ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: 画像処理

縞ノイズの考察の続きです。と言ってもほとんど成果なしです。

せっかくのASI294MCを撮影にも使えるのかどうかを判断するためには、縞ノイズ問題を解消しなければどうしようもありません。解決する手段さえあれば、気軽な撮影にも使えると目論んでいます。何れにせよ電視観望には十分(その1その2)なのですでに当初の ASI294MCの目的は十分に達していて、さらにあわよくば撮影もという贅沢な目標です。

具体的には、せっかく長時間撮影をしたしし座の三つ子銀河の画像を有効活用するために「縞ノイズ(斜めノイズ、縮緬ノイズ)」をなくすことですが、今回は少し絞って、
ということを探ることにしたいと思います。

試したことは、
  1. ホットピクセルのみの除去とクールピクセルのみの除去の比較。
  2. ダークフレームの効果。
  3. フラットフレームの効果。
  4. ダークフレームを使っての残っているホットピクセルとクールピクセルのさらなる除去。
  5. Maximum、Minimum、Medianの違いの確認。
などです。他にも色々試していますが、かろうじて意味があることがあることだけ挙げておきます。


1. ホットピクセルのみの除去とクールピクセルのみの除去の比較

1枚のRAW画像を、オートでホットピクセルのみ、もしくはクールピクセルのみ除去して、どちらが効いているかを試しました。結果は前回のあぷらなーとさんのコメントでの推測どおり、ホットピクセルの方が圧倒的に多くて、かなりの部分が除去されているのが確認できたので、一応除去ルーチンはそこそこうまく働いていることがわかりました。一方クールで除去が確認できたのはごく僅かでした。

問題はホットピクセル除去でもクールピクセル除去でも、いずれも除去できないものがまだ結構あることです。これが前回みたMaximumで残った起点に相当するものかと思われます。まずはこの除去を目指します。


2. ダークフレームの効果

1のPixInsightでオートでホット/クールピクセル除去に加えて、ダークフレームのみを使ってホット/クールピクセルがどれくらい変わるか見てみました。結果はほとんど効果なしです。理由はリアルタイム処理をしてみるとわかりました。オートで取れる数の方が多いからで、ダークフレームを使っても除去できる数はそれほど増えないからです。これはパラメータをいじって調整すればうまく残りのダメージピクセルも除去できるのではということを示唆しています。


3. フラットフレームの効果

2の処理に加えて、フラットフレームとフラットバイアスの処理を加えました。意外なことに残ってしまう起点の除去には、このフラットフレームの補正の効果が大でした。フラットバイアスの効果はほとんど関係ないです。残っていた色から判断して恐らくホットピクセルと思われているものですが、ほとんど除去できました。この状態で、もともとバッチ処理でやっていた処理とほぼ近いものになるはずです。ここでやっと最初の疑問の、フラットも含めた前回のバッチ処理で最後だけMaximumでintegrateした時に、輝点が出てこない理由がわかりました。


4. ダークフレームを使っての残っているホットピクセルとクールピクセルのさらなる除去。

それでもまだ少し輝点が残っています。もう少しだけなんとかできないかと思い、2でやったダーク補正のパラメータをいじることにしました。

IMG_3565

下の白丸を押してリアルタイム表示で、オートで幾つ補正されるかを見ながら、それ以上に(今回やったのは3倍の数くらいで、ホットで0.1、クールで0.04くらいにしました)パラメータ調整で補正できる数を増やすことで、残っていた輝点もほぼ除去されることがわかりました。


5. Maximum、Minimum、Medianの違いの確認

上記の3、4ですでに一枚の画像で輝点をほぼほぼ除くことはできるようになったので、これで残った輝点が原因なのかどうかがやっと切り分けられそうです。この状態で撮影した枚数全てで重ね合わせてみました。その際、Integrationのパラメータをデフォルトの「Average」から「Maximum」「Minimum」「Median」にそれぞれ変えてみました。

Average: 最初にバッチ処理でやったものと基本的には同等です。

01_Average

ただ、バッチ処理の時と違い、撮影失敗に近い星像が崩れたものや、人工衛星が通った画像を省かずに全て処理したので、その影響で星像がとりあえず丸いのですがちょっと大きいのと、人工衛星の線が出てしまっています。縞ノイズはやはり盛大に現れます。この状態で画像処理を進めても背景の縞が残ってしまい、不自然に背景を暗くするしかなくなってしまうので、許容範囲を超えています。

でもこのことは意外でした。輝点が十分無くなれば、この状態でも縞ノイズは消えると思っていたのですが、見ている限り元の輝点がある状態とほとんど変わりません。これの示唆するとことは輝点そのものよりも、「輝点を処理する時に出た影響」が各画像にコヒーレントに残ってしまうということでしょうか。

ここで少し考えて、前回フラット補正なしの時に試したのですが、ホットもクールも全く処理をせずに輝点を全て残してIntegrateしたものを見てみました。

nocosmetic_calibration_integration

よくみると明るさの違うRGBの点がいっぱいあります。完全な輝点でなくても、コヒーレントに残る色々な明るさのノイズがあるということです。これらを処理した時の残りがコヒーレントに現れて縞ノイズとして残るということでしょうか。というと、これはホットピクセル除去に関係なく、明るさが違うというころからも、むしろDebayer処理のところに問題があるのではと考えられます。ここら辺もすでにあぷらなーとさんが指摘してくれています。さすがにこれは処理しきれなさそうなので、ここで今回の検証は成果なしという結論に至りました。


Maximum: これまでの検証と同じく、Averageよりも明らかに縞ノイズは少ないです。

02_Maximum_DBE

最大の明るさが出るので、星像がAverageの時よりもブレるのと、人工衛星の線が一本濃く走ってしまっています。残った輝点もはっきり出てしまっています。一つ疑問なのは、右側のアンプノイズがなぜかAverageよりも小さいことです。これはなぜだかよくわかりません。少しだけ残っている輝点は出ているのでMaximum自体の処理はされていると思うのですが。


Minimum: 今回これが一番良かったです。

03_Minimum_DBE

縞ノイズはMaximumと同程度に除去されていて、画像処理をしてもそこそこ耐えうるレベルです。変な星像の乱れもありませんし、星も変に大きくなったりしていません。。ただ一点気になったことが、不必要に暗い(おそらくクールピクセルの残り)があると、そこだけガイドのズレのぶんだけ別の縞ノイズのように目立ってしまいます。でもまあ許容範囲でしょうか。


Median: 最初Mediumと勘違いしていて、Averageと似ているけど何か違いが出るかと期待したのですが、実はMedianでした。

04_Median_DBE

Medianはより飛び抜けたところを省いて重ね合わせるものということなので、人工衛星の軌跡などは取り除かれました。その代わりにノイズを少し犠牲にするそうですが、見た目ではよくわかりませんでした。いずれにせよ、縞ノイズに関してはAverageとほとんど同じで、効果はありません。



うーん、厳しいです。このままMinimumでいっても、今回に限っては画像処理に影響ないくらいにはなっているのでもうこれでも十分な気もします。それでも次はFlatAide Proでカラーカメラでうまく縞ノイズが除去できるかもう少しだけ試してみたいと思います。(2018/2/17追記: 試しましたが、やはりほとんど効果はありませんでした。モノクロでいつか試すことにしたいと思います。)


それにしてもPixInsightの操作方法にもだいぶん慣れて来ました。今回はフラットの補正がステライメージに比べて操作できる箇所が何もないのが少し気になりました。そのためか、まだ右側上部の大きなアンプノイズがフラット補正で取りきれなくて残ってしまっています。それでも他に色々いじれるパラメータがあるのはさすがです。昨日からまた雪が降り続いています。しばらくは天気は期待できなさそうなのでまた画像処理と機器の整備くらいになりそうです。


