ほしぞloveログ

天体観測始めました。

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小海の「星と自然のフェスタ2022」の2日目後半の記事から続いて、3日目の様子です。



3日目朝 

昨日の2日目が一日中盛り上がっていてさすがに疲れてきたのか、朝はのんびり寝ていた私。その一方、早くから寝ていた妻は朝6時過ぎには起きて探鳥会に参加していました。集合場所にほぼ一番乗りだったようで、ほとんど人がいなくて本当に開催されるか心配だったとのことです。「早い時間は山がきれいで、そこで鳥を探すのは朝からすごく気分がよかった」とのこと。遅くまで一緒にいたかんたろうさんも探鳥会に参加していたそうで、そんなに早く起きることができるかんたろうさん尊敬です。そういえば、去年TANKOさんがご夫婦で探鳥会に参加していて、それを見て今回小海に妻を誘ったので、もしかしたら私も頑張って参加すれば良かったかもしれません。

その後は、かんたろうさんを交えて朝食は3人で。ずっと食べ過ぎなので、この日の朝はかなり控えます。それでもフレンチトースト状のバームクーヘンは美味しいので2つは食べたいです。シリアルに牛乳とシャトレーゼヨーグルトをかけてブルーベリージャムをかけるとこれまた絶品です。

毎食こんなに食べてるからでしょう、今回はキッチンカーを全然利用できませんでした。2日目もそうだったのですが、お昼になっても全然お腹が空かないのです。ホテルの特製カレーもそうなのですが、美味しそうなメニューはたくさんあっても全然食べられません。その一方、ホテルのサービスのウェルカムスイーツを夫婦そろって食べ逃しました。時間的な問題だったのですが、14時半からウェルカムスイーツが始まるそうで、初日到着は15時半くらい。2日目は講演でちょうどその時間は行けませんでした。でも妻はその時間空いていたのですが、チェックインでの説明もなかったので結局逃してしまいました。これがあったら、お菓子の城のイメージに近づいたのかもしれません。あ、でも2日目はウェルカムでもないから、そもそもだめなのでしょうか?

そうそう、朝のレストランでやっとRamb君と会うことができました。確か2日目午後だったでしょうか、薜さん、だぼさんなど、若手の方5人くらいとお会いすることができました。その際に「Ramb君が会場に来ている」と聞きました。Ramb君とは何度かコンタクトしているのですが、未だに直接は会ったことがありません。会場を探したのですが、顔も分からないので結局2日目にには会えず。ところが、朝食の時にレストランでRamb君のほうからから声をかけてくれて、とうとう会うことができました。2月にうちの近くに来ることになるかもしれないので、また会えますね。今回会場には若い天文ファンの姿もたくさん見かけました。若い方が元気なのはいいことです。どんどんこの界隈を引っ張っていってくれればと思います。


最後に少しお買い物

朝食を食べ終わって部屋に戻ると、もう午前9時を回っています。キリがいいので、ここでチェックアウトして、最後に会場を一回りすることにしました。

3日目は少し余裕があったので、太陽望遠鏡でも出そうかと思いましたが、あいにく朝起きて外を見ると曇っていました。風も強く、ときおりブースのテントが飛ばされたりしていたので、諦めることにしました。

残った時間は、まだ回りきれていなかったブースで少しお買い物です。今回はあまり大したものは買っていなかったので、最後に国際光器で48mmのナローバンドフィルターを買いました。6.5nmのHαフィルターと、眼視用と書いてある8nmのOIIIフィルターを購入しました。でも多分撮影にも使えると思うので、とりあえず買って試してみることにしました。ちょっと前にスターベースで買ったホイールに入れるフィルターを少しづつ集めていこうと思っています。今回はこれが一番大きな買い物になります。
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他にも、今年も星の手帳社の日めくりを小海で買うことになりました。でも昨年はあった星の手帳社のブーは今年はなく、シュミットに置いてあったものを購入しました。
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最後にブラックパンダさんのブースに立ち寄って、AZ-GTiの小型版とも言えるACUTERの経緯台を手に入れました。手に入れたと言っても、実はテスト用にお借りしたものです。去年の星フェスから注目していたものなので、超小型機材運用とかできそうでとても楽しみです。またテストしてレポートします。
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帰り際に、昨日の講演にもきてくれたという、石川から来たという5年生の男の子とご両親とお話ししました。宇宙にすごく興味があるみたいで、重力波のこととかも説明してくれました。前回の番外編の記事で書いた、後日自宅に遊びにきてくれたご家族になります。


そろそろお昼前の11時頃になり、夕方から用事があることもありここら辺で小海を出発します。最後に講演に呼んで頂いたテレスコ工房のおやじねこさんに挨拶しまた。ちょうど妻もいたので、一緒にお礼を言いました。そもそもおやじねこさんが声を上げなければ、この小海の星フェス自体存在さえしなかったはずです。本当にありがとうございました。


夫婦で参加

以前小海の星フェスのことで妻の意見を書いたのですが、今回はリアルについてきているので、その評価を色々聞くことが出来ました。そもそもリゾートホテルということで、基本的にかなり満足していたようです。所々発言するので、覚えていた限りを箇条書きにしてみます。

まずは参加前に言っていたこと。
  • アウトドアサウナがあるので、水着を持っていく。-> 結局入らず。
  • プールはやってるかな?-> やってなかった。
  • シャトレーゼなので、お菓子の城みたいなのを想像している。->ウェルカムスイーツも逃してしまい、お菓子の城にはならなかったらしい。
  • 温泉のアイス食べ放題が楽しみ。-> 「おひとついかが」とか書いてあったので、遠慮して一回の入浴につき一本しか食べなかったそうです。
まあ、事前にいろいろとイメージを膨らませることはいいことだと思います。それよりも次に書くように、他にたくさん素晴らしいことがあったようで、こんな些細なことは吹っ飛んでいたようです。

参加した後に言っていたこと。
  • 食事がとてもおいしい。夜も朝もビュッフェ形式で食べ過ぎてしまい、会場のキッチンカーなどのメニューをあまり食べることができなかった。
  • 夜のビュッフェのケーキがとても美味しかったが、大きすぎて一人だと(初日はSamは懇親会に出ていたので、一人でビュッフェで食べてもらいました)種類が食べられない。
  • 会場で試食した豆が美味しかったので、いくつか購入した。町としてああいったものを扱うのはとてもいい。
  • 探鳥会のようなプログラムがあるのはものすごくいい。案内してくれた方が持っていた本の著者だったのでサインしてもらって嬉しかった。星に興味がなくてもこういったものが一つでもあるだけで、かなり楽しむことが出来た。
  • 家族連れも多く、女性もたくさんいたので、たくさん話すことができた。
  • ホテルの部屋でも、とてものんびりできて快適だった。余裕があってとてもリラックスできた。
  • 周りを散歩したが、自然を利用した遊具などがあり、子供たちが遊んでいるのが良かった。
  • アクセサリなどのテントは可愛いものがたくさんあったが、旅行としてきているので何かお土産っぽいものが選べると嬉しい。
  • 山歩きの格好をしてクラフトブースへ行っても全然声をかけられなかったが、スカートを履いて街中の格好にすると盛んに声をかけられた。格好は大事だ。
  • ホテルの一部スタッフ、忙しそうなのは仕方ないが、対応が少し気になった。
  • 清掃の方達は全員ものすごく丁寧な対応だった。

続いて私からの感想です。

今回はものすごく雰囲気が良かった気がします。天気にも恵まれ、昨年まで問題とされていたところも大幅に改善しているのを実感できます。写真は土曜日昼過ぎ頃の様子ですが、会場にはたくさんの人が来ていて盛り上がっているのがわかります。
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天文ファン同士の交流がすごいです。SNSで見てるだけでも、数多くのリアル対面での挨拶があったのがわかります。こういった場を提供してもらえるのは感謝でしかありません。

望遠鏡エリアをメイン会場も真ん中に持ってきたのも良かったです。中央に来れば、一般の人でもより気軽に見せてもらえるとわかります。

今回の星フェスは夫婦とか、家族とかで参加されている方を多く見ました。京都の「星もと」でも同じようなことを思ったのですが、今回はさらに輪をかけてです。かくいう私も、今回は妻同伴です。星まつりは基本屋外会場が前提なので、宿など周りになく、車中泊や贅沢してテント泊とかも珍しくありません。今回の「星と自然のフェスタ」は、星まつりの中ではかなり贅沢な部類で、ホテルが併設された会場、かつ講演会などもきちんと会議室で開かれます。こういった環境の良さがあると、無理をしなくてもよくなるので、家族も参加しやすいのかと思います。

自分的にはやはり今回の目的であった電視観望の講演と、夜の実演が大きかったです。両方ともかなり盛り上がったのはうれしかったです。初心者の方もたくさんきてくれたようで、電視観望が広がっていっているのを実感できます。


戦利品

最後に、書ききれなかった戦利品です。まず一つ目は、2日目にフリマスペースで購入したラベンデュラの、おそらく試作品のアイピースです。一つ同じようなものを持っているのですが、40mmで使い勝手が良かったので購入しました。でもこのアイピース焦点距離が何mmかわからないそうです。
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マリーチさんとM87JETさんからお土産を頂きました。とてもおいしかったです。どうもありがとうございました。白い写真たてはスワロフスキーのブースで頂きました。
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シャインマスカット入りのソーダですが、美味しいのと少ないので家族で取り合いになりました(笑)。


最後に

今回の星フェスでとても多くの方に会いました。会った人の数が多すぎなので個別の名前を挙げることは控えますが、また来年の星まつりで全国の星友と会えたらと思います。

今年の「星と自然のフェスタ」はとても素晴らしかったです。二晩とも晴れという天候にも恵まれたこともあるのでしょうか、会場の雰囲気自体がすごく良かった気がします。去年までの問題もかなりのレベルで解決していたと実感することができました。おやじねこさんはじめ、関係者、スタッフ、ボランティアの皆様の努力のおかげかと思います。私は講演で大変お世話になりましたし、妻共々夫婦で3日間楽しませて頂きました。本当にありがとうございました。

これだけの規模のイベントになると、相当大変なのかと思いますが、来年以降の小海での星フェスもどうしても期待してしまいます。ぜひ次回も参加したいと思うような、本当に素晴らしい星フェスでした。



 

小海の「星と自然のフェスタ2022」の2日目前半の記事から続いて、2日目の後半の様子です。



いよいよ電視観望講演

私が担当する電視観望の講演会は14時40分から。午後も最初のうち会場内を回っていましたが、いよいよ13時頃になると落ち着かなくなってきて、一旦ホテルの部屋に戻りスライドのの最終チェックをします。スライドは数えたら75ページもあります。時間は50分なのでかなり多めですが、ライブスタックで変わっていく様子を何枚かアニメみたいに切り替えていくので、そういうのをさっ引いても実質60枚切るくらいです。まだかなり多いので、実際のトークの時にはテンポよく進めていく必要があります。

14時前にもう一度本部前に行って、残り枚数の確認です。この時点でまだ10枚以上残っていましたでしょうか。ちょうどかんたろうさんがいて「お布施、お布施」とかいいながらチケットを買ってくれました(笑)。ありがとうございました。来ない人もいるだろいということでチケットは50枚刷ったと聞いたので、この時点で40人くらいで実質ほぼ満席かなと思っていました。部屋に戻って、14時には荷物を講演会場に運び込みます。

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機材は
  • NEWTONY+Ceres-C+AZ-GTi
  • FMA135+Uranus-C+AZ-GTi
  • FS-60CB+ASI294MC
  • NIKKOR 50mm, F1.4+自由雲台
  • Vespera
となります。全部で4.5セットといったところでしょうか。一部借り物もあります。

機材は会場外の廊下のところに置いたのですが、ちょうど食堂上のガラス張りのテラス状態になっていて、昼間はとにかく暑いのです。それでも前の講演の終了15分くらい前になると、徐々に人が集まってきて、早速ですが機材を囲みながらの雑談モードの質問タイムが始まります。

そうこうしているうちに、前の講演が終了予定時刻少し前に終わったので、部屋の中に入り準備を始めます。とりあえず機材を適当に前方に置いて、次に参加者の確認です。ここまでの講演ではどうもチケットの確認をあまりしていなかったようなのですが、私の講演はワンコイン500円ということで有料なので、不公平がないようにしはくてはいけません。「では一旦外に出てもらって、チケットと共に入場してもらうことにしましょう」ということになり、2つあるドアの後方だけを開けてチケットを受け取り一人づつ入場してもらうことにしました。途中、スタッフの方がチケット受け取りを引き受けてくださったので、私はPCをプロジェクターにつないで、画面のチェックに取り掛かることが出来ました。その間に、参加者の方に前の方に資料を取りに来てもらいます。

資料は2つあり、ひとつはプレゼンスライドの中でも技術的なことを書いてあるページを印刷して、後で確認できるようにしたもの。今回のトークは基本的には初心者向けにしました。やはりまだまだ初めてみたいという方の声をたくさん聞くことと、情報が拡散しているので何から始めたらいいかわからないという声もよく聞くからです。ただ、話を聞いただけではなかなか覚えていられない細かいことも多いはずなので、ページ数を限ってますが、必要と思われるページを印刷して確認できるようにしてみました。

もう一つの資料は、少しマニア向けにと考えたもので、今回特別に用意したCMOSカメラの系譜図です。現在いろいろとまとめている資料の一部で、ファーストバージョンを講演に来ていただいた方に限定公開してみました。かなり気合を入れて用意したのです。講演に参加された方のブログ記事などをみている限り、結構好評なようで少し安心しました。今後もう少し時間をかけて仕上げていくつもりです。

機材を発表順に並べて、プロジェクターにも画面を映して、準備完了となります。始まりの時間の14時40分まで5分近くあったので、その時間ももったいなくて質問時間にします。

ちょうど14時40分に開始して、講演自体はページ数の割に滞りなく進みました。できるだけわかりやすくと思いましたが、どうだったでしょうか?機材の説明が暗い中でだったので、どこまで見えたか心配でしたが、講演終了後にあかりがついてから、片付けている際にも前に来て見ていた方が多くいたので、短時間でしたがなんとか見ていただけたのかと思います。

実際にはトークが終わってからも時間が10分近く余っていたと思います。ここでも時間ギリギリまでたくさんの質問が出てきました。片付けの最中にも、特に機材を見ながらいろいろ聞かれることも多かったです。こうやって面と向かって質問をやり取りできるのは、リアル開催の最大の魅力です。コロナがこのまま収まって、星関連のイベントが以前のように普通に行われるといいのですが。

