ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:場所 > 数河高原

飛騨コスモス天文台での観望会の日、新月期で天気も良さそうなので、観望会終了後そのまま撮影を続けました。


TSA-120と6Dで撮影できない!?

同日午後、準備を兼ねて機材の接続確認をしていました。TSA-120に6Dをつけて撮影しようと買っておいたアダプター「CA-35」の出番がやっと来ます。と思って午後明るいうちに接続してみたら、ネジのオスメスが違いどうも接続できません。ワイドマウントを使うと書いてあるのですが、よくよく調べてみると持っているものはどうやら「ワイドリング60C(DX-60W)」が付いているFS-60用。TSA-120に接続するには「ワイドリング(DX-WR)」が付いている主にCA-35に接続するアダプターが必要そうです。よく調べてからCA-35を買えばよかった。コロナ禍で出張がないのでなかなか実店舗に行けず、送料がまたかかってしまいます。

結局この時点で今日のターゲットはFC-76に6Dをつけ、M45すばるの撮影にほぼ決まりました。最近は撮影用のカメラはASI294MCか、EOS 6Dなのですが、なんだかんだ言って撮影は6Dの方が好きみたいでし、結果も出ている気がします。これはピクセルサイズが4.3umと6.3umの差なのでしょうか、6Dの方がやはりノイズが少なく、感度がいい気がしています。


観望会後の撮影は失敗だらけ

観望会の話は前回の記事に譲るとして、Mちゃんたちが帰るとあとは一人ぼっち。クマさんに近くに来て欲しくないので、鼻歌を歌ったり、わざと大きな声を出しながら撮影準備です。

でもこの日はいろいろ失敗しまくりでした。まず撮影用のStick PCがどこにも見当たりません。仕方ないのでSurface PCを使ったのですが、6Dを使おうと思っていたのにBackYard EOSが入っていません。仕方ないのでテザリングで繋いでダウンロードし、インストールとライセンス認証を山奥ですることになりました。

ところが付け焼き刃のインストールです。設定が十分でなくて、ディザリングの幅を大きくすることを忘れてました。ディザリングはされていたようなのですが、焦点距離がそこまで長いわけではないのでほとんど動いていなかったみたいです。どれくらい動いていなかったかというと、位置合わせせずにスタックしたのが下の画像です。

noalignment

約3時間半の撮影でこれだけのズレなので、ほとんどずれていなかったことになりますが、逆にこれだけの揺れに抑えることができるなら、あぷらなーとさんがやっていたようなノイズ除去を考えてもいいのかもしれません。

でもずれなかったのが良かったのかというと、実はそうではなく、後の画像処理で分かったのですが、縦に走る縞、センサーのゴミが多数でて、画像処理に相当苦労しました。動いているピクセル数が十分でなくて散らばせられなかったために、悪いところが全部出てしまいました。試しに上の画像をABEで被りを除去してから、STFでオートストレッチしてみると、

noalignment_ABE

センサーのゴミがどこかしこに見えること、バイアスノイズ起因だと思うのですが、縦縞が残ってしまっています。

でも、これだけのゴミがあるということは、一度センサーを掃除する必要があります。またゴミの濃さが変わっているのですが、これは3時間半の間に動いているということを意味するのでしょうか?いずれにせよ折を見て掃除をします。

縦縞に関しては、今回バイアス補正を無くしたり、バイアスファイルを取り直したり、フラット補正のありなし、ダーク補正の有無、さらにフラットダークの有無でのフラット補正有無など、考えられることをほぼ全て試しましたが、この縦縞を消すことはできませんでした。

相当炙り出した場合での話ですが、ディザーで散らしたほうが簡単に消えるノイズがあるのではというのが今回の結論です。なので、少なくとも私の場合はたとえガイドで星像が完全に動かなかったとしても、七難隠すディザリングで、ディザーはやはりあった方がいいみたいです。ディザーなしで長時間露光を目指すなら、徹底したセンサー面のクリーニングと、解決できない縦縞ノイズをなんとかする必要があります。


寒い寒い

なお、この日はどんどん寒くなってきました。車の窓が凍り付いていたので、確実に氷点下だったと思います。対物レンズもかなり曇りました。ヒーターを巻いたのですが、結局追いつかず、携帯カイロを持っていたので2つ取り付けました。ガイド鏡も当然曇ります。こちらは少し出力の高いヒーターを巻いたらなんとかなりました。

あと、すごい湿気でPCもすぐにベトベトになるので、机の上のPCなどの機材には福島のスターライトフェスティバルの抽選でいただいたヤッケをかぶせておきました。撮影終了時にはヤッケに結構な厚さの霜が降りていました。

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黒いヤッケが少し白く見えますが、全部霜です。

やっと撮影が軌道に乗った午前1時半頃、ふもとの街のコンビニまで夜食を買いに行きました。10kmくらいありますが、夜なので他の車もまず走っていないので、すぐに着きます。結構お腹が空いていたので、ビーフカレーと惣菜パン一個、結構ガッツリ暖かいうちにとコンビニでぺろっと食べてしまいました。

天文台に戻ると午前2時過ぎ、車の中でTwitterとかみながら暖を取っているとだんだん眠くなってきました。午前2時半頃でしょうか、霧が濃くなってきました。でも眠くてたまらなくなってきて寝ました。4時半頃目が覚めたら霧は晴れてました。

午前5時過ぎまで撮影していましたが、目で見て明るくなってきたと感じたところで撮影を止めました。片付ける直前に東の空に金星が明るく輝いていました。

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画像処理ともう一つの失敗

さて、画像処理です。ガイドズレもなく、ディザー幅が小さすぎたためにほとんど動いていなかったので、縮緬ノイズは問題にならなかったです。縦縞が一番問題になっていて、これが制限で炙り出しきれていません。

ことろが、多分対物レンズの曇りのおかげだと思いますが、恒星の周りに奇妙な光条線が出ました。確かに撮影時の確認でも少し出ていて、あまり気にしなかったのですが、画像処理をするとものすごく目立つようになりました。ただ、レンズを見ても曇っていない時でもその場の画像でこの甲状腺も見えていたで、白濁レンズの影響かもしれません。これまでこのFC-76で撮影していてもこんなのは気づかなかったので、白濁と曇りかけたのの複合原因なのかもしれません。機会があるときに、明るい星を写してチェッックしてみます。

出来上がったのは見せる価値があるのかよくわかりませんが、載せておきます。

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  • 撮影日: 2020年11月14日1時32分-5時5分
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
  • 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • ガイド: PHD2 + 120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS, ISO800,  露光時間: 180秒 x 53枚 = 2時間39分
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC, DeNoise

まとめ

いずれにせよ、本件リベンジ案件です。TSA-120+6Dで先週、撮影し直したので、また記事にします。

というか、撮影し直すことができたので今回の記事をやっと書く気になったようなものです。せっかくの最高の透明度を無駄にしてしまいました。

 

昨晩は飛騨コスモス天文台の観望会でした。12月は雪が降るため今月の観望会が今年最後になります。


天気も良さそう

先月自宅に来てくれたMちゃんにも「飛騨で観望会があるよ」と知らせていたのですが、SCWの天気予報があまりにも快晴なので、改めて「冬の天の川が見えるかも」とお誘いのメールを出しておきました。するとお母様から「課題が終わったら行けそう」と返事があったので、「『課題がんばれ』と伝えて下さい」と書いたら「俄然やる気になってくれて助かる」とのこと。この分なら来てくれそうです。

今回は新月で、快晴で、休日前と、条件がすごく揃うので、そのまま観望会後に撮影も敢行しようという計画です。撮影の方はまた別の記事で書くとして、観望用の機材は惑星用にCelestronのC8 + Advanced VX、電視観望用にタカハシのFS-60CB + ZWOのASI294MC Pro(常温使用) + SkyWatcherのAZ-GTi、子供に触ってもらうようにSCOPTECHの60mmです。準備が大体終わって、午後少し仮眠を取り16時前に起きてシャワーを浴び荷物を詰め込んで、16時半過ぎに自宅を出発しました。


飛騨コスモス天文台に到着、天の川がすごい

途中工事とかで車が混んでて、現場に到着したのは結局18時過ぎくらい。まだもうすっかり暗くなっています。外に出ると空にはすでに天の川が全天にかかっています。秋から冬にかけての天の川が、これだけはっきり見えるのは珍しいです。白鳥座のあたりで2本の川に分かれているのがはっきりとわかります。

観望会の開始は19時半からなので、ゆっくり準備します。今回は鏡筒3本に、のちの撮影用にCGEM IIもあらかじめ出しておいたので結構な数です。鏡筒を3本全てマウントするくらいで最初のお客さんがきてくれました。若いカップルのようです。聞いたら高山からとのこと。初めての参加のようです。まだ準備が残っているのでSCOPETECHの望遠鏡をいじってもらおうと思っていたら、さらに子供連れのお客さんが。小学3年生と言うので望遠鏡をいじるのをその子にやってもらおうとしましたが、遠慮してかやりたがらないのと、その後続々お客さんがきてしまっているので、パッと私が木星だけ導入して見てもらいました。


