ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: 参考資料

CMOSカメラの理解に

2022年4月にCQ出版から発行された、米本和也著の「CCD/CMOSイメージセンサの性能と測定評価」という本を最近購入しました。

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ここしばらくASI2400MC ProというフルサイズのCMOSカメラを使っていたのですが、その性能の良さにびっくりしています。フルサイズというと徐々にハイエンドに近いセンサーになりつつあり、最先端の技術も注ぎ込まれていると想像します。この本を読むと、天文カメラメーカーから出ている仕様説明はごく僅かで、他に多くの技術やパラメータが絡む仕様があることがわかります。


アマチュア天文という観点から中身を見てみると

著者は1980年代からソニーでCCDに関わっていて、2001年以降各社で経験を積み、2016年から再びソニーセミコンダクタソリューションズの研究部門に戻っているとのことで、完全にプロの開発者視点での解説書になります。

1章は概要や単位などの解説。

2章の原理説明はCCDが基本で、CMOSも追加で説明という感じで、両方の原理を理解する必要がありますが、ここら辺は基本なので理解しておいた方がいいでしょう。ただし、初読でここだけを読んで理解するのは大変かと思います。

その場合、同著者の2003年発行の前作、CQ出版の「CCD/CMOSイメージ・センサの基礎と応用」を読むといいでしょう。

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こちらの方はもっと原理から解説していますので、アマチュア天文という観点からは今回の新しく出た方が身近に感じるのかと思います。

今回は前作から20年近く経っているためでしょう、CMOSカメラの解説が多くなってきていて、タイトルにあるように「測定」にも言及するなど、CMOSカメラでの撮影が主流になったアマチュア天文民にも役に立つことも多いです。それでも今回も原理的な説明もかなり多いためか、参考文献を見ても1960年代や70年代のものがあります。随時2000年代、2010年代の参考文献が入ってくるので、新しい話も貪欲に取り込んでくれているのかと思われます。

3章以降が具体的な信号ノイズの例や、測定についてです。アマチュア天文ユースという観点で読み込んでいくうちの、いくつかポイントを書いておきます。

3章は感度についてです。基本的に暗い天体を撮影することが多いため、これまでノイズのことはこのブログでも色々言及してきましたが、その一方、明るい信号側に相当する感度のことはせいぜい量子効率くらいで、私自身あまり考えてこなかったことを痛感させられました。裏面照射の構造とマイクロレンズの関係、周辺減光と瞳補正など、これまで知らなかったことも多いです。

4章は飽和に関してです。ここもかなり原理的に説明してくれています。これまでほとんど知識がないところでした。ダイナミックレンジの話や、飽和電指数の測定の話は、私はまだ馴染み深かったです。

天体写真という観点で一番関連するとことは、やはり5章のノイズでしょうか。P93の図5−1はEMVA1288規格でもよく出てくる図で、理解しておいた方がいいかもしれません。

特に固定ノイズの説明が詳しいです。天体写真関連ではバイアスノイズ(バイアスフレームに出る縞々のノイズのこと)とかが関係するのかと思います。今までなんでこんなノイズが出るのかあまり知らなかったのですが、ここを読むとよく理解できます。ただし読んでいる限り、ユーザーでどうこうできるわけではないことがわかるので、これは今後のメーカーの開発に期待するしかないですね。

ランダムノイズに関しては、天体写真をやられる方は普段から身近につきあっていると思いますので、比較的読みやすいかと思います。

3章の信号測定の方はあまり考えたことがなくて読んでいてもなかなか想像がつきにくかったですが、5章のノイズの測定のほうはまだ馴染み深いです。それでもかなり原理的な測定の説明も多く、実際これだけ読んで自分で測定するというのはなかなか難しいかと思います。むしろ、天体写真の画像処理はノイズ測定に近い様なことをやっているようなものです。実際にこの本を元に測定するにはもう一段階、具体的な説明が欲しいとことです。

6章で面白いのはフレアパターンでしょうか。これは天文愛好家の間ではサッポロポテト現象とよばれているものかと思います。その発生メカニズムが書かれているので、理解が進みます。これまであまりきちんと書かれているのを見たことがなかったので新鮮でした。ただし、これもユーザーでどうこうできるわけではないようです。また、あぷらなーとさんが理解している、Quad配列のASI294シリーズでなぜサッポロポテト現象が出なくなるかは、この本を読んだだけではまだ理解できません。もっと考えるとわかるのかもしれませんが、まだ私は理解できていないです。

ところで、最後まで読んでもコンバージョンファクターなどの話が全く出てきませんでした。センサーの仕様を理解するためには重要な情報かと思っていたのですが、開発者から見たら当たり前すぎることなのかもしれません。そういえば、以前コンバージョンファクターのことを聞いたとき「論文になっているような専門的なことではないし、かといって教科書に出る様な基礎的なことでもない」とか聞いたことがあります。


まとめ

アマチュア天文の範疇でこの本がどこまで役に立つかは、かなり専門的なところもあるので、なかなか判断が難しいです。多くのことは開発者目線での解説になっています。ユーザーの視点でどうこうできるかは、タイトルにもなっている「測定評価」という点においても、なかなか具体的な手法というと難しいかと思います。アマチュア天文ということを考えても、この本は具体的な方法を学ぶというよりは、原理を学ぶという観点で読んだ方がいいのかと思います。

特にCMOSカメラで疑問がある方には、かなりの原理的なところまで立ち返って、相当のレベルで答えてくれる書籍であることは間違い無いでしょう。¥3300円と専門書としては比較的安価な部類です。天体写真に真面目に取り組んでいるアマチュアならば、持っていても損はないかと思います。


久しぶりに天文関連の小説を読みました。伊与原 新 作「オオルリ流星群」です。タイトルのオオルリは青く綺麗な鳥らしいです。私は鳥には詳しくありませんが、この小説には随所にオオルリが出てきます。


きっかけ

何週間か前、名古屋人の心の友「コメダ珈琲」で週刊誌を読んでいたら、面白そうな本の紹介が出ていました。今の世の中便利で、その場でスマホでアマゾンに注文して取り寄せてみました。読み終えたのは少し前になるのですが、ちょっと感想を書いてみます。

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プロの天文研究とアマチュア天文 

読み始めるとテンポよく進んでいきます。天文ファンなら十分に楽しめる内容でしょう。ただ、アマチュア天文の話かというと必ずしもそうでもなく、それよりも天文の研究者としてやっていくのがいかに大変かということが、よくわかる話なのかと思います。作者も研究者だったこともあり、そこら辺の経験が元になっているのかもしれません。

そもそも面白いのが、作者と私の年齢が同じところです。ということは小説に出てくる人物達もほぼ自分と同じような年齢。もう若くもなく、一方まだまだこれからやれることもあり、年齢に応じた考え方になってくるので、共感できるところも多々あります。また作者は一時期は富山大にいたとのことです。私も今富山に住んでいるのでちょっと親近感が湧きます。

