ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:イベント > 飲み会

昨年の12月、「星なかまの集い」という研究会の実行委員の方から「講演をしてほしい」との依頼がありました。研究会の開催は3月初めで、当時は予定も詰まっていなかったので快諾しました。その方と少しやりとりして、テーマは電視観望ということになりました。そもそも私は関西の集まりはあまり経験がなく、どんなものかわからなかったのですが、コロナ明けということもあるのでしょうか、実際に顔を合わせての研究会は、夜に行われた交流会も含めて、とても楽しいものでした。


兵庫の「西はりま天文台」にむけて出発

3月2日、この日は兵庫の西はりま天文台までの移動です。前日が飲み会だったので、朝は眠い目をこすりながら5時半頃に起き、準備をして午前6時20分頃の朝イチのバスで富山駅に向かいます。みどりの窓口が開く直前の午前7時前に富山駅に到着。7時16分の金沢行きの新幹線にのりたいので、すぐに並んでみどりの窓口が開くのを待ちます。窓口が開くまでに、途中で駅員さんがどこまで行きたいかとか聞きにくるのですが、天文台最寄りの兵庫県の「佐用」駅といって、iPhoneに表示させた乗換案内の乗換回数2回の最速、最楽ルートを見せると、ちょっと怪訝そうな雰囲気に。色々確認してくれた後に聞いてみると、どうやら京都からでる特急が、途中JRと相互乗り換えで「智頭急行」という別の鉄道会社の線に入ってしまうので、途中の駅から佐用駅までの乗車券が出ないというのです。特急券は佐用まで出せるというので、とりあえず途中までの乗車券と、佐用までの特急券だけ購入し、あとは現地で聞いてみることにしました。

そんなこんなで少し時間を食ってしまい、いそいでお弁当などを買い込み、走って新幹線に乗り込みます。全線自由席で買ったのですが、新幹線も朝はガラガラ。時間ぎりぎりでも十分に座れます。

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やばかったのがサンダーバードです。実は新幹線はもう一本遅らせてもギリギリサンダーバードには乗れたのですが、無理してでも一本早めでよかったです。なんと指定席は満席、自由席も通路が人で溢れていて、グリーン以外の指定席車両の通路まで座れない人のために解放していました。3月16日には新幹線が敦賀まで開通するので、その影響もあって混んでいるのかもしれません。

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とにかく席に座ることはできたので、電車が出発してからすぐに朝ごはんです。富山-金沢間の新幹線は20分くらいなので落ち着かないんですよね。午前8時過ぎくらいでしょうか、ここでやっと富山駅で買った弁当を開けます。この日は「海鮮美食」。

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前週にCP+で東京方面に行った時は「ぶりとたいのこばこ」で、SNSで海鮮美食も美味しいと聞いていたので、今回はそちらに挑戦です。両方とも同じ会社の製品ですが、どちらもとても美味しくて、今回の海鮮美食もいろんな味が楽しめて、大満足でした。言うなれば寿司のコースが弁当箱に凝縮されたような印象です。他より100円か200円高いのですが、その価値は十分にあります。

京都駅に着くと、次の特急スーパーはくとに乗ります。京都駅での乗り換え時間は40分くらいあるのですが、先にホームの確認に行きます。まだ出発まで30分以上あったのですが、すでに車両は到着していました。
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自由席が1、2号車であることを確認して、まだ時間があるので弁当などを買いに行きます。それでもまだ出発まで十分時間はあるのですが、もう席に座ってしまいました。なんでかというと、一番前が空いていたからです。
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この見晴らしはいいですね。運転席は全体が見えるし、運転席越しに前方の景色が全部見えます。

電車内は結構時間があるので、その日の講演の最終チェックなどをします。姫路を越えると、相生と上郡という駅に泊まりますが、この上郡でJRから智頭急行にはいるようです。あ、ここからの乗車券が富山駅で買えなかった件ですが、電車が発車してすぐに車掌さんの切符の点検が来て、その時に話したらその場で発券してくれました。

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ここからは単線です。単線を特急で飛ばしていくのを見るのはかなりの迫力です。このスーパーはくとは振り子型の電車らしくて、酔いに気をつけてというXでのコメントがありました。私は酔いにあまり強くないのですが、今回は全然大丈夫でとても快適した。
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6分遅れの13時過ぎに、目的地の佐用駅に到着。ここでやっと乗る時に撮り忘れていた先頭からの写真を撮ることができました。
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駅を出ると、天教でもお世話になったMさんが待合室にいました。早めに着いたそうです。相乗りのタクシーが13時30分にくるので、しばらく待ちます。その間に以前お会いしたことがある方、初めての方含めて、全部で6人が集まりタクシーに乗り込み、西はりま天文台に向かいます。タクシーで15分かからないくらいでしょうか、歩くと90分らしいのですがずっと上り坂なので、タクシーの方が無難かと思います。


到着

西はりま天文台に到着。実はここにくるのは2回目で、別件で以前昼間のうちに来たことがあります。その時は仕事関係で短時間案内されただけなので、じっくり夜まで滞在して望遠鏡を覗いたりするのは今回が初めてです。

かなり広い敷地で、遠くに望遠鏡のある建物が見えます。左の白い建物に口径2mの「なゆた」が入っています。

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下の写真が、今回お世話になる宿泊施設(焦茶色の屋根の長い棟)と、研究会が行われる建物(左手前の赤茶色の棟)です。
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研究会の会場です。
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すぐに電視観望の講演

