ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:鏡筒 > FS-60Q

FS-60CBで色々試してきましたが、だいたい落ち着いたので、またエクステンダーをつけて焦点距離600mmのFS-60Qに戻しました。火曜日に引き続き、水曜日も晴れていたので、2夜連続の撮影になります。ターゲットはクラゲ星雲です。


機材セットアップ

  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間5分x28枚、計2時間20分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • フィルターサイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 日時: 2019年2月6日、20時50分から
  • 月齢: 1.6
撮影と画像処理

久しぶりのFS-60Qなので、画面が相当暗く感じました。当然ISOも3200と高くしていますが、それでも5分という露光時間をもう少し延ばしてもよかったかもしれません。そのせいでしょうか、仕上がりに透明感がないというか、ちょっとのっぺりしてしまっています。ヒストグラムのピーク位置が4から5分の1くらいだったので、おそらく階調不足だったのかと思います。

画像処理もいつもの通り、PixInsightでSaturationまでやって、その後はPhotoshopです。出来上がった画像です。

light_DBE1_PCC_stretched_sat_ps_denose_ps2a

(2021年1月13日追記: 新たに画像処理しなおしました。QBPを手に入れて初期の頃の上の画像と、いろいろクセなど分かった上での画像処理を施した下の結果を比較すると、随分変わっていることがわかります。。細部が出ているのはもちろん、恒星の色の再現がかなりマシになりました。恒星の肥大も防げています。Hαも赤一辺倒から、青成分、緑成分も入り階調豊かになっています。その一方、QBPの欠点でオレンジの恒星はやはり出にくく、また背景のノイズは露光時間不足からやはりまだ消し切れていません。)

masterLight_cut_ABE_PCC_AS_MS_STF_star_Saturation2_cut



次はFS-60Qの状態でAZ-GTiに戻り、赤道儀モードで2軸ガイドのリベンジです。成功率80%以上を目指したいです。



 

先日作った画像四隅切り抜きソフトを使って、FS-60CBでの星像を比較してみました。比較対象は焦点距離の長い順から
  1. FS-60CB + エクステンダー => FS60Q: F10、焦点距離600mm
  2. FS-60CB + 旧フラットナー(フラットナー FS-60C): F6.2、焦点距離370mm
  3. FS-60CB + 新フラットナー(FC/FSマルチフラットナー1.04): F6.2、焦点距離370mm
  4. FS-60CB + レデューサー(RD-C0.72×): F4.2、 焦点距離255mm
です。条件などです。

  • カメラは2番目の旧レデューサーのみEOS 60DでAPS-Cですが、他3つは6Dでフルサイズになります。
  • また、旧レデューサー以外はQuad Band Passフィルターが入っています。ほとんど影響はないと思いますが、稀に星像が歪むという報告もあるようなので、一応気に留めておいてください。
  • 撮影場所は全て富山市の自宅ですが、どれも撮影日が違うので、条件は同じでないことをご了承ください。
  • 画像は全て撮って出しのJPEGですが、ホワイトバランスはその時々でいじっているので色はあてにならないです。
  • 何も校正していないので、周辺減光を読み取るのは厳しいです。

それでも下に示す画像を見てもらえればわかりますが、同じ鏡筒でも取り付けるオプションによって星像の違いがはっきりと出るのがわかります。


エクステンダー: 600mm 

まずは、1番のエクステンダーです。四隅と真ん中をそれぞれ250ドット角で切り取った画像と、その元の画像(モンキー星雲)になります。

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四隅でもほぼ真円になっています。これなら全く文句ないです。


旧フラットナー: 370mm

次に旧フラットナーです。カメラが60DなのでAPS-Cサイズでの撮影であることに注意してください。北アメリカ星雲です。

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NORTH_AMERICA_LIGHT_60s_3200iso_+30c_20170913-21h38m38s996ms

やはり四隅がかなり流れているのがわかります。結局旧フラットナーではちゃんとした撮影はこの一枚だけでした。それでも天リフの今日の一枚に選ばれた感慨深い一枚です。

星像比較とは関係ないのですが、この画像の撮影日は2017年9月13日で一年以上前です。フィルターも何もなしで、ISO3200で露光時間1分ですが、他の3つと比べてこれだけかなり背景が明るくなっています。他の3つはQBPで露光時間を伸ばせているので、QBPの効果がかなり大きいことがわかります。


