ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: まとめ

先日のスターライトフェスティバルでもそうでしたが、電視観望が盛り上がりを見せているので、これから電視観望を始めたい人のために、機材や説明などを簡単にまとめておきます。

電視観望は、高感度のCMOSカメラなどを使い、ライブビューで星雲や星団を見ることができます。特に星雲に色がついて見えるので、観望会などで披露すると大きなインパクトがあります。また、大人数でモニターを共有して見ることができるので、もうちょっと移動してみてとか、次はあれが見たいとかワイワイガヤガヤ話しながら天体をみんなで楽しむことができます。



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電視観望システムの一例。


1. 鏡筒

高価な鏡筒はあまり必要ありません。400mm以下の焦点距離の短いものがいいです。口径は大きい方がいいですが、意外にも60mmもあればなんとかなります。

ここで使っているもの
  • タカハシFS-60CB:  焦点距離355mm、 口径60mm
  • iOptoron White Light Solar Scopeのフィルターがないもの: 焦点距離400mm、 口径80mm(安価だけど入手が難しいかも)
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写真はFS-60Qで焦点距離600mm。
真ん中のエクステンダーをはずすと焦点距離355mmのFS-60CBとなる。


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iOptron鏡筒。アクロマートの比較的安価なもの。


まだ試していませんが、iOptronの代わりに入手しやすいCelestronのTravel scopeの70mmが焦点距離が400mmと短くていいかもしれません。これだと1万数千円で入手できます。

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トラベルスコープ。入手しやすく安価です。

私は使ったことがないですが、他にもEYBELLなどで販売しているRFT80Sが安価で入手しやすいのでいいのではとコメントに寄せられています。


2. 赤道儀もしくは経緯台

自動導入が付いているものが望ましいです。自分で星雲など導入できる方は自動導入にこだわる必要はありませんが、できれば自動導入があった方が次々と天体を移動できるので圧倒的に楽しいです。追尾機能がないと短時間で追いかけなければなりませんが、後述のソフトが秀逸なので、追尾機能なしでも少しの時間だけなら可能です。

ここで使っているもの
  • Celestron社のAdvanced VX: 高機能の割に安価です。電視には安定性、精度ともに十分です。
  • Celestron Nexster 4NEの架台部分: 架台だけ購入しようとすると難しいですが、中古などで安価に出ています。自動導入がある中では軽量で精度もそこそこあるので実用的です。
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Advanced VX。電視には十分すぎるくらいです。


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Nexterの架台。軽くていいのですが、架台だけの入手は難しいかもしれません。


3. カメラ

できるかぎり高感度のものがいいです。SONYセンサーを使っているものが感度がいいものが多いです。

ここで使っているもの
  • ZWO社製 ASI224MC: 星雲星団用に感度のいいCMOSカメラを使っています。
  • ZWO社製 ASI178MC: 月など見る場合は、感度は落ちますが、より高解像度のCMOSカメラを使用しています。
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写真はASI178MC。ASI224MCも見た目は同じような構成です。


SONYの提唱するSNR1sという値を参考にするとよく、他にもASI185MC、ASI290MCなどが候補になります。


4. コンピューター

Windows7以降が走るもの。重要な点は上にあげたCMOSカメラがUSB3.0接続なので、USB3.0ポートを持っているコンピューターが必要です。USBケーブルはCMOSカメラに付属されているのでそれを使えばいいでしょう。


5. ソフトウェア
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Sharpcapでバラ星雲を電視しているところ。


SharpCapが使いやすいです。いくつか試しましたが、電視用ではスタック機能が充実しているSharpCapが一番だと思います。バージョン2.9や3.0台のSharpCapはフリーですが、バージョン3.1以降のSharpCap "Pro"から有料になりました。年間ライセンスで10ポンドとのことです。Proの方はPolar Alignment, Dark Subtraction, Flat Frame Correction, Assisted Focus and Scriptingなどがついていますが、電視だけならProの機能はほとんど使わなくてもすむので、まずはProでないほうのフリーのものから試して、必要ならProのライセンスを手に入れるのがいいのかと思います。

ここでは簡単にポイントだけ挙げておきます。
  • 最初は露光時間800msくらい。
  • ゲインは最大から一段階(50)か二段階(100)落としたくらいが使いやすいです。ASI224MCで500くらいでしょうか。
  • Gammaは50で標準。
  • Brightnessは色を出すために最大の240(ASI224MCの場合)。
(SharpCapのバージョンが3.0以下の古い場合)
  • White Balance(R)はオートに設定すると発色が自然になります。
  • White Balance(B)は90程度の高め。
  • Display ControlsのGamma、Contrast、Brightnessは最初はどれも1でいいと思います。
(SharpCapのバージョンが3.1以上の新しい場合)
  • 右パネルの中にある、ヒストグラム(Display Histogram Streatch)を開き、そこにある雷のようなマークのボタンを押してください。かなり見栄えが良くなるはずです。

  • 星雲や星団が見えたらおそらく淡くノイジーなので、Live Stackをオンにします。映っている星の位置を自動認識し、それらの星が重なるよう自動的に画面を重ねていくので、多少画角がずれていってしまっても長時間スタックができます。うまくいくと時間とともに劇的にノイズが減ってきます
  • Live StackのHistgramタブのところの調整がかなり効きます。バージョン3.0以前の場合は横軸の下のつまみをヒストグラムが盛り上がるところらへんに合わせると、背景が黒で締まって、かつ欲しい色を落としません。左の縦軸もいじって見てください。淡いところをあぶり出すのに有効です。バージョン3.1以降にはヒストグラム機能が一新されました。ボタン一発である程度の最適化をしてくれます。
  • それでも淡い天体で見にくい場合はDisplay ControlsのContrastを1増やす、Brightnessで補正、Gammaで好みにというような順にいじっていくといいと思います。(こちらの機能はバージョン3.1以降ではなくなっています。)
これ以上の詳しい使用方法は


にまとめてありますのでご覧ください。


6. アクセサリー
  • UV/IRカットフィルター: ASI224MCの場合赤外にかなりの感度があるため、ホワイトバランスが崩れ赤色が強調されがちです。安価なものでいいので、31.7mmの紫外線、赤外線をカットできるフィルターがあると色が自然になります。
  • 0.5倍レデューサー: 焦点距離400mmでも長すぎる場合があります。これはCMOSカメラのセンサーサイズが小さいため、一部分だけを拡大してみているような状態になるからです。安価なものでいいので0.5倍程度の31.7mmのねじ込み式のレデューサーがあるといいでしょう。Amazonなどで安く出ています。アンドロメダ銀河の全体が入るくらいになります。安価なものなので当然周辺星像が流れたりすることがありますので、ご注意ください。

7. その他
  • コンピューターを載せる小さな屋外用の折りたたみ机などがあるといいでしょう。
  • 画像を調整したりする必要があるので、落ち着いて椅子に座るとやりやすいです。屋外用の折りたたみ椅子があるといいでしょう。


さて、機材は揃いましたか?

