ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 星団・星雲

これまで何度も電視観望で見たM57ですが、一番長い付き合いのメシエ天体なのに、実は一度もまともに撮影したことがありません。いつか真面目に撮影してみたいとずっと思っていました。

一昨日9月18日、本当に久しぶりに晴れていたので、月は出ていましたがとりあえずテスト撮影を敢行しました。鏡筒はできるだけ口径の大きなものということで、MEADEの250mm。カメラはASI294MC。SharpCapでLivestackを利用しての撮影です。

露光時間を16秒とし、それを12回Livestackしたものを32bitの.fitsファイルとして保存します。それを7枚撮ったところで隣の家の風呂場か何かの明かりがついて迷光で背景が明るくなってしまったので終了でした。合計で16秒x12回x7枚 = 24分24秒の露光時間になります。

一応ノータッチガイドになります。極軸はSharpCapのpolar alignを使って1分角以下まで合わせました。そのせいもあってか、16秒間では全く流れることはなく、LivestackのAlignment機能のおかげで3分間の画像でも問題なく撮れています。本当はSharpCapベータ版の新機能のDitheringを試したくてガイドまでしようと思っていたのですが、ガイドなしでも流れないのでそのままとしました。その代わりに、7枚の撮影の間に4回くらい位置を少しだけ変えて手動Ditheringをしました。

あと、ASI294MCの欠点の一つですが、ホットピクセルが盛大に出るので、Darkフレームを撮影してSharpCap上で撮影中に補正してしまっています。

ここらへんまでは良かったのですが、今回の撮影での一番の問題点はMEADE 250mmのコマ収差(?)が思ったよりひどいことでした。視野中心で光軸を合わせると観賞に耐えないくらい四隅がものすごく流れます。なので今回はPhotoshopでレンズ補正を施したのちに、トリミングして中心のましなところのみ切り取っています。ただ、少し試したところではカメラの位置が鏡筒から離れるほど(ピントは主鏡の移動で合わせるとして)四隅が流れ、鏡筒に近づくほど四隅の流れはましになるようでした。今回はマイクロフォーカスをつけてあったので、近付けるにも限界があったのですが、もしかしたらカメラの最適位置は思ったよりはるかに鏡筒側にあるのかもしれません。胎内星まつりでのMEADEシュミカセの最適化の話もあったので。これはもう少しテストしてみます。

画像処理はPixInsightでStarAlignmentとIntegration, DBE, photometric color calibration, arcsinh stretchの後Photoshopに渡しています。まだテスト撮影の域を出ませんが、結果は以下のようになります。

integration_DBE_CC_nutral_stretch4_cut_photo
富山県富山市下大久保 2018/9/18 22:55
LX200-25 + CGEM II + ASI294MC
f=1600mm, F6.3, gain 470/570, 16sec x 6 stacks x 7frames、総露出時間24分24秒
PixInsight , Photoshotで画像処理後中心部をトリミング 


念願だったIC1296も少しですが形が写っています。30分にも満たない撮影でここまで出ればまずは満足です。


今回の反省点です。
  • ゲインを高くして撮影したので、短い撮影時間で暗いところまで多少出ましたが、逆に明るい恒星がサチってしまっています。もう少しゲインを落として時間をかけて撮影するか、短時間露光で別撮影してHDR合成をしたほうがいいかもしれません。
  • 長時間撮影だと手動でditheringするわけにいかないので、SharpCapかAPTでditheringを試してみる必要もあります。
あと、
  • 露光時間が短いこと
  • 月齢9日のそこそこ明るい月が出ていたこと
  • 自宅での撮影なのでそれほど暗い場所ではないこと
などがまだ今後改善できる点です。


 

light_BINNING_1_integration_DBE_min_color_stretch_ps_cut
富山県富山市伏木, 2018年5月15日22時28分-5月16日1時52分
FS-60CB + flattner + CGEM II赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x60枚 総露出180分
PixInsight、Photoshop CCで画像処理


先週末に撮影したアンタレス付近ですが、強風と赤道儀のガタにより星像がぶれてしまって使い物になる枚数が限られてしまったため、今回は長時間露光でのリベンジです。今回は新月期最後の晴れということもあり、平日にもかかわらず珍しく夜中の出撃です。場所は前回と同じ、自宅から20分くらいの富山と岐阜の県境のあたりです。


前回問題だったAdvanced VX (AVX)ですが、やはり赤経方向にガタがありました。簡易分解しただけでは原因はわからなくて、どうやらウォームホールあたりでカタカタします。上下方向や前後方向にガタは全くなく、回転方向のみのようで、クランプを十分締め付けても存在するようなガタです。バックラッシュなどのギヤのところではないようで、これ以上の調査は全分解に近いものが必要になりそうで、一旦は保留としました。おそらく風が強くなければ十分実用かとは思いますが、やはり心配なので、今回は新導入したCGEM IIでの出撃です。

AVXは車で運べるように、いつもきっちりプラスチックケースに入れてトランクに効率よく入るようにしてあるのですが、CGEM IIは大きいこともありまだ運搬の用意ができていなくて、玄関に組み上げて置いてあったものを三脚と赤道儀部だけ外して、後部座席にそのままポンと置いて積むだけでした。でもこの手抜きの運搬方法が意外に便利だということがわかりました。AVXはきちんとケースに入れるために、ウェイトバー、水平移動押しネジ、コントローラー台、コントローラーと、かなりの部品を毎回取り付け、取り外さなくてはいけません。何だかんだで、取り付けも取り外しも10分くらいはかかっているので、合計20分くらい損しています。さらに今回は三脚も押上げプレートを緩めるだけで外さずに後部座席の床にポイと置いただけなので、それも合わせたら、きちんと計っていたわけではないですが30分くらい実質得している気がします。実際の手を動かす手間も圧倒的に少ないのでずいぶん楽です。今度から遠征も二人までならできるだけ手間を省いて後部座席を活用しようと思います。

さて、CGEM IIの初の撮影への実戦投入になったのですが、まず驚いたことが安定度がこれまでのAVXと別物のように違うことです。AVXも普通に使うぶんには十分に安定です。それでもまずAVXのときはピリオディックモーションが避けられないので3分以上の露光ではガイドが必須でしたが、今回はノータッチガイドで焦点距離370mmで3分間、全く余裕でもちます。星像も完全にまん丸です。なので今回はガイドなしで行くことにしました。実は今回も風が相当強く、前回と同じか少し弱いくらいだったのですが、こんな風で大丈夫なのかというくらい星像が乱れませんでした。最初の頃はまだ風が弱く、最後撤収時には相当な風になっていました。それでも星像の肥大や偏心など画像を拡大しても目で見る限り差は感じられませんでした。

