ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 電視観望

古スコ電視観望シリーズ、スーパーチビテレに続き、今回胎内で手に入れたファミスコで電視観望を試してみました。

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昔のプラスチック鏡筒なりの問題点もわかりました。
  • まず、前回対物レンズからCMOSカメラまでの距離が足りなかったので合焦しなかった件ですが、手持ちの機材を漁ったらT2の延長筒を発見しました。どこで手に入れたのか全く記憶にないのですが、もしかしたら一番最初のBKP200の付属品かもしれません。これを鏡筒とカメラの間に入れることで合焦するようになりました。
  • CMOSカメラの取り付けはT2ねじなのですが、回転位置を調整することができません。ネジ山の切り方で締め付けた時の位置が決まってしまいます。
  • 基本的にプラスチックなので、ネジをあまり強く締めることができません。アルカスイス互換プレートをつけましたが、一応金属の雌ネジが埋め込まれてるようですが、少し怖いのであまり強く締め付けませんでした。アルカプレートをつける位置が随分と対物レンズから離れているため、重心バランスが取れずに対物側が重くなってしまい、ネジをきつく締めていないこともあり、頭が垂れていってしまいました。ネジをもう少し締めてなんとか固定しましたが、やはりちょっと怖いです。
  • ピントは指摘されている通りものすごく合わせにくいです。鏡筒の対物レンズ側を回転させて伸び縮みさせるのですが、なめらかではないのでなかなか思った位置に止めることができず、微調整が難しいです。

ファミスコは最近稼働率が高いAZ-GTiにマウントしています。今日は最近はまっていた赤道儀モードと違って、電視観望なので簡単に経緯台モードでの稼働です。ファームウェアを赤道儀も対応するものに書き換えたので、経緯台モードでは鏡筒の向きが以前と前後逆になって、AZ-GTiがL字に見える方向から見て、手前側が対物側、奥側が接眼側になります。

さてこんな状態で、期待しながらまずは月を見てみます。鏡筒はプラスチックでもレンズは期待できるはずです。

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赤い鏡筒にはZWOの赤カンがよく似合います。

あれ?なんか画面が眠いぞ。もっとはっきりしてくれてもいいはずなのに。

さらにM57。ナンジャコリャ、全然星が点にならない。四隅どころか、画面のど真ん中でもぜんぶの星が十字型です。

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あれ、確かファミスコって値段や作りの割に、見え味はそこそこという評判だったのでは?
  • ファミスコは確かハレー彗星の年なので、1986年くらいのはず。スーパーチビテレは記録によると1980年発売。設計はファミスコ の方が新しい。
  • 値段はスーパーチビテレが 広告の値段で36800円とか。ファミスコが1万円程度とか、6千円くらいだったとか、特価で3千円だったとかなので、値段だけ見たらスーパーチビテレの方がはるかに高級機です。
  • スーパーチビテレの方が短焦点なので多少不利か?
と色々考えると、もう少しファミスコが検討してくれても良さそうです。スーパーチビテレも四隅は厳しかったのですが、中心はまだはるかにマシでした。結果としてはスーバーチビテレの方が圧勝です。もしかしてこのファミスコ単体の問題なのでしょうか?

少しだけ検証すると、今回見えたのは内外像で星像が縦方向から横方向に伸びていく様子で、非点収差の典型だと思われます。非点収差の原因はレンズのそのものか、レンズに無理に力を加えて固定しているために歪んでしまっていることが原因のようです。前者は手が出ないのですが、後者は少し手を出す余地がありそうです。そうは言ってもファミスコの対物レンズは完全にプラスチック部分に接着されてしまっているので、分解するためには鏡筒部を一部破壊するしかないようです。何かいい手はないものか?もう少し考えてみます。


今回、私にとってある意味伝説のような2機種を見て比較することはできました。でも色々考えされられました。単に古いものへの憧れだけで、安易にスーパーチビテレとファミスコを手に入れて、念願だった実際の星を覗きましたが、昔の人たちは本当に苦労していたのだと。いい機材を心底切望していた気持ちがよくわかった気がします。いかに、現代のごくごく普通の入門機でさえも、きちんと星が星として見えるようになったのかを実感できます。

もちろんあの時代にもきちんと見える鏡筒は存在したと思います。でも当時の多くの天文少年にとって、それらは本当に高嶺の花だったことでしょう。時代の進歩は素晴らしいと思います。技術がきちんと一般化していって、普通の人が、普通に星を見ることができる望遠鏡を、無理することない価格で手に入れることができます。

昔の郷愁に想いを馳せて、技術の進んだ現代に生きていることを感謝して、また空を見ていこうと思います。

久しぶりの晴れで、先日小海の星フェスで手に入れたスーパーチビテレ60がどう見えるのか、いてもたってもいられなくて早速試してみました。

そもそも口径60mm、焦点距離260mmの名前の通り小さな望遠鏡です。とにかく電視観望ができるかどうか試したくて、アイピースで見ることなんかはこれっぽっちも考えずに、早速CMOSカメラを取り付けます。知りたいことは電視観望でこの時代の鏡筒が使い物になるかどうかです。スパーチビテレにはVixenの31.7mm変換アダプターがそのまま取り付けられるので、CMOSカメラも差し込めるようになります。

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超コンパクトシステム。昭和と現代が混ざったような様相です。

自動導入があると楽なのでAZ-GTiに載せるために、いつもの常套手段で手持ちのVixen規格のアリガタにアルカスイス互換のマウントを組み合わせます。鏡筒側にはアルカスイス互換のプレートをつけて、取り外しが楽なようにします。途中のアルカスイス互換パーツが少し余分ですが、アリガタから鏡筒まで適度な高さが出るのでAZ-GTiで駆動しても三脚にCMOSカメラとかが当たらなくなります。

焦点距離が短いので、最初はセンサー面積の小さいASI224MCで試しました。スーパーチビテレ単体の鏡筒では合焦せず、接眼側に長短の延長筒2本をつけて合焦まで持っていくことができました。センサーが小さいのでアライメント時の導入に多少苦労します。1スターアラインメントの後、まず簡単に月を見ましたが、いまいち像が甘い?ピントのせいだけではなさそうです。なんか期待できるかもしれません。

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続いていつものM57。200%と、結構拡大した状態になっています。

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うーん、意外や意外、中心付近の拡大では結構まともに見えてしまいます。でもよく見ると中心近くでも星が丸くなりません。ピント調整で星像を一番小さくしても、どうしても縦長か横長になってしまいます。旧御三家に対する評価の一端を見た気がします。

下はセンサー面積が16倍(縦横4倍)に相当するASI294MCで撮ったものです。

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中心部分の歪みも多少わかってしまいますが、四隅は相当な歪みがあります。ザイデル5収差でいうと同心円状に広がる非点収差と、四隅が放射状に広がっている歪曲収差が盛大に出ています。像面湾曲も四隅でピントが合っていないので出ていることがわかります。月の解像度がなく、眠い見え方をしているのは球面収差ですね。コマ収差は大したことないようにみえます。こうやってみると中心付近だけを見るようなASI224MCでの電視ならばそこそこ実用的かと思います。


下は同じくASI294MCでM27。中心付近の拡大ならそこそこ見えます。

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全体図です。M57の全体図と同様の傾向です。

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最後に、すばるは6秒露光ですが、少し流れてしまっています。星間分子雲がごくわずか写っていますが、自宅で透明度もそこまでよくないのでこんなもんでしょう。青ハロも盛大に出ているので色収差も当然ありそうです。

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平日の短時間でしたが、もう十分に堪能できました。スーパーチビテレの評価ですが、昔の噂に恥じない、最近の鏡筒ではあまり無いような見え味の鏡筒です。これは見る価値が十分にありました。現在市販されているごくごく普通の鏡筒とどれくらい違うのかと、ずっと疑問に思っていたのですが、その疑問に見事に答えてくれました。民生望遠鏡の黎明期に、より安価に天文の裾野を広げる役割を担った旧御三家。技術的にはもちろん未熟なところはあったかもしれませんが、これらの望遠鏡に(厳しく)育てられたアマチュア天文家は相当数いるのではと思います。その時代からの進歩を考えると、今の望遠鏡の見え味は技術が広く一般化されたことの証と言えるでしょう。この時代のものは見え方はどうあれ、今となっては貴重な資料と言えます。大事に大事にしたいと思います。


