ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:イベント > 星まつり

この記事は「小海「星と自然のフェスタ2023」参加記: 2日目前半」からの続きとなります。




講演終了後

電視観望の講演が終わって部屋に戻り、妻に「48人も入ったよ」と報告したら「見てた!すごい!」と言ってくれました。全員が席に着くまで案内を手伝ってくれてたので、ある程度の人数は既に知ってくれていたようです。妻は元々あまりたくさんの人がきてくれるとは思ってなかったみたいで、ちょっと見直してくれたみたいです。「講演も聞いてたの?」と聞くと、案内だけしてすぐに部屋に戻ったとのこと。あとはゴロゴロしてたみたいです。

とにかく今回メインの講演が無事に終わったので、私は部屋でしばし放心状態でした。本番まではかなり気を張っていたのであまり感じなかったのですが、有料講演だったということもあり、実際にはかなりプレッシャーを感じていたみたいです。終わってから、改めて思いました。

でもあまりのんびりもしれられません。次はサイトロンブースでのデモです。18時には準備を始めたいので、程なくして講演で使った機材を一部再び持って、車で下の第一会場に向かいます。


第1会場で電視観望デモ

下の第1会場に着くと、すでにかなり暗くなっていました。必要な機材を車から持ち出して、打ち合わせで決めてあった場所に向かいます。途中、暗がりの中からサイトロンスタッフさんが私の姿に気づいてくれて、声をかけてくれました。結局少し手前に場所を移したそうです。VixenさんがPENTAXの150mmでしょうか、大型屈折を出していた場所の手前あたりに陣取ることになりました。

予報では心配だった天気も、空を見る限りかなりいいです。少しだけ雲も見えますが、昨晩よりは遥かにましでしょう。この日は土曜でメインの日なので、お客さんもたくさんくるはずで、大型の32インチのモニターと、私の方は少し小ぶりの24インチモニターを出します。32インチの方はメインのハイエンド電視観望でAskarの151PHQ。なんと150mmクラスのフォトグラフィークラスのアポです。私の方は小さいモニターにつなぎ、気軽に天の川電視観望です。手軽さと広角という、ハイエンドとは逆方向の電視観望の楽しさを伝えれればとの思いです。

天の川電視観望は準備も気軽で、三脚と自由雲台、あとはCOMSカメラに明るめ広角のカメラレンズだけです。赤道儀も経緯台さえも必要なく、当然自動導入や自動追尾さえもなくて、全部マニュアル導入で追尾なしの放ったらかしです。今回カメラはフォーサーズサイズのASI294MC、レンズは35mm F1.4の1970年台のNIKKORレンズです。F1.4だと明るい星の周りに大きくハロが出ることがわかっているので、F2.0に絞って使います。この日はほぼ満月だったので、光害防止フィルターとしてサイトロンのDBP(Dual Band Pass)フィルターを入れています。

途中、講演を聞いてくれた方も含めて、このシンプルさに興味を覚えてくれる人が多かったです。古くからカメラファンの方には、手持ちのレンズで気軽に試せそうなとことも興味を引いたようです。ほぼ満月の日に6.4秒露光一枚撮りでこれくらい見ることができます。フィルターのせいもありますが、SharpCapのリアルタイムフラット補正がかなり効いています。この機能、以前はベータ版の身についていましたが、現在は4.1の最新版の正式機能として採用されています。
Stack_16bits_1frames_6s_18_08_41

天の川電視観望を見せている間に、サイトロンスタッフの方が151PHQで導入まで準備してくれています。この時点でまだ開始予定時刻の19時前だったのですが、少し雲が多くなってきたので、本番中に曇った時のためにM27をしばらくライブスタックさせておいて、予備画像として残しておくことにしました。でもこの時点ですごくて、途中の高々十数分のライブスタック画像で画像ですでに亜鈴状星雲本体の周りにある、蝶の形をした羽の部分がうっすらですが出てきてしまっています。
Stack_63frames_1890s_WithDisplayStretch_cut

さて、19時くらいになりお客さんもかなり集まっているので、改めて今回のコンセプトを話します。
  1. まず特徴は、ハイエンド機材を使うことで電視観望がどこまで行けるのか、その一端を見て頂きたいこと。
  2. その後の簡易画像処理で、その場で見るということに主眼を置いて、どこまで綺麗になるのか示してみようというものです。
具体的には、気軽にトータル15分程度のライブスタックで、見たままの画像を、フォーマットも気軽に8ビットのPNGで保存し、Photoshopでこれも気軽にほぼcamera RAWフィルターだけで5分程度で画像処理をしたら、どこまで出るのかのデモンストレーションということです。

最初はらせん星雲にしました。上下に雲がありますが、星雲本体あたりはちょうど雲が開けていて、10分程度なら露光できそうです。ここで151PHQならではの問題が。なぜかライブスタックがうまくいきません。どうやら、微恒星が点像で鋭すぎてノイズと見分けがつかなくて、星認識がうまくいっていないようです。これはライブスタックのノイズリダクションをオフにすることで、無事にスタックし続けることができました。私自身もこんな経験は初めてで、ハイエンド屈折の能力の一端を見た気がします。このやりとりを見ていたお客さんの中にはかなり驚いていた方もいたようですが、サイトロンの方が「性能もすごいですが、価格もすごいです」と今月発売開始された際の価格を伝えるとそちらも「オオーっ」という反応が。

曇りになるまでの十数分、ライブスタックを重ねた画像をPNG形式で保存して、
Stack_32frames_960s

それをPhotoshopで画像処理します。それでも保存時でストレッチまで済んでいるので、そこそこ出ています。背景を少し黒く締めて、彩度を上げて色を出します。流石に虹彩のような放射状の線は出ませんでしたが、十数分の露光に5分程度の画像処理で仕上げただけでそこそこ見える画像になったのは、やはり151mmの口径の威力もあったのかと思います。
Stack_32frames_960s_01

自宅に帰ってから改めて画像を見ましたが、さすがに5分程度の画像処理だとまだまだ持っている情報を引き出せていない気がしました。始まりの画像は同じ8bitのPNGですが、30分程度時間をかけて、ソフトには制限をかけずにもう少し炙り出してみました。本体周りの淡いところと、本体の構造はもう少し出せたのかとと思います。
Stack_58frames_1740s_WithDisplayStretch_ABE_cc_1_cut

続いて、網状星雲です。網状星雲の「い」の字の形のうち、今回は明るい星が入っている東側のNGC6992-5の方です。内側の淡いところがどこまで出るかも興味があります。ちょうどはくちょう座方向はこの時十分に晴れていたので、焦ることはなくライブスタックで十数分の露光をかけました。まずはライブスタック直後です。
Stack_47frames_1410s

かなり淡いですが、現場で5分程度でPhotoshopで画像処理をしたものです。
Stack_52frames_1560s

これだけでもかなり出てきたのがわかります。改めてもう少し時間をかけて処理したものが以下です。
Stack_79frames_2370s_WithDisplayStretch1_ABE
さらに隠れていた淡い部分が出てきたのかと思います。これもあくまで8bitのPNG画像で簡単に見たままで保存した画像から処理しています。それでもこれくらいは情報が隠れていることがわかります。

IMG_8757

今回特に思ったことは、画像処理に対する需要がかなりあるのではということです。凝った画像処理はキリがないのですが、もっと基礎的な最初のとっかかりというか、今後扱うことになる本流とはどういうものかという紹介とか、例えば今回なら電視観望で得た画像をどう処理するべきかといったような、初心者がせっかく撮った画像をいかに鑑賞するくらいまで仕上げるかといったことです。画像処理も慣れてしまえばいろんな方法があることもわかってくると思うのですが、最初のうちは何から手を出していいのかわかりにくのかと思います。もしかしたら、来年の講演はこういったことを話せればいいのかもしれません。


片付け

21時近くになると、空もだんだん曇ってきました。最後まで見ていてくれたお客さんに今回のデモのまとめを話し、解散となりました。私も片付けを始め、21時半頃には第1会場を後にします。

部屋に戻る前に上の方も見ていこうと、アストロカーのところに寄ってみると、ちょうど最後のお客さんが終わるところでした。そのまま主催者のSさんとお会いすることができ、講演に招待していただいたお礼と、来年どうなるのかなどを少し話しました。

その後、第2会場に立ち寄って、やっとRYOさんとお話することができました。今回の講演では私のが電視観望の基礎、RYOさんのが電視観望の応用というような、連動企画のような状況になっていました。RYOさんとは準備段階でも連絡を頂くなど、いろいろお世話になっていました。今回の講演は二人ともかなり盛り上がったと思うもで、RYOさんとはいつかなにか合同で企画してみたいと思います。あいにく期待のRYOさん自慢のシステムGOZENSAMAは雲が出てきて稼働するところは見えなかったですが、RASA8を使ってリアルタイム電視観望の流れを汲むということで、原点復帰で非常に興味深いです。

この時点でかなり寒くなってきていて、22時15分くらいだったでしょうか、部屋に戻りちょうどウダウダしていた妻も誘って、そのまま温泉へ。どうも聞いてみたら、妻も大1会場まで見にきてくれていたみたいです。一角だけ人だかりができていたと言っていました。

温泉が冷えた体を温めてくれました。温泉を出た後の恒例のアイスを食べながら、たまたま同じ時間になったサイトロンスタッフさんと、画像処理の反応の大きさとかについて話していました。