長時間露光で問題になる縞ノイズの考察です。

  • ガイドのズレと同じ方向に縞が出る。
  • RGBと黒の4色。
  • 太さは一枚のコンポジットされた画像の中ではだいたい一定。でも画像によって細かったり太かったりします。太さは、ずれの長手方向に垂直な方向のずれの大きさに一致している?
  • クールピクセル説が強い。でも本当にこんなに前面にクールピクセルが広がっているのか?
  • カラーセンサーでクールピクセルが一つあると、上下左右のみでなく、斜め方向にも影響が出るので、ある程度の太さになる。
  • 不思議なのは、ガイドでずれたのを比較明合成した星像のずれの長さよりも、縞一本の長さの方が全然長く見えるのです。ずれの長さの3倍くらいは長く見えます。でもRGBと黒の4色しかないので、たまたま同じ色の線が繋がっているのが目立っているだけに見えなくもないです。ある色があった時2色繋がるのが4分の1で、3色繋がるのが16分の1。長いのは目立つのと、短いものも存在するので、長く見えるというのは説明できそうです。
  • 10分単位くらいに分けてコンポジットし、それをさらにコンポジットしてもダメだという報告あり(自分では未確認)。
と、ここら辺まで書いてあぷらなーとさんのコメントとブログを見て、やっとクールピクセルが原因というので納得してほぼ解決したのですが、せっかく自分でも途中まで考えてはいたので、そこまでだけでも書いておきます。


まず試したのは、簡単にするためにクール補正も、フラット補正もダーク補正もせず、三つ子銀河のIntegrationをすることでした。ImageCalibrationがなぜかうまくいかなかったのでStarAlignmentで代用。その結果がこれです。

nocosmetic


赤とか青とか緑とかのかすれた線が無数にあります。全部クールノイズだと思われます。前面に散らばっています。もっとわかりやすくするために、位置合わせをしないただの比較明合成をします。

nocosmetic_nocalibration_integration_a


クールノイズが点になって無数の輝点になって見えます。この時点で、やっとクールノイズの可能性が高そうだと思い始めました。

今度はクール補正をかけたものの比較明合成です。

cosmetic_nocalibration_integration_a


クールピクセルがなくなってかなりましに見えます。これなら変なノイズとかでなさそうなので、これで位置合わせを行います。

cosmetic_calibration_integration_a


でも結果はなぜか縞ノイズが出てしまいます。この理由が最初全くわかりませんでした。ところがIntegrartionの時にAverageを使わずにMaximumを使うと理由がかなりはっきりしました。

cosmetic_calibration_integration_Maximum_a


Maximumなので一番明るいものが残っています。形をよく見ると縞ノイズとかなり一致しているように見えます。Maxmumで見えるということは、このような明るい輝点はまだ存在していて、飛び抜けたもの含んで無理やりIntegrationの時にAverageで平均化したりすれば、さすがにそこにムラができるのは不思議ではありません。ImageIntegrationの時にPixel rejection(1)で「Rejection Algorithm」を「min/max」にすると多少は改善できることもわかりましたが、それでも縞は残ります。

あと、Maximumは星像が歪むという弊害があることもこの時気づきました。昨晩はここで終わって寝てしまいました。


その後、あぷらなーとさんからのコメントに答える形で前々回のページに書いたのですが、今日になってあぷらなーとさんのブログの過去記事を見るとここら辺のようなことがすでに見事に検証されていて、さらに輝点を加算するという解決法まで示してくれています!しかもぴんたんさんがすでにFlat Aide Proにその手法を実装してしまったとは!

カラー画像でもうまく輝点が出ないようにコンポジット前の画面を補正してしまえばいいと思いますが、あぷらなーとさんがやったようなモノクロならまだしも、やはりカラーだとちょっと難しそうです。


HUQさん、あぷらなーとさん、Scopioさんクールノイズにいつまででも納得できなくて色々説明してもらって申し訳ありませんでした。そして、こんな私に付き合っていただいてきちんと説明してくれて本当にありがとうございます。

自分で納得でないないと気が済まないのですが、今回の話は最初からアプラナートさんの2017年の9月くらいの記事を読んでおけば済む話でした。でも自分で試すという方向性はやめたくないので、また変なことを言うかもしれませんが、初心者のたわごとと思って温かい目で見ていただけるとありがたいです。


 


 

ASI294MCでのバーナードループの固定撮影の続きです。

さて、5秒、100枚のスタックですが、三脚にASI294MCを取り付けるだけのお手軽固定撮影のために、時間とともに画面の中で星が動いていきます。歪みが全くないレンズならば問題ないのでしょうが、そんなレンズは存在しません。なのでそのままスタックすると中心と端の方で、どうしても位置にズレが出てきてしまいます。Steller Imageは基本的に並進と回転のみで位置合わせをしているので、このような画面にひずみのようなズレがある画像をうまくスタックすることは苦手なようです。PixInsightはこんなひずみもうまくコンポジットしてくれるとのことなので、今回初めてPixinsightを使ってみました。とりあえずは無料の45日制限のお試し版です。無料といってもフル機能使えるので、試して気に入ったら購入するつもりです。

処理するものはSharpCapでASI294MCを使って5秒露光での撮影で得られた100枚のファイルです。撮影中にダーク補正もフラット補正もしてしまっています。RAW16モードでfits形式で保存したものです。


まず思ったことは、PixInsigtはものすごくとっつきにくいです。ある程度噂では聞いていましたが、これほどとは。とにかくメニューが多すぎて何がどこにあるかわからない。どれがどの機能を指しているのかよくわからないといった状況です。とりあえず迷ったところ全部書いておきます。この方法が正しいかどうかもまだよくわかっていません。かろうじてコンポジットまでできた経緯です。同じように迷えるどなたかの役に立てばという思いです。