その後、会場を次の講演の方に引き継ぎ、廊下であらためて機材を台車の上に乗せてホテルの部屋に向かいます。ここでやっとホッとできました。

たくさんの方に来て頂き、質問等もとても盛り上がったので、本講演は大成功かと思います。開始の際の準備のときに机の搬入とか色々手伝ってくれた方々、片付けの際にも同じように手伝ってくれた方々、会場スタッフの方、そもそもこの講演の準備に貢献していただいた多くのスタッフの方々、そして講演に参加していただいた皆様、星仲間の知り合いの方も多く参加してくれました。本当にありがとうございました。


講演終了後

講演も無事に終え、まだ興奮も冷めやらぬまま部屋に戻りました。渡されたチケットを数えると、なんと49枚ありました。もともと40名の定員でしたが、チケットだけ取って来れない方もいるなどの考慮でしょうか、余分に発行していたと聞いています。後で本部で確認したら6枚残っていたので、だれも欠席しなかったとしたら55枚発行され、49人来てくれたことになります。用意していた資料は50部切るくらいだと思っていたのですが、それでも1部残っていたので、実際には何度か印刷テストしていたのも混じっていて、ちょうど50部くらいになっていたのかもしれません。もし参加したのに資料をもらうのを忘れていたという方がいましたら、Twitterの方でご連絡頂ければ個別に送らさせていただきます。

講演会場とその外が暑かったのでしょう、部屋で気づいたら汗だくでした。ちょうどいいやと思い、そのまま温泉に向かいます。

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さっぱりした後のアイスは格別でした。でもその間にどうやら抽選会を逃してしまったようです。

夜はシュミットブースで19時から電視観望実演をするので、18時のレストランオープンの少し前から並び、早めの夕食ビュッフェです。朝食ビュッフェよりも豪華で、嬉しかったのがケーキです。すでにたくさん食べてお腹いっぱいなのですが、やはりケーキは別腹。妻と二人で大きなケーキを3つ(と言っても2つぶん以上は私が)食べました。

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このケーキも美味しかったですが、その後に食べた柿のケーキも美味しかったです。


シュミットブースでの電視観望実演

食事を終えて、電視観望実演の準備をしていたら、もう19時ギリギリです。急いでシュミットブースに移動して、そのまますぐに実演開始となりました。今回はあらかじめ開始時間と終了時間をはっきりと決めることにしました。これは昨年の実演で夕方のうちから準備を始めたら人が集まり始めてしまって、どこが開始か全くわからなくなってしまったことの反省からです。さらに、準備するところも含めて、見る人によっては参考になるということで、本当にカメラの接続から開始です。

初めから3-40人はいましたでしょうか、たくさんの人が集まっていて、講演に参加くれた人もたくさん来てくれているようです。機材は最近いつも使っているFMA135にUranus-Cを取り付け、光害防止フィルターとしてCBPを使っています。架台も定番の手軽なAZ-GTiです。

ところが今回は接続したPCが絶不調です。まずSurface7が反応しません。キーボードもタッチパッドも、画面を触ってのクリックも動かなくなりました。こんなのは初めてのことです。でもこれ、後でホテルの部屋に帰ると普通に動いたので、ちょっと謎です。もちろん予備のPCは用意してあって、2台目のSurface8に移しました。ところが、PC単独では問題ないのになぜかHDMI出力の大型モニターに画面が出ず、こちらも諦めます。結局、最後の砦の結MacBool ProをBootCampで起動しました。こちらは大型モニターにも表示でき、なんとかその場を凌ぐことができました。ただし、このBootCamp軌道でのSharpCapですが、プレートソルブは設定していなかったので、うまく自動導入の精度が出るか、ちょっとドキドキものでした。

恥ずかしながらですが、こんなトラブル含めて、そのまま見ていただいての実演となりました(笑)。動き出してからは極めて順調です。最初はたしか北アメリカ星雲を導入したでしょうか。ライブスタックと共に徐々に出てくる形に「オーっ!」という雰囲気です。説明に夢中であまり記憶がないのですが、多分次がアンドロメダ銀河、他に亜鈴状星雲、三日月星雲とかにいったと思います。例によって講演中の写真が全然なく、サイトロンのスタッフの方がその時の様子を撮影してくれた写真を頂いたので、載せておきます。

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今回の電視観望は2台体制です。私の機材は口径わずか3cmでここまで見えるという驚きを、となりではAskarの80PHQで、こちらは口径も十分で淡いものも見えるというデモです。80PHQの画像は大型プロジェクターに映していて、網状星雲の細かい模様や、FMA135では流石に淡くて映しきれないM33: さんかく座銀河を映し出したりしていました。

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集まってくれた方からは質問がひっきりなしに出てきます。すでに自分で試している方、初心者でもかなり本気でやってみたい方と、質問からその熱気が伝わってきます。そんな中に、横浜から来たという小学3年生の女の子と、そのご両親が熱心に話しかけてくれました。なんと抽選でNEWTONYが当たったそうです。最初初心者かと思ってNEWTONYとCeres-Cとか話していたのですが、どうやら「月とか惑星の次に行きたい!」とのこと。スターセンスエクスプローラー付きの鏡筒も持っているようです。ならば話は早くて、「できるだけ面積の広いカメラに予算をかけた方がいいのでは?」という話になりました。

まだまだ盛り上がっていますが、今回は20時半で終了ということにして一旦締めます。その後もM15を見たいとかでリクエストもあったのですが、80PHQのほうで終了後少しだけ映し出していました。私の方はまだまだプライベートでやる予定だったので、終了後しばらくしても残ったていた人には、「一旦出直してきてそこの中央エリアでこじんまりやります!」などと伝えて、一旦終了となりました。

シュミットでの実演が終わり一度ホテルの部屋に戻ると、妻は完全にくつろぎモード。どうも妻も少し外に出て実演を見に来ていたみたいで、開口一番「パパのところだけ人がいっぱいだったよ!一体何やってたの?」とまるで何か悪いことでもしているようかの言われよう(笑)。「今からまた行ってくる」とだけ言い残し、再び機材を持って外に出ます。


中央エリアでの電視観望

去年はシュミットでの実演で疲れ果てていて、夕食はコンビニで弁当を車の中で食べた後、力尽きて途中の道に車を止めて寝てしまい、会場にたどり着いたら0時過ぎで何もできなかったという痛い経験をしています。でも今年は実演が終わってもまだ余裕があるので、再び中央エリアに機材を持って繰り出し、今度は個人的に電視観望実演です。

機材を持ってホテルから出たところで、先の実演中に話していた小学3年の女の子と、そのご両親がちょうどホテルの部屋に帰るところでした。「これから電視観望するのですが、良かったら一緒に見ますか?」と声をかけると、即答で「はい!」とのことで、さらに夜の部にも参加することに。3年生なので眠くないか心配でしたが、「普段も夜11時頃までは星を見ている」とのことなので、全然大丈夫そうです。

まずはセッティングをしつつ、「そういえば星座ビノとか見たことありますか?星座用の2倍くらいの低い倍率の双眼鏡です。」というと、普通の双眼鏡は持っていても星座ビノは知らない様子。とりあえず電視観望の方の用意が終わり、M42:オリオン大星雲が画面に入ったとことでライブスタックしつつ、その間に車の方へ行き星座ビノを撮りに行きます。たくさんの星座ビノの入ったプラスチックケースとともに帰ってくると、ちょうどM42もいい具合にノイズが落ちています。長くスタックすると、ランニングマンも見えてくるので、みんなでその形を確認します。

さてここから星座ビノ見比べ会の始まりです。知り合いでは、いのさんとがいましたで。あとは小海で初めて会った方達です。人数分のビノは出したつもりなので、7-8人はいましたでしょうか。上板2丁目さん作のものが
  • cokin
  • Nikon
  • Canon
市販のものが多分ですが
  • 昔の白いWidebino28
  • Supere Widebino36
  • 笠井の3倍
  • サイトロンの2倍
  • SCOPETECHの1.8倍
くらいでしょうか?それぞれに特徴があって、子供だとcokinが接眼側の径が大きいので見やすく、NikonとSupere Widebino36はやはり見え方が他とは一段上というのは伝わったみたいです。Canonも負けていません。逆に3倍は、見える範囲が狭くなり星座の形がわかりにくくなるので、初心者にはやはり2倍が良さそうです。

3年生の女の子とご家族からは、星フェス終了後に「Supere Widebino36を買うことにしました」と、メールが来ました。メールには女の子のとても可愛いお礼の手紙が添付されていました。電視観望にも興味があるので、引き続きメールで機材選定とかのやりとりしています。こういった出会いも星まつりならではで、全国に星仲間が増えていきます。

電視観望はその後も続き、0時近くになってやっと片付けです。この日はあまり画像は残していませんでしたが、数少ない残っていた画像です。

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片付けがほぼ終わり、機材も車に積み込んで、もう少しだけメイン会場をプラプラしていると、Pentax一眼でSharpCapで電視観望がてら撮影をしている若い方がいました。話を聞いてみると、なんとこの方ペンタ用のASCOMドライバーを書いている方とのことで、それを使ってSharpCapで見ているというのことでした。昨晩お会いした、Pentax鏡筒で電視観望したいという方もその場にいて、一緒にSharpCapでPentaxカメラが動く様子を見ていました。まだまだ不安定と言っていましたが、自分でドライバーを書いて動かしているところがすごいです。帰ってからTwitterでフォローさせていただきました。

気づくと結構薄い雲が空のかなりの範囲を覆ってきています。0時半頃でしょうか、そのあとにキャンプサイトへと移ります。


夜中のキャンプサイトにて

キャンプサイトでは、XRAYさんはじめ、Masaさん、かんたろうさんなどが火を囲んで話しています。Masaさんとは初顔合わせすることが出来ました。Twitterの様子から20代くらいのかなり若い方かと思ったのですが、私とかなり近い年齢だということがわかりました。SNSだけだとなかなかわからないですね。いつもハンドルネームと顔と本名がぐっちゃになってしまい、色々申し訳ないことをしてしまっています。名前とか間違えて覚えていたら本当に申し訳ないのですが、どうかご容赦ください。

集まっている人の中で、特に昨年XRAさんと一緒に来ていたburamudさんと画像処理について突っ込んでお話しさせてもらいました。昨年の時点では「まだこれから始めます」みたいな雰囲気でしたが、最近はASI533MC Proまで買ったそうで、撮影にかなりのめり込んでいるようです。「ほしぞloveログ」もよく見て頂いているようで、最近撮ったバラ星雲の中心部の色出しとか、いろいろ聞かれました。撮影したバラ星雲に色が出ないと悩んでいるようなのですが、画像を見る限り赤一辺倒でなく、白っぽくなっている部分も残っているので、青の諧調は十分残っているようです。なので画像処理の問題で、出にくい青をきちんと引き出してやれば、色階調がきちんと出てくると思います。ノイズ処理がうまくいかなくて淡いところがモコモコしてしまうという話もしました。それでも色々話していて、若い方は1年でものすごく成長するというのを実感しました。

すこし晴れてきたので、かんたろうさんがM42を導入しようとしたのですが、ファインダーもすでに片付けてしまったとのことで導入できず断念したようです。ここで私もそろそろ眠くなってきて、明日の帰りの運転もあるので、そろそろホテルに帰ることに。時間は午前1時20分くらいでした。


2日目まとめ

2日目は講演を含めて超盛り沢山でした。書ききれていないこともたくさんあります。多くの星仲間に会っていますが、ほんの一部の方しか登場して頂いていません。新しい星仲間との出会いもたくさんありました。今回はとても充実した星フェスになりました。

さて、次の記事は3日目についてです。


 

小海の「星と自然のフェスタ2022」の初日の記事から続いて2日目の様子です。




朝からホテルのビュッフェで大満足

2日目は朝起きてからすぐにビュッフェ形式の朝食です。私はそもそも朝は寝ていようと思っていたのでいいのですが、妻は本当は野鳥探索イベントに参加するはずでした。結局完全に寝坊。二人とも8時頃になってやっとレストランへ行くことに。

昨晩は懇親会だったので妻には一人で食べてもらっていましたが、朝は一緒に食事を取ることができました。食事も美味しく、シャトレーゼのヨーグルトも好きなだけ食べることができ、もう朝からお腹いっぱいで大満足です。

食事後、9時くらいから早速会場内のブース巡りです。妻は何か誤解していて「10時までの1時間何しよう?」とずっと言っていました。どうもイベントは10時になったら開催だと思っていたらしく、それまではメイン会場でも何もやってないと思っていたようです。私が9時に出て行くと言ったら、ホテル内の探索を1時間くらいすると思ったようで、だから「1時間どうしようかな?」と言っていたみたいです。でも9時でもメイン会場に人が来ているとわかって、「じゃあ行く!」となりました。

でも会場に出た途端に私の方が話に夢中になってしまって、妻はいつの間にかどこかへ消えてしまっていました。申し訳なかったのですが、一人で勝手に楽しんでくれていたようです。ヨカッタ...。


フリーマーケット

今回はフリーマーケットも盛んで、かなりの件数が出ていました。早いうちにいいものを手に入れようと、まずはフリマスペースへ。フリマの場所も昨年より行きやすく近くなっていて、今回はメイン会場のすぐ脇の一段上がったところです。

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ホテルに近い側に、上板2丁目さんが今年もまた手作りの星座ビノを販売していました。
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以前書いたSuper Widebino36の記事のコメントで「もう星座ビノ作らないかも」と書き込みがあり、とても心配していました。今回はほぼ完売したとのことで、なかなか材料が手に入らないとのことでしたが、まだ5台くらい作ることを考えているそうです。珍しかったのは、SONYがCarl Zeissに作らせたテレコンビノで作った星座ビノです。まだ保有していたいとのことで売り物ではないとのことですが、いつか見比べをしてみたいです。

さらに上板2丁目さん、ネタでニュートン反射に見えるおかしな望遠鏡を出していました。
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某車メーカーのCMやヤフオクでもあるように、一般の人は気づかないかもしれませんが、天文マニアはすぐに何かおかしいと気づきますね。でもこの鏡筒だけはこれで正しいのです。本来の主鏡の位置にレンズが入っていて、実はこれ屈折型の望遠鏡で、本来の副鏡が正立プリズムというわけです。これを見たかんたろうさんが即決で購入していました。

あと、上板2丁目さんも最近電視観望を始めたらしいです。Keiko のSE-AT100Nを手に入れて電視観望に使っているとのことです。
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でもSE-AT100Nって普通にCMOSカメラを入れてもピントが出ないはずで、そのことを聞いたら鏡筒を縮め、接眼部を取り替え、ドローチューブを切断し、ものすごい解像をしていました。さすがです!

