ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 電視観望

娘のNatsuも早いもので今中3。先日高校入試も終わり、来週の結果発表を待っています。コロナウィルスで休みだったこともあり、入試前からもうすっかり春休みモードで毎日だらだら過ごしているのですが、今日はめずらしく友達のMちゃんがライブに出るので聞きに行くとのこと。早めの夕食を自宅で取り、夕方くらいから出かけて行きました。

Natsuももう結構長いことギターをやっていて、最近の腕は目を見張るものがあり、自分で配信とかしているくらいです。でも友達のMちゃんは、Natsuなんかよりはるかにうまいとのこと。音楽一家らしくて、スタジオとかで練習しているくらいなので、確かに比較になりません。最近仲のいい音楽友達とのことです。

夜9時半くらいでしょうか、Mちゃんと一緒に帰ってきて、今日は我が家でお泊まりだそうです。最近すっかり星を見ることもなくなってしまったNatsuですが、ちょっと前に「友達が泊まりに来るけど、星が見たいって言ってる」とか言っていました。でも天気予報を調べたら冬場は相変わらずあまりよくなく、今日の当日になってもやはり朝から雨。予報も夜は曇りで、実際夕方になっても厚い雲で「今日見えないよ」と伝えてありました。

でも夜に帰ってくるなり「すごい晴れとる」だそうです。「えっ!?」と外に出てみると、本当に一面晴れ。いや、実際には雲が下の方には多少あるので、多分短時間だけ晴れているパターンです。「すぐ用意する、何見たい?」と聞きました。「天の川が見たい、牛岳に行きたい」とか言っていたのですが、天の川が上がってくるのが明け方近く。しかも月も上がってくるので多分見えません。何より、天気がもたないかもしれません。

「じゃあ、オリオンだけでもみよう」と言って、電視観望の準備。まだ22時前なのでオリオン大星雲は間に合います。Mちゃんはライブの格好のままで見るからに寒そう。「寒いから」といって、Mちゃん用に防寒着などを用意します。21時半頃から準備を始めて、21時45分に「準備できそうだよ」と呼びに行って、21時50分にはすでに画面にオリオン座が電視観望のPCの画面に現れていました。その間に、Natsuに椅子を出してもらって、星座ビノでMちゃんと一緒に見てもらっていました。

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実際に星座ビノでオリオン座を見ながら「三つ星はわかる?その下の縦に並んだ小さい3つの小三つ星があって、そこらへんにオリオン大星雲があるんだよ。」とか解説しながら、画面上のオリオン大星雲を見てもらいました。でも見えていたのはほんの5分ほどでしょうか、早速雲が迫ってきてしまいます。程なくしてM42は全く見えなくなってしまいました。

その後、天頂付近はまだ晴れていたので、星座ビノで見ながらしし座の形を確認。「じゃあ、しし座の三つ子銀河を見よう」と言って、導入。でも天頂付近は精度が出ず、しかもレグルスも高すぎて初期アラインメントの候補に上がってきません。仕方ないのでマニュアルで導入です。運良くなんとか銀河らしきものが引っ掛かったのですが、なぜか色が薄い。あれ?と思い、そういえばQBPが入っているのを思い出しました。今回はCMOSカメラに取り付けたアメリカンサイズのQBPなので、すぐに外すことができます。というか、これがやりたくてアメリカンサイズのQBPが欲しかったのです。実際、QBPを外すと三つ子銀河もよりはっきりと見えるようになりました。

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今回撮った電視観望の写真はこの一枚のみです。Mちゃんは星に詳しいわけではないのですが、わからないなりにも楽しそうでした。なんでも同じバンドメンバーにタイムラプスとかで星を撮っている結構ガチな子がいるそうです。その子とも星友になりたいです。

しし座まわりもほんの4ー5分で雲に覆われてきました。もう寒いのでNatsuとMちゃんは家に戻ります。私も片付け始めますが、片付け終わることにはもう一面雲に覆われてしまっていました。本当に一瞬だけのラッキーな時間でした。

「12時くらいに月が出るよ、晴れていたら呼ぼうか?」と聞いたら「いや、もういい」とのこと。多分疲れてるのですぐに寝てしまうことでしょう。中学時代の最後の楽しい思い出になると良いです。


先日試した、31.7mmQBPを使った電視観望システムですが、ある程度の完成をしたので、お披露目の記事になります。

ことの始まりはTwitterでのリクエストに答えてくれたサイトロンさんが送ってきてくれた、CMOSカメラに直接取り付けることができる31.7mm径のQuad Band Passフィルターです。ASI294MC Proに、付属のリングと共に取り付け、カメラレンズアダプターを併用すると、その先に一眼レフカメラのレンズを取り付けることができるようになります。



実際に焦点距離50mm、F1.4という非常に明るい昔のNIKKORレンズを取り付けて見てみました。結果は驚くべきことに、赤い星雲を直接探しながら空を見ることができるというもの。ただし、ハロが酷く、特に明るい構成のハロはネコの目のように目立ったしまいました。それを解決したのが前回、



レンズをF1.4という開放で使っていたのが原因でした。F2まで一段階絞ることで、猫目ハロは完全解決。でも天気が続かず、赤ハロの検証をするに至りませんでした。


まずはオリオン

天気のいい休日の夜、月が出るまでに1時間くらいあったので広域電視観望の続きを試してみました。前回と同じようにレンズを一段絞ってF2で始めます。少し暗いので、ゲインを一段階上げておきます。これで最大(550)まであと一段だけ(500)です。

まず手始めにオリオン座。自宅は東と天頂はそこそこ暗いのですが、北は全滅、西も道路と住宅の明かりでダメです。前々回の最初に試した時は、時間が遅くてオリオン座は明るい西の空で沈む寸前。前回は曇りでこれもだめだったので、実質初めての暗い空です。場所もまだまだ南天近くにいるので、かなりきれいに見ることができます。
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暗いと言っても住宅地なので、やはり光害地なのには変わりありません。もちろんQBPが入っているのでこれだけコントラストよく見えるわけです。

写真は1.6秒露光の72スタックで、115秒と2分切るくらいですが、これは写真を撮るのにもたもたしていたからで、もっと少ないスタック枚数でクオリティーは十分になります。10スタックもすれば相当見えるくらいになってきます。

もうバーナードループも余裕です。わずかこんな時間で、こんなに綺麗に見えるとは。レンズは一段絞ってF2にしてあるので、前回より少し画面が暗いですが、炙り出せば良いだけの話でそれはほとんど問題にならないです。ノイズが大きくても、少し待てば十分減ってくれます。


赤ハロ青ハロはレンズのせいだった

それよりも周辺で星がそこそこ歪みます。これは古いレンズなので仕方ないでしょう。さらに、真ん中が青ハロ、周辺が赤ハロとなっています。これは間違ってもQBPのせいではなくて、レンズ側の問題だとやっと確証が取れました。最後の方でもっとわかりやすい写真を見せますが、ピント位置によって赤ハロと青ハロの出方が相当変わります。今回、絞りを一段階暗くしてF2にしたことによって、このような細かいところがやっとわかるようになってきました。開放のF1.4の時のひどいハロでは、やはりここまで調整もできなかったと思います。


なんとエンゼルフィッシュ星雲も!

ついでにオリオン座のすぐ上のエンゼルフィッシュです。導入は自動導入なんてたいそうなものは必要ありません。画面を見ながら、三脚についている自由雲台を緩めて「エイ、ヤっ」とエンゼルフィッシュを「見ながら」導入します。
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これも1.6秒を72枚スタックですが、スタックなしの1.6秒一枚リアルタイムでもうっすら見えています。


拡大に耐えられるか?

続いてM42の拡大と、馬頭星雲の、SharpCap上での拡大です。
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流石に画面上で250とか300とかに拡大(全体を見る時が40なので、6倍とか8倍に相当)しているので、星像が肥大化して見えてしまっていることと、ハロも目立ってしまっています。観望会などで見せるには少し厳しいかもしれません。


冬の星雲巡り

今回は早い時間だったので、オリオン座が南中くらい。なので、その西の早い時間帯の星座にある星雲星団も確認できました。最初にプレアデス星団が見えました。その上にカリフォルニア星雲があるはずですが、レンズの向きが厳しいです。そんな時は面倒なのでエイやっと三脚ごと向きを変えます。こんな気軽な星雲観測は広域での電視観望ならではじゃないでしょうか。実際に見えたプレアデス星団とカリフォルニア星雲です。同じ画角に入りました。
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スタックなしの1.6秒ワンショットだと下の写真くらいです。それでも十分見えます。
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カリフォルニア星雲の拡大です。
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これくらいの拡大率なら、それほど星も肥大せずそこそこ見えます。

西の空にアンドロメダ銀河が沈む頃でしたが、流石に明るすぎました。でもそれを差っ引いてもやはりQBPは銀河は苦手な気がしています。こんな時に気軽にQBPを外すことができるようにアメリカンサイズをリクエストしたのですが、ごめんなさい、この時は外して確認することを忘れてました。
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前回も見たバラ星雲とカモメ星雲です。バラ星雲は少し拡大しています。
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カモメさんを拡大したらこんなもんです。
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モンキー星雲とクラゲ星雲です。
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同じ画角ですが、ピントが少しずれて赤ハロが盛大に出てしまった場合です。反対側にずれると青ハロが少し出ます。
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最後です。これを最初に見た時、何か一瞬わからなかったです。撮影したこともあるのに...。
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でもこれで答えを見ました。ああ、勾玉星雲だった...。



星雲の形をデフォルトで表示してくれるのですごくわかりやすいです。広域電視観望の地図がわりにぴったりです。長押しで他の波長も表示してくれます。


まとめ

いやー、楽しい。わずか小一時間で、冬の星雲を一網打尽できました。観望会でも大活躍しそうです。とにかく空を見ながら星雲を探す。これは本当に楽しいです。

一応、31.7mmのQBPと50mmの明るいレンズを使っての広域電視観望は実用レベルで使えることが分かりました。システムとして完成と言っていいでしょう。

もちろん光害の具合によっては見える度合いも違うでしょうし、まだまだ改良する点もあるでしょう。それでも、前回そうでしたが、月が出ていた時でもバーナードループくらいは見えているので、明るいところでもかなり楽しめるのではないかと思います。

