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天体観測始めました。

カテゴリ:参考資料 > 書籍

今年はあまりに天気が悪く、天気がいいときに限って月が明るいので、先月の月の時期にとうとうあきらめて月の撮影をはじめました。思ったより面白くて、途中拡大撮影にも挑戦したのですが、困ったことが起きました。その時撮れたクレーターの名前を調べるのに、エライ苦労をしたのです。

そんな話をFacebookでしていたら、以前ドームを見せてもらった小松のOさんが普段使いで勉強している本ということで紹介してくれたのが地人書館のA. ルークル 著 / 山田 卓 訳「月面ウォッチング」です。

この本は大判の科学書の類に入る本で値段も定価6000円とそこそこします。私は古本で旧版の方を手に入れたのですが、それでも定価ほどではないにしろ結構な値段でした。新版の方ももう絶版のようで中古のみあって、こちらはもう少し高かったです。 
  • 中身は最初の15ページほどに、月の特徴を簡潔に必要十分に書いてあり、ページ数も少ないので、すぐに読むことができます。 
  • 次の10ピージほどを使って、全体の写真と、地形の大まかな特徴などを書いています。
  • そのあとの160ページほどがこの本のメインで、月を76に分割して、240万分の一の詳細な手書きの絵で地形が描かれていて、分かり得るクレーターなどの地形に名前が書いてあって、その名前の由来が書いてあります。
  • 名前にはカタカナもふってあるので、日本語で表記するときの基準になるでしょう。
  • 一枚一枚の絵に縮尺が載っているので実感としてクレーターの大きさが分かります。
  • 160ページのうちの最後の10ページは秤動(ひょうどう)で見え隠れする部分を描いています。月はいつも同じ面を向けていると思いがちですが、多少左右に動いていて、その動きを秤動といいます。地球からはトータルで月面の59%の面が見えていて、41%が常に見えている面、18%が秤動で見え隠れする部分ということです。
  • 最後の「月50景」という写真ページや、観測のしかたなどの解説もあり、ここも簡潔で読みやすいです。
  • この本には命名方の解説も少し書いてあります。大元は1645年のラングレヌスの月面図だそうですが、現在の命名方の基礎は1651年のリッチョーリの月面図だそうです。クレーターについては功績のあった学者の名前をつけるという方法で統一し、月面の北から南に向かって歴史的な順序で配置されているそうです。実際に命名は長く複雑な歴史を繰り返しているので、簡単ではないようですが、この本(旧版)の発行された1996年で6233のクレーターに命名され、そのうち807が名前を持っているそうです。残りの5426は近くのクレーターの名前に文字をつけることで表現しているそうです。
  • 定価は旧版6000円、新刊4800円で新刊の方が値下げしたようです。原書は1989年初版で、翻訳に際し1992年を英語版を元に、日本語版を出した際に一部改訂をしているとのことでした。日本語版の旧版の方は1997年8月5日初版発行で、1996年の命名まで入っているようですが、新刊の方はもう少し新しいデータまで入っているのだと思います。
  • 訳者の山田卓氏は名古屋市科学館に勤務されていた方で、2004年に亡くなられているようです。サンフランシスコの書店で初めて原著を手にとったときの話、原作者とのやりとりのことなども書かれて、読んでいて訳者の思いが伝わってきます。謝辞の中にはこの間お会いした名古屋市科学館の職員さんの名前もありました。


せっかくなので、試しに以前撮影したアペニン山脈周りで、本を見ながら名前を振ってみました。この写真だけでも図5、6、11、12、13、14、20、21、22、23、24、25、31、32、33、34、35と見なくてはならず結構大変でしたが、時間を忘れてのめりこんでしまいました。

