ほしぞloveログ

天体観測始めました。

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また晴れました。貴重な時間です。でも月齢17日と、満月直後くらいで月が明るすぎです。こんな時は、明るい時にできることをします。


シリウスBチャレンジ

まず、シリウスBのチャンレンジ。前回のシンチレーションはそこそこいい方でしたが、眼視ではダメで、カメラで撮影して炙り出したら見えました。



今回の機材も前回と同じくTSA120とXW3.5mm。どうも今回のほうがシンチレーションは少し悪いようです。まず前回余裕で見えたリゲルBは少し苦労しました。常時見えているというよりは、たまに見える感じです。ちょっとそらし目っぽいことをやるとかなりきちんと認識できるといった状態です。こんな状態なので、シリウスBは今回は当然見えません。一応見てみますがやはりカスリもせず、シリウス本体の方もチラチラと盛大に飛び跳ねてます。内外像もユラユラでした。


月の撮影

シリウスBチャレンジはここで諦めて、次はせっかく月が明るく出ているので、月の撮影です。まだSCA260で月を撮ったことはないので試してみます。口径26cmがどこまで分解能に効くか楽しみです。

これまで月は口径20cmのVISACで高分解能撮影に挑戦してきましたが、これを超えることができるのでしょうか?



今回の撮影では、軽量化したSCA260をCGEM IIに載せてありますが、やはりこの赤道儀には少し重荷で揺れが心配です。あとシンチレーションはそこまでよくないので、これがマイナスに効くかもしれません。

カメラはASI294MMのBIN1モード、8288x5644ピクセルの高解像度撮影です。明るいのでダークは気にすることはなく常温稼働ですが、外は気温0度くらいなので十分冷たくなってるでしょう。あと、フィルターホイールを外したくないのですが、ホイールにはL用のフィルターが入っていないので、とりあえずRフィルターを使いました。

撮影はSharpCapで1000フレームをserファイルに落としましたが、100GB近くになりました。これだと何回も撮影はできないので、(一応失敗したファイルも捨てない方針なので)ほぼ一発勝負です。

一旦設置した後の撮影とか調整は、ほとんど自宅の中からリモートでやっています。寒いですから...。
特にピント合わせはEAFが活躍してくれます。50カウントくらいの精度で最適焦点が分かります。


画像処理と結果

画像処理はAutoStakkert!3で上位50%(500枚)をスタック、PixInsightのMultiscaleLinearTransformationでwavelet変換をして細部を出しました。

細部出しについてですが、Registaxは大きすぎる画像を扱う事ができません。気楽なImPPGは細部のノイズリダクションができません。PIのMLTはRegistaxにかなり近い操作性でもう少し高機能ですが、ノイズ処理は効きが少し鈍いみたいなのでIterationの回数を増やしています。今回はLayerを4つにして、Layer1が+10、Layer2が+4でノイズリダクションがThreshold10のAmountが1、Iteration5、Layer3が+1です。これでImPPGで出すより、(同程度のノイズで)細部がもう少し出せたと思います。

結果です。このブログでは高解像度画像もアップロードできるようにしていますので、是非とも拡大してから細部を見てみて下さい。

23_58_29_lapl3_ap9855_MLT2_cut
  • 月齢17日
  • 撮影日: 2022年2月18日23時58分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: SCA260
  • フィルター: Baader Red
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • 撮影: SharpCap、露光時間2.5ミリ秒x500/1000枚、ゲイン120 
  • 画像処理: AutoStakkert!3、PixInsight、Photoshop CC
モザイク合成という意味でない1枚撮りでは一応十分高解像度なのですが、念のため過去画像と比べてみます。

左が今回のSCA260、右が2021年7月19日にVISACで撮ったものです。太陽の当たり方が左右逆なので、できるだけ当たり方が同じで比較しやすい場所を選びました。

SCA260_vs_VISAC

これはどう贔屓目に見ても過去のVISACの方が分解能が出ています。なぜだか考えてみました。

  1. まず画像を比較している最中に気づいたのですが、同じエリアをピックアップしてもVISACの画像の方が大きい事です。これは焦点距離がSCA260:1300mm、VISAC:1800mmと1.4倍近く違うので当たり前なのですが、このことを忘れてました。要するに、SCA260は焦点距離が足りなくて、カメラの分解能の制限の方が先に効いてしまい、口径が本来持っている分解能にたどり着けていないと言うわけです。これを回避するには、バローレンズなどを入れて拡大して撮影して、モザイク合成をすることになります。
  2. もう一つの理由ですが、やはりシンチレーションかと思います。撮影した動画を拡大して見返してみると、画面内でゆらゆら揺れています。ただ、一部全体が揺れている時もあるので、こちらは赤道儀の揺れのせいかもしれませんが、月は明るくワンショットが短時間露光なので、その効果はたとえあったとしてもスタックの時点でほぼキャンセルされているかと思います。

もう一つ面白かったところですが、右のVISACの画像にはっきりと写っていた直線の壁は今回の左のSCA260の画像ではほとんどわかりません。白い線がうっすら言えているだけです。
line
これは解像度が悪いということではなく、日の当たり方が左右反対というところです。これだけ変わってしまうんですね。


まとめ

SCA260とフォーサーズサイズのASI290MM ProのBIN1の高解像度モードで満月後の月を撮影してみました。ちょうど収まりも良く、分解能はそこそこはでましたが、過去のVISACの分解能には届きませんでした。焦点距離が短くなったことと、シンチレーションがあまり良くなかった事が原因で、口径分の効果を引き出すには至っていません。

次は2倍のバローレンズを入れて撮影してみることにします。


2022年の初記事ですね。皆様、あけましておめでとうございます。

年末からずっと天気が悪くてほとんど何もできなかったのですが、1月8、9、10日の連休中は北陸としては意外なほど天気が良かったです。ただしシーイングや風など色々問題もあって、結果としてはどれもイマイチでした。記録がわりに簡単に書いておきます。

土曜の太陽

そもそも今週は水曜、木曜と2日連続で、夕方からSCA260を出し、極軸をとり、カメラ回転角とピントを合わせ、撮影準備完了とともに曇って片付けるという空振り続きだったので、かなり不満が溜まっていました。連休初日の土曜日は朝から快晴。午前中はCostcoで買い物に付き合い午後から久しぶりに太陽撮影です。黒点も派手に出ているようです。ただしシーイングが相当悪かったので、結果だけ示します。

13_35_01_lapl6_ap2550_IP_cut
AR2924群ですが、2つの大きな黒点と小さなたくさんの黒点がリングを作っています。問題は今のPSTだとHαの中心波長がきちんと見える範囲が画面の3−4割と一部のみで、今回のように複数の黒点が広い範囲に広がると、模様が均一に見えないことです。しかも右の黒点がピンボケのようになってしまいました。画面内でピントがずれるのはあまりないはずなのでちょっと不思議ですが、シーイングが悪かったのであまり議論しても意味がないのかもしれません。

プロミネンスもたくさん出ていましたが、一番大きなものを一つだけ処理しました。こちらもシーイングがよくないので、あまり気合が入っていません。
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土曜の月