やはりレンズの明るさは正義です。まだハロが少し残っているのと、拡大時の肥大が少し気になるので、もう少し良いレンズを探しても良いかもしれません。例えばシグマの50mm F1.4 DG HSMなんかものすごく良いのでしょう。でもさすがに、電視観望のためだけにこれだけの値段をかけていいものなのか。

最後に、今回何より重要だったのがQBPでした。以前の48mmのQBPも撮影では十分すぎるほど活躍してくれていたのですが、今回のカメラレンズと合わせるというのは31.7mmのQBPになって初めて実現したものです。QBPがなかったら、ここまでやろうとさえ思っていなかったでしょう。BLACK PANDAさん、私のちょっとつぶやいただけの希望を聞いていただいて本当にありがとうございました。

このシステム、賑やかな夏の空でも早く試してみたいです。

週末に試した50mm、F1.4レンズと31.7mmの新型QBPを使った電視観望の続報です。



平日なので、時間も限られていることもあり、限られた事しかできていませんので、速報のようなものと思っていただけると助かります。


UV/IRフィルターの影響

まず試したのが、UV/IRフィルターを入れた場合です。とりあえずは前回の猫目ハロの再現。

センサーには前回同様T2-1.25''変換フィルター



がついていて、そこに31.7mmのQBPがついています。QBPの先に、2017年の胎内星まつりで買ったZWO社製の31.7mm径のUV/IRカットフィルターをつけています。その状態で撮った写真が

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になります。前回と違い、月がすぐ近くにあるためにさらなる炙り出しが必要で、周辺減光が目立っていますが、取りえず無視してください。前回UV/IRがない時にQBPだけでとったもの

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と比べても、若干カラフルさは無くなったような気はしますが、猫目はほとんど改善されていないことがわかります。また、今回の方が若干星の周りの青ハロが改善されているようにも見えますが、ピント位置にもよりまだ時間をかけて検証できていません。とりあえず誤差の範囲だと思ってください。



猫目ハロとピントの関係

いろいろ試している間に一つ気づいたことがありました。ピントによって猫目の大きさが大きく変わるのです。例えば、ピントを少しずらすと猫目が消えます。その代わりに他の星がぼやけます。

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ちなみに猫目とピントを共に妥協したくらいだと以下の写真くらいでしょうか?

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ここら辺で、ハハァー、と何となくかわかってきました。

猫目ハロはQBPのせいではなく
レンズから来ている可能性が高い

と。


絞りを変えてみる

ここで、絞りを一つだけ絞ってみました。F1.4からF2になります。

撮れた写真がちょっと雲が出てきた時のものしか残っていなくて(実は別ショットをSharpCapでsnapshotをPNGで取っておいたですが、設定不足でなぜか白黒)写真では完全に直接比較とはいきませんが、見ている限りジャスピンでも劇的に改善しています。

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もちろん一段階暗くなるので、その分ゲインを上げるとか、ヒストグラムでより攻めるなどの対策が必要となります。それでも同じ露光時間でリアルタイム製を損なうことなくバラ星雲は見えるので、まあノイズ的には許容範囲かもしれません。

一応白黒も出しておきます。F1.4の時のシリウスと

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F2の時のシリウスです。明らかにこちらの方が改善されています。

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NIKKOR 50mm F1.4レンズについて

改めて「NIKKOR オールドレンズ 50mm」で調べてみると「F1.4ではボケを楽しめる」だとか、「F1.4だとイマイチだがF2にすると結構いい」というような評価が散見していました。今回はそれを裏付けるような結果になっているかと思います。F1.8レンズの方が安くて性能が良いという評価も見られました。

やはり安いだけのレンズでは問題もあるということがわかってきました。もちろんどこまで妥協するかという問題で、明るい星を見なければF1.4のままでもいいのかもしれません。でも50mmレンズとASI294の組み合わせの場合だと比較的広い範囲を見るので、明るい星が入る可能性が高く、やはりF2が実用的なラインかと言えると思います。

結論とまとめ

今回の結果から、前回出した猫目ハロはQBPのせいではないことがわかりました。31.7mmの新型QBPでひどいハロが出るような印象を与えてしまい、申し訳ありませんでした。少なくとも猫目ハロに関してはレンズのせいであったことは明白で、QBPのせいでは全くありません

ただ、シベットさんが報告しているような赤ハロの方は、今回検証する時間もなく雲が出てきてしまいました。こちらは次回以降にまた試してみます。(追記: 今回のアメリカンサイズQBPで、後日バラ星雲を撮影画像処理までしてみました。QBPでハロが問題になるようなことはありませんでした。)

せっかく作って頂いたQBPなので、実際に確かめてみて、使えるという確証を早く得たいと思っています。新型QBPがきちんとした撮影レベルで使えるかどうかも、次回以降、晴れて天気が安定している時にきちんと検証するつもりです。今しばらくお待ちください。


シベットさんが最近フィルターを使った電視観望を盛んに試されています。私のところにも31.7mmのアメリカンサイズのQBPフィルターが届いたので、ずっと試したかったテストをしてみます。


アメリカンサイズのQBPができた!

そもそもは昨年9月にQBPを使って電視観望をするとどれくらい見えるようになるかというテストをしたことに始まります。



この時の結論はHαで見えている赤い星雲はQBPによって相当見やすくなる一方、プレアデス星団などの青い星雲や白色光に近い系外銀河はむしろQBPによって電視観望では見えにくくなってしまうというものでした。なので、見る対象によってQBPをつけたり外したりするといいのですが、48mm版のQBPはFS-60CBの鏡筒とフラットナーの間に入れてあって、なかなか取り外しにくいのです。

そんな折、ちょうどBLACK PANDAさんからTwitter上でQBPの新バージョンができるというアナウンスがありました。なんでも基材を合成石英にアップグレードするということです。これまでの基材が何かはわからない(2020/2/3追記: B270だそうです。)のですが、合成石英は研究レベルでもよく使われ、熱膨張が少なく、紫外、赤外共に透過率が高かったりします。

上のブログの更新時のTwitterでのアナウンスでBLACK PANDAさんがコメントをくれ、「QBP入れ替えができるように、CMOSカメラに直接つけることができる31.7mmサイズがあればいいなあ」とか返事をしたら、なんと本当に反応してくれました。新バージョンを作る際に、31.7mmバージョンも作ってくれるというのです!これは期待大です。

合成石英を使用した新バージョンのQBP自身は11月半ばにできたと記憶しています。その時のものは元と同じ48mmサイズでした。その後、つい先日の1月29日、とうとう新バージョンの52mm版と、まさかまさかの31.7mm版が本当に発売されたのです!約束を守っていただいて本当に嬉しいです。BLACK PANDAさんどうもありがとうございました。

しかも値段を見ると、アメリカンサイズはこれまでの約半額、税抜きだとなんと1万円切りです。これならユーザーとしては気軽に試すことができるので、大変嬉しい価格設定です。

さらにここから話は急展開します。なんと製品を送るのでテストで使って欲しいとのこと。願いまで聞いていただいて、しかもサンプルも送っていただけるとは!

というわけで、送っていただいた新型のアメリカンサイズのQBP、やっと昨晩テストを敢行することができました。


31.7mmのQBPが生きるところ

フィルターサイズが小さくなって一番良かったのは、CMOSカメラに直接取り付けたり、フィルターホイールに入れたりできるところでしょうか。センサーサイズ的にはフォーサーズまでは使うことができるはずです。電視観望でよく使うASI294MCならば大丈夫でしょう。

もともとはASIカメラについている前に出ているアダプター

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に取り付けることを考えていましたが、年末の名古屋年越し観望会の智さんのレデューサートラブルの検討のときのコメントで「ASI294MC Proについていた薄いアダプターに31.7mmフィルターを取り付けるこができる穴が開いていて、以前よりも飛び出ることなくセンサーに近いところにフィルターを取り付けることができる」ということを教えてもらいました。

実際にASI294MC ProにQBPを取り付けると下のようになります。

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これまでは鏡筒に取り付ける時のみQBPを利用することができました。これならば、一眼レフのレンズをASIカメラに取り付ける時にも、アダプターの中に十分スペースがあるので、広角レンズを使ってもQBPを試すことができます。シベットさんはすでに同様のことを各種フィルターで試しているようなので、私も今回チャレンジしてみます。

今回は上の写真のように、古いオールドNIKKORの50mm/f1.4の明るいレンズにCanonレンズのアダプターをつけて、そこにさらに、ZWOが出しているASIカメラにCanonレンズを取り付けることができるアダプターを取りつけています。そのアダプタの空間にフィルターがうまく収まっています。

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明るいレンズとQBPを組み合わせての電視観望

さて、土曜の晩晴れた際にTSA-120のファーストライトの合間を縫って、このセットアップで電視観望を試しました。ポイントは焦点距離が50mmと広角なので、赤道儀やAZ-GTiさえ使う必要がなく、ただの三脚と自由雲台に載せただけで、手で動かすだけで見たいところを見ることができます。

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このセットアップ、本当に超手軽です。ぱっと持ち出してPCとケーブル一本繋ぐだけです。

もう一つのポイントは、f1.4の相当明るいレンズを使っていることです。以前ASI294MCを最初に手に入れたときその後何度か明るい広角のレンズを使って電視観望をしています。それでも十分に見えたのですが、明るすぎるレンズは画面が飛ばないように露光時間やゲインを抑える必要があるので、星雲なども当然見えにくくなってしまいます。今回はQBPを使って光害をカットしているので、星雲のコントラストが上がり見えやすくなっています。しかも明るいレンズのために露光時間をそこまで伸ばさなくても、十分情報を得ることができ、リアルタイム性に一役買っています。


実際の見え方

実際の見え味ですが、結構衝撃的です。まずは1.6秒露光のライブスタックなしのオリオン座です。

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真ん中に三つ星が映っているのがわかると思います。すぐ下のオレンジの明るいところがM42オリオン大星雲になります。繰り返しますが、これわずかトータル時間で1.6秒だけ露光したものです。三つ星の一番左のところに馬頭星雲らしきものがうっすら出ています。それどころか、よく見るとバーナードループ まですでに出ています。

