ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 電視観望

今回サイトロンさんから、まもなく発売される予定の入門用のCMOSカメラをお借りすることができました。まだ型番もついていない段階のものです。いい機会なので、このカメラを使ってできるだけ手軽な電視観望を試してみることにしました。

星や宇宙のことに興味があり、できるなら星雲や星団、銀河などを見てみたいけれども、難しいのではないかと思っているような方にお役に立てたらと思います。もしよければ、この記事を読んでぜひ電視観望を試してみてください。


電視観望で宇宙を見る

もしかしたら、星雲や銀河を見るためには大きな望遠鏡が必要だと思っていませんでしょうか?

昔は確かにそうだったかもしれません。でも最近はCMOSカメラと呼ばれる高感度なカメラを使うことで、以前からは考えられないくらい小さな望遠鏡で、はるかに手軽にきれいに星雲などを見ることができるようになってきました。今回もガイド橋と呼ばれる、むしろ普通の望遠鏡よりも小さな鏡筒を使っています。

今回紹介する電視観望と呼ばれている方法は、大きくわけて4つのものが必要になります。

  1. CMOSカメラ
  2. 鏡筒(望遠鏡)
  3. 自動導入の経緯台もしくは赤道儀と三脚
  4. Widowsコンピュータ
順番に見ていきましょう。


1. CMOSカメラ

カメラはCMOSカメラと呼ばれる、天体用に販売されているものが適しています。今回使用するサイトロン から販売されるCMOSカメラは、電視観望をすることができるカメラの中では最も安価な部類になると思います。

IMG_0805

実はこのカメラ、SVBONY社のSV305と同等品で、違いはフィルター部のみ。SV305はセンサーの前に赤外線カットのフィルターが入っているため、星雲のHαの赤色を出すのに苦労しているという情報があります。今回のサイトロン社のカメラはフィルター部を通常の保護ガラスに変えているとのことで期待できそうです。

上の写真にはカメラの先端にUV/IRカットフィルターというものがつけてあります。これは赤ハロと呼ばれる星が肥大することを防いだりする役割があります。


2. 鏡筒

カメラが入門用で比較的安価に購入できる反面、センサーの面積が小さく、天体の導入がなかなか大変になります。そのため、鏡筒(望遠鏡)はできるだけ短い焦点距離のものにして、広角で広い範囲を見るようにして、導入をしやすくしようと思います。例えば焦点距離が200mm台くらいになるとアンドロメダ銀河が画面にちょうど収まるくらいになります。ところが、焦点距離200mm台の短めの鏡筒を探すのは意外に難しく、今回はガイド鏡として販売されているSky-WatcherのEVOGUIDE 50EDを使ってみることにしました。



焦点距離は242mmなのでちょうどいいくらい、またEDレンズを使いながら税込で実売2万5千円くらいと、性能の割に比較的安価です。


EVOGUIDEを箱から出すと、ガイド用のマウントがついています。

IMG_0635

このままだと扱いにくく、経緯台や赤道儀に直接取り付けたいので、下のマウント部を取り外し、代わりにVixen規格のアリガタを取り付けました。

IMG_0641

IMG_0804

今回は上の写真のように手持ちのアリガタを使いましたが、例えば下のリンク先のアリガタのように真ん中に溝が切ってあるものならネジとナットで止めることができるはずです。このように、自分でいろいろカスタマイズすることで応用が広がります。




鏡筒にCMOSカメラを取り付け準備完了です。ちなみに、緑のリングはこれくらいの位置でピントが出るはずです。実際に使う場合は参考にしてみてください。

IMG_0817



3. 自動導入経緯台AZ-GTi

電視観望の場合、目的の天体を次々見ていくことになるので、自動導入ができる経緯台や赤道儀があると便利です。今回はSky-Watcherの自動導入経緯台AZ-GTiを使います。




AZ-GTiを三脚に乗せ、鏡筒とカメラを取り付けます。この時、AZ-GTiについている水準器を見て、きちんと水平に設置されているか確認します。また、AZ-GTiの背の部分についている大きなネジを緩めて、鏡筒もできるだけ水平になるようにして再びネジを締めます。さらに、AZ-GTiの下の方についている小さいネジを緩めて、水平方向に回転させて鏡筒の先が北になるように向け、最後にネジを締めます。

IMG_0653



4. Windowsコンピュータのセットアップ

電視観望にはWindowsコンピュータが必須です。ノートPCだと便利です。手持ちのPCがあればまずはそれで試すので構いませんし、もしあまりのPCとか無ければPCを別途用意して下さい。少し前の安い中古PCでも十分楽しむことができます。Windows10が入っている時代のものならば十分なはずです。

PCにはSharpCapというソフトを入れてください。この際、必ず32bit版を使うようにしてください。今回のカメラはまだ64bit版では動かないようです。



PCの準備ができたら、次に、カメラをコンピュータにUSBで接続します。USB2.0という少し前の規格になりますので、ケーブルの種類に気をつけてください。コネクタの中の色い白いプラスチック部分が見えるケーブルなら使うことができます。

SharpCapを立ち上げて、メニューのCameraのところから接続します。SharpCapからはSVBonyのSV305と認識されるので、やはり同等品ということがわかります。

さて、画面に何か写っていますでしょうか?鏡筒が水平を向いているので、鏡筒が向いている先の地上の何かが写っているはずです。でもおそらくピントが合っていないはずなので、ぼんやりと写るだけだと思います。最初慣れないうちはいきなり夜ではなく、昼間に試して遠くの方を見てピントをある程度合わせておいた方がいいかもしれません。


初期アラインメント

ここでAZ-GTiの電源を入れて、スマホやタブレットで接続します。スマホやタブレットにはあらかじめSynScanまたはSynScan Proを入れておいてください。「アラインメント」でどこか明るい星を導入し、どの方向を向いているのかAZ-GTiに教えてやります。最初はワンスターアラインメントでいいでしょう。火星などの明るく見える惑星でもいいですし、秋ならこの季節唯一の一等星のフォーマルハウトでもいいでしょう。

この状態でSharpCapの画面に移ります。まず、Exposure(露光時間)を1秒程度にします。Gain(ゲイン)はとりあえず7.5とかでいいでしょう。SharpCapの画面に何か反応があるはずです。

ここで重要なのは、右下の赤、青、緑の線が出ている「Display Histgram Stretch」画面で、真ん中の黄色の点線を左の山の手前まで動かし、一番左の黄色い点線を山の左側まで持ってくることです。こうすることで、暗く映りにくい星や、星雲などを明るく映し出すことができます。

この状態で星が既に写っていればいいですが、写っていなければピントが合っていない可能性が高いです。EVOGUIDEの場合は、太い緑リングの横の少し大きめのネジを緩めて、その緑リングをクルクル回してピント位置を探します。ピントが合ったら、先ほど緩めた大きめのネジを締めて置きましょう。これでこれ以上ピントはずれないはずです。

どうしても星が見えない場合は、鏡筒がきちんと星の方向を向いているか、(よくあることですが)レンズキャップがついたままになっていないかなどチェックしてみてください。

何かの星が見えたら、最初にターゲットにした明るい恒星がSharpCapの画面に入っているか確認してみてください。入っていなければSynScanでAZ-GTiをコントロールして鏡筒の向きを変えて、ターゲットの恒星を探します。三脚の水平がきちんと取れていれば、SynScanの左右ボタンだけを押して左右に振るだけで見えるはずです。それでももし見えなかったら、上下方向も少し動かしてみてください。

うまくターゲットの星が入ったら初期アラインメントは完了です。ではいよいよ星雲や銀河で電視観望を始めましょう。


電視観望の開始!

例えば秋ならM31「アンドロメダ銀河」を見てみましょう。SynScanで「ディープスカイ」からメシエのところに「31」と入れるか、「名前がつけられた天体」を押して「アンドロメダ星雲」(銀河なのに何故か星雲となっています)を探して押します。

アンドロメダ銀河は、SharpCapの画面上でボーッとした淡い楕円に見えるはずです。明らかに他の星とは違って見えます。もし画面内にそのような楕円が入っていなかったら、SynScanの方向ボタンを押して少し周りを探ると(初期アラインメントさえうまくいっていたら)それほど遠くない位置に見つかるはずです。うまく画面内に入ってきたら、できるだけ真ん中に持っていってください。

ここでSharpCapで露光時間(Exposure)を15秒くらいにしてみて下さい。よりはっきり見えてきたと思います。もっとはっきりさせたい場合、SharpCapの上の真ん中らへんの「Live Stack」というボタンを押してください。しばらく待つと、見えている画面が何枚も重なってノイズが減り、より天体がはっきり見えてくるはずです。その際、画面下のヒストグラムの左と中央の黄色い点線を先ほどと同じように、山の両側に持ってきてください。さらに、画面右の小さなヒストグラムに拡大された山が見えると思います、そこで微調整してみてください。

うまくいくとアンドロメダ銀河が下の画面くらい見えるようになると思います。暗黒帯も少し見えていて構造もわかると思います。近くのM32も見えていますね。

IMG_0675

ヒストグラムの黄色い点線の位置は写真くらいの位置で見やすくなると思います。参考にして下さい。


星雲、銀河が次々と!

一つ目ん天体が見え、十分満喫できたら、次のターゲットに挑戦してみましょう。

例えばアンドロメダ銀河のすぐ近くにある、さんかく座のM33回転銀河です。近い天体なので、アンドロメダ銀河がきちんと入っていればM33も問題なく入るはずです。アンドロメダ銀河に比べると流石に淡いですが、なんとか形は分かります。

IMG_0678


だんだん時間が経つと、冬の代表的な星雲のM42オリオン座大星雲も登ってきます。濃淡の広がりがよくわかる大迫力の星雲です。目ではなかなか見えないのに、こんなに色鮮やかな天体が夜空には隠れてるんですね。

IMG_0702


オリオン大星雲の近くにある馬頭星雲と燃える木です。燃える木はまだ見えていますが、馬頭星雲の方はさすがに淡いです。もう少し露光時間を伸ばした方がいいのかもしれません。上に見える明るい星は、オリオン座の三つ星の一つ「アルニタク」です。

IMG_0698


最後はM45「プレアデス星団」、和名で「すばる」です。青い分子雲も多少見えています。これは少し驚きました。今回自宅から電視観望をしているのですが、分子雲がこの場所でこんなに見えるのは初めてです。馬頭星雲は相当淡かったですが、すばるの分子雲は期待した以上に見えました。どうもこのカメラは赤よりも青い方の方が見やすいようです。

IMG_0696


まとめ

いかがでしたでしょうか?比較的安価なSV305相当で、かつフィルター部分が星雲用に改善された、サイトロンからまもなく販売されるCMOSカメラを使って、どんな機材を使えば電視観望ができるかを紹介してみました。

この記事を見て電視観望に挑戦してみようと思っている方、実際に挑戦してみた方、もし分からないことがあったらメントに書き込んでください。できる限り答えようと思っています。また、うまくいった!という報告も大歓迎です。

昨晩とても晴れていたので、SharpCapを使った一眼レフカメラでの電視観望テストの第2段です。


SharpCap3.3β接続確認状況

まずはこれまで私が聞いた可動情報を書いておきます。情報は全てTwitterや本ブログのコメント、個別のやりとりなどです。

(9月22日午後23時10分現在)

Canon

  • EOS 6D (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS 6D (RAINYさん): 動作確認済、ASCOMドライバーでのLive ViewオプションでCapture Areaがデフォルトでは960X640なることを確認
  • EOS X7i (ぺんぱるさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • EOS 6D Mark II (steorraさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • EOS R (steorraさん): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーレスで初確認
  • EOS Ra (steorraさん): さすがに試すのを躊躇
  • EOS X2 (ソルトさん): 接続してミラーアップはするが、シャッター切れずエラー
  • EOS RP (リュウさん): 動作確認済
  • EOS 7D (kumbenさん): 動作確認済
  • EOS 60D (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS X5 (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS M  (薜さん): 動作せず

Nikon
  • D750 (智さん): 動作確認、ミラーアップモードでは動作せず
  • D5000 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D810 (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、一度本体動作しなくなった、復帰後に動作確認済、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能、重い
  • D810a (あぷらなーとさん): さすがに試すのを躊躇
  • D5300 (ソルトさん): 動作せず
  • D50 (智さん): 動作せず
  • D7000 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • CooLPix B700 (ソルトさん): 動作せず
  • D3300 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能(SDカード必須)
  • D3100 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能(SDカード未確認)
  • Z6 (OSAさん): 動作確認済、LiveStack可能、サイレント撮影モード(シャッター動作による振動とシャッター音を出さずに撮影できる)は動かなかった
  • D3 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D300 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D90 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D610 (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D810a (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能、重い

PENTAX
  • K-30 (ソルトさん): 動作確認済
  • K-S2 (ソルトさん): 動作せず
  • K-50 (ソルトさん): 動作確認済
  • KP (薜さん): 動作せず
  • ist D (ソルトさん): 動作確認済
  • K100D (ソルトさん): 動作確認済
  • K-70 (Shinjiさん): 動作確認済、LiveStack可能

SONY
  • α7S or α7SII?(HUQさん): 動作せず

もし上記リストの訂正や、漏れている方で載せておきたい方がいましたら、Twitterかコメントに書いておいてください。上のリストをアップデートしておきます。また公開したくないという方がいましたら、TwitterのDMかコメントに書いてください。後でコメント自身も消しておきます。


さあ、6D電視観望の2回目のテストだ!