8. それでは電視観望を試してみましょう!
  1. 鏡筒、赤道儀もしくは経緯台をセットします。極軸など、初期でのアラインメントは、アイピースなどで確認し、取れているものとします。
  2. 計算機にCMOSカメラをUSB3.0でつなげます。
  3. CMOSカメラを鏡筒のアイピースに入れてネジを締めて固定します。
  4. Sharpcapを立ち上げ、Cameraのところから接続したカメラを選択し、カメラの画面が現れるのを確認します。
  5. ゲインと露出時間を上げていくと、カメラ画面が明るくなってくるはずです。
  6. 鏡筒でピントを合わせます。
  7. この時点でカメラを空の方を向けていれば、晴れた夜空なら都会でも驚くほどの数の星が映るはずです。
  8. さあ、いよいよ電視の始まりです。見たい星雲や星団に鏡筒を向けてください。この際自動導入があると簡単に入るはずです。ただし、センサーのサイズが小さいのでかなり狭い範囲を見ています。もし想定している天体が何も入らなければ、自動導入の精度がずれているものと思われます。今一度初期アラインメントなどを繰り返してみてください。この際、カメラを使って再度初期アラインメントをするとセンターを出しやすいので、アイピースの時より精度が上がると思います。
  9. 何か星雲らしき面積を持ったものが写ったら、Sharpcapのパラメーターを上の説明を参考に調節します。
  10. Live stackをオンにします。ノイズがどんどん落ちてきて、星雲に綺麗な色がついてくることだと思います。
  11. 観望会などで披露して見ましょう。みんなでその場で色付きの星雲を共有して見ることができます!

昨日富山市天文台で見た惑星状星雲M57です。お客さんが結局誰もこなかったのですが、せっかくなのでPCの画面をiPhoneで写真に撮って見ました。こんなのが見えたら大成功です。印象としてはこの写真に写っているのとほとんど同じようなものをその場で見ることができます。皆さんも是非とも電視観望を楽しんでみてください。


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M57の電視の様子。


もっと詳しいことは、以下の記事を読んでみてください。
  1. 高感度CCDでの試み
  2. 機材1 - CCD
  3. 電視用ソフトの紹介 - SharpCap
  4. 観測例1 - 口径60mmでのテスト
  5. 観測例2 - 牛岳
  6. 2台目のCCD
  7. 軽量化と安価な電視システムの模索


最後に

電視観望は、眼視や一眼レフカメラの撮影のちょうど間の、橋渡し的な手法なのかと思います。シャープさでは眼視に勝つことはできませんし、鮮明さでは画像処理をした撮影画像にはかないません。ですが、今見ている、まさにその場で星雲に色がついて見えるだけでもかなりインパクトがあると思います。各地の観望会でこの電視という手法が広まると嬉しいです。

わかりにくいことや、質問などありましたら、コメント欄に書き込んでください。できる限り答えようと思います。もちろん、うまくいったというレポートなども書き込んでくれると嬉しいです。


次は実践編です。

ついに念願の自宅ギャラリーができました。といっても家の奥の方の、トイレの隣の寝室手前の廊下です。誰かお客さんが来たときに、トイレに行くついでに気づいてもらえると嬉しいです。

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最近富山市天文台で行われた県天の写真展のために提出していた4枚の写真と額がやっと返ってきました。この写真は天文台での写真展の後、富山市ガラス美術館、黒部市科学館イオンモール砺波店などでも展示されました。まだまだ満足のいくものからは程遠いので、恥ずかしいこともあるのですが、それでもこの趣味を続けていく上でとても大きな励みになりました。

昔買ったピクチャーレールを頑張って廊下の上の方に取り付けて、ピクチャーワイヤーで吊るしたので、結構というか、思った以上に様(さま)になっています。この4枚をとりあえず自宅ギャラリーに飾ってみたわけですが、こうやって飾ると写真の出来以上にかっこよく見えてしまいます。やっとできた自分のスペースですが、早速妻が自分のものも飾りたいと言い出しました。でもこの場所は死守するつもりです。
 
スペースは限られているので、写真は時々入れ替えて楽しみます。またキタムラに行って印刷してこようっと。 



「柳田でのペルセウス座流星群観察」

IMG_4380c

2016/8/12 23:09:38 石川県能登町柳田
EOS X7, 18mm, F3.5, ISO12800, 20秒固定撮影 RAW
Photoshopで加工



「初めての天の川」 
 
stacked3a

2016/5/8, 01:49 富山県富山市楡原
EOS X7, 18mm, F3.5, ISO1600, 30秒固定撮影 x 4枚
DeepSkyStackerでスタック、DPP4、GIMP2.9で加工


「初めての天の川2」

IMG_0157


2016/5/8 02:19 富山県富山市楡原
EOS X7, 18mm, F3.5, ISO6400, 30秒固定撮影
一枚撮りをDPP4、GIMP2.9で加工



「夏の天の川 in 牛岳」

IMG_4276b

2016/8/10 23:08 富山県富山市牛岳
EOS X7, 18mm, F3.5, ISO12800, 20秒固定撮影
3枚をDPP4、GIMP2.9で加工、合成




 「雪の立山にかかる天の川とこと座流星群」

IMG_2811_x05

撮影地: 富山県立山室堂, 2017年4月24日2時52分
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用
Photoshop CC + Nik collectionで画像処理




「流れる星空」 

StarStaX_IMG_2728-IMG_2910_lighten3

撮影地: 富山県立山室堂, 2017年4月24日2時6分から4時13分
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用
JPEG無加工217枚をSiriusCompで比較明合成




「大気光」

 

富山県立山室堂, 2017年4月24日2時6分から4時13分
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用
JPEG217枚を画像をPhotoshop+Nik collectionで加工後SiriusCompでタイムラプス化 



「M1:カニ星雲」
integration_average_DBE_CC_morph_cut2
  • 岐阜県飛騨市数河高原2019年11月23日
  • 飛騨コスモス天文台3000mm鏡筒+タカハシJP系赤道儀
  • ASI294MC、ゲイン470、露光時間60秒 x 106/121frames =106分

「M8:干潟星雲とM20:三裂星雲」
integration_DBE_PCC_stretched3
  • 富山県富山市下大久保 2019/6/25 22:02-23:21
  • FC-76 + QBP + 新フラットナー+ CGEM II + EOS 6D(HKIR改造)
  • f=624mm, F8.2, ISO3200, 露出180秒x10枚 + 露出300秒x6枚, 総露出60分



「M17:オメガ星雲」
IMG_0027_DPP
  • 富山県富山市牛岳 2016年6月10日23時48分,
  • BKP200 + Advanced VX
  • キヤノンEOS X5(新改造, ISO3200, RAW)
  • 2分間露光で何枚か撮り、一番流れていないものをGIMP2.9で修正。



「M27:亜鈴状星雲」
integration_DBE_DBE_PCC_st4_cut
  • 岐阜県飛騨市数河高原 2018/11/3 20:05-22:17
  • LX200-25 + CGEM II + ASI294MC
  • f=1600mm, F6.3, gain 370/570, 20sec x 140frames、総露出時間1時間8分、中心部をトリミング 




「M31:アンドロメダ銀河」
M31up
  • 岐阜県飛騨市・数河高原 2016年11月24日20時10分,
  • FS-60Q + Advanced VX
  • EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x9枚 総露出45分
  • f50mm Cマウントレンズ + ASI224MC + PHD2による自動ガイド

「オリオン座全景: バーナードループ とエンゼルフィッシュ」
light_BINNING_1_integration_DBE_DBE3_PCC_stretch_s5_brighter_cut
  • カメラ: Canon EOS 6D HIKIR改造
  • レンズ: ASAHI PENTAX Super-Muti-Coated TAKUMAR/6x7 75mm f4.5
  • 撮影条件: ISO1600、露光時間90秒 x 99枚、総露光時間2時間28分30秒
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • 富山県富山市下大久保自宅、2019年11月9日午前2時43 - 5時14分

「オリオン座三つ星」
light_BINNING_1_integration_DBE_DBE_noise_PS3_cut

  • 鏡筒: タカハシ FS-60CB (口径60mm, 焦点距離355mm) + 0.72倍レデューサーで255mm + QBP
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO800、露光時間5分x18枚 + HDR合成のためISO800、3秒 x 20枚を追加、計1時間31分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • 富山県富山市下大久保自宅、2019年1月14日、22時31分から
  • 月齢: 8.5(上弦)