蛇足ですが、もう一つ、胎内で手に入れたファミスコ赤バージョンも試してみました。ファミスコにはT2ネジが切ってあるので、ASIカメラを直接取り付けることができます。ですが、ASIカメラの直焦では残念ながら合焦しませんでした。対物レンズからの距離がもう少し必要です。T2のオスメスネジが切ってあるような延長筒を手に入れる、T2から31.7mmのアイピース口に変換するようなアダプターが必要です。

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最後にまとめですが、これが言いたくて今回試してみました。古くて眠っている望遠鏡も、視野を絞った電視観望ならばそこまでの精度を求めないので、再利用することができます。なんたってあのスリービーチでも大丈夫なのですから。皆さんも倉庫の奥に眠っている鏡筒でぜひ一度試してみてください。


惜しむらくは、こんなスーパーチビテレやファミスコを一般の観望会で使ったとしても、おそらく誰もその価値をわかってくれないことでしょうか。

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週末の金曜日、昼間晴れていたので今日は撮影日かと期待したのですが、自宅に着いた頃にはうっすら雲が空一面にかかっていてぼやぼやの星が見えるのみ。明日は立山の弥陀ヶ原でスターウォッチングのお手伝いなので無理はすまいと諦めたのですが、22時頃に空を見ると一部に雲はあるものの、雲がないところはすごい透明度。ただ、月が午前1時前には出てくるようなので撮影は諦め、前回に引き続きまたお気軽電視観望と相成りました。三脚の上の自由雲台にCMOSカメラとレンズを取り付けただけの、赤道儀の経緯台もない、本当に超お手軽観望です。

ところで前回の記事ですが、完全にポカをやらかしました。NIKKORのオールドレンズはよく似たものを2本持っていて、50mm F1.435mm F1.8です。前回50mmのレンズでと書いていましたが、使っていたのは実は35mm。今回もてっきり50mmと思って使っていたのですが、片付けるときに明るい自宅に入ってやっと35mmだったと気づきました。というわけで前回の記事も書きなおしておきました。

まずは動画です。前回と違い月が出ていないので、多少光害地の自宅ですが暗い空を楽しめます。ターゲットはほぼ同じで、スバルからアンドロメダ、木の上の雲を見て、最後は北アメリカあたりです。でもやはり低空の明るさは避けられませんね。


前回と見比べると、月明かりがない分多少暗いところも炙り出せるので、アンドロメダとかはみやすくなっています。それでもあまり大きくは代わり映えしないので、やはり光害地でない暗いところで新月期に見るのが一番面白いのでしょう。それとは別に今回面白かったのが、こんな広角で見ても星雲は見えるのかということを試したことです。まずはM27です。どこにあるかわかりますでしょうか?

SharpCap上で40%の画面拡大率で普通はPCの画面いっぱいに広がるのですが、この画像は200%で表示しているので、5倍くらいに拡大していることになります。よく探すとど真ん中の少し上くらいに少し緑がかった二つつながりの亜鈴型があるのがわかると思います。まるで宝探しですね。

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もう一つは、アンドロメダはすぐにわかると思いますが、よくみるとM33も写っています。場所はアンドロメダから右下に降りていって明るい星を対称に反対側にアンドロメダを写像したくらいに位置にぼやっと光っている天体がM33です。流石に形はわかりませんが、これも宝探しみたいです。

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実際にはStellariumを立ち上げて、明るい恒星の位置を確かめながら、順に辿っていくのですが、この過程が結構ワクワクもので、見つけた時は「おおっ!」となってしまう、まるでハンター気分です。電視観望の楽しみ方の一つかも。

 

10月1日の台風一過、透明度は良さそうですが雲がずっと残っていてい天気はイマイチでしたが、23時頃外に出ていると結構で久しぶりに少し晴れ間が見えたので、ほんの1時間程度でしたが、お庭でお気楽電視観望をしてみました。

今日試したかったのは、ASI294MCに焦点距離の短い明るいレンズを使って広角でみたらどうなるかというのです。今回試したのは焦点距離35mmでF1.8の昔のNIKKORレンズです。ターゲットはアンドロメダや、白鳥座付近の北アメリカ星雲など相当大きな天体です。色がつくくらい見えるのかどうか?

セットアップは赤道儀も何もないので気楽なもんです。CMOSカメラにアダプターでレンズをつけただけ。それを三脚に載せるだけです。

ギリギリリアルタイムと言えるくらい露光時間(400ms, 2.5frams/sec)の動画が以下になります。PCの画面をiPhone5で撮影したものになります。実際の画面の見え味に非常に近いものになります。


月の明かりの近くのM45すばるに向かい、M31アンドロメダ銀河、雲などをみて、白鳥座のお尻くらいに行きます。まず月齢21日くらいなのでまだ半月より大きいくらいでとても明るいです。すばるも月明かりの影響を受けますが、天頂付近のアンドロメダあたりまでいくと多少月明かりもましになります。ただし形まで見るには動画だとちょっと厳しいでしょうか。スタックすると下のようにはっきりと見ることができます。

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意外に雲が動きがあって面白かったりします。白鳥座あたりに来ると、月からは遠いのですが今度は低空で国道沿いの灯りが影響し始めます。なんかボヤーっと天の川らしきものが見えますが、街中ではこれくらいが限界でしょうか。こちらもスタックすると北アメリカ星雲の形とかも出てきます。

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平日で次の日仕事もあるので、わずか1時間程度の電視観望でしたが、月明かりの条件でもある程度楽しむことができそうです。色まではなかなかわからないのですが、もう少しくらい空だともっと綺麗に見えるはずです。

本当は福島のスターライトフェスティバルで試したかったのですが、台風の影響で中止になることが決定してしまいました。舞台の屋根が飛んでいってしまっているようで、現地は大変なようです。残念ですが、安全第一ですね。



 

夏休みの観望会、今年も色々ありそうです。まずは第一弾、昨年も行われたグリーンモール山室での観望会です。

実はこの日、台風が東京に接近するかとか言われていて、湿った空気が流れ込み富山も曇りか雨だろうと言われていました。しかも午後3時頃に、開催はするけれど天気が悪そうなのでお話だけになりそう、観望の人は無理して参加しなくていいですよというメールでのお知らせが。なので完全に油断していて、のんびり職場を出ました。しかも空は一面の厚い曇。

ところが車を運転し自宅に近づくにつれ、徐々に晴れてくるではないですか。自宅に着いたらなんと一面の晴れ。しかもこの時すでに19時半過ぎで暗くなって来てしまっています。これはダメだと、急遽3分くらいで夕食をかき込み、下のSukeは行かないというので、上のNatsuだけ誘い、 1分後くらいにはもう会場に向けて出発していました。それでも会場に到着したのは20時頃。すでにお客さんもたくさんいて、観望会もとっくに始まっているような状況です。そんな中、焦りながら荷物を運んで早速のセットアップです。

今回は原村の時と同じ、タカハシの60mmのFS-60CBをAZ-GTiに載せ、ASI294MCで電視観望です。自分でも驚いたのは、設置を始めて5分後にはすでにM57を見せていたことでした。設置している最中から子供達が寄って来て「どこから覗くの」と言いながら並び始めたので「これはみんなで見えるので、覗かなくていいし、並ばなくてもいいよ、あと少し時間がかかるから他を見て来てね」と言いながら、すぐに1スターアラインメントを木星で済ませ、そのままM57を導入。その子達が他に行く間も無く電視観望を始めることができました。このセットアップの速さは特筆ものです。軽量ということも効いているでしょうが、水平さえ合わせてしまえば(ものすごく重要です)、本当に一発でアラインメント終了で、その後、即自動導入が可能です。

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昨年は雲で結局電視観望は厳しかったのですが、今年は少なくとも到着してからしばらくの間は、まだ晴れ間が見えていました。夏の大三角もはっきり見えていて、こと座のベガを説明しながら、M57を導入しました。M57を入れた時に、さすがに街中でこんな星雲が、しかも色付きで見えるとは誰も思っていなかったのでしょう。特に小さい子はものすごく驚いていたようで、宇宙にこんな綺麗なものがあるのがびっくりだったようです。超新星爆発の残骸だとか、その残骸が球状に広がっていて一方向から見てるからリング状に見えるんだとか、いろんな話をしました。気づくと周りには人だかりができていました。