一昨晩は台風のせいか風も強かったのですが、昨晩は晴れて、風が吹いた後のこともあり透明度がそこそこ良かったです。でも21時半頃から月が出るので、長時間撮影も気が引けます。なので、まずは21時半まで少し暗いところに行って天の川撮影。これはまた記事にします。結局22時過ぎに自宅に戻って、眼視、惑星、電視観望と選択肢がありましたが、この日はやっぱりまだホットな一眼レフ電視観望です。

今回の目的はとにかく実践で使ってみること。できる限りいろんなところに向けて、これくらいまで見え、これくらいの使用にまで耐えうるとかいうことを示したいと思います。

前回のテストと少し変更したところがあります。まずはレンズですが、前回はNikonの135mm F2.8でしたが、今回はPENTAX 6x7の中判レンズの165mm F2.8です。理由は、周辺減光が顕著で、しかも色によって反応が多少違うようで、結果四隅に行くに従ってひどくなるカブリのようになってしまい、炙り出しが制限されるからです。フラット補正をリアルタイムでやってもいいのですが、いまだにうまく行ったことがなくて、今回も躊躇してしまいました。

もう一つの変更点は、今回Stick PCを使ったことです。前回はSurface PCなので、そこそこ速いですが少し大きいです。普段撮影用に使うStick PCが使えれば、さらにコンパクトにできます。


準備とトラブル

さて、まずは前回の状態の復帰です。機材はシンプルでポン置きでいいので、楽なもんです。レンズを水平にそこそこ北向きになるようにセットして、AZ-GTiでアラインメントを始めます。広角なので1スターアラインメントでもう十分です。計算によると3.65°x2.45°だそうです。これくらいの精度で最初置くだけでターゲットが視野に入ってくるので、まず取りこぼすことがありません。さすがフルサイズセンサーです。

すぐに網状星雲まで入って、画像が取り込めるようになったので、一つ新しいことを試しました。前回の一番大きな問題が、LiveViewモードの間シャッターをずっと「カシャン、カシャン」と切り続けること。6D本体のモニターをオンにすることでシャッターを開けっぱなしにしてかどうできないかです。

IMG_0574
一枚撮りではリモートでカラーバランスを調整できないです。
必要なら本体の方で色を合わせる必要があります。

まずSharpCapのStillモードで撮影開始してないときに、カメラ本体のモニター開始ボタンを押したらシャッターが開いて、SharpCapも落ちたりしないので、このまま行けるか!と期待しました。さらにSharpCapでLiveViewモードにして撮影開始しても音も鳴らずOKかと一瞬思いました。ところが、一枚撮影が終わったらわざわざシャッターを一度閉じて!?またすぐ開いて次の撮影にいくのです。結局各枚各枚の撮影終了時に必ずシャッターを閉じるという機能が働くらしくて、モニターオフにしている時と同じことでした。

さて、次にLiveViewへの移行です。途中SharpCapが落ちることが何度かありました。しかも一度落ちると、SharpCapを立ち上げ直してもASCMOの設定画面に行ってしまい、その後それを繰り返しカメラとの接続ができなくなってしまいました。SharpCapの立ち上げでも、カメラ本体の再起動でも解決しなくて、しばらくはPCの再起動で解決していたのですが、途中からタスクマネージャーで見てみるとSharpCapのゴミプロセスが残っていて、それを消すと再度SharpCapが問題なく立ち上がることに気づきました。

IMG_0573
こんなエラーが出て、これ以降接続できなくなりました。
でも実は反応がものすごく遅くなってるだけで、
分単位で待つと反応したりする時もあります。
SharpCapのゴミプロセスが残っているために起こる現象です。 

何度かやっているうちに、LiveStackに行こうとすると必ずSharpCapが落ちることに気づきました。前回とSharpCapのバージョンが違うのではとかも疑ったのですが、それも同じ。違うのはPCだけだということに気付いて、Stick PCから前回のSurface PCに戻しました。すると全く問題なくLiveStackに移行します。というより改めてSurfaceに戻ると、いかにStick PCでのSharpCapの反応が遅かったかに気づきました。少なくとも3.2の普通のCMOSカメラを繋いでいる時まではそんなことは気にならなかったので、今の3.3βと6Dは相当重いことになります。CPUが非力なためなのか、もしくはUSBの接続が遅い可能性もあります。でもUSB2.0って流石に転送速度に差が出るとは思えないので、やはりCPUの違いかなと思ってます。


充実の電視観望フルツアー

さて、これ以降は極めて順調。シャッター回数を節約したいので、15秒露光にしました。ISOは6400です。回った順番に示していきます。

状況はというと、月齢21日の半月以上の大きい月が出ていて、富山の中心の街から少し離れた住宅地です。普通なら決して星雲を見るようないい状況ではないです。そのため、QBPを入れてます。

  • 網状星雲です。赤と緑の色の違いもはっきり見えてます。
IMG_0576
LiveStackになると色バランスをリモートで調整することができるようになります。

  • 小さなM27亜鈴状星雲
IMG_0578
左端にかわいいM27が見えてます(笑)。
面倒だったので真ん中に持ってくのをサボりました。
この前にM57を見ましたが、流石に小さすぎました。
これくらいの大きさの天体だとレンズの焦点距離を伸ばす必要があります。


IMG_0584

拡大するともう少し形もわかりますが、恒星のハロが目立ちます。
レンズのせいです。
赤外起因だとしたらもしかしたらCBPにすると消えるかも。

  • M31アンドロメダ銀河、QBPは銀が苦手かもと思ってましたが、意外にいいかも
IMG_0587
構造も少しわかります。


  • らせん星雲
IMG_0590

  • 北アメリカ星雲一帯、ここまではっきり見えると迫力あります
IMG_0594

  • 白鳥座のサドル付近
IMG_0596
左下に小さく三日月星雲も見えます。

  • M33さんかく座銀河
IMG_0598
かろうじて腕らしきものが見えるくらいでしょうか。


  • カリフォルニア星雲
IMG_0599
月が近くにあるので、かなりカブってます。それでもこれくらい見えました。

  • ハート星雲と胎児星雲
IMG_0604
ここまで見えるとは。
でもかなり炙り出してるので周辺減光が目立ちます。

IMG_0611
でもセンサーの解像度はあるので、
多少拡大してしまえば周辺減光も気にならなくなってきます。

  • エンゼルフィシュ星雲?
IMG_0614
ここらへんはもうネタです。
まだ光度が低いのでほとんど見えません。
かろうじて右上を向く頭がわかるか?

  • のぼり掛けのM42オリオン大星雲と馬頭星雲、バーナードループ?
IMG_0618
これもネタです。黒い影は木の葉っぱです。
左端のカブリの中にバーナードループが淡く見えてます。
昇り立てで高度が低いのでこれくらい。
冬に向かって持って見やすくなるはずです。


M45プレアデス星団も導入したのですが、月が真横にあり、流石にダメでした。


まとめ

午前0時20分くらいから2時くらいまでの1時間40分。夏から冬までの星雲と銀河、もうフルコースです。ここまで見えれば大満足です。

一言で言うと、さすが撮影でも十分な実績がある6Dです。電視観望でも遺憾無く実力を発揮しています。センサーのピクセルサイズがASI294MC Proが4.6μm、6Dが6.3μmなので、一辺で1.4倍くらい大きいのです。1ピクセルの面積が大きければより多くの光子を取り込めるので、根本的に有利です。

かつ同じ焦点距離ならより広い面積を見ることができます。逆に同じ面積を見るならより焦点距離の長いレンズを使うことができるので、より暗い恒星を見ることができるはずです。実際に使ってみての感想は、確実にASI294MC Proよりも迫力があるということです。

その一方、シャッター回数の制限から一枚一枚の露光時間を長くせざるを得ないので、動きは少なくリアルタイム性には欠けます。ただ、移動する時は星の軌跡は写るので、それはみている人にとっては動きを感じるところで、全く動きがないというわけではないです。

さて、最後の画像の記録を見たら2時間近くで365回のシャッターを切っていました。15秒で一回なので、連続なら1分で4枚、1時間で240枚計算です。途中LiveViewモードからStillモードにしたりもしてたので、数的にはまあこんなもんでしょう。メカニカルシャッターの寿命が10万回だとすると、300回位観望回避r区と壊れる計算です。実際タイムラプスでは平気でこれくらいのシャッター回数になるので、15秒露光でのシャッター回数ならまあ許容範囲でしょうか。


今後やりたいこと

まだまだ試すべきことがたくさんあります。ソフト自身はアップデートを待つとして、手持ちでEOS X5があるので、これで電視観望できるかどうか。天体改造なしなので、赤は出にくいはずです。

X5の中古の値段が1万円台中くらいでしょうか。キットレンズ付きで2万ちょいです。これで本格的な電視観望が簡単にできるなら、裾野が広がりそうです。

あと、SharpCapからのプレートソルブを試してみたいです。これで導入が簡単になるかも。うまくいったらAZ-GTiなしで、StarSense ExplorerみたいなことがPCを使って実現しないかと思っています。そうするとハードは三脚と雲台とカメラとレンズ(とPC)だけで、ほぼ一般的な一眼レフカメラセットになるので、さらに敷居が下がるかもしれません。


昨日のSharpCapの一眼レフ対応の騒動から一夜明けてブログを書いています。まだちょっと興奮気味です。


SharpCapバージョンアップ間近

何日か前からSharpCapのβテストフォーラムで3.3βが間も無くリリースされるというニュースはあがっていました。金曜の夜にも確認し、そろそろかなと思って土曜の昼くらいに見たらすでにリリースされてるではないですか!

バージョン3.2から3.3βへの大きな変更点は、シーケンサー操作と、デジタル一眼レフカメラのサポートです。電視観望にとっては後者が重要です。


これまでの一眼レフへの対応状況

以前にもSharpCapで一眼レフを使う方法は少なからずありました。2018年の夏頃でしょうか、ASCOMの一眼レフカメラのドライバーを使ってSharpCapからアクセするするというものです。

でも実際私も6Dで試したりしたのですが、全く動きませんでした。その当時、幾らかの実際に動いた人がSharpCapでライブスタックを試したりもしていたそうですが、その方法はかなりトリッキーでした。カメラから直接、PC上のあるフォルダに画像ファイル書き込んで、そのフォルダ内のファイルをSharpCapが読み取ってスタックするというのが唯一の方法だったはずです。私の場合は、そもそもそれを試すところまでたどり着けない状態で、非常に不安定でした。

その後ちょくちょく気にしてはいましたが、年単位でなかなか進展がなく、そのため前回の記事のようにSIGMA fpに走って電視観望を試したりしていました。


なぜSharpCapと一眼レフカメラ?

ではそもそも、なぜSharpCapで一眼レフカメラが使えるといいのか?