新フラットナー: 370mm

新型のフラットナーです。昨日の記事で出したものと同じ画像でカモメ星雲です。

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SEEGULL_LIGHT_6D_300s_800_+9cc_20190205-21h20m00s179ms


星像ですがほぼ真円。それでも拡大してエクステンダーとよく見比べてみると、四隅で極々僅かに円周方向に伸びているのがわかります。でもこれくらいなら私的には十分許容範囲です。


レデューサー: 255mm

最後はレデューサーです。オリオン座のM42と馬頭星雲一帯です。

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ORION_LIGHT_6D_300s_800_+5cc_20190114-22h39m34s849ms_4cut

まず、広角なのでさすがに周辺減光が目立ってくることがわかります。フラット補正は必須でしょう。星像も真ん中はまだそれほどでもないですが、四隅では円周方向にもそれと垂直にも伸びていて、十字のように見えます。それでも旧フラットナーよりはましですが、新フラットナーには完全に負けています。

拡大しなければ気にならない範囲とも言えますが、これは画像処理での補正方法を検討した方がいいのかと思います。ちょっと色々試してみようと思います。


まとめ

今回はFS-60CBについて、4種類のアダプターを試してみました。結果としては

エクステンダー > 新フラットナー >  レデューサー >> 旧フラットナー

といったとことでしょうか。ほぼ評判通りで、メーカーの言っていることも正しいと思います。やっぱり自分で確かめると納得しますね。細かい違いもよくわかりました。

できれば、これをレンズ設計ソフトで再現してみたいです。だれかFS-60CBのレンズデータとかどこかにあるか知りませんでしょうか?タカハシに聞いてもさすがに教えてくれないだろうなあ。


今回、関東方面に用事があったので、少し天文ショップを回ってみました。

SKYBIRD

SKYBIRDへはJR中央線の西国分寺からが便利です。地図で見ると西国分寺駅からもJR武蔵野線の北府中駅からも同じような距離にあります。いずれも駅から府中街道沿いに1km程度歩く必要がありますが、散歩にちょうどいいくらいの距離で、15分くらいで到着します。行きは軽い下り坂になっていて、思ったより大した距離ではありませんでした。店の前には1台分とのことですが、駐車スペースもあるので車での来店も可能のようです。 

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これまでも関東の天文ショップは何度も訪れているのですが、ここは今回初めて訪問するショップになります。といっても、SKYBIRDさんは星まつりに毎回出展されているショップで、星まつりでは格安機材で何度もお世話になっているので、S店長さんの顔はよく知っています。店に入った瞬間に店長さんにも気づいてもらえました。原村、胎内、福島、小海と主要星まつりは毎回出展されているというので、もう10回くらい顔を合わせていることになります。とっても気さくな方で、今回も色々お話しさせていただきました。

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SKYBIRDですが、この場所で店を構えてもう25年くらいになるとのことです。私の大学時代の先輩で、たまにこのブログにもコメントをくれるHBさんご用達のショップで、固定客が多いのもこの店の特徴のようです。こういったショップが近くにあると心強いかと思います。

ショップの中は所狭しと新旧の機材が並べられています。中でも目を引いたのは下の写真のMEADEの180mmの屈折望遠鏡と、GOTOの210mmの反射望遠鏡でした。赤道儀も合わせるとかなり大型の部類で、重そうなのですが、観望会の時にはよく持ち出しているそうです。ここは三鷹にある国立天文台にも近くて、年に一度の一般公開の日にはSKYBIARDさんもブースを出して、これらの大型望遠鏡を持って行くそうです。下の写真の奥の方にちらっと写っていますが、MEADEのカイザーも置いてあります。でもこれらの望遠鏡には値段がついていなくて、聞いたら店長さんが好きで集めているものらしいです。