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この写真の中だけでも教科書に出てくるような科学者の名前が目白押しです。図と、撮った写真とを比較してみるとかなり面白いです。かなり小さなクレーターまで名前がついていて、他にも何か大きなクレータの名前+アルファベットで表しているクレーターもあるのですが、それらは今回省きました。クレーターが黄色、山や谷がオレンジ、平地が緑です。
  • 例えばコーカサス山脈の上の方のカリッポスの下にカリッポス谷というのが絵には載っているのですが、写真では判別できませんでした。
  • また、アリスティルスの右側にテアエテトス谷というのがあるはずなのですが、こちらも写真では判別できません。
  • 左上のヒガツィー尾根の上にあるはずのシュティレ尾根、右にあるはずのグレボーボー尾根は暗すぎて見えていません。
  • 腐敗の海の上の部分にスパーという溶岩に満たされた直径13Kmのクレーターの跡があるはずなのですが、やはり明確には確認できません。(追記: なんとか場所が特定できました。かなり薄いですが一応名前を書いておきました。)
  • アルキメデス谷も一応書いておきましたがはっきりしません。一方すぐ下の横に走っているブラッドリー谷は綺麗に見えます。
  • 左上のティモカリスの下の、直径7.4kmのハインリヒと7.5kmマクミランはなんとか見えますが、その間にあるはずの2kmのプーピンは見えません。
  • 信頼の入江の奥にあるコノン谷も全く見えません。
  • 右上ビュルグ横のビュルグ谷、その下のダニエル谷も見えません。
  • 真ん中少し右にある小さなガスト尾根とホーンスビーの間にクリシュナという直径2.8kmのクレータがあるはずなのですが、全く分かりません。そこに続くオーエン尾根も不明です。
  • 一番下のマーチスンは周囲が崩壊してはっきりしない直径58kmのクレーターとのことですが、結構見えます。
こうやってみると、谷は写真には写りにくく、クレーターは5kmより小さくなるとほとんど写っていなことがわかります。見えていないものはもう少し拡大撮影を試みて、いつかリベンジしたいです。結構月は面白いです。



月の名前はWeb場でも詳しく記しているページがあります。このページの名前もほとんどこの本の日本語表記と一致します。このページは新たに追加されたクレーターや除外されたものも更新しているので、合わせて参考にするといいのでしょう。

 

夏休みは観望会のシーズンです。お盆休み初日、毎年恒例の近所のお寺での観望会が開かれました。自宅から歩いて30秒ほどの隣のお寺で、昨年に引き続き参加しました。富山県天文学会のメンバーのKさんがこれまた歩いてそれこそ10秒のすぐお隣さんに住んでいて、今回はその方と私の二人で盛り上げていきます。

ところが今日の天気はGPVの予報で見ても全くダメ。曇りどころか雨が降りそうです。仕方ないのでお寺のお堂でのお話のみになりそうな雰囲気です。ところが今日は朝から、先の記事でも書いていた通り、望遠鏡の整備に時間を費やしてしまい、いまいちお話の準備ができていません。どうもお客さんの層を聞いて見ると小さい子が多そうなので、かねてから考えいた、絵本「ホシオくん天文台へゆく」の読み聞かせをすることにしました。

19時半からなのですが、19時少し前にお寺に行くと、すでにKさんはC9.25を準備が完了していて、屋根のある軒下に置いてありました。私の方はというと、おそらく雨も降りそうなので赤道儀を出すのは最初からあきらめ、子供に勝手に触ってもらうための、いつも大活躍のSCOPETECHと、昨日から整備しているミニポルタA70LFを自宅から手で運び、あとは曇り用にいつもの高感度CMOSカメラASI224MCで雲の隙間からの星をねらおうと準備しました。

設置している途中から子供に適当な景色を入れてもらったりしていましたが、高感度カメラで見ても結局雲間からも星は全く見えず、19時半になるとお堂で集まってのお話が始まりました。最初はKさんのお話で、MITAKAを使っての星空の紹介だったと思うのですが、実はその間も自分のトークの準備をしていて、ほとんど聞けていませんでした。ちょうどKさんの話が終わる頃に準備も完了し、まずは「ホシオくん天文台へゆく」の読み聞かせです。