一般的には撮影です。PCからカメラが制御できれば、ファイルのPCへの取り込みや、設定を変えながらの撮影、リモート操作などにつながります。でもこれらのことはこれまでも、少なくともCanonの場合はEOS UtilityやBackYardEOSを使うことでかなり以前から実現されてます。まだ私は試してませんが最近ではNINAを使ってもできるはずです。

でもSharpCapでしかできないことがあります。一般的にいう天体写真の画像処理を、簡易的にですがリアルタイムでしてしまうことです。オートストレッチやヒストグラムを見ながらのマニュアルストレッチ、LiveStackを使ってのノイズ緩和、ダーク補正やフラット補正もリアルタイムでできてしまいます。

さらにスタック時には、撮影した画面を元に星が重なるように画面を移動して追いかけます。しかもただ追いかけるだけでなく、個々の星の位置を認識し、画面を歪ませて星位置を合わせながらスタックしていきます。

これらの機能は、なかなか他のソフトでは実現できていなくて、今のところ知る限りSharpCapとASIStudioの中のASILiveのみです。これらの機能が電視観望へと繋がっていきます。快適な電視観望はこのような高度な機能の上に初めて成り立つのです。

SharpCapで一般の一眼レフカメラを使うことができると、より大きなセンサーをより安価に利用して電視観望を実現する道が開かれるのです。

そこにきて、昨日におけるSharpCap 3.3βのリリースです。まだβテスト段階に過ぎませんが、今回のバージョンでこれまで滞っていた一眼レフカメラのサポートが一気に進んだ感があります。


現段階での対応状況

さて、これらを動かすためにはASCOM環境がインストールされている必要があります。ASCOM Platformはここからダウンロードしてインストールします。DSLR(一眼レフカメラ)用のASMOMドライバーはいまだ開発段階のような状況で、私はここからダウンロードしました。インストールするとわかるのですが、接続方法は
  • CanonSdk
  • BackyardEOS
  • Nikon
  • Pentax
  • NikonLegacy
とあります。いくつかの説明を見る限り、LiveViewはCanonとNikonのみと書いてありますが、この説明も古い可能性がありますので、ここの機器の対応は現段階では自分で試す必要がありそうです。現状としては、
  • Canonは少なくとも私のところで動きました。
  • Nikonは智さん、あぷらなーとさんが動かしたという報告があります。ASCOMドライバーのカメラ選択のメニューで「ニコン」だと不安定でしたが、「ニコン・レガシー」だと比較的安定だったとのこと。
  • Sony用カメラのドライバーもあるようですが、Sonyカメラを持っていないので試せてはいません。 HUQさんが試したようですが、動かないと言っていました。
ところがです、あぷらなーとさんのところでNikonのD810をSharpCapで動かそうとしたらエラーで本体が壊れたという情報が流れました。幸い「バッテリーを抜いて強制電源OFFした後、電源を再投入してシャッターボタン長押し」で復帰したそうですが、まだ一番最初の一般向けのβテスト段階ですので、何か試す場合も自己責任で、くれぐれもご注意下さい。


SharpCapから実際に一眼レフを動かしてみる

さて、実際のテストの様子です。SharpCap3.3βのインストールはここを見てください。注意書きにもあり、また繰り返しにもなりますが、あくまでβテストです。自己責任で、人柱になるくらいの覚悟を持って、最悪機器が壊れてもいいような環境で試すことを強くお勧めします。撮影に使っている主力機などはまだこの段階では試すべきではないかもしれません。

IMG_0549


ASCOM関連もきちんとインストールしてあれば、あとはカメラとPCを繋ぐだけです。SharpCap3.3βを立ち上げてCameraのところを選ぶと、該当するカメラが出てきているはずです。それを選ぶと「カシャーン」シャッタを開ける音がして接続完了です。

この時点で「Snapshot」を押せば、撮影した画像が出てくるはずです。もし何も出て来なかったらカメラのキャップが外れてるかとか、露光時間が短か過ぎないかとか、ISOが低過ぎないかとかきちんと確かめてみてください。夜にいきなり本番で試す前に、一度昼間明るいところで試してみて、まずはきちんと動くかどうか確かめた方がいいと思います。


LiveViewモード

ここからが新機能です。メニュー下の左端にある新しい「LiveView」を押します。するとシャッターが「カシャーン、カシャーン、カシャーン」と鳴り始め、連続での撮影が始まります。これがこれまでのCMOSカメラでの通常の撮影にあたります。ずっとシャッターを切り続けるので、シャッター回数を気にする人はやはりまだ躊躇すべきかもしれません。もしくは露光時間を長くして対処した方が良いのかと思います。通常、これまでのCMOSカメラはメカニカルシャッターなどは、SharpCapでカメラを接続すると連続でずっと撮影をし続けています。

本当は電視シャッターを持っているか、もしくはミラーアップ撮影ができれば良いのですが、私のところのCanonでも、智さんのところのNikonでもミラーアップにした途端SharpCapが止まってしまいました。私のほうはまだマシで、ミラーアップを解除したらまたSharpCapが動き出したのですが、智さんのところはミラーアップにした途端エラーでSharpCapが落ちてしまったそうです。ここら辺は今後改良されることを期待するしかないと思います。


あと、少し理解しておいた方が良いことは、メニュー下の「Capture」とかは画像データをディスクに「保存する」ということを意味します。カメラを繋いだ段階で、保存はしなくても撮影(PCに画像を送ること)はし続けていて、保存はせずに画像を捨て続けているということです。一眼レフになってもこれは同じ概念のようで、シャッターを切り続けても、PC上のディスクにも、カメラ内の記録カードにも画像は一切保存されません。これがデフォルトの設定のようです。

表示された画像は、ヒストグラムの3本の線で見え方を変えることもできます。簡単なのは真ん中の線で、左右に動かすと明るくなったり暗くなったりするのがわかると思います。画像処理でのあぶり出しの効果を撮影している最中にできるというわけです。SharpCapの有料版のライセンスを持っている方は、オートストレッチもできます。ヒストグラム右の雷のようなボタンを押してください。簡単にある程度の最適化ができます。


とうとう、LiveStackができた! 

ここまでのテストが終わったら、次はLiveStackを立ち上げます。すると、シャッタを毎回切るとともに画像がスタックされていきます。これを見た時、おおっ!!!と感動しました。

とうとう念願だった一眼レフカメラによる電視観望で、リアルタイムに炙り出しまで実現できる道が開かれたことになります。

さらに、Live Stack中にSave Allというオプションを選ぶことができて、こうするとPCに全てのシャッターの画像ファイルが保存されるようです。でも、それでもカメラカード内には何も保存されないみたいです。

この時点で16時過ぎくらいだったでしょうか。Twitterに投げたところ、すごい反響でした。特にあぷらなーとさんは狂喜乱舞。これまでの複雑な解析手法を相当簡略化できるとのことで、早速追試して、上記の通りカメラを壊しそうになったというわけです。

テストは上記の写真の通り、昼間の明るいうちに行いました。できれば夜に実際の空で試したいのですが、天気予報は曇り。果たしでどうなるか?


実際に夜の星を見てみる

夕方過ぎ、暗くなってきたのですが全面に雲が出ています。落ち着かなくてちょくちょく外に出て見てみると、20時半頃でしょうか、ごく一部ですが薄雲越しに星が見えています。雨は大丈夫そうなので、とりあえず機材を出そうと思い、AZ-GTiに6Dを取り付けて外に持っていきます。レンズはNikonの135mm f2.8です。下の写真はちょうど天頂付近をみている様子を上の方から撮影したものです。6Dの文字が誇らしげに見えると思います。
IMG_0556
あとで写真だけ見たら、一瞬背景が星に見えました。実際はアスファルトです。

カメラと接続して外に置いたPCではもちろんSharpCapの3.3βを走らせます。さらにAZ-GTiをコントロールするSynScan Proを走らせて、このPC自体を部屋からリモートデスクトップで接続します。まだ暑いので、クーラの効いた部屋で快適リモート電視観望です。

さて、実際の6Dでの電視観望ファーストショットです。

IMG_0563

ISO6400、10秒露光の一発撮りです。10秒ごとにこんな画像が出てきます。QBPがついているので、ヒストグラムであぶりだしてやると、淡いですがすでに星雲が見えています。上の方が網状星雲、下の方が北アメリカ星雲です。

レンズの焦点距離は 135mm。これまでツースターで使っていたフォーサーズのASI294MCと比べて、フルサイズの6Dの場合1.85倍くらいセンサーの一辺が長くなるので、同じレンズで3.5倍くらいの面積が見えます。ASI294MCで135mm/1.85~75mmくらいのレンズを使うと同じような面積になりますが、恒星の見え具合は直焦点の場合レンズの焦点距離に比例してよくなります。6Dで135mmレンズを使う場合、ASI294MCで75mmのレンズを使う場合に比べて1.85倍くらい暗い星まで見えることになります。1等級以上くらい星まで見えるようになります。

星が画面いっぱいに散りばめられたような電視観望にしたい場合は、長焦点のレンズを使うことが必須になります。これまではセンサー面積が小さいと狭い範囲しか見れないことが、フルサイズのセンサーを使うことで解決されたわけです。 

でもこの画面を撮った直後に雲が出てきて、LiveStackはお預け。しばらく待ちます。


ついにLiveStackで星雲がはっきりと!

その後10分くらい待つとすぐにまた雲がひらけてきて、ついに6DのLive Stackで星雲をはっきり映し出すことに成功しました!!!

IMG_0566

LiveStackなので、待てば待つほど背景のノイズが少なくなってきて、星雲がどんどん見えてきます。上の画像で15秒x8=120秒、ISOは6400です。

しかもアラインメントも普通に成功です。SharpCapのアラインメント機能はものすごく優秀で、撮影した画面の中の個々の星の位置を認識し、画面を歪ませて星位置を合わせながらスタックしていきます。このためある程度広角のレンズなら赤道儀や経緯台の自動追尾なども必要なく、固定三脚でも十分実用な電視観望ができます。

操作性に関していうと、少なくとも6Dの場合は露光時間もゲインもSharpCap上から調整できます。もうCMOSカメラと変わらないくらいの操作性です。ただしカラーバランスを調整できるのはLiveStack中のみでした。CMOSカメラの時にできた取り込み時の赤と青の調整は、そもそもパネル自体が出てこないです。

とりえずうまくいったのですが、この後またモニター上で見ても雲に覆われてしまって、外に出たら空全体が厚い雲で覆われてました。雨が心配だったのでそのまま機材も片付けることにしました。一瞬のテストチャンスだったみたいです。


一眼レフカメラがSharpCapで使えることのメリットのまとめ


今一度一眼レフカメラがSharpCapで使えることのメリットをまとめておきます。
  • まず、センサー面積が大きくなる。
  • 同じ面積を見るのに、焦点距離を伸ばすことができる。
  • より暗い恒星まで見えるので、星いっぱいの電視観望になる。
  • 見える面積が広がるので、特に初心者にとっては導入が楽になる
  • 中古一眼レフカメラは安価なので、大きなセンサーが安く手に入る。フルサイズのCCDやCMOSカメラはものすごく高い。初心者では全く出が出ないほど高い。
  • カメラ用の安いレンズを電視観望に使うことができる。これはこちらのページをご参照ください。
  • 初心者が初めて電視観望を始める時、一番高いのがカメラです。この値段が下がる可能性があるので、電視観望の敷居が一気に下がることが期待できる。
など、メリットだらけです。一方デメリットは
  • まだ操作が少し複雑。最初のうちは丁寧なインストラクションや解説が必要。
  • 安定性に問題がある。これは時間が解決することになると思う。
  • シャッターを切り続けるので、シャッターの寿命が気になる
など、どれもソフト的になんとか解決しそうなものです。


まとめ

とにかく、これまで面積の大きいセンサーを使うことが(ものすごく高価で)大変で、小さい面積で初心者は四苦八苦してたはずなのです。面積が小さいと、最初に天体がセンサーないに入って来なくて、導入がすごく難しいのです。一眼レフカメラが利用できるとなると、今までベストと言われてきたフォーサーズのASI294MCよりも大きな、APS-Cとか、もしかしたらフルサイズまで安価に手に入れられるかもしれません。もしくは手持ちのカメラがあったら簡単に試すこともできるかもしれません。これらが解決するなら、さらに電視観望の敷居が下がり、天文人口の増加につながるかもしれません。 

今回のSharpCapのアップデートは大きなエポックメーキングです。このブログでは電視観望にターゲットを絞って説明しましたが、あぷらなーとさんのように他にもメリットを感じるケースは多々あるかと思います。今回触って感想として、私的には極上の電視観望用のカメラが増えたような、得した気分になれました。

私はSharpCapの開発には全然貢献できていなくて、ただのユーザーにすぎないのですが、開発陣の努力に心から感謝します。今回のようにソフトの改良、特に最近はAZ-GTiのようなハードと柔軟なソフトの組み合わせで状況が劇的に変わり、以前よりはるかに便利になったりしています。プレートソルブなんかも良い例かと思います。私が星を始めてわずか4年の間にも物事は大きく変わってきています。まだまだこれからの将来も楽しみでなりません。 



最近SIGMA fpに触る機会がありました。Webカメラとして使おうと思っているのですが、せっかくなので少しだけ電視観望してみました。レンズはキットの45mm F2.8です。初めてのフルサイズのセンサーでの電視観望です。