これを24枚スタックしたのが次の写真です。あ、写真は全てPCの画面をiPhoneで写しているだけなので、ほとんど実際の見え味と同じです。

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馬頭星雲も燃える木もバーナードループも普通にはっきりしています。これでもトータル40秒以下です。

さてここで、ちょっと嫌なことに気づきました。明るい星の周りにハロが出ている(2020/2/5追記: 猫目ハロは解決しました。新型QBPが問題ではなく、カメラレンズが問題でした。)のです。炙り出しなどせずに普通に見ているだけではこのハロは気付きません。電視観望でヒストグラムをいじって炙り出すと目立ってきます。この時点ではQBPのせいなのか、レンズが悪いのかはっきりしなかったので、ここでQBPを外してみました。

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同じ1.6秒露光、30枚スタックです。QBPがないと明るくなりすぎるのでゲインを50(5dB、半分近く)落としています。バーナードループも辛うじて見えているようですが、明らかにコントラストは悪くなっています。これはQBPの効果が大だったといえるでしょう。でもその一方、ハロは抑えられています。

シベットさんがブログの中でQBPは赤外を通すためにハロがでるのではという報告をしています。その中でアポクロマートなど赤外でも収差補正をきちんとしている鏡筒はこの問題は出ないのではという考察がされています。これまで私もFS-60CBやFS-60Q、FC-76で旧版の48mmのQBPを使ったのですが、星がサチらない限りはハロは出ることはありませんでした。

今回星がサチっている可能性が一つと、単なる相当昔のカメラレンズなので、赤外で収差があるのは十分可能性があるでしょう。ただ、ハロの様子が赤だけでなく、なんかカラフルになっているのも気になります。シベットさんによるとUV/IRカットフィルターを併用すると、星像はフィルター間の反射で少し悪くなるが、ハロは消えたという報告がなされているので、次回私も試してみようと思います。

ハロは確かにあるのですが(2020/2/5追記: 猫目ハロは解決しました。新型QBPが問題ではなく、カメラレンズが問題でした。)、暗い星ではそこまで気にならないのと、星雲の出かたが思いの他すごいので、とりあえず今回はQBPをつけてこのまま進めます。


ばら星雲です。1.6秒露光で31スタック。トータル50秒くらいです。

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ばら星雲の上にも少し赤い領域があります。クリスマスツリー星雲ですね。

というか、今回何かを導入するというのではなく、画面を見ながら赤いのがあるとこれはなんだ?と、「星雲を見ながら探す」という夢のような体験をしています。例えば上のバラはリアルタイムの1.6秒一枚露光ではこのように見えます。

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もう、全然見える範囲の明るさです。

一番衝撃的だったのは次の例でした。

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真ん中らへんに何か赤いのが見えます。スタックするとさすがにわかります。

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そう、電柱の上をカモメが飛んでいるわけです。もう夜中に一人で大爆笑。普通の住宅街でこんなのがほぼリアルタイムで見えるわけです。面白くないわけがありません。

その様子を動画にまとめました。


左手でiPhonedで撮影しながら、右手で三脚の自由雲台の上のCMOSカメラを操作しているので、揺れたりして見にくい点はご容赦ください。オリオン座から電柱上のカモメ星雲、次にバラ星雲を突き止めて、最後にまたオリオン座に帰ります。バラ星雲なんかポンッと出てきます。実際にホントにこのように見えるわけです。

他にもプレセペ星団、

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M46、47、48です。

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適当にレンズを向けて見えたものです。1.6秒だけの露光なのでM46、47、48は少し見にくいですが、カモメ星雲のところの左上にもM46とM47は写り込んでいます。

あいにく、系外銀河は一つも認識できませんでした。アンドロメダとか出ていれば別ですが、さすがに広角レンズでは銀河は小さすぎるのと、やはりQBPは白色の系外銀河が苦手なのかと思います。あと今回はハロがキツかったので、恒星と銀河の見分けがつきにくかったのもあるかと思います。

最後に、オリオンが沈みかけるところです。右のほうが赤カブリになっていますが、それでもよく見るとエンゼルフィッシュ、辛うじてですが写ってますよね!

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まとめ

まだハロの件など克服すべき課題も多い(2020/2/5追記: 猫目ハロは解決しました。新型QBPが問題ではなく、カメラレンズが問題でした。)ですが、QBPと明るい広角レンズを用いることで、

光害地で、導入いらず、
リアルタイムにかなり近い、超お手軽な星雲星団観察

が可能だというのは特筆すべきことだと思います。一番最初にHUQさんが見せてくれてα7Sでの電視観望に近いかもしれません。α7Sの凄いセンサー感度にSharpCapとQBPで頑張って迫っているという感じでしょうか。

ちなみにこの50mm/f1.4レンズ、古くても標準レンズだったこともあり、今でも中古カメラ店やヤフオクで格安で普通に手に入れることができます。私は名古屋のコメ兵で5-6千円くらいだったと思います。

レンズは安くてもやはりASI294MCがまだ高いですかね。そこはASI385MCとかに代えて節約するという手もあります。

キットの望遠レンズを使った電子観望
も以前試しましたが、



広角、QBPが違う点になります。今回のこの手法も同様に、導入のための機器もいらないのと、さらに広角レンズを使っているために導入スキルも必要ありません。なので、相当手軽かと思います。

自由に空を見て星雲を探すインパクトは相当なものなのですが、今回のブログでそれが伝わったかどうか?比較的楽なセットアップだと思いますので、これまで電視観望を試したことがない人も、よかったら試してみてください。




本ブログとTwitterで宣伝しておいた名古屋の名城公園での電視観望ですが、大晦日という忙しい時間にもかかわらず一般の人、地元の同級生、天文マニアと何人もの人が集まってくれました。天リフさんでも告知して頂いたおかげです。


いざ実家の名古屋へ

天気予報によると、天気は問題なさそうでしたが、風が強いという予報が出ていたが少し心配でした。当日、車で名古屋に移動する際はずっと曇りで、小雨もぱらついていたので少し心配でした。

私自身は12月31日の午後に名古屋入り。実家に少し寄って用事を済ませてから16時半前くらいに現場に到着しました。ホントは暗くなる前くらいでいいかなと思っていたのですが、Twitter上で午後かなり早いうちから、5月に観望会で一緒だった高校生の智志君が既に現場についたと連絡があったので、急いで用事を済ませて名城公園に向かいました。まだ少し雲は残っていますが、夜半にかけて晴れていくでしょう。風もたいしたことはありません。なんとかなりそうです。


現場到着、早速高校生の智志君が

現場に着くと既にスターバックスの横に智志君が機材を展開してました。でもここだと建物があって少し視野が悪いので、いつものように階段デッキ上に移りました。

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この日の名古屋、とにかく寒い。風があるせいもあって夕方でもすでにかなり体感で寒いです。しかも智志君、てんこ盛りの機材を自転車と電車で持ってきたとのことで、上の写真の通りなんと上着なしです。「自転車で暑くなるから」とのことですが、流石に寒そうです。ちょうどコートとスキーウェアが車に入っていたので、コートを貸して、さらに自分もですがカイロを智志君にも渡し、やっと少しマシになりました。


セットアップ開始

階段デッキの上のほうで機材をセットします。

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機材を設置している途中から、周りにいた人たちに声をかけて、まだ明るいうちの月を見てもらいました。今回は入門用のSCOPETECHも持ってきているので、興味がある人には自分でマニュアル追尾や、最初から導入までしてもらいます。子供たちも何人かきてくれました。子供は暗くなってからだとなかなか来れないので、明るいうちに月を見てもらうことができてラッキーでした。これは早く来てくれた智志君に感謝ですね。


月の電視観望開始

暗くなり始めるくらいから、早速月の電視観望も始まります。

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月齢5日なのでまだそこまで明るくなく、CMOSカメラのゲインを上げると地球照もよく見ることができます。やはり一般の方だと望遠鏡を覗く機会もあまりないようで、クレーター初めて見たという方もたくさんいました。

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智志君も最近手に入れたというASI183MCで、同様に電視観望しているのが写真の奥に写ってます。


たくさんの人が

名城公園に来る前に、うちの子に頼まれて、二人を栄近くの東急ハンズに送っていきました。ハンズの帰り17時過ぎに名城公園に寄ってくれたのですが、ちらっとだけ顔を出して、後はスターバックスに直行。18時の閉店近くまでいて、寒いからといって今度は電話だけで顔も出さずにバスに乗って帰ってしまいました。上のNatsuは最近はギター、それに今回名古屋で買ったベースに夢中な中3の受験生、大丈夫か?下のSukeは中1で卓球部に入り最近は卓球しかしてません。二人ともあまり星に興味は示してくれなくて、成長の過程なのですがまあ寂しいものです。


何人か、天文好きな方も来てくれました。最初に来てくれたのは、名前を失念してしまいましたが60歳位の方で、直接告知を見たのではなく、知り合いに今日こんなのがあるよと教えてもらったそうです。聞いてみると東亜天文学会のメンバーの方で、相当経歴は長いようです。

程なくして、まささんが参入。最初わからなかったのですが、どこかで見た顔。よくよく聞いてみると名古屋のドブソニアン勢力の中の一人で、これまでも星まつりで何度かすれちがっているそうです。それどころか、3年半前の一番最初に行った原村の星まつりで息子のSukeと一緒にドブの人たちに「星雲に色がつきますか?」と一番最初に聞いた人らしいということが判明しました。あの頃は訳もわからず尋ねまくっていましたが、結局それが今の電視観望につながっています。そう思うと感慨深いです。この日も大口径で星雲に色がつくかどうかの議論に移ったことは、ごくごく自然な流れです。

このころ、Facebookで繋がっていた高校の同級生が息子さん二人を連れてわざわざ来てくれました。高3と中3の男の子で素直そうな子でした。旦那さんの実家に行く途中に寄ってくれたのとことです。子供二人も理系に興味があるようで、ノーベル賞を取った梶田さんの講演を聞いた話とかしてくれました。聞いたところ今年また同窓会とかもあるようです。たまに地元でこういったイベントをやって昔の知り合いが来てくれるのはとてもうれしいです。
 
