ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 電視観望

CP+2021 サイトロンブースでの生中継電視観望、見ていただけたでしょうか?奇跡的に天気にも恵まれ、もう大成功でした!当日までの準備と、当日の実際のトーク、いったいどんなだったんでしょうか?


トークのお誘い

もともと天リフさんからお話があったのは1月半ば。もう1ヶ月以上も前になります。電視観望で話して欲しいとのこと、私は日程が空いていることを確認してすぐに二つ返事でOKです。その後たまたまClubHouseを通して天リフさんと話す機会があり、「せっかくのCP+なので天文クラスター以外の人も来てるはず。じゃあ電視観望とか知らない人でも興味を持ってもらえるように、入門クラスの機材でできるだけ敷居を低くしてやってみましょうか?ちょっと前に、ちょうどサイトロンのカメラとガイド鏡でブログの記事書いたので、それの延長で行きましょう」ということになりました。

その時点ではまだ星空を中継するかは全然考えてませんでした。その後、天リフさんから講演時間の希望調査が来た時に「もし星が見えるならその場で見せたいので、できれば一番最後にして下さい」と頼んでおいたのですが、さすが天リフさん、本当に一番最後にしてくれました。時間は18時から18時半なので、この時期だとまだ少し明るいのですがまあなんとかなるかと思い、中継を決心。その後、何度かテストして晴れてさえくれればオリオン大星雲ならなんとかその時間でも見ることができるのがわかりました。それが予告編の記事前後になります。

一応技術的には見通しがついたので、あとは晴れてさえくれればなんとかなりそうです。プレゼンの資料方も方針が決まったので、結構早くに目処がつきました。


CP+開始

さて、2月25日の木曜から始まったCP+ですが、SIGHTORONブースの配信は27、28日の土日となります。土曜午後2時、天リフ山口さんからのスタートでしたが、かなり緊張しているようでした。録画ですが「一発撮りなので緊張した」と言っていました。サイトロンのトークを含む多くは事前収録でしたが、天文関連の方は生中継が多いようです。かくいう私も生中継、しかも生星空中継も目論んでいます。はてさて、どうなることやら...。

先週一度テストはしたのですが、心配性なので前日の土曜に再テスト。全ての接続と、ピント出し、カメラの向きなど一通りの撮影を試しました。1階の自分の部屋の、窓を開けてすぐ下のところに機材を置いたのですが、その時木の枝がけっこう邪魔なことに気づきました。

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前日のテスト撮影です。
少し遅い時間ですが、それでも木が邪魔してます。
本番の時間だと完全に木の枝に隠れそうでした。

とうとう自分のトーク本番28日の日曜です。昨晩気づいた木を切るために、朝からチェーンソーを出して作業開始。木の枝が電線にかかりそうになっていたので、ちょうどいい機会でした。

空は朝から晴れていて、scwによると夕方少し雲がかかるかもと出ています。一応星空中継は、トークの中で紹介する入門用のEVOGUIDE+SV305-SJ+AZ-GTiと、少し雲がかかったときのためにNIKKOR50mm+ASI294MCで広角電視観望の2本立てで用意しておきます。

さてさて午後になり、ぼすけさんのトークが始まります。ニュートニーとマクシーの解説ですが、私もそれに触発され、背後にニュートニーとマックシーを置いてみました。ブログの記事にしてないのですが、実は少し前に両方とも手に入れています。目的はむしろ教育で、観望会とかに持っていって中身を見せるとかです。

さらに、あぷらなーとさんのスムーズなトークにちょっとびびってしまいました。もちろん内容もすごく考えて作られていて、マニアックな内容を初心者にもよくわかるような話にしています。

成澤さんの頃には自分のトークの準備が佳境。ごめんなさい、成澤さんが生で中継しているのまでは認識できましたが、ここら辺からトークもあまり聞けていませんでした。自分を写すカメラ位置や、機材の最終点検です。外を見ても結構雲があって全然よくなる気配はありません。なのでスライドも少しロングバージョンに組み替えです。

20210228_1643_cloudy

Zoomもつないで天リフ山口さんとも接続確認し、準備完了。トーク開始の15分前です。外を見ると、太陽は沈んでいますが、まだ少し明るくて、相変わらず雲だらけです。


いよいよ本番

さて、いよいよ自分の時間。15分くらい遅れていたので18時15分からのスタートでした。最初の挨拶に引き続き、そのままスライドへ。今回のトークのテーマは2本だて。電視観望の入門と広域電視観望です。
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つかみは望遠鏡あるあるです。今回は、眠っている昔の望遠鏡も使える可能性があるので、そのイントロも兼ねています。前半は以前このブログでも紹介した初心者用の電視観望の組み合わせでどこまで見えるかというお話です。
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馬頭星雲も短時間だと淡いですが、40分放っておくとかなり鮮やかになります。SharpCapの設定例とともに示します。
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Livestackの効果を三つ子銀河で1枚、2枚、4枚...と128枚まで見せました。ノイズが目に見えて減っていったのが分かったかと思います。

後半は入門からのアップグレードで、手持ちの眠っている望遠鏡を使用してみようとか、カメラをアップグレードしてみようとかです。
スライド27

その中でQBPを用いるとコントラストが劇的によくなること、さらに広域電視観望の紹介で事前に撮影した自宅屋根からバーナードループが映るまでを見せました。ここは、天気が期待できないためにビデオでの紹介を急遽入れ込んだ箇所でした。最後のスライドを終えて、ダメ元で広域のカメラで空を見てみるとなんと星が見えるではないですか!

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全然期待してなかったので、ちょっと興奮してきました。この時点で18時50分くらいだったでしょうか。もし星空を中継するなら時間を延長していいという許可はあらかじめ得ていたので、さあ延長戦の開始です!

早速、最初に紹介したSV305-SJに切り替えて、EVOGUIDE 50EDとAZ-GTiで電視観望です。ここでちょっとトラブル。接続してあったはずのAZ-GTiが認識されていません。まあ放っておくとたまにあることなので、冷静にAZ-GTiの電源を入れ直します。すぐに認識され、リゲルを導入します。水平はそこそことってあったつもりですが、やっぱり一発では入りませんでした。そこで前々回の記事で紹介したプレートソルブです。



この時点で19時前くらい、時間が押していたせいもあり、十分な暗さが確保できています。そのためでしょう、なんとプレートソルブ君も一発で星を認識。うまくAZ-GTiに返して位置を補正したらすぐにリゲルが見えてど真ん中に入りました。ここまできたらもう大丈夫です。予定通りM42オリオン座大星雲を導入します。そのまま真ん中に入り既にその色と形がわかります。ライブスタックを開始してノイズが少なくなりさらに炙り出すこともできます。

M42

延長と言っても既にかなり押していたので、すぐに広域電視観望に移ります。カメラは2台とも1台のPCにつないであるので、SharpCap上でカメラを切り替えるだけです。そのPCに部屋の中にある別のPCからリモートデスクトップで接続し、その画面をZoomの画面共有で中継しています。

ところが、カメラを切り替えたらなぜか画面が真っ赤になることが数回。
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原因はホワイトバランスが合っていなかったことと、Livestackに切り替えた時に画面をクリアすることを忘れていたためです。コメントとかTwitterを読み返すと、こういう時にすぐに立ち直るのに驚いた方が多かったみたいです。たまたますぐに気付くことができましたが、今回のように時間が限られている場合はやはりこういったミスは致命的になる可能性があるので、やはり気をつけるべきです。

広域電視観望では実際に自由雲台を手で直接動かして星雲を導入する様子を見せることができました。焦点距離50mmなので、手で導入しても位置が分からなくなるような事は無いということを示したかったのです。ところが三脚を置く位置が悪くて、オリオン座が入ったところで電線も入ってしまいました。途中「あっ、木?」とかつぶやいたと思うのですが、あれは前日に木が邪魔だったからなのです。でも電線が逆に臨場感を出していたというコメントもあったので、これはこれでよかったのかもしれません。

広域電視観望の場合かなり明るく見えるので、オリオン大星雲なんかは導入の途中で視野が動いててもそのまますぐにわかるし、燃える木も簡単に認識できます。バーナードループはどうでしょうか?ここで大きな勘違いに気づきます。この日は満月の次の日で相当明るいとその時まで思っていたのですが、早い時間だったのでまだ月が上がってきていなかったのです。調べたら月の出が18時50分、ちょうど星空中継が始まったくらいに月が出たようです。まだ月が高くなかったので暗さが保たれていたようです。

暗さも手伝ってか、Livestack前でもうっすらとバーナードループが既に見えていますし、Livestackを開始し炙り出したらかなりはっきり見ることができました。もう大成功です。この時点で天リフ山口さんに声をかけて「大成功でしたね!」と喜び合いました。CP+ではおそらくというか、確実に初めての生星空中継でしょう。むしろオンラインのCP+だからこそ実現できた臨場感だと思いました。

Barnard_10

中継終了後、コメントやTwitterを読み返していましたが、やはり随分と盛り上がっていたようです。とくに星空生中継に入っているとすごいコメント数になってきてます。実際の操作が見えたのが良かったという意見もありました。いくつかピックアップしてみます。
  • Bouque Ricoさん: ラストですね待ってました(^o^)!
  • Hiroyuki Narisawaさん:  楽しみ!
  • Alricha 33さん:  晴れてほしいですね!
  • Civetさん: α7sの電視観望から、CMOSカメラでの電視観望を即日に発送したのが凄すぎる!このブレークスルーの恩恵を今、我々は受け続けています。
  • はにちゃいさん:  電視観望、体験したことがないので楽しみです^^
  • 460 Photo Laboratory-ふぉとらぼさん: SharpCapは、MacOS版があればなぁ
  • 迷人会こたろうさん:  キンチョーしてませんか?笑
  • kouki atuさん: ここが知りたかった 視聴して良かった。
  • やさ_もささん: モニターで見ている分には十分すぎる
  • uminotuskiさん: 銀河が顔に見えてきました
  • 智さん: リアルタイムでノイズが消えていくのを見ると感動しますね。
  • wgateええじさん:  おおー
  • シュガーあんとんさん: 敷居が下がって天体人口増える
  • Hiroshi Tさん: 電子観望楽しいですね!
  • sabotenさん: 自分が使っているのと同じレンズだあ
  • MASAさん: 昔のレンズでも今の惑星CMOSに合うアダプターはあるんでしょうか?
  • ブラックパンダさん: 了解しました!CBPのアメリカンサイズ発売します!
  • Vtuber【ゆきさき】さん: すごいかも
  • 智志さん: 電視観望無敵!
  • 小林武嗣さん: 楽しい、役に立つセミナーです。
  • Masa Schumitさん: Samさん、ありがとうございました。とてもわかりやすくワクワク感のあるお話でした。
  • Akkeyさん: ブログ拝見して電視観望始めた一人です(笑)
  • hamsoltさん: フィルター買わないと
  • サイトロンジャパンさん: M42キター!!!
  • チーズアメさん: 経緯台でもPlateSolve走るんですね
  • nagasaki ten.さん:  ででん!
  • shuji acureさん: 凄い時代だ...!
  • りっくんさん: このプレートソルブはすごい
  • 1956 nardisさん: 富山晴れて良かったですね!
  • R & Lさん: 操作が早い!!!
  • _さすらいさん_:  LIVEでLIVEスタック!
  • 1957やまちゃんさん: 臨場感100%!
  • Kiyorin Strikeさん: 薄雲が..
  • Hiroshi Tさん: 豪快な導入W
  • Aramisさん: 電線見えるの逆にリアル
  • yamanonさん: 固定でスタックが流れないのか?
  • Yuichi Kiharaさん: 調整しているところが勉強になりますね
  • galaxy_takasさん: 10ユーロお布施します。
  • 山田祥之さん: かんどー!
  • Amanogawa Ranpoさん:  おおおー
  • yyhhaabbuuさん: お疲れ様でした
  • RYO[天文楽者]さん: お疲れ様でした!!!!!
  • あぷらなーとさん: すごい!大成功!大快挙!
  • NGC6992さん: 素晴らしかったです。ありがとうございました。
  • Heeyang Keeさん: ありがとうございました
  • mm mmさん: 88888888
  • spitzchuさん: 最高に良かったです。山口さんもお疲れ様でした。
  • ゆいさん: ありがとうございました
  • 腹黒鶺鴒さん: すごかった。。勉強になりました。ありがとうございました。
  • Masaさん: 電子観望の魅力がわかりましたー
  • Natsuokkuriさん: 家族でかんどうしました
  • Taro Mineさん: 今年のCP+で一番エキサイトしたオンラインセミナーだった
(ピックアップしきれなかった方がいましたら、ごめんなさい)