SIGMA fp

あまりカメラに詳しくない私が語っても、何の説得力もないのですが、SIGMAという名前は星の写真を撮る人なら誰でも必ず一度は聞いたことがあるはずです。星景、星家写真用(もちろん一般用途にも素晴らしいです)に適した素晴らしいレンズを数多く出しています。

レンズが有名で、カメラ市場においてはCanonやNikonほど大きなメーカーではありませんが、これまでカメラ本体も何台も出しています。そんな中でも、SIGMA fpは昨年7月に発表され、その小ささと、機能を絞り切った潔さですごく話題になりました。もちろんその時点で好きな人はかなり気にしていたはずですが、春からのコロナ禍において状況が一変しました。

Zoom会議などのWeb会議がメジャーになると、SIGMA fpがWebカメラになるフルサイズのカメラとして一気に話題になったのです。会議に参加するときに自分の写りが全然変わると言うのです。私は天体用にはEOS 6Dがあるので、そこまで注目はしてなかったのですが、今回Webカメラとして会議で使うこととなり実際に使ってみてWebカメラとしてのインパクトに驚きました。それとは別に、もしかしたら天体用にもどうだろうかと思ったのが今回の記事です。


一眼レフ、ミラーレスカメラを利用したWebカメラの現状

PCに繋ぐカメラとしてみた場合、Sigma fpの最大の特徴は、何もドライバーとかも入れなくてWebカメラとして働くこと。これは一眼レフ、ミラーレス含めて、フルサイズのカメラとしては唯一で、Webカメラとして使いたいならほぼ一択となります。

EOSも5月頃からWebカメラとして動かすことはできるようになってきました。米国CanonがCanon EOSシリーズをWebカメラ化するドライバーをリリースしたのですが、EOSの場合にはからなずPCにドライバーをインストールする必要があります。

 

私の持っている6Dは一見上のドライバーではサポートされてないのですが、実際に試してみるとWebカメラとしてきちんと動いて、WindowsではZoom上でも使えたりします。ただし、Mac版はまだ相当制限があり、例えばZoomで使うのは難しいです。

Nikonも8月に入ってWebカメラ化するソフトを公開しましたが、私はNikonユーザーではないので試してはいません。Windows10以外は未対応など、制限がかなりありそうです。

Sonyもつい最近、8月後半に入って同様のソフトを出しましたが、Nikon同様に制限が多いみたいです。

いずれにせよ状況としては、SIGMA fpが唯一そのままWebカメラとして使え独走体制、ついで大きく離れてCanon、さらにNikon、Sonyと続いているような状態で、WebカメラとしてはSIGMA fpはほぼ一強と言っていい状態です。


SharpCapとSIGMA fp

PCやMacからも普通のWebカメラとして認識されるSIGMA fpなので、SharpCapからも当然Webカメラとしてきちんと認識されます。

ただし、色々制限もあります。例えば露光時間は25fpsが最長。しかも、SharpCapから露光時間を変えることはできまえん。かと言ってそのままカメラ本体を触って露光時間を変更しようとしても、これもできません。一度PCとの接続を切って、初めてカメラ本体で露光時間を操作できるようになります。あと、多分バグなのですが、設定を25fpsにしてもどうこうするとSharpCap上で15fpsとなる時があります。少しでも長い方がいいので、今回のテストはこのままで進めました。

ISOはデフォルトでは25600まで、拡張すると102400まで増やせます。でも流石に10万台はノイジーなので、25600で試しました。

とにかくこの状態でSharpCapに画像を取り込むことができます。実はこれ大きな一歩で、フルサイズの一眼レフ、ミラーレス含めて、SharpCapで生で取り込めたのはSigma fpが初めてではないかと思います。

以前HUQさんがα7SのHDMI出力をUSBに変換しwebカメラとして認識させる機器を利用して、SharpCapに取り込んでたりしてましたが、生映像というわけにはいかず、いったん変換が入ります。

 

また、Webカメラ化した6DもWindows上のZoomなどでは使えても、SharpCapで認識させようとすると、少なくとも私のところの状況ではエラーメッセージが出て使うことはできませんでした。


実際の取り込み画像

いずれにせよ、SIGMA fpはフルサイズセンサーでSharpCapで動くので、いやがおうでも期待してしまうわけです。

IMG_0525

上の写真のようにAZ-GTiにつけて試してみます。アンバランスについていますが、経緯台モードで、横長の画像にしようとすると不安定な取り付けになってしまいます。しかもこれ、AZ-GTiのファームが最新ではないので、レンズが南向きになるのが初期状態になってしまっていて、上下逆になります。なんでこんなことになるかというと、アルカスイスプレートを写真で見て左側につけようとするとUSBケーブルが干渉して取り付けられないからです。ここら辺はL字フレームを買って取り付けるなどして解決すると思います。

さて、SIGMA fpに、キットで付いてきた45mm F2.8のレンズを取り付け、CINE(動画)モードでWebカメラ状態にして、SharpCapで実際に取り込んでみます。下がその時の画面をいつものようにiPhoneで撮影したものなります。まあ、とりあえずあまり期待しないでください。

IMG_0530

これくらいが精一杯です。白鳥座付近を写してます。真ん中右下くらいにデネブとサドルがあります。左にイルカ座が見えてます。

もじゃもじゃがよく見えるはずの場所ですが、まず条件が極めて悪いです。満月の日、光害カットフィルター無しなので、相当背景が明るいです。そもそもこんな日にテストするなという話ですが、とりあえず一番最初の軽いテストですでに大きな問題が発覚したような状態です。

ちなみに、30秒露光で普通のSTILL(静止画)モードで写した撮って出しJPEGが下のようになりました。流れてしまっているので、四隅の星像の評価などは保留とします。

SDIM0010

明るすぎる状況なのです。RAW画像を処理して炙り出しても

SDIM0010_RGB_VNG_ABE

これも適当な画像処理なので、評価は保留ですが、最低限20秒露光すると何かモジャモジャは少しは見えるみたいです。


ちょっとだけ検討

一番の問題は、Webカメラにすると露光時間を全く長く取れないことです。最も長くした場合で15fpsなので、高々0.068秒露光でです。上はそれを55フレームスタックした画面になります。感度のいいASI294MCとかでも最低800ミリ秒くらいで、ゲインも相当上げて電視観望します。

しかもこのfpsだと、速すぎてSharpCapで全てのフレームをキャプチャーしきれなくて、半分近くのフレームを取りこぼしている状態になります。かけてる実時間分さえも成果として画像に出てこないというわけです。

それでも心眼クラスでSharpCapの画面をよーく見ると、サドル付近はほんの少しだけ淡い模様が見える気もしないこともないかもというくらいの感じです(笑)。いずれにせよ、露光時間が最長でも15fpsと短過ぎるのでは電視観望は無理と言わざるを得ません。

ちなみに、Sony α7Sが動画モードで1/4秒まで露光できます(これでも短いと思っていて、もっと長くできるならと思ってます)。これだけでSIGMA fpの露光時間と比べて4倍くらいの違いがあります。さらにISOの最大値が40万越えで、これもSIGMA fpの最大ISOと比べると4倍の違い。さらにさらにピクセルサイズが5.9umと8.4umで面積比だと2倍の違い、全部掛けるとと32倍の差になります。これだけ違うと、流石に電視観望用途ではα7Sに遠く及ばず、厳しいと言わざるを得ません。


シグマさーん!

でも露光時間ってソフトでどうこうなると思うのですが、どうなのでしょうか?いっそのこと30秒くらいまで動画モードで露光できるようにしてくれると一気にα7Sを抜けるのですが、シグマさんどうでしょうか?本気で考えてくれませんか?それでも、リアルタイム性では負けてしまいますが、いい勝負くらいにはなる気がします。


今回の結論と、SIGMA fp本来の魅力

今回試して分かったのは、電視観望をするためには動画モードの露光時間が全然足りないことでした。満月の日にテストするのもどうかと思いましたが、多分別の暗い日で試したとしても相当状況は厳しいはずです。

少しというか、かなり期待していましたが、結論としては電視観望には今のままでは厳しいかなと。今一度、光害防止フィルターなどを入れて、流石にもう少し暗い空で試してみようと思ってますが、それでも露光時間がこれだけ短いと電視観望特性については結論は変わらないと思います。

もちろん、星景写真とかは別ですよ。静止画モードで十分な露光時間をとり、シグマお得意の超高性能のレンズで撮る分には、十分過ぎる画が撮れるはずです。

でも思ったのですが、このSIGMA fpは普段使いにあってこそ、真に生きるのではと。だってこの大きさ、すごい魅力ですよ。私は天体改造した大きなカメラしか持ってないので、昼間の明るい写真を撮ることはほとんどないし、あまり撮ろうとも思ってなかったんです。でもこのカメラとなら持ち歩いていろんなところを撮ってみたくなります。軽くて、最低限の研ぎ澄まされた機能、必要なら機能を足すことのできる拡張性。一言で言うと、カッコイイです。手持ちのNIKKORやPentaxの6x7のオールドレンズと一緒に撮っても面白いと思います。

会議でのWebカメラとしての機能も申し分ないです。ここでの話題ではないので詳しくは書きませんが、レンズを交換できるWebカメラの威力は、実際に試してみると破壊的です。一度、手持ちのSamyangの14mをつけて超広角のWebカメラにしたのですが、もうすごい臨場感です。

今回テストで使っただけですが、これは持っていて普段使いで欲しくなるカメラです。所有欲も満たされます。使ったらわかる、本当に魅力的なカメラです。


急遽状況が一転

実は今回のテスト、少し前に試したのですが、記事を書くのをもたもたしている間にSharpCapがまだテストリリースながら3.3βへとアップデートしました。このバージョンでは一眼レフカメラのサポートがされてます。最低限試したところ、6DでLive Stackまでできるようです。これはこれまで長いこと望んでいた電視観望をフルサイズで安価に楽しめることを意味します。

とりあえずこれから色々テストするので、詳しいことは次回以降の記事で。

先日セットアップしたStick PCのテストも兼ねて、ネオワイズ彗星の電視観望とZoomでの中継をしてみました。


やっと梅雨明けか?

週末の金曜日本当に久しぶりに天気がよくなったので、NEOWISE彗星の電視観望と、Zoomでの中継をしました。

一番の目的は、世間的にはまだネオワイズ彗星を見ていない人が結構多そうで、もしその方達に少しでもいいので見てもらえればと思っていたことです。他の方の撮影結果を見ると、もう5等くらいとかなり暗くなってきていて、テイルも相当淡くなっているようです。おそらく一般の方が双眼鏡で見たとしてもほとんど分からないのではないかと思います。電視観望ならまだテイルまで見える可能性が高いです。なので、Twitterで「お子様、初心者大歓迎」と呼びかけて、できればマニア以外の一般の方に参加してほしいと思っていました。

もう一つの目的は、前回の記事で書いたStick PCの試験です。過去に何度かSURFACEを使ってやっていたリモート制御用PCを、今回はもっと気軽なStick PCで置き換えて、中継に耐えられるかを試したかったのです。当然私自身は、クーラーのついた部屋の中から快適に中継ということになります(笑)。


よし、中継の準備だ

彗星は最後、高度がかなり低くなるので、機材は二階のベランダに置きました。左右の見える範囲は狭まりますが、隣の家などの邪魔されずに低高度まで見えるようになります。2度目の中継にあたる7月19日の自宅からの中継は、北向の窓がある子供の部屋に機材を置きました。でも10日ほどの間に北西方向から真西方向に45度ほども方角が変わったので、今回は西向きに面しているベランダに移しました。

IMG_0376

機材は広域電視観望のセットアップに近いものなります。カメラはこれまでと同じZWO社のASI294MC Proを常温で稼働。これにNIKONの大昔の50mmのF1.4レンズをニコン->Canonアダプターをつけ、さらにCanonマウントからASIカメラにとりつけるアダプターをつけて接続しています。リモート駆動としてSkyWatcher社のAZ-GTiを経緯台モードで使っています。

いちばんの心配はWiFiの電波がベランダまで届くかでしたが、ほぼ真下にあたる1Fの電波が良好で、ここに繋ぐことで安定して接続することができました。唯一の間抜けなところが、これはStick PC以前の問題なのですが、AZ-GTiのステーションモードを5GHzの方につなげようとして、どうしてもつながらないと焦っていたことでしょうか。AZ-GTiは2.4GHzしかつながらないので注意が必要です。すっかり忘れてました。ドスパラのStick PCでは外部アンテナがあったのですが、今回の新Stick PCはそう言ったものもなくデザイン的にもスッキリしています。でもアンテナの感度はほとんど変わらないようです。

電視観望に関してはは順調そのもの。CMOSカメラを繋いだStick PC上で、SharpCapの動作も重いところなど全くありませんでした。自宅のWi-FiにAZ-GTiをステーションモードで接続、さらにStick PCも自宅Wi-Fiに接続します。Stick PC上でSynScan Proを走らせて自宅W-Fi経由でAZ-GTiに接続。私は部屋の中から別のPCでベランダにあるStick PCにリモートデスクトップで接続。さらに部屋のPCでZoomに接続してリモートデスクトップ画面を共有すると言う形をとっています。


ネオワイズ彗星見えたか?