すごいお客さんの数

スタッフも随時到着して天文台も開けてもらいましたが、その間にも続々とお客さんがきています。SCOPETECHのところにも列ができてしまっています。「望遠鏡もいいですが、今日は空が綺麗なので、是非とも天の川をじっくり楽しんでください」といって、夏の大三角とかの説明をします。

もともと観望会の場所はラグビー場の駐車場なので、車も入ってきてもらっていましたが、もう車を入れるスペースがなくなってきて、何人かの方には橋の向こうの離れた駐車場に車を止めてもらいました。普段の観望会は、少ない時はスタッフと知り合いの1-2家族です。一年一回のペルセウス座流星群のお祭りイベント以外でこんなに人が来たのは初めてです。先月は台風で中止、しかも今月で終わりというのが重なったのでしょうか?あと、各新聞社が扱ってくれた(お金はないので広告ではないと思います)ようです。とにかく対処し切れないほど人が来たので、スタッフみんなちょっとびっくりしていました。

でも、こんな時こそ焦るとたいてい失敗します。子供たちはすでに「これ見えるの?」とかいってC8のところに列を作ってますが、私は頑なにC8の極軸と取ります。でも子供たちの会話を聞いてるともう面白くって。

多分幼稚園か小学校低学年くらいだと思いますが、男の子が女の子に向かって自慢げに「俺、炭治郎に似てるって言われるんだ。」流行の鬼滅ネタです。すると隣に並んでた女の子が「えー、すごい!」でも暗くて顔は全く見えてないと思います。男の子はちょっと得意げに「顔に傷があるんだ。だから似てるって言われる。」「えー、どこどこ?」周りの子たちも騒ぎ出しますが、やっぱり暗くて全然見えてないと思います。

そんなこんなで極軸調整も終わる頃に、SCOPETECHの方からヘルプが。スタッフの一人が頑張って木星を追ってくれてたみたいですが、いなくなってしまったようです。あらかた木星は見てくれてたみたいので、土星を入れておきます。20mmのアイピースなので小さいですが、それでも輪がはっきりと見えるのにみんな喜んでくれます。まもなくC8も準備ができ、木星を導入します。「こちらでも木星見えますよー」と言うと、続々と人が集まってきます。衛星も縞も見えるので、皆さん驚きの声を上げています。

子供と大人で背の高さが全然違うので、アイピースの向きを変えて対処したりと結構忙しいです。でも極軸をSharpCapでかなりの精度で合わせてあるので逃げていく心配は全く無し。子供が大体見終わると、大人は放っておいてもよくなります。こうなると私の方も少し手が開くので、次はSCOPETECHの面倒をみたりとそれでもやっぱり大忙し。C8も木星の次は土星です。その頃にはドームの方も木星や土星を入れていたみたいなのですが、お客さんに聞くと外のC8のほうがはっきり見えるとのこと。ドームの方は温度順応がまだできていなかったのかもしれません。でも手が離せなくてそちらに行くことができないほどの人で、ドーム組のスタッフには申し訳なかったです。

そんな中、誰かが「火星を見たい」といい出しました。でも木星がもう沈みそうなので「木星最後になりまーす」といって再度木星を導入。新しく来た人でまだまだ木星を見逃してた人もいるみたいです。子供たちは相変わらず何度も並んで「もう俺3回見た」とか言っています。興味を持ってくれるのは嬉しいことです。低空なので収差がひどく、大人には赤と青に分かれているところも説明したのですが、「七色に分かれて見えて綺麗だ」との評価です。マニアとは視点が全く違うので、我々が気にするところは一般的には結構どうでもいいのかもしれません。

そうそう、並んでいる子供たちがあまりに騒ぐので、お母さんでしょうか「もう少し静かにしてねっていってるでしょう!」と周りのことを考えてか少し申し訳なさそうに怒っていました。そんな時は「騒いでくれるとクマさんが来なくなるのでいいですよ。どんどん騒いでください。」と言います。でもさすがに駆けずり回り出した時は「頼むから鬼ごっこはやめて!」と親が叫んでました。望遠鏡は手の届く範囲に固めたるので、ぶつかって倒れるようなことはないのですが、それより暗いので転んで怪我をしたら大変です。この時ばかりはお母様にまかせることにしました。

さて、木星がもう沈むのでいよいよ火星を導入です。だいぶ小さくなってますが、まだまだ見応え十分です。C8だと模様も多少見えるので「じっくり見ると黒いところがわかります」と言うと、子供は一瞬見ただけで「模様も見えた!」といいます。多分暗示だと思うのですが、もしかしたら目の感度がいいのか、ダイナミックレンジが広くて、本当にすぐに見えるのかもしれません。


Mちゃんも到着

このころでしょうか、課題を終えたと思われるMちゃんが到着しました。でもあまりに人が多くてなかなか相手になってあげられません。そのうちにC8の補正版が曇ってきてしまい、ヒータをつけても焼け石に水。仕方ないので少し休憩としました。Mちゃんを探すと、なんと自分の赤道儀を持ってきていました。

VixenのGPくらいでしょうか。きちんとは確認できなかったのですが、聞いたら前回自宅に一緒にいらしたUさんから頂いた(使わなかったら返してねと言うことらしいです)とのことです。でもこの駐車場、多少傾斜があり、うまく水平が出せないようで悩んでいたみたいです。というより、マスクで眼鏡が曇っていろんなものがうまく見えないみたいでした。多分時間がかかりそうだったので、「せっかくなので天の川を楽しんだほうが得だよ」といって、この間手に入れた「ナイトウォッチ」を車から持ってきて貸すことに。お母さん曰く「この間のメシエ天体の本も夢中になりすぎるのでしばらく禁止」らしいのですが、今回の本は読み出したらそれこそずっと読んでいることになると思います。

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本を見ながらMちゃんはすごく嬉しそうで、赤道儀がうまく行かなかったことも忘れたみたいで、それからお母さんとMちゃんと3人で天の川を見てました。とにかく車から降りた時に、あまりの空の凄さにびっくりしたそうです。「こんな空を見たのは初めて」だそうで、富山の街中では絶対見ることができないので、ものすごく喜んでいました。誘った甲斐があったというものです。Mちゃんは「プラネタリウムみたい」と言いますが、「いやいや、それは逆でしょう。プラネタリウムが真似をしたんだよ。」とすかさず私が突っ込みます。お母さんは「天の川がカシオペアを超えて、オリオンまでつながってる!こんなの凄過ぎ!」と大興奮です。お母さんと、Mちゃんの会話を聞いていると、お母さんの星座の知識も相当だとわかります。「すごい詳しいですね。」と言うと、「毎週科学博物館で聞いているので流石に覚えてしまいました。」とのことです。そもそも今回も富山の街中から1時間半くらいかけてここに来てるはずです。このお母さんあってのMちゃんなのでしょう。


今日は電視観望もよく見える

オリオン座が登り始めで、Mちゃん念願のオリオン大星雲を見たいと言うので、じゃあということで電視観望を始めました。でもまだM42には少し時間が早く、とりあえずM42すばるを。流石に今日は透明度もいいのでしょうか、電視観望でさえも分子雲が余裕で見えています。この写真の時点で3.2秒、87枚スタックでトータル4分30秒とのことですが、電視観望でここまで見えたのは初めてのことです。空も十分に暗いのでフィルターなども無しです。

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ちなみにすばるがモニターに映る頃にはモ結構な人が集まってきていて、Mちゃんは全然見えてなかったそうです。「こんなに分子雲が見えるのはラッキーなんですよ」と説明すると、子供たちが幸運のアイテムを発見でもしたかのように騒ぎ出します。子供に価値が伝わるか心配でしたが、この綺麗さは十分に伝わったようで、子供ながらに楽み方を工夫してくれているようです。

次に北アメリカ星雲です。本当はQBPをつけるともっとはっきりするのですが、フィルターをつける時間ロスが惜しかったのでノーフィルターです。

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もうだいぶ西の方に傾いていましたが、QBP無しでここまで見えるのはやはり空がいいのでしょう。

どなたか女性の方が「馬の星雲をどうしても見たい」とかいうので、「あ、馬頭星雲ですね。」というと、子供の一人が「バトウって何?」というので、「馬の頭と書いて馬頭(ばとう)星雲、星雲が馬の形に見えるんだよ。近くに燃える木といって、木が燃えているような形に見える星雲もあるんだよ。」というと、興味津々。というわけで次は馬頭星雲を導入し、みんなで見てみました。燃える木はすぐに形まで分かったのですが、馬頭の方は最初なかなか馬の形が見えてこなく、露光時間を12.8秒まで伸ばしてやっとはっきりしました。下の写真で20スタック、4分16秒です。

