ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: 調整・改造

前回(その1)でAZ-GTiの赤道儀化のためのハードウェア部分は大分準備ができたので、実際に鏡筒とカメラを載せてみました。

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使った機材です。
  • 鏡筒がいつものFS-60CB。
  • ガイドカメラにASI290MMを使い、そこにノーブランドの50mmのCマウントレンズをつけています。
  • 撮影用のカメラはASI294MCを使ってみました。これは後でSharpCapのベータ版を使いDitherも試してみたかったからです。 
  • この状態で、ケーブルはわずか2本でオートガイドまでできる算段になります。

まず、組んでみていくつか気づいたことです。
  • やはりAZ-GTi下のアルカスイスプレートのところが一番揺れます。ただし、あえて揺らさなければ問題なくらいにはなりそう。実際の撮影では風がなければ問題ないと思われます。もっと頑丈な傾斜のついた金属の塊とかの方がいいかもしれませんが、加工が大変なのと、トータルで重くなるのでとりあえずこのままにしておきます。
  • 赤経、赤緯とも、クランプを緩めても摩擦が大きく、なめらかには動かないので、バランス点を取るのがちょっと難しいです。多少おおざっぱなバランス調整になりますが、モーターのトルクはそこそこありそうなので、実用上はまあ問題ないでしょう。
  • 三脚の足を目いっぱい開いたほうが安定しますが、時間がたって天頂越えする時に、天頂付近を見ていると撮影カメラ部分が三脚の足に当たってしまう可能性がでてきます。AZ-GTiの赤道儀モードに反転機能はついているのか?
  • 逆に、三脚をあまり開かずにつかうとカメラは当たらなくなりますが、不安定になり転倒する可能性が出てきます。こちらの方が怖いので、三脚は開いて使うことにしました。
  • これはSWATをいじっているときに学んだことですが、上の可動部の重心位置を三脚中心上に持ってくると安定します。

さてここからソフトウェアですが、思ったより難航しました。

Windows PCを使ってAZ-GTiをガイドするためには、まずはSky-WatcherのSOFTWARE & FIRMWAREの中のSynScan Appのページからから

Windows program: SynScan Pro App, Version 1.11.0

をダウンロードして、展開、インストールします。他の方の情報によると、フォルダの場所に気をつけないと観測場所の設定ファイルが書き込めないとの情報などもありますが、私の場合は特に問題ありませんでした。きちんと日本語化もされているので、アプリのバージョンが上がってバグフィックスされているようです。 iPhoneやiPadからの操作と違うのは、PCにはGPS機能がないので、一番最初に立ち上げる時に自分で緯度経度で位置を入力しなければならないことです。一度入力すれば、次回からは再度入力する必要はないようです。

次にに必要なソフトは実際のガイドのためのソフトで、今回選んだのはガイドソフトの定番のPHD2とAZ-GTi用のASCOMドライバーです。ASCOMドライバーはSky-WatcherのSOFTWARE & FIRMWAREの中のASCOM Driverのページから

ASCOM Driver for SynScan App Version 1.2.2

をダウンロードし、実行しインストールします。もしASCOMを使うのが初めてという方や、ASCOM platformを事前にインストールされていない方は、ASCOMのサイトに行ってASCOM platoformをダウンロード、実行、インストールします。途中、必要なランタイムをインストールするためにPCを再起動が必要となる場合があるので、そのまま従って再起動します。

ガイドソフトのPHD2はすでにいつも使っているので手慣れたものですが、今回は初めてのセットアップとして、セットアップウィザードを使います。まず、ガイドカメラを選択しますが、ASI290MMなのでZWOカメラを選択します。その際、ASIカメラを接続しておくとピクセルサイズが自動で入力されます。ASI290の場合は2.90umとなりました。「焦点距離」は手持ちのガイド鏡の焦点距離を入力します。私の場合ノーブランドのCマウントレンズで焦点距離50mmなので、50を入力します。

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ASCOMドライバーがうまくインストールされていると、PHD2上で「マウント」を選択するときに、上の画面のように「SynScanMobile Telescome(ASCOM)」が選択できるようになっているはずです。マウントを選択すると、「マウントとPHD2が既に接続されていれば、ガイドスピードが自動的に設定されます」とかいう案内が出るので、「マウント(AZ-GTiのこと)」とつなぐためにAZ-GTiを立ち上げて、先にダウンロードしたSyn Scan Proを立ち上げ、接続します。と、ここで問題が起きました。AZ-GTiのWi-Fiにうまく接続できないのです。これはすぐになぜだか思いつきました。以前もあったのですが、ASIカメラがUSB3.0接続のノイズが、AZ-GTiのWi-Fi接続の2.4GHzに悪影響を及ぼすからです。そのため、ここではいったんカメラの接続ケーブルを外します。すると嘘のようにAZ-GTiとの接続が安定してできるようになり、ガイドスピードも自動的に決まります。ガイドスピードはもともと0.50だったのが1.00になりました。この接続の不安定さは後々まで影響することになりますが、とりあえずここは無視してカメラを外した状態で進めます。


蛇足ですが、ここでハタと気づきました。このテストはノートPCを使っているのでまだいいのですが、実際の撮影はStickPCを使うことになると思います。StickPCがAZ-GTiにWi-Fiで接続してしまったら、リモートデスクトップで外から接続できなくなり、StickPCの画面を見ることさえできなくなります。これはSyn Scan Proの「設定」の「Wi-Fi設定」から「ステーションモード」を選択するとインターネットにつなぐことができるとマニュアルに書いてあるので、多分これをきちんと設定すれば解決しそうです。でもマニュアルを見ると、「アクセスポイントモードとステーションモードはどちらか一方で、両方とも有効にするな」とか書いてあるので、最悪AZ-GTiに全く接続できなくなる可能性があります。ちょっと怖いので、とりあえずStickPCを使うのは後の課題としたいと思います。


