ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: 参考資料

Zoom中継3回目になります。人数的にも今回大きく盛り上がりました。


ことの始まり

過去2回やった電視観望のZoom中継ですが、連休中にあと1回くらいできればいいやと思っていくらいでした。ところが、前々回前回Zoom中継の記事を読んでくれた星ナビ編集部からなんと原稿依頼が!この厳しい情勢の中、アマチュア天文ファンがどうやって交流を進めるのか、その一環でZoomの様子を知りたいとのことです。

空の様子はというと、晴れてはいるものの、透明度がものすごく悪く、北極星も見えません。でも天気予報を見るとこの日以降しばらく曇りとか雨。晴れの予報まで待つと満月期に入ってきます。迷ったのですが、21時半頃テストでM51を見て、下のようになんとか見えることを確認。

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長時間露光であまりリアルタイム性はないですが、これでOKと判断し、急遽3回目のZoom中継を開くことにしました。


中継開始!

この日のネタは「月夜と銀河」。月があっても電視観望でどこまで銀河が見えるか試すというのですが、透明度が悪すぎてそちらで見え方がリミットされているようです。もう一つはZoomでの盛り上がりの様子を星ナビの原稿にできるよう、オンラインで集まっている様子を記録すること。

実際には22時にTwitterでアナウンスして、22時半から開始。開始してすぐに多分10人くらいになって、その後最大20人くらいになっていました。いつものように突然のアナウンスで、まさかこんなに参加してもらえるとは。ありがたいことです。でも多分、私の力量ではこれくらいがハンドルできる限界くらいの人数かと思います。もし次回やるとして、これ以上人数が増えたらどうしようと少し心配しています。まあ、こっそりアナウンスするかですね(笑)。

中継がうまくいかなかったらどうしようとか、人数が集まらなかったらとか、逆に多すぎて収集がつかなくなったらどうしようとか、色々心配事もありましたが、結局は全部杞憂で、会話だけでも十分盛り上がりました。目的の写真も、Zoom上のそれぞれの映像とハンドルネームが出てもいいことを確認して、十分な枚数をとることができました。


参加メンバーとか

会議開始後、せっかくなので参加されたそれぞれの方に自己紹介をしてもらいました。途中参加された方にも、その都度自己紹介をお願いしています。お会いしたことのある方も、初めてな方もいろいろ。ブログやTwitterで発言されている方も多いです。まあさすが同じ趣味ということもあり、会話は放っておいても勝手に弾みます。

茨城から参加の、いつも面白いブログを書いているM87JETさんはとても反応よく発言してくれます。PowerMATEを貸してくれている仙台から参加の木人さんは、遠くのホテルのタイルで分解能のテストした時の話や秘密の作業場を画面共有で見せてくれました。

学生さんが多かったのも特徴でしょうか。皆さん関東勢ですかね、某ショップのDaikiさんや薜さんに加え、だぼさんと、高校生のRambさんも参加してくれました。Rambさんは回路まで自分で組むみたいで、OnStep自分で作っているとのことです。将来有望ですが、今年受験とのことで大変そうです。

今回、電視観望はただのおまけでした。最初に入れたしし座の三つ子銀河はほとんど見えず。
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M65とM67はかろうじてうっすら見えてますが、NGC3628はほとんど見えていません。

M51が長時間露光でせいぜいこれくらいです。

M51

途中諦めて月に行ったりしてました。

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流石に月は見えますが、この日はやはり透明度が悪く、こんな状況でした。

千葉のりょーじんさんのところでは、小学生のお嬢さんが一緒にいて画面を見てくれていて、色々子供ならではの反応してくれます。「お父さん40年も星を見てる」とか話してくれました。でも、銀河とかなかなかうまく見せることができなくて申し訳なかったです。年末に名古屋でやった電視観望会に来てくれた智さんやkima_Aquariusさんも参加してくれました。智さんは最近電視観望もすごく精力的にされていて、Twitterでよく報告されています。

同じ愛知勢では、いのさんが。福岡からRAINYさん、神奈川からJiro Sakanakaさんも参加してくれました。こうやってみると全国の人と話せるというのは結構すごいですね。あ、あとお一方kiss_a_tenさんという方が参加されていました。結局ミュート状態からお話しされることはなく、ミュートを解除する方法がわからなかったのか、話せない事情があったのか分かりませんが、せっかくなのでお話ししたかったです。


中継基地(私の部屋)の紹介

あ、そうそう、今回から中継場所が私の部屋になりました。在宅勤務でとうとう自分の部屋を確保できたので、もうキッチン側のテーブルのうるさい環境からやらなくて良くなりました。家族にも迷惑をかけなくていいです。トイレで少し抜けたのですが、その頃にはもう家族全員寝ていました。その間、皆さんで話してもらっていましたが、やはりホストがたくさん話すことになってしまうので、こういったホストがいない時間も大事なのかなと思います。その後、機材置き場やちょうど昨日買った雑誌用の本棚を見せたりして盛り上がりました。



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中継中に参加者の方から、接続方法についての質問がいくつかありました。基本的に庭においたAZ-GTiをステーションモードで自宅のLWi-Fiにつないでいます。そうすることで自宅内のどのPCからでもAZ-GTiをコントロールできます。CMOSカメラだけは天送料が多いので、カメラ近くに別のPCを置いてUSB3.0で有線で接続しています。そのPCも自宅Wi-Fiに接続します。部屋の中ではMacからカメラに接続したPCにリモートデスクトップで接続します。WindowsのRDPは速度がネットワーク帯域が狭くても転送速度が速くて、画面の劣化が少ないことが星空を中継するのに適しています。部屋のMacからZoomを立ち上げて、Zoomの画面共有でリモートデスクトップアプリを画面共有しているというわけです。

こうすることで、RDP 、Zoom共に細かい描写が可能になるため、星空をきちんと星空として配信することができるというわけです。

ここで一つ気づいたことです。最初は綺麗に見えていた月も、途中からボケ始め暗くなり、外に出て確認してみたら雲越しの朧月でした。ここで、暗いと技術的にZoomでブロックノイズがでることが判明しました。SharpCapでゲインを上げて明るくするとブロックノイズが消えるので、こうやってうまく転送速度を稼いでいるのかというのが少し分かりました。これは配信時、少し気にしておくといいかもしれないです。

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なんとあぷらなーとさんが参加!

さてさてそうこうしている間に、大物ゲストのあぷらなーとさんが仕事を終え途中からサプライズ参戦。いつも面白いことに挑戦している、アマチュア天文会きっての変な人です。ビデオカメラの映像を見たどなたかから「想像と全然違う」との感想が。やっていることがいつも奇抜で若いイメージなので、そのせいでしょうか。実は私よりもずっと先輩です。

香川の天体望遠鏡博物館に行った時に自宅にお邪魔させてもらった話とか、あぷらなーとさんが今やっているビームスプリッタを使った「オンアキシス」の話とか、あぷらなーとさんにはこの会議をすごく盛り上げていただきました。ビームスプリッタは星まつりで安く手に入るという話になると、さっそく薜さんが実際に星まつりで買ったビームスプリッタを中継で見せてくれたりしました。

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こうやって双方向でやりとりできるのは楽しいですね。すぐに他の人の映像へ画面を切り替えたりできるのもZoomの特徴です。


星ナビ編集部の方も!