  1. まず、ファイルをどうやって開けばいいのかわかりません。「File」メニューから「Open」は意味がありません。「Process」メニューの「Preprocessing」の中のメニューを選択して開くことが大事です。ここまでわかるのに一苦労でした。Preprocessingという言葉はSteller Imageで言うコンポジットまでの一連の処理のことを指すみたいです。
  2. その「Preprocessing」の中からまずは「CosmeticCorrection」を選びます。ホット、クールピクセルの除去などができるようです。「Add Files」ボタンを押して、今回撮影した複数の「.fits」を全て選択して開きます。次に「Output」から保存したいフォルダを指定します。フォルダを指定しないと同じフォルダにファイルが追加されていきます。「Use Auto Detect」にチェックして、「Hot Sigma」も「Cool Sigma」もチェックします。下の左の黒丸を押して実行します。問題があればここでエラーダイアログが出ますが、特に問題がなかければテキストベースのコンソール画面のようなものが出てきて、処理が進んでいくのが見えます。
  3. これまたわかりにくいのですが、それぞれの処理画面の左下の三角をクリックして、クリックしたまま枠の外に出すと「Instance」というものが作成されて、アイコンができます。このアイコンは作業のリンク(ショートカット)のようなものと理解しています。画面を消してしまっても、このアイコンをダブルクリックするとまた同じ画面が出てきます。
  4. 次に再び「Process」メニューの「Preprocessing」にいき、今度は「Debayer」を選びます。白黒の画像をカラー化します。先ほど処理してできた「_cc.xisf」という拡張子がついたファイルを「Add Files」ボタンを押して全て開きます。ここで左下の黒丸ボタンを押してエラーが出て悩みました。この解決方法は一番上の「Bayer/mosaic pattern」を「Auto」から「RGGB」に変更します。どのパターンにするかは事前に調べておいたほうがいいです。SharpCapの方でDebayer方式をかえて、変な色にならないものを見つけました。これで黒丸が押せるようになり実行できます。まだ、黒丸と黒四角の違いはよくわかりません。もし確認したければ、ここでできた「_cc_d.xisf」ファイルを「File」のメニューの「Open」から選んでみると見事カラーになっているのがわかります。ここでも左下の三角を押してInstaceを作っておくといいでしょう。
  5. 再び「Process」メニューの「Preprocessing」にいき、「StarAlignment」を選びます。位置を揃えてコンポジットするための事前計算です。この事前計算は「ImageCalibration」でもできるみたいですが、それぞれの画像で歪んでいるような場合はこちらの「StarAlignment」がいいみたいです。(2018/3/22追記: ImageCalibrationはダーク補正やフラット補正をするプロセスです。本来Debayerの前にする処理です。今回は撮影時にダーク補正もフラット補正もしているので、簡単のため割愛します。)ここも普通に「Add Files」からすぐ上で作ったカラー画像「_cc_d.xisf」ファイルを全て選びます。一つだけ違うのは、さらに基準となるファイルを一番上の「Reference Image」で選ばなければならないことです。「Add Files」で選んだうちの一枚を選びます。すぐ横の「VIew」を押して、「File」を選んで、さらに右の三角を押せば選択できます。色々オプションが選べるみたいですが、よくわからないのでまずはそのままの設定でやってみました。あとは左下の黒丸を押して実行します。
  6. 最後は「Process」メニューの「Preprocessing」の「ImageIntegrartion」でコンポジットです。同じく「Add Files」で最後にできた「_cc_d_r.xisf」ファイルを開きます。ここも色々オプションがありますが、全てデフォルトです。まだ細かいことはよくわかりません。黒丸を押して待つとやっとコンポジットされた画像が出来上がります。画像が2枚出てきて、一枚はコンポジットしたもの、もう一枚は暗い除かれたものみたいです。コンポジットされたものを「File」メニューの「Save As」で適当なファイル形式を選び保存します。同じfits形式でも色々互換性とかの問題があるみたいなので、とりあえずPixinsight標準のxisf形式で保存して、あとは色々な形式で試して目的のソフトで開くことができるか確認するといいかもしれません。Steller Imageでも開くことができるものは限られていました。
  7. ここからPixinsight語で言う「Linear Process」(Steller Imageで言うカブリ補正やレベル補正) に入っていきます。この際Screen Transfer Function (STF)というのを使ってレベル補正に相当することをしていくようなのですが、最初レベルを変えるSTFバーの出る画面がどうしても見つかりませんでした。中途半端に「Image」メニューの「Screen Transfer Function」に色々あるのがわかりにく原因で、バーを出したい場合には「Process」メニューの「IntensityTransformations」のところにある「Screen Transfer Function」を選ばなければいけません。メニューとオプション多すぎです。ここらへんで力尽きました。
ところで、以上の行程はバッチ処理での自動生成もできるみたいですが、今回はダークとかフラットが別のファイルになっていないので、理解する意味も含めて一つ一つ手でやってみました。バッチ処理はかなり便利とのことなので、次にまた試してみようと思います。


さて、比較のためにSteller Image8でも同様にコンポジットしてみました。まずSteller Image バージョン8の売りの「自動処理モード」だと、SharpCapで保存されたfitsファイル(RAW16)が白黒のままコンポジットされてしまい、コンポジットされた画像もカラー化することができませんでした。結局いつものように「詳細編集モード」で100枚を開いて、一枚一枚「ベイヤー・RGB変換」するしかありませんでした。「Altキー+I、Altキー+Y、Enter」で多少早くできますが、それでも100枚を一枚づつ手動で変換しなくてはならないことには変わりありません。この手間だけは冴えないですが、あとはバッチ処理でほぼ自動でできます。

できた画像を比較してみます。まず興味のある中央と四隅を拡大してみます。

cut
Steller Image8(左)                                 Pixinsight (右)


左がSterller Image8、右がPixinsightです。中央はそれほど変わりませんが、四隅を比べるとやはりSteller Image8だと流れたりぼけたりしてしまっています。Pixinsightも少し流れているように見えますが、これはレンズのせいで、一枚一枚の個々の画像ですでに流れてしまっています。f1.4のレンズを一段絞ってf2.0で撮影したのですが、ピクセル等倍で見るとまだ流れが目立つので、もう一段絞ったほうがよさそうです。

つぎに、全体の比較も面白いので見てみます。上がSteller Image8、下がPixInsightです。

Capture 23_35_59_00001-00101_23_36_01

integration

驚異的なのが、Steller Imageの方は、固定撮影のために空が流れていってしまい撮影できていない枚数が少ないところは普通に暗くなっているのに対し、PixInsightの方は撮影できていない部分も枚数で重み付けして明るさを復元していることです。

やはり噂通りPixInsightのコンポジットはかなり強力なようです。


 今回初めてPixinsihgtを使ってみました。確かに高機能で、性能もいいです。でもなぜ日本でSteller Imageがメジャーなのか?やっとわかりました。Steller Imageの方がはるかに簡単だからです。慣れの問題もあるでしょうし、Steller Imageは?なところも多少ありますが、日本語ですし、操作は想像がつきますし、ある程度一本道だし、マニュアルなどもしっかりしています。簡単にできるということは思っていた以上にありがたいことだと実感しました。


今回もコンポジットまではPixinsihgtでやりましたが、それ以降のカブリや周辺減処理、デジタル現像に相当するものはPixinsightでもできるはずですが、まだ手が出ません。PixInsightは疲れたのでしばらくはここからはいつも通りSteller Image8で続けることにします。

integration4

富山県富山市, 2018年1月13日23時36分
NIKKOR NC 35mm f1.4 + ASI294MC 固定撮影
露出5秒x100枚 総露出8分20秒
PixInsight + Steller Image 8、Photoshop CCで画像処理


最後の仕上げにSteller Image8とPhotoshopCCで続きの処理をした画像が上になります。さすがに5秒露光の100枚だとトータル10分もないので厳しいです。画像処理でかなりごまかしています。それでも馬頭星雲あたりは見えていますし、目的のバーナードループも見えています。他にもバラ星雲もなんとか見えますし、うっすらとですがエンゼルフィッシュも少しは出ているみたいです。

自宅の庭で、赤道儀も使わない、ポンと適当に置いた三脚に固定での、わずか10分のお気楽極楽撮影
なら、まあ十分ではないでしょうか。この方法だと部屋の窓際に適当に置くだけでいいので、かなり楽かもしれません。

今の制限は、一回の露光で星が流れないという5秒からきているので、ちょっとめんどくさくなりますが、ポタ赤でも使ってもう少し長い露光時間でやってみるのも面白いと思いました。



先日の馬頭星雲と燃える木ですが、この間志摩で一緒だったAさんのFacebookでの投稿に刺激され、淡い上品な表現を目指したくなりました。それでも暗くなってしまうのを避けたいのもあり、今まで手をつけていなかった、星マスクに挑戦してみました。

先に出来上がった画像を示しておきます。前回の画像と比べてもかなり趣が変わったのと、恒星の飛びが抑えられているのがわかると思います。

HORSE_7c_20171128-00h09m_x34_kb_masked_PS_photo_ps



Steller Image8でのダーク減算、フラット補正、ホット/クールピクセル除去、コンポジット、レベル補正、デジタル現像までは同じなので、SI8からPhotoshopに受け渡したところから始まります。

まず、星マスクの作り方ですが、ホームページを漁るといくつか出て来ますが、どうやらよっちゃんさんが源流のようです。ここのページも合わせてみると理解しやすいかと思います。流れとしては
  1. 元画像から恒星以外の星雲を消し去って白黒反転させたマスクを作り
  2. そのマスクをアルファチャンネルに登録する
  3. マスクを加工しながら、適用範囲を調整する
  4. 元画像を白飛びを気にせず思う存分加工する
というような順序で実現するようです。