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MEADEの180mmと、店長さんが写っている写真の真ん中から少し左側にある長いGOTOの望遠鏡はテレビ東京のドラマ、天文メーカーの社長が殺されたとかいうやつですが、あのドラマに使われたそうです。あいにく富山では見ることができなかったのですが、Vixenの社長室が撮影に使われたとかで、数少ない天文ドラマでできれば見たかったです。

今回機材を買うことはなかったのですが、昔のあまり見たことない書籍が結構あったので、その中で2冊だけ買いました。天文ガイド編集部編の「天体望遠鏡の作り方」と、別冊星ナビの「望遠鏡カタログ2008-2009」です。前者は写真を多用した制作のコツのような本で、鏡の磨き方から、鏡筒の筒の部分の作り方、電気工作にまで渡っています。最終章はドームの作り方で、いつか参考になりそうです。後者は、VixenのポルタA80Mfが出た時の話とか、MEADE、Celestron、さらにVixenまで交えて自動導入の記事がまとまっています。自動導入が充実してきたような時期なのでしょうか。時間のある時に隅から隅まで読んでみたいです。

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店長さんが最近本が売れないと言っていましたが、私は今だに本は好きです。ネットは確かに細かいことなど調べれば出てきますが、まとまった資料だとか、信頼性という意味では書籍はまだまだ価値があるかと思います。あ、店長さんは「無理して買い物しなくていいですよ」とのこと。「また星まつりでいいもの探してください」だそうです。

結局、小一時間で店を出て、まだ時間があったので次の店へ。


秋葉原へ: ヨドバシカメラ、キタムラ、スターベース

秋葉原まで移動してスターベースへ向かいます。

とその前に、ヨドバシカメラが13, 18, 20%のポイント還元セールをやっているというので、双眼鏡を見に行きました。Kenkoの60周年記念の60台限定のフラッグシップモデルがセールの対象になっていてかなり安くなっていると、誰かのTwitterのつぶやきで出ていたからです。双眼鏡売り場に行くと実際にまだ残っていて、見比べることができました。でも実は私、双眼鏡の良さがまだよくわかっていないので、いい機会なので店舗にある安いのから10万円くらいまでのものも見比べてみました。確かに値段に比例して収差が小さくなっていったり、周辺もボケたりしないのはわかりますが、本当に値段に比例しているかというと、どうもそうでもないみたいにも見えてしまい、正直まだそこまで価値と価格が比例していません。もっとも、10万円を超えるような高級機はショーケースの中に入っていてセール対象外なので、こういった機種とその場で見比べるとさらに違いがあるのかもしれません。

さらに寄り道で、カメラのキタムラに寄りました。ジャンクレンズは食指が動かず。α7Sが安くなってきているので、いつか欲しいなと思いながらまだ手が出ず。結局買ったのはレンズ袋だけでした。NIKONのレンズの袋がいろんなサイズでカゴに入っていて、一つ300円だったので、各種買ってきました。5つありますが径と長さが全部違います。

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さて、やっとスターベスです。ここでは今回少しばかり投資をしました。FS-60CB用のフラットナーとレデューサーです。

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フラットナーは昨年秋くらいに発売開始された新しいもので、小海の星と空のフェスティバルでのスターベースの講演でも比較画像を見せてもらったのですが、今回その時の講演者のS君に実際に店舗でも比較画像を見せてもらいました。旧フラットナーは持っているのですが、旧型に比べて新型のフラットナーは、実際相当よくなっています。それでもS君によるとやはりほんの少し収差は残るようですが、ここら辺を正直に見せてくれたのは非常に好意的で、LightRoomの「レンズ補正」の「色収差の除去」でかなり改善されるなど、その対策も教えてくれたのでとても助かります。

一方レデューサーは新フラットナーよりももう少し星像が崩れるようです。レデューサー内側の迷光の影響が出るのと、少しコマ収差のようなものがあるかもしれないと言っていました。S君が自分で先週実際に撮ってきた画像で解説してくれました。フルサイズの長辺の真ん中と端のちょうど中間点くらいをライブビューで見て合わせると、周辺まで含めて一番よくなるとのことです。ただし、ライブビューで見たもの、撮って出しで見たもの、炙り出してみたもので、それぞれ像が異なるので難しいと言っていました。また、これらはLightRoomのフレア除去で取れるとのこと。ここら辺はまだ理解できていないので、これは自分でも試してみる必要がありそうです。

