ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 星団・星雲

QBPを使った宅撮りシリーズ、今回はオリオン座の三つ星付近です。FS-60CBにレデューサーをつけて広範囲を狙い、燃える木、馬頭星雲、M42と、派手やかなエリアです。

連休最終日で次の日仕事でしたが、せっかくの晴れ。今週またずっと雨か雪みたいなので、ちょっと無理して撮影しました。無理してと言っても、最近自宅で撮影することが多いので、セットアップもルーチン化してきていて結構楽です。

今回も最初に結果を出しておきます。

light_BINNING_1_integration_DBE_DBE_noise_PS3_cut
左の三つ星が印象的です。


機材セットアップ

先日購入したレデューサーを早速使ってみました。
  • 鏡筒: タカハシ FS-60CB (口径60mm, 焦点距離355mm) + 0.72倍レデューサーで255mm
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO800、露光時間5分x18枚 + HDR合成のためISO800、3秒 x 20枚を追加、計1時間31分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • フィルターサイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 日時: 2019年1月14日、22時31分から
  • 月齢: 8.5(上弦)
一つ大変だったことが、レデューサーをつけると最初全くピントが合わなかったことです。私が持っているのはFS-60Qなのですが、シリアル番号にDEMOと書いてある試作機のようなので、もしかしたらFS-60CB状態にしてもピントがでないのではと一瞬疑ってしまいました。

結局原因は下の写真の手前に写っている、2cmくらいの幅の延長アダプターです。FS-60Qを手に入れた当初、上下でガイドカメラとか赤道儀の固定を楽にしたいので、K-ASTECの鏡筒バンドを取り付けて、以来ずっとそのまま使っていました。鏡筒バンドの内径がちょうど先の延長アダプターの外径でぴったり止まります。それ以降外したこともなく、すでに一体化していたこのアダプターの存在を完全に忘れていて、そのままレデューサーをつけると、鏡筒の長さが長くなりすぎることがピントがでない原因でした。

IMG_6192


でも単純にこの延長アダプターを外すだけかというとそうでもなくて、撮影には必須のカメラ回転アダプターをつけると、そのネジが鏡筒バンドに当たってしまい、簡単にカメラを回転できないのです。接地面積を下げてしまいますが、鏡筒バンドを固定する位置を少しずらして、さらに一回一回鏡筒バンドのネジを緩めることで、やっと回転させることが可能になりました。

それでもこれまでみたいにあまり気楽に回転できないことは大きな痛手です。最初に0度か90度かに固定してそのままその日は使うとかになるかと思います。


初レデューサー撮影

今回の主役はFS-60CB専用のレデューサーでしょう。範囲が相当広くなるためどこを写そうかずいぶん悩みました。最初、赤以外のものも写してみたくて、画角がピッタリ合いそうな魔女の横顔を写そうとしたのですが、一枚写してやはりほとんど出ないことがわかったので、諦めてまともに写りそうで、見栄えのいいオリオン座の三つ星エリアにしました。

一枚試しに写してびっくりしたのが、ずいぶん明るくなることです。F値が4.25と低くなるので当たり前といえば当たり前なのですが、そのためにISOを800まで落としました。ちょうど上弦の月で半月だったのですが、QBPのおかげでそれにも負けずに十分出てきます。


画像処理

前回のモンキー星雲の時と同じPixInsightが中心です。今回大きく変えたところが、ArcsinhStretchを使わなかったところです。ArcsinhStretchは彩度を落とさずにストレッチできる便利なツールですが、どうもこのArcsinhStretchが赤飛びを引き起こしていたみたいです。ScreenTransferFunctionとHistgram Transformationであえてオーソドックス?な方法で彩度を特に出さずにストレッチしました。PixInsightの時点ではとにかく赤飛びを出さずにPhotoshopに渡して、Photoshop上で彩度を含めて仕上げをしています。結果は最初に示した通りになります。

はっきり言って自宅でとったと思えば、私くらいのレベルではもう十分満足です。ぱっと見は全然気にならないレベルですが、やはりスターベースで教えてもらった通りレデューサーの影響なのでしょう、四隅を拡大してみると点像にはならないようです。ここら辺がどこまで修正できるかが次の課題でしょうか。


今回のまとめ

レデューサーでやっと広角で撮影できるようになりました。強拡大して四隅とかの粗探しさえなければ十分満足です。半月でさえもここまで撮れるのはQBPのおかげでしょう。QBPはかなりいいです。だんだんテスト撮影というよりは、量産期に入ってきたような感じです。

分子雲もなんとか出るようですが、もっと淡いものはどこまで出るのでしょうか?自宅で撮影可能なのでしょうか?ここら辺も試してみたいところです。
 


1月9日、ここ最近の北陸の冬本当にめずらしく晴れ渡っていて、透明度も高そうだったので、新月期ということもあり平日ですが撮影を試みました。でも次の日は東京行きで始発に近い新幹線で移動です。あまり無理はできないので、撮影開始後できるだけ放っておけるようにセットアップしました。

最初に結果を示しておきます。ベテラン勢から見たらまだまだかもしれませんが、私としては自宅からこれだけ写るなら結構満足です。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS_PS5





目的

今回の目的は、撮影はもちろんですが、月が出ていない時のQBPの効果を知ることです。

満月の日の撮影では、露光時間が約4倍に伸びました。月明かりが太陽光の反射で白色光と仮定した場合に、QBPの波長領域から考えた光量変化からの露光時間の伸びの予測4倍と、よく一致しました。

今回は新月期で、月の光がない場合にQBPで街明かりがどれくら除去できるかを見たいというのが目的の一つです。


ターゲット天体

ターゲットはいろいろ迷って、今のFS-60Qの焦点距離600mmとフルサイズの6Dの画角で撮りやすいものを考えました。計画の段階ではクラゲ星雲だったのですが、これをなぜか間違えてパックマン星雲を導入して明るい北西の方向を指してしまい、あれ?あんな方向だったかなと思い、さらになぜかクラゲに行く前にすぐ隣のモンキーを見たら気に入ってしまい、モンキーに決定。モンキーとクラゲをいっぺんに入れることも考えましたが、画角がギリギリなのでこの日はモンキー一本に決めました。フラットナーを購入したので、モンキーとクラゲの同時撮影はまたいつか試したいと思います。

