ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測機器 > SWAT-200

色々苦労してきましたが、やっとSWAT-200で一軸ガイドで星像がほぼ真円に近くなりました。焦点距離600mmで、5分露光、一軸制御だけでのSWAT-200なので、まあまあの成果だと思います。現在のセットアップは写真のようになっています。

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鏡筒はFS-60Qで焦点距離は600mm、SWAT-200をPHD2で一軸ガイド。ガイド鏡はASI224MCに焦点距離50mmのノーブランドのCマウントレンズ。三脚はGitzoのGT3840Cです。SWATとFS-60Qはモノタロウで買った簡易なクランプ台で接続しています。これはより構造的にシンプルなものでまずは試したいと思っているからです。

2月4日の記事で、3秒露光時の原因が赤径へのガイド信号のフィードバックが原因と突き止め、ガイド信号を綺麗にすべく200mmのガイド鏡レンズを導入し、3月12日の記事でその200mmのレンズのたわみが赤緯方向に星像の流れを作っていたことまで突き止めていました。これらの過程で、PHD2の機能がだいぶ理解でき、Advanced VXの上で元の50mmのガイド鏡レンズで精度を上げつつ、流れを止めるというところまで持っていくことができました。

昨晩、満を辞してSWAT-200で試しました。ところが、最初はどうしても星像が赤緯方向に流れてしまいうまくいきません。極軸はいつものようにSharpCapで合わせてあるので、1分角程度の精度は出ているはずです。それでもPHD2で見ていても、赤緯方向の一方向に流れていきます。結局、この原因はターゲットの天体を変えるとかで機材に触ると、機材全体を動かしてしまい、結構簡単に極軸からずれしてまうことにありました。現在使っているGitzoの三脚は、揺れなどはあまりなくていいのですが、やはり全体的に軽いということがあり、機器に触ると数分角くらいのずれが出てしまうようです。

仕方ないので、PHD2の流れが出ないように南天で星が上(北)に動いていくときは極軸が西にずれているので、少し東に三脚の脚をずらしてやる、南天で星が下(南)に動いていくときは東に三脚の脚をずらしてやるという方法で、数回繰り返してやると、PHD2上の赤緯のずれをかなり減らすことができました。PHD2でトレンドから計算した極軸の向きのエラーもリアルタイムで表示されるのですが、ほぼ1分程度になりました。

結果を示しておきます。最初の写真が赤緯がずれていく場合、次がずれをなくした場合です。両方とも5分露光です。

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実はこれ、うまくいったときの写真を最初にとって、その後機器に触ったときにずれてしまったものを撮った写真です。すぐにこんなにうまく取れたわけではないですが、少なくともやっとこれくらいのコントロールはできるようになったということです。

ちなみに、未だにSWAT下に微動回転装置をつけていないので、三脚の脚をずらすというローテクでやっていますが、なんとかなりそうな雰囲気です。軽量化や、構造的に弱いところをつくらいないという観点からはこちらの方がいいくらいです。

まあ、それでも微動回転装置を使った場合よりは精度は出ないということは以前計算していまして、とりあえず今回は5分間の露光では真円に近くなるくらいまでには精度を出すことができました。今回は自宅で試したので、それほど暗い環境ではなくこれくらいの露光時間で十分でしたが、より暗いところに行ったり、より低いISOでとる場合にはもう少し長い露光時間が欲しくなるため、さらに極軸の精度が必要になってきます。

あと、先日購入した回転装置のテストも同時に行いました。こちらはすこぶる快調で、まあ当たり前と言えば当たり前なのですが、これまでのようにカメラを回転させると毎回ピントがずれるというようなことはなくなり、時間の節約につながります。もっと早く買っておけばよかったです。ワイドリングの効果はAPS-Cなのでどこまであるかわかりませんが、フラット補正の時に詳しく検証して見たいと思います。

ちなみに、昨晩は新月期で機材のテストだけではもったいなかったので、星像流れのテストがてら3分露光で蠍座のIC4592付近を撮影しました。うまく画像処理ができたらまたアップします。


以前の記事でSWATの揺れが風と特定したと書きましたが、どうやらこれは嘘を書いていたことが判明してきました。つい先日の晴れ間のテスト (その後、こちらに移動)で3秒のトラベジウムが赤経方向にのみ伸びているので、ガイドが悪さをしているのではないかと疑いを持ち始めたわけです。これに決着をつけるべく、同様にトラペジウムをガイドのあるなしで撮影し、優位に差が出るのかを試しました。