さて、一応ソフト関連の準備はできたので、実際に稼働させることにします。まずはPCをAZ-GTiのWi-Fiに接続してSyn Scan Proを起動して、モーターが動くことを確認します。これは特に問題ないです。

さて、問題はここからです。ガイド用のCMOSカメラを接続した瞬間に、AZ-GTiの接続が切れてしまいます。先に試したのと同じ状況です。検証のために、以前やったようにコマンドプロンプトで

ping -t 192.168.4.1

と打ってどれくらい接続がだめになるのか見てみます。

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結果は上の写真のように、つないだ瞬間にタイムアウトのメッセージが出て、宛先ホストに届かず、たまに届いてもものすごい遅延があります。当然モーターは動きません。

その後カメラを抜くと、抜いた瞬間に接続が復帰して、モーターがまた動くようになります。原因はUSB3.0のノイズで間違いないようです。普通はここでネットワークを5GHzに変更して回避します。StickPCの時も新たに5GHzの旅行用のルーターを導入してことなきを得ました。ところが、あいにくAZ-GTiは2.4GHzにしか対応していません。これまでiPhoneやiPadで接続するときはCMOSカメラが接続されてても問題なかったのですが、これはUSB3.0とiPhoneやiPadのアンテナの位置が物理的に遠かったからだけで、例えば試しにiPhoneの天頂部をUSBポートの数cm近くまで寄せてやったら、やはり同様の症状が出ました。

いったんここで完全に行き詰りました。USBポートの位置を変えるとか、外付けのUSBポートを使うとかもダメでしたし、PCを2台使うとかも考えましたが、PHD2とSyn Scan Proとの接続が確立できないのと、なにより2台なんてシンプルでないのでダメです。このブログにコメントをくれる彰ちゃんが「彰ちゃんブログ」の中でStickPCで2.4GHzとUSB3.0でたまたまうまくいったと報告されていますが、結局なぜうまくいったのかわからないそうです。とにかく、AZ-GTiが2.4GHzにしか対応していないことが致命的です。
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しばらく頭を冷やして、はたと思いつきました。AZ-GTiが2.4GHzしかもっていないなら、USB3.0をなくしてしまえばいいのではないかと。最初USBドライバーレベルで2.0接続とか考えましたが、もっと単純にUSB2.0のケーブルを使えばいいのではないかと。昔使っていたあまりのUSBケーブルを引っ張り出してきて接続。結果これが大成功!ガイドカメラをつないだ状態で通信がすごく安定しています。調べた限りこのようなアイデアはなかったのですが、目から鱗だと思いませんか?そもそもASIのUSB3.0対応のカメラを、わざわざ遅いUSB2.0で繋ぎたいとはあまり思わないのではないかと。

惑星撮影とかではないので、そもそも転送速度は必要ありません。意外なことにUSB2.0で露光時間を1msとか短くしてもSharpCap上できちんと撮影画像は見えています。ただし、USB3.0の時と比べると、カメラを動かすと転送が追いつけなくてだと思いますが、画面がぐにゃっと曲がったようになります。それでも短くても100ms程度の露光時間にはなるPHD2でガイドする分には全く問題なさそうです。

ここまでえらい時間がかかって、やっと外に出て試そうと思ったら、夕暮れ時に晴れていた空もいつの間にかドン曇りです。でも週末は晴れるとのことなので、近いうちに試せるでしょう。次は極軸合わせがうまくいくかです。


次回に続きます。





AZ-GTiの赤道儀化を試してみようと思います。

もう試された方もたくさんいるようですが、結構うまく動いているようなので、コンパクトな撮影システムを構築してくて、自分でもやってみたくなりました。コメントをくれた県天のOさんも既にオートガイドまで試しているようですが、Wi-Fi接続で、全ケーブルで一本だけというシンプルオートガイド撮影が実現できているようです。

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まずはAZ-GTiのファームウェアのアップデートが必要になります。ここからダウンロードすることができます。2018年10月17日現在、赤道儀対応バージョンは3.14で

Firmware: AZGTi Mount, Right Arm, AZ/EQ Dual Mode, Version 3.14

になります。ダウンロードしたら展開しましょう。注意書きにも書いてありますが、テスト目的ということなので自己責任でお願いします。

同じページからファームウェアをアップロードして書き換えるためのプログラム

Windows program: Motor Controller Firmware Loader - WiFi, Version 1.69

もダウンロードしておきます。こちらも展開しておきましょう。私は最初手に入れたファームウェアをどうやって適用したらいいかわからず、やっとこのアップロードプログラムにたどり着きました。

まず、Windowsが走るPCからWi-FiでAZ-GTiに接続します。その状態で上記アップロードプログラムを走らせて、最初にダウンロードしたファームウェアを選択し、アップデートを実行します。



次の課題はAZ-GTiを斜めに取り付けることです。みなさん各自色々工夫しているようですが、私はタカハシのV金具(TG-SV)が手元にあったので、これを使いました。他にも同じタカハシで任意の角度に調整できる架台(TG-SH)や、Monotaroで売っているクランプレバー付ターンブラケット 40Aなんかも少し加工すれば使えると思います。

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TG-SVは高さが低いため、AZ-GTiの赤経部が回転すると本体下部が三脚側と干渉する可能性があります。そのため取り外しやすくすることも考えて、アルカスイス互換のマウントとプレートを間に挟むことにしました。AZ-GTi側のネジ穴が3/8インチの大ネジなので、普通のアルカスイス互換プレートだとネジが合いません。AZ-GTi側に、よくある3/8インチ穴から1/4インチネジ穴に変換するアダプターをつけてもいいのですが、試してみたら少しガタガタしてしまい強度的にどうしても不安なので、結局3/8インチネジで直接固定できるようにアルカスイス互換プレート真ん中のスリットの端に大きめの穴を開けました。

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3/8インチの大きな穴が空いているのがわかりますでしょうか。
ネジ山も切ってあるので落下することもないです。