同じ頃にTwitterで参戦を予告してくれていた智さんが到着。 結局電視観望機材を持ちこんでわざわざ恵那から電車で移動してきてくれたとのことです。 折角なので智さんの機材で電視観望はじめますが、早速問題が発覚です。

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智さんの電視観望でのトラブルシューティング

まず簡単に月を入れたのですが、何故かきれいに見えません。ピントが合わないようにも見えますが、どうも月の周りの光芒が明るすぎて恐ろしくコントラストが悪いみたいです。少なくとも私はこれまで電視観望でこんなのはみたことがないです。

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面白くなってきました。さて、何が悪いのか一つづつチェックしていきます。鏡筒は笠井の8cmクラスだったでしょうか、そこにASI385MCを付けています。

最初はレンズの曇りを疑いました。でも鏡筒をざっと見てみますが、まだ機材を出したばっかりで冬場で空気も乾燥していて、曇りのようなものは確認できません。ほかに何が問題があるのか?こんな時、トラブルシューティングで一番大事なのは問題の切り分けです。

まず、今のこの場で私の方で使っていてとりあえず問題のないASI294MCを、智さんの鏡筒につけてみることにしました。これで光芒が改善されなければ鏡筒側が悪く、改善されればカメラ側が悪かったことになります。結果は光芒がなくなり、月も全く問題なくきれいに見えるようになりました。ということは問題はカメラ側にあることになります。

ではカメラの何が悪いのでしょうか?曇っている?ホコリがついている?よくよく聞くとレデューサーを付けてあるとのこと。でもレデューサーなら私もASI224MCでセンサー面積が小さい場合は普通に使ってましたし、レデューサーが悪さをすることは基本的にないはずです。それでも智さんがレデューサーをはずしてみると、なんと変な光芒は見事に消えて無くなりました。レデューサーそのものが悪いのか?聞いてみるとSVBONY製とのことです。でもSVBONYって安いけど決して品質が悪いわけではありません。私も双眼鏡ひとつ持っていますが、全然不満ないです。というか、よくこの値段でこの品質が出せると思うくらい素晴らしいです。

それならと思い、私がこれまで使っていた手持ちのレデューサーをたまたま持ってきていたので、こちらに交換してみます。これで光芒が消えるなら本当にSVBONYのレデューサーが悪いということになります。結果は、同じように光芒が出てしまいます。この時点でSVBONYのレデューサーに問題があるわけでなく、何かレデューサーそのものに一般的に問題があることが分かりました。SVBONYのレデューサーAmazonでも最安で性能も十分でいいと思いますよ。

でもまだ納得がいきません。次に、智さんのカメラに私の手持ちレデューサーを付けたまま、私のFS-60CBに取り付けます。これは予想通り光芒が見えます。ここで、最後に智さんのカメラだけを私のASI224MCに取り替えます。以前はASI224MCで普通に見えていました。結果はこれでもまだ光芒が残っています。確認のため、月だけでなく明るい星でもやってみます。M42です。

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やはり同じように光芒が出ていてボヤボヤです。これまでこんなことはなかったので、何か違いがあるはずです。ここで心当たりのある唯一の違いが、レデューサーをCMOSカメラに取り付けるためのアダプターだと気づきます。今回使っていたのがZWOのカメラに標準でついてくる少し長めのもので、

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これだと長すぎるので私は普段短かめのアダプターを使っていたことです。

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残念ながら短いアダプターはこの日は持っていなくて直接試すことができなかったのですが、もうこの違いでしか説明できません。ずっと昔に、レデューサーがなぜ0.5倍に自動でなるのか考えてみたことがあります。今回きちんと検証できていませんが、やはりセンサー面とレデューサーの位置が離れすぎているのが問題なのかと思われます。短いアダプター持っていなかったのが悔やまれます。


やっと星雲電視観望

21時前くらいでしょうか、ここらへんで智さんの帰宅時間が迫ります。オリオンがビルの上にやっと上がってくることでしょうか。せめてと思い、ギリギリ見えるようになったM42だけは電視で見てもらい、ここで智さん退散です。東亜天文学会の方もここで帰宅なさるとのことで、智さんをJR駅まで送っていってくれることになりました。折角機材を持ってきていただいたのに、あまり時間をかけることができず残念でした。でも智さんがあとでTwitterで一人だと解決できなかったと書いてくれていました。来て頂いた甲斐はあったのかなと思い少し嬉しくなりました。

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その後気を取り直して、本日のメインの電視観望を再開です。といっても、寒いのと天文談義の方が盛り上がり、肝心のメインはなんかまったりモードです。とりあえずは馬頭星雲と燃える木。

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燃える木はまだ分かりますが、馬頭さんが厳しいです。かろうじて形が分かるくらいでしょうか。

次はバラ星雲。

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うーん、本当に厳しいです。ギリギリまで炙り出してこれです。かなりキワをついているので周辺減光も相当目立ってしまうレベルです。一応フラットを撮影して、SharpCapの機能にあるリアルタイムでのフラット補正をかけてみました。

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周辺減光は少しマシですが、以前厳しいことには変わりありません。あ、光害防止としてQBPを入れてもこれくらいです。名古屋ど真ん中の電視観望だとここらへんが限界でしょうか。

23時頃でしょうか、年越し直前に最後のゲストのkima_Aquariusさんが到着です。オリオンとか一通り見せて、次のモンキー星雲です。

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バラ星雲よりはすこしマシで、形もなんとかわかります。

ここらへんでだんだん雲が出てきました。雲間のクラゲ星雲を何度か入れているところで。0時ちょうど、年越しです。今年も充実した星ライフを送りたいのですが、仕事も忙しくどうなることやら。

肝心のクラゲですが、年が明けてやっと雲まで見ることができました。それでも流石にこの光害地では淡過ぎで、傘のところがかろうじて分かるくらいです。

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とにかく寒い。とても寒いです。しかも雲が広がってきて空を見ることもできなくて、むしろ話の方が盛り上がります。


智志君

あ、そうそう、智志君ですがこんな中でも電視観望とか撮影とか色々やっていたようです。

智志君の機材はSCOPETECHの80mm鏡筒。焦点距離が1000mmなので多少大きめになります。そこにASI183MCを取り付けて、AZ-GTiで自動導入までしています。鏡筒のF値が10を超えているので多少暗いのですが、月とかは明るいので電視観望でも問題ないはずです。M42とかは暗いことよりも、視野が多少狭くなるので中心部を見ることになります。SharpCapもまだ慣れていないようで、ヒストグラムでM42も十分明るく見えるようになることを伝えたら喜んでくれているようでした。

その状態で撮影を始めていました。ガイドとかはないので露光時間を伸ばすことはあまりできませんが、それでも何十秒かで露光していて、数十枚とか撮影できたようです。途中、SharpCapのLive Stackでアラインメントを試してたようで、1枚目以降うまくアラインメントできないというので少しみてみると、揺れが大きくて星を星と認識できていないようでした。揺れの原因は何かと思って探ってみました。最初は階段デッキがやわいのでそのせいかとも思いましたが、それよりもはるかに顕著だったのが風です。やはり鏡筒が大きいせいもあり、AZ-GTiだと少し強度不足で、風が吹くと途端に星像がものすごい数の線を描き出します。しかもよくみるとAZ-GTiと鏡筒の間に自作のL字のアダプターを入れているようで、ここも揺れを増幅させているようです。今回はこれを外すと、鏡筒が縦に90度回転してしまうので一から初期アラインメントし直しのため、直すのは諦めていたようですが、次回はここら辺が課題になると思います。

それでも撮った画像をその場で処理するなど、相変わらず高校生とは思えないくらいものすごい熱心です。それもそのはず、今高3なのですが、大学に推薦で既に合格して進路が決まっていること。しかも天文系の学科とのことです。大学生になったらアルバイトなどでお金を貯めて、もうごくごく自然にいい機材につぎ込むことになるのでしょう。若いというのは開けていく道しかないので羨ましいものです。

そんな智志君も、午前1時前くらいでしょうかお母様が現地まで車で迎えにきてくれました。少しだけお話ししましたが、高校生でこれだけのめり込むと親としても大変なのかと思います。でもこの興味を摘むことなく見守っているご両親の寛大さには敬服します。無事に大学が決まってほっとしたとおっしゃっていました。これも好きなものがあったからならではなのかとも思います。

帰るときの機材を見て、お母様も呆れていましたし、我々も呆れていました。ものすごい量の機材を自転車と電車で持ってきたというのです。完全に車で運ぶような量です。しかも上着は無し(笑)。あ、そういえばノートPCのバッテリーが持たないというので、手持ちのものを貸していたのですが、荷物の量を考えたら追加バッテリーを持ってくるのも無理だったと思います。

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京都の「星を求めて」での再開を約束して、この日は帰っていきました。将来アマチュアとして続けるのか、天文関連の仕事につくのか、はたまた研究者にでもなるのか、楽しみです。期待してしまいます。


そろそろ後片付け

さて、若い智志君が帰った後はおじさん組で、ほんとにまったりモード突入です。寒いのと曇っているのと話しているばかりで、もうグデグデ。とうとうAZ-GTiの赤いLEDが2回点滅する様になってきて、こちらももうバッテリー切れが近いみたいです。最後の最後で三つ子銀河だけ入れました。

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QBPを入れたまま見ているので、少し淡くなってしまっているかもしれません。光害の緩和とどちらが得かってとこですかね。

1時過ぎだったでしょうか、まだ予定の2時までには少し時間がありましたが、ここでギブアップ。とにかく寒いです。最後まで残ってくれたまささんとkima_Aquariusさんには片付けまで手伝ってもらいました。ありがとうございました。そのまま現地解散で、私も名古屋市内の実家に帰りました。

実家に着くとさすがにみんなもう寝ています。よく考えたらファミマで買ったサンドイッチ(3切れ入りを三人で分けたもの)しか食べていないことを思い出し、実家で大晦日のご馳走だった豪華焼肉の残りを一人で寂しく焼いて食べてました。


まとめ

今回は年越しを電視観望で過ごすことになりました。昨年は小海の星フェスで電視観望で講演することもできました。電視観望も、もう普通の技術として広まってきているのかと思います。今年もまた心機一転頑張ろうと思います。

かなり寒い中、突然思いついたように呼びかけた形になってしまいましたが、今回の名古屋電視観望オフに参加してくださって皆さま、本当にありがとうございました。ものすごく楽しかったです。また機会がありましたら呼びかけたいと思います。できれば今度は名古屋以外で。でも人が集まるかなあ?