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まずは、前回の再現です。条件は、FS-60Q(焦点距離600mm)、SWAT-200での一軸追尾、極軸合わせはSharpCapで今回は1分程度の精度。撮影のカメラはEOS 60D、Backyard EOSでピント合わせをしています。その上で焦点距離50mmのガイド鏡(ASI224MCにCマウントレンズを組み合わせたもの、1ピクセル3.75umで、1ピクセルあたり15秒角とかなり大きい)を用いたPHD2での一軸のガイドありで、ISO1600、3秒露光で撮ったトラベジウムです。ガイドの条件はCCDが1秒露光で、あとはデフォルトの状態です。ただし、鏡筒の取り付けをより安定にするために、SWATから鏡筒への部品点数をできる限り少ない状態にしました。これは外乱による揺れの影響をできる限り避けて検証したかったからですが、少し条件が変わってくるので、ここが影響するようならまた別に検証する必要がありますが、以下の結果を見る限りその心配はなさそうです。さてこの状態で撮影すると以下のようになりました。

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写真を見る限り以前のブレの再現性はあり、赤経方向に明らかに流れているものが20枚中13枚、気持ち赤経に流れているようなものが4枚、真円に近いものが3枚でした。その際のPHD2の制御状況を見て見ると、RMSでは赤緯の方が小さくなっています。

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これは赤経の方がガイドにより乱されているという結果と一致します。赤緯の方のピーク値があまりずれていかないのは、極軸の精度がそこそこあっているからです。先日試した時には北極星が見えなくて、適当な極軸合わせでやってしまったので、赤緯のピーク値(オフセット)がどんどん大きくなっていきましたが、今回はそんなことはないようです。


次に、ガイドを切ってSWAT-200の赤経方向の追尾だけで撮影しました。条件はガイドがなくなっただけで他は全て上と同じです。

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これは典型的なものですが、写真を見ると明らかに赤経方向の伸びがなくなっているのがわかります。20枚取って赤経方向のみに流れているものは一枚もありませんでした。その後さらにガイドありなしで何度か繰り返してでやってみましたが、再現性もあるため原因はこれでほとんど確定です。さらにミラーアップの影響があるかどうかを3秒のディレイを入れて試してみましたが、有意な差は見られませんでした。


ここまでの結論は、やはり焦点距離50mm、ASI224MCとの組み合わせのガイド鏡では、PHD2によるガイドだと4秒角程度の精度でしか合わせることができず、ガイドをすることによりむしろ誤差を増やしてしまっているということが言えると思います。


次に、ガイドレンズを200mmにしてみました。一番最初の頃に買ったEOS X7についてきた55-250mmのズームレンズです。これを200mmに合わせて、以前買ったCanonレンズをASI224MCに取り付けることができるマウントを使って、55mmから250mmの可変のガイドCCDを実現しました。

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統計情報を見てみると、1.5秒程度の揺れに収まりほぼ期待通りの結果になっています。この状態で撮った写真が以下のようです。

fineguide

微妙なとことで、赤経方向に伸びているものもあれば、真円に近いものもあるという、言ってみればまだ精度が足りていないような感じの結果でした。内訳は20枚のうち、明らかに赤経に流れているものが5枚、流れているような気がするものが8枚、流れていないものが9枚でした。

少し納得できなかったので、EOS 60Dでの位置ピクセルあたりの画角を計算してみました。すると1.6秒程度と、今回の精度とほぼコンパラな値です。実際に画像に写るのは揺れのバラツキなので、それをルート2倍ほどとすると、まあガイドにより画面で見て伸びが見えたり見えなかったりというのは納得できるような結果かもしれません。言い換えると、もう2倍ほど、できれば1秒以下くらいの精度が欲しいということになります。精度を上げるとすると、300mmクラスのレンズにするのか、もっとピクセルサイズの小さいCCDを使うのか、Def-Guiderなどでソフト的に精度を上げるかなどですが、もう少し検討です。


あと驚くべきことは、赤緯方向も短時間ならガイドをしなくても少なくとも1秒角ちょっとの精度が出ていることです。CCDのピクセルあたりの誤差が大きいので、実際にはもっといいかもしれません。200mmレンズの結果を見てもまだ赤経の方が伸びている場合が多いので、赤緯の精度は見えていないだけで実際もっといいと言えるでしょう。実はノータッチガイドの時の精度は正直もっと悪いかと思っていました。ここら辺の見込み違いが今回の誤解につながっていることは否めません。


さてこの結果を踏まえて、この日は空が晴れわたっていたので、月も沈んだ0時頃から満を持して撮影に入ろうとしたのですが、何と大結露大会で鏡筒はおろか、CCDのレンズ、カメラ本体に至るまで全て結露し、しかもだんだん凍りついてきたので、泣く泣く退散しました。真冬の深夜の撮影は思ったより厳しく、ヒーターを増強させる必要があります。