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電視観望はリアルタイム性を求めるために時間の制限もあり、一般的にゲインが高いので、リードノイズが効きやすいです。そのためノイズを減らすのに露光時間を伸ばすことが効果的なことがよくあります。

写真を撮り忘れてしまいましたが、途中M31アンドロメダ銀河とM33三角座の回転銀河も電視観望で見ました。特にアンドロメダ銀河の方は腕の構造もきちんと見えて「わー綺麗!」とか「本で見たのとおんなじ!」など、かなり迫力があったようです。そうそう、「アンドロメダですが、アンドロメダ〇〇って、なんて言いますか?」と聞いたら、ほぼ全ての人が「アンドロメダ星雲」でした。「アンドロメダ星雲は昔の呼び方で、最近はほとんどアンドロメダ銀河です。昔はボヤーっと見えていたので星雲と勘違いしたみたいですよ。」と言うと皆さん「へーっ!」と。アンドロメダ青雲とアンドロメダ銀河の名前の違いはここの解説が詳しいです。でも、真面目なページなので某アニメについての記述がないのが残念です。

他に、沈む寸前の網状星雲を見ましたが、少し見えたくらいであまりはっきりとは見えず、この時点で夏の星雲はあきらめました。 

最後はやっと上ってきたM42オリオン大星雲です。実は最初少し早い時間に、金網越しでM42をみたのですが、網の縁の太い枠で暗くなっているところがあったり、まだ低空なこともあり、解像度がイマイチでした。ランニングマンもいまいち形を認識できていません。22時前くらいになる、とある程度きちんと見えてきたんで、Mちゃんもやっと満足したみたいです。

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片付け

電視観望もひと段落した頃にはもう22時近くになっていて、だんだんお客さんも少なくなってきます。私もやっと周りを見る余裕ができてきて、残っていた他の方達とも少し話すこともできました。

22時半頃から少しずつ片付けを始めました。23時頃にはドームの方も閉めたようです。今回全然ドームのほうに顔を出すことができなかたので残念でした。ドームはかなり混んでいて、人数制限をしていたみたいで、Mちゃんもドームのほうに行けなかったので、片付け寸前に飛び込みで中を見せてもらったみたいです。

この日のスタッフは4人か、5人。忙しくてあまり顔も合わせられないような状況でした。昨年Yさんが亡くなってから、残りのスタッフだけでまずは1年、コロナで大変でしたがなんとか観望会を続けることができました。Sさんは年間の日程や、宣伝などいろいろ細かいことをやって頂いています。今回こんなに人が集まったのも、地道な宣伝の成果かと思います。まだ11月ですが、今年は今回で終わりということで少し早いですがスタッフ同士で「よいお年を」と挨拶をしました。せっかくお客さんも楽しみに来てくれているので「来年も無理しない範囲で、頑張って続けましょう」と誓いを新たにしました。Yさんの撒いた種は確実に地域に根差しています。

スタッフの方が帰ったのが23時半くらいでしょうか、最後にMちゃんとお母さんだけまだ残っていて、私と話したりしながら天の川を楽しんでいました。今日来る前にやった課題のことをMちゃんに聞いてみたらどうも学校の宿題みたいで、「同じことばっかりでつまんない」とのこと。お母さん曰く「ためてやるからダメなんだ」とのこと。難しくはないとのことなので、多分反復が辛いのでしょう。私も昔ドリルとか大嫌いでした。まあ、仕方ないですね。理科はすごい好きとのことです。あれ、そういえばこの日は富山で思考大会があったはずで「あれ?思考大会でなかったの?」と聞くと、「あー、あの算数の難しそうなやつ?」とのこと。多分挑戦するとかなり楽しいはずなので「来年は出るといいよ」と勧めておきました。

ちょっと脱線しますと、思考大会というのは数学オリンピックのミニ富山版みたいなやつで、小学生と中学生の部に分かれています。問題を見ても、知識というよりは論理性を問う良問ばかりなので、学年はほとんど関係ありません。ちょうどうちの下の子が今年も中2で受けてましたが、最近は部活にのめり込んでいて、Scratchとかもほとんど触ってなく論理的な考え方をする機会が減っているせいでしょうか「できんかった」と、半分泣きそうにブスッとしていました。うちでは毎年恒例で、思考大会の後は近所の「是空」というつけ麺を食べに行くことになっていて、ここで答え合わせをします。でも今年はコロナ禍で密を避けるため、解答の張り出しもなかったので、解けなかったところの答えを一緒に考えていました。こういった試みは、数学や科学に興味を持つ子にはたまらないイベントです。昭和32年から富山独自で続けているそうです、毎年1000人位参加するそうです。富山のこのような素晴らしい取り組みには頭が下がります。


まだまだこれから撮影

さて、観望会は一通り終わりましたが、私はまだまだこれから撮影です。こんな条件のいい日は年に何日もあるわけではありません。23時半以降、Mちゃんが全然帰りたがらないので、お母さんがヤキモキしていました。お父さんからも電話がかかってきてましたが、それでもなかなか帰ろうとしません。ところが、0時近くになって、私とお母さんのほうがまだ話を続けようとしているところに、今度はMちゃんが「撮影の邪魔になるから!」とやっと帰る気になったようです。「またいつでも遊びに来て下さい。」とお別れしましたが、Mちゃんも少し眠そうでした。車の中でいい夢を見るんだと思います。

とにかく今回の観望会は、初めてというくらい数多くの人に来てもらい、皆さんにかなり満足してもらえたようです。どこかしこから「すごくたくさんいろんなのが見えた!」とか「来てよかったー!」とか、しみじみ行っている声が聞こえてきました。やはりいい空と言うのは何ものにも替え難いです。また来年を楽しみに、そして今後も長く続けられたらと思います。


昨晩は本当に久しぶりのごくごく普通の観望会で盛り上がりました。飛騨コスモスの月例の観望会です。

先月もペルセウス流星群で観望会はあったのですが、これは特別行事に相当します。天気もあいにくで、ほぼ解散してからやっと星が見え始めたくらいで、残っていた一般参加の方は1組のみ。今回は定例の観望会で、お客さんもたくさん来てくれて、普通に見えるものを見ます。天気も最初はそこまで良くはなかったですが、惑星とかはちょくちょく見え、最後は全面晴れ渡り、結局大盛り上がりでとても楽しい観望会となりました。調子に乗って書いてしまったので、また長い記事となってしまいました。もしよろしければ、昨晩の様子にお付き合いください。


いざ出発

夕方荷物を車一杯に積み込み、一人で出発。最近は子供は全然付いてくる気はないみたいです。なので機材は後部座席も助手席にもたくさん入ります。富山を出る時点ではそこまで晴れてなかったですが、それでも雲間から青空がまだ見えていました。なので機材の選定は微妙です。とりあえず惑星がメインになりそうなので、口径20cmで比較的軽量なC8、電視観望セット一式。あと迷ったのですが、子供用にSCOPETECHを最後に押し込みました。でもこれが大活躍。子供たちがくるような普通の観望会では、こういった自由に触れる望遠鏡は意外なほど好評です。

途中コンビニに寄り、夕食を買って運転しながらのおにぎりだけの簡易ディナー。天気も富山から出た時より悪くなっています。現場に着いたのは18時半頃でしょうか。国道から天文台へ行く脇道に入る時に、対向車線からちょうど車が来て同じ方向に行くようでした。先に行ってもらったのですが、ゆっくりと途中何ヶ所かの曲がり角を確かめながら進んでいるようでした。やはり観望会のお客さんで、年配の女性の方。今日初めてだそうです。


最初のお客さん

すでに木星が出ていたので「あれが木星ですよ」と伝えました。自分で双眼鏡を持ってきたらしくて見始めていましたが、なんと30年以上の昔の大きな双眼鏡で、倍率が25倍!メーカーも聞いたことないようなものなので、私が以前星まつりで手に入れた双眼鏡のような国内の小さな光学メーカーが作ったものの一つかと思います。

問題はその倍率で「わー、線が見える!」とか言っていたので、「え、木星の縞が見えるの?すごい!」と一瞬思ったのですが、双眼鏡をお借りしてみたら納得。手ぶれで木星が大きく揺れてしまうのが線になって見えてしまうのです。「さすがに25倍は手持ちでは難しいです。三脚がいりますよ」とか説明して、その間にSCOPETECHを用意して木星を見てもらうと「止まって見える!」と喜んでもらえました。

でもびっくりしたのはそこからで、衛星が見えるのはもちろん、木星の縞も余裕で見えるし、空を見上げて「木星の横の星は?」とか言うのですが、私にはまだ全然見えてません。もちろんそれは土星だったのですが、聞いたら視力2.0とのこと。そりゃよく見えるはずです。老眼だそうですが、ちょっと羨ましいくらいでした。