到着して、今回お誘いいただいた実行委員のFさんにご挨拶して、荷物などを置いたり、機材を準備していたらすぐに会の始まりです。簡単な説明の後、すぐに講演会が始まります。トップバッターが私なので、そのまま話すことに。内容は電視観望と普及についてです。持ち時間は25分と言われていましたが、少しオーバーして30分くらいになってしまいました。質問もいくつかあり、もともとメンバーは眼視の方が多い印象でしたが、電視観望をすでにやられている方、興味を持ってくれた方もいたので、少し安心しました。最近はSeestarの普及率がすごくて、メンバーの中に持っていらっしゃる方も結構いましたし、この研究会に実際に持ってこられた方もいました。また、公共天文台などの関係者の方もいらしていたので、ぜひCMOSカメラをつけて試してみてくださいと、宣伝しておきました。質問に答えた際にもいったのですが、電視観望は突き詰めた撮影とは違いますし、1人で見るというよりはむしろイベント向きだと思います。大人数で一度に楽しむことができ、暗い空をそこまで必要しないので安全面からも適しています。そういった楽しみ方の可能性が増えるということが伝わっていればと思います。

その後さらに二人の講演があり、掛け合い漫才みたいなのもあったので、関西っぽくて楽しかったです。

この日は3人の講演だけで終わりで、その後は少し早めの夕食です。目の前に座っていた小学5年生の女の子が次の日に発表するという話を聞いていたら、左隣の方もその女の子の次に発表とのこと。明日の日曜もかなり楽しめそうです。

夕食後、18時を過ぎていたのですが、まだ外はかなり明るいです。そうか、西日本に来てたのだと実感した瞬間でした。調べたら富山と兵庫では日の入りの時刻は10分ほどの違いでしかありませんでしたが、ずいぶん遅くまで明るいなと思いました。というか、富山は最近全然晴れてくれないので、早くに暗くなってしまう印象だったのかもしれません。到着した時はまだ曇りだったのですが、夕方くらいになってくると、この日はすごい快晴で、全面星が見渡せるほどでした。暗くなりかけだったので、私も電視観望機材を用意して少しだけデモをしたのですが、外に出てくる人があまり多くなかったので、何人かの方に見せることができた程度です。


「なゆた」の見学

というのも、19時半から口径2mの望遠鏡「なゆた」の見学会があります。一般の見学会に合わせた形になっていて、なゆたの建物の説明会場に行くと、かなりの人がいました。

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なゆたが入っている建物です。
食後すぐに、明るいうちに立ち寄った時に撮った写真です。

今回の研究会のメンバーが75人と聞いていたので、一般の人と合わせて確実に100人を越えて参加者がいたと思います。

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なゆたでは木星、カノープス、M37、M42のトラペジウムを見せてもらいました。M42は色がつかないか、並んでいる間に右目だけスマホで明順応しておいたのですが、残念ながら色がついているようには見えずに、普通に暗順応している左目と変わりませんでした。何度もなゆたを巡回するのですが、ちょうどその時刻にカノープスが南天するらしく、同じフロアの外の屋上エリアからカノープスを見ることができました。少なくとも地元の富山よりは南なのと、山の結構高いところからのしかも建物の屋上からなので、視界が開けていて、地平線からはそこそこの高さのカノープスを見ることができました。地元から一般の方も見学に来ているので、それらの方たちとの会話も楽しかったです。冬の天の川もやはりなかなか気づかないので「オリオン座の左からずっとカシオペア座の方に...」とか説明していました。

なゆたの制御室の前にあるモニターを見ると、SharpCapが使われているのが印象的でした。ただ、バージョンが3.2台なので、ちょっと昔のものです。

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夜の部の高校生の発表

なゆたに十分満足して宿泊棟の方に帰ると、高校生たちがMITAKAでの発表の準備をしていました。偏光グラスをかけて、画面が立体的に見えるもので、解説もよく練習しているようで、とてもわかりやすかったです。
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この高校生たちは、次の日発表もするということです。若い人たちがこういった研究会で発表するのは素晴らしいです。ぜひとも自分たちで色々考えて、こういった研究会で成果を発表して、楽しんで活動していただければと思います。そしていつまでも天文を好きでい続けて欲しいです。


色んな参加者

この研究会には、年配の方も子供も、ベテランの方も初心者も、こういった会では珍しいくらいに女性もたくさん、本当に色んな層からの参加者がいます。夕食が終わった次の交流会までの時間に、例えばある一人の方と少しお話ししました。講演の後に質問されてきた方で、赤道儀の極軸が全然取れないというのです。時間があったので、ちょっとじっくり聞いてみます。

その方はかなり勉強熱心で、極軸を合わせる説明のファイルを印刷してバインダーに閉じ、自分で理解できるようにかなり書き込みをしています。でもよくよく聞いてみると「極軸が数十度とかズレる」というのです。でも数十度?普通に考えたらちょっと信じられないような数字です。いろいろ話を聞いていて、やっとなぜか理解できました。「鏡筒はRedCatを使っている」と聞いていたので、最初結構経験のある方かと思ったら、どうやら「ほぼ完全な初心者」と言います。「いまだに一度も極軸をきちんと合わせられたことはない」というのです。極軸をどう合わせているかというと「ASIAirの極軸調整機能で、しかもそれを北極星の見えない南側に向いたベランダでやっている」というのです。私が「そもそも赤道儀を方位磁石とかで北にむけていますか?」と聞いたら、その意味自身が伝わっていない様子でした。

そこでアドバイスしたのは「まずは近くの公園でもどこでもいいので、北の空が見えるところで、まずは赤道儀を北に向けてください。方位磁石でもいいですし、今ならスマホでコンパスアプリもあります。極軸望遠鏡もあるということなので、ASIAirとかの高度な機能はまずは忘れて、基本に忠実に、手で合わせるところから初めてください。北極星が見えるところでさえ極軸が合わせられないのなら、北極星が見えないところで極軸を合わせるなんて到底できません。高度な機能に頼るのは基本ができてからがいいです。」というようなことです。

今の世の中、高度すぎる機能のものが溢れかえっています。基本を疎かに便利なところだけ使おうと思っても逆に難しくなってしまいます。なので数十度ずれても、なぜそんな不思議なことが起こるか、根本的な疑問にさえ辿り着かないのかと思います。