あとびっくりしたのが、トーク中にCBPのアメリカンサイズが欲しいとつぶやいたら、なんとサイトロンの方で本当に発売してくれるとのコメントが。私は後からコメントを読んだのですが、まさか本当になるとは!本当にありがとうございます。これは多くのユーザーにとってもとても嬉しいことだと思います。


終わってみて

コメントを読んで、Twitterをフォローして、今回の中継は結構凄いことではなかったかと改め思ってしまいました。最大289人の視聴者だったそうです。なかなかこれだけの人に生で星空中継を見てもらうというのは、少なくとも私の中では初めてのことです。しかも心配だった天気も奇跡的に回復しました。やはり空の中継が一番盛り上がったので、天気のおかげとも言えます。

夜の10時頃からZoomで呼びかけたら何人かの方が集まってくれました。次の日は月曜なので、遅くならないように1時間程度で終わりましたが、知った人が多かったので感想なども聞け、まったりした雰囲気でした。

準備から含めて結構大変でしたが、間違いなく今回のトークを引き受けて良かったです。本当に電視観望に興味が出て、新しく始めるような人がいてくれたら、とてもうれしいです。

天リフ山口さんはじめ、成澤さん、サイトロンジャパンの皆様、CP+の運営の皆様、どうもお疲れ様でした。私自身もとても楽しむことができました。本当にありがとうございました。

そして、視聴してくれた皆様、本当にありがとうざいました。電視観望に興味を持っていただけたらとても嬉しいです。また何か機会がありましたら、よろしくお願いいたします。


見逃した方へ、もしくはもう一度見たい方へ

3月中は配信がアーカイブで見えるとのことです。


私のトークは4時間15分くらいの所からです。まだ見ていない方がいましたら、もしよろしければご覧ください。


CP+での星空中継のためのテストをしているのですが、なかなか難しい状況だというのがわかってきました。トークの時間が18時から18時半でまだそこそこ明るい時間帯です。中継を後半に持ってきたとしても18時20分くらいから、それでもまだ西の空に明るさが残ってます。こんな中でも、電視観望の魅力を伝えるためにはやはり星雲を見せたいです。


さて、どうしよう?

あらかじめ天体が導入されていればまだマシなのですが、そもそもトークの始まる18時前にアラインメントを済ませておくのは、さすがに明るすぎて無理です。それにトーク前にあまり焦りたくありません。

どうやれば確実に導入できるか色々考えてました。一番確実なのは、前日にきちんとした赤道儀、例えば手持ちのCGEM IIで極軸を完全に合わせておいて、アラインメントもきちんととっておいて、そのアラインメントを昼間も保っておくこと。でも前日が晴れる保証もないですし、やっぱりせっかくSIGHTRONのブースで話すので、やはりAZ-GTiでやりたいです。

次に考えたのが、カメラをASI294MCにして視野を広げて導入しやすくすること。でもこれもせっかくSIGHTRONブースで、しかも入門用と謳っているからには、やはりここはSV305-SJでどこまで見えるのかを見せたいです。

最後は、親子亀にして一つを広角ファインダーにしてあたりをつける方法。ですが、入門用で複雑に見えるのはやはりダメです。


いい方法を思いついた!

結局色々試してたどり着いた結論は、SharpCapのプレートソルブ機能を使うことでした。それをSyn Scan proと組み合わせます。SV305-SJの取得画像からプレートソルブして、それをAZ-GTiの経緯台モードに返します。

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これ結構すごいですよ。
なんたってケーブルがPCとカメラを繋ぐ1本だけの
超シンプルなシステムでのプレートソルブの実現です。


準備

あらかじめ、SharpCapとSynScan ProがノートPCにインストールされ、共に立ち上がっているとします。また、SynScan ProはWi-Fiを通してAZ-GTiに接続されているとします。

ポイントは

1. まずSharpCapからプレートソルブ(Astapが速くていいです)が動くようにきちんとインストールすること。PCは速いものを使ってください。StickPCクラスだと結構時間がかかります、が不可能ではないです。
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設定画面の一例です。下の方で、AstapがFoundとなっていれば大丈夫かと思います。 

2. ASCOM環境は必須です。ASCOMプラットフォームをカメラを接続したPCにインストールしておいてください。
3. SynScan用のASCOMドライバーをインストールしておくこと。
4. SharpCapの環境設定画面でMountとしてSynScanを選んでおくこと。
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ドライバーの選択です。SynScan App Driverを選んでください。

5. SharpCapの画面右側の「Scope Controls」のところで、「Connected」にチェックを入れること。
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きちんと接続されると、このようにどこを向いているかSharpCapが認識します。

これで準備完了です。


実行方法

  1. まずは通常通り鏡筒を北向きにして置いて、ノートPCで走っているSynScan proからAZ-GTiで初期アラインメントをします。どうせプレートソルブするのでワンスターアラインメントで十分でしょう。
  2. ここで視野にターゲットの天体が入っていなかったら、普通は方向ボタンをマニュアルで押して目的の天体を導入します。ここではそうせずに、SharpCapの「Tools」メニューからプレートソルブを実行します。ここでは「Plate Solve and Resync」を選びます。
  3. うまく位置を特定できると、その情報をSynScanの方に渡して、初期アラインメントで選んだ希望の天体を、ズレを補正して自動で導入してくれます。
  4. もし一度で導入されなければ、再度プレートソルブをします。大抵は2回で導入できるはずです。無事に導入されたら、あとはSynScanでアラインメント完了ボタンを押すと完了です。
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プレートソルブがうまくいくと、こんなメッセージが出ます。

この一連の流れが実現すると、AZ-GTiの設置が相当楽になります。AZ-GTiと鏡筒設置時に水平とかはある程度出しておいた方がいいですが、鏡筒の方向も大体北に向けておけばいいです。もし水平出しをさぼった場合でも、プレートソルブで導入した天体が少しずれ、視野ないに一発で入ってこないだけです。かなり近くまではきてるので、もう一度プレートソルブすればまず入ってくるでしょう。

どうです?結構すごいと思いませんか?しかもAZGTiが電池駆動で、PCがノートとかのバッテリ持ちなら、必要なケーブルはホントのホントにPCとカメラを繋ぐケーブル一本です。


実際に明るいうちからテストしてみた

さて、これらのことをこの時期の18時にやった時にどうなるか?

18時ぴったりだとまだ明るすぎて少し厳しかったですが、18時15分だと問題なくできました。この際、露光時間は5秒程度までにした方が良かったです。そもそもAZ-GTiの追尾の精度が出ていないので、10秒とかにするともう長すぎで星が流れてしまい、プレートソルブで恒星を認識することができませんでした。

CP+本番は今から約1週間後です。太陽が沈む時間がだいたい5分くらい遅くなるので、18時20分ならなんとか見せることができるでしょう。実際に今日の18時15分だと、オリオン大星雲M42なら、十分に見ることができました。

でもまあプログラムが多少遅れることを期待して、もう少し暗くなってから見てもらった方がいいのかもしれません。いずれにせよ、全ては晴れてくれたらのことで、北陸の冬なので厳しいかもしれません。今のところの天気予報、日曜夕方は「曇りのち晴れ」みたいです。


CP+のトークをお楽しみに

今回のアイデアどうだったでしょうか?これ相当シンプルで、ソフトの設定の簡単さはASI AIRには負けると思いますが、ケーブルの数の少なさだけ言ったらASI AIRに負けないと思います。

今回のテストはCP+の星空中継のためなのですが、CP+本番ではこんな凝った話はできないので、ブログに書いておくことにしました。でも晴れていれば実際の過程は(偶然一発でターゲット天体が視野に入らない限り)見ることができるかと思います。

それではCP+でのトーク楽しみにしていてください。


 

星雲がその場で見える!
電視観望にチャレンジしてみよう

日時: 2月28日(日)18時から18時30分

by Sam @ ほしぞloveログ 

 

皆さんこんにちは、「ほしぞloveログ」のSamです。

今回、なんとCP+2021のサイトロン特設サイトにおいて、天リフさんセレクションによるトークをすることになってしまいました!!!




星雲がその場で見える!
電視観望にチャレンジしてみよう

日時: 2月28日(日)18時から18時30分

電視観望の魅力をこれまで星雲とかあまり見たことがない人に伝えたい。
できれば星空中継をしたくて遅い時間にして頂きました。


プログラムを見ていただければわかりますが、友人のあぷらなーとさんはじめ、他にも面白そうなトークが目白押しです。オンラインですので、ぜひともご視聴ください。

なお、視聴にはオンラインの入場事前登録が必要とのことです。まだ登録されていない方は、事前にCP+2021 ONLINE公式サイトよりご登録ください。




予告

少しだけ予告です。

こんなもので
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こんなことや
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こんなこと
triplet_27
をするような話です。

もうスライドの準備はあらかた終わりました。後は当日晴れるのを祈るばかり。それでは皆様、楽しみにしていてください。




少し前に書いた電視観望の入門記事ですが、



記事公開当時はまだ未発売だったCMOSカメラ、つい先日サイトロンからSV305-SJという型番で正式発表されました。今回は正式販売開始記念として、もう少し突っ込んでみようと思います。

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背景

そもそもは、シュミットさんからCMOSカメラをレビューして欲しいという依頼が全ての始まりです。特に、初心者に向けてこのカメラで電視観望入門という形にしてもらえればという要望でした。

このブログでは、宇宙の深淵を覗くことの魅力を知ってもらいたくて、電視観望がその一役を担えないかというので、電視観望技術の普及をこれまでずっと目指してきています。天文人口が増えてくれればという思いで、初めて挑戦する方にもできるだけその敷居が下がるように、私のできる範囲で試したことをできる限りわかりやすくというのを目標に前回の記事を書いてみました。しかしながら、前回の記事ではこのカメラでどこまでできるかという可能性を示す目的で書いた意味もあったので、ほとんどトラブルのようなことは書いていません。

でも実はこのカメラ使ってみると分かりますが、かなりのクセがあります。初心者が前回の記事を見て始めると、いくつか迷う点が出てくると思います。今回の記事は前回の記事の続編という形で、実際に電視観望を始めたときに助けとなるように、より突っ込んだ内容にしようと思います。

シュミットさんからは、トラブルや問題点もきちんと書いて下さいという許可も取ってあるので、遠慮なくいきます


最近のサイトロンの対応はすごい

加えてもう一つ、どうしても書いておきたいことがあります。以前ブラックパンダさんとのTwitter上でのやりとりで、できるだけ初めての人が電視観望を試しやすくする商品を開発してくれると発言してくれました。この時とても嬉しくて心強く思い、そして有言実行で、例えばAZ-GTeシリーズで多くのラインアップを展開してくれているのも、その一環なのかと信じています。

初心者が電視観望を始めるときに、価格で一番引っかかる部分がカメラだと思います。今回のカメラの販売もブラックパンダさんが自分が発言したことを責任を持って守ってくれたのかと思っています。その考えに賛同して、シュミットさん経由で今回のカメラを評価して欲しいという依頼があったとき、喜んで引き受けました。

もちろん、今回の依頼も突然というわけではなく、過去にはQBPのアメリカンサイズを私のTwitteでの何気ないつぶやきから作っていただいたり、愛用しているAZ-GTiのレビュー(間もなくSkyWatcherのカタログが配布されると聞いています)を頼まれたりもしてきたので、今回も二つ返事で引き受けました。

また最近も、QBPの赤外領域をカットしたフィルターを作ってれると、これもユーザーのTwitter上での発言を元に約束してくれています。このように、ユーザーの意見に真摯に耳を傾けてくれる姿勢は、非常に好感が持てます。

今回も含めていろいろ頼まれたりはしてますが、私はやはりユーザー目線で記事を書いているつもりです。ユーザー目線で見た場合、最近のサイトロンさんの対応はすごいと思います。こんなことを書くとプレッシャーになってしまうかもしれませんが、無理をしない範囲で、これからもユーザーの意見に真摯に対応してもらえるととても嬉しく思います。


