ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:software > Carte du Ciel

昨日試したPlateSolve2がいまいちマッチング成功率が悪かったので、別のソフトを試すことにしました。AstroTortillaと呼ばれるもので、PlateSolve2と同じくフリーなのですが、ネットを調べる限りPlateSolve2の方が評判がいいようでした。それでもこのソフトにした動機は、いろいろなソフトと連携ができ、その中に常用しているBackYard EOSが入っていたからです。うまくいくとBackYard EOSで撮影して、その位置を調べてどこを撮ったかわかるといったことができるかもしれません。

さてインストールですが、ここからダウンロードして実行するのみです。アルファバージョンのVersion 0.8 test release 1というのを落としてきました。インストールで迷いやすいところはFOVの指定くらいでしょうか。自分が撮影などする場合の最小の画角と最大の画角を含む製図を指定しなくてはなりません。画角は焦点距離とセンサーサイズからすぐに計算できますが、例えばこんなページが計算に便利です。私は最小がindex 4203, 2.5GB, 5.6-8 arcmin、最大がindex 4216, 332KB, 8-11.3 deg としました。ここまでは特に難しくないのですが、ここからの星図データのダウンロードが大変でした。表示されるトータル量はあてにならなくて、最初900MBくらいと表示されたのですが、実際にダウンロードしたサイズは4GB程度になりました。しかも途中何度か失敗したので、ネットワークの調子が悪いのか、元のファイルがなにかおかしいのか見分けがつかず、懲りずに途中でやめたりせず4度ほど再試行をして、トータルで3時間くらい時間をかけてやっとダウンロードに成功しました。これさえ越せばあとはほとんど問題なくcygwinも含めてインストールできるでしょう。

インストール後立ち上げるのですが、簡単な動作確認のために、元々撮ってあった画像を使って試してみました。メニューの「Tools」の「Goto Image」で用意してあった画像を選択すると、すぐに解析が始まります。ただし、画像を画面上に表示する機能が無いせいか、イマイチうまくいっているのか全然ダメなのかよくわかりません。もう少し反応を見やすくするために、メイン画面の「Telescope」のところで、Cartes du Cielの設定のところでインストールした「ASCOM Telescope」を選択し、同時にCartes du Cielを立ち上げておきます。

探索パラメータですが、それほど難しくありません。「Scale Minimum」と「Scale Maximum」が探索する画像の最小と最大で単位は度。私は0と10を入れています。10度四方のエリアを最大と仮定して探索するという意味だと思います。Search radiusは25にしています。これも単位は度で、半径25度のエリアを探索するという意味です。Custom optionsは

--sigma 50 -N none  -r --objs 50

としてあります。--objs 50は多いと精度が出ますが時間がかかります。--sigma 50は背景の暗さらしいですが、あまりよくわかりません。

Cartes du Ciel上で、試したい画像の写真のそこそこ近く(探索範囲に入るくらいという意味、実際に範囲内ならかなり離れていても大丈夫)を表示してから、最初と同様にメニューの「Tools」の「Goto Image」で用意してあった画像を選択すると解析が始まります。やはりPlateSolve2のように解析中の画像が出るわけではないので、イマイチうまく進んでいるかわかりにくいですが、そんな時はログを表示させるといいです。メニューの「Tools」「Log viewer」で表示することができます。

IMG_1645


うまくいくと写真の様にログに成功したというようなメッセージが出てきます。メイン画面の「Action」の「After solve」のところの「Sync scope」と「Re-slew to target」にチェックを入れておくと、赤道儀を同期させ、実際に撮影された位置に勝手に移動させておいてくれます。この際、Cartes du Ciel上で望遠鏡と接続しておくことを忘れないでください。

驚くべきことに、これだけ広い範囲を指定しても、決して粗すぎて見落としてしまうようなこともなく、今回の場合235秒で画像解析、マッチング、赤道儀の移動が終了しています。しかも、多少範囲を広くしても狭くしても、あまりかかる時間は大きく変わりません。遠慮なく広い範囲を指定することができます。

BackYard EOSを試す前にCartes du Cielで試したのですが、これは十分に実用的になりそうです。実戦投入が楽しみです。BackYard EOSでもやり方はわかったので、多分うまく行くのではないでしょうか。


2017/11/24 追記: Windows 10 Creator updateでアップデートしたらAstoroTortillaが使えなくなりました。症状と対処法はこちら。 



 

休日で天気が悪いのを利用して、いくつかソフトをあさっています。今回試したのはCartes du Cielというちょっと変わった名前のプラネタリウムソフトです。SkyChartという名前も付いているようです。結構昔からあるソフトみたいで、ある意味定番ソフトの一つです。

実はすでにプラネタリウムソフトはSteralliumというMacでもWindowsでも使える、かなりこなれたソフトを使っていて、実際に自動導入までできているので、それほど不満があるわけではないのですが、赤道儀自身での自動導入とStellariumでの自動導入に少しだけ誤差があるらしいことがわかったので、それの解決の糸口になればというのと、随分前にStellariumをインストールしたときにCartes du Cielも候補に挙がっていたのですが、インストール方法が少しややこしかったので放っておいた再チャレンジという意味合いもあります。