ネタバレになるので多くは書きませんが、この小説の主人公の彗子は国立天文台の元研究員で、研究者としてはやっていけなくて諦めてしまったという設定です。最後の方はどんどん話が進み、謎が解けていくので、読むのを止められず夜更かししてしまいました。彗子の経歴にどんでん返しがあるのですが、その時の思いが作者の経験によるものなのか、創作なのかはわかりません。それでも道をあきらめるときの想いや厳しさが伝わってきます。これは研究者に限らず、ましてや大人や子供にも限らず、夢をあきらめるということが、本人にしかわからない人生に関わる深刻なことなのだと思い知らされます。

元々この小説は、京大の有松氏らが民生用の鏡筒Celestron社のRASA11を複数台使い、掩蔽(えんぺい)観測でカイパーベルト天体を見つけたという話に感銘を受けて書かれたとのことです。アマチュア用の機器を使うというところに、研究者を辞めても研究を続けたいという主人公の境遇をうまく当てはめています。

有松氏らの研究は、今のアマチュア天文家でも工夫すれば、普段の機器を使って研究に近いことができることを強烈に示しています。

でも実際にはアマチュア天文とプロの研究が関わることはごくごくまれです。少なくとも私が星を初めて2016年以降、アマチュアはほとんどアマチュアのみで集まっていて、プロの研究者が入ってくることは数えるほどしか例がありませんでした。例えば福島のスターライトフェスティバルには毎回国立天文台のW教授が来てくれるのですが、これはある意味例外中の例外で、アマチュアときちんと絡んでくれるのはとてもありがたいことです。昔は国立天文台のK台長がアマチュアのN氏に計算依頼をするなど、もっと交流があったのではと想像しますが、今日でもそれに類するようなやりとりはあるのでしょうか?

一方、アマチュア天文家にとってはプロの研究者は恐れ多いのかもしれませんが、講演会とか機会はあるのでもっと突っ込んでいっていいのかと思います。日本のアマチュア天文家の熱心さは特筆すべきで、この情熱を趣味だけにとどめておくのはもったいない気がします。趣味を止めるとかいうのではありません。もう少し建設的なプロとアマチュアの交流があってもいいのかと思うのです。

私もそうですが、撮影は楽しいですし、画像としてすぐに成果が見えます。一方研究はというと、例えばこの小説の元になったRASAの掩蔽観測を見ても、科学的な目的を持って計画立てて進めるなど、時間もかかるしとても大変でしょう。でも機器だけ見ても明らかにアマチュア側に寄ってきてくれてるんですよね。アマチュアグループのなかにも例えば流星観測とか、研究に寄っている活動もあります。

この小説は、ある意味プロとアマにある大きなギャップを小さくしてくれるようなヒントに溢れているように思えます。熱心なアマチュア天文家であると自認する方は、是非とも一読してみるといろんな目が開かされるのかもしれません。


先月から天文ガイドを、今月から星ナビも合わせて定期購読にしました。


定期購読素晴らしい!

富山は地方なので、雑誌の発売日が1日遅れるのです。なので毎月5日発売の天文雑誌を読むことができるのは6日。でも定期購読だと4日には自宅に配達されます。実質2日早く読めるのです!これはかなり良いです。

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注目記事

今月号の星ナビにはあぷらなーとさんが記事を書いています。短期連載の3回目です。最初は王道かと思っていましたが、どんどん内容がマニアックになってきています。アクロマートで単色で撮影をするという、あぷらなーとさんが以前から取り組んでいた内容ですが、高級鏡筒でしかうまく撮影できないという神話を工夫によって崩していく過程は見ていてとても楽しいです。でもこれ、あぷらなーとさんはサラッと書いてますが、おそらくかなりの苦労があるかと思います。例えば複数の鏡筒を調整するのは、やってみると相当大変なのかと思います。

もう一つの注目記事は「君は放課後インソムニア」。以前、探偵ナイトスクープで取り上げられていて、コミックスで読み始めたのですが、かなりいいです。数少ない天文系マンガですが、天文ファンなら読んでおいて間違いはないでしょう。石川県七尾高校がモデルになっているとのことで、富山の隣の県ということもあり、私もちょくちょく訪れるところが舞台になっています。このマンガに刺激され、真脇遺跡に星景写真を撮影しに行きました。



先日の石川朝日放送で、高校の天文部の部室を含む現地の紹介をしていました。聖地巡礼したくなってきます。記事の中には、よく行く満天星の方の話も出ています。ここも面白くて、星型の独立したロッジに望遠鏡が置いてあったりして、宿泊すると満天星のプラネタリウムと、実際の空を両方楽しめます。8人くらいまで宿泊できるので、合宿とかやるのも楽しいかもしれません。

天文ガイドの方は、サイトロンジャパンの「天体写真コンテスト2021」の結果が掲載されていました。対象はタカsiさん、準大賞の一人はだいこもんさんです。他にもTwitterなどでやりとりしている方達も入選されていました。入選された方おめでとうございます。素晴らしい写真ばかりでした。今回は一般的なコンテストに比べて個性的な作品も多く、コメントや評を見ているだけで楽しかったです。

もう一つ注目したのが、惑星撮影の連載です。今回はフィルターに関しての内容でしたが、近赤外フィルターの話や、メタンバンドフィルターの話、珍しいUVフィルターの話なども載っていて、参考になるところが多かったです。最近惑星やっていないのですが、SCA260で金星とか撮影するのもまたたのしいかもしれません。


小惑星になった山口さん

あと天文ガイドの105ページの「小惑星ガイド」に、いつも観望会をやっている飛騨コスモス天文台を創設された山口さんが、小惑星「Yamaguchiyuko」の名前として登録された経緯が掲載されています。惑星の命名についてはいくつかされているのですが、今回は特に山口さんのことが詳しく書かれていて、写真付きで、それもあの渋沢栄一氏一緒にに並んで掲載されています。

山口さんは飛騨の数河高原に天文台を建設し、飛騨古川地域に天文文化を広め、その一方絵馬の作者として芸術家としても活躍されていました。私は星を始めてすぐにある講演会で知り合ったのですが、観望会に誘われてそれからずっと、今でも観望会にはお手伝いをさせていただいています。

そんな山口さんですが、1昨年前の8月に残念ながら亡くなられました。山口さんが天文界隈に残した大きな功績が評価され、円館金さんと、天文ガイドでこの「小惑星ガイド」の記事を連載されている渡辺和郎さんが1996年に発見された21294に名前が登録されたとのことです。

このことは我々飛騨コスモス天文天文の会のメンバーにとっても非常にうれしことで、本当に星になられた山口さんですが、きっと天国で喜んでいてくれているのかと思います。


定期購読の弊害

定期購読は早く読めるので非常に満足なのですが、その一方、定期購読にした場合の欠点がわかりました。

それは本屋に行かなくなることです。

少なくとも毎月6日には本屋に行っていたわけです。それがなくなることで、新刊のコミックをチェックする機会をなくしてしまったのです。そのため大好きな「君は放課後インソムニア」を買いそびれるところでした。星ナビの記事で新刊が出ていることを知ったのですが、結局本屋に行ったのは時間が取れた7日の日曜日。1軒目の本屋では売り切れ。近くには本屋はあと1軒しかありません。そこでなんとか最後の1冊をゲットです。ついでに 「君は放課後インソムニア」が連載されている週間ビッグコミックスピリッツも買ってきました。なんんでも天文ガイドとコラボで、巻頭カラーだそうです。しかもアニメ化?楽しみです。あと、これも好きな「チ。-地球の運動について-」と「プラタナスの実」も連載されているので、毎週買おうかなあ?でも420円はちょっと高いかなあ?