SV305-SJ

肝心のCMOSカメラはSONYのIMX290センサーを使用したカラーカメラで、つい先日サイトロンジャパンから正式発表されたものです。販売ページも既にできていて、



私が受け取った時はまだ型番もついて無かったですが、SV305-SJとなったようです。SJはSIGHTRON JAPANの頭文字とのこと。

これを聞いてピンと来た方も多いと思いますが、前回出したカメラ本体の写真を見てもわかるように、SVBONYのSV305と同等品です。SV305は初心者でも購入しやすい価格設定のため、電視観望でのCMOSカメラの裾野を広げるかと思われていましたが、保護ガラスが赤外線カットフィルターを兼ねていて、Hαの赤色がなかなか出てくれないようです。ここから考えると、どうやらこのカメラのターゲットは星雲というよりは惑星のようです。そのため、保護ガラスを外してHαを感度良く出しているユーザーが何人もいます。この場合はもちろん保証外になってしまいますし、ガラスが接着されているので上記リンク先にもあるように割れてしまうこともあるようです。

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SV305-SJで見た月。
明るい月や惑星は本質的に得意なようです。
特別な設定をするでもなく、十分きれいに見えます。 

今回発表のSV305-SJは、保護ガラスが赤外カットをしていないクリアなものとのことで、電視観望のことも考えてくれているとのこと。Hαで輝いている星雲に期待できそうです。また、UV/IRカットフィルターは付属で、惑星などの撮影にはこちらを使うと余分な赤外領域などをカットしてくれるようになります。


センサー面積と鏡筒の焦点距離

前の記事のコメント欄でも書いたのですが、ガイド鏡の使用を初心者に勧めていいものかすごく迷いました。しかしながら、センサー面積が小さいSV305-SJでは、焦点距離の長い鏡筒では狭い範囲しか見ることができなくなるため、特に導入時に苦労することが予測され、初心者にとっては大きな負担になってしまいます。ところが、適した短焦点距離の鏡筒を探そうとすると意外なほど選択肢がなくて、しかもどれも結構な値段で、なかなか初心者に勧めることができるものがなく、結局最後ガイド鏡に行きつくことになりました。

実は短焦点距離というので、最初一眼レフカメラのレンズも考えました。しかしながら手持ちのアダプターではどうしても解がなかったのです。一応カメラレンズにアメリカンサイズのアイピース口を取り付けるなどして、カメラを固定することはできます。それでもバックフォーカスが長すぎるために、焦点をとることができません。でも仮になんとかできたとしても、これでは初心者には敷居が高すぎます。

次に考えたことは、ガイド鏡を使うことでした。昨年の胎内星まつりで、ブラックパンダさんのお店で購入したガイド鏡(いまでもシュミットで扱っているようですが、2020/10/12現在欠品中のようです。)で試してみようと思うとシュミット店長さんに相談したところ、EVO GUIDE50EDのアイデアを出してくレました。



なので、今回のセットアップができたのはシュミットの店長さんのおかげです。

結果として、これはかなり面白い試みとなりました。特に初心者にとっては、税込でも2万5千円を切っていて、値段的にもかなりこなれています。しかもガイド鏡と言って、もさすがEVOと謳っているだけあって、SV305-SJの小さなセンサー面積で中央を見ている限りは、四隅の星像も相当シャープです。

しかも最近SkyWatcherから専用のフラットナーも発売されたようです。



あまり知られていないようですが、実はEVO GUIDE50ED用の専用フラットナーがSTARIZONA社からも販売されていて、



たかがガイド鏡に各社訳のわからない力の入れようですが、なんか期待できてしまいます。もうこれで超コンパクト鏡筒として、電視観望だけでなく真面目な長時間撮影までするのも楽しいのかもしれません。

その際ですが「ぜひとも足の部分をそのままAZ-GTiなどに取り付けられるように、鏡筒バンドとアリガタを改良してくれるとさらに良かったりします」という話をシュミットさんにしたら、現在足の部分を変更する部品を実際に考えているそうです。こちらも期待したいと思います。


SharpCapでの操作

次に、SV305-SJをSharpCapで使う時に幾つか気づいたことです。

SharpCapのバージョン:
まず現在のバージョンでは必ず32bit版を使ってください。64bit版は対応していません。バージョン3.3βになると64bit版でも対応していますが、いずれにせよ注意が必要です。


ゲイン:
このカメラは思ったよりゲインが取れません。まずSharpCapで表されてるGainの数値はそのまま数値倍になります。最小値の1に対して、例えば2なら2倍、4なら4倍。最高は30なので30倍までとなります。同じIMX290センサーを使ったASI290MM(手持ちはモノクロしか持ってないのでこちらで比較します)はSharpCapの値で570まで出ます。これは57dBということなので(60-3)dBということで、1000/1.4 = 715倍程度になり、SV305-SJの30倍に比べるとASI290MMはさらに24倍くらいゲインを上げることができるということになります。なので電視観望などをしようとした場合に、ゲインがあげられない代わりに露光時間を伸ばすなどの必要性が出てきます。


Black Level:
次に、実際の電視観望をする際のコツです。カメラに入る光を遮断したときのヒストグラムに注目します。本来ノイズを表すある広がりを持ったピークが見えるはずなのですが、ピークの左側が画面の左端から出たような状態になってしまうことがよくありあます。あるレベル以下の信号を0としてしまっているのですが、これだと暗いところの諧調をきちんと表現することができません。まずは画面右の「Camera Controls」タブの「Black Level」を100とか150くらいまで持ち上げて、きちんとヒストグラム左端の暗い信号情報を取りこぼさないようにします。淡い星雲などを扱う場合の第一歩です。


露光時間:
そもそも、電視観望ではリアルタイム性を求めるために露光時間をできるだけ短くします。そのため、ヒストグラムのピークがもともとずいぶん左に寄っている状態で操作することが多いです。有料版のSharpCapだと、この状態で雷ボタンのオートストレッチを押すと、淡い天体を適度に見やすい状態にあぶり出してくれるので非常に便利です。この機能を使うためだけでも有料版にする価値があるかと思います。無料版の場合は、ヒストグラムのピークを左と真ん中にある黄色い点線で挟むようにして、淡い部分をあぶり出すようにしてみて下さい。

でも有料版の値段は年間高々10ポンド、日本円にして千数百円。高価なことが多い天体機材と比べたら誤差のような値段で、使い勝手は何万円もする機材を買うより、はるかによくなるかもしれません。もし使い続けるなら迷わず有料版にすることをお勧めします。有料版の場合、ヒストグラムのピークが左端に行かない範囲では、何か設定を変えるたびに雷ボタンのオートストレッチを毎回押せばいいので、かなり楽です。


GammaとContrast:
問題は、この状態でのSharpCapの「Gamma」と「Contrast」の振る舞いです。実際に試してみるとわかるのですが、両方共少し値を変えただけで真っ暗になってしまったり、飛んでしまったりでほとんど役に立ちません。なのでこれらの機能は少なくとも電視観望では使わないと思っておいてください。もちろん月や惑星などの明るい天体など、オートストレッチなどであぶり出したりせずに使う分にはこれらの機能はきちんと目的通りに働きます。十分な光を得ることができる、月や惑星の撮影を中心にテストしたのではと推測できます。淡い星雲を見るためにはこのようにユーザーの方で一工夫(さわらないということ)する必要があると思って下さい。


LiveStack:
さらに、ノイズを下げたい場合のLiveStackですが、1秒以下とかの短時間露光だとノイズが多いせいかAlign機能がうまく働かず、スタックできないことがよくあります。数秒以上の露光時間にするか、もしくはDigital gainを上げるとうまくいくと思います。これもゲインを大きく上げることができないので、全体的に暗くなって、暗い恒星が認識できなくしまうことが原因です。特にDigital gainはこのような暗い画面の時に絶大な改善効果があることが多いので覚えておくといいでしょう。


その他、細かいバグ:
さらに、まだSV305用のドライバーがこなれていないせいか、SharpCapで操作する場合はバグも多いです。
  • 例えば、Colour Spaceを変えると真っ暗になることがあります。これはExposureを適当に変えると戻ることが多いです。
  • また、ゲインに100とか150とか50の倍数以外を手入力すると何故か1減った数になってしまったりしますが、こちらはまあ気にしなければ実害はないです。。 


ノイズについて

さらにノイズに関することです。どんどんいきましょう。

ノイズのピークが細い:
ヒストグラムを見るとノイズが細く見えます。これはノイズが少ないことを意味しますが、実際の画面を見るとノイズ、特に結構大きな縞構造のノイズが多いです。そのため、このピークに合わせてSharpCapであぶり出しを攻め過ぎると、画面上にノイズが非常に多いという印象を持ってしまいます。どうもこのカメラは、炙り出しを攻めすぎない方がノイズが少なく見え、かつターゲット天体もそこそこ見えるということに気づきました。

例えば、M57を2つの場合で見比べます。これは一番最初にSV305-SJを触ったときに気づいたことで、鏡筒はまだFS-60CBを使っていて、QBPも使っています。

まずは、無理にあぶり出さない場合:
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次にかなり炙り出した場合:
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見えているノイズが全然多いことがわかります。

比較して欲しいのは、LiveStackでのヒストグラムの攻め具合です。上のノイズが少ないものは、2本の黄色い線をそこまでピークに近くしていません。逆に下のノイズが多いものは、2本の黄色い線をかなりピークに近づけています。実際に無理に炙り出さなくても、天体は十分に見えることが多いので、やはりこのカメラはあまり攻めすぎて炙り出すのは控えたほうがいいのかと思います。

ついでに、前回見せることができなかったM27亜鈴状星雲も載せておきます。こちらもSV305-SJを使った初日に試したもので、FS-60CBにQBPをつけています。

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ダーク補正もしていなくて、まだ暑い夏の時期なので、ホットピクセルも目立っていますが、M27がうまく出ています。


QBPと相性が悪い

これまでの経験からこのSV305-SJですが、どうも同じサイトロンから発売されている光害防止フィルターのQBPと相性が悪い気がしています。最初QBPを使っていたのですが、前回の入門記事は全てあえてQBPを外しました。きちんと定量的に検証できているわけではないので、あくまで印象からくる推測ですが、理由はおそらく感度もしくは最大ゲインが足りなくて、QBPをつけると暗くなり過ぎるのではないかと思っています。

EOS X5をSharpCapで電視観望で試した時
も同じような感触でした。シベットさんの以前のフィルター比較記事で、短時間露光だとQBPが不利で、長時間露光になってくるとQBPが有利になってくるという結果がありましたが、そこら辺につながるのかと思っています。



暗くなりすぎると、一回の露光時間が短いと効いてくるリードノイズが相対的に大きくなっているのではないかと思っています。もしSV305-SJでQBPを使いたい場合は、露光時間を長めにとるといいのかと思います。


まとめと今後の期待

今回はSV305-SJを実際に使う際に、注意すべき点などを思うままに書いてみました。でも読み返してみると、本当にサイトロンさんから怒られないかちょっと心配になってきました(笑)。

確かにこのカメラはまだ成熟し切れていないところがあるのは事実です。ですが元のモデルのSV305を出したSVbonyにとって、このCMOSカメラはまだわずか3機種目のものです。一番最初のSV105を少しだけ触ったことがありますが、最長露光時間が500ミリ秒と、月や惑星以外にはほとんど使えませんでした。そこから見ると大した進歩です。ほぼ最安でCMOSカメラを提供してくれるというのはそれだけで大きな貢献です。これから育っていくメーカーだと思いますので、温かい目で見ながら、ユーザー側からの提案をどんどんしていくのが大事な時期なのかと思います。


昨日、Twitterで相互フォローしているハレルマンさんからのダイレクトメールがきました。なんでもSharpCapでLive Stackがうまくいっていないとのこと。
  • 一番うまくいく時で20フレームくらい、ほとんどは数フレームできるかできないか
  • カメラはZWOのASI294MCで鏡筒がVixenポルタのA80Mfで焦点距離910mm
とのことです。910mmはちょっと焦点距離が長いですが、ASI294MCならスタックする分には普通に考えて特に問題ないはずです。

最初月の画面でLive Stackをしているところの写真を送ってきてくれたので、月ではAlignmentがうまくいかないことと、そもそも月は明るいのでLive Stackする必要がないこと、仮にLive StackしたとしてもAutoStakkertとRegistaxみたいに分解能を出すことはSharpCapではできないことをDMで伝えました。するとオリオン大星雲でもLive Stackができないとのこと。これはさすがにおかしいと、何度かDMでやりとりをして、夜にZoomでつないで様子を見てみましょうかということになりました。