肝心のネオワイズ彗星ですが、昼間から天気が良かったので期待できました。私としては珍しく少し早めに中継すると決心して、準備を終えアナウンスしたのが夕方。それが良かったのか、天リフさんでもピックアップで「このあとすぐ!」という触れ込みで宣伝していただけました。

その甲斐もあってか、知り合いの方、天文マニアの方はもちろんですが、(おそらく)一般の方も10人から20人くらいの規模で参加していただけました。でもほとんどの方がマイクがなくて、こちらからの説明だけで会話ができなかったのが残念です。あとでTwitterのコメントで、初めて見ることができたとかの投稿もあったので、「ああ、やって良かったな」と思いました。

多分日本全国ずっと天気が悪かったのでしょう。天文仲間もたくさん参加してくれました。なんと宣伝してくれた天リフ編集長も参加してくれたのですが「宣伝していいか迷ってた、参加人数が多くなりすぎるのが心配だった」と随分気を使って頂いていたことを聞くことができました。あと、参加者同しで「今ネオワイズ彗星中継してるよ」と電話で知らせあっていて、その時の声と電話に出ている様子がビデオ映像で流れていたのには皆さん大笑いでした。

実際の彗星の見え具合ですが、前半は継続してずっとテイルまで見えていました。もちろん、もうかなり淡くなっているので以前ほどのインパクトはないですが、はっきりとテイルの形は分かります。

EAA2

あ、今回はサイトロン社のCBP(Comet BandPass)フィルターをマウントアダプターの中に取り付けています。もともと彗星用と言うよりは星雲の青い部分を出したくて手に入れたのですがそちらは天気が悪くて全然試せてなく、せっかくなので遅ればせながら彗星にも使ってみました。 今回ははっきりと比較して比べたわけではないので詳しい評価は控えますが、それでも前日に他の方が撮影されたものや、同日撮影された画像と比較しても、高々電視観望ではっきりとテイルの形が分かったのはCBPのおかげかもしれません。

はっきりと見れていたのは21時くらいまででしょうか。だんだん雲が多くなってきて、この日は21時半頃には終了としました。きちんと数えたわけではないですが、結構人は入れ替わり立ち替わりで、全部合わせると30人は余裕で超えていたと思います。

IMG_0392
終わりの頃にはこんなに雲がかかってしまいました。

その一方、中継の最後の方から参加してテイルが見えなかった方もいましたし、後からコメントで中継に間に合わなかったとか、中継が終わってから誰もいない会議室を覗いてくれた方も(メールで誰か入ってきたのがわかるのですが)10人近くいました。まだ彗星を見てみたい方は少なからずいるようです。もし晴れるなら、もう一度くらい中継しようと思ったのが次の日の土曜日の朝です。


結局2日連続で中継、でも...

土曜日も朝からずっといい天気でした。でも夕方に近づくにつれ雲が出てきました。まだSCWとGPVでは予報は悪くありません。なのでまた雲も晴れると期待して、少し強引に中継を決めて再び18時くらいにTwitterでアナウンス。この日も「お子様、初心者大歓迎」と書いておきます。

もしかしたら天気が悪いかもと思い、機材を直前にベランダから庭に移しました。庭ならば、視界の限られるベランダと違い、全天を眺めることができます。もし彗星が見えなくても、せめて月とかでも見えたらと思っていました。低い光度は見えなくなりますが、彗星の高度もずいぶん上がっているので、前日の経験から、低い高度はもやで見えにくくなるので、そこまで遅くまで中継しなければ大丈夫でしょう。

19時半頃から中継を始めましたが、ずっと雲が出ています。金曜よりは人数は少なかったですが、この日は一般の方、もしくは初めましての方が多かったのが特徴でしょうか。でも実際に見えたのは、ほんの一瞬が2-3回といったところです。

evening4
雲の切れ間の上の方、緑色の核とほんの少しテイルが分かります。

いちばん見えた時で写真よりほんの少しいいくらい、テイルが本当にかろうじてわかる、かなり厳しい状況でした。それでも見えて嬉しかったとお礼を言ってくれた方もいたので、少しだけほっとしています。

あ、一つ曇り空に花を添えたことを思い出しましたし。途中Stellariumで彗星の位置を確認していたら、Stellariumの上でISSが迫ってくるのに気づきました。すぐにカメラを少し右に寄せると、雲越しですが本当に時間通りに動いていくISSが見えました。これはちょっと面白かったです。

後半はずっと曇りで、最後は星好きが私も入れて4人残り、いつしかおしゃべりモードに。学生のnezumiさんが金沢で撮影している状況を中継してくれたり、結局23時過ぎまで話し込んでいました。

これもまたあるあるなのでしょうか、Zoom会議を終わるころには空は晴れ渡り、少しだけ白鳥座方向を電視観望で見てみると、月明かりの中北アメリカ星雲がよく見えました。右側に網状星雲も少しだけ見えていますが、月が明るすぎてせいぜいこれくらいでした。でもCPBのせいでQBPよりも青が出ているからでしょうか、見た目が自然の色に近い印象でした。

EAA


まとめ

一応2日とも何とかネオワイズ彗星をテイルまで見ることはできました。でもあまり天気が良くはなく、見たかったけど見えなかった人もいるかと思います。でも月も満月に近づくので明るいし、今日は天気もあまり良くなさそう。もうネオワイズ彗星もほとんど終わりなのかと思います。

実を言うと、中継の準備はこの日だけでなくこの一週間、雨が降っている日以外は毎日準備していました。唯一木曜日に雲間からほんとに一瞬だけ見えた時がありました。

IMG_0370

映ったと言っても、薄い雲越しなのがわかると思います。そのまますぐに雲の中に隠れ、その日も中継は諦めました。天気には文句を言っても仕方ないですが、これだけの彗星が梅雨時でなかったらもっと盛り上がったのではないかと思います。

またそのうちに何か企画したいと思いますので、楽しみにしていてください。


おまけでStick PCの電源について

最後に、電視観望に平行して、別途Stick PCの電源テストをもう少しだけしました。

結論だけいうと、通常のUSB端子の電源供給ではたとえ起動することがあっても、計算負荷が高くなると落ちてしまい、実用レベルでは厳しいです。

具他的には、StellariumとSharpCapの極軸合わせを同時に立ち上げるくらいでだめになります。実際には立ち上げてからそこそこ持ちますが、特に一旦放っておいてモニターの電源が切れ、再び立ち上げようとするときに落ちるというのは、かなり再現性がありました。どうも使い続けている限りは大丈夫なようですが、復帰の時に電力を消費するのでしょうか?

昇圧するなどの方法もあるかもしれませんが、Less is moreのバッテリーの100W出力端子は不安定になるようなことは全くないので、しばらくはこれで使い続けようと思います。

 

2回目の能登半島羽咋の撮影で、ある程度枚数を稼いだのと少し雲が出てきたので、一度やってみたかったテイルのある彗星の電視観望を試してみました。


電視観望でネオワイズ彗星を見てみる

今回は簡単な電視観望なのですぐに準備は整います。1回目の撮影の時に焦っていて見つからなかったカメラアダプターも、今回はきちんとどこにあるか確認しておいたので、すぐにカメラとレンズは説明できました。赤道儀も経緯台も使わずの普通の三脚にカメラを乗せるだけなので、こちらもトランクから出してすぐにセットできます。

思い立ってから5分後には画面上に彗星が写りました。機材は一番シンプルなASI294MCにNIKKORの50mm F1.4レンズで以前やった広域電視観望にあたります。QBPなどのフィルターは入れていません。実際に見てみた画面がこちら。

IMG_0347

ダストテイルはもちろん、うっすらですがイオンテイルもリアルタイムで写っています。思ったよりも見えます。さすが超高感度CMOSカメラでの電視観望です。

彗星周りと下のほうにも霞んで見えるのは雲です。22時近いですが撮影するにはすでに状況が厳しくなってきているのがわかります。


ネオワイズ彗星を中継できるかも

それでも高感度カメラのおかげか、うまく見えたことに気を良くした私は、突然Zoom中継できないか思い立ちました。遠征先ですが、iPhoneのテザリング機能を使えばなんとかなるかもしれません。

ところが、最初に繋いだSURFACE PCがなぜかiPhoneまでは繋がるのですが、インターネットに繋がりません。5分くらい格闘して時間もないので諦めて、予備というかメイン機に入っているBootCampのWindowsを立ち上げ、新たにカメラをつなぎ変えてドタバタしながらなぜかこちらはすんなりとインターネットにつながりました。

その後、Zoomの会議室を準備し、すぐにTwitterで「彗星が沈むまでの短時間ですが」と断って呼びかけました。この時点で22時くらいだったと思います。すぐに何人かの方が参加してくれて、まだかろうじて尾っぽが見える状態でした。全国的にはそこまで晴れたわけではなく、この日見えなくて諦めた方も多かったようで、「リアルタイムなので見えた気分になれた」と喜んでくれる方もいました。それでも時間と共に低空に下がってきて、さらに雲がどんどん濃くなってきます。結局途中から参加された方は見ることができなくて申し訳なかったです。

IMG_0351
彗星は見えなくなってしまいましたが、何人かの方が参加してくれました。
  • baibaiさんがかなりはじめから参加してくださって、無事に尾っぽも見てもらいました。電視観望も中継で見るのも初めてだったとのことです。
  • シベット さん、タカsiさん、nagahiroさんも入ってくれました。特に関西勢のみなさんが天気が悪くて見えないとぼやいていました。
  • ケニ屋さんが時間が合わずに入れなかったようで、中継が終了してから入ってくれていたようです。水星が見えている時間も短く、短時間での中継だったので申し訳ありませんでした。
彗星の中継は可能性がありそうです。日本全部で晴れているわけではないので、晴れていないところからその様子を見てもらうことで、楽しんでいただけるかもしれません。彗星の見頃もあと1週間くらいですが、できるならもう少し早い時間から始めてリベンジしたいと思いました。


2回目の電視観望

そんなことを考えていた次の日の日曜日、SCWの予測によると富山は曇りの予報。でも19時頃に外に出てみるとかなり晴れています。この時GPVを確認すると富山は晴れの予報。少し差があるようです。

IMG_0354
自宅から見た北西の空。

とにかく彗星方向も結構見えそうなので、夕食を急いでとって車で5分くらいの河川敷に向かいました。日食を撮影した場所です。到着してすぐに昨日と同じセットアップで設置。ものの5分とかかりません。SharpCapで見えることを確認し、Zoom会議を立ち上げて、すぐにTwitterで呼びかけます。

IMG_0356
  • starstyleさんが仕事中にも関わらず参加してくれました。さすがに仕事中はマイクでは話せなかったみたいです。
  • 昨日に続き、タカsiさんがお子さんと一緒に参加してくれました。
  • 以前大晦日の電視観望でご一緒した智さんが参加してくれました。智さん自身も次の日広角で電視観望をしてみて見事にネオワイズも見えたそうです。双眼鏡だと厳しかったかもとのこと。やはりCMOSカメラは高感度で、ざっくり探すだけでも有効かもしれません。
  • staruzさん、三河のほうで電視観望をやりたいということで、α7Sがいいのか、ASI294MCがいいのか迷っていました。あとで、違いが多少説明してあるこのページをお勧めしておきました。
  • 昨日間に合わなかったケニ屋さんが参加してくれました。
  • CANPでお会いしたMatsuokaさんも入ってくれていたようですが、マイクの調子が悪いのか会話はできず残念でした。
  • spicaさんがお子様と一緒に参加してくださいました。親子で宇宙のことが大好きとのことでした。テカポのライブ中継の後に参加してくれたようです。東京からだとなかなか見えないそうです。でも残念ながらちょっと参加するのが遅くて、彗星が雲に隠れてしまい見せることができず、申し訳なかったです。その代わり少しだけ天の川を見てもらいました。
  • 他にも結構な人数の方、入れ替わりで十数人は入ってくれたかと思います。フォローし切れていない方もいると思いますが、申し訳ありません。
参加してくれた皆さま、どうもありがとうございました。特に、子供が参加してくれるのは嬉しいです。でも後半のspicaさんのところの女の子には見せてあげられなかったこと、これが一番悔やまれます。