皆さん続々と集合

それからスタッフも、お客さんも続々と集まってきました。今回あまり確認できていませんが、お客さんだけで全部で7-8組くらいは来ていたと思います。ほとんど飛騨市や高山市の地元の人ばかりでした。多分私が富山からで一番遠いくらいです。スタッフも合わせたら20人くらいはいたと思います。
  • 上に書いた、一番乗りで私とほぼ同じ時間から来てくれた年配の女性の方。参加は初めてですが、実はスタッフと知り合いの方でした。しかも、昨年亡くなられたこの飛騨コスモス天文台の設立者のYさんが計画していた山歩きとかには、何度か参加してたそうです。
  • 子供を連れてきている家族が3組くらい。子供は小1の女の子が一人、小5の男の子が一人、あともう一人いました。やっぱり子供がいると観望会っぽくなっていいです。
  • 他にもカメラが趣味で、撮影どうですか?と勧めたら自前の6Dで撮影を始めたカップル。
  • あまりお話できなかったですが、双眼鏡を持ってきているご夫婦。 
  • 他にもいたと思いますが、暗くて把握しきれませんでした。

最初は雲間の惑星から

到着直後はまだ晴れ間が見えてたのですが、その後はすぐにずーっと雲がほぼ全面にいきわたって、ごく切れ間から明るい惑星が時折り見えるくらいです。でも雨が降るような雲でもなさそうだったので、機材の準備は進めることにしました。最初SCOPETECHで20mmのアイピースで小さな木星と土星を見てもらって、そのうち準備のできたC8で見てもらいました。まず比較で木星を見てもらうと、C8での明るさと、大きく細かく見えるその姿にみんな「わーっ!」と声をあげます。「衛星が3つ見えた!」「いや4つある!」「右に3つあるでしょ!」「2つしかないよ!」など、感想も様々です。さらに土星を入れるとその輪っかの美しさに皆さん簡単の声をあげます。一番最初に来た方の「あー、あの腰巻きがあるやつね」という独特の表現にはちょっとびっくりしましたが。

この日は気流が安定していたのでしょう。C8ではカッシーニの間隙もかなりはっきり見えていて、来ていた方達に「輪っかの中に黒いすきまがあるのわかりますか?」と聞くと、ほぼ全員がよく見えたようです。本当は惑星が揺れるのを見てもらって、大気の揺れのことを説明したかったのですが、その揺れが眼視ではわからないほど安定でした。

小1の女の子の食いつきがものすごかったです。木星も土星も、とにかくもう興味津々。一瞬天頂に夏の大三角が見えた時には、ずーっと説明してくれてました。わし座のアルタイルが出てこなくて、助け舟で「わ、わ、わ、、、、わし、わし、わし、、、」と言うと、「あ、わし座!」。「ア、ア、ア、、、、アル、アル、アル、」とヒントを出すと「あ、アルタイル!」とか反応がすごく可愛かったです。「星が大好きなんだよ!」とか言ってくれて、将来が楽しみな女の子です。

その後、所々晴れる場所も出てきて、上り始めたばかり火星を見てもらって「あー赤い!ぼやけてる!」と感想が。高度が低くて、グランドののフェンス越しなので仕方ないです。

たまたまれた晴れた天頂付近で、アルビレオを入れて見てもらったら「わーっ、綺麗!」「赤と青」「オレンジに見える」「あー、トパーズ色かぁ!」とか、皆さんそれぞれの色を楽しんでくれたみたいです。

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途中、シートで寝っ転がって見ている人も。地面が暖かくて気持ちいんですよね。眠くなってしまいそうです。


撮影に興味がありそうな人も

お客さんの中に星にすごく興味がありそうな若いカップルの方がいました。入門用のSCOPETECHを覗いて土星とかもよく見えるのに驚いて「これ幾らくらいなのですか?」と聞かれました。特価でゴニョゴニョ千円」くらいですと答えます。「わー、それだったら欲しい!撮影とかもできますか?」となんか写す方に興味がありそうです。よくよく聞いてみると、カメラ好きで星の撮影もしたいとのこと。しかもフルサイズというので「え、機種は?」と聞いてみるとなんとEOS 6D。どうも星を写すことも考えて、あえて感度の良い6Dにしたみたいです。「レンズは?」と聞いてみるとTamronの45mm F1.8。星景なら十分です。しかもこの日も持ってきてるというので「じゃあ、撮影してみませんか?」ということで、まだ雲が多かったですが雲間の星を狙って急遽撮影開始。

これまでも星は撮ったことはあるようでしたが、そこまで本格的に撮っていたわけではないようです。最初「ISO100でも写ります」とか言って撮影してくれたのですが、さすがにF1.8でもISO100では恒星は写ることは写りますが、暗すぎます。「じゃあ、ISO1600で10秒とか20秒で撮影してみてください。」とか言うと「ずいぶん明るくするんですね」とのことです。さらに、温度が高すぎてかなり赤によっているので「温度を下げてください。夜空のイメージが欲しかったら3500度くらいまで下げてもいいですよ。」とアドバイスを。きちんとRAWで撮っているので後からどうとでもなりますが、他の一般の人にお見てもらえたらと思い、少し青目にしてもらいました。何枚か写してもらい、さらには南西方向に少し雲の切れ間があったので、そこを写してもらうと雲越しの天の川もバッチリ。

途中アンドロメダ方向を撮ってくれて、M31が写っていたので、これはいいと他の方にも見てもらうことに。わーっと人が集まってきました。もしかしたら、こうやって見てもらう楽しみも味わってもらえたかもしれません。

200mmくらいの明るいレンズも持ってるとのこと。星雲とか、銀河とか、惑星とかの対象によってレンズもしくは鏡筒が変わること、赤道儀もそのうち必要になるかも、星景写真だったら三脚だけでもしばらく大丈夫なこととか話して、わからなかったまた連絡して下さいと伝えておきました。


SCOPETECHが大活躍

この日一番活躍したのはSCOPETECHでしょう。星を始めた年の原村の星まつりでSCOPETECHブースで手に入れた特価品ですが、意外なほどよく見えるのと、秀逸な二つ穴のファインダー、軽量、手に入れた値段から気軽に扱えることなどで、基本的に子供用に解放して自由に使ってもらっています。時には天頂プリズムに付いたアイピースを、まるで何かのレバーのようにレンズのところに親指を押し当てる子もいたりしますが、そんなことを気にするようではまだまだです。今回も、微動ハンドルがすっぽ抜けて「壊れたー」とか騒いでいましたが、それも経験です。

最初に夢中になったのは、なぜかスタッフのSさん(だったと思います。暗くて見えてなくてすみません)。これまで怖くて操作したことがなかったらしいので、今回は木星から挑戦です。最初なかなかうまくいかなかったのですが、少し離れて鏡筒がまず大まかに木星に向いているかどうか、縦と横から見ること。例えば今回の場合、横方向はいいけど、縦方向が大きくずれていることを理解してもらいました。その後、二つ穴ファインダー、見にくかったらファインダーを使うこと。ファインダーは片目で見てもいいけど、両目で見ると入れやすいこととか説明して、しばらく触ってもらいました。最後、とうとう自分で入れることができたようで、すごく喜んでくれ、もう大はしゃぎでした。ここら辺は子供も大人も変わりありませんね。自分で初めて導入して見た天体は、言うまでもなく格別でしょう。

次に夢中になったのは小5の男の子。お母さんは少し心配そうにしてましたが、「もう遠慮なく、壊す気で触ってもらって構いません。」と伝え、思う存分いじってもらいました。子供は目がいいので、2つ穴ファインダーの方が楽みたいです。粗動と微動の違いを伝え、しばらく触ってもらって土星を入れることができ、もう大喜びでした。最初のうちこそ2つ穴ファインダーでさえもかなり苦労してましたが、すぐに慣れ、さらには木星も入れることができてました。面白かったのは「火星入れていいですか?」とわざわざ離れたところにいる私に聞きにくるのです。「もちろんです。聞きにくる必要なんてないですよ、自由にやってください。」と伝えると、あとは色々自分で試していたみたいです。途中、よほど嬉しかったのか、成果を見てもらいたかったのか、「火星うまく入れることができたので見にきてください」とお誘いが。見てみると、えらい大きく見えています。ピントがずれていたのですが、今の火星はずれていても模様のようなものが見えるので、大きい方がよく見えるように思ってしまったのでしょう。


突如、少年期の記憶が

と、これを見て突然小さい頃の記憶が蘇ってきました。多分小学校低学年のころ、父親が買ってきてくれた望遠鏡、KENKOの屈折だったと思うのですが、それで木星を見たときのことです。「縞が見えた」と喜んでいたのですが、今思うと多分収差を縞と勘違いしたのです。その時の像が突然頭に蘇ってきて、この時も大きな像でピントがずれていて、たぶん今回見た火星のようにそれを正しい木星だと思ってしまったのです。「あー、やっぱり同じことするんだ」と、多分40年くらいしてやっと当時の謎、私の中の数少ない少年期の星の記憶が一つ蘇ったのでした。

