飛騨コスモス天文台での観望会の日、新月期で天気も良さそうなので、観望会終了後そのまま撮影を続けました。
同日午後、準備を兼ねて機材の接続確認をしていました。TSA-120に6Dをつけて撮影しようと買っておいたアダプター「CA-35」の出番がやっと来ます。と思って午後明るいうちに接続してみたら、ネジのオスメスが違いどうも接続できません。ワイドマウントを使うと書いてあるのですが、よくよく調べてみると持っているものはどうやら「ワイドリング60C(DX-60W)」が付いているFS-60用。TSA-120に接続するには「ワイドリング(DX-WR)」が付いている主にCA-35に接続するアダプターが必要そうです。よく調べてからCA-35を買えばよかった。コロナ禍で出張がないのでなかなか実店舗に行けず、送料がまたかかってしまいます。
結局この時点で今日のターゲットはFC-76に6Dをつけ、M45すばるの撮影にほぼ決まりました。最近は撮影用のカメラはASI294MCか、EOS 6Dなのですが、なんだかんだ言って撮影は6Dの方が好きみたいでし、結果も出ている気がします。これはピクセルサイズが4.3umと6.3umの差なのでしょうか、6Dの方がやはりノイズが少なく、感度がいい気がしています。
観望会の話は前回の記事に譲るとして、Mちゃんたちが帰るとあとは一人ぼっち。クマさんに近くに来て欲しくないので、鼻歌を歌ったり、わざと大きな声を出しながら撮影準備です。
でもこの日はいろいろ失敗しまくりでした。まず撮影用のStick PCがどこにも見当たりません。仕方ないのでSurface PCを使ったのですが、6Dを使おうと思っていたのにBackYard EOSが入っていません。仕方ないのでテザリングで繋いでダウンロードし、インストールとライセンス認証を山奥ですることになりました。
ところが付け焼き刃のインストールです。設定が十分でなくて、ディザリングの幅を大きくすることを忘れてました。ディザリングはされていたようなのですが、焦点距離がそこまで長いわけではないのでほとんど動いていなかったみたいです。どれくらい動いていなかったかというと、位置合わせせずにスタックしたのが下の画像です。
約3時間半の撮影でこれだけのズレなので、ほとんどずれていなかったことになりますが、逆にこれだけの揺れに抑えることができるなら、あぷらなーとさんがやっていたようなノイズ除去を考えてもいいのかもしれません。
でもずれなかったのが良かったのかというと、実はそうではなく、後の画像処理で分かったのですが、縦に走る縞、センサーのゴミが多数でて、画像処理に相当苦労しました。動いているピクセル数が十分でなくて散らばせられなかったために、悪いところが全部出てしまいました。試しに上の画像をABEで被りを除去してから、STFでオートストレッチしてみると、
センサーのゴミがどこかしこに見えること、バイアスノイズ起因だと思うのですが、縦縞が残ってしまっています。
でも、これだけのゴミがあるということは、一度センサーを掃除する必要があります。またゴミの濃さが変わっているのですが、これは3時間半の間に動いているということを意味するのでしょうか?いずれにせよ折を見て掃除をします。
縦縞に関しては、今回バイアス補正を無くしたり、バイアスファイルを取り直したり、フラット補正のありなし、ダーク補正の有無、さらにフラットダークの有無でのフラット補正有無など、考えられることをほぼ全て試しましたが、この縦縞を消すことはできませんでした。
相当炙り出した場合での話ですが、ディザーで散らしたほうが簡単に消えるノイズがあるのではというのが今回の結論です。なので、少なくとも私の場合はたとえガイドで星像が完全に動かなかったとしても、七難隠すディザリングで、ディザーはやはりあった方がいいみたいです。ディザーなしで長時間露光を目指すなら、徹底したセンサー面のクリーニングと、解決できない縦縞ノイズをなんとかする必要があります。
なお、この日はどんどん寒くなってきました。車の窓が凍り付いていたので、確実に氷点下だったと思います。対物レンズもかなり曇りました。ヒーターを巻いたのですが、結局追いつかず、携帯カイロを持っていたので2つ取り付けました。ガイド鏡も当然曇ります。こちらは少し出力の高いヒーターを巻いたらなんとかなりました。
あと、すごい湿気でPCもすぐにベトベトになるので、机の上のPCなどの機材には福島のスターライトフェスティバルの抽選でいただいたヤッケをかぶせておきました。撮影終了時にはヤッケに結構な厚さの霜が降りていました。