最初は彗星のテイルまで綺麗に見えていたのですが、途中からどんどん雲が厚くなり、最後は核さえも全く見えなくなってしまいました。それでも夏の大三角はある程度まで見えてましたし、南の天の川中心付近も見えていました。北西方向があまり良くなかったみたいです。下の写真はZoom中の様子ですが、もうかなり炙り出した状態で、かろうじてテイルまで見えています。

IMG_0358

ちなみにこの時点では、肉眼ではこの方向には星も何も全く見えません。双眼鏡で見ても彗星の核も他の星も全く見えませんでした。それでも炙り出してしまう電視観望はやはり強みがあると思います。


無事に終了

さて、高度的にはまだ見えているはずなのですが、結局雲に隠れてしまって、さすがの高感度CMOSカメラでもどう炙り出しても核さえも見えなくなってしまったので、ここで終了としました。22時前くらいだったでしょうか。次の日もが仕事なので、あまり遅くならずちょうど良かったです。

電視観望も、それを中継するのもとても面白かったです。まだ見えてない人が「見た気分になれた」と言ってくれるのを聞くととても嬉しいです。晴れてくれたらもう一度くらい挑戦したいです。

できれば子供に参加して欲しいです。もちろん本当は肉眼で見て欲しいのですが、spicaさんが会議中に話してくれましたが、東京とかの明るいところでは流石に肉眼で見るのは難しいようです。双眼鏡が一つあれば結構な市街地でも見えると思うのですが、低倍率の双眼鏡でないと初めての人はなかなか場所がわからないかもしれません。実は星座ビノが低倍率で視野が広くて良かったりするんですよね。

ネオワイズ彗星の見頃もあと1週間くらい。悔いのないように楽しみたいです。
 

少し前にリリースされた、ASILiveを試してみました。かなりいいです。

ZWO社がリリースしたASIカメラ用のASI Studioの中の3つのうちの一つで、主に電視観望などのためにライブスタックに特化したキャプチャソフトになります。 


ASI Studioのインストール

ASIStudioのダウンロードはこのページから。 2020年4月29現在、バージョンは1.01となっています。インストールしてASI Studioを立ち上げると、ASICap、ASIImg、ASILiveの3つのアプリがあるのがわかります。ASICapは惑星撮影用、ASIImgはディープスカイの撮影用、ASILiveが電視観望などのライブスタック用です。今回はASILiveを使います。


ASI Liveを使ってみよう

  1. さて3つあるアイコンの一番右を押して、早速ASILiveを立ち上げてみましょう。この時点で、ASIシリーズのカメラを接続していると、右上のところにカメラ名が出ているはずです。そのすぐ右横の三角の再生マークマークを押してみてください。早速カメラの画像が見えると思います。
  2. この時「Hist」のところがAutoになっていれば「オートストレッチ」がオンになっているので、暗い画面もかなり明るく見えていると思います。カメラに望遠鏡などをつけて星を写してみましょう。ピントもこの時に合わせてしまって下さい。
  3. さて、うまく星が見えたら早速ライブスタックをしてみましょう。 「Stack」のところにある再生ボタンが3つ重なっているようなアイコンを押して下さい。これだけです。あとは勝手に画像がスタックされてノイズがどんどん少なくなっていく様子が分かります。
  4. 調整するべきところは多くないです。「Gain」はLow、Middle、Highの3つだけ。最初はHighで始めた方がいいと思います。あ、Gainをいじることができないですか?そんな場合はライブスタックを一度止めて下さい。先ほどの「Stack」のところにある再生ボタンが3つ重なっているようなアイコンをもう一度押すと、ライブスタックが止まって、Gainが調整できるようになるはずです。
  5. 同じく「Exposure」もかえてみましょう。これもライブスタックを一旦止めて調整します。カメラの種類にもよりますが「1」秒から初めて「30」秒くらいまで写り方をみながら段階的に上げていって下さい。写りが十分ならそこまで長くする必要はないと思います。
  6. 設定を調整し終えたら、一度前回まで見えていたライブスタックの画面を消去した方がいいでしょう。「Stack」のところの、3つ目のアイコン、ホウキみたいなのを押して下さい。出てきたダイアログで「Yes」を押すと、前の残っていた画像がクリアされます。クリアした時にライブスタックがオンになっていないと、画面が出ないことがあります。そんな時はホウキボタンの右のライブスタックモードとライブスタックでないモードのとの切り替えボタンを押して下さい。単独の取り込み画面が出てくるはずです。
  7. 見栄えをよくするために「Image Processing」のところの「Brightness(明るさ)」「Contrast(コントラスト)」「Saturation(彩度)」をいじると画面がきれいになると思います。この調整はライブスタックを止める必要はなく、画面を見ながらいいところを探すことができます。
  8. 左上の矢印が2つ並んでいるところを押すと、フルスクリーンにもなります。この時、カーソルを画面の右に持っていくと、画面サイズを調整できるアイコンが現れます。3つ目のアイコンで画面いっぱいに広がるはずです。人に見せる時はフルスクリーンの方が迫力があります。こんなふうに簡単にフルスクリーン化できるのも特筆すべきことだと思います。

ちょっとやるだけで下の画面くらいのものが簡単に映るようになります。
IMG_9952

これはASI294MC Pro(冷却はしていない)に焦点距離105mmのカメラレンズをつけて、サイトロン社のアメリカンサイズのQBP(Quad BandPass)フィルターを中に入れています。ASILiveのゲインがHigh、露光時間が10秒です。他に触るところがないくらい簡単です。

右下にM8干潟星雲、左上にM17オメガ星雲が写っています。天の川の中心部ですね。10秒露光でスタック適当に何回かしたあとです。


同じ画角をSharpCapで出した時の画面です。

IMG_9946

ShaprCapとくらべてもASILiveの画像が全く遜色ないことが分かります。ASILiveに比べるといろんな調整を頑張って、やっとできた画面です。ASILiveの方がはるかに簡単です。

もう一例です。ASILiveの画面です。北アメリカ星雲とペリカン星雲です。

IMG_9954

比較のSharpCap画像です。同じ日ですが、少し早い時間に観た時のものです。

IMG_9940

SharpCapの場合、私は少し青に寄せがちです。夜空のイメージを少し出しています。でもホワイトバランスをとった方が本当は正解なので、ASIAirの方がより正しいと言えます。ここら辺の好みを反映できるかどうかはASILiveとSharpCapで方向性が違うところです。


ASILiveの特徴

少し技術的な話をします。ASILiveの凄いところは、電視観望のキーと言っていい技術
  1. ホワイトバランス
  2. オートストレッチ
  3. ライブスタック
  4. アラインメント
をデフォルトで全て、あまりユーザーに意識させずに使っているところです。これは結構すごいことです。

SharpCapではこれらを基本的に全てマニュアルで、ユーザーが意識しながらやる必要があります。ASILiveのほうがはるかに簡単で、SharpCapに慣れていないなら、ASILiveの方がおそらくきれいな画面を出すことができるでしょう。少なくとも初心者にはSharpCapよりも圧倒的にASILiveの方が楽でいいと思います。

以下、SharpCapとの比較です。
  • ASILiveではオートストレッチが標準なので楽です。ただし、SharpCapのヒストグラムの一番右の調整線に相当するのがありません。でもほとんど使うことがないので問題ないでしょう。
  • ASILiveではホワイトバランスを自動でとってくれます。自分で調整する必要がないのでかなり便利ですが、逆に微調整したいときは出来ないのもどかしい時があります。
  • アラインメント(星の位置を認識し、画面をずらして星を重ねていく機能)を実装したことはすごいです。これがあるのでライブスタックを名乗れるのだと思います。一方計算スピードはSharpCapの方が早く、一日の長があります。同じ時間をかけるなら、ASILiveは計算しきれない取り込んだ画像を捨てているようなので、短時間露光の他数枚スタックの場合はSharpCapの方がきれいな画面になるはずです。
  • ASILiveではゲインの調整、露光時間の調整はあまり細かくできません。簡単でいいのですが、これが少し不満になるかもしれません。SharpCapは相当細かく設定できます。
  • やはりSharpCapの方がはるかに高機能で、他にいろいろなことができます。もしASILiveに慣れて、調整項目や機能に不満が出るようならSharpCapに移るのがいいでしょう。
  • でも、コントラストやブライトネスはASILiveのみにある機能です。


まとめ

ASILive思ったよりはるかにいいです。ものすごくうまく機能を絞っていて、高機能なところはユーザーに意識させないようにかなり気を使っています。とりあえず電視観望を試してみたい方や電視観望初心者の方は、SharpCapよりもASILiveから始める方がはるかに敷居が低いと思います。

うーんソフトウェアの力はすごいですね。DeNoiseの時も思いましたが、初心者とベテランの技術の差が一気に縮まります。電視観望の普及にも一役買ってもらえるレベルの仕上がりです。


ここからはASIに対する要望みたいなものです。
  • RGBを個別に触れるならさらにいいのです。でもこれは逆に初心者には複雑になりすぎるので、今のスタイルで構わないでしょう。
  • できるなら別途、詳細モードとか作って、ホワイトバランスのマニュアル調整とか、できるならトーンカーブがリアルタイムでできると嬉しいです。
  • 特にRGB別のトーンカーブが実現すると、さらに電視観望での表現力が大幅に増し、LiveStackに関してはSharpCapを完全に越すことになるので、本気で欲しかったりするのですが、これは計算量も多そうなので難しいですかね。

いずれにせよ、電視観望で使えるソフトの選択肢が増えることはいいことです。ZWOさん、ありがとうございます。

第2回目のリモート電視観望のZoom中継。すでにシベットさんが詳細を書いてくれてますが、その時の様を私も少しだけ。


シベットさんとのZoom接続まで

始まりは2度目のリモート電視観望の記事でした。



コメントのところにシベット さんから「次回の中継に参加したいがTwitterアカウント持っていないので、どうしたらいいのか」という相談が入っていたのです。

その後、向こうのブログにメールアドレスを知らせたりして連絡は取れる状態になったのですが、結局シベットさんもTwitter登録したとの連絡が昨日の夕方頃にありました。「じゃあ、今からZoomのテストしてみますか?」ということになり、19時くらいでしょうか、会議室を開いておいたらうまく接続できたようで、無事に会議室に入ってきてくれました。でもその時はマイクがないPCで繋いだので、結局最初は携帯電話で話しながら、あ、iPhoneでも入れるのではと気付いて一旦切ってまた待ちます。その後すぐに、無事にiPhoneのマイクとカメラでやりとりができました。

Zoomはここら辺の臨機応変さと、初めての人でもゲストとして繋ぐだけならアカウントを作る必要もないですし、アドレスワンクリックでアプリも勝手にインストールされるで、ほとんど困らずに使えるところがいいですね。その後、シベットさんもZoomのアカウント作ったと言っていました。ただし無料アカウントは3人以上だと40分までの制限があるので注意です。

接続の確認はできたので、一旦機材の準備をするとのことで、23時に再びZoomに入ることを約束して、一旦終了。


M51のテスト

私はその後、前回の記事の月の残りの撮影と、TSA-120でM51のテストを少しだけしました。まだ未処理で記事にもしていないのすが、この間ASI178MCで撮ったM51があって、それとPowerMATEで4倍にしてASI294MC Proで撮影するのを比較したかったのです。

でもPowerMATEによる4倍の拡大は、明るさで16分の1になることを意味し、さすがに淡い系外銀河ではあえなく撃沈。PowerMATEを抜いて、ASI294MCで常温でテストで1枚だけ撮りました。LiveStackでわずか190秒の露光なので見るまでもないのですが、小さいながらも一応形だけはわかるようです。

Stack_21_17_47_16bits_15frames_192s

でも前回書きましたが、やはり焦点距離900mmではM51は少し小さいので多分VISACで挑戦することになると思います。


再びZoomで

そのあと、Zoom中継に備えて広帯域電視観望の準備。昨晩のテストと同じく、105mm/F2.4をF2,8にしてASI294MCをつけます。準備完了のことにシベット さんが再び入ってきました。今度はマイクつきのPCにしたとのことで、声も普通に入ってきます。ただ、ビデオ映像が少し暗かったので、部屋が暗いかカメラの感度があまりよくないかと思います。私はMacですが、特段明るい部屋でもないのにシベットの映像と比べるとだいぶん明るさに差があるので、ここら辺はカメラによるのかと思います。