でもなんでこんなことを書くかというと、最近はplate solvingがひたすら快適で、位置決めがものすごく簡単にしかも精度よく、再現性もありで進められるので、途中で迷っても全く問題ないからです。最初のラフな導入から、EOS6Dでの自動撮影、plate solvingでの解析と座標決定、ずれの赤道儀の位置へのフィードバック、再撮影と解析まで、全部リモートでできます。最近のASiairが羨ましくてまたplate solving始めたのですが、あまりに便利なので、そのうちにまとめ記事にでもしようかと思っています。


機材セットアップ

最近は自宅セットアップはほぼ固定です。でも先日のスターベースでフラットナーとレデューサーを購入したので、これからはちょくちょく入れ替えての撮影になると思います。
  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間5分x25枚、計2時間5分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • フィルターサイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 日時: 2019年1月9日、21時半頃から
  • 月齢: 3.4


撮影

さて実際の撮影です。その日の家族との夕食を振り切って三日月の地球照の撮影をしたのは前回書いたのですが、家族が食べ終わった後に戻って、一人寂しく夕食をとり、その後赤道儀を設置して撮影開始です。

外でのセットアップは、SharpCapでの極軸と、BackYardEOSでのピント合わせ、CGEM IIでワンスターアラインメントでの初期アラインメントだけです。あとは外でやることはないため一旦自宅に入ります。撮影もStick PCを用いてRemote Desktopで繋げているため、自動導入とPlate Solvingでの座標決定まで含めて、自宅でヌクヌクしながらなので非常に快適です。

実際の撮影ですが、露光時間を決めるためにいつも撮影しているくらいの設定として、ISO3200で露光時間3分で一枚撮ってみたのですが、まだまだ全然暗いです。とりあえず5分露光で写してみてびっくりしました。下がその撮って出しJPEG画像でなんの加工もしていないものです。すでにこんなにコントラストがあります。

LIGHT_6D_300s_3200_+3cc_20190109-22h27m23s267ms

背景の明るさをみると、まだ露光時間を伸ばせそうですが、5分でも私のこれまでの撮影の中では最長の部類に入るので、成功率を上げるために今回は5分で行くことに決めました。

ちなみにQBPフィルター無しの場合は、今回撮影することができませんでした。理由はフラット画像をその日のうちに撮る時間がなくて、フィルターを外してしまうとフラットが合わなくなる恐れがあったからです。その代わりに1年ちょっと前に撮った馬頭星雲が、同じ鏡筒、同じカメラ、同じ場所で、この日も月はなく透明度が良かったと覚えているので比較してみます。露光時間だけは違っていてこの時は3分で明るくなってまって、これ以上時間を伸ばそうとは思えなかったです。こちらも撮って出しJPGでなんの加工もしていません。

HORSE_LIGHT_6D_180s_3200_+10cc_20171128-01h26m49s143ms

見ての通りフィルター無しでははるかに明るくて、Photoshopで両方の背景を測光してみると、馬頭星雲の方が今回のモンキー星雲に比べて、ほぼ2倍明るくなっています。露光時間が5分と3分で、明るさが2倍なので、2 x 5/3 ~ 3倍となります。言い換えると、QBPのおかげで光害は3分の1程度に抑えられ、露光時間でいうと3倍時間をかけることができるということです。

実はもう少し改善されるのかと思っていましたが、この値は光源の種類や、光害のひどさに強く依存します。3倍くらいしか変わらなかったということは、逆にいうとそれほどひどい光害地ではないということが言えるのではないかと思います。

撮影ですが、次の日のこともあるので、23時くらいから仮眠をとりました。午前2時頃起きて片付けたのですが、後で見てみると0時過ぎで赤道儀が端まで行ってしまっていたみたいで、30枚中5枚が失敗でした。それ以前の25枚は星像を見てもほぼすべて点像で、全部成功。赤道儀がきちんと動いていた時だけ考えたら100%の成功率です!


画像処理

問題は画像処理でした。明るい恒星が赤でサチッてしまいます。赤だけ考えたらすでに露光時間が長すぎるか、ISOを落とす必要があるかもしれません。一方、青と緑は全然余裕があるので、例えばIRフィルターを入れて恒星の赤のサチりを抑えるとか、HDRように短時間露光の画像を撮っておくことなどを考えた方がいいのかもしれません。

実は関東に行っている間に、Light画像と以前撮ったBias画像だけで一旦処理したのですが、やはり周辺減光の影響が見られたので、自宅に帰宅して時間に余裕があった今日、PCの画面を元にフラット画像を撮影して再度処理をすることにしました。リニア処理は基本的にはPixInsightです。Ditherしているので、Dark補正はしていません。Integration後、DBEでカブリを取り、PCCで色合わせをしました。フラット画像は別で撮っているので、空からくるカブリはどうしても残ってしまいますが、私はPixInsightのDBE (DynamicBackgroundExtraction)で困らないレベルになります。ストレッチはAS (ArcsinhStretch)である程度出してから、Photoshopに引き渡しました。

問題はPhotoshopに引き渡す時点で、すでにいくつかの恒星が赤飛びしてしまっていることでした。いろいろ考えたのですが、Photoshop上でRedとGreenの差の絶対値を取り、星マスクを作ることで赤飛びしている星だけをうまく引き出すことができました。色バランスがずれてしまっていやなのですが、今回は仕方ないので、このマスクを使って赤飛びしたところを抑えました。こうして仕上げたものが、最初の画像になります。


QBPフィルターについて

今回は月が出ていなければ、QBPがあると自宅の庭の場合3倍ちょっとの露光時間を稼ぐことができることがわかりました。赤飛びなどの画像処理は多少苦労しますが、個人的には庭撮りでこのクオリティーなら、もう相当満足です。

新月期の休日前には遠くに足を延ばすかもしれませんが、月が出ていたり、新月期でも平日ならもう庭撮りで数を出した方が全然満足度が高いです。QBPフィルターがなければ、とてもではないですがこのような感想にはならなかったと思います。