「M42 オリオン大星雲」
light_M42_PCC_maskstretched_ok_HDR_dark
  • 富山県富山市下大久保 2019/3/6 21:23-23:04
  • f=600mm, F10 + AZ-GTi(赤道儀モード)
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW)
  • 300sec x 11frames 総露出時間55分 + HDRのため3sec x 12





「馬頭星雲と燃える木」
HORSE_7c_20171128-00h09m_x34_kb_masked_PS_photo_ps
  • 富山県富山市, 2017年11月28日0時12分
  • FS-60Q + Advanced VX赤道儀
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x34枚 総露出1時間42分
  • f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
記事

「IC2118 魔女の横顔」
integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_mask_all2a_cut
  • 富山県富山市自宅, 2019年12月1日0時27分-4時13分
  • FS-60CB + FC/FSマルチフラットナー + CGEM II赤道儀
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出90秒x58枚 総露出1時間27分
  • f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド


「M45:プレアデス星団」
M45up
  • 岐阜県飛騨市・数河高原 2016年11月24日21時19分
  • FS-60Q + Advanced VX赤道儀
  • EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x8枚 総露出40分
  • f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド



「M57 :惑星状星雲」
integration_DBE_PS2
  • 富山県富山市下大久保2019年8月12日
  • VC-200L(焦点距離2000mm)+ CGEM II 
  • ASI178MC: Gain470, 10秒 x 6(Live stack) x 45枚 = 45分

「Markarian's chain」
MARKARIAN_edit2
  •  M84 (NGC 4374), M86 (NGC 4406), NGC 4477, NGC 4473, NGC 4461, NGC 4458, NGC 4438, NGC 4435
  • 富山県富山市, 2017年3月4日1時16分から23枚に2017年3月5日0時0分から14枚を追加
  • FS-60Q + Advanced VX赤道儀
  • EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出4分x37枚 総露出2時間28分
  • f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド





「C49:バラ星雲」
masterLight_integration_DBE1_PCC_AS_all2 
  • 富山県富山市下大久保 2019年12月29日0時52分-44時17分
  • FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04) 、CGEMII
  • EOS 6D HKIRI改造 + QBP filter, 露光時間: 300秒 x 32枚 = 2時間40分
  • f50mm Cマウントレンズ+ASI178MC +PHD2による自動ガイド


「NGC292:小マゼラン星雲」
New5
  • オーストラリア、ハミルトン島 2017年5月11日4時1分(現地時間)
  • NIKKOR-S Auto 50mm F1.4 + EOS 60D(新改造, ISO1600, RAW)
  • 露出10秒x44枚 総露出7分20秒



「NGC1499:カリフォルニア星雲」
NGC1499_CUT
  • 岐阜県飛騨市数河高原 2018/11/3 23:06 - 11/4 00:29
  • FS-60Q(f=600mm, F10) + AZ-GTi(赤道儀モード)
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO6400, RAW), 60sec x 28frames、総露出時間28分
  • PixInsight , Photoshop CCで画像処理


「NGC2174:モンキー星雲」
light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS_PS5
  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm) + QBP filter
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間5分x25枚、計2時間5分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • 富山県富山市下大久保自宅、2019年1月9日、21時半頃から

「NGC6992:網状星雲」
VELI_120s_3200iso_+25c_20170918203232_x12_digi_ps_level_photo
  • 富山県富山市, 2017年9月18日20時34分
  • FS-60Q + Advanced VX赤道儀
  • EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x12枚 総露出24分
  • f50mm+ASI224MC +PHD2による自動ガイド



「北アメリカ星雲からサドル付近」
masterLight_integration_DBE_DBE_DBE_CC_STR_SNP2_cut
  • カメラ: Canon EOS 6D HIKIR改造
  • レンズ: ASAHI PENTAX Super TAKUMAR/6x7 105mm f/2.4 (アトムレンズ)
  • 撮影条件: ISO1600、露光時間90秒 x 36枚、総露光時間54分
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
  • 撮影日時: 2019年11月23日21時19分 - 22時14分
  • 画像処理: PixInsiteとStarnet++、Photoshop CC



「NGC7000:北アメリカ星雲」
NORTH_60s_3200iso_+27c_20170913-20h36m_x55_digital_ps_HDR3
  • 富山県富山市, 2017年9月13日20時38分
  • FS-60CB+flattener + Advanced VX赤道儀
  • EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出1分x57枚+露出3秒x30枚 総露出58分30秒
  • f50mm+ASI224MC +PHD2による自動ガイド




「しし座の三つ子銀河」
light_BINNING_1_Maximum_No_normalization_DBE_PCC
  • M65、M66、NGC 3628
  • 富山県富山市, 2018年1月20日0時19分
  • FS-60Q + ASI294MC+ Advanced VX赤道儀
  • f50mm + ASI178MC +PHD2による自動ガイド, 露出3分x60枚 総露出3時間0分


「IC2117 かもめ星雲」
light_PCC_stretched_morfing_satiration_DBE_morph_ps2a
  • 鏡筒: タカハシ FS-60CB (口径60mm, 焦点距離355mm) + FC/FSマルチフラットナー1.04で焦点距離370mm + QBP filter
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO800、露光時間5分x41枚 、計3時間25分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • 富山県富山市下大久保自宅、2019年2月5日、19時22分から


「IC405 勾玉星雲とIC410」
light_BINNING_1_integration1_AS_DBE_cut
  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm) + QBP filter
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間3分x10枚、2分x11枚の計52分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • 富山県富山市下大久保自宅、2018年12月24日、22時頃から

「アンタレス付近」
light_BINNING_1_integration_DBE_ABE_color_cut
  • 富山県富山市伏木, 2018年5月15日22時28分-5月16日1時52分
  • FS-60CB + flattner + CGEM II赤道儀
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x60枚 総露出180分


「初めての月撮影」

IMG_0304

富山県富山市下大久保 2016/5/17 20:28 月齢10.3日
BKP200, EOS X7による直焦点撮影 ISO100, 1/400秒, JPEG無加工




「月齢13.7日」

IMG_0059


富山県富山市下大久保 2016/10/14 21:15 月齢13.7日
FS-60Q , EOS 60Dによる直焦点撮影 ISO400 1/800秒, JPEG無加工



「三日月」

PREVIEW_20170529-19h31m13s936ms

富山県富山市下大久保 2017/5/25 19:31:33 月齢3.3日
FS-60Q , EOS 60Dによる直焦点撮影 ISO100 1/10秒, JPEG無加工




「地球照」

MOON_LIGHT_Tv10s_100iso_+32c_20170529-19h35m10s790ms_cut

富山県富山市下大久保 2017/5/25 19:35:37 月齢3.3日
FS-60Q , EOS 60Dによる直焦点撮影 ISO100 10秒, RAW画像をPhotoshopで加工




「満月」

2017-06-09-1258_5-RGB-Moon_lapl3_ap2252_Drizzle15_w_view

富山県富山市 2017/6/9 21:58
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 2ms, 21fps, gain 110, 950/1000 frames




「夕方の月」

2017-08-30-0904_7-RGB-Moon_lapl5_ap7907_r_mod


富山県富山市 2017/8/30 18:05
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10.0ms, 28fps, gain 0, 200/1000 frames  



「月齢8.7日の月」

2017-08-30-0940_5-RGB-Moon_lapl5_ap920_Drizzle15_w2_ps


富山県富山市 2017/8/30 18:40
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10.0ms, 28fps, gain 50, 200/1000 frames 