22時半頃、用意したZoomに接続しているとハレルマンさんが入ってきてくれました。少しだけな話すと、関西方面の大学4年生で天文部所属だとのことです。てっきり社会人か、下手したら年配の方かと思ってました。あんとんシュガーさんの時といい、最近の私の思い込みの印象と現実とのズレは壊滅的レベルです。

話していてやっと気づいたのですが、ハレルマンさん赤道儀を使っていなくて、経緯台を使っていたのです。本来A80Mfというところで私の方で気づくべきでした。そのため画面が短時間でずれていくことが一つの原因でした。これも原因の一部でしたが、まだ2次的な原因に過ぎずに、本質的には別の原因がありました。

画面を見せてもらうと、思ったより恒星の数が少ないのです。最初に月を画面に入れて見せてくれたので、ピントはそこそこあっているはずです。ASI294MCの感度から言って、もっと見えてもいいはずです。聞くとこの日は北斗七星が見える程度というので、明るい月も出ているので、3等星くらいまでみえているだけのようです。全般にゲインが低かったこと、月が明るかったことが原因なのですが、まずは、ヒストグラムで炙り出そうとしました。

とりあえず、あまり細かい解説ばかりしても最初は理解ができないと思い、まずは詳しくは話さずに私の目で見てぱっと見でおかしいと思われそうなところを片っ端から触ってもらいました。
  • まず、露光時間を400msくらいまで長くし、電視観望目的というので(ノイズはあまり気にしないとして)ゲインを最大から数ステップ下げた420くらいまで上げてもらいました。
  • ヒストグラムをいじろうとしたら、ホワイトバランスがずれているので、ヒストグラムを見ながらRとBで調整して、背景のピークの位置を揃えてもらいました。
  • ヒストグラムで、そろったピークをブラックレベルとミッドレベルの黄色い点線で挟み、炙り出してもらいました。
多少星の数は増えましたが、それでもまだ少ない気がします。
  • ここでLive Stackをオンにし「Hilight Detected Stars」オプションをオンにすると、認識されている恒星の数がZoom越しでみてわずか3つとかでした。
  • 炙り出しさえすれば星は画面上で見えているので、LiveStack時のAlignmentに必要な恒星がうまく認識されていないようです。
  • 星のサイズの最小/最大も、ノイズレベルも特におかしな値になっているわけではないので、「あ、これはやはり暗すぎるな」と思いDigital gainを4倍にしてもらうと、すぐに検出された星の数が増え、Live Stackの枚数が増えていきました。(このテクニックは覚えておくといざという時役に立ちます、)
  • でもやはりそこは経緯台。20秒から30秒ほどで画面がずれていってしまい、アラインできるだけの恒星の数が確保できなくなり、スタックできる枚数は数十枚に止まってしまいます。
でも、別に追尾付きのドブがあるとのことで、今度はそれで挑戦してみるとのこと。ドブの焦点距離が1200mmとのことなので、さらに長くなりまが、294ならセンサー面積はそこそこ広いのでまだなんとかなるでしょう。

いろいろやってもらった過程で思ったのは、こういった細かい操作が初心者には自分が思っているよりはるかにわかりにくいのではないかと改めて実感したのです。先日の牛岳の惑星撮影をKさんと一緒にやったときも同様のことを思いました。今後ブログの説明も、初心者に向けた記事はもう少し考えた方がいいかもしれません。

その後、
  • なんでホワイトバランスを取る必要があるのか
  • Live Stackのヒストグラムの炙り出しの結果が右の小さなヒストグラムに送られて、さらに微調整できるとか
  • 電視観望では露光時間が800msくらいから数秒のもう少し長い時間でやった方がいい
  • SharpCapの有料版は年間で千数百円でそこまで大した値段ではなく、有料版の方ができることが圧倒的に多いので、早めに有料版にした方がいい
などの理由やコツを伝えました。

zoom
画面がずれていくのがわかると思います。
そのずれのために35回でスタックが止まっています。
ちょっと見にくいですが、デジタルゲインを上げたために
星が黄色い枠で囲まれていて、きちんと検出できています。


ハレルマンさんはこのブログを見てくれて電視観望を始めようと思ってくれたようです。でもやはりブログだけでは細かいことはなかなか伝わらないということを実感しました。Zoomはその点とても優れています。あまり大人数だと難しいですが、少人数なら細かい操作をマンツーマンに近い形で伝えることができます。

こうやって説明することは私は全然厭わないので、Twitteでダイレクトメールをもらえれば時間のある時に付き合ったりできます。最初から全部教えて下さいというのは困りますが、いろいろやっていてどうしても困ったとかなら、Zoomを使えば細かいことも伝えられると思います。個人でやっていることなので限界はありますが、いざという時連絡してみて下さい。


今回サイトロンさんから、まもなく発売される予定の入門用のCMOSカメラをお借りすることができました。まだ型番もついていない段階のものです。いい機会なので、このカメラを使ってできるだけ手軽な電視観望を試してみることにしました。

(2020/10/12追記) 2020年10月10日に正式発表されました。型番はSV305-SJとなります。SJはサイト論ジャパンの頭文字だそうです。販売ページはこちらになります。




星や宇宙のことに興味があり、できるなら星雲や星団、銀河などを見てみたいけれども、難しいのではないかと思っているような方にお役に立てたらと思います。もしよければ、この記事を読んでぜひ電視観望を試してみてください。


電視観望で宇宙を見る

もしかしたら、星雲や銀河を見るためには大きな望遠鏡が必要だと思っていませんでしょうか?

昔は確かにそうだったかもしれません。でも最近はCMOSカメラと呼ばれる高感度なカメラを使うことで、以前からは考えられないくらい小さな望遠鏡で、はるかに手軽にきれいに星雲などを見ることができるようになってきました。今回もガイド橋と呼ばれる、むしろ普通の望遠鏡よりも小さな鏡筒を使っています。

今回紹介する電視観望と呼ばれている方法は、大きくわけて4つのものが必要になります。

  1. CMOSカメラ
  2. 鏡筒(望遠鏡)
  3. 自動導入の経緯台もしくは赤道儀と三脚
  4. Widowsコンピュータ
順番に見ていきましょう。


1. CMOSカメラ

カメラはCMOSカメラと呼ばれる、天体用に販売されているものが適しています。今回使用するサイトロン から販売されるCMOSカメラは、電視観望をすることができるカメラの中では最も安価な部類になると思います。

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実はこのカメラ、SVBONY社のSV305と同等品で、違いはフィルター部のみ。SV305はセンサーの前に赤外線カットのフィルターが入っているため、星雲のHαの赤色を出すのに苦労しているという情報があります。今回のサイトロン社のカメラはフィルター部を通常の保護ガラスに変えているとのことで期待できそうです。

上の写真にはカメラの先端にUV/IRカットフィルターというものが付けてあります。これは赤ハロと呼ばれる星が肥大することを防いだりする役割があります。(2020/10/12追記: 正式発表を見るとこのUV/IRカットフィルターが付属した形での販売となっています。)


2. 鏡筒

カメラが入門用で比較的安価に購入できる反面、センサーの面積が小さく、天体の導入がなかなか大変になります。そのため、鏡筒(望遠鏡)はできるだけ短い焦点距離のものにして、広角で広い範囲を見るようにして、導入をしやすくしようと思います。例えば焦点距離が200mm台くらいになるとアンドロメダ銀河が画面にちょうど収まるくらいになります。ところが、焦点距離200mm台の短めの鏡筒を探すのは意外に難しく、今回はガイド鏡として販売されているSky-WatcherのEVOGUIDE 50EDを使ってみることにしました。



焦点距離は242mmなのでちょうどいいくらい、またEDレンズを使いながら税込で実売2万5千円くらいと、性能の割に比較的安価です。


EVOGUIDEを箱から出すと、ガイド用のマウントがついています。

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このままだと扱いにくく、経緯台や赤道儀に直接取り付けたいので、下のマウント部を取り外し、代わりにVixen規格のアリガタを取り付けました。

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今回は上の写真のように手持ちのアリガタを使いましたが、例えば下のリンク先のアリガタのように真ん中に溝が切ってあるものならネジとナットで止めることができるはずです。このように、自分でいろいろカスタマイズすることで応用が広がります。




鏡筒にCMOSカメラを取り付け準備完了です。ちなみに、緑のリングはこれくらいの位置でピントが出るはずです。実際に使う場合は参考にしてみてください。

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3. 自動導入経緯台AZ-GTi

電視観望の場合、目的の天体を次々見ていくことになるので、自動導入ができる経緯台や赤道儀があると便利です。今回はSky-Watcherの自動導入経緯台AZ-GTiを使います。




AZ-GTiを三脚に乗せ、鏡筒とカメラを取り付けます。この時、AZ-GTiについている水準器を見て、きちんと水平に設置されているか確認します。また、AZ-GTiの背の部分についている大きなネジを緩めて、鏡筒もできるだけ水平になるようにして再びネジを締めます。さらに、AZ-GTiの下の方についている小さいネジを緩めて、水平方向に回転させて鏡筒の先が北になるように向け、最後にネジを締めます。

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4. Windowsコンピュータのセットアップ

電視観望にはWindowsコンピュータが必須です。ノートPCだと便利です。手持ちのPCがあればまずはそれで試すので構いませんし、もしあまりのPCとか無ければPCを別途用意して下さい。少し前の安い中古PCでも十分楽しむことができます。Windows10が入っている時代のものならば十分なはずです。

PCにはSharpCapというソフトを入れてください。この際、必ず32bit版を使うようにしてください。今回のカメラはまだ64bit版では動かないようです。



PCの準備ができたら、次に、カメラをコンピュータにUSBで接続します。USB2.0という少し前の規格になりますので、ケーブルの種類に気をつけてください。コネクタの中の色い白いプラスチック部分が見えるケーブルなら使うことができます。

SharpCapを立ち上げて、メニューのCameraのところから接続します。SharpCapからはSVBonyのSV305と認識されるので、やはり同等品ということがわかります。

さて、画面に何か写っていますでしょうか?鏡筒が水平を向いているので、鏡筒が向いている先の地上の何かが写っているはずです。でもおそらくピントが合っていないはずなので、ぼんやりと写るだけだと思います。最初慣れないうちはいきなり夜ではなく、昼間に試して遠くの方を見てピントをある程度合わせておいた方がいいかもしれません。


初期アラインメント

ここでAZ-GTiの電源を入れて、スマホやタブレットで接続します。スマホやタブレットにはあらかじめSynScanまたはSynScan Proを入れておいてください。「アラインメント」でどこか明るい星を導入し、どの方向を向いているのかAZ-GTiに教えてやります。最初はワンスターアラインメントでいいでしょう。火星などの明るく見える惑星でもいいですし、秋ならこの季節唯一の一等星のフォーマルハウトでもいいでしょう。

この状態でSharpCapの画面に移ります。まず、Exposure(露光時間)を1秒程度にします。Gain(ゲイン)はとりあえず7.5とかでいいでしょう。SharpCapの画面に何か反応があるはずです。

ここで重要なのは、右下の赤、青、緑の線が出ている「Display Histgram Stretch」画面で、真ん中の黄色の点線を左の山の手前まで動かし、一番左の黄色い点線を山の左側まで持ってくることです。こうすることで、暗く映りにくい星や、星雲などを明るく映し出すことができます。

この状態で星が既に写っていればいいですが、写っていなければピントが合っていない可能性が高いです。EVOGUIDEの場合は、太い緑リングの横の少し大きめのネジを緩めて、その緑リングをクルクル回してピント位置を探します。ピントが合ったら、先ほど緩めた大きめのネジを締めて置きましょう。これでこれ以上ピントはずれないはずです。

どうしても星が見えない場合は、鏡筒がきちんと星の方向を向いているか、(よくあることですが)レンズキャップがついたままになっていないかなどチェックしてみてください。

何かの星が見えたら、最初にターゲットにした明るい恒星がSharpCapの画面に入っているか確認してみてください。入っていなければSynScanでAZ-GTiをコントロールして鏡筒の向きを変えて、ターゲットの恒星を探します。三脚の水平がきちんと取れていれば、SynScanの左右ボタンだけを押して左右に振るだけで見えるはずです。それでももし見えなかったら、上下方向も少し動かしてみてください。

うまくターゲットの星が入ったら初期アラインメントは完了です。ではいよいよ星雲や銀河で電視観望を始めましょう。


電視観望の開始!