でも、細長い溝状になっていることろの端にさらに大きな穴を開けるのは結構難しいです。ドリルの径を少しづつ大きくして、噛まないように無理をせず進めます。少しコツをいうと、ドリルの径を変えたらまず穴が開かない方の向きに逆回転させて、少し周りを削ります。こうすると引っかかったりせずに、少しだけとっかかりができます。その後正回転させて、このとっかかりを崩さないように落ち着いて丁寧にゆっくり穴を開けます。M8のドリルまでいったら、あとは3/8インチのタップでネジ山を切ります。AZ-GTiに取り付けたものが下の写真になります。

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いずれにせよ、これらの固定、もしくはネジ止めだけの架台では極軸合わせの時に微動調整ができません。そのため三脚の脚の傾きなどで極軸を取る必要があるため、少しテクニックが必要になります。極軸調整を微動でしたい場合は、SLIKの微動雲台SMH-250KenkoのスカイメモS/T用微動雲台などがありますが、ネックの部分に微動装置を入れるとどうしてもそこで揺れるようになるので、私はあまり好きではありません。

次に、ウェイトバーを取り付け、ウェイトでバランス調整をする必要がありますが、適合するネジのサイズのウェイトバーを見つけるのが困難です。私はOさんのアイデアに倣って、ホームセンターで適合するネジ溝が切ってあるM12の金属棒を購入しました。500円程度なので格安です。落下防止の同じくM12のキャップをつけても700円くらいでした。ウェイトは先週の星フェスで中古で買ったものです。

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組み立てのが一番上の写真になります。




最近電視用で使うPCを変更しました。これまでの充電器と違い、USB Type Cでの充電になります。普段の付属のACアダプターを使っての充電は特に問題ないのですが、遠征先の観望会などで長時間使おうとすると、CMOSカメラも駆動しているためにバッテリーが持たない時があります。

外部バッテリーから充電する方法はいくつかあります。まず、USB端子を持っているバッテリーでは5Vで3Aまでの出力なので、最大15Wでの充電になります。これだと使っている時の消費電力の方が大きかったりして、充電できない場合があります。特に私が使っているMacBook Proは15Wでもたまに充電器たりするのですがとても不安定で、最低30W位ないと安定して充電できないようです。30Wでも消費電力によっては充電できない時もあるとの情報もあります。

USB Type-Cで15W以上出そうと思うとPD (USB Power Delivery)というのに対応しているバッテリーを購入する必要があります。このPDに対応していないと15Wが最大で、時には5Wでしか充電できないこともあります。ところがPDに対応しているバッテリーを探そうとしても、30W以上のものはなかなか選択肢がありません。候補の最後まで残ったのが以下の2つです。最初は30Wのもの、

RAVPower USB-C 26800mAh (PD対応 USB-Cケーブル付) RP-PB058

です。一応MacBook Proも充電できるという報告もあれば、うまくできないという人もいるみたいです。

2つ目の候補ですが、中には20V、4.7Aで94Wに対応していると謳っているものもあります(以前の広告ではあらわに94Wと書いていましたが、現在はその表示は消えているようです。ここにその名残を見ることができます)。

WorldPlus 40000mAh TYPE-C モバイルバッテリー USB-PD QC3.0 |ノートPC Macbook Pro スマホ iPad デジカメ

が、よーく説明などを読んでみるとDC出力を使う場合が94Wで、あくまでType-Cでは36Wが限界なようです。私が探した限りでは、バッテリータイプでは結局この36Wが最大でした。これだとMacBook Proには少し不安です。


もう一つの方法は、AC出力を持っているバッテリー、例えば以前買った

Rockpals ポータブル電源 小型発電機 DC AC USB 7WAY出力 40800mAh

などに、PCに付属のACアダプターをつけて充電する方法ですが、一旦AC100Vに変換して、そこからDCにまた変換するので、効率を考えると少しもったいない気がします。






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ここから下で試したことは危険が伴います。この記事を読んでもし試す方がいたとしても、あくまで自己責任でお願いします。このページはあくまでこういった方法もあるという情報を提供するにすぎません。


ここら辺まではある程度調べれば得られる情報なのですが、結局どれも十分納得できる解ではなかったので、もう少し考えてみました。散々考えて、今回購入したアイテムは車のシガーソケット端子に差し込むことができるType cの変換器でした。

USBType-Cカーチャージャー 車の充電器5 V、9 V、12 V & 20 V シガーソケットチャージャー PD対応 

なんと999円でした。なぜこれにしたかというと、上のRockpals ポータブル電源に12V DCの出力が付いていたからです。ただしこちらは5.5mmのジャック型のコネクタ。このコネクタからType Cへ直接変換するコネクタもあるにはありましたが、流石に危険すぎで、下手をするとMacBook Proを燃やしてしまいます。そこで、手持ちで持っていた5.5mmのジャック型のコネクタからシガーソケットに変換するアダプターを使い、そこに今回買ったUSBType-CカーチャージャーをつなぐことでPD規格安定化できて、きちんと充電できるのではという目論見でした。

もちろんですが、いかに規格ものと言ってもアップルは認めないでしょうし、いかにUSBType-CカーチャージャーにMacBook対応と書いてあっても壊れたMacBookまで保障はしてくれないので自己責任になることには変わりありません。このページを見て試してみて失敗して私もなんの保障もできないのであくまで自己責任の範囲でというのを理解、納得してから、その上で試したい場合は試していただいきたいのですが、これができると遠征先でDC12Vを使って効率よくMacBook Proが充電できるようになるはずです。

実際に試してみた結果ですが、目論見通り見事に45Wで充電できました。確かめ方はMac上でアプリケーションの中のユーティリティーの「システム情報」の「電源」項目で一番下の方を見ることです。ここで今何Wで充電できているかがわかります。要するに、DC12VだけだとPD給電するには無理なのですが、今回のUSBType-CカーチャージャーPD規格の部分を担ってくれて、安定化回路のように働いてくれているというわけです。