結局この日は強風にもかかわらず、安定して3分60枚を撮影したところで終了しました。平日の出撃でしたが意外なことに、車の中で3時間くらい眠ることができたので、次の日の仕事にはほとんど支障がありませんでした。自宅から20分という便利さも効いていたのかと思います。

さて、ここから画像をチェックしていきますが、2つの問題があることがわかりました。まず一つは、透明度が5月11日の方が圧倒的に良かったこと。撮って出し画像を比べればすぐにわかります。

GOOD_ANT_LIGHT_6D_180s_3200_+15cc_20180321-23h55m31s178ms
5月11日、透明度が良かった時



ANT_LIGHT_6D_180s_3200_+25cc_20180515-23h59m58s810ms
5月15日、透明度はイマイチでした。

赤道儀が違うだけのほぼ同じ条件ですが、前回の5月11日の方は最初から色が出ている一方、今回の5月15日のは撮って出しレベルでは全然色が出ていないことがわかります。前回が特別良かったのか、今回がたまたま悪かったのかまだよくわかりませんが、確かに星の数も天の川の濃さも前回の方がすごかったので、今回は晴れてはいたけれども少し霞みがかったような状況だったのかと思います。ちなみに、昼間見る立山の見え具合も比例して5月11日がよく、5月15日はイマイチだったので、昼間である程度の夜の透明度の予測はできそうです。

もう一つの問題点は、3時間という長時間露光なのでまたもや縞ノイズが出てしまったことです。前回のASI294MCの結論としては、ホットピクセルが多いので縞ノイズが出たということでしたが、6Dもやはり3時間クラスになると縞ノイズは盛大に出るようです。前回のAVXの時はガイドもやっていたのでついでにDitherもしていたのですが、今回赤道儀の安定性に頼ってしまいガイドをしなかったことが裏目に出たようです。ガイドなしで、BackYardEOS(BYE)単体でDitherができるのならASCOM経由でBYEとCGEM IIをつないでしまえばいいのですが、ここら辺はまだよくわかっていないのでまた調べてみようと思います。

light_BINNING_1_integration_DBE_shima
縞ノイズが盛大に出ています。 

いずれにせよ縞ノイズが出た場合はPixInsightの魔法のオプションで多少軽減できますが、やはりそれでも結構残ってしまうようでが、最初よりはかなりマシです。その際、Cool pixelの跡が残ってしまう問題がありましたが、

integration_DBE_cooltrajectory
縞ノイズは軽減されましたが、Cool pixelの跡がいくつも残ってしまっています。

integration_DBE_cooltrajectory_up
上の拡大図です。黒い筋がいくつも見えます。


このような時には、ImageIntegration時のオプションで消すことができることがわかりました。

Pixel Rejection(1)
  • Min/Maxをチェック
  • No normalizationを選択

Pixel Rejection(2)
  • Min/Max lowを5に

IMG_4550

のようなオプションにしたら、下の画像のようにCool pixel跡も無くすことができました。ただしこれはバッチ処理ではできないので、別個最後にやり直す必要があります。

light_BINNING_1_integration_DBE_min_color_shima2
縞も軽減され、Cool pixesの傷跡も無くなっています。


この状態で最後まで仕上げたものが一番上の画像になります。PixInsight(PI)の操作もすっかり慣れてきてストレッチまではPIで簡単に済ますことができるようになりました。前回も今回も撮影時に余分な時間があまりなかったので、フラットを取ることができませんでした。仕方ないので自宅でPCの液晶画面に、撮影時のカラーバランスがそこそこ再現できるように適当に色を出して、ISO100、1/20秒で多数枚撮影してPixInsightに放り込みました。前回作ったbiasもそうですが今回のflatも一度作ると同じ機材で撮っている限りISO、露光時間に限らず使い回しができるので便利です。というのも、PixInsightのDBE (DynamicBackgroundExtraction)機能がものすごく秀逸で、多少のカブリは物ともせずに除去してくれます。ただし、フラット補正を何もせずにDBEだけでは4隅に少し暗いところが残ってしまうなど、不十分なところが残りますが、これとて少しトリミングしたら十分見られるくらいにはなってしまいます。

PIが終わったら、あとはPhotoShopの出番です。いつも通り星雲を少しづつ炙り出していきます。この際いつも悩むのが、背景のボツボツです。緑が目立ちますが、青や赤の成分もあります。カラーノイズ除去などをしても、ある程度は軽減されますが色の波のようなものが残ってしまいます。滑らかなホワイトバランスが取れた背景を目指しますが、星雲とかの色を炙り出そうとするとどうしてもこのぼつぼつが目立ってきます。撮影時にコントラストよく星雲など撮れてればいいのですが、よほど空が暗くないところ以外どうしても付いてまわる問題なのでしょう。やはり撮影時にフィルターを使うのが解決策の一つなんでしょうか。何かいい方法はないものなのか、いつも悩むところです。

さて、今回処理したものと、前回の5月11日の画像を比較評価してみます。機材などの条件はほぼ同じ、透明度は前回のほうがいい、撮影時間は今回の方が3倍強です。結果はそれほど変わらないか、かろうじて今回の方がいいくらいでしょうか。でも縞ノイズでの悪化を差っ引いたらまあ等価くらいかと。3倍強の時間をかけても同じくらいということは、透明度が思ったよりかなり効いているということです。次回は透明度の高い新月期で、CGEM IIでDitherまでやってのリベンジを目指すことになりそうですが、果たしていつのことになるのか、今年中にチャンスは訪れるのか。

ゴールデンウィークもその前後も、忙しかったり、時間があると天気が悪かったりで全然星を見ていません。先週末の金曜日の午後、晴天でしかも久しぶりに時間が取れそう。ウキウキして準備をしようとしていたら、なんと夕方にドン曇りです。GPVでもずっと曇りの予想。一度は諦めたのですが、19時過ぎ頃になってちょっと薄曇りのところも出てきたので、ダメ元でもいいやと思い立って、久しぶりに娘のNatsuを誘って牛岳に行きました。雪が溶けた後、今季では初めてです。20時半頃には着いたでしょうか。でもついさっきまで曇っていたせいか、金曜なのに人っ子一人いません。それでも空は、うっすら雲はかかっていましたが、星はそこそこ見えていました。ただ、撮影できるほどではないので早々に切り上げて、以前目をつけていた富山の南の県境付近まで行ってみました。