部屋に戻って、初日朝にかった菓子パンをひとつだけ食べて(結局この日の夕食はこれだけでした)、疲れ果てて寝てしまいました。でもかなり満足した疲れでした。


3日目

朝ちょっとゆっくりめに起きて、8時頃から朝食に。休日ということもあり、子供づれの家族もたくさんいて、かなり混んでいて2階の空いている席に案内されました。昨晩はほとんど何も食べてなかったので、朝はやっとお腹が空いてそこそこ食べることができました。でも調子に乗ってまた食べ過ぎてしまい、この日も昼食抜きとなってしまいました。

朝食後は荷物をまとめてチェックアウトです。その後に、第1会場に少しだけ寄ってみると、エーデルワイス内の片付けはすでに終わっていて、キャンプ会場も撤収をしている方が多かったです。会場に残っていた何人かの方と挨拶をして、星フェス会場を後にします。

帰り道は、来た時の佐久経由ではなく、松本経由にしました。来るときに通れなかった、メルヘン街道を行ってみます。昨年より開催時期が一月近く早くなり、雪や道路が凍る心配もないので、一度走ってみたかったのです。でも、昨年までに実際通ってきた人から聞いていたのは「かなりの悪路で、あまり使いたくない」という声です。砂利道か何かなのかと想像していたのですが、実際通ってみたら全然そんなことはなく、多少クネクネしているものの、全然普通に通れる道です。アスファルトも少し凸凹していたところもありますが、富山の地元の山の狭い道とかと比べたら全然まともでした。しかもちょうど紅葉シーズンです。下の方はまだ少し早く、最高高度近くはもう葉っぱが散っているような状況だったので、高さに応じて紅葉度合いが楽しめ、とてもきれいでした。道には宣伝の看板なども皆無で、頂上あたりは尾根沿いにあたるのか、クネクネ道も少なく、昔海外にいた頃に走った道を思い出しました。

IMG_8762

メルヘン街道も頂上を越えどんどん進んでいくと、高度もだんだん下がり紅葉をピークから早い状態へと逆戻りしていきます。別荘がが出てきて、レストランとかの店も出てきて、普通の民家も出てきて、最後諏訪の市街地に入り車の渋滞が始まると、とうとうリゾート気分も終わりです。

高速は諏訪ICから松本ICまでで、大した距離ではありません。行きとの高速代の差額は5000円位、距離が100km近く短くなるので、ガソリン代の差額が1500円くらいでやはり無視できない額になります。高速は少しの間なので、諏訪SAに入り、少しお土産を買い、松本で高速をでてすぐに給油。そこから下道なのと、眠くなってしまったので妻に運転を代わってもらい、無事に帰宅しました。


妻の感想

恒例の妻の意見です。今年はどうでしたでしょうか?
  • いつもより1ヶ月近く早いので、紅葉が楽しめてよかった。
  • お風呂は源泉でいつもながらよかった。23時の終了間際だと星を見ていた人がたくさん一度に来るので、混んで大変かもしれない。
  • 去年ほど(自分が)ドタバタしていなかった。初日の夜に一緒に(私Samと)食事ができたからかもしれない。前回は何か行事(古スコ懇親会)があって一人で夕食だったからかも。
  • 何もしない贅沢が素晴らしく快適で、だんだん海外リゾートっぽいイメージになってきた。
  • ホテルの対応もかなりよかった。お客さんが大人数でもドタバタしていなかった。(これは私も思いました。昨年も一昨年に比べかなり改善されたと思いましたが、今年は不満が全然なかったです。)
  • ウェルカムスイーツが想像より本格的だった。
  • やはりここはガトーキングダム(日本語で「お菓子の王国」?)の名に恥じない夢にまで見た「お菓子の城」だった。でも食べすぎた。さすがシャトレーゼ。(妻は普段からシャトレーゼの大ファンです。)
  • お腹をこなすのに、美術館まで散歩で往復した。適度な距離で楽しかった。
  • 佐久ICからの、高い所を走る天空の道のような高速道路(実際には無料の道路)も良かったが、帰りの諏訪へ向かうメルヘン街道もすごくよかった。
とのことです。どうやら今年はほとんど不満もなく、いつもの辛口批評も口を潜めています。見ている限りかなり満足していたようでした。星に関してほとんど感想がなかったので、星以外で十分楽しんでいたということでしょうか。あまり相手ができなかったので、私としては勝手に楽しんでくれていたようでありがたいのですが...。


まとめとお礼

最後にですが、今回の星フェス、私としてはとても充実していて、十分に楽しむことができました。講演とデモがあり、準備なども含めると時間が少し足りないくらいで、もっと現場をゆっくり見て、他の方ともたくさんお話ししたかったというのも少しありますが、多分体力的にもほぼ限界かと思います。

会場では至る所でボランティアさんたちが、会場の設営準備から星フェスの役割分担までたくさんのことをこなしてくれていました。本当にありがとうございました。主催のテレスコ工房のSさんには、講演のお誘いから、星フェス開催までの相談など、大変お世話になりました。今回の星フェスは、これまでとは違ったエーデルワイスという新たな会場で、特に寒い夜など相当快適でした。まだまだこの星フェスは進化し続けるのではと思わせてくれました。今年も開催までにおそらく相当な困難がたくさんあったかと思います。それでも3日間、楽しい星フェスとなったのは、Sさんはじめ、スタッフの方々、ボランティアの方々のお力のおかげかと思います。心から感謝しています。小海の星フェスは、今では完全に日本の大型星まつりの一翼を担っています。できることなら来年以降も続いてほしいと、心から思います。私自身も来年以降も微力ながらも協力できればと思っています。

とにかく楽しかったー!!!


 



この記事は前回の「小海「星と自然のフェスタ2023」参加記: 1日目」の続きになります。




午前中

2日目の朝、少しゆっくり8時頃に起きてすぐに朝食に。同じくビュッフェですが、お腹が全然こなれていなくて、ヨーグルトなどごく僅かにしておきます。もう年齢のことも考えないとダメで、いつまでも若い気分で気兼ねなく食べていたらきっとダメになります。

朝食後は受付に行こうと第2会場の上まで行きますが、望遠鏡を出す受付は下ですればいいとのことで、そのまま第1会場へ。途中第2会場をみますが、まだ朝早いせいか、お客さんもまばらでした。

IMG_8739

第2会場に着くと、すぐにマリーチさんとお嬢様に会いました。8月の大鹿村でもお会いしていて、その時はたくさん話せたのですが、今回はホントに挨拶だけでした。しかもお土産までもらってしまい、ありがとうございました。このお菓子、妻が家で食べて大絶賛。ぜひお礼を言っておいてほしいとのことでした。でも本当に、気を遣わないでくださいね。マリーチさんのお人柄はよく知っていますし、無理とかは決してしないでいただければと。

そのまま会場に進むのですが、2日目は全部のブースが開いています。朝から結構な人がいます。
IMG_8749

途中、望遠鏡組み立て教室や
IMG_8746


鳥の絵を描く講座も開かれていて、かなり盛況な印象を受けました。
IMG_8747

一通りぐるっと回りますが、結局一番印象に残っているのがSkyWatcherの太陽Hα望遠鏡で実際に太陽が見えたことでしょうか。
IMG_8748
サイトロンのスタッフの方が準備しているのを、
天リフ編集長が興味深げに眺めているところです。

口径は6cmなので、PSTの4cmと比べると1.5倍です。この時点で入門用というより一気に初中級用でしょうか。エタロンは回転で波長を調整できるタイプで、実際に回転させてプロミネンスなど見たのですが、少しの角度でプロミネンスの明るさがかわるので、比較的波長を大きく変えられるようでした。角度を合わせるとプロミネンスがはっきりと浮かび上がります。まだエタロンの精度はわかりませんが、少なくどもパッと見たところでは広い視野に渡ってHαが見えていたと思うので、試作レベルとはいえすでにそこそこの精度は出ているように思われます。

あと、第1会場の少し小上がりになったところのフリマエリアにも行きました。

IMG_8744

星座ビノ製作者の上板2丁目さんと少しお話しさせていただきました。ビノを作るときに必要な、二つのビノの平行度を測る器具が面白かったです。こういった器具を使ってきちんと調整しているところも、上板さん製星座ビノの信頼性が高い理由の一つだと思います。後から聞いたのですが、1日目に出てきたEさんのところも上板さんのところの星座ビノを買ったそうです。今回特価だったようなのですが、ここの星座ビノを買っておけば間違い無く最高峰のものです。あ、自分の持ってるNikonのビノの枠を交換してくれると言ってくれたのをすっかり忘れてました。上板さん、ごめんなさい。またいつかの機会がありましたらお願いいたします。

そうそう、今年もプリンは買いましたよ。2019年以来毎年買っていて、昔の母の手作りプリンを思い出させてくれる味で、シンプルですが変な雑味は一切なく、卵の風味が豊かで、今時こう言った味のプリンを見つけるのは大変です。おいしかったので今年もXで宣伝しておきました。

IMG_8743

昼になってやっとお腹が少しこなれてきましたが、Kaienさんにバームクーヘンを一ついただいて、講演前にお腹を膨らすのは心配だったので、昼ごはんはこれでおしまいです。

12時半頃になって、部屋に戻って講演の最終準備をします。そういえば、車で昨晩機材を運んだのですが21時以降は車の移動が禁止ということで、そのままにしていました。講演で少し機材を見せたいので、車で上まで移動します。講演参加者には特典としてプレゼンファイルを配布する予定なのですが、途中で各ページにブログ記事へのリンクを張れば、詳細説明が後からわかるのではと思い、このときに色々追加しました。

14時半からはスイーツの時間です。この日は昨日会場だった奥のバースペース?ではなく、レストランスペースでのスイーツバフェでした。人が多いからだと思いますが、明らかに子供の姿が多いです。今日から土曜なので、それもそのはずです。うーんこれも昼ごはんかな?でもこの日はゼリーだけにしておきました。甘くない安倍川餅みたいなのが逆に美味しくて、これがホントに昼ごはんがわりになったのは秘密です(笑)


いよいよ講演本番!