基本的には上記ページに従うのですが、私がやった過程も書いておきます。


マスク画像の作成1: 微恒星のマスク

  • まず、Photoshopで開いた元の画像を全選択してからコピーして、それをペーストして別のレイヤーを作ります。
  • ペーストして作ったレイヤーを「フィルタ」の「明るさの最小値」で2ピクセル程度に設定して適用します。ダスト&スクラッチでぼかしすのもいいようです。どこまで微恒星を残すかによるのですが、私の場合は後者の方がうまくいったようです。
  • そのレイヤーを「差の絶対値」として表示すると恒星のみが残ります。この際、大きな恒星は表示されないので、後で別にマスクを作ります。
  • これをグレースケールに変換します。その際下の画像と統合かと聞かれますが、統合しないと次のレベル補正がうまくいきません。
  • 一部星雲が残っているところはレベル補正で消します。
  • これを「階調反転」します。
  • さらに適用範囲を微調整するために、ガウスぼかしを0.5~1ピクセルくらいで適用します。
  • これをマスク画像1としますが、上の調整は適時行います。
IMG_3200



マスク画像の作成2: 大きな恒星のマスク
  • 再び元の画像開いて、これをコピーしてペースとして別のレイヤーを作ります。
  • 同様に「フィルタ」の「明るさの最小値」で恒星の大きさに合わせて5〜20ピクセル程度に設定して適用します。
  • その画像そのものをグレースケールに変換します。下の画像と統合かと聞かれます上と同様に統合します。
  • 一部星雲が残っているところはやはりレベル補正で消します。
  • これを「階調反転」します。
  • さらに適用範囲を微調整するために、「フィルタ」の「明るさの最小値」で恒星の大きさに合わせて5〜20ピクセル程度に設定して適用し、ガウスぼかしを10~40ピクセルくらいで適用します。
  • これをマスク画像2としますが、これも適用範囲を見ながら随時調整します。
IMG_3201


マスク画像の適用
  • マスク画像1と2を統合して、全選択してからコピーします。
IMG_3202

  • もとの画像を開き、「チャンネル」タブを選択し、一番下の「新規チャンネルを作成」というアイコンをクリックします。できたアルファチャンネルを選択して、そこに先ほどのマスク画像をペースとします。
IMG_3203

  • 一番下の「チャンネルを選択範囲として読み込む」アイコンをクリックするとマスク画像が適用状態になります。同じチャンネルタブのRGBを選択状態にすると、マスクが適用されたもと画像をいじることができます。
IMG_3204

  • あとは、普段なかなか思いっきりあげられない露光量や無理なレベル補正も思いのままです。
  • もし思ったっ通りにマスクが適用されていない場合には、アルファチャンネルを調整することで適用範囲を調整することができます。私の場合さらにレベル補正でもっと黒塗り部分を濃くすることでマスクの適用を強調したり、思ったより大きな恒星があったので、さらにガウスでぼかしたりしました。
いろいろやっていて思ったのですが、HDR用に3秒程度の撮影を毎回しているのですが、それをそのままマスクとして使っても楽なのではと思いました。

さて、できた画像が一番上に示したのものです。前回上部が赤カブリ、下部が少し緑カブリだったので、それも補正しました。ホワイトバランスもあまり崩れないようにしました。何よりピンクというよりは上品な桃色をめざしました。かなり印象が変わったのと、前回より時間をかけたので丁寧な仕上がりになっていると思います。自宅の庭でここら辺までできるのなら、自分的には結構満足です。こうなってくるといつでも撮影できる天体ドームが欲しくなってきます。天文趣味は本当にキリがないです。

星マスクは敷居が高く感じていたので、なかなか手が出せなかったのですが、やってみると思ったほど難しくは感じなかったです。むしろ明るい星の飛びに悩んでいたのですが、その効果は絶大なので、もっと早くにマスターしておけばよかったと思うテクニックです。






先日の志摩での観望会で、Kさんと話をしている時に、ダークフレームは何枚必要かという話になりました。私はライト画像と同程度の枚数が必要なのではと話したのですが、Kさんはもっと少なくてもいいのではということです。で、色々考察してみました。

目的はダーク減算による改善ではなく、ダーク減算をした時に何枚くらい使えばダークフレームからのノイズでライトフレームが汚されないかを見積もることです。例えば何十枚とコンポジットしたライトフレームではノイズが平均化されて滑らかになるのですが、その際のダーク減算をザラザラの一枚だけでやってしまったら、せっかく綺麗にするはずのライトフレームの滑らかさを逆に汚すのではないかとか、そういうことです。


今回ノイズを無相関に出てくる「ランダムなノイズ」と、相関を持って同じように出てくる「コヒーレントなノイズ」に分けて考えます。

ランダムなノイズとは統計的な信号のゆらぎのことを指し、例えば光に関して言うと「カメラの画素に光を入れた時に、単位時間あたりの光量が一定でないために、ある時間露光して積分した時に一つの画素に溜まる光の量にばらつきがある」ということをいいます。また、一つの画素のADCの読み取りにも統計的にランダムな読み取り誤差が存在するので、それらも画像になった時には結果としてノイズとなります。これらのランダムノイズは時間的に無相関であるために時間的に平均化してやると時間のルートに比例して小さくなっていきます。

一方コヒーレントなノイズは、例えば光害のように、何回撮影しても同様に相関を持って入ってくる光です。センサー温度が高い時に画面の一部が明るくなるアンプノイズも相関があるノイズです。これらのノイズは相関があるため時間とともに足し合わさっていくだけなので、時間に比例して一次で増えていくノイズです。

あといくつか仮定ですが、ダークフレームもライトフレームも同じカメラで同じISO、同じ露光時間で撮影するとします。センサーの温度も変わらないとします。


さてまずダーク一枚で考えてみます。基本的に光は入れていないので、センサーに流れる暗電流で決まるようなノイズです。この一枚あたりの無相関なランダムノイズをN_darkとします。これらをn_d枚コンポジットします。コンポジットは加算して枚数で割って平均化すると言う過程なので、

sqrt( n_d x N_dark^2 ) /  n_d = N_dark / sqrt( n_d)

となって枚数のルートでノイズが減っていきます。

次にライトフレームの信号をSとすると、ライトフレームのノイズN_lightは統計的に信号のルートに比例するので

N_light ∝sqrt(S)

と書くことができます。ライトフレームもコンポジットしてn_l枚を重ねるとすると上と同様に

N_light / sqrt( n_l)

というノイズが残ります。

通常はライトフレーム一枚に対しコンポジットしたダークフレームで補正します。ダーク補正は差に相当するので、無相関なノイズにとっては2乗和のルートになるので、その場合のS/N比は

S / sqrt( N_light^2 + N_dark^2 / n_d)

となります。このダーク補正したライトフレームをコンポジットするので、信号は

n_l x S

ノイズは

sqrt( n_l x N_light^2 + n_l^2 x N_dark^2 / n_d )

となります。ここで、N_light / sqrt( n_l)は各ライトフレームに適用されているので、無相関ではなく正の相関を持っているコヒーレントノイズになり、そのまま和になることに注意です。なのでn_lの2乗で足してあります。

これらをn_l枚で平均化するので、信号は

n_l x S / n_l = S

ノイズは

sqrt( n_l x N_light^2 + n_l^2 x N_dark^2 / n_d )  / n_l = sqrt( N_light^2 / n_l + N_dark^2 / n_d )

となるため、S/N比は

S / sqrt( N_light^2 / n_l + N_dark^2 / n_d )