例えば秋ならM31「アンドロメダ銀河」を見てみましょう。SynScanで「ディープスカイ」からメシエのところに「31」と入れるか、「名前がつけられた天体」を押して「アンドロメダ星雲」(銀河なのに何故か星雲となっています)を探して押します。

アンドロメダ銀河は、SharpCapの画面上でボーッとした淡い楕円に見えるはずです。明らかに他の星とは違って見えます。もし画面内にそのような楕円が入っていなかったら、SynScanの方向ボタンを押して少し周りを探ると(初期アラインメントさえうまくいっていたら)それほど遠くない位置に見つかるはずです。うまく画面内に入ってきたら、できるだけ真ん中に持っていってください。

ここでSharpCapで露光時間(Exposure)を15秒くらいにしてみて下さい。よりはっきり見えてきたと思います。もっとはっきりさせたい場合、SharpCapの上の真ん中らへんの「Live Stack」というボタンを押してください。しばらく待つと、見えている画面が何枚も重なってノイズが減り、より天体がはっきり見えてくるはずです。その際、画面下のヒストグラムの左と中央の黄色い点線を先ほどと同じように、山の両側に持ってきてください。さらに、画面右の小さなヒストグラムに拡大された山が見えると思います、そこで微調整してみてください。

うまくいくとアンドロメダ銀河が下の画面くらい見えるようになると思います。暗黒帯も少し見えていて構造もわかると思います。近くのM32も見えていますね。

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ヒストグラムの黄色い点線の位置は写真くらいの位置で見やすくなると思います。参考にして下さい。


星雲、銀河が次々と!

一つ目ん天体が見え、十分満喫できたら、次のターゲットに挑戦してみましょう。

例えばアンドロメダ銀河のすぐ近くにある、さんかく座のM33回転銀河です。近い天体なので、アンドロメダ銀河がきちんと入っていればM33も問題なく入るはずです。アンドロメダ銀河に比べると流石に淡いですが、なんとか形は分かります。

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だんだん時間が経つと、冬の代表的な星雲のM42オリオン座大星雲も登ってきます。濃淡の広がりがよくわかる大迫力の星雲です。目ではなかなか見えないのに、こんなに色鮮やかな天体が夜空には隠れてるんですね。

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オリオン大星雲の近くにある馬頭星雲と燃える木です。燃える木はまだ見えていますが、馬頭星雲の方はさすがに淡いです。もう少し露光時間を伸ばした方がいいのかもしれません。上に見える明るい星は、オリオン座の三つ星の一つ「アルニタク」です。

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最後はM45「プレアデス星団」、和名で「すばる」です。青い分子雲も多少見えています。これは少し驚きました。今回自宅から電視観望をしているのですが、分子雲がこの場所でこんなに見えるのは初めてです。馬頭星雲は相当淡かったですが、すばるの分子雲は期待した以上に見えました。どうもこのカメラは赤よりも青い方の方が見やすいようです。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?比較的安価なSV305相当で、かつフィルター部分が星雲用に改善された、サイトロンからまもなく販売されるCMOSカメラを使って、どんな機材を使えば電視観望ができるかを紹介してみました。

この記事を見て電視観望に挑戦してみようと思っている方、実際に挑戦してみた方、もし分からないことがあったらメントに書き込んでください。できる限り答えようと思っています。また、うまくいった!という報告も大歓迎です。



今回の記事を読んで電視観望をやってみようと思った人に、もっと突っ込んだ記事を続編で書いてみました。実際に当たる壁と思われるようなことなども書いてあります。よかったら読んでみて下さい。



昨晩とても晴れていたので、SharpCapを使った一眼レフカメラでの電視観望テストの第2段です。


SharpCap3.3β接続確認状況

まずはこれまで私が聞いた可動情報を書いておきます。情報は全てTwitterや本ブログのコメント、個別のやりとりなどです。

(11月21日午後23時55分現在)

Canon

  • EOS 6D (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS 6D (RAINYさん): 動作確認済、ASCOMドライバーでのLive ViewオプションでCapture Areaがデフォルトでは960X640なることを確認
  • EOS X7i (ぺんぱるさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • EOS 6D Mark II (steorraさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • EOS R (steorraさん): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーレスで初確認
  • EOS Ra (steorraさん): さすがに試すのを躊躇
  • EOS X2 (ソルトさん): 接続してミラーアップはするが、シャッター切れずエラー
  • EOS RP (リュウさん): 動作確認済
  • EOS 7D (kumbenさん): 動作確認済
  • EOS 60D (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS X5 (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS M  (薜さん): 動作せず
  • 5D mark II (donchanさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • EOS X7 (donchanさん): 動作確認済、LiveStack可能

Nikon
  • D750 (智さん): 動作確認、ミラーアップモードでは動作せず
  • D5000 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D810 (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、一度本体動作しなくなった、復帰後に動作確認済、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能、重い
  • D810a (あぷらなーとさん): さすがに試すのを躊躇
  • D5300 (ソルトさん): 動作せず
  • D50 (智さん): 動作せず
  • D7000 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • CooLPix B700 (ソルトさん): 動作せず
  • D3300 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能(SDカード必須)
  • D3100 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能(SDカード未確認)
  • Z6 (OSAさん): 動作確認済、LiveStack可能、サイレント撮影モード(シャッター動作による振動とシャッター音を出さずに撮影できる)は動かなかった
  • D3 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D300 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D90 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D610 (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D810a (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能、重い

PENTAX
  • K-30 (ソルトさん): 動作確認済
  • K-S2 (ソルトさん): 動作せず
  • K-50 (ソルトさん): 動作確認済
  • KP (薜さん): 動作せず
  • ist D (ソルトさん): 動作確認済
  • K100D (ソルトさん): 動作確認済
  • K-70 (Shinjiさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • K-01 (ソルトさん): 動作確認済
  • Pentax K-5IIs (donchanさん) 動作せず
  • Pentax Q-S1 (donchanさん): 動作せず 

SONY
  • α7S or α7SII?(HUQさん): 動作せず
  • yα6000(amayama_54): 動作確認済、LiveStack可能

もし上記リストの訂正や、漏れている方で載せておきたい方がいましたら、Twitterかコメントに書いておいてください。上のリストをアップデートしておきます。また公開したくないという方がいましたら、TwitterのDMかコメントに書いてください。後でコメント自身も消しておきます。


さあ、6D電視観望の2回目のテストだ!

一昨晩は台風のせいか風も強かったのですが、昨晩は晴れて、風が吹いた後のこともあり透明度がそこそこ良かったです。でも21時半頃から月が出るので、長時間撮影も気が引けます。なので、まずは21時半まで少し暗いところに行って天の川撮影。これはまた記事にします。結局22時過ぎに自宅に戻って、眼視、惑星、電視観望と選択肢がありましたが、この日はやっぱりまだホットな一眼レフ電視観望です。

今回の目的はとにかく実践で使ってみること。できる限りいろんなところに向けて、これくらいまで見え、これくらいの使用にまで耐えうるとかいうことを示したいと思います。

前回のテストと少し変更したところがあります。まずはレンズですが、前回はNikonの135mm F2.8でしたが、今回はPENTAX 6x7の中判レンズの165mm F2.8です。理由は、周辺減光が顕著で、しかも色によって反応が多少違うようで、結果四隅に行くに従ってひどくなるカブリのようになってしまい、炙り出しが制限されるからです。フラット補正をリアルタイムでやってもいいのですが、いまだにうまく行ったことがなくて、今回も躊躇してしまいました。

もう一つの変更点は、今回Stick PCを使ったことです。前回はSurface PCなので、そこそこ速いですが少し大きいです。普段撮影用に使うStick PCが使えれば、さらにコンパクトにできます。


準備とトラブル

さて、まずは前回の状態の復帰です。機材はシンプルでポン置きでいいので、楽なもんです。レンズを水平にそこそこ北向きになるようにセットして、AZ-GTiでアラインメントを始めます。広角なので1スターアラインメントでもう十分です。計算によると3.65°x2.45°だそうです。これくらいの精度で最初置くだけでターゲットが視野に入ってくるので、まず取りこぼすことがありません。さすがフルサイズセンサーです。

すぐに網状星雲まで入って、画像が取り込めるようになったので、一つ新しいことを試しました。前回の一番大きな問題が、LiveViewモードの間シャッターをずっと「カシャン、カシャン」と切り続けること。6D本体のモニターをオンにすることでシャッターを開けっぱなしにしてかどうできないかです。

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一枚撮りではリモートでカラーバランスを調整できないです。
必要なら本体の方で色を合わせる必要があります。

まずSharpCapのStillモードで撮影開始してないときに、カメラ本体のモニター開始ボタンを押したらシャッターが開いて、SharpCapも落ちたりしないので、このまま行けるか!と期待しました。さらにSharpCapでLiveViewモードにして撮影開始しても音も鳴らずOKかと一瞬思いました。ところが、一枚撮影が終わったらわざわざシャッターを一度閉じて!?またすぐ開いて次の撮影にいくのです。結局各枚各枚の撮影終了時に必ずシャッターを閉じるという機能が働くらしくて、モニターオフにしている時と同じことでした。

さて、次にLiveViewへの移行です。途中SharpCapが落ちることが何度かありました。しかも一度落ちると、SharpCapを立ち上げ直してもASCMOの設定画面に行ってしまい、その後それを繰り返しカメラとの接続ができなくなってしまいました。SharpCapの立ち上げでも、カメラ本体の再起動でも解決しなくて、しばらくはPCの再起動で解決していたのですが、途中からタスクマネージャーで見てみるとSharpCapのゴミプロセスが残っていて、それを消すと再度SharpCapが問題なく立ち上がることに気づきました。

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こんなエラーが出て、これ以降接続できなくなりました。
でも実は反応がものすごく遅くなってるだけで、
分単位で待つと反応したりする時もあります。
SharpCapのゴミプロセスが残っているために起こる現象です。 

何度かやっているうちに、LiveStackに行こうとすると必ずSharpCapが落ちることに気づきました。前回とSharpCapのバージョンが違うのではとかも疑ったのですが、それも同じ。違うのはPCだけだということに気付いて、Stick PCから前回のSurface PCに戻しました。すると全く問題なくLiveStackに移行します。というより改めてSurfaceに戻ると、いかにStick PCでのSharpCapの反応が遅かったかに気づきました。少なくとも3.2の普通のCMOSカメラを繋いでいる時まではそんなことは気にならなかったので、今の3.3βと6Dは相当重いことになります。CPUが非力なためなのか、もしくはUSBの接続が遅い可能性もあります。でもUSB2.0って流石に転送速度に差が出るとは思えないので、やはりCPUの違いかなと思ってます。


充実の電視観望フルツアー

さて、これ以降は極めて順調。シャッター回数を節約したいので、15秒露光にしました。ISOは6400です。回った順番に示していきます。

状況はというと、月齢21日の半月以上の大きい月が出ていて、富山の中心の街から少し離れた住宅地です。普通なら決して星雲を見るようないい状況ではないです。そのため、QBPを入れてます。

  • 網状星雲です。赤と緑の色の違いもはっきり見えてます。
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LiveStackになると色バランスをリモートで調整することができるようになります。

  • 小さなM27亜鈴状星雲
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左端にかわいいM27が見えてます(笑)。
面倒だったので真ん中に持ってくのをサボりました。
この前にM57を見ましたが、流石に小さすぎました。
これくらいの大きさの天体だとレンズの焦点距離を伸ばす必要があります。


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拡大するともう少し形もわかりますが、恒星のハロが目立ちます。
レンズのせいです。
赤外起因だとしたらもしかしたらCBPにすると消えるかも。

  • M31アンドロメダ銀河、QBPは銀が苦手かもと思ってましたが、意外にいいかも
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構造も少しわかります。


  • らせん星雲
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  • 北アメリカ星雲一帯、ここまではっきり見えると迫力あります
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  • 白鳥座のサドル付近
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左下に小さく三日月星雲も見えます。

  • M33さんかく座銀河
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かろうじて腕らしきものが見えるくらいでしょうか。


  • カリフォルニア星雲
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月が近くにあるので、かなりカブってます。それでもこれくらい見えました。

  • ハート星雲と胎児星雲
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ここまで見えるとは。
でもかなり炙り出してるので周辺減光が目立ちます。

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でもセンサーの解像度はあるので、
多少拡大してしまえば周辺減光も気にならなくなってきます。

  • エンゼルフィシュ星雲?
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ここらへんはもうネタです。
まだ光度が低いのでほとんど見えません。
かろうじて右上を向く頭がわかるか?