IMG_8753

部屋に戻って、最後のスライド確認をして、15時40分くらいに講演会場に向かいます。と言っても部屋から歩いて30秒くらいです。講演で見せるコンパクトな機材を2セットを手で持って、妻に配布資料を持ってもらいます。会場外の廊下のところにはすでにそこそこの人が。参加者の方とも少し話をして、すぐに開場時間の15時50分になります。前の講演が終わって、人が出てきます。すぐに部屋の中に入って、プロジェクターと接続テストをします。スタッフの方が講演参加料を集めてくれて、人を中に入れ始めてくれます。妻には部屋の中に入ってきた方に、資料を配ってもらいます。

接続テストはすぐに終わり、参加者に目を向けると、ドンドン人が増えていて、椅子が足りるか心配になるほどでした。後で聞いたら、48人!もの方が参加してくれたとのこと。今回有料の講演で、しかも昨年よりも参加料が上がっていたので、どこまで人が入ってくれるのか全然読めずにかなり不安でした。色々特典なども考え宣伝したりもしたのですが、講演依頼を受けた時からずっと考えていたことは、やはり電視観望の一連の基礎講座のようなものを欲している人が、一定数いるのではないかということでした。


講演に際し考えたこと

20231027_Koumi3_pub

このことはこれまで何度か電視観望について解説してきて思ったのですが、電視観望が広まりつつある状況で、やはりつまづく人が少なくないようなのです。その時、情報があるにはあるが、散らばっていてなかなか欲しい情報まで辿り着けないという声でした。これまでの過去の講演のプレゼンファイルを見ても、同じ話だと何度か聞いている人には申し訳ないという思いもあり、少しずつ複雑になってきています。でもそんな話を初心者が初めて聞いたらわかりにくいはずで、繰り返しになってもいいので一連の解説をしっかりすることが大事なのではと思ったのです。

講演を引き受けた当初はこんなふうに考えていましたが、星フェスの時期が近づいてきてタイトルと内容を伝える頃になってくると、状況がかなり変わっていました。Seestarです。ZWOが本腰を入れて開発しているSeestarは、価格、性能、操作性など、電視観望初心者に向けて圧倒的に魅力な機器です。初心者が自分でこれまでのような電視観望を組もうとして努力した場合、ある程度の時間と経験を積まなければ、Seestarが遥かに手軽に出してくれる結果には辿り着かないでしょう。価格が初心者にとっても現実的になったSeestarを使うことはある意味真っ当な選択なのかと思いますし、私も推薦します。

ただし、今の段階でSeestar以降のことが議論になっていることは、まだほとんどないようです。Seestarを買った何人かの人はずっと使い続けるかもしれませんし、何人かの方は飽きてしまうかもしれません。何人かの方はそのうちSeestarの性能に不満が出てくることでしょう。一体型というのは機材を変更できないこととほぼ同義で、鏡筒やカメラの性能を上げることは難しいはずです。そのようなことまで考えていくと、やはりこれまでの電視観望を、ある意味応用の広い「カスタム型」と考えると、きっと電視観望の原理や基礎、自分で組むときの手順などが必要とされることは、何ら変わらないと思ったのです。今回の講演は、タイトルと内容は「カスタム型」と言って見た目は少し違ったかもしれませんが、基本的にはこれまでの電視観望の一連の手法を、まとめて理解できるような内容にしました。

その一方、高々1時間の話で全ての内容を伝えることはかなり難しいことも事実で、講演というのはこれから自分で興味を持って調べてくためのきっかけというのが大きな役割かと思っています。このきっかけから詳細情報へ繋ぐために、テキスト的な定番の本などがあればいいのですが、現段階ではそのようなものは存在していなくて、情報はあるにはあるのですが、かなり散らばっています。会場での準備の最中に対処療法ですが、プレゼンファイルの各ページにこの「ほしぞloveログ」への該当記事へリンクを張っておくことを思い付きました。元々、プレゼンファイルをどこかにアップロードして、そのリンクを知らせることで、講演を聞いてくれた人に後から見返してもらおうとは思っていました。ブログ記事へのリンクをプレゼン資料内に埋め込んでおけば、かなり詳細な情報まで伝わるかと考えたのです。ただ、昔の記事で情報が古いこともあることと、リンク先の記事が長いことはご容赦いただけたらと、会場でお話ししました。

会場ではみなさんかなり真剣に聞いてくれていたのかと思います。有料で参加して頂いているので、かなり興味がある方が集まってくれたのかと思います。質問時間が数分しかありませでしたが、それでも時間一杯まで質問は出ましたし、その後につながる、サイトロンでの電視観望デモでも、講演を聞いてくれた方がたくさん来て質問をしてくれていました。講演を聞いて何かわからないこことかありましたら、このブログへのコメントでもいいですし、Twitterで質問していただいても構いません。公開だと質問しにくいことなどは、一旦Twitterの方に書き込んでいただいて、相互フォローした後に、DMで質問内容など書いていただいても構いません。

講演終了後、星ナビ2023年1月号でコリメート撮影を利用した電視観望の記事を書いた方と少しお話をしました。私はコリメート撮影はしたことはありませんが、とても参考になりました。電視観望と一言で言っても現在では範囲はかなり広く、新しい手法も日々開発されているのかと思います。文化としてだんだん習熟していくのかと思います。


近況

今回の記事はここまでにしたいと思います。

実は小海から帰って、月曜の夜くらいから喉の調子がおかしいなと思っていたら、火曜朝からグングン熱が上がり、38度後半から39度台をずっとうろうろ木曜明け方くらいまでずっと辛くて、ただ寝るだけで何もできない期間が続きました。木曜は熱も収まり36度後半と37度台をウロウロしていますが、昨日までと比べるとかなり楽で、やっとブログの続きも書けるようになってきました。近くの病院が混んでいるみたいで初診では発熱外来を受けてもらえなかったのですが、どうも子供の熱がうつったようで、症状がとても似ています。子供はコロナでもインフルエンザでもなかったということとで、調べてみたらアデノウィルスというのの症状があまりにも当てはまります。まだ3連休なので、ゆっくり休むつもりです。



 




今回の「星と自然のフェスタ」、前回に引き続いて今回もかなり以前から講演を頼まれていたので、かなり気合が入っています。2023年10月27日(金)、平日ですがこの日は休暇を取り、準備万端で朝から小海まで移動します。


小海に向けて出発

昨年より1ヶ月近く早くなった開催日のために、まだそこまで寒くはなく、道が凍結するとかの心配もないので、いつも行く北陸道ー上信越道で佐久ICから南下するルートではなく、高速代とガソリン代を節約すべく、ほとんど下道の松本経由で行くことを計画していました。でも、妻が(前日に松本方面から行くと話したにもかかわらず)富山方面から行くと思い込んでいてしまい、同じ方向だからと子供に朝学校まで送ることを約束してしまいました。学校への往復だけで1時間以上かかるので、泣く泣く富山IC方面(実際に乗ったは一つ先の立山IC)から行くことになりました。出発は午前8時でしたが、高速に乗ったのは9時過ぎなので、昼過ぎくらいに着く予定になります。

昼頃になり、昼食をどうしようかと思い、小布施SAだとまだ昼には早く、東部湯の丸SAのレストランを見たけどいまいち食べたいものがなく、

IMG_8716

結局佐久北ICで降りて食べることにしました。佐久JCTで別れた後の中部横断自動車道は無料道路なので、気軽にどこでも降りられます。妻に言わせると、私が庶民的なところが好きらしいので、ローカルな個人経営のようなレストランを選んでくれました。年配の女性の方が一人で切り盛りしているみたいですが、出てきたランチは超大盛り。看板メニューのハンバーグ海老フライ唐揚げランチを頼んだら、メニューに書かれていない天ぷらだけで4つ、サラダに果物2種、味噌汁は多分山梨文化でカボチャとすいとん入りの超具沢山。どれもおいしくて、お腹が一杯になりました。妻は一番少なそうなナポリタンスパを頼みましたが、これも海老まで入っていて、実際にはすごい量でした。さらにメニューにのってないはずのコーヒーなどが選べるとこのこと。聞いたらサービスだそうです。

IMG_8718

食べた直後は大満足だったのですが、これが実は大失敗。後々まで尾を引くことになりました。


星フェス会場到着

小海のガトーキングダムに着いたのは13時半頃でしょうか。今回は講演の準備もあるので、落ち着いた場所が欲しくて、ホテルの部屋をとってもらいました。到着後チェックインを済まし、早速エーデルワイスのある眼下の第一会場へ歩いて移動します。そこそこの距離で、行きはまだいいのですが、帰りが大変そうです。