追記: 2017/3/26、やっと3分露光で星像が真円になりました。

SWAT-200でPHD2によるガイドをしながら、ISO1600、3秒露出で撮ったトラペジウムの典型的な一枚です。

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このように長く伸びてしまったものが何枚かありました。いずれも伸びの方向はどれも同じで、赤径方向と一致した伸びです。風邪や地面の外乱が原因の場合、赤緯がほとんど揺れていなくて赤径方向のみ揺れるというのは、赤道儀の構造的に問題があれば別ですが、普通はあまり考えられないはずです。今回、ガイドをオンにして撮影してしまったのですが、もしかしたらこれが原因なのかもしれません。そもそもガイド鏡に相当するものは、CCDに50mmの焦点距離のレンズをつけたもので、CCDセンサーの1ピクセルあたり約15秒の角度があります。ガイドでの精度は0.3ピクセルくらいで、3秒間の間にもなんどもフィードバックするので、4秒角くらいのブレがあってもおかしくありません。トラベジウムの最長辺が20秒角くらいなので、写真の比から考えても4秒角くらいブレてしまうというのはあながち間違っていません

実はDef-Guiderで複数のガイド星を用いて精度を上げようと、この日試みたのですが、キャリブレーションのところでエラーで落ちてしまい、どうすることもできませんでした。Def-Guiderは昼間のうちにまた試してみますが、ガイドCCDの焦点距離を伸ばす方向にいった方がいいかもしれません。例えば200mm程度のレンズを使えば計算上1秒角程度にブレを抑えることができ、十分です。CanonレンズをCマウントに変換できるアダプターがあるので、次は手持ちの55-200mmのレンズを試してみようと思います。

今書いていて思ったのですが、最初の方で3枚出したトラペジウムのうち最初の一枚はSWATで一軸制御、あとの2枚はAdvanced VXで2軸制御です。もしかしたら2軸制御のせいで縦横にブレてピンボケのようになっただけなのかもしれません。もしくはピンボケなので、縦に揺れても横に揺れてもあまり目立たなかったとかです。いずれにせよガイドの有無でも比べてみて決着をつける必要があります。(追記: 2017/2/3確認しました。)

2017/1/28の土曜日、久しぶりに夜晴れたのですが、少し雲がかって透明度は悪かったので、撮影は諦めていくつかテストをしました。

この日の昼に届くと思っていた5GHzの無線LANの親機が間に合わなかったので、庭に出したStick PCが届く範囲の自宅LANを5GHzに対応させました。その結果、自宅の庭での撮影は安定してできるようになりましたが、自宅LANなしでの安定な接続は明日以降までお預けです。

撮影には条件が悪いのですが、機器など試したいことがいくつかありましたので、順に書いておきます。ですが、ちょうど北の空が雲で覆われていて極軸合わせが全くできなかったので、いくつかはラフなテストになってしまいました。


1. USB 5Vから12Vへの変換で、Advanced VX及び、SWAT-200が駆動できるか?

USBの5Vから12Vへ変換するというケーブルをアマゾンで頼みました。年末に頼んだのですが、届いたのはついこの間です。これをAnkerの5V出力、26800mA((3.3V換算で) のリチウムイオンバッテリーにつないで電圧を実測すると12.5Vくらいありました。

ところがSWAT-200に挿すと接触不良なのか、電源コネクタを挿したときびっくりするのか、SWAT-200がオンにならない時があります。何度か抜き差しすると問題なくなります。その状態でコネクタを触ったりしても特に不安定なことはないので、何か例えば、12Vと言っているのが実測12.5Vとかあるので、高すぎるなどを疑っています。SWAT-200が6-12V対応なので、本当はUSB 5Vを9Vくらいに変換できるものが見つかるといいのですが、なかなかないみたいです。

もう一つAdvanced VXにも挿してみました。最初問題なく動いていたのですが、結構コネクタが緩くて、少し触ってしまうと抜けかけてまた最初からアラインメントになってしまいます。ちょっと実用には厳しいいかもしれません。コネクタが少し太くなればいいので、一部にテープをつけるとかでどうにかなるのかもしれません。(2017/2/11 追記: AVXのモーターを速く動かすと、おそらく過電流でバッテリーが一旦落ちるという現象がありました。AVX使用時は重くても構わないのはずなので普通のパワータンクか別の鉛電池などの方が無難です。)


2. 回転減速機のでピントが合わせやすくなったかどうか?