「アペニン山脈」

2017-08-31-1213_7-RGB-Moon_lapl5_ap6619_w_sharp


富山県富山市 2017/8/31 21:14
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 12.5ms, 27fps, gain 150, 200/1000 frames 




「C8での初めての拡大撮影」

test_moon_20170831

富山県富山市 2017/8/31 21:41 
C8 + Celestron3倍バロー + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 25ms, 29fps, gain 300, 200/1000 frames




「月齢13.7日の月」

2017-09-04-1131_2-RGB-Moon_lapl6_ap1821_w_ps

富山県富山市 2017/9/4 20:31
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 4.0ms, 28fps, gain 50, 200/1000 frames




「湿りの海付近」
 
2017-09-04-1150_5-RGB-Moon_lapl5_ap6181_w_cut

富山県富山市 2017/9/4 20:50
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10.0ms, 27fps, gain 100, 200/1000 frames 



「ティコ」

2017-09-04-1152_0-RGB-Moon_lapl5_ap7347_w

富山県富山市 2017/9/4 20:51
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10ms, 30fps, gain 100, 200/1000 frames 



「シッカルド」

2017-09-04-1218_6-RGB-Moon_lapl4_ap6466_w_cut


富山県富山市 2017/9/4 21:19
C8 + Celestron3倍バロー + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 7.5ms, 27fps, gain 300, 200/1000 frames 




「コペルニクス、ケプラー、アリスタルコス」

2017-09-04-1229_9-RGB-Moon_lapl5_ap6609_w

富山県富山市 2017/9/4 21:30
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 5.0ms, 18fps, gain 150, 200/1000 frames 




「雨の海と氷の海」

2017-09-04-1235_4-RGB-Moon_lapl5_ap5446_w


富山県富山市 2017/9/4 21:35
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 5ms, 28fps, gain 150, 200/1000 frames 


「雲の中での皆既月食」

whole4_narrow
富山の自宅での撮影。全て雲間の悪条件から苦労して炙り出した画像です。
上から右回りで、19時57分、20時55分、21時22分、
皆既に入って22時04分、22時35分、22時53分、
皆既から出て23時58分、0時07分です。 



先日天文ガイドを大量にいただいた方から、さらに昔の1976年から1980年の天文ガイド70冊を追加でいただきました。まだ創刊してから10年くらいの時代のものです。しかも専用バインダーに綴じられています。まだ前の280冊が読めていないのですが、先に一番古い1976年から読み込んでみることにしました。

IMG_2766


そもそも1970年代の天文雑誌は友人の家や店などで何冊かをちらっと見たことはあったのですが、じっくり読むのは初めてです。富田弘一郎氏、宮本正太郎氏など大先生クラスの方々が普通に記事を書いています。ダウエル、スリービーチ、パノップの御三家が全盛期で、もう広告を見るだけで大興奮です。

どれだけ探してもほとんど資料が出てこなかった、この間手にいれたVIxenのポラリス 80Lが普通に広告に載っていて値段まで書いてあります。口径80mm、焦点距離1200mmで、名前が1976年4月号はポラリス3で7万5千円、5月号はポラリス8Lとなっていて8万円(2017/9/21 追記: 6月号で8万2千円と訂正記事があり、その後8万2千円が続いているので、正しくは8万2千円のようです)。焦点距離と光景だけで判断したので、うちにあるのはもしかしたら勝手にポラリス80Lと思っているだけで、ポラリス3とか8Lというのが正しいのかもしれません。

カートンやEIKOWなんかはたまにヤフオクにも出るのでまだ調べたことはありますが、全然知らない望遠鏡もたくさんあります。日本精光研究所のUNITRON、キング商会のコル天体望遠鏡、ニコーギ研のニコルス、山本製作所のヤマモトなど、今ではほとんど名前を聞くことがありません。性能はどのくらいだったのか、いろいろ想像してしまいます。 GOTOのMARK-Xはこの時代のデビューなのですね。写真が白黒なのでわからないのですが、このころからあの綺麗なブルーだったのでしょうか?

昨晩自宅で撮影(網状星雲を狙っていたのですが結局途中で曇ってきて諦めました)をしていたら近所のKさんがやってきて、大きな赤道儀として旭精光の物を現役で使っていると聞きました。旭精光の名を聞いたのは昨晩が初めてだったのですが、それも普通に広告に載っています。

ミザールは1976年には名器と言われるH-100やCX-150をもう広告に乗せているのですが、CX-150の定価18万円には驚かされます。タカハシのTS100mmの反射が定価8万5千円なので、CX-150がいかに口径が大きいとはいえ、かなりの値段だったという印象です。

雑誌の広告を見ていると、自分が小さいころコンピューター雑誌の広告を食い入るほど見ていたのを思い出しました。コンピューターを手にするのがどれだけ夢だったか。分野は違えど、あの頃の天文少年達も多分一台の望遠鏡にものすごい想いを馳せていたのでしょう。


お便りコーナーはまだ僅か2ページほどと少ないのですが、相変わらず年齢層がものすごく若いです。10代後半が中心、20代前半までがほとんどです。


面白い記事をピックアップしていきます。
  • 1976年4月号に「先生はアストロカップル」という天文クラブの紹介記事があります。なんと小学校の天文クラブです。最近は高校の天文クラブでさえも珍しいのですが、この当時は小学校にも普通に天文クラブがあった時代なのかもしれません。先生夫婦の自宅のコタツに小学生が集まっている写真が載っているのですが、見ていて微笑ましいです。「生徒が帰ったあとは二人だけの...」と続いていて一瞬天文雑誌らしからぬと思ったのですが、「二人だけの星の時間が始まります。」とのことで、やはり天文雑誌です。
  • 1976年7月号に本名「すぴか」という仙台の女子高生が取り上げられています。今だったら考えられませんが、なんと住所付きで。名前の通り星が大好きな女の子のようです。今でも星を見ているのでしょうか?当時としてはとても珍しい名前のはずなので、星を続けていればどなたか知っている方もいるのかと思います。
  • 1976年9月号に「切り抜くたのしい天体観察用具」という本広告がありました。子供の科学の別冊みたいですが、「北斗七星で時刻を知る<星時計>」「昼間に金星を見る<三角木>」「ベガ星で緯度を測る<観測台>」など、とても気になるふれこみの観察用具が20種もできる本だそうです。子どもの観測用具のヒントになりそうなのでぜひ見てみたいですが、さすがに40年以上経っているので現物はもう残っていないでしょう。
  • 1976年11月号に「星空への招待」という題で福島の天文イベントの紹介がありました。スラーライトフェスティバルの前身でしょうか。このころからこういったイベントは盛んに行われていたようで、当時の様子がよくわかります。写真に写っている人みんな若いですが、とても楽しそうです。

とりあえず1年分を読んで見ました。まだまだたくさん残っています。Iさん貴重な雑誌をどうもありがとうございました。大切に読まさせていただきます。

下の子用のスコープテックの望遠鏡のパフォーマンスが最近とても凄いです。観望会でも高級機を差し置いて、なぜか一番活躍しています。理由は簡単で、子供でもすごく簡単に天体が導入できるという一言に尽きると思います。


まずは少5の下の子、Sukeの感想です。
「星が見たいときに、家からすぐに出して使えるのでとても気にっています。ともだちが星を見たいと言って家に来たときに、お父さんは準備がすごく遅いけど、僕は誰かが見たいと思った時にすぐに見たい星に合わせてあげることができるので、とても楽しく星を観察することができます。土星、月、木星をよく見ます。このあいだのイオンモール砺波での観望会では、僕がたくさんの人に星を見せてあげることができました。色々な感想が出てうれしかったです。またこんな機会があれば、星をあまり見たことがない人に見せてあげたいと思います。」