IMG_8722

左の建物がエーデルワイスで中はかなり広いです。昨年までのホテル前の会場から移動してきましたが、屋根付きで。しかも暖かくで、かなり快適でした。このことは特に夜になると身に染みて感じます。

写真の奥の坂の上に見えるのがホテルになります。まだ星フェス開始前なので、会場では、スタッフの方、ボランティアの方、企業ブースの方達が準備の真っ最中でした。とりあえずはサイトロンブースで、今晩のデモの打ち合わせをします。メインは土曜の明日なので、とりあえず今日は20時頃から、準備やリハーサルがてらのんびり始めることにしました。

この時間ですでに国際光器さんは販売を始めていました。いつも一番早くから、一番遅くまで販売してくれていて、とても頭が下がります。先月の星もとでOIIIフィルターを欲しいと頼んでおいたのですが、サイズをきちんと伝えていなくて、わざわざ用意して頂いたのに、サイズ違いで申し訳ないことをしました。私はナローバンドフィルターは星まつりの度に、国際光器さんで少しづつ買い集めてます。また来年の星まつりで探そうと思います。

妻を放っておいて、いろんな方との再会で盛り上がっていたら、いつの間にか約束の14時半近くになってしまいました。もう待ちくたびれていたらしく、道を使わずに草原の方を登ってホテルに向かっています。私も後を追っかけましたが、どこかしこに多分鹿さんの落とし物が...。昼間はまだいいですが、夜は避けて通れないので歩かない方がいいですね。


ウェルカムスイーツ!!!

なぜ14時半だったのか、それはウェルカムスイーツのためです。噂にはずっと聞いていて、去年はホテルに泊まったのになぜかチェックインの時に案内されず、やっと今回辿り着けた、念願のウェルカムスイーツです。実際は少しつまむだけかと想像していたら、さすがシャトレーゼのガトーキングダム(お菓子の王国)の名に恥じない、ビュッフェ形式でケーキなど食べ放題です。
IMG_8723

この後も何度かおかわりしたのですが、昼ごはんを腹いっぱいになったのを忘れて食べていたら、本当にもうお腹がはち切れそうになってきました。ほら、だんだんやばいことに...。


再び外へ

腹ごなしに、ホテル前の第2会場を覗きますが、まだセッティングの最中で、あまり人はいませんでした。第2会場は眼視と電視観望の予定とのことです。
IMG_8725

私はこの第2会場に少なくとも一般の人とかはたくさん集まって、もしかしたら下の第1に人が来ないのではないかと思っていました。でも蓋を開けてみると、エーデルワイスが快適なせいか、第2会場の方が人が多かったと思います。その一方、夜は第2会場はキャンプ場でもあるので、あまり遅くに騒がしくすることはできず、第1会場の方に人が集まったようです。

この後、第2会場に再び歩いて移動します。この時に、昨年の小海で初めて会って、自宅にまで遊びにきてくれて、9月の星もとでも再開したOさん一家と会いました。TwitterやAramisさんのブログでも紹介されていますが、小学6年生のスーパー天文少年です。なんでもBORGの型番で会話していたとか。同じく小海で会い、自宅に来てくれたEさん一家ですが、講演の時に会うことができましたが、私が忙しくてほとんど話すことができず、申し訳ありませんでした。でもOさんのところと、Eさんのところは、お互い色々話せたらしく、小海星フェスが取り持つ縁でこうやって輪が広がっていくのが、星イベントの魅力かと思います。

準備の時間とは打って変わって、ブースはすでにかなりの盛況ぶりです。
IMG_8726

サイトロンブースでは、SkyWatcherの新製品の太陽Hα望遠鏡を見せてもらいました。新製品と言ってもロゴも何も入っていない、まだ4本目の試作機みたいです。口径は76mm、焦点距離が630mmで、PSTと同じような、回転タイプの波長調整機構のエタロンです。太陽Hα望遠鏡の新規参入は久しくなかったはずで、性能、値段共にかなり期待できそうです。晴れたら星フェス会場で太陽を見るとのことなので、楽しみです。
IMG_8727
真ん中の緑色の小さな円筒は、太陽ファインダーです。

エタロンと共に興味のあるブロッキングフィルターです。径は5mmか、もう少しありますでしょうか。
IMG_8731


一旦休戦

夜のデモがあるので、少し早めに会場を後にして部屋に戻ります。夕食までまだ少し時間があったので、今のうちに温泉に行きます。温泉を出た後にアイスが食べられるのですが、今回はお一人様一本との紙が貼ってあったので、(多分)一番美味しいミルクアイスをいただきました。

夕食の時間になってもまだお腹がこなれていません。頑張って食べようと思ったのですが、プレート1回でギブアップ。その代わりケーキだけは大きいのを食べました。これが夕食ビュッフェの一番の楽しみです。
IMG_8733

ビュッフェ会場で、女性の方に「Samさんですか?」声をかけられました。私のこと認識してれくれているみたいです。よくよく話を聞いてみると、星まつりにどうにか参加してみたくて、なんと盛岡から!電車で来られたとのこと。中学の頃から星が大好きで、親からVixenのポラリス赤道儀を買ってもらい、しかも当時では珍しいモーター駆動。写真を撮ろうと挑戦したのに、ガイド鏡がさらに必要とわかって、さすがに親にそこまで欲しいと言えずに当時諦めたとのことです。久しぶりに星の世界に戻ってきたら、浦島太郎状態で世界が変わっていて、昔やろうとしたことが今ならできそうということで、一大発起して参加したとのことです。周りに同じ趣味の人がいるでもなく、ネットで調べていて、会場に来たらネットで見た本人がいる状態とのことで、大興奮で話してくれました。実際この後も何度かお会いして、夜にも一緒に望遠鏡の傍、色々お話しさせていただきました。

夕食後、すぐに第2会場に移動します。妻もやはり食べ過ぎたとのことで、この日はベットでゴロゴロのんびりタイムとのことでした。


三度第2会場へ

会場に着くと、外山電子の外山さん、ユニテックのKさん、大学の先輩であり陣馬写真工のHBさんという、そうそうたるメンバーが。「これまでだと寒かったけど、エーデルワイスみたいな建物があると暖かいので、次回出店してみようかな」と言っていました。外山さんが、前回の星まつりで私が「読んでみたい」と言っていた雑誌「Interactive」を全巻持ってきてくれていました。以前香川の天体望遠鏡博物館でパラパラっと見ることしかできなくて、内容は今では考えられないくらいにとても鋭くつっこんだ雑誌で、いつかじっくり読みたいと思っていたのです。結構貴重な雑誌でヤフオクとかにもあまり出てきません。全巻通しで読めるのは非常にいい機会です。お貸ししてくるということで、家でじっくり読みたいと思います。ちなみにこのInteractiveですが、今この場にいるKさんが昔作った雑誌とのこと。レジェンドです。

19時半頃からは電視観望機材を外のテーブルのところに出し始めました。準備をしていると、けーたろさんからコーヒーをいただきました。寒い中暖かいコーヒーはとても美味しかったです。そうこうしてると、サイトロンさんも機材を出し始めます。サイトロンさんの機材はなんとAskerの151 PHQです。151mmの屈折アポで贅沢にも電視観望をしてしまおうという企画です。私は気楽に35mmの1970年代のNIKKORレンズで、気楽に天の川電視観望です。でも時間的には天の川は少し遅くて、目玉のM8とかは高度が低すぎて見えませんでした。その代わりに、デネブ周りの北アメリカ星雲やサドル周辺などを含めての広角電視観望でした。私の機材は三脚に自由雲台と手軽なものですが、サイトロンさんの方は結構手こずっていました。SharpCapから赤道儀がうまくつながらないようです。結局ASCOMドライバーを入れ替えて、無事につながったとのことです。この日途中から雲が出てきてしまい、ほとんど何かをお見せすることはできなくて、21時半頃には撤収となりました。

途中、ブラックパンダさんのショップに寄ったのですが、ちょうど天リフの編集長さんがいて、「Samさん、これ見ました?」と「Stella Glasses」という名前の、一見何の変哲もないメガネのようなものを紹介してもらいました。なんでも、ブラックパンダさん考案で、普段使っているメガネの上からかけられて、星がはっきり見えるものだそうです。一通り説明を聞いて、「えっ???」と思い、すぐにサンプルをお借りして外へ。星を見てすぐに「うぉぉぉ!」となり、即買いしました。これは天才的なアイデアです!私はメガネの度数がだんだん合わなくなってきていて、星を見るために少し強めのメガネを作ったのですが、結局普段使いでは疲れてしまいほとんど使用せず。いつも「星がもう少し綺麗に見えたらなぁ」と思っていました。かといってメガネの交換は面倒なのです。観望会中はこのStella Glassesをつけていればもう困ることはありません。私の場合、今後の全ての星見で使うことになると思います。久しぶりの大ヒットで、これだから星まつりはやめられません。

IMG_8770

そうそう、途中あっかさんが見にきてくれました。最初にブログでコンタクトを取ったのは何年前でしょうか?たぶん2018年くらいなので、もう5年も前です。Zoomの何かの会議で話したことはありますが、お会いできたのは初めてです。電視観望初期の頃からRevolution Imagerで試してくれていて、いわば歴戦の猛者といった感じの方です。

IMG_8735
ぶれてしまっていますが、あっかさんです。

その後、天文あるあるで、22時半頃からかなり空が晴れ渡ってきて、夕食の時に声をかけてくれた女性の方とも合流して、昨年の私の講演を聞いて電視観望から始めてみたという方のところで天文談義となりあました。最近活躍目覚ましい、まつのりさんもご登場。女性の方二人の熱意が凄まじいです。まつのりさんからの、結構雲があるにもかかわらず「ガイドをしてみたら」という提案で、ガイド信号におかしな形が出ると、もうそこかしこから「あそこが悪いのでは、ここを直したらどうか」など大盛り上がりです。あまりの声だったのでしょう、スタッフの方から「キャンプ場なので夜間は静かにしてください」と大目玉を喰らいました。撮影をするなとということではないので、そのまま撮影は継続だったかと思いますが、やはり話せないとなかなか辛いものもあり、そのまま流れ解散です。

その後、少し第2会場に行きましたが、明日もあると思い23時半頃ですが、部屋に戻りました。

2日目に続きます。


 

 

 

10月26日、講演参加特典など追加しました。本ページ下部をご覧ください。


今年も長野県小海で開かれる「星と自然のフェスタ」で
電視観望の講演をします!