写真を撮り忘れてしまいましたが、山梨にある宿「スターパーティー」のオーナーご夫妻がフリーマーケットを出していました。ブログはいつも読ませていただいていて、電視観望の記事の中に私Samのことを書いてくれていることもあります。小海の会場まで車で40分くらいと、ここからだともうすぐ近くの様です。私はまだ行ったことがないのですが、いつか泊まりに行きたいです。

フリマで買い物をしたのはホテルから一番離れているブースです。C8関連のものが幾つか出ていました。ここでは鏡筒バンドとフードを購入しました。
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本体も格安で売っていたのですが、ミラーのメッキが剥がされてしまっていてたので諦めました。でも太陽に用に光量を減らす目的で買っておくのはアリだったかもと、自宅に帰ってから思いました。

他にもフリマスペースはかなり充実していて、高橋の三脚などいくつも迷ったものがありましたが、どんどん売れていったみたいでめぼしいものは早くに無くなっていきました。

フリマスペースでは多分午後になったくらいでBlack☆Pandaさんが到着してテントを設営していました。前回の記事で書かせて頂いたNEWTONY用のヘリコイドを販売していて、私がいる時だけでもいくつか売れていました。値段がNEWTONYに比べて誤差と言えないくらいのものだったのですが、後から聞いたらそこそこの数が出たそうです。NEWTONYを持っている方にとっては、ピント合わせが圧倒的に楽になることはやはり魅力なはずで、しかもフィルターは48mmのものを鏡筒前方に取り付ければ良さそうなので、十分実用的なのかと思います。


店舗ブースなどメイン会場で

メイン会場のブースも面白いものがいくつもありました。

Pentaxブースでは150mmの屈折をMS-4に載せていました。ブースのスタッフに聞いたら1号機で、会社に最後に残っているものだそうです。これに新製品の16.5mmと23mmのアイピースのうち、23mmの方を取り付けてデモをしていました。
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写真を撮り忘れてしまったようなのですが、Vixenの90mmのVSDの試作機は期待したいです。日本のメーカーには厳しい時代かと思います。担当の方も部材の調達も在庫確保と値段の引き合いがすごく難しいというようなことをおっしゃていて、なかなか値付けが確定しないとのことです。そんなネガティブな状況をことを吹っ飛ばすくらい、ぜひともここはVixenさんの底力を見せつけて頂きたいです。

スワロフスキーのフィールドスコープの見え味は、昨年も味わったのですが、今年もガツンときました。ものすごく鮮やかな見え味です。私は昼間に見ている限りやはり、会場の中では今年もこの見え味にNo.1をつけたいと思います。と言っても値段も相当なもので、そうそう気軽に買えるものではありませんが...。いつか手に入れられたらと思いますが、もし鳥をやっていたのならかなり無理しても買いたい一品です。
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スワロフスキーに素晴らしい見え味です。後ろ姿はTANKOさんです。
TANKOさん夫妻とウチの奥さんが、山での散歩で一緒になって(私抜きで)仲良くなったみたいです。

中央での望遠鏡で一番インパクトがあったのが、ジローさんのミューロンでの太陽Hαです。
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一見DAYSTARのHαフィルターを接岸部につけているだけに思いましたが、聞いてみるとPSTエタロンをDAYSTARの手前に仕込んでいて、なんとダブルスタックだそうです。しかも長焦点のミューロンなので、200倍以上の倍率だとか。この倍率で眼視でHαでしかもダブルスタックなんて、そうそうあるものではありません。ERFもきちんと紐で万が一でも落ちないようになっていて、安全面もきちんと考えてあります。最近やっと見える様になってきたとへりくだっておっしゃていましたが、さすがのジローさんです。本当に素晴らしいです。

ここら辺でhosirokumanさんに初顔合わせすることができました。2021年のCP+の講演のことを雑誌に書いて頂いた時にやりとりして以来、やっとお礼を言うことが出来ました。その節は本当にありがとうございました。


食事関連はビュッフェでお腹いっぱいであまりレポートできませんが、毎年恒例のプリンだけはどうしても食べたいのを我慢できませんでした。
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今年も安定の味で、毎年書くのですが小さい頃に食べた母が作ってくれたプリンの味を思い出します。「卵と砂糖だけを使っている」とのことで「日持ちはしないけれど」とおっしゃってましたが、ここでこのプリンを食べるのも小海の星フェスの目的の一つとなっています。

11時過ぎくらいになり、午後の講演のことが少し気になってきて、チケットがどれくらい出ているかを本部に確認しにいきました。
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数を数えてみると、まだ20枚以上余ってたので少しTwitterで宣伝しました。大丈夫かなあ?お客さん入ってくれるかなあ?と心配していましたが、本部の方が「一番人気ですよ」とおっしゃってくれたので、少し安心しました。

ここからもう少し会場内をプラプラしていて、12時くらいになるとだんだん講演モードになってきます。2日目は描くことが多く、まだまだ長くなりそうなので、ここら辺で一旦おしまいしにて、次の記事で後半をまとめます。



今年も長野県の小海町で開催された「星と自然のフェスタ」に参加してきました。昨年はこんな感じでした。



今年は11月11日(金)から13日(日)までの3日間ですが、金曜は昼間は会場設営で、夕方から「古スコ懇親会」と呼ばれる古い望遠鏡を持ち込んでの参加者と関係者の懇親会があります。なのでメインは土日、特に土曜の夜が星を見ながらのフェスとなります。


今回の星フェスの目的

前回はコロナ明けでの久しぶりの星まつりということで、人に会うことが大きな目的でした。今回の目的は、少し前の記事でお知らせした通り、やはり電視観望の講演が大きいのかと思います。

 

今回の講演は昨年の星フェスの時から頼まれていて、夏くらいに正式に依頼されました。何の話をするか色々考えていたのですが、やはり電視観望が広まりつつあり、まだまだやり方を聞きたい人もたくさんいるだろうということで、電視観望をターゲットにしました。

当日の講演の準備のこともあるので、今回はリエックスホテルの部屋をとってもらいました。ホテル泊で、しかも大好きなシャトレーゼ系列のホテルとなると妻も興味が湧いたようで、ツインルームとのことなので、今回は妻も一緒に参加することになりました。


出発

金曜日は休暇を取り、昼前に出発することにしました。

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土曜からでもよかったのですが、土曜午後に電視観望の講演があり、土曜午前の移動だと何かあったら時間的に厳しいそうなので、準備などに無理がないように金曜から泊まることにしました。星歴があまり長くない私としては、古スコ懇親会はせっかくなので参加させてもらおうというくらいの動機です。

富山インターから上越JCTで上信越道に入ります。途中小布施SAで昼食。小海会場には16時前くらいに到着し、すぐにホテルにチェックインしました。

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外のメイン会場では準備が着々と進んでいました。

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古スコ懇親会

古スコ懇親会開始予定の17時前くらいに、ホテル内の会場にいきます。久しぶりに会う星仲間との会話がはずみますが、懇親会が全然始まりません。聞くところによると、東京方面からの高速の佐久IC手前くらいで事故があり、通行止めで一部到着していない人がいて、18時開始に変更されたとのことです。

18時になり懇親会の開始ですが、やはりまだ到着していない方もいるようです。それでも何人かの方からの挨拶があり、立食形式で懇親会が始まりました。途中、Vixenの方達がかなり遅れて到着していました。後で少し話したのですが、遅く到着てもきちんと食べることが出来たのとことです。懇親会では軽食のみと聞いていたのですが、食事がとても美味しくて余るほど量がありました。どうもホテルのブッフェのメニューと重ねているようで、そのため様子を見ながら量が調節できていたようです。

食事をしながら、参加者のうちの30人くらいに機材自慢を順にしてもらっていました。例えばutoさんは2.5cmの手作りの反射望遠鏡で、モデルのパロマー天文台のヘール望遠鏡のスケールに合わせて人間の模型が置いてあったりします。
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ピンクのVixenの望遠鏡が可愛いくて、オーナー様によると知り合いの小学生の女の子に大人気だそうです。すごくきれいに塗れているなと思ったら、ラッピングだそうです。この方法はいいかもしれません。
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銀河鉄道の夜に出てきた(と思われる)望遠鏡が紹介されたり、
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ダウエル社の復活?記念グッズと、なんと当時の看板が披露されました。
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私はというと、スーパーチビテレと当時の物議を醸した天文ガイド1980年6月号と8月号を展示し、一部の人の強烈な興味を惹いていたようです。
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夜のメイン会場

懇親会の最後に記念写真を撮り、そのまま流れ解散で一部の人は外のメイン会場へ星見に。私も一旦部屋に戻り妻に「遅くなる」と断って、その後メイン会場に行ってみると、中央にいくつもの望遠鏡が並んでいて、多くの人が集まっていました。この日は昨年よりも全然寒くなく、かなり快適でした。ドブソニアンをいくつか覗かせてもらいましたが、木製の縞がかなりの本数見えるなど、シンチレーションが非常に良かったのが印象的でした。Nickさんのナイトスコープは相変わらず強烈です。月夜で三日月星雲がごくごく普通に見えていました。

そんな中、八王子からいらしている方が、電視観望をしていました。1分露光でライブスタックして、天体写真に仕上げるとのことです。月がかなり明るく出ていましたが、アンドロメダ銀河がきれいに出ていました。同じ場所でもう一人話している方で、長野の上田市から来ていると言っていましたが、電視観望に興味があるとのことなので、私も電視観望セットを出すことにしました。ただ、時間的に温泉に入れなくなりそうなので、「一旦温泉に行ってから始めるので、少し時間がかかるかもしれません」と伝えておきました。

部屋に戻ってそのままお風呂セットも用意して、すぐに温泉に向かいます。私は熱いお風呂が苦手なので、温泉に行ってもいつも短時間ででしまいます。この日も15分くらいのカラスの行水で、(楽しみの一つの)恒例のアイスを2本食べてます。その後部屋に戻り、すぐに機材を持って再びメイン会場に行きます。

先ほど話した方もまだ残っていて再会できたので、早速説明しながらの電視観望セットアップです。機材は最近定番のFMA135とUranus-CをAZ-GTiに載せたもの。フィルターはCBPを使いました。この日見たのは4つです。最初はM31アンドロメダ銀河。
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次はもう十分登ってきているM42: オリオン大星雲です。
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ここら辺まではまだ明るい天体なのですが、次の馬頭星雲は、口径3cmの鏡筒でこの月明かりでここまで出るのはかなり驚いていたようです。しかも月がかなり明るく、オリオン座のかなり近くにあります。
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話してみると、「ほしぞloveログ」をよく読んでいてくれているようなのですが、電視観望といってもいいところだけを見せていると思っていたようでした。「いえいえ、いつもよく見えますよ」と話して、ここまで見えるのなら「今後カメラをどうするか」とか色々話し込みました。星歴は私なんかより遥かに長く、持っている鏡筒がPentaxの75SDFHで、アイピース口をアメリカンサイズにするのが大変なようです。カメラもPentaxらしく、それが使えないかとも話していました。

最後、どこまで見えるかということでM33に挑戦してみました。流石に淡く、ライブスタックでかなり露光してやっと腕の構造がわかるくらいです。月明かりだと口径3cmの限界がここら辺なのかもしれません。あ、でもCBPはつけっぱなしだったので、外すともう少しマシになるかもしれません。
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0時近くなって、明日の講演のこともあるのでそろそろ退散することにしました。でも電視観望について色々納得できたみたいで、満足してもらえたようです。この日しかチャンスがないということでしたが、結局次の土曜の夜も来てくれて、また色々話すことになるのでした。

この日はこれでホテルの部屋で就寝です。続きは次の記事で。



 

2022年9月18日、実に3年ぶりになるリアル開催の、京都の「星をもとめて」、通称「星もと」に参加してきました。前回参加は2019年になります。

 


星もと

この「星もと」は関西では唯一と言っていい星まつり。関西の天文仲間が多く集まるので、関東などの星まつりではなかなか会うことのできない方達とお会いすることができます。

星もとといえば天気のことを書かないではいられません。思い起こしてみると、私が星を始めた当初の2016年にはこの星まつりのことは認識していなくて、やっと存在を知った2017年は台風で中止、初参加の2018年は晴れたものの、2019年には台風の中決行。私は初日の夜中に帰りましたが、次の日曜にはブース用の大型テントが 空中を舞っていたという噂を聞きました。2016年以前も会場が膝くらいまで水に浸かったとか、高速が通行止めになって帰れなかったとか、いまだにいろいろ伝説を聞くことができます。今年も多分にもれず、何故か超大型の台風と同じ日に。それでも台風の進行が予想より遅かったこともあり、無事に開催されました。ただし予定されていた2日目はキャンセルで、初日夜までの開催となりました。

ちなみに昨年2021年はコロナでオンライン開催でしたが、その際には電視観望について講演させていただき、個人的にも思い入れの深い星まつりです。
 


準備と出発

今回は台風が近いということもあり、そこまで大袈裟な機材は持っていかないでいこうと思っていました。直前の天気予報を見ると、初日の午前から午後初めくらいにかけて晴れの予報が出ていました。なので急遽太陽電視観望セットを持っていくことを決め、C8とPST、架台としてCGEM IIを載せ、午前4時に出発。9時くらいの到着を目指しました。夜の電視観望は、多分曇りが予想されるので50mmレンズでの広域電視観望とASI294MCと、予備にFMA135と最近お気に入りのUranus-C。架台は広域用には普通のカメラ三脚と自由雲台と、一応AZ-GTi。あとは予備でFS-60CB鏡筒です。

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結局車は荷物でいっぱい。一応寝られるように運転席の後ろは椅子が倒せるスペースだけ確保しました。出発直前にシャワーを浴び、午前4時過ぎに出発です。高速に乗る前にコンビニで運転中のおやつを買い込み、富山ICに向かいます。運転は焦らずのんびり何度か休憩しながらです。途中敦賀ジャンクションの手前の南条SAで休憩。ここはコンビニもあって便利で、しかも朝6時くらいなのに、すでにフードコートがオープンしていて食事を取ることもできそうです。お腹は空いていなかったので、コンビニでお菓子を少し追加したくらいで、そのまま敦賀JCTで舞鶴若狭道に入り、舞鶴を超え綾部JCTで京都縦貫道に乗り換えます。前回までは園部ICで降りていたのですが、今回はその一つ手前の京丹波みずほICで降りてみました。多分このIC前回はまだなかったと思っていたのですが、今調べたら2015年にはできていたそうです。下道の距離が少し長くなりますが、全体の距離は縮み、高速代を少し節約することができます。所要時間は3分ほど余分にかかるようですが、途中コンビニが4つあり、最後のは会場10kmになるので、途中IC周りしか何もない園部よりは便利そうです。