SCOPETECHでピントを合わせてあげると「こんな小さいんだ」とびっくりしていたようでした。それではと、上ってきた火星をC8で見てもらうと模様も見えるくらいはっきりとしていました。


終盤に近づき

もう終盤に近づいたころ、何人かの女性グループでM31アンドロメダ銀河探索が始まりました。前回のYさんの命日の時もそうでしたが、星座ビノを使って見るのです。「あ、見えた!」とか「どうしても見えん!」とか、もうわーわーキャーキャー大騒ぎです。

そのうち場所がわかってくると「肉眼でも見える!」とか言い出し、7倍の双眼鏡で見てもらうと「わーはっきりわかる!」とか、本当に楽しそうです。最後は皆さん、アンドロメダ銀河の位置はバッチリわかっったようで、大満足みたいでした。

途中、「アンドロメダ銀河を望遠鏡で見たい」と言うリクエストがあったのですが、多分大きく見え過ぎるので「双眼鏡くらいが楽しいですよ」と伝えておきました。これは後にM42プレアデス星団(すばる)をSCOPETECHで入れた時に理解してくれたみたいです。実際にすでにアイピースにすばるは入っているのに、どこだか分からないようなのです。対象が大きいので少し周りからみないとわからないんですね。「アンドロメダ銀河も同じ理由です。スバルはまだ明るいけど、銀河は暗いので中心だけがぼーっとして見えるくらいです。」とか言ったら妙に納得してくれてました。でも実際見てもらったほうがよかったのかもしれません。ただ、経緯台でマニュアル導入なので、ちょっと敷居が高いんですよね。でもいい訓練かも。次回挑戦してもらいましょう。

あ、今回電視観望は(珍しく)使いませんでした。正確にいうと、ほんの一瞬だけ6DとSharpCapではくちょう座辺りを見たのですが、網状星雲が1ー2ショット映って、すぐに雲に隠れたりとかで、今回は出番無しでした。

22時に差し掛かるくらいでしょうか、お客さんもぽちぽち帰り始め、だんだん人が少なくなってきた頃です。全面が晴れてきて、天の川が南西から北東に大きく架かるのが見えました。下手なところに行くよりも、天の川を見るならここは気軽に来ることができ、安全で、トイレもあり、充分暗くて、とてもいい場所です。

しかもここはなぜか私にはとても相性がいい場所で、どんなにダメそうな日でも、たとえ雨が降っていても、必ず途中から晴れて星に巡り合える、今のところ空振りは0の不思議な場所です。この日も短時間でしたが天の川まで見ることが出きて、最後まで残ってくれたお客さんたちは大満足なようでした。

あ、大満足で思い出しました。この日流れ星が結構多かったです。主にカシオペア方向でしょうか、21時過ぎくらいから22時過ぎくらいまで、大きなものも含めて多分10個以上は流れたと思います。流れ星を初めて見た人もいて、すごく喜んでくれていました。私は残念ながらかすみ程度のを一つ見ただけです。


あー、楽しかった

私自身も久しぶりの至極真っ当な観望会で、しかも惑星、アルビレオ、天の川、流れ星とフルコース。SCOPETECHも大活躍。電視観望こそありませんでしたが、大満足でした。

来月は私は行くことができませんが、一ヶ月たつと2時間ぶん空が進んでいます。この日の21時に見えた空が、来月は19時に見えることになります。火星もすばるも最初から見えていることでしょう。来月も楽しんでもらえたらと思います。

8月23日は飛騨コスモス天文台を作ったYさんの命日です。星を見ながらYさんとの思い出を語ろうと、飛騨コスモスの会の仲間で集まりました。

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机を用意し、Yさんの写真を飾り、蝋燭と線香を立て、一人づつお祈りしました。

Yさん天文関係の写真を持ち寄り、昔話に花を咲かせます。Yさんは全国に星仲間がいて、各地に足を伸ばしていたようです。写真を見ると2016年の胎内星まつりにも行っていたとのことで、私も初めての星まつりのとしでまだ知り合いではなかったですが、どこかで会っていたかもしれません。オークション会場の写真があり、私もそこにいたはずなのですが、残念ながら写ってはいませんでした。

せっかく星仲間が集まったので、やはり星を見ます。今回は惑星用にC8を出しました。結構雲が多かったですが、ほとんどの時間、所々抜けているところがあり、月に始まり、木星、土星と見ることができました。コロナ禍で本当に久しぶりの観望会の方もいて、今年初めて見る木星と土星に年甲斐もなくキャーキャー言っていました。多分Yさんも、こんなふうにみんながコスモス天文台に集まって星を見ているのを、空の上から喜んでいてくれるのかと思います。

もう一つは、雲が多かったので135mmのレンズにASI294MC Proをつけて多少広角の電視観望にしました。三脚と自由雲台だけの手動導入です。手動導入にしては少し星雲を探すのは難しいくらいの画角なのですが、それでも雲に隠れた網状星雲が片方の東側だけ見えたとか、三裂星雲と干潟星雲とかをこの間撮った写真と比べながら「今この方向に見えているのがコレですよ。」などと説明しました。最後は北アメリカ星雲とペリカン星雲を見ました。

その後撤収したのですが、その最中にアンドロメダ銀河が見えるかというので盛り上がってしまい、最初は双眼鏡から、でもなかなか見えないので視野の広い星座ビノを人数分出してみんなでM31探しです。「ペガススの四角形の左下とカシオペアの間くらい」「もうちょっと下、ボヤーっとしたやつ」とか、色々言いながら無事に全員見つけることができました。一度コツがわかると、どこにあるか再びすぐに探し出せるみたいです。

終わってみたら月から惑星、星雲、銀河とフルコースでした。Yさんの命日で、もう一年経ったのかと思うのと同時に、やっぱり星が好きな人が集まった時は、しんみりするよりは星を見てるのがいいなと思いました。Yさんもいてくれたらもっと楽しかったのになあ。コロナ禍でなかなか集まることもできなかったですが、これからも活動続けていきますので、天国から見守っていてください。


コスモス天文台でペルセウス座流星群の観望会がありました。

夕方まだ明るいうちに現地に到着。雲がありましたが、青空も一部見えます。18時半頃準備のためにメンバーのSDさん、STさんが一緒に到着、ついでTさんも到着。冬が明けてもコロナ禍と雨で月例の観望会がずっとできなかったので、本当に久しぶりの顔合わせです。

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今回、コロナ禍ということもあり飛騨市と高山市に限って宣伝したとのことです。結構問い合わせもあったとのこと。本当に久しぶりの観望会です。張り切って看板を並べてシートを出して準備をします。受付には体温計と消毒用のアルコール、虫除けと、さらに念のために参加者全員に名前と住所と電話番号をかいてもらうリストを用意しました。 

今回はペルセウス座流星群がメインですが、木星と土星が見頃なので、C8をCGEM IIに載せて見てもらおうと準備しました。天気が心配なので、赤道儀に鏡筒を載せるまで、電源などはつながずに大物だけの設置です。とろこが、準備が終わって暗くなってきた頃には一面の雲。ちょうどその頃に、いつものS君も到着して望遠鏡を2台も出しはじめました。

20時頃、早速お客さんも来ましたが、残念ながら何も見るものがありません。しかたないのでパッと ASI294MC Proに50mmのレンズをつけて、雲越しの星を見ました。星の隙間から星が見えていたので、来ていたお客さんに「こちらで星が見えますよー!」声をかけ「目では見えない星が高感度カメラを使うとこんなに見えるんです」と説明しました。子供も含めて皆さん「こんなに見えるんだ!」驚いていましたが、それも最初の5分くらい。すぐに雲が厚くなってしまって、もうどの方向を見ても全く何も見えません。しかたないので真っ暗の中ドームをカメラで映して「まるで昼間みたいに見ええます」とかお茶を濁していました。

そんなことをしていたら、雨がポツポツ降ってきました。機材も車の中に全て退散させ、シートも全てしまいます。雨はどんどんひどくなってきて、流石に何もできないので、ドームに交代で入ってもらいました。望遠鏡の説明とかをS君が中心になってしてくれます。

私はお客さんと一緒に雨宿りしながら、先日撮影したネオワイズ彗星の写真や、飛騨コスモス天文台で撮ったカニ星雲を見せたりしました。彗星はつい先月のことだったので、知っているお客さんも結構いて盛り上がりました。iPadに写真を出して「彗星は朝上ってくるときには尾っぽから、夜沈むときには尾の方向と垂直くらいの方向に落ちていきます」とか説明したら、「えー、なんで?」と反応が大きかったです。一部ニュースでネオワイズ彗星を「流星」と表現したものがあり、お客さんは彗星を見て最初に「あ、流星」とさけんだので、ニュースの影響の大きさを実感することができました。やはり彗星も流星のように流れているイメージだったようです。「彗星はほとんど動くことはなく、地球の自転で動いているように見えるのです。でも長く見ていると、ほかの星とは違う動きをするんですよ。」とか説明をしました。