私は絵本の読み聞かせというのは初めてで、うまくいくかどうかわからなかったのですが、さすがホシオくんとウチュウさんの奇妙なやりとり、小さい子もきちんと話を聞いてくれていました。総ページ数54ページと、絵本としては異例の分厚さなのですが、今日は空が見えないのでお話だけで済ませなくてはならないと思い、少しゆっくり目に読みました。長すぎもせず、早く終わりすぎもせず、ちょうどいい時間で終わるくらいでした。

その後はスライドを使って、「ホシオくん天文台にゆく」ならぬ、富山の天文台も行って星を見てみようというお話と、富山で天の川を見るには牛岳へ行ったらいいという話を交えて、これまで撮った写真などを紹介しました。こちらの方は付き添いの大人の方も楽しめたのではないかと思います。

話の途中でKさんから北極星が見え出したとの情報が入ったので、急遽話のピッチを上げて切り上げ、皆さんに外に出てもらいました。出た直後は北極星は消えてしまっていてやはりダメかとも思ったのですが、程なくして少しづつ星が見え始め、ISSが見えるほんの数分前にはちょうど北から西の空が結構見え始め、もしかしたらイリジウムフレアも見えるかもと期待が高まりました。雲が少し残っていたのですが、予測時間くらいに誰かが、「あ、動いている」とか言い出し、すぐにかなり明るい光がお寺の屋根の上をゆっくりと動いて行くのがわかりました。今日は星が見えることさえ全く期待していなかったので、かなり盛り上がりました。

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さらにその頃には土星が見え始め、早速整備したミニポルタで土星を導入しました。Kさんの方もC9.25で入ったとの声が上がり、さらに下の子がSCOPETECHでも導入して、3台体制でほぼ全員の人が土星を見ることができました。さすがに経緯台なので倍率をあまり上げることはできないのですが、それでもSCOPETECHもミニポルタも土星の輪ははっきりとわかるので、皆さん、特に初めて見る方は歓声を上げていました。

もともとこの観望会は子供が対象なのですが、今日はたまたま知り合いの高校生のお客さんも先生と一緒に何人か来ていて、先生も高校生も子供に混じって経緯台を駆使して土星などを導入しようとしていました。実際に私もミニポルタで自分でつけた二つ穴で導入しようとしたのですが、穴が少し小さいせいか、雲がまだかかっていて土星が明るく見えないせいか、結構難しかったのです。うちの下の子は目がいいのか、そんなことは全く気にせず平気で導入していました。

途中から夏の大三角も見え始め、星座解説も少しだけすることができました。それにしても今日は朝からずっと曇りで雨も降っていて、しかも天気予報でも夜の天気は全く期待できなかったことを思うと、意外や意外、大満足の観望会でした。

夜も21時を過ぎしばらくするとお客さんもだんだん減って来て、月の明かりが少し見え出したのですが、肝心の月の姿は厚い雲に隠れていて、まだほとんど何も見ることができません。片付け始めることに少し月が見えてきたのがわかったので、来てくれた高校生を招待して、自宅の庭で観望会第2弾の月の観望会を開始しました。そこにはSCOPETECHとミニポルタに加えて、娘が使い始めている焦点距離1200mmのビクセンのポラリス80Lと、2000mmの長焦点のC8も加えて、月を見ることにしました。計4台あったので、ほとんど一人が一台の状態で、月のクレーターの美しさにみんな感嘆の声を上げていました。22時半頃までいたでしょうか、月が雲に隠れてしまい、片付けも手伝ってもらって、ここでお開きとなりました。

今回のお寺の観望会の参加も2回目となり、昨年よりはだいぶん手慣れた自分がいることがわかりました。昨年は、確かこの観望会で初めてお客さんに自分の望遠鏡を見てもらったはずで、その時随分戸惑っていた覚えがあるので、一年経ってやっと多少お客さんにも余裕を持って楽しんでもらうことができるようになってきたのだと、少し成長が実感でき嬉しかったです。