減速機だけでなく鏡筒の固定方法も変えて動きがスムーズになった結果も知りたかったのですが、3秒で撮ったM42のトラペジウムを拡大した写真がこれです。

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以前1月初めに撮ったちょっとピンボケだったものが以下のもの、

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さらに以前撮ったもので、ピントに関してはまだましだと思っていたものが以下のものです。

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比較すれば明らかで、今回撮ったものが一番ピントが合っています。7倍の精度と、鏡筒の伸縮に伴う変なたわみがなくなったので、相当ピントを合わせやすくなりました。


3. ManfrotteからGitzoの三脚に変えて、どれくらい揺れなくなったか?

独立した記事にしました。(2017/2/4)



4. SWAT-200に鏡筒をどのように乗せれば、揺れが少なくかつ赤径、赤緯ともにスムーズに動かすことができるか?

現在2通りの乗せ方を考えています。一つは

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のように、できる限りシンプルにするものです。SWAT-200と鏡筒を繋ぐのはMONOTAROで買った、上と下が45mm角の板で、ハンドルを緩めると上の板の角度を変えることができる台です。ハンドルを締めてしまえば、かなり強固に固定することができます。

軽くてシンプルでとてもいいのですが、一つだけ欠点があります。ちょうど写真に写っているように回転台を倒しすぎると鏡筒が片側によってしまい、赤経方向の重量バランスが全く取れなくなってしまうことです。このことを踏まえて次の写真のような固定方法も考えました。


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横から見るとこんな感じです。

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赤経回転台から赤緯回転軸までの距離を短く取ることで、赤経軸がブレにくいようにしています。また、赤経回転軸と鏡筒の距離も短くし、反対側を長くとって重りを載せることで重量バランスを取っています。ここら辺はHUQさんの取り付け方も参考にしています。

この方法のいいところは、赤経、赤緯どちらの方向も重量バランスが取れていて、たとえどの方向に鏡筒を持って行ったとしてもバランスが崩れないところです。悪いところはやはり上に比べて載せているものが多く重いのと、鏡筒と反対側のバランサーの質量が回転中心から離れているので、慣性モーメントが大きく、どうしても風邪などの外乱に対して揺れが大きくなってしまうことです。実は今回この状態で撮影を少ししたのですが、結構ぎりぎりまで幅を攻めていたため、なんと鏡筒のピントの回転つまみとSWAT-200に挿している電源ケーブルが干渉して、途中で自動追尾ができなくなってしまいました。その頃には雲もさらに出始めていたので止めにしたのですが、次回は上のシンプルな方法での撮影も試してみたいと思います。

それにしても全然スカッと晴れないので、チマチマしたことばかりしています。太平洋側はあんなに晴れていたのにと、今日も雨交じりの雪の降る空を見上げて、悶々としています。



SWAT-200への鏡筒の搭載をどうしたらいいか、いろいろ迷っています。赤経方向の自由度はSWAT-200自身の回転台があるので大丈夫なのですが、赤緯方向の自由度をどうやって確保したらいいかという問題です。

いろいろ試行錯誤している最中ですが、回転軸の方向を変えるために、垂直方向に伸びるアルカスイスプレートを購入しました。そこに回転台をつければ赤緯方向の回転自由度が確保されるのですが、回転台はとりあえずは今の所手持ちの自由雲台の下部の回転機構を用いています。これまでの状態と比べると、垂直アルカスイスプレートの分だけ余分に接続部が増えたことになるので、鏡筒部がやはりこれまでより大きく揺れてしまいます。

回転台は後で交換するとして、揺れもとりあえずは無視をして、昨晩使い勝手を探ってみました。まず、自由雲台を回転のみの自由度に絞ったことで、やっと全体として赤経、赤緯のみの自由度となり、導入が圧倒的にしやすくなりました。闇雲な自由度増加はやはり弊害だったようです。赤緯方向に微動がないのですが、撮影アングルを決める際に使うのみなので、とりあえず粗動のみでも良さそうです。

もう一つの欠点が、赤緯の回転台を交換しようとすると、鏡筒を北極星方向に向けることができなくなりそうなことです。これは、鏡筒の重心を赤経回転軸上に持ってこようとするために出て来る制限です。そのため、これまで使っていたSharpCapでの極軸調整が使えなくなりそうです。そのことを見越して、今回は少しだけドリフト法に相当する極軸調整を試しました。やったことはドリフト法よりももう少し単純で、Backyard EOSのドリフト法支援の機能を使い、星を見ながら1分とか待って、星が動かないような方向に三脚の脚をずらす、もしくは脚を傾けるというだけです。このこと自身はもう少し後で、精度も含めて突き詰める必要がありますが、ここで大きなことに気づきました。