次に簡単なスペックを書いておきます。
  • 焦点距離800mm
  • 口径60mm
  • ファインダー: 2つ穴タイプ
  • 経緯台: 微動ハンドル付き

もともと星まつりで買ったのですが、そもそも星まつり価格のせいか、信じられないような値段で購入しています。しかも子供用ということでアイピースや方位磁針などいろいろおまけしてくれました。しかもブースに手伝いできていた漫画家の由女(ゆめ)さんとも仲良くしてもらって、今になってもすごくいい買い物をしたと改めて思っています。ただし、星まつりで手に入れた機種は今スコープタウンのホームページにある現行のものではないみたいで、会社名などが鏡筒に印刷されていません。過去の画像なども調べたのですが、どうもそれらとも違うみたいで、もしかしたら試作品などに相当するのかもしれません。強いていうならアストロアーツさんのページに載っているものが近いのですが、それとて口径も違いますし、先端のフードの色など細かいところが違います。

多分、天文マニアから見たらなぜこんな入門機がいいのか全くわからないと思いますし、逆に初心者の方にもなぜスコープテックがいいのか、なかなかわからないと思います。ちなみに当然ですが、スコープタウンから宣伝してほしいとか頼まれたわけでもなんでもなく、純粋にユーザーとしていいと思っていることを書いているだけなので、その点はご納得いただければと思います。


1. 二つ穴ファインダー 
  • 下の写真にも写っていますが、この望遠鏡の一番の特徴です。なぜこんなものがと思われるかもしれませんが、この二つ穴だと子供が天体を簡単に導入できるのです。普通の光学ファインダーは子供には調整できません。多くの初心者が天体望遠鏡を購入した時、月さえも見ることができなかったというのはファインダーに原因があると思います。
  • ちなみに横についているファンダーは、同じく星まつりで買った格安ファインダーです。鏡筒に穴を開けてネジ山を切って自分で取り付けたのですが、結局子供は全く使ってくれていません。
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2. 経緯台
  • この望遠鏡セットは星を追いかけれらる赤道儀式ではなく、もっと簡単な経緯台タイプになっています。簡単にいうと、上下と左右方向に調整ができるのみで、星の日周運動を追いかけるような動きはできないということです。その代わりに導入はすごく直感的で操作しやすいのだと思います。そのせいもあり、子供でも非常に天体を導入しやすいのです。
  • ただし、倍率を上げた場合すぐに星が逃げていくので、追いかけるのにはいつも苦労していますが、子供にとっては望遠鏡を操作している実感があり、それが楽しいみたいです。微動用のハンドルが両軸とも付いているのもポイントです。

3. 軽量
  • 鏡筒がプラスチック製らしいので、強度はあまりありませんがとにかく軽いです。強度はないと言ってもアイピースで見るぶんには全く困ることはありません。
  • それよりも軽くてすぐに出せるのは子供にとってはすごく重要です。いつも私が赤道儀の極軸合わせなどでモタモタしている間にも、すぐにセットして勝手に天体を導入して見始めています

4. 31.7mmのアイピース
  • 現行のものは直径が25.4mmタイプのアイピースが標準みたい(ホーページには31.7mmにも対応していると書いています)なのですが、うちが買ったものは31.7mmしか対応していません。31.7mmだと今最も普通に出回っているアイピースなどが使えるので便利です。
  • さらに星まつりなどで特価アイピースをいくつか買っておいたので、様々な倍率を楽しむことができています。
  • また、天頂プリズムが標準でついているために、無理な体勢をとらなくてよく、楽に見ることができます。

5. アクロマートレンズ
  • 少し専門的なことになりますが、筒などは安く上げている代わりに、レンズはアクロマートレンズと言って、収差の少ない性能のいいものを使っているとのことです。もちろんアポクロマートレンズのような最高級レンズではないので、収差がないわけではないのですが、入門者が普通に見るぶんには全く不満なく見ることができると思います。
  • 以前金星を250倍くらいにして明らかに過剰拡大をした時にはさすがに赤と青のにじみが見え、収差が確認できましたが、普通に使うぶんには気になるレベルではないでしょう。

6. 価格
  • これらのセットがかなりの低価格で販売されています。一番いいところは価格自身ではなく、低価格なので気兼ねなく操作できるところです。
  • 子供が触って多少壊そうが、全く気になりません。観望会などでも完全に解放して、お客さんに勝手に触ってもらっています。下の子がいつも得意げに導入方法を説明していて、お客さんにも試してもらっています。単に望遠鏡を覗かせてもらうだけと、月でもなんでもいいので自分で導入して見たときの反応は圧倒的に違います。

さて、実際にどれくらい見えるかですが、月のクレーターなどはすごく綺麗に見えます。手持ちでは20mmと9mmのアイピースをよく使うのですが、倍率がそれぞれ
  • 800mm ÷ 20mm = 40倍
  • 800mm ÷ 9mm = 89倍
となるのですが、この二つを主に使い分けています。木星の縞、木星の衛星、土星の輪などははっきり見えます。土星の輪にあるカッシーニの隙間は気流の状態がいい時に、かろうじてなんとか見えるくらいでしょうか。この倍率だと惑星は小さいですが、これ以上倍率を上げてもすぐに視界から出てしまい、追尾が難しくなるので実用的ではないです。



逆にできないことも書いておきます。

1. 撮影
  • 試したことはないですが、カメラでの撮影は厳しいでしょう。筒が弱いのと、経緯台のために星を追いかけることはできません。
  • すごく短時間なら可能かもしれませんが、暗い天体までは映らないです。
  • 月などをスマホで気軽に写すのは、逆に色々工夫ができそうで面白いかもしれません。

2. 小さな天体の導入
  • 二つ穴ファインダーの弱点です。倍率がないために、目が悪いとそもそもその天体を見ることができずに、穴に入れることもできません。
  • オプションのファインダーがあると改善されるでしょう。

3. 星雲
  • 残念ながら、よく雑誌などの天体写真で見るようなカラフルゴージャスな星雲を見ることはできません。これはスコープテックに限らず、かなりの高級機種でも、アイピースで見ている限り星雲に色がつくことはありません。形も文字通り「雲」のような白いモワッとしたものとしか見えないでしょう。
  • 星雲の色はカメラで撮影しているから綺麗に見えるのであって、人間の目はカメラのように光をためておくことはできないですし、色についてもカメラほど敏感ではありません。

このような点が不満になってきたら、もうスコープテックは卒業です。天文マニアへの階段を確実に上がっていっています。よかったら以前書いた機種選定の記事もご覧ください。



 

前回の記事から大分時間が空きましたが、久しぶりに天文ガイドバックナンバーの読み込み記事です。

IMG_2210


今回は1992年1月号から12月号の一年分ですが、今回一番思ったことがワクワク感がだんだんなくなって来たことです。 なぜだか理由ははっきりしています。この時代の広告の商品が今のラインナップともう大きく変わらないからです。もう御三家の広告もとっくになくなってしまいました。シュミカセもMEADE、Celestron共に普通に一般的になっています。値段もかなりこなれています。

もっと根本的に言うと、光学系に関してはほぼ民生の技術が確立して来た感があります。赤道儀に関しもVixenのSPから8年ぶりにバージョンアップしたGP(Grate Polaris)がこの年の5月21日に手頃な値段で出ていますし、8月号ではGPの特集が組まれています。自動導入もSKYSENSORが3にまでなっていて相当一般的になったことがわかります。特にSKYSENSORはコンセプト、方向性、メーカーの姿勢など、今見ても革新的だったことがわかります。SKYSENSORについては一度別個の記事でまとめて見たいと思っています。今も普通に使っている技術が一般的に浸透して来たのがこの頃のようです。