富山といえども街中のショッピングモールの駐車場なので、周りは相当明るい状況です。惑星や、ちょうどその時流れたISSはよく見えますが、その他の星は2等星も見えるかどうかというくらいです。そんな中でM27を入れましたが、亜鈴状の形もよくわかりますし、十分に色がついて見えていました。街中でも、電視観望は十分すぎるほど活用できることがわかりました。

晴れていた空もだんだん曇り始めてきました。それでも雲越しにM13の球状星団を入れた時には、みなさんから「きれーい、星がたくさんあるー!」など、感嘆の声が上がっていました。雲が多少あっても、薄曇りなら十分に見ることができます。

最後の方はほぼ全面が雲に覆われてきて、かろうじて一つだけ見える木星を入れて、少し解像度が悪かったので3倍のバローを入れて、縞をなんとか見ることができました。縞の数を一緒に数えたりと、お客さんたちと楽しいやり取りをすることができました。木星の縞が見えるくらい拡大すると、さすがに流れていきますが、これは水平の精度が足りないのに1スターアラインメントでごまかしてしまったからでしょう。こんなレベルの合わせ方でも自動導入でキチンと毎回画面の中に入ってくるので、ほとんど困ることはありません。

今日はいつものSukeがいないので、NatsuにSCOPETECHをまかせていました。会場に来ていた子供達に自由に望遠鏡を、自分でする導入も含めて触ってもらっていました。やはり雲のせいでしょうか、SCOPETECHは木星の縞はかなり厳しかったみたいです。他の方のより口径の大きい望遠鏡だと、同じ時刻でも縞まではっきり見てていたそうです。Natsuに言わせると子供達の反応がとても可愛かったようで、1時間ずっと面倒を見てくれていました。

色々焦っていたので、他の方の機材を見る余裕もなかったのと、今回写真を全く撮っていなかったのに後で気づきました。なので今回は写真なしなのですが、とにかくAZ-GTiを使ったシステムのセットアップの速さに驚かされた観望会でした。観望会が終わってから、なぜか主催者の方とUFOやオカルトネタで異常に盛り上がるなど、去年に引き続き、楽しい観望会となりました。


つい先日KYOEIで購入してきたAZ-GTiのファーストテストです。

とりあえず試した感触を一言で言うと、これものすごくいいです。前回の記事の繰り返しになりますが、
  • 軽くてコンパクト
  • 安価(実売3万円程度)
  • ワイヤレスでのコントロール
  • 自動導入可能
  • 電池駆動可能
と、カタログなどからわかるスペックだけでも電視観望に十分使えそうです。

実際のテストですが、この日は日曜日、月食の興奮も冷めやらぬ満月のわずか2日後で、あいにくまだまだ空は明るすぎるので、機材テストにはもってこいでしょう。


器材などの準備

AZ-GTiを日本で購入した場合、サイトロンジャパンが付属した日本語のマニュアルが同封されるようです。マニュアルをよく読んで、まずは事前準備とし必要な物は
  • 単3電池8本を入れることと、
  • コントローラーとしてスマホかタブレット端末を用意しておくこと
くらいでしょうか。あ、もちろん鏡筒とか、アイピースとか、カメラは必要ですよ。

あらかじめスマホやタブレットにアプリをインストールしておきます。アプリはSynScanという名前で無料、Pro版と簡易版があるようです。今回はPro版を使ってみました。

私は今回は三脚とハーフピラーが無い、経緯台単体バージョンを買いましたが、ハーフピラーは秀逸だそうです。そもそもアリミゾ部分が経緯台本体からあまり離れていないため、鏡筒の高さや長さによっては下の三脚に当たってしまう恐れがあります。ハーフピラーはこの干渉を防ぐためにセット販売しているとのことです。しかも強度が相当あるとのことで、これ単体でも手に入れておく価値があったかもしれません。セット付属の三脚は一般的なもので、もしかしたら少し弱いかもという話でした。

今回のセットアップはAZ-GTiをGitzo GT3840Cをシステマティック化した三脚に載せています。鏡筒は電視観望用にFS-60CBに、CMOSカメラでASI294MCを取り付けています。

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上の写真を見てもわかりますが、ものすごくコンパクトになってかなりいい感じです。

私の場合は下の写真にあるように、アリガタプレートからアルカスイス互換プレートに変換するためのアダプターをつけているので、鏡筒がアリミゾから少し浮いた状態になっているため、三脚との干渉はあまり問題になりませんでした。それでも、もっと安定度を求めるためにGitzo三脚をさらに開いて使おうとすると、カメラ部分などが当たってしまうかもしれません。なので、ハーフピラーは持っておいてもよかったかもしれません。

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初期セットアップ

最初のセットアップポジションは、鏡筒を水平にして、さらに鏡筒が北に向くようにします。これがAZ-GTiのデフォルトの初期位置です。MEADEのEXT-60ATとかも同じような方式をとっていました。

その際、AZ-GTiの上部についている水準器を見て水平をきちんととることが初期アラインメント、ひいては自動導入にとって重要になります。これが狂うと、初期アラインメント時に星を最初に視野に入れるのにズレが出てしまい、星が見つからない、補正が大きくなることなどにつながります。水準器を見て少なくとも泡が中心に来るくらいまでは、一番最初に水平度を合わせるのがコツかと思います。

もし鏡筒側に水準器がついていると、さらにいいかもしれません。私の場合は下の写真のようにアルカスイス互換アダプターについている水準器を利用して、初期アラインメント前に鏡筒の初期水平度をとっています。これによって初期アラインメントの一発目の星の導入確率がかなり上がりました。

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北向きにする際に、どちら向きに望遠鏡をセットすればいいのか最初戸惑いました。AZ-GTiに対して右に鏡筒の先をつけるのか、左に鏡筒をつけるのか2つの自由度があります。マニュアルを見れば一発なのですが、AZ-GTiがL字に見える方向から見ると、鏡筒のアイピース側が手前に来るように(2018/10/24追記: ファームウェアを赤道儀にもなるバージョンに変更すると、経緯台モードで使うときにこの向きが逆になるようです)取り付けます。これを間違えると、初期アラインメント時に鏡筒の先が下を向いていくことでしょう。



接続開始

さて接続ですが、AZ-GTiの本体の電源を入れて、AZ-GTiが持っているルーターのWi-Fiにスマホやタブレットから接続します。この際、スマホやタブレットの方であらかじめWi-Fiの接続先をAZ-GTiのルーターの方に「先に」接続しておかなければ、いくらアプリでAZ-GTiに接続しようとしても、接続することができないので注意です。アプリ側でいったんAZ-GTiと接続が確立すると、アラインメントなどの操作ができるようになります。またパスワードなどの設定も、いったん接続が確立した後に「設定」アイコンからできるようです。パスワードを設定しておかないと、アプリを稼働させているほかの人からも簡単に接続されてしまうので、誤動作を防ぐためにも注意が必要です。

アプリはきちんと日本語化されているので、あまり戸惑うことはないでしょう。アプリを使って実感したのは、スマホ側の時刻や位置情報をそのまま使うので、通常の赤道儀の初期アラインメント時にあるような、緯度経度設定だとか時刻設定を全くすることなく、自動的に設定されるのがものすごく楽なことです。



初期アラインメント

自動導入の準備として初期アラインメントが必要になります。「アラインメント」アイコンをクリックします。経緯台なので、赤道儀の場合と違って極軸合わせは必要ありません。これは初心者にとっては大きなアドバンテージになると思います。アラインメント方法は、通常の2スターアラインメントに加え、簡易な1スターアラインメント、精度が上がる3スターアラインメントなどが用意されています。

1スターアラインメントは本体の水平度(鏡筒の水平度の誤差は最初の導入の時に打ち消してくれる)の精度がそのまま自動導入精度につながるので注意が必要です。水平度さえ出ていれば、後は方角の誤差のみなので、適当に左右に振ってやればターゲットが見つかるはずです。実際の操作は「1スターアラインメント」アイコンを押してから、ターゲットの星がリストアップされるので一つ選びます。「アラインメントをはじめる」ボタンを押すとすぐに導入を開始します。いったんモーターが止まったら、ターゲットが視野の中に入っているか確認します。視野の中にターゲット天体があれば、そのまま視野の真ん中まで矢印ボタンで持っていきます。視野に入っていなければ、少し大きめに動かして視野に入ることを確認して、うまく真ん中に持ってきます。