まとめ

今回定期購読を頼んだのですが、雑誌は紙媒体がいまだに好きで、パラパラと読めるのが良いです。星を始めてからこの2誌はずっと買っていて、天文ガイドに至っては地元のIさんからいただいた1974年からずっとあります。

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星を続けいている間は天文雑誌は購入し続けると思うので、もっと早くから定期購読にすれば良かったかもしれません。インターネット全盛で雑誌には厳しい時代かもしれませんが、この2誌には末長く頑張って欲しいと思います。


わーい! (富山では) 本日発売の星ナビに掲載されました!!
って、掲載?
掲載って言っていいですよね?

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私(Sam)の名前が!

星ナビのCP+の記事

ネタを明かせば、CP+のSIGHTRONのブースでの電視観望の配信のことです。でも冊子の最初の方に大きくCP+の記事があって、その中でも電視観望が「画期的な企画だった」と書いてくれています。さらに「40年続いている望遠鏡展示会で天体観望会は開催された記憶はなくて、オンランで参加者が揃って観望することが実現した。」とかいうように、かなりインパクトがあったように書いてくれています。「時代の流れ」と評価していますが、その流れに多少なりとも貢献できたのは素直に嬉しく思います。

星ナビには「天候にも恵まれ」とさらっと書いてありますが、後日談にもあるように、当日はどんどん曇ってきていて、トーク始めの時にはほぼ諦めていてロングバージョンのトークに切り替えていました。それでもここまで皆さんにインパクトを感じてもらえたのは、やはり天気のおかげです。生中継のある無しで全然印象が違ったのかと思います。


なんと「カメラバカにつける薬」にも

そういえば、前々回のデジカメWatchの「カメラバカにつける薬」のCP+の回にも、CP+の配信の電視観望を扱っていただけました。



これも寝耳に水で「あ、今回はCP+の話だ」と思って読んでいくと、なんと私の電視観望のセットアップがマンガ化されて絵になっているではありませんか!しかも、シグマ、パナ、キヤノンやニコンに並んで2コマですよ!

ていこくらんちの飯田ともき先生の作品大好きで、デジカメWatchで連載が始まってすぐに毎回読み始めるようになりました。基本カメラですが、たまに天文ネタもあり毎回楽しみにしてます。2018年お正月の「おとしレンズください」は最高でした。そんなマンガの中に出たのですよ。嬉しくないはずがありません。
 

Twitterも少し振り返ってみます

少し前のことになるのですが、配信中、配信直後のTwitterにも嬉しいコメントがありました。ちょっとだけ紹介しておきます。
  • ダーク天野川乱歩さん: 実際にCP+で こんなに萌えた事はいまだなかった。天文愛にあふれる業績の方々のセミナー凄く為になりました。 私一人ですか??? 後ろでうちの上さんが白い目で見てますので控えめでしたが・・・じっさい声がでました。ウオー バナードwwww
  • Aramisさん: セミナーは常時100人程度、Samさんの時の視聴者は300人弱にまで。リアル開催ではここまでの人数を集めることは物理的スペース的に無理であろう事を考えると大成功と言っていいのでは。
  • シベットさん:  素晴らしい配信でした! Samさんのブログで電視観望エントリーに必要な情報はほとんど提供されているので、これをきっかけに人口もまた増えるのではないかと思います。しかし、曇っている状態から最後、大逆転で晴れるなんて、電視の神様のシナリオもなかなかの(笑)
  • uminotsukiさん: CP+ のラスト、バーナードループが浮かび上がってきたのには、ひったまがった。そして、しっかり見(魅)せた上で幕を下ろした Sam さん、かっこよかったです。拍手!
  • ハ レ ル マ ンさん:  Samさんのそのお気持ち我々初心者に確実に届いています。電視観望は月齢問わず、場所問わず、操作簡便ということで爆発的に層が厚くなる可能性がある試みだと自分も思います。自分自身でも拡めていきたいと思っています!
  • hoshirokumanさん: あまりやる気もなく、仕事がらみで7年ぶりにCP+に足を運んでみた(実際はオンライン)けど、ちょっと、はまってしまったよ。サイトロン社のSamさん電子観望ライブは、これまでの望双展、J.T.Bショー、PIE、CP+と流れてきた展示会の中で初めて「みんなで天体を見る」という行為に至った気がする。
hoshirokumanさんと星ナビの記事がよく似ています。もしかしてhoshirokumanさんが記事を書いてくれたのでは?もしそうだとしたらとても嬉しかったです。本当にありがとうございます。


配信も継続のようです

さらに嬉しいことに、CP+のサイトロンブースの配信、最初は3月31日で終わりと言われていたのですが、Youtubeの方ではそのまま残ることになったようです。まだご覧になっていない方は、ぜひともご覧ください。






 

今回は最近読んだ本の話です。ちょっと面白いことがありました。

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少し前に探偵ナイトスクープでオジロマコト作の「君は放課後インソムニア」というビッグコミックスピリッツで連載中のコミックが紹介されました。なんでも石川県の七尾の高校の天文部の話で、見た目も主人公そっくりの依頼者がモデルは自分ではないか確かめて欲しいという依頼でした。

天文を扱うコミックはあまりないので、早速当時出ていた4巻まで購入。インソムニア(不眠症のこと)の主人公が観望会を開こうとしたり、写真コンテストに出そうと星景写真にはまって行ったりで、天文好きな人なら楽しめる内容です。能登の真脇遺跡というのが星景写真として出てきました。私は真脇遺跡のことは知らなくて、俄然春か夏に天の川と一緒に写しに行きたくなりました。12月に発売された5巻には、キャンプで何度か行った見附島を撮影する場面やボラ待ちやぐらも出てきました。結構自分の中で盛り上がってきたので、来年は新月期に広角レンズをもって能登半島に何度も行くことになりそうです。 

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もう一冊は小説で遊歩新夢作の「星になりたかった君と」です。純愛小説ですが、表紙からフォーク式のリーチークレチアンだったり、SCWやら電子観望の話が出てきたりしてマニアが読んでも十分楽しめる内容です。