だんだん恒例になってきました。二年前一年前に引き続き、今年も実家帰省に伴い、いつものように名古屋の名城公園スターバックス横で電視観望をやろうかと思っています。名古屋の都会の中でも、なんと星雲が見えてしまいます。オリオン大星雲はもちろん、馬頭星雲や燃える木、バラ星雲まで挑戦します。


日時

今年実家の名古屋滞在は12月31日と1月1日の夜だけで、どうやら12月31日のほうが天気が良さそうです。皆さん忙しい時間かもしれませんが、よかったら参加してみてください。というわけで、時間と場所は

日時: 2019年12月31日の月が見える夕方くらいから、多分年が明けて2時くらいまで
場所: 名古屋の名城公園のスターバックス横あたり


としたいと思います。


何が見えるの?準備は?

月が21時半頃に地平線に沈むので、月が見たい方は早めに来てください。建物の影に隠れるので月が実際に見えるのは20時過ぎくらいまでかと思います。その後は星雲、星団などです。冬なのでオリオン大星雲が大迫力で綺麗に見えると思います。

かなり寒いので、
できるだけ暖かい格好をしてきてください。

長時間いる場合はスキーウェアとかでもいいくらいかもしれません。使い捨てカイロとかもあったほうがいいです。一応エンドレスですが、PCのバッテリーが切れたらおしまいです。予備バッテリーも持っていくので、多分夜中2時くらいまでは大丈夫かと思っています。

来たい方は自由に参加してください。お腹が空いたら適当に各時で周りのレストランなどで食事を取るとかしてください。でも大晦日で営業しているかどうか不明です。スターバックスは18時までの営業のようです。何か手持ちで持ってきておいたほうがいいかもしれません。私はもしかしたら夕方早いうちに食事をとってしまうかもしれません。


アクセス

詳しい場所はGoogleマップとかで「名城公園 スターバックス 」とか検索すればすぐにわかると思います。アクセスですが、
  • 公共交通機関の場合、地下鉄名城線の名城公園駅2番出口すぐです。大晦日ということもあり、地下鉄も終夜運転するようです。詳しくは名古屋市交通局のページをご覧ください。
  • 市バスもありますが、こちらは終夜運転などはなく、休日ダイヤになるそうです。詳しくは同じく名古屋市交通局のページをご覧ください。
  • 車で来られる方は、休日はスターバックス横の道沿いが公園利用者向けに駐車可能になります。夜はおそらくスペースは空いていると思われますが、いっぱいの場合はすぐ南に有料の駐車場もあります。

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こんな感じに展開します。名古屋城も綺麗に見えるはずです。


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スターバックス横か、奥に見える階段の上辺りに陣取ります。



星雲を見てみたい方、電視観望に興味がある方お待ちしてます

電視観望に興味がある方はもちろん、星雲を見たことがないので見てみたい、月のクレーターを見てみたいという一般の方や天文初心者の方も大歓迎です。夕方から20時くらいまでは月も綺麗に見えると思います。自分の機材で電視観望を試してみたけどよく分からないとかいう人は、機材も持ち込めるならその場でいろいろ聞いてください。時間の許す限り一緒に試してみましょう。

もし誰も来なくても、普通にそこら辺にいる方たちにも見てもらおうと思っているので、完全に自由参加形式です。機材だけがおいてあって、その場にいない場合は食事かトイレに行っていることもあるので少しお待ちください。

Twitterでも状況を中継します。人が来てるかどうかとかの様子もそこでわかるかと思います。万が一、開始が遅れたり中止になる場合もTwitterでお知らせします。情報が欲しい方はフォローしておいてもらえるとありがたいです。

今年は果たしてどうなるのか?天気は?人は集まるの?いろいろ不安ですが、とりあえずやってみます。


朝からずっと曇りだった昨日、夜中に短時間ですが東側がひらけてオリオン座がものすごくきれいに見えていたので、電視観望関連で少しやってみたかったテストを敢行しました。題して「格安電視観望」です。


目的とセットアップ

今回の目的は、電視観望の裾野を広げるために最低限の機材でどこまで値段を安くできるかというものです。とりあえず試してみて、その後のアップグレードにつなげる最初のステップという意味もあります。

今回、3つの方法でオリオン大星雲を見比べをします。
  1. いつものFS-60CBにASI294MC Pro(常温で駆動)をつけて、光害防止フィルターのQBPは無し 、AZ-GTiにのせて。
  2. Celestronの格安持ち運び望遠鏡トラベルスコープ 70に ASI294MCをつけて、光害防止フィルターのQBPは無し 、AZ-GTiにのせて。
  3. CanonのカメラレンズEF 55-200/4.5-5.6 II USMにアダプターを介してASI224MCをつけてたものを、AZ-GTiもしくは普通の三脚に載せて。
です。 


1. いつものタカハシFS-60CB

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まずはいつものセットアップで見てみます。焦点距離は355mmに旧フラットナーをつけて合成焦点距離374mm。比較しやすいようにQBPは外しています。露光時間は1.6秒、LiveStackで10フレーム程度なので、総露光時間は15秒程度です。画像はいつもやっているように見栄えがするようにあぶり出します。 これを比較の基準とします。

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露光時間は1.6秒、ゲインは最大の570。スタック回数が少ないので少しノイズが残っていますが、さすがに明るいM42だけあって、綺麗に見えています。フラットナーが旧タイプなので周辺は少し放射状に広がっています。中心の星像はかなりシャープですが、カメラのゲインが大きいため明るい恒星はサチってしまっています。

2. トラベルスコープ70

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 次は入門用の鏡筒です。鏡筒としての性能は求めず、焦点距離が400mmと短いこと、現行機種で安価で入手しやすいことが今回選択肢に選んだ理由です。アマゾンで収納カバン付きで実売1万円を切っています。カメラはASI294MCとしましたが、次との比較のためにASI224MCにしたほうがよかったかもしれません。ASI224を使うとまだ焦点距離が長すぎることが多いので、安価なレデューサがあったほうがいいのですが、今回はそこまで気が回らなくて294を使ってしまいました。

実際にはアイピース口にカメラを取り付けると、接眼部を伸ばし切ってもまだ短くてピントが合いません。私は31.7mm用の延長筒をつけましたが、なければ付属の45度正立プリズムを使ってもいいかもしれません。

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1と比べたら実売で10分の1程度の安価な鏡筒ですが、これをみる限り十分に見えています。電視観望では鏡筒の性能の差が出にくいと考えて良さそうです。ただし、よく見てみると恒星の周りにハロが出ていることと、星像が1の時ほどシャープでなく、ボテっとしています。また、そのせいかサチっているのが目立ちやすくなっています。昔、トラベルスコープ にASI224MCをつけてM57で試したことがあります。技術的にはまだ稚拙だったところもありますが、その時にも色は出ていたので、評価は特に変わらず、電視観望なら十分に使うことができるというものです。


キットレンズクラスでの電視観望

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今回の一番の目的です。このEF 55-200/4.5-5.6 II USMというレンズは入門用のレンズで、以前EOS Kiss Digital Nのキットレンズとして付属していたものらしいです。あまり記憶がないのですが、多分キタムラで数千円で購入しました。

かなりの数が出ているはずの一眼レフカメラ用のキットレンズクラスでどこまで電視観望ができるかを試します。最長で200mmの焦点距離なのですが、今回200mmにするとASIカメラにCanonレンズを接続するアダプターを最長まで伸ばしても焦点を合わせることができませんでした。なので、焦点距離は150mm程度で試しています。ASI224MCはASI294MCに比べるとセンサーが一辺で4分の1、面積だと16分の1になるので、150mmの焦点距離である程度近いくらいの画角になります。露光時間は同じ1.6秒、10枚スタックですが、ゲイン最大だとノイズが目立ったので、224の最大ゲインの600から2段階ほど落として500にしてあります。

結果はというと、以下のようになります。

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どうでしょうか?まず、カメラが1、2で使ったASI294とは違うため解像度が落ちていて、PCの画面の解像度に負けています。そのためノイジーに見えてしまっています。またF値が少し低いので、多少暗く、それもノイズ増加につながっているのかと思います。でもそれはLiveStackでもう少し待っていればいいだけの話で、それほど問題にはならないはずです。それよりも、やはり星像がより大きく出てしまっていて、サチっているのがよくわかります。これはレンズのせいともあるかと思います、実際にはカメラのせいもあるのかと思います。ASI224MCは12bitでダイナミックレンジがASI294と比べて小さく、飽和容量も4分の1とサチりに対して耐性が低いです。でも今回は、安価なということと、キットレンズで手に入る焦点距離で試すために、あえてこちらを使いました。

でも、そういったことを知らなくて、これはこれで単体で見れば、M42などの明るい星雲ならキットレンズクラスで十分見栄えのする電視観望になるのかと思います。

最後に試したのが、架台をAZ-GTiでなくて、普通のカメラ三脚に載せて追尾なしで電視観望をした時です。条件は同じ露光時間1.6秒、10枚スタックです。結果は以下のようになります。

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自動追尾はできないのですが、SharpCapのLiveStackでのAlignment機能が秀逸で、星の位置を認識して縦横、回転だけでなく、画面を歪ませてスタック画像を重ね合わせてくれます。なので星だけ見るとずれは全然ありません。その代わりに、ちょっとわかりにくいですが撮影画面の右側に黒い帯が見えることと、ノイズが筋のように流れて見えます。これが追尾しなかったせいでずれていった跡です。15秒でこれくらいなので、5分程度なら追尾なしでも十分に持たせられることがわかります。