やっと撮影が軌道に乗った午前1時半頃、ふもとの街のコンビニまで夜食を買いに行きました。10kmくらいありますが、夜なので他の車もまず走っていないので、すぐに着きます。結構お腹が空いていたので、ビーフカレーと惣菜パン一個、結構ガッツリ暖かいうちにとコンビニでぺろっと食べてしまいました。
天文台に戻ると午前2時過ぎ、車の中でTwitterとかみながら暖を取っているとだんだん眠くなってきました。午前2時半頃でしょうか、霧が濃くなってきました。でも眠くてたまらなくなってきて寝ました。4時半頃目が覚めたら霧は晴れてました。
午前5時過ぎまで撮影していましたが、目で見て明るくなってきたと感じたところで撮影を止めました。片付ける直前に東の空に金星が明るく輝いていました。
さて、画像処理です。ガイドズレもなく、ディザー幅が小さすぎたためにほとんど動いていなかったので、縮緬ノイズは問題にならなかったです。縦縞が一番問題になっていて、これが制限で炙り出しきれていません。
ことろが、多分対物レンズの曇りのおかげだと思いますが、恒星の周りに奇妙な光条線が出ました。確かに撮影時の確認でも少し出ていて、あまり気にしなかったのですが、画像処理をするとものすごく目立つようになりました。ただ、レンズを見ても曇っていない時でもその場の画像でこの甲状腺も見えていたで、白濁レンズの影響かもしれません。これまでこのFC-76で撮影していてもこんなのは気づかなかったので、白濁と曇りかけたのの複合原因なのかもしれません。機会があるときに、明るい星を写してチェッックしてみます。
出来上がったのは見せる価値があるのかよくわかりませんが、載せておきます。
いずれにせよ、本件リベンジ案件です。TSA-120+6Dで先週、撮影し直したので、また記事にします。
というか、撮影し直すことができたので今回の記事をやっと書く気になったようなものです。せっかくの最高の透明度を無駄にしてしまいました。
TSA-120と6Dで撮影できない!?
同日午後、準備を兼ねて機材の接続確認をしていました。TSA-120に6Dをつけて撮影しようと買っておいたアダプター「CA-35」の出番がやっと来ます。と思って午後明るいうちに接続してみたら、ネジのオスメスが違いどうも接続できません。ワイドマウントを使うと書いてあるのですが、よくよく調べてみると持っているものはどうやら「ワイドリング60C(DX-60W)」が付いているFS-60用。TSA-120に接続するには「ワイドリング(DX-WR)」が付いている主にCA-35に接続するアダプターが必要そうです。よく調べてからCA-35を買えばよかった。コロナ禍で出張がないのでなかなか実店舗に行けず、送料がまたかかってしまいます。
結局この時点で今日のターゲットはFC-76に6Dをつけ、M45すばるの撮影にほぼ決まりました。最近は撮影用のカメラはASI294MCか、EOS 6Dなのですが、なんだかんだ言って撮影は6Dの方が好きみたいでし、結果も出ている気がします。これはピクセルサイズが4.3umと6.3umの差なのでしょうか、6Dの方がやはりノイズが少なく、感度がいい気がしています。
観望会後の撮影は失敗だらけ
観望会の話は前回の記事に譲るとして、Mちゃんたちが帰るとあとは一人ぼっち。クマさんに近くに来て欲しくないので、鼻歌を歌ったり、わざと大きな声を出しながら撮影準備です。
でもこの日はいろいろ失敗しまくりでした。まず撮影用のStick PCがどこにも見当たりません。仕方ないのでSurface PCを使ったのですが、6Dを使おうと思っていたのにBackYard EOSが入っていません。仕方ないのでテザリングで繋いでダウンロードし、インストールとライセンス認証を山奥ですることになりました。
ところが付け焼き刃のインストールです。設定が十分でなくて、ディザリングの幅を大きくすることを忘れてました。ディザリングはされていたようなのですが、焦点距離がそこまで長いわけではないのでほとんど動いていなかったみたいです。どれくらい動いていなかったかというと、位置合わせせずにスタックしたのが下の画像です。
約3時間半の撮影でこれだけのズレなので、ほとんどずれていなかったことになりますが、逆にこれだけの揺れに抑えることができるなら、あぷらなーとさんがやっていたようなノイズ除去を考えてもいいのかもしれません。
でもずれなかったのが良かったのかというと、実はそうではなく、後の画像処理で分かったのですが、縦に走る縞、センサーのゴミが多数でて、画像処理に相当苦労しました。動いているピクセル数が十分でなくて散らばせられなかったために、悪いところが全部出てしまいました。試しに上の画像をABEで被りを除去してから、STFでオートストレッチしてみると、