中でも面白かったのは、小説の中で重要な役割をする老人二人です。一人は天体軌道計算が専門の「長野秀一」氏。これはすぐに誰がモデルかわかってツボにはまりました。ところがもう一人の重要人物「秋田久雄」氏が誰のことか想像もつきません。

と、こんなことをTwitterで呟いたら、なんと作者様ご本人からコメントがあり、なんでも作者が知っている方で、当時その地域ではかなり知られた方がモデルだったとか。でも今でもその方が天文活動をしているかどうかは知らないとのことでした。尊敬の念でモデルにさせてもらったとのことです。

こんなやりとりをしていたら、次の日の朝、さっそくけにやさんから情報が。関西のあるグループの代表の方ではとのことで、調べてみると今でも活発に活躍されている方のようです。名前を見るとなるほどと思えました。作者様に確認をとると正解とのことで、しかも活動されているグループもわかったので、連絡をとり、本を送ってみるとのことです。連絡を取るのは小笠原の日食で会って以来のことだというので、10年以上ぶりのことなのでしょうか。知らない間に自分がモデルの人が小説に出てきたと知ったら、おそらく本人もびっくりするのではないかと思います。なんか、ちょっと嬉しい話です。

「星になりたかった君と」は正月1月4日と5日に日本テレビでドラマ化ということです。両日とも24時59分からとのことです。数少ない天文系のドラマなので、必ず見ようと思ってます。でも作者様のところでは地方で放送されないとのことなので、富山の日テレ系列のKNBで放送されるか今のところわかりません。それでもHuluでも放送されるとのことなので、もし地上波で見えなければこちらでみようと思っています。


Zoom中継3回目になります。人数的にも今回大きく盛り上がりました。


ことの始まり

過去2回やった電視観望のZoom中継ですが、連休中にあと1回くらいできればいいやと思っていくらいでした。ところが、前々回前回Zoom中継の記事を読んでくれた星ナビ編集部からなんと原稿依頼が!この厳しい情勢の中、アマチュア天文ファンがどうやって交流を進めるのか、その一環でZoomの様子を知りたいとのことです。

空の様子はというと、晴れてはいるものの、透明度がものすごく悪く、北極星も見えません。でも天気予報を見るとこの日以降しばらく曇りとか雨。晴れの予報まで待つと満月期に入ってきます。迷ったのですが、21時半頃テストでM51を見て、下のようになんとか見えることを確認。

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長時間露光であまりリアルタイム性はないですが、これでOKと判断し、急遽3回目のZoom中継を開くことにしました。


中継開始!

この日のネタは「月夜と銀河」。月があっても電視観望でどこまで銀河が見えるか試すというのですが、透明度が悪すぎてそちらで見え方がリミットされているようです。もう一つはZoomでの盛り上がりの様子を星ナビの原稿にできるよう、オンラインで集まっている様子を記録すること。

実際には22時にTwitterでアナウンスして、22時半から開始。開始してすぐに多分10人くらいになって、その後最大20人くらいになっていました。いつものように突然のアナウンスで、まさかこんなに参加してもらえるとは。ありがたいことです。でも多分、私の力量ではこれくらいがハンドルできる限界くらいの人数かと思います。もし次回やるとして、これ以上人数が増えたらどうしようと少し心配しています。まあ、こっそりアナウンスするかですね(笑)。

中継がうまくいかなかったらどうしようとか、人数が集まらなかったらとか、逆に多すぎて収集がつかなくなったらどうしようとか、色々心配事もありましたが、結局は全部杞憂で、会話だけでも十分盛り上がりました。目的の写真も、Zoom上のそれぞれの映像とハンドルネームが出てもいいことを確認して、十分な枚数をとることができました。


参加メンバーとか

会議開始後、せっかくなので参加されたそれぞれの方に自己紹介をしてもらいました。途中参加された方にも、その都度自己紹介をお願いしています。お会いしたことのある方も、初めてな方もいろいろ。ブログやTwitterで発言されている方も多いです。まあさすが同じ趣味ということもあり、会話は放っておいても勝手に弾みます。

茨城から参加の、いつも面白いブログを書いているM87JETさんはとても反応よく発言してくれます。PowerMATEを貸してくれている仙台から参加の木人さんは、遠くのホテルのタイルで分解能のテストした時の話や秘密の作業場を画面共有で見せてくれました。

学生さんが多かったのも特徴でしょうか。皆さん関東勢ですかね、某ショップのDaikiさんや薜さんに加え、だぼさんと、高校生のRambさんも参加してくれました。Rambさんは回路まで自分で組むみたいで、OnStep自分で作っているとのことです。将来有望ですが、今年受験とのことで大変そうです。

今回、電視観望はただのおまけでした。最初に入れたしし座の三つ子銀河はほとんど見えず。
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M65とM67はかろうじてうっすら見えてますが、NGC3628はほとんど見えていません。

M51が長時間露光でせいぜいこれくらいです。

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途中諦めて月に行ったりしてました。

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流石に月は見えますが、この日はやはり透明度が悪く、こんな状況でした。

千葉のりょーじんさんのところでは、小学生のお嬢さんが一緒にいて画面を見てくれていて、色々子供ならではの反応してくれます。「お父さん40年も星を見てる」とか話してくれました。でも、銀河とかなかなかうまく見せることができなくて申し訳なかったです。年末に名古屋でやった電視観望会に来てくれた智さんやkima_Aquariusさんも参加してくれました。智さんは最近電視観望もすごく精力的にされていて、Twitterでよく報告されています。

同じ愛知勢では、いのさんが。福岡からRAINYさん、神奈川からJiro Sakanakaさんも参加してくれました。こうやってみると全国の人と話せるというのは結構すごいですね。あ、あとお一方kiss_a_tenさんという方が参加されていました。結局ミュート状態からお話しされることはなく、ミュートを解除する方法がわからなかったのか、話せない事情があったのか分かりませんが、せっかくなのでお話ししたかったです。


中継基地(私の部屋)の紹介

あ、そうそう、今回から中継場所が私の部屋になりました。在宅勤務でとうとう自分の部屋を確保できたので、もうキッチン側のテーブルのうるさい環境からやらなくて良くなりました。家族にも迷惑をかけなくていいです。トイレで少し抜けたのですが、その頃にはもう家族全員寝ていました。その間、皆さんで話してもらっていましたが、やはりホストがたくさん話すことになってしまうので、こういったホストがいない時間も大事なのかなと思います。その後、機材置き場やちょうど昨日買った雑誌用の本棚を見せたりして盛り上がりました。



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中継中に参加者の方から、接続方法についての質問がいくつかありました。基本的に庭においたAZ-GTiをステーションモードで自宅のLWi-Fiにつないでいます。そうすることで自宅内のどのPCからでもAZ-GTiをコントロールできます。CMOSカメラだけは天送料が多いので、カメラ近くに別のPCを置いてUSB3.0で有線で接続しています。そのPCも自宅Wi-Fiに接続します。部屋の中ではMacからカメラに接続したPCにリモートデスクトップで接続します。WindowsのRDPは速度がネットワーク帯域が狭くても転送速度が速くて、画面の劣化が少ないことが星空を中継するのに適しています。部屋のMacからZoomを立ち上げて、Zoomの画面共有でリモートデスクトップアプリを画面共有しているというわけです。

こうすることで、RDP 、Zoom共に細かい描写が可能になるため、星空をきちんと星空として配信することができるというわけです。

ここで一つ気づいたことです。最初は綺麗に見えていた月も、途中からボケ始め暗くなり、外に出て確認してみたら雲越しの朧月でした。ここで、暗いと技術的にZoomでブロックノイズがでることが判明しました。SharpCapでゲインを上げて明るくするとブロックノイズが消えるので、こうやってうまく転送速度を稼いでいるのかというのが少し分かりました。これは配信時、少し気にしておくといいかもしれないです。

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なんとあぷらなーとさんが参加!