さらにお二方、スペシャルゲストで星ナビ編集部からも途中から参加。以前福島のフターライトフェスティバルや、CANPでお会いしたKさんと、ネットよ今夜もありがとうで担当頂いたFさんです。

ちょうどよかったとばかりに、Kさんから今回のZoom中継の趣旨をお話しいただくようお願いし、さらには参加者からの質問にも直接答えていただくこともできました。私も「ギャラリーの投稿はブログとかで発表した物でもいいのか」と聞いてみたのですが、答えは「OK」とのこと。コンテストなどに出したものなど、いわゆる二重応募に相当するのはダメだが、SNSなどの個人的な公開は構わないとのことです。私は撮影したら大抵すぐブログの記事にしてしまうので投稿できないと思い込んでいたのですが、大丈夫とのことなのでいいのが仕上がったら投稿してみようと思います。


楽しかったー!

もう最初から最後まで話が途切れることはなく、結局午前1時まででの2時間半、総勢20名程度の大会議になってしまいました。それでも話は尽きることなく、結構無理に1時に終わらせた感じで、そのまま行ったらエンドレスにでもなりそうな雰囲気でした。

参加された方、本当にありがとうございました。

最初天気が心配でしたが、実際には会話の方が遥かに盛り上がって、もうおなかいっぱいです。またいつか開催するかもしれませんので、その時にはまたよかったら参加してください。また、今回ギリギリのアナウンスで気付かなかった方もいたかと思います。「参加したかったのに」と思ってくださった方、本当に申し訳ありませんでした。次回こそは、(多分)もう少し余裕を見てアナウンスするようにしようと思います。

また、土壇場で開催を決めたにも関わらずこんなに盛り上がったのは、星ナビさんからきっかけを与えていただいたおかげかと思います。どうもありがとうございました。


まとめ

そもそもZoom中継を始めたのは、この厳しい状況でも好きな天文のことでコミュニケーションが取れるのではないかと思ったからです。

Zoomは一見ノイズと間違えるような細かい星空も、制限のあるネットワーク帯域でうまく中継して見せることができる数少ないツールです。これをきっかけに参加された方も、それぞれのコミュニティーでZoomを試していただければ、星仲間と会えない状況の中、連絡をうまく取り合えるのではないかと思います。中継だけでなく、喋るだけの飲み会にしてもいいと思いますし、画像処理をリアルタイムで検討するとか、テーマを決めた討論や講演とかでも、色々応用できると思います。

Zoomは世界中でたくさんの人に使われています。パスワードを設定する、個人IDでの会議せず毎回会議室を立てる、アドレスはパスワード付きのものを公開しないなど、セキュリティーに気をつけることを忘れないでください。うまく使えば、天文仲間のコミュニケーションに非常に強力なツールになると思います。

私も3回中継を試してZoomが星空中継にも、コミュニケーションを取るツールとしても十分に使えることがわかりました。定期的にやることにはならないと思いますが、そのうちにまた開催したいと思います。今後、他の方もZoom会議とかされると思いますので、そちらの方にも積極的に参加していければと思っています。

また、今回のZoom中継では初めて記録をとってみました。これ結構すごくて、声だけでなく画面まで全部mp4で記録されています。これらをもとに、これから原稿を書きます。はたしてどんな記事になることやら。文字数制限があるのでここまで詳しく書けないと思いますが、内容は星ナビ来月号でのお楽しみということで。 


アストロアーツさんが発行している「月刊星ナビ」の2018年8月号に、な、な、なんとこの「ほしぞloveログ」が掲載されてしまいました!

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わーい、わーい!もうめちゃくちゃ嬉しいです。

掲載されたページは星ナビの名物コーナー「ネットよ今夜もありがとう」、星ナビの説明によると「人から人へのリンクの輪。個人運営のホームページをリレー形式で紹介。」ということだそうで、「笑っていいとも!」のともだちの輪の天文版みたいなものでしょうか。2年前に星を始めて星ナビをずっと買い続けていますが、その後ブログを始めてから、いつかはこのコーナーに掲載されたらなあと、ずーっと夢見ていた憧れのページでした。

前号で紹介してくれたのは明治大学天文部のS君。実は昨年の原村の星まつりでたまたま隣になった学生さんで、その後このブログも見ていてくれたそうです。どこで繋がるかわかりませんね。S君、改めて紹介してくれてありがとうございました。

実は昨年の福島のスターライトフェスティバルで星ナビの編集のKさんとお話をしたことがあります。娘のNatsuがテントのところでギターを弾いていたのですが、写真を撮っている人に気づいて、あ、変な人かもとか一瞬思ったら(すみません)、なんと星ナビの方でした。ほしぞloveログというブログを書いていること、いつかネットよ今夜もありがとうで紹介されたいとか話していたのですが、まさかこんなに早く実現されてしまうとは。天文趣味関連で実現したい夢の一つを叶えることができました。その後、なぜかちょくちょくKさんとは会う機会があり、「星ナビGallay」の写真も是非とも投稿してくださいとか言われました。いつか撮影した天体の雑誌掲載のほうも目指したいと思います。

今回雑誌掲載と同時に、Web版の「ネットよ今夜もありがとう」にも掲載されているので、こちらからのリンクでこのブログまで辿り着けます。過去に紹介されたページも載って入るので、よろしければこちらも御覧ください。


さて、私もどこかのページを紹介しなくてはいけません。どこにしましょうか。
結果は9月号をお楽しみに。


今朝の晴れ間にかろうじてワンショットのみ太陽を撮影したのですが、撮影方法と画像処理に迷走しています。色々調べたりしているのですが、Facebookで雑誌記事に目を通すといいとのアドバイスがあったので、手持ちの雑誌のいくつかを当たってみました。

Hαをターゲットとしていることと、デジカメでの画像処理になるので、あまり古い記事は参考になりません。意外なことに、天文ガイドにあからさまに太陽撮影としている号は数少なく、星ナビの方に一時期特集がありました。天文ガイドは日食に多くの記事を割いているため、通常の太陽の撮影記事が少ない印象を受けました。調べた号を羅列しておきます。持っていない号、特に星ナビはごっそり抜けている号もありますのでこれが全部とは限りませんことをご承知ください。