自宅取りの見通しが出てきたので、もう少し真面目に撮影に取り組む気になってきました。先日フラットナーとレデューサーを手に入れたのも、このQBPの影響が大きいです。


クリスマスイブ。連休の最終日です。昼間は雲が多かったのに、なぜか夜は全面晴れ。次の日仕事でしたが、今週から雪らしいのでもうチャンスもなかなかなくなると思い、家族とのクリスマスパーティー後、下の子の「トランプやって!」の声を振り切って、21時頃から庭に機材を出しはじめました。この日の目的は、前回からの引き続きでQBPのテストです。満月後わずか2日目、まだまだ空は明るいです。一昨日のQBPのテストは輝度の高いM42オリオン座大星雲でしたが、もう少し淡い星雲はQBPでどのくらいまで撮ることができるのか見極めるのが今回の目的です。 


ターゲット天体

あまり夜遅くなると次の日の仕事に響くので、ターゲットは一つとしました。画角に当てはまることと、そこそこ淡く、月にそこまで近くないという条件から、
  • IC405 勾玉星雲とIC410
としました。それでも月から40度角ないくらいなので、比較的明るい領域と言えます。


機材セットアップ

 前回と同じセットアップです。ほとんど組み直すことなく使えるのですぐにセットアップできて楽です。
  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間3分x10枚、2分x11枚の計52分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • フィルターサイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
  • 日時: 2018年12月24日、22時頃から
  • 月齢: 17.2

撮影

前回のM42はISO1600、露光時間1分くらいが限界でしたが、今回はISO3200、露光時間3分での撮影が可能でした。ISOで2倍、時間で3倍で、前回と比べて計6倍明るく撮れている計算になります。
  • 月が満月よりは少し暗くなったこと、
  • 以前より月からもう少し(10数度角くらい)離れていること、
  • 色温度を6000度にして、青を落としてRGBのバランスをとったため、サチルまでに余裕が出たこと
などが理由かと思います。

露光時間を取れたのはいいのですが、その代わりに星が流れてしまうのでガイドありでの撮影になりました。前回は600mm、1分でガイドなしで大丈夫でしたが、3分になると流石にCGEMIIでもガイドなしでは少し流れてしまいます。それと、以前縞ノイズで懲りたので、PHD2とBackyardEOSの連携でディザーもしています。

そういえば最近またAstroTotillaを使ったPlatSolvingで画角を決めています。これ、ものすごく楽なので、またそのうちに一度記事にまとめたいと思います。

実際の撮影は、ぬくぬく自宅の中からリモートでと、至って快適でしたが、カメラの電池が切れてしまった夜中の1時頃、風も少し出てきたのでその時点で撤収としました。


画像処理


前回のM42の時の画像処理と大きく違うのが、フラット補正をしたことです。鏡筒の先にスーパーの袋を2重にしたものをつけて、PCの画面を明くして白で埋め、そこを1/100秒の露光時間で撮影しました。ISOはライトフレーム撮影時と同じ3200としました。

今回は赤い領域が全体に広がっていたので、PixInsightのDBEでは周辺減光を取ることが困難だったからです。今回のフラット補正は結構効果が大きくて、変なムラみたいなのも一切出なくなりました。基本的なことをサボっていたのがそもそもの問題なのですが、QBPを使うときにはフラット補正は必須かと思いました。これは一度きちんと検証したいと思います。

その後の画像処理はこれまでとそう変わりません。PixInsightで処理して、DBEで最後のカブリを取り、PCCで色を合わせて、ArcsinhStretchでストレッチします。その後、Photoshop CCで仕上げます。


撮影結果

撮影結果を示します。

light_BINNING_1_integration1_AS_DBE_cut


撮影時間が52分と長くはないため、ノイズがまだ結構残っていますが、満月2日後の、自宅庭からのお気楽撮影でこれだけ出ればまあ満足です。恒星の青もそこそこ出ています。

もちろん、新月期に遠征をして光害の少ない場所で撮影するよりは、撮影した素材画像のクオリティーは絶対悪いです。そのため、色バランスやフラット補正など、多少画像処理で苦労はします。それでも、自宅で気楽に撮影ができ、数がこなせることは何物にも代え難く、私的にはこのQBPは買ってよかったものの一つと言えます。


週末撮影の最後の記事になります。2台体制だったもう一方の方で、AZ-GTiにFS-60Qを載せて、カリフォルニア星雲に挑戦してみました。実はカリフォルニア星雲も初撮影になります。

今回曹禺したのは、AZ-GTiのWi-Fi接続がうまくいかないことがあったということです。機器はAZ-GTiとMacBool Proに入れたWindows10 64bit ProをBoot Campで立ち上げて、それにELECOMのミニルーターWRH-583GN2-Sでステーションモードとの接続を確立しようとしています。


現場でうまくいかなかったので、後日検証しました。まずはアクセスポイントモードに関して:
  • WindowsからAZ-GTiのSSIDがなかなか見えないことがある。それでもiPhoneからはAZ-GTiのSSIDは見えている。Windowsからは分単位で待たなければSSIDが見えないこともあるので、気長に待つこと。
  • WindowからAZ-GTiのアクセスポイントSSIDは見えているが、接続しようとすると「接続できませんでした」と表示され、なぜか接続できないときがある。接続できないときはいつもできないが、接続できる時はいつもできる。これは原因不明。再現性も不明。ちなみに、この状態でもiPhoneからはAZ-GTiのアクセスポイントSSIDは見えているし、全く問題なく接続できる。
  • Windowsで、「接続できませんでした」とかは出ないが、AZ-GTiに接続しようとして「接続試行中」となってなかなか進まない。この状態のときは、すでにつながっている場合もあれば、まだつながっていない場合もある。「ネットワークとインターネットの設定」で出てくる「状態」スクリーンで確認したほうがいい。きちんと確認せずに、ほかの画面に行ってしまうと、接続されないままになってしまう時が何度かあった。


次にステーションモードに関して:

  • iPhoneからアクセスポイントモードでAZ-GTiにつないでから、改めてSynScan ProでAZ-GTiをステーションモードに切り替えようとすると、必ず失敗する
  • Windows上のSynScan ProでAZ-GTiをステーションモードに切り替えようとすると、きちんとステーションモードに切り替わる
  • ミニルーターを立ち上げる前に、AZ-GTiを立ち上げると、自動的にアクセスポイントモードでの接続になってしまい、ステーションモードでしばらくの間つながらない。気長に分単位で待っているとつながる。ただし、つながらない場合もあったので、先にミニルーターの電源を立ち上げるほうがおすすめ。どうしてもつながらないとAZ-GTiの電源の入れ直しになり、アラインメントなど取り直しになる。

最後、ミニルーターに関して:

  • これは私が使っているミニルーターのだけの問題かと思うが、5GHzはすぐに有効になるのに、2.4GHzがいつまでたっても有効にならない場合がある。何度か電源を入れなおして、やっと立ち上がる状況が多い。2.4GHzもいったん立ち上がると、あとは電源を入れなおしても安定して立ち上がる。
  • ミニルーターは省電力モードでLEDをオフにしていたが、オンにすると5GHz、2.4GHzともに立ち上がっているすぐにかわかるので安心。念のため、Windowsやスマホなどから2.4GHzのSSIDが見えているか確かめたほうがより確実。
  • とにかく当たり前だが、2.4GHz Wi-Fiが立ち上がっていなければ、AZ-GTiのステーションモードは全く働かない。これを意識せずに、なんでつながらないんだと迷ったことが何度かあった。

とにかく最大の懸案事項が、一番最初のWindowsから安定にAZ-GTiのアクセスポイントに接続できないこと。これに尽きます。これができない限り、ステーションモードへの移行もAZ-GTiをミニルーターにつなぐことも、ASCOMでAZ-GTiを操作することもできません。

コツは、ルーター->AZ-GTiと元のほうからから電源を入れていくことと、スマホやPCなどから確実にルーターが動作しているかの確認。それができているならあとは気長に待つのが重要かと思います。WindowsのWi-Fiの認識が思ったより更新に時間がかかるということです。


いずれにせよ、今回の撮影では現場できちんと検証する時間もなく、PHD2でのガイドを諦めました。ガイドなしということで、前回600mmで90秒だと厳しかったので、今回は同じ600mmで60秒で試してみました。ところが撮影された画像を見ると、一方向のみにぶれていることがわかりました。方向は赤経方向です。しかもぶれているファイルが周期的に出るので、どうもピリオディックモーションに関わっているようです。点像になっているファイルもそこそこ存在するので、それらをちょっと厳しくセレクトすると72枚のうち28枚が使えそうなので、約40%弱が使えることになります。前回のオリオンでも40%程度でしたが、それよりは基準を厳しくしているので、まあ妥当な範囲でしょう。

原因がピリオディックモーションならばオートガイドでかなり改善されるはずなので、これならば期待大です。どうやら、風さえ吹かなければAzZ-GTiの赤道儀モードでの撮影はそこそこ使えるという結論になりそうです。今一度ガイドを使って検証してみます。

とりあえず画像処理の結果が以下になります。流石に結構省いたのでわずか28分ぶんしかなく、やはり多少ノイジーです。


NGC1499_CUT


岐阜県飛騨市数河高原 2018/11/3 23:06 - 11/4 00:29
f=600mm, F10 + AZ-GTi(赤道儀モード)
EOS 6D(HKIR改造, ISO6400, RAW), 60sec x 28frames、総露出時間28分
PixInsight , Photoshop CCで画像処理


週末の撮影の記事はこれでおしまいです。久しぶりの週末の晴れで、初撮影の天体もあり、結構満足しました。いろいろ問題点もわかったので次回はもう少し改善したいです。やはり一枚あたり数時間ぶんくらいは使える画像を死守したいです。






 



先週末の土曜日、数河高原のコスモス天文台でM57に続いてとったのがM27亜鈴状星雲です。これも電視観望でこれまで散々見ているのですが、真面目に撮影するのは初めてのことです。いや、初めてというのは嘘で、星を初めて1ヶ月の時に初めてとった星雲のうちの一つがM27でした。それ以来の撮影なのですが、鏡筒は20cmから25cmと5cm大きくなって、焦点距離は800mmから1600mmへと倍です。カメラもEOSの改造kiss x5からASI294MCへと変わっています。機材はだいぶん豪華になりましたが、その分綺麗になっているでしょうか?

結果ですが今回は20秒露光で243枚とって、140枚使いました。

integration_DBE_DBE_PCC_st4_cut
岐阜県飛騨市数河高原 2018/11/3 20:05-22:17
LX200-25 + CGEM II + ASI294MC
f=1600mm, F6.3, gain 370/570, 20sec x 140frames、総露出時間1時間8分
PixInsight , Photoshop CCで画像処理後、中心部をトリミング 

最後は補正板が曇って終了でした。今回フードはつけたのですがそれだけでは足りなくて、やはりヒーターが必要そうです。

さて、2年半で多少は進歩しているでしょうか。流石に細部は今の方が出ています。いや、でも最初の頃のやつも少し流れていますが、意外にシンプルな色付けでそんなに悪くないと思ってしまいました。2分一枚どりなのに、星雲の中の赤色も昔の方がよく出ています。ということはあまり進歩がないということでしょうか?

この後は、同じ日に撮ったAZ-GTiにFS-60Qを載せてのったカリフォルニア星雲の画像処理が待っています。 


さて今日の元々の目的はAZ-GTiで実際に撮影がどれくらいできるかのテストです。焦点距離600mmのFS-60QにEOS6Dをつけて、かなりガチな撮影機材になります。果たしてAZ-GTiは600mmの撮影に耐えることができるのか?