車から降りると、なんとGPVの予報が大外れで空一面の星です。狭い道で、スペースはあまりありませんが、ちょうどそこだけ山が開けていて、360度そこそこ見ることができます。さすがに真北だけは富山の明かりでちょっと厳しいですが、北極星の上あたりからは十分に暗くて撮影にも支障なさそうです。まだ22時過ぎで時間もあったので、狭いスペースながら撮影を開始しました。今日の狙いはアンタレス付近です。あの赤、青、黄色の綺麗な三色を一度撮影してみたかったのです。準備を始める頃にちょうどアンタレスが山の上からのぼり始めていました。

アンタレス付近を全て入れようとするとかなり広域なので、FS-60CB状態にして焦点距離を短くします。撮影用にフラットナーをつけて焦点距離370mmとし、フルサイズの6Dで撮影しました。本当はレデューサーがあるといいのですが、まだそこまで予算が回っていなくて未購入です。いつか手に入れたいです。

さて、いつものように極軸からピント合わせ、ガイド開始と、準備も整ったのですが、一つだけ問題がありました。風がものすごく強いのです。車の中にいてもゴーゴーと風の音が聞こえます。それでもまあ仕方ないと撮影を開始しました。ISO3200で3分露光です。23時半くらいから、午前2時くらいまで、結構な枚数をとりました。が、後で画像を見ると、やはり風のせいでかなりぶれています。星像がまともなのは27枚撮って11枚でしたが、さすがにこれだとわずか30分ちょいなので、もう少しかろうじて使えそうな6枚ものを加えて仕上げたのが以下です。

light_BINNING_1_integration_DBE_color_stretch_PS2_cut
富山県富山市伏木, 2018年5月11日23時29分
FS-60CB + flattner + Advanced VX赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x17枚 総露出51分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
PixInsight、Photoshop CCで画像処理


それでも合計高々50分と短い時間なので、さすがに色を出すのが難しく、無理して色を出すとどうしても上のようにノイジーになってしまっています。特に赤を出すのが難しい。フィルターとか使うべきなのでしょうか?また、星像が伸びているものも加えたので、真円からずれてしまっています。本来、数時間くらいはかけていい領域です。いつかリベンジしたいと思います。(追記: 次の週の平日、早速リベンジしました。)

ちなみに、失敗した画像をよく見ると、どれもある一方向だけに一瞬だけぶれているので、どうやら赤道儀の赤経方向に少しガタがあるのではと疑いました。次の日調べて見ると、やはり赤経方向にカタカタします。これがなければ多少風が吹いていてももっと救えたはずなのに、非常に残念です。赤道儀は後日分解して見直してみます。

wind



とりあえず初めての場所でしたが、ここは自宅から20分くらいでとても便利なので、これからも気軽に来ることができそうです。撮影を終えて空を見上げると、天の川が綺麗に見えていました。
 

少し前のことになりますが、2018/3/13の平日、天気も良かったので久しぶりに撮影をしました。今回のターゲットはバラ星雲。

撮影機材はFS-60Qと6D。6Dは馬頭星雲に引き続き2例目になります。場所は平日なので自宅の庭です。撮影時は結構風が吹いていて、42枚撮影して使えたのは25枚でした。使えるか使えないかのセレクションはPixInsightの「SubframeSelector」を使いました。今まではデジカメの場合は一緒に撮ったjpgファイルを目で見て判別していましたが、CMOSカメラで撮ったものはfitsファイルしか出力されなくて、読み込みに時間がかかるなど判断するのが大変だったので、この機能は非常に便利です。後日別記事で使い方を書こうと思います。


とりあえず結果を示します。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS1acut
富山県富山市, 2018年3月13日20時53分-23時55分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x25枚 総露出1時間15分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
PixInsight、Photoshop CCで画像処理


実はバラ星雲は昨年1月と、3月に撮影しています。3月のものはさらに再加工したりもしましたが、その当時でも結構ボロボロと思っていたので、是非ともリベンジしたいものの一つでした。今回はカメラが6Dになったこと、PixInsightgをやっとある程度一通り通しで使ってみたこともあり、かなりマシになったと思います。それでも今改めてみるとまだ少し暗いでしょうか。


今回のバラ星雲の画像処理で新しい機能も試してみたので、メモがわりに書いておきます。以前の記事でPixinsightでかなり苦労したこと(その1その2)を書いたのですが、あれからだいぶん慣れたのと、やはり最初のころに書いた記事に間違いが見つかっているので、訂正しておきました。

実際のPixInsightでの作業ですが、今回はBatchPreProcessingの後、Linearステージの処理と、一部のNon Linearステージを試しました。方法については蒼月城さんのImage Processing Tipsを参考にさせていただきました。特に、Post Processingの動画の前編、星マスクについては後編がすごく参考になりました。

GOOD_LIGHT_6D_180s_1600_+17cc_20180313-21h15m37s174ms
撮って出しの画像です。ほとんど全く何も写っていません。


BatchPreProcessingの後に今回やったことは
  • 最初に「BackgraoundNeutralization」を使っての背景のカラーバランス。今回は初めてbiasフレームを使いました。PixInsightでは必須とのことです。
  • 次に「DynamicBackgroundExtraction」を使ってカブリ補正。
  • 「PhotometricColorCalibration」を使ってのカラーバランスを合わせます。
ここまでは前回の記事で書きました。今回新たに試したのは
  • 「ArcsinhStretch」を使ってのStretch。 (ステライメージやPhotoshopでいうレベル補正に相当)
  • 星マスクの作成として「MaskGeneration」→「RangeSelection」を使います。星マスクは星雲を含むバックグラウンドマスクと、微光星用と輝星用を合わせた星マスクの2種類です。星マスクを星の大きさ別に作って合わせるのはPhotoShopでやった時と同じですが、PixInsightだともっと楽に作ることができる印象でした。
  • 今回はここまでやって、後はPhotoShopに引き継ぎました。ストレッチまで終わった画像と、星マスクをPhotoShopに引き継いで、後は仕上げに入ります。星マスクはPhotoShopのアルファチャンネルに登録して使いますが、詳しくは以前星マスクを作ったページに書いています。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS
PixInsightからPhotoshopに引き渡す時の画像です。


