ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 星団・星雲

シュミットさんからお借りしているEVOSTAR 72EDですが、前回のおまけ記事で最後と思っていたのですが、せっかくなのでレデューサーを使っての撮影をし、画像処理までしてみました。




カメラ選択

カメラをフルサイズ一眼にするか、CMOSカメラにするか迷ったのですが、 結局ASI294MC Proにしました。理由は2つあります。

元々の焦点距離が420mmで0.72倍のレデューサーを入れると約300mm。これだと結構広い画角となるので対象が限られてきてしまいます。パッと思いつくのが
  • カリフォルニア星雲
  • カモメ星雲
  • 勾玉星雲
くらいです。複数天体もありとすると
  • オリオン大星雲と馬頭星雲まで
  • 馬頭星雲からバーナードループの一部まで
  • モンキー星雲とクラゲ星雲を一緒に
などですが、やはり一画面に二つの中くらいの天体だとインパクトに欠けそうです。他にもSH2-240もありますが、さすがに自宅からだと暗すぎます。マルカリアンチェーンもありですが、後述のQBPを使いたいので、銀河は今回はパスです。結局この画角だと対象が思ったより少ないので、少し画角を絞る意味でフォーサーズ相当のASI294MC Proにしました。

もう一つの理由が、31.7mmのアメリカンサイズQBP(Quad Band Pass) フィルターで撮影レベルできちんと試してみたかったことです。Black Pandaさんにせっかく作っていただいたQBPですが、これまでは元々の目的である電視観望でのみ試してきました。CMOSカメラに取り付けた状態で、もっと条件の厳しい撮影レベルで使えるかどうかの判断をしてみたかったのです。

ASI294MC Proとの組み合わせだと、対象天体も一気に増えてきます。冬だけでも
  • オリオン大星雲
  • 馬頭星雲と燃える木
  • モンキー星雲
  • クラゲ星雲
  • バラ星雲
  • 魔女の横顔
夏のことまで考えるとやはりこの画角が一番楽しそうです。その中で今回は、最初の星像チェックで見事に失敗したバラ星雲をリベンジしたいと思います。

一方、撮影時に気付いたのですが、ASI294MC Proにしたことにより、接眼部に取り付けるアダプターの選択肢が少ないために、レデューサーからのバックフォーカス長が長くなってしまっています。長くする方向には差し込み部分を少なくて調整し星像の違いを試したのですが、短くする方向に試すことができませんでした。長くする方向では星像は改善しなかったので、アダプターをもう少し考えて短くする方向を探る必要があるかと思います。


撮影

実はバラ星雲の撮影、4日間にわたっています。
  • 1日目は2時間ぶんの画像を撮ったのですが、ガイドなしで撮影してみてやはり縞ノイズが盛大に出てボツ。
  • 2日目は30分ぶんの画像を撮影したのですが、後からみたら透明度が悪くてボツ。
  • 3日目は準備して撮影を始めたら、1枚だけ綺麗に取れて、2枚目以降雲が出て全くダメでいやになってボツ。
  • 4日目にして2時間撮影して、人工衛星(流れ星?)が盛大に写っているのを除いてやっとまともな撮影画像を得ることができました。
おかげで4日目はセッティング開始から撮影を始めるまでにわずか20分ちょい。もう全部組んであるので、外に出すだけです。19時ころから玄関にある赤道儀と鏡筒を庭に運び、極軸をとって、バラさん導入。PHD2でガイドを始め、20時前には撮影を開始していました。今回は露光が5分と長時間撮影の範囲になります。撮影ソフトはディザーをしながらガイド撮影をしたいので、今回初めてAPT (Astro Photography Tools)を使いました。PHD2との組み合わせで、ほとんど何も考えることなくうまくディザーまでできました。これについては後日、別記事で扱います。

また、恥ずかしながらこれも実は初なのですが、今回初めて冷却してまともな撮影をしてみました。ダークノイズが減るのはもちろんいいことなのですが、ダークフレームを撮るときに温度を一意に固定できることにありがたみを感じました。これまで6Dで撮影した後は、カメラを冷蔵庫に入れたりしてダークフレームを撮っていたので、それに比べたら随分効率がいいです。