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星ナビ:
2014年3月号: 「極大期に向かう太陽を撮る」と題して、この号から連続で太陽記事の特集があります。この号はまだNDフィルターを用いた撮影にとどまっています。
2014年4月号: 「Hαの激しい太陽」と題して、Hα撮影用の機器の選択やエタロンのことなどの解説があります。カラーセンサーの場合、RだけでなくGやB、特に二つあるGを使うといいということも書いてあります。
2014年5月号: この号はカメラの選択、撮影方法、スタックまでの画像処理が書いてあります。ただ、進化が早いこの業界の機器とソフトのこと、すでに内容は少し古いですが、それでも基本的な流れは知ることはできます。スタックソフトはRegistaxとAviStack2が紹介されていて、AviStack2の方が主です。AviStackはあまり使われなくなってしまいましたが、Registaxは未だに現役ですね。
2014年6月号: 画像処理の細かい話からタイムラプスまで扱っています。ここら辺の記事がもとで、今でもWebで見ることができる画像処理の源流になっている気がします。それにしてもWebでも太陽の画像処理に関して書いているところはとても少ないので、この号は貴重な情報源です。
2014年8月号: 前号を所有していないのですが、「極大期に入った太陽を知る」という連載が前号から始まっているようで、今号で2回目になります。撮影に直接は参考になりませんが、太陽のことを理解するのにすごくわかりやすくまとめてくれています。面白いのは、波長ごとの偏光分光観測の結果が示してあって、なぜHαを見ると面白いのかよく理解できます。
2014年10月号: 9月号を持っていないので、一回飛んで4回目の連載記事です。リオ・フィルターの解説とエタロンの比較写真(シミュレーション)が参考になります。ダブルスタックの威力がすごいことがわかります。


天文ガイド: 
2008年4月号: この号が唯一と言っていい日食などではない、通常の太陽観測の特集記事でした。背表紙にも「新しい周期に入った太陽を観測してみよう」とあります。ただ、内容はそれほど深いわけではなく、簡単な紹介記事くらいにとどまっています。P.S.T.も紹介されています。ジズコ提供のP.S.T.とソーラーマックス40のダブルスタックの画像も紹介されています。でもこの後の号にも続くような記事はなく、この号一回限りのようです。
2012年4月号: ずっと飛んでしまいます。この号はP.S.T.が表紙を飾っているので期待したのですが、日食関連とNDフィルター関連で、Hαのことはほとんど書かれていません。この号以前も、中身を全部見たわけではないのですが、少なくともタイトルには太陽撮影をあからさまに扱っているのは見つかりませんでした。あ、日食の記事はたくさんありましたよ。
2012年6月号: 日食写真の撮り方の記事の中にHαの記事がありました。機器の選び方や画像処理の話も少しだけ載っていますが、星ナビの連載にはかないません。関連記事ではないようですが、60Daを使った太陽撮影の記事がカメラ紹介の方でありました。フィルムとデジカメでのプロミネンスの比較写真もあります。


ざっと探しても、たかだかこれくらいです。他の号や、他の雑誌の情報などお持ちの方がいたら教えていただけるとありがたいです。

やはり情報の少なさは太陽撮影のネックです。まあ、その分、海外の記事を見たり、色々工夫したりという余地があるのですが。


前回の一気読み記事からずいぶん時間が経ってしまいました。以前、1980年代の天文ガイド一気読み記事を書きましたが、1980年と81年は手に入れた冊数が少なく楽しみだったスーパーチビテレ事件を読むことができませんでした。その後、富山のIさんに1974年から雑誌を大量にいただいたのですが、その中に1980年と81年が全て揃っていたので、少し補足しようと思います。順序は逆ですが、まずは1981年からです。

そうそう、やっと全部の雑誌が本棚に入りました。110cm幅の書棚に4列ぶんくらいで大量です。

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1981年の天文ガイド

まず最初に、私も知り合いの富山市天文台の渡辺氏の変光星の連載記事が載っています。渡辺氏に天リフオフ会の次に日に行ったサイエンスカフェでも大変お世話になりました。天文台を3月末でご退官とのことですが、この頃からご活躍されているのに感銘を受けます。退官されてもボランティアなどでまた天文台にも来られるとか。まだお若いので、ますますのご活躍を期待します。

今回はこれまでと趣向を変えて、月別に行きたいと思います。

1月号: 気球望遠鏡BAT-2号の記事があります。研究レベルですが、光害もシンチレーションも少ない上空というのはある意味理想的な撮影環境のはずです。でも記事によると-80℃でモーターの油も固まるとか、姿勢制御が大変だとか、素人では難しそうです。誰かやっている人いないのでしょうか? 

ISITカメラというCCD以前の動画カメラでのM57とM2をモニターテレビに映したものを写真にとったものが掲載されています。ISITのSITがシリコン・インテンシファイア・ターゲット、一番最初のIがII(イメージ ・インテンシファイア)とのことです。 今の電視観望の先祖みたいな記事で感慨深いです。

2月号: グループで作った天体観測所の記事があります。八ヶ岳観測所、東京五日町の観測所、室生観測所、長野県小諸の観測所、明治大学の足柄観測所などのメンバーが実名で載っています。しかもなんと分担金まで具体的に。今でも活躍されている方の名前もたくさんあります。苦労話なども書いてあって読むだけで当時の雰囲気が伝わってきます。

3月号: タカハシのFC-65が新発売だそうです。フローライトです。今使っているFS-60Qの祖先みたいなものです。

4月号: いろいろ新しいことが始まっています。新年度だからなのでしょう。

コルキットの広告がこんなに昔から出ています。これ以前の号では見たことがないので、この頃に商品化されたのでしょうか。

シュミット系の専門家の宮本氏が2月号で連載を終え、この号でインタビューを受けている記事があります。シュミットの解説がきちんと式で説明されています。以前は後半5号分しか手に入れられなかったのですが、やっと前回読むことができました。かなり勉強させていただきました。現在では考えられないような高度内容になっています。この頃はまだ骨のある記事がたくさんありました。

水素ガス増感の連載記事が始まりました。今となっては過去の技術ですが、少しでもいい写真を撮ろうという姿勢はいつの時代のアマチュアにも共通です。でも本当に大変そう。ちょっとやってみたい気もしますが、今の時代で幸せだった気もします。まあ、今の画像処理の面倒くささも未来から見たら同じことかもしれません。ちなみに9月号に新製品として、「フィルムプロセッサー」という真空装置がUNITRONから発売されています。当時水素増感がかなり盛り上がっていたのがわかります。

この号から星物語という星座についてのギリシャ神話の連載が始まりました。さらに文通コーナーも独立しました。文通で一番若い人が12歳ですよ!他に10代前半3人、10代後半9人、20代前半が一人、この21歳の方が最年長です。今の天文趣味の人たちからは信じられない年齢層です。年齢を書いてない人も4人いましたが、私はこの4人が何歳くらいなのかが気になってしょうがないです。すごい年なので年齢がかけないのでしょうか?それでもせいぜい30代以下だろうと思いますが。

6月号: JAC: 天文ニュースセンターの広告があります。週一でハガキでニュースが届くというサービスです。編集担当にはのちにマイコンの連載を始める中野主一氏もいます。当時はニュースを手に入れる手段は相当限られていたはずで、このような試みは随分と嬉しい情報だったのではないでしょうか。