実際、初心者にとっては天文機器を扱うのは難しい場合があります。「地元に天文クラブとかないでしょうか?もし一緒にやってくれる人がいるなら、一緒に夕食でもとりながら、その後、機材と一緒に付き合ってもらうのもいいですよ。」と、どなたかがアドバイスしていました。本当はこの場に機材を持ってきてくれていれば、教えてくれるような人はたくさんいると思うのですが、車を持っていなくて機材を持ってくるのは大変とのことです。

一度だけ上手く撮れたというアンドロメダ銀河の写真を見せてもらいました。奇跡的に極軸が取れた時で、それ以降やはり全然ダメだとのことです。基本を疎かにせず、コツさえ掴めば、必ず上手く行くはずです。せっかく揃えた素晴らしい機材です。今のままだと苦行になってしまいかねないので、一刻も早く楽しんでいろいろできるよう、成長されることを願って病みません。私が近くに住んでいるなら、押しかけてでも一緒に作業してあげたいくらいです。


夜の交流会

さて、夜はお待ちかねの交流会。なんでも「ダメな人間の会」とかいう別名がついているとのことで、延々と夜中まで続くそうです。たくさんの方がいるので、それでも話せたのは一部の方ですが、とても楽しかったです。私も漏れずにダメ人間になっていて、飲んだくれてずっと話し込んでいたら、電視観望の機材を外に出しっぱなしにしていたのを完全に忘れてしまっていました。午前0時頃に気づいて外に出てみたら、かろうじて2等星くらいまでの星は見えるのですが、全面がガスっていて、その時点で機材は片付けることにしました。後から聞いたら、高校生たちはダメ人間にはならずにずっと外で撮影をしていたとのことです。見習わなければいけません。

その後も交流会という名の飲み会は続きました。気づいたのは、女性が結構な割合でいることです。少し会話の中に入れてもらったのですが、みなさん以前からの知り合いのようで、とても仲が良さそうに見えました。こういった会にはよく参加されるそうで、居心地がいいのでしょうか、とても楽しそうに話していました。というのも、コロナ禍でこの会もなかなか集まることができず、観望会形式のようなものは続けてきたけれども、こうやって顔を突き合わせて交流(飲み食いする)するのは2019年以来4年ぶりとのことです。そんな会に呼んでいただき、とても光栄でした。

午前2時半頃でしょうか、やっと「そろそろお開きにしましょう」とかいう宣言がかかり、解散となりそれぞれの大部屋に戻って行きました。もちろん途中で布団に入った方や、宴会場の椅子に座って眠りこけてしまった人もいますが、3-4割の人は最後まで残っていたのではないでしょうか?眠るのは少し惜しかったのですが、明日の朝食は7時45分からです。あまり寝坊もできないのでそのまま布団に入ったら、すぐに眠ってしまいました。ちょっと疲れていたようです。


2日目の研究会

朝7時15分、部屋の電気がついて起床です。着替えや部屋の掃除をなどして、朝食に向かいます。朝食後になゆたの建物の上に見た白い月が印象的でした。

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午前9時から研究発表会が始まります。月の石を探す旅や、各地の観望会などの活動の様子が発表されます。小学5年生の女の子の発表や、高校生の発表もありました。少し緊張しているように見える人もいましたが、皆さん頑張って発表していました。

最後に発表された研究奨励賞には、一つは月の石の話と、もう一つは子供達がいろいろな体験をして自分たちで発表するという活動の、2つが選ばれました。特に後者の活動発表は、子供たちに自分で考えてもらい、考えたことが「腑に落ちる」というところを重要視しているとのことでした。私も観望会で似たようにできる限り参加者自身に考えてもらうようにしているので、この方針には大いに賛同できました。

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研究発表会のあとは、恒例のビンゴ大会です。私も星柄のフェイスタオルをいただきました。その後の奨励賞の表彰式も無事に終わり、15時少し前に会は終了しました。電車の時間に余り余裕がなかったので、当初からお世話になった実行委員のFさんに挨拶して、他の方とのお別れの挨拶も余りできずにその場を去って、呼んであったタクシーに乗り込み駅に向かいました。タクシーではお一人、岡山から参加している方と相乗りしました。この方、来る時も一緒のタクシーに乗った方です。駅までのタクシーの中と、駅のホームでも少しお話ししたのですが、今回初めての参加とのことで、いろんな方とお話しできたと言っていました。どうも他の方も聞いてみると、4年ぶりということもあったのか、今回が初めての参加の方も多かったようで、それぞれ楽しむことができるのが、この会の特徴と言えるのではないでしょうか。この方ともまたいつか会えるのを楽しみに、ホームでお別れしました。

さて、帰りも同じ電車でスーパーはくとになります。自由席は今度は後部にあたるので、来たときのような運転席を見ることは当然できません。というか、来た時と変わって結構混んでいます。それでも2つ並んであている席はあったのでそこに座り、昨日の寝不足のせいもあるのでしょうか、ぐっすり眠ってしまいました。

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帰りの乗り換えは、大阪駅です。混むことを心配して指定席を取っておいたサンダーバードに乗り込み、金沢まで向かいます。

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金沢駅について走って新幹線に乗ったら、予定より一本早く乗ることができました。富山駅では妻に迎えに来てもらい、最後は車で帰宅です。21時過ぎでした。かなりうまく乗り継いで片道6時間なので、やはりちょっと遠いですね。


まとめ

今回の講演を引き受けた時はまだ予定がガラガラだったのですが、実はそのあとどんどん詰まってきて、ブログでも書いたCP+も含めてここ2週間ちょいでセミナーや講演などが7つあり、相当タイトなスケジュールでした。このブログを書いている今はやっと全て終わり、自分の時間を取ることができています。それでもこの研究会は得るものも多くて、とにかく夜が楽しかったです。ちょっと遠かったですが十分に行く価値のあるもでした。もし興味がある方は、ぜひとも来年参加してみてはいかがでしょうか。