実際の撮影ですが、そもそも開始時から結構西の空の方なので光害であまりいい方向ではありません。それでも4日目は透明度が良かったせいもあり、そこそこの画像を20枚得ることができました。約2時間の撮影後は近所の屋根に隠れてしまうような状況でした。


画像処理

画像処理はいつも通りのPixInsight (PI)です。1日目の画像はディザーなしで縞ノイズでいろいろ頑張ったけど今回もやはりどうしようもなかったので、4日目に撮った画像のみ20枚を使っています。フラットは撮ったのですが、うまく合わなかったので諦めてPIのDBE (Dynamic Backgroud Extraction) で済ませました。アンプノイズのところは適当にごまかしています。ダークフレームは-15℃で28枚、バイアスフレームは同じゲインであることに気をつけ、温度に依存しないはずなので常温で最短露光時間で100枚撮っています。

BatchProcessでスタックされた画像まで出した後、DBEとストレッチまでPIで済ませてTIFFで保存。それをStarNet++で恒星と背景に分けてPhotoshop CCに渡してあぶり出します。今回はDeNoiseは(試用期間が切れてまだ購入していないこともあり)無しです。DeNoiseを使うと綺麗になりすぎるので、淡いところとかの評価をしにくくなります。でも本当の理由は今月はお小遣いがないのでただの負け惜しみです。素直に使ってもっと綺麗にしたいです(笑)。ただし、NikCollectionのDfine2は使っています。

結果です。

「バラ星雲」
light_BINNING_1_integration_DBE_DBE_DBE_STR_all_PS5a
  • 撮影日: 2020年3月26日20時2分-21時59分
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 鏡筒: SkyWatcher EVOSTAR 72ED
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro
  • 撮影条件: ゲイン220、温度-15℃、露光時間300秒x20枚 = 1時間40分 
  • フィルター: サイトロン QBP(アメリカンサイズ)
  • PixInsight、StarNet++、Photoshop CCで画像処理

淡いところの諧調がまだ不十分で少し不満ですが、2枚玉アポ入門機で、自宅での撮影、しかも季節終わりの西の空でここまで出れば十分と言えるのではないでしょうか。光害を軽減し撮影時のコントラストを上げるという意味で、QBPの効果も大きいです。以前心配していたハロなども何も気になるところはありませんでした。アメリカンサイズのQBPも撮影レベルで十分な性能を発揮できていると思います。

その一方、やはりレデューサーを入れても最周辺には星像の歪みがどうしても残ってしまっています。撮って出しではほどんど目立たなかったと思っていたのですが、その撮って出し画像もよくみるとAPS-Cサイズでも僅かながら歪んでいることに気づきました。今回のCMOSカメラではバックフォーカスが長くなってしまい調整し切れていないので、接眼部を改良しバックフォーカスを短くすることで星像はまだよくなる可能性は残されているはずです。今回はその歪みがあぶり出しによっって目立ってしまっているようです。といっても、本当に一番外側だけで、少し中に入るだけで一気にマシになるので、周辺を多少トリミングするつもりで最初から画角を決めるのがいいのかもしれません。


恒星の出し方

あと、個人的には今回のポイントは恒星の処理です。StarNet++で恒星と星雲画像を分けるのですが、恒星画像の結合時にできるだけ境目が目立たないように、一部の明るい星をのぞいてサチらないように、色の特徴が残るように仕上げてみました。今年の目標課題の一つでしたが、少し時間をかけて探ることができたので記録がてら手法を書いておきます。

レイヤーは「覆い焼き(リニア)加算」にします。「比較(明)」とか他にもいろいろ試しましたが、恒星の色が失われずに残るのと、境目が変に段になったりせずに滑らかになるので、これが一番いいみたいです。多分、StarNet++で作った星雲画像から、恒星だけの画像をPhotoshopで作るときに「差の絶対値」で作るので、くっつけるときは「和」である加算の方が素直なのだと思います。