こうやってみると、PixInsightの凄いのは個々の機能が秀逸なのと、それらが互いに有機的につながって仕上げに向けた画像を作り出せるところでしょうか。(これが一番大変なのですが)やり方さえ理解して、丁寧に作業すれば客観的にポテンシャルを引き出した画像ができるのかと思います。また、(方法さえ分かって入れば)星マスクを作ることが簡単なので、それを使うと仕上げも楽になることです。また、それぞれのオプションがすごく細かいので、きちんと色々試したい人にはものすごくいいのかもしれませんが、逆にこのことがとっつきにく印象を与えていることも否めません。

今回も自宅での撮影ですが、さすがに淡い天体になればなるほど光害が無視できず、無理があることもわかってきました。そろそろ暖かくもなってきましたので、また遠征撮影も再開したいと思います。



PixInsight Tips

最後はPixInsightで気づいたことなどです。
  • Canon 6Dを使っているのですが、デフォルトだと拡張子.cr2のRAWファイルを開いた時点でモノクロでなくカラーになってしまうようです。勝手にDebayerされているようでした。BatchPreprocessingのbiasファイルを処理するところでエラーが出てやっと気付きました。Pixinsightの画面の左のピンクの丸の「Format Explorler」か、メニューの「View」「Explorler」の「Format Explorler」で出てきた「DSLR_RAW」というアイコンをダブルクリック(これもわかりにくかったです)して出てきた画面で一番下の「Pure RAW」を押すと、RAWファイルを開いた時にBayer状態で開きます。BatchPreprocessingもうまく行くはずです。
  • Pixinsightではbiasフレームは必須。biasフレームはカメラにキャップなどをして暗い状態にして、最小露出時間で、lightフレームを取った時と同じゲインもしくはisoで、多数枚(50枚ほどは)撮影する。
  • バッチ処理のBatchPreprocessingですが、処理画面を開いてからCosmetic Correctionを忘れていると、再度一からやり直しになると思っていたのですが、左下の三角を枠外にドラッグ&ドロップしてインスタンスを作って置けば後から再度開くことができることがわかりました。ただ、開く時にインスタンスを右クリックして「Execute in the global context」を選ぶと物と画面に戻ることができて編集を再開できます。
  • BatchPreprocessingのためのCosmetic Correctionにはファイルなどを登録する必要はないようです。ファイルのところは空欄のまま、やりたいこと例えばホットやクールピクセル処理だけをどうするかを選んでインスタンスを作り、それをBatchPreprocessinsgの時に選べばいいです。
  • HistgramTransferFunctioでヒストグラムがほとんど真っ平らに表示されてしまってよく見えない。→ サチってしまっているピクセルを表示するとこうなります。HistgramTransferFunctioパネルの下から3分の1くらいのところの右に5つ並んでいるアイコンの、一番左のボタンを押して「サチっているピクセルを除去する」をオンにします。
  • CurveTransformationでヒストグラムの線が出ない場合 → 一番下の右の4つのアイコンの右から2番目のチェックマークをオンにする。
以前の記事もこれに合わせて幾つか訂正してあります。


さて今回M33を撮影したので、Pixinsightのバッチ処理に挑戦しました。ちょっとややこしいですが、多少癖がわかったのか、前回ほど戸惑うことはないです。

バッチ処理は「Script」メニューの「Batch Processing」->「BatchPreprocessing」を選ぶことから始まります。下のAddボタンを押してLightフレーム、Darkフレーム、Flatフレームなどを登録していきます。ここら辺まではいいのですが、最初はやはりなかなかうまくいきません。迷ったところをこれまた全部書いておきます。
  • Debeyerできない -> 右側のCFAimagesにチェックを入れるとできるようになる。
  • Cosmetic CorrectionのTemplate iconが選べない。-> これは特に分かりづらかったです。BatchPreprocessingに入る前に、あらかじめ「Preprocessing」の中から「CosmeticCorrection」を選び作っておく必要があります。前回の記事で説明したように、ファイルを選んで実行までしてから、(2018/3/22変更)CosmeticCorrectionでホットピクセル除去やクールピクセル除去のやり方を指定するだけでよく、ファイルまで選ぶ必要はありません。その後、CosmeticCorrection画面の左下の三角をクリック枠の外に出すと「Instance」が作成されます。これをBatchPreprocessingで指定するみたいです。「CosmeticCorrection」できたファイルを消したりしてしまうと、たとえインスタンスだけ残っていてそれを指定しても、エラーが出ます。
  • 「CosmeticCorrection」で一部の枚数だけ使って処理したインスタンスを使って、多数枚のLightフレームは処理できるのか? -> 問題なくできるみたい。でも、これで本当に全部のファイルのhot/coolピクセルが処理されているかは未検証です。念のため全Lightフレームを使って処理するようにしました。(2018/3/22変更)そもそもCosmeticCorrectionでホットピクセル除去やクールピクセル除去のやり方を指定するだけでよく、ファイルまで選ぶ必要はありません。
  • 一旦バッチファイルの画面を閉じてしまうと、選択したファイルも全てリセットされる。インスタンスを残しておいても、スクリプトファイルのソースみたいなのが出てくるだけで、元の画面が出てこない。 -> 仕様みたいです。何か回避策はあるのでしょうか?(2018/3/22追加)-> 左下の三角を枠外にドラッグ&ドロップしてインスタンスを作って置けば後から再度開くことができることがわかりました。ただ、開く時にインスタンスを右クリックして「Execute in the global context」を選ぶと物と画面に戻ることができて編集を再開できます。
  • ImageRegistrationのDrizzleの意味がわからない。 -> とにかくチェックしないとファイルが出力されない。最終画像も出ない。 (2018/3/22追加)->普通のDrizzleの意味で、解像度を上げるのですが、そのためのデータを出力するだけで、実際に出力ファイルの解像度が上がるわけではないみたいです。なので、チェックは外してもいいとのことですが、チェックしないとファイルが出力されないこともあったので、とりあえずチェックしてあります。
  • 星像が流れていないかなど、撮影後のfitsファイルの確認がしにくい。-> Canonカメラでの撮影の場合JPEGも残しているのと、RAWファイルのCR2形式はWindowsでもMacでも簡単にプレビューできるので便利。その一方、fits形式のプレビュー的なアプリはなかなかなく、今の所Pixinsightで全て開くしかない。 (2018/3/22追加) -> メニューの「Batch Processing」「SubframeSelector」というバッチ処理で星像の肥大度と偏心度などをみて自動判別するとても便利な機能があります。そのうちに解説します。
  • Lightフレームだけではダメみたいで、少なくともDarkかFlatかBiasが一枚はないとダメみたいです。
  • 右側の「Registration Reference Image」は必ず一枚Lightフレームを選ばなくてはならない。
  • Output Directoryも選ばないと怒られる。
  • Biasフレームは必要? ->  (2018/3/22変更) 冷却CCDとかでは必要みたいです。常温のCMOSカメラは?PixinsightではBiasは必ず取った方がいいみたいです。明らかに処理に差が出るようです。今回はとりあえず、よくわからないので撮ってません。調べてみるとBiasフレームとは、レンズにキャップをした状態にし、ライトフレームと同じISO感度かつ「最短シャッタースピード」で撮ったもののようです。簡単そうなので、次回撮影では撮ってみます。
  • Flatフレームもダークで補正されたほうがいいはずなのですが、実際に補正はされるのでしょうか?できたファイルからだけではよくわかりません。→ biasはFlatにもダークにも適用されます。FlatdarkはPixInsightでは必要ないそうです。
  • 実行前に「Diagnostics」ボタンを押すと、問題があるかどうかわかる。準備ができたら「Run」ボタン。
これで待っているとコンポジットされた画像が無事にできます。これ以降のバックグラウンドの処理などのLinear Stageの解説は次回に続きます。