むしろCCDやパソコンの方がこの頃から比べて現在の技術が発達しすぎているので、隔世の感があります。例えば、8月号に初期の冷却CCDのST-4の解説が載っています。X68000(なつかしい)での画像処理だそうです。同号のカラーページにはST-4の画像例も載っています。その当時の天文マニアの最高技術だと思いますが、今の電視でのリアルタイム観望くらいの画質と比較できるくらいでしょうか。時間をかけて処理していたものが今ではリアルタイムと、やはり技術の進歩はすごいですね。なお、12月号には早速ST-6の記事も載っています。また、9月号に初のステライメージの宣伝が載っています。今のアストロアーツではなくアスキーからです。マルチメディアという言葉が流行った頃かと思います。

一方で、今ではほぼ完全に廃れてしまった、フィルム時代の吸引や増感の記事がいくつかあります。やって見たかったと思う反面、正直今のデジタル一眼の時代で楽になったのはよかったとも思えてしまいます。

特集記事などです。
  • 8月号にNifty ServeのSPACE FORUMのオフラインミーティングの特集が組まれていました。やっとこの頃マニア同士のネットでの情報交換ができ始めてきた時期です。だんだん情報が雑誌オンリーからネットに変わっていく変わり目の時代です。ただし、パソコン通信の時代の幕開けであり、まだまだインターネットは全く一般的ではありません。でもいつの時代でもマニアはやっぱりマニアですね。
  • 1月号のカノープス北限記録は昨年に引き続きまた失敗に終わっていましたが、こう言った記事は後から読んでも十分楽しめます。昨年は岩手県栗駒山で雲に覆われ失敗、この年は秋田県須川温泉ですが、やはり雲で失敗。失敗なのですが、何かやって見たいという挑戦心が刺激されます。
  • 11月号には手作りの分解能測定装置の記事がありました。92年のスターライトフェスティバルでお披露目されたそうです。手軽に分解能を測定できる環境はちょっと羨ましいです。最近の興味は惑星撮影での動画をスタックする技術での分解能です。スタックした時の分解能の理論的な限界を知りたいですが、どこかにないでしょうか?自分で計算するしかないかな?それを実測で試すのも面白そうです。
  • 1月号で投稿写真に対するスタッフの批評コーナーが終了し、入選者の声に変わっています。いつかここに私が知っている人も掲載されているのではと今から楽しみです。

このブログの以前の天文ガイドの紹介記事のコメントコーナーでも面白かったと感想があった、赤瀬川原平さんのコラムですが、やはり面白いです。
  • 3月号で「ついにタカハシを買う」という記事が載っています。経緯はどうあれ、最初にタカハシを買うという一大イベントは全ての天文ファンに共通なのではないでしょうか。記事も書いてある通り、雑誌の中にそれらしき記事や写真が出てくると穴のあくほど見つめ、その僅かなニュアンスから信頼度を必死に探る。「天体望遠鏡の全て」なんて別冊が出ると、全ページ舐めるように見尽くす。赤瀬川さんは高橋製作所まで乗り込んで言ったそうです。ちなみに私の場合は最初のタカハシ(といってもまだ一本しかないですが)は福島のスターライトフェスティバルで落とした、工場に眠っていたと言うFS-60Qのアニバーサリーモデルのデモ機でした。
  • 8月号では「星派」か「メカ派」かを議論しています。赤瀬川さんは機械派だそうです。私も冷静に考えると機械派だと思います。星の写真を撮るにしても何か工夫してその成果を試したいと言うのが根幹にあるのです。ちなみにこの記事によると星派は政治的人間で自分の天文台を持ったり裕福なイメージみたいですが、メカ派はヘンタイだそうです。

モリマサユキ氏の「おもちゃの星座箱」です。
  • ケンタウルス座の紹介記事が印象的でした。「あの地平線を越えればケンタウルスの全ての姿を見られるのだろうか?その心意気は時を超え今日まで受け継がれています。ボストークとなり、アポロとなり、ボイジャーとなったのです。」とありますが、星好きな人が宇宙の深淵を望遠鏡で覗くのも同じ思いなのではないでしょうか。少なくとも私は同じです。いろいろ挑戦していきたいです。
  • この連載も6月号で終わり、7月号からは森雅之氏(なぜか漢字に)の「口笛の科学」という4コマ漫画になります。こちらも示唆に富んだ漫画で面白いです。


読者の投稿コーナーは相変わらず面白い投稿が溢れているので、バックナンバーといえども欠かさず読みます。
  • 3月号で「星見に命をかけたボク」という14歳の子の投稿があるですが、屋根で星を見ていて夜露で滑って地面に後頭部を強打、3日間眠りっぱなしで左目失明という記事がありました。奇しくも最近子供が屋根に登って星を見出したので、この記事を見てやめさせることにしました。でもこの投稿の本当の論点は、その時に双眼鏡の光軸が狂ってしまったことと、さらにカメラを踏んづけて壊してしまったので、誰かカメラ譲ってくださいと言うことでした。編集でもシャレにならないとの感想でしたが、いろんな意味で本当にシャレになりません。
  • 5月号では女子高の流星観測会の様子が報告されていました。「金、金、金」はよくある話ですが、「男、男、男」だそうです。まあ、欲というのは男も女も、老いも若きも変わらないものですね。このあいだのイオン観望会で短冊飾をみんなに書いてもらったのですが、天文マニアの七夕の短冊は「おおきなぼうえんきょうがほしい」でした。
  • 6月号には「感心してしまうアメリカ製品」という投稿がありました。「とやかく言われるアメリカ製品ですが、発想の素晴らしさと低コストで仕上げる生産技術には、ミードやセレストロンの製品などを見るにつけ毎度敬服する次第です。」とあります。私も同感です。天文に限らずですが、日本は根性で精度を出し高価な値段をつけますが、アメリカは手を抜いてそこそこの精度を安価に出すのが得意ですね。民生品は後者の方が有利な気がしています。研究レベルで、定量的に評価して必要なところに精度を出していくのはアリだと思いますが、趣味という範疇ではいかに裾野を広げるかと言うことが重要なのかと思います。まあ、最近は中国製が多いのですが、これとて精度としては十分なものも多く、決して侮ることはできません。
  • 8月号にプラネタリウムでに双眼鏡を使った観測の投稿がありました。今では結構一般的な手法ですが、この頃に発案されたみたいです。
  • この年の話題の投稿は公共天文台のあり方です。2月号で都市部に作って、「一番口径が大きいと宣伝できることが最も大事だ」と市の職員に言われたと怒っている記事に、4月号で月をまたいで反応がありました。天文マニアのわがままではないかと言う意見です。公共天文台はいろいろな役割があります。安全も考えなくてはいけません。富山の天文台には時々手伝いに行きますが、職員さんの計らいもあり、市民と天文マニアのうまい橋渡し役になっているのかと思います。天文マニアにも一般の人に見せてあげることが好きな人もいれば嫌がる人もいます。好きな人は土曜日とかには天文台に自分の機材を持ち込んで、たくさん来るお客さんの対応を手伝う人もいます。ちなみに7月号に2月号で投稿した人からさらに投稿がありました。星好きの天文台職員がいて、みんなが星好きになってくれればという意見だそうで、いずれにせよみなさん星好きの裾野が広がることを願っていることには変わりないみたいです。

また長い記事になってしまいましたが、私にとっては昔の記事は経験不足を埋める数少ない手段の一つです。と同時に、技術の進化などは趣味としてもとても楽しみながら読むことができます。昔からの天文ファンの方にも、この頃のことを思い出すきっかけになれば嬉しく思います。また次の年の分も読んだら(実はもうとっくに読み終わってはいるのですが)まとめてみたいと思います。