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この方式はいくつか応用ができて、車のシガーソケットからはもちろん、セレストロンのパワータンクのシガーソケットなどからも充電できますし、他にもわざわざType CのPD対応の端子が付いていなくて。極性さえ間違えなければ5.5mmジャックを持つバッテリーから充電することができます。

それでも最悪火事になるかもしれないという危険が伴うことは十分に理解して、あくまで自己責任で、事前に実際に何ワットで充電できているかきちんと確かめて使うようにしてください。実際私もいくつかのバッテリーで試したところ、規格以上の電力で充電されてしまい、アダプターが熱くなるという事象に遭遇しました。Mac上で表示を見ると規格をはるかに超えた400W!でした。こんな値が出るのは明らかにおかしいのですが、このようなこともあり得るということです。すぐに外したのでたまたま壊れたものはなかったですが、機器の故障などもつながりますから、過信せずに安全には十分に注意してください。

とりあえずこれで遠征でのMacBook Proのバッテリーに対して不安がなくなりました。一晩でも持たせることができそうです。


星をもとめてで購入したVixenファインダーアイピースですが、コメントをいただいたりっくんさんのリクエストに答えて、早速SCOPIOのf800mmに取り付けて試してみました。焦点距離が100mmのアイピースと同等なので、8倍という双眼鏡クラスのかなり低倍率になります。31.7mmのアイピース取り付け口に普通に差し込むことができます。


まずファインダーとしてです。
  • 両目導入をしたいと考えると、天頂プリズムなどは当然使うことができません。このアイピースは普通のアイピースに比べて大きいのと、長さがかなりあるため、結構しゃがんで覗かなくてはいけません。天頂の方をのぞく時などは普通のファインダーの位置よりかなり覗くところが下になります。
  • 両目導入は普通にできます。右目をファインダー、左目を裸眼で両方いっぺんに見ます。左目のターゲットに合わせて右目の十字線を左目のターゲットに合わせて持ってくると視野に入ってきます。
  • 普通のファインダーのような初期調整を全く必要としないところは、初心者には優しいと思います。
  • ピントが合う範囲が意外に広いので、唯一必要なピント調整も苦労することはないと思います。
  • 結構重いので、アイピースホルダーからストンと落ちそうになったことがありました。でも、切り欠きがあり落下防止が付いているので、落ちることはなかったです。


次に長焦点距離のファインダーとしてです。実は私はこちらの方に期待していました。
  • まず、長い本体にさらに結構長めのアイリリーフと言っていいのでしょうか、長いゴム状の筒がついています。そのためりっくんさんがコメントされたように、底を覗く感じという表現がぴったりです。
  • なんでこんなものがついているのかと思ったのですが、簡単に外れるので外してみてその理由がわかりました。思ったより像が見える位置が限られるのです。光線上にうまく瞳を持ってこなくては見えないという意味です。なので、アイリリーフで長い距離を稼いで、光軸と瞳を合わせようとしているのだとわかりました。
  • もう一つ重要な点ですが、倍率は低いけれども、決して視野が広いというわけではないということです。試しに月をこの100mmのファインダーアイピースと、20mmの別の星まつりで買った格安アイピース(特に視野が広いわけではないごくごく普通のという意味)で見比べてみるとよくわかるのですが、見ることのできる範囲は実際にはほとんど変わらなく、100mmの方が(倍率が低いために)小さく見えるというだけです。同じ範囲を遠くから見るか(100mmファインダーアイピース)、近くで大きく見るか(普通の20mmアイピース)と言った表現が近いでしょうか。

月をスマホでそれぞれ撮ってみました。

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100mmのファインダーアイピースの見え方


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一般の20mmのアイピースでの見え方

月の明るすぎるとか、ピントが合っていないとか、雲がかかってるとかは気にしないで下さい。外の円に対して月がどれくらいの比率で見えるかが重要です。結局見えている視野角としてはほとんど変わらないのがわかると思います。その代わりに月の大きさは焦点距離の倍率に従って5倍くらい変わっているのがわかります。この印象は目で見たときも同じです。

あわよくば焦点距離400mmくらいの短焦点の鏡筒にこの100mmのアイピースを使って4倍くらいにして視野を広げて星座でも見ようかと思っていました。その思いが拭い去れずに、ダメだと思いつつタカハシのFS-60CB(焦点距離355mm)で実際に小さい部類のこと座を見てみました。もうわかってはいましたが、さすがに視野がそこまで広いわけではないので、なかなか星座の形として認識することはできず、WideBinoのようにはいかないです。


でもせっかくなので、使う場面を想定してみましょう。私の場合、例えばFS-60やMEADEの25cmのシュミカセもそうなのですが、シンプル化や電子ファインダーを使ってしまうために、あえて鏡筒にファインダーをつけていないことも多いです。たまにどうしても導入がうまくいかなくて、でもファインダーをつけるのがめんどくさくて、鏡筒の直線部分を延長してのぞいて、無理やり、しかも苦労して導入することがあります。そんなときにはこのファインダーアイピースが役に立つのではと思いました。


あと、多分この種のものはある意味変わり種といいますか、使ってみると苦労して設計されたのが分かる気がするのですが、私はこれが製品化されたこと自体をすごく評価したいと思います。しかも定価4500円と、お試し価格のような素晴らしい値段設定で、気になったら本当に気楽に試すことができます。こういったメーカーの冒険心はいつか画期的な素晴らしい製品に結びつくのではと、ついつい期待してしまいます。厳しい昨今、売り上げがどうかとかは私にはわかりませんが、どうかこの手の火を絶やさないでいただきたいと切に願います。


最後にまとめですが、初心者にとって、普通のファインダーの初期調整というのは意外に難しいとよく聞きます。大きめで少し癖のあるこのファインダーアイピースですが、その初期調整が省けるというだけでも価値はあるのかと思います。定価で税別4500円と値段的にはかなり安い部類に入ると思うので、試しに持っておくのはいいのかもしれません。