ただし、名前の通り「加算」なので星雲背景が明るいと、構成部分の明るさのためにすぐにサチってしまいます。この場合は恒星レイヤーをCamera Rawフィルターのハイライトを下げることで、サチらない範囲まで持っていきます。ただしこのフィルター、レイヤーのみを表示しながらしか調整できないので、元の画面に戻って効果を確認するなど、何度も往復して微調整をする必要があります。

あと、個々の恒星の外周と背景のつなぎ目の諧調が飛ぶ場合があるので、その場合はCamera Rawフィルターの黒レベルで調整します。ここら辺に気をつければ、あとは彩度で色を出そうが、多少何をしても破綻するようなことはないようです。


まとめ

元々、前回の記事でもう終わりにしようと思っていたのですが、せっかくの鏡筒だったのでバラ星雲を再度撮影し、画像処理まで進めてみました。アメリカンサイズのQPDの撮影での実力も見えたので良かったです。こちらはやると言っていてなかなかできていなかったので、やっと少し肩の荷がおりました。

周辺の歪み改善にまだ少し課題を残しましたが、結構綺麗に出たのではないかと思っています。これだけの画像を残せるなら十分なコストパフォーマンスであると言えるのかと思います。正直いうと、後1時間くらいかけて淡いところをもう少し出したかった気もしますが、季節ギリギリなのでまあこれくらいが限界かと思います。

少し前の記事で書いたように、タカハシの新マルチフラットナーを持っている方は、フルサイズのカメラで同程度の画角になるはずです。周辺像が気になる方はこちらで試してみてもいいでしょう。

今回の撮影を通じで、必要に迫られてですが、やっとAPTでのディザーもうまくできたので、今後CMOSカメラでの撮影にも力を入れていこうと思います。



今回の目的は、AZ-GTiの経緯台モードを使って、できるだけ簡単に星雲を撮影しようというものです。


もっと簡単に星雲とか撮影できないか? 

ここしばらく、できるだけ簡単に星を楽しむことができないかを考えています。明るい広角レンズとただの三脚を使った電視観望もその過程のひとつです。これはQBPという武器があって初めて実現することでした。

同様に、撮影に関しても高すぎる敷居をもっと下げることができないか、ずっと考えていました。もちろん、究極的な画像を求めよういう場合は別ですが、もっと手軽に、画質は自分で満足できればいいくらいの撮影というのも、あっていいと思うのです。ここではAZ-GTiを武器として試しています。

眼視から少し手を伸ばしてみたい、電視観望よりもう少し綺麗な天体を自分で撮ってみたいとかいう人たちがきっといるはずです。天体写真の敷居を下げることで、天文人口を増やすことにつながればと思います。


経緯台撮影の問題点

赤道儀は極軸合わせなど、若干敷居が高いので、より簡単な経緯台を想定します。今回は自動導入と自動追尾がついているAZ-GTiを使うことにします。

しかしながら経緯台は撮影にはあまり向いているとはいえません。問題点は二つあります。
  • 経緯台なので撮影していると写野が回転していくのですが、それをどうするか?
  • ガイドも当然なしなので、星像がふらついたり流れたりして長時間露光ができない点。

でもこれらは、もしかしたら電視観望で培った技術が解決するのではと考えるようになってきました。カメラは一眼レフカメラは使わずに、その代わりに電視観望のようにCMOSカメラを使います。


撮影手順

簡単星雲撮影のセットアップは基本的に電視観望とよく似ています。今回はテスト記事なので全くの初心者が必要な細かい手順の説明は省きます。電視観望をやったことがある人くらいが対象です。本当の初心者向けの記事は、もっと細かい位置からの手順を踏まえて後日まとめるつもりです。