そのまま星が見え出した夕方になだれ込み、SCA260に載せ替えて極軸を取り直しますが、徐々に雲が出始めました。まだ月がでているので、試しにSCA260とASI294MM Pro(常温)で、BIN1(ピクセルサイズ2.3μm)で高解像を狙い、RGBフィルターでカラー化してみました。撮影は星雲撮影のセットアップなのでStickPCを使っています。USBでの取り込み速度が速くないのですが、さらに間違えてfitsで保存していました。そのため0.1fpsくらいのスピードしか出なかったので、RGB各20枚のみの撮影です。serにしていたらもう少し速度が出たのかと思います。

画像処理はなかなか面倒で、まずRGB別々にAS!3でスタックします。BIN1で画素数が多いため、Regisgtaxは使えないので、ImPPGで細部出しをします。ImPPGは全面ごちゃごちゃしている太陽だといいのですが、平面がいくつかある月だとDenoise機能がないため細部にノイズが残ってしまいます。

更に問題がRGB合成です。最初PIで位置合わせしようとしましたが、星が写っていないため不可。ImPPGで位置合わせをしました。ただし、スタック時に画面を歪ませて位置合わせしているはずなので、RGBで本当に合っているかどうかよくわかりません。今回はシーイングが悪くて分解能的にも意味がなく、全くやる気無しだったので手を抜きましたが、根本的にやり方を考えた方が良さそうです。

一応画像だけ貼っておきます。

Image04_cut_s


その後、月が沈むに伴いトール兜星雲を狙っていたのですが、風がビューゴー言い出して星がすごい勢いてブレていて、やがて雲が空全面を覆ったので、あきらめて撤収しました。


Masaさんの北アメリカ星雲

連休2日目の日曜は天気が悪くほとんど何も成果がありません。Masa@MasaAstroPhotoさんからTwitterのDMで長時間撮影した北アメリカ星雲のファイルを公開するので処理してほしいとの依頼がありました。Twitterを見るとすでに何人かの方が画像をアップされています。

画像を実際に見てみると3つあって、一番短い時間のものでも23時間とものすごい露光時間です。Masaさんに了解との返事をして、夕方くらいから画像処理を始めました。あまり詳しいことは書きませんが、
  1. まずxisfフォーマットを開き明るい方でリジェクトされた画像を見ると、どうも何度か画像が回転しているようです。実際の画像は測定すると9.5度程度回転しています。そのためまずは南北を揃えて、はみ出した部分をトリミングします。
  2. 左側の緑カブリがひどかったのですが、DBEを暗い部分に3点打ちして1回、さらに4点打ちしてもう一回かけることで除去できました。
  3. PCCで恒星の色を合わせますが、QBP IIを使っているとのことなので、見た目を合わせる程度にしかならないでしょう。やはりオレンジは出にくいです。
  4. ストレッチはASSで色を保ち、かつ赤がサチらないようにHTで。
  5. あとはStarNetで星マスクを作ります。
  6. ストレッチ後の画像とマスク画像をPSに引き渡して、炙り出しです。QBP IIだと赤がのっぺりしてしまいます。そのため星雲部の青を少し出します。
  7. 超長時間露光のためでしょう、ノイズらしいものはほとんど目立たないため、思う存分あぶり出すことができます。ノイズ処理は何も必要ありませんでした。
出来上がった画像です。北アメリカ星雲真ん中の透明感を重視してみました。
masterLight_PCC_clone_DBE_DBE_PCC_AS2_HT5

ついでにAnnotationです。
masterLight_PCC_clone_DBE_DBE_PCC_AS2_HT5_Annotated

一言で言うと、非常に楽な処理でした。長時間撮影でノイズが少ないのもそうですが、元の3枚の画像を見比べてみても、星像などんほとんど差がなく、とても丁寧に撮影したことがわかります。長時間撮影自信がそもそも大変だと思うのですが、ノイズのことを考えたら明るい星雲でもこれくらいの長時間撮影をするのがいいのかもしれません。

他の方も色々特徴的な画像処理をされています。Masaが比較検討動画を作るとのことなので結果が楽しみです。


月曜は再び太陽撮影

3日目の月曜は朝から快晴です。期待しながら太陽撮影の用意をしますが、実際に見てみるとやはりシーイングが全くダメです。午前に黒点とプロミネンスを何ショットか撮影しました。午後に少しだけシーイングがいい時間があったので少し撮影し直し、その後に雲で撤収です。

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ピントがずれているかもと思い、カメラの傾きを緩めたらニュートンリングが出てしまいました。それでもまだ右上の黒点は少しピントがずれている気がします。傾きは後で戻しておきました。

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まとめ

3日間の結果としては全く冴えなかったですが、それでも晴れ間があっただけまだマシです。久しぶりでちょっと満足しました。 

限りなく皆既に近い月食から1月以上経ち、もうほとんど話題にあがることもなくなってきました。



今回の記事を公開するかどうか随分迷いましたが、やはり考えた過程として残しておこうと思います。多少衝撃的な内容かもしれませんが、全く間違っている可能性もあるので、あまり気にしないでください。


TSA-120とFC-76での違い

まずはこの記事を書こうと思った動機です。ターコイズフリンジ に関して、TSA-120で撮影したものと、FC-76で撮影したものに、大きな違いがあったことがきっかけとなります。


TSA-120の場合

まずはTSA-120で撮影したもの。皆既にかなり近い時間帯の月食です。
  • 機材はTSA-120 + ASI294MC Pro(常温) + 35フラットナー + UV/IRカットフィルター + CGEM IIです。
  • 撮影はSharpCapで25ミリ秒露光、ゲインが220で100枚撮影をワンショットとし、serフォーマットで記録します。
  • これをAS!3でスタックしRegistaxで軽く細部を出しています。ここがスタートです。

1. まずはできたTiFF画像をPhotoshopで限りなくシンプルに処理してみました。ヒストグラムを見ながら背景のピークを合わせるだけです。
2021-11-19-0923_0_lapl5_ap3030_level
月食当日にライブで処理してTwitterに投稿した時がこれくらいの処理でした。

他の方の投稿を見てターコイズフリンジ があまりに出ていないので、少しがっかりしたのを覚えています

2. 次にもう少し濃い赤銅色を目指し、赤をレベル補正のみで出した場合。これだとどうしても青い成分が出てこなくて、ターコイズフリンジらしいものは全く出てきません。
2021-11-19-0923_0_lapl5_ap3030_level2

3. 次に上の画像を、トーンカーブでBlueの明るい部分を上げることで、かなり無理をして青を出します。わかりにくいですが、境のところの色に青成分が出てきているのがわかるかと思います。でもこの時点で真っ当な画像処理とは言い難くなってきてしまいます。
2021-11-19-0923_0_lapl5_ap3030_level2_blue

4. さらに眼視で見た時に近くなるようにしてみます。青成分が含まれていることがわかりターコイズフリンジらしいものが見えてきます。
2021-11-19-0923_0_lapl5_ap3030_level2_blue_eye

5. さらにかなり苦労してですが、明るい部分と暗い部分の境が出る様に処理すると、綺麗なターコイズフリンジが出てきているように見え、一般的にいうターコイズフリンジ が見えている月食のような画像になります。
2021-11-19-0923_0_lapl5_ap3030_level2_blue_eye_fringe

上の画像は以前の記事で最後に「ターコイズフリンジ が見えている」と言って出した画像と雰囲気は近いです。以前の記事でも述べているのですが、はっきり言ってかなり無理をして青を出している気がします。ターコイズフリンジを見るのにここまでの画像処理を必要とするほど大変なのでしょうか?