SAMYANGの14mm F2.8の歪みが結構な量なのですが、Lightroomを使って補正できるということは以前書きました。それでもレンズプロファイルは必ずしも正しくないなど、星景写真を処理していく過程でいろいろ気づいたことがありましたので、メモがわりに書いておきます。


まずはLightroomの準備

実際の歪みを調べるために、多少距離があり格子状のものということで、自宅の障子を撮ってみました。穴が空いていたりして恥ずかしい限りなのですが、それは置いておいて、やはりレンズ自身の歪みは相当大きいことがわかります。一応そこそこ画角の枠に合うように障子を撮ったつもりなのですが、少し水平が出ていなかったことと、右側の方が障子までの距離が近く、左側の方が障子までの距離が遠かったようです。

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  1. 最初、障子の縁の方で差を見ればいいと思って枠がちょうど画角の縁の方に来るように撮影したのですが、Lightroomで開いてみるとなぜか障子の縁の方が見えていません。ヒストグラムのすぐ下にある点線の四角のアイコン「切り抜きツール」でなぜかデフォルトで一部切り抜かれて、周りの5%くらいが現像されない状態になっていました。いつからこうなっていたのかわからないのですが、まだそれほど数は多くないですがおそらくこれまでLightroomで現像したものは一部欠けて処理をしていたことになります。
  2. その他デフォルトで勝手にオンになっている処理機能があるのが心配で、一旦「現像」の全ての処理をオフにしました。右端の各種処理項目の左にある上下スイッチのようなものを全部下側にします。こうすることで変な処理がされないようにします。
  3. が、それでも一番上のヒストグラムにはスイッチは見当たりませんし、ヒストグラム部分をさわってしまうと変な処理が知らずにされてしまうこともあります。こんな時はヒストグラム部分をダブルクリックすると元に戻るようです。
  4. さらに、次の6個アイコンが並んでいるところは、それぞれのアイコンを押して初めてオフにするスイッチが出てきますし、その中の最初の「切り取りツール」はオンオフスイッチ自体がないです。その代わりに「初期化」というボタンがあるので、それを押しておきます。他にも初期化ボタンがあるものやないものもあるので、結構ややこしくて一つ一つ見ていくしかないようです。 




付属のレンズプロファイルは必ずしも正しいものではない

さて、やっとこの状態でレンズプロファイルについて検証できる準備が整いました。まずは何も補正しない場合です。プロファイルを使っていますが、ゆがみの補正量を0にしているため、ゆがみ補正についてはオリジナルの画像を同じであることを確認済みです。

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次にゆがみ補正がデフォルトの100の場合。かなり補正されていますが、それでもLightroomで表示した格子と比べるとごくわずかずれています。

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できるだけ格子に合うようにしてみると、ゆがみ補正が125程度の時が最適なようです。わずかなズレですが、100の時とは有意に違いがあることを意識しておくくらいでいいのかと思います。

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このプロファイルですが、以前の記事でSAMYANGのプロファイルはPhotoshopだと使えないが、Lightroomだと使えるということを書きましたが、どうやらそれは間違いで、PhotoshopでもLightroomでも.cr2のRAWフォーマットだと使えて、そこから.tifや.jpgなどフォーマットを変えてしまうと使えなくなるということがわかりました。調べてみたらプロファイルはRAW用とそれ以外で2種類あるとのことです。

でも、このことは後に大きな問題であることがわかりました。画像処理の最初の方でゆがみ補正をしてしまうと、あぶり出しの過程で、そのゆがみの跡があらわに出てきてしまうからです。

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処理途中の画像を一部切り抜いた画像です。
クリックして拡大するとわかりますが、右端の雲のとこらへんに縞が盛大に出ています。
Lightroomのレンズのゆがみ補正からできてしまう縞です。

なのでこのゆがみ処理を、あぶり出しの終わったできるだけ最後の方の処理過程でやりたいのですが、その時には汎用のTIFFフォーマットになってしまっていてSYAMYANGのプロファイルを使うことができません。TIFFフォーマットでもJPGフォーマットでも使えるレンズプロファイルは数が少なく、SAMYANGは残念ながらその中に入っていないようです。

では、プロファイルを使用せずに、Lightroomの「レンズ補正」の「手動」で補正した場合はどうなるのでしょうか?下の2枚の写真は真ん中らへんを合わせようとしたものと、四隅を合わせようとしたものですが、両立するのは無理なようです。

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仕方ないので、TIFFファイルをRAW準拠の.dngフォーマットやPhotoshop用の.psdフォーマットに変換してRAW用のプロファイルが使えないか試してみました。残念ながら結果は本当に.cr2しか対応していないみたいで、全く無理でした。

次に、Adobe Lens Profile Creatorというのでレンズプロファイルを作成することができると知りましたが、マニュアルを読んでみると、格子状の模様を何枚も撮影してプロファイルを作るとかで、結構面倒そうです。しかもそれがRAW以外に適応できるかどうかもまだよくわかりません。もう少し簡単なツールとして、他のユーザーが作ったプロファイルをダウンロードするAdobe Lens Profile Downloaderというツールがあったらしいのですが、2018/1/1から配信停止になっているそうです。

そんなことをしている過程でレンズプロファイルの中身を実際に見てみたのですが、構造は結構簡単で、もしかしたらRAW用のプロファイルからTIFFやJPEGでも使えるプロファイルを作ることができるかもと思いました。


1. まずレンズプロファイルがそもそもどこにあるのかですが、Macの場合結構わかりにくいです。アプリケーションにある「Adobe Lightroom Classic CC」フォルダの中の実行ファイル「Adobe Lightroom Classic CC.app」を右クリックして「パッケージの内容を表示」を選びます。そこに出てきた「Contents」から「Resources」->「LensProfiles」->「1.0」フォルダをたどっていって、例えば今回の場合「Samyang」フォルダの中の「Canon」フォルダから「Canon (Samyang 14mm f2.8 ED AS IF UMC) - RAW.lcp」ファイルをエディタなどで開いてみます。簡単なテキストファイルなのがわかります。