IMG_9267

経緯台にはAZ-GTi、鏡筒には評価用に手元にあったSkyWatcerのEVOSTAR 72EDを使います。比較的安価なアポクロマート鏡筒なので、初心者にも手頃かと思います。CMOSカメラはASI178MCを使います。ASI224MCでも良かったのですが、安価で少しでもセンサーの大きさを稼ぎたかったのでこれにしました。
  1. 今回のターゲットは初心者向けに、かなり明るいオリオン大星雲M42とします。
  2. AZ-GTiは経緯台モードで自動追尾します。精度はそこまでないのと、原理的に写野が回転していくので露光時間は長すぎると星が流れていきます。長くても30秒くらい、できれば10秒くらいまでが無難。今回は短めの3秒としました。
  3. ソフトは定番のSharpCapを使います。
  4. ゲインは高すぎるとノイズが多くなってしまいます。逆に低すぎると何も映りません。露光時間は短めなので、少し高めでもよくて、最大のゲインから1段か数段下げるといいかと思います。今回は310としました。
  5. 目的の天体がそこそこ見えていたらSharpCap上でライブスタックをしてみます。
  6. ライブスタックパネル左下の何分かおきに画像を保存するにチェックを入れます。今回は3分にしておきました。
  7. AZ-GTiの精度だと、長時間撮影していると画面がずれていくかもしれません。例えば10分くらい経ってから画面を見てみて、もし天体がずれているような時は再びSysScanのコントローラーを使って天体を真ん中に入れます。その際、ライブスタックのリセットボタンを押すのを忘れないようにしてください。
ポイントは、星像が流れないようにするために、短時間露光に抑えることです。その一方露光時間が短いと読み出しノイズが支配的になりがちですが、そこは枚数を稼ぐことで緩和します。ゲインが高いのでダイナミックレンジが不足しがちですが、淡い部分を映し出す方を優先します。また、ライブスタックを活用することで、撮影枚数を減らします。

と、ここまで読んで分かる通り、やっていることは電視観望とほとんど大差ありません。それでも、赤道儀やガイドなどの、通常の撮影に比べて遥かに手軽なことがわかると思います。

今回はライブスタック3秒x60スタックで、一枚あたり3分露光した画像を、合計1時間程度撮影し、その中の画面からずれていない10枚、30分ぶんの画像を取得しました。画像のズレはAZ-GTiのものもありますが、1時間も撮影するとそもそも15度程度写野が回転してしまいます。

写野の回転は原理的にどうしようもありません。多少の回転はトリミングで見えないようにします。なので超長時間露光は難しいですが、それとて時間が経ったらカメラ自身をマニュアルで回転させてしまえば対応できないこともありません。


撮影画像のスタック

初心者にとって厄介なのは、撮影よりもむしろ画像処理です。

写野の回転と同時に、周辺の歪みによるスタック時のずれが問題になってくる可能性があります。今回はPixInsightで星を認識して星像を合わせるような重ね方をしています。でも初心者にPIを求めるのは酷と言うものです。

ステライメージは回転は補正してくれますが、画面を歪めて星を重ねるような機能はないので、こういった場合は難しいです。あとはDSSでしょうか。DSSは一番最初に星を始めた頃に触っただけなので、ほとんど理解していないのですが、調べた限りでは画面を歪ませて合わせるような機能はないみたいです。

そういった意味でも、小さめのセンサーを使って星像がブレにくい中心像だけ使うと言うのは理にかなっているとおもいます。DSSは無料で使えることもあり、最初からあまりお金をかけることができない初心者にとってはほとんど唯一の選択肢になるので、検討する余地は十分にあると思います。


追尾時のズレの様子

撮影した10枚をスタックして画像処理をしてみました。まず、どれくらいずれている10枚でやったのか、スタック直後でストレッチだけかけた画像です。

integration

初期アラインメントがワンスターアラインメントしかやっていないので、AZ-GTiの設置時の水平度不足による並行ずれと、長時間の撮影による回転のズレが生じているのがわかると思います。

水平精度をさぼったので、並行ズレは結構酷くて、10分に一回くらい構図を合わせ直していました。ちなみに、20枚撮影して落とした10枚は、様子を見ていなくて平行移動し過ぎてはみ出していたもので、10枚全部がそれです。さすがにこれはひどいので、水平をきちんと取ることにより、もう少し抑えることができるはずです。逆に言うと、星像のズレとかで落としたものは一枚もないです。SharpCapのアラインメントは相当優秀です。