夏の観測対策の記事があります。キャンプや山小屋の使いたか、グループで行った時の心得、蚊の対策など、夏の号にはこういった記事を書いてもらえると役に立ちます。8月号には「夏の蚊対策入選者発表」の記事が。面白いのは天文同好会のメンバーの一人を裸にして蚊への生贄にすることでしょうか。

「アメリカ西海岸だより」という記事が載っています。通販がこの当時から栄えていること、チェック(小切手)のこと、Sky and Telescopeに載っている広告で24時間通じる電話をかけてクレジットカードで払うという、すでに便利な社会だったことがわかります。私も読んでいてアメリカ暮らしのことを思い出してしまいました。

6月号のP84に当時の高校入試の問題が載っていました。ちゃんと考えると難しいです。でも想定していた答えがアマチュア中学生によって間違いではないかと指摘され、中学生向けの答えに加えて、天文が詳しい人向けの答えも正解になったそうです。面白いのは8月号に、その指摘をした中学生が読者サロンに投稿していることです。絶対自信のあった彼は教育委員会に電話して、2時間ほど経って東京の文部省(文科省ではないですよ)から電話が来て「中学生ならこの程度の解答しか求めていない」と連絡があったそうです。さすがにこの対応は今だったら大問題で、当時でもまずいだろうと思いましたが、1週間後に正しい解答が追加されたそうです。詳しい人が間違えるような問題はそもそも問題としてダメだと思います。

7月号: Vixenのニューポラリスが新発売だそうです。なぜか今ニューポラリスが2台家にあるのですが、37年前にできたのかと思うと、こんなに長い期間使える機材というのは天文ならではでないのかと思います。普通家電とかは10年くらいですよね。

8月号:  日食めがねが付録についています。紙型を切り抜いてフィルムを挟むのですが、フィルムが珍しい今では実現できない付録です。面白いのは、日食めがねをかけて双眼鏡や天体望遠鏡を覗いていけませんという注意があることです。当たり前です!フィルムが溶けますよ。

9月号: 昨年ノーベル賞を取った重力波について、こんな頃から取り組んできた記事が載っています。訳本の紹介記事ですが、アインシュタインの予言から100年、こんな当時からの長い研究の成果がやっと今になって出たのがわかります。

読者サロンに、11歳の誕生日を目前にした息子を亡くした母親の投稿が載っています。「『お母さん、大きくなったらオーストラリアに行って星を見るんだ』と目を輝かせていた息子...。それもこれも昨日のことのように思い出され現実が悲しくて悔しくて、涙がこぼれそうになるのを星空を見上げてグッと堪えています。」とのこと。うちの下の子もちょうど11歳。このお母様の当時の無念を思うと涙が出てきます。

10月号: 日食フィーバーの記事が写真いっぱいで6ページにわたっています。吾妻山の山頂に1200人!が集まったそうです。最近太陽に興味が出てきたので、こういった記事も興味深く読むことができます。

質問ルームに、8ミリで星が撮影できるかという質問がありました。そもそも「8ミリ」って何?という人もいるかと思いますが、昔一般の人が唯一動画を撮影できた機器です。私も実は触ったことはありません。単純に言えばフィルムカメラと同じで、現像なども必要とする写真を連続で取るようなものので、それを動画並みにしたら露光時間が全く足りず、星はほとんど映らず、撮ることができるのは月や惑星などの明るい天体くらいではないかと解説しています。面白いのは太陽のプロミネンスの撮影を提案しているところで、一コマ撮りというテクニックで1時間を3分30秒にしたらどうかと言っています。今でいうタイムラプスですね。そんな映像がもし残っていたらすごいです。

11月号: 読者サロンに某社から新発売のφ27のサングラス(アイピース部分につけるようなやつで、昔の望遠鏡セットには標準でもついていたようです)を使って日食撮影していて、一旦ピント合わせをしようと覗いて見たら、やけに明るくて「ダイヤモンドリングが見える」という記事がありした。なんと、サングラスが真っ二つに割れていたそうです。現像したフィルムはゴミだらけの汚い太陽像だったと呑気なことを書いていますが、失明しなくて本当に良かったです。この記事を読んで、フィルターが割れる可能性はゼロではないと思い、今のP.S.T.でもメーカー指定の見方以外では目では覗くまいと心に誓いました。

12月号: とうとうマイコンの記事が出始めました。中野主一氏の記事です。FacebookのHB氏の書き込みであった日立のベーシックマスターも載っています。驚くのはすでにIBMのPCがこの当時に紹介されていることです。私はこの頃まだ小学3年生。4年生でマイコンに興味を持ち出したので、その一年前のことです。すがやみつるの「マイコン電児ラン」は当時最も好きな漫画の一つでした。

さて、最後になりますが、12月号のインタビュー記事に高校3年生の女の子が出ていました。実はこの記事が1981年の中で最も考えさせられた記事でした。別に載っていたのが女子高生だからというのではありません。以前読者サロンに掲載されたこの子に届く手紙に「天文でも何でも趣味は死ぬ気でやるものだ」というのがあったというのです。まあ、変な人はいつの時代でもいるものなのですが、それでもこういった考えがあったというのは、やはり趣味というものがまだ贅沢な時代だったのかと思わされたことです。さらに話は続きます。「今までの日本人ーー60歳以上の人って無趣味の人が多いでしょう」「でもそのころの日本は貧しかったし、世の中も道楽を許さないようなところがあったんでしょうか」というところを読んで、なんでこの当時天文ガイドに載っている投稿とかが若い人たちばかりだったのか、やっと理解できた気がしました。私は単純に、望遠鏡の進化で値段もこなれていて、ちょうど若い人の興味を引いて、その人たちがそのまま年齢を重ねたので、今は年配の方ばかりなのだと、浅はかに思っていたのですが、根本的に間違っていました。天文なんていう趣味はこの当時以前は本当に贅沢なことだったのです。戦後、高度経済成長で余裕ができて、やっと趣味を持つことができる世の中になってきたのかと思います。その当時の若い人たちはやっと新しいことに興味を持つことができたのかと思うと、今の時代は平和で幸せだなとしみじみと思います。この贅沢な時代に生きていられる幸運に感謝して、宇宙を見上げようと思っています。


今年はあまりに天気が悪く、天気がいいときに限って月が明るいので、先月の月の時期にとうとうあきらめて月の撮影をはじめました。思ったより面白くて、途中拡大撮影にも挑戦したのですが、困ったことが起きました。その時撮れたクレーターの名前を調べるのに、エライ苦労をしたのです。

そんな話をFacebookでしていたら、以前ドームを見せてもらった小松のOさんが普段使いで勉強している本ということで紹介してくれたのが地人書館のA. ルークル 著 / 山田 卓 訳「月面ウォッチング」です。