来週このお寺の敷地を借り、下の息子Sukeが、お墓の周りを歩く肝試しをやるそうです。すでに30人以上から申し込みがあったとか。肝試しが終わったら昨年やったお化け屋敷観望会に引き続き、肝試し観望会でも開きますか。お寺さんには毎回こんな行事のために快く場所を提供していただいて、感謝感謝です。

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かなり大きな本屋に行く機会があったので、何か面白い本がないか探していたら「反射望遠鏡の作り方」という復刻された本を見つけました。星野次郎著で、昭和49年7月18日初版発行で、平成21年8月10日復刻版1刷発行だそうです。値段は税込6480円と専門書にふさわしい値段だったので、少し迷ったのですが、いい本は縁なので、手に取って見て面白そうだったため購入してしまいました。


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5章構成になっていて、1章目は望遠鏡についての基本的な話をし気を使いながらわかりやすく書いていて、2章に反射鏡の作り方、3章に架台、4章が反射型の各種方式を式を交えて説明していて、5章は研磨機についてです。

前半は鏡の作り方にかなりのページを割いています。さすがに自分で鏡を磨いて作ることは今はないと思っていますが、以前読んだ「宙のまにまに」というコミックの中で、天文部で反射型の主鏡を磨く話が出ていたので興味はありました。ただ、マンガの中の話なのであくまで簡単な作り方が描いてあるだけで、詳細な作り方をもう少し知りたいと思っていました。 もちろん古い本なので情報が古いところもたくさんありますが、鏡のテストの仕方などは今だに通用しそうです。特にロンキーテストは以前やり方を調べたのですが結局わからなかったので、今回の説明を読んでやっと概要が理解できました。

後半は主に架台への固定方法で、「マウンチング」というちょっと古い表現になっていまが、赤道儀にまでかなり突っ込んで言及していて、赤道儀の機械系を基礎から理解するためには非常に有効です。モーターに関しての記述が薄いことと、当然コンピュータと組み合わせた現代の自動導入などの記述は無いのが少し物足りないですが、赤道儀のギヤなどの理屈や、実際に作る際の細かい技術など、読むだけで参考になるところがたくさんあります。

4章が意外に面白く、例えばシュミットカメラの補正板の式なども書いてくれています。最近手に入れた天文ガイドの過去の記事にも同じ式が書いてあることに気づき、読み比べてやっと理解できました。手持ちのC8をバラしたときに、補正板の意味がいまいちわからなくて、回転方向の位置が決まらなかったのですが、これを見ると回転位置はあまり関係ないということがわかります。補正板のずれは星像の歪みとなって出てくるので、惑星とかの撮影にはあまり関係なく、ディープスカイに走った時にもし星像がズレるならば回転方向を変えてみてもいいかもしれません。


 

富山の冬は厳しいですね。昨晩も雲間から星は見えましたがほんの一時だけで、やはりほとんど何もできないです。今回の記事も書籍紹介です。

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書籍といっても今回はコミックで、アフタヌーンに掲載されていた「宙のまにまに」という、高校の天文部が舞台のお話です。子供の頃に星に興味を持てなかった私にとって、天文部というのは全く未知の世界で、今からでは決して取り戻すことはできない時間なので、羨ましくて羨ましくてたまらないのです。

内容は天文部の活動そのものだという書評を見て、アマゾンで中古でまとめ買いしました。一気に読んでしまいましたが、基本的にはラブコメで、もっと天文の濃い話があっても良かったです。書評には天文部独特の理系っぽい雰囲気がないようなことも書いていましたが、確かにそうなのかもしれません。主鏡磨きやメシエマラソンはやったことがないので、天文部の醍醐味なのかと感じました。(大学の)天文部出身の学生さんがいたので聞いてみたのですが、あんなにいいことばかりないよとのことでした。それでも天文部の活動というのが、しょせんマンガからですが、少し垣間見えるだけでも楽しいです。人集めや機材に苦労しながら、自作やアルバイトで徐々に観測装置を充実させていくのは、自分の体験なら一生心に残る思い出になるのだと思います。