となります。



やっと式ができました。この式を具体的に考察します。

まず、ライトフレームをダークに近いくらい暗い空で撮るとか、そもそも非常に低いISOとか短い露光時間でとったりして、ライトフレームのノイズとダークノイズが非常に近い場合には

N = N_light = N_dark

とおいて、さらにライトもダークも同じn枚撮るとするとS/N比は

S / sqrt( N^2 / n + N^2 / n ) = S / ( sqrt (2) x N/sqrt(n) )

となり、sqrt(2)倍だけノイズが大きくなってしまいます。すなわちこのようにライトの背景とダークが近い場合はダークの枚数をライトの枚数よりも増やしてやらないとルート2倍損をしてしまいます。

ちなみにルート2倍損をすると言う意味は、ライトフレームの撮影枚数が半分になったことと等価ですので、ずいぶん勿体無いですね。

一方、ライトフレームのノイズがダークノイズよりも十分に大きい場合(十分に明るい場合ということ)にはダークの枚数を減らしていいことになります。例えば、ライトフレームの背景が100倍ダークよりも明るいとすると、ライトフレームのノイズはsqrt(100) = 10倍大きいことになります。100枚ライトを撮った時に一枚だけダークを取った時、やっとノイズがコンパラになり、その結果上と同じ様にルート2倍損することになります。式で書くと、ライトフレームのノイズをNとすると

S / sqrt( N^2 / 100 + (N/10)^2  / 1 ) = S / (sqrt( (N^2 + N^2)/100 ) = S / (sqrt(2) x N/10)

 となります。 

こんな場合でもダークを10枚とってやれば

S / sqrt( N^2 / 100 + (N/10)^2  / 10 ) = S / (sqrt(1+1/10) x N/10)

となり、sqrt(1.1) ~1.05なので、5%くらいの悪化で抑えることができます。


さて、ライトフレームの背景のノイズとダークノイズの比は一体どれくらいなのでしょうか?先日撮った馬頭星雲の画像で比べてみます。ヒストグラムのピークが背景だと考えると、ピークの位置が明るさになるので、Photoshopで比較してみます。ライトフレームのピークはざっくりヒストグラムの半分ほどなので125くらい。ダークは暗過ぎて判断できないので、レベル補正で10倍の明るさにして平均値を見て10で割ってやると3.7位です。比は34程度と、思ったより小さいです。

IMG_3190
ダーク画像を10倍明るくしたもの。平均3.3と思ったより明るいです。


ライトフレームは36枚撮影していて、ダークは30枚使ったので、

S / sqrt( N^2 / 36[枚] + (N^2/34[倍]) / 30[枚] ) = S / (sqrt(1+1/30/34x36) x N/sqrt(36) )

となります。

sqrt(1+1/30/34x36) = 1.015

なので、1.7%の悪化となり、ほとんど影響ありません。枚数にしたらライトフレーム1.1枚くらいのロスです。今回の場合は5枚も取れば10%くらいの悪化で、ライトフレーム7.6枚くらいのロス、10枚取れば5%くらいのロスで、ライトフレーム2.8枚くらいのロスになるということです。


というわけで、またかなり長い記事になってしまいましたが、結論としては、背景の空が暗くてダークに近ければ近いほど枚数が多い方がいいが、空が明るい場合は少なくてもいいということになりそうです。志摩観望会で間違ったことを言ってしまったことになります。Kさんごめんなさいm(_ _)m。

 

先週本当に久しぶりに月のない時に晴れていたので、撮影をしました。と言っても平日なので、自宅での撮影です。ターゲットは北アメリカ星雲。FS-60CB+flattenerで少し広角を狙いました。

19時頃から月が23時頃に出るまでの4時間が勝負だと思ったのですが、撮影を始めたのが20時半頃、22時半前には雲が出て来てしまい、結局約1時間分しか撮影できませんでした。

ひとつめのポイントは6月に参加したCANPでの講演での話を参考に、フラット画像をその場で鏡筒にコンビニ袋を被せて取るようにしてみました。以前フラットの検証をした際に、どうしても4隅で一致しない部分があり謎でした。CANPの講演の中に一緒の場所で撮るのが一番いいとあったので、そうか!周りの光源の影響があると、iPadとかのLED光ではズレは残ってしまう可能性があるにかと納得できたからです。実際の撮影では、雲が明るいせいか、フラット用なのになぜかすごく赤側に寄るのでうまく補正できるか心配だったのですが、フラット補正の後必ず行なっていたステライメージでのカブリと周辺減光の微調整をほとんどする必要がなかったので、うまくいったような気がします。また、フラットが一致すればするほどあぶり出しを攻めることができるはずで、下に示す仕上がり具合を見ても、撮影時間の割に結構色も出ているので、このその場でフラットを取るという方向が正しそうだということがわかります。

2つめのポイントは、今回画像処理に初めてSteller Image 8(SI8)を使いました。これもCANPでデモを見てそれほど悪くないと思ってバージョンアップしたのですが、今回やっとインストールして使ってみました。SI8では処理の自動化が売りなのですが、これだとやはりやれることが制限されてしまうようで、結局従来の詳細モードで処理しました。詳細モードでやっているぶんにはSI7とほとんど変わりはない印象です。彗星とかを処理するときは結構すごいらしいので、将来彗星に手を出した時の楽しみにしておきます。

他はこれまでの撮影方法、画像処理方法とほぼ同じで、HDRのために3秒の画像も撮っています。できあがった画像です。

「北アメリカ星雲」

NORTH_60s_3200iso_+27c_20170913-20h36m_x55_digital_ps_HDR3


富山県富山市, 2017年9月13日20時38分
FS-60CB+flattener + Advanced VX赤道儀
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出1分x57枚+露出3秒x30枚 総露出58分30秒
f50mm+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理


  • よく考えたらHα系の星雲はバラ星雲以来で、前は色を出すのに苦労したのを思い出しました。なので今回少し色を強調してみました。ちょっとどぎつくなり過ぎかもしれませんが、色が出るのが面白くて少し調子に乗ってしまいました。
  • 周辺が少し流れています。やはりFS-60Qのエクステンダー付きで撮ったものよりも、FS-60CB+flattenerの方がどうしもて光学設計上見劣りするのは、以前本で読んだ通りみたいです。
  • 所詮1時間分の短時間撮影なので、ノイズ分が消しきれていなくて、特に右半分の淡い赤色のところに粒状感が残ってしまっています。もう少し長い時間をかけて撮りたいといつも思うのですが、準備に時間がかかったりでなかなか難しいです。一枚に10時間以上撮っている方もいらっしゃるのですが、単純にすごいと思ってしまいます。
  • こもれ同様ですが、所詮富山の自宅の庭で、都会よりはマシとはいえ、ベストの場所からは程遠く、どちらかといえば光害地と言ってもいいくらいです。今回も60DのISO3200で1分間でヒストグラムのピークが半分くらいまで来てしまうくらいです。

いろいろ反省点はありますが、逆にいえば自宅という手軽な環境で、わずか1時間でこれだけ色が出たのは、元々の「星雲とかも撮ってみたい」というお気楽な希望から考えたら、ある意味満足です。


  

 

先ほど一枚だけアップしたのですが、撮影した227枚を使ってタイムラプス映像を作ってみました。無加工のjpg画像から作った動画です。動画の作成にはSirius Compを使ってみました。

こと座流星群もいくつか見えますし、人工衛星の軌跡も見えます。


立山に行った経緯は次の記事で書きます。

先日処理したバラ星雲ですが、HUQさんにfacebookで「ほとんどの星が白くなり、バラの中の青っぽい部分が無くなっている」との指摘を受けました。改めてみて見ると、白というよりは少し赤に近くて、確かに青っぽさはかけらもありません。リベンジと思って色を出すことだけにこだわりすぎて、赤を強くしすぎたのが一番の原因です。途中まではホワイトバランスにも気を使っていたのですが、やはり最後の味付けのところでイメージの色を表に出してしまう悪い癖があります。