回転ずれは時間とともに出てきます。もっと短時間で終わらせてしまうのも一つの手です。


撮影した画像の仕上げ

画像処理をして、そこからトリミングしてまともなところを切り出します。画像処理にそれほど時間をかけていないのでイマイチなところも多々ありますが、経緯台で簡易で撮ったにしては、そこそこ写るのかと思います。

integration2_cut
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 撮影時間: 2020年2月1日22時25分
  • 鏡筒: SkyWatcher EVOSTAR 72ED
  • 経緯台: SkyWatcher AZ-GTi
  • カメラ: ZWO ASI178MC
  • 露光: ゲイン310、3秒x60枚のライブスタック x10枚 = 総露光時間30分
  • フィルターなし、SharpCapでのリアルタイムダーク補正 (3秒x16枚)あり、フラット補正なし
  • PixInsigjt、Photoshopで画像処理
トラベジウムとか少し多段でマスクをかけましたが、そもそも短時間のラッキーイメージングの手法に近くて露光不足気味で、元々ほとんど飛んでいないところが効いてきています。


いっそ、一枚撮りで


もう一つの方法が、ライブスタックの画像保存までの時間を10分とか20分とか長くしてしまって、SharpCapのライブスタック結果の一枚画像のみにして、後からスタックをしないことです。

SharpCapでは、ライブスタックの最中は恒星を多数認識して、その星がずれないようにスタックするたびに画像を歪ませて重ね合わせるので、この機能を使う利点は相当大きいです。その代わりに、長時間撮影のために天体全体が徐々にずれていくのが問題になります。これは撮影の間に画面を見ていると回転していってずれていく様子が積算されていくのがわかるので、適当なところで止めてしまえばいいのかと思います。

さらに画像の保存方式も初心者にはいくつか選択肢があって、RAWのfits形式で保存することももちろんできるのですが、もっと一般なtiff形式、もしくはPNG形式でもいいのかもしれません。特に、PCで見えている画像そのものをファイルに保存してしまう機能もあるので、これを使うと後の画像処理でストレッチをする必要もなくなります。

これと似たようなことは実はかなり昔に試していて、どの形式で保存するのが綺麗かと言う比較をしたことがあります。意外なことに、SharpCapのライブスタックに任せてしまったPNGでも十分に見るに耐える画像になっています。

少し前ですが、名古屋での大晦日年越し電視観望中に1時間ほどほったらかしておいてた3秒露光の画像を、そのままライブスタックし続けた画像が残っていました。

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1時間くらい放っておいたライブスタック画像。撮って出し。

カメラはASI294MC Pro、鏡筒はFS-60CBに旧フラットナーですが、AZ-GTiでの自動追尾なので、そういった意味では今回の撮影方法そのものの、一枚撮りバージョンになります。ダーク補正とフラット補正をリアルタイムでしてあります。

撮って出しと言っていいのかよくわかりませんが、画面に見えているのをそのままPNGで落として、それをアップロード用にJPGにしたものです。撮影時間は1時間ほどと書きましたが、時間はあまりよく覚えていません。15度くらいいという画面の回転角から、それ位の長さだったんだろうと推測しているだけです。重要なのは、AZ-GTiでのほったらかしでも、水平の設置さえ良ければこれくらいの時間は位置を合わせ直すことなく撮影できることです。

上の画像をある程度仕上げてみます。回転で切れてしまっている部分をトリミング。ASI294MCはセンサー面積が広いので、中心部だけでも十分な面積が生き残っています。

まずはWindowsの「フォト」の「編集と作成」から「調整」のみを使った場合。

Stack_198frames_634s_WithDisplayStretch_win_photo
Windwos「フォト」での加工例。

簡単な調整だけでも多少は出てきます。

次はMacの「プレビュー」の「ツール」「カラーを調整」のみを使ったものです。

Stack_198frames_634s_WithDisplayStretch_mac
Mac「プレビュー」での加工例。

うーん、どうでしょうか、Windowsの方が、ディテール、ノイズともにまさっている気がします。ここら辺は腕にも大きく依存するので、容易に逆転するかもしれません。

いずれのケースでも、さすがにトラペジウム周りのサチってしまっているところは救い出すことはできませんでした。でも、一枚PNGからここら辺まで出れば、撮影を試してみるというのならある程度十分で、これに不満が出るならスタックや赤道儀を用いるなど、次のステップに進むことになるのかと思います。