星を始めた頃から星ナビのバックナンバーを集めているのですが、2000何年かの号に偶然高校時代の同級生が撮った星景作品が載っていたのを見つけました。当時天文部だった子で、高校の頃に部員で星を見に行った時の思い出が書いてありました。今も星を続けているのか、星を始めた今だからこそ一度会って話をしてみたいです。 
 

連続ですが、もう一冊紹介します。名著です。

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読書工房というところから出版されている「ホシオくん天文台へゆく」 という絵本です。小さい子たちが多いときの観望会で使えるのではないかと思ってアマゾンで購入しました。

まず絵本なのにページ数がなんと55ページ。小さい子では話の途中に飽きてしまうかもしれません。それでも作者の必要なものを詰め込みたいという思いがすごく伝わってきます。中に使ってある星や星雲も、絵本のクオリティをはるかに超えたきちんとした写真が使われています。ステラナビゲーターで作った画像も載せています。とても星が好きな人が描いたことがよくわかります。

お話は、ホシオくんのもとに新しくできた天文台から望遠鏡を見ないかという招待状が来るというところから始まります。ワクワクするような展開ですが、それよりもインパクトがあるのは天文台にいる博士役の「ウチュウさん」です。ホシオくんとウチュウさんという微妙な名前もすごく味を出しているのですが、ウチュウさんの顔のインパクトには負けてしまいます。それでも、そんなウチュウさんの解説は秀逸です。ポイントを押さえ、手短に的確にわかりやすくまとめてくれています。そんなウチュウさんの素晴らしい解説を全て裏切るようなホシオくんの超シンプルな迷セリフの数々には、家族みんな大爆笑でした。

内容は、月、惑星、太陽系、恒星、星雲、星団と、とてもしっかりしていて、最後はM31とM51で締め、ホシオくんが天文台から帰るところで終わります。観望会前の掴みはオッケーとなること間違いなしの本です。心配なのはこれだけ綺麗な写真を見せると、観望会での眼視での惑星や星雲にがっかりしてしまうかもしれないところです。

いつか本当の観望会で実際に使って見て、そのときの様子をまた報告したいと思います。(2017/8/11追記: お寺の観望会で小さい子相手に読み聞かせをしました。つかみはオッケーでした。)

 

地人書館発行の「2009年版望遠鏡・双眼鏡カタログ」という本をアマゾンで買いました。ホームページを漁っていたら、かなり気合を入れて編集した本だという記事があり、興味をもったからです。

2009年度となっていますが、中古ではなく新品で手に入れました。昔は毎年か何年おきかに発刊されていたとのことですが、現在でも2009年が最後となっているようです。どうやら「月刊天文」という雑誌を発刊していたところが出したもので、雑誌自身は2007年から休刊とのことです。最近の機種も網羅した新しい版を見て見たいのですが、状況はなかなか難しいようです。ただ、この2009年版は本当にかなり気合が入っていて、読んでいるだけで面白いです。

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そもそもまだこの世界に入って1年も経っていなくて、昔のことがあまりわからない私にとっては、まずは少し昔の状況を網羅してくれているので、貴重な情報源になります。また、全く知らないようなはるかに古い1970年代の機器の記事が載っていて、これがすごく面白いです。以前ミザールの前身の日野金属時代の望遠鏡を手に入れた記事を書きましたが、その頃の状況が色々書かれています。「往年の名機」特集では当時どういったものが評価されていたのかがよくわかります。望遠鏡は、コンピューターなどのデジタル機器の進歩の速さに伴いすぐ陳腐化する寿命と比べると、はるかに息の長いもので、中古で手に入れたC8は多分1985年くらいのものだと思うのですが、未だに十分使うことができます。 それでもさすがに1970年代のものは時代を感じざるを得ません。こう言った時代からの工夫が今の望遠鏡の形の礎になったのかと実感させてくれる記事です。