今回も疲れてしまったので、ここからはいつも通りSteller Image8やPhotoShopなどで処理しています。

さて今回の処理はM33ですが、機材はFS-60QにASI294MCをつけて、Advanced VXをASI178MCと50mmのCマウントレンズを使い、PHD2でガイドしたものです。撮影はSharpCapで行いました。ASI294MCのゲイン270、各露光時間は5分間で合計25枚、計2時間5分になります。

そこそこの長時間露光になっているのですが、これを処理すると「縞ノイズ」が盛大に出てしまうことがわかりました。

light-BINNING_1


上の画像は、Pixinsightでバッチ処理でコンポジットした画像をSteller Image8に送り、「オートストレッチ」でホワイトバランスを整えてから、「チャンネルパレット」の「σ(1,3)」を押しただけの画像です。画像をクリックすると縦方向に少し斜めの線がたくさん見えると思います。実はこれまでも長時間撮影で何度か遭遇してボツにしてきた経緯があるのですが、そろそろ向き合わなければならない時期にきたみたいです。

この縞ノイズというのは、長時間露光の際に一般的に出てくる問題で、ガイドをしていても機材のたわみなどで少しづつ星像がずれていってしまうために起こるものです。実際、比較明合成で見てみると、縞ノイズの方向とずれの方向が一致しているのがわかると思います。

integration_maxtraced


ちなみに、Pixinsightで比較明合成をするには、原理的にはバッチ処理の中の「Image Registration」の過程を抜いてIntegrationすれはいいので、今回はバッチ処理でできたoutputファイルがあるディレクトリの中のcalibrated/light/debayeredの中のファイルを全て「Process」メニューの「Preprocessing」の「Image Integrartion」でコンポジットします。そうすると、上に示したような比較明合成画像が出来上がります。

さて、この縞ノイズをなくすには機材のたわみなどを極限までなくし、ガイドの精度を上げることなのですが、今回のズレも画像から計算すると2時間でわずか約40秒と決して悪いわけではありません。精度を上げる方向で攻めるのは普通は難しいので、ディザリングなどで撮影時にわざと規則的に画角を繰り返しずらしていくことで、縞ノイズの影響を少なくするような方法をとることができるようです。ここで一つ問題が出ます。今回の撮影でも使ったSharpCapだとディザリングは難しいみたいなのです。撮影の合間にずらして揺れが落ち着くまで少し待つということを繰り返すのですが、SharpCapの撮影は基本的に連続で、ずらしている間に露光を止めることができないようなのです。手持ちのEOSを使う場合はBackYard EOSとPHD2の組み合わせでディザリングももんだいなくできるようですが、CMOSカメラだとAPT(Astro Photography Tool ) などを使う必要があるみたいで、お気に入りのSharpCapが使えません。

ディザリングはおいおい考えるとして、Pixinsightで比較明合成の仕方を探る時に色々試していて面白いことに気づきました。Image Integrationのオプションの違いで明らかに縞ノイズの出方が違うのです。関係するオプションは2つで、「Combinarion」と「Normalization」です。全部のオプションを試したわけではないですが、Combinationでは「Average」と「Maximum」で明らかな違いがありました。またNormalizationではデフォルトの「Aditive with scaling」と「No normalization」でもCombinationと合わせると明らかな違いがありました。結果を画像で示しておきます。

まず、2つ上の画像と同じものですが、デフォルト設定でCombinationは「Average」、Normalizationは「Additive with scaling」となります。

light-BINNING_1
「Average」、「Additive with scaling」

次に、Combinationを「Maximum」に変えます。画像処理は上と同じでSteller Image8のオートストレッチとチャンネルパレットのσ(1,3)のみです。

integration_Maximum_Additive_with_scaling
Maximum」、「Additive with scaling」

明らかに縞ノイズが減っているのですが、少しわかりにくいかもしれません。

次にデフォルトの設定からNormalizationを「No normalization」にします。Combinationは「Average」のままです。に変えます。

integration_Average_No_normalization
「Average」、「No normalization

これは一見ほとんど同じに見えるかもしれません。

最後に両方ともデフォルトから変えて、Combinationを「Maximum」に、Normalizationを「No normalization」にします。

integration_Maximum_No_normalization
「Maximum」、「No normalization」

それでも縦縞はまだ残っていますが、こちらはパッと見ただけでわかるくらい縦縞が減っています。

比較した画面です。

comp

こうやってみると、元の画像に細かいノイズがのっかただけのように見えないこともないです。それでもその後の処理では大きく違うこともわかりました。実際に「Average」、「Additive with scaling」とMaximum」、「No normalization」を比較する意味で、真面目に画像処理してみました。画像をクリックして拡大してみると結果は一目瞭然です。(追記: 次の日見たら後者の方がぼかしてあり比較するのにあまり適していなかったので、処理を同じようなものに合わせました。)

light-BINNING_1_SI3
「Average」、「Aditive with scaling」


integration_Maximum_No_normalization3c

「Maximum」、「No normalization」

処理をしていても、デフォルト設定の「Average」、「Additive with scaling」方は縞を消さなくてはいけないと思い、かなり不自然な処理になってしまっています。それでもまだ全然消しきれていません。一方、Maximum」、「No normalization」の方は処理中も縞をほとんど気にすることなく、画像処理に集中できます。もちろん完全に縞ノイズが消えているわけではないです。また、他のパラメーターでさらに改善する可能性もあるかもしれません。