FC-76の場合

その一方、FC-76で撮影した画像で処理をしてみました。そうすると今度は拍子抜けするほど簡単にターコイズフリンジらしいものが出てくるのです。
  • 機材はFC-76 + ASI294MC + Advanced VXです。
  • 撮影ソフトはFireCapture、露光時間は25ミリ秒でゲインが220です。70枚程度をワンショットとし、serフォーマットで記録します。
  • これをAS!3でスタックしRegistaxで軽く細部を出しています。ここがスタートです。
TSA-120での撮影との違いは鏡筒以外ほとんどなく、カメラはProかどうかの違いはありますがともにASI294MCで同等。ソフトはSharpCapとFireCaptureですが、同露光時間で同ゲイン、撮影枚数は100枚と70枚ですがまあ同等と言っていいでしょう。

やはり一番の違いは鏡筒で、特にFC-76はジャンク品で白濁している対物レンズというところが最大の違いなのかと思います。


そのため、少しコントラストが落ちるということを確認しています。



さて、スタックと細部出しを終えた画像をもとに、画像処理を進めます。

1. Photoshopで背景のピークを合わせたのみです。TSA-120の時とカメラは同じASI294MCなのでカラーバランスはそもそもあまり変わらないはずです。背景のピークを合わせただけなのでほとんど同じようになると思うのですが、既に青っぽくなっています。また、赤銅色部分も右上が明るく、左下(右下も)は暗くなっているのがわかります。この目でTSA-120の画像を見返すと赤銅色部分の明るさに差が少なくのっぺりしているのがわかります。

Moon_182346_lapl5_ap301

2. ほんの少し青を強調するだけで、境のところに青っぽいところが出てきました。すでにかなりターコイズフリンジっぽいです。

Moon_182346_lapl5_ap301_blue_eye

3. そこからさらに少しいじるだけでかなり明確に青いところが出てしまいます。TSA-120で苦労して出した最後の画像と比べると、差は明らかでしょう。

Moon_182346_lapl5_ap301_blue_eye_fringe


出来上がった画像を比較してみても、TSA-120の方は赤銅色のところの明るさの差が少なくのっぺりしています。一方、FC-76の方は赤銅色の部分の明るいところと暗いところの差があります。明るい部分が拡散されている様な感じです。
  • TSA-120 -> 赤い、ターコイズフリンジが出ない、赤銅色部分に明暗が少ない。
  • FC-76 ->  簡単にターコイズフリンジが出る、赤銅色部分に明暗がある。

改めて機材を見返してみると、カメラの条件はASI294MC同士なのでほぼ同じはずです。違いは
  • TSA-120: 焦点距離900mmで35フラットナーが入っている。UV/IRカットフィルターが入っている。TSA-120はそもそも屈折鏡筒の中でもコントラストは抜群にいい。
  • FC-76: 焦点距離600mmでマルチフラットナーなど入れてないので、周辺で歪みあり。フィルターは無し。白濁ありで、コントラストがかなり悪いかも。
こうやって考えると、この青い部分の出方の違いはコントラストの違いによるものなのでしょうか?特にFC-76は対物レンズが白濁しているジャンクものです。こちらの方が明らかにコントラストが悪いのですが、これが逆に功を奏して、ターコイズフリンジらしく見えているだけなのでしょうか?

他の方の情報でも、ターコイズフリンジが出ている場合と出ていない場合が分かれているような気がします。
  • 一部の情報で同じ機材でも露光時間が短いとターコイズフリンジが見えなくて、露光時間を長くするとターコイズフリンジが出やすくなると言うのがありました。これももしかしたらある程度以上露光をすると明るいところの影響が周りに出やすくなりターコイズフリンジらしく見えるのでしょうか?
  • また、山の上に登るなど高度の高い所で撮影した画像にはターコイズフリンジが出なかったという話も聞きました。大気のかすみ具合によるコントラストの悪化影響が効くかもしれないということを示唆しているのでしょうか?

とりあえずここまででは私が経験したことや、聞いたことを書いただけで、これだけでは全く結論は出ません。青色部分が多かれ少なかれ存在するのは確からしいです。ただし、本当にオリジナルのオゾン層の影響で見えているものなのか、それとも画像処理に伴って何か見えてきたものなのか、判断がとても難しいです。

加えて、赤銅色の加減自身も相当難しいです。とにかく月食時の基準となる色を客観的には何を参照にすればいいのか、結局は不明でした。そうなると自分の感覚に頼るしかありません。


オゾン層について

そもそも、ターコイズフリンジ が出てくる原因はオゾン層にあると言われています。
  • まず、月食とは太陽と月の間に地球が入り込み、地球の影が月の食になるということです。
  • 地球の影で暗くなるはずなのに、月食時に赤銅色が出るのはなぜかというと、赤い光は地球の大気のところで屈折するために、本来届かない食のところに到達し、赤銅色を作ります。夕焼けが赤くなるのと同じ理由とのことです。
  • 青い光はレイリー散乱と呼ばれる大気での散乱のために、月には届きません。これが色部分に青い色がないことの理由です。
  • ではなぜターコイズフリンジ がでるかというと、地球のオゾン層を通るときに、赤よりも青い光に対して透過率が高いからとのことです。

  • オゾン層は大気のかなり上部にあるため、空気が少なくレイリー散乱が起きないために、青い光はそのまま透過し、屈折などもせずにまっすぐ月まで届くとのこと。その光がターコイズフリンジとなるようです。

以上の情報から、オゾン層を通った青い光がほぼ真っ直ぐ進むなら、オゾン層の厚さがそのままターコイズフリンジの幅となりそうです。オゾン層は高度10kmから50km程度の厚さ40kmのところに90%が存在するとのことなので、地球の半径が6400kmとすると、 40/6400=0.6%ほどとなるはずです。前回撮影した画像の地球の影
all_cut
から考えると、月の直径は地球の半径のざっくり半分程度です。とすると、青い光が真っ直ぐ進むと考えるなら、月の直径の1.2%程度の厚さにしからなず、非常に細いターコイズフリンジにしかならないはずです。もしこの推測が本当に正しいのなら、私の画像も含めて青い部分が月の直径の1割とかもあるような画像を説明するのが難しくなってしまいます。

ここまではあくまで素人のラフな見積もりですが、少し学術的な方向に注目してみましょう。ターコイズフリンジ については、Gedzelman, S. D. & Vollmer, M. 2008, Appl. Opt., 47, 149が初期の頃に出た論文のようです。月食時にどのように見えるかのシミュレーションの結果が実際に2008年に撮影された写真とともに載っています。これを見ると、青い部分の幅が月の直径の10-20%ほどになっています。

ただし、シミュレーションの詳細については書かれていないことと、写真についても画像処理の方法については何も書かれていないので、どのくらい強調しているなどはやはりわかりません。それでも青い部分が存在することは確からしいので、ターコイズフリンジが存在するのは間違い無いのでしょう。ただ、シミュレーションの色の結果についても「まだ正確ではなくデータ不足」と論文中にはっきり書いてあるので、ターコイズフリンジの太さについてはよくわからないようです。


双眼鏡で除いた時の見え方

あと、月食当日に双眼鏡で覗いた時の様子を書いておきます。使った双眼鏡はいつも車に入れている2019年の「星もと」で手に入れたJasonというブランドのクラシカル双眼鏡です。