欠点ばかり書きましたが、これは相当に改善された上での残りの極微小な星像の歪みのことを言っているだけで、多分私では気にならないくらいのレベルの話だと思います。

実はフラットナーとレデューサの購入を決意したのはQuad Band Pass(QBP)フィルターの影響が大きくて、自宅でも気楽に撮影が楽しめそうで、その際の画角をもう少し柔軟に調整したかったというところから来ています。まだ画像処理が済んでいないので記事にしていないのですが、先日自宅の庭で新月期にQBPを使いモンキー星雲を撮影しました。下の写真は何の加工もしていない5分露光のjpg撮って出しの一枚画像です。撮影途中に見た時びっくりしました。フィルターを入れるだけでこれだけ出てくると、自宅撮影でもっと気軽に色々と撮ってみたくなります。

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そこで、違う焦点距離の鏡筒を新たに揃えるよりも、今でも綺麗に撮れているFS-60Qに、FS-60CBでフラットナーとレデューサーをつければ、新たに性能のいい別の焦点距離の鏡筒を、コストパフォーマンス良く2本追加で手に入れたのと同じことになると考えたからです。これで600mm F10, 370mm F6.2, 255mm F4.2と焦点距離が3種類選べ、さらにフルサイズの6D、フォーサーズのASI294などと合わせて、かなりの範囲の画角を柔軟に調整することができます。

あと珍しかったのが、ロスマンディー規格の長さ400mmのアリガタです。300mmまではよく見るのですが、400mmはあまり見たことがないのと、長さの割に格安で出ていたので、これも買ってしまいました。手持ちのMEADEのLX200-25に使おうと思っています。今はVixen規格のアリガタで固定しているのですが、少し心もとなくて幅広のロスマンディー規格のものが欲しいとずっと思っていたので、ちょうど良かったです。

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ちなみに、写真に写っている左のレンズは一枚 50円で売られていたもので、凹凸の組み合わせで3セット。最近レンズ設計が面白いので、遊びで色消しレンズとか試せそうです。


帰りがけに秋葉原で肉汁ラーメンを食べてきました。ラーメンに乗っかる豚肉の量が選べるのですが、一番小さなものから2つ目を選んでも200g。十分すぎる量でした。

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前回のASI294MCのファーストライトはほんの晴れ間でしたが、12月21日、昼間くらいから本当に久しぶりに晴れ渡ったので、やっと念願のASI294MCのフルテストができそうでした。前回赤道儀を使ったのは記録によると11月27日。さすがに北陸といっても天気悪すぎです。

場所は自宅の庭。セットアップとしては口径60mm、焦点距離600mmのFS-60QをAdvanced VXに載せたいつものものです。たくさんやりたいことはありましたが、残念ながら途中から雲が出てきてしまい、結局試せたのは焦点距離600mmでの電視で、数も限られた天体だけでした。

これまで電視はセンサーサイズが1/3インチとかなり小さいASI224MCであったため、焦点距離の355mmと短いFS-60CBにさらに0.5倍のレデューサーをつけて、焦点距離が180mm程度になっていました。今回はASI294MCでセンサーサイズが4/3インチと、これまでに比べて各辺で4倍、面積で16倍と大きくなったため、焦点距離が600mmと4倍くらい長いFS-60Q状態で使えるようになりました。その代わり、4倍くらい暗くなっているので、そこらへんがどうなっているかが見ものです。

最初はM31、アンドロメダ銀河です。いつものようにPCの画面をiPhoneで写しているだけで、実際の見え味にかなり近いものです。これで6.4秒露光を16回スタックしたものです。スタック回数は適当な時に写真を撮っただけで、こんなにスタックしなくても数回でそこそこ見えるくらいになってきます。

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新しいASI294MCでの電視によるアンドロメダ銀河。


先月11月に志摩に遠征に行った時にASI224MCで撮ったものが下になります。空は志摩の方が圧倒的にいいです。今回のは自宅で、しかも決して環境がいい方ではないですが、それでも今回の方が全然良くなっていることがわかります。ソフトの進歩もあるでしょうが、やはりカメラの差だと思います。