ただ、自宅を出たのが遅かったのと準備に手間取ったので、撮影を始めたのが23時半過ぎ。もともと少し暗い天体を試したかったのですが、大して時間がないのでちょうど上がってきていたM42に急遽決定しました。

今回は機材の調子を見たいために、ガイドは無しです。月が出るまで時間があまり無いので、ISOも6400と高め、露光時間は90秒と短めです。セットアップから極軸設定までは特に問題なし。初期アランメントに少し戸惑うも、撮影をなんとか開始しました。

とりあえず結果をまず。63枚とって、24枚使いました。ISOが高いのと枚数が少ない(トータル36分)のでノイズが多少多めです。機材テストなのでフラット補正もダーク補正もしていません。5秒撮影の画像を10枚使い、HDR合成をしてトラペジウムあたりを出しています。

M42


問題は少し風が強かったことです。そのため後で画像を見たら、結構揺れていました。甘く見積もっても40%弱くらしか使い物になる画像は残っていませんでした。次の一枚画像を見てもらえると、人工衛星の軌跡から実際どれくらい揺れているかよくわかると思います。

LIGHT_6D_90s_6400iso_+12c_20181103-00h35m00s555ms_cut



実際に揺れた原因は二つ問題が考えられて、
  • 一つは、タカハシの三脚アジャスター (小)のところで、三脚の脚がずれてしまう
  • もう一つは、今朝改めて見てみたらAZ-GTiのアルカプレートのネジが少し緩んでいたこと
です。二つ目はただのミスなので、きちんとチェックすれば次回は問題ないでしょう。問題は一つ目で、カメラ三脚のメタル製の尖った石突きが、アスファルトとかならほとんど動くことはないのですが、ある程度滑らかな三脚アジャスターの表面では結構簡単にずれてしまいます。風が強いと致命的です。調整はしにくいですが、三脚アジャスターなしの方がいいかもしれません。

ちょっとまだ検証不足です。晴れたら再チャレンジでしょうか。

実は月が昇る時間を1時間早く間違えていて、時間がないと思って色々焦ってしまいました。でも実際には月が出て来るより先に薄雲がかかってきたので、午前1時半頃にはその場を後にしました。


その他細かい反省点です。
  • FS-60CBからFS-60Qへの切り替えに手間取ってしまった。
  • ファインダーカメラは画角が広い方がいい。モノクロの方がいいと思い、ASI290MMにしていたが、ASI178MCの方が画角が広く、画素が小さいので、ファインダーにもガイドにも向いているかもしれない。 このため初期アラインメントで結構な時間をロスした。
  • StickPCでのワイヤレス撮影の準備がまだ不十分。最近メインPCがUSB Type-Cになったので、逆にStickPCにつなぐはずのType-Aケーブルを忘れてしまった。結局ノートPCでの撮影となり、用意していなかったソフトのライセンス認証などで時間を食ってしまった。 
久しぶりの撮影ということもあり、結構準備不足が露呈しました。昼間のうちに色々調整しておくことが大事だと改めて実感しました。


 

これまで何度も電視観望で見たM57ですが、一番長い付き合いのメシエ天体なのに、実は一度もまともに撮影したことがありません。いつか真面目に撮影してみたいとずっと思っていました。

一昨日9月18日、本当に久しぶりに晴れていたので、月は出ていましたがとりあえずテスト撮影を敢行しました。鏡筒はできるだけ口径の大きなものということで、MEADEの250mm。カメラはASI294MC。SharpCapでLivestackを利用しての撮影です。

露光時間を16秒とし、それを12回Livestackしたものを32bitの.fitsファイルとして保存します。それを7枚撮ったところで隣の家の風呂場か何かの明かりがついて迷光で背景が明るくなってしまったので終了でした。合計で16秒x12回x7枚 = 24分24秒の露光時間になります。

一応ノータッチガイドになります。極軸はSharpCapのpolar alignを使って1分角以下まで合わせました。そのせいもあってか、16秒間では全く流れることはなく、LivestackのAlignment機能のおかげで3分間の画像でも問題なく撮れています。本当はSharpCapベータ版の新機能のDitheringを試したくてガイドまでしようと思っていたのですが、ガイドなしでも流れないのでそのままとしました。その代わりに、7枚の撮影の間に4回くらい位置を少しだけ変えて手動Ditheringをしました。

あと、ASI294MCの欠点の一つですが、ホットピクセルが盛大に出るので、Darkフレームを撮影してSharpCap上で撮影中に補正してしまっています。

ここらへんまでは良かったのですが、今回の撮影での一番の問題点はMEADE 250mmのコマ収差(?)が思ったよりひどいことでした。視野中心で光軸を合わせると観賞に耐えないくらい四隅がものすごく流れます。なので今回はPhotoshopでレンズ補正を施したのちに、トリミングして中心のましなところのみ切り取っています。ただ、少し試したところではカメラの位置が鏡筒から離れるほど(ピントは主鏡の移動で合わせるとして)四隅が流れ、鏡筒に近づくほど四隅の流れはましになるようでした。今回はマイクロフォーカスをつけてあったので、近付けるにも限界があったのですが、もしかしたらカメラの最適位置は思ったよりはるかに鏡筒側にあるのかもしれません。胎内星まつりでのMEADEシュミカセの最適化の話もあったので。これはもう少しテストしてみます。

画像処理はPixInsightでStarAlignmentとIntegration, DBE, photometric color calibration, arcsinh stretchの後Photoshopに渡しています。まだテスト撮影の域を出ませんが、結果は以下のようになります。

integration_DBE_CC_nutral_stretch4_cut_photo
富山県富山市下大久保 2018/9/18 22:55
LX200-25 + CGEM II + ASI294MC
f=1600mm, F6.3, gain 470/570, 16sec x 6 stacks x 7frames、総露出時間24分24秒
PixInsight , Photoshotで画像処理後中心部をトリミング 


念願だったIC1296も少しですが形が写っています。30分にも満たない撮影でここまで出ればまずは満足です。


今回の反省点です。
  • ゲインを高くして撮影したので、短い撮影時間で暗いところまで多少出ましたが、逆に明るい恒星がサチってしまっています。もう少しゲインを落として時間をかけて撮影するか、短時間露光で別撮影してHDR合成をしたほうがいいかもしれません。
  • 長時間撮影だと手動でditheringするわけにいかないので、SharpCapかAPTでditheringを試してみる必要もあります。
あと、
  • 露光時間が短いこと
  • 月齢9日のそこそこ明るい月が出ていたこと
  • 自宅での撮影なのでそれほど暗い場所ではないこと
などがまだ今後改善できる点です。


 

light_BINNING_1_integration_DBE_min_color_stretch_ps_cut
富山県富山市伏木, 2018年5月15日22時28分-5月16日1時52分
FS-60CB + flattner + CGEM II赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x60枚 総露出180分
PixInsight、Photoshop CCで画像処理