重要なのは、このようなOS付属の簡易的なツールでも、多少は画像処理ができてしまうと言うことです。これは初心者にとっては大きなメリットでしょう。逆に、改めてみてわかったのは、さすがに1時間スタックは星像が多少肥大するとするということ。これは課題の一つかもしれません。

最後は、このPNG1枚画像をツールの制限なしに画像処理した場合です。と言ってもPhotoshopです。あと、最後の仕上げに今話題のTopazのDenoiseを試してみました。これは結構強力です。しかも簡単なので初心者向けです。有料なのが初心者にとって唯一のネックかもしれません。でもそれだけの金額を出す価値のあるソフトかと思います。Denoiseに関してはまた別記事で書こうと思います。

Stack_198frames_634s_WithDisplayStretch_DN_cut
Photoshop CC+Topaz Denoiseでの画像処理。


まとめ

AZ-GTiを使った経緯台での撮影は一言で言うと「やはり楽」です。似たようなことを既にやっている方も、もしかしたら初心者でも同様のことをごく自然な流れとしてやってしまっている方もいるのではないかと思います。

ポンと北に向けて適当に置くだけ、極軸を取る必要なし、ワンスターアラインメント、ガイドもなし、大きくずれたら直す、というので大幅に大変さを軽減できます。30分露光でここら辺まで出れば、最初に挑戦する撮影としてはかなり満足できるのではないかと思います。

その一方、画像処理の敷居は依然高いかもしれません。後でスタックするのが敷居が高いのも事実なので、一枚どりで画面の見たままで保存してしまうのでもいいのかと思います。あとはGIMPなどの無料の画像処理ソフトや、今回試したWindowsの「フォト」やMacのプレビューでの簡易画像処理だけでも最初はいいのかもしれません。 


後日、今回使ったEVOSTAR 72Dについて、試用記を書いています。よかったら合わせてご覧ください。



年末の土曜日、次の日もまだ仕事があったのですが、夜から晴れてきたので撮影開始です。ターゲットはバラ星雲。過去に何度か挑戦していますが、いまだに満足したのは撮れていなくて再チャレンジです。


天気は微妙

この日は天気予報では午後蔵から晴れる予定でした。でもずっと曇り空が続いていて、1時間天気予報も時間と共に曇りの時間が後ろに下がっていって、なかなか晴れません。夕方もダメ、夕食前にいったん晴れてご飯食べてから外に出るとまた一面曇り。のんびりして夜21時頃に出ると星は見えるけど薄曇り。22時過ぎにもう寝ようかと思って最後外に出ると、やっと晴れてました。すぐに準備を始めます。

機材

バラ星雲だと画角的に600mmとフルサイズでぴったりくらいなので、この日はいつものFS-60Qではなく、同じ600mmのFC-76を持ち出すことにしました。あの白濁レンズのFC-76です。

  • 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm、対物レンズが白濁) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
  • 赤道儀: Celestron CGEMII
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • フィルター: サイトロン QBP(Quad Band Pass) filter
  • 日時: 2019年12月29日0時52分-44時17分
  • 場所: 富山市下大久保
  • 月齢: 22.1、ほぼ下弦の月
  • 撮影対象: バラ星雲 (The Rosette Nebula 、NGC 2237-9, 2246、Caldwell 49)
  • 露光時間: 300秒 x 32枚 = 2時間40分

いつも通りSharpCapとASI178MCで赤道儀の極軸を合わせて、その後はコンパクトなStickPC上のBack Yard EOSで撮影、その画像をAll Sky Plate Solverで位置特定して、赤道儀の向きとの誤差をCarte du Cielにフィードバックして位置合わせをします。