会場に到着

会場に到着したのは午前9時過ぎ。スタッフ以外はまだ数人でしょうか、ほとんど人がいません。

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こんなに朝早くでしたが、受付には学生スタッフがすでにいて名前を書いて受付を済ませプログラムをいただきました。その後、車を会場に近いところに止め会場に向かいます。
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到着してまもなく、国際光器さんが業者では一番乗り。挨拶したのですが、今回は家族づれでのご参加です。今回の星もとの特徴の一つが、業者さんも一般の方も、家族連れてきている方が結構いたことです。このるり渓がリゾートであることと、あとコロナで長い間なかなか旅行などいけなかったのが関係しているのかと思いますが、家族で参加できる星まつりというのはとてもいいと思います。

会場はいつもの奥の砂利のエリアから変わって、手前のアスファルトの所になりました。雨が降ったとしても泥跳ねとかせずに安心です。以前の場所はキャンプ場になっているようで、テントが張られています。その一部にバギーエリアが新設され、実際バギーが何台も走っていました。聞いたところによると今回の星もと会場も今はバギーコースの一部で、星もとのためにこの日はバギーコースを縮小してもらっているそうです。会場の至る所にタイヤが転がっていたわけがやっとわかりました。


太陽望遠鏡の顛末

さて、朝の到着時点ではまだ太陽も青空も少し見えていたのですが、流石にお客さんがほぼゼロなので太陽セットを出すのを躊躇していると、見る間に雲が多くなってしまいました。その間に、メイン会場では太陽望遠鏡が4つほど並び始めました。

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スタッフの方と話をすると同じ場所に設置していいとのことなので、太陽は雲の中ですが機材を見てもらうだけでもいいかと思い、私も設置を開始します。
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設置したのはいいのですが、結局昼間の間はほとんど曇りで太陽望遠鏡はほとんど出番がなく、途中少し雲越しで太陽が見えた時に試しただけでした。コントラストがほとんど取れない中、導入とピント合わせまではなんとかでき、太陽の縁は見えました。一瞬プロミネンスと思われるものが見えた気がしましたが(今その日の太陽のHαをネットで見たら、南西の濃いプロミネンスが見えていたのかと思われます)、雲が厚くてあまりに再現性がなく、期待していたお客さんに見せるには至りませんでした。時間が経つごとに見えなくなってしまったのと、雨も心配になってきたので、夕方前くらいには片付けてしまいました。それでも何人かの方には機材を説明できたのと、シベットさんのブログ記事にもありますが、少し溜まり場みたいになっていたので、まあよかったかなと。


いよいよ開会

昼頃になると人も集まり始め、賑やかになってきます。今回は台風接近にも関わらず、かなりの人が集まりました。最後まで雨もほとんど降ることもなく、太陽が出ていた朝の方が暑かったくらいで、昼頃からは温度も上がらず過ごしやすかったです。

13時からは開会式です。
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ブースにはすでにたくさんの人が来ていて、私も特価品などないか回って、リアル開催の雰囲気を楽しみます。


迷人会

今回は天気は期待できなかったので、人と会うことが大きな目的の一つです。特に、以前大阪あすとろぐらふぃ〜迷人会の微動雲台の評価をさせて頂いた際にやりとりさせていただいた、製作者の井戸端さんにやっとお会いすることができました。実は前回の星もとで会っているのですが、赤いハーモニック雲台を作った技術担当の方ということで機材の方は覚えていたのですが、顔がどうしても思い出せませんでした。今回実際にお会いしてやっと挨拶できましたが、(これまでのやりとりで朧げながらわかってはいましたが)こたろうさんとのやりとりはまるで漫才で、コテコテの迷人会メンバーの名にはじない豪快な方だということがよくわかりました。技術のもうも相当豪快で、今年作った赤道儀だけで10台とのことです。金ピカの赤道儀はインパクト大です。微動雲台の最新版も見せてもらい、ずいぶん改良されているのもわかりました。ものすごい技術力です。

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先月金沢でお会いしたええじさんにも再開できました。迷人会名物のザリガニさんも再開でき、ザリガニの持ち主のご本人様にもお会いすることができました。
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迷人会のブースにシベットさんが居候していて、3Dプリンタで作った自作ミニSUBARU望遠鏡を展示していました。
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実際に覗かせて頂きましたが、この大きさからは想像できないくらいよく見えます。3Dプリンタだと精度が足りなくてなかなか光軸が出ず、主鏡と副鏡の調整ネジが必須とのことです。補正レンズを入れると中央部がさらに良くなるとのことですが、周辺部が歪んでしまうために今回は補正レンズなしで、バローが入っていました。


ブース関連と戦利品

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最初にオープンした国際光器では欲しかったのBaaderのSIIフィルターを見つけたので早速購入してしまいました。手持ちのSIIフィルターだとゴーストが出てしまう時があり、HαとOIIIと同じBaaderにしたかったのですが、Baaderフィルターは最近どこも全然在庫が無かったので、これを手に入れられただけでも早くに会場に来た甲斐がありました。

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金沢のユーシートレードさんがこんかい「星もと」に初参加です。最近金沢の実店舗の方に行けていないので、たまには顔を出したいと思います。ここでは念願だったSupere WideBino36を購入。ここに詳しいレビューがあるのですが、NikonのTC-E2と争う高性能ということで、実際に比較してみるのが楽しみです。
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もう一つ、ズームタイプのアイピースを買いました。Celestronのものを一つ持っているのですが、おそらく同一製品です。とても便利で意外によく見えるので稼働率が高く、もう一本持っていたも重宝しそうという判断です。

ビノテクノに置いてあった電子ファインダーのマウントはシンプルで微動可能な秀逸なものです。非売品とのことでしたが、仕組みは簡単なので自分で作ることができそうです。電子ファインダーでもいいですし、広角電視観望を併用したい場合でも使えそうです。
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ここはアルミ材を格安を出していました。私も一つ購入しました。ビノか何かに使えるかもしれません。ガラス瓶は余り材らしく、無料で配っていたので一つ頂きました。
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KYOEIは星もと恒例のジャンク品の争奪戦が再開されました。5000円のコースはオークションに変わり、Celestronの Nexstarが出品されました。かなりお得な値段で落札されてました。
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3000円と2000円のコースは太陽エリアにいて逃してしまいましたが、1000円のコースだけ参加しました。Celestronの40mmのアイピースを手に入れることができました。低倍率でみたい時に重宝します。以前持っていたのですが、誰かにあげてしまったのでちょうどよかったです。
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写真を撮っていなかったのですが、外山電子ブースでは外山さんがZWOのAM5 を絶賛していました。全部分解して調べたらしいのですが、「非常によく考えて作られていて、もうこれ以上やることがなくて悲しくなる」くらいのレベルだそうです。

関西の「日本天文同好会」のブースがあったのですが、そこで海外の星図を展示している方がいました。私は眼視をあまりしないので星図については詳しくないのですが、いろんな種類のものがあり、見ているだけでも楽しそうでした。
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同じブースで、この星もとのスタッフのYさんが、ラッキーイメージで写した写真のまとめ冊子を展示していました。ちょうどYさんがいて色々説明を聞かせてもらいましたが、驚いたのは10秒露光とかで「何十時間」も撮影して、時には10%とかの率で選び抜くとか。枚数とファイルサイズを想像するだけでビックリです。流石に使わないファイルは消去するらしいのですが、いい画像を選ぶのはなんと目で見て判断しているとのこと。何かいい仕分け方法はないかとのとこで、PixInsightのSubFrameSelectorをお勧めしておきました。Yさん自身はPIは使っているのですがSubFrameSelectorはご存知なかったとのことです。

天文ガイドのブースではマサさんが来ていたので、10月号の「マサが行く」の志賀高原の記事のお礼を言いました。記事の中に「リフトで火球を見た」というのがあるのですが、おそらくそれは私の妻のことです。でもマサさんはそれが誰だったかというのは知らなくて、サイトロンスタッフの方から聞いた話だったということです。


イベント

2日目に予定されていたオークションですが、時間の関係でじゃんけん大会となりました。勝者16人が選ばれて、提供された商品を選べるとのことでしたが、私は初戦敗退。あ、そういえば参加賞があったような。もらうのを忘れてしまったかもしれません。

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演奏会もあります。夜はハープの演奏会もあったそうです。
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昼食は行きがけにコンビニで冷し中華を買っておいたのですが、忙しくて昼に食べ損なって17時過ぎにやっと昼食にありつけました。その後すぐにかんたろうさんから夕食に行こうと誘われてしまい、レストランに行ったのですが、宿泊客の食事もレストランで提供されるらしくかなり待つとのこと。リストを見るとズラーっと待っている人が並んでいるので、自分の名前だけ書いていったん会場に戻りました。

18時から電視観望についてのKYOEIのMさんの講演が始まっています。途中からですが参加しました。
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ここでCMOSカメラとCCDカメラの違いについて質問していた、阪大の学生さんと後で少し話しました。星もとスタッフさんの一人です。その際、ダイナミックレンジについて少し議論しました。物理でセンサーを扱う研究室にいるそうで、趣味と研究が一致すると互いにどんどん進むかもしれません。

学生さんといえば、星もとは学生ボランティアの貢献がものすごく大きい星まつりです。今回もたくさんの学生ボランティアのスタッフがすごく活発に動いてくれていました。学生さんが手伝ってくれないと全然回らないと言っていたスタッフの方もいます。ただ、コロナで活動が長期間停滞していたため、引き継ぎがあまりうまくいかなくて、今回は院生などのOBに相当するような学生さんも参加して、ひきつぎもふくめてうまく回してくれているようです。学生さんたちの貢献のおかげで星もとがうまく行っているといっても過言ではなく、もう感謝しかありません。

2018年と2019年の星もとで色々お話させてもらった、当時学生だったKさんという方がいます。同じ大学の後輩学生に、今回彼女が会場に来ていないか聞いてみたら、会場には来ていないがどうやら星関連の仕事についたとのこと。その場でわざわざKさん本人電話までかけてくれて、直接話すことができました。天文関連の部活やサークルから星関連の仕事に付くのは、そもそも空きがものすごく少なく、とても大変だと思います。彼女は高校の頃から天文部を立ち上げたり、星もとで光害や神話の研究発表をしたりなど、当時から非常に熱心でしたが、それでも大変だったのかと思います。心から「おめでとうございます」と伝えました。これからも頑張ってほしいです。

さて講演も終わって外に出てみると、すでにブースの大部分は片付けを始めていて、お客さんの数もかなりすくなっていました。かんたろうさんと再びレストランに行くと、ちょうど呼び出しのころ。すぐに入ることができ、私はカツ丼のご飯とカツが別になっているようなカツ煮を注文。夕方に食べた昼食もこなれていることで、ちょうどお腹いっぱいになりました。結局かんたろうさんと1時間以上喋っていました。前の向かいにはユーシートレードさんご夫妻、右隣はヒロノさん一家4人がいて、最後に挨拶だけして再び会場に。もう21時近かったでしょうか、ほとんどのブースはテントだけ残っていて、お客さんの数もゼロに近いくらいになっていました。


雲越しの電視観望

でも空を見上げると、雲越しですが星が少し見えています。学生スタッフの一人と話すとぜひ電視観望を見たいとのことなので、かんたろうさんと一緒に準備を始めることにしました。

星が見えるといっても、かなり雲があるので50mmのレンズでの広域電視観望にしました。広域なので架台も通常のカメラ三脚に自由雲台でお気軽です。準備もわずか5分程度。実際に見てみると、雲越しですが北アメリカ星雲とサドル付近、時折網状星雲も見えます。ここまで残っていてなんとか成果ゼロだけは避けることができました。

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流石に晴れの時のようには見えませんが、残っていた何人かの方には実際に見てもらいました。この時間はまだプログラムの一つとしてハーブ演奏が行われていて、演奏終了後に出てきた方達にも見てもらうことができました。この日のプログラムでは22時終了予定だったのですが、21時半過ぎ頃でしょうか、もうお客さんもいないということで、放送で閉会の宣言がなされました。

本当は残って作業しているいる学生スタッフに見せてあげたかったです。彼らは0時過ぎまで後片付けをしていていて、その頃には雲が厚くなりすぎていて、何も見えなくなってしまいました。一部学生はお風呂に行くとかで、その途中で見てもらえたのはまだよかったかもしれません。お客さんが帰った後の遅くまで後片付け、本当にお疲れ様でした。私は見ていることしかできませんでしたが、イベントの裏で準備から後片付けまで、スタッフさんや学生ボランティアスタッフさんの努力と貢献があることを忘れないようにしたいと思います。こんな楽しいイベントを本当にありがとうございました。


撤収とまとめ

風も強くなってきて雲も厚くなってきました。0時頃に撤収で、結局現地を出たのは0時半頃。私は富山方面に、かんたろうさんは長野方面に向かうということです。帰りの高速は横風がすごくてすぐにハンドルを取られ、怖いのでゆっくり帰ってきました。最後の小矢部付近で眠気に勝てず30分ほどだけ仮眠を取り、結局自宅に着いたのは5時半頃でしょうか。朝の9時から夜中の0時半までの現地滞在でしたが、とても楽しかったです。

会場でお会いしたたくさんの方、天リフ編集長、いのさん、薜くん、Kaienさん、Tankoさん、ふじたけさん、M1623さん、今回あまりじっくりみることができなかった望遠鏡エリアの方々、企業ブースの方々、全員は書ききれませんが、みなさんとお会いできてとても楽しかったです。またいつかの星まつりなどでお会いできればと思います。

初日からの続きです。




起床後の太陽

星の村天文台星まつりの2日目、土曜日の朝。昨晩寝たのが午前2時近くでしたが、7時半頃には目が覚めました。雲もありましたが、晴れ間もかなりあり、駐車場で太陽望遠鏡をセットし始めます。赤道儀はCGEM II、そこにいつものPSTにC8をつけます。いや、今回の場合はPSTにC8をつけたと言った方がいいでしょうか。PSTを持っている方も多く、その改造に注目してくれます。