先週末に撮影したアンタレス付近ですが、強風と赤道儀のガタにより星像がぶれてしまって使い物になる枚数が限られてしまったため、今回は長時間露光でのリベンジです。今回は新月期最後の晴れということもあり、平日にもかかわらず珍しく夜中の出撃です。場所は前回と同じ、自宅から20分くらいの富山と岐阜の県境のあたりです。


前回問題だったAdvanced VX (AVX)ですが、やはり赤経方向にガタがありました。簡易分解しただけでは原因はわからなくて、どうやらウォームホールあたりでカタカタします。上下方向や前後方向にガタは全くなく、回転方向のみのようで、クランプを十分締め付けても存在するようなガタです。バックラッシュなどのギヤのところではないようで、これ以上の調査は全分解に近いものが必要になりそうで、一旦は保留としました。おそらく風が強くなければ十分実用かとは思いますが、やはり心配なので、今回は新導入したCGEM IIでの出撃です。

AVXは車で運べるように、いつもきっちりプラスチックケースに入れてトランクに効率よく入るようにしてあるのですが、CGEM IIは大きいこともありまだ運搬の用意ができていなくて、玄関に組み上げて置いてあったものを三脚と赤道儀部だけ外して、後部座席にそのままポンと置いて積むだけでした。でもこの手抜きの運搬方法が意外に便利だということがわかりました。AVXはきちんとケースに入れるために、ウェイトバー、水平移動押しネジ、コントローラー台、コントローラーと、かなりの部品を毎回取り付け、取り外さなくてはいけません。何だかんだで、取り付けも取り外しも10分くらいはかかっているので、合計20分くらい損しています。さらに今回は三脚も押上げプレートを緩めるだけで外さずに後部座席の床にポイと置いただけなので、それも合わせたら、きちんと計っていたわけではないですが30分くらい実質得している気がします。実際の手を動かす手間も圧倒的に少ないのでずいぶん楽です。今度から遠征も二人までならできるだけ手間を省いて後部座席を活用しようと思います。

さて、CGEM IIの初の撮影への実戦投入になったのですが、まず驚いたことが安定度がこれまでのAVXと別物のように違うことです。AVXも普通に使うぶんには十分に安定です。それでもまずAVXのときはピリオディックモーションが避けられないので3分以上の露光ではガイドが必須でしたが、今回はノータッチガイドで焦点距離370mmで3分間、全く余裕でもちます。星像も完全にまん丸です。なので今回はガイドなしで行くことにしました。実は今回も風が相当強く、前回と同じか少し弱いくらいだったのですが、こんな風で大丈夫なのかというくらい星像が乱れませんでした。最初の頃はまだ風が弱く、最後撤収時には相当な風になっていました。それでも星像の肥大や偏心など画像を拡大しても目で見る限り差は感じられませんでした。

結局この日は強風にもかかわらず、安定して3分60枚を撮影したところで終了しました。平日の出撃でしたが意外なことに、車の中で3時間くらい眠ることができたので、次の日の仕事にはほとんど支障がありませんでした。自宅から20分という便利さも効いていたのかと思います。

さて、ここから画像をチェックしていきますが、2つの問題があることがわかりました。まず一つは、透明度が5月11日の方が圧倒的に良かったこと。撮って出し画像を比べればすぐにわかります。

GOOD_ANT_LIGHT_6D_180s_3200_+15cc_20180321-23h55m31s178ms
5月11日、透明度が良かった時



ANT_LIGHT_6D_180s_3200_+25cc_20180515-23h59m58s810ms
5月15日、透明度はイマイチでした。

赤道儀が違うだけのほぼ同じ条件ですが、前回の5月11日の方は最初から色が出ている一方、今回の5月15日のは撮って出しレベルでは全然色が出ていないことがわかります。前回が特別良かったのか、今回がたまたま悪かったのかまだよくわかりませんが、確かに星の数も天の川の濃さも前回の方がすごかったので、今回は晴れてはいたけれども少し霞みがかったような状況だったのかと思います。ちなみに、昼間見る立山の見え具合も比例して5月11日がよく、5月15日はイマイチだったので、昼間である程度の夜の透明度の予測はできそうです。

もう一つの問題点は、3時間という長時間露光なのでまたもや縞ノイズが出てしまったことです。前回のASI294MCの結論としては、ホットピクセルが多いので縞ノイズが出たということでしたが、6Dもやはり3時間クラスになると縞ノイズは盛大に出るようです。前回のAVXの時はガイドもやっていたのでついでにDitherもしていたのですが、今回赤道儀の安定性に頼ってしまいガイドをしなかったことが裏目に出たようです。ガイドなしで、BackYardEOS(BYE)単体でDitherができるのならASCOM経由でBYEとCGEM IIをつないでしまえばいいのですが、ここら辺はまだよくわかっていないのでまた調べてみようと思います。

light_BINNING_1_integration_DBE_shima
縞ノイズが盛大に出ています。 

いずれにせよ縞ノイズが出た場合はPixInsightの魔法のオプションで多少軽減できますが、やはりそれでも結構残ってしまうようでが、最初よりはかなりマシです。その際、Cool pixelの跡が残ってしまう問題がありましたが、

integration_DBE_cooltrajectory
縞ノイズは軽減されましたが、Cool pixelの跡がいくつも残ってしまっています。

integration_DBE_cooltrajectory_up
上の拡大図です。黒い筋がいくつも見えます。


このような時には、ImageIntegration時のオプションで消すことができることがわかりました。

Pixel Rejection(1)
  • Min/Maxをチェック
  • No normalizationを選択

Pixel Rejection(2)
  • Min/Max lowを5に

IMG_4550

のようなオプションにしたら、下の画像のようにCool pixel跡も無くすことができました。ただしこれはバッチ処理ではできないので、別個最後にやり直す必要があります。

light_BINNING_1_integration_DBE_min_color_shima2
縞も軽減され、Cool pixesの傷跡も無くなっています。


この状態で最後まで仕上げたものが一番上の画像になります。PixInsight(PI)の操作もすっかり慣れてきてストレッチまではPIで簡単に済ますことができるようになりました。前回も今回も撮影時に余分な時間があまりなかったので、フラットを取ることができませんでした。仕方ないので自宅でPCの液晶画面に、撮影時のカラーバランスがそこそこ再現できるように適当に色を出して、ISO100、1/20秒で多数枚撮影してPixInsightに放り込みました。前回作ったbiasもそうですが今回のflatも一度作ると同じ機材で撮っている限りISO、露光時間に限らず使い回しができるので便利です。というのも、PixInsightのDBE (DynamicBackgroundExtraction)機能がものすごく秀逸で、多少のカブリは物ともせずに除去してくれます。ただし、フラット補正を何もせずにDBEだけでは4隅に少し暗いところが残ってしまうなど、不十分なところが残りますが、これとて少しトリミングしたら十分見られるくらいにはなってしまいます。