真ん中までターゲットを持ってこれたら、矢印ボタンすぐ上の丸星マークのボタンを押します。この時、丸星マークがうまく押せない時がありますが、これはバックラッシュが残っているからで、矢印ボタンをよく見ると淡く色がついて点滅しているのに気づくと思います。この点滅している方向をクリックすると、バックラッシュが除去でき、やっと丸星ボタンが押せるようになります。なかなか芸が細かいですね。

木星で1スターアランメンントを試して、土星とか星を自動導入してみましたが、水平度が出ていればそこそこの精度で実用になります。逆に水平が出ていないと、最初にターゲットを入れるのも大変ですし、それ以降の自動導入の精度が全く出ません。なので水平に自信がない場合には、ワンスターアラインメントは避けて、これ以降の複数の星でのアラインメントにすべきでしょう。

アラインメントの2つ目にブライトスターアラインメントとありますが、これは最初に鏡筒を北向きに合わせる必要がない代わりに、一つ目の星をマニュアルで矢印ボタンを使って導入する必要があります。ある意味、これでマウントに方角を教えているような方法になります。この場合、ターゲットの天体の名前と、実際にその天体が空のどこにあるかを知っていなくてはならないので、初心者にはちょっと大変かもしれません。一つ目がマニュアル導入でうまく入ってくれれば、二つ目の星は自動導入でそこそこの位置に入れてくれはずです。が、これも水平度が出ていないとずれてしまうので、ここでも水平度はかなり重要ということになります。

北の方角をあらかじめそこそこ出しているなら、次の2スターアラインメントのほうが、一つ目の星から自動導入してくれるので簡単かと思います。ブライトスターアラインメントとの違いはそこだけで、私は2スターアラインメントのほうがやりやすいと感じました。

肝心の自動導入の精度ですが、結論としては2スターアラインメントで電視観望程度ではもう十分な精度で天体を導入してくれます。3スターアラインメントは撮影とかも見据えたよほどの時しか使わないかもしれません。


コントロールボタンに対する反応も普通のハンディコントローラーに比べて全く遜色ありません。Wi-Fi経由での応答なので、最初反応速度の遅延などを心配していましたが、そんな心配は全く杞憂でした。しかも、ボタンを押してモーターを回した後に、ボタンが点滅するバックラッシュ解消機能なんかは、コントローラーソフトが容易に開発書き換えできる環境が構築されているからでしょう。あと、コントロールボタンに斜めがあるのも便利です。両軸を同時に動かしてくれます。

アラインメントを何度か試すときに、最初のデフォルトのポジションに戻す機能があるといいなと思いました (追記: コメントで彰ちゃんが教えてくれました。「ユーティリティ」の『ハイバネート」の中にあります。)。でもこのホームポジション機能は簡単に作ることができることがわかりました。「ユーザーオブジェクト」アイコンをクリックして、例えば「地上」で「軸1」と「軸2」に「0」度「0」分「0」秒を両軸とも入れてしまい、名前を適当に「ホームポジション」などとつけて保存しておけば、できた「ホームポジション」位置を押すだけで自動的に戻ることができるようになります。まだアプリを触り切っていないので、もしかしたら元々ホームポジションに戻る機能がどこかにあるかもしれませんが、このような機能が簡単に追加できるということは、操作性もかなりこなれていると言えるのかと思います。素晴らしいです。



いよいよ自動導入

自動導入は「天体」アイコンか、「ディープスカイ」アイコンを押します。指示に従っていけば特に迷うことなく、目的の天体を導入できることでしょう。自動導入ができるようになればあとは普通に観望を始めるだけです。導入速度も速く、精度も十分なので、純粋に天体を楽しむことができるでしょう。

(追記: 自動導入後、星がどんどんずれていくというケースが多発しているようです。解決策は2通りで、
  • 導入後、「さらに」を押して「ポイント&トラック」を押すか、
  • 「アドバンスト」「アドバンスト」の「ガイディングレート」を「恒星時」にして、「ユーティリティー」「追尾」を「恒星時」にする
のいずれかです。「ガイディングレート」や「「追尾」は電源を切ったりすると勝手に変更されていることがよくあるので、毎回チェックしたほうがいいかもしれません。)


導入時に気づいたことを少しだけ書いておきます。

まず、M57を導入しようとしたのですが、「導入」ボタンを押すことができずに、「さらに」というボタンを押すと「高度制限外」との表示が出て、結局導入することができませんでした。この時M57はほぼ天頂にあったため、何らかの高際に対する制限が存在するものと思われます。→その後、「設定」アイコンから「高度制限」を見たら、75度までに制限されていました。私のセットアップでは90度まででも問題ないので、90度に変更したら天頂付近のものもきちんと導入できるようになりました。

他にも、導入したい天体は「名前が付けられた天体」というリストから選ぶことができます。ところが、これがどういう順番で並べられているのかわからないのと、数が結構多いので、見たい天体を探すのに時間がかかってしまいます。検索機能があるので、ある程度名前を知っていたら検索してしまったほうが早いかもしれません。

-> もう少し落ち着いて見てみたら、明るさ順か名前順ということがわかりました。リストを表示している際に、右上の3本線の設定アイコンを押すと、並べ替えができます。また、フィルターを使うことである程度範囲を絞ることもできます。でも、なんでわかりにくかったかがわかりました。中途半端に日本語化されているからです。日本語化されているのは有名どころのごく一部で、まだかなりの数の天体名が英語のままです。英語の名前はそもそも知っているのに英語名だからわからないのか、そもそも全く知らないものなのかの見分けがパッとつきません。英語名、日本語名が混在していると、名前順にしてもものすごくややこしく見えてしまいます。

-> オススメの設定は、「フィルター」の「光度」の方を押して、「光度フィルター」をオンにして、例えばディープスカイなら「微光天体」を「10」くらいにするのでしょうか。出て来る天体数が制限されて多少見やすくなります。



電視観望のテスト

この日は試しに、AZ-GTiを使って、M27:亜鈴状星雲、三列星雲、M13:球状星団、最後に高度問題が解決できてM57:惑星状星雲とテストしてみました。満月二日後のものすごく明るい中での自宅での電視観望です。相当な悪条件ですが、それでもこれくらいは見えてしまいます。その時の写真をいくつかアップしておきます。

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面白いのは全体画像を見たときです。下の写真はM57を見たときの全画面を表示させてみたときになります。わかりにくいですが、真ん中から少し左に小さなM57が見えています。

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このマウントは経緯台なので、当然星像は回転し続けていきます。SharpCapではリアルタイムでそれらを補正して星像を重ねていくので、回転を補正した様子が画像を見るとわかってしまいます。左と下の端の方の三角の暗い部分がそれにあたります。この場合、時間にして1分程度です。結構な勢いで回転しているのがわかると思います(追記: これ、後から考えたら回転しすぎです。おそらく、AZ-GTiの方のガイドレートが恒星時になっていないために、すごい勢いでずれていっているのですが、SharpCapの自動アラインメントで補正し続けているので、AZ-GTiで追尾のズレに気づいていなかっただけだと思われます。)。SharpCapのアラインメント機能は優秀なので、ほとんど星像がぶれることはありませんが、この回転部分は後からトリミングしなければならないと言うことは覚えておくべきでしょう。当然、長く撮影すればするほど、トリミング部分が大きくなっていきます。



まとめと課題

Sky-Watcherの新製品、AZ-GTiで実際の電視観望と、撮影の可能性くらいまでテストしてみました。とりあえずのファーストテストで判明したのは、そのコンセプトと性能は思った以上で、十分実用的に眼視での観望、もしくは電視観望に対応できそうです。