週末は二日に渡って愛知県豊田市にある旭高原元気村に行ってきました。


きっかけ

きっかけはonetrickさんのXへの投稿でした。なんでも11月11日に旭高原元気村に「気ままに星空観望仲間」が集まった時、ある高校の天文部の生徒と顧問の先生が来ていたとのことです。そしてその高校は私の母校で、しかもこの日は天文部の合宿の下見ということでした。12月に再び天文部メンバーを連れて合宿に来るそうです。そんな話をしていたら、以前大鹿村の観望会でお世話になったKatoさんから「ちょうど同じ日に元気村で集まりがあるので参加しますか?」とのお誘いが。うまくいくと現役の天文部員とも会えるかもと思い、参加するとの返事を出しました

私は星を始めたのが2016年で、子供の頃の星の思い出というのはほとんどありません。30年以上前の高校の時も天文部があり、クラスの女の子が天文部のメンバーだったのは覚えていますが、当然部の様子なんかは全然知りませんでした。なので、古くから天文をやっている人の高校の時の天文部の思い出の話とかを聞くと、とても羨ましく思ってしまうのです。

今回はもしかしかしたら現役の高校の天文部員と話せるチャンスかもしれません。しかも母校なので、当時に比べて今はどうなっているのかにも興味があります。そんなこんなでXのDMで天文部の公式アカウントに連絡を取ってみました。程なくして返事が来て、実際には合宿は金曜から一泊ということがわかりました。どうやら授業が終わったらそのまま移動するようです。そんなわけで、金曜の夜と、さらに土曜の夜の集まりにも予定通り顔を出すことにしたので、2日連続で元気村に行くことになったのです。


元気村に向けて出発

金曜は富山を夕方に出て、東海北陸自動車道で美濃関JCTで東海感情自動車道に入ります。豊田環八ICで降り、国道153号線を走ります。20時頃に元気村に到着したでしょうか。

駐車場に何人かの若い人たちがいたので、早速声をかけるとやはり母校の天文部の生徒たちでした。しかも部員の皆さんも私のことを聞いていたらしくて、すぐに打ち解けることができました。この時点でも何人かの子と話すことができました。例えば高校の学祭が6日もあるのですが、その伝統もしっかり生き残っていました。生徒会活動が当時からものすごい盛んで、この日も生徒会のメンバーの子がいて、今の様子を色々聞くことができました。この日は22時くらいまでが部としての活動で、あとは有志で好きなことをするとのことです。そもそも有志という言葉もひさしぶりに使われているのを聞いた気がします。高校の頃は有志活動というのもすごく盛んで、例えば当時映画で出てきた「死せる詩人の会」とか有志で作ったりしていました。多分本質的には雰囲気は今もあまり変わっていないみたいで、皆さんとても楽しそうに高校生活を過ごしている雰囲気が伝わってきました。

残念だったのは天気で、目で見て星は何も見えなかったのですが、せめて何か見えないかと、50mmのNIKKORレンズで広角電視観望を試してみました。いろんな方向に向けますが、全く星のかけらも見えず、雨こそ降っていなかったものの、雲がかなり厚かったのかと思われます。それでも広角電視観望セットに興味を持ってくれた部員もいて、詳しいことを聞くきたいというので連絡くれるそうです。もしこのブログを読んでいたら、ぜひ気軽に連絡してきてください。

結局星は見えないので、22時半頃から宿に入って部員の皆さんと天文関係で少しお話ししました。この宿はつつじ屋敷と言って、古民家を手本に現代の大工さんが昔の日本家屋を再現したとのことで、 和室が何部屋もあり、たくさんのに人数が泊まれるようになっています。

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つつじ屋敷を次の日の朝に撮ってみました。

すでに布団が引いてあるところもあったり、トランプなどで各自楽しんでいるようでした。母校であるこの高校、基本的にものすごく自由で、生徒の自主性を限りなく尊重しているのですが、今でもその伝統は続いているようです。私が高校生の時どんなだったかとか、当時と今を比べたりかなり話が盛り上がりました。元々星見で夜遅くまで起きているはずなのですが、あいにくの天気でどうしようもないため夜更かししても大丈夫みたいです。結局0時近くまで話し込んでいました。そういえば、1年生の時に山での合宿があるのですが、その当時も「先生から夜起きている権利を勝ち取ったゾー」と騒いでいたのを思い出しました。その合宿もまだ続いているとのことです。その合宿所は部活でも使うことができて、夏に天文部で合宿するかもしれないので、ぜひ顔を出して欲しいと言ってくれた生徒もいました。私も昔のことをたくさん思い出すことができて、とても楽しむことができました。天文部員の皆さん、顧問の先生、突然の訪問を受け入れてくださり、本当にありがとうございました。


一旦実家へ

その後、機材などを片付け、午前1時頃に元気村をでて名古屋市内の実家に向かいました。実家への道が怖かったです。最初の頃は濃霧で、その後も夜の雨で視界が悪いのと、カーナビの情報が古くて新しい道にあまり対応していないのと、夜だから渋滞はないので下道で実家に向かったら何度か迷ってしまいました。結局午前3時位に実家に着いたので、結構余分な道を走ってしまいました。そのまますぐに寝てしまい、次の日は用事を済ませて、親と一緒に近くの(富山には無い)ブロンコビリーでランチを取り、再び元気村へ出発します。

市内は混むと思い、ガソリンだけ追加して実家近くのICからすぐに高速に乗ります。でも名古屋の高速に全然慣れていなくて、途中一度間違えて高速を降りてしまいました。下道はものすごい渋滞で、高速に戻るだけで結構な時間をロスしてしまいました。しかも今回は猿投グリーンロードを使ってみたのですが、茶臼山の方の出口まで行ってしまい、どうやらかなり遠回りをしてしまったようです。まだ名古屋と元気村でどの道を通ると一番いいのかがいまいちわかっていません。結局元気村に到着したのは17時くらいになってしまいました。