この本は大判の科学書の類に入る本で値段も定価6000円とそこそこします。私は古本で旧版の方を手に入れたのですが、それでも定価ほどではないにしろ結構な値段でした。新版の方ももう絶版のようで中古のみあって、こちらはもう少し高かったです。 
  • 中身は最初の15ページほどに、月の特徴を簡潔に必要十分に書いてあり、ページ数も少ないので、すぐに読むことができます。 
  • 次の10ピージほどを使って、全体の写真と、地形の大まかな特徴などを書いています。
  • そのあとの160ページほどがこの本のメインで、月を76に分割して、240万分の一の詳細な手書きの絵で地形が描かれていて、分かり得るクレーターなどの地形に名前が書いてあって、その名前の由来が書いてあります。
  • 名前にはカタカナもふってあるので、日本語で表記するときの基準になるでしょう。
  • 一枚一枚の絵に縮尺が載っているので実感としてクレーターの大きさが分かります。
  • 160ページのうちの最後の10ページは秤動(ひょうどう)で見え隠れする部分を描いています。月はいつも同じ面を向けていると思いがちですが、多少左右に動いていて、その動きを秤動といいます。地球からはトータルで月面の59%の面が見えていて、41%が常に見えている面、18%が秤動で見え隠れする部分ということです。
  • 最後の「月50景」という写真ページや、観測のしかたなどの解説もあり、ここも簡潔で読みやすいです。
  • この本には命名方の解説も少し書いてあります。大元は1645年のラングレヌスの月面図だそうですが、現在の命名方の基礎は1651年のリッチョーリの月面図だそうです。クレーターについては功績のあった学者の名前をつけるという方法で統一し、月面の北から南に向かって歴史的な順序で配置されているそうです。実際に命名は長く複雑な歴史を繰り返しているので、簡単ではないようですが、この本(旧版)の発行された1996年で6233のクレーターに命名され、そのうち807が名前を持っているそうです。残りの5426は近くのクレーターの名前に文字をつけることで表現しているそうです。
  • 定価は旧版6000円、新刊4800円で新刊の方が値下げしたようです。原書は1989年初版で、翻訳に際し1992年を英語版を元に、日本語版を出した際に一部改訂をしているとのことでした。日本語版の旧版の方は1997年8月5日初版発行で、1996年の命名まで入っているようですが、新刊の方はもう少し新しいデータまで入っているのだと思います。
  • 訳者の山田卓氏は名古屋市科学館に勤務されていた方で、2004年に亡くなられているようです。サンフランシスコの書店で初めて原著を手にとったときの話、原作者とのやりとりのことなども書かれて、読んでいて訳者の思いが伝わってきます。謝辞の中にはこの間お会いした名古屋市科学館の職員さんの名前もありました。


せっかくなので、試しに以前撮影したアペニン山脈周りで、本を見ながら名前を振ってみました。この写真だけでも図5、6、11、12、13、14、20、21、22、23、24、25、31、32、33、34、35と見なくてはならず結構大変でしたが、時間を忘れてのめりこんでしまいました。

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この写真の中だけでも教科書に出てくるような科学者の名前が目白押しです。図と、撮った写真とを比較してみるとかなり面白いです。かなり小さなクレーターまで名前がついていて、他にも何か大きなクレータの名前+アルファベットで表しているクレーターもあるのですが、それらは今回省きました。クレーターが黄色、山や谷がオレンジ、平地が緑です。
  • 例えばコーカサス山脈の上の方のカリッポスの下にカリッポス谷というのが絵には載っているのですが、写真では判別できませんでした。
  • また、アリスティルスの右側にテアエテトス谷というのがあるはずなのですが、こちらも写真では判別できません。
  • 左上のヒガツィー尾根の上にあるはずのシュティレ尾根、右にあるはずのグレボーボー尾根は暗すぎて見えていません。
  • 腐敗の海の上の部分にスパーという溶岩に満たされた直径13Kmのクレーターの跡があるはずなのですが、やはり明確には確認できません。(追記: なんとか場所が特定できました。かなり薄いですが一応名前を書いておきました。)
  • アルキメデス谷も一応書いておきましたがはっきりしません。一方すぐ下の横に走っているブラッドリー谷は綺麗に見えます。
  • 左上のティモカリスの下の、直径7.4kmのハインリヒと7.5kmマクミランはなんとか見えますが、その間にあるはずの2kmのプーピンは見えません。
  • 信頼の入江の奥にあるコノン谷も全く見えません。
  • 右上ビュルグ横のビュルグ谷、その下のダニエル谷も見えません。
  • 真ん中少し右にある小さなガスト尾根とホーンスビーの間にクリシュナという直径2.8kmのクレータがあるはずなのですが、全く分かりません。そこに続くオーエン尾根も不明です。
  • 一番下のマーチスンは周囲が崩壊してはっきりしない直径58kmのクレーターとのことですが、結構見えます。
こうやってみると、谷は写真には写りにくく、クレーターは5kmより小さくなるとほとんど写っていなことがわかります。見えていないものはもう少し拡大撮影を試みて、いつかリベンジしたいです。結構月は面白いです。



月の名前はWeb場でも詳しく記しているページがあります。このページの名前もほとんどこの本の日本語表記と一致します。このページは新たに追加されたクレーターや除外されたものも更新しているので、合わせて参考にするといいのでしょう。

 

先日撮った北アメリカ星雲が、なんと天文リフレクションズ今日の一枚に選ばれました!

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日々の天文趣味を日記がてらブログに書き始めたのが元で、最近はFacebookやtwitterにも投稿したりしています。Facebookのグループの一つに天文リフレクションズのギャラリーという投稿先があったので、今回そこに投稿したのがきっかけです。

天文リフレクションズは天文ガイド、星ナビに次ぐ第3の天文メディアと呼び声も高く、このブログも紹介されていますし、私も普段から情報源として活用させていただいています。

雑誌とかへの投稿はまだしたことがないので、実質これが初めての何かへの採用ということになります。撮影時間も短く、まだまだ不満なところもあったのですが、それでも選ばれるということはとても嬉しいものです。 

先日天文ガイドを大量にいただいた方から、さらに昔の1976年から1980年の天文ガイド70冊を追加でいただきました。まだ創刊してから10年くらいの時代のものです。しかも専用バインダーに綴じられています。まだ前の280冊が読めていないのですが、先に一番古い1976年から読み込んでみることにしました。

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そもそも1970年代の天文雑誌は友人の家や店などで何冊かをちらっと見たことはあったのですが、じっくり読むのは初めてです。富田弘一郎氏、宮本正太郎氏など大先生クラスの方々が普通に記事を書いています。ダウエル、スリービーチ、パノップの御三家が全盛期で、もう広告を見るだけで大興奮です。

どれだけ探してもほとんど資料が出てこなかった、この間手にいれたVIxenのポラリス 80Lが普通に広告に載っていて値段まで書いてあります。口径80mm、焦点距離1200mmで、名前が1976年4月号はポラリス3で7万5千円、5月号はポラリス8Lとなっていて8万円(2017/9/21 追記: 6月号で8万2千円と訂正記事があり、その後8万2千円が続いているので、正しくは8万2千円のようです)。焦点距離と光景だけで判断したので、うちにあるのはもしかしたら勝手にポラリス80Lと思っているだけで、ポラリス3とか8Lというのが正しいのかもしれません。

カートンやEIKOWなんかはたまにヤフオクにも出るのでまだ調べたことはありますが、全然知らない望遠鏡もたくさんあります。日本精光研究所のUNITRON、キング商会のコル天体望遠鏡、ニコーギ研のニコルス、山本製作所のヤマモトなど、今ではほとんど名前を聞くことがありません。性能はどのくらいだったのか、いろいろ想像してしまいます。 GOTOのMARK-Xはこの時代のデビューなのですね。写真が白黒なのでわからないのですが、このころからあの綺麗なブルーだったのでしょうか?