いったんある程度処理した画像をfacebookにアップしましたが、やはりまだいろいろと欠点が見えまくっているので、これではだめになってしまうと猛省して再度画像処理をしてみました。特に今月号の天文ガイドにも星ナビにも見事なバラ星雲が掲載されていて、まったく太刀打ちできていない自分が情けなくなりました。


ダメな点
  • 恒星が白飛びしてしまっている。実はあまりこれまで白飛びを気にしていなかったのですが、やはり白飛びはダメだと改めて考えることにします。露光時間を変えることでHDRの効果を狙うのはありかと思いますが、今回は撮っていなかったので、これ以降短時間露光を取っておく癖をつけようと思います。
  • フラットがうまくいかない。フラット補正をしても、どうしても周辺減光が残ってしまいます。ぱっと見はうまくいっているようでわかりにくいのですが、炙り出していく過程ではっきりしてきます。上の隅なのですが、右と左で違っていて、片方は明るすぎでもう片方は暗すぎとかです。さらに、なだらかな周辺減光というよりは、境がはっきりしていて、途中まで暗くなって、そこの境で折れ曲がるように明るい方向に向かうなどです。一緒の日に撮ったマルカリアンでは問題なく補正できているみたいです。
  • バラ星雲中心付近の青が何も出ていない点。
  • 小さい画像で見るといいのですが、拡大するとボロが顕著に目立ちます。粒状感があり、それをごまかすためにNik Collectionでノイズ除去をしているので、のっぺりしてしまっています。決定的なのは、月が出ているあまりよくない環境で撮ったとことと、露光時間がまだまだ足りないことかと思います。マルカリアン撮影前の練習というのは単なる言い訳で、きちんとやるなら時間を選ぶことは必須です。今回は画像処理だけではどうしようもないので、再度もっと暗いところで撮影したいと思います。将来印刷まですることを考えると、拡大に耐え得る画像にしたいです。


疑問点
  • フラットフレーム自身はたぶんうまく撮れているはず。なのになぜ完全に除去できないのか?フラットのオフセットが必要なのか?
  • ベイヤーRGB変換はバッチ処理ができないので、多量の枚数を一枚一枚変換しなくてはならないが、コンポジットした後にRGB変換するのはダメなのか?
  • レベル補正はどこまで追い込んだらいいのか?特にステライメージからPhotoshopに渡すときに、あらかじめかなり切り詰めて色を強調しておいたらいいのか、多少余裕をもってPhotoshop上で切り詰めたらいいのかのさじ加減がわからない。
  • デジタル現像の際のパラメーターはデフォルトのままでいいのか?星雲の明るさを犠牲にして白とびを抑えることに主眼を置いた方がいいのか、ある程度白とびを犠牲にしてこの段階で星雲の色を出しておいた方がいいのか?



問題ないと思っている点
  • ダーク補正は問題なさそう。
  • ホット/クールピクセル除去はやっておいた方がいい。
  • Nik collectionは強力すぎるきらいもあるが、うまく使うと非常に効果が高い。特にDfine2でのノイズ除去は粒状感が取れるので今回は良しとする。Color Efex Pro 4の一つ目のコントラストと、二つ目のコントラストもかなりフレキシブルで、思った通りの色が出やすい。



ダーク処理まではこれまでのやり方の通りで完了しているものとします。

フラット補正

前回の記事で詳しく検証してます。


ホット/クールピクセル除去、コンポジットも通常通り行います。コンポジットの際、どうも星像が流れていくのは多少は平均化されて目立たなくなるようなので、今回は色の方を重視し、前回失敗だと判断した21枚を新たに加え、計57枚でコンポジットしました。

今回の記事はここからが本番です。


レベル補正

ステライメージ7上でレベル補正で星雲部分を炙り出します。ホワイトバランスもここで整えます。

まず適当にRGBでヒストグラムのピークあたりを拡大して星雲をあぶり出します。どこまでやるか悩ましいところですが、暗い側はとりあえずヒストグラムのピークから下の斜めの傾きを伸ばしたところらへんまで、下の三角を持って来ます。明るい側は色が出てくるくらいまでかなり攻めます。

IMG_1253


次にホワイトバランスを整えます。簡単にはステライメージのオートストレッチ機能を使ってもいいのですが、狂うこともよくあるので、レベル補正で合わせた方が確実です。基本的にはヒストグラムの3色のピークの位置を合わせることと、ピークの左側で3色がどこか一点で交わるようにすることです。

IMG_1254


この時点恒星は飛んでしまっていますが、次のデジタル現像で復元するのでよしとします。


カブリ、周辺減光補正

これもステライメージでの作業です。フラット補正で補正しきれなかったところを手動で補正します。最初のころはポイント指定でやっていたのですが、今はラインでやっています。ただラインの場合はなれないとうまくいかないこともあるので、ある程度訓練が必要です。なれないうちはポイントの方が楽かもしれませんが、これもなかなか思った通りに行ってくれないことが多いです。

まずはカブリ補正で上下と

IMG_1255


左右のアンバランスを取り除きます。

IMG_1256


ただし、上と下で、左右方向のカブリが反転しているなど、複雑なカブリは取り除くことができません。こう言った場合はポイント指定を使うしかないですが、これも思った通りにいかない場合も多く、限界があります。

次に周辺減光をラインで取り除きます。

IMG_1257


上の画像のように、画面の上側に合わせて周辺減光をフィットさせると、画面下側では合わなかったりするので、ラインでやれることは限られています。たとえば下の二隅は変化させず、上の二隅だけ補正するというようなことや、左右だけ補正して、上下方向は補正しないというようなことは原理的にできません。そのような場合にはポイント指定で逃げきるしかありません。



デジタル現像

ここで恒星が白とびしないよう、相当気を使います。上の右側の三角を右に持っていくと白飛びを防ぐ方向に行きます。星雲は多少暗く、眠くなってしまいますが、後でまた炙り出せるので、ここでは恒星の白とびを防ぐことに主眼を置きます。

IMG_1260



ここまでがステライメージの役割です。これ以降はPhotoshopに移ります。データをtiff形式で保存します。



トーンカーブ

Photoshopに移ってからは基本的にはレベル調整は階調を損してしまうことが多いので使いません。これはステライメージと違って、レベル補正が不可逆だからです。その代わりにトーンカーブで色を明るい領域まで持っていきます。とはいっても、最近は次のNik collectionの下準備のようになってしまっています。

トーンカーブでは暗いところをより暗くし、中間域を持ち上げ、明るいところはそのままにが原則です。イメージとしてはピークを明るい方に広げていくような感じです。

IMG_1261


もう一つトーンカーブの重要な役割に、崩れたホワイトを整えるというのがあります。色々処理していると途中ホワイトが崩れていることがよくあります。レベル補正は使いたくないので、トーンカーブでホワイトバランスを整えています。基本は同じく、3色のピーク位置を合わせることと、ピークよりくらい側で3色が交わる点を作ることです。



Nik collection

Nik collectionはPhotoshopで動くプラグインで、一年前は6万円くらいしてたものらしいのですが、現在は無料です。元の値段でも十分価値があると言ってもいいくらい強力なプラグインで、天体画像処理にとっても相当強力なツールです。今回使ったのは2種類で、
  • Color Efex Pro 4の2つ目のコントラスト
  • Dfine2
です。コントラストは二つあるのですが、二つ目の方が使いやすい印象です。