ここからやっと本題なのですが、この時点で撮影をすると星像がブレまくるのです。気になったことは風が出てきたことです。改めてBackyard EOSのドリフト法支援で、動画で拡大しながら星を見ました。明らかに風の大きさに合わせて星像が動いています。さっきまでの極軸調整時にはまだ風がほとんど吹いていなかったので、あまり揺れていなかったのです。また今回は接続部が増え、さらに揺れやすい状況だということもあります。それでもシャッターの揺れは星像に影響を与えないことはこの日も確認しました。しかしながら、風の場合にはあからさまに星がブレます。前に星像がブレた時には思ったより風が吹いていたのではないかというのが今回の結論です。(追記: 2017/1/28、この結論を疑いはじめました。もしかしたら、揺れ始めた時ガイドを開始したのかもしれません。記録を取っていないのでなんとも言えません。)

風の揺れに対しては、各所のたわみを少なくする、フードで周りを囲うなどが対策になります。三脚を丈夫なものにしたりしてもいいですが、あまりに重いものは本来の目的とは反するので、軽くて丈夫なものを選ぶ必要があります。また焦点距離が600mmなので、FS-60Qのエクステンダーをはずすという手もあります。それでも風のない日ならば、多分今の状態でも問題ないでしょう。

その後、ちょうど回転台が到着したので、組み上げた写真を撮りました。これでもやはり鏡筒が赤経方向に振れると、ちょうど垂直に伸びるアルカプレートのねじれ方向になり、結構揺れてしまい剛性不足のようです。鏡筒が赤緯方向に揺れるぶんにはアルカプレートも一番剛性が高い方向になり、たわみは大したことありません。この方向だと三脚部分全体を含めたたわみになります。

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また、SWAT-200の回転台に1度くらいのオーダーのガタつきがあることに気づきました。ギヤとギヤの隙間、すなわちバックラッシュからきているのかと思いますが、ちょっとガタが大きい気がしています。一度分解する必要がありそうです。

それにしても、赤道儀としては安価なAdvanced VXレベルのものでも、いかに一般に売られている赤道儀が安定しているのかを思い知らされつつあります。もともと海外などの旅行時に撮影ができることを目的に軽量セットアップをしているのですが、車がある普段使いではAdvanced VXの方が時間対でははるかに成果が出るのかと思います。でも軽いというのは、普段使いだと尚更魅力なのになあ。





 

天気が悪かったり、時間がなかったりで以前見えた星像のブレをなかなか対処することができなかったのですが、やっと星を見ながら再挑戦することができました。

ですが、前回の3秒露光での星像の揺れをどうしても再現できません。基本的には同じ機材、同じ向き、同じカメラの設定、同じ露光時間と、限りなく同条件に近づけたつもりですが、今回はどうしてもあのようなブレが出てくれません。

期待していたことは、再テストで同様のブレが出て、それを防ぐためにBackyard EOSの撮影時の画面右の真ん中らへんの「Mirror lock」に数字を入れると、ミラーアップ時の振動がなくなって解決でシャンシャンというのを想定していたのですが、いい意味で全く期待はずれです。

おそらく各所のネジを気にしてセットアップしたのが効いているの可能性があります。振動の原因自身はシャッターだと思うのですが、ネジの締め具合で当然揺れ具合は変わってくると思います。ネジの締め具合はなかなか再現が難しいので、不本意ですが、星像のブレは現状無くなっているのでこれを持って一応解決したことにします。


それとは独立に、揺れについて少し試して見ました。

1. まず、前回と同じセットアップで鏡筒を揺らしてみると、一番弱い部分はSWAT-200と鏡筒の間にある自由雲台の回転機構でした。この回転部分に回転軸に垂直な向きにDC的な力を加えると少しガタつきます。

2. 次に、KYOEI OSAKAで購入した低重心ガイドマウントを三脚とSWATー200の間に取り付けました(前回記事参照)。そうすると、1で見た雲台の揺れが隠れてしまうほど、この低重心ガイドマウントのピッチの自由度の部分が揺れるようになりました。

3. 最後に、低重心ガイドマウントも自由雲台も外して試すと、今度はやっと三脚(Manfrotto MT294A4)の真ん中で上下に移動する部分で揺れることがわかりました。三脚自身はそこそこいいもので、普通にカメラで使っているぶんには揺れなど全く気になりませんが、上下の移動は望遠鏡には不要です。

揺れの大きさでは2>1>3の順で、それぞれ見た目に大きな差があります。これは各機器が悪いというのではなく、部品数及び接続数の少ない方が当然揺れが少ないということです。