昨晩自宅で撮影(網状星雲を狙っていたのですが結局途中で曇ってきて諦めました)をしていたら近所のKさんがやってきて、大きな赤道儀として旭精光の物を現役で使っていると聞きました。旭精光の名を聞いたのは昨晩が初めてだったのですが、それも普通に広告に載っています。

ミザールは1976年には名器と言われるH-100やCX-150をもう広告に乗せているのですが、CX-150の定価18万円には驚かされます。タカハシのTS100mmの反射が定価8万5千円なので、CX-150がいかに口径が大きいとはいえ、かなりの値段だったという印象です。

雑誌の広告を見ていると、自分が小さいころコンピューター雑誌の広告を食い入るほど見ていたのを思い出しました。コンピューターを手にするのがどれだけ夢だったか。分野は違えど、あの頃の天文少年達も多分一台の望遠鏡にものすごい想いを馳せていたのでしょう。


お便りコーナーはまだ僅か2ページほどと少ないのですが、相変わらず年齢層がものすごく若いです。10代後半が中心、20代前半までがほとんどです。


面白い記事をピックアップしていきます。
  • 1976年4月号に「先生はアストロカップル」という天文クラブの紹介記事があります。なんと小学校の天文クラブです。最近は高校の天文クラブでさえも珍しいのですが、この当時は小学校にも普通に天文クラブがあった時代なのかもしれません。先生夫婦の自宅のコタツに小学生が集まっている写真が載っているのですが、見ていて微笑ましいです。「生徒が帰ったあとは二人だけの...」と続いていて一瞬天文雑誌らしからぬと思ったのですが、「二人だけの星の時間が始まります。」とのことで、やはり天文雑誌です。
  • 1976年7月号に本名「すぴか」という仙台の女子高生が取り上げられています。今だったら考えられませんが、なんと住所付きで。名前の通り星が大好きな女の子のようです。今でも星を見ているのでしょうか?当時としてはとても珍しい名前のはずなので、星を続けていればどなたか知っている方もいるのかと思います。
  • 1976年9月号に「切り抜くたのしい天体観察用具」という本広告がありました。子供の科学の別冊みたいですが、「北斗七星で時刻を知る<星時計>」「昼間に金星を見る<三角木>」「ベガ星で緯度を測る<観測台>」など、とても気になるふれこみの観察用具が20種もできる本だそうです。子どもの観測用具のヒントになりそうなのでぜひ見てみたいですが、さすがに40年以上経っているので現物はもう残っていないでしょう。
  • 1976年11月号に「星空への招待」という題で福島の天文イベントの紹介がありました。スラーライトフェスティバルの前身でしょうか。このころからこういったイベントは盛んに行われていたようで、当時の様子がよくわかります。写真に写っている人みんな若いですが、とても楽しそうです。

とりあえず1年分を読んで見ました。まだまだたくさん残っています。Iさん貴重な雑誌をどうもありがとうございました。大切に読まさせていただきます。

胎内星まつりで、なぜか2年連続でテントサイトが隣同士になった、富山在住の方と知り合いになりました。原村の星まつりでも再会し、その時に雑誌のバックナンバーが楽しくて集めているとかいう話をしていたのですが、今回、昔の天文ガイドが大量にあるのでいらないかとのオファーを受け、日曜にその方の自宅に行ってきました。

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まず、冊数がすごいです。最近引っ越したために置き場所がなくなったとのことですが、持って帰って数えてみるとなんと280冊。一番古いのが1989年からあって、1990年台前半は少しだけ、1990年台後半から2016年まででは一冊抜けただけて、ほぼ全部揃っています。もちろん自分で集めていた多少のバックナンバーもあったのですが、9割方被らなかったので、相当補完された形です。特に、以前手に入れた1990年台前半が被らなくて助かりました。さすがにこの冊数だと読むのに時間がかかりそうですが、必ず目を通して、またこのブログでまとめ記事にしたいと思います。

実は雑誌だけでなく、自作ピラーや余っている昔の鏡筒など、色々なものも同時に頂きました。特に鏡筒は、整備して星好きだけどなかなか望遠鏡を手に入れられない子に渡したいと思っています。ポイントは1インチ接眼部から1.25インチ接眼部の変換でしょうか。アイピースは星まつりで集めた安いものがあるのですが、三脚や赤道儀、経緯台などの余りがないので、ここら辺をなんとかしなくてはいけません。細かいパーツでも新品で買っているとすぐにいい値段になってしまうので、中古やジャンクなど、できる限り安価にと思っています。

Iさんは眼視が好きと言っていました。カメラもフィルム時代のものが多いそうです。それよりもっと面白いのは、ジャンク品を安く買ってきて自分でいろいろ直して使っているところです。私もジャンク大好きなのですが、長年集めた圧倒的な機材の数には到底及ばないと思いました。屈折の対物レンズだけ手に入れて、自分で鏡筒と組み合わせて、光軸まで調整できるとのことです。いままで屈折だけは怖くてあまり分解したことがなかったのですが、これから自分でも挑戦してみようと思いました。いろいろ面白くて、午前中ずっとお話しさせてもらいました。

Iさん、たくさんの雑誌と機材、本当にありがとうございました。頂いたものはできる限り有効に使わせていただきます。


夏休みは観望会のシーズンです。お盆休み初日、毎年恒例の近所のお寺での観望会が開かれました。自宅から歩いて30秒ほどの隣のお寺で、昨年に引き続き参加しました。富山県天文学会のメンバーのKさんがこれまた歩いてそれこそ10秒のすぐお隣さんに住んでいて、今回はその方と私の二人で盛り上げていきます。

ところが今日の天気はGPVの予報で見ても全くダメ。曇りどころか雨が降りそうです。仕方ないのでお寺のお堂でのお話のみになりそうな雰囲気です。ところが今日は朝から、先の記事でも書いていた通り、望遠鏡の整備に時間を費やしてしまい、いまいちお話の準備ができていません。どうもお客さんの層を聞いて見ると小さい子が多そうなので、かねてから考えいた、絵本「ホシオくん天文台へゆく」の読み聞かせをすることにしました。