再び元気村

この日も天気は全然ダメでしたが、昨晩も来たつつじ屋敷の中にはすでにたくさんの人がいて、もう宴会も始まっていてかなり盛り上がっていました。私もそのままテーブルにつき、周りの方といろいろお話しさせてもらいました。元々あまり事情を聞いていなかったので、最初普通の観望会と思っていたのですが、どうやら今回の集まりは「気ままに星空観望仲間」の年1回の大合宿みたいなもので、しかもコロナでここ数年できなかったので4年ぶりの大きな集まりということがわかりました。そんな集まりにゲスト参加で参加させて頂いて、とてもありがたかったです。

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囲炉裏があり、炭火でいろいろ焼いたのが出てきます。
右上に見えるのがダッチオーブンで丸焼きにした鴨です。

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鴨に入刀。私もいただきましたが、
ホクホクでジューシーでとてもおいしかったです。

皆さんとても熱心な天文ファンで、18時頃から開会の挨拶がてら自己紹介が始まったのですが、持っている機材がものすごいです。口径40cm以上のドブの話が普通に出てきて、50cm台、60cm台の話も出てきます。ミューロンの30cmなんて話もありました。この会ができた経緯も聞くことができ、最初3人だったのがここまで大きくなったそうです。名古屋勢にドブ勢が多い理由がやっと理解できました。自己紹介は小一時間続いたでしょうか。皆さんそれぞれ、とても濃い天文生活を送られているようです。自己紹介の後は、ビンゴゲームや、ジャンク市、オークションもあり、皆さんすごいテンションです。

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気ままにほしぞら観望仲間の旗を見ながら、ビンゴ大会の様子。

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ジャンク市の一部。こちらはひいひさんの出品です。
この中でNEWERのカラーフィルターセットを頂いてしまいました。

個人的にも、何人かの方とつっこんで話すことができました。遅くまで話していた方もいたようですが、豪華な夕食とお酒、前日の疲れも出てか、私の方は片付けの後は比較的早めに布団に入りそのまま寝てしまいました。夜中過ぎには晴れの予想でしたが、多分ずっと曇っていたようで、外に出て星を見た方はほとんどいなかったようです。

朝起きると、もう味噌汁とご飯が用意されていました。Katoさんが調理担当も兼ねてくれていたのですが、夕食も朝食もとても美味しくいただけました。名古屋の赤味噌のおでんと、朝食の味噌汁は懐かしくとてもおいしかったです。


富山へ帰宅

朝外に出ると小雪が舞っていました。妻に聞くと、富山は暴風雨警報が出ているらしく、午前9時前には元気村を出ることにしました。片付けをほとんど手伝うことができなかったので、非常に申し訳なく思います。帰り道は、明るい昼間の移動と、やっと地理に慣れてきたこともあって、迷うことなく高速ICまでたどり着き、無事に富山まで帰ることができました。雪も全然大したことはなかったです。

星まつり以外では久しぶりの遠征でした。え、遠征じゃあないだろうって?いや、ε130Dを持っていったので、天気がよかたら撮影しようと思ってました。ホントです。たまたま天気が悪かったので飲んだくれてただけです。

母校の天文部員の皆さん、気ままに星空観望仲間の皆さん、二日共とても楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。星を続けいている限り、どこかでお会いすることもあるかと思います。その際はまたよろしくお願いします。

この記事書くかどうか迷ってました。ノイズ会議の細かい内容は既に前回のきっかけの記事の中に書いてしまったので、もう書かなくてもいいかと思って(自分で言い訳して)ました。でも明日休日で夜に時間が取れるので書いてしまいます。

正直いうと今回集まっていただいた人数にちょっとビビってしまったんです。ノイズなんて高尚なテーマを掲げたら集まるのは4ー5人のマニアくらい、それに多少聞くだけの人もいてせいぜい10人くらいかなと思っていたわけです。でも蓋を開けたら40人以上!しかも全然予想してなかった超大物のKさんまで。星を始める前にプラネタリウムで映像を子供と見て感動して、星を始めてから見て再び感動したあの方です。最近Twitterで突然フォローされてしまって驚いていたのですが、ぜひ一度お会いしたかったのですが、なんとその方まで参加してくれるなんて。黒・天リフさんとあぷらなーとさんも大物ゲストで、それでもあらかじめ参加を表明されていたのでまだいいのですが、会議中のハンドルネームを見ると相当ベテランの方もたくさんいます。いろんな意味で「責任重大だぁー!?」と会議中に焦り出してしまいました。

ちょっと時間は飛んで、実は会議が終わった後、いったん眠って朝起きた後もまだ興奮冷めやらぬで、記事を書く勇気が持てなくて、前回の記事の中に技術的な追加を書き留めるだけにしておきました。でも事の顛末は書いてないので誤魔化してるんですよね。それで初心に返り「やったことは記録しておく」の精神でこの記事としました。これだけの人数に影響を与えてしまう可能性があることは、やはり私の中でも小さなことではなく、何も書き留めておかないのは後から後悔するのではと思ったからです。

事の発端は、前の記事でも書いた通りHIROPONさんの記事です。明るいところでは低ISOが有利というのを見て、天邪鬼な私はすぐに反例を考え始めました。暗いところでは高ISOが有利になりそうなのはすぐに思いつきましたが、Twitterで議論が始まったのが朝のこと。仕事だったのでやっと夕方になり議論に参加しようといくつかコメントしたのですが、その時点で黒・天リフさんのたくさんの秀逸な質問い答えるのが面白かったと気づきました。一つ一つ答えようとしたのですが、色々散らばってたので、じゃあいっそのこと記事にと思って書いたのが、前の記事になります。