2. ここで、RAWとRAW以外の共に対応しているプロファイル、例えばSONYのものや、Samyangのすぐ前のSamsungというものなどをみるとわかるのですが、まずフォルダの中にファイル名が似たものが2つづつあります。ファイル名にRAWが付いているかついていないかでRAWのみに対応するのか、それ以外にも対応するのがわかります。

3. 二つのファイルを同時に開くとわかるのですが、違う点は

CameraRawProfile="True"

の部分のみです。ここがRAW以外に対応するのは"False"になっています。違いがこれだけならば
、ここを書き換えれば動かすことができそうです。

4. ただ、ファイルをコピーして、RAWという部分を除いてペースト、上のTrueをFalseに書き換えるだけではプロファイの選択肢に出てきませんでした。どうやら「LensProfiles」フォルダの中にある「Index.dat」の問題のようですが、これは単純なテキストファイルではなくバイナリファイルのようで、簡単に書き直すことはできません。

5. そのため、既存のRAW以外に対応するプロファイルで、自分がおそらく使わないプロファイル、例えばSamsungなどの中身をごっそり欲しいプロファイルに置き換えてしまうことにしました。単純にテキストをコピペするだけです。でもアプリの中に含まれるファイルのために保護されているようなので、ファイルを書き換えようとすると認証を求められたりします。パスワードを入れてやれば普通に変更することができます。


このようにすることで、一応RAW以外対応していない目的のプロファイルをRAW以外にも適用することができるようになりました。まあ、裏技みたいなやりかたなのであまりおおっぴらにしてもダメなのかもしれませんが、あぶり出しで縞が出てしまうようなゆがみ補正では使い物にならないのもまた事実です。


と、いろいろやって調べているうちに、WindowsのLightroomで同じようなことをやっている方を発見しました。Windows版はレンズプロファイルの場所などが違うので、WindowsでLightroomを使っている方はこちらを見た方がいいかと思います。また、「CameraRawProfile="True"」とかで検索したら、海外でも同じような記述が複数見うけられました。同じようなことを考える人間は世の中結構いるものですね。


でもなんでこんな簡単なのに、RAWだけに制限してしまうのでしょうか?単純にもったいない気がします。

とにかくこれで、TIFFに変換し、PixInsightやPhotoshopなどであぶり出してから、最後にLightroomで読み込んで、TIFFフォーマットでレンズプロファイルを適用することができるようになりました。さあ、これでやっと溜まっている星景写真を処理するぞと。


あと今回、周辺光量補正については今回ライトをきちんと当てていないので何も検証していませんが、星景写真の経験からもやはり補正量が100だと不足で、200近くまで持っていってやっとまともになるくらいかと思います。まあ星景写真の場合はそこまで周辺減光にこだわらなくていい気がしますし、景色が映らない星野写真の場合もフラットフレームを別途撮影したり、PixInsightのDBEなどソフトである程度補正できるので、そちらに任せた方がいいのかもしれません。


先週のお寺観望会で赤道儀の止め方の不具合で落下したC8。落ちた瞬間に少しでもショックを和らげるように足を伸ばして鏡筒を横に蹴飛ばす形で落下させました。鏡筒自身は問題なさそうでしたが、ファインダーとマイクロフォーカスの部分で地面に接触したようで、大きく傷がついていました。ファインダーは光軸ズレかと思いましたが、ピントを調節し、ファインダーホルダーの位置をネジを緩めて少しずらしたら実用上問題ないレベルになりました。問題はマイクロフォーカスです。こちらはかなりダメージが大きく、つまみを回そうとしても軸が全く回転しなかったので、分解して様子を見てみました。

まず外観ですが、つまみのところが完全にに傾いているのがわかりますでしょうか。

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順にイモネジを六角レンチで外していき、シャフトを取り出すと完全に曲がっています。最初このシャフトは全く取り外すことができず、ベンチバイスにシャフトを固定して手で力を入れて大まかにまっすぐにすることでやっと取り外すことができました。その後、金槌で叩きながらできるだけまっすぐに直します。

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微動つまみも全く回転しなかったのでよく見ると、先っぽの細いシャフトが少し曲がってしまっています。これも取り出して、ベンチバイスに挟み、金槌で軽く叩くことでまっすぐになるように戻しました。

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それにしてもこの微動の仕組みはすごいですね。部品はベアリングボールと細いシャフト、それを囲む真鍮のケースだけです。シャフトの先に少しだけ窪みがあり、そこで3つのボールと触れ合います。シャフトが回転するとボール3つも摩擦によって反対方向に回転します。ボールは外側で写真真ん中に写っている外側の回転体に触れていて、この回転体もまたボールとの摩擦によって回転します。すなわちシャフト軸の外径と、外側の回転体の内径の比で減衰率が決まるというものです。シンプルなのに非常によく考えられています。

下が全バラした写真です。分解すると非常によく構造がわかります。

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さて、シャフト2つは大体まっすぐにできたのですが、想定外だったのは真鍮のベアリングケース自身がよく見ると少しだけ曲がっていたことでした。なのでどれだけ軸だけを伸ばしてもつまみ側がどうしても傾いてしまいます。このケースもまっすぐにしようとしましたが、変に力をかけると破壊しそうで今回はそのままにしておきました。ベアリングボールはうまく回転しているようなので、つまみの見た目の傾きさえ我慢すれば問題なさそうです。

あと、写真の右側のつまみのシャフト軸を入れる方の内径が小さくかなりきつかったので、4.5mmのドリルで穴を広げたらすんなり入るようになりました。

組み立てるときに一つだけ注意点。ベアリングと回転体を押さえつけるためにナットとさらに内側に金属板状のバネが入っていますが、このナットが使っていると緩んできて微動が効かなくなってくることがあります。このナットが緩まないように、ねじ止め剤が最初から付いているようでしたので、それに合わせて組み立て時もねじ止め剤を添付します。こうすることで微動の効きが変化したり、動かなくなったりすることを防ぐことができます。