機材のセットアップを終え、PCを出したり初期アラインメントの晴れ待ちの間に、さすがは星まつり会場、かなりの興味を引いたようで、次々と話しかけられます。

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例えば初期アラインメントで対物側のシュミット補正版の明るいスポットを見ながら、スポットが真ん中に行く様子を見せ、画角的にもカメラに太陽がきちんと入ることをわかってもらったりしました。

プロミネンスも大きく迫力があるものが出てましたし、黒点も2箇所、はっきりと見えるものが出ていました。今回は太陽撮影ではなく、ある意味太陽を電視観望で見てもらうことを目的としました。なので撮影した画像はないのですが、リアルタイムで見るだけでも解像度が半端ないことは皆さん皆さんよく理解してもらえたようです。

そもそも、こんな魔改造機に注目する人は、ほとんどPSTを自分で持っている人なのです。中には2つ持っているという人もいました。しかもかなりの人が、最近よく見えなくなってきてあまり使ってなと言うのです。初期のものは対物レンズについているコーティングがERFを兼ねていて、そこが経年劣化でダメになることが多かったりします。オリジナルのPSTは口径4cmで、これが5倍の20cmになったC8になるとさすがに分解能は相当違い、画像処理をする以前のPCのリアルタイム画像でさえも、プロミネンスや黒点もかなりはっきり見えてしまいます。PSTはF10前提で、C8ならピッタリとか、皆さん基本すぐに理解してくれ、カンどころを話しても通じるとことがありがたいです。

実際にPCの画面を見てもらうときは、明るさが一番の敵なので、上のようにPCを箱に入れ、さらに自分自身の明るさが画面に反射するのを防ぐために、下のように雨用のカバーをかぶって見てもらいます。

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「今回の会場内で一番見応えがあった」という方もいて、星まつりで大口径の可能性を見せるという価値はあったのかと思います。

使われなくなったPSTは恐らくかなりの数が全国にあって、再利用という意味では大口径化はかなり魅力的に映ると思うのですが、安全には相当気をつける必要があります。会場でもそもそも「熱くならないか?」と聞いてくれる方もたくさんいて、これまでこの「ほしぞloveログ」で書いてきたように「UV/IRフィルターを入れて熱を吸収しないようにしている」と説明しました。そもそも、
  • PSTの分解が大変なこと、
  • PSTを改造したら少なくとも私はそれ以来一度もアイピースでのぞいたことがないこと
など、相当の注意と覚悟を持つ必要があることを強調して説明しています。この方法は実験としては面白いかもしれませんが、決して推奨する方法とは言えず、まっとうにはDayStarなどを使って大口径に挑戦するのが本道です。

そもそも太陽観測は危険を伴い、観望会などで使うのはどうしても躊躇してしまいます。口径に関わらず、CMOSカメラを使って太陽観測をするのは、万が一のことを考えると機器の破損だけですみます。そもそも目で見ないので、失明などを避けることができるはずで、まだ安全なのかもしれません。そう言った観点からも太陽電視観望を導入する利点があることなども話しました。


やっと会場へ

太陽電視観望でひっきりなしで人が来ていて、駐車場から会場に初めて行けたのがもう抽選券を配り始める11時ちょっと前。会場では星友のIさんがVRで天の川を見せてくれました。

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写真にも写っているように、専用の2つレンズで撮るとのことで、最近やっと天の川もうまく撮れるようになってきたとのことです。昼間にも関わらず、顔や目線を動かすとその方向に見えるVRでの天の川はかなりインパクトがあります。

外山さんのところは相変わらず面白いです。写真を撮り忘れてしまいましたが、ある回路を見せられて「これが何かわかりますか?」と聞かれました。全く想像もつかなかったのですが、なんとアナログのPEC(ピリオディックエラーを補正するもの)だそうです。8個石が載っていて、信号を8段階に分けて覚えているようで、速い信号を返すのは難しいが、低い周波数の信号で十分補正ができるとのこと。製品化はさすがに難しいと思いますが、こんな実験的な楽しいことをやってしまうのも外山さんならではです。

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同じブースでピリオディックモーションの実測もやっていました。大学時代の先輩でもあるHBさんともたくさん話すことができました。

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今回食事はほとんどふもとのコンビニです。クーラーボックスを持ってきてその中に氷を入れておくことで、ある程度の買い溜めができます。会場での食べ物はしいたけ屋さんくらいと、ワッフルなどのキッチンカーが1台出ていたくらいなので、あらかじめ用意してきた方がいいかもしれません。この日の昼も、一度下まで降りて、コンビニで夕食分まで買い込んでおきました。


抽選会

15時になると、抽選会が始まります。私はなんと2番目に当たって、ポスターをいただきました。

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早くに当たってしまったので、当たったポスターを片付けがてら車に戻り、ちょっと休憩。休憩中に星友の仙台の木人さんがちょうど会場に着いたようで、駐車場を歩いているところで話しました。その際、手作りの魔除けならぬ、「雲よけ」を3枚いただきました。何が書いてあるかはわかりませんが、これで雲が去ってくれれば万々歳です(笑)。

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木人さん、この日の夜の電視観望にも来てくれたのですが、遅くまでいられないそうです。なんでもこの日は残業していることになっているとか。「自宅には疲れた顔をして帰らなければ」とか言っていました。以前CANPでお会いした時も、何故か一眼レフカメラとレンズで惑星を撮影していることになっているとか、相変わらずユニークな方です。


講演

17時からは恒例の渡部先生の楽しいトークです。なんでも金曜日に海外から帰ってきたそうで、なんとかトークに間に合ったとのことでした。予測した流星群が出るかどうか確認しに行って、見事に出現して予測が当たったそうで、話もとても楽しかったです。

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渡部さんに引っ張られるように重力波の話も出てきました。皆さん結構笑っていたので、内容としては面白かったのかなと思います。

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電視観望も2日目

その後、徐々に暗くなってきたので、この日も電視観望の準備。もともと天気予報ではせいぜい20時頃まで天気がもつくらいでしたが、なんとこの日も23時頃までずっと快晴。星まつりで二日連続で晴れるなんて、相当貴重です。梅雨入り前というのはやはり日程的にいいのかもしれません。

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この日も最初は定番の三つ子銀河やM81とM82です。

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さらにM57とかの定番も見ましたが、この日面白かったのが、山から登る北アメリカ星雲でしょうか。こんなのは電視観望ならではですね。

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途中、SharpCapが難しいと言う意見があり、ASILiveを試してみました。サドルから三日月星雲です。簡単に操作できるのですが、何か微調整しようとするとあまり自由度がないのは相変わらずです。初心者はこちらの方が扱いやすいかもしれません。慣れて不満が出てきたらSharpCapというのが王道でしょうか。ただし注意として、このAISLiveはZWO社のASIシリーズのカメラでしか使えないので、もしこのソフトを使うことを念頭に置いているならZWO社のカメラを選ぶ必要があります。

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考えさせられたこと

一緒に付き合ってくれていたさすらいさん、やまのんさんなど、いろいろな方と話したのですが、その中で木人さんから言われたことはかなり考えされられました。「電視観望はそんなに簡単だ簡単だと言っていいのか?」という疑問です。やはり天体観測につながるようなことなので、当然ですが難しいところもあります。

私は基本をものすごく大切にしてて、例えば電視観望でも架台や鏡筒の水平を取ることとか、無闇にケーブルを増やしてトラブルになるよりはできるだけシンプルにして安定な稼働を目指すべきで、必要なら最低限のケーブルを追加していくとかです。「簡単だ」と言う呼びかけが「基本を疎かにしてもできる」というように解釈されてしまうと、それはやはりおかしくて、むしろ基本をきちんとした方が実際の稼働はトラブルが少なく簡単になることが多かったりします。

実際に、この日の電視観望を見に来てくれている方の中にも「以前挑戦して難しかったから諦めてしまった。これを見てもう一度やってみようかなあと思った。」というような方が少なくとも二人いて、こういった方たちを救いきれてこなかった現実に、私は愕然としてしまいました。今回天文ガイドに書いている記事も、ある人にとっては物足りないでしょうが、ある人にとってはやはり難しすぎたりするのです。いろんなレベルの人、いろんな考えの人がいて、もちろん全部に一人で対応するのは全然無理なのはわかっているのですが、まだ初心者に対しての考え方が全然不十分だったようです。

この日の昼間に、前回の福島スターライトフェスティバルで会うことができた、VixenのIさんに再会できました。とても若い方で、今回も私の姿を見つけて声をかけてくれました。Vixenブースにいなかったのでなんでか聞いたら、わざわざプライベートで来ているとのことで、本当に星好きな方です。Vixenは日本では初心者のことを重要な顧客として考え商品展開をしている最大手です。電視観望のことも当然話しました。Iさん含め、若い社員が新しいことをいろいろ考えているみたいです。初心者を含めて、星の魅力を伝えていくという方針も素晴らしいと思います。Vixenさんが本気になってくれれば、相当のことができるのかと思います。初心者を大切にして裾野を広げることが、星を趣味にする若い方を増やすことにもつながるのかと思います。私は個人的にVixenさんの底力みたいなのをかなり期待しています。

途中、木人さんのところに、岡山で行われているCANP組のかんたろうさんから電話がかかってきました。天リフ編集長にもつながり、話すことができました。全然違う場所で星好きな人が集まっていて連絡を取り合うと言う、趣味はやっぱり距離も近くするんだなあと改めて思いました。


後片付け

さて、23時くらいになってくると少し雲がかかってきました。網状星雲を見たのですが、すでに薄い雲がかかっているような状態で、晴れていればもう少しきれいに出たのかと思いました。

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この網状星雲でこの日の電視観望もおしまい。また再会を約束し、片付け始めました。駐車場で荷物をしまい、まだ少し晴れ間があるのでドブ組のところによりました。最後M5を見せてもらいました。ヒロノさんもずっと解説していて疲れていたようで、その後曇ってこの日は皆さんおしまいになっていったのかと思います。

私は日曜に少し用事があったので、ここで会場を後にします。ふもとのコンビニで少し食事をとり、飲み物と帰りのおやつを買いこみ、0時半頃に帰路につきます。でもすぐに眠くなり、猪苗代湖手前くらいで午前4時くらいまで寝てしまいました。目覚めた後は眠気もなく、自宅まで順調に午前8時過ぎくらいにはたどり着き、そのまま片付けもしてしまい、シャワーを浴びて昼くらいまで寝てました。


戦利品

今回の戦利品は本当に少ないです。いつもは独立ページを作るのですが、今回はここで書くくだけです。太陽フィルムと、2インチのキャップ。あとは木人さんにいただいた雲避けシール、あぶくま洞のクリアファイル、抽選で当たった月のポスターです。


お疲れ様でした

今回の星まつりも、やはり人に会うのと、あとは電視観望、太陽機材を見てもらうのが主目的です。そう言う意味では十分に目的を果たせました。披露した機材をネタに、さらに新しい星友もできていきます。これだから星まつりは楽しいです。

今回お話しさせていただいた方々、今後ともよろしくお願いいたします。また、このような大きなイベントを実現してくださった、天文台台長はじめスタッフの方々、本当にありがとうございました。最終日を待たずに帰宅してしまい、申し訳なかったのですが、また来年も時間の許す限り参加したいと思います。

参加されたすべての皆さま、お疲れ様でした。


福島の星の村天文台で行われた星まつりに参加してきました。前回まではスターライトフェスティバルと呼ばれていたもので、昨年から開催時期を6月に移動し、名前を星まつりと変えましたが、昨年度はコロナ禍で中止となったので、実質的には変更後初めての開催となります。




出発

6月3−5日の金土日の開催で、平日でしたが金曜の午前中に出発することにしました。

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北陸道から新潟で磐越道に乗り替え、福島に入り猪苗代湖を越えしばらく走り、ETC専用の田村スマートインターチェンジが最寄りになります。途中、北陸道の最後の方の黒崎サービスエリアで恒例のスターバックス。

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このスターバックス、毎回何かしら話しかけられます。今回は「抹茶好きなんですか?」と「コーヒーはのあまり飲まないんですか?」でした。そういえば1年半前の時も話しかけられたことを思い出しました。「年1回くらいの福島まで行くんです。前の時も話しかけらたんですよ!」とか言ったら「何かあるんですか?」と聞かれたので「星まつりというのがあって福島まで行くんです。」とか会話がはずみます。来年もまた黒崎でトイレ休憩することになりそうです。


会場到着と開会式

現地到着は15時半頃だったでしょうか、会場に一番近い駐車場もまだそこそこ空いていました。

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会場に着いたら各ブース設営準備でした。

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すでに開いていた国際光器さんのところに行き、先週OD3.8の太陽フィルターを購入させていただいたことを報告。ついでにOD5.0のシートが特価だったのでその場で追加購入しました。今回主な買い物はこれだけです。星まつりでしたが、今回はうまく物欲をコントロールできました。

会場で星仲間との再会です。最初に福島に参加したのが2016年。途中2度ほど台風などで中止になりましたが、開催された時には必ず参加していました。多くの知り合いもでき、歩いているはしから挨拶とお話しとで、そのまま17時の開会式になだれ込みます。

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星の村天文台長の挨拶です。

開会式では6月に移した理由が語られました。とにかく10月の台風に悩まされたこと。梅雨前の6月第1週が晴天率がいいからということでした。この判断は大正解だったと思います。実際、事前の天気予報に反し、どんどん予報も良くなり、金曜夜も土曜夜も、それぞれ0時頃、23時頃までと快晴で、天の川が2本の構造がわかるくらいかなりはっきりと見えました。地元の人によると、年何回あるか位のレベルの透明度だそうです。あと、まだ虫が出る前だったこと、多少寒かったですが、これまでの10月末とかの寒さに比べると遥かにマシで、車中泊も寝袋一つで十分に快適でした。


個性的な天体機器

開会式終了後、駐車場へ戻り少し回ってみると、utoさんがすぐ近くにいらっしゃいました。以前天リフの行事の時にオンラインではご一緒したことがあるのですが、お目にかかるのは初めてでした。念願の極小手作り反射鏡筒の実物を見ることができました。

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作りが細かくて素晴らしいです。夕方のまだ明るいうちの月を見せて頂きましたが、実用レベルできちんと見えるところがすごいです。

ちょうどその場にいた方が、面白いものを取り出しました。極小繋がりで、なんと100円ショップの時計を利用した赤道儀です。

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時計なら「24時間で一回転」というまさにコロンブス的発想で、コンパクトさ、コスト、アイデアなど、もう天文マニアとして申し分ない逸品です。電池は動作させっぱなしで1年持つそうです。すごすぎます。