19時半からなのですが、19時少し前にお寺に行くと、すでにKさんはC9.25を準備が完了していて、屋根のある軒下に置いてありました。私の方はというと、おそらく雨も降りそうなので赤道儀を出すのは最初からあきらめ、子供に勝手に触ってもらうための、いつも大活躍のSCOPETECHと、昨日から整備しているミニポルタA70LFを自宅から手で運び、あとは曇り用にいつもの高感度CMOSカメラASI224MCで雲の隙間からの星をねらおうと準備しました。

設置している途中から子供に適当な景色を入れてもらったりしていましたが、高感度カメラで見ても結局雲間からも星は全く見えず、19時半になるとお堂で集まってのお話が始まりました。最初はKさんのお話で、MITAKAを使っての星空の紹介だったと思うのですが、実はその間も自分のトークの準備をしていて、ほとんど聞けていませんでした。ちょうどKさんの話が終わる頃に準備も完了し、まずは「ホシオくん天文台へゆく」の読み聞かせです。

私は絵本の読み聞かせというのは初めてで、うまくいくかどうかわからなかったのですが、さすがホシオくんとウチュウさんの奇妙なやりとり、小さい子もきちんと話を聞いてくれていました。総ページ数54ページと、絵本としては異例の分厚さなのですが、今日は空が見えないのでお話だけで済ませなくてはならないと思い、少しゆっくり目に読みました。長すぎもせず、早く終わりすぎもせず、ちょうどいい時間で終わるくらいでした。

その後はスライドを使って、「ホシオくん天文台にゆく」ならぬ、富山の天文台も行って星を見てみようというお話と、富山で天の川を見るには牛岳へ行ったらいいという話を交えて、これまで撮った写真などを紹介しました。こちらの方は付き添いの大人の方も楽しめたのではないかと思います。

話の途中でKさんから北極星が見え出したとの情報が入ったので、急遽話のピッチを上げて切り上げ、皆さんに外に出てもらいました。出た直後は北極星は消えてしまっていてやはりダメかとも思ったのですが、程なくして少しづつ星が見え始め、ISSが見えるほんの数分前にはちょうど北から西の空が結構見え始め、もしかしたらイリジウムフレアも見えるかもと期待が高まりました。雲が少し残っていたのですが、予測時間くらいに誰かが、「あ、動いている」とか言い出し、すぐにかなり明るい光がお寺の屋根の上をゆっくりと動いて行くのがわかりました。今日は星が見えることさえ全く期待していなかったので、かなり盛り上がりました。

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さらにその頃には土星が見え始め、早速整備したミニポルタで土星を導入しました。Kさんの方もC9.25で入ったとの声が上がり、さらに下の子がSCOPETECHでも導入して、3台体制でほぼ全員の人が土星を見ることができました。さすがに経緯台なので倍率をあまり上げることはできないのですが、それでもSCOPETECHもミニポルタも土星の輪ははっきりとわかるので、皆さん、特に初めて見る方は歓声を上げていました。

もともとこの観望会は子供が対象なのですが、今日はたまたま知り合いの高校生のお客さんも先生と一緒に何人か来ていて、先生も高校生も子供に混じって経緯台を駆使して土星などを導入しようとしていました。実際に私もミニポルタで自分でつけた二つ穴で導入しようとしたのですが、穴が少し小さいせいか、雲がまだかかっていて土星が明るく見えないせいか、結構難しかったのです。うちの下の子は目がいいのか、そんなことは全く気にせず平気で導入していました。

途中から夏の大三角も見え始め、星座解説も少しだけすることができました。それにしても今日は朝からずっと曇りで雨も降っていて、しかも天気予報でも夜の天気は全く期待できなかったことを思うと、意外や意外、大満足の観望会でした。

夜も21時を過ぎしばらくするとお客さんもだんだん減って来て、月の明かりが少し見え出したのですが、肝心の月の姿は厚い雲に隠れていて、まだほとんど何も見ることができません。片付け始めることに少し月が見えてきたのがわかったので、来てくれた高校生を招待して、自宅の庭で観望会第2弾の月の観望会を開始しました。そこにはSCOPETECHとミニポルタに加えて、娘が使い始めている焦点距離1200mmのビクセンのポラリス80Lと、2000mmの長焦点のC8も加えて、月を見ることにしました。計4台あったので、ほとんど一人が一台の状態で、月のクレーターの美しさにみんな感嘆の声を上げていました。22時半頃までいたでしょうか、月が雲に隠れてしまい、片付けも手伝ってもらって、ここでお開きとなりました。

今回のお寺の観望会の参加も2回目となり、昨年よりはだいぶん手慣れた自分がいることがわかりました。昨年は、確かこの観望会で初めてお客さんに自分の望遠鏡を見てもらったはずで、その時随分戸惑っていた覚えがあるので、一年経ってやっと多少お客さんにも余裕を持って楽しんでもらうことができるようになってきたのだと、少し成長が実感でき嬉しかったです。

来週このお寺の敷地を借り、下の息子Sukeが、お墓の周りを歩く肝試しをやるそうです。すでに30人以上から申し込みがあったとか。肝試しが終わったら昨年やったお化け屋敷観望会に引き続き、肝試し観望会でも開きますか。お寺さんには毎回こんな行事のために快く場所を提供していただいて、感謝感謝です。

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前回の記事から大分時間が空きましたが、久しぶりに天文ガイドバックナンバーの読み込み記事です。

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今回は1992年1月号から12月号の一年分ですが、今回一番思ったことがワクワク感がだんだんなくなって来たことです。 なぜだか理由ははっきりしています。この時代の広告の商品が今のラインナップともう大きく変わらないからです。もう御三家の広告もとっくになくなってしまいました。シュミカセもMEADE、Celestron共に普通に一般的になっています。値段もかなりこなれています。

もっと根本的に言うと、光学系に関してはほぼ民生の技術が確立して来た感があります。赤道儀に関しもVixenのSPから8年ぶりにバージョンアップしたGP(Grate Polaris)がこの年の5月21日に手頃な値段で出ていますし、8月号ではGPの特集が組まれています。自動導入もSKYSENSORが3にまでなっていて相当一般的になったことがわかります。特にSKYSENSORはコンセプト、方向性、メーカーの姿勢など、今見ても革新的だったことがわかります。SKYSENSORについては一度別個の記事でまとめて見たいと思っています。今も普通に使っている技術が一般的に浸透して来たのがこの頃のようです。

むしろCCDやパソコンの方がこの頃から比べて現在の技術が発達しすぎているので、隔世の感があります。例えば、8月号に初期の冷却CCDのST-4の解説が載っています。X68000(なつかしい)での画像処理だそうです。同号のカラーページにはST-4の画像例も載っています。その当時の天文マニアの最高技術だと思いますが、今の電視でのリアルタイム観望くらいの画質と比較できるくらいでしょうか。時間をかけて処理していたものが今ではリアルタイムと、やはり技術の進歩はすごいですね。なお、12月号には早速ST-6の記事も載っています。また、9月号に初のステライメージの宣伝が載っています。今のアストロアーツではなくアスキーからです。マルチメディアという言葉が流行った頃かと思います。