今回、このAZ-GTiを実際に自分の手で確かめたかった一番の理由が、観望会レベルで電視観望を想定した場合、本当に実戦投入できるかどうかを検証することでした。具体的には、高度な機能よりも、お客さんを待たせることなく、短時間の準備で安定に見てもらえるかということが重要になります。優先度順に書くと
  • 操作はシンプルか
  • ワイヤレスの接続が簡単にすぐにできるか
  • 接続が安定しているか
  • Wi-Fiでコントロールに遅延とかが起きないか
  • 短時間で初期アラインメントができるか
  • 自動導入の精度は十分か
です。結論としては、はっきり言って全て期待以上でした。


一点のみ、安定性に関わる不安がありました。スマホ側が待機状態になると、AZ-GTi接続が途切れることがありました。それでもほとんどの場合は切れることはありません。まだもう少し使い込む必要があるかもしれませんが、不安な点なので、もし再現性があるなら改善要望を出してもいいかもしれません。

同様の問題ですが、見たい天体を選択する最中にエラーメッセージが出て強制終了せざるを得ないことが一度だけありました。

ただ、上記いずれの場合も、現在の位置を本体側で記録しているようで、再度アプリを立ち上げて接続しなおしたときに再アラインメントなどをする必要はなかったので、これはかなり安心しました。もし再アラインメントが必要なら、その都度時間を食ってしまい、観望会での実用度が一気に下がってしまいます。


ごくわずかの不具合が見られましたが、すぐにでも実用レベルで投入しても何の問題もないと言うのが私の結論です。極軸を取る必要がない、操作がスマホを使ってなので、簡単でこなれているなど、初心者にも十分進めることができると思います。電視観望用途ならばベストと言ってもいいくらいの選択かと思います。さっそく今週末の原村に持っていくことに決めました。


週末、香川にある天体望遠鏡博物館の「開館2周年記念のセミナー&観望会」に望遠鏡を持って参加してきました。3月の観望会に参加しているので4ヶ月ぶりの参加になります。

富山から香川はかなり遠いので、前日金曜日の夜からの出発です。今回は中2の娘Natsuと少6の息子Sukeを連れての3人での訪問になります。 途中パーキングエリアで仮眠をとりなが、のんびりと安全運転で舞鶴若狭自動車道経由での移動です。米原付近で大きな事故があったらしく夕方からずーっと通行止めで、大阪経由は無理でしたので、前回と同じくこの経路です。途中、暗いところを走るのでPAで天の川でも撮影しようと思ったのですが、さすがに街灯が明る過ぎて迷光だらけで厳しかったです。

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夜が空ける頃に首を抜け、朝早く、淡路島に入ったところのサービスエリアから見た明石海峡大橋はものすごく綺麗でした。

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明石海峡大橋を渡ると本州とはお別れで、淡路島に入ります。

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淡路島SAから明石海峡大橋が一望できます。

そんなこんなで香川入りして最寄りの志度というインターチェンジで降りて、早速朝からうどん屋さんに直行です。最初のうどん屋さんは「こがね製麺所」という名前の志度店。チェーン店らしいのですが十分美味しいです。3人ともぶっかけうどんに天ぷらとかフライとかトッピングして頼みましたが、量が多かったです。子供達は小サイズでしたが、私は中サイズを頼んだら丸々2玉入っていて朝からお腹いっぱいです。雑誌や漫画もたくさんあり、それほど混んでいなかったのでついつい長居してしまいました。

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店を出てそのまま天体望遠鏡博物館へ向かいます。途中のスーパーで少し買い出しをしようとしたのですが、結局買ったのはアイスのみ。暑かったです。でもこれが面白くて、多分四国とか九州限定なのでしょう、「氷」と大きく書かれたかき氷を袋に詰めたようなアイスが大量に売っています。試しに一つ買ってみたら、一見かき氷シロップをかけただけの氷のようなのに、なぜか懐かしい味でめちゃくちゃおいしい!他のアイスも買っていたのですが、この「氷」が3人一致で一番美味しくて、取り合いになっていました。

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天体望遠鏡博物館についてスタッフの皆さんと挨拶をして、代表のMさんと一緒に併設のお店でうどんを頂きました。Mさんにご馳走になってしまったのですが、なんと下のSukeは2人前も食べるなど、朝もうどんを食べたばっかだったのに、美味しくてスルスルと入っていきます。なんでも「うどんは別腹」だとかで、本当にその通りでした。いつもはぶっかけしか食べないのですが、今回はつゆにつけて食べるタイプで、わさびを入れるとものすごく美味しくて、つゆも最後まで飲み干してしまうくらいでした。聞いてみるとなんと冷凍のうどんとのことで、なおびっくりです。自分の製麺所で打って、すぐに冷凍しているとのことで、冷凍でも十分すぎるくらい美味しいことがわかりました。出来立てそのままのコシがある状態で冷凍するので、温め直しても出来たての時の美味しさになるとのことです。天体望遠鏡博物館はお遍路さん最後の八十八番目の結願寺の途中にあります。結願寺にちなんで「結願うどん」と言うそうで、ネットでも買えるとのことです。

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天体望遠鏡博物館は昔の小学校の校舎を利用しています。
地元の人の協力で成り立っているそうです。 

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ここで食べた「結願(けちがん)うどん」、とても美味しかったです。

午後から望遠鏡の準備をしておいて、16時頃からセミナー講演が二つとその後に科学対談があります。一つは重力波の話で、もう一つは遺伝子の話でした。お客さんは事前登録した80人余りの方達。小学生から年配の方まで幅広い年齢層でした。セミナーは物理と生物と、分野は違っていますが、とてもおもしろくて興味深い話でした。対談まで合わせると2時間以上という長いプログラムにもかかわらず、皆さん非常に熱心だったと思います。ただ、体育館でクーラーとかがないのでものすごく暑くて、貸出うちわを配っていました。そんな状況でも皆さん、子供も含めてとても真剣に聞いていました。この企画は非常に人気があり、本当はもっと多くの希望者がいたのですが、駐車場の台数制限から人数を限っていて、お断りした人たちもたくさんいたとのことです。

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セミナーが終わるといよいよ観望会です。体育館でお客さんに観望会を説明している間に、用意しておいた望遠鏡を移動します。まだ空は夕暮れで明るいですが、月が出ているのでAdvanced VXのソーラーアラインメントで月で初期アラインメントをします。前回は極軸合わせを失敗したのですが、今回はその反省を生かして、まずは赤道儀の水平を三脚につけた水準器できちんと出し、赤道儀の初期アランメントでソーラーアラインメントを選び、さらに月を選びます。そこそこ月の方向を向いてくれるのですが、普段使っている富山市と違うので、緯度も経度も違います。そのため月から多少ずれてしまいますが、この時ハンディコントローラーの矢印で月をいれてはダメで、赤道儀のpitch, yawのネジ調整で合わせて月をアイピースの中心に入れると、そこそこ正確に極軸が合います。ようするに、水平が出ていて、極軸が合っていれば、初期アラインメントで計算上必ず月が中心にくるはずだということから成り立つ手法です。撮影クラスだと全然不十分ですが、電視観望レベルだとほとんど問題ないですし、太陽とか月で明るいうちからある程度の極軸調整ができてしまいます。

観望会では定番のM57の惑星状星雲やM27亜鈴状星雲、M13の球状星団やM8などを電視観望で見ました。セットアップは定番のAdvanced VXにFS-60CBにASI294MC3を載せています。お客さんの中には3月の観望会にも来てくれていた人がいて、その時見たオリオン大星雲を見て感動したので、また今回も同じように星雲を見せてくれると思って来たという方がいました。


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今回はあまり写真を撮りませんでした。
M27ですが、数少ない残っていた写真です。

一人面白い男の子がいて、小学2年生と言っていましたが、講演の時も積極的に質問するすごい子なのです。電視観望で映した星雲の画面を食い入るよう見ていて、よっぽど興奮したみたいで、なんと突然鼻血を出してしまいました。キーボードに血が少しついてしまい、両親が申し訳なさそうにしていましたが、私はそんなことは全く気にしません。そんなことよりも、この子がこのまま鼻血を出すくらいの興味を持ち続けてくれると、ものすごく嬉しいです。

ちなみにこの日は上弦の月が過ぎた頃で、観望会の間じゅう月が出ていました。それでもこれほど光害の少ないところでは、電視観望ならば星雲を色付きで十分に楽しむことができるのは特筆すべきかと思います。