でも天気だけはどうしようもありません。21時頃でしょうか、雨がひどいのでもう片付けにはいります。結局お客さんは3−4組だったでしょうか。場所は広いので密になることもなく、何も見えませんでしたが、一応無事に終了となりそうでした。

SD3によると、この時点で連絡をくれて到着をしていないお客さんがいたらしいのですが、道に迷っているらしいです。片付けも全部終わった頃に、やっと場所がわかって到着。車が2台きて、最後の2組のお客さんとなりました。ドームの中くらいしか見せるものがなく、もうシートとかでぐちゃぐちゃになっていたのですが、最後に少しだけ見てもらいました。「何も見えませんので申し訳ありません」と言うしかなく、2組のうち1組の方は帰っていかれました。最後、お喋りをしていたS君も、S君を迎えにきたお母さんと妹のYちゃんも帰ってしまい、残ったのはスタッフのSDさんもSTさんと、もう1組のお客さんだけ。この方、どうもまだ名残惜しいようです。

この時点で21時半頃だったでしょうか。「私はもう少しだけ粘ろうかと思ってます。」とそのお客さんと話していると、ほんの少しですが星が見えてきました。お客さんも車の中から子供二人を呼び出します。SDさんとSTさんはもう車に乗って帰る寸前。大きな声で「星出てきましたよー!」と叫ぶと車から降りてきました。一部ですが、確実に星が綺麗に見えています。そのまま椅子を出して見続けました。雲間なのでわかりにくいですが、白鳥座から伸びる天の川も見えます!子供たちもきちんとわかったみたいです。「天の川初めて見た」とか言って興奮してました。

そんなときです。火球クラスのかなり大きな流星が、来たから南にスーッと大きく流れました。120度くらいは流れたでしょうか。長かったので「あーっ‼︎」と叫んでから見ても十分に見えます。そこにいた6人全員が見ることが出来ました。これにはみんな大興奮。「待った甲斐があった」とか、「最後まで粘った勝利」とか、もう大騒ぎです。これを見ることが出来ただけで、もうこの日の不満が全て吹っ飛びました。せっかく観望会に来てくれたのに、多くの参加者にはこのすごい流星を見せることができなくて、本当に残念でしたが、1組だけでもお客さんに見てもらえたのは本当によかったです。

その後も、雲が掛かっているので小さい流星はほとんど見えず。数は多くありませんでしたが、そこそこ明るいものが5つ確認できました。私はその中の3個を見ましたが、最後まで参加してくれていたお客さんは5つ全部見れたそうです。23時前になって、再び全面厚い雲に覆われてしまいやっと終了です。

全然ダメかと思っていたペルセウス座流星群で、結局機材も出さずに見ていただけですが、最初の大きな火球クラスを見えたことはかなりラッキーでした。

8月28日は飛騨コスモス天文台を作ったYさんの命日です。その日にまた集まって星を見ましょうと言って23時ちょうどに解散しました。Yさんも、みんながコスモス天文に集まって星を見ることを喜んでくれると思います。


結局この日はなにも撮影できなかったので、次の日撮影に向かうことになります。


 

先週末の撮影ですが、やっと最後の記事になります。

飛騨コスモス天文台ドームの調整後
、ピラーと赤道儀の振動のために星像が三角になるという問題は依然ありますが、せっかくなので撮影を敢行しました。


初めてのM1:かに星雲

最低限の光軸調整はできました。振動は手元にあるものではどうにもなりそうにありません。今度来るときまでに太いゴムバンドでも用意して、振動をダンプさせようかと思います。星像は後で画像処理で何とか誤魔化すとして、撮影を試みました。

ドームの3000mmの鏡筒にASI294MCをつけて、十分寒いのでとりあえずは冷却もなしで撮影してみます。露光時間は60秒、ゲインは470、枚数は121枚撮ったうちの106枚を使いました。合計106分ということになります。bias補正100枚、ダーク補正100枚撮っています。flatは無しです。結果は以下のようになります。

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画像処理は星像の三角をごまかすのがかなり大変でした。色々試しましたが、結局PixInsightのMorphologicalTransformationを使いました。星像をDilationで一旦大きくしがてら円形に近づけ、その後Eroisionで再び元の大きさに縮めます。ただ、その時の星雲マスクがあまりうまくできなくて、星雲内の恒星が分離できなかったので、星雲内の星像は三角はままで結局手付かずでした。

なお、今回Starnet++がうまく分離処理できなかったので、使うのを諦めました。M57で試した時も一度うまくいかないことがあったのですが、長焦点で星像がボテっとしているようなものはどうも苦手なようです。そのため、マスクなしで処理したので恒星の色が過剰に出てしまっています。

また、光状線が二重になっているのと、きちんと十字にならないことも気づきました。おそらくまだ光軸がずれているのと、スパイダーが曲がっている可能性があります。

とまあ反省点は多々ありますが、初めてのかに星雲です。長焦点で撮ってみたいものの一つでした。モジャモジャもなんとか出たので、まあ満足です。

あ、M57も撮影していたのですが、撮影枚数が少ないのと、分解能がまだVISACに全然追いつかないので今回はお蔵入りです。


まとめ

結局4つの記事になってしまいましたが、やっと先週末のまとめが終わりました。普段あまり遠征とかしないので、寒い中コンビニ飯を温めたりしてなかなか楽しかったです。

飛騨コスモス天文台で撮影までしようとすると、まだまだ問題点があることがやっとわかってきました。テコ入れの方法はまだありそうなので気長にやっていきたいと思います。現地はもう雪が降り始めているらしいので、多分春になってからでしょうか。

今回、画像処理に時間がかかってしまいましたが、今週末撮影した画像がすでに処理を待っています。忙しいですが、もう年末ですが今年やっとまともに撮影できている感じです。日本海側は冬は全然ダメなので、今のうちが数少ないチャンスです。
 

さて、飛騨コスモス天文台の鏡筒ですが、撮影レベルで使えるかどうかの検証の続きです。今日は前回と違って時間はたっぷりあったので、色々試しました。


飛騨コスモス天文台の機材

まずは赤道儀と鏡筒ですが、改めて見てもどうもよく分かりません。赤道儀は少なくともタカハシ製で、最初NJPかと思っていたのですが、シリアルナンバーを見るとどうやら1978年製。このころはまだTS式システム160J赤道儀/J型赤道儀というシステムで販売されていたものらしくて、どうやらJPとかNJPとか単体で呼ばれる前のものだったのかもしれません。

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鏡筒についてですが、ちょうど日曜に富山県天文学会の忘年会があったので、そこで昔のことを詳しい方達に聞いてみました。焦点距離3000mmというのと口径250mmという情報から、やはりタカハシのミューロンの初期のものではないかとのことでした。でもやっぱりWebで調べても形が所々違うんですよね。

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色は赤道儀と同じです。昔のタカハシカラーなのか、もしかしたら後から赤道儀と鏡筒を合わせて別の色で塗っている可能性もあります。とりあえず機材に関してはあまり進展なしです。

(2019/12/21追記: スターベース さんで聞いてきました。少なくともタカハシ製ではないとのことです。日高光器製との情報もありますが確定ではありません。確かにネットで調べてみると、日高光器デザイン、ヨシオカ光器制作の反射型のデザインに似ているところもあります。色はどうやら赤道儀と合わせて後から塗ったのは確定のようです。)


極軸調整

まずは簡単なところからはじめす。いつものようにSharpCapでの極望です。ところがここの機材、あまりにまとまりすぎていてCMOSカメラを取り付けるところが全然ありません。いろいろ探した末、モーターのカバーを取り付けているネジを一本外して、そこに無理やりアルカスイスプレートを固定し、そこにいつものアルカスイスクランプ付きのCMOSカメラを固定しました。

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実際に現在の誤差を測定してみると、なんと20分角以上もあります。これでは流石に前回の撮影中に星像がどんどんずれていったはずです。

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とりあえず写真に写っている水平調整と、六角レンチを指している垂直方向の調整で、1分角くらいの精度まで合わせこみました。

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ただしカメラがASI178MCで、そこに焦点距離50mmのCマウントレンズをつけてあるだけなので、精度は不十分で、誤差を考えると1分角は出ていないはずで、せいぜい数分角程度かと思います。それでもずれはこれまでの10分の1程度にはなったはずなので、ノータッチガイドでもある程度の時間撮影を続けることができるはずです。


光軸調整

光軸調整の方は厄介です。とにかく鏡筒が普段触っているものより大きく、高いところにあるので扱いにくいです。まずは鏡筒を水平近くに持っていって、地平線上に見えるくらいの星を入れて、副鏡に手が届くようにしてから光軸をいじってみました。副鏡のネジは4つ。自由度はpitchとyawに分離できるので、基本的に触るのは2つのネジだけです。それぞれの自由度でどちらのネジをいじるかを決めて、もしネジを全部締めこんでしまった場合や緩めすぎになる場合は、反対側のもう一方のネジで調整するようにします。