一方で、今ではほぼ完全に廃れてしまった、フィルム時代の吸引や増感の記事がいくつかあります。やって見たかったと思う反面、正直今のデジタル一眼の時代で楽になったのはよかったとも思えてしまいます。

特集記事などです。
  • 8月号にNifty ServeのSPACE FORUMのオフラインミーティングの特集が組まれていました。やっとこの頃マニア同士のネットでの情報交換ができ始めてきた時期です。だんだん情報が雑誌オンリーからネットに変わっていく変わり目の時代です。ただし、パソコン通信の時代の幕開けであり、まだまだインターネットは全く一般的ではありません。でもいつの時代でもマニアはやっぱりマニアですね。
  • 1月号のカノープス北限記録は昨年に引き続きまた失敗に終わっていましたが、こう言った記事は後から読んでも十分楽しめます。昨年は岩手県栗駒山で雲に覆われ失敗、この年は秋田県須川温泉ですが、やはり雲で失敗。失敗なのですが、何かやって見たいという挑戦心が刺激されます。
  • 11月号には手作りの分解能測定装置の記事がありました。92年のスターライトフェスティバルでお披露目されたそうです。手軽に分解能を測定できる環境はちょっと羨ましいです。最近の興味は惑星撮影での動画をスタックする技術での分解能です。スタックした時の分解能の理論的な限界を知りたいですが、どこかにないでしょうか?自分で計算するしかないかな?それを実測で試すのも面白そうです。
  • 1月号で投稿写真に対するスタッフの批評コーナーが終了し、入選者の声に変わっています。いつかここに私が知っている人も掲載されているのではと今から楽しみです。

このブログの以前の天文ガイドの紹介記事のコメントコーナーでも面白かったと感想があった、赤瀬川原平さんのコラムですが、やはり面白いです。
  • 3月号で「ついにタカハシを買う」という記事が載っています。経緯はどうあれ、最初にタカハシを買うという一大イベントは全ての天文ファンに共通なのではないでしょうか。記事も書いてある通り、雑誌の中にそれらしき記事や写真が出てくると穴のあくほど見つめ、その僅かなニュアンスから信頼度を必死に探る。「天体望遠鏡の全て」なんて別冊が出ると、全ページ舐めるように見尽くす。赤瀬川さんは高橋製作所まで乗り込んで言ったそうです。ちなみに私の場合は最初のタカハシ(といってもまだ一本しかないですが)は福島のスターライトフェスティバルで落とした、工場に眠っていたと言うFS-60Qのアニバーサリーモデルのデモ機でした。
  • 8月号では「星派」か「メカ派」かを議論しています。赤瀬川さんは機械派だそうです。私も冷静に考えると機械派だと思います。星の写真を撮るにしても何か工夫してその成果を試したいと言うのが根幹にあるのです。ちなみにこの記事によると星派は政治的人間で自分の天文台を持ったり裕福なイメージみたいですが、メカ派はヘンタイだそうです。

モリマサユキ氏の「おもちゃの星座箱」です。
  • ケンタウルス座の紹介記事が印象的でした。「あの地平線を越えればケンタウルスの全ての姿を見られるのだろうか?その心意気は時を超え今日まで受け継がれています。ボストークとなり、アポロとなり、ボイジャーとなったのです。」とありますが、星好きな人が宇宙の深淵を望遠鏡で覗くのも同じ思いなのではないでしょうか。少なくとも私は同じです。いろいろ挑戦していきたいです。
  • この連載も6月号で終わり、7月号からは森雅之氏(なぜか漢字に)の「口笛の科学」という4コマ漫画になります。こちらも示唆に富んだ漫画で面白いです。


読者の投稿コーナーは相変わらず面白い投稿が溢れているので、バックナンバーといえども欠かさず読みます。
  • 3月号で「星見に命をかけたボク」という14歳の子の投稿があるですが、屋根で星を見ていて夜露で滑って地面に後頭部を強打、3日間眠りっぱなしで左目失明という記事がありました。奇しくも最近子供が屋根に登って星を見出したので、この記事を見てやめさせることにしました。でもこの投稿の本当の論点は、その時に双眼鏡の光軸が狂ってしまったことと、さらにカメラを踏んづけて壊してしまったので、誰かカメラ譲ってくださいと言うことでした。編集でもシャレにならないとの感想でしたが、いろんな意味で本当にシャレになりません。
  • 5月号では女子高の流星観測会の様子が報告されていました。「金、金、金」はよくある話ですが、「男、男、男」だそうです。まあ、欲というのは男も女も、老いも若きも変わらないものですね。このあいだのイオン観望会で短冊飾をみんなに書いてもらったのですが、天文マニアの七夕の短冊は「おおきなぼうえんきょうがほしい」でした。
  • 6月号には「感心してしまうアメリカ製品」という投稿がありました。「とやかく言われるアメリカ製品ですが、発想の素晴らしさと低コストで仕上げる生産技術には、ミードやセレストロンの製品などを見るにつけ毎度敬服する次第です。」とあります。私も同感です。天文に限らずですが、日本は根性で精度を出し高価な値段をつけますが、アメリカは手を抜いてそこそこの精度を安価に出すのが得意ですね。民生品は後者の方が有利な気がしています。研究レベルで、定量的に評価して必要なところに精度を出していくのはアリだと思いますが、趣味という範疇ではいかに裾野を広げるかと言うことが重要なのかと思います。まあ、最近は中国製が多いのですが、これとて精度としては十分なものも多く、決して侮ることはできません。
  • 8月号にプラネタリウムでに双眼鏡を使った観測の投稿がありました。今では結構一般的な手法ですが、この頃に発案されたみたいです。
  • この年の話題の投稿は公共天文台のあり方です。2月号で都市部に作って、「一番口径が大きいと宣伝できることが最も大事だ」と市の職員に言われたと怒っている記事に、4月号で月をまたいで反応がありました。天文マニアのわがままではないかと言う意見です。公共天文台はいろいろな役割があります。安全も考えなくてはいけません。富山の天文台には時々手伝いに行きますが、職員さんの計らいもあり、市民と天文マニアのうまい橋渡し役になっているのかと思います。天文マニアにも一般の人に見せてあげることが好きな人もいれば嫌がる人もいます。好きな人は土曜日とかには天文台に自分の機材を持ち込んで、たくさん来るお客さんの対応を手伝う人もいます。ちなみに7月号に2月号で投稿した人からさらに投稿がありました。星好きの天文台職員がいて、みんなが星好きになってくれればという意見だそうで、いずれにせよみなさん星好きの裾野が広がることを願っていることには変わりないみたいです。

また長い記事になってしまいましたが、私にとっては昔の記事は経験不足を埋める数少ない手段の一つです。と同時に、技術の進化などは趣味としてもとても楽しみながら読むことができます。昔からの天文ファンの方にも、この頃のことを思い出すきっかけになれば嬉しく思います。また次の年の分も読んだら(実はもうとっくに読み終わってはいるのですが)まとめてみたいと思います。





 

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