さてさてそうこうしている間に、大物ゲストのあぷらなーとさんが仕事を終え途中からサプライズ参戦。いつも面白いことに挑戦している、アマチュア天文会きっての変な人です。ビデオカメラの映像を見たどなたかから「想像と全然違う」との感想が。やっていることがいつも奇抜で若いイメージなので、そのせいでしょうか。実は私よりもずっと先輩です。

香川の天体望遠鏡博物館に行った時に自宅にお邪魔させてもらった話とか、あぷらなーとさんが今やっているビームスプリッタを使った「オンアキシス」の話とか、あぷらなーとさんにはこの会議をすごく盛り上げていただきました。ビームスプリッタは星まつりで安く手に入るという話になると、さっそく薜さんが実際に星まつりで買ったビームスプリッタを中継で見せてくれたりしました。

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こうやって双方向でやりとりできるのは楽しいですね。すぐに他の人の映像へ画面を切り替えたりできるのもZoomの特徴です。


星ナビ編集部の方も!

さらにお二方、スペシャルゲストで星ナビ編集部からも途中から参加。以前福島のフターライトフェスティバルや、CANPでお会いしたKさんと、ネットよ今夜もありがとうで担当頂いたFさんです。

ちょうどよかったとばかりに、Kさんから今回のZoom中継の趣旨をお話しいただくようお願いし、さらには参加者からの質問にも直接答えていただくこともできました。私も「ギャラリーの投稿はブログとかで発表した物でもいいのか」と聞いてみたのですが、答えは「OK」とのこと。コンテストなどに出したものなど、いわゆる二重応募に相当するのはダメだが、SNSなどの個人的な公開は構わないとのことです。私は撮影したら大抵すぐブログの記事にしてしまうので投稿できないと思い込んでいたのですが、大丈夫とのことなのでいいのが仕上がったら投稿してみようと思います。


楽しかったー!

もう最初から最後まで話が途切れることはなく、結局午前1時まででの2時間半、総勢20名程度の大会議になってしまいました。それでも話は尽きることなく、結構無理に1時に終わらせた感じで、そのまま行ったらエンドレスにでもなりそうな雰囲気でした。

参加された方、本当にありがとうございました。

最初天気が心配でしたが、実際には会話の方が遥かに盛り上がって、もうおなかいっぱいです。またいつか開催するかもしれませんので、その時にはまたよかったら参加してください。また、今回ギリギリのアナウンスで気付かなかった方もいたかと思います。「参加したかったのに」と思ってくださった方、本当に申し訳ありませんでした。次回こそは、(多分)もう少し余裕を見てアナウンスするようにしようと思います。

また、土壇場で開催を決めたにも関わらずこんなに盛り上がったのは、星ナビさんからきっかけを与えていただいたおかげかと思います。どうもありがとうございました。


まとめ

そもそもZoom中継を始めたのは、この厳しい状況でも好きな天文のことでコミュニケーションが取れるのではないかと思ったからです。

Zoomは一見ノイズと間違えるような細かい星空も、制限のあるネットワーク帯域でうまく中継して見せることができる数少ないツールです。これをきっかけに参加された方も、それぞれのコミュニティーでZoomを試していただければ、星仲間と会えない状況の中、連絡をうまく取り合えるのではないかと思います。中継だけでなく、喋るだけの飲み会にしてもいいと思いますし、画像処理をリアルタイムで検討するとか、テーマを決めた討論や講演とかでも、色々応用できると思います。

Zoomは世界中でたくさんの人に使われています。パスワードを設定する、個人IDでの会議せず毎回会議室を立てる、アドレスはパスワード付きのものを公開しないなど、セキュリティーに気をつけることを忘れないでください。うまく使えば、天文仲間のコミュニケーションに非常に強力なツールになると思います。

私も3回中継を試してZoomが星空中継にも、コミュニケーションを取るツールとしても十分に使えることがわかりました。定期的にやることにはならないと思いますが、そのうちにまた開催したいと思います。今後、他の方もZoom会議とかされると思いますので、そちらの方にも積極的に参加していければと思っています。

また、今回のZoom中継では初めて記録をとってみました。これ結構すごくて、声だけでなく画面まで全部mp4で記録されています。これらをもとに、これから原稿を書きます。はたしてどんな記事になることやら。文字数制限があるのでここまで詳しく書けないと思いますが、内容は星ナビ来月号でのお楽しみということで。 


アストロアーツさんが発行している「月刊星ナビ」の2018年8月号に、な、な、なんとこの「ほしぞloveログ」が掲載されてしまいました!

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わーい、わーい!もうめちゃくちゃ嬉しいです。

掲載されたページは星ナビの名物コーナー「ネットよ今夜もありがとう」、星ナビの説明によると「人から人へのリンクの輪。個人運営のホームページをリレー形式で紹介。」ということだそうで、「笑っていいとも!」のともだちの輪の天文版みたいなものでしょうか。2年前に星を始めて星ナビをずっと買い続けていますが、その後ブログを始めてから、いつかはこのコーナーに掲載されたらなあと、ずーっと夢見ていた憧れのページでした。

前号で紹介してくれたのは明治大学天文部のS君。実は昨年の原村の星まつりでたまたま隣になった学生さんで、その後このブログも見ていてくれたそうです。どこで繋がるかわかりませんね。S君、改めて紹介してくれてありがとうございました。

実は昨年の福島のスターライトフェスティバルで星ナビの編集のKさんとお話をしたことがあります。娘のNatsuがテントのところでギターを弾いていたのですが、写真を撮っている人に気づいて、あ、変な人かもとか一瞬思ったら(すみません)、なんと星ナビの方でした。ほしぞloveログというブログを書いていること、いつかネットよ今夜もありがとうで紹介されたいとか話していたのですが、まさかこんなに早く実現されてしまうとは。天文趣味関連で実現したい夢の一つを叶えることができました。その後、なぜかちょくちょくKさんとは会う機会があり、「星ナビGallay」の写真も是非とも投稿してくださいとか言われました。いつか撮影した天体の雑誌掲載のほうも目指したいと思います。