実際には以下のように使うとのことで、バランスを取ることで余分なウェイトなどを必要せずに実用で使えるとのことです。

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utoさんが自分のコンパクト反射に入れたがっていました。今はアイピース入れに使っているという、本体の小さなスペースに本当に入りそうなくらいの大きさです。

実はこの方、昨年の小海で車を止めてすぐに会った方で、金沢から来たOさんということがわかりました。ドブ使いで、小海でもみた黄色の手作りドブを出していました。やはりすごい方は何を作ってもすごいですね。

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星仲間のヒロノさんの66cmドブでも月を見せてもらいました。「星の村天文台の65cmより1cm大きい」とのことでした。

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電視観望関連

ヒロノさんといっしょに、19時からプラネタリウム内で始まるKYOEIさんの電視観望講座を聞きに行くことに。

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プラネタリウムのプロジェクターでスライドを表示させて話すのですが、この椅子がいけません。完全リクライニング型でかなり倒れ込むので、確実に眠くなります。私はがんばって起きてましたが、ヒロノさんはよく眠れたそうです(笑)。講演内容はいつもZoomで電視観望を講座をされているだけあって、とてもスムーズで、笑いありの、かなり完成されたレベルでした。質問もたくさん出てました。星まつりでこういった講演会があるのは、情報を知りたい方もたくさんいるはずなので、やはりいいですね。講演予定時間は30分でしたが、この時点で天気がかなり良くなってたので、外に行ってみる方が説得力があるということで、実際のスライドは20分程度、10分質問時間で19時30分には皆さん外に移動しました。

KYOEIブースではZWOの新しい赤道儀AM5が使われていて、かなり注目を浴びていました。まだ日本ではこの1台があるだけとのことです。

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私はここで自分の電視観望の準備を始めます。最初天文ガイドの電視観望特集企画で、天文ガイドブース前に展開しようと思っていたのですが、あいにくKYOEIブースの隣で、邪魔になってしまうと悪いと思い、しいたけ屋さんの販売がすでに終わっていたので、そこで展開することにしました。

あ、しいたけ屋さんといえば、毎回しいたけの串焼きが絶品で、この日もプラネタリウムでん講座が終わってから夕食がてら食べようとしたら、なんと講座の間に閉店。この日は残念でしたが、次の土曜日に焼き鳥とたこ焼きと合わせて、しいたけの串焼き今回も頂くことができました。

肝心の電視観望ですが、今回のセットアップはFMA135+ASI294MC+AZ-GTiの超コンパクトセットです。実は豪華なFS-60CB+ASI2400MC Proのセットも持ってきていたのですが、車から機材を手持ちで運ばなければならないことと、口径3cmという小ささが逆にインパクトになるだろうと思い、FMA135にしました。

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天気が良かったことと空が暗かったこともあり、かなり綺麗に見えたのですが、始める頃の時間帯はこの季節あまり見栄えのする天体が少なく、月の地球照とか見せてました。あとはせいぜい三つ子銀河とM81、82が少し見栄えがくするくらいです。

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程なくしてM57が登ってくると少しカラフルになります。FMA135だと拡大率の限界に近くて、カメラのピクセルが見え始めます。M57のような小さな天体は、視野角と解像度の関係を示すいい例になります。

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KYOEIさんの電視観望実演も含めて、多くのブースが21時頃には片付け始めます。私のところはこれからば本番です。21時頃になるとデネブも見え始め、北アメリカ星雲が見えます。

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その後、サドル付近を見てみます。真ん中に三日月星雲が小さく見えます。

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拡大してみますが、光学性能が優れているFMA135のおかげで、破綻や星像の過度な肥大がすることなく、三日月星雲単体でも十分みることができます。

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他にも定番のM27などです。

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最初の頃は一人でこじんまりとやっていたのですが、途中から何人も立ち寄ってくれました。さすが星まつり、実際に電視観望をやってみたい人、すでやっている方も多かったです。今回の星まつり参加の目的の一つが電視観望のデモなので、疑問とかトラブルとかの解消の仕方をできるだけ実演も含めて話したつもりです。実際のライブスタックが始まったら放っておけばいいので、話す時間は十分にありました。こういった取り回しのしかたも、もしかしたら参考になった人もいるのかもしれません。

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今回もう一つの収穫が、天文ガイドの編集の方に実際に見て頂いたことです。他の方もそうなのですが、わずか口径3cmの鏡筒(ガイド鏡では?と言っている方もいました)でここまで見えるのは驚きなのかと思います。原稿執筆時にも私から説明もいろいろしたのですが、本当に百聞は一見にしかず、やはり実物を見て、あーだこーだ議論して、見たい天体をドンドン変えていきと、もうとにかく楽しいのです。

その中で、編集の方が以前この星の村天文台で電視観望をみた覚えがあるという話をしてくれました。α7sもあったというので、恐らく2016年の最初にスターライトフェスティバルに参加した時で、私もBKP200とASI224MCで電視観望を披露した時です。場所も編集長の記憶と一致していました。あの頃から考えると、もう格段の隔世の感があり、5−6年の間に電視観望自身がものすごく進歩したことを改めて実感しました。

電視観望の技術の進歩といえば、2017年にやはりここ福島で、初めて画面に三日月星雲を映し出す
ことができました。その姿が上がってきたときには「おおーっ」という感じで、相当盛り上がったことを覚えています。まだまだフィルターを使うという概念があまりなく(QBPが発売されるもっとまえのことでした)、淡い天体を炙り出すのに苦労していた時の話です。ちなみにその時出した三日月星雲がこれです。

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上のものと比べると、今の方が口径さらに小さくなっているのに、はるかにきれいに出ていることがわかると思います。


片付け

0時近くでしょうか、だんだん雲が出てきてこの日の電視観望は終了。星友かつ、大学時代の先輩のHBさんに片付けを手伝ってもらいました。HBさんには焼きしいたけやコーヒーをご馳走になったりで、いろいろお話しさせていただいたりで、今回も大変お世話になりました。いつもどうもありがとうございます。

車に荷物を入れ、少しだけドブの方々に眼視で見させて頂きました。M13の粒状感は半端なかったです。他にもM51子持ち銀河や、M81と82のペアなど見せてもらいました。程なくして雲が全面を覆ってしまって終了となりましたが、最近眼視がかなり魅力です。

車に戻り、よく考えたら夕食を食べていないことに気づき、5分ほど山を降りたコンビニに買い出しに。やっと暖かいドリアを食べ、再び会場の駐車場に戻り、そのまま車で寝ました。そこまで寒くなく、寝袋一枚を広げてかけるだけで十分眠ることができ、かなり快適でした。梅雨前のこの季節、かなりいいです。

さて、土曜日のことはまた続きの記事で。

 

今年2022年も昨年に引き続き、CP+のサイトロンブースでトークをさせてもらえることになりました。


今年も話すことになりました!

事の発端は小海の「星と自然のフェスタ」でのシュミットさんでのお手伝いの時です。「また今年もCP+に出展するので電視観望でお話しできませんか?」というオファーでした。二つ返事でOKといきたかったのですが、ちょうどその頃の予定を見ると仕事の方がかなり立て込んでいます。「まだ日程も決まっていないし、どれだけ枠が取れるかもわからない」ということで、決定は後日ということになりました。

その後、プロデューサー役の天リフ編集長とのスケジュール調整で2月25日土曜の昼からのパシフィコ横浜会場でのステージ枠が唯一の時間が取れる場所ということで、決定となりました。

ところが皆さんご存知の通り、今年もリアル開催は中止になってしまい、オンライン配信のみとなってしまいました。もしかしてライブ配信も可能かと少し考えたのですが、実は土日が仕事で東京に滞在する予定になっています。夜まで仕事があるので、諦めて土曜日朝からサイトロン本社に立ち寄って収録という運びになりました。天リフ編集長もきてくれているらしいので、楽しい撮影になりそうです。


今年の内容

今年は「もっと入門寄りに」というリクエストを受けています。そこでタイトルは

「電視観望入門」
NEWTONYとCeres-Cで星雲の色を観てみよう

としました。この一年の間に最安に近いCMOSカメラCeres-Cも販売され、それを活かす短焦点鏡筒というという形でNEWTONYが使えます。できるだけ敷居を下げて、これまで星雲などを見たことない方や、天文初心者に電視観望を体験してもらえればと思っています。

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あとは、特にCP+ということで天文以外のカメラクラスターの方にも聞いてほしくて、一眼レフカメラ用のレンズを利用した電視観望も少し話そうと思っています。

一応スライドなどの準備は全てできましたが、とにかく今年は晴れの日が極端に少なくて、しかも月がかなり明るい日で撮影に苦労しました。もしかしたら今週木曜夜にもうワンチャンスあるかもしれません。うまくいったら少し枠組みを変えて、土曜日の収録に臨みたいと思います。


いよいよ日曜夜の配信です!

というわけで、

2月27日(日)の夜21時20分から
サイトロンジャパン CP+2022オンラインセミナー 
 
をご覧ください

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CP+の中でも日曜一番遅くの時間帯でオオトリのような感じになってしまっていす。皆さんよろしくお願いいたします。
 

この記事は前回の「星と自然のフェスタin小海2021(その2): 電視観望実演」からの続きの記事となります。




朝、車の中で目覚めて

目が覚めたらなんと8時。7時に目覚ましをかけておいたはずなのですが、全然が目覚めなかったみたいです。ホテルの朝食ビュッフェが7時から9時までと聞いていたので、すぐにレストランへ向かいました。宿泊客以外は1300円で食べることができるとのことで、フロントでお金を払いレストラン内に。昨晩がコンビニ弁当だったので、朝から豪勢にいきます。コロナ禍でビュッフェ形式もなかなか難しかったのですが、食べ物を撮りに行く時は手袋をしていくなどで対策していました。

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このあとさらにおかわりをして、デザートもヨーグルトを中心にお腹いっぱい頂きました。リエックスホテルはシャトレーゼ系列なので、ヨーグルトやアイスが充実しています。アイスで思い出しました。結局温泉は時間不足で入ることができませんでした。無料アイスも楽しみだったのですが。


ブース巡り

朝食後、暖かくなってきたので少し着替えをして、その後朝の会場を一回りします。

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朝10時頃の様子です。まだお客さんもそこまで多くはありません。

いくつかのブースで色々お話しさせていただきました。
  • Vixenさんでは昨晩の電視観望の話になりました。実はVixenブースとシュミットブースは隣り合わせで、昨晩ずいぶんご迷惑をおかけしたのではと、少し心配していました。その心配とは裏腹に、Vixenさんも電視観望に相当の興味を持っているとのお話を伺うことができました。特に、電視観望に適した短焦点鏡筒という意味で、最近始めたクラウドファンディングのSD60SSの話になりました。この新しいSD60SSは、以前の星まつりでお会いした、この「ほしぞloveログ」を読んでくれている若手の方が進めているということを聞くことができました。若い人がいろんなアイデアを出してくれるのは頼もしいことです。今回の経験を糧に、将来大きな開発をしてくれるのではと期待してしまいます。「Samも応援していますとぜひともお伝えください。」とお願いしておきました。
  • KYOEIブースではいつものMさんと話せました。Mさんは初日に電視観望の講演があり、その流れもあってKYOEIブースの電視観望のデモもかなりの人が来ていたそうです。KYOEIではずっとZoomでの電視観望の講義を続けていて、最近はわかりにくいところを動画であらかじめ撮影して当日解説をしながら進めているとのことです。これがかなりわかりやすいと好評だそうで、今回の講演会でもその手法を使ったとか。Zoomでの講義は随時申し込みが行われているので、興味がある方は調べてみるといいと思います。今回の小海の現地では、FRA400とASIAR PROを用いた電視観望セットを見せていただきました。赤と白のコントラストが見た目もかっこいい機材でした。このテーマは「頑張れ日本」とのことです。最初赤と白でなるほどと思ったのですが、意味は全然違っていて、「このセットアップには日本製品が一つも使われていない」というのです。これはある意味ショックで、ある意味確かにと納得させられました。先のVixenの話ではないですが、今は日本のメーカにとってはかなり厳しい状況かと思います。おそらく、今までと一緒のことをやっていてはなかなか状況は好転しないでしょう。クラウドファンディングを利用するのはリスクを減らす一つの秀逸なアイデアかと思います。いろいろ考えさせらたブース回りでした。唯一の救いは、CMOSカメラのセンサーだけは日本のSONYが席巻していることでしょうか。
  • 恒星社ブースで、「極・宇宙を解く」という本を手に入れました。星まつり価格なのか、かなり安く買うことができました。天文宇宙検定1級の参考書らしです。天文関連が広くうまくまとまっていて読みやすそうで、いい復習になりそうです。
  • 五藤光学ブースでは方位磁針を買いました。今時珍しいシンプルなやつです。一個10円でした。戦利品はまた次の記事でまとめます。
  • プラネタリウムソフトSUPER STAR Vの開発をなさっている方のブースに立ち寄りました。この星フェスに初回から参加していて、前回は赤道儀の導入ソフトの開発のかなりマニアックな話を講演会でされていた方です。前日隣のブースのOさんから紹介されていたのですが、夕方からの電視観望の実演の時前の方にいて、ずっと見てくれていて、たくさん質問してくれた方です。この星フェスのあり方を色々話されていました。やっぱりマニアだけを対象にしていると限界があり、一般の人、一般の星好きな人をどう取り込むかが重要だとのことで、私も大いに賛成です。

今回妻を誘ったのですが、コロナ禍でなかなか外に出れなかったこともあり、クラフトショップが50店もあるよとか話して、もう少しで来てくれるところでした。決めては車中泊で、そのことを言うとそれ以降全く興味を示してくれなくなりました...。私は晴れたら夜は星を見るので全然いいのですが、やはり普通の人はきちんとしたところで寝たいものです。でも今回はホテルを取ろうにも開催が発表されてすぐに満室になってしまっていたようです。後から聞くと、町が部屋を押さえていて、町の方に問い合わせた方によると、全て出展者向けで一般の人は予約できないとのことだったそうです。これでは星見をしたい旦那さんとホテルで寝たい奥様の両立は難しいと思うので、来年はもう少し改善していただきたいものです。