電視観望をやってみたい人、もしくは初心者に向けて基礎からきちんと解説したいと思っています。


日時と場所ですが
10月28日 16時00分~16時50分
ガトーキングダム小海(旧小海リエックスホテル)
2階特設会場
になります。

タイトルは
「初心者のための
カスタム型電視観望入門」
としました。

eVscopeをはじめ、Vesperaや、最近発売されたコストパフォーマンスに優れるSeestarなど、一体型のスマート電視観望機器が種類も豊富になり、特に初心者にとっては、電視観望を気軽に試すことができる、素晴らしい時代になりつつあります。一体型のいいところは、初期知識ゼロ、もしくはほんの少しの知識で星雲や銀河などが簡単に見えてしまうことでしょう。その一方、あらかじめ一体型に組み込まれた機器なので、望遠鏡部分やカメラ部分などを入れ替えることは難しく、そのためにどうしても見える範囲には制限ができてしまいます。「電視観望機器」を望遠鏡の一種と考えると、入門用の一体型と、より柔軟に機器の交換ができるカスタム型に分かれていくのはごく自然な流れなのかと思います。一般的な望遠鏡で焦点距離や明るさを変えることができるように、カスタム型の電視観望では
  • 天の川を見るような超広域を見る
  • 比較的広がりのある大きな星雲を見る
  • 小さな銀河を見る
など、望遠鏡やカメラなどの機材を変えることでさまざまな天体に対応することができます。

今回の講演は、
  • もっと電視観望の可能性を広げたい
  • 一体型電視観望機器では物足りない
  • 今は一体型電視観望を楽しんでいるけれど、将来を見越して電視観望をカスタマイズを考えてみたい
というような方に聞いて頂きたいと思っています。

自分で電視観望システムを組むときにどういった方向で進めればいいか、何がポイントかなど、かなり初心者向けに特化して一から丁寧お話ししたいと思います。その中で、電視観望においても機材をカスタマイズしていく楽しさのようなものをお伝えできればと思います。

なお、今回の講演は参加費用(1000円)を頂くことになります。対象はホームページの案内では高校生~大人となっていますが、興味があり聞いてみたいと思うならば年齢は問いません。心配な場合は、当日講演会場で直接私までご相談ください。また、会場の広さには制限があり、参加希望者が多数の場合は入場制限をすることがありますので、ご了承ください。

昨年は事前にチケットを購入して頂く形でしたが、

今年は講習会会場入り口でお支払い、
ご入場となりますので、事前予約は必要ありません



ここから、星フェス直前の追加情報です!
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
特典1: 「電視観望向けCMOSカメラの系譜」図の配布

カスタム電視観望用のカメラ選択の助けになるように、完全オリジナルのA3版のCMOSカメラの系譜図を配布します。下に一部を抜粋していますが、最近のCMOSカメラは種類がたくさんありすぎて、その関係を把握するのがかなり大変になっています。どのカメラがどのカメラの後継になるのかなど、メーカーを跨いで掲載しています。

20231027_Koumi2_cut



---------------------------------------------------------------------------------------------------------
特典2: 「サイトロン製フィルター特別割引クーポン」の配布

参加費をご負担いただく代わりにというわけではないですが、サイトロン様の協賛で
「電視観望入門応援企画」
として、講演会場内で、
サイトロン製フィルター特別割引クーポン
をお渡しします。このクーポン券を使うことで
  • CometBPフィルターアメリカンサイズ
  • DualBPフィルターアメリカンサイズ 
  • DualBPフィルター48mm
のうち1点が特別価格で購入できます。金額などは当日サイトロンブースでご確認ください。

注意点ですが、
  • クーポンは一人1枚、所有のご本人様に限り1商品のみ対象です。
  • 商品はなくなり次第終了となります。
  • お取り置きや後日発送は承れません。
  • 10/28日22時まで有効です。29日の出店はありません。10月28日のみご利用可能です。10月29日は出店しませんのでご注意下さい。
この講演を聞いて、是非とも電視観望に有効な上記フィルターを手に入れてください。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------
特典3: 講演ファイルのダウンロードとブログ記事へのリンク

講演参加者には、プレゼンファイルのpdf版のダウンロード先をお知らせします。講演を聞いて、その場で把握しきれないなど、後から確認できるはずです。

さらに、いくつかのページには、この「ほしぞloveログ」の該当記事へのリンクを書き込んでおきました。当ブログは情報はたくさんあるかと思いますが、膨大すぎてどこに何の情報があるのか、把握が困難な状況になっているかと思います。いくつかのリンク先はかなり過去の記事で、情報が古い場合もありますが、後から詳しい説明が欲しい場合に役に立つかと思います。リンク先の記事がいつもの通り長いのは、どうかご容赦ください。


---------------------------------------------------------------------------------------------------------
アナウンス1: サイトロンブースでの電視観望デモ
星フェス当日、天気が良ければ、サイトロンブースで電視観望のでもを行います。場所は企業ブースがあるエーデルワイスの前となる予定です。

今回のテーマは

「ハイエンド機器での電視観望」

です。憧れの大口径アポクロマート屈折など、電視観望で使うにはちょっと勿体無いとも思われる機器を使い、ハイエンドでの電視観望を行いたいと思います。電視観望がどこまで行けるのかの一端を見せることができればと思っています。当日は簡易的な画像処理までして、天体写真として仕上げようとも思っています。ただ、木曜現在での天気予報が、金曜はまだいいのですがメインの土曜が曇りになりつつあります。金曜日はリハーサルがてら準備も含めておそらく20時頃から始めることになると思います。メインは土曜日ですが、天気の様子を見て始めることになるかと思います。ホテルからは少し遠いですが、是非エーデルワイス前の観望会場にお越しください。


---------------------------------------------------------------------------------------------------------
アナウンス2: 天文楽者のRYOさんの電視観望講演

この電視観望講演の後に、同じく土曜の18時から、天文楽者のRYOさんによる

「近赤外線で見る新しい星空の世界」

という講演があります。こちらは電視観望の応用のような形になるはずです。よろしければ是非とも2つ併せてお聴きいただければと思います。RYOさんの講演ではHαフィルターの割引チケットを手に入れることができます。



---------------------------------------------------------------------------------------------------------
アナウンス3: 気軽に質問してください!
星フェス当日ですが、私は金曜午後過ぎくらいから日曜朝くらいまで会場にいる予定です。「Sam」と書いたネームプレートをかけていますので、どうかお気軽にお声かけください。特に、講演を聞いて分からないところなどもできるだけ答えますので、もし会期内にSamの姿を見かけたら、遠慮せずにつかまえてどんどん聞いてください。


それでは会場で、皆様とお会いできるのを
楽しみにしています。


2023年9月17日から18日までの二日間、京都の南丹市で開催される「星をもとめて」、通称「星もと」に参加してきました。星もとは関西で行われるほぼ唯一の星まつりで、関西より以西の方にとっては貴重な場なのではないかと思います。ここだけで顔を合わせることができる方もたくさんいるので、私によっても貴重な星まつりです。


準備と出発

前日の16日の土曜日は、元々飛騨コスモス天文台で二胡という楽器の演奏会と天体観望会の予定だったので、星もとに行くのと同じような機材を用意していました。結局土曜は天気が良くなくて演奏会も観望会も次の日の日曜に延期になってしまったので、時間的にも余裕ができ、星もとへの準備もほぼできてしまっていたので、午後9時くらいには早々と寝てしまいました。そのせいもあるのか、日曜は朝4時には目が覚めてしまって、自宅で朝食もゆっくりとっても午前5時半頃に出発することができました。

IMG_8551

富山ICから北陸道に入り、敦賀JCTで舞鶴若狭自動車道へと向かいます。JCTすぐ手前の南条SAで朝ラーメンを食べたりで、結構のんびり運転していて、現場に着いたのは午前10時半頃です。着いてみたら駐車場が一杯でびっくりでした。別のイベント(子供の自転車レース?)が行われていて、ほとんど車を止める場所がありませんでした。私は今回ユニテックブースでお世話になるので、機材搬入もあるため近くに止めることができましたが、他の方の話を聞いているとかなり遠くに止めざるを得なかったようです。


機材搬入

現地到着してすぐにユニテックの方達も到着したので、そのまま機材搬入です。今回も胎内星まつりに引き続き、SWAT+AZ-GTi = 「SWAgTi」の展示がメインです。