今回雑誌掲載と同時に、Web版の「ネットよ今夜もありがとう」にも掲載されているので、こちらからのリンクでこのブログまで辿り着けます。過去に紹介されたページも載って入るので、よろしければこちらも御覧ください。


さて、私もどこかのページを紹介しなくてはいけません。どこにしましょうか。
結果は9月号をお楽しみに。


今朝の晴れ間にかろうじてワンショットのみ太陽を撮影したのですが、撮影方法と画像処理に迷走しています。色々調べたりしているのですが、Facebookで雑誌記事に目を通すといいとのアドバイスがあったので、手持ちの雑誌のいくつかを当たってみました。

Hαをターゲットとしていることと、デジカメでの画像処理になるので、あまり古い記事は参考になりません。意外なことに、天文ガイドにあからさまに太陽撮影としている号は数少なく、星ナビの方に一時期特集がありました。天文ガイドは日食に多くの記事を割いているため、通常の太陽の撮影記事が少ない印象を受けました。調べた号を羅列しておきます。持っていない号、特に星ナビはごっそり抜けている号もありますのでこれが全部とは限りませんことをご承知ください。


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星ナビ:
2014年3月号: 「極大期に向かう太陽を撮る」と題して、この号から連続で太陽記事の特集があります。この号はまだNDフィルターを用いた撮影にとどまっています。
2014年4月号: 「Hαの激しい太陽」と題して、Hα撮影用の機器の選択やエタロンのことなどの解説があります。カラーセンサーの場合、RだけでなくGやB、特に二つあるGを使うといいということも書いてあります。
2014年5月号: この号はカメラの選択、撮影方法、スタックまでの画像処理が書いてあります。ただ、進化が早いこの業界の機器とソフトのこと、すでに内容は少し古いですが、それでも基本的な流れは知ることはできます。スタックソフトはRegistaxとAviStack2が紹介されていて、AviStack2の方が主です。AviStackはあまり使われなくなってしまいましたが、Registaxは未だに現役ですね。
2014年6月号: 画像処理の細かい話からタイムラプスまで扱っています。ここら辺の記事がもとで、今でもWebで見ることができる画像処理の源流になっている気がします。それにしてもWebでも太陽の画像処理に関して書いているところはとても少ないので、この号は貴重な情報源です。
2014年8月号: 前号を所有していないのですが、「極大期に入った太陽を知る」という連載が前号から始まっているようで、今号で2回目になります。撮影に直接は参考になりませんが、太陽のことを理解するのにすごくわかりやすくまとめてくれています。面白いのは、波長ごとの偏光分光観測の結果が示してあって、なぜHαを見ると面白いのかよく理解できます。
2014年10月号: 9月号を持っていないので、一回飛んで4回目の連載記事です。リオ・フィルターの解説とエタロンの比較写真(シミュレーション)が参考になります。ダブルスタックの威力がすごいことがわかります。


天文ガイド: 
2008年4月号: この号が唯一と言っていい日食などではない、通常の太陽観測の特集記事でした。背表紙にも「新しい周期に入った太陽を観測してみよう」とあります。ただ、内容はそれほど深いわけではなく、簡単な紹介記事くらいにとどまっています。P.S.T.も紹介されています。ジズコ提供のP.S.T.とソーラーマックス40のダブルスタックの画像も紹介されています。でもこの後の号にも続くような記事はなく、この号一回限りのようです。
2012年4月号: ずっと飛んでしまいます。この号はP.S.T.が表紙を飾っているので期待したのですが、日食関連とNDフィルター関連で、Hαのことはほとんど書かれていません。この号以前も、中身を全部見たわけではないのですが、少なくともタイトルには太陽撮影をあからさまに扱っているのは見つかりませんでした。あ、日食の記事はたくさんありましたよ。
2012年6月号: 日食写真の撮り方の記事の中にHαの記事がありました。機器の選び方や画像処理の話も少しだけ載っていますが、星ナビの連載にはかないません。関連記事ではないようですが、60Daを使った太陽撮影の記事がカメラ紹介の方でありました。フィルムとデジカメでのプロミネンスの比較写真もあります。


ざっと探しても、たかだかこれくらいです。他の号や、他の雑誌の情報などお持ちの方がいたら教えていただけるとありがたいです。

やはり情報の少なさは太陽撮影のネックです。まあ、その分、海外の記事を見たり、色々工夫したりという余地があるのですが。


前回の一気読み記事からずいぶん時間が経ってしまいました。以前、1980年代の天文ガイド一気読み記事を書きましたが、1980年と81年は手に入れた冊数が少なく楽しみだったスーパーチビテレ事件を読むことができませんでした。その後、富山のIさんに1974年から雑誌を大量にいただいたのですが、その中に1980年と81年が全て揃っていたので、少し補足しようと思います。順序は逆ですが、まずは1981年からです。

そうそう、やっと全部の雑誌が本棚に入りました。110cm幅の書棚に4列ぶんくらいで大量です。

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1981年の天文ガイド

まず最初に、私も知り合いの富山市天文台の渡辺氏の変光星の連載記事が載っています。渡辺氏に天リフオフ会の次に日に行ったサイエンスカフェでも大変お世話になりました。天文台を3月末でご退官とのことですが、この頃からご活躍されているのに感銘を受けます。退官されてもボランティアなどでまた天文台にも来られるとか。まだお若いので、ますますのご活躍を期待します。

今回はこれまでと趣向を変えて、月別に行きたいと思います。

1月号: 気球望遠鏡BAT-2号の記事があります。研究レベルですが、光害もシンチレーションも少ない上空というのはある意味理想的な撮影環境のはずです。でも記事によると-80℃でモーターの油も固まるとか、姿勢制御が大変だとか、素人では難しそうです。誰かやっている人いないのでしょうか? 