見えた月はまだはっきりと記憶に残っています。まず、赤銅色と言われるものは画像になっているような派手な色ではなく、かなり落ち着いた色でした。最大食から少ししてから見たので、明るい部分が多少出始めていて、その明るさが、背景を含み食の部分にも影響を及ぼしています。よく言うと、すごくナチュラルに見える月食で、悪く言うとコントラストが悪いと言えるのかもしれません。重要なことは、明るいところと食の暗いところの境に明らかに青緑色の部分がはっきり見えたことです。これは気のせいでもなんでもなく、何度見てもはっきりと見えました。「これがターコイズフリンジか」とかなり感動しました。

ただ、上の画像やTwitterで示したように、その場で処理した最大食時のTSA-120には全くその青緑が写らず、明らかに見た目と違っていました。また、この双眼鏡は相当古いものであり、整備してあるとはいえコントラストがどこまで良いのかはよくわかりません。

もしコントラストが悪いと、鏡筒で違いが出たことも含めて、以下のようなことも可能性としては考えられます。


コントラストの影響の簡単な実験

皆既に近い月食をまねてPhotoshopでポンチ絵で描いてやります。明るい部分はRGBで192:192:192のグレー、赤銅色部分はRGBで64:32:0としました。

2021-11-19-0924_2_lapl5_ap3030_2nd_0_original

上の画像に、Photshopの「Camera Raw フィルター」の「かすみの除去」のスライダーを-80にして、わざとかすみを与えてやります。

2021-11-19-0924_2_lapl5_ap3030_2nd_1_kasumi

見た目はそれほど変わりませんが、明るい部分が暗い部分に少し浸食しています。コントラストが低下したような状態を再現しています。

次にこの画像をPhotoshopのトーンカーブでBlueを持ち上げてやります。

2021-11-19-0924_2_lapl5_ap3030_2nd_2_blue

すると、明るいところと赤銅色の境のところに、青みがかった色が出てきます。

その一方、「かすみの除去」機能を使わないでコントラストを高く保ったまま同様にトーンカーブでBlueを持ち上げてやった場合には、上記のような赤銅色の境のところに、青みがかったような色は一切出てきません。
2021-11-19-0924_2_lapl5_ap3030_2nd_3_nokasumi_blue


以上のことは白色の非常に明るい部分が、悪いコントラストにより、暗い部分を侵食する可能性があることを示しています。コントラストが十分良いと、このような侵食は無いということです。

月食中は、月の明るいところと、皆既月食の赤銅色のような暗いところというように、明るさに差があります。さらにその月を撮影するときに、雲越しであったり、低空で霞んでいたり、今回の撮影のように鏡筒の状態などによって、コントラストが悪い場合があります。そのような状態では、上記のような過程が起こることがあり、画像処理によっては擬似的に青い部分が見受けられることもあるかもしれません。

同様なことを考察したアマチュアの記事も随所に散見します。例えば「ほんのり工房さん」は色温度について議論していて興味深いです。




まとめ

TSA-120とFC-76で撮影したものと、双眼鏡で目で見たもののそれぞれの違いをどう説明したらいいのか?コントラストの低下が青い色を出している可能性を考えてみました。このコントラスト説が正しいのかどうかまだ全くわかりません。

オゾン層が成層圏を中心に大気の密度の薄いところにあるために、そこを通る青い光は真っ直ぐ進むというものすごく簡単な仮定から、ターコイズフリンジ は月の直径の1%程度とかなり細くなるのではと考えましたが、これはこれまでに撮影されている多くの結果とはかなり異なります。

論文によるとシミュレーションの結果から青い部分が出るのはおかしく無いとのことですが、やはりどれくらいの領域で出るかははっきりとはわからないようです。月の直径の1ー2割出ている結果のようにも見えますが、画像処理などの過程も不明なため、結果は注意深く見る必要がありそうです。

色々考えさせられた月食でしたが、今回はまだたいしたデータも揃っていませんし、考察も不十分ですので、結論を出すには全然至りません。次回はもう少し謎に迫れるよう色々考えてみたいと思います。


2021年11月19日は、月の97.8%が欠ける限りなく皆既に近いと言われる月食です。前回の2021年5月26日の皆既月食は、ブログ記事にすることがほぼ何もないくらい雲が厚くて全滅でした。さて今回はどうなることやら。


準備

実は私、まだまともな月食の撮影はしたことがありません。星を初めてまだそこまで年数がたっていなくて、初の皆既月食は2018年でした。



同じ2018年にもう一度チャンスがありました。


この2回はいずれも雲に悩まされ、かろうじて雲越しの月を救い上げたか、皆既時には雲で撃沈だったりでした。その他部分月食の機会もありましたが、いずれも天気が悪かったりで、まだまともな撮影を実現できたことはありません。

そんな中、今回は北陸は天気が悪いとの予報だったので、もともとあまり気合は入らず、しかも月食当日の11月19日は平日で仕事もあるのであまりたいした準備もしていませんでした。でも当日になると予報に反して天気が良さそうです。仕事が終わってそれこそ超特急で準備をして、いつもの東が開けている近くの河原に陣取りました。とにかく時間がギリギリでした。

地平線(と言っても遠くの立山連峰が5度くらいの高さまでありますが)までひらけて見える前回の撮影場所にしようとしたのですが、冬の月に近いので出てくる位置が思ったより北に寄っていることに気づきました。そのため少し場所をずらし、月の出から見えるような位置に陣取りました。もう準備の途中ですでに肉眼でぼやけた、それでも既に欠けている月が見え始めているのに気づいてました。山の際の低空に雲があるため、最初は月が霞んでいたので、まだ少しだけ準備に時間をかけることができそうです。


機材1: 広角

まずは急いで、簡単な方の広角撮影の準備をします。EOS 6DとNikkor 50mmオールドレンズで月の出始めから月食終了まで1分ごとの連続撮影です。準備の間にやったことは
  1. 三脚にカメラをセットし、月を拡大してピントのチェック。
  2. 設定はF値2.8、露光1/5秒、ISO400で、かけている部分の模様が見えるくらいに。
  3. 画角のチェック。縦長で最下部に地面が入るように、かつ月が左端に来るように。これで月食終了時に月が右上のはずです。
1分ごとの撮影は、Magic Lanternのインターバル撮影の機能を使っています。バッテリーは長時間っ撮影でも電池切れにならない様に、2系統のUSBから電源を取得できる外部バッテリーを使っています。とりあえず撮影を始めて、月食が終わるまで3時間近く放っておきました。

その中から5分おきのものを抜き出して、比較明合成したものが以下になります。

StarStaX_IMG_6320-IMG_6480_lighten_5min

ちなみに1分ごとのものを全部合わせるとこうなります。

StarStaX_IMG_6320-IMG_6478_lighten

これをタイムラプス映像としてみると、


画像処理までして実感したこの撮影の反省です。1分という時間間隔はそこそこokです。それでもタイプラプスにするなら30秒の方がスムーズかもしれません。一番の問題は月食で欠けている部分に露光を合わせると、月の明るいところは完全に飽和してしまうことです。この写真も途中から露光を切り替えて、明るい部分の模様が見える様にした方が良かったかもしれません。でも長時間撮影なので、一度撮影を始めたら触りたくないんですよね。

そこで次回に向けて考えたのは、撮影は1分おきなので、その間に露光を3種類くらい変えればいいのではないかと思うのです。今回の設定と、2018年の7月の皆既月食のときの設定から考えて
  1. 明るい部分: F4、露光1/200秒、ISO100
  2. 今回の設定と等価F4、露光1/2.5秒、ISO400
  3. 欠けた部分: F4、露光1秒、ISO800
くらいでしょうか?