ところでSukeはというと、いつも観望会で大活躍の得意のSCOPETECHを持って来ていて、経緯台ながら月や木星や土星を導入してみんなに見せていました。それだけではなくて、来ているお客さん自身に自分で導入してもらったり、アイピースの前に紙を少し離しておいてそこに月を映し出してみんなで見る(その場で考え付いたみたいです)だとか、いろいろ自分で工夫していました。「お父さんみたいにコンピュータの画面で見るのじゃダメだ、紙に写した方が細かく見える。」とのことです。

この方法よくよく聞いてみると、まず紙に写して好きな大きさになるように紙とアイピースの距離を調節して、その後つまみで焦点距離を合わせて紙の上でピントを出すなど、結構考えて工夫しながらやっているみたいです。このころの子供は伸び盛りで見ていても楽しいです。

NatsuとSukeと、もう一人スタッフのお子さんで前回の3月にも一緒に遊んだ3年生の男の子と、この日はずっと3人で一緒に盛り上がっていました。前回お世話になった女性ボランティアの方には、3人あわせてまた今回も色々面倒を見てもらったみたいです。毎度毎度ですみませんが、本当にありがとうございました。夜、3人がお別れする時ちょっと寂しそうでした。またいつか来るときに会おうと約束をして別れていました。


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Sukeの愛機SCOPETECH。これが一番扱いやすいみたいです。

話は少し観望会に戻りますが、実はこの日はシンチレーションが相当良くて、試しにASI294MCを隣の人が持って来ていたSkyWatcherの25cmのニュートン反射に取り付けてもらって、土星、木星、火星を見てみました。土星はカッシーニの間隙が綺麗見えていましたし、木星の縞もかなり細かく止まって見えました。眼視だとどうしても赤一色にしか見えなかった火星も、PCの画面で見るとうっすらと模様と極が見えていました。

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PCの画面の上ですが、結構綺麗に見えてしまいます。上の写真のようにPCの画面をスマホで撮影する方もたくさんいました。

観望会が終わるころにカメラを再びFS-60CBに戻して、北アメリカ星雲を入れて、タイムアップでした。片付けのライトかついてからも北アメリカ星雲が見えるのには、自分でも結構驚きでした。でも、あまり多くの種類の星雲を見せることはできなかったので、一度夏の星雲、星団で電視観望にむいているものをピックアップする必要性を感じました。やはりどの天体がいいかなどはまだまだ知識的に未熟だなと痛感しました。


結局忙しくて夜ご飯を食べる暇も全くありませんでした。観望会が終わってからスタッフ用の簡単なお寿司や饅頭、メロンパンとか頂いてやっとお腹が落ち着いたのですが、ここからもう一つの楽しみが。なんとこの日は学校の校舎でお泊まりです。ここ天体望遠鏡博物館は、もともと小学校で、子供の希望でこの日は学校の旧家庭科室のとなりの準備室で寝ることになりました。子供たちは幽霊が出ないかとか大はしゃぎでした。

本当は月が沈んで撮影をしたかったのですが、さすがに昨晩は運転であまり寝ていないのと、明日の朝も早いので後ろ髪を引かれる思いでこの日は寝ることにしました。冷房もベッドもあったので非常に快適に眠ることができました。結局幽霊は出なかったみたいです。


香川の二日目に続きます。




 

5月24日、平日ですがとても晴れているのでASI294MCをMEADEの25cmシュミカセLX200-25に取り付けての電視観望です。焦点距離が1600mmのf6.3と、焦点距離があまり長くなく明るいので電視観望に向いてそうです。

実はこの日は惑星撮影のためにMEADEの25cmのシュミカセを使っていたのですが、実際の撮影をするにあたり、やはりまだ色々準備不足なところがあることが判明しました。まず、C8での惑星撮影の時に使っていたマイクロフォーカスを使うことができません。 もともとこの鏡筒は頂き物で、接眼部がオリジナルのものかどうかはわからないのですが、少なくとも付属のアダプターで手持ちのマイクロフォーカスを直接取り付けることはできませんでした。そのためミラーシフトを避けることができず、ピント調整がとても厳しいです。また、フードを用意していないため、しばらくすると補正板が曇ってきてしまいます。自宅で電源が取れたので無理やりドライヤーで温めたりしたのですが、ヒーターなども用意する必要があるかもしれません。あと副鏡の調整もまだ全然甘そうだということも判明しました。一度明るいところで合わせたのですが、内外像は全然ダメで、逆に内外像から合わせていくとピントを合わせた時に全然ダメです。そんなこんなでこの日は一旦惑星は諦めて、お気楽な電視観望へと路線変更したというのが実情です。

さてそんな適当な動機の電視観望でしたが、夏の星雲星団は久しぶりで、しかも新カメラと明るい鏡筒なので思いのほか楽しむことができました。まずは定番のM57です。

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SharpCap上で適当にスタックしたのを一旦PNG形式で保存して、ブログにアップするためにjpgに変換しただけの、後からの加工などは何もしていない、実際に画面でリアルタイムで見えている画像そのものです。4秒露光で、記録を見ると40回スタックしているので、計2分40秒の露光になります。拡大すると中心星もきちんと2つ写っています。解像度が高いカメラなので、リアルタイムで拡大しても画面が破綻しないです。ピントが甘く、流れてしまっているのは惑星撮影の際の鏡筒の副鏡調整の失敗であきらめたときの名残ですのでご容赦ください。

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右端の方に、近くの渦巻銀河IC1296も入ってはいますが腕はさすがに全く見えていません。IC1296の腕とともにM57をいつか綺麗に撮るのが目標の一つです。

ちなみに今回の電視は一回の露光時間を4秒、ゲインを470に固定して、dark画像を撮ってリアルタイムで補正をしています。dark補正をしないと

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のようにホットピクセルによる偽色が出てしまいます。dark補正をすると普通に見るぶんには問題にならないレベルくらいにはなります。また、赤道儀の極軸の精度が悪くて画面が流れていくと、星をうまく重ねていくアラインメントの効果で画面をずらしながらスタックしていくので、ホットピクセルが目立たなくなります。露光時間やゲインを固定しての電視は厳しいことも多いので、わざと極軸をずらすというテクニックはTipsとして知っておいてもいいかもしれません。

ちなみにこの偽色はASI294MCだけの問題ではなく、ASI224MCでも同様に出て来ます。というより、以前はじめてまともに極軸をきちんと合わせてから電視観望をやって、そのときにやっとホットピクセルに気づいたという経緯があります。


次も定番のM27です。ライブスタックで見たままのものです。4秒露光で46回、計3分4秒です。

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ちなみにその時の画面をiPhoneで撮ったものがこちらです。ちょっと明るく写っていますが、基本的にはノイズも色もその場で見るのと同じような見え味です。

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さすがに撮って出しだと少しノイジーなので、 Photoshopで3分加工です。お気楽3分露光に3分加工でこれならまあ許容範囲でしょうか。

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次はM13の撮って出しです。

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やはり周辺減光が激しいので、今度はフラット補正をリアルタイムでするといいかもしれません。ちなみにこれもPhotoShopでガンマだけいじる30秒加工で見栄えだけはもう少し良くなります。

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最後は三日月星雲。画面を撮ったのしか残ってませんでした。

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自宅からなのでこれくらいが限界です。あ、ちなみにこの日は上弦の月を過ぎたくらいで、この時間にはまだ月が明るく照らしていました。なので条件はそもそも良くないです。月がなければもう少し全体的にましになるかと思います。

久しぶりの一人電視観望でしたが、夏の星雲、星団を見ることができて結構満足でした。平日で次の日も仕事なのであまり遅くなることもできず午前0時前には退散でした。



 

2018/3/16、金曜の夜中0時、富山を出発し念願の天体望遠鏡博物館に行くために、香川に向かいました。このブログにコメントしてくれたTANKOさんが天体望遠鏡博物館のボランティアをしていて、観望会の時に来るといいと誘ってくれたので、もう少し暖かくなってからでもいいかなと思っていましたが、思い切って一番近い観望会の日に行くことにしたわけです。