シベット さんの方の画面の共有とかもテストをして、大体の操作ができそうになったので、23時半頃でしょうか、Twitterで他の人も呼びかけましょうかということになり、シベットさんTwitter開始記念と銘打ってアナウンスしました。


結局夜中の天文談義に

遅い時間にもかかわらず、結局7人の方が参加してくれました。前回から同じく参加してくれた方もいますし、新規ではM&Mさん、だぼ君と、nabeさんでしょうか。他にもうお一方参加してくれた方がいたのですが、マイクがうまく繋げないようで、結局お話しすることができませんでした。これに懲りずに、もし機会がありましたらぜひともまたおつなぎください。


23時半だとまだ天の川も登ってこなくて、いまいち面白みにかけます。私の電視観望も透明度が悪いせいかあまりパッとしませんでした。その合間に、お互い初めましての方も、顔を見るのも初めての方も多いので、自己紹介とかも進みます。私にとっても何人か初めましての人もいましたが、Twitterとかブログでは知っている人たちなので、あまり初めましての気もしません。

広帯域のがパッとしない中、シベットさんが画面共有してくれて、1000mmとか400mmで電視観望して中継してくれます。nagahiroさんも天文部でZoom中継をやったみたいで、その時の写真を見せてくれたりもしました。

私がレンズを直すとかで、ちょっと外に様子を見に行った時には、皆さんでいろいろ話してくれていたみたいですが「パパがいないのに、なんか他の人の声でうるさかった」と後から妻に文句を言われました。スピーカーもマイクもオンにしっぱなしで外に行ってしまったがまずかったです。ホストなしでも勝手に会議が盛り上がるのが、天文仲間のいいところでしょうか。

0時半頃になると流石に天の川も昇ってきて、見栄えも良くなります。やはり105mmくらいの短焦点レンズだとかなり大きな構造の天体でないと楽しめないです。M13も見てみましたが、まあこんなもん

Stack_23_00_31_16bits_29frames_186s

拡大してもこれくらい。

Stack_23_00_31_16bits_29frames_186s_cut

構成が肥大化しますし、球状星団の魅力の細かい星もわからないので、一応星団と見分けはつくけどぜんぜんおもしろくないです。 

会話ならではの裏話も飛び交ったり、まあ楽しいものです。シベットさんが星まつりでの会話みたいと表現していましたが、まさにそんな感じかもしれません。

結局この日も深夜1時頃まで話は続きました。K君のおやすみなさいがなければまだまだ続いたかもしれません。まだ平日で次の日も仕事の方もいるはずなのに、遅くまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました。やはり広域電視観望は天の川があった方が楽しいので、早い時間に中継するならもう少し時期が来てからにしようと思います。今の季節はもう少し焦点距離を長くして、やはりまだ春の銀河祭りでしょうか。自宅からでも十分に見えるので、これもまたやってみたいと思います。


その後

Zoomの話はここまでですが、その後少しだけレンズを変えて試してみました。使ったのはPENTAXの165mm/F2.8です。一例ですが、北アメリカ星雲です。

IMG_9957

一見きれいに見えていますが、一つ問題点に気づきました。

よく見ると恒星に、左が赤、右が青のハロが出ています。原因はすぐにわかりました。ZWO社製のCanonレンズとASIカメラの接続アダプターが昔のタイプでガタガタなのです。PENTAXレンズは重いので、自重でアダプターとレンズの間に隙間が結構空いてしまいます。さすがにこれだと辛いので、アダプターのところにパーマセルテープとかを挟み込んでガタガタしないようにします。

でもカメラレンズはやはり拡大すると星像がどうしてもぼやけてしまいます。レンズの枚数が多いから仕方ないのでしょうか?私は高級レンズと言われているものは持っていないのですが、いいレンズだとカメラレンズでも拡大しても星像肥大は抑えられるものなのでしょうか?こうやってみると、元々電視観望に使っていたFS-60CBはとても優秀です。拡大しても星像肥大が気になることはあまりなく、M57とかもきれいにみえます。今のカメラレンズをあと2倍程度焦点距離を長くしただけでM57がきれいに見えるようになるとは、やはりとても思えません。うーん、FS-60CBにレデューサーをつけるか、もっと短い焦点距離の性能をいいのを探すか。もうBORGくらいしかないですかね?


週末の土曜日、天気がいいので撮影してたんですが、あまりに風が強くて途中で断念。その代わりに、一昨晩に試したリモート電視観望をさらにブラッシュアップしてみました。ただしこの日は中継は無しです。色々調整しながらやりたかったのと、さすがに二晩連続中継だとヘビー過ぎます。


前回の反省と、今回試したいこと

今回一番試したかったことは広域電視観望でのLiveStackです。原因は亜鈴状星雲M27がほとんと全く見えなかったこと。小さすぎるのもありますが、ノイジーだったのでLiveStackでもう少しノイズが減れば形くらいはわかったかなというものです。でもなぜか広角でのSharpCapでのLiveStackが全くうまくいきませんでした。

原因はStickPCが非力すぎたかもというのと、収差の多いレンズだったので星像が崩れて星として認識されなかった可能性が高いです。また、広角すぎたのも原因の一つかと思いましたが、ROIで画面を区切ってLiveStackしようとしてもできなかったので、広角なことが直接の原因ではない気がします。もしかしたら複合原因の可能性もあります。

というわけで今回のLiveStack実現のための改善点は
  • PCをハイスペックなものに交換。太陽撮影とかにも使っているSurface pro 7を投入します。可搬性は少し悪くなりますが、性能的には問題ないはずです。
  • もう一つは、レンズをPENTAXの6x7の105mm/F2.4に交換
です。よく考えたら、広域電視観望のLiveStackってこれまだやったことがありません。どれくらい改善されるか楽しみでもあります。

さてこのPENTAXの105mm、収差はそこまでよくはないですが、前回のNIKKOR50mmよりは遥かにマシです。というか、明るいレンズを試してくても手持ちで明るいレンズがあまりなくて、これは私が持っているレンズの中でもF3を切っている数少ないレンズの一つになります。あと手持ちの明るいレンズといえばNIKKOR35mm/F1.4、Nikkon135mm/F2.8、PENTAX 165mm/F2.8くらいですが、35mmはさすがに収差大きすぎ、あとは100をずっと超えることになってしまいます。50mmからあまり離れたくないので、今回の105mm/F2.4くらいが適当かというところです。でもこの焦点距離を倍にしたことは次の改善点と合わせて結構当たりでした。


広角時の簡単な初期アラインメント

もう一つの改善点は、
  • AZ-GTiできちんと初期アラインメントをして、自動導入と自動追尾をできるようにした
ことです。これは手間の割にかなり効果が大きかったので詳しく書きます。

そもそも、前回のコンセプトは場所も方向も気にしない「ポン置き」でした。初期アラインメントはこのポン置きを崩してしまうために避けていたのですが、今回のように広角の場合には、初期アラインメントがものすごく簡単であることに気づきました。

まず一つ目の手間は、一番最初に鏡筒をそこそこ北向きに、そこそこ水平におかなければいけないこと。ポイントは「そこそこ」です。ポン置きから考えるとたいそうな手間に思えますが、はっきり言ってかなり適当でいいです。105mmレンズでフォーサーズ相当のASI294MC Proなら計算すると画角は10度近くあるわけです。方角も水平度も10度くらいの精度で置けばいいのなら、まあ相当適当でいいでしょう。

初期アラインメントは水平が取れていない場合は「ツースターアラインメント」がいいでしょう。アラインメントの過程で水平のズレを補正してくれます。その際、明るい星を2つ選びます。今回はベガとアークトゥルス。初期アラインメントで一番難しいのが、見ている画面内に対象天体が入ってこない場合。特に焦点距離の長い鏡筒を使う場合によくあります。でも今回は焦点距離105mmで相当広角なため、余程適当に向きを置いていない限り、初期アラインメント時に一発で画面の中に入ってきます。ベガなんか一番明るい星なので、すぐにわかります。

この状態でPCの画面を見ながら、対象天体が真ん中に来るようにアランメントを2回とります。その後、対象の天体を自動導入してみると、かなりの精度で導入できます。というよりも、広角での自動導入なのであまり精度がなくても、きちんと真ん中に来てしまうと言った方がいいかもしれません。

さらにもう一つ、途中でSynScan Proで矢印ボタンでマニュアルで方向を適当にずらしても、AZ-GTiの中に現在の位置が記憶されているので、次の自動導入時もきちんと対象天体を間違えずに導入します。なので、前回やったリモートでモーターだけを使ってマニュアルで自分で天体を探すということも併用できるわけです。どれだけ好きに動かして迷ったとしても、そのまますぐに自動導入で位置確認することができるわけです。


実際のリモート電視観望

焦点距離が前回から比べて倍なので、より暗い星まで見えますが、逆に見える範囲は狭くなり、どこを見ているのかわかりにくくなります。でも今回は自動導入があるので、基本的に迷うことはありません。迷ってもまた自動導入ですぐに位置を特定することができます。これは思った以上に便利でした。中継の時に迷いながら探すのも臨場感があって楽しいですのが、いざという時に戻ったり次の天体に移動することができるのは安心感があります。

では実際に自動導入をして画面に天体を入れてみましょう。まずは手始めは、建物からのぼるM8干潟星雲。建物からのぼる「月」とかではありません。繰り返しますが建物から上る「星雲」です。
IMG_9916
画面のほぼ真ん中にM8がきているのがわかると思います。自動導入の位置精度はこれくらいなので、十分だとわかると思います。この画面はまだLiveStack無し。1.6秒露光の一発撮りなので、建物も木もぶれていません。

次は昨日見えなかったM27です。LiveStackを使ってノイズを減らしますが、今回はLiveStackも全く問題なくうまくいきました。でもPCがパワーアップしたからなのか、レンズの収差が緩和されて製造が良くなったからなのかは特定できていません。
IMG_9919
M27ですが、それでも小さいので見やすいように少し拡大しています。見え方は前回よりは多少マシで、形もなんとかわかりますが、やはりまだ焦点距離不足です。というよりはしょせんカメラレンズ、強拡大すると星がどうしても肥大化されて見えてしまいます。


あ、一応ネタとしてM57も見せますか。
IMG_9921
真ん中少し下の緑の明るいのがM57です。でも恒星に赤ハロが出ているのとほとんど見分けがつきません。さすがにもう少し焦点距離が必要です。


気を取り直して、次はサドルから少し東方向です。これは三日月星雲で自動導入しています。わかりにくいかもしれませんが、ど真ん中に写っているのが三日月星雲です。画像をクリックして、さらに拡大すると多分わかります。これもLiveStackありです。
IMG_9935


サドルからマニュアルで少し北に寄ったところ。真ん中より少し右下に見えるのがサドルです。
IMG_9936
これもLiveStackあり。左側の淡いところがどこまで見えるか試したのですが、驚くほどよく見えています。この後はまた自動導入に戻りました。

アンタレス周辺ですが、ここら辺が今回のシステムの限界でしょうか。赤と黄色は辛うじてわかるものの、青が(なんかモヤッとしている気もしますが)相当微妙です。
IMG_9926
青色はQBPの苦手とする色の一つなので、青だけヒストグラムで補強するような機能があるといいのですが、今のところリアルタイムではできません。


今回のハイライトでしょうか、屋根から上る北アメリカ星雲。自分の家の屋根なのですが、こんなのが家の中から見えるわけです。臨場感がないわけがありません。

IMG_9940


最後は再び干潟星雲とか、天の川中心部です。今度はLiveStackしています。本当にLiveStackさまさまですが、まあよく見えること。

IMG_9946


今回の問題点とまとめ

前回のシステムから少しの変更でしたが、見え方は相当変わりました。もちろん、そもそものASI294MC Proの感度が素晴らしいのと、光害地でも劇的な見え方の改善を提供してくれるQBP(Quad Band Pass)フィルターの性能があってのことです。

今回、広帯域電視観望で初めて試したLiveStackですが、やはりものすごいです。改めてその威力を実感しました。その一方、きれいな画面を見せようとすると露光時間が長く(今回は最長12.8秒)なり、さらにノイズが緩和されるまでスタックを重ねると、どうしても見栄えが良くなるまで時間がかかってしまいます。ただ、中継の時などでも実際にはそこまで頻繁に移動するわけではないです。中継で話しながら見せることになるので、話している時間でLiveStackをするとちょうどいいのかと思います。画面の移動の時は逆にリアルタイム性を出すために、露光時間を短くしたりして星の軌跡を出したりします。中継ではその辺りの作業の様子も全部見せることができるので、電視観望の技術交換にもなるかと思います。