PIが終わったら、あとはPhotoShopの出番です。いつも通り星雲を少しづつ炙り出していきます。この際いつも悩むのが、背景のボツボツです。緑が目立ちますが、青や赤の成分もあります。カラーノイズ除去などをしても、ある程度は軽減されますが色の波のようなものが残ってしまいます。滑らかなホワイトバランスが取れた背景を目指しますが、星雲とかの色を炙り出そうとするとどうしてもこのぼつぼつが目立ってきます。撮影時にコントラストよく星雲など撮れてればいいのですが、よほど空が暗くないところ以外どうしても付いてまわる問題なのでしょう。やはり撮影時にフィルターを使うのが解決策の一つなんでしょうか。何かいい方法はないものなのか、いつも悩むところです。

さて、今回処理したものと、前回の5月11日の画像を比較評価してみます。機材などの条件はほぼ同じ、透明度は前回のほうがいい、撮影時間は今回の方が3倍強です。結果はそれほど変わらないか、かろうじて今回の方がいいくらいでしょうか。でも縞ノイズでの悪化を差っ引いたらまあ等価くらいかと。3倍強の時間をかけても同じくらいということは、透明度が思ったよりかなり効いているということです。次回は透明度の高い新月期で、CGEM IIでDitherまでやってのリベンジを目指すことになりそうですが、果たしていつのことになるのか、今年中にチャンスは訪れるのか。

ゴールデンウィークもその前後も、忙しかったり、時間があると天気が悪かったりで全然星を見ていません。先週末の金曜日の午後、晴天でしかも久しぶりに時間が取れそう。ウキウキして準備をしようとしていたら、なんと夕方にドン曇りです。GPVでもずっと曇りの予想。一度は諦めたのですが、19時過ぎ頃になってちょっと薄曇りのところも出てきたので、ダメ元でもいいやと思い立って、久しぶりに娘のNatsuを誘って牛岳に行きました。雪が溶けた後、今季では初めてです。20時半頃には着いたでしょうか。でもついさっきまで曇っていたせいか、金曜なのに人っ子一人いません。それでも空は、うっすら雲はかかっていましたが、星はそこそこ見えていました。ただ、撮影できるほどではないので早々に切り上げて、以前目をつけていた富山の南の県境付近まで行ってみました。

車から降りると、なんとGPVの予報が大外れで空一面の星です。狭い道で、スペースはあまりありませんが、ちょうどそこだけ山が開けていて、360度そこそこ見ることができます。さすがに真北だけは富山の明かりでちょっと厳しいですが、北極星の上あたりからは十分に暗くて撮影にも支障なさそうです。まだ22時過ぎで時間もあったので、狭いスペースながら撮影を開始しました。今日の狙いはアンタレス付近です。あの赤、青、黄色の綺麗な三色を一度撮影してみたかったのです。準備を始める頃にちょうどアンタレスが山の上からのぼり始めていました。

アンタレス付近を全て入れようとするとかなり広域なので、FS-60CB状態にして焦点距離を短くします。撮影用にフラットナーをつけて焦点距離370mmとし、フルサイズの6Dで撮影しました。本当はレデューサーがあるといいのですが、まだそこまで予算が回っていなくて未購入です。いつか手に入れたいです。

さて、いつものように極軸からピント合わせ、ガイド開始と、準備も整ったのですが、一つだけ問題がありました。風がものすごく強いのです。車の中にいてもゴーゴーと風の音が聞こえます。それでもまあ仕方ないと撮影を開始しました。ISO3200で3分露光です。23時半くらいから、午前2時くらいまで、結構な枚数をとりました。が、後で画像を見ると、やはり風のせいでかなりぶれています。星像がまともなのは27枚撮って11枚でしたが、さすがにこれだとわずか30分ちょいなので、もう少しかろうじて使えそうな6枚ものを加えて仕上げたのが以下です。

light_BINNING_1_integration_DBE_color_stretch_PS2_cut
富山県富山市伏木, 2018年5月11日23時29分
FS-60CB + flattner + Advanced VX赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x17枚 総露出51分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
PixInsight、Photoshop CCで画像処理


それでも合計高々50分と短い時間なので、さすがに色を出すのが難しく、無理して色を出すとどうしても上のようにノイジーになってしまっています。特に赤を出すのが難しい。フィルターとか使うべきなのでしょうか?また、星像が伸びているものも加えたので、真円からずれてしまっています。本来、数時間くらいはかけていい領域です。いつかリベンジしたいと思います。(追記: 次の週の平日、早速リベンジしました。)

ちなみに、失敗した画像をよく見ると、どれもある一方向だけに一瞬だけぶれているので、どうやら赤道儀の赤経方向に少しガタがあるのではと疑いました。次の日調べて見ると、やはり赤経方向にカタカタします。これがなければ多少風が吹いていてももっと救えたはずなのに、非常に残念です。赤道儀は後日分解して見直してみます。

wind



とりあえず初めての場所でしたが、ここは自宅から20分くらいでとても便利なので、これからも気軽に来ることができそうです。撮影を終えて空を見上げると、天の川が綺麗に見えていました。
 