Pixinsightはまだ使い始めたばかりで右も左も分からないので、今回の試みがごくごく一般的なテクニックなのか、それともあまり知られていないものなのかもよくわかりません。洋書の「Inside PixInsight」は買ってあるので、該当する箇所を読んでみたのですが、大したことは何も書いていなくて、Combinationに関しては「Averageを使え」だけです。Nomalizatioinに関しては、ある章では「バイアスを履かすのを保つためにNo normalizatoinを選べ」とかいてあって、別の章では「Additiveは少なくとも使え、Scalingは露光時間が違う場合は使ったほうがいい」とあるくらいで、ほとんど中身の説明はありません。ヘルプのドキュメントをよく読めとも書いてあったので読んでみました。ヘルプの方が確かに少しマシですがそれでも「Averageは一番いいS/Nになる」くらいと、「NormarizationはバックグランドをScalingはばらつき具合を合わせる」というくらいのことしか書いてありません。「ScalingはS/Nを良くする」とも書いてあるので、もしかしたらS/Nを良くするというところの処理が悪さをして、縞ノイズが出る出ないに関わっているのかもしれません。何れにせよアルゴリズムは不明なので、どのような処理をやっているかがわかるようなレベルではないです。

それにしてもPixInsight奥が深すぎます。かなりブラックボックスです。まだしし座のトリプレットの未処理画像が残っているので、引き続きもう少し触ってみます。








先日自宅の庭で撮影した馬頭星雲と燃える木がかなり冴えなかったので、色々見直しました。

まず画角ですが、APS-Cサイズの60Dだとできた画面を見ていても無理に入れ込んでる感じでイマイチ迫力がありません。これはフルサイズにした方が良さそうです。ということで、9月にハヤタ・カメララボでなぜか一台だけ他より安くで出ていたHKIR改造済みのEOS 6Dを初投入です。

6Dですが、バッテリーが60Dと共通なのと、以前なぜか60D用と6D用を間違えて買ってしまったレリーズが余っています。まあそのうちレンズが欲しくなるのでしょうが、今のところ他にあまり買い足すものもなく使えるので便利です。バッテリーはこれまで2つあったのですが、さらに一つついてきたので3つを使いまわして6Dと60Dを使うことになりそうです。

ピント合わせや初期アラインメント時に、付属モニターのライブビュー画像で明るく星を見たいので、X5と60Dに引き続き今回もMagic Lanternを6Dに導入しました。完全自己責任ソフトなのですが、まあ中古で安く買っているので、あまり気にしないでガンガン使い込んでいきます。以前X560Dで比較で試した、付属モニターライブビュー画像での電視も試して見たいですが、それはまた今度の機会とします。

11月27日、この日は風もなく空に雲もほとんどない非常に綺麗な空だったので、平日だったのですが、リモート撮影であとは寝てればいいかと思い撮影を敢行しました。先週末に試した60Dでのリモート撮影の状態を崩さずにとっておいたために、最初のセットアップも短時間ですみます。なのでいつものFS-60QをAdvanced VXに載せ、これに6Dをとりつけたものになります。

月が沈む0時頃から撮影を始めました。HDR合成用に3秒露光のものを10枚、あとは180秒の枚数をできるだけ稼ぎます。感度はとりあえずこれまで60Dで使っていたISO3200で試しました。アラインメントをして撮影が始まってしまえば特にすることもなくなるので、明日が仕事ということもあり、そのままベッドに入って寝てしまいました。

さて朝起きて確認してみると、午前2時半頃まではうまくいっているのですが、後は流れていってしまっています。結局天頂を超える前に撮影を始めて、天頂を超えてある程度は持っていたのですが、限界がきて追尾できなくなってしまった様です。これは失敗でした。

もう一つわからなかったのが、PHD2で「最大撮影時間を過ぎた」みたいなメッセージが英語で出ていたのですが、これの変更方法がわかりません。以前もこれで撮影が中断されたことがあったので、なんとか解決したいのですが、マニュアルを見てもイマイチどこを触ったらいいかわかりません。

あと、先週は風が強くてぶれまくっていて、精度面で修理できたかどうか判断を先送りしていたAdvanced VXですが、写っている画像を見ている限り星は全て円像に写っていて、壊れたAdvanced VXは精度面においても直ったと言っていいと思います。後は修理に使ったM2.6のネジを太くして本数を増やすことで、強度面でも元の性能に近いものに戻ると思います。


さて、この日はダークもフラットも何も取らなかったのですが、ライト画像は衛星が写り込んでいるものをカットしても34枚、一枚3分なので計1時間42分が使える画像になりました。試しに10枚だけステライメージ8の自動処理で簡易画像処理をして見たのですが、これだけでも先週末の60Dよりはるかに綺麗に撮れていることがわかりました。こうなってくると欲が出てきて、ダークとフラットも撮影したくなります。次の日、また平日ですが懲りずに撮影し、それも込みで処理したのがこれです。

HORSE_LIGHT_6D_180s_3200_+7cc_20171128-00h09m41s_x34_PS_photo
富山県富山市, 2017年11月28日0時12分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x34枚 総露出1時間42分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理


前回の冴えないのと比べると、雲泥の差です。この原因は何かと考えました。風がなかったのは一因ですが、星雲の明るさには関係ないはずです。雲が少なくて透明度が高かったことはまずあると思います。後は60Dと6Dの差でしょうか。いろんな人から6Dはノイズが少なくていいと聞くのですが、その噂はやはり本当みたいです。今回は撮影した日時も違うので条件が合っていなくて何も結論めいたことは言えませんが、条件を限りなく同じにして、60Dと6Dで定量的に比較してみたくなりました。