 

昨日の天体写真展で天文台の方から天体写真についての講演を頼まれました。昨日は観望会の後、疲れてそのまますぐ寝てしまったのですが、明けて7月8日の日曜日、朝9時半ころから天文台にいって、その場でスライドを少し準備して実際にお話しをしてきました。

頼まれたのが昨日で、今朝の今朝までどのような人に話すのかあまり聞いていなかったのですが、どうやら年配の方が中心でグループで写真を撮っているので、その方達が星の写真を撮ることができるようにということでした。以前作ったスライドを直前の10分程度で多少変更して、初心者対象という形で話しました。講演自体は自分の機材を見せたりしながら、順調に進んで良かったのですが、面白かったのはその後です。天文台のプラネタリウムに入って、暗い中でドームに映した星を自分のカメラで撮影するのです。

まずびっくりしたのが、今回のために参加者全員カメラと三脚持参で、しかもほぼ全員相当なカメラとレンズを持っています。私が持っているのがCanonの60Dなのですが、NIKONのD810を持っている方もいれば、Canon 5D MarkⅢを使っている人もいて、ほとんどの方が講師のはずの私のカメラよりもはるかにいいカメラを持っていました。よくよく聞いてみると、カメラの先生を招いてみんなで富山のいい景色を撮るという試みをしているとのことです。その中でカメラやレンズを趣味のようにしている方もいるということでした。

さらに興味を引かれたのが、今回のプラネタリウムでの撮影の目的が、暗いところでのカメラの操作になれるということでした。明るいところでほとんど撮ったことのない私にとってはむしろ目から鱗で、十分なカメラの経験があるような方でも暗闇の中でのカメラの操作には相当てこずるようでした。

というわけで、最初のX7を触り始めた時にコツという形で少しまとめたことはあるのですが、今一度天体写真に慣れていない方に向けて、これまでの経験も踏まえて改めてコツを書いておこうと思います。対象は天の川などの星景写真で、(私もそうでしたが)おそらく一番最初に経験するカメラと三脚だけを使った場合です。

まず、昼間のうちにできることはやっておきます。基本的に全てマニュアルモードです。
  1. ダイアルを回してMのところに合わてマニュアルモードにします。一眼レフカメラでないコンパクトデジカメの場合には設定メニューに隠れている場合などがありますので、マニュアルなどで調べてみてください。
  2. 実際によく忘れるのが、レンズ本体の設定です。レンズのところに切り替えスイッチがありますが、マニュアルフォーカスモード、手振れ補正はオフにします。
  3. ファイル形式はRAWが必須ですが、後で処理が面倒だという方はJPGもありかもしれません。私はファイルサイズは大きくなりますが、基本的にRAW+JPGにしています。
  4. ホワイトバランスは蛍光灯か白熱電球のほうが夜空の色に近く見えます。もちろんRAWで撮っておけば後から変更できるのですが、夜空に近い色の方が後々も楽かと思います。オートホワイトバランスは何枚も撮影していると途中で色温度が変わることがあり、統一処理ができなくなるため、やめておいたほうがいいと思います。
  5. 絞りは手持ちのレンズの一番明るいところに合わせます。Fの値を一番小さくするという意味です。星像が変な形になる、周辺減光がひどいなどという場合は少しFの値を大きくして絞ります。注意することは、あえてきちんとF値を設定しないとFが勝手に大きくなったままになってしまって撮影してしまうことがあるので、必ず確認したほうがいいです。
  6. ノイズリダクションなどの機能は基本的に全てオフの方がいいと思います。ただし、後で画像処理をすることが前提です。画像処理をしない場合は長時間ノイズキャンセル機能はオンにしてもいいかもしれませんが、撮影できる時間が半分になってしまうので時間がもったいないです。
  7. 液晶画面の明るさは普通の設定だと明るすぎるののと、暗さに慣れた目を戻さないように一番暗くします。
  8. ピントを星に合わせるのは意外に難しいです。できるならば昼間に(距離はレンズによりますが)数キロメートルと十分離れたところを見ながらピントを合わせて、その位置でピント調節リングをテープなどで固定してしまいます。ちょっと高いですが、パーマセルテープが便利です。
  9. シャッターを押すときのブレを避けるために、レリーズは用意したほうがいいです。レリーズの操作も昼間のうちに十分に慣れておいて下さい。連続で撮影する場合などはカメラが持っているインターバル撮影機能で代用することもできますが、それでも最初にシャッタを切る時にはブレてしまうので、できるならレリーズを使ったほうがいいです。
  10. 一度、三脚に乗せてカメラがきちんと固定できているか、ガタがないか、方向を変えることができるかなどもチェックします。暗闇で三脚に固定するのも、カメラの向きを変えるのも、明るいところとは勝手が違います。
  11. 意外にも、レンズキャップや、レンズの付け替えなども暗闇では大変です。外したレンズキャップをしまう場所もあらかじめ決めておいた方がいいでしょう。
  12. ヘッドライトを用意しておくといざという時に楽です。ライトには赤いフィルムを貼るなどして、暗闇に慣れた目を戻さないようにする工夫などが必要です。
  13. ISOや露光時間、F(絞り)を変える場合のスイッチの位置を改めて確認しておくといいでしょう。これらは暗闇で何度もいじる必要があるので、手探りだけでスイッチの位置がわかるようにしておく必要があります。

ここまでをとにかく昼間のうちに準備してしまいます。できるならば、これらのことは真っ暗なところでもできるように、暗い場所で何度も練習しておくことをオススメします。


さて実際の撮影ですが、本番当日の撮影をする前に、事前に夜の星の撮影を試すといいです。多少明るい自宅の庭でもいいので、夜空を写してみてください。意外に星が写ることにびっくりすると思います。十分な練習をしてから、本番の当日の撮影に向かいます。

撮影時のコツです。
  1. もし昼間にピントを合わせ忘れていた場合は、Live viewで明るい星を映してから、それを5倍か10倍で拡大して、一番小さく見えるところにフォーカスリングを合わせます。パーマセルテープなどで固定したほうがいいでしょう。
  2. ライブビューモードは楽ですが、カメラの温度が上がりすぎてノイズが出やすくなります。基本的にライブビューは切って撮影します。
  3. ISO感度をいくつにするかは周りの明るさによるので、何枚か試し撮りをして決定します。感度はノイズに直結するので、ノイズが目立たない最大のISOを探します。機種やレンズにもよりますが、ISO1600か3200くらいが適当かと思います。最初あまりノイズを気にしないのなら6400とかでもいいと思います。
  4. シャッター速度(露光時間)ですが、レンズの焦点距離や方角にもよりますが、最長で30秒くらいまでだと相当拡大しなければなんとか星が流れずに見えます。余裕を持って20秒くらいまでが適当かもしれません。

とにかく、事前の練習がすごく有効だと思います。暗い中で、手だけでボタンの位置を覚えてしまうくらいにしておかないと、実際の撮影ではなかなか上手くいかないでしょう。天気も場所もベストという時間は、実はかなり限られているので、その貴重な撮影時間を逃さないためにも、十分に練習しておいてください。焦って操作を誤って、出来上がったものを見てみたら見るも無残だったということを私も何度も経験しています。


撮影した後に重要なのは画像処理です。どれくらい処理するかは人によると思いますが、ほんの少し手を加えるだけでも驚くほと見栄えが良くなったります。ここら辺は以前色々記事にしていますが、初心者向けの記事ではないので、そのうちに初心者向けの画像処理の記事も書いてみたいと思います。


