かりました。

まず前回確かめたことは、

  1. 2つのモーターと2本のチェーンを使って、屋根の可動部分を両側から引っ張って、開けたり閉めたりしていること。
  2. 開きすぎたり閉じすぎたりしないように、屋根がある位置まで来ると電気的にスイッチを切るストッパーが付いていること。
  3. そのストッパーを解除すると、開く方向には屋根もモーターも全く動かないのに、閉じる方向にはモーターも屋根もきちんと動くこと。
  4. さらにチェーンを緩めてモータに負荷をかけない状態でスイッチを入れても、開く方向にモーターが全く回らないので、モーター自身が動かないということが確認できました。この時点で、何かつっかえていて動かないという可能性が消えたということになります。
  5. 夜遅く暗いため、見通しも悪いので、これ以上はモーターが壊れているのか、電気的に何かおかしいのかの切り分けができませんでした。

2台のモーターが同時に一方向のみ壊れる可能性は少ないです。それでも一方向だけにすごい負荷がかかって何かおかしなことが起きる可能性もゼロではないです。

今回は、まずモーターの故障がないか確かめるために、モーターを台座から外してチェックしてみることにしました。やはり閉じる方向にはモーターは動きますし、開く方向には動きません。モーターのところに電圧が来ているか調べるために、結線を外そうとしましたが、再度繋ぐ接続用の金具とそれをかしめる工具を持っていないので、モーター付近での電圧チェックは諦めます。その代わりに、もっと電源近くで電気的に色々確かめてみました。

まず、モーターを駆動しているのはSW-03という、電磁開閉器でした。これを二つ使って、開く方向と閉じる方向でコントロールしているようです。ここでモーターはAC100Vでそのまま動くものと理解できました。SW-03に外部スイッチをつないで電流を供給するかどうか制御しているようです。

SW-03の右下2つのネジはAC100V電源をつなぎます。左下2つは外部スイッチにつないで、ここで制御するみたいです。右上2つはモーターにつなげます。左上2つと、下の奥に2つ接続できるネジがありますが不明です。あと、2つ並んだSW-03の右に二つ何か繋げそうなところがありますが、これも不明です。

電磁スイッチ自身は開く方向にも閉じる方向にも、二つともきちんと働いていました。これは外から見てスイッチ部分がパチンと押し込まれるのですぐにわかります。でも、モーターにつながっている線のところの電圧を測ると、明らかに閉じる方向と開く方向で違いがあります。ここでこのSW-03の出力側が何か悪さをしているのか、つないでいるモーターの先に何かおかしなことが起きているかに限られてきました。

そこで次に試したのが、動かない開く方のモーターへつながるケーブルを、動いている閉じる方向のスイッチにつなぐことでした。ここで動けば確実にSW-03の問題と確定します。結果は見事開く方向にモーターが回りました。モーターに問題がないこともわかりました。

さてここからが問題です。SW-03を交換すればいいのかどうか。でもよくあることなのですが、一度外してまたつなぐとなぜか動くということもあります。そんなことをみんなと話しながら、試しにやってみたら今回これが見事に当たって、これまで動かなかった開く方向のSW-03に開く方向のケーブルを再度つなぐと、きちんと開く方向にモーターが回るのです。スイッチがたまたま故障気味でたまたま一旦直ったのか、まだ謎でした。

とりあえずモーターに問題がないことは確定しているので、モーターを再度定位置に取り付けました。この時チェーンの張りがきつくて、ネジが穴になかなか到達せず、実はこのモーターの再取り付けが一番大変でした。

モーター取り付け後、屋根を試しに開いていくと、また開く方向に止まってしまって、全く動かなくなります。同じようにケーブルを外し、スイッチを一度入り切りをし、再度ケーブルを取り付けると、再びモーターが回るようになります。これを数度繰り返して、やっとこのSW-03には電流リミッターのようなものが入っているのだと理解ができました。一旦リミッターが入ると、リセットするためには負荷のない状態で一度スイッチを入れてやる必要があるようです。SW-03の説明書などを見ればわかるのかもしれませんが、その場でぱっとはみつからず推測に頼らざるを得ませんでした。

なぜ負荷がここまで大きいのかは謎でしたが、とりあえず最低限動くようにはなった訳です。ここで開閉のテストをしました。まず、途中でガタンガタンと言いながら、動きが鈍く、同じようにモーターが動かなくなってしまう時があります。チェーンを見ると、左右で張りの具合が全然違うことに気づき、きつい方のチェーンのギヤを緩めてみました。ギヤのところでチェーンを外に多いく外してやると、2、3段づづジャンプしてきつかった方向が緩んでいきます。これを何度か繰り返し左右のバランスが取れて来ると、もう不可でモーターが止まるようなことはなくなりました。