ここまでやって、とりあえずの方針を決めました。星像のブレはもう出ないと思うと、低重心ガイドマウントさえつけなければそのままでもいい気がしますが、

1. 自由雲台はやめる。これは少しガタつきがあることと、自由雲台の自由度が大きすぎて導入時にすぐにターゲットがどっかに行ってしまって、余計に時間がかかってしまうからです。その代わりに赤緯のみに回転する回転機構を導入するようにします。

2. 1の状態で問題が出るようなら三脚をより強固なものにする。候補はReally Right StaffのTP-243で、これもHUQさんからの情報です。


軽量化の道はなかなか険しいです。


以前KYOEI大阪で購入した「低重心ガイドマウント」ですが、三脚側に取り付けるための穴が1/4インチのために、手持ちの3/8インチネジがついている三脚に取り付けることができないでいました。秋葉原に行った際に3/8インチのタップを買ってきたので、低重心ガイドマウントの下側の面に新たに8mmの下穴を開け、タップを切りました。

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写真は分解したものですが、手前のマウントの一番下のネジ穴が追加されています。 この状態でマウントして

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SWAT-200を取り付けて見ました。

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と、ここまでは順調だったのですが、マウントを取り付けたときと取り付けていないときに鏡筒部を揺らしてみると、揺れ幅はあからさまに違い、どうしても外乱に対する揺れが大きくなってしまいます。測定はしていないのではっきりとは言えませんが、少なくとも数倍程度には増えているように見えます。一桁大きくなっているようには見えません。

決してこのマウントが悪いと言っているわけではありません。このマウントはそのシンプルな仕組みから考えると相当丈夫です。ただ、やはりものが一つ増えれば接続点数も増え、当然たわみも大きくなってしまうのはある意味当たり前のことというわけです。そのため二軸微動の便利さを取るか、たわみの少なさを取るかのトレードオフとなります。これまでの経験から三脚の足の一番先のところで回転しての調整精度はバカにできないので、今回はたわみの少なさを優先して、泣く泣くこのマウントは外すことに決めました。

少しだけ定量的な評価です。


低重心回転マウントでの回転の精度は
  • 回転つまみでの調整精度: 1度くらいか
  • ネジのピッチ: M8ねじなので一回転1.25mm
  • 回転半径: 2cm程度
よって、回転角 θ = l / r (つまみを回したときの移動距離 / 回転半径)から0.00125m*1°/360°/0.02m = 180μdad = 0.01° = 36秒

となるが、以前Advanced VXの微動回転で出た精度が40秒程度なので、オーダー的にはこんなもんでしょう。

三脚の脚をずらすことによる回転の精度は

回転半径: 1m程度
足の位置をずらす精度: 1mm程度が限界か

より、回転角 θ = l / r = 0.001m / 1 m = 1mrad = 200秒 = 3分20秒

なので、5倍程度精度が悪くなります。以前足の微動で試したときは2.5分とかなので、オーダー的にも間違っていないと思います。

うーん、ちょっと悪くなりすぎるかもしれませんが、それでもたわむよりはマシな気がするので、とりあえずこの状態でしばらくテストすることにします。極軸を合わせながらがんばれば、今までの経験から1分くらいの精度で合わすこともできるので、まあなんとかなるでしょう。どうしてもダメなら2つの足の先に微動の平行移動の機構を持ってくることも考えます。

 

SWAT-200 (その1): 一軸オートガイドからの続き

SWAT-200での一軸オートガイドでM42をとったのですが、撮れた写真を処理しようとしているとどうも星が流れているようです。5分x12枚とって、星が丸くなっているのがわずか1枚、前半30分はどちらかというと赤経方向に伸びていて、

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後半30分はどちらかというと赤緯方向に伸びています。

LIGHT_300s_1600iso_+18c_60D_20161203-23h49m40s216ms2


そして、トラベジウムを出すために3秒x12枚撮影しておいたものを見て気づいたのですが、わずか3秒の露光で星が丸くなっていないのです。しかも一方向だけとうわけではなく、ジャンプしたりとか、変なふうにぶれています。

LIGHT_3s_1600iso_+16c_60D_20161204-00h33m53s017ms2



 その後、3分露光の12枚のうち唯一、一枚だけ星像が丸くなっているものをよく見たのですが、きちんと撮れているわけでもなんでもなく、赤経方向にも赤緯方向にも伸びてしまっていてただ太っているだけだということに気づきました。

LIGHT_300s_1600iso_+17c_60D_20161203-23h34m14s670ms2


何でこんなことが起こるかというと、ガイドで抑えることのできない速い高周波のゆれが多く存在しているからに他なりません。ガイドでの補正は高々数秒に一回、それもパルス的に赤道儀のモーターにフィードバックする程度なので、それ以上に早い揺れに対してはなんの効果もありません。