先日購入した天文ガイド5年分のうち、1991年の1年分12冊を読んでみました。

このころはある意味雑誌の最盛期ですね。まだバブルも弾ける手前、インターネットも無い時代で、全国的に天文ショップの数も今とは比べものにならなくらい多く、雑誌の広告も、雑誌の厚さも段違いです。広告も、読者の写真もカラーページの枚数も、昔の号と比べると格段に増えています。読むのに時間がかかります。

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その中でも、青紫色のアトムの広告のページの多さと、天文リフレクションで紹介されていた星ナビのBORG開発者の中川さんの話と絡めて読むと、現存する天文ショップの勢力図というか、アトム出身の天体ショップの関係者が今も活躍されていることがよくわかります。いつも寄らせてもらっているスターベースのI店長や、この間訪れたEYEBELLの店員さんも、名前は聞かなかったですが、アトム出身の方とのことです。いつもお世話になっているKYOEIのMさんもアトム出身だと聞きました。アトムは後に今のスターベースに代わるのですが、なぜかアトムがまだ残っているのに名古屋のスターベースの広告がすでに出ています。今でこそ両方ともスターベースなのですが、もともとは別の系列だったのかもしれません。1991年の12冊では答えが出ませんでした。12月号の広告の「新装11.15東京OPEN」というのがヒントなのでしょうか?

このころのアトムといえば、アストロカー「GINGA」が異彩を放っています。ミニバン型の車の後部に天体望遠鏡が設置されていてスライディングルーフを開けばすぐに観測ができるというものです。9月号にカラーページで特集があるのですが、望遠鏡は独立したターンテーブルの上に載っていて、極軸合わせも車の停車した方向とは関係なくできるみたいです。バブルのころの賜物なのでしょうか、さすがに現在こういったものが残っていないろことを見ると、あまり出回らなかったのかもしれません。というよりも、下手をすると望遠鏡よりも車の耐用年数の方が短い気がします。

広告でもう一つ面白いのがMEADEの赤道儀が2月号からでしょうか、ピリオディックエラー+/-1.8秒以内を謳っていることです。PEC(ピリオディックモーション補正システム)の記録が残るPPEC(programmable periodic error correction)という機能を使ってのことらしいのですが、同じ2月号の評価記事の「NEW FACE TEST REPORT」の中では初めての使用ということで+/-1.8秒は出なかったようです。実際ガイドなしだと相当厳しい値かと思います。それとは対照的に同じく6月号の「NEW FACE TEST REPORT-6」の中でCelestron C8と一緒に販売していた赤道儀C8 UltimaPECの実測で+/-1.8秒が出たというのが面白いです。Celestronは特にピリオディックエラーについてはどこまで出ると明言していないで、そのことが逆にメーカーの方針を垣間見ることができ、このころの精度の戦いがいかに熾烈だったのかが想像できます。ちなみにCelestronの方はPECの記録が残るものではなく、毎回消えてしまうために必ず再測定が必要になることは明記しておきます。

「NEW FACE TEST REPORT」は毎回充実していて、例えば10月号のST-4を見るとやっと冷却CCDが民生で実用化されてきて、2軸ガイドもできてしまうという触れ込みです。今から15年前くらい前の話になるのですが、CCDも計算機とあいまって相当進歩したことがわかります。

ニュースでいくつか気になったものがあります。「JNLT」という名前をご存知でしょうか?ハワイにある8mの国立天文台の「すばる」の計画段階の名前だったようです。私は今の「すばる」でしか知らなかったのですが、8月号で計画にゴーサインの特集記事がありが、10月号で名前が決まったとの報告記事がありました。その後補償光学での鮮明な画像で名を馳せ、ハッブルに迫る性能を出すすばるですが、すでにこのころから期待されていたことがわかります。


連載記事では「望遠鏡発達史」がけっこう勉強になりました。100均の虫眼鏡で望遠鏡を作ろうとしたことがあるのですが、5月号の記事を見てなぜ2枚のレンズだけだとダメなのかがやっとわかりました。関連して「テレオプト」というNECのPC98で動く天体望遠光学シミュレータソフトを使った、光学設計の連載が開始されていました。この記事も合わせていい勉強になります。望遠鏡の光学設計というのもそのうちやってみたいと思います。今ならもっといいソフトがあるはずですが、基本の理屈は変わらないはずです。


同じく連載なのですが、このころのコラムで気に入ったのが二つありあります。一つは2月号から始まったインド哲学・仏教を専攻し、声楽家という春日了氏のコラムです。言っていることにいちいち棘があり、それが逆に小気味いいです。葬式の時に宗教オタクの親類から仏教論争をふっかけられたのに、専門家として軽くあしらっているところなど読んでいて笑ってしまいます。この連載は8月号で何の前触れもなく突然終わってしまっているのですが、いろいろ問題発言があったのかもしれません。

もう一つがコラムというよりは短い星座紹介の記事なのですが、「おもちゃの星座箱」という記事で、毎回独自の視線で星座を紹介していきます。かんむり座の紹介では、いつか大酒飲みの旦那様が現れて私を幸せにしてくれないかとか、あまり子供向けの星座紹介にはなっていません。毎回考えさせられる星座紹介で大好きです。


「読者の天体写真」コーナーでは、なんと高校の同級生の名前を見つけることができました。以前の記事でも少し書いたのですが、同じ高校の天文部に所属していた女の子です。掲載されていた星景写真は大学1年の時のはずで、まだ星を続けているのか一度会ってみたいです。あと、天体写真家で有名な富山出身の大西さんの名前を随所に見ることができました。しかも大抵優秀賞とかで、扱いがすごく大きいです。やはりこのころからその才能が注目されていたのかと思います。昔ですから、当然銀塩写真なのですが、その時代の制限された技術を使って、他の人に差をつけることができるというのはやはり才能で、すごく羨ましいです。天体写真の評価記事にページを割いているのも今ではない試みです。今ではデジタルに変わってしまいましたが、それでも評価すべき基準はあまり変わっていないのかと思われます。


特集記事で一番面白かったのが、8月号の「望遠鏡だけ持ってキャンプに出かけよう」です。編集部員が家族を連れてキャンプに行く話なのですが、その中の現地でのプログラムが
  • 一番星探し競争
  • 北極星は動かないか!?肉眼で確かめる
  • 君は戦士になれるか!?北斗七星のアルコルとミザールで目の検査
  • 初夏の星座を探す
  • 自分の星座を作ってしまおう
  • 双眼鏡で天の川下り
  • 白昼の金星を見つけてみよう
など、アイデアいっぱいで、家族でキャンプに行っても、観望会などでもそのまま使えそうです。あいにく、実際のキャンプは曇りで、記事用の星の写真を撮るのも難しかったらしく残念な結果だったらしいのですが、それでもキャンプに行きたくなるような記事で秀逸です。

読者サロンのコーナーでは、一人一人のお便りの内容がすごく長くなっている傾向が見受けられます。それを毎回何人か載せるので、ページ数も結構割いています。相変わらず文通コーナーはすごいです。住所を公開しているなど、今では考えられないですが、そのことが原因のトラブルとそれに対する意見など、お便りコーナーにまではみ出している号もたくさんあります。もう間も無くするとNiftyなどのメールサービスが始まる頃のはずで、文通コーナーも衰退するちょっと前の最盛期なのかと思います。


このころは部数が出ているせいか、メジャー路線に偏っていっているような気もします。式が出てくるようなマニアックな記事は以前読んだ80年代に比べると少なくなった気がします。それでも厚さのせいもあり情報量がたくさんあり、読み応えがあります。引き続き1992年を読んでみます。


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