ところがまだ完全には開かずに、途中で止まってしまいます。モーターが止まっているわけではなく、屋根がどこかに当たって止まっているようです。チェーン部分がよく見えるように、カバーになっているところを外して何度かくりかえると理由がわかりました。チェーンがたるみ過ぎていて、ある段差を越えるところでチェーンが折り重なってしまって、そこを越えることができないのです。ここは、モーター位置をずらして、よりチェーンを張ってやることで、ほぼそのようなことはなくなりました。

3度ほど開閉テストをして、まだ多少の緩みや、ガタゴトはあるものの、最初に比べたらはるかにマシで、開閉もスムーズにいったので、これで良しとしました。

今回のをまとめると、
  1. 長年の経年劣化か何かで左右のチェーンのバランスが崩れて、開く方向の負荷が常時大きい状態になってしまった。
  2. 電磁開閉器のリミッターを超えた電流が流れるために、リミッターが働いてしまった。
  3. 負荷を取り除くことができなかったので、リセットしようにもできない。
  4. 負荷を取り除きリセットしても、左右バランスが悪いままだと再びリミッターが入ってしまう。
  5. 左右バランスをチェーンの張り具合の調整で整えてやることで、スムーズに動くようになり、モーターの負荷もへった。

ということです。

昼13時半頃から初めて、ちょうど17時の放送くらいで終わりました。娘は最初の頃は手伝ってくれてましたが、途中からは飽きたのかギターで大声で歌っていました。とにかくドームが無事に直ってよかったです。帰りにぶどうや梨などいただきました。家族でいただきましたが、とても美味しかったです。

疲れて昨晩はすぐに寝てしまったのですが、こういうことは大好きなので、とても楽しかったです。だいぶん仕組みがわかったので、次回問題が起きてもなんとか対処できそうです。何かあったらまた遠慮なく言ってください。


胎内星まつりでジャンクで購入したビクセンのミニポルタA70LF。

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ジャンクの名にふさわしく問題箇所がいくつもありました。ぱっと挙げていくと

  • 三脚が一つ中にめり込んでいて動かない。
  • ピント調整ハンドルの片側の軸が曲がってしまって、偏心している。
  • 対物レンズがほこりまみれ。
  • 微動ハンドルが付いてない。
  • アイピースが付いていない。天頂プリズムもない。
  • 当然マニュアルや箱はない。

それでも元の定価から比べたら10分の1近く。何も文句は言えません。

まず足りないものを調達しました。ジャンク品漁りは原村星まつりが格好のターゲットです。
  • 少し長さが違いますが、微動ハンドル2本。
  • アイピースを適当なものいくつか。アイピースは今回は25mmと9mmを考えることにしました。鏡筒の焦点距離が900mmなので、この場合倍率は36倍と100倍になります。
  • マニュアルはVixenのホームページにアップロードされているので、A70LFで検索してそれを参考にします。

ものは大体揃ったので、色々チェックしながら修理です。
  • まず上の金具のところにめり込んだ三脚の脚一本を、ドライバーでゆっくり戻します。
  • 次に、先端がプラスチックで保護されているペンチを使って、ピント調整ハンドルの軸の曲がりを、ゆっくり力を加えて伸ばしてやります。
  • 対物レンズはエアーで大きなダストを取り除き、レンズクリーナーで綺麗にしてやります。
  • 全体的な汚れをクリーナーで拭き取ります。
  • 新しい(といってもジャンクの)微動ハンドルを取り付けます。

次に、実際に星を見ながら調整です。
  • ファインダーの接眼レンズが目一杯ねじ込まれていて一番短くなっていたのでピントが合うように調節。ファインダー位置もある程度調節しておきます。
  • フリーストップの硬さを調節。もともと六角レンチが経緯台のゴムシートの下に収納されていて、道具を忘れることなく、観望当日にも調節できます。
  • アイピースを3種類試して、変なズレとかがないか見て見ます。月と、ベガで見てみましたが、特に異常はなく、入門機としては十分な見え味なのかと思います。
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このデザインは秀逸です。


大体ここら辺までやりますが、今回はそれに加え、SCOPETECHで秀逸の2つ穴の簡易ファインダーを自作で取り付けてみました。コメリで買ってきた「八幡ネジ」というところのMS-22というもので2個入りで200円くらいです。

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これで望遠鏡の操作に慣れていない子でも、SCOPETECHと同じように簡単に導入までできるのかと思います。 

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