コントラスト一回目

実際の処理はコントラスト一回目の様子が

IMG_1262

になります(PCの画面を写真に撮っているので見にくいかもしれません)。パラメータを見てもらうとわかりますが、
  • 明るさ
  • コントラス
  • コントラスト
  • ソフトコントラスト
  • 彩度
とあり、特に最初のコントラストとソフトコントラストは恒星の明るさをあまり変えないので重宝します。彩度を上げますが、ホワイトバランスが崩れるので、Nikを出てから一度トーンカーブでホワイトを整えます。

ホワイトを整える前、Nikから出た直後の画像が以下、

x57_level_white_genkou_digital_nikcolorcontrast


ホワイトを整えた画像が以下になります。

x57_level_white_genkou_digital_nikcontrast_tonea


Dfine2

粒子状が目立つようになってから、Nik collectionのDfine2を、コントラストノイズ100%、カラーノイズ100%でかけます。これをノイズがあまり見えていない状態、例えばレベル補正より先にやってしまうと、あまり意味がなくなります。

Dfine2終了後の画像が以下です。拡大しないと違いはよくわからないです。

x57_level_white_genkou_digital_nikcontrast_tone_Dfine



コントラスト2回目

さらに2回目のコントラスト

IMG_1263

で相当色を出しています。多少きつめに出しておいて、下の写真のようにできたレイヤーの不透明度を変えることで微調整したりします。

IMG_1265


Nikから出た直後が下の画像です。

x57_level_white_genkou_digital_nikcont_tone_Dfine_Nikcont


ここでもホワイトバランスが崩れるので再びNikを出た後でトーンカーブで揃えます。ヒストグラムが複雑な形になってくるので、どうしても客観性がなくなり好みの色が多少入ってきます。ただしやはりこのままだとどうしても青が出ないので、トーンカーブで少しBlueを明るい側に移して強調しました。ついでに、GreenとRedも少しいじります。ここに一番好みが入ってきて、またホワイトバランスを崩す原因にもなるので注意です。

この時点でこのようになります。

x57_level_white_genkou_digital_nikcont_tone_Dfine_Nikcontr_tone



HDR合成

恒星が一部白飛びしているので、レベル補正などの処理をする前の明るい部分に情報が残っているファイルを開き、HDR合成をします。ただし、HUQさんが指摘した通り、そもそも撮影時のヒストグラムのピークが真ん中らへんまで来ているので、明るい方の階調があまりないです。本来なら短時間露光の写真を別で撮っておくべきでした。

マスク完了後、レイヤーの不透明度を調整します(PC画面を撮影したのでサチっているように見えますがが、実際の画像はさらにその下にあります)。

IMG_1266



HDR合成完了後の画像です。

x57_level_white_genkou_digital_nik_tone_Dfine_Nik_tone_HDR



最終調整

周辺減光がどうしても取りきれないところをNik collectionのコントロールポイントを使い、部分補正をします。粒状感がまだ残っていたので、もう一度Dfine2をかけました。その他青を少し強調、コントラストアップなど細かい調整を少しだけしています。

さらに画像を切り取って逆さまにして完成です。できた画像がこちらです。

final


C49 バラ星雲
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月3日21時48分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x57枚 総露出114分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理



HUQさんの指摘から色々試すこと約一週間、前回よりは青色も出ているのと、白飛びもだいぶんましになったので、多少は良くなったのではないかと思いますが、それでもベテランの方々のバラ星雲とは比べるまでもないレベルです。改めて見比べると、今回の方が粒状感が増加してしまったのと、透明感が無いように見えます。

周辺減光など一部強引な部分修正もあるので、お絵かきの感も入るのですが、基本的に撮影した元画像が悪いと画像処理で苦労して、元画像がいいと画像処理はほとんどしなくても素晴らしい仕上がりになります。今回は月明かりがある中での撮影でしたので、最後までなかなか納得できず、やはり今一度リベンジ撮影をしたいと思います。

最後になりますが、とても長い記事になってしまい色々書いてきましたが、所詮天体写真の初心者が試行錯誤で書いていることなので、未熟な技術や、間違ったこともたくさんあることかと思います。どうか温かい目で見ていただき、コメントなどで指摘していただけるとありがたいです。




 

画像処理をするにあたり、フラット補正は最初の方できちんとしているのですが、画像処理を進めて星雲部分を強調していくと、どうしてもフラットに仕切れていない部分が目立ってきます。そのため先日撮影したバラ星雲を使い、少し検証してみました。簡単のため、コンポジットなしの一枚の画像のみで比べます。

最初はフラット補正無しと有りの比較です。ステライメージ7上でフラット補正後、ベイヤー/RGB変換をしてレベル補正で暗い部分をあぶり出しています。以下の2枚の写真を見ると、明らかにフラット処理をした方が周辺減光がまともになっています。

  • フラット補正無し
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_noflattest1

  • フラット補正有り
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat0


なので効果はあることは明らかです。しかしながら、フラット補正をした後でも、少しわかりにくいですが、右上隅に行くに従って途中までは暗くなっていっているのに、あるところから突然明るくなって、三角州のような明るい形が残っています。左上は周辺減光という言葉の通り、徐々に暗くなっていきます。このように一方は明るく一方は暗くというような場合、特に右上のように途中から明るさのスロープの傾きの正負が逆転しているような場合は、ステライメージ7上での周辺減光補正がすごくやりにくくなるので、少なくとも両方とも暗いとかの、スロープが滑らかなる状態を目指します。

あと、もう一つ気になるのは、フラット補正をした場合としない場合で明らかにカラーバランスが変わっている点です。補正無しは緑っぽく、補正有りはホワイトバランスがマシになっています。これは作業ミスというわけではなく、上の2枚をレベル補正のRGBで明るさを合わせようとしただけで、カラーバランスは何も変えていません。


ここから検証です。まずフラット補正時のオフセットの値を変えてみます。
  • プラス20%: 右上、左上、共に少し暗くなりますが、まだ右上が明るいです。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat20


  • プラス40%: 左上はさらに暗く、右上はほぼフラットでしょうか。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat40


  • プラス60%: 両側とも暗くなる方向です。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat60



逆にマイナス側のオフセットをかけます。
  • マイナス20%: 逆に明らかに右上がより明るくなっています。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat-20


  • マイナス40%: 両側とも明るくなりました。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat-40


マイナス側は逆センス、プラス40%以上なら、少なくともアンバランスはかなり軽減されるようです。念のためこれ以降の処理をプラス60%をデフォルトとしておきます。

次にフラット補正時のガンマをいじってみました。オフセットは数学的にはフラットフレームに和もしくは差で下駄を履かせるというのでわかるのですが、このガンマはどのような処理なのかいまいちよくわかっていません。おそらくフラットフレームの明るさ方向の幅を決める係数のような気がします。オフセットは+60%で固定です。

  • ガンマ0.6: 四隅とも結構暗くなります。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat60_g06

  • ガンマ0.8: 0.6に比べると少し明るいでしょうか?でもデフォルトの1.0より少し暗いです。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat60_g08

  • ガンマ1.0: オフセットの変化の時に載せた60%と同じ画像を並べておきます。それほど悪いようには見えません。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat60

  • ガンマ1.4: 右上が再び明るくなりました。周辺減光補正(周辺を明るくするという効果)が効きすぎているようです。
ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat60_g14