このことは通常のカメラ三脚だけでも電視観望は十分可能だということを示しています。ただし、導入は慣れないと結構苦労します。

AZ-GTiは安価で眼視や電視観望では十分な性能の自動導入経緯台ですが、電視観望にはイチオシです。自動導入がついている普通の赤道儀でもいいですが、自動導入はなくても自動追尾だけでも電視観望は可能です。でもここで示したのはAZ-GTiや、赤道儀などを持っていなくても、まずはカメラ三脚でもいいので試してみることも十分できるということです。その際は、とりあえずは星が流れていってもいいので少し時間をかけてSharpCapの機能を試すことと、暗いものをあぶり出すテクニックを練習してから実際の星雲などを入れるのがいいのかと思います。

もう少し試そうとしたのですが、ここで雲がかかってきてしまい断念。今度はもう少し小さい天体をデジタル上でトリミングズームしてみて比較してみたいと思います。


まとめ

今回はどこまで安価に電視観望を試すことかを目的として試してみました。CMOSカメラASI224MCが税込で3万数千円、カメラレンズとの接続アダプターが6千円ちょっと、一眼レフカメラを持っていれば手持ちの200mm程度のレンズを使ってみる、架台はカメラ三脚、PCもあれば手持ちのもの。それでも三脚にどう固定するかとかいう問題があります。私はカメラ背面についている1/4インチネジ穴を使って適当なL字金具を固定して三脚の自由雲台に取り付けています。

電視観望をまずは試して見たい方は、上記のセットアップを参考に各自で工夫してみて、面白ければ次の便利な自動導入だとか、センサー面積の広いカメラだとかに手を出すというのも一つのアップグレードの道だと思います。

10月26日に小海の星と自然のフェスタのたくさんある講演の中で、電視観望の講演を行いました。KYOEIさんとの合同講演で、前半がKYOEIさん、後半が私です。講演自身は立ち見が出るほど盛況で、質問もたくさんでました。その後の夜の星雲を実際に見ながらの実演でも、かなりの人が来てくれました。

それでも時間はどうしても限られてしまい、わかりにくいところや、もっと理解したいところ、質問したくても人が多すぎて聞けないような方もいたかもしれません。今回、講演に使ったスライドを多少の補足も加えながら、公開したいと思います。


導入部

最初のページです。この記事ではカットしても良かったのですが、実はタイトルはすごく大事です。なんでこんな手軽な機材でも、電視観望だと十分に星雲などを楽しむことができるかを理解してほしいと言う思いをタイトルに込めました。

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動機です。2016年当時の原村の星まつりでドブの方達に聞いたのは、子供なら感度があるので緑系は色がつくかもしれないと言う話でした。その時一緒にいたうちの子に(当時4年生)にたぶんM57だったと思うのですが、色付きで見えるか聞いてみたら「見える!」とのこと。でも多分子供なので暗示だと思います。私にはどうやっても色がついているようには見えませんでした。
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電視観望と言う言葉は、胎内で出会ったHUQさんの造語で、当時「電視」としたかったのにこれだと中国語でテレビの意味になってしまうから「観望」をつけたとのこと。最近は電 "子"観望と呼ばれることもありますが、このブログでは命名者に敬意を表して電"視"観望と言っています。でも言葉は進化していくものなので、どちらでも構わないと思います。
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機材説明

続いて機材の確認です。電視観望に特化した機材と、一般的な機材です。最後の方のスライドで出てくるのですが、光害フィルターはもう必須に近いので、このページに入れてしまった方がいいかもしれません。
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鏡筒は短焦点ならもっと安価なものでも構わないと思います。電視観望は写真撮影ほど性能を求めないので、高性能な鏡筒と普及帯の鏡筒でもそこまで差が出ないです。なので、手持ちの手軽な入門用鏡筒から始めるのも一つの手です。
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カメラ選びですが、一番最後におまけスライドでもっと詳しい表を載せています。

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実際にどう見えるかの例

電視観望の一例です。講演前日の懇親会の日の夜に撮影したオリオン座周りの画像も入れることで、臨場感を出したつもりです。

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当日、講演時間が短くなりそうだったので、直前でカットしたスライドが何枚かあります。これはその中の一枚です。惑星は、惑星撮影をしている方にとっては見慣れた映像かもしれません。月は意外に面白くて、観望会で「月のこの部分を見たい」とか言われたら、画面上でトリミング拡大してさも月旅行に行った気分になるとか、拡大して大気揺らぎを見るとか、カメラのゲインを思いっきりあげて地球照を見るとか、いろいろ応用があります。

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これもカットしたスライドです。明るいところでも天の川が結構よく見えてしまいます。最近の子供たちは天の川を見たことない子が大多数なので、かなりウケがいいです。あと、星座観察なんかもできます。都会だと星座をトレースするのも難しいので、画面で説明しながら、星座ビノなんかで見て実際に形を認識してもらうとよく理解してくれます。
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太陽にも電視観望を応用することができます。このスライドは話すかどうか最後まで迷っていたのですが、時間のこともあり結局カットしたものです。太陽が好きな人にとっては、観望会で一つネタが増えるきっかけになるかと思います。実際に撮った動画をここにアップしています。でも、明るすぎてPCの画面が見えにくいと言うのがオチです。
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電視観望の方針とセッティング

これも多分当日カットしたスライドだったと思います。ちょっとうろ覚えで、もしかしたら話したかもしれません。手軽なセットアップはやはり便利で、軽い、ケーブルの数が少ないなどを目指しています。観望会の準備の時間が意外に少なかったりするときもあるので、すぐに準備できるということはかなり重要です。また、見せることに特化することを目指して、画面を選択して自動導入など複雑なシステムにしないというのも心がけています。これはトラブル防止につながり、お客さんを待たせることをできるだけなくすことにつながります。凝ったことをやろうとするとたいてい本番で失敗し、さらに焦ってパニックでどうにもならなくなります。
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SharpCapをすでに使っている方にとっては、電視観望用に必要となるであろうセッティングをまとめました。
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本当は次のように文書でもスライドを用意していたのですが、(時間制限に関係なく)カットしました。動画の方がわかりやすいと思ったからです。
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動画になります。実際の動画はここにアップしてあります。途中ノイズが軽減される様子を強調するために、途中多少明るくして最後に暗くしていますが、明るすぎる必要は全くないです。また、彩度も少し強調しすぎかもしれません。ちなみに彩度はLiveStackのヒストグラムの横の赤青緑のバーの横の灰色のバーで強調することができます。これは意外に知らない人が多いかもしれません。
当日講演内で見せたように、動画の一番最初と一番最後を交互に見てみると、before and afterで違いがよくわかります。
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小口径電視観望のメカニズム

ここからが、今回の講演で一番伝えたかったことです。
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そもそもカメラの分解能、鏡筒の分解能の方が、PCの画面の分解能よりもポテンシャルが高いので、PCの画面上でトリミング拡大してもそこそこ見えてしまいます。M57より電視観望で小さいものを見るのは(少なくとも私は)あまりないので、これ位まで見えれば十分ではないかと言うことです。ちなみにこの状態で、大きなものではアンドロメダ銀河がちょうど画面に収まるくらいです。アンドロメダから惑星状星雲を見える範囲としてターゲットとしていると言ってもいいのかもしれません。
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明るさはヒストグラムの左2本線をいじり、レベル補正とガンマ補正に相当するあぶり出しで改善されます。ノイズはライブスタックで改善されます。空間分解能はPCの画面で制限されるのであまり問題になりません。ただし、ダイナミックレンジだけは犠牲にしていて、明るい恒星は白とびしてしまいます。ASI224MCからASI294MCにカメラを移行した時に、ダイナミックレンジが12bitから14bitになって、飽和容量も4倍になっているので、白飛びはだいぶん改善されました。それでもまだ十分ではないです。

カメラの感度がまだまだ足りていないのは事実なので、本当のリアルタイム映像を満足した画質で見ることは現段階では不可能です。今の状況ではリアルタイム性を追求するより、その時間をノイズ除去に当てた方が見栄えがいいと思います。なので、導入はリアルタイム、導入してからはライブスタックでノイズを下げると言うようなやり方で運用しています。

RASAを一度使ってみたいです。8インチのRASAなんかでSharpCapで電視観望したら、露光時間が10分の1くらいで同等の見え味なので、0.1秒オーダーのリフレッシュレートになり相当リアルタイムに近くなるはずです。
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もう少し補足します。SharpCapの設定でさらっと書きましたが、ゲインは最大近くに持っていっています。これはまず短時間で明るくしたいと言う要請が一番の理由です。さらにもう一つ、実は講演が終わってから考えていて気づいたのですが、読み出しノイズを考えると、これも最小になっています。ここは少しわかりにくいかもしれませんが、ゲイン最大だと画面上に出てくる読み出しノイズは最もたくさん出てきます。ただし、そのたくさんの読み出しノイズを大きなゲインで割るので、S/N(信号と雑音の比)の観点からは一番得をしています。これがグラフで表されている読み出しノイズが最小と言う意味です。

短時間で明るく表示できて、なおかつS/Nがいいと言うのが、ゲインを最大にしている理由で、小口径でも上手く見える理由の一つです。その代わりにダイナミックレンジはかなり制限されるので、白飛びに関してはあえて妥協をしているわけです。

以上のことが、次のスライドにもつながります。手軽な小口径というのは魅力の一つでもあります。これで慣れてから、さらに不満な場合には大口径に移行するというのが正しい道筋な気がしています。大口径はメリットはもちろんありますが、手軽さ、視野角など、よく考えないとデメリットも少なからず存在すると言う意味です。RASA8は最強ですが、RASA11やRASA14だと今のセンサーサイズから考えると視野角の不利さが出てきてしまうかもしれません。
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光害フィルターの効果と、おまけスライド

光害地での電視観望ではQBPのような光害防止フィルターを使うと効果的です。でも逆に見えにくくなってしまう天体もあるので注意が必要です。
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最後におまけで、カメラの特徴を示した表です。といってもこのページの焼き直しなのですが。
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まとめ

どうでしょう、講演のスライドを解説付きで公開するというのはこれまであまりやったことがないのですが、役に立ちますでしょうか?講演の時間も制限があったので、話が早くて理解不足のところもあったかと思います。スライドをゆっくり見ていただいて、さらに理解を深めていただければと思います。わかりにくいところがあればまたコメントなどしてください。できる限り答えるようにしたいと思います。

できることなら、小口径でなぜ電視観望が成り立つのかの理由を理解してもらい、さらに皆様からいろんなアイデアを出してもらい、電視観望が発展していくことを期待しています。同時に、電視観望を通じて深宇宙への敷居を下げることで、天文人口の裾野を広げることができればと思っています。

いろいろ試して、何か面白い結果が出たりしたら、またコメントにでも報告してください。Enjoy it !