ついでに、星フェスから帰って妻と話した、どんなものがあればついていくかというのを揚げておきます。かなり妄想も入っています。カッコ()内は私の感想です。
  • 旦那さんが星を見ている間、夜とかゆったり映画観賞会とかがあるといい。
  • アウトドアグッズ販売とかあってもいい(山歩きが趣味なので、朝の散歩はかなり興味を持ってました。)
  • 何かの(星以外の)発表会もあってもいい。例えば舞台でダンス披露とか(最近趣味でフラダンスを始めたからだと思います。)
  • オーガニック(最近健康に気を使うようになってきたみたいです。)
  • ヘルシーコーナー(最近体重が...。)
  • 日常と違う癒し空間がほしい(なんのことやら...?)
  • 温泉、サウナ(これはありますね。)
  • 子供向けのワークショップ(これもありますね。家族が来やすくなるのではとのことです。)
  • 追記1: 最近流行ってるサウナフェア、テントのサウナで外に出たら星が見える。
  • 追記2: グランピング 
くだらない意見も多いですが、星以外の「自然」についても夜の行事や、講演会(今年はこちらも充実してきました)があるというのは、一般の人にとってはいいのかもしれません。とにかく強調してたのは「癒し」とか「ゆったり」とかでした。寒いなんてもってのほか、旦那を放っておいてリゾート気分を味わいたいようです。このイベントを成功させるのに、スタッフがどれだけ苦労しているか分かっているのでしょうか?なんとまあ贅沢なことを気軽に言います...。

ブースは他にもたくさんあり、紹介しきれていませんが、その場でしか聞けない話や、新しい情報など、直接話ができるリアル星まつりはやはりいいです。

そうそう、ブース回りをしている途中で声をかけてきた方がいて、星座ビノを私の星仲間の小学6年生の女の子「Mちゃんにあげて下さい」と言うのです。申し訳ないことに、最初この方が誰だかわかりませんでした。サングラスを別のメガネに掛け替えていたからかもしれないのですが、そもそも私は顔を覚えるのがすごく苦手でなのです。でも話していてすぐに、テレコンビノを売っていた上板2丁目さんとわかりました。ブログを読んでいてくれてのことかと思うのですが、Mちゃんのファンということで「仕入れ値は大したものではないので気兼ねすることなく受け取って欲しい」とのことでした。Mちゃん喜ぶと思います。今度会ったときに必ず渡しておきます。上板2丁目さん、どうもありがとうございました。私からもお礼を言わせていただきます。


そろそろ帰る準備

12時頃から抽選会が始まりました。受付時にもらえるバッヂに番号がついていて、それが抽選番号になります。抽選は前日にもあり、この日は前日外れた人と、前日の抽選以降に受付した人が対象になるそうです。残念ながら何も当たることがありませんでしたが、賞品は10万円以上のものもあったとかで、かなり豪華だったようです。

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抽選会の様子。

抽選会が始まってしばらくして、多分長野県は宇宙県関係の方達だと思うのですが、7−8人の方といろいろ話しました。多分Samのネームプレートを見て話しかけてきてくれたのかと思います。その中にテレコンビノを売っていた上板2丁目さんがいたのですが、今度は奥様といたせいか、またも顔を認識できず。本当に申し訳なかったです。メンバーの中にだいとしいさん夫婦がいたのですが、よくよく聞くと「だい」と「しい」で「だい」が旦那様、「しい」が奥様とのことで、二人合わせてのハンドルネームとのことです。実は以前Twitterで、星を求めてのときのあのマニア向けになってしまった配信ビデオを見てくれていて、「妻もよくわかったみたいだった」と言ってくれたのが、だいとしいさんの奥様の方だったと、このとき気づきました。


帰路につく

さて抽選会も終わり、そろそろ帰ろうと思いシュミットさんへ挨拶に行きました。その際、昨晩のお礼ということで会場で使える500円券を2枚もいただきました。単純な私はもうウハウハ状態で、何を食べようか真剣に考えはじめました。まずは昼ごはんに、もう最後でなのか特価になっていたローストビーフ丼を買います。

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これはかなり美味しかったです。写真で見てもわかるとおり、お肉だけでなくいろんな具が入っています。受け取るときに「わさびが入ってるから気をつけて」と注意を受けるのですが、そのワサビがアクセントになっていて、とても満足でした。

さらに、ホテルの販売ブースでお土産のバームクーヘンと、その場で食べるデザートとして「何とかアラモード(すみません、名前を忘れてしまいました)」を500円券で頂きました。

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このアラモードの方がかなり凝っていて、温かいりんごのシロップ煮の上に冷たいアイスがのっていて、アーモンドとマカロンでしょうか、いわゆる「熱つ冷や」でもうほっぺが落ちそうでした。二手間、三手間かけてあり、さすがホテルクオリティです。

あと、前回夜に電視観望のデモをしたときに、それを見てすごく感動したとのことで地元のジャム屋さんからジャムを頂いたのですが、お礼を言いたくてそのジャム屋さんを探していました。クラフトコーナーに一つだけジャム屋さんがあったので、前回の話をしたのですが、どうもそのジャム屋さんではないとのことです。このジャム屋の店員さんも前回の星フェスで、その時のジャム屋さんにお客さんとして行った覚えがあるので、ジャム屋さんが出ていたことは間違えないとのこと。今回は残念ながら前回のお店とは違うのは確実なようです。せっかくの機会なので一つ「ハックルベリー」というナスの仲間というジャムをお土産に買いました。ヨーグルトに入れるととてもおいしいそうです。

この後、駐車場に戻り、13時半くらいだったでしょうか、小海を後にしました。帰りは途中で少しだけ仮眠した以外は順調で、18時位には自宅に着きました。お土産を家族に披露して、疲れたのか早めにベッドに入りました。


たくさんの方にお会いして

今回の星フェスでは、数多くの方にリアルで会うことができました。久しぶりに会った方もいますし、2年前の開催以降にSNSなどで知り合いになって初めて会う方も多かったです。すでにここまでの記事で何人かの方には登場いただいていますが、メモがてらも兼ねて覚えている限り挙げていきたいと思います。

ただ、先にも書きましたが、顔を覚えるのが苦手で、顔とハンドルネームと名前がすぐにごちゃごちゃになります。もしかしたら忘れてしまっていたり、間違えて覚えているかもしれません。その際はどうかご容赦いただき、コメントやTwitterなどで教えていただけると助かります。

  • まず、けーたろさんに紹介していただいたと思うのですが、あの「天体写真の世界」で有名な吉田隆行さんにとうとうお会いすることができました。星を始めた頃、数少ない有益な情報がきちんとまとまっているページで、ずっと参考にさせて頂いていました。実は私、微動雲台のレポートを書いたことが縁で大阪迷人会の合宿に誘われていて、吉田さんも迷人会の合宿に参加されているので、コロナでなければ吉田さんとはもっと早く会えていたはずなのです。吉田さんは噂通り落ち着いた方で、あの合宿に耐えられるのが不思議なくらいです。吉田さんもほしぞloveログも読んでくれているというので、恐縮してしまいます。ずっと会いたかった方なので、とてもうれしかったです。
  • 成澤さんも、今回はじめて実際に会うことができました。本を頂いたお礼を言うことができました。配信で見るようなテンションで、とても明るい方でした。
  • 天リフ編集長にはいつもお世話になっています。今回福岡から車で来たとのことです。本当にお疲れ様でした。編集長はZoomなどでよく話すせいか、全然久し振りという気がしませんでした。
  • 同じく、遠く高知から参加のシベットさんにも2年ぶりの再会です。シベットさんもSNSのやり取りや、オンラインイベントのたびに顔を見ている気がするので、久し振りという気がしません。
  • Nickさんご夫妻も2年ぶりの再会です。夜中にナイトビジョン出していたらしいのですが、行けなかったことが悔やまれます。
  • マリーチさんも久しぶりの再会です。旦那様とお嬢さんに会えなかったのが心残りです。
  • 智さんは2019年の大晦日の名古屋の観望会以来です。今回、お礼でお土産を頂いてしまいました。私がきっかけで星に興味を持ったからとのことですが、私は多分ただのきっかけだけで、智さん自身が電視観望から撮影までどんどん進化されています。お土産家族でいただきましたが、とてもおいしかかったです。ありがとうございました。
  • アルさんとお嬢さんにも会えました。原村以来でしょうか、お嬢さん3年生と言ってましたでしょうか大きくなってました。
  • Aramisさんと、息子さんにも会えました。確か原村で会ったのが最初かと記憶しています。Aramisさんのところのお子さんももうかなり大きくなっていました。コロナ禍の2年間はやはり長かったです。
  • 上板2丁目さんにはやっと星座ビノのお礼を言うことができました。Mちゃんにプレゼントもいただきました。
  • Twitterでやりとりをしているinuさんも上板2丁目さんのところでNikonのテレコンビノを買ったらしいです。
  • M87JETさんも前回の星フェス以来です。胎内でお会いしたのが初めてですね。荷物運んでいただきありがとうございました。
  • ケニ屋さんご夫妻にもお会いすることができました。あれ、ケニ屋さんってもしかして初顔合わせでしょうか?以前どこかの星まつりであっている気もするのですが...。ブログ全読みで印象深いのですが、やり取りはブログとSNSだけ?
  • だぼさん、TOA130のファーストライトおめでとうございます。
  • ほしたろうさん、電視観望実演の時の写真撮ってくれてありがとうございます。
  • りょーじんさん、くろくまさん、RYOさん、さすらいさん、だいとしいさんご夫妻、たかしさん、M-neoさん、お会いできてうれしかったです。
  • Twitterで事前にやりとりをしていたmymyさんが、声をかけてくれなかったのがとても残念です。次回機会があったら、遠慮などすることなくぜひお声掛けください。
  • XRAさんあらため、私の滑舌の悪さでハンドルネームが変わってしまったXRAYさん。XRAYさんの方が呼びやすくてかっこいいと思います。どんどん沼にハマってきてますね!
  • spitchuさんや塚原さんら、星景勢の方達にもお会いできましたが、夜で暗くてなかなか顔が分かりませんでした。天文あるあるですね。
  • 名古屋勢もたくさんいました。いのさん、いつも星まつりでお会いするお二人、LedRilyさん。
  • 智志君とぼすけさん、SVBONYの店番お疲れ様でした。
  • ひぃひさんは来ていたと聞いていましたが、結局会えなかったと思います。残念です。
  • ヒロノさんも星まつりのたびにお会いしています。今回は噂の天文好きのお嬢様にもお会いすることができてうれしかったです。
  • 天体望遠鏡博物館のみなさんにも久しぶりにお会いできました。TANKOさんと奥様にもお会いできました。今回は夫婦でこられている方も多かったようなのですが、これはこの星フェスの方向性のおかげなのかと思います。Tさん、手作りのキーホルダーありがとうございました。
  • あと、中1で自作で何台も望遠鏡をつくっているすごい男の子に会いました。将来が楽しみです。もう一人すごい小学生の子もいると、Vixenブースで噂で聞いたのですが、その子には会うことができなくてちょっと残念でした。
  • 初出でけーたろさん忘れてました。吉田さんがTwitterに入ってきてくれましたね。さっそくフォローしました。
  • 富山勢はあまりいなくて、かんたろうさんくらいでしたでしょうか。いつも一緒にいるので当たり前すぎて初出で小海であったのを忘れてました。

覚えている限り書きましたが、忘れてしまっている方がいましたら申し訳ありません。大事な方をド忘れしてしまっている気もします。

電視観望の実演に来てくれた皆様も、寒い中本当にありがとうございました。今回は非常にやりがいのある実演で、解説している私自身も楽しむことができました。また同じような機会がありましたら、よろしくお願い致します。


目標は達成できたか

さて、最初に立てた目標が達成できたかどうかですが、、
  1. 久しぶりにあう人達との交流。 ->  ◎
  2. シュミットで電視観望の解説と実演。 ->  ◎
  3. 夜に電視観望のデモ。 ->  ×
  4. 星座ビノの制作者にお礼を言う。 ->  ◯
  5. Canon製のテレコンビノを利用した星座ビノを手に入れる。 ->  ◯
  6. ホテルの温泉に入って食べ放題のアイスを食べる。 ->  ×
  7. 朝のビュッフェを食べる。 ->  ◯
  8. 2019年の電視観望を見て感動したというジャムのお店に商品をいただいたお礼を言う。 ->  ×
といったところでしょうか。最初の2つが自分的には十分充実していたので、とりあえずはかなり満足です。惜しむらくは3ですが、これは体力的にしかたなかったです。星座ビノのお礼は3年越しのことなので実現できて良かったです。ジャム屋さんはいつか星フェスとは別に訪れてみたいです。あとはどうでもいいですね。


楽しかった〜!

 今回の「星と自然のフェスタ」、もうものすごく楽しかったです。帰ってからも、「楽しかったー」、「楽しかったー」と繰り返し言っていました。

今回「星と自然のフェスタ」のリアル開催を決行してくれた、テレスコ工房の店長さんはじめ、スタッフの方々、小海町の役場の皆様、リエックスホテルの皆様、こんな楽しいイベントにして頂いて本当にありがございました。これだけたくさんのお客さんが来ると、相当大変だったと思います。とても感謝しています。

来年もできるならまた開催していただけると、とても嬉しいです。その際はぜひまた参加させていただきたいと思います。


次回で最後、戦利品の記事です。 



この記事は、星と自然のフェスタの1日目の続きの記事となります。



今回の「星と自然のフェスタ」の目的の一つが、電視観望のデモをすることでした。最初は個人的に披露すること考えていたのですが、ちょっと前にシュミットさんの方から提案があり、店頭で解説と実演をしてもらえないかということでした。CP+で講演の機会を与えてくれたこともあるので、二つ返事でOKしました。

当初は電視観望の「解説」と、晴れれば「実演」、あとは「質問コーナー」など、結構きっちり考えていたのですが、実際はもうめちゃくちゃでした。解説でどんなことを話すかとかも考えていたのですが、全部吹っ飛んでしまったのです。


実際の準備

「星と自然のフェスタ」の初日、午後3時頃からでしょうか、駐車場とシュミットブースをちょくちょく行き来し、機材などを持ち込み、一緒に実演をするスタッフのWさんと夜の電視観望実演の準備を始めました。大雑把な担当として、WさんがSCA260、私SamがFMA135です。カメラは最近注目のCeres-CとNeptune-C II。しかも面積の狭い1/3インチのCeresをSCA260に使い、1/1.8インチの広い方のNeptuneをFMA135に使います。より狭い範囲を見ること、より広い範囲を見ることに特化します。

この設定は共に両極端ですよね。片や口径260mmの大望遠鏡、片や口径わずか30mmの赤ちゃんのような望遠鏡です。元々は大口径長焦点は惑星とか月を見て、小口径単焦点は星雲を見ようとか言っていたのですが、実際には同じ星雲や銀河を極端なセットアップで見たときの比較が、思ったより楽しかったのです。両極端は元々Wさんのアイデアなのですが、こう言った比較ができるのもリアル星まつりの魅力の一つかと思います。


テスト?本番?