インストールですが、ダウンロードはここになります。このページから辿って行くのですが、0-betaだとフォルダとかの指定がうまくいかなかったので、安定版にしました。そのためまずは1-softwareのversion4.0の中の自分のシステムにあったものをダウンロードします。Stick PCはWindows10の64bit版のHome editionなので、skychart-4.0-3575-windows-x64.exeをダウンロードし、実行してインストールします。次に2-catalogsに行き、まずNeburaに行ってskychart-data-dso-4.0-3431-windows.exeとskychart-data-pictures-4.0-3421-windows.exeをダウンロードしてインストールします。

さらに2-catalogsのStarsに行き、skychart-data-stars-4.0-3421-windows.exeをダウンロードしてインストールします。バージョンはそれぞれ多少違いますが、3.0とか4.0とか大元のバージョンが一緒ならいいみたいです。

次に2-catalogsのStarsのUCAC4に行き、ucac4-index-v2.zip、ucac4-catalog-v2-equator.zip、ucac4-catalog-v2-north.zip、ucac4-catalog-v2-south.zipの4つのファイルをダウンロードし、展開します。それぞれのフォルダにucac4とucac4-streakというフォルダが入っているので、4つの中身をまとめてしまって、一つづつのucac4とucac4-streakというフォルダにします。途中4uc.hdrがそれぞれのフォルダに入っているので、上書きするかとか聞かれると思いますが、全部同じもののようなのでそのまま上書きしてしまってもいいみたいです。一つにまとめたucac4とucac4-streakというフォルダをCielのインストールフォルダの中のcatというフォルダの中に移動します。

日本語化についてはくわなのほしぞら日記のこのページを参考にさせていただきました。

Carte du Cielを立ち上げ、メニューの「設定」「カタログ」から「カタログ」タブを選び、「追加ボタン」を押して、先ほどのucac4とucac4-streakフォルダの中にある4uc.hdrをそれぞれ選択し、赤い丸をクリックして緑になるのを確認してからOKボタンを押します。これで準備完了です。

とりあえずは色々と触ればわかりますが、いくつか面白いところをピックアップしておきます。
  • アイピースやカメラの視野を登録しておくことができ、しかもそれを複数同時に表示することができる。
  • 横に並んでいるアイコンの2段目の左から4つ目を押すと、星雲や星団の画像が表示される。
  • Steralliumで見ることができなかったシリウスの二重星のシリウスBを見ることができます。メニューの「設定」「カタログ」から「CdC stars」タブのDoubleの四角をチェクしてください。ただし、シリウスAが二つ表示されてしまいます。少しデータにズレがあるのでしょうか?
逆に、イマイチなところは
  • デザインが一昔前でこなれていない。
  • 星座の絵を表示することができない。
  • Stellariumより重い。
くらいでしょうか。自分一人で使うぶんにはCartes du Cielの方が高機能でいいでしょう。観望会で一般の人がいて、見やすい画面を優先するならSteralliumの方が全画面表示もできることもあり、いいかもしれません。


ASCOM経由でAdvanced VXを接続し、自動導入することもできそうです。COMポートにRS-232Cケーブルが接続されていることが前提です。最近はシリアルポートがないPCも多いので、USB-シリアル変換アダプタなどを使うといいでしょう。私は手持ちのアダプタが古いものだったので、以前Stellariumの設定の時にちょっと苦労して認識させました。RS-232CとAVXはAVXに付属のケーブルを使って、ハンディコントローラのお尻のところに接続します。赤道儀の電源もこの時点でオンにしておきます。必要ならばアラインメントもこの時点でやっておきます。

まずはASCOM Platformのインストールです。ここからダウンロードしてインストールしてください。次に自分の赤道儀に合わせてドライバーをここからインストールします。私の場合はAdvanced VXなのでCelestron Unifiedというドライバーを使いました。

インストール後、ASCOM Diagnosticsを立ち上げ、メニューの「Choose Device」から「Choose and Connect to Device」を選びます。「Select Device Type」で「Telecsope」を選び、横の「Choose」を押して、出てきた小さなダイアログから「Celestron Telescope Driver」を選びます。横の「Properties」を押し、出てきたダイアログの「COM Port」で実際に赤道儀がつながっているポートを選びます。Siteのところに現在地を入れておいてください。多分これでCartes du Cielのメインメニューの「望遠鏡」「望遠鏡設定」から「ASCOM」を選択、メインメニューの「望遠鏡」「接続-望遠鏡」で「Ascom.Celestron.Telescope」が表示され、接続ボタンを押すことができるようになります。うまく接続できると写真の左下のようにインジケーターが赤から緑色になります。うまくいかない場合はProfileExplorerを立ち上げてきちんとCOMポートやドライバーが認識されているか確認してみてください。

IMG_1644

写真では小熊座のあたりに丸と四角が表示されています。赤道儀がその方向を向いていることを示しています。適当な星を選び、メインメニューの「望遠鏡」「導入」を選ぶと自動導入が開始されます。

ここでもう一ついいことがありました。
  • 写真の左上のように、方向ボタンが出てきて赤道儀をコントロールしての鏡筒の向きをリモートで変えることができる。しかもスピードも変えることができます。 
さて、肝心のAVXと精度は晴れたときに試したいと思います。


 

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