ちょうど昼時でユニテックの方は昼食に出かけたので、一人で気楽に準備を続けます。下の写真のようにSWAgTiを目立つように展示して、あとは机の近くにC8とPSTを使った太陽電視観望をセットしました。明るい中で太陽Hα画像をモニターに映し出すために、モニターをテントの中の影のところに置きました。この日はとても暑くて私もバテてしまわないようにテントの日陰の中から操作です。黒点こそ少なかったですが、大きなプロミネンスやダークフィラメントがはっきり出ていて、見ていただいた方には喜んでもらえたようです。

IMG_8554

実際に昼間はかなり暑くて、ユニテックスタッフの方が暑さでダウンしてしまったようで帰って来れなくなってしまったとのことです。そのためずっと店番をしていたのですが、勝手に物を売るわけにもいかずに、あたふたしていました。お客さんの中にもユニテックの方の知り合いがたくさんいて、心配してか「大丈夫なのか?」と何度も声をかけられました。

午後1時には開会式が始まります。
IMG_8556

会場には太陽観望望遠鏡がいくつか出ていました。眼視でも十分迫力があるくらいのプロミネンスと光球面でした。何人かのスタッフの方には、ユニテックのところに設置した太陽電視観望も見てもらいました。

IMG_8560

今回はユニテックブースでデモに徹していたこともあり、あまり会場内を見ていません。恒例のKYOEIのジャンク市も自分の中であまり盛り上がらず、結局参加せずでした。なんと今回はこの星もとにおいて、買い物を一つもしていません!物欲を制御し切っています!というか、実際にはモノに関してはかなり落ち着いてきたのかと思います。

余り他を見てませんが、それでもたくさんの方に会うことができました。
  • 2017年だったでしょうか、星もとのスタッフとして参加していた女子学生で、娘とともに当時色々お話しさせてもらった方が、私のことを覚えていてくれて、わざわざ挨拶に来てくれました。高校の時に天文部を立ち上げたり、星もとでも展示や講演をするような活発な学生さんで、卒業後一旦教師になったことは風の便りに聞いていたのですが、その後プラネタリウムで解説をするという、見事天文関連の職についたとのことです。
  • 昨年小海で会って、自宅にまで来てくれた石川のOさん一家の、6年生の男の子が大成長してました。ご両親を完全に後ろに置いていってしまうくらいの天文っ子になっています。
  • 以前星もとでお会いした、雑兵Aさん親子にも再会できました。お子さんが小さかったイメージなのですが、すっかり大きくなっていて全然印象が違いました。プラネタリウムの解説をされたとのことですが、行けなくて申し訳ありません。ちょっと疲れ果ててました。
  • 短時間でしたが今年も迷人会の方に会うことができました。こたろうさん、ええじさん、井戸端さんなど皆さん相変わらずの盛り上がりで、とても楽しそうでした。
  • 久しぶりにあぷらなーとさんにも会うことができました。迷人会ブースで行われていた霧箱電視観望がずいぶん盛り上がったとのこと。見たかったです。
他にも書ききれませんが、たくさんの方にお会いすることができました。

午後4時頃でしょうか、雨が少しだけぱらついたときがあり、ここで太陽望遠鏡は片付けました。夕方になってやっとユニテックの方が復活され、ブースで商品販売なども始まりました。ちょっとほっとしました。


広域電視観望

18時位からでしょうか、ユニテックブースの前でデモの準備を始めます。タカハシさんのブースが隣で、望遠鏡を多数展開していたので、それに邪魔にならないように少し離してテーブルを設置しました。お客さんにも見やすいように、24インチ程度の別モニターを用意して、PCと対面にして置きます。

まずはテストで広域電視観望で天の川を見せます。この日の天文薄明終了が19時半頃でしたが、19時にはすでにかなり綺麗な天の川を映し出すことができていました。天の川は一般の人にもかなり受けるので、みなさん注目してくれます。

01

下からM8、M20、M16、M17がはっきり見えています。天文に詳しいお客さんも多く、お客さん同士で解説してくれていました。

天文に興味のある人は機材にも注目してくれます。技術的なところはこのページを見ていただくとして、レンズとCMOSカメラを繋ぐアダプターについて何人かの方から質問を受けました。私は古いNIKKORレンズを使っているので、アマゾンなどでNIKON FレンズからCanon EFマウントへ変化するアダプターを使っています。私が買ったものはすでに廃盤ですが、代替品はいくつも見つかると思います。そのあとはZWOのEFマウントからASIカメラのT2への変換アダプターを使っています。ただし私が持っているのは旧版で、アダプターで長さ調整ができるものでしたが、今のバージョンは長さ固定になっているようです。基本的にはこれでピントが出るはずです。他にも「カメラレンズ 望遠鏡」などで検索すると、レンズからアイピース差し込み口に変換するようなアダプターをいくつか見つけることができます。CMOSカメラに標準添付のアイピース口用のノーズアダプターをつけると、これらも使うことができるはずなので、探してみてもいいかもしれません。


今回のSWAgTiデモの目標

テストのつもりだった広域電視観望が好評で、なかなかメインのSWAgTiのデモに移れません。結局19時半頃に半ば強引に天の川表示を止めて、SWAgTiにつけてあるEOS  6DをSharpCapから接続します。

今回の目標は
  1. 6Dの画僧を使い極軸調整をして
  2. 同じく6Dの画像を使いプレートソルブをしてAZ-GTiで自動導入し
  3. 自動追尾をSWATに切り替えて、ガイドなしで焦点距離370mmで3分露光で星像を点にすること
です。


最初は全然ダメ

まずは6Dを使った極軸調整です。今回は自宅で事前にきちんと試していたので問題ないはずと思っていたのですが、全然うまくいきませんでした。星の認識の時点でまったくだめそうなので、結局1度くらいずれている状態で初期アラインメントに移りました。一発目から狙いのアルタイルが画面の端に入ってきたのですが、肝心のプレートソルブはなぜかうまくいかず。焦って余裕もなかったのでそのままマニュアルで初期アラインメントを完了しました。次に自動導入ですが、対象は比べやすいように胎内の時と同じM27としました。AZ-GTiでの自動導入は問題なく動きます。とりあえず撮影と称して、30秒、1分、3分と順に長く露光していきましたが、極軸が合っていない現状では3分では予想通り大きく星像が流れてしまいました。

これでは流石にだめなので、ここで再度極軸調整をやり直すことを決意し、一から始めることにしました。


2回目の挑戦

ところが、2回目はさらにダメでした。まず、ASCOM経由で6Dに接続することさえできません。カメラ電源を入れ直したり、USBケーブルを繋ぎ直したり何度かやってもエラーが出でしまいます。こういうときは焦るのが一番ダメです。「焦るな、焦るな」と自分言い聞かせて、PCを再起動することにしました。お客さんを待たせるとになりますが、こういうときは再起動以外大抵ダメなのはこれまでも経験しています。お客さんに「申し訳ありません、飽きたら他のところでも見ていてください」とお断りするのですが、それでも何人かの方はずっと見ていてくれています。とてもありがたかったです。

やり直した甲斐はあり、PC再起動の後はかなり順調で無事に6Dも認識され、極軸調整に移ります。今回、なぜ極軸調整がうまくいかないか、問題点がわかってきました。今後の記録も兼ねて、記述として残しておきます。


極軸調整の問題点

6Dの場合、通常のスナップショットでの撮影と、極軸調整時の連続撮影で、少し違いがあることに気づきました。極軸撮影の場合、ヒストグラムを見ていると余分なノイズが入り込み、線状に表れるためにオートストレッチで変な設定になってしまうことです。極軸調整時の星はストレッチ込みで星が認識されるのですが、うまく星が認識できないために位置特定ができないようです。

これを回避するためには、一度あえてスナップショットでオートストレッチして、その設定状況を何も変えない状態で極軸調整に持ち込むことです。画面を見ると、変な明るさや変な色に見えるかもしれませんが、正しく位置認識できるようです。画面がなんかおかしいと思ってストレッチを手でいじったりオートストレッチすると、それ以降全く位置認識ができないということに気づきました。

少なくとも今回、現場でこのことに気づいてから、2度目の極軸調整では位置認識は問題なくできるようになりました。


三脚が大きかった

位置特定さえできれがあとは実際に赤道儀部の方向を合わせるだけなのですが、次の問題点はいつもと違った三脚を使っていたことでした。普段は写真のような、バサルトという素材でできたGitzo製の小さい三脚を、足を一番短くして、しかも足を開いてできるだけ安定な状態で使っています。

IMG_8504

今回はユニテックさんにお借りした、背の高いカーボン三脚を使いました。脚を3段階で伸ばすことができます。高い三脚はデモで人に見てもらうのにはとても適しています。胎内では、フルに脚を伸ばしていたのですが、安定性を考え今回は1段脚を縮めて、2段階伸ばした状態で使用しました。それでも、やはりまだ物として大きく、手で三脚を水平方向に少しだけ回して極軸の水平方向を合わせるとか、三脚の脚を少しだけ伸び縮みさせて極軸の垂直方向を合わせるとかするには、かなり精度的に厳しかったです。

いつもの小さい三脚なら多分できていたのですが、今回の大きな三脚には微動自由雲台を使うべきでした。もしくは、水平だけならまだなんとかなったので、垂直方向だけなら三脚アジャスターを使ってもよかったのかもしれません。