  • のぼり掛けのM42オリオン大星雲と馬頭星雲、バーナードループ?
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これもネタです。黒い影は木の葉っぱです。
左端のカブリの中にバーナードループが淡く見えてます。
昇り立てで高度が低いのでこれくらい。
冬に向かって持って見やすくなるはずです。


M45プレアデス星団も導入したのですが、月が真横にあり、流石にダメでした。


まとめ

午前0時20分くらいから2時くらいまでの1時間40分。夏から冬までの星雲と銀河、もうフルコースです。ここまで見えれば大満足です。

一言で言うと、さすが撮影でも十分な実績がある6Dです。電視観望でも遺憾無く実力を発揮しています。センサーのピクセルサイズがASI294MC Proが4.6μm、6Dが6.3μmなので、一辺で1.4倍くらい大きいのです。1ピクセルの面積が大きければより多くの光子を取り込めるので、根本的に有利です。

かつ同じ焦点距離ならより広い面積を見ることができます。逆に同じ面積を見るならより焦点距離の長いレンズを使うことができるので、より暗い恒星を見ることができるはずです。実際に使ってみての感想は、確実にASI294MC Proよりも迫力があるということです。

その一方、シャッター回数の制限から一枚一枚の露光時間を長くせざるを得ないので、動きは少なくリアルタイム性には欠けます。ただ、移動する時は星の軌跡は写るので、それはみている人にとっては動きを感じるところで、全く動きがないというわけではないです。

さて、最後の画像の記録を見たら2時間近くで365回のシャッターを切っていました。15秒で一回なので、連続なら1分で4枚、1時間で240枚計算です。途中LiveViewモードからStillモードにしたりもしてたので、数的にはまあこんなもんでしょう。メカニカルシャッターの寿命が10万回だとすると、300回位観望回避r区と壊れる計算です。実際タイムラプスでは平気でこれくらいのシャッター回数になるので、15秒露光でのシャッター回数ならまあ許容範囲でしょうか。


今後やりたいこと

まだまだ試すべきことがたくさんあります。ソフト自身はアップデートを待つとして、手持ちでEOS X5があるので、これで電視観望できるかどうか。天体改造なしなので、赤は出にくいはずです。

X5の中古の値段が1万円台中くらいでしょうか。キットレンズ付きで2万ちょいです。これで本格的な電視観望が簡単にできるなら、裾野が広がりそうです。

あと、SharpCapからのプレートソルブを試してみたいです。これで導入が簡単になるかも。うまくいったらAZ-GTiなしで、StarSense ExplorerみたいなことがPCを使って実現しないかと思っています。そうするとハードは三脚と雲台とカメラとレンズ(とPC)だけで、ほぼ一般的な一眼レフカメラセットになるので、さらに敷居が下がるかもしれません。


昨日のSharpCapの一眼レフ対応の騒動から一夜明けてブログを書いています。まだちょっと興奮気味です。


SharpCapバージョンアップ間近

何日か前からSharpCapのβテストフォーラムで3.3βが間も無くリリースされるというニュースはあがっていました。金曜の夜にも確認し、そろそろかなと思って土曜の昼くらいに見たらすでにリリースされてるではないですか!

バージョン3.2から3.3βへの大きな変更点は、シーケンサー操作と、デジタル一眼レフカメラのサポートです。電視観望にとっては後者が重要です。


これまでの一眼レフへの対応状況

以前にもSharpCapで一眼レフを使う方法は少なからずありました。2018年の夏頃でしょうか、ASCOMの一眼レフカメラのドライバーを使ってSharpCapからアクセするするというものです。

でも実際私も6Dで試したりしたのですが、全く動きませんでした。その当時、幾らかの実際に動いた人がSharpCapでライブスタックを試したりもしていたそうですが、その方法はかなりトリッキーでした。カメラから直接、PC上のあるフォルダに画像ファイル書き込んで、そのフォルダ内のファイルをSharpCapが読み取ってスタックするというのが唯一の方法だったはずです。私の場合は、そもそもそれを試すところまでたどり着けない状態で、非常に不安定でした。

その後ちょくちょく気にしてはいましたが、年単位でなかなか進展がなく、そのため前回の記事のようにSIGMA fpに走って電視観望を試したりしていました。


なぜSharpCapと一眼レフカメラ?

ではそもそも、なぜSharpCapで一眼レフカメラが使えるといいのか?

一般的には撮影です。PCからカメラが制御できれば、ファイルのPCへの取り込みや、設定を変えながらの撮影、リモート操作などにつながります。でもこれらのことはこれまでも、少なくともCanonの場合はEOS UtilityやBackYardEOSを使うことでかなり以前から実現されてます。まだ私は試してませんが最近ではNINAを使ってもできるはずです。

でもSharpCapでしかできないことがあります。一般的にいう天体写真の画像処理を、簡易的にですがリアルタイムでしてしまうことです。オートストレッチやヒストグラムを見ながらのマニュアルストレッチ、LiveStackを使ってのノイズ緩和、ダーク補正やフラット補正もリアルタイムでできてしまいます。

さらにスタック時には、撮影した画面を元に星が重なるように画面を移動して追いかけます。しかもただ追いかけるだけでなく、個々の星の位置を認識し、画面を歪ませて星位置を合わせながらスタックしていきます。

これらの機能は、なかなか他のソフトでは実現できていなくて、今のところ知る限りSharpCapとASIStudioの中のASILiveのみです。これらの機能が電視観望へと繋がっていきます。快適な電視観望はこのような高度な機能の上に初めて成り立つのです。

SharpCapで一般の一眼レフカメラを使うことができると、より大きなセンサーをより安価に利用して電視観望を実現する道が開かれるのです。

そこにきて、昨日におけるSharpCap 3.3βのリリースです。まだβテスト段階に過ぎませんが、今回のバージョンでこれまで滞っていた一眼レフカメラのサポートが一気に進んだ感があります。


現段階での対応状況

さて、これらを動かすためにはASCOM環境がインストールされている必要があります。ASCOM Platformはここからダウンロードしてインストールします。DSLR(一眼レフカメラ)用のASMOMドライバーはいまだ開発段階のような状況で、私はここからダウンロードしました。インストールするとわかるのですが、接続方法は
  • CanonSdk
  • BackyardEOS
  • Nikon
  • Pentax
  • NikonLegacy
とあります。いくつかの説明を見る限り、LiveViewはCanonとNikonのみと書いてありますが、この説明も古い可能性がありますので、ここの機器の対応は現段階では自分で試す必要がありそうです。現状としては、
  • Canonは少なくとも私のところで動きました。
  • Nikonは智さん、あぷらなーとさんが動かしたという報告があります。ASCOMドライバーのカメラ選択のメニューで「ニコン」だと不安定でしたが、「ニコン・レガシー」だと比較的安定だったとのこと。
  • Sony用カメラのドライバーもあるようですが、Sonyカメラを持っていないので試せてはいません。 HUQさんが試したようですが、動かないと言っていました。
ところがです、あぷらなーとさんのところでNikonのD810をSharpCapで動かそうとしたらエラーで本体が壊れたという情報が流れました。幸い「バッテリーを抜いて強制電源OFFした後、電源を再投入してシャッターボタン長押し」で復帰したそうですが、まだ一番最初の一般向けのβテスト段階ですので、何か試す場合も自己責任で、くれぐれもご注意下さい。


SharpCapから実際に一眼レフを動かしてみる

さて、実際のテストの様子です。SharpCap3.3βのインストールはここを見てください。注意書きにもあり、また繰り返しにもなりますが、あくまでβテストです。自己責任で、人柱になるくらいの覚悟を持って、最悪機器が壊れてもいいような環境で試すことを強くお勧めします。撮影に使っている主力機などはまだこの段階では試すべきではないかもしれません。

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ASCOM関連もきちんとインストールしてあれば、あとはカメラとPCを繋ぐだけです。SharpCap3.3βを立ち上げてCameraのところを選ぶと、該当するカメラが出てきているはずです。それを選ぶと「カシャーン」シャッタを開ける音がして接続完了です。

この時点で「Snapshot」を押せば、撮影した画像が出てくるはずです。もし何も出て来なかったらカメラのキャップが外れてるかとか、露光時間が短か過ぎないかとか、ISOが低過ぎないかとかきちんと確かめてみてください。夜にいきなり本番で試す前に、一度昼間明るいところで試してみて、まずはきちんと動くかどうか確かめた方がいいと思います。


LiveViewモード

ここからが新機能です。メニュー下の左端にある新しい「LiveView」を押します。するとシャッターが「カシャーン、カシャーン、カシャーン」と鳴り始め、連続での撮影が始まります。これがこれまでのCMOSカメラでの通常の撮影にあたります。ずっとシャッターを切り続けるので、シャッター回数を気にする人はやはりまだ躊躇すべきかもしれません。もしくは露光時間を長くして対処した方が良いのかと思います。通常、これまでのCMOSカメラはメカニカルシャッターなどは、SharpCapでカメラを接続すると連続でずっと撮影をし続けています。

本当は電視シャッターを持っているか、もしくはミラーアップ撮影ができれば良いのですが、私のところのCanonでも、智さんのところのNikonでもミラーアップにした途端SharpCapが止まってしまいました。私のほうはまだマシで、ミラーアップを解除したらまたSharpCapが動き出したのですが、智さんのところはミラーアップにした途端エラーでSharpCapが落ちてしまったそうです。ここら辺は今後改良されることを期待するしかないと思います。


あと、少し理解しておいた方が良いことは、メニュー下の「Capture」とかは画像データをディスクに「保存する」ということを意味します。カメラを繋いだ段階で、保存はしなくても撮影(PCに画像を送ること)はし続けていて、保存はせずに画像を捨て続けているということです。一眼レフになってもこれは同じ概念のようで、シャッターを切り続けても、PC上のディスクにも、カメラ内の記録カードにも画像は一切保存されません。これがデフォルトの設定のようです。

表示された画像は、ヒストグラムの3本の線で見え方を変えることもできます。簡単なのは真ん中の線で、左右に動かすと明るくなったり暗くなったりするのがわかると思います。画像処理でのあぶり出しの効果を撮影している最中にできるというわけです。SharpCapの有料版のライセンスを持っている方は、オートストレッチもできます。ヒストグラム右の雷のようなボタンを押してください。簡単にある程度の最適化ができます。


とうとう、LiveStackができた! 

ここまでのテストが終わったら、次はLiveStackを立ち上げます。すると、シャッタを毎回切るとともに画像がスタックされていきます。これを見た時、おおっ!!!と感動しました。

とうとう念願だった一眼レフカメラによる電視観望で、リアルタイムに炙り出しまで実現できる道が開かれたことになります。

さらに、Live Stack中にSave Allというオプションを選ぶことができて、こうするとPCに全てのシャッターの画像ファイルが保存されるようです。でも、それでもカメラカード内には何も保存されないみたいです。

この時点で16時過ぎくらいだったでしょうか。Twitterに投げたところ、すごい反響でした。特にあぷらなーとさんは狂喜乱舞。これまでの複雑な解析手法を相当簡略化できるとのことで、早速追試して、上記の通りカメラを壊しそうになったというわけです。

テストは上記の写真の通り、昼間の明るいうちに行いました。できれば夜に実際の空で試したいのですが、天気予報は曇り。果たしでどうなるか?


実際に夜の星を見てみる

夕方過ぎ、暗くなってきたのですが全面に雲が出ています。落ち着かなくてちょくちょく外に出て見てみると、20時半頃でしょうか、ごく一部ですが薄雲越しに星が見えています。雨は大丈夫そうなので、とりあえず機材を出そうと思い、AZ-GTiに6Dを取り付けて外に持っていきます。レンズはNikonの135mm f2.8です。下の写真はちょうど天頂付近をみている様子を上の方から撮影したものです。6Dの文字が誇らしげに見えると思います。
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あとで写真だけ見たら、一瞬背景が星に見えました。実際はアスファルトです。

カメラと接続して外に置いたPCではもちろんSharpCapの3.3βを走らせます。さらにAZ-GTiをコントロールするSynScan Proを走らせて、このPC自体を部屋からリモートデスクトップで接続します。まだ暑いので、クーラの効いた部屋で快適リモート電視観望です。

さて、実際の6Dでの電視観望ファーストショットです。

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ISO6400、10秒露光の一発撮りです。10秒ごとにこんな画像が出てきます。QBPがついているので、ヒストグラムであぶりだしてやると、淡いですがすでに星雲が見えています。上の方が網状星雲、下の方が北アメリカ星雲です。

レンズの焦点距離は 135mm。これまでツースターで使っていたフォーサーズのASI294MCと比べて、フルサイズの6Dの場合1.85倍くらいセンサーの一辺が長くなるので、同じレンズで3.5倍くらいの面積が見えます。ASI294MCで135mm/1.85~75mmくらいのレンズを使うと同じような面積になりますが、恒星の見え具合は直焦点の場合レンズの焦点距離に比例してよくなります。6Dで135mmレンズを使う場合、ASI294MCで75mmのレンズを使う場合に比べて1.85倍くらい暗い星まで見えることになります。1等級以上くらい星まで見えるようになります。

星が画面いっぱいに散りばめられたような電視観望にしたい場合は、長焦点のレンズを使うことが必須になります。これまではセンサー面積が小さいと狭い範囲しか見れないことが、フルサイズのセンサーを使うことで解決されたわけです。 

でもこの画面を撮った直後に雲が出てきて、LiveStackはお預け。しばらく待ちます。


ついにLiveStackで星雲がはっきりと!