でもここでトラブル。この状態でプレビューをすると何故か画面が流れています。PHD2で見ていてもターゲット性自身がどんどんずれていく始末。極軸の精度がものすごく悪いのか、赤道儀のトラッキングレートが恒星時以外になっていないか、ケーブルとか変なテンションはかかっていないかなど、いろいろチェックしましたがラチがあきません。諦めて最初からやろうと赤道儀をホームポジションにしようとしたのですが、何故か少しだけ動いてすぐに止まってしまいます。これは先日交換したバッテリーが悪いのかと一瞬疑いましたが、それも大丈夫そう。さらにCarte du Cielで自動導入しようとしても同じ様に少しだけ動いてすぐに止まってしまって、全然目的の天体まで行きません。何かおかしいです。

この時点でやっと、CMOSカメラからのガイドケーブルと、赤道儀のハントコントローラーにPCからつないであるケーブルを引き抜くと、きちんとホームポジションまで動くことが判明しました。どうも機械系のトラブルとかいうよりは、ソフト系のトラブルのようです。そもそもASCOMドライバーにBack Yard EOS、All Sky Plate Solver、Carte du Ciel、PHD2と合計4つのソフトがアクセスしています。一度全部落として、Back Yard EOSは立ち上げてもASCOMに接続させず、All Sky Plate Solver、Carte du CielだけASCOMに接続して位置特定と赤道美の位置合わせ、その後All Sky Plate Solver、Carte du Cielを落としてからPHD2でASCOMにつないでガイドとしたら、無事に動き出しました。やはり全部をASCOMに繋いでしまうと赤道儀の制御の取り合いになってしまう様です。

あ、あと位置合わせで少しトラブルがありました。All Sky Plate Solver、Carte du Cielどうしても位置のズレが出てしまいます。画角の横幅の5分の1くらいでしょうか、今回バラ星雲の中心がどうしてもずれてしまいます。何度やっても同じようになります。こちらは仕方ないので、マニュアルで少し動かして最終位置調整をしました。以前はこんなことはなかった気がしますが、また時間のある時にテストし直してみます。

トラブルで撮影開始個を遅くなってしまいましたが、その後の撮影は順調そのもの。QBPのおかげもあり、自宅でもISO3200で5分まで露光させられます。後は放っておいて寝るだけです。

あさ8時ころに片付けたのですが、赤道儀用のパワータンクは中のバッテリーを交換したこともあり、全く問題なく朝でも稼働していました。その一方、デジカメのバッテリーが朝の5時半頃に切れてしまっていました。でも朝方少し雲が出たようで、実際に使えたのは4時半頃の画像まで。2時間半以上撮影できたので十分な時間です。


画像処理

まずはJPG撮って出し一枚画像です。苦労した魔女の横顔と違い、一枚だけでも十分に見えています。

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今回は期待できそうなので、最初からフラットもダークも撮影しました。フラットはiPadのColor Screenというアプリで白色最大輝度にして、ISO100、露光時間100mm秒で100枚ほど撮っています。周辺減光とセンサーのゴミはほとんど回避できました。当然空から来る緩やかな被りは少し残るので、PixInsightのDBEで大まかに取り除きます。

ダークも温度をできるだけ合わせる様にしました。昼までのダーク撮影で、いつもは冷蔵庫や冷凍庫に入れたりするのですが、あまり冷えなかったり冷えすぎたりするので、今回はクーラーボックスに冷凍した補正剤を入れてカメラとStick PCごと突っ込みました。機材が濡れない様に注意が必要ですが、温度はそこそこ安定していたのでこれはいい方法ではないかと思いました。保冷剤の位置を調整することで温度もある程度調整することができます。Stick PCごと入れる理由は、BackYardEOSを走らせることができて、センサーの温度をファイル名に書き込むことができて、後から温度管理が楽になるからです。温度がばらつくこともあるので、今回5分のダークファイルを100枚以上撮影し、その中で適した温度のものを37枚選びました。

画像処理も順調そのもの。QBPのせいもあり、青色が出にくいのですが、バラ星雲の中心は青色が綺麗です。少し青色を強めに強