こういった複数の設定を繰り返すのは、いつも6Dで使うBackYardEOSはちょっと面倒かと思います。なので、NINAかSharpCapのASCOM接続とかになるのでしょうか、いずれ次回の月食までにテストしたいと思います。

あと50mmのもう少しいいレンズが欲しいですが、他にもほしいものがたくさんあり、なかなか優先度が上がりません。


機材2: FC-76での連続撮影

2台目は、FC-76 + ASI294MC + Advanced VXで、もう少し大きな月のタイムラプス映像と、地球の影を炙り出すために、5秒間のワンショットを1分おきに2時間半近く、合計150ショット近く撮影。撮影ソフトはFireCapture、露光時間は25ミリ秒でゲインが220です。5秒で70枚ほどが撮影されます。

画像処理ですが、AutoStakkert!3でスタック、あとはPhotoshopのアクションとLightroomの同期機能を使い、全数同じような処理をします。最大食だけは見やすいように少し目立つ処理をしました。

最大食時から前後20分おきの画像を並べてみました。フィルターなどは入れていません。

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参考にしたのはこのページです。



この位置に合う様に、月を一直線に並べていくと影がきちんと円を描きます。

FC-76での撮影も問題点は広角の場合と同じで、月食で欠けている部分に明るさを合わせると、月の明るいところは完全に飽和してしまうことです。なのでこちらも2種類か3種類程度に露光を変えるといいのかもしれません。今回、一つのファイルが1分のうち5秒撮影で1.5GB程度です。1時間で90GB、皆既月食の初めから終わりまでの約3時間撮ると270GBです。トータル1TBのディスクなので、1分に15秒までならなんとかぎりぎり撮影できそうです。

あとは追尾をどうするですが、かんたろうさん情報によると極軸の精度さえ出ていれば、追尾レートを太陽時に合わせておけば、比較明合成だけで位置が合うそうです。ただし、数時間にわたり位置がずれない様に極軸を合わせるのもなかなか大変なので、むしろ恒星時に合わせる様にガイド鏡とPHD2を使うのもいいのかもしれません。

太陽に合わせても、恒星に合わせても、いずれにせよ画面の中を走っていくので、ある程度の画角をあらかじめとっておくことが必要になります。

もう一つのやり方は、FireCaptureで形を認識してガイドした方がいいかのかもしれません。でも月食時に形が変わっても可能なのでしょうか?

この問題、位置がきちんと後から計算できるなら、月にある程度合うように撮影してしまえば楽です。もし太陽の見た目の位置と月の見た目の位置が情報としてわかっているなら、そして太陽、地球、月間の距離がわかっているなら、簡単な作図で計算できるのかもしれません。時間があるときにやってみようと思います。

FC-76では2時間半ほど撮影を続けたので、タイムラプス映像を作ることも可能です。でも撮影した全画像を見ると結構ずれてしまっていて、センター合わせがかなり難しいです。手動で合わせるには150枚近いのでさすがに大変。PIPPの位置合わせ機能を試しましたが、明るいところがサチっていると認識がうまくいかないようです。位置認識ソフトを自分で書くかどうか迷ってます。ハフ変換というのを使うと画像から円が認識できるらしいのですが、これでうまくいくのか?まだ処理で悩んでいるので、うまくいったら公開します。


極軸精度と月食撮影時のずれの見積もり

ついでなので、今の極軸の精度で足りるのかどうかザックリ見積もってみます。まず極軸の精度ですがSharpCapで50秒から1分角の精度がでます。誤差もあったりするので1分角としましょう。そうすると簡単な計算から、最大で4分間で1秒角ずれていくことになります。

 

1時間で25秒角、3時間で1分と15秒角ずれるというわけです。月の視直径が30分角くらいなので、これくらいなら大丈夫そうですね。やはり次回は十分な画角をとって太陽時で追尾でしょうか。


機材3: TSA-120による自由撮影

最後のセットアップは、TSA-120 + ASI294MC Pro(常温) + 35フラットナー + UV/IRカットフィルター +
CGEM IIで、画角いっぱいの月を自由な時に撮影するものです。SharpCapで25ミリ秒露光でゲインが220で100枚撮影をワンショットとします。

でもこの撮影画像、なかなか青い成分が出てこなくて、パッと処理しただけではターコイズフリンジらしいものが出てきません。明るい部分と暗い部分の境が出る様にかなり苦労して処理すると、青成分が含まれていることがわかりターコイズフリンジらしいものが見えてきます。

2021-11-19-0903_2_lapl5_ap3030_2_cut

でもかやはり無理をしている気がします。ここまで画像処理を必要とするほど大変なのでしょうか?

ネットに上がっている写真を見ると、ターコイズフリンジが全然出ていないものと、かなりはっきり出ているものに分かれている気がします。はっきり出ているのは簡単に出たものなのでしょうか?それとも私がやったようにかなり苦労したのでしょうか?

ここら辺でかなり迷走しました。この画像処理、月食の本来の色のことなど考えだすとものすごく長くなりそうなので顛末は別の記事で書きたいと思います。


まとめ

ある意味初のまともな月食撮影でした。でもやはり準備をさぼっていたため、いまいちだった感は否めません。今回の反省をもとに、次回はもう少し撮影体制を見直したいと思います。

それとは別に、ターコイズフリンジとタイムラプスでいまだに色々迷っています。既にかなり時間がかかっていますが、もう少し結果が出たらまたメモがてらですが、ブログ記事にしたいと思います。



一晩に2回も機材を出し入れすることになるとは。そして同じネタで2回もブログ記事を書くことになるとは。

前の記事で雨が降りそうで撤収したと書きました。21時頃です。21時20分にはブログを書き終えてました。その後、テレビを見ながらソファーでうたた寝。22時30分過ぎ「もう眠いから今日は寝るか」と思いつつふと外に出てみると、まさに月が顔を出しそうなところでした。

IMG_3369

もう全部片付け終わっていて機材を、急遽再セットアップです。面倒なのと、どれだけこの転機が持つか分からないので、極軸も取らずにとりあえず導入。

IMG_3370

とりあえず1ショット、1000フレーム分撮影しました。

一旦落ち着いてカメラの回転角やピントを再度調整し、思ったより揺れているな(もしかしたら温度順応が不十分で筒内気流だったかも)と思いながら、あと500フレーム撮影して、その場で画像処理。先にTwitterにだけ投稿しておきました。

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  • 月齢14.6日
  • 撮影日: 2021年9月21日23時00分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120
  • フィルター: なし 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間2ミリ秒x250/500枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、Registax6


撮影終了後、改めて周りを見渡してみました。

月は南の高いところに昇り、中秋の名月の名にふさわしく周りを明るく照らしています。
誰もいなくて、虫の鳴き声と涼しい風が秋の気配を漂わせます。
月を独り占めした夜の世界の帝王のような、それでいて誰かが入ってきてすぐに壊れてしまいそうな、そんな緊張感のある世界でした。

こんな雰囲気まで記録できるのはまだ記憶だけなのでしょうか。文章はそれを思い出すきっかけになりますね。いつか写真にそんなことまで写しとれるようになれればと思います。月を撮影していると、いつもこんなことを考えてしまいます。

今日は中秋の名月、しかも今年は8年ぶりの満月と重なるのだとか。

朝から夕方まで快晴、綺麗な青空で透明度も良さそうです。

夕食前に機材を出し、まだ明るかったので一旦夕食。

食事後外に出ると、ん?少し雲かな?