ガンマを上げていくと、周辺減光補正の効きが強くなるようなので、ガンマがどれだけフラット補正の効果を効かせるかという係数という推測は間違っていない気がします。

オフセットとガンマではフラット補正で残った残差の調整は、最初の目的の明暗逆方向に行っているものを一方向のみにすることはできるとわかりましたが、それでも結局きちんとバランスを取るまでの調整はしきれないことがだいたいわかりました。そもそも、なぜこんなことが起きるかというと、フラットフレームとライトフレームの減光度合いが違っているからに他ならないのですが、考えられる原因はいくつかあって、
  • フラットとライトのカラーバランスが一致していない。
  • フラットの光源はPC画面だが、PC画面を見た場合と、夜空を見た場合で何らかの光の経路が違う。
  • 露光時間の違いが、周辺減光に何らかの影響を及ぼす。
  • ISOの違いが、周辺減光に何らかの影響を及ぼす。
  • フラットが明るすぎる。
などです。この中のフラットのカラーバランスだけはすぐに試すことができるので、とりあえずパッと試してみました。そしたら何と、明らかに効果ありです。

フラットフレームですが、ベイヤー状態ではカラーバランスの補正はできないので、まずはRGBに変換します。その時ホワイトバランスを自動で調整しないでそのまま見てみたら、何と画面全部緑です。

FLAT_1s_100iso_20170305-04h10m44s002ms_x60_RGBnowhiten

白い画面を写したのに、何でこんなに緑が大きくなるのでしょうか?カメラは天体改造してあるので、赤が目立つならわかるのですが。PCのプレビューでは普通に白く見えています。実はフラットフレームだけでなく、ライトフレームもホワイトバランスを自動にしないと緑が大きく強調されてしまいます。

ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h05m51s444ms_RGBnowhiten

何かがおかしいです。ステライメージのベイヤーからRGBへ変換ルーチンでしょうか?何か設定を間違えているのでしょうか?これは後できちんと検証するとして、とりあえず気を取り直して、とにかくホワイトバランスをトーンカーブで整え、まともな色のフラットフレームを作ります。

FLAT_1s_100iso_20170305-04h10m44s002ms_x60_RGB


次にライトフレーム一枚をRGBにします。これがこのページの一番上の写真と同じものです。その次に、作ったRGBカラーでのフラットフレームを使って補正します。オフセット0%、ガンマも1とデフォルトの状態にします。そしてできた画像がこれです。
  • ホワイトバランスをとったフラットで補正したもの

ROSE_LIGHT_120s_3200iso_flatten_byRGBwhitenframe

直接比較するべきは上から2枚目です。見やすいように再度載せます。
  • ホワイトバランスが大きくずれたフラットで補正したもの

ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+11c_20170303-23h03m39s648ms_flat0

ホワイトバランスをとったフラットフレームで補正した上のほうは、完璧ではないですが四隅がかなり改善されています(追記: それでも画像処理を進めていくとやはり補正しきれていない部分が目立ってくるのが後でわかりました。まだ根本的に何かがずれているのかと思います。2017/9/21さらに追記: CANPでの話を参考に、その場でフラットを撮影するようにしたら、このようなズレは無くなりました。iPadなどのLEDでの光源と、周辺環境の余分光源からの回り込みにどうしても差が出てしまうようです。これ以降はフラットはその場で撮るようにすることにしました。)。それでも今回はとりあえずの対処療法で、フラットフレーム、ライトフレーム共にRGB変換した後にフラット補正したので、ベイヤーでフラット補正できるようカラーバランスの取れたフラットファイルが必要になってきます。

さて、そうなってくるとなぜ白い画面を撮っているのに、カラーバランスが崩れて緑になるかが謎です。これは機材を出して検証する必要があるので、また時間がある時に試します。


追記: どうやらステライメージ7でRAW現像(RAWで開いてベイヤー/RGB変換をしても、最初からRAW現像をしても)をすると緑がかるのは既知の問題の様で、アストロアーツによると仕様だとのことです。ということは、どうもホワイトバランスがとれたベイヤーでフラット補正するのは諦めた方が良さそうという結論になります。対策としては、
  • 最初の方の方式のようにフラット補正の際オフセットを加えて周辺減光を滑らかにしてから、マニュアルで周辺減光を撮る
  • ソフトを変える
などがありますが、当分は前者かなと思っています。 そのうちにPixinsightも試してみたいと思います。






週末金曜土曜と撮影したバラ星雲とマルカリアンの銀河鎖の画像処理を日曜日の一日をかけてやってみました。基本的には以前書いた「画像処理(その1): 一連の工程を試す」に沿って進めました。フラットに関しては「画像処理 (その2): フラットフレーム」で検討したように、PCの真っ暗になる手前一段階明るい光を1秒露光、iso100で撮影したものに、フラットダーク補正をして使っています。

これまでフラットフレームをずっと前に作ったもので使いまわしていたのですが、今回新たに取り直しました。すると明らかに以前のものより黒い丸が増えていることがわかりました。以前からある黒丸もほとんどのものは残っていました。だんだん汚れていっているのがわかりますが、これはカメラのセンサーの汚れと思われるので、そのうちにクリーニングか、メンテナンスに出す必要がありそうです。

ダークファイルも今回240秒といままで取ったことのない時間にしてしまったために、ダークライブラリーがなくて、また冷蔵庫などを駆使して追加しました。撮影するときの露出時間はあまり種類を多くしない方がいいとやっと気づきました。


1. バラ星雲

前回色を出すのにかなり苦労をしたのですが、今回やっとある程度の色を出すことができました。それでもまだ少しざらざら感はあるので、もう少し撮影時間を延ばすか、より暗いところで撮影した方がいいかもしれません。次のマルカリアンの銀河鎖で気付いたのですが、Nik collectionのColor Effect Pro 4の「ディテール強調」を使うとザラザラ感が強調される傾向があります。もしかしたらこれが効いているのかもしれません。それでも月齢4日のさなかに自宅の庭で撮ったと思えば上出来ではないでしょうか。やっと1月6日以来のリベンジが果たせました。

final3

C49 バラ星雲
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月3日21時48分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x36枚 総露出72分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


バラ星雲であと一つやってみたかったことがあります。

縦にするとドクロです。

final3bonepapa


でも、方向的にはこの向きの方が正しいみたいです。バラ星雲で縦向きってのもありなのでしょうか?



2. マルカリアンの銀河鎖

初めての銀河群の写真処理です。最初二日目に撮れた14枚だけで処理をしたのですが、枚数が足りないと判断し、初日に撮った23枚を追加して処理をしました。初日の文は結構星像が流れてしまっていると思っていたのですが、コンポジットしてしまうと多少ランダムに加わるので、一枚一枚で見るよりも流れは目立たなくなるようです。それよりも、きちんとカメラの角度を合わせていなかったので、日にちが変わった後は画角が少しずれてしまい、使える面積が少し小さくなってしまったのが惜しかったところです。やはりカメラの角度は簡単に合わすことができる仕組みを考えた方がいいと思いました。

あと、上でも既に書いたのですが、Nik collectionのcolorのディテール強調は銀河周りの滑らかなグラデーションを壊し、ざらざらにしてしまいます。やはり得意不得意があるみたいです。ここではNikはSharpner Pro 3: (1) RAW PresharpnerとDfine 2をメインにしました。背景の暗さが効いてくるので、Dfine 2の効果が結構大きかったです。できあがったものです。

MARKARIAN_edit2

Markarian's chain
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月4日1時16分から23枚に2017年3月5日0時0分から14枚を追加
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出4分x37枚 総露出2時間28分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


自分としてはこれは結構満足です。きちんと鎖型にもなっていますし、M87も入れることができました。実際結構な数の銀河がパッと見ただけでもたくさん確認できます。写っている銀河に印をつけると、

markarian_signed_final

拡大して見てもらうとわかりますが、PGCまで入れるとすごい数です。M: 3個、NGC:12個、IC:10個、PGCはまだまだ取りこぼしている分もありますが、写っている(さすがにうっすらと写っているものばかりですが)のを確認できただけで30個で、なんとトータル55個の銀河が写っています。


 

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