当日風はそれほどなかったのですが、揺れの方向が前半30分と後半30分で顕著に変わっていることを考えると、風の向きが変わったか、鏡筒の赤経方向が変わっていったことによる、影響などが考えられます。いずれにせよ、外乱に対して機械的に揺れてしまうようなので、何らかの対策が必要です。

まずは各所のネジがきちんと締まっているかのチェックと、一番弱そうな部分は三脚なので、三脚に重りを吊るす、三脚をAVXのものと交換して揺れを比べるなどの対策を取ることができます。CCDでできるだけ速いフレームで動画を撮り、高周波の揺れがどれくらいあるのか見るのも面白いかもしれません。



2016/12/8

上の記事を書いた後に、たまたま東京のKYOEIさんにお邪魔して店員のMさんと話していて教えてもらったのですが、3秒でブレが出るのならカメラのシャッターを切る時の揺れではないかとの指摘がありました。なるほどと思いました。昔から存在している問題で、カメラ周りや足回りなどを固めるか、もしくは面白い方法では鏡筒で光を遮ったり入れたりする手動シャッターも解決策の一つと教えていただきました。今度晴れたに日に試してみたいと思います。



 

ここ最近立山がとても綺麗に見えて、空気の透明度がすごく高いみたいです。

今週末は金曜が牛岳で、19時頃から下の子と出かけましたが、22時頃にはすっかり雲がかかってしまい、撃沈です。子供がいたのでその相手をしながら準備していたら、ほとんどセットアップして少しだけ電視して、撮影する間も無くそのまま片付けただけでした。22時前くらいに県天のYさんが来たのですが、その頃にはオリオン座を残して雲だらけでした。話しているうちにオリオン座も雲に隠れてしまい、この日は撤収しました。Yさんはその後もしばらく粘るといっていましたが、どうだったでしょうか?それでも自宅に戻ると多少空は出ていたのですが、この日は眠いので諦めてしまいました。

土曜も天気が良かったのですが、日曜日に予定があったので、自宅でSWAT-200のオートガイドを試しました。先日大阪のKYOEIでリモコンを買って来たので、オートガイドの準備がほぼ整ったからです。これまでのAdvanced VX (AVX)でのガイドではASCOM経由で直接PCと赤道儀をつないでガイドしていたのですが、SWATの場合はPCとつなぐのはCCDのみで、CCDからSWATのリモコンへと6端子の電話線コネクタのようなケーブル(ZWO ASI224MCに付属でついていたものを利用)でつなぐだけで、なんとCCD経由で赤道儀を制御できるのです。元々この方式が一般的らしいのですが、計算機から出るケーブルが一本だけになるので、コンパクトになりびっくりでした。

ただし、6端子のケーブルとリモコンがかさばるので、まとめれないかとリモコンの蓋を開けてみたのですが、ほとんど線をつないであるだけで、うまくすると自作で短いケーブル一本にまとめることができそうです。

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とりあえず今回はテストなので、そのままつなぎます。ガイド用のCCDや鏡筒などは前回のガイド時と同じASI224MCにCマウントの50mmのレンズをつけて、FS-60Qで試しました。三脚はManfrottoのMT294A4の足を最大まで開いた、一番安定になる状態で使っています。

極軸をSharpCapのPolar Align機能を使い合わせます。AVXでは押しネジで赤道儀の回転の微調整ができるのですが、今回のSWATにはまだ微動回転台を導入していないので、三脚の足を地面のところでずらしながら合わせます。以外にもちょっと丁寧にやれば1分角以内での合わせこみが可能なことがわかりました。

PHD2を立ち上げます。接続は、CCDカメラは計算機とUSB3.0で接続してから、前回と同じZWOシリーズを選択すると、ある程度自動でパラメータが入ります。マウント(赤道儀)は何を選択するのか迷ったのですが、CCD経由でつないでいる場合は「On Camera」で大丈夫なようです。AUXは無し、AOも無しです。

露光時間を0.1sに選び、「露出ループの開始」を押し、「ツール」メニューの「ガイド星の自動選択」を押すと、すぐにガイド星が見つかるのも前回と同じです。ところがそのまま「ガイドを開始」を押すと、キャリブレーションが始まります。前回キャリブレーションなどせずにガイドができたと書きましたが、もしかしたらキャリブレーションが自動でされていたのに気づいていなかっただけなのかもしれません。今回はガイドの一番最初にキャリブレーションが始まりました。