その後10分くらい待つとすぐにまた雲がひらけてきて、ついに6DのLive Stackで星雲をはっきり映し出すことに成功しました!!!

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LiveStackなので、待てば待つほど背景のノイズが少なくなってきて、星雲がどんどん見えてきます。上の画像で15秒x8=120秒、ISOは6400です。

しかもアラインメントも普通に成功です。SharpCapのアラインメント機能はものすごく優秀で、撮影した画面の中の個々の星の位置を認識し、画面を歪ませて星位置を合わせながらスタックしていきます。このためある程度広角のレンズなら赤道儀や経緯台の自動追尾なども必要なく、固定三脚でも十分実用な電視観望ができます。

操作性に関していうと、少なくとも6Dの場合は露光時間もゲインもSharpCap上から調整できます。もうCMOSカメラと変わらないくらいの操作性です。ただしカラーバランスを調整できるのはLiveStack中のみでした。CMOSカメラの時にできた取り込み時の赤と青の調整は、そもそもパネル自体が出てこないです。

とりえずうまくいったのですが、この後またモニター上で見ても雲に覆われてしまって、外に出たら空全体が厚い雲で覆われてました。雨が心配だったのでそのまま機材も片付けることにしました。一瞬のテストチャンスだったみたいです。


一眼レフカメラがSharpCapで使えることのメリットのまとめ


今一度一眼レフカメラがSharpCapで使えることのメリットをまとめておきます。
  • まず、センサー面積が大きくなる。
  • 同じ面積を見るのに、焦点距離を伸ばすことができる。
  • より暗い恒星まで見えるので、星いっぱいの電視観望になる。
  • 見える面積が広がるので、特に初心者にとっては導入が楽になる
  • 中古一眼レフカメラは安価なので、大きなセンサーが安く手に入る。フルサイズのCCDやCMOSカメラはものすごく高い。初心者では全く出が出ないほど高い。
  • カメラ用の安いレンズを電視観望に使うことができる。これはこちらのページをご参照ください。
  • 初心者が初めて電視観望を始める時、一番高いのがカメラです。この値段が下がる可能性があるので、電視観望の敷居が一気に下がることが期待できる。
など、メリットだらけです。一方デメリットは
  • まだ操作が少し複雑。最初のうちは丁寧なインストラクションや解説が必要。
  • 安定性に問題がある。これは時間が解決することになると思う。
  • シャッターを切り続けるので、シャッターの寿命が気になる
など、どれもソフト的になんとか解決しそうなものです。


まとめ

とにかく、これまで面積の大きいセンサーを使うことが(ものすごく高価で)大変で、小さい面積で初心者は四苦八苦してたはずなのです。面積が小さいと、最初に天体がセンサーないに入って来なくて、導入がすごく難しいのです。一眼レフカメラが利用できるとなると、今までベストと言われてきたフォーサーズのASI294MCよりも大きな、APS-Cとか、もしかしたらフルサイズまで安価に手に入れられるかもしれません。もしくは手持ちのカメラがあったら簡単に試すこともできるかもしれません。これらが解決するなら、さらに電視観望の敷居が下がり、天文人口の増加につながるかもしれません。 

今回のSharpCapのアップデートは大きなエポックメーキングです。このブログでは電視観望にターゲットを絞って説明しましたが、あぷらなーとさんのように他にもメリットを感じるケースは多々あるかと思います。今回触って感想として、私的には極上の電視観望用のカメラが増えたような、得した気分になれました。

私はSharpCapの開発には全然貢献できていなくて、ただのユーザーにすぎないのですが、開発陣の努力に心から感謝します。今回のようにソフトの改良、特に最近はAZ-GTiのようなハードと柔軟なソフトの組み合わせで状況が劇的に変わり、以前よりはるかに便利になったりしています。プレートソルブなんかも良い例かと思います。私が星を始めてわずか4年の間にも物事は大きく変わってきています。まだまだこれからの将来も楽しみでなりません。 



最近SIGMA fpに触る機会がありました。Webカメラとして使おうと思っているのですが、せっかくなので少しだけ電視観望してみました。レンズはキットの45mm F2.8です。初めてのフルサイズのセンサーでの電視観望です。


SIGMA fp

あまりカメラに詳しくない私が語っても、何の説得力もないのですが、SIGMAという名前は星の写真を撮る人なら誰でも必ず一度は聞いたことがあるはずです。星景、星家写真用(もちろん一般用途にも素晴らしいです)に適した素晴らしいレンズを数多く出しています。

レンズが有名で、カメラ市場においてはCanonやNikonほど大きなメーカーではありませんが、これまでカメラ本体も何台も出しています。そんな中でも、SIGMA fpは昨年7月に発表され、その小ささと、機能を絞り切った潔さですごく話題になりました。もちろんその時点で好きな人はかなり気にしていたはずですが、春からのコロナ禍において状況が一変しました。

Zoom会議などのWeb会議がメジャーになると、SIGMA fpがWebカメラになるフルサイズのカメラとして一気に話題になったのです。会議に参加するときに自分の写りが全然変わると言うのです。私は天体用にはEOS 6Dがあるので、そこまで注目はしてなかったのですが、今回Webカメラとして会議で使うこととなり実際に使ってみてWebカメラとしてのインパクトに驚きました。それとは別に、もしかしたら天体用にもどうだろうかと思ったのが今回の記事です。


一眼レフ、ミラーレスカメラを利用したWebカメラの現状

PCに繋ぐカメラとしてみた場合、Sigma fpの最大の特徴は、何もドライバーとかも入れなくてWebカメラとして働くこと。これは一眼レフ、ミラーレス含めて、フルサイズのカメラとしては唯一で、Webカメラとして使いたいならほぼ一択となります。

EOSも5月頃からWebカメラとして動かすことはできるようになってきました。米国CanonがCanon EOSシリーズをWebカメラ化するドライバーをリリースしたのですが、EOSの場合にはからなずPCにドライバーをインストールする必要があります。

 

私の持っている6Dは一見上のドライバーではサポートされてないのですが、実際に試してみるとWebカメラとしてきちんと動いて、WindowsではZoom上でも使えたりします。ただし、Mac版はまだ相当制限があり、例えばZoomで使うのは難しいです。

Nikonも8月に入ってWebカメラ化するソフトを公開しましたが、私はNikonユーザーではないので試してはいません。Windows10以外は未対応など、制限がかなりありそうです。

Sonyもつい最近、8月後半に入って同様のソフトを出しましたが、Nikon同様に制限が多いみたいです。

いずれにせよ状況としては、SIGMA fpが唯一そのままWebカメラとして使え独走体制、ついで大きく離れてCanon、さらにNikon、Sonyと続いているような状態で、WebカメラとしてはSIGMA fpはほぼ一強と言っていい状態です。


SharpCapとSIGMA fp

PCやMacからも普通のWebカメラとして認識されるSIGMA fpなので、SharpCapからも当然Webカメラとしてきちんと認識されます。

ただし、色々制限もあります。例えば露光時間は25fpsが最長。しかも、SharpCapから露光時間を変えることはできまえん。かと言ってそのままカメラ本体を触って露光時間を変更しようとしても、これもできません。一度PCとの接続を切って、初めてカメラ本体で露光時間を操作できるようになります。あと、多分バグなのですが、設定を25fpsにしてもどうこうするとSharpCap上で15fpsとなる時があります。少しでも長い方がいいので、今回のテストはこのままで進めました。

ISOはデフォルトでは25600まで、拡張すると102400まで増やせます。でも流石に10万台はノイジーなので、25600で試しました。

とにかくこの状態でSharpCapに画像を取り込むことができます。実はこれ大きな一歩で、フルサイズの一眼レフ、ミラーレス含めて、SharpCapで生で取り込めたのはSigma fpが初めてではないかと思います。

以前HUQさんがα7SのHDMI出力をUSBに変換しwebカメラとして認識させる機器を利用して、SharpCapに取り込んでたりしてましたが、生映像というわけにはいかず、いったん変換が入ります。

 

また、Webカメラ化した6DもWindows上のZoomなどでは使えても、SharpCapで認識させようとすると、少なくとも私のところの状況ではエラーメッセージが出て使うことはできませんでした。


実際の取り込み画像

いずれにせよ、SIGMA fpはフルサイズセンサーでSharpCapで動くので、いやがおうでも期待してしまうわけです。

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上の写真のようにAZ-GTiにつけて試してみます。アンバランスについていますが、経緯台モードで、横長の画像にしようとすると不安定な取り付けになってしまいます。しかもこれ、AZ-GTiのファームが最新ではないので、レンズが南向きになるのが初期状態になってしまっていて、上下逆になります。なんでこんなことになるかというと、アルカスイスプレートを写真で見て左側につけようとするとUSBケーブルが干渉して取り付けられないからです。ここら辺はL字フレームを買って取り付けるなどして解決すると思います。

さて、SIGMA fpに、キットで付いてきた45mm F2.8のレンズを取り付け、CINE(動画)モードでWebカメラ状態にして、SharpCapで実際に取り込んでみます。下がその時の画面をいつものようにiPhoneで撮影したものなります。まあ、とりあえずあまり期待しないでください。

IMG_0530

これくらいが精一杯です。白鳥座付近を写してます。真ん中右下くらいにデネブとサドルがあります。左にイルカ座が見えてます。

もじゃもじゃがよく見えるはずの場所ですが、まず条件が極めて悪いです。満月の日、光害カットフィルター無しなので、相当背景が明るいです。そもそもこんな日にテストするなという話ですが、とりあえず一番最初の軽いテストですでに大きな問題が発覚したような状態です。

ちなみに、30秒露光で普通のSTILL(静止画)モードで写した撮って出しJPEGが下のようになりました。流れてしまっているので、四隅の星像の評価などは保留とします。

SDIM0010

明るすぎる状況なのです。RAW画像を処理して炙り出しても

SDIM0010_RGB_VNG_ABE

これも適当な画像処理なので、評価は保留ですが、最低限20秒露光すると何かモジャモジャは少しは見えるみたいです。


ちょっとだけ検討

一番の問題は、Webカメラにすると露光時間を全く長く取れないことです。最も長くした場合で15fpsなので、高々0.068秒露光でです。上はそれを55フレームスタックした画面になります。感度のいいASI294MCとかでも最低800ミリ秒くらいで、ゲインも相当上げて電視観望します。

しかもこのfpsだと、速すぎてSharpCapで全てのフレームをキャプチャーしきれなくて、半分近くのフレームを取りこぼしている状態になります。かけてる実時間分さえも成果として画像に出てこないというわけです。

それでも心眼クラスでSharpCapの画面をよーく見ると、サドル付近はほんの少しだけ淡い模様が見える気もしないこともないかもというくらいの感じです(笑)。いずれにせよ、露光時間が最長でも15fpsと短過ぎるのでは電視観望は無理と言わざるを得ません。

ちなみに、Sony α7Sが動画モードで1/4秒まで露光できます(これでも短いと思っていて、もっと長くできるならと思ってます)。これだけでSIGMA fpの露光時間と比べて4倍くらいの違いがあります。さらにISOの最大値が40万越えで、これもSIGMA fpの最大ISOと比べると4倍の違い。さらにさらにピクセルサイズが5.9umと8.4umで面積比だと2倍の違い、全部掛けるとと32倍の差になります。これだけ違うと、流石に電視観望用途ではα7Sに遠く及ばず、厳しいと言わざるを得ません。


シグマさーん!

でも露光時間ってソフトでどうこうなると思うのですが、どうなのでしょうか?いっそのこと30秒くらいまで動画モードで露光できるようにしてくれると一気にα7Sを抜けるのですが、シグマさんどうでしょうか?本気で考えてくれませんか?それでも、リアルタイム性では負けてしまいますが、いい勝負くらいにはなる気がします。


今回の結論と、SIGMA fp本来の魅力

今回試して分かったのは、電視観望をするためには動画モードの露光時間が全然足りないことでした。満月の日にテストするのもどうかと思いましたが、多分別の暗い日で試したとしても相当状況は厳しいはずです。

少しというか、かなり期待していましたが、結論としては電視観望には今のままでは厳しいかなと。今一度、光害防止フィルターなどを入れて、流石にもう少し暗い空で試してみようと思ってますが、それでも露光時間がこれだけ短いと電視観望特性については結論は変わらないと思います。

もちろん、星景写真とかは別ですよ。静止画モードで十分な露光時間をとり、シグマお得意の超高性能のレンズで撮る分には、十分過ぎる画が撮れるはずです。

でも思ったのですが、このSIGMA fpは普段使いにあってこそ、真に生きるのではと。だってこの大きさ、すごい魅力ですよ。私は天体改造した大きなカメラしか持ってないので、昼間の明るい写真を撮ることはほとんどないし、あまり撮ろうとも思ってなかったんです。でもこのカメラとなら持ち歩いていろんなところを撮ってみたくなります。軽くて、最低限の研ぎ澄まされた機能、必要なら機能を足すことのできる拡張性。一言で言うと、カッコイイです。手持ちのNIKKORやPentaxの6x7のオールドレンズと一緒に撮っても面白いと思います。

会議でのWebカメラとしての機能も申し分ないです。ここでの話題ではないので詳しくは書きませんが、レンズを交換できるWebカメラの威力は、実際に試してみると破壊的です。一度、手持ちのSamyangの14mをつけて超広角のWebカメラにしたのですが、もうすごい臨場感です。

今回テストで使っただけですが、これは持っていて普段使いで欲しくなるカメラです。所有欲も満たされます。使ったらわかる、本当に魅力的なカメラです。


急遽状況が一転

実は今回のテスト、少し前に試したのですが、記事を書くのをもたもたしている間にSharpCapがまだテストリリースながら3.3βへとアップデートしました。このバージョンでは一眼レフカメラのサポートがされてます。最低限試したところ、6DでLive Stackまでできるようです。これはこれまで長いこと望んでいた電視観望をフルサイズで安価に楽しめることを意味します。

とりあえずこれから色々テストするので、詳しいことは次回以降の記事で。

先日セットアップしたStick PCのテストも兼ねて、ネオワイズ彗星の電視観望とZoomでの中継をしてみました。


やっと梅雨明けか?

週末の金曜日本当に久しぶりに天気がよくなったので、NEOWISE彗星の電視観望と、Zoomでの中継をしました。

一番の目的は、世間的にはまだネオワイズ彗星を見ていない人が結構多そうで、もしその方達に少しでもいいので見てもらえればと思っていたことです。他の方の撮影結果を見ると、もう5等くらいとかなり暗くなってきていて、テイルも相当淡くなっているようです。おそらく一般の方が双眼鏡で見たとしてもほとんど分からないのではないかと思います。電視観望ならまだテイルまで見える可能性が高いです。なので、Twitterで「お子様、初心者大歓迎」と呼びかけて、できればマニア以外の一般の方に参加してほしいと思っていました。

もう一つの目的は、前回の記事で書いたStick PCの試験です。過去に何度かSURFACEを使ってやっていたリモート制御用PCを、今回はもっと気軽なStick PCで置き換えて、中継に耐えられるかを試したかったのです。当然私自身は、クーラーのついた部屋の中から快適に中継ということになります(笑)。


よし、中継の準備だ

彗星は最後、高度がかなり低くなるので、機材は二階のベランダに置きました。左右の見える範囲は狭まりますが、隣の家などの邪魔されずに低高度まで見えるようになります。2度目の中継にあたる7月19日の自宅からの中継は、北向の窓がある子供の部屋に機材を置きました。でも10日ほどの間に北西方向から真西方向に45度ほども方角が変わったので、今回は西向きに面しているベランダに移しました。

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機材は広域電視観望のセットアップに近いものなります。カメラはこれまでと同じZWO社のASI294MC Proを常温で稼働。これにNIKONの大昔の50mmのF1.4レンズをニコン->Canonアダプターをつけ、さらにCanonマウントからASIカメラにとりつけるアダプターをつけて接続しています。リモート駆動としてSkyWatcher社のAZ-GTiを経緯台モードで使っています。

いちばんの心配はWiFiの電波がベランダまで届くかでしたが、ほぼ真下にあたる1Fの電波が良好で、ここに繋ぐことで安定して接続することができました。唯一の間抜けなところが、これはStick PC以前の問題なのですが、AZ-GTiのステーションモードを5GHzの方につなげようとして、どうしてもつながらないと焦っていたことでしょうか。AZ-GTiは2.4GHzしかつながらないので注意が必要です。すっかり忘れてました。ドスパラのStick PCでは外部アンテナがあったのですが、今回の新Stick PCはそう言ったものもなくデザイン的にもスッキリしています。でもアンテナの感度はほとんど変わらないようです。

電視観望に関してはは順調そのもの。CMOSカメラを繋いだStick PC上で、SharpCapの動作も重いところなど全くありませんでした。自宅のWi-FiにAZ-GTiをステーションモードで接続、さらにStick PCも自宅Wi-Fiに接続します。Stick PC上でSynScan Proを走らせて自宅W-Fi経由でAZ-GTiに接続。私は部屋の中から別のPCでベランダにあるStick PCにリモートデスクトップで接続。さらに部屋のPCでZoomに接続してリモートデスクトップ画面を共有すると言う形をとっています。


ネオワイズ彗星見えたか?

肝心のネオワイズ彗星ですが、昼間から天気が良かったので期待できました。私としては珍しく少し早めに中継すると決心して、準備を終えアナウンスしたのが夕方。それが良かったのか、天リフさんでもピックアップで「このあとすぐ!」という触れ込みで宣伝していただけました。

その甲斐もあってか、知り合いの方、天文マニアの方はもちろんですが、(おそらく)一般の方も10人から20人くらいの規模で参加していただけました。でもほとんどの方がマイクがなくて、こちらからの説明だけで会話ができなかったのが残念です。あとでTwitterのコメントで、初めて見ることができたとかの投稿もあったので、「ああ、やって良かったな」と思いました。

多分日本全国ずっと天気が悪かったのでしょう。天文仲間もたくさん参加してくれました。なんと宣伝してくれた天リフ編集長も参加してくれたのですが「宣伝していいか迷ってた、参加人数が多くなりすぎるのが心配だった」と随分気を使って頂いていたことを聞くことができました。あと、参加者同しで「今ネオワイズ彗星中継してるよ」と電話で知らせあっていて、その時の声と電話に出ている様子がビデオ映像で流れていたのには皆さん大笑いでした。

実際の彗星の見え具合ですが、前半は継続してずっとテイルまで見えていました。もちろん、もうかなり淡くなっているので以前ほどのインパクトはないですが、はっきりとテイルの形は分かります。

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あ、今回はサイトロン社のCBP(Comet BandPass)フィルターをマウントアダプターの中に取り付けています。もともと彗星用と言うよりは星雲の青い部分を出したくて手に入れたのですがそちらは天気が悪くて全然試せてなく、せっかくなので遅ればせながら彗星にも使ってみました。 今回ははっきりと比較して比べたわけではないので詳しい評価は控えますが、それでも前日に他の方が撮影されたものや、同日撮影された画像と比較しても、高々電視観望ではっきりとテイルの形が分かったのはCBPのおかげかもしれません。

はっきりと見れていたのは21時くらいまででしょうか。だんだん雲が多くなってきて、この日は21時半頃には終了としました。きちんと数えたわけではないですが、結構人は入れ替わり立ち替わりで、全部合わせると30人は余裕で超えていたと思います。

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終わりの頃にはこんなに雲がかかってしまいました。

その一方、中継の最後の方から参加してテイルが見えなかった方もいましたし、後からコメントで中継に間に合わなかったとか、中継が終わってから誰もいない会議室を覗いてくれた方も(メールで誰か入ってきたのがわかるのですが)10人近くいました。まだ彗星を見てみたい方は少なからずいるようです。もし晴れるなら、もう一度くらい中継しようと思ったのが次の日の土曜日の朝です。


結局2日連続で中継、でも...

土曜日も朝からずっといい天気でした。でも夕方に近づくにつれ雲が出てきました。まだSCWとGPVでは予報は悪くありません。なのでまた雲も晴れると期待して、少し強引に中継を決めて再び18時くらいにTwitterでアナウンス。この日も「お子様、初心者大歓迎」と書いておきます。

もしかしたら天気が悪いかもと思い、機材を直前にベランダから庭に移しました。庭ならば、視界の限られるベランダと違い、全天を眺めることができます。もし彗星が見えなくても、せめて月とかでも見えたらと思っていました。低い光度は見えなくなりますが、彗星の高度もずいぶん上がっているので、前日の経験から、低い高度はもやで見えにくくなるので、そこまで遅くまで中継しなければ大丈夫でしょう。

19時半頃から中継を始めましたが、ずっと雲が出ています。金曜よりは人数は少なかったですが、この日は一般の方、もしくは初めましての方が多かったのが特徴でしょうか。でも実際に見えたのは、ほんの一瞬が2-3回といったところです。

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雲の切れ間の上の方、緑色の核とほんの少しテイルが分かります。

いちばん見えた時で写真よりほんの少しいいくらい、テイルが本当にかろうじてわかる、かなり厳しい状況でした。それでも見えて嬉しかったとお礼を言ってくれた方もいたので、少しだけほっとしています。

あ、一つ曇り空に花を添えたことを思い出しましたし。途中Stellariumで彗星の位置を確認していたら、Stellariumの上でISSが迫ってくるのに気づきました。すぐにカメラを少し右に寄せると、雲越しですが本当に時間通りに動いていくISSが見えました。これはちょっと面白かったです。

後半はずっと曇りで、最後は星好きが私も入れて4人残り、いつしかおしゃべりモードに。学生のnezumiさんが金沢で撮影している状況を中継してくれたり、結局23時過ぎまで話し込んでいました。

これもまたあるあるなのでしょうか、Zoom会議を終わるころには空は晴れ渡り、少しだけ白鳥座方向を電視観望で見てみると、月明かりの中北アメリカ星雲がよく見えました。右側に網状星雲も少しだけ見えていますが、月が明るすぎてせいぜいこれくらいでした。でもCPBのせいでQBPよりも青が出ているからでしょうか、見た目が自然の色に近い印象でした。

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まとめ

一応2日とも何とかネオワイズ彗星をテイルまで見ることはできました。でもあまり天気が良くはなく、見たかったけど見えなかった人もいるかと思います。でも月も満月に近づくので明るいし、今日は天気もあまり良くなさそう。もうネオワイズ彗星もほとんど終わりなのかと思います。

実を言うと、中継の準備はこの日だけでなくこの一週間、雨が降っている日以外は毎日準備していました。唯一木曜日に雲間からほんとに一瞬だけ見えた時がありました。

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映ったと言っても、薄い雲越しなのがわかると思います。そのまますぐに雲の中に隠れ、その日も中継は諦めました。天気には文句を言っても仕方ないですが、これだけの彗星が梅雨時でなかったらもっと盛り上がったのではないかと思います。

またそのうちに何か企画したいと思いますので、楽しみにしていてください。


おまけでStick PCの電源について

最後に、電視観望に平行して、別途Stick PCの電源テストをもう少しだけしました。

結論だけいうと、通常のUSB端子の電源供給ではたとえ起動することがあっても、計算負荷が高くなると落ちてしまい、実用レベルでは厳しいです。

具他的には、StellariumとSharpCapの極軸合わせを同時に立ち上げるくらいでだめになります。実際には立ち上げてからそこそこ持ちますが、特に一旦放っておいてモニターの電源が切れ、再び立ち上げようとするときに落ちるというのは、かなり再現性がありました。どうも使い続けている限りは大丈夫なようですが、復帰の時に電力を消費するのでしょうか?

昇圧するなどの方法もあるかもしれませんが、Less is moreのバッテリーの100W出力端子は不安定になるようなことは全くないので、しばらくはこれで使い続けようと思います。

 

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