追記: 後日画像処理をし直して、もう少しおとなしい色合いにしました。





 

自分で修理したAdvanced VXのテストの一環として、カメラ撮影を試してみました。2017年11月25日の晩、対象は月が沈んだ頃に出てくるオリオン座が一晩中いるので、その中の馬頭星雲と燃える木。テスト撮影なので、色々試せるように自宅の庭での撮影です。

月が沈むまでに時間があったので、ついでに冬場の寒さに備えての家の中からのリモートコントロールを試しました。Advanced VXとCarte du CielとAstro TortillaをASCOMでつないでの自動導入とPlate solvingです。この組み合わせは春の寒いうちにやっていたことがあるので、その再テストになります。前回の記事で書いたように、Windows10に色々問題点もあったのですが、その甲斐あって夜のテストではほとんど問題なく導入と、BackYardEOSから画像を撮って、AstroTortillaが解析、さらにCarte du Cielへのフィードバックアラインメントの自動補正で、またBackYardEOSから画像を撮ってAstroTortillaで位置の再確認まですることができました。このおかげで自動導入の精度に全く困らなくなるので、暖かい家の中から導入から撮影まで安心して実現でき、非常に快適です。


さて、実際の撮影ですが機材はCarte du CielやStellariumで持っている機材の場合の画角を調べるとFS-60Q(焦点距離600mm)にAPS-CEOS60Dの組み合わせが良さそうです。実は9月に改造版の6Dを購入しているのですが、未だに使うチャンスがありません。MagicLanternもインストールして準備はできているのですが、使い始めはいつになることやら。ということで結局いつものセットアップで進めます。

AVXですが自動導入までは志摩でのテストで心配ないことはわかっているので、今回は実際にガイド撮影をしてのテストです。ところがこの日はものすごく風が強く、そのせいかわかりませんが、赤緯側に分単位の周期的な変動があります。壊れたのは赤経側ですが、もしかしたら偏心みたいな影響があるのかもしれません。それでも撮影している画像を見る限り、ほとんど流れたりすることはなく、むしろ風の影響のブレが大きいくらいでした。どれくらい風が強かったかというと、午前1時頃に撮影を始めてから眠ってしまったのですが、朝4時頃にあまりの風の音に目が覚めて心配で外に出たら、セットしてあったテーブルが風で遠くに吹っ飛んでいってしまっていました。色々置いてあったものも散らばっていて、写真を見てみると結局午前2時半頃以降はうまく撮れていなかったようです。まあ、三脚が倒れなかっただけでもよかったかもしれません。それくらい風が強かったので、ダークもフラットも撮る間も無くすぐに撤収しました。

というわけで画像処理したものですが、風でブレているものと薄雲がかかっていた分を除くと3分x13枚と大した枚数は稼げずに、粗い画像となってしまいました。もう少し色が出るかなと思ったのですがこれ以上出すと背景のノイズばかりが目立ってきます。自宅だとこれくらいが典型的なのかもしれません。やはりこれ以上は暗いところに遠征に行かざるを得ないみたいです。

New5b

富山県富山市, 2017年11月26日1時24分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出3分x13枚 総露出39分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理



さて、壊れてなんとか自分で修理したAdvanced VXですが、ガイドでも一応撮影に耐えうるくらいは動くみたいです。ただ、赤緯の周期変動が気になるので、今一度風のない日に試してみようと思います。

(追記: 2018/2/920187/2/17に赤経の回転が噛んでしまいました。さらに修理です。)





やっと秋らしくなってきて天気がいいので、もう先週になりますが、2017/9/24に撮影を敢行しました。

この日は外でバーベキューをしていて、実は途中結構雲があったので、次の日が仕事なこともあり、雲の間に電視でも気楽に思っていたのですが、どんどん雲がなくなってきてあわてて21時頃から準備を始めました。ターゲットもあまり決めていなかったのですが、ギャラリーに飾りたいこともあり、もう少し星雲の種類を増やしたくて、これまで撮ったことのない白鳥座の三日月星雲に決めました。


今回の反省です。
  • ガイド用のカメラを普段使っているASI224MCからピクセルサイズが小さいASI178MCに変えてみました。224MCの方を電視に使いたかったのもあるのですが、もちろん精度が良くなると思ってピクセルサイズが小さい方にしてみたのです。ですが、やはりパラメーターの合わせこみが十分でなく、おそらく感度不足によるターゲット星の位置精度が悪いこと、フィードバックゲインの調整が不十分で、ややオーバーダンピング気味になっていたことなどで、結局精度は悪化しました。次の極軸も原因ですが、丁寧な合わせこみが必須と実感しました。
  • ガイドがあるからいいやと思って、極軸は極軸望遠鏡のみで結構適当に撮ったのですが、これが原因で赤経の一方向のみにずっと星が移動し続けていて、ピリオディックモーションと相まって、ちょうど同位相で動くときにすごく動き、ガイドが追いつけなくて星像が流れるということが起きました。逆位相の時はうまく打ち消しあってまともな星像になります。結局半分くらいが流れて使えなかったので、極軸はやはりきちんと取るべきだと反省しました。普段Sharpcapで1分くらいまで合わせ込むのが結構重要だったようです。
  • 時間がなかったので、構図が少し甘かったです。三日月星雲が少し左に寄ってしまいました。

いかに準備を手際よく済ませて、かつ精度を出すというのが今後の課題になってくる気がしました。この観点から考えて、今回良かった点は、
  • FS-60Qに変更してEOS 60Dを取り付けてピントを合わせてから、一度も外していないためピントが固定されていていちいち合わせ直す必要がないことです。これは時間短縮に大きく繋がるので、カメラを装着したまましまえて、なおかつ車のトランクにもコンパクトに入るケースが欲しくなってきました。
  • 撮影中に眠っておいて、目が覚めた際にその都度切り替えたので、ダークやフラットもフルで撮ることができ、かつ十分な睡眠時間が確保できました。フラットは今回も
  • 自宅の庭の場合、FS-60QだとISO3200で120秒でヒストグラムのピークがほぼ半分くらいまできます。ここを標準にするとダークフレームや上手く行くとフラットフレームも溜め込んで使い回すことができるかもしれません。自宅撮影の場合は撮影場所もマーカーを置いて固定してしまう方がいいのかもしれません。