また、今回AZ-GTiの自動導入を使ったのですが、広域電視観望でも自動導入は使った方が圧倒的にいいです。広角レンズとカメラなら、初期アラインメントで「必ず」ターゲット天体が画角に入ってきます。ベガとか明るい星を選んでおけば画面で確実にどれた対象天体かすぐにわかります。なので初期アラインメントの手間はほとんどかかりません。そしてその後の快適さが半端ないです。

レンズに関しては前回のNIKKOR50mmよりは星像はかなりマシで、自動導入もあるので今回の105mmの焦点距離でも、画角の狭さで今いる位置に迷うことはまずありません。その一方、まだ恒星周りを見ると赤ハロが目立ちます。これはピントが少し甘かったかもしれません。また、炙り出した時に出る明るい星の周りの白い大きなハロ。これは一段絞って2.8にした方がいいのかもしれません。


今後のこと

まだ多少の改善すべき点はありますが、夏の天の川がこれだけ見えるなら相当楽しいです。また時間のある時にZoomを使って中継してみたいと思います。前回参加できなかった方も、次回はよかったらぜひ参加してみてください。

ただ、天の川を見ようとするとまだこの時期は遅い時間からになってしまいます。最初はまだあまりたくさんの人数だとトラブってしまうかもしれないので、もう一回くらい遅い時間に始めるかもしれません。あ、でもこれから月が出てくるんですよね。まあ、月がある時にどれだけ見えるか試すのもいいテストになるのかもしれません。

一方、なかなか遠征などができないこの時期に中継してみなさんと繋がりたいという気持ちもあります。その場合は天の川にこだわらず、話が中心になるんでしょうか。

あと、今回の騒動が落ち着いたらいつか観望会でこのシステムを稼働させて、できるなら科学館とかのもっも街中で天の川を子供たちに見せてあげれたらと思います。

皆さん、この大変な時期に如何お過ごしでしょうか。新月期で天気もいいのに、なかなか遠征にも行けずにヤキモキしている方も多いと思います。

天リフさんでもベランダ天文台が流行っているようですが、私もZoomでの配信も見据えて家の中からリモートで、庭に置いた機材を操作して星を見えるシステムを考えてみました。


自宅からリモートで電視観望

この日は昼からずっと雨で、夜の21時くらいにやっと少し星が見え始めました。本当は庭で撮影したくて、子持ち銀河のM51狙って赤道儀を出そうと思って外に出たら、また雨がふってきました。しばらく待って、また星が見えたと思って準備をしようと思ったらまた雨。こんなことを繰り返してました。

仕方ないので待ち時間の間に超簡単なリモート電視観望装置を組んでみました。基本的には ASI294MC(Pro)に焦点距離50mmのNIKKORレンズを付けた広域電視観望システムがベース同じです。



焦点距離が短いので自動導入とかは必要なく、ただの三脚にカメラとレンズを載せて、普通のカメラのように見たい方向に、手で合わせていました。ターゲットの星雲をPCの画面でリアルタイムで「見ながら」導入するのです。今回はその手で合わせていた部分をAZ-GTiにして「リモート化」しています。

IMG_9893

自動導入もいいのですが、手軽さ重視でAZ-GTiをただのモーター付きの経緯台として使います。ポンと置くだけでいいですし、位置が気に入らなければヒョイと持ち上げて、適当なところに適当な向きにまたポンと置くだけです。

操作はというと今回はiPhoneとかiPadとかの端末は使いません。AZ-GTiをステーションモードで自宅LANに繋いでしまえば、SynScanまたはSynScan ProがインストールしてあるどのPCからでも操作することができるようになります。Wi-Fiが届く範囲にさえAZ-GTiをおくようにしてやれば、端末を持って近くにいる必要もなくなるというわけです。

画像取り込みには撮影用のStickPCを使いました。上の写真のハーフピラーのところに写っていますが、見ての通り超コンパクトです。実際にはハーフプレートにマジックテープをつけて、バッテリーとStickPCにもマジックテープをつけて、亀の子状態でくっつけてあります。ケーブルは少し長めにとって、水平方向位何回か回転しても大丈夫なようにしておきました。ただしこのStickPC、非力なのでよく落ちます。特にSharpCapは結構な計算量を必要とする時があり、今回はLiveStackの時に何度かSharpCapが落ちてしまい、その都度立ち上げなければなりませんでした。ここは少し改良の余地ありです。

機材を組み上げた後は、外に出てポンとそれを庭に置いて、AZ-GTiとStickPCの電源を入れます。別途PCの画面でカメラ映像を見ながらピントさ合わせたらそれでセッティングはおしまいです。超お手軽です。

早速部屋に移動して見てみます。

IMG_9895

画面右下に自宅の屋根が写っています。屋根が見えるということは北向きの空ということになります。この頃にはまだ方角によっては雲が残っていたりしてたのですが、こちらの電視観望の方が面白くなってしまい、この時点でこの日の撮影は諦めました。風が結構強かったこともあります。

最初の頃は、実際の空を見ていない状態での操作に慣れていないせいもあり、いまいちどこを見ているか迷いがちでした。迷うとカメラを下の方に向け、景色を見て方角を確かめます。自宅なら北から東向き、お隣さんなら北から西向き、高い木が見えたら南向きとかです。そのうち、間抜けなことにROIで画面を4分の1に制限していることに気づき、元の画角に戻したら星座全体が一画面に入るようになり、これでどこを見てるか認識できるようになり、やっと快適になりました。

これでだいたいリモートでの電視観望の方の目処がついたので、他の方にも中継で見てもらおうとZoomの準備を始めることにしました。


Zoomによる星空中継

Zoom自身は私は普段使い慣れているので特に問題ないですが、初めてで興味のある人も多いと思います。誰かが開いている会議に参加するだけならものすごく簡単で、どこかで知ったアドレスをクリックするだけです。自動的にソフトがインストールされ、パスワードを入れるなどして会議にアクセスできればそれでおしまいです。デフォルトでは立ち上げ時にマイクが入りっぱなしになっているので、声がダダ漏れになってしまうことくらいでしょうか。ミュートするのを忘れないでください。

会議を立ち上げる場合にはアカウントを作る必要があります。ネットを漁ればいろんなところにやり方は書いてあるので詳しい事は書きませんが、ポイントは会議は自分のIDでの会議室ではなく、毎回会議を個別に立て、毎回必ずIDを変えること。今回のように不特定多数の人が参加する場合はこれが必須でしょう。あとパスワードを設定して、アナウンスの際にパスワードを抜いたアドレスをアナウンスすること。Zoomに言われたアドレスをそのまま晒すと、パスワード込みなので本当に誰でも、スパンユーザーでも入ってきてしまうので注意です。パスワードは別途知らせるようにしましょう。


実際の電視観望中継、参加者は3人

やっとZoomの準備とテストもできたのが0時半頃でしょうか。Twitterで参加を呼びかけたら、このブログでもたびたびコメントしてくれるnagahiroさんがすぐに入ってきてくれました。さらに「星を求めて」でお会いした、お子さんと一緒にKYOEIの赤道儀をいじっていたzhyaさんが参加してくれました。その後しばらくしてスタベのアルバイトのK君も参加。

中継を初めてすぐの私一人の時は、まだ北の空でうろうろしていて、前回撮影したM101が見えないかなと探していたくらいでした。nagahiroさんが入ってきてからは、こと座でM57を見ましたが流石に小さすぎて点にしか見えず、ヘルクレス座の球状星団M13は結局見つからなくて諦め。仕方ないので、そのまま一気に南の空に行きました。もうこの時間だと天の川がそこそこの高度にきています。

IMG_9901

上の画面わかりますでしょうか。部屋のMacから外のStickPCにリモートデスクトップで接続し、そのリモートの画面をZoomで中継している画面です。右下にSyncScan Proも出ていますが、こちらもStickPC上で動かしています。天の川の中心部がはっきりと写っています。リモートデスクトップの遅延も、Zoomの遅延もほとんどきになりません。右下に干潟と三裂星雲、中央上にオメガ星雲とわし星雲がはっきり見えます。この画面が見えた時、nagahirozさんと二人で「おおっ」となりました。

実際の星空中継はかなり楽しく、またZoomの高解像度で遅延の少ない配信により、星のような一見ノイズと勘違いされやすい映像でもそこそこ見ることができるようです。実際自分でもモニター用に別のPCで見ていたのですが、大元で見ている画面からもあまり遜色なく見ることができています。中継中に参加全員にも聞いてみましたが、十分認識できるくらいきちんと見えているようでした。

次の画面は少し後の時間のものですが、左上に干潟と三裂星雲が写っています。この画面でもわかりますがM6とかM7の散開星団はよくわかりますが、画角には入っているはずのM19やM62などの球状星団はわかりにくいようです。この解像度では球状星団は固まりすぎて見分けがつきにくいのだと思います。最初の方のM13が見つからなかったのも仕方ないかもしれません。

IMG_9912

次に、南から東の空に移ります。途中アルタイルが認識でき、矢座がわかったので、M27を探してみました。下の画像の真ん中ら辺の緑色のがそうです。さすがに50mmしかないので、かなり拡大していてもせいぜいこれくら、かろうじて緑と赤の形がわかるかどうかというところでしょうか。

IMG_9896

ここで、LiveStackでノイズを下げようとしましたが、LiveStackが全くうまくいきませんでした。理由ですが、StickPCが非力でLiveStackの計算が重いことがあると思います。ROIでが面を区切って軽くしてもうまくいかないです。LiveStackのAlignmentのオプションで、認識できた星を表示する機能があるのですが、全然星を認識できていません。重すぎるからなのか、画角が広すぎるからか、それとも星像が歪んでいるからか?ちょっと原因不明なので、後日検討します。Zoomでの会話の中で、星の歪みならPENTAXの6x7レンズで試したらどうかという意見がありました。ちょっと暗いですが、暗さは露光時間を伸ばせばなんとかなるので、うまくいくかもしれません。

Alignment無しで、重ねるだけのLiveStackをしてもいいのですが、10秒もすると星がどんどん流れていきます。AZ-GTiのモーターはその方向に向けるためだけに使い、追尾していないので当たり前ですね。本当は自動追尾するように初期アラインメントをきちんとすればいいのですが、それだとポン置きの手軽さが失われてしまいます。ここはトレードオフです。

最後の画像はサドルから、北アメリカ星雲付近です。右下に網状星雲も見えています。

IMG_9909

富山とは言え普通の住宅地。ある意味光害地の自宅からでこれだけ中継できれば十分でしょう。もちろんアメリカンサイズのQBPが入っているおかげもあり、天の川もこれだけ簡単に見ることができます。こうやって中継で星空を見るのももちろん楽しいですが、これをネタに全国の星仲間と話ができるのも何よりの魅力でしょう。

残念ながらzhyaさんがご家族が寝ているとのことで、声を聞くことができませんでした。遅い時間からの開催でzhyaさんには申し訳なかったです。もう少しして天の川が早い時間に上がってくるようになったら、ぜひ星を求めてでお会いしたお子さんにもみてもらえたらと思います。他の二人とは結構ずっとおしゃべりモードでした。実際の交流があまりできないこの時期、こうやって話ができるのはストレス解消にもなります。また、星空中継だけでなく画像処理とかの経緯の中継にも使えそうで、会話が弾みそうです。

夜も更けてきて、zhyaさんは1時半頃には退散、結局nagahiroさんは午前2時前くらいまで、K君は結局2時過ぎまでいてくれました。K君はM57の撮影をしていたらしくて、最後私と二人になったところで、お互いに撮影状況を映しあっていました。K君は自宅すぐ前の、本当に東京近郊の街中での撮影でした。私もカメラを下に下げて横に360度一周して「こんなところだよ」とか言って説明してみました。互いにこんなことができるのもZoomの魅力かと思います。


まとめ

今回は外出が自粛される状況の中、リモート(と言っても庭ですが)で自宅からの星空の電視観望をZomを通して中継するというテストをしてみました。Zoomの性能に助けられたこともあり、ほとんど不満なく星空を共有できたと思います。また、夏の天の川で広域電視観望システムを確かめたかったのですが、こちらも自宅から天の川を十分見ることができることもわかり、大満足です。

今回はテストでしたが、また気が向いたら中継やりたいと思います。Twitterで呼びかけますので、よかったらフォローしてチェックしてください。


このページのトップヘ