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ナットのところの青い液体がねじ止め剤です。

あとは下側の2つのネジの役割をしっかり理解することです。アイピース側から見て奥側の長いネジはフォーカス可動部の筒自身を固定する役割、手前側のネジがシャフトと可動部の密着度を調整するネジで、ここでつまみの固さを調節できます。

今回の修理の結果、まだ多少つまみの回転に渋いところは残っていますが、実用上問題無いくらいにはなりました。微動も多少渋いこともありますが、ほとんど問題なく動いています。もう少し使って、もし実戦で不満が出るようなら次はモーター付きに買い換えるかもしれません。

 

アンタレス付近を撮影した時に気になっていたAdvanced VXのガタつきですが、やっと原因がわかって修理が完了しました。気づいてしまえば簡単で、結構一般的に有用なことだと思うのですが、多分ほとんどのユーザーは気づいていないと思うので情報をシェアしておきます。

まず問題点の確認ですが、赤経の回転体がガタつきます。0.1度もないくらいでしょうか。ほんの少しのガタつきですが、撮影時に強い風が吹いていたりすると星像が一方向にブレてしまいます。ガタつく方向は回転方向のみ。軸方向に引き抜こうとしても、軸方向から傾けようとしてもピクリともしないくらい全く問題はありません。このことから、回転体と枠との間に隙間があるとか、何か詰まっているようなことではないことが推測されます。

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上の写真に写っている金色の二つのギヤに遊びはありますが、手でこのギヤを回してみると、回転体自身はきちんとギヤの回転に応じて素直に回転します。このギヤによる回転とは独立に回転方向にガタがあることが問題なようです。

以前シャフトが折れた時にウォームホイールからはずれてしまって、それを無理やりネジで止めているだけなので、今でも簡単に取り外して内部を見ることができます。

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色々いじくり回していて気づいたのですが、ウォームホイール部のねじ止めを完全にせず少し緩んでいる時に、ウォームホイールをウォームギヤ側に押し付けるとガタが小さくなり、ウォームホイールをウォームギヤから離す方向に傾けるとガタが大きくなることがわかりました。これは大きなヒントでした。ということは、きちんとネジを締めた状態でウォームホイールとウォームギヤの相対位置が近づく方向になるようになんとか設定してやればいいということになります。

ところがここから少し苦労しました。全然調整機構が見つからないのです。無理やり曲げたりするのは流石におかしいと思い、外れるカバーは外し、外せるネジは外していくと、奥の方の非常に見にくところにネジがあるのを見つけました。

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写真の真ん中に見えるのがネジですが、素直にアクセスできなさそうです。

最初、このネジにアクセスするのに写真に写っているオレンジ色の回転部分を外す必要があるかと思ったのですが、よくよく見ると、このネジにアクセスする通り道が反対側にあることに気づきました。ただしちょっと長めのレンチが必要になります。また、このネジがかなり固く締めてあるので、私はL字型のレンチをペンチで挟んでトルクを大きくしてやっと緩めることができました。

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先ほどのネジにアクセスできるように裏側に切り欠きがあります。

ネジが緩んだのを確認して、モーター側(ものすごく外しにくいですが、コの字型のプラスチックのカバーもあらかじめ外しておいた方が力が入りやすいかもしれません。)を押してウォームギヤをウォームホイールに押し付けるようにします。ある程度押さえてガタがなくなったことを確認してからネジを締めます。ネジを締めた後に再びガタがないことを確認してやっと完了です。

このガタつきのためだけに今回も合わせて多分もう5回くらい分解しています。なかなか原因までたどり着けなかったのですが直って良かったです。まだまだ現役で使えそうです。


やらかしました。

調子にのって太陽撮影の分解能がどこまでいくか確かめようと、無謀にも20cmのC8にPSTを取り付けてみました。PST-50は2インチの接眼部にそのままはめることができます。C8にも簡単に取り付けることができたので、少しだけ試してみました。

自分でもわかっているのですが、マニアというのはとてつもなくアホです。ダメそうなことはわかっているのですが、試さずに放っておくことがどうしてもできません。ある程度は危ないと予測していたので、相当注意してやっていたのですが、結論としては危険すぎます。

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光量は口径10cmの時の4倍。まず、焦点付近に手をかざすと火傷しそうなほど熱いです。そのため、補正板の先のカバーを閉じ、ほんの一部だけずらして開けて光量を絞りながら試すと、なんとか合焦する位置を見つけることはできました。そのまま短時間で撮影しようとして試しに一本だけ撮ったのですが、その直後にピシッという音がして、ああやっぱりと見てみたら、PSTの先につけてあるERFがわりの赤色フィルターが見事にひび割れていました。触ってみるとものすごく熱いです。撮影した一本もブレブレで処理する価値もありません。

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20cmでの太陽は危険すぎることがよくわかりました。よほど注意しながらやらないと下手をすると火事になります。一度だけならまだしも、毎回このレベルで注意を払い続けることは不可能です。根本的な対策をしない限り、この方法は不適です。しばらくお蔵入りにします。

こんなことをやる人はあまりいないと思いますが、機器を壊すことはおろか、火事や火傷、目で見ると失明の恐れもあります。太陽観測は本当に安全に気をつけて、くれぐれも自己責任で楽しんでください。

最後に、この記事を公開するかどうかしばらく悩んでいました。このような危険な試験は推奨されるべきではないので、本来このような記事は公開するべきことではないのかもしれません。さんざん迷ったのですが、このブログは自分がやったこと(やってしまったことも含めて)の記録も兼ねているのと、今回は反省と自戒の意味もあるので、正直に書いておくことにしました。 

今日は富山で最大の山王祭というのがありました。夕方曇っていたので安心して子供を連れてお祭りに出かけたのですが、屋台で買い食いしている途中で木星が綺麗に輝き出しました。子供はお祭りを楽しんでいるのでなかなか帰ることができません。結局屋台が閉まり始めるくらいまでお祭り会場にいることになってしまいました。木星が南中する頃にやっと自宅に戻って、かなり透明度が良さそうなのを確認して、早速撮影の準備を始めました。この際せっかくなので、ピントの微調整のためにLX200-25にマイクロフォーカスを取り付ける加工を済ませることにしました。