今回の旅行のメンバーは家族4人で、私Samと中一の娘Natsu、小5のSukeと、あと珍しくうちの奥さんもついてきました。週間天気予報では土曜は雨だったのですが、ここ数日の天気予報はだんだん良くなってきています。途中の道もちょくちょく星が見えてきました。朝5時頃に淡路島に入り、7時前までSAで仮眠して、朝9時すぐくらいに高松市に到着しました。土曜の午前中は観光で、朝はセルフスタイルのうどんを早速食べました。「さか枝」という店で、まずセルフのスタイルに戸惑い、ぶっかけうどんとかけうどんの違いに戸惑いましたが、なんとか注文して安くて美味しいうどんを食べることができました。その後、高松観光名所の栗林公園に行き、遊覧船に乗り、ごくごく普通の観光を楽しみました。昼ごはんは今度は「松下」という製麺所系のうどん屋さんでした。ここも安くて美味しく、香川にはうどんが生活の一部だというのが実感できました。あ、妻は望遠鏡なんて興味がないというので、このあと一人で香川の名所金毘羅さん観光です。

さて、午後から我々3人は天体望遠鏡博物館です。高松から30kmくらい離れていますでしょうか。今夜は観望会までいるつもりなので、途中夕食のお弁当を買い込んで、午後2時前くらいに到着しました。

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天体望遠鏡博物館はもともと小学校だったところを、廃校になった際に借り受けて、2016年と結構最近オープンになったところです。外観は屋上のドームがなかったら本当にそのまま学校で、手書きの「天体望遠鏡博物館」の文字が、手作り感満載で、ボランティアで楽しくやっているのかなあと想像させられます。

到着するとすぐにTANKOさんが出てきてくれました。穏やかで優しそうな人で、挨拶もそこそこに早速我々3人を案内してくれました。最初に入った受付のあるところは大きな体育館のような中で、大型の望遠鏡が数多く陳列されていました。

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なんと、ここはもともとプールだったそうで、しかも室内プールなのに温水プールではなかったので、当時の子供たちは夏でも太陽が当たらずかなり寒かったとのことです。今でもプールに戻せるらしく、プールに蓋をかぶせた形で望遠鏡が置いてあります。一番古いのは1920年頃に日本に来たもので、製造はそれ以前とのことでした。

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当初は今でも残っている西村製作所が輸入を手がけ、それを手本にそっくりなものを作ることで技術を獲得して行ったようです。オリジナルのドイツ製のものと、それを元にして作った西村製のものを比べて見ることができるのですが、細かい加工のところまで本当にそっくり似ています。こうやって日本が近代化の道を辿っていったのだと知ることができます。

次は校舎に移動しますが、その校舎前にスライドルーフ式のドームがあって、昼間は太陽観測をしています。

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手前のLUNTの150mmと、いちばん奥に見えるのがCORONADOの60mm。

LUNTの口径150mmだとか、太陽を最近始めた私から見たらよだれが出るような機器を普通に使っています。晴れていたのでP.S.T.との比較もして見たかったので覗かせてもらいました。プロミネンスは出ていませんでしたが、太陽表面の模様はやはりかなりはっきりと見ることができました。隅の方にはCORONADOの60mmが使われることなく置かれていて、P.S.T.しか持っていない私としてはとても羨ましい環境でした。

ドームからそのまま校舎の教室に入ります。そこは本当に小学校そのままの教室で、望遠鏡組み立て教室などのイベントに使っているそうです。その教室を抜け、今は事務室となっている元職員室で他のボランティアの方達に少しだけ挨拶して、メインの二階教室へと移動しました。

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最初の部屋は望遠鏡の大群です。エイコーや山本光学、Cartonなど昔のメーカー、VixenやKenkoなど今も残っているメーカー、群雄割拠です。

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中でも目を引いたのが旧御三家で、ダウエル、パノップ、スリービーチが普通に並んでいます。

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これまで星まつりでダウエルを一度見た以外は、ほとんど実物を見たことがなく、噂でした聞いたことなかったので、これだけ数が揃っているともはや感動ものです。確かにやわそうな三脚などもありますが、赤道儀など結構しっかりしているように見えるものもありました。まだ御三家で星を見たことはないので、一度実際に星を見てみたいです。本当に噂通りもの凄いものなのか、それとも今見ても結構見られるものなのか。

次の部屋は俗にいう高級機と言えばいいでしょうか、今はもう撤退してしまったPENTAXが中心の部屋です。なんでも奥に並んでいる150mmは、工場に赤道儀共々そのまま残っていたものだそうです。

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上の3台はPENTAXの工場に眠っていたそうです。


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壁にはすごい数のPENTAX鏡筒が並んでいます。


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PENTAXのアクセサリーもまだまだここでは豊富です。

ちなみにこの部屋にはタカハシの機器の展示もありました。でもPENTAXに比べて意外なほど少ないです。なぜか聞いてみたのですが、おそらくタカハシ製品はなかなか手放さないからなのでは?ということです。これを聞いて、ああ、と納得しました。タカハシは今でも現役で、まだまだ使われているんですね。

3つ目の部屋は、歴史的に価値の高いものを集めています。いつの時代か誰に作られたかわからないとても古い望遠鏡が窓際にあります。五藤光学のではないかと思ったらしいのですが、微妙に違うようだとのことでした。次の部屋で後藤光学の望遠鏡の歴史がわかるので、そこにある鏡筒と比べると面白いです。

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ここでいちばん興味を引いたのは星野次郎氏作の反射型望遠鏡でしょうか。以前星野氏が書いた「反射望遠鏡の作り方」という本の復刻版を買った話を記事にしたのですが、この本に載っている反射型望遠鏡の実物を見ることができるのです。本(こちらも残念ながら復刻版)のそのページが開いてありますが、本当に本に載っている図そのままです。

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また、百武彗星で有名な百武祐司氏が実際に百武彗星を見つけた双眼鏡も飾ってあります。

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最後の部屋は五藤光学の歴史がわかる部屋です。

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綺麗なブルーがトレードマークのマークXも普通にあります。

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二階の最後の部屋は多目的教室で、当時の小学校の様子が飾ってあり、イベントなどにも使うそうです。面白いのは多目的教室のところの廊下に並んでいるMIZARのカイザーで、当時かなりの数が出たのでしょう、綺麗な状態でズラーッと並んでいました。

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三階は図書室になっていて、天文雑誌や天文に関する書籍がたくさんあります。

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中でも雑誌の充実度はすごくて、「天文ガイド」を始め、「星ナビ」や「SKYWATCHER」はもちろん、「月刊天文」や「天文と気象」も創刊号から全て揃っています。天文ガイドは何セットかあるそうです。

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各種雑誌の創刊号や貴重本の棚です。

ここは資料館にもなっていて、中島要氏、木辺鏡、苗村鏡で有名な木辺氏、苗村氏が磨いた鏡を比べることができます。

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見学が終わったらすでに16時過ぎ、少し休憩がてらTANKOさんが高校生の頃に作ったという反射鏡を見せてもらいました。子供達は、望遠鏡が鏡から作ることができるということにびっくりしているようでした。

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そんなこんなで、観望会の準備を始めました。子供達はその間ボランティアの職員の方達に色々相手をしてもらっていたみたいで、後から「滝を見た」を喜んでいました。

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観望会は100人ほどの参加者がいたということですが、空は暗く、かなり環境の良いところでこれだけの人数を集めて星を見ることができるのは素晴らしいと思います。一週間前の週間予報では雨で半分あきらめていたのに、結局この日の空は晴れ渡り、素晴らしい星空になりました。私もいつもの電視観望を披露したのですが、久しぶりに一つ大失敗をやらかしました。富山と香川は緯度、経度ともに結構な違いがあるのです。それを無視して、極軸もまあ初期アラインメントで合わせれば適当でいいだろうと思っていたのですが、初期アラインメントで星が入らないのです。それでも強引に星を入れてしまったのが敗因でした。自動導入の精度が全くありません。19時近くになり、その状態でお客さんが来始めてしまったので、仕方なく自動導入である程度まで持っていって、あとは適当にずらして導入するという形になってしまいました。

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今回は23インチのモニターを持っていったので、多くの人が一度に見え、迫力がある星雲が見えました。導入したのは、まずはM42オリオン大星雲。これは明るく見やすいので、星雲のモクモクしているところまでよく見え、皆さんとてもびっくりしていました。特に、他の鏡筒でもアイピースでM42を入れていたので、見比べることもできたのが面白かったのではないかと思います。アイピースのシャープさと、電視観望での星雲の色、さらに肉眼でもうっすら見えるオリオン大星雲を見比べるというのは、かなりインパクトがあるのかと思います。