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これまでのASI224MCでの電視によるアンドロメダ銀河。

相違点を上げていきます。

  • ノイズが以前よりかなり少なくなっています。確かに実際にノイズ自身少なくなっているようなのですが、解像度がかなり高くなっているので、そのことによりノイズが目立たなくて少なくなっているような印象も受けます。
  • 飽和しているエリアが小さくなっています。これはダイナミックレンジが増えた効果、もしくはfull wellが大きくなった効果といっていいと思います。
  • 0.5倍のレデューサーのせいでしょうか、星像がかなり歪んでいたのが、今回は綺麗な点像になっています。
  • 色もより自然になっています。これはヒストグラムを見ながら調整できるせいでしょう。
  • やはり今回焦点距離が長く以前より暗いので、ゲインを最大の570にしてしまっています。最大ゲインでこれくらいのノイズで抑えられているのもすごいのですが、それでも6.4秒くらいの露光時間がないと写りが悪くなります。また、これ以上露光時間を長くするとリアルタイム性がなくなってきます。もう少し明るい鏡筒にしたいです。
これまでずっと電視を試して来て色々不満な点もありましたが、それでもやっと満足できるレベルになって来ました。M31が自宅で、しかもその場でリアルタイムでこれだけ見えるのなら、電視観望としてはもう実用と言っていいレベルなのかと思います。



次はM45、プレアデス星団です。

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ASI294MCで見たプレアデス星団。

さすがに自宅だと分子間雲が少し見えるくらいです。だんだん霞みがかってきたので、もう少し空がいい日ならば自宅でもまだましになるかと思います。

下が、去年の10月に同じ自宅でASI224MCで見た時です。飛びまくっていますし、かなり無理して色を出していました。今回の上の方が無理をせずに自然な色になっているのがわかります。分子間雲も自然な感じで見えています。

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昨年10月に同じ自宅でASI224MCで見たプレアデス星団。


M1、カニ星雲はさすがにフィラメントまでは見えませんでした。所詮600mmでかなり小さくしか見えないので、相当拡大しています。そのためノイジーに見えてしまいます。実はM1を見たのは一人メシエマラソンの時だけで、その時も月明かりでほとんど全く見えなかったので、実質初めてかもしれません。これは長焦点でリベンジしてみたいです。

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最後はM42、オリオン大星雲です。

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もう雲がかかってきてしまっています。ギリギリで最後に撮ったものです。晴れていればこれはさすがにもっともっと綺麗に見えるはずです。これ以降は完全に雲がかかってしまい、今日はここまでになってしまいました。

実は雲の中、ASI294MCに手持ちのシグマの10-22mmのf3.5のレンズをつけて、かなりの広角でも見てみました。写真には残さなかったですが、目で星がほとんど何も見えない状態でも、雲の薄いところだと星を炙り出してくれます。さすがにこれくらいの広角だと複数の星座が一度に余裕で見える画角なので、都会の観望会で星座をトレースするのに使えるかもしれません。これはセンサーサイズも解像度も足りないASI224MCでも、明るさがどうしても足りないASI178MCにもできなかった芸当です。ASI294MCの利点の一つになるかと思います。またもう少し晴れた日にきちんと試してみます。

とりあえず、少しですがASI294の実力がわかってきました。はっきり言って電視目的にはかなり満足できるレベルになりそうです。ただし、センサーサイズの拡大に伴って焦点距離が長い鏡筒になってくると、そもそも暗くなってくるので、もう少し口径の大きい鏡筒を使った方がより露光時間を短くできるので、より臨場感が出そうです。最初に買った口径20cm、F4のニュートン反射のBKP200がいよいよ再稼働かもしれません。口径比では(20cm/6cm)^2 ~ 11.1倍の明るさ、焦点距離で(600mm/800mm)^2 ~ 0.56の明るさになるので、11.1 x 0.56 = 6.2となり、ざっくり6分の1の時間で同じように見えるはずです。今回更新6.4秒だったので、1秒になれば相当リアルタイム性が出るかと思います。それに伴い、視野が少し狭くなるのですが、ギリギリ許容範囲かもしれません。もったいないですが、これに安価な0.5倍のレデューサを入れるか。これだとより広角に見えて、明るさは4倍です。カメラの解像度はPCの画面の解像度に比べてあり余るほどあるので、適当にズームすればよく、こちらの方が有利かもしれません。