極軸をとってアラインメントをしようとすると、月にすこし雲がかかっています。

とりあえず木星でアラインメント。 

雲で月は全く見えず。

ちょっと待つくらいではダメそうなので、今のうちにお風呂に入ります。

風呂から出て外に出ると、もうほぼ一面雲。諦めて少し片付けます。

またしばらくして外に出ると、雲間から少しだけ見えそう。

一瞬っぽいので、急遽取り付けたあったカメラからアイピースに。

雲越しだけとなんとか見えます。


iPhone Xで、手持ちで何ショットかだけ撮影しました。そのうちの1枚です。

IMG_3365

見えただけでもマシとします。

風が強くなてきました。

雨が降りそうなくらい雲が暑くなってきたので、21時過ぎには撤収しました。
 

昨日光軸調整したVISACですが、その日の夜遅くに晴れてきたので、少し見てみました。

結果だけ言うと、シンチレーションがいまいちで星が揺れていて、いろんな方向にぶれていたので評価は保留です。まだ3つの固定具を視野から隠してないこともあるので、きちんとした評価はそれが終わってからにしようと思います。ただ、一応ある程度きちんと星には見えていたので、少なくとも光軸調整が全然間違っていたということはなさそうです。


満月間近の月

その後少しだけ月を撮影しましたが、画面で見ていても細かい揺れが多く、細部を比べると前回ほどの解像度は出ませんでした。やはりシンチレーションがよくなかったのかと思います。それでも全体を写した月と思えば、強拡大しない限り細部にそこまでこだわる必要もないので、私的には満足です。

00_36_22_lapl2_ap8304_IP-denoise2-standard_stitch

  • 月齢12.7日
  • 撮影日: 2021年7月23日0時22分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間5ミリ秒x125/250枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、ICE、DeNoise AI
でもこれ実は画像処理で少しインチキしています。画素数が多過ぎてRegistaxが使えないので、ImPPGを使っているのですが、どうしても細かいノイズがのってしまいます。ノイズ除去をするために、ここにDeNoise AIをSharpを1と最低にして、ノイズ除去を20と軽くかけてみました。

DeNoiseの処理としてはかなり軽くて、暗い部分のノイズはてきめんに減りましたが、明るいところのノイズがまだ残っています。ただ、やはり月の場合は偽線が出る可能性が否定できなく、今回は試しに使ってみましたが、明るいところのノイズが消えるくらいまで強くするとどうしても不自然に見えてしまい、あまり使いたくないなあというのが正直な感想です。今回は最低限のノイズ除去だけという感じです。ちなみに、Sharpen AIも試しましたが、こちらは偽線が出まくりでさすがに使うのを躊躇しました。

Registaxが使えないという理由でImPPGを使い続けるなら、うまく相性が合うノイズ処理を見つけるのが課題かと思います。


赤外の透過波長の違いの比較

今回の撮影は少し余裕があったので、IRパスフィルターの比較をしてみました。使用したのはサイトロンのIR640、IR720、IR800で、それぞれ640nm、720nm、800nm以上の波長のみを通します。

撮影したのは上の画像の左上の方。上の写真は撮影後回転しているので、下の写真では右上に見えてしまっています。ASI294MM Proを常温で、Bin1モードにして分解能を上げ、画角を一辺4分の1の2072x1410にしました。露光時間を5ミリ秒に固定していますが、ゲインは画面の明るさに合わせてヒストグラムがフルになるように変えています。IR640、IR720、IR800の順にそれぞれゲイン200、270、340です。

撮影中の動画で見ている分にはIR640、IR720はあまり変わらなかったですが、IR800は明らかに見た目で揺れが少なくなっているようでした。もちろんその分IR800では暗くなります。

画像処理はAS!3でRegistaxになります。Waveletのパラメータは比較しやすいように全て同じにしてあります。画素数を少なくしたのでこれらの画像はRegistaxを使うことができました。RegistaxのDenoiseが細かいノイズに結構効くので、ImPPGよりももう少し攻めることができます。

とりあえず3枚並べます。

00_50_43_lapl2_ap3043_RS
IR640

00_52_38_lapl2_ap3189_RS
IR720

00_56_05_lapl2_ap3279_RS
IR800

わかりやすいように一部切り出して拡大します。

comp

左からIR640、IR720、IR800です。IR640、IR720はほとんど変わりませんが、細かいところを比べるとIR800は解像度が明らかによくなっています。ただ、IR800の場合は光量が減ったのを補正するためにゲインを上げたせいかと思いますが、ノイズが少し残っています。

波長が長くなれば揺れが小さくなるという、まあそこそこ予測通りの順当な結果ですが、分解能の違いがあると言ってもごくごくわずかで、シンチレーションの違いで出るさの方が遥かに大きい気がします。なので無理してIR800以上で撮るとかよりは、揺れの少ない日を狙った方が素直な気がします。


かゆくて、かゆくて

本当はもっと続けたかったのですが、とにかく蚊が多くて、あまりにかゆくて自宅に引き返しました。明るいところで見たら三十箇所くらい刺されてました。自宅なのでゆるゆるの格好で、Tシャツ、短パン、サンダルとかなので、そりゃあだめですよね。

ムヒを塗って痒みが収まってきたところで再び外に出たら相当曇ってきてました。雨の心配もあったのでその時点で撤収することにしました。


まだまだ連休

連休中は天文イベント目白押しです。

今回の月の撮影は木曜夜のことで、ブログは次の日の金曜夜に書いてますが、この金曜の夜はMちゃんが自宅に来てくれました。そのことも記事にしたいのですが、ネタがどんどん溜まって書ききれなくなりそうです。

しかも明日の土曜は13時から天リフの「星と宇宙の夏ライブ2021」です。こちらもかなり楽しみです。




わたくしSamがオススメの重力波のお話、よかったら聞いてみてください。




やっと梅雨が明け、とてつもなく暑いですが、連日晴れの日が続くようになりました。これから満月期に向かっていくので、月もそこそこの時間まで出ています。平日でそこまで遅く起きているのも大変なので、気軽に月の撮影としました。


ASI294MM Proでの広角、高分解能の月撮影

やりたかったのは、ASI294MM Proのbin1モードでピクセルサイズ2.3um、8288×5644の高解像度でどこまで月の分解能が出るか確かめたかったことです。具体的な比較として今後も含めてやりたいことは
  1. ASI294MCとASI294MMのbin2での同ピクセルサイズでカラーかモノクロ化の直接比較->分解能は2倍違うはず。
  2. ASI294MCとASI294MMのbin1でのピクセルサイズ半分でカラーとモノクロの違いの比較->分解能は4倍違うはず。
  3. ノーフィルターとサイトロン製IRパスフィルターの640nm、720nm、800nmで違いがあるか?
です。
 
今回は初日ということで、とりあえずの条件出しです。
  1. 鏡筒はVISAC、赤道儀はCGEM II。揺れが効きそうだったので三脚の各足の下に手製の防振パッドを入れています。
  2. ASI294MM ProをBin1の常温で撮影。
  3. フィルターは640nm以上を通すように。
  4. 露光時間はとりあえず10ms、Gian120。
  5. 枚数は500枚のうち上位50%の250枚をAutoStakkert!3でスタック。
  6. あぶり出しはImPPG、仕上げにPhotoshop。
としました。