ところが、それよりももっと面白い記事が往年の「迷」機の方で、ちょっと前に御三家について調べていたので、短い記事ですが大笑いしながら読むことができました。コメットハンターを夢見て初めてのぞいた星野に視野一杯に彗星が輝いていたとか、イガ栗のような恒星だとか、本当にマンガのような話です。御三家はまだ有名なのですが、ここに出ているN通販のことは知りませんでした。今も格安望遠鏡にある倍率競争の源流が何とここにあるとは。

こういった面白い記事に加え、各望遠鏡のユーザーの辛口な評価はすごく参考になります。きちんと悪いところを書いてくれているのがいいです。ヘビーユーザーが何を求めているかがよくわかるからです。また、大学生の天文部を舞台にした「天体望遠鏡がほしい」と「双眼鏡がほしい」はすごくわかりやすい入門記事だと思います。惜しむらくは、本当の入門者はあえてこの本は買わないだろうということです。わずか12ページの記事なので、初心者にここだけ読ませてあげても役にたつと思います。

趣味の世界を進めていくと、読み応えのある本があまりないと気づくことはよくあるのですが、この本は何度でも読み返すことができる非常に有益な数少ない本だと思います。



 

中古で誠文堂新光社の「デジタル点写真のための天体望遠鏡ガイド」という本を購入しました。きっかけは赤道儀の極軸の精度の話で、参照ページにこの本の紹介があったからです。

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特に印象深かったのが、2.4の「実際の望遠鏡の収差」です。具体的にメジャーな望遠鏡の例を多数示してあり、やっとスポットダイヤグラムの見方が感覚的に理解できた気がしました。

正直言いますと、いままで高い望遠鏡の意義がイマイチ理解できていなかったこともあり、安い望遠鏡でも眼視では十分で、撮影でも使えるのではと勝手に思っていました。ですがこの章を読んでようやく、 実は今持っているタカハシのFS-60Qは、青ハロは少し出るようですがそれでも相当収差は少ない方で、撮影をしても収差で星像が歪むこともほとんどなく、非常に恵まれた状況にあったということがやっと理解できました。多分FS-60Qを手に入れる前、「いつかはタカハシ」と言われているくらいなので、タカハシの望遠鏡に憧れのようなものがあって、その中でも一番安価な機種ですが星の村のスターライトフェスティバルのオークションでやっと初タカハシを手に入れることができてなんとなく満足していたのですが、実はとてもとてもラッキーだったのかもしれません。HUQさんがFS-60"Q"がいいとしきりに言っていたわけがやっとわかりました。逆に、FS-60CB状態にしてフラットナーを入れた時やレデューサを入れた時は今より収差を覚悟しなければならないこともわかりました。

他にも、タカハシTSA-102+35フラットナーやTOA-130NFにフラットナーやレデューサをつけた状態なども相当収差は少なく、特にタカハシのCCA-250のレデューサ、エクステンダー無し、ε-180ED、昭和機械の30PAG(IF)、VixenのAX103S、VC200L(ともにレデューサなしの場合)は周辺に至るまで特筆すべき収差の少なさです。逆に、補正のない反射型は当然四隅が相当流れることも、十分に理解できました。また、上に挙げた収差の少ないものも、レデューサの有無で収差は相当変わるようです。

この本を参考に、自分の中で次回鏡筒を選定するときに、スポットダイヤグラムを見て、これらのものと比較することで、ある程度目的に沿った性能といいコストパフォーマンスのものを選ぶことができるのかと思います。

この本はこれだけではなく、もともと読みたかった極軸精度のところなど、各所に重要なことをきちんと式を用いて説明してくれています。非常にわかりやすく、また応用も効くため、とても有用な書籍だと思います。惜しむらくは、すでに絶版で、今回も定価1800円ですが、3000円以上出して古本で手に入れました。初版からすでに4年以上たっていますので、もし最近の状況も盛り込んだ改訂版など出たら、絶対に買っておくべき本かと思います。


 

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