最近大活躍のMEADEの25cmシュミカセのLX200-25ですが、C8で使っていたシュミカセ用という笠井のマイクロフォーカスが取り付けられませんでした。MEADEも使えるようなことが書いてあったので、やはり接眼部のアダプターがオリジナルのものではないようです。でもせっかく頂いた鏡筒で、我が家では未だに最大口径の贅沢品なので、多少のことではめげずに改造です。

自宅でできる加工はせいぜい穴あけとタップ切りくらいです。MEADEのアダプターを外して、マイクロフォーカスの鏡筒に取り付ける側の部品を外して見て色々組み合わせていたら、ネジ止めくらいでうまく固定できそうなことがわかりました。というわけで早速加工です。

マイクロフォーカス側に十字に4箇所に穴を開け、その穴の位置に合わせてMEADE側のアダプターにも穴を開けます。十字に穴をうまく対象に開けるのは結構難しいです。少しだけずれてしまったので、マイクロフォーカス側の穴を少し大きくして回転して穴が変わっても、なんとかしたのアダプターと会うようになりました。あとはアダプター側の穴にM3のタップを切り、4箇所でネジ止めできるようにします。

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左が笠井のマイクロフォーカスの鏡筒側にネジ止めする部品。
右がMEADEに付いてきたアダプター。
ちょうどタップを切っているところです。


加工も無事に終わって、うまく固定できました。

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さあ撮影だ!と、鏡筒を担いで外に出たらなんと一面の曇り。月もほとんど見えません。あの綺麗な空から1時間も経っていないのに...と諦めてトボトボと家の中に入り、このブログを書いています。


週末の金曜日、晴れているので新規投入のCGEM IIのテストです。

やはり重い。中型赤道儀の部類に入ってくるのですが、こんなもんなんでしょう。重いです。バッテリーはもちろんですが、追加ウェイトも結局AVXのものをそのまま使うことができました。

ここにMEADEの口径25cmのシュミットカセグレン式のLX200-25を載せます。これまた重い。今まで軽かったのがいかに楽だったかを思い知らされます。

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バッテリーに電源ケーブルをつないで電源オン。モーターの動きもスムーズで特におかしなところはなさそうです。今日は月が出ているので、とりあえず簡単にソーラーアラインメントで月のみで初期アラインメントをとってみましたが、こちらも問題ないです。大口径で見る月はそれはそれは明るくて、眩しいくらいでした。次に木星を見ました。星が瞬いているので、シンチレーションは良くないですが、すでに副鏡もそこそこ調整されていて、特にボケることもなく木星の縞も見ることができます。

さて、問題はここからです。もう一度月を導入してから、例のオプティカルエンコーダーを試そうとクラッチを緩めて適当なところに持って行き、再び月を導入したのですが、全然実際の月のところまでいきません。あれっ?と思い、「MENU」ボタンを押してユーティリティーから「Get Axix Position」を選んで見てみると、コントローラーのボタンで方向を変えた時はきちんとリアルタイムで表示位置が変わるのに対し、クラッチを緩めて移動した時は全然表示位置は変わりません。これはエンコーダーと連動していないことを示します。

その後色々調べると「光エンコーダー」とは書いてあるのですが、「デュアルエンコーダー」とは一言も書いていないんですよね。検索で引っかかったのは2chの投稿で、CGEM IIでもクラッチを緩めて動かしてもまた元に戻る「はずだ」というようなことが書いてあったので信じていたのですが、どうやらこれは間違いのようです。

決め手はCludy Nightの投稿で、そもそもCGEMからのアップデートは
  • ハンドコントローラーがUSBポートになった
  • クラッチハンドルが長くなった
  • 三脚にインデックスマークがついた
  • アリミゾがビクセンとロスマンディーの両対応になった
ということだけだと書いています。そこに追加で

These are not the axis encoders you hear about that allow you to move the scope by hand, yet continue to know where it is pointing.

と書いてありました。どうやらEQ8とかにあるようなエンコーダーのようにはならないようです。

うーんこれは紛らわしいですね。光エンコーダーというと、普通は別の独立エンコーダーで、回転情報を保持していると思ってしまいますよ。これからCGEM IIを購入される方は、後悔しないようにこの点注意してください。

誤解されないように書いておきますが、CGEM IIには「エンコーダー」はついていてその役割はきちんと果たします。でもAVXにも「光」ではないですが、モーター部にエンコーダーはついていますし、これまでも自動導入などで恩恵を受けてきました。例えば、バランスが悪くてモーター途中でカックンとかなっても、エンコーダーが情報を保っているので、スリップさえしなければ何度か導入することで目的のところまで持っていってくれます。でも、読み出しが「光」になっても、本質的にはモーター部のエンコーダーと同じことで、もう一つ独立に回転軸を直接読むようなエンコーダーがない限り、クラッチを緩めて位置を保っているということはできません。

もしデュアルエンコーダーがついていてクラッチフリーで情報を保持する赤道儀が欲しい場合は、現行ではEQ8とスカイウォッチャーのAZ-EQ5GTくらいなのでしょうか。もう少し選択肢があればいいのにと思います。

一番期待していたところが期待外れでしたが、それ以外の機能は特に不満はないです。値段的にも(多分普通にCGEMを買うよりも)安く買えたので、まあよしとします。

あ、あとハンドコントローラーは相当良くなっていました。文字の解像度が上がって読みやすいし、ボタンは押しやすいし、USB接続はまだ試していませんがRS232Cの代わりになるようなのでケーブルも少なくできそうです。ここら辺は「新機種」の恩恵ですね。AVXからの機能アップとしては「パーマネント」のPECがあります。こちらもいずれ試してみます。


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