撮影は、1枚だと月全体が画面内にギリギリ入るか入らないかだったので、2枚としICEでモザイク合成しました。問題はファイルサイズ。SharpCapで500枚をser形式で保存すると1ファイルが50GBになります。処理もかなり時間がかかります。本当は上にあるように、きちんと条件を変えて色々撮影したかったのですが、今回はこのファイルサイズでめげてしまって、モザイク分2枚撮影しただけで諦めました。

あぶり出しはこれまでのようにRegistaxを使いたかったのですが、大きすぎる画像は処理できないようで、今回はImPPGを使いました。ところが、多分Registaxに比べた弱点だと思うのですが、処理を強くすると細かいノイズが出てしまいました。RegistaxのDenoiseに相当することができないようです。太陽だと気にならなかったのですが、のっぺりした面がある月ではそのノイズが目立ってしまいダメでした。なので弱く炙り出すに留めてます。他にはNik CollectionのOutput Sharpner、TopazのSharpen AIなどはわざとらしくなってしまったり、偽線が出てしまう可能性があるので使えませんでした。PixInsightが使えそうなのですが、今回は使う余裕がなかったので、今後の課題にしたいと思います。


結果

一応画像処理まで終えて、結果は、以下のようになりました。

21_56_42_lapl4_ap7882_IP.2tif_stitch
  • 月齢9.5日
  • 撮影日: 2021年7月19日21時56分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間10ミリ秒x250/500枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、Photoshop CCI

撮ったのはこの1枚(2枚合成)だけなので、その他パラメータとの比較はできませんが、かなり解像度も出ている感じです。そこそこ満足の結果です。

昨晩はここまで、次の日も仕事なのでここで就寝です。


少し比較してみた

せっかくなので、いくつか以前の結果と比較してみたいと思います。


リンク先ページの1枚目の写真と比較してみます。VISACではこれまで最も分解能が出ていたと思っているものです。鏡筒は同じ、ピクセルサイズも同じなので、カラーかモノクロかの違いになります。右がASI178MC、左が今回のASI294MM Proです。

VISAC_178MC


うーん、どうでしょう?クリックして拡大して比べてもらった方がわかると思いますが、同等か、下手したら右の178MCのほうが分解している気もします。

もう一つ比較してみましょう。


C8_01

右の178MCはピクセルサイズが問題になってきそうなくらい分解能を使い切った感じ。対する左の294MMはモノクロになった分ピクセルサイズに余裕が出たものの、細部はそれほど出ていない感じです。


まとめ

どうやら今回のASI294MMでの撮影は、過去のもっとよかったものに比べると、カメラの性能では優っているはずが、シンチレーションがそこまでよくなかったか、もしくはピントを合わせ切れていないかでしょうか。これはリベンジ案件ですね。余裕があったらもう少し続けてみます。

といっても、ここまで解像度が出て、月全体を丸々撮れているので、自分的には十分満足なのですが。

続けるにしてもファイルサイズが大きすぎるので、もう少し小さな面積で分解能比較はしたいと思います。あと、もしこれ以上高分解能を追求するならバローを入れた方がいいかもしれません。あとはシンチレーション の良い日を狙うのでしょうか。

月曜でしたが、在宅勤務。せっかく明るいうちから自宅にいるので、夕方の月を見ます。


夕方の月と地球照

この日は月齢4日、まだそれほど太くはありません。明るい夕方だと白い月です。最大光度に近い金星も近くにいるはずですが、肉眼だとまだよくわかりません。せっかくなので3倍の星座ビノを使ってみました。これならさすがに青い空の中の金星も一発で見つけることができました。位置さえわかれば簡単です。肉眼でもすんなりと見つけることができました。 

そうだ、地球照でも撮影しようと思い、さっそくTSA-120をセットします。まだ北極もあまり見えていないので、極軸も適当です。

夕方と食後の暗くなってから、何ショットか撮影しました。

18_59_37_lapl2_ap231_RS2_cut
  • 富山県富山市下大久, 2020年4月27日19時6分、月齢4.3
  • タカハシ TSA-120 + 35フラットナー + ZWO ASI294MC Pro (常温17.6℃) + Celestron CGEM II
  • SharpCapで撮影、露光時間 25ms, gain 50, RAW16で記録、800/1000フレームを使用
  • AS3でスタック, Registax6でWavelet, PhotoshopCCで画像処理 、月が画面に広がるようにトリミング
右下に赤い収差が見えているのは大気分散だと思われます。収差の方向と月の向き、高度からのずれの量も計算値とほぼ一致します。

ついでに、目で見た明るさに(感覚で適当に)近づけてみました。こちらはトリミング無しです。でもこういったのってどうやって客観的な明るさにすればいいのでしょう?難しいです。

18_59_37_lapl2_ap231_RS2_evening

さらに地球照です。これもどんな色が正しいかよくわからないですが、夕方感を出してみました。

19_02_07_lapl2_ap3065_evening


PowerMATEを用いての分解能比較

さて、今日の課題はここからです。TSA-120に35フラットナーを付けた状態で、宮路泉さんにまだそのままお借りしている4倍のPowerMATEでどうなるかを見てみます。焦点は出るのか、分解能はどうなるか、変な収差は出ないかなどです。

接続は特に困ることもなく、35フラットナーの後ろにそのままPowerMATEを取り付けて、特に延長塔などつける必要もなく、そのまま少しフォーカス位置をずらすだけでピントが出ました。同様に月の一部を撮影しました。結果には影響ないと思いますが、ミスでRAW8で保存してしまいました。まあ、分解能をみたいだけなので多分問題ないでしょう。

とりあえずその結果です。

20_53_02_lapl2_ap723_RS
  • 富山県富山市下大久, 2020年4月27日20時53分、月齢4.3
  • タカハシ TSA-120 + 35フラットナー + PowerMATE x4 + ZWO ASI294MC Pro (常温16.9℃) + Celestron CGEM II
  • SharpCapで撮影、露光時間 25ms, gain 300, RW8で記録、800/1000フレームを使用
  • AS3でスタック, Registax6でWavelet, PhotoshopCCで画像処理 

でもまあこれはどうでもよくて、見たいのはPowerMATEありなしの比較です。両方の画像を拡大して比較します。

comp2

左が4倍のPowerMATEあり、右がPowerMATE無しです。左はQBPを入れてしまったで色が違うとかは気にしないでください。

PowerMATE無しもかなり検討していますが、やはりジャギーが目立ってしまっています。わかりにくい場合は画面をクリックして拡大してみてください。また、以前の結果と同じくPowerMATEによる変な像の乱れは私が見る限り確認できません。結論としては、今のTSA-120とASI294MCの組み合わせでは、4倍のPowerMATEを入れた方が有意に解像度が高いと言うことが言えます。