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もともと恒星が明らかに尾を引いていたので、それを消すように調整します。ただし、中心で合わせても四隅ではコマ収差のためにどうしても尾を引いてしまうようです。カセグレン式のこの鏡筒は眼視がメインと思われるので、致し方ないです。そのうちにコマ補正を試せればと思います。


ASCOMでの動作

光軸調整後、後々のガイドなどのことを考えて自分のPCで赤道儀を操作できるか試してみました。もともとドームにあるラップトップPCにはステラナビゲーターが入っていて、LX200モードで自動導入が可能になっているようです。なので自分のPCにもLX200用のASCOMドライバーを入れて、そのドライバーを介してCartes du Cielから操作してみようと思いました。

まず、接続自身は問題なくできます。Cartes du Cielのカーソルを押すと、その方向に赤道儀が動いているのが分かります。ところが、同期だとか、導入をしようとすると、赤道儀から現在地がどこなのかの反応がないと怒られてしまいます。赤経赤緯の読み取り値を見てみると、数値は両方とも出ていますが、片方は緑色、もう片方は赤色でどうも片方だけうまく読み取れていないようです。時間ももったいなかったので、この時点で諦めて、ドームにもともとあったPCでの接続に戻して再び自動導入をできるようにしました。Cartes du Ciel以外のソフトを使う手もあるので、ドライバーがうまく動いていないのか、プラネタリウムソフトが何か悪いのか、パラメーターが悪いのか、次回の課題です。

この日はガイドは諦めるとして、ここでM57を撮影してみました。30秒露光なのでガイドなどは必要ありません。こと座の高度はだいぶん下がってきていて、山のすぐ上くらいにあります。なので枚数は全然稼げませんでしたが、前回は10秒露光、今回は30秒露光でほぼ同じような星像の大きさになったので、少しは光軸調整の効果が出ているようです。下の写真はdebayerだけしてオートストレッチをかけたものをJPEGにしたものです。星像は変な形はしていませんが、分解能はまだまだでVISACのように点像とは言い難いです。カセグレン式は中心像は結構いいと思っていたのですが、それほどでもないのかもしれません。

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M1かに星雲の撮影

さて、問題はここからです。M57も沈んでしまったので、今日のメインのM1、かに星雲の撮影を試みることにしました。M57での星像を見るに、分解能はそれほど期待できないかもしれません。M1はこの時間かなり高い高度にきているので、鏡筒を真上近くに向けます。ところがM1を導入してみてびっくり。全ての星が全然丸くありません。どちらかというと三角形です。

Capture_22_47_14_00008_22_54_58_RGB_VNG
拡大して見てみると星が三角になってしまっています。

うん?鏡筒を反対側に持ってきたので光軸がずれたか?と、気を取りなおしてまた鏡筒を水平近くに持ってきて光軸調整をしようとしますが、まだ何も触っていないのに星像がまともな丸になっています。なんで?とりあえず何も触らずにまた上の方のM1に戻すとやはり三角っぽい形です。この時点で、これは光軸のずれのせいではないと思い直し、落ち着いて考えてみました。

星像をよくみていると、どうも形が時系列で変わっています。時には丸のこともあれば、時には三角、さらには細長い時もあります。あー、と思いおもむろにいろいろなところを揺らしてみました。するとわかったのは、
  • ピラーがかなり、目で見てわかるくらいに簡単に揺れること。
  • 鏡筒とウェイトでダンベルのようになっていて、それが赤道儀の赤経周りの回転モードで励起されていること。
これらの2つのモードが励起されると、ちょうど星像が三角形のように撮影されるということです。しかもかなりQ値が高いようで、なかなか減衰しません。半減期は5秒とかのオーダーでしょうか。周波数も真面目に測っていませんが、数10Hzはありそうです。下の写真はピラーと鏡筒を叩いた時の同じM1の周りを0.25秒の露光時間で撮影したものです。2つのモードが励起されて星像が円を描いているのがわかります。

Capture_00_50_09_00001_00_50_09_RGB_VNG

コンと叩いただけでここまで揺れるのは流石にいただけないです。地面や風の揺れだけで星像がおかしくなるのも納得です。何らかのダンパーが必要になるのかと思います。

さて今回の記事はここまでで、次回は撮影したM57とM1を処理したものです。でもやはり像が甘いのであまり期待できません。

 

飛騨コスモスで撮った画像、やっと処理をする時間が取れました。2本のレンズ、PENTAX 6x7マウントの105mm f/2.4で撮影したものと、PENTAX 6x7マウントの200mm f/4で撮影した画像を処理してみます。


機材と撮影条件1

最初は105mmです。アトムレンズの性能を見い出せるかがポイントです。
  • カメラ: Canon EOS 6D HIKIR改造
  • レンズ: ASAHI PENTAX Super TAKUMAR/6x7 105mm f/2.4 (アトムレンズ)
  • 撮影条件: ISO1600、露光時間90秒 x 36枚、総露光時間54分
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
  • 撮影日時: 2019年11月23日21時19分 - 22時14分
撮影範囲は北アメリカ星雲からサドル付近を含んだ範囲、かなり賑やかなところです。夏の星座なので、高度もある程度下がってきていて、山に沈むまでの時間で制限されました。


画像処理と結果

今回は結構綺麗に出ました。使ったソフトはPixInsiteとStarnet++、Photoshop CCです。前回Starnet++を使ってみてかなり楽だったので、今回も味をしめて星雲と恒星を分離してから、星雲をあぶり出しています。

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色もわりと簡単に出ます。画像処理の過程で、黄変は全く気になりませんでした。周辺に少しコマは残りますが、拡大してみない限りはそこまで気にならないレベルです。そもそもf/2.4の開放での撮影なので、少し絞ればもっとマシになるのかもしれません。次回チャンスがあるときに試してみたいと思います。

結局アトムレンズのことは画像処理の間は全く気になりませんでした。特に悪いところも、特筆すべきところも意識できませんでした。周辺減光が少ないのは中判だからかと思います。センサーに放射線がノイズとして現れるというのがあぷらなーとさんから報告されていましたが、PIでホットピクセル処理をするのと、Integrationのときにminimumになるように重ねることで、ほとんど気になりませんでした。




機材と撮影条件2

さて後半ですが、ここからはもうただのおまけです。200mmは全然ダメでした。

撮影の時に目立った赤ハロがどうなるかがポイントです。
  • カメラ: Canon EOS 6D HIKIR改造
  • レンズ1: ASAHI PENTAX SMC TAKUMAR/6x7 200mm f/4
  • 撮影条件: ISO3200、露光時間90秒 x 47枚、総露光1時間10分30秒
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
  • 撮影日時: 2019年11月23日23時50分 - 11月24日2時13分
こちらはエンゼルフィッシュ星雲です。少し焦点距離が長かったかもしれません。エンゼルフィッシュが大きくなりすぎて、全然エンゼルフィッシュになりませんでした。

そうそう、そういえばエンゼルフィッシュにするときに、カメラを90度回転させたくなりました。今回はカメラを赤道儀に固定していたのでここで苦労しました。赤道儀にはアリガタからアルカスイスクランプに変換する自分で組み合わせたアダプターを取り付けて、そこにカメラを取り付けています。カメラの底面につけたアルカスイルプレートで固定するので、普通に水平におく場合には何の問題もないのですが、90度傾けようとするとプレートが側面についていないのでどうしようかと迷いました。今回は自由雲台を取り付けてカメラを倒すように取り付けて90度回転させましたが、200mmレンズが重すぎて自由雲台のボールが耐えられずズルズルとずれていきます。これは冴えないので何か解決策が必要です。(2019/12/21追記: L字アルカスイスクランプで解決しました。)


画像処理

いやあ、このレンズは星撮りにはダメでした。赤ハロの処理がこんなに大変だとは。

まずはごく普通の処理でやりましたが、全く歯が立ちません。背景はざらざら、色は出ない。

こうなったら持っている技術を注ぎ込みます。例えばPixInsightt上でRGB分解してRのみ星像を小さくしてみます。それでも残る赤いシミをいかに誤魔化すかにすごい手間がかかりました。75mmでの自宅撮影ではあんなに簡単に色が出たのに、はるかに光害の少ない場所での撮影で全然色が出ません。

時間ばかりかかる割に、全然仕上がりまで辿り着きません。四隅のコマ収差も酷いですがもうそれどころではないです。もう諦めてここら辺にします。撮影する時間も、処理する時間も結構かけたのですが、こんな仕上がりなら載せない方がいいかもしれません。

このレンズはお蔵入りです。

masterLight_integration_DBE_DBE_DBE_CC_RGB_STR_SNP_PS_cut
疲れました...。限界です。


まとめ

PENTAXのレンズ3種を画像処理まで試したことになります。

まずはさすが中判、3本とも周辺減光がほとんど気になりません。今回フラットは撮っていないですが、PixInsightのDBEを軽く適用するくらいでした。周辺の補正はほとんど無いレベルでした。