もう一つ、今思い出したことがありました。解像度が高いので有効活用するために途中ビニングをしたのですが、この効果がいまいち見えません。例えば2x2でビニングすると解像度は半分になるので画面の大きさはSharpCap上で4分の1の面積になります。これは確かめることができました。ただし、そのぶん明るくなって欲しいのですが、画面で見てもヒストグラムで見ても変化があるようには見えません。もしかしたらバグなのかもしれません。そして、分解能が下がるのに伴ってノイズの解像度も下がるので、点々が目立つようになってしまい、実質余計ノイジーになったように見えてしまいます。3x3、4x4のビニングでも同様です。もう少しバージョンが安定するまで見続ける必要がありそうです。



まだまだ試したいことだらけです。冬なのでペースが天気にものすごく左右されますが、できる範囲で色々やっていこうと思います。



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今日のセットアップ。この時はまだ極軸合わせのため、
ASI294MCが鏡筒の上に載っています。

2017/1/14の午前2時半頃寝るときに外を見たら、一瞬だけ雲間から星と満月に近い月が見え、雪景色で周りが明るく、とても幻想的な世界でした。写真を撮っておけばよかったのですが、眠くて諦めました。

朝起きても富山は連日の大雪で、星に関することは何もできません。せっかくの休日の昼間なので、以前秋葉原で見つけてきた格安減速機をやっと取り付ける気になりました。最近ピントがイマイチで撮影をしてしまったので、うまく取り付けることができたらリベンジしたいと思っていたところです。

今回使ったのは7分の1の減速機です。というか、7分の1しか見つけることができませんでした。タカハシ純正のも7分の1なので、もしかしたら減速機自身を製作している場所は全部同じなのかもしれません。取り付け方法は色々考えたのですが、極力シンプルにというのを方針としました。

まず、使った部品は次の写真のような、減速機本体、M4のキャップネジ、コメリで110円で買ってきたプレートの3点です。

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FS-60Qのピント回転つまみを外すのは最初少し戸惑うかもしれません。つまみ中心についているネジを外し、少し力を入れてつまみを引っ張ると、テーバー部分の摩擦で付いていた所からパカっと外れます。これはなかなかうまい機構で、ネジを締めると摩擦力が増すので、プラスチックのような柔らかいつまみでも壊れることなくうまく微少変形して軸と固定されます。

ここに新たな減速機を固定する必要があります。今回はM4のキャップネジを減速機側の穴に入れて固定し、そのネジで最初についていたネジと同じように、摩擦で減速機を軸に固定する方法をとりました。ただし、キャップネジの頭の径が減速機の穴の径よりも大きいので、ネジの頭を削ることにしました。下の写真の左が元のネジ、右が削ったネジです。

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最初はドリルとヤスリでちまちま削っていたのですが、いかんせん能率が悪いので、途中からディスクグラインダーとドリルを併用して削ることにしました。これだとすぐ削れるのですが、最初一本削りすぎてゆるゆるになり、ネジが垂直にならなかったので、2本目は穴の径ギリギリにして少しきついくらいではめました。

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鏡筒側にねじ込むのはどこを持っても空回転するので、減速機のイモネジのところに六角レンチを入れ、レンチを回転軸回りに回す方向で締めると、ある程度きちんと締めることができました。

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ピント合わせつまみの近くの、鏡筒の真ん中についている穴が二つあるネジは、カニ目レンチで外します。ペンチでも簡単に外れますし、細いドライバー二本をクランプなどで固定してネジの二つの穴のの幅に合わせて外すなどの方法もあるのですが、どうせ必要と思いアマゾンで安いカニ目レンチを購入しました。