ここで少し比較のための情報を。
  • レイリー限界が1秒角くらい1ピクセルが1秒角くらい。なので、1ピクセルがレイリー限界と等価くらい。
  • でもカラーCMOSカメラなので、モノクロCMOSカメラに比べて解像度は4分の1程度のはず。 
レイリー限界を超えて見える可能性についてです。
  • 他数枚をスタックしているのでレイリー限界以上に(多少)解像度が上がってもおかしくはないはず。
  • RegistaxのWavelet変換でシャープになっている
  • 強度の画像処理はしていないので、擬似的に解像度を上げるようなことにはなっていないはず
これらの条件はPowerMATEのある無しに関わらず同じです。また、今回はカラーCMOSカメラなので、PowreMATE無しだとレイリー限界に全然到達していない可能性が高いです。PowerMATEで分解能が上がりましたが、レイリー限界が見えているかどうかは、今回の結果だけでは良くわかりません。PowerMATEで4倍にしているので、一応カラーCMOSであることも考えると、1ピクセルがちょうどレイリー限界と計算上はコンパラなくらいです。

と思って、最後の最後でPowerMATEありの方を1ピクセルが見えるくらいに強拡大してみました。
PowerMATE_Extended
まずは大気分散リミットのようです。どうやら、PowerMATEのおかげで大気分散が姿をあらわにしてきました。一応ちょっと検証します。

赤から青まで約20ピクセル。4倍なので、もともと5ピクセル。ということは画面からの概算は、1.08秒/ピクセルをかけて約5.5秒角。この時の月の高度は14度で、計算によると大気分散は6.2度。読み取り誤差を考えると大気分散で確定でしょう。

どうやら次に進む前に本格的にADCが必要か。


まとめと今後の方針

さて、これらの結果をものすごく単純にまとめると、ASI294MC ProだけではまだTSA-120の分解能を引き出し切れていないということだけは確実に言えます。
  • エクステンダーやバローレンズ
  • よりピクセルピッチの小さいカメラ
  • モノクロのカメラ
などが必要になります。もちろんこれらには欠点もあり、
  • エクステンダーやバローレンズは暗くなりますし、像を歪める可能性もあるので、高性能のものが必要となります。
  • センサーの感度は1ピクセルの大きさに大体比例するので、ピクセルピッチが小さくなると当然感度が落ちます。
  • モノクロカメラはカラーにしたい場合はRGBで撮る必要があるなど、手間も時間もかかります。
など、トレードオフになります。このような対策をして、次は大気分散のことを考えてやる必要が出てきます。


さて、今回の結果をどう活用するか。もともとは焦点距離900mmで撮影できる系外銀河を考えていたのですが、系外銀河って意外に、と言うか当たり前ですが小さくて、900mmで撮影できるものは少ないのです。口径からくる分解能に達しているかどうかを見極めたかったのですが、今のシステムではまだバローとかで焦点距離を伸ばしても得しそうということはわかったわけです。でも拡大すると暗くなるんですよね。4倍のPowerMATEだと焦点距離3600mmですが、明るさ16分の1です。
  1. 2倍くらいの性能の良いバローにして、今のカラーのASI294MC Proで撮り続けるか
  2. 口径の大きいVISACに移すか
  3. それともモノクロのカメラを買うか
うーん、迷いますが、やっぱり2かなあ?夏も近いので一度M57でVISACの再テストですかね。TSA-120では小さい銀河は諦めて、もう少し広い領域を目指すことになりそうです。


今週は晴れの日が多く、月が綺麗だったので、VISACのテストの最中に何枚か撮ってみました。ものすごい分解能です。先々週末の画像処理がまだ残っているのですが、こちらはのんびりやるとして、月の方は時事ネタでもあるので早く処理することにしました。


週末のVISACテスト

先々週末にVISACを少しだけ分解して、三角だった星像が戻らなくなり丸くなってしまったのですが、何が原因で丸くなったのかわからなくて困っていました。その検証のためにM57を改めて撮影したのですが、どうしても中心星が出ません。やはりこれは光軸がずれたのかと思って、改めて月を見てみたらかなりピントがずれていました。そのせいで中心星が全く出ていなかったのでしょうか。

その時に何気なく撮影した月があまりに綺麗だったので載せておきます。VISACにASI178MCをつけて20ミリ秒露光、ゲイン50で500枚撮影serフォーマットで動画撮影し、AutoStakkert!3でそのうち250枚をスタックし、Registax6でwavelet処理、さらにPhotoshop CCで調整しました。処理してから驚きました。びっくりするほどシャープです。

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コペルニクスから虹の入江までです。
CMOSカメラの取り付けが甘くて、少し角度がずれしまっています。

もうキレッキレで、こんなの初めてです。どうもこの日は各地で途中からシンチレーションが特別良くなったようで、SNSでは月の投稿が目立っていました。

こんな日はチャンスなので、ピントもきっちりあっているのですが、あいにくのM57はこのころにはとっくに沈んでしまいました。


次の日

次の日も同じように、VISACのテスト。今回は前日の反省を踏まえ、まずは月でピントを合わせます。この時ティコを撮影しておきました。10ミリ秒でゲイン60、前日と同様に同様に500枚撮影し、250枚使っています。

2019-12-09-0954_6-Capture_18_54_38_ 18_54_38_lapl5_ap6312_RS

その後、そのピントのままM57を1時間ほど撮影してみます。それでもやはり中心星が全く出ません。

夕食後、そのままのピンドで改めて月を導入してみてみると、またしてもピントが大きくずれています。どうも温度順応する前に合わせたピントはまるっきり役に立たないようです。

さらにこの段階でもう一枚。アペニン山脈北部から、プラトンなどまで。露光時間は10ミリ秒、ゲインは110、500枚撮影し400枚使いました。

2019-12-09-1222_8-Capture_21_22_53_ 21_22_53_lapl5_ap6798_RS

でもこの日の画像、同じように処理しているのにイマイチ昨晩のようにムハッ !となりません。なぜでしょうか?改めて動画を見てみると、やはりこの日の方があきらかに揺れています。あと、ピントが少し甘いかも。揺れているとピント位置がわかりにくくなるようです。

この日の最初の月は鏡筒を出して30分くらいの温度順応が不十分と思われる状態。前日の月とこの日の2枚目の月は鏡筒を出してから2時間以上は経過しているので、温度順応は十分と思われます。この日の2枚を比べてみると、温度順応にかかわらずボケてしまっています。

この日のピントは温度順応前に合わせたものも、温度順応後に合わせたものもそこそこで、温度順応の時間とともにピント位置がずれていくと考えられます。実際にこの間に1時間ほど撮影したM57を見てみると、温度順のしていない最初の画像に合わせたものが、時間が経つごとにピントがずれていくのが後の方の画像で確認できました。


VISACについて、この日わかったこと

M57で二日とも中心星さえも出なかったくらいなので、VISACによほど何か悪いことが起きているのではないかと思ったのですが、前日の月がこれくらい分解能よく出ていることを考えると、そこまで光軸調整が悪いとも思えません。M57は月の明るい中、かなり低空、しかも温度順応していない状態での撮影だったので、条件としては悪いです。このせいで中心星まで出なかった可能性も否めません。今シーズンはもう低い空でしか撮影できないので、M57を使ってのVISACの検証は来シーズンまで諦めることにします。トラペジウムに関しては少なくともC8程度には分解していそうなので、こちらで検証を進めて撮影に進みたいと思います。

もう一つ、シンチレーションが撮影結果に直結するのを改めて実感することができました。動画が残っているので、月に関してはどんな状態に見えればシンチレーションがいいかの判断がつきそうです。出来上がった月の画像の違いは妻でさえもわかったみたいで、前日のシャープな方を見てからこの日のボケているのを見て「あー、違う!」と叫んでいました。シンチレーションが良くてここまでシャープに写ると相当楽しいです。


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