次に導入したのはM45プレアデス星団、すばるです。さすがに光害の少ない夜空です。ライブスタックが効いてくると星間分子雲の青色が綺麗に出てきます。最後はバラ星雲。これもライブスタックのおかげでバラの構造がかなりわかるくらい見えてきます。これには星に詳しいボランティアの方達も注目してくれていたようです。

本当はこれ以降、系外銀河を入れたかったのですが、自動導入の精度がボロボロで結局導入することができませんでした。これは本当に申し訳なかったです。今回の反省を生かして、緯度経度の合わせ方を今一度確認しておこうと思います。

さて、子供はというと最初は星を見ていたらしいのですが、そのうち観望会に来ていた子たちと友達になって、適当に5人くらいでストーブのある部屋で暖を取っていたらしく、富山のことや香川のことを色々話していたみたいです。星もそうですが、夜に知らない別の土地で、子供どうしでいろいろ話すというのもまた、将来いい思い出になるのではと親心に思ってしまいます。

この日はとても寒く、21時前にはお客さんもかなり少なくなり、片付けを始めました。全て荷物を車に積み込むために時間がかかってしまいましたが、片付け終わって事務室に行くとみんな集まって、結構まったりモードで喋っています。我々も混ざって、お菓子をつまみながら天文談義や、博物館のことを色々聞いて盛り上がっていました。もっと色々話したかったのですが、さすがに昨日の夜中から移動して、子供もそうですが私も疲れてきてしまったので、ちょっと早めですが22時前くらいにはおいとますることにしました。なんでもTANKOさんはその日学校に泊まっていくらしく、子供がお化けが出ないかちょっと怖がっていました。

宿は高松市内の「旅籠屋」。妻は持って来た折りたたみ自転車で駅から移動して先にチェックインしてくれています。22時半頃には宿に到着し、本当にそのまますぐにバタンと眠ってしまいました。とても充実した一日でした。


二日目は朝から観光です。高松から少し東に行った「四国村」というところと、そのすぐ上の屋島というところを回りました。


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屋島からの景色。空気が綺麗だと遠くに瀬戸大橋が見えるそうです。


こういったところは妻がいなければ行くことはなかったでしょう。「香川どこ回って来た?」と聞かれて、「天体望遠鏡博物館だけだよ。」とならなかったのは妻のおかげで、一泊二日の強行スケジュールでしたが、家族サービスも含めた楽しい旅行となりました。

お昼は屋島の観光案内ボランティアの人に聞いた「善や」といううどん屋さんです。おでんなどもつまむことができ、最後だからと贅沢に色々選んでも4人で3千円と、うどん屋さんんはかなりリーズナブルです。帰り際に麺を打っているところを見ることができました。打って、切って、茹でてを連続でします。本当に打ち立てを食べられるわけです。美味しいはずです。

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午後ですが、再び昼から天体望遠鏡博物館に帰りがけに寄ることにしました。もう少しじっくり見たかったことと、ボランティア活動に興味があったからです。

この博物館は天文マニアはもちろん、お遍路さんの88番目の最後の寺に行く途中にあるので、お遍路さんの途中で寄られる方や、ふらっと立ち寄る一般の方も多いそうです。いうまでもなくマニアックな施設なので、なかなか一般の人には辛いのかもしれません。事実、二日目に顔を出した妻は望遠鏡がよくわからなくてあまり面白くなかったと、正直に言っていました。

元々ここは、本来処分されていたはずの貴重な望遠鏡を後世に伝えるために収集するのが一番の目的のはずです。なかなか収益が出るような施設ではないことは容易に想像できます。そのため小学校の跡地を無料で借り受け、無給のボランティアで好きな人が集まって運営しているとのことです。「この施設は売り上げがない」と言っていたのが印象的でした。入場料はとっていますが、これは市の方へ行くそうです。地元の方の協力も欠かせない存在だそうです。また、定年され時間をかけてくれる人たちがいるおかげでなんとかやっていけるとも聞きました。その過程で、天文機材を展示し、観望会などで一般の方にも星を見てもらい、望遠鏡工作教室などのイベントなども行なっています。

今回招待してくれたTANKOさんも1年ほど前に訪れて、程なくしてボランティアに申し込んだとのこと。私は富山で遠いので、実際に何ができるかはわかりませんが、それでもこの活動は素晴らしいと思ったことと、子供ともどもお世話になったにもかかわらず、皆さん明るく楽しそうに対応していただいたことが印象的で、私もボランティアとして登録だけはさせていただくことにしました。なかなか現場まで行くことはできないと思いますが、それでも何か協力できたらと思いながら、香川の地を後にしました。帰りは渋滞もありましたが、22時頃無事に自宅にたどり着きました。

天体望遠鏡博物館のボランティアの方々、本当にお世話になりました。また今後ともよろしくお願いします。

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ASI294MCを使っての電子観望を以前レポートしましたが、鏡筒は口径わずか60mmのFS-60Qを使ったため、暗いというのが印象でした。口径のもっと大きな鏡筒を使えばこの問題は解決するのではと思い、今回は焦点距離が800mmと比較的近いBKP200を使って試してみます。

計算上は口径が200mm/60mm = 10/3倍、焦点距離が800mm/600mm = 4/3倍なので、明るさは ((10/3)/(4/3))^2 = (5/2)^2 = 25/4 ~ 6倍くらいになります。FS-60Qの6秒露光がBKP200での1秒露光に相当するということです。


まずオリオン大星雲。明るいので非常に見やすいです。今回は動画です。

 



さすがは口径200mm。500ms露光ですがほぼリアルタイムになっていて、見ていても全く見劣りしません。もちろんASI294MCの高感度と高解像度、高い飽和容量も効いているでしょう。

ライブスタックの様子も映像でアップしておきます。画像調整を少ししているので、上の動画とは少し見え味が違いますが、スタックしていくにつれてノイズが減っていくのがわかると思います。



最後は馬頭星雲と燃える木ですが、今日は少し霞みがかっているせいか、自宅からではあまりはっきりとは見えませんでした。こちらは6.4s露光でのライブスタックになります。最初見えなかった馬頭星雲が、スタックするにつれて、見えてくるのがわかると思います。


他にもいろいろ見たのですが、一つ気づいたことがあります。どうも迫力に欠けるのです。最初は春霞のせいかと思っていました。でも先の馬頭星雲でも、FS-60Qの時の方が暗いのですが迫力がある気がするのです。例えば以前撮った写真の記事と比べて見てください。明らかにFS-60Qの方がよく見えています。

ここでやっと気づいたのは、BKP200にセンサー面先の大きいASI294MCをつけると、周辺減光が激しいのです。周辺減光といっても普通に眼視する分には全く気にならないレベルです。でも電視の場合にはある意味明るさの違うごくわずかな色領域をリアルタイムであぶり出すようなことをするので、どうしても周辺減光が目立ってしまいます。これが圧倒的に迫力を無くしています。フラットで補正すればいいかもしれませんが、露光時間、ゲインごとにフラットを用意して、リアルタイムでそれぞれの設定によって変えていくなんてことは現実的ではありません。

また、これは反射のせいなのでしょうか、コントラストが低い気がします。副鏡などがあるので反射の方がコントラストが低くなるという話はよく聞きます。通常の撮影では画像処理でコントラストを多少持ち上げることができるのですが、今のSharpCapではコントラスト調整はありません。V3.0以前はコントラストなどがあったので、もしかしたら古いバージョンの方が見栄えがいいかもしれません。最近雷ボタンに頼りすぎなのですが、調整機構を省かれてしまった弊害が出ているのかと思います。

今回の状態はBKP200のため明るさ十分、ASI294MCのため解像度十分過ぎ、でも周辺減光影響大の状態です。解像度が十分すぎるので、もしかしたら焦点距離が3ぶんの2以下になるFS-60CB状態にして、明るさを2倍以上にして、解像度は犠牲にし(それでもまだPC画面の解像度に比べて十分すぎ)、より広い範囲で見るのが一番楽しいかもしれません。



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