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カニ目レンチで外したネジをプレートの穴に入れるのですが、穴が少し小さかったため、M4.5mmのドリルで径を広げました。もう一方はM2の穴ですが、プレートの既存の穴では位置が合わないので、先の穴の中心から52mmくらいのところにドリルでM2の穴を開けました。ここのネジはすごく短いので、厚いプレートを使うとネジを交換しなくてはならなくなります。M2のネジは入手しにくいので、できればそのままついているものを使いたいです。少しでもネジ山を出すために、M3のドリルでテーパーのザグリを入れました。鏡筒の真ん中についているネジも実は短いので、厚いプレートを使うのは、(後で書きますが強度的な心配があまりないので)必要無いと思います。ねじを交換できるのなら、厚さは自由です。 

プレートをつけると以下のようになります。

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今回使ったプレートは0.8mm位の薄いものなので、強度的に心配でした。さらに減速機とプレートを固定するネジがM2のネジ一本なので、きちんと固定できるのかも心配していたのですが、意外にも減速機とプレートとの回転方向には力がほとんど入らないため、特に問題にはならないようです。それよりも減速機自身の回転軸の回転方向の遊びの方が大きいです。

完成した写真が以下の通りです。

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 アルカプレートも元々あったように付け直してありますが、今回付けたプレートの厚みの分だけ鏡筒中心の二つ穴のネジの頭が飛び出るので、元々隙間が小さかったアルカプレートと当たってしまいました。そのためM6のワッシャーを2枚アルカプレート下に挟むことで干渉を防いでいます。

最後に写真のように金属製のつまみをつけました。実際の動作ですが、減速機の動きもスムーズで、ガタもほとんど気にならなりません。自分の工作精度からは、珍しく綺麗にシンプルにできたと思います。減速機のぶん最大幅が2cm程大きくなってしまいましたが、これは仕方ありません。

つまみの径は少し小さいですが、それを考えなければ7倍の精度になるはずなので、実戦投入が楽しみです。

かかった値段はつまみを入れても、タカハシ純正の減速機の定価の10分の1以下でした。ただし、先日ユーシートレードに行った時に、参考にと思い純正の減速機を触らせてもらったのですが、減速機側だけでも高速回転と低速回転が両方とも使え、見栄えもはるかに良く、さすがにきちんと作ってありました。予算に余裕がある方には純正の方がはるかにいいということは、言うまでもありません。


 

Monotaroで頼んでいたものがやっと一部届いたので、その中の部品でCCDの固定方法をもっと丈夫になるように変えました。

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ついでにFS-60Qの固定方法を少し変えました。具体的には鏡筒バンドの上下を入れ替えたのですが、これは写真を見るとわかりますが、アルカプレートと鏡筒バンドを固定しているネジが一本だけなのがわかると思います。鏡筒バンドン仕様で上側は一本しか止められないのです。下側の方は2本のネジで止めることができます。これまで下が一本ネジ、上が2本ネジだったので、下の強度の方が重要と思いひっくり返したというわけです。

もう一つ、アルカプレート中央ラインの前側のネジを、上下ともつまみがついているものに変えました。これは、これまでアルカプレートと鏡筒バンドが前後共に固定ネジでしめてあったため、ピントを合わせる時に、前側の鏡筒バンドが緩むように鏡筒バンドのネジを緩めて、鏡筒バンドと鏡筒がずれていくことでピントを合わせていたのですが、滑りが悪く時折バネのようになってしまい、つまみの回転と鏡筒のズレがあまり線形でないため、ピントを合わせる時の微調整に苦労していました。今回、つまみ付きのネジをピントを合わせる際に毎回緩めることで、アルカプレートと鏡筒バンドが上下ともに相対的にずれるようになって、随分とスムーズに動くようになり、ピントつまみの応答がかなり線形になりました。これでピントもぐっと合わせやすくなるはずです。一方、この方法の欠点は、上下ネジを毎回緩めたり締めたりするために、特に下のネジに指でアクセスできるスペースを確保しなくてはならないことです。そのため、鏡筒全体の前後位置に多少制限がつきます。

あと、回転減速機の取り付け方法を考えていました。こちらは道具などを揃えているので、またうまく行きましたらレポートします。 

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