私はFMA135を担当なので、まずは自分の使い慣れたFMA135とノートPCを用意します。カメラと架台のAZ-GTiはシュミットさんのものをお借りしました。接続しようとしていた大型モニターにHDMI端子が無かったなど、色々トラブルはありましたが、結局2台のノートPCをテーブルの上の大きな箱の上に乗せることで高さを確保し、見やすくしようということになりました。

カメラもAZ-GTiも自分のではないので、かなり明るいうちからテストを始めます。16時過ぎくらいだったと思います。月は見えていますが、まだ木星も見えていないくらいの明るさでした。

地面が土なので水平の安定性があまりよくありません。月の導入でさえうまくいかないので、三脚を少し地面に押し込むようにして固定し、水平をきちんと出します。何度か導入を試すと、やっと月も一発で入り、その頃には木星も目ではまだ見えませんが、カメラでは確認できるようになってきました。この頃から少しづつお客さんが集まってきました。

木星が目で辛うじて見えるようになってくると、続いて土星も入れてみますが、なんとか視野に入ってきます。もう一度、一から月、木星、土星とアラインメントを取り直し、だいたい準備完了です。空を見上げると、1等星が少しづつ見え始めていました。西の空はまだ明るく、オレンジから青のコントラストがとても綺麗でした。

少し遠くの天体を試したくて、見えたらラッキーくらいでM31アンドロメダ銀河を導入します。まだ空は一部明るくて、月も煌々と出ているのに、淡いながらも、なんとアンドロメダ銀河が見えてしまったのです!しかも口径わずか30mm。目では数えるほどしか見えない星も、カメラ上では散りばめるように写っています!誰かが「うぉ!こんなに明るいのにアンドロメダが見える」とか叫んだからでしょうか、一気に空気が変わり、ここからどっと人が集まってきます。

この時点では光害防止としてCBP(Comet BandPass)フィルターを付けていたのですが、銀河の場合は白色光に近いのでかなりの情報を欠落してしまいます。そのため銀河を見るときはCBPを外すようにしました。するとまだ明るい中でもさらにM31の形がハッキリします。これ以降、星雲を見るときはCBPと取り付け、銀河を見るときはCBPを外すということをしました。

この日の小海の空は透明度が良かったのかもしれません。時間とともに徐々に暗くなってくると、アンドロメダもどんどんはっきりしてきて、腕の構造までかなりはっきり見えてきます。電視観望で口径わずか30mmでここまで見えるというのは、初めて見た人には相当なインパクトなのかと思います。機材の実物も目の前にあるわけで、そのコンパクトさにさぞ驚かれたことでしょう。

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PCの画面が飽和してますが、FMA135でアンドロメダを映している時です。
写真はあまり撮れなくてこれくらいしか残っていませんでした。 

「19時まではテストです。19時から本番です。」と何度言ったことか。ごめんなさい、全く守れませんでした。そのまま本番の時間になだれ込んでしまって、テストと本番の境なんて全くなかったです。考えておいた「解説」は全て吹っ飛びました。実際のものを見せる「実演」の方が遥かに説得力が大きかったのです。「質問コーナー」も計画していましたが、準備している最初の時からほぼ質問攻めで、ずーっと質問コーナーが続いているような状態でした。

結果として、設置から初期アラインメント、導入、SharpCapでどう炙り出すかを一連で繰り返し示していたことになります。細かい操作も、一連の実演の中でごくごく自然に見せることができたのかと思います。


数多くの質問

実演している間じゅう、質問がひっきりなしに飛んできました。
  • 「なにで見てるの?」という質問には、機材を指差し「高性能カメラと小さいけれども高性能な望遠鏡で見ています。」、皆さんコンパクトさにビックリします。
  • 「どこを見てるの?」では、「この望遠鏡が差している方向で、カシオペアとペガスス座の間くらいです。」
  • 「初期アラインメントで天体が全然入らない」 -> 「北の方向はある程度適当でもいいが、水平をとるのが大事。AZ-GTiの水準器はあまり精度がないので、付属三脚の水準器を見るのがいい。あと鏡筒の水平を水準器を使って撮るのも忘れないように。こうすると、少なくとも最初に入れた天体の『高度』はかなりあっているはずなので、あとは左右に振ってやれば画面に入ってくるはず。」
  • 「自動導入がうまくいかない」-> 「まずは目的の天体の近くの明るい恒星を入れて『ポイント&トラック』すると、精度が上がる。」
  • SharpCapの使い方では「自分でやったけどあまり綺麗に見えない」というので、「まずはライブスタックよりもヒストグラムでのあぶり出しが重要です。」と見えない最初の設定と、あぶり出して見やすくなった設定を実際に見せて、比較しました。
  • 「ライブスタックでうまくスタックされていかない」という方もいて、「検出した星を四角でマークして見えるので、まずはその機能をオンにしてうまく星が検出できているか確認するといいですよ」とアドバイス。
などなど、星が少し好きな一般の人から、電視観望に興味を持っている初心者、果ては明らかにベテランと思われるような方まで、ほぼずーっと質問攻めでした。できる限りわかりやすく答えたつもりでしが、どうでしたでしょうか?


実演で見たもの

実演の際、その場で見たものを列挙しておきます。
  • 月、木星、土星、M31、M27、M57、M45、M33、M15(球状星団)、網状星雲、北アメリカ星雲、ステファンの5つ子、エッジオン銀河
などです。

操作と話すのに必死で写真がほとんど残ってないのですが、長時間LiveStackしていたためにSharpCapのフォルダに自動保存されていたものを簡易的に画像処理をして載せておきます。

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M31 アンドロメダ銀河

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M33 さんかく座銀河

M31は露光時間4秒でゲイン350。M33は少し淡いので8秒露光でゲイン350。このときは共にCBPは外しています。LiveStackでのトータル露光時間は両方とも10分になります。もっと短くてもそれほど出来上がりに差はないのですが、自動保存の設定が10分だったというだけです。これで少し画像処理をすると、上のようになります。電視観望の途中で記録的に残したファイルから処理したものとしては、そこそこ見えるのではないでしょうか?

その一方、電視観望特有の問題もあって、例えばよく見るとホットピクセルと呼ばれる明るい点がミミズのように這いずり回ってしまっています。これはリアルタイムダーク補正をしてやるか、もしくはSCA260で使っていたCeres-Cなどに搭載されているDPSテクノロジーと呼ばれるホットピクセルやコールドピクセルをハードレベルで取り除くような技術があると目立たなくなります。


カメラごとの比較

FMA135:
こんな小さいのに、アンドロメダ銀河の腕まで見えるのは流石にインパクトがあったようです。また、M33の形がわかるのも、みなさん驚いていました。比較的大きなアンドロメダの全景や、北アメリカ星雲の全景を見えるためには、これくらいの短い焦点距離と広いセンサー面積が必要です。

今回見た中で、FMA135で見やすいもの、見にくいものを揚げておきます。
  • FMA135が適しているもの: 月の全景、M31、M27、M45、M33、北アメリカ星雲
  • FMA135でなんとか楽しめるもの: M57、M15(球状星団)、網状星雲の全景(もう少し広く見たい)
  • FMA135だと厳しいもの: 月の詳細、木星、土星、ステファンの5つ子、エッジオン銀河

SCA260:
大口径と長焦点(カメラのセンサー面積が小さいことも含め)を生かして、小さいものを分解能よくみることができます。M57やM27もかなり細かいところまで炙り出せます。また、M33などは中心部に近いところのみ見えますが、中心付近の腕の細かい構造や、赤ポチと呼ばれるHα領域も電視観望で見えてしまいます。
  • SCA260が適しているもの: 月の詳細、木星、土星、M57、M27、M15(球状星団)、ステファンの5つ子、エッジオン銀河
  • SCA260でなんとか楽しめるもの: M33
  • SCA260だと厳しいもの: 月の全景、M31、M45、網状星雲、北アメリカ星雲

二つを比較すると、まず口径差が約10倍、値段差も約10倍と、圧倒的な違いがあるにもかかわらず、インパクトではFMA135が全然負けていなくて、意外なほど見える対象が多いことがわかります。口径の小ささが逆にインパクトを増しているような状態です。その一方、SCA260の細かい分解能を見ていると、FMA135では絶対に辿り着けない大きな壁があることもわかります。結局は見たい天体に対して適材適所というわけですが、見える天体がかなりオーバーラップしているということも特筆すべきかと思います。この二つの極端な比較は、リアル星まつりならではと思います。

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数少ない写真の一つで、比較で撮っていたものです。
M15を見てるときです。上がSCA260で、下がFMA135。
ともに球状星団として見えていますが、
この画面で見てもSCA260の分解能がすごいことがわかります。 

実際の操作を見ながらの解説で、お客さんもかなり楽しんでくれていたようです。あるお客さんが帰り際に「今日は本当にここに来てよかったー。」としみじみとつぶやいて去っていったのが聞こえてきました。ここまで喜んでくれたのなら、実演を引き受けた甲斐が本当にあったというものです。


知らなかったお客さんの多さ

説明をしていて、そこそこお客さんが来ているのはわかっていました。でも後ろの方の様子はあまりわからないので、実際どれくらいの人が来てくれていたのか実はよくわかっていませんでした。後で知り合いのTwitter投稿写真を見てちょっとびっくりしました。





なんかすごいことになっていたみたいです。後ろの人がきちんと画面など見えていたかちょっと心配になってしまいました。

終了予定時間の20時をすぎて、やっと少し周りを見渡す余裕が出ました。この頃、WさんがSCA260でエッジオン銀河を見せていたのですが、私の方は実は寒くて寒くて凍えてました。指先も冷えていて、だんだんPCの操作もやりにくくなってきていました。さすがに疲れてきたのかと思います。時間的にもちょうどいいころなので、ここで終了となりました。


疲れ果ててしまって...

その後、片付けをWさんと、その場にいたM87JETさんに手伝っていただき、車に機材を戻しました。そこで少し服を重ねて、靴下も厚いものにしたのですが、それでも寒くてホテルに移動してずっと行けなかったトイレに行き、ロビーで暖をとっていました。食事を取ろうと思ったのですが、すでに全てのキッチンカーは閉まっていて、ホテルのカレーもちょうど片付けているとこでした。

後から考えると、ここら辺の判断が色々間違ってたんですよね。まず終わったら機材を片付けずに、そのまましばらく待っていて個人で電視観望を始めたりすれば良かったのです。ですが実際には前日の睡眠不足もあったのでしょう、一仕事やり切った感じで、そんなことを考える余裕もないくらい疲れてしまっていました。

ホテルで暖をとっていると、かんたろうさんから呼び出しの電話が。天リフ編集長とか、皆さんキャンプ場のところで集まっているとのことです。暖かくなってやっと少し落ち着いていたので、重い腰を上げホテルから移動。

キャンプ場では、先日出版された「星空撮影塾」を送っていただいた成澤さんや、星景写真で有名な塚原さんなど、主に星景関係の方々が集まっていました。嬉しいことにspitzchuさんが電視観望用にNeptune-C IIを買ってくれたとのことでした。でもお腹も空いていて皆さんとあまり話す余裕もなく、朝に買ってポケットに入れていたおにぎりを食べても全然足りずに、申し訳なかったのですが私は早々と退散。

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車に戻ってから、夕ご飯の調達にコンビニまで買い出しに行くことにしました。コンビニで少し多めに食事と飲み物を買って、そのままコンビニの駐車場の車の中で食べます。よほどお腹が空いていたのか、ぺろっと平らげてしまいました。この時点で22時頃だったでしょうか、そのまま会場へ戻るのですが、お腹も膨れたせいか耐えられないほど眠くなってしまい、途中の道の脇のスペースに車を止め寝てしまいました。

目が覚めたらなんともう0時半頃。あせって会場へ戻って、歩いて一回りしてみるのですが、少し雲も出ていたせいかほとんど人もまばらです。キャンプ場のあたりに何人か話している人がいるので声をかけたら、たまたま成澤さんでした。この頃には私もやっと元気になっていて、初めて成澤さんと少しまともに話すことができました。同じ場所にいた成澤さんの友人で最近撮影とか始めたIさんも交えて、一緒にしばらくのんびり話しました。

その頃にはそこそこ曇っていたのですが、成澤さんは曇りを利用して朝焼けを撮影しに行くというのです。もうほとんどの人が撮影は諦めているような状態なのに、さすがプロのカメラマンです。プロ根性と言っていいのかわかりませんが、もう考え方から全然違います。一番いい時間帯に寝落ちしてしまって完全にあきらめモードの私とは雲泥の差です。

午前2時頃だったでしょうか、成澤さんが出発し、残ったIさんと話していました。聞いたら元々成澤さんのファンだということで、色々コンタクトを取っているうちに一緒に行動などするようになったとのことです。まだ若い方で結婚したばかりとのこと、奥様を連れてきているらしいのですが、既に車の中でお休みだそうです。ついてきてくれるのがそもそも素晴らしいです。今回うちの奥さんもかなり誘ったのですが、車中泊ということを言った途端全く相手にされなくなりました。Iさんは本格的な撮影機材を揃え出したのもまだ最近で、家族が増える前の買えるうちに機材を揃えておいた方がいいとかいう話で盛り上がりました。

朝は目標のホテルのビュッフェに行くと決めていたので、2時半頃でしょうか、私も退散して寝ることに。寝る前のトイレに行く途中で、ちょうどオリオン方面だけ晴れていて空を見ていたら、いのさんと、朝にお会いした金沢のドブソニアンを出している方と会って少しだけ会話しました。その後戻って駐車場を一回りしたのですが、もうほとんど誰も外に出ていなかったです。

後から聞いたら、最初の頃は空も快晴で、駐車場ではヒロノさんはじめ、ドブソニアンで見ている人も結構いたらしく、またメイン会場ではXRAYさんや智志君らが電視観望していたらしいです。ちょっと羨ましかったですが、今回はシュミットさんに実演でとてもいい経験をさせてもらったので、十分満足でした。

車で戻ってすぐにまたぐっすり寝てしまったのですが、明け方はかなり寒くなり、さらに服を着込んだりしました。7時に起きる予定が、目が覚めたら既に8時。2日目の様子は次の記事で書くことにします。



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