黒・天リフさんの質問を拾っていて思ったのは、長年の疑問のせいかかなり際どいところをついていて、答えを考えるのも大変でだったことです。答えを考えながら書いていて「あ、これ他の人も言いたいことたくさんあるのでは?」と思ったのがZoom飲み会をやろうとしたきっかけでした。これにはもう一つ理由があって、ちょっと前にTwitter上のタカsiさんの言い出しっぺで、何故か私が指名され急遽Zoomで7-8人集まってこの時も飲み会と題して雑談してたことがあります。でもこの飲み会、あまりにだらだらすぎたので最後こたろうさんが「次回はテーマを決めてやろう」と言われてたのが耳に残っていて、その延長で今回はテーマを決めてやったという意味があります。でもその時のZoomの飲み会もブログ記事にはしてなくて、だんだん記憶が薄れていってしまっているので、記事にしなかったことを少し後悔しています。

あと、本当はこの会議にHIROPONさんに参加してもらいたかったです。以前東京オフ会というのをやったことがあってHIROPONさんに連絡をとって参加していただいたのですが、非常に穏やかそうな方で、記事からもわかるように天文に対する真摯な態度があふれている方です。今回の会議で「飲み会」と謳ったのは理由があって、どちらのISOが有利かと結論を出したくなかったのです。当然撮影条件によって有利不利が変わるのが当たり前で、それらをできることならHIROPONさんを交えて楽しく話したかったというのがあります。

さて、当初の和気藹々とやりたかった思いとは裏腹に、会議中も人数がどんどん増えていってしまい、自己紹介の時間確保もままならなくなってきて、結局ブログを見ながら黒・天リフさんに直接口頭で質問してもらって、私がある程度ブログ記事に沿って答えて他の方の意見を募るという形にしました。会議を開催しようと思ってからある程度のこの形にしようとは思っていたのですが、本当はもう少し砕けてざっくばらんに進めたかったです。でもさすがにあの人数だと発言できる人も限られてしまい、もう飲み会と言うよりは、Twitterで呟かれていたみたいなのですが「まるで学会」と呼ばれるような雰囲気になってしまいました。ここら辺は私の力量不足で、飲み会のような気楽な雰囲気を期待して来ていただいた方には、大変申し訳なかったところです。

そこまで人も集まらないと思って、宣伝の意味も兼ねて最初から「聞くだけの方も気軽に参加してください」と呼び掛けたこともあり、多くの人が興味深く聞いていてくれたのは本当に助かりました。それでもある程度発言が一部の人に集中してしまうのは避けることができず、多くの方がまだ発言し足りなかったのではないかと反省しています。逆に、私の話だけでは全然理解が足りずに、かなりの方にフォローをしていただいたのは大変ありがたかったです。特に、何人かのセンサーや画像処理の専門の方がいて、その方達の意見は本当に参考になりました。このような場に出て来ていただいて、改めてお礼申し上げます。

23時半頃までを第1部として、黒・天リフさんの疑問を中心に進めて、それ以降を第2部として自由参加とさせていただきました。私は外に出しっぱなしにしていた赤道儀を片付けるために第2部の最初10分ほど抜けましたが、帰ってくるとあぷらなーとさんに対する質問みたいな形態ができていて、少し飲み会に近い雰囲気になってきていたのが幸いでした。あぷらなーとさん、本当にありがとうございました。あぷらなーとさんの経験豊富な具体的な話は皆さん興味深かったのではないかと思います。ここでもまだ25人くらいは残っていて、第1部の半分以上の方が参加してくれていました。この人数にも驚きましたが、もう司会というような感じでもないのでむしろ私も一参加者気分で気楽に話に加われました。

それにしてもノイズという、まあ言ってみれば小難しいネタでよくもこれだけ人が集まるものかと。やはり興味がある人は相当興味があるということでしょうか。実際、第2部が終わったのは午前1時半頃です。21時開催だったのですが、20時半過ぎには一部の方(実は一番乗りはあぷらなーとさんで、その興味の深さがよくわかります)が参加し始めていたので、実質約5時間です。しかも終わりも「会議室が午前1時半までの予約です」と言って、ある程度強引に終了に持っていった感もあるので、放って置いたら全然エンドレスでした。会議室の延長ももちろんできたのですが、まあさすがに深夜遅くにかかってくるのでいくら次の日が日曜で休みだとしても、このくらいでちょうど良かったのではと思います。

会議終了後やっとTwitterをタイムラインで追えて、「学会」という単語が随所に出ていてびっくりしていました。自分の中ではできるだけわかりやすくを心がけていたのですが、まだまだだったみたいです。でも基本的に「すごく面白かった」「難しかったけど興味深く聞けた」という意見が大半で、大変だったけど本当にやって良かったと思いました。朝起きていろいろ見ていても、Twitterはもちろん、いろんな方のブログなど各所に反応が出ていて、少なからず影響があったのかと実感し、それをみてるだけで日曜は過ぎてしまった感があります。

今回のZoom会議(飲み会だったのに...)は、かなりの人に影響を与えてしまうのではないかという、責任重大だと思った反面、何が正しくて何が間違っているのか、人の言うことを鵜呑みにせずに、ぜひとも自分で考えてもらうことの大切さを認識してほしいと思いました。今回の話も必ずしも正しいわけでなく、条件によっても結論は容易に変わってくると思います。そうやっていろいろ考えていると、何かの機会で同じように考えている人と意見を交わす時に、本当に楽しいのではないかと思います。

参加して頂いた多くの方、本当にありがとうございました。私自身も勉強になりましたし、非常に楽しむことができました。至らない点もあったかと思いますが、また何か企画しますので、その際はまた懲りずにご参加ください。