なんとか極軸あわせ完了

結局最後は、気合で極軸調整で4分角程度まで合わせ込むことができました。実際にはこれ以上触ると悪くなりそうなので、ここで止めたというのが正直なところです。それでもここまで合わせれば黄道上の最も動くところでも4分間で4秒角程度のズレなので、十分な精度です。

02
4分角まで合わせましたが、背景の色が暗くておかしいのがわかると思います。
またヒストグラムを見ても背景のピーク以外に何本もピークがが立っているのがわかります。 

この精度で試しに2分間の露光でM27を撮影したところ、見事に点像になったので、やっと一安心できました。

03
ガイドなしで2分間の露光ですが、星像は流れていないのがわかります。
上下バーとサイドバーをみるとわかりますが、星像の流れを確認するためにかなり拡大しています。

これで撮影開始と思って、ライブスタックを開始したのですが、なぜか2枚目以降スタックされません。「何ででしょうか?」とボヤいていたら、お客さんの一人が「雲じゃないですか?」と教えてくれて、実際空を見たらかなり雲に覆われていました。

結局ここでデモも終わりとなりましたが、今回はトラブルが延々と続いていたので、見ていた方に本当に申し訳なかったです。それでも、胎内では「やる」と宣言していた6Dにそもそも辿りつかなくて、結局CMOSカメラを使ってしまい、しかも極軸調整もできなくて、30秒露光でギリギリ星が流れない程度でした。

今回は6Dを使って、なんとか極軸調整には辿り着き、プレートソルブこそできませんでしたが、2分露光で星が点像になったので、かなりの進歩と言えるでしょう。自宅で試した時はスムーズにできていたのですが、人に見せるデモで同じことをするのがいかに難しいか、痛感しました。総合としては60点くらいでしょうか。

IMG_8567
やっと撮影に入って、ホットして写真を撮ることができました。

トラブルも含めてかなり長い時間見てくれていた方もいらっしゃいます。グダグダだったにもかかわらず、本当に感謝です。何が問題だったかも分かってきたので、次回チャンスがある時はもう少しスムーズにいければと思います。

22時頃には片付けも終わり、会場をあとにしました。この日は車で30分くらいのところに宿を取ってあって、星まつりとしては珍しくゆっくりと夜に眠ることができました。晴れていたら少し後ろ髪を引かれたかもしれませんが、曇りだったので、会場の他の方も早めに退散しているようでした。


二日目

二日目の朝はホテルで朝食を取り、その後再び「星もと」会場に向かいました。二日目は店舗ブースも数軒しか空いていませんでしたが、お目当ては国際光器さんです。

IMG_8570
二日目朝の様子。スタッフの方が後片付けをしています。
奥に見える国際光器さんが目当てです。

実は一日目に国際光器さんのところに48mmのOIIIフィルターの訳あり特価品がおいてあり、ちょっと迷っていたので後で買おうと思っていたら、すっかり忘れてしまっていました。もしかしたら二日目もまだ残っているかもと思って見にきたというわけです。国際光器さんのブースが空いていることは確信していました。どの星まつりでも、いつも朝イチから一番遅くまでブースを開けてくれているので、国際光器さんには本当に頭が下がります。素晴らしい姿勢だと思います。残念ながらお目当てのフィルターは売れてしまっていましたが、店長さんといろいろ話すことができました。特にε130Dのフラット補正について興味深く聞いていただきました。バーダーのズームアイピースと、ハーシャルプリズムの特価品に後ろ髪を引かれましたが、今月少し費いすぎているので、グッと我慢しました。

朝の会場には、石川のOさん一家が二日目もいらしていて、ご家族としばらく話していました。子供が今6年生とのことですが、すでに天文検定4級はうかったとのことで、次は3級に挑戦するとのことです。話していても普通の大人のかなりのマニアと話をしているみたいで、将来がとても楽しみです。

その後、抽選会が始まったので参加したところ、タカハシのTシャツとクリアファイルを頂きました。午前11時に終了の宣言があり、そのまま帰路につきました。

IMG_8577

途中の南條SAで昼食を取ろうと立ち寄ったら、またOさん一家にお会いしました。同じような時間に出たのと、立ち寄るとしたらこのSAなので、ある意味必然だったのかもしれません。次の小海での再会を約束し、ここで本当のお別れとなりました。


帰宅とまとめ

結局自宅に着いたのは夕方の17時過ぎでした。金沢から富山間がずっと工事続きで、北陸道としては珍しく連続渋滞でした。二日とも暑かったせいもあってか、軽く夕食を食べてから19時頃には疲れて寝てしまい、結局朝まで起きられなかったです。胎内の時も昼前くらいに自宅に着いてそのまま夕方まで寝て、さらに夜も朝まで寝ても疲れが取れなかったので、暑い時はできるだけ無理しないようにすることが大事かと思います。

今回は昼も夜もデモが中心になってしまい、会場を回ることがあまりできませんでしたが、それでもかなり楽しかったです。特にトラブル続きのデモも、飽きることなく真剣に見てくれた方がたくさんいて、とても感謝しています。以前星もとでお会いして、今回久しぶりに会えた方も何人かいました。また来年会えるのが今からとても楽しみです。


この記事は「胎内星まつり2023参加記(その2): 土曜朝から夕方位まで」の続きの記事になります。




SWAgTiのデモ: 導入まで

胎内星まつり2日目の土曜、徐々に日も暮れてきてこの日のメインのSWAT + AZ-GTI = 「SWAgTi」のデモの準備を始めます。

SWAgTiのコンセプトは、追尾精度のいいSWATを撮影時のみ使い、それまでの自動導入とかプレートソルブなどの高度な操作はAZ-GTiに任せてしまうということです。撮影までは、精度は良くないけれどもAZ-GTiの高度な機能で楽をして、撮影になったらAZ-GTiの追尾を切ってSWATの高精度追尾に切り替えるという、AZ-GTiとSWATのいいとこ取りをしてしまおうという魂胆です。

まずお詫びですが、以前の記事で予告してあったEOS 6Dでのプレートソルブのデモは全く出来ませんでした。というよりも、6Dまでもたどり着きませんでした。

そもそも、星まつり会場に来てSWAgTiの展示に興味がある人たちと話してみると、まずは単純に動作しているところを見たいということでした。確かにそれはそうかと思い、まずはこれまでやってきた、CMOSカメラでの極軸合わせから、普通にCMOSカメラで見ながらAZ-GTiで導入し、撮影するところまで見せてから、余裕があったら6Dにすればいいやとか、気軽に考えていました。ところが実際には、その一番最初の極軸合わせのところからつまづきまくりです。

極軸合わせはSharpCapを使ってやります。鏡筒がタカハシのFS-60CB+マルチフラットナーなので焦点距離が370mm、カメラがASI294MCでフォーサーズサイズなので、北極星周りで十分な視野があるはずです。実際、自宅ではついこの間試して、これで何の問題もなくうまくいきました。でも会場で試しすと、全く全然位置を特定しないのです。大気補正しているので緯度経度情報がおかしいと思い、改めて正しい値を入れてみても、大気補正をオフにしてみてもうまくいきません。しかたないので、普段撮影時に極軸合わせに使っているガイド鏡を持ってきたのですが、それでもうまくいきません。

確かに、まだ幾つか問題となりそうなところはあります。まずは、SWATの下についている微動雲台を外しました。構造的に一番弱そうなところです。というのも、SharpCapで800ms以上の露光では恒星がボヤーっとしてしまい、露光時間を短くするごとにキリッと締まります。これは細かく揺れているからに他なりません。微動雲台を外すと、何度か位置特定しましたが、安定ではなく結局は状況は改善せず。

次の問題点はカーボン三脚の足を伸ばしすぎていることです。普段私は撮影時は安定化のために基本的に三脚は最短にします。この日はデモだったので、三脚の足をかなり伸ばしています。でも足を縮めると北極星が見えなくなることに気づきました。そもそもブーステントの南側でデモをしていたのですが、北極星を見るためにテントとテントの隙間を狙っていたのです。テントの北側に持っていくことも考えたのですが、今度は北側の木が邪魔しそうです。この時点で、極軸を取ることは諦めました。

とりあえずそこそこは北の方を向いているとして、構わずにAZ-GTiで初期アランメントをしてしまいます。画角的にはアルタイルは入りそうなので、とりあえずアルタイルです。極軸がずれているので、最初の導入では当然アルタイルは入ってきません。そこで、SharpCapでプレートソルブです。

AZ-GTiへの同期までだとうまくいかなかったので、最近やっている初期アラインメント時の最後の方の「マニュアルで合わせてください」というようなところで、SharpCapのプレートソルブの4つのオプションの一番最後の「オフセットのみを合わせる」とかいうので合わせます。この4つ目のオプションは、2つ目のオプションの「同期までする」というのが動かない場合でも、かなりの確率で動くことがわかってきたのですが、今回もその通りでした。

プレートソルブ機能を使って初期アラインメントもうまくいくことまで示せました。次は目標天体の導入です。今回は近くのM27としました。近いのでこれは確実に画面内に持ってこれるのですが、「一回で入るのですか!?」と驚きの声をあげる方もいらっしゃいました。天体の導入にはやはり苦労されている方も多いと思いますが、確かに鬼門の一つなのかと思います。