台風19号が過ぎた日の夜、少しだけ晴れ間がありました。ほぼ満月だっとことと、雲も多かったので、何か簡単にできることと思い、10月26日、27日に開かれる長野県小海の「星と自然のフェスタ」の準備をすることにしました。

それはそうと今回の台風19号、私がいる富山はそれほどでもなかったですが、日本全国で見ると被害は甚大でした。特に長野は堤防が決壊し、よく使う北陸新幹線の車両が水に浸った映像は、かなりショックでした。スターライトフェルティバルに行こうとしていた福島も阿武隈川の堤防が決壊し多数の犠牲者が出たようです。小海でも数日間の間停電が続いたと聞いています。まだまだ生活を立て直すことができない方も大勢いらっしゃると思います。一日も早く復旧できるよう願っています。

さて、来たる 「星と自然のフェスタ」で、なんと電視観望について講演をすることになりました。講演プログラムはこちらになります。私の講演の時間は26日の土曜日午後15時30分からで、KYOEIの方と時間を分け合って話します。以前原村で、のんたさんから言われた「電視観望の話をどこかの星まつりでしたら、ものすごく受けるのではないか」という助言が早くも実現する形になります。さらっと記事を書いているように見えるかもしれませんが、内心ものすごく嬉しくて、できる限りわかりやすく、私が持っている電視観望の経験を惜しむことなく伝えることができたらと思っています。

伝えたいことは「なぜ小口径の鏡筒で電視観望が成り立つのか?」ということです。具体的な機器や操作法はもちろんですが、一番伝えたいのは「なぜ?」という理由の部分です。このブログをよく読んでくれている方にとっては新しいことではないかもしれません。でも最近「なんで小口径で見えるのかよくわからない」とか「暗くてよく見えない」とか、実際に困っている人が結構いることを知りました。わけもわからずやるより、絶対に背景にある理屈を理解して試した方がはるかに面白いだろうし、次のことを試す場合にもいろいろ応用が効くはずです。そんな思いで、講演用のスライドを作っています。

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その一つとして、SharpCapでの画像調整の動画を撮影しました。宣伝も兼ねてここに掲載しておきます。


もう一つ、スライドの中から実際の画面での説明のページも掲載しておきます。

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でもあくまで講演のメインは「なぜ?」の部分です。講演当日は「なぜ」このようなSharpCapの設定になるのかを理解してもらえるように話したいと思っています。そしてもし天気が良ければ、夜はそのまま電視観望の実演をしたいと思います。当日の講演でも、夜の実演のときにもできる限り質問にも答えたいと思います。

もし興味がある方がいましたら、ぜひ「星と自然のフェスタ」にいらして下さい。電視観望の話以外にも他の方のたくさんの面白そうな話があります。昨年は個人的には五藤テレスコープの分光の話がすごく面白かったです。今年は日曜日の昼前の重力波の話も面白いかもしれません。なんでも研究者が子供の頃どんなだったかとか、地元の子供達に向けてこんな世界もあるんだよ、というような話も交えてしてくれるそうです。


日本の電視観望の現状を振り返ってみようと思います。できるなら、これから電視観望を始める人の機材とかの選定に役立ってくれればと思います。


「電視観望」に至るまでの歴史

アマチュアレベルで、CCDカメラを使って星雲星団などを撮るという意味では、おそらく最古に近いものは昔の天文ガイドに出ている1980年年代前半くらいなのでしょうか。


上の記事では宇宙科学研究所と書いてあるくらいなので、アマチュアというよりは研究室レベルの話なのかもしれません。その後、CCDカメラが発達してアマチュア天文家に撮影の門戸が開かれていったのかと思いますが、それでもカメラの値段は相当高価で、一部のハイアマチュアの方に限られていたのかと思います。

むしろ電視観望に直結するのは、それよりも以前に行われていたイメージインテンシファイアを使ったリアルタイム表示でしょうか。昔の1981年1月号の天文ガイドにも記事があります。当然私はこの時代のことは知らないのですが、いつの時代にも同じようなことを考える人は必ずいるのかと実感させられます。そのころのイメージインテンシファイアは、当然星雲に色なんかつかないですし、値段からいっても一般の人にとってはとても手が出るものではなかったのかもしれませんが、今ではそれよりはるかに高感度なセンサーが、もう全然手の出る値段で出ています。以前のこの記事



でもないですが、天文に関して言えば今は夢にまで見た未来の世界なんだと思います。

一般のアマチュアでも星雲を高感度のCCDや一眼レフカメラを使って電視観望っぽいことをやっていた方は、結構前からいたようです。動画という意味で一番古そうなのは、Youtubeで見つけた限り7年前。でもこれらは今の電視観望のような、リアルタイムでその場で見るというよりは、「天体を動画で撮影をしてみる」という意味合いが強かったように思えます。

Sonyのα7Sが出た2014年あたりから、さらに電視観望に近いことをやっていた方が増えているのは特筆すべきです。やはり、高感度カメラの一般化とともに発展していくような技術なのかと思います。それでもまだ、モニターに映してみんなで見るというようなスタイルにはなっていなくて、あくまで動画で撮影してみるという類のものだったと思われます。


「電視観望」の始まり

「電視観望」という言葉は、SWATマニアで有名な愛知のHUQさんの造語です。HUQさんの方法は、α7Sを使うところはそれ以前と同じなのですが、それをHDMIで外部モニターにつないで、赤い星雲をみんなで共有して見ていたところが新しいのかと思います。当然α7Sも天体改造済みで、さらに色がおかしくならないようにUVカットフィルターも入れていたはずです。



HUQさん曰く、もともと「電視」としたかったらしいのですが、これだと中国語でテレビの意味になってしまうので「観望」をつけて電視観望としたとのことです。最近は電”子”観望と言われることもあるようですが、「でんしかんぼう」という造語を端に「電子観望」もできたものなので、大元は「電視観望」なのでしょう。言葉は時代とともに変わっていくので、どちらでも良いのかと思いますが、私は個人的にこの手法を直接見せてくれたHUQさんに敬意をはらい「電視観望」の方を使っています。


CMOSカメラを使っての電視観望のはじまり

おそらく日本では私が最初に、ZWO社のCMOSカメラを使ってその場で見ることを目的に電視観望を始めたのかと思います。当時調べた限りでは、少なくともCMOSカメラを電視観望相当のことに使っている例は見つかりませんでした。



当時私はまだ星を始めたばかりで、α7Sなんていう高級機はとても買えませんでした。上のHUQさんの方法をなんとか使えないかと、苦し紛れに、惑星用に使っていた同じSonyセンサーのASI224MCを流用したわけです。たまたまセンサーの感度がSony製で物凄く良かったこと、センサー面積などの制限から、小口径短焦点化など、逆に色々と発展させることができたのではと、後になって理解することができました。


海外の状況

ちなみに海外で電視観望に相当するのは別の言葉があって、EAA(Electronically-Assisted Astronomy)というのが正式名称のようです。直訳すると「電子補助天文」くらいでしょうか。調べてみるとEAAという言葉ができたのはそう古いことではなく、Cloudy Nightsでは2015年くらいから使われ始めたようです。私が始めたのが2016年なので、その一年くらい前ということになりますが、EAAの概念はもっと前からあったと思われます。2016年にはEAAをより一般化しようとするRevolution Imagerという製品がすでにできていました。



私はその当時、海外の状況を全然(それどころか、日本の天文事情もまだほとんど全く)知らなかったので、今の日本の電視観望の方法はある意味独立に発展してきたと言っていいと思います。というより、私は今だに海外のEAAの状況をあまり把握していないので、これまでの日本での電視観望の技術がどれくらい通用するか、一度海外の方で披露などしてみて、技術をすり合わせてみたいと思っています。少なくとも今の光害地でも余裕で見ることのできる技術は、海外と比べてもそんなに引けを取るものでもないと思っているのですが、どうでしょうか?


電視観望の広がり

さてこんな状況なのですが、日本では2016年夏の当初、電視観望なんて言葉は全く浸透していませんでした。その後、星まつりで披露して注目を浴びたり、



2017年にCAMPで披露してハイアマチュアの方の目にも入ったりしたのですが、



実際に電視観望という言葉がかなり一般的になってきたのは、2018年に入ってからくらいかと思います。日本で最大規模の販売店のKYOEIさんが力を入れてくれたり、天リフさんで積極的に取り上げてくれたのも影響が大きいと思います。

そんなこんなで、今では少なくとも天文マニアの間では電視観望という言葉はほぼ一般用語となり、会話の中でも普通に使われていますし、実際にかなりの人数の方が電視観望を試してくれていて、各地の観望会で成果を挙げているようです。


電視観望の分類

独断と偏見でですが、現在の電視観望を分類してみたいと思います。大きく分けて4通りくらいあるかと思います。
  1. まずはHUQさんが用いたオリジナルのα7Sを使う方法。これは後に明るさに走り、RASAを用いるような形に発展していきます。
  2. 2つ目は私が始めたCMOSカメラを比較的小口径の鏡筒で使う方法。これはひとえにSharpCapというソフトがあって発展した方法だと思います。今の日本で電視観望というと、これが主流なのかと思います。
  3. もう一つはRevolution Imagerを使った、PCを使わない簡単な方法。日本ではKYOEIさんで販売が開始されたのがきっかけです。
  4. さらに最近はASIAIRを使った方法なども出てきています。
これに加え、公共天文台などの大型望遠鏡を使った電視観望も始まっていますが、こちらはここ一年くらいでやっと公共天文台も注目し始めてくれたといった状況でしょうか。まだ、どこの天文台にもあるという状態からは程遠いです。大型モニターなどを常設することで、より多くの方に宇宙の深淵を身近に、リアルタイムに感じてもらうことができると思います。


さて、毎度長くて申し訳ないのですが、ここまでが前置きです。今回の記事の目的は、こんな背景を元にこれから電視観望を始める人がどんな方法があるのか、機材はどんなものを揃えたらいいのかというのを理解してもらうことにあります。