問題は途中で「バックラッシュクリア失敗: ガイド星が十分に動きません」と出て止まってしまうことです。確かに最初のキャリブレーションではターゲット星は画面の中で動いているのがわかるのですが、バックラッシュを測定するときにターゲット星は全く動いていないようです。ここで、なぜ動かないのか少し悩みました。よくよく考えると、SWATは一軸制御で、バックラッシュというのは赤緯方向の調整だと気付き、当然動かないわけだというのに気付きました。

ところがさらにこのバックラッシュ調整をスキップする方法を探すのに悩みました。キャリブレーションの値を手入力で入れると確かにキャリブレーション自身をスキップできるのですが、どうもうまくガイドできません。おそらく制御ゲインと赤経の角度の設定が適当なのがまずいことはわかるのですが、どのような値がいいのかもまだよくわかりません。そこでマニュアルを読み込んでいくと、「脳みそマーク」のボタンを押して「詳細設定」を出し、「Algorithms」タブの「赤緯(Dec)ガイドモード」を「none」にすれば一軸制御になるということがやっとわかりました。これでやっとガイドができて、赤経のエラーは0.2から0.3ピクセルの範囲に無事に収まるようになりました。

もう一つ悩んだことがありました。ガイドがうまくいくようになったので、視野をM42に合わせてみて、実際にガイドを始めたら全くうまくいきません。念のためもう一度キャリブレーションを試したのですが、キャリブレーションも一番最初から全くうまくいきません。ガイド星を見失っているみたいです。よくよく見たら、キャリブレーション時にガイド星がジャンプしまくっていました。もしやと思い、SWATのリモコンを見直したら、一番下のスイッチが倍速モードに切り替えてありました。M42を入れるときに結構苦労して中心に持っていったので、そのときにリモコンで微調整したときに倍速モードに切り替えたのをすっかり忘れていました。ノーマルモードに切り替えたらその後は無事にガイドもでき、BackYard EOSでのM42の撮影に入りました。300秒露光で撮ったjpegの無加工のものを一枚載せておきます。23h59m57sからですが、人工衛星のラインが2本入っています。「ひまわり8号」、「ひまわり9号」のようです。そのちょっと前のコマには超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」も写っていました。

LIGHT_300s_1600iso_+18c_60D_20161203-23h59m57s857ms


ちなみにSWAT-200の性能ですが、まだラフなテストだけですが、ノータッチガイドで180秒でも星像が流れないこともありますので、ピリオディックモーションに関してはAVXよりはいいように感じます。いずれきちんと測定します。問題はガイドをした時で、300秒の露光で星像が流れない時ももちろんあるのですが、12枚撮影し、最初の方は赤経方向にのみ流れているのが何枚かあり、後半は赤経方向にのみ何枚か流れているのがありました。ここら辺はまだ原因の解明中です。

いずれにせよ、SWAT-200での撮影はAVXをセットするよりははるかに軽く、荷物も少なく、手軽で、気楽です。電車で持って行けるレベルに収まりそうです。これがうまくいったら電視での自動導入の目的以外ではAVXを使わなくなるかもしれません。

今回思った改良したい点です。
  • CCDの視野の中心と鏡筒の視野の中心を合わせるのが難しいです。CCDの所に微動回転台が必要かもしれません。
  • 赤経方向の微調整はSWATの早送り機能を使えばいいのですが、鏡筒が自由雲台の上に乗っているので、赤緯方向のみ微調整するという手段がありません。こちらも赤緯方向のみ回転する台があってもいいかもしれません。
  • 撮影中はカメラのシャッターを押さない限り、望遠鏡の中心がどこを見ているのかわかりません。その場合はガイドCCDの画像で大まかな位置を合わせるのですが、ASI224 (3.75μm, 1304 × 976) + 50mmの画角が5.50° x 4.12°、一方焦点距離600mmのFS-60QにEOS 60D(CanonサイズのASP-C: 22.3 x 19.4mm)の場合の画角が2.13° x 1.42°で2.5倍くらいの開きがあります。CCDはファインダーとしては中途半端に画角が狭く、望遠鏡の中心を出したり、ガイド用としては中途半端に精度不足です。今のCCDにはもう少し焦点距離の長いレンズをつけて、もう一つ別に短い焦点距離のレンズをつけたファインダーがわりのCCDが欲しくなります。
  • 県天のYさんはRasberry Piを使いLinuxのガイドソフトで、全てWifi経由でリモート化しているそうです。寒い時は車の中からや自宅からの撮影の方がはるかに快適です。HUQさんが言っていたスティックPCの導入を本気で考え出しました。

その2に続きます。




 

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