少し前のことになりますが、2018/3/13の平日、天気も良かったので久しぶりに撮影をしました。今回のターゲットはバラ星雲。

撮影機材はFS-60Qと6D。6Dは馬頭星雲に引き続き2例目になります。場所は平日なので自宅の庭です。撮影時は結構風が吹いていて、42枚撮影して使えたのは25枚でした。使えるか使えないかのセレクションはPixInsightの「SubframeSelector」を使いました。今まではデジカメの場合は一緒に撮ったjpgファイルを目で見て判別していましたが、CMOSカメラで撮ったものはfitsファイルしか出力されなくて、読み込みに時間がかかるなど判断するのが大変だったので、この機能は非常に便利です。後日別記事で使い方を書こうと思います。


とりあえず結果を示します。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS1acut
富山県富山市, 2018年3月13日20時53分-23時55分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x25枚 総露出1時間15分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
PixInsight、Photoshop CCで画像処理


実はバラ星雲は昨年1月と、3月に撮影しています。3月のものはさらに再加工したりもしましたが、その当時でも結構ボロボロと思っていたので、是非ともリベンジしたいものの一つでした。今回はカメラが6Dになったこと、PixInsightgをやっとある程度一通り通しで使ってみたこともあり、かなりマシになったと思います。それでも今改めてみるとまだ少し暗いでしょうか。


今回のバラ星雲の画像処理で新しい機能も試してみたので、メモがわりに書いておきます。以前の記事でPixinsightでかなり苦労したこと(その1その2)を書いたのですが、あれからだいぶん慣れたのと、やはり最初のころに書いた記事に間違いが見つかっているので、訂正しておきました。

実際のPixInsightでの作業ですが、今回はBatchPreProcessingの後、Linearステージの処理と、一部のNon Linearステージを試しました。方法については蒼月城さんのImage Processing Tipsを参考にさせていただきました。特に、Post Processingの動画の前編、星マスクについては後編がすごく参考になりました。

GOOD_LIGHT_6D_180s_1600_+17cc_20180313-21h15m37s174ms
撮って出しの画像です。ほとんど全く何も写っていません。


BatchPreProcessingの後に今回やったことは
  • 最初に「BackgraoundNeutralization」を使っての背景のカラーバランス。今回は初めてbiasフレームを使いました。PixInsightでは必須とのことです。
  • 次に「DynamicBackgroundExtraction」を使ってカブリ補正。
  • 「PhotometricColorCalibration」を使ってのカラーバランスを合わせます。
ここまでは前回の記事で書きました。今回新たに試したのは
  • 「ArcsinhStretch」を使ってのStretch。 (ステライメージやPhotoshopでいうレベル補正に相当)
  • 星マスクの作成として「MaskGeneration」→「RangeSelection」を使います。星マスクは星雲を含むバックグラウンドマスクと、微光星用と輝星用を合わせた星マスクの2種類です。星マスクを星の大きさ別に作って合わせるのはPhotoShopでやった時と同じですが、PixInsightだともっと楽に作ることができる印象でした。
  • 今回はここまでやって、後はPhotoShopに引き継ぎました。ストレッチまで終わった画像と、星マスクをPhotoShopに引き継いで、後は仕上げに入ります。星マスクはPhotoShopのアルファチャンネルに登録して使いますが、詳しくは以前星マスクを作ったページに書いています。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS
PixInsightからPhotoshopに引き渡す時の画像です。


こうやってみると、PixInsightの凄いのは個々の機能が秀逸なのと、それらが互いに有機的につながって仕上げに向けた画像を作り出せるところでしょうか。(これが一番大変なのですが)やり方さえ理解して、丁寧に作業すれば客観的にポテンシャルを引き出した画像ができるのかと思います。また、(方法さえ分かって入れば)星マスクを作ることが簡単なので、それを使うと仕上げも楽になることです。また、それぞれのオプションがすごく細かいので、きちんと色々試したい人にはものすごくいいのかもしれませんが、逆にこのことがとっつきにく印象を与えていることも否めません。

今回も自宅での撮影ですが、さすがに淡い天体になればなるほど光害が無視できず、無理があることもわかってきました。そろそろ暖かくもなってきましたので、また遠征撮影も再開したいと思います。



PixInsight Tips

最後はPixInsightで気づいたことなどです。
  • Canon 6Dを使っているのですが、デフォルトだと拡張子.cr2のRAWファイルを開いた時点でモノクロでなくカラーになってしまうようです。勝手にDebayerされているようでした。BatchPreprocessingのbiasファイルを処理するところでエラーが出てやっと気付きました。Pixinsightの画面の左のピンクの丸の「Format Explorler」か、メニューの「View」「Explorler」の「Format Explorler」で出てきた「DSLR_RAW」というアイコンをダブルクリック(これもわかりにくかったです)して出てきた画面で一番下の「Pure RAW」を押すと、RAWファイルを開いた時にBayer状態で開きます。BatchPreprocessingもうまく行くはずです。
  • Pixinsightではbiasフレームは必須。biasフレームはカメラにキャップなどをして暗い状態にして、最小露出時間で、lightフレームを取った時と同じゲインもしくはisoで、多数枚(50枚ほどは)撮影する。
  • バッチ処理のBatchPreprocessingですが、処理画面を開いてからCosmetic Correctionを忘れていると、再度一からやり直しになると思っていたのですが、左下の三角を枠外にドラッグ&ドロップしてインスタンスを作って置けば後から再度開くことができることがわかりました。ただ、開く時にインスタンスを右クリックして「Execute in the global context」を選ぶと物と画面に戻ることができて編集を再開できます。
  • BatchPreprocessingのためのCosmetic Correctionにはファイルなどを登録する必要はないようです。ファイルのところは空欄のまま、やりたいこと例えばホットやクールピクセル処理だけをどうするかを選んでインスタンスを作り、それをBatchPreprocessinsgの時に選べばいいです。
  • HistgramTransferFunctioでヒストグラムがほとんど真っ平らに表示されてしまってよく見えない。→ サチってしまっているピクセルを表示するとこうなります。HistgramTransferFunctioパネルの下から3分の1くらいのところの右に5つ並んでいるアイコンの、一番左のボタンを押して「サチっているピクセルを除去する」をオンにします。
  • CurveTransformationでヒストグラムの線が出ない場合 → 一番下の右の4つのアイコンの右から2番目のチェックマークをオンにする。
以前の記事もこれに合わせて幾つか訂正してあります。


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