ISITカメラというCCD以前の動画カメラでのM57とM2をモニターテレビに映したものを写真にとったものが掲載されています。ISITのSITがシリコン・インテンシファイア・ターゲット、一番最初のIがII(イメージ ・インテンシファイア)とのことです。 今の電視観望の先祖みたいな記事で感慨深いです。

2月号: グループで作った天体観測所の記事があります。八ヶ岳観測所、東京五日町の観測所、室生観測所、長野県小諸の観測所、明治大学の足柄観測所などのメンバーが実名で載っています。しかもなんと分担金まで具体的に。今でも活躍されている方の名前もたくさんあります。苦労話なども書いてあって読むだけで当時の雰囲気が伝わってきます。

3月号: タカハシのFC-65が新発売だそうです。フローライトです。今使っているFS-60Qの祖先みたいなものです。

4月号: いろいろ新しいことが始まっています。新年度だからなのでしょう。

コルキットの広告がこんなに昔から出ています。これ以前の号では見たことがないので、この頃に商品化されたのでしょうか。

シュミット系の専門家の宮本氏が2月号で連載を終え、この号でインタビューを受けている記事があります。シュミットの解説がきちんと式で説明されています。以前は後半5号分しか手に入れられなかったのですが、やっと前回読むことができました。かなり勉強させていただきました。現在では考えられないような高度内容になっています。この頃はまだ骨のある記事がたくさんありました。

水素ガス増感の連載記事が始まりました。今となっては過去の技術ですが、少しでもいい写真を撮ろうという姿勢はいつの時代のアマチュアにも共通です。でも本当に大変そう。ちょっとやってみたい気もしますが、今の時代で幸せだった気もします。まあ、今の画像処理の面倒くささも未来から見たら同じことかもしれません。ちなみに9月号に新製品として、「フィルムプロセッサー」という真空装置がUNITRONから発売されています。当時水素増感がかなり盛り上がっていたのがわかります。

この号から星物語という星座についてのギリシャ神話の連載が始まりました。さらに文通コーナーも独立しました。文通で一番若い人が12歳ですよ!他に10代前半3人、10代後半9人、20代前半が一人、この21歳の方が最年長です。今の天文趣味の人たちからは信じられない年齢層です。年齢を書いてない人も4人いましたが、私はこの4人が何歳くらいなのかが気になってしょうがないです。すごい年なので年齢がかけないのでしょうか?それでもせいぜい30代以下だろうと思いますが。

6月号: JAC: 天文ニュースセンターの広告があります。週一でハガキでニュースが届くというサービスです。編集担当にはのちにマイコンの連載を始める中野主一氏もいます。当時はニュースを手に入れる手段は相当限られていたはずで、このような試みは随分と嬉しい情報だったのではないでしょうか。

夏の観測対策の記事があります。キャンプや山小屋の使いたか、グループで行った時の心得、蚊の対策など、夏の号にはこういった記事を書いてもらえると役に立ちます。8月号には「夏の蚊対策入選者発表」の記事が。面白いのは天文同好会のメンバーの一人を裸にして蚊への生贄にすることでしょうか。

「アメリカ西海岸だより」という記事が載っています。通販がこの当時から栄えていること、チェック(小切手)のこと、Sky and Telescopeに載っている広告で24時間通じる電話をかけてクレジットカードで払うという、すでに便利な社会だったことがわかります。私も読んでいてアメリカ暮らしのことを思い出してしまいました。

6月号のP84に当時の高校入試の問題が載っていました。ちゃんと考えると難しいです。でも想定していた答えがアマチュア中学生によって間違いではないかと指摘され、中学生向けの答えに加えて、天文が詳しい人向けの答えも正解になったそうです。面白いのは8月号に、その指摘をした中学生が読者サロンに投稿していることです。絶対自信のあった彼は教育委員会に電話して、2時間ほど経って東京の文部省(文科省ではないですよ)から電話が来て「中学生ならこの程度の解答しか求めていない」と連絡があったそうです。さすがにこの対応は今だったら大問題で、当時でもまずいだろうと思いましたが、1週間後に正しい解答が追加されたそうです。詳しい人が間違えるような問題はそもそも問題としてダメだと思います。

7月号: Vixenのニューポラリスが新発売だそうです。なぜか今ニューポラリスが2台家にあるのですが、37年前にできたのかと思うと、こんなに長い期間使える機材というのは天文ならではでないのかと思います。普通家電とかは10年くらいですよね。

8月号:  日食めがねが付録についています。紙型を切り抜いてフィルムを挟むのですが、フィルムが珍しい今では実現できない付録です。面白いのは、日食めがねをかけて双眼鏡や天体望遠鏡を覗いていけませんという注意があることです。当たり前です!フィルムが溶けますよ。

9月号: 昨年ノーベル賞を取った重力波について、こんな頃から取り組んできた記事が載っています。訳本の紹介記事ですが、アインシュタインの予言から100年、こんな当時からの長い研究の成果がやっと今になって出たのがわかります。

読者サロンに、11歳の誕生日を目前にした息子を亡くした母親の投稿が載っています。「『お母さん、大きくなったらオーストラリアに行って星を見るんだ』と目を輝かせていた息子...。それもこれも昨日のことのように思い出され現実が悲しくて悔しくて、涙がこぼれそうになるのを星空を見上げてグッと堪えています。」とのこと。うちの下の子もちょうど11歳。このお母様の当時の無念を思うと涙が出てきます。

10月号: 日食フィーバーの記事が写真いっぱいで6ページにわたっています。吾妻山の山頂に1200人!が集まったそうです。最近太陽に興味が出てきたので、こういった記事も興味深く読むことができます。

質問ルームに、8ミリで星が撮影できるかという質問がありました。そもそも「8ミリ」って何?という人もいるかと思いますが、昔一般の人が唯一動画を撮影できた機器です。私も実は触ったことはありません。単純に言えばフィルムカメラと同じで、現像なども必要とする写真を連続で取るようなものので、それを動画並みにしたら露光時間が全く足りず、星はほとんど映らず、撮ることができるのは月や惑星などの明るい天体くらいではないかと解説しています。面白いのは太陽のプロミネンスの撮影を提案しているところで、一コマ撮りというテクニックで1時間を3分30秒にしたらどうかと言っています。今でいうタイムラプスですね。そんな映像がもし残っていたらすごいです。

11月号: 読者サロンに某社から新発売のφ27のサングラス(アイピース部分につけるようなやつで、昔の望遠鏡セットには標準でもついていたようです)を使って日食撮影していて、一旦ピント合わせをしようと覗いて見たら、やけに明るくて「ダイヤモンドリングが見える」という記事がありした。なんと、サングラスが真っ二つに割れていたそうです。現像したフィルムはゴミだらけの汚い太陽像だったと呑気なことを書いていますが、失明しなくて本当に良かったです。この記事を読んで、フィルターが割れる可能性はゼロではないと思い、今のP.S.T.でもメーカー指定の見方以外では目では覗くまいと心に誓いました。

12月号: とうとうマイコンの記事が出始めました。中野主一氏の記事です。FacebookのHB氏の書き込みであった日立のベーシックマスターも載っています。驚くのはすでにIBMのPCがこの当時に紹介されていることです。私はこの頃まだ小学3年生。4年生でマイコンに興味を持ち出したので、その一年前のことです。すがやみつるの「マイコン電児ラン」は当時最も好きな漫画の一つでした。