実際に画像処理をしてみると、2分間露光をわずか19枚しか使うことができず、細部も出ずにノイジーと厳しい結果となりました。ほとんど価値なしです。一応反省の意味を込めて載せておきます。

「NGC6888 三日月星雲」

NGC6888_120s_3200iso_+23c_20170924-22h11m_x20_di_ps_a

富山県富山市, 2017年9月24日22時14分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x20枚 総露出40分, dark, flat処理
f50mm+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理


やはりこのような淡い天体は、自宅のような光害の酷いところでは難しいようです。少なくとももっと時間をかける必要がありそうです。この日のいろいろな反省点もあり、次の日はもう少し撮影に時間をかけることができました。これは次の記事に書きます。

バーベキューの時の写真と、電視でのM27の画像をそのまま撮影したものも載せておきます。

IMG_2789



IMG_2792


台風一過の2017/9/18、透明度に期待して撮影を始めました。次の日仕事なので、遠出はせずに自宅での撮影です。途中までは良かったのですが、結局雲が出て来てあえなく断念。撮影時間は2分x12枚のわずか24分。そのため頑張って処理をしてもさすがにこれくらいが限界です。


「網状星雲」

VELI_120s_3200iso_+25c_20170918203232_x12_digi_ps_level_photo

富山県富山市, 2017年9月18日20時34分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x12枚 総露出24分
f50mm+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理


輝度の高いところは出ていますが、淡いところはほとんど出ていません。またノイジーなのも否めません。

先日の北アメリカ星雲はFS-60CBにフラットナーをつけてf=370mmの広角で撮ったのですが、どうしても周辺が流れてしまいました。そのため今回はFS-60Qに戻してf=600mmの多少狭い範囲で撮影しているのですが、やはり周辺は流れません。やはりFS-60Qにするためのエクステンダーの性能がいいのでしょう。実質3枚玉になるようなものです。この結果は「デジタル点写真のための天体望遠鏡ガイド」のスポットダイヤグラムで見比べたとおりなのかと思います。

でも網状星雲は全体像を見るためにも、もう少し広角で撮りたいというのもまた事実です。FacebookでHUQさんからモザイクを勧められました。もう少しいろんなものを撮ってからと思っていますが、少しモザイクにも手を出したくなってきました。

さすがに今回の写真は撮影時間が足りていないので、そのうちにリベンジしたいと思います。
 

先週本当に久しぶりに月のない時に晴れていたので、撮影をしました。と言っても平日なので、自宅での撮影です。ターゲットは北アメリカ星雲。FS-60CB+flattenerで少し広角を狙いました。

19時頃から月が23時頃に出るまでの4時間が勝負だと思ったのですが、撮影を始めたのが20時半頃、22時半前には雲が出て来てしまい、結局約1時間分しか撮影できませんでした。

ひとつめのポイントは6月に参加したCANPでの講演での話を参考に、フラット画像をその場で鏡筒にコンビニ袋を被せて取るようにしてみました。以前フラットの検証をした際に、どうしても4隅で一致しない部分があり謎でした。CANPの講演の中に一緒の場所で撮るのが一番いいとあったので、そうか!周りの光源の影響があると、iPadとかのLED光ではズレは残ってしまう可能性があるにかと納得できたからです。実際の撮影では、雲が明るいせいか、フラット用なのになぜかすごく赤側に寄るのでうまく補正できるか心配だったのですが、フラット補正の後必ず行なっていたステライメージでのカブリと周辺減光の微調整をほとんどする必要がなかったので、うまくいったような気がします。また、フラットが一致すればするほどあぶり出しを攻めることができるはずで、下に示す仕上がり具合を見ても、撮影時間の割に結構色も出ているので、このその場でフラットを取るという方向が正しそうだということがわかります。

2つめのポイントは、今回画像処理に初めてSteller Image 8(SI8)を使いました。これもCANPでデモを見てそれほど悪くないと思ってバージョンアップしたのですが、今回やっとインストールして使ってみました。SI8では処理の自動化が売りなのですが、これだとやはりやれることが制限されてしまうようで、結局従来の詳細モードで処理しました。詳細モードでやっているぶんにはSI7とほとんど変わりはない印象です。彗星とかを処理するときは結構すごいらしいので、将来彗星に手を出した時の楽しみにしておきます。

他はこれまでの撮影方法、画像処理方法とほぼ同じで、HDRのために3秒の画像も撮っています。できあがった画像です。

「北アメリカ星雲」

NORTH_60s_3200iso_+27c_20170913-20h36m_x55_digital_ps_HDR3


富山県富山市, 2017年9月13日20時38分
FS-60CB+flattener + Advanced VX赤道儀
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出1分x57枚+露出3秒x30枚 総露出58分30秒
f50mm+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理


  • よく考えたらHα系の星雲はバラ星雲以来で、前は色を出すのに苦労したのを思い出しました。なので今回少し色を強調してみました。ちょっとどぎつくなり過ぎかもしれませんが、色が出るのが面白くて少し調子に乗ってしまいました。
  • 周辺が少し流れています。やはりFS-60Qのエクステンダー付きで撮ったものよりも、FS-60CB+flattenerの方がどうしもて光学設計上見劣りするのは、以前本で読んだ通りみたいです。
  • 所詮1時間分の短時間撮影なので、ノイズ分が消しきれていなくて、特に右半分の淡い赤色のところに粒状感が残ってしまっています。もう少し長い時間をかけて撮りたいといつも思うのですが、準備に時間がかかったりでなかなか難しいです。一枚に10時間以上撮っている方もいらっしゃるのですが、単純にすごいと思ってしまいます。
  • こもれ同様ですが、所詮富山の自宅の庭で、都会よりはマシとはいえ、ベストの場所からは程遠く、どちらかといえば光害地と言ってもいいくらいです。今回も60DのISO3200で1分間でヒストグラムのピークが半分くらいまで来てしまうくらいです。

いろいろ反省点はありますが、逆にいえば自宅という手軽な環境で、わずか1時間でこれだけ色が出たのは、元々の「星雲とかも撮ってみたい」というお気楽な希望から考えたら、ある意味満足です。


  

 

このページのトップヘ