導入時は800msくらいの露光時間で、星の動きもわかるくらいのスピードでやっていたのですが「導入する時点でもう星雲も見えてしまうのですね!?」という驚きの声もありました。M27はそこそこ明るいので、800msもあれば動いている状態でも星雲本体の軌跡が残るくらいわかってしまいます。

01_M27


SWAgTiのデモ: 撮影へ切り替え

導入後は撮影のために、試しに露光時間を10秒、30秒、1分、3分と段階的に伸ばしていきます。今回は3分では星像が大きく流れてしまいました。自宅での実験ではこの鏡筒と、さらにピクセルサイズの小さいUranun-Cでも、3分露光で100%の歩留まりでした。今回3分で大きく流れるのは、上に書いたように極軸が全然あっていないためです。1分では見た目良さそうでしたが、拡大するとやはり少し流れているのがわかります。30秒では完全に点像になったので、30秒で撮影を開始することにしました。

ここで、AZ-GTiの(電源を切るとかではなく)追尾モードをSynScan Proで切り、自動追尾をSWAT側た担当するように切り替えます。SWATは電源を入れる際に大きくキックして、しばらくすると元の位置に戻ってくることがわかっているので、その様子を実際に見てもらいました。これの解決策としては、SWATの電源をあらかじめ入れておいて、追尾モードを「DEC」に合わせるとずっと止まってくれていて、追尾をAZ-GTiから切り替えるときに追尾モードを「STAR」にするとキックなしで開始することができます。

それでもAZ-GTiからSWATへの切り替えのタイムラグなどで目標天体が画面中央からずれることがありますが、AZ-GTiの追尾だけ切っているのでモーターはまだ電源が入って生きています。SynScan Proから矢印て向きを操作することもできます。なのでここでは、AZ-GTi側を使って天体の位置を微調整します。追尾はすでにSWAT、画家の微調整はAZ-GTiというこれもまたいいとこどりです。

IMG_8443

撮影が始まってからは、そのまま放っておきます。質問タイムや、一般の方に「星雲が見えてますよー」とか声をかけながら、ライブスタックで見えているM27をネタに、会話を楽しみます。

今回の星まつりですが、星マニアばかりではなく一般の方がかなり多い印象でした。特に夜は結構星が見えていたので、地元の方が多く参加されたのかもしれません。ただ、晴れていたかというとそうでもない印象で、少なくとも肉眼で見える星の数は大したことなく、例えば天の川方向も(会場が明るかったせいもあるかもしれませんが)ほとんど星が見えなかったです。一応35mmレンズとASI294MCの広域電視観望セットも用意していたので、早い時間帯は天の川を写したりもしていました。そのうちこちらも、雲越しの天の川に変わっていき、最後は雲しか見えなくなってしまいました。


ユニテック流?SWATでの撮影

M27の撮影を続けていたのですが、ユニテックの方が非常に面白い試みをしていました。元々極軸があっていなかったので、流れて縞ノイズが見えていたのですが、三脚の足の長さを適当に少し変えて、わざと極軸からずらして流れる方向を変えて、縞ノイズを目立たないようにしているのです。これを何度か繰り返しすと、ライブスタックでも目に見えて縞ノイズが改善されています。ずらしている最中の星が流れる画像は、ライブスッタクで星の位置合わせができないので自動的に落としてくれます。また雲であまり写りが良くない画像も勝手に落としてくれます。なのでライブスタック画像はかなり綺麗なものになります。

ここでふと、もしかしたらSWATってこのやり方がいいのではと思ってしまったのです。そもそも、SWATには本体に穴が空いていてい、そこを覗いて北極星が見えるようにすると、簡単な極軸合わせができます。もちろんSharpCapで合わせるほどの精度は出ないのですが、私は大前提として極軸はとことんまで合わせるべきだと思い込んでいたのです。でも、ある程度適当に合わせて、そこから少し定期定期にずらしてやるというのは、簡単撮影という方針から考えると全然アリなのではと思ったというわけです。ある意味、百戦錬磨のSWAT開発者の何気ないすごい手法を見たのかと思ったら、結構納得してしまいました。必ずしも「合わせこむということ」を「しない」方法があるということです。

今回はライブスタックだけでなく、RAW画像も同時に保存していたので、ユニテックの方にお渡ししました。ユニテックさんのブログに画像処理までされたM27が掲載されています。ダーク補正もフラット補正もしていないはずで「ノイズはすごかった」とおっしゃっていましたが、十分見える画像になっていると思います。興味のある方はぜひご覧ください。




会場内の電視観望

SWAgTiでの撮影が始まると私も少し余裕が出てきたので、スタッフの方が買ってきてくれたたこ焼きを頬張って、その後会場内を回ってきました。興味があったのは電視観望のデモをしているブースが出ているかです。あらかじめある程度は聞いていたのですが、一体型の機器を含めて少なくとも7箇所、気づいてないところもあったかもしれないのと、観望エリアに行けなかったのでもしそちらでもやっていたらもっとと、とにかくすごい数です。電視観望がいかにイベント向きとはいえ、星まつりのブースでここまで増えているのを見ると、特に胎内だと私的にはかなり感慨深いです。これを見る限り、天文マニアへの認知とかは完全にすんでいて、むしろ一般のお客さんに(電視観望の手法というよりは)普通に星雲星団銀河を見せているような印象でした。すごい!

興味を引いたのはBITRANさんでした。かなり高性能のカメラを開発しているところで、話を聞いたら出ているのはほぼ研究用、アマチュア天文ではなかなか売れないとのことでした。デモしていたのはフラッグシップモデルなのでしょうか、専用ソフトでカメラを制御するそうです。そのカメラでM57を写していました。ライブスタック機能とかはないのかと思います。「これだけ見えたのは初めてだ」とのことでした。他機種のカメラのいくつかはASCOM経由でSharpCapでもコントロールできるようです。多分センサーをセレクションして相当性能のいいものを使っているはずです。一度撮影とかで本気で使ってみたいです。
IMG_8448

いつもご一緒させていただいているサイトロンブースですが、今回はユニテックさんのところにいたのでお手伝いできませんでしたが、もうごくごく普通に電視観望をしています。スタッフの方と、小海で何か面白いことをやろうと話したので、またご一緒させてもらうことになるかと思います。
IMG_8455

あと、五藤さんも電視観望を試していました。私的には意外だったのですが、他の方に聞いたら星まつりでは結構よくやっているとか。この時は網状星雲を入れていました。
IMG_8453


富山へ帰宅

22時半すぎでしょうか、だんだん曇ってきてしまい片付けることにしました。片付けが終わった後には、暑かったのと寝不足で疲れ果てていて、まだ少し心残りですがそのまま帰宅することにしました。本当は観望エリアに行きたかったのですが、もう体力は残っていませんでした。

今回のSWAgTiのデモはまだお披露目レベルです。今後もう少し試して、さらにこなれていくと思います。京都の「星もと」でもまた展示することになるかと思いますので、興味のある方はぜひいらしてください。ユニテックの方とも、しっかりとした手応えを感じたことを確認して、ここで解散となりました。

会場を23時半頃に出て、高速に入る前のコンビニで少し食料を買い込み、食べながら運転して高速に入りましたが、やはりすぐに眠くなってしまいました。あまり覚えていないのですが、新潟を過ぎたあたりのどこかの小さなパーキングエリアで泥のように寝てしまいました。一旦起きて結構走ってからまた眠くなり再びパーキングエリアで睡眠。結局自宅に着いたのは午前8時頃でした。とにかくシャワーを浴びて汗を流し、そのまま午前も午後もよく寝て、夜も早くにベットに入り、ほとんど一日中寝ていた気がします。炎天下の中、やはりかなり疲れていたようでした。


戦利品

今回手に入れたものはかなり限られています。一つは、シュミットブースで購入した新品のセレストロンの赤道儀のコントローラーです。家には3台のセレストロン赤道儀があるので、壊れたときの予備として買っておきました。星まつりにしては珍しく、買い物はこれのみです。

IMG_8481

もう一つはZWOブースで貰えた布バッグです。嬉しかったのは中にASIカメラのキーホルダーが入っていたことです。実は既に一個持っていて、これで2個目になります。超カワイイです。

IMG_8480


最後に

よく考えたら、今回オークションも抽選会にも参加していませんでした。ちょっとだけ見たのは、新潟のローカルアイドル「コーテシー」のコンサートくらいでした。写真を撮るのは禁止されていたので、その時のステージ周りの雰囲気だけですが、宇宙の侵略者の方達もアイドルコンサートは外せないみたいです。

IMG_8441

今回あまり星まつり公式行事に参加できなかったのは、ものすごく暑かったのも原因の一つだと思います。オークションもこれまでとは違い日陰で行われていましたが、その頃には私もすでにかなり疲れ果てていて、夜のSWAgTiデモのために体力を温存しておきたいような状態でした。それでもたくさんの方と話すことができたので、とても楽しくて、現地開催が素晴らしかったことは言うまでもありません。

久しぶりの現地開催の胎内星まつりでしたが、やはりたくさんのブースがあり、多くの人が来る星まつりはよかったです。来年以降もまた現地開催で続けて頂けると嬉しいです。あ、きちんと寄付(英世さん1枚ですが...)もしましたよ。天気に文句を言ってもしかたないのですが、暑くなければもっとうれしいです。

最後に、星まつりを運営しているスタッフの方たちに感謝したいと思います。猛暑の中大変だったと思います。本当にありがとうございました。






 

このページのトップヘ