年末のことです。事の発端はこのブログに来たコメント。以前書いたCMOSセンサーの撮影時のノイズのページのIさんからのコメントでの質問でした。ノイズについて詳しく知りたいとのこと。コメントで書くと大変そうなので、メールでやりとりすることになりました。


会ってみることに

何度かメールでやりとりをして
  • 子供の頃天文少年だったが、その後天文から離れていて、つい最近出戻りで電視観望を始めたこと。
  • 電視観望の露光時間の最適化をしたいこと。
  • 秋葉原に毎日通っているのにまだ天文ショップを覗いたことがないこと。
などがわかりました。かなり熱心な方のようで、というか逆に私も全然知らなかったSharpCapの作者のRobin Glover氏の講演のビデオとか、同じくRobin Glover氏のスカイノイズの導出の式の解説とか教えてもらいました。

そんな折、私の方が1月に東京出張で秋葉原に寄る機会があるので「ノイズに関する資料を渡すついでにもしよかったら食事でもご一緒しませんか?」と、懲りもせずにネットで知り合った人と積極的に会うことに。むしろ向こうから見たら怪しい誘いに見えなくもありません。子供に言わせたら絶対やっちゃダメなことだそうです。ちょっと意味が違うかもしれませんが、天文の人って会っていても暗い中なので顔を知らないとかよくありますからね。

せっかくなので待ち合わせ時間がずれてもひまを潰せるように、待ち合わせは天文ショップにしましょうと、スターベースで落ち合うことにしました。


キタムラでいつもの6x7レンズを物色

スターベースに寄る前にキタムラに行って、最近お気に入りのPENTAX6x7レンズを物色に。150mmから200mm位までのレンズを探していたのですが、ちょうど160mmというバッチリの長さのレンズがありました。明るさはf2.8で悪くありません。中古機器はホントに出会いです。

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帰りの新幹線の中でパシャリと撮影。

いつもの格安のf4のレンズとかよりは少し値が張りましたが、それでも十分安いです。ただ、裏キャップがついていなかったので少し迷いました。こんな古いキャップは単体ではもうどこにも売っていないので見つけるのが大変です。いっその事、その場に売っていた格安のペンタ6x7のコンバーターとかの裏キャップを代わりに使うかと思いました。でもよく考えたら、以前買った収差が酷すぎでお蔵入りの200mmの裏キャップを外して使えばいいのかと思いつき、結局今回も購入することに。当たり外れは試さない限り分からないので、早く晴れて星像テストしてみたいです。でも後からのことを考えたら今回は少し節約しておいたほうがよかったかもしれません。


スターベースで待ち合わせ

17時半頃、スターベースに到着してしばらくするとIさんらしき方がやって来ました。が、ずいぶん若く見えます。復帰組なのとメールのやり取りで、絶対私より年上だと思っていました。実際聞いてみたら「いくつに見えます?」というので、正直なところ40位、下手したら30代かと思ってしまいましたが、年齢を聞いたら自分より少しだけ上。ちょっとびっくりでしたが、やっと納得しました。

Iさんは仕事の関係で店の前はしょっちゅう通っているのに、スターベースはおろか天文ショップも初めてだというので、店の中で店長さんや仲のいいS君に紹介がてら、天文少年だった頃のこととか色々話しました。なんでも1980年くらい、当時小学5、6年生の頃に10cmの反赤だったというので、ずいぶんと理解のある親だったとのことです。中学くらいで天文から離れてしまったのですが、つい最近C8とレデューサーとASI294MC Proで電視観望に興味が出て復帰とのことです。色々調べた末、Cloudy NightsでのEAAのためのおすすめ機材らしく、復帰の経緯だけ聞いてもなんか期待大です。初期投資でちょっとかけてしまったので、タカハシは「いつかはタカハシ」とのことでなかなか店舗まで来る機会がないとのことでしたが、最近のスターベースはタカハシ以外にも他メーカーの入門機から太陽観測などまで、店に置いていある機器を見るだけでも楽しいです。

近頃はネットで天文機器を購入することが主流なのでしょうが、せっかく東京などの都会に来たら(どうせ明るくて星は見えないので)天文ショップに来て店員さんと話しながらいろんな機材を実際に見るというのが都会での天門の楽しみ方の一つだと思います。初心者にもおすすめですし、私みたいな田舎で天文ショップがあまりないところに住んでいる天文マニアには特におすすめです。

この日のスターベースにはアルバイトのK君がいなかったのが残念でした。K君に頼まれていたCMOSセンサー面の顕微鏡撮影の話をしたかったからです。でもIさん、このほしぞloveログを相当読み込んでいてくれてるようで「あ、こちらがブログによく出てくるS君のことで、今話していた方がK君のことですね。」とか、すぐに話が通ります。ここで色々盛り上がるのですがそこは後半で詳しく話します。


居酒屋へ移動

私の方が今日中に富山に帰らなければならず、あまり時間もないことなので、ここでIさんと一緒にスターベースを退散して近くの居酒屋に移ることにしました。お店はスターベース から秋葉原方面に歩いてすぐのところ。Iさんに選んでおいていただいたお店で、職場で利用したことがあるとのことです。平日で二人なので予約なしで入ることができました。私は帰りに運転があるのとIさんもお酒はそれほどというので、二人ともソフトドリンクでした。頼んだメニューは刺身盛り合わせとぶりかま、タコ唐、サラダくらいでしょうか。3人とか4人分が目安みたいで、頼みすぎなほど量がありました。刺身も新鮮で美味しかったです。ぶりかまもその大きさに驚きました。写真撮っておけばよかったです。

でも今日のメインはお話。よくよく聞いてみると元々物理出身で、もうその時点で話がすぐに合います。物性理論専攻で、今は画像処理関連のソフトウェアエンジニア屋さん。ある意味天文に直結しそうなスキルを持っているのかと思います。昔は超天文少年で、観望会でたまにいるような異常に詳しいような子だったみたいです。天文ではないですが、中学の頃はPC8801を安く譲ってもらったそうで、マイコン時代の話でも盛り上がりました。ちなみに私はPC6001mkIIが最初のマイコンです。