一方、コマ収差に関しては75mmが圧倒的にいいです。たとえるならFS-60CB+レデューサーで出てくる歪みくらいでしょうか。FS-60CBに新フラットナーを合わせたときには負けますが、個人的には全然不満にならないレベルです。105mmのアトムレンズのコマ収差は無視できないレベルですが、もう少し絞ったらマシになるかもれません。それでもまだ許容範囲の口です。200mmのコマは許容範囲外です。それよりも赤ハロのひどさには閉口しました。撮影の時にはこんなもんかと思っていたのですが、画像処理をして大変さを実感しました。

というわけで、同じPENTAXの6x7マウントといっても手に入れた範囲だけでも色々です。75mmはこれからも使い続けます。かなりお買い得でした。105mmは絞ってからもう一度判断したいです。でもアトムレンズの性能が味わえたかというと、ちょっと微妙です。値段的にも(中古なので十分安いですが)75mmと比べると少し割高だと思いました。200mmはもう使いません。あの赤ハロでは時間の無駄になってしまいます。あ、昼間のレンズとしてなら使うかもしれません。

それでも結構面白い経験でした。もしかしたら当たりを求めてもう少し6x7レンズ買い足すかもしれません。また沼ですかね。
 

前々前回の記事でPENTAXの6x7の75mmでとったオリオン座とエンゼルフィッシュ、



前々回の記事でコスモス天文台での話、



前回の記事でPENTAXレンズを含んだアトムレンズの記事(結局PENTAXはアトムレンズではなかったのですが)



を書いたのですが、今回はそれらを統合したような話です。


PENTAX 6x7をレンズもう一本

先週東京に出張した際に、秋葉原のキタムラにて懲りずにPENTAXの6x7マウントのSUPER TAKMAR 105mm f/2.4レンズを手に入れました。前回手に入れたマルチコートではないようです。

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程度は悪くないのですが、レンズをのぞいてみると激しく黄変しています。

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Webで調べてみるとどうやらこれは紛れもないアトムレンズのようです。前回同様実測してみました。

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前面は1.27μSv/hとNIKKOR35mmより低いくらいでしたが、背面(カメラボディー側)はなんと9.99μSv/hと表示されて測定範囲外に。少なくともNIKKOR35mmの数倍はあることになります。これは少し驚きました。それでも100時間くらいのオーダーで数cmくらいの近距離において使った場合にやっと自然被曝程度なので、普段使用では安全性に問題があるとは思えないのですが、念のため保管の時はきちんと鉛板で覆ったケースに入れておいたほうがよさそうです。

測定の結果、今回のPENTAXレンズは本当にアトムレンズということもわかったので、同じPENTAX 6x7マウントでどれくらい性能が違うのか興味があります。はたしてアトムレンズはすごく性能がいいのか、はたまたそんなのは迷信なのか。


久しぶりの快晴で透明度も良!飛騨コスモス天文台で撮影敢行

そんな折の土曜日、昼間から珍しいくらいに快晴で しかも月も深夜遅くまで顔を出さないとあって、この日は撮影日和です。しかも遠くの立山もかなりはっきり見えるので透明度もいいはず。飛騨コスモス天文台に行って、ドームの望遠鏡の調整がてらPENTAXレンズで撮影を敢行することにしました。

飛騨コスモス天文台に到着したのはまだ日が沈む前。夕焼けが綺麗でした。

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撮って出しJPEG画像

ドームの話は次回に譲るとして、今回はPENTAXレンズの比較だけにします。試したのは以前75mmと一緒に手に入れたのにまだ試していなかった200mmでエンゼルフィッシュ星雲。今回手に入れたアトムレンズの105mmで北アメリカ星雲とサドルの近辺です。まだ画像処理が全然進んでいないので、とりあえずJPEG撮って出し画像だけ出します。

まずは200mmです。これも前回の75mmと同じで、ピントリングで最小像を超えることができないためにリングを無限大のところまで持って行っています。

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次に105mm。こちらはなぜかピントリングで最小像を超えることができます。最小像まではいいのですが、それを超えるととたんに赤ハロが目立ちます。どうやらK&FのPENTAX 6x7からCanon EFに変換するアダプターですが、レンズによってピント出し位置が多少異なるようです。無限遠が出ない可能性もあるので注意です。

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周辺星像

4隅の画像です。まずは200mmですが、赤ハロがひどいのがわかります。コマ収差もかなり目立ちます。

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次に期待のアトムレンズ105mmです。中心像は悪くないですが、周辺はコマでしょうか?収差が多少あります。それでも200mmよりは遥かにマシです。ハロはそれほど目立ちません。

IMG_4600


あれ?でも前回の75mmってもっとマシじゃなかったっけ?ちょっと前回のものも再掲載します。

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うーん、もう明らかに75mmの方がマシですね。アトムレンズにはこれ以上を期待していたのですが、どうやら75mmだけの奇跡だったのかもしれません。


PENTAX 6x7マウントレンズのまとめ

今回で3つのPENTAXの6x7レンズを試したことになります。結構目立つ赤ハロとコマ収差が出る200mmと比べると、アトムレンズである105mmの星像はかなりマシです。でも75mmの素晴らしい星像と比べると雲泥の差で、どうやらアトムレンズといえども決定的に有利というわけではないようです。今回の105mmはかなり期待していたのに、少し残念です。

でも同じPENTAXの同マウントで、なんで75mmだけこんなに性能がいいのでしょうか?他にもこのレベルの他の焦点距離のレンズも存在するのでしょうか?流石に昔のレンズで情報もあまりないので、こればかりは買って実際に試してみないとわからないですね。

次回は画像処理をして、実際の仕上がり具合で比較してみることにします。
 

先週末、透明度が良さそうだったので、月が出るまでの時間だけでもと思い急遽コスモス天文台に向かい、ドームの望遠鏡を活用することができないかと、少し試してきました。時間が限られていたので、ASI294MC Pro(ただし、冷却はせず)をそのまま取り付けてM57をテスト撮影してみました。


ドームの機材

さてドームの中の機材ですが、実はこれまであまりきちんと確認したことがなくて、聞いているところでは口径250mm、焦点距離3000mmのf12鏡筒ということはわかっています。 カセグレン式だと思うのですが、メーカーはおそらくタカハシ。タカハシでこの条件に当たるのはミューロン250だけです。でも旧式だからでしょうか、結構形が結構違うのでもしかしたら他のメーカーかもしれません。赤道儀はたぶんNJPかと。そこにLX200互換モードで駆動するモーターが後付けで付いているようです。

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カメラを取り付けて星を見てみた

ドームの鏡筒はいつもは眼視でしか使っていませんが、カメラで見たときにどれくらいの撮像になるのか興味があります。とりあえずテストで画面に映し出して、様子を見てみました。
  • まず、光軸がおそらくきちんとあっていません。内外像もかなり差がありました。
  • 鏡筒に触ると、星像がある一定時間一方向に伸びます。どうもある振動モードだけが励起されやすいようです。
  • 長時間たつと像がずれていくので、極軸がきちんとあっていないようです。
今回は時間があまりなかったので、調整は諦めました。極軸はSharpCapのPolar Align機能ですぐに合わせられると思います。光軸はまだちょっとよくわかりません。


M57を撮影

光軸がおそらくあっていないのですが、とりあえず一番まともそうなピントで撮影してみました。露光時間は10秒で301枚、合計50分10秒です。テストなのであまり気合を入れて画像処理はしていません。なので、フラットもダークも無しです。結果は以下のようになりました。

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やはり星像がぼーっとしています。今まで撮った中で一番まともなVISACの画像と比較してみます。左が今回のコスモス天文台、右がVISAC。解像度はまだまだ雲泥の差です。

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ただ、口径が250mmで焦点距離が3000mmあるので、ポテンシャルは高いはずです。光軸を一度きちんと合わせて再度挑戦してみたいと思っています。

あと一つ気づいたことですが、今回は10秒露光なのである意味ラッキーイメージングに相当するかと思います。そのせいか、相当透明度は良かったはずなのに、そばに見えるはずのIC1296がほとんど出ていません。やはり露光時間が短いせいなのかと思います。ラッキーイメージの星像の鋭さと、淡い星雲をあぶり出すことを両立するのは、やはりHDRのような多段階露光が必要になるのかなと思います。


また来年か

ドームを使って撮影するのは初めての経験です。今回はあまり時間もなかったのでまだまだ調整不足ですが、次回機会があったら時間をかけて光軸調整までして撮影に臨みたいと思います。

でも間も無く雪のシーズンが始まります。豪雪地帯のコスモス天文台は冬の間は近づくことさえできません。今年無理なら、来年暖かくなってからの課題としたいと思います。


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