センサーのゴミがどこかしこに見えること、バイアスノイズ起因だと思うのですが、縦縞が残ってしまっています。
でも、これだけのゴミがあるということは、一度センサーを掃除する必要があります。またゴミの濃さが変わっているのですが、これは3時間半の間に動いているということを意味するのでしょうか?いずれにせよ折を見て掃除をします。
縦縞に関しては、今回バイアス補正を無くしたり、バイアスファイルを取り直したり、フラット補正のありなし、ダーク補正の有無、さらにフラットダークの有無でのフラット補正有無など、考えられることをほぼ全て試しましたが、この縦縞を消すことはできませんでした。
相当炙り出した場合での話ですが、ディザーで散らしたほうが簡単に消えるノイズがあるのではというのが今回の結論です。なので、少なくとも私の場合はたとえガイドで星像が完全に動かなかったとしても、七難隠すディザリングで、ディザーはやはりあった方がいいみたいです。ディザーなしで長時間露光を目指すなら、徹底したセンサー面のクリーニングと、解決できない縦縞ノイズをなんとかする必要があります。
寒い寒い
なお、この日はどんどん寒くなってきました。車の窓が凍り付いていたので、確実に氷点下だったと思います。対物レンズもかなり曇りました。ヒーターを巻いたのですが、結局追いつかず、携帯カイロを持っていたので2つ取り付けました。ガイド鏡も当然曇ります。こちらは少し出力の高いヒーターを巻いたらなんとかなりました。
あと、すごい湿気でPCもすぐにベトベトになるので、机の上のPCなどの機材には福島のスターライトフェスティバルの抽選でいただいたヤッケをかぶせておきました。撮影終了時にはヤッケに結構な厚さの霜が降りていました。
黒いヤッケが少し白く見えますが、全部霜です。
やっと撮影が軌道に乗った午前1時半頃、ふもとの街のコンビニまで夜食を買いに行きました。10kmくらいありますが、夜なので他の車もまず走っていないので、すぐに着きます。結構お腹が空いていたので、ビーフカレーと惣菜パン一個、結構ガッツリ暖かいうちにとコンビニでぺろっと食べてしまいました。
天文台に戻ると午前2時過ぎ、車の中でTwitterとかみながら暖を取っているとだんだん眠くなってきました。午前2時半頃でしょうか、霧が濃くなってきました。でも眠くてたまらなくなってきて寝ました。4時半頃目が覚めたら霧は晴れてました。
午前5時過ぎまで撮影していましたが、目で見て明るくなってきたと感じたところで撮影を止めました。片付ける直前に東の空に金星が明るく輝いていました。
画像処理ともう一つの失敗
さて、画像処理です。ガイドズレもなく、ディザー幅が小さすぎたためにほとんど動いていなかったので、縮緬ノイズは問題にならなかったです。縦縞が一番問題になっていて、これが制限で炙り出しきれていません。
ことろが、多分対物レンズの曇りのおかげだと思いますが、恒星の周りに奇妙な光条線が出ました。確かに撮影時の確認でも少し出ていて、あまり気にしなかったのですが、画像処理をするとものすごく目立つようになりました。ただ、レンズを見ても曇っていない時でもその場の画像でこの甲状腺も見えていたで、白濁レンズの影響かもしれません。これまでこのFC-76で撮影していてもこんなのは気づかなかったので、白濁と曇りかけたのの複合原因なのかもしれません。機会があるときに、明るい星を写してチェッックしてみます。
出来上がったのは見せる価値があるのかよくわかりませんが、載せておきます。
- 撮影日: 2020年11月14日1時32分-5時5分
- 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
- 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
- 赤道儀: Celestron CGEM II
- センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
- ガイド: PHD2 + 120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
- 撮影: BackYard EOS, ISO800, 露光時間: 180秒 x 53枚 = 2時間39分
- 画像処理: PixInsight、Photoshop CC, DeNoise
まとめ
いずれにせよ、本件リベンジ案件です。TSA-120+6Dで先週、撮影し直したので、また記事にします。
というか、撮影し直すことができたので今回の記事をやっと書く気になったようなものです。せっかくの最高の透明度を無駄にしてしまいました。