もちろん天文の話でも盛り上がりました。天文は子供の頃以来遠ざかっていて、残りの人生を考えた時に天文に復帰することにしたとのことです。その時に電視観望に興味が出てこの「ほしぞloveログ」も見てくれてコメントをくれたとのことです。さすが理論物理出身だけあって、ノイズの観点から電視観望での最適な露光時間を求めてみたいというのが一番興味があるところのようです。びっくりしたのは、専用のノートを用意してあって、手書きで何ページにも渡り式が並んでいることです。しかもすでに数値条件も入っていて、時間まで具体的に出ています。さすがに居酒屋で式は追えませんでしたが「これブログにしたら興味持ってくれる人いるんじゃないですか?」とかいう話をしたので、もしかしたらそのうち公開してくれるかもしれません。天文趣味の人で理論物理出身の人はあまりいないと思うので、色々解析とか進めてくれるはずです。ちょっと期待してしまいました。

復帰間も無いのに、多分調べたり吸収する速度が相当速いのでしょう。最近のアマチュア天文業界にも詳しくて、今の日本の天文機材メーカーと中国メーカーの勢いの比較とかの話も盛り上がります。多分ソフト業界で機械学習とかの分野の事情もあり色々海外事情も詳しいのかと思います。他にも機械学習を天文でどう利用できるかとか、AZ-GTiみたいにソフトをうまく組み合わせた新しい機材のアイデアとか、色々盛り上がりました。最終電車の関係で20時半前にはお店を出る必要があったのですが、全然話し足りないくらいでした。秋葉原駅まで歩いてそこで別れましたが、星まつりとかも面白いですよと誘っておいたので、またすぐに会うことはできそうです。多分これからどんどん沼にはまっていくのかと思いますが、末長く議論を交わしていきたいです。


山手線で偶然の出会い

秋葉原から東京駅まで乗った帰りの山手線、偶然乗った車両の、偶然座った席の隣になぜかKYOEIのMさんが!「いままで今日初めて会った天文仲間と居酒屋にいたんですよ」とか話したら「相変わらず活発でね」と、感心されたんだか呆れられたんだか。

さて、この話はこの日あったもう一つの大きなことにつながっています。長くなるので、それはまた後半で。

来週東京方面に行く用事があるのですが、もしほしぞloveログオフ会をやるとしたら、このブログを見ている関東近辺の方で集まってくださる方などいらっしゃいますでしょうか?

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4月3日(火)の19時過ぎ頃からを考えています。夕方、秋葉原の天文ショップを少し覗こうと思っているので、天文ショップ閉店時間くらいに合わせて、その近辺で集まれる方でというくらいです。平日で突然の話なので、どのくらいの方が来れるのか全然想像がつきません。一人でも来ていただけるなら楽しそうなので開催しようと思っています。

もし参加希望される方がいましたら、コメント欄にメールアドレス付きで参加表明のコメントをください。(メールアドレスは他の人には表示されません。)直接連絡いたします。


2018/4/5 追記: オフ会大成功でした


 

今年もまた県天の星仲間に新年会に誘っていただきました。毎年年明けにはオフィシャルな例会と、仲のいい何人かで集まる飲み会があるようなのですが、1月21日に例会で皆さんとは顔を合わせたばかりで、しかも結局飲み会もかなり同じ顔ぶれです。

駅近くの居酒屋で、刺身がとても美味しいところでした。勝駒というとても美味しいお酒もありました。量もたくさんあり、お腹いっぱいになりました。

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もう食べ終わってほとんどごちそうさま間近の写真です。

料理ももちろんいいのですが、やはり話が盛り上がります。星ネタはもちろん、天文機材ネタ、コンピュータネタなど、趣味が同じ人たちなので、話が尽きることがありません。特に皆既月食は富山では雲が多すぎてみなさんダメだったみたいで、このブログでの写真を見てよくここまで撮れたと驚いた方が多かったようです。嬉しかったのは、ブログを見てくれている方が意外にいてくれていることです。月食の記事もそうですが、星カフェSPICAの記事を見て、行ってみたいという話でも盛り上がりました。電視観望の話も少し出て、県天でも興味を持ってくれている方がいることも嬉しかったです。

今回は遠くの席の方達とあまり話せなかったのが残念でした。2次会に行かれる方も結構いたみたいですが、土日は終バスの時間が早いので、私は1次会だけで退散しました。もう県天の方達とも2年近くの付き合いになり、何度か会うことで顔と人物像が一致するようになって打ち解けるようになってきました。何十年も所属している方も多いので、みなさん古くからの顔見知りにもかかわらず、私のような新参者を受け入れてくれるので、とても嬉しく思っています。


実は昨晩久しぶりに晴れて意気揚々と外に出て撮影の準備をしたのですが、赤道儀の赤経側がクラッチを緩めてもなぜか全く回らなくなってしまいました。回転部分の金属の円筒形の接触面に何かを噛んでしまっていたようで、潤滑剤を染み込ませてやっとの思いで外したのですが、傷がいくつか付いていました。再びはめようとしても、回転するどころか、回転部分を内側の円筒形のところにはめ込むことも困難で、さすがに仕方ないので、傷の部分をヤスリで削って、コンパウンドで仕上げました。その甲斐もあって、なんとかハマるようになって、前回壊れて折れてしまった時に買っておいたグリスをきちんとつけて、無事にスムーズに回転するようになりました。購入してから1年9ヶ月、酷使しすぎかもれません。

結局昨晩は修理のために星もほとんど見えずに不満だったのですが、今日の飲み会で楽しかったので、まあ帳消しでしょうか。

 

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