というわけで、まずは1から4の方法をもう少し詳しく見ていきましょう。

1. α7Sを使った方法

この方法が電視観望のオリジナルの方法と言ってしまっていいと思います。なぜなら電視観望という言葉を作ったHUQ氏本人が提唱している方法だからです。

  • 発案者: HUQ氏
  • カメラ: Sony α7S(天体改造済み)
  • 鏡筒など: F値の低い明るいカメラレンズ、のちにRASAに発展。
  • その他: HDMIケーブルで外部モニターにつなげると、みんなで共有して見ることができます。
  • 金額: α7Sが中古で10万からα7SIIが25万円くらい+天体改造3万円くらい、レンズはピンキリ(1万程度から、明るいレンズだと10万円以上の場合も)。HDMIモニターが1万円位。RASAだと8インチで25万円、11インチで45万円。11インチRASAを駆動するなら中~大型赤道儀でそれだけでも数十万円コースか。
α7Sの超高感度特性を利用した方法です。当初はカメラの天体改造も含め敷居が高かったのですが、最近は中古で10万円程度でα7Sを手に入れることができるので、かなり敷居は下がりました。

初期の頃は、50mm程度でF1.2というそこそこ広角のかなり明るいカメラレンズを使い、天の川なども含めてモニターに映す方法を取っていましたが、のちに焦点距離を伸ばす方向にも発展していきました。

カメラ単体は高感度なのですが、ISOを上げることのみで、外部ソフトを使うなどは基本できないので、どうしても鏡筒の明るさが欲しくなります。行き着く先はRASAなどの大口径で超低F値のものとなり、2017年の福島では11インチRASAで電視?と一部世間を騒がせました。



流石に11インチRASAは、それを乗せる赤道儀まで考えるとちょっと敷居が高くなりますが、ある意味究極の方法なのかもしれません。

ちなみに、α7S動画の場合の露光時間が秒最長でも0.25秒なので、その制限もあり明るさに限界があるのですが、必ず0.25秒刻みより速く見えるので、逆にリアルタイム性ではこれが一番面白いです。


2. 高感度CMOSカメラを使った方法

おそらく現在では、電視観望と言えばこの方法が主流なのかと思います。特徴はSony製の超高感度CMOSセンサーを使ったカメラを使い、比較的安価で小口径な鏡筒でもそこそこ見えるため、最初に始めるのには敷居が低く、とっかかりやすいことだ思います。

  • 発案者: Sam
  • カメラ: CMOSカメラ、ASI224MCやASI385MC、ASI294MCなど。
  • 鏡筒など: 短焦点で安価なものからOK。自動導入があるといいのでAZ-GTiがおすすめ。
  • コントローラー: SharpCap
  • その他: 画面を写すためにPCが必要。
  • 金額: カメラがセンサーサイズに応じて3万から10万円、鏡筒が安価な1万円くらいのものから。AZ-GTiなどの自動導入ができるもの3.5万円。計算機が5万円くらいから。
一番最初こそ口径20cm、F4の明るい鏡筒+FireCaptureで試しましたが、SharpCapの存在をRevolution Imagerの開発者のMikeに教えてもらってからは、ひとえにSharpCapに助けられて小口径化していきました。SharpCapを使うのはリアルタイムで画像処理を行っているようなもので、オートストレッチとLiveStackで星雲などあぶり出すために鏡筒を選びません。私は基本的に普段は口径60mmの小型のFS-60CBで電視観望をしています。

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PCが必要なのは、余分な機材が必要ということから欠点の一つもと言えます。逆に、PCの自由度の高さから任意のソフトが使え、特にSharpCapでカメラと鏡筒の能力の限界まで引き出せるのは利点ともいえるでしょう。値段も鏡筒を選ばないなど、いろいろ安価にする工夫がとれそうです。

また、広角のカメラレンズを使って、星座電視観望とか天の川電視観望なんかも楽しむことができます。


3. Revolution Imagerを使った方法

手持ちの望遠鏡などがあり、新たに簡単に試してみたいときはこれが一番でしょう。セットを買うだけで、必要な機材が全て入っています。PCもいらないのでとにかくお手軽です。

もともとアメリカのロサンゼルス近郊のOrange County TelescopeのMikeが機材を組み合わせて販売したのが始まりです。たまたま出張でこのショップに遊びに行った際、店長のMikeから日本に紹介してほしいと頼まれたものです。現在ではKYOEIから販売されています。
  • 発案者: Mike (Orange County Telescope)、日本への紹介者: Sam
  • カメラ: Sony製アナログカメラ(PAL出力)
  • 鏡筒など: とりあえず手持ちのものでOK。焦点距離を縮めるために0.5倍のレデューサが付属。
  • その他: モニターも付属。
  • 金額: Revolution Imagerが4万円程度。あとは手持ちの機材で。
PCを必要としない、最も手軽な電視観望セットです。画像処理に相当する機能がカメラに含まれています。日本語にも対応しています。

その代わり、自由度は少ないのでPC+SharpCapには機能的にかないません。ただし、付属のカメラは素子サイズがASI294MCよりも大きいので、感度は相当いいです。実はこれをビデオ入力ができるUSBキャプチャーアダプターなどを通してPCに入れて、SharpCapでLiveStackなどするという方法をあっかさんという方が試しました。これは素子サイズの大きさから侮れないくらいよく見えるようです。


4. ASIAIRを使った方法

2018年終わりころからでしょうか、当時から電視観望に力を入れていたKYOEIのMさんが、ZWO社のASIAIRを使った電視観望を提唱し始めました。当初はRED Cat51などの小口径の鏡筒を使っていましたが、最近は8インチのRASAと組み合わせて使っているようです。理由の一つが、ASIAIRの画像処理が、レベル補正の上と下しかいじれないことで、ガンマ補正に相当するものがなく、やはりある程度明るい鏡筒を必要とするからだと思われます。

  • 発案者: KYOEIのMさん
  • カメラ: ASI294MCなど
  • 鏡筒など: 明るいものがいいが、とりあえず小口径でも可能。
  • コントローラー: ASIAIR
  • 金額: ASIAIRが2.5万円、手持ちのスマホやタブレットがモニタになります。あとはカメラ、鏡筒、赤道儀など。小口径の場合は安価ですが、明るい方がいいのでRASAとかにすると、金額はそこそこ高くなります。
CMOSカメラを使っているので、2番の方法と変わらないと思えそうですが、PCのいらないASIAIRで、スマホなどがモニタがわりになるのは特筆すべきでしょう。さらに、ASIAIRに標準装備のplate solvingが物凄く優秀で、適当にセットしても、その時の画像を解析して位置を割り出し、赤道儀にフィードバックすることで、いとも簡単に精度よく目的の天体を導入してしまいます。

ASIAIRの画像処理が、やはりSharpCapに比べると機能的に劣るのは否めないのですが、もしこのまま開発が進んでSharpCapに匹敵する画像処理機能やLiveStackを持ったら、多分最強になります。


参考: Night Vision

電視観望ではないですが、Night Visionにも少し触れたいと思います。

といっても私は全然詳しいわけではなく、今年の原村で一度覗かせてもらったくらいです。色とかはつかないのですが、完全リアルタイムで淡い星雲を見ることができます。ドブソニアンとかの組み合わせで、さらに感度が出るので、DSO観測にかなり向いていると思われます。

ただし、値段がものすごく高いのと、明るいところで使わないなど、扱いが相当大変なようです。ナイトビジョン自身はものとしては昔からあるものですが、数が出るものでもないので値段がこなれるのがあまり期待できないのが難しいところでしょうか。観望会でお客さんにより気軽にみてもらうという観点からは、電視観望と相通づるものがあるのかと思います。


どんな機材で始める?

最近、電視観望を始めたいが、どんな機材から始めたらいいかわからないという話をちょくちょく聞きます。上で説明したように、いろんな方法があるのですが、
  • 手持ちの機材があるなら、CMOSカメラかRevolution Imagerを買えば比較的簡単に電視観望セットを構築することができると思います。
  • 手持ちの機材がないなら、最初は小口径の短焦点の安価な鏡筒でいいかと思います。
  • その時のカメラはASI224MCかASI385MCでしょうか。カメラ選びは以下のページを参考にしてください。
  • ASI294MCはセンサー面積が大きいのでやはりいいです。予算が許すならこれでしょう。何が違うかというと、広い範囲が一度に見えるので導入が圧倒的に楽です。
  • 自動導入はあった方がいいので、最初はAZ-GTiが安価で現状ではほぼ一択でしょう。もちろん普通の自動導入ができる赤道儀でも全然構いません。
  • あとは適当に余っているPCなどを流用して一度試すことだと思います。
  • ASIAIRは手軽さ、精度など兼ね備えています。画像処理がもう少し良くなればこれが決定打なるかもです。
  • 突き詰めていくと、究極的にはやはりRASAだと思います。RASAの明るさを生かすことで、ごまかしなしの本当にリアルタイムで星雲に色がつきます。α7Sとの組み合わせはある意味最強です。でも敷居もものすごく高いので、相当なマニア向けです。
とまあこんなところですが、参考になりますでしょうか?


今後の発展

今の電視観望の技術だけでも、自分で見て楽しんだり、観望会で実際にお客さんの反応を見たりすると、かなりのインパクトがあるのかと思います。

それでも電視観望はまだ非常に歴史が浅く、今現在もどんどん技術が進んでいます。例えば最近でもQBPを入れると格段に見やすくなるなど、まだまだ工夫の余地がありそうです。センサーの進化にも大きく依存するはずなので、今後も飛躍的に電視観望が発達して観望の中の重要な位置を占めてくるかもしれません。

まとめ

もしちょっと面白そうだなと思った方がいましたら、是非とも始めてみてください。わからないところがあれば、このブログのコメント欄にでも書いてもらえれば、できる限り答えたいと思います。

それでも機材を持っていないゼロからの状態だと、それなりの初期投資が必要となります。どこまで安く実用的に電視観望ができるのか、できたら今度挑戦してみようと思います。


あ、以前電視観望のトラブル解決集を作ったの思い出しました。よかったらどうぞ。(そろそろ一回更新しないと...。)




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