さて、最後になりますが、12月号のインタビュー記事に高校3年生の女の子が出ていました。実はこの記事が1981年の中で最も考えさせられた記事でした。別に載っていたのが女子高生だからというのではありません。以前読者サロンに掲載されたこの子に届く手紙に「天文でも何でも趣味は死ぬ気でやるものだ」というのがあったというのです。まあ、変な人はいつの時代でもいるものなのですが、それでもこういった考えがあったというのは、やはり趣味というものがまだ贅沢な時代だったのかと思わされたことです。さらに話は続きます。「今までの日本人ーー60歳以上の人って無趣味の人が多いでしょう」「でもそのころの日本は貧しかったし、世の中も道楽を許さないようなところがあったんでしょうか」というところを読んで、なんでこの当時天文ガイドに載っている投稿とかが若い人たちばかりだったのか、やっと理解できた気がしました。私は単純に、望遠鏡の進化で値段もこなれていて、ちょうど若い人の興味を引いて、その人たちがそのまま年齢を重ねたので、今は年配の方ばかりなのだと、浅はかに思っていたのですが、根本的に間違っていました。天文なんていう趣味はこの当時以前は本当に贅沢なことだったのです。戦後、高度経済成長で余裕ができて、やっと趣味を持つことができる世の中になってきたのかと思います。その当時の若い人たちはやっと新しいことに興味を持つことができたのかと思うと、今の時代は平和で幸せだなとしみじみと思います。この贅沢な時代に生きていられる幸運に感謝して、宇宙を見上げようと思っています。


今年はあまりに天気が悪く、天気がいいときに限って月が明るいので、先月の月の時期にとうとうあきらめて月の撮影をはじめました。思ったより面白くて、途中拡大撮影にも挑戦したのですが、困ったことが起きました。その時撮れたクレーターの名前を調べるのに、エライ苦労をしたのです。

そんな話をFacebookでしていたら、以前ドームを見せてもらった小松のOさんが普段使いで勉強している本ということで紹介してくれたのが地人書館のA. ルークル 著 / 山田 卓 訳「月面ウォッチング」です。

この本は大判の科学書の類に入る本で値段も定価6000円とそこそこします。私は古本で旧版の方を手に入れたのですが、それでも定価ほどではないにしろ結構な値段でした。新版の方ももう絶版のようで中古のみあって、こちらはもう少し高かったです。 
  • 中身は最初の15ページほどに、月の特徴を簡潔に必要十分に書いてあり、ページ数も少ないので、すぐに読むことができます。 
  • 次の10ピージほどを使って、全体の写真と、地形の大まかな特徴などを書いています。
  • そのあとの160ページほどがこの本のメインで、月を76に分割して、240万分の一の詳細な手書きの絵で地形が描かれていて、分かり得るクレーターなどの地形に名前が書いてあって、その名前の由来が書いてあります。
  • 名前にはカタカナもふってあるので、日本語で表記するときの基準になるでしょう。
  • 一枚一枚の絵に縮尺が載っているので実感としてクレーターの大きさが分かります。
  • 160ページのうちの最後の10ページは秤動(ひょうどう)で見え隠れする部分を描いています。月はいつも同じ面を向けていると思いがちですが、多少左右に動いていて、その動きを秤動といいます。地球からはトータルで月面の59%の面が見えていて、41%が常に見えている面、18%が秤動で見え隠れする部分ということです。
  • 最後の「月50景」という写真ページや、観測のしかたなどの解説もあり、ここも簡潔で読みやすいです。
  • この本には命名方の解説も少し書いてあります。大元は1645年のラングレヌスの月面図だそうですが、現在の命名方の基礎は1651年のリッチョーリの月面図だそうです。クレーターについては功績のあった学者の名前をつけるという方法で統一し、月面の北から南に向かって歴史的な順序で配置されているそうです。実際に命名は長く複雑な歴史を繰り返しているので、簡単ではないようですが、この本(旧版)の発行された1996年で6233のクレーターに命名され、そのうち807が名前を持っているそうです。残りの5426は近くのクレーターの名前に文字をつけることで表現しているそうです。
  • 定価は旧版6000円、新刊4800円で新刊の方が値下げしたようです。原書は1989年初版で、翻訳に際し1992年を英語版を元に、日本語版を出した際に一部改訂をしているとのことでした。日本語版の旧版の方は1997年8月5日初版発行で、1996年の命名まで入っているようですが、新刊の方はもう少し新しいデータまで入っているのだと思います。
  • 訳者の山田卓氏は名古屋市科学館に勤務されていた方で、2004年に亡くなられているようです。サンフランシスコの書店で初めて原著を手にとったときの話、原作者とのやりとりのことなども書かれて、読んでいて訳者の思いが伝わってきます。謝辞の中にはこの間お会いした名古屋市科学館の職員さんの名前もありました。


せっかくなので、試しに以前撮影したアペニン山脈周りで、本を見ながら名前を振ってみました。この写真だけでも図5、6、11、12、13、14、20、21、22、23、24、25、31、32、33、34、35と見なくてはならず結構大変でしたが、時間を忘れてのめりこんでしまいました。

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この写真の中だけでも教科書に出てくるような科学者の名前が目白押しです。図と、撮った写真とを比較してみるとかなり面白いです。かなり小さなクレーターまで名前がついていて、他にも何か大きなクレータの名前+アルファベットで表しているクレーターもあるのですが、それらは今回省きました。クレーターが黄色、山や谷がオレンジ、平地が緑です。
  • 例えばコーカサス山脈の上の方のカリッポスの下にカリッポス谷というのが絵には載っているのですが、写真では判別できませんでした。
  • また、アリスティルスの右側にテアエテトス谷というのがあるはずなのですが、こちらも写真では判別できません。
  • 左上のヒガツィー尾根の上にあるはずのシュティレ尾根、右にあるはずのグレボーボー尾根は暗すぎて見えていません。
  • 腐敗の海の上の部分にスパーという溶岩に満たされた直径13Kmのクレーターの跡があるはずなのですが、やはり明確には確認できません。(追記: なんとか場所が特定できました。かなり薄いですが一応名前を書いておきました。)
  • アルキメデス谷も一応書いておきましたがはっきりしません。一方すぐ下の横に走っているブラッドリー谷は綺麗に見えます。
  • 左上のティモカリスの下の、直径7.4kmのハインリヒと7.5kmマクミランはなんとか見えますが、その間にあるはずの2kmのプーピンは見えません。
  • 信頼の入江の奥にあるコノン谷も全く見えません。
  • 右上ビュルグ横のビュルグ谷、その下のダニエル谷も見えません。
  • 真ん中少し右にある小さなガスト尾根とホーンスビーの間にクリシュナという直径2.8kmのクレータがあるはずなのですが、全く分かりません。そこに続くオーエン尾根も不明です。
  • 一番下のマーチスンは周囲が崩壊してはっきりしない直径58kmのクレーターとのことですが、結構見えます。
こうやってみると、谷は写真には写りにくく、クレーターは5kmより小さくなるとほとんど写っていなことがわかります。見えていないものはもう少し拡大撮影を試みて、いつかリベンジしたいです。結構月は面白いです。



月の名前はWeb場でも詳しく記しているページがあります。このページの名前もほとんどこの本の日本語表記と一致します。このページは新たに追加されたクレーターや除外されたものも更新しているので、合わせて参考にするといいのでしょう。

 

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