ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 電視観望

FC-76のセカンドライトで電視観望を試してみました。

名古屋スターベースの閉店前に手に入れた
対物レンズが白濁しているFC-76。昼間にアイピースで景色を見て全く問題なさそうなので実戦投入を決意。夜に一度月でコントラストの低下を試してみたのですが、他の鏡筒と比べると少し落ちるものの、単体ではわからないくらいでした。

次の課題は星や星雲などを試すことです。どれくらい白濁が影響するのか?先ずは簡単に電視観望で見てみました。


機材、条件など

鏡筒: タカハシ FS-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + 旧フラットナー
架台: AZ-GTi(経緯台モード)
三脚: Gitzo GT3840Cをシステマティック化 + AZ-GTi用のハーフピラー 
センサー: ZWO ASI294MC Pro
フィルター: なし 
日時: 2019年6月1日、22時半頃から
場所: 富山市下大久保
月齢: 27.1
SQM: 19.05 

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FC-76本体より高くついたK-ASTECの鏡筒バンド、プレート、持ち手は快適そのもの。特に持ち手は、これくらいの大きさがあるとしっかりホールドして運ぶことができます。持ち手のところにつけたASI178MCでの電視ファインダーも、特に運搬に邪魔になるようなことはありません。水準器も上手い具合についたので、AZ-GTiの初期アランメントの水平出しも簡単で、今回も一発でベガが入りました。

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AZ-GTiだとカメラのケーブル一本だけの接続なのであいかわらず楽なもんです。FS-60CBより鏡筒は重くなっていますが、AZ-GTiで特に問題なく駆動することができました。


電視観望に適した焦点距離

これまで電視観望はFS-60CBを主に使ってきましたが、FC-76にした場合に一番大きく違うところは焦点距離です。FS-60CBは355mmでしたから、2倍を切るくらいの焦点距離になります。そのため小さいものはより大きく見えるのですが、大きいものが画面に入りきらなくなってきます。カメラはフォーサーズのASI294MC Proを使っているのですが、なかなかフルサイズで電視観望に適したものを探すのは大変ですし、むしろさらにセンサーサイズが小さくなる方が最初に試す場合などは現実的なのかと思います。

今回見た惑星状星雲のM57なんかはかなり小さいので焦点距離が長い方が有利なのです。一方、例えば今回も試したのですが、北アメリカ星雲は全体像が見えなくてよくわからなかったですし、M8ラグーン星雲でも結構いっぱいいっぱいでしょう。秋冬だとM31アンドロメダ銀河やM42すばるは全然入りきらず、M42オリオン大星雲は画面いっぱいに広がります。

こうやって考えると、電視観望で見せることのできるネタの結構な割合を落としかねないので、実は焦点距離600mmというのは、フォーサーズカメラでも電視観望にはすでに長すぎの感があります。必要ならレデューサーなどの併用を考えて、焦点距離を短くできるようにしておいた方がいいかもしれません。

また、焦点距離が長いということは鏡筒の長さも長いということを意味します。実際に動かしてみて気づいたのですが、M57が天頂近くに来た時に、鏡筒に取り付けたカメラが三脚に当たるということがありました。アラインメントを合わせなおしになってしまい、時間が勿体無いのでこれも注意が必要です。

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実際の観望の様子

この日は昼くらいからずっと曇っていて、22時頃から少し星が見えてきた程度です。夏の大三角はまあまあわかります。ここらへんの北東の一部の分を除いて、基本的に薄い雲がかかり透明度はかなり悪い方でした。例えば肉眼だと、南では木星は見えますが、アンタレスは時間によってなんとか分かるくらいで、さそり座の形はほとんど全くわからないというくらいです。西はほとんど星が見えなく、北も光害と雲でダメ、天頂近くにある北斗七星は形がわかるくらいでした。こんな状態なので、とりあえず見えそうなものだけを試してみることにします。

先ずはM57。2秒露光で、Live Stackしています。ほおっておくと3分経つと一からスタックするようにしていて、下の写真は2分20秒くらい経ったところで撮影しています。実際には最初の10秒、20秒くらいでノイズがどんどん落ちていくのがわかり、あとは見た目はほとんど変化ないです。

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透明度の割に思ったより綺麗に見えています。中心星も何とか見えているので、分解能もまずまずです。これまでの口径60mmから76mmに変わった効果が出ているようです。これだけ見えるなら、少なくとも電視観望レベルではレンズの白濁はあまり気にしなくていいのかと思います。

ちなみに、上の画面ではかなり拡大表示していて、実際の画角は下を見てもらえればわかります。M57はやはりかなり小さい印象です。ASI294MCの画素数が多いため、上の画面くらいまで拡大してもそこそこ見えるわけです。

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次はM27。結果だけ載せておきます。ちょっと淡いですね。

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ついでに三烈星雲です。かなり無理してかろうじて色が出た感じです。透明度が悪いのでまあこのくらいなのでしょう。
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まとめ

あまり空の様子は良くなかったのですが、M57を見ている限り今回の目的のレンズの白濁は電視観望くらいでは特に問題にならないレベルなのかと思います。ただ淡いのが出なかったので、空の透明度のせいでなく、もしかしたら白濁レンズのせいもあるかもというのがふと頭をよぎりました。もう少し空がいい状態の時に今一度試してみたいと思います。

今回は白濁の問題というよりも、FC-76の焦点距離の長さでいろいろ制限されてしまったような感じでした。FS-60CBの方が軽くて取り回しがいいし、より広角なので見える天体が増えて、電視観望に適しているのではないかということです。

むしろFC-76を撮影に使ってみたくなりました。新フラットナーのFC-76用のリングはもう買ってあるので、次は撮影を試してみようと思います。FS-60Q状態と焦点距離が同じなので、直接の比較ができそうです。これでもし白濁が問題になるようなら、白濁除去の方法を考えようと思います。


週末の金曜日、夕方から天気がだんだん良くなってきたので久しぶりに牛岳に向かいました。実際には自宅でラッキーイメージを試すのか迷っていたのですが、星仲間のかんたろうさんから電話で「どこか富山で星見スポットに行きましょう」とのことです。牛岳がもう雪もないと聞いているのと、Twitterで学生さんたちも観望会かもという情報もあったので、牛岳に向かうことが決定。夕食後午後8時頃に出発しました。

私は21時前に到着しましたが、この日は半月前の月が出ていたのでまだこの時間では明るすぎるのか、誰もいません。空は6割ほどが雲で覆われていたのと、少し眠かったので車で仮眠をとっていました。21時半を過ぎた頃でしょうか、起きてみると学生らしき人影が見えます。空もすっかり晴れ上がっています。「こんばんは」と挨拶をすると富山県立大の学生たちでした。 少し話していると、星を見始めて星座のことになったので、星座望遠鏡を渡してみました。星座望遠鏡のことは知らなかったようで、実際に見える星の数が増えるのが実感できたみたいで、すごく喜んでくれました。早速スマホで購入できるか調べていたみたいです。

下の方に歩いて降りていくと、いつもの県天のメンバーがすでに何人か撮影準備をしていました。Oさんと、Kさんです。OさんはOrionの結構大きい鏡筒でオメガ星団狙いだそうです。程なくしてかんたろうさんから電話があり「今着いた」とのことです。すぐ目の前の車の中から電話をかけていたみたいで、そのまま無事に落ち合うことができました。かんたろうさんは富山に引っ越してきたばかりなので、牛岳の場所もよく知らなくて、牛岳を最初宇奈月の方かと勘違いしていたそうです。いやいや、八尾の上ですと説明し、無事に到着。確かにこの場所も、知らないとたどり着くのは夜だと大変かもしれません。この日はY君も途中から到着。Y君は先々週もも牛岳に来たそうです。Y君もかんたろうさんも県天に入会しそうな雰囲気です。仲間が増えていくのは嬉しいことです。

再び上のエリアに行くと、県立大の学生の数が増えています。それでもこの時点でまだ10人くらい。すごいのはここからです。富山大の天文同好会の学生がどんどんやってきて、最終的に車10台ほど、総勢40人程の、多分新歓観望会でしょうか、すごい人数になっていました。県天のK会長も上に銀次を出して観望と撮影。私も牛岳にこんなに人が集まっているのは初めて見ました。

この日は月が沈むのが午前1時頃。私は次の日太陽の黒点を撮りたかったので早めに退散するために撮影は諦めて、この日は電視観望のみです。学生さんにも少し見てもらいたいと思い、導入がてら月から初めました。

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ここで実際の月と向きが違うと指摘され、適当にカメラをセットしたことがバレバレです。気を取り直して向きを整えます。それでも月を拡大すると大気の揺らぎも見えることにびっくりしていたみたいです。

次に獅子座の三つ子銀河。

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うーん、なぜか粗いです。どうやら細部が出ない感じ。ここで勘太郎さんからフィルターのせいではとの指摘。と言うわけで常時つけていたQBPを外したらきれいに出ました。きれいに出た画面を撮り忘れてしまったのですが、どうも系外銀河などはQBPでは情報を落とすことがあるのかもしれません。恒星の集まりと考えたら白色光に近いので、正しい気もします。と言うわけで、これ以降はQBP無しでの電視観望です。QBP無しの三つ子銀河を学生たちに見せたら「実は今日これが見たかったんです。でも望遠鏡で見てたんですがなかなか見えなくて。こんなにきれいに見えるんですね。見れて良かったです。」と、いたく喜ばれました。その中の一人と話していると、なんと出身地が同じで中学校も同じ、小学校は隣だと判明しました。世間は広いようで狭いです。でも私が中学校にいたのはもう30年も昔のこと。今の大学生が中学にいたのはわずか5年ほと前なので、もうずいぶん様変わりしているはずです。それでも地物とのあの地域のガラの悪さはいまだに変わらないみたいで、妙に意気投合してししまいました。

もう一つQBPで面白かったのが、QBPを外してから月を見たときです。明らかに締まりがなくなっています。眠い感じです。もしかしたら明るいものはQBPを入れることでコントラストを上げるとかの効果を期待できるかもしれません。いずれ検証したいと思います。

他に見たのはM51子持ち銀河です。スタックさえしてしまえば結構きれいに見えます。これも学生たちに見せたら感激してくれていたようです。学生の中には大学に入ってから天文を始める人もたくさんいます。銀河を見たことがないことも多いので、やはりインパクトがあるようです。でも、4年生クラスでも電視観望を見たことがある学生はいなかったので「いやー、楽しいですねえー!」と電視観望の楽しさが少し伝わったみたいで嬉しかったです。

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あと、見たのはM13とかくらいでしょうか。意外にダラダラと話しながらなので、観望というよりは雰囲気を楽しんだ感じでした。

再び下に降りると、県天のYamayoさんも来ていて、さらにSさんも到着。Y君も撮影を始めていて、アンタレス狙いだそうです。かんたろうさんと私はオメガ星団観察。かんたろうさんは星景写真にオメガ星団を入れて、私は双眼鏡で。でも双眼鏡は自分で導入できず。かんたろうさんに入れてもらいました。流石に40mmの双眼鏡だとボヤーっと薄く、導入してもらってど真ん中だと言われてやっとわかりました。自分だと全然導入できないはずです。Oさんの撮影したオメガ星団も見せてもらいました。この日は低空の透明度が良く、オメガ星団が狙い目だったようです。かく言う私も、オメガ星団を見たのは生まれて初めてで、最大の球状星団の姿を楽しむことができました。いつか撮影してみたいと思います。

ここではYamayoさんの導入トラブルをかんたろうさんが解決。YamayoさんはタカハシのEM11をINDI経由で操作しています。LX200モードをタカハシで対応するうように内部で変換させているらしいのですが、自動導入時鏡筒がどうしても反対方向に行ってしまうとのこと。以前はうまくいっていたとのことですが、私が「もしかして何かバージョンアップしたのでは?」と聞いてみるとINDIをちょっと前にアップデートしたとのこと。もしかしたらそこで変わったのかもしれません。結局かんたろうさんの指摘で、初期位置の違いが決め手でした。タカハシの初期位置の鏡筒を天頂に向けるのではなく、Celestronのようなシンタ系のように鏡筒を極軸側に向けることで解決。さすがかんたろうさん、以前赤道儀の水平出しで議論して色々教えてくれたように、経験豊富です。

午前1時位に、再び上にあがるともう富山大の大所帯は退散していて、再び静かになっていました。途中K会長の知り合いで八尾に住んでいると言う女性の方が二人きて、片付けがてら少し話していました。最後、県立大の学生と少し話して、私も今日は早めに退散です。

でもこの日、自宅に着いて改めて思ったのですが、ものすごく透明度が良くて、しかもほとんど星の瞬きもないくらいシーイングが良さそうでした。なんと街中なのに低空の星がきちんと見えています。あー、やっぱり撮影しておけば良かったかなと少し後悔したのですが、次の日太陽がきちんと撮影できたので、まあ良しとします。


先週土曜に引き続き、今日も富山市科学博物館の観望会に参加してきました。いやあ、とても楽しかったです。やはり観望会はいろんな人との交流のきっかけになるので、星趣味の中では撮影とか機材ネタに並んで、結構な楽しみの一つです。


今日は朝から雨。先週撮ったM42の画像処理をしながらGPVを見ていると、ちょうど夕方から雨雲が全部関東方面に行ってしまうみたいです。上弦の月は超えているので、撮影するにはやはり明るすぎる月です。結局、今週も観望会に参加することに決めました。

機材の準備をして、夕方17時くらいからくら寿司で家族と待ち合わせ。今回は私一人の観望会参加なので、適当にお腹が膨ふくれたら、18時前にはそのまま一人だけ科学博物館に向かいました。

現場に着くと先週と同じように、MEADEの25cmとタカハシのFS-78、大型双眼鏡がすでに出ています。県天のメンバーも何人か機材を出していました。私の機材も先週とほぼ同じで、FS-60CB+ASI294MC ProをAZ-GTiに載せて電視観望。さらにSCOPETECHを子供達に自由に触ってもらいました。今日の観望会のテーマは月ということです。見やすいように双眼鏡も一つ三脚に載せて出しましたが、月が天頂付近にあり、体勢的にかなり見にく、結局双眼鏡では赤い火星やスバルなどを導入して見てもらいました。

電視観望ですが、最初のうちはテーマの月を導入。SCOPETECHも子供達に自分で月を導入してもらいます。そのうちオリオン座を星座望遠鏡で見比べながら、電視観望でM42を見たりもしました。今回は新/旧WideBino28、星座望遠鏡の2眼/単眼に加え、昨年の「星もと」で購入したcokinの手作りの星座望遠鏡をもう一つ追加して、5台体制で星を見てもらいました。相変わらず星座望遠鏡の類は大人気です。特にcokinのは径が大きいので見やすく、ピントを合わせる機構がないのが逆にシンプルで一番人気でした。

天リフさんとあっかさんに言われたように、「これどこで手に入りますか?」と聞かれた時には、今回はAmazonで売っていますときちんと答えました。多分先週も北方だと思うのですが、「東京のKYOEIというところで売っていますか?」と聞いてくる方もいたので、「多分在庫あると思います。」と答えたものもありましたが、「Amazonの方が楽ですよ」と付け加えておきました。でも私がWideBino28を買ったのも東京のKYOEIなんですよね。こういったやりとりで、先週から続けてきている方が何人かいることもわかりました。この観望会は昨年11月から続けているらしいのですが、常連の方がすでにできているようです。

今週面白かったことの一つは、SCOPETECHで頑張って月の写真を撮っていた小学4年生の男の子でしょう。子供も何人かいいたので随時SCOPETECHで自分で導入してもらっていたのですが、一人コンデジを持っている子がいて「よかったら写真撮ってみる?」とか聞くと、自分で月を導入してカメラをアイピースに近づけて頑張って撮ろうとしていました。でもオート露光とオートフォーカスが邪魔をしてなかなか上手く撮ることができません。科学博物館の学芸員の方が親切にマニュアル露光のことを説明しながら、もうずーっと、多分30分以上ですが、ひたすら月を撮影していました。最後の最後にクレーターも含めて綺麗に撮れていたので、とても喜んでいたみたいです。

もう一人面白い女の子がいました。途中からどこかかから「英語、英語!」と声が聞こえてきたので、どうやら外国から来たみたいです。私も近づいていき話してみました。トラベジウムが導入されているMEADEの説明がなかなか通じなかったみたいで、それをきっかけに色々話してみました。中国から来たという若い女の子で、一人旅だそうです。今回日本に初めて来て、昨日は金沢を周り、電車でたまたま綺麗に見えた富山に降りて、そのままホテルをとって、今回の観望会に参加したそうです。

今日は透明度がすごく良くて、年に何日かのレベルの立山がものすごく綺麗に見えました。その子もちょうど夕日に染まった立山を見たようで「ピンク色に染まった立山がすごく綺麗だった」とか言っていました。「今日は本当に珍しいくらい山が綺麗だったよ」とか話すとすごく喜んでいて、英語でキャーキャー言っていました。

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星座望遠鏡で見ている右側の女の子が中国からたまたま来てくれた子。
中央の白いSCOPETECH鏡筒の所に座り込んでいる男の子が、ずっと月を撮影していた子です。
机の左の青い鏡筒で電視観望、机の上のPCで見ています。
机の上には星座望遠鏡がたくさん転がっています。 

その子は、月をカメラで撮影している男の子にも興味があるみたいで、何をしているか説明してあげると感心していたみたいです。

その女の子が星雲も見たいというので、電視観望でまたM42を見たり、最後の方ではバラ星雲や馬頭星雲と燃える木をみました。他のお客さんも含めて、星雲を初めて見たという方も何人かいて、結構盛り上がりました。スバルも入れたのですが、流石にこの街中でメローペまで見ることはできませんでした。獅子座のトリプレットも見ようとしたのですが、まだ高度が低いせいかあまり銀河と認識できませんでした。

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その女の子には最後の片付けまで手伝ってもらいました。明日が日本で最後の日で富山を観光するということなので、楽しい思い出を作ってもらえたらと思います。でもあいにく観光のメッカの立山方面はまだ雪のために行くことができません。黒部のことも聞かれましたが、トロッコ電車もまだだと思います。富山の冬の観光は車がないと難しいですね。

最後は科学博物館の機材の片付けも手伝って、少し職員さんたちと話してから帰宅しました。昨日の天気もダメ、今日は夕方から晴れましたが、多分明日もダメです。たまたま観望会の時間だけ晴れたようなもので、とても充実していました。また時間がある時に参加したいと思います。


明けましておめでとうございます。2019年は忙しそうなのですが、それでもできる限り趣味としての星も楽しみたいと思っています。今年もよろしくお願いいたします。

さて年末年始ですが、実家の名古屋に家族と一緒に帰っていました。天気は良かったのですが、さすがの光害地でのまじめな撮影は結構大変そうです。そんな中、1月2日の夕方17時半くらいから、名城公園という、その名の通り名古屋城が見える公園で電視観望を試してみました。


明るすぎる場所

名城公園といってもかなり広いのですが、ちょっと前にスターバックスとか、イタリアンレストラン、コンビニを含むおしゃれな一角ができて、昨年の年始もスーパームーンの時にここでみていました。2階に上がるテラスみたいなところもあるので、今年はこの2階部分にあがって機材を出してみました。

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名古屋城がきれいに見えています。

地下鉄の駅から近く、休日には道路沿いに車を駐車することもできるので、機材を運ぶのも簡単です。食事やコンビニで買い物もできるし、近くにトイレもあるしで、とても便利な場所で、雰囲気もいいので人が集まって観望会をするならかなりいい場所になると思うのですが...

ただし、光害という観点からいうと、相当酷いところになります。名古屋の方はよく知っていると思いますが、名城公園は名古屋最大の繁華街の栄からほど近く、とにかく明るいです。公園内も安全のためか街灯がいたるところにあり、またスターバックスとレストランの明かりも煌々としています。でも今回はそんな光害のある街中で電視観望がどこまでできるかを見極めたいというのが目的です。

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奥の階段の上に機材を出しました。


機材など

鏡筒: タカハシ FS-60CB (口径60mm, 焦点距離355mm) + 旧フラットナー
経緯台:AZ-GTi
センサー: ZWO ASI294MC
フィルター: サイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
日時: 2019年1月2日、18時頃から
場所: 名古屋市名城公園
月齢: 26.1


名古屋での天文仲間

実はその日の午後くらいに、Twitterに名古屋で観望会やりますと投稿しておいたら、やくもふさんが機材を持って参加しますとの反応がありました。機材を出し終えた18時すぎくらいでしょうか、やくもふさんが到着、さらに同僚のKさんもしばらくして到着、楽しい観望会となりました。

やくもふさんもつい最近AZ-GTiを購入したとかで、それにVixenのED70SSとx0.5のレデューサにASI385MCをのせての電視観望です。今回、フィルターはIDAS LPS-P2を使っているそうです。やくもふさんは一年前の帰省の時に名古屋の天文ショップスコーピオでお会いした方で、このブログもよく見てくれている方です。話を聞くと、地元のN大の天文部出身で、就職してからはしばらく天文から遠ざかっていて、2年ほど前に復帰されたとか。最初はアイピースでの観望だけに抑えようとしていたとのことですが、アイピースだけだと飽きてしまうのと、物欲には抗えなくて機材がどんどん増えているようです。まあ、マニアはどこも似たような状況ですね。N大天文部つながりで、結構共通の知り合いの方もいました。中でも私の高校の同じクラスで、高校当時から天文部だったSN女史は、大学時代やくもふさんの2年上くらいの先輩にあたり、大学天文部では車で連れまわされていたそうです。SNさん当時は天文雑誌によく載っていたようなのですが、もう天文やっていないのでしょうか?と、こんな話で大盛り上がりでした。

一方、やくもふさんに誘われてきたというKさんは天文というよりはカメラが好きなようで、ずっとお城や我々の観望風景を撮影してくれていました。なんでも版画をやっている芸術家のような方で、私の周りにはあまりいないタイプの方なので面白かったです。最近やくもふさんにちょくちょく誘われ星を見ておおはしゃぎしているとのことですが、天文機材はハマりそうなので買わないと言っていました。でもいつまでその決心が続くことやら。今度会った時はすごい機材を見せてくれそうな気もします。

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今日のゲストのやくもふさんとKさんです。
ASI385MCでもM42が綺麗に見えます。


光害地での電視観望


Fさんが到着した頃に最初に入れた天頂付近のM31アンドロメダ銀河です。Quad Band Passフィルーターが入っていると思い込んでいたのですが、そういえば年末に取り外していたことを後から気づきました。なので、なんのフィルターも入っていない状態です。流石にこの光害では相当あぶり出す必要があるため、階調が厳しいですが、それでも暗黒帯も少しですが見えています。

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続いて、M42オリオン大星雲です。これもQBPフィルターなしです。

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ちなみにどれくらいの光害地かというと、街灯があるとオリオン座の3つ星が全然見えなくて、街灯を手で隠してやっと三つ星が見えるくらいなので、まあ酷いところと言えるでしょう。こんな中でこれくらい見えるのだから、まあ十分ではないでしょうか。

ここで、QBPフィルルターが入っていないことに気づいて、フィルターを取り付けました。それが下の写真になります。

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赤がよく見えるようになるのはいいのですが、四隅のカブリがなぜか出てしまうのと、下半分にさらに明るい被りが出てしまいます。少なくとも四隅の被りはQBPが原因かと思います。QBPはちょっと癖があるみたいなので、露光時間とゲインを固定してしまって、リアルタイムのフラット補正をしてしまった方がいいのかもしれません。

本当はもっといろんなパラメーターも試したかったのですが、昼間の晴れから一変、意外に夕方から雲が多くて、これらの電視観望も雲の合間に短時間であぶりだしたものが多いです。時間的にも7、8割は雲のために観望というよりは喋っていた気がします。

ちょうどこの頃に家族がきて、実家の母もM42をリアルタイムで観ていきました。星雲は初めて観たというので驚いていました。というよりも、星雲というものがあること自体初めて知ったようです。家族はそのままイタリアンレストランで食事です。私は注文したものが出てきた時に呼ばれて、時間が勿体無いのでピザ何枚かだけ食べてまたすぐに外に出ていきました。

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食べてる途中の写真で申し訳ありません。
富山だとあまりないような、おしゃれなところでした。

途中、何人かの一般の方が興味を持ってくれましたが、雲がかかっている時間が多く、その場で星雲を見せることはできませんでした。それでも先に写した写真を見せると、「こんなのが見えるんだ!」というように驚いてくれました。

ここから少し淡い天体です。まずはバラ星雲。

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被りはM42の時と同じ傾向ですが、まあ名古屋の真ん中でバラ星雲が形だけでもよくこれだけ見えるなと。これは確実にQBPの威力です。フィルター無しだと富山の自宅でもこれだけ見るのは大変です。もちろん階調はさすがに厳しいですが。ちなみに、上の写真で3.2秒露光で11回スタックしていますが、一発目から形もなんとかわかるくらいに見ることができます。

続いて馬頭星雲と燃える木です。こちらは思ったよりはっきり出ました。富山の自宅で見たよりもはっきり見えます。QBPの得意な対象なのかもしれません。

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最後はモンキー星雲です。相当無理してあぶりだしていますが、存在はわかります。

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カブリの問題など、まだ改善の余地はありそうですが、こんな都会のほぼど真ん中でこれだけ見えるのはある意味驚異的と言ってもいいかもしれません。QBPは撮影だけでなく、電視観望においても相当強力と言えると思います。露光時間も1.6秒とか3.2秒をスタックしているくらいなので、QBPを入れたからと言ってたいして長くなるわけでもありません。やくもふさんのASI385MCにIDAS LPS-P2でも同じような見え具合でした。感度のいいCMOSカメラと光害カットフィルターでの電視観望というのも、酷い光害地では観望会の可能性を広げてくれそうです。

23時頃でしょうか、一時期少しましになった雲も再びたくさん出てきました。ここら辺で解散となりました。それにしても楽しかったー。同じ趣味の仲間なので、多少天気が悪くてもものすごく盛り上がります。北陸での星不足が久しぶりに解消されました。またいつかやりたいと思います。




 

仕事が忙しいのと、せっかく時間ができても全然天気が良くならないので、いままで書きかけていた大量のボツ記事を少し書き加えて公開しようと思います。

今回は電視観望をするときに適したカメラ選びという観点で、これまでの経験から比較検討してみようと思います。これから電視観望を始めてみたいという方の参考になればと思います。

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なお、今回載せたものはあくまで自分でよく触ったもの、近くで見ていたもの、もしくは評判をよく聞いていたものばかりです。これ以外にも電視観望に適したカメラは私が知らないだけで、たくさん存在するでしょうし、電視観望という用途以外ではもっといろんな選択肢があるということはいうまでもありません。この点ご注意ください。


まずは通常のスペックです。それでもカメラメーカーのところには普通はSNR1sのことはほとんど触れられていません。SONY独自の値ですが、電視観望にはこのSNR1sは、いかに暗い天体を制限された時間内に映し出すという意味で、非常に重要になります。

あと、基本事項としてですが、撮影では重要なファクターになる「冷却」は電視観望にはほとんど必要ありません。手軽さも性能の一つと考えると、電力、ケーブル取り回し、重量などから、冷却にかけるコストほどメリットが得られないと考えています。なので冷却モデルは今回は考慮に入れていません。


電視観望のためのカメラ比較

CameraセンサーTypeサイズ [mm] 画素数1素子サイズ [um] SNR1sbit価格
ASI224MCIMX2241/3"4.9x3.71304x9763.750.13lx123.0万
ASI385MCIMX3851/1.9"7.3x4.11936x10963.750.13lx124.4万
ASI294MCIMX2944/3"19.1x13.04144x28224.60.14lx149.5万
ASI290MCIMX2901/3"5.6x3.21936x10962.90.23lx123.6万
ASI290MMIMX2901/3"5.6x3.21936x10962.90.23lx124.8万
ASI178MCIMX1781/1.8"7.4x5.03096x20802.40.46lx144.4万
ASI183MCIMX1831"13.2x8.85496x36722.4?126.5万
Revolution ImagerICX8111/3"4.8x3.6976x5825.0??4.0万
SV105OV27101/2.7"5.9x3.31920x10803.0?100.7万

* 価格は2018年11月20日現在の天体ショップでの典型的な税抜き価格、ただしSV105はAmazonなど。

SNR1sの値が小さいほど電視観望に向いていると言ってしまってもいいくらいかと思います。一番SNR1sのいいASI224MCでさえ、まだ暗いと思っているので、まだまだ電視観望は発展途上の技術と言えます。表を見ると、SNR1sはセンサーの1素子のサイズにだいたい反比例することがわかると思います。なのでRevolution ImagerはSNR1sの値が公表されてないとはいえ、暗い天体に有利なはずで、電視観望用のカメラとしてはうまく選んでいるのかと思います。


用途など

Camera焦点距離用途使ったことがある自分で持っている参照記事
ASI224MC150-600mm星雲、星団参照記事
ASI385MC200-1200mm星雲、星団××
ASI294MC400-2000mm星雲、星団、天の川参照記事
ASI290MC200-800mm星雲、星団××
ASI290MM200-800mm太陽参照記事
ASI178MC300-600mm参照記事
ASI183MC400-1200mm星雲、星団×参照記事
Revolution Imager200-800mm星雲、星団参照記事
SV105200-800mm月、惑星×参照記事


用途と適した焦点距離は、私の経験から独断と偏見で書いてあります。基準はM31アンドロメダ銀河の全景が見えるのが最小、自動導入で困らないくらいの範囲でM57が程よく見えるのが最大の焦点距離です。手持ちの鏡筒がこの範囲に入っていればとりあえず使うことができると思います。

もし手持ちの鏡筒の焦点距離がこんなに短くないという場合には、Revolution Imagerに付属するような0.5倍のレデューサをつけると、倍の焦点距離で同じ視野角になるので、焦点距離の短い鏡筒の代わりになります。例えば、Revolution Imagerなら400-1600mm程度の焦点距離でも使えるようになります。ただし、星像は乱れるので注意が必要です。


メリット、デメリットなど
Cameraメリットデメリット
ASI224MC感度良、安価、電視観望入門向き、惑星撮影にも使えるセンサー面積小、導入が大変
ASI385MC感度良、面積中、コストパフォーマンスいい
ASI294MC感度良、面積大、高解像度、性能だけで見るとこれがベスト、広角レンズで天の川なども値段が高い
ASI290MC感度良、電視観望入門向き、モノクロ版とセットで持つと惑星撮影で良センサー面積小、導入が大変、値段が224MCより少し高く、SNR1sは少し劣る
ASI290MM太陽電視観望にはこれ、太陽撮影や惑星撮影にはベストかモノクロ
ASI178MC高解像度、月の電視観望にはこれ感度低い、星雲には向かない
ASI183MC面積大、高解像度、ビニングが使える感度低い
Revolution ImagerPC無しで手軽に電視観望ができる、モニターなど一式込みでトータルでは相当安価、カメラでスタックできるので星雲などもOKアナログ信号
SV105ひたすら安価露光時間が500msに制限されるため星雲は向かない、月や惑星なら可


ASI294の焦点距離は、カメラレンズアダプターとカメラレンズを使うと、広角なセンサーを利用して天の川などの星景、星野を見るのにも適しています。もちろんASI224MCなどの小さいセンサーでも、より焦点距離の短いCSマウントレンズなどを使って天の川を見ることもできますが、淡い星を見るという観点から行くと、広角センサーで「焦点距離の長いレンズを使う」方が迫力があります。コントラストは眼視の場合は倍率、カメラを使った場合には焦点距離だけで決まってしまうからです。


以下、それぞれについてコメントです。
  • ASI224MC、ASI385MC、ASI294MCに関しては感度の観点からはベストに近くて、これ以上を求めるのは現時点では難しいと思います。唯一可能性のあるのが同じSONYの一眼レフカメラのα7S系です。あれはお化けセンサーで、カメラ単体で電視観望をするならベストかと思いますが、今のところ単体でのセンサーの仕様は公表されていませんし、PCに取り入れてSharpCapでスタックとかになると、一部可能になりそうな動きはありますが、まだちょっと大変です。
  • ASI385MCは実際には触ったことはないですが、周りの評判を聞いている限りは感度も良く、入門機としても相当こなれている印象です。
  • ASI224MCは入門機としては安価でいいですが、センサー面積の小ささから天体の導入に苦労するかもしれません。そういった観点からはASI294MCは16倍の面積を見ることができるので、導入は相当楽になりますし、画素数もPCの解像度よりはるかにいいので、多少PC上で拡大しても画面が破綻することなく、広角から狭角まで幅広く対応できて使いやすいです。値段さえ気にしなければこれがベストでしょう。
  • ASI290MCは実際に使ったことがないのでわからないのですが、聞いている限り評判は悪くないですし、ASI290MMはモノクロということもあり、太陽の電視観望、撮影では遺憾無く性能を発揮したこともあり、惑星撮影まで視野に入れるなら、カラーモノクロ合わせて持っておくのもいいのかもしれません。
  • 私自身は短時間しか使っていないのですが、ASI83MCはその高解像度から特にビニングを利用するとよく見えますし、使い方によっては電視観望にも向いているカメラと言えると思います。
  • Revoluition Imagerは計算機を使わない電視観望としては数少ない有力な選択肢だと思います。PCを使わないので手軽で、観望会などでも使いやすいと思います。アナログ出力なので多少ノイズが多いですが、カメラ単体でスタック機能を持っていて、ノイズ軽減ができるのは特筆すべきでしょう。今回、改めて素子の大きさを認識することができました。根本的に感度のいいカメラなのかと思います。
  • SVBONYのSV105はブログのコメントに質問があり、星まつりで少し触らせていただいたので載せておきました。ただやはり500ミリ秒までの露光時間しか取れないところが決定的な欠点だと思います。値段が7千円程度と他と比べても格段に敷居が低いので、これでうまく使えたらと思ったのですが、星雲星団はよほどうまく使わないと厳しいかと思います。現時点では月、惑星などの明るい天体がオススメです。

こうやってみて、コストパフォーマンス、手軽さ、性能と比べると、(自分では使ったことはないですが)ASI385MCがベストバイでしょうか。次点がASI294MCとASI224MCですが、これらは高価高性能、お手軽入門用とベクトルが逆方向です。

以上参考になりましたでしょうか。自分自身のまとめも兼ねているのですが、個人で見ている機種に限りもあるのでここらへんが限界です。他にもQHYCCD社のカメラも同じセンサーを使っているものは同程度の性能があるかと思われます。面白い情報などありましたら、またコメントなどでおしらせください。



古スコ電視観望シリーズ、スーパーチビテレに続き、今回胎内で手に入れたファミスコで電視観望を試してみました。

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昔のプラスチック鏡筒なりの問題点もわかりました。
  • まず、前回対物レンズからCMOSカメラまでの距離が足りなかったので合焦しなかった件ですが、手持ちの機材を漁ったらT2の延長筒を発見しました。どこで手に入れたのか全く記憶にないのですが、もしかしたら一番最初のBKP200の付属品かもしれません。これを鏡筒とカメラの間に入れることで合焦するようになりました。
  • CMOSカメラの取り付けはT2ねじなのですが、回転位置を調整することができません。ネジ山の切り方で締め付けた時の位置が決まってしまいます。
  • 基本的にプラスチックなので、ネジをあまり強く締めることができません。アルカスイス互換プレートをつけましたが、一応金属の雌ネジが埋め込まれてるようですが、少し怖いのであまり強く締め付けませんでした。アルカプレートをつける位置が随分と対物レンズから離れているため、重心バランスが取れずに対物側が重くなってしまい、ネジをきつく締めていないこともあり、頭が垂れていってしまいました。ネジをもう少し締めてなんとか固定しましたが、やはりちょっと怖いです。
  • ピントは指摘されている通りものすごく合わせにくいです。鏡筒の対物レンズ側を回転させて伸び縮みさせるのですが、なめらかではないのでなかなか思った位置に止めることができず、微調整が難しいです。

ファミスコは最近稼働率が高いAZ-GTiにマウントしています。今日は最近はまっていた赤道儀モードと違って、電視観望なので簡単に経緯台モードでの稼働です。ファームウェアを赤道儀も対応するものに書き換えたので、経緯台モードでは鏡筒の向きが以前と前後逆になって、AZ-GTiがL字に見える方向から見て、手前側が対物側、奥側が接眼側になります。

さてこんな状態で、期待しながらまずは月を見てみます。鏡筒はプラスチックでもレンズは期待できるはずです。

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赤い鏡筒にはZWOの赤カンがよく似合います。

あれ?なんか画面が眠いぞ。もっとはっきりしてくれてもいいはずなのに。

さらにM57。ナンジャコリャ、全然星が点にならない。四隅どころか、画面のど真ん中でもぜんぶの星が十字型です。

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あれ、確かファミスコって値段や作りの割に、見え味はそこそこという評判だったのでは?
  • ファミスコは確かハレー彗星の年なので、1986年くらいのはず。スーパーチビテレは記録によると1980年発売。設計はファミスコ の方が新しい。
  • 値段はスーパーチビテレが 広告の値段で36800円とか。ファミスコが1万円程度とか、6千円くらいだったとか、特価で3千円だったとかなので、値段だけ見たらスーパーチビテレの方がはるかに高級機です。
  • スーパーチビテレの方が短焦点なので多少不利か?
と色々考えると、もう少しファミスコが検討してくれても良さそうです。スーパーチビテレも四隅は厳しかったのですが、中心はまだはるかにマシでした。結果としてはスーバーチビテレの方が圧勝です。もしかしてこのファミスコ単体の問題なのでしょうか?

少しだけ検証すると、今回見えたのは内外像で星像が縦方向から横方向に伸びていく様子で、非点収差の典型だと思われます。非点収差の原因はレンズのそのものか、レンズに無理に力を加えて固定しているために歪んでしまっていることが原因のようです。前者は手が出ないのですが、後者は少し手を出す余地がありそうです。そうは言ってもファミスコの対物レンズは完全にプラスチック部分に接着されてしまっているので、分解するためには鏡筒部を一部破壊するしかないようです。何かいい手はないものか?もう少し考えてみます。


今回、私にとってある意味伝説のような2機種を見て比較することはできました。でも色々考えされられました。単に古いものへの憧れだけで、安易にスーパーチビテレとファミスコを手に入れて、念願だった実際の星を覗きましたが、昔の人たちは本当に苦労していたのだと。いい機材を心底切望していた気持ちがよくわかった気がします。いかに、現代のごくごく普通の入門機でさえも、きちんと星が星として見えるようになったのかを実感できます。

もちろんあの時代にもきちんと見える鏡筒は存在したと思います。でも当時の多くの天文少年にとって、それらは本当に高嶺の花だったことでしょう。時代の進歩は素晴らしいと思います。技術がきちんと一般化していって、普通の人が、普通に星を見ることができる望遠鏡を、無理することない価格で手に入れることができます。

昔の郷愁に想いを馳せて、技術の進んだ現代に生きていることを感謝して、また空を見ていこうと思います。

久しぶりの晴れで、先日小海の星フェスで手に入れたスーパーチビテレ60がどう見えるのか、いてもたってもいられなくて早速試してみました。

そもそも口径60mm、焦点距離260mmの名前の通り小さな望遠鏡です。とにかく電視観望ができるかどうか試したくて、アイピースで見ることなんかはこれっぽっちも考えずに、早速CMOSカメラを取り付けます。知りたいことは電視観望でこの時代の鏡筒が使い物になるかどうかです。スパーチビテレにはVixenの31.7mm変換アダプターがそのまま取り付けられるので、CMOSカメラも差し込めるようになります。

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超コンパクトシステム。昭和と現代が混ざったような様相です。

自動導入があると楽なのでAZ-GTiに載せるために、いつもの常套手段で手持ちのVixen規格のアリガタにアルカスイス互換のマウントを組み合わせます。鏡筒側にはアルカスイス互換のプレートをつけて、取り外しが楽なようにします。途中のアルカスイス互換パーツが少し余分ですが、アリガタから鏡筒まで適度な高さが出るのでAZ-GTiで駆動しても三脚にCMOSカメラとかが当たらなくなります。

焦点距離が短いので、最初はセンサー面積の小さいASI224MCで試しました。スーパーチビテレ単体の鏡筒では合焦せず、接眼側に長短の延長筒2本をつけて合焦まで持っていくことができました。センサーが小さいのでアライメント時の導入に多少苦労します。1スターアラインメントの後、まず簡単に月を見ましたが、いまいち像が甘い?ピントのせいだけではなさそうです。なんか期待できるかもしれません。

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続いていつものM57。200%と、結構拡大した状態になっています。

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うーん、意外や意外、中心付近の拡大では結構まともに見えてしまいます。でもよく見ると中心近くでも星が丸くなりません。ピント調整で星像を一番小さくしても、どうしても縦長か横長になってしまいます。旧御三家に対する評価の一端を見た気がします。

下はセンサー面積が16倍(縦横4倍)に相当するASI294MCで撮ったものです。

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中心部分の歪みも多少わかってしまいますが、四隅は相当な歪みがあります。ザイデル5収差でいうと同心円状に広がる非点収差と、四隅が放射状に広がっている歪曲収差が盛大に出ています。像面湾曲も四隅でピントが合っていないので出ていることがわかります。月の解像度がなく、眠い見え方をしているのは球面収差ですね。コマ収差は大したことないようにみえます。こうやってみると中心付近だけを見るようなASI224MCでの電視ならばそこそこ実用的かと思います。


下は同じくASI294MCでM27。中心付近の拡大ならそこそこ見えます。

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全体図です。M57の全体図と同様の傾向です。

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最後に、すばるは6秒露光ですが、少し流れてしまっています。星間分子雲がごくわずか写っていますが、自宅で透明度もそこまでよくないのでこんなもんでしょう。青ハロも盛大に出ているので色収差も当然ありそうです。

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平日の短時間でしたが、もう十分に堪能できました。スーパーチビテレの評価ですが、昔の噂に恥じない、最近の鏡筒ではあまり無いような見え味の鏡筒です。これは見る価値が十分にありました。現在市販されているごくごく普通の鏡筒とどれくらい違うのかと、ずっと疑問に思っていたのですが、その疑問に見事に答えてくれました。民生望遠鏡の黎明期に、より安価に天文の裾野を広げる役割を担った旧御三家。技術的にはもちろん未熟なところはあったかもしれませんが、これらの望遠鏡に(厳しく)育てられたアマチュア天文家は相当数いるのではと思います。その時代からの進歩を考えると、今の望遠鏡の見え味は技術が広く一般化されたことの証と言えるでしょう。この時代のものは見え方はどうあれ、今となっては貴重な資料と言えます。大事に大事にしたいと思います。


蛇足ですが、もう一つ、胎内で手に入れたファミスコ赤バージョンも試してみました。ファミスコにはT2ネジが切ってあるので、ASIカメラを直接取り付けることができます。ですが、ASIカメラの直焦では残念ながら合焦しませんでした。対物レンズからの距離がもう少し必要です。T2のオスメスネジが切ってあるような延長筒を手に入れる、T2から31.7mmのアイピース口に変換するようなアダプターが必要です。

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最後にまとめですが、これが言いたくて今回試してみました。古くて眠っている望遠鏡も、視野を絞った電視観望ならばそこまでの精度を求めないので、再利用することができます。なんたってあのスリービーチでも大丈夫なのですから。皆さんも倉庫の奥に眠っている鏡筒でぜひ一度試してみてください。


惜しむらくは、こんなスーパーチビテレやファミスコを一般の観望会で使ったとしても、おそらく誰もその価値をわかってくれないことでしょうか。

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週末の金曜日、昼間晴れていたので今日は撮影日かと期待したのですが、自宅に着いた頃にはうっすら雲が空一面にかかっていてぼやぼやの星が見えるのみ。明日は立山の弥陀ヶ原でスターウォッチングのお手伝いなので無理はすまいと諦めたのですが、22時頃に空を見ると一部に雲はあるものの、雲がないところはすごい透明度。ただ、月が午前1時前には出てくるようなので撮影は諦め、前回に引き続きまたお気軽電視観望と相成りました。三脚の上の自由雲台にCMOSカメラとレンズを取り付けただけの、赤道儀の経緯台もない、本当に超お手軽観望です。

ところで前回の記事ですが、完全にポカをやらかしました。NIKKORのオールドレンズはよく似たものを2本持っていて、50mm F1.435mm F1.8です。前回50mmのレンズでと書いていましたが、使っていたのは実は35mm。今回もてっきり50mmと思って使っていたのですが、片付けるときに明るい自宅に入ってやっと35mmだったと気づきました。というわけで前回の記事も書きなおしておきました。

まずは動画です。前回と違い月が出ていないので、多少光害地の自宅ですが暗い空を楽しめます。ターゲットはほぼ同じで、スバルからアンドロメダ、木の上の雲を見て、最後は北アメリカあたりです。でもやはり低空の明るさは避けられませんね。


前回と見比べると、月明かりがない分多少暗いところも炙り出せるので、アンドロメダとかはみやすくなっています。それでもあまり大きくは代わり映えしないので、やはり光害地でない暗いところで新月期に見るのが一番面白いのでしょう。それとは別に今回面白かったのが、こんな広角で見ても星雲は見えるのかということを試したことです。まずはM27です。どこにあるかわかりますでしょうか?

SharpCap上で40%の画面拡大率で普通はPCの画面いっぱいに広がるのですが、この画像は200%で表示しているので、5倍くらいに拡大していることになります。よく探すとど真ん中の少し上くらいに少し緑がかった二つつながりの亜鈴型があるのがわかると思います。まるで宝探しですね。

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もう一つは、アンドロメダはすぐにわかると思いますが、よくみるとM33も写っています。場所はアンドロメダから右下に降りていって明るい星を対称に反対側にアンドロメダを写像したくらいに位置にぼやっと光っている天体がM33です。流石に形はわかりませんが、これも宝探しみたいです。

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実際にはStellariumを立ち上げて、明るい恒星の位置を確かめながら、順に辿っていくのですが、この過程が結構ワクワクもので、見つけた時は「おおっ!」となってしまう、まるでハンター気分です。電視観望の楽しみ方の一つかも。

 

10月1日の台風一過、透明度は良さそうですが雲がずっと残っていてい天気はイマイチでしたが、23時頃外に出ていると結構で久しぶりに少し晴れ間が見えたので、ほんの1時間程度でしたが、お庭でお気楽電視観望をしてみました。

今日試したかったのは、ASI294MCに焦点距離の短い明るいレンズを使って広角でみたらどうなるかというのです。今回試したのは焦点距離35mmでF1.8の昔のNIKKORレンズです。ターゲットはアンドロメダや、白鳥座付近の北アメリカ星雲など相当大きな天体です。色がつくくらい見えるのかどうか?

セットアップは赤道儀も何もないので気楽なもんです。CMOSカメラにアダプターでレンズをつけただけ。それを三脚に載せるだけです。

ギリギリリアルタイムと言えるくらい露光時間(400ms, 2.5frams/sec)の動画が以下になります。PCの画面をiPhone5で撮影したものになります。実際の画面の見え味に非常に近いものになります。


月の明かりの近くのM45すばるに向かい、M31アンドロメダ銀河、雲などをみて、白鳥座のお尻くらいに行きます。まず月齢21日くらいなのでまだ半月より大きいくらいでとても明るいです。すばるも月明かりの影響を受けますが、天頂付近のアンドロメダあたりまでいくと多少月明かりもましになります。ただし形まで見るには動画だとちょっと厳しいでしょうか。スタックすると下のようにはっきりと見ることができます。

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意外に雲が動きがあって面白かったりします。白鳥座あたりに来ると、月からは遠いのですが今度は低空で国道沿いの灯りが影響し始めます。なんかボヤーっと天の川らしきものが見えますが、街中ではこれくらいが限界でしょうか。こちらもスタックすると北アメリカ星雲の形とかも出てきます。

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平日で次の日仕事もあるので、わずか1時間程度の電視観望でしたが、月明かりの条件でもある程度楽しむことができそうです。色まではなかなかわからないのですが、もう少しくらい空だともっと綺麗に見えるはずです。

本当は福島のスターライトフェスティバルで試したかったのですが、台風の影響で中止になることが決定してしまいました。舞台の屋根が飛んでいってしまっているようで、現地は大変なようです。残念ですが、安全第一ですね。



 

夏休みの観望会、今年も色々ありそうです。まずは第一弾、昨年も行われたグリーンモール山室での観望会です。

実はこの日、台風が東京に接近するかとか言われていて、湿った空気が流れ込み富山も曇りか雨だろうと言われていました。しかも午後3時頃に、開催はするけれど天気が悪そうなのでお話だけになりそう、観望の人は無理して参加しなくていいですよというメールでのお知らせが。なので完全に油断していて、のんびり職場を出ました。しかも空は一面の厚い曇。

ところが車を運転し自宅に近づくにつれ、徐々に晴れてくるではないですか。自宅に着いたらなんと一面の晴れ。しかもこの時すでに19時半過ぎで暗くなって来てしまっています。これはダメだと、急遽3分くらいで夕食をかき込み、下のSukeは行かないというので、上のNatsuだけ誘い、 1分後くらいにはもう会場に向けて出発していました。それでも会場に到着したのは20時頃。すでにお客さんもたくさんいて、観望会もとっくに始まっているような状況です。そんな中、焦りながら荷物を運んで早速のセットアップです。

今回は原村の時と同じ、タカハシの60mmのFS-60CBをAZ-GTiに載せ、ASI294MCで電視観望です。自分でも驚いたのは、設置を始めて5分後にはすでにM57を見せていたことでした。設置している最中から子供達が寄って来て「どこから覗くの」と言いながら並び始めたので「これはみんなで見えるので、覗かなくていいし、並ばなくてもいいよ、あと少し時間がかかるから他を見て来てね」と言いながら、すぐに1スターアラインメントを木星で済ませ、そのままM57を導入。その子達が他に行く間も無く電視観望を始めることができました。このセットアップの速さは特筆ものです。軽量ということも効いているでしょうが、水平さえ合わせてしまえば(ものすごく重要です)、本当に一発でアラインメント終了で、その後、即自動導入が可能です。

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昨年は雲で結局電視観望は厳しかったのですが、今年は少なくとも到着してからしばらくの間は、まだ晴れ間が見えていました。夏の大三角もはっきり見えていて、こと座のベガを説明しながら、M57を導入しました。M57を入れた時に、さすがに街中でこんな星雲が、しかも色付きで見えるとは誰も思っていなかったのでしょう。特に小さい子はものすごく驚いていたようで、宇宙にこんな綺麗なものがあるのがびっくりだったようです。超新星爆発の残骸だとか、その残骸が球状に広がっていて一方向から見てるからリング状に見えるんだとか、いろんな話をしました。気づくと周りには人だかりができていました。

富山といえども街中のショッピングモールの駐車場なので、周りは相当明るい状況です。惑星や、ちょうどその時流れたISSはよく見えますが、その他の星は2等星も見えるかどうかというくらいです。そんな中でM27を入れましたが、亜鈴状の形もよくわかりますし、十分に色がついて見えていました。街中でも、電視観望は十分すぎるほど活用できることがわかりました。

晴れていた空もだんだん曇り始めてきました。それでも雲越しにM13の球状星団を入れた時には、みなさんから「きれーい、星がたくさんあるー!」など、感嘆の声が上がっていました。雲が多少あっても、薄曇りなら十分に見ることができます。

最後の方はほぼ全面が雲に覆われてきて、かろうじて一つだけ見える木星を入れて、少し解像度が悪かったので3倍のバローを入れて、縞をなんとか見ることができました。縞の数を一緒に数えたりと、お客さんたちと楽しいやり取りをすることができました。木星の縞が見えるくらい拡大すると、さすがに流れていきますが、これは水平の精度が足りないのに1スターアラインメントでごまかしてしまったからでしょう。こんなレベルの合わせ方でも自動導入でキチンと毎回画面の中に入ってくるので、ほとんど困ることはありません。

今日はいつものSukeがいないので、NatsuにSCOPETECHをまかせていました。会場に来ていた子供達に自由に望遠鏡を、自分でする導入も含めて触ってもらっていました。やはり雲のせいでしょうか、SCOPETECHは木星の縞はかなり厳しかったみたいです。他の方のより口径の大きい望遠鏡だと、同じ時刻でも縞まではっきり見てていたそうです。Natsuに言わせると子供達の反応がとても可愛かったようで、1時間ずっと面倒を見てくれていました。

色々焦っていたので、他の方の機材を見る余裕もなかったのと、今回写真を全く撮っていなかったのに後で気づきました。なので今回は写真なしなのですが、とにかくAZ-GTiを使ったシステムのセットアップの速さに驚かされた観望会でした。観望会が終わってから、なぜか主催者の方とUFOやオカルトネタで異常に盛り上がるなど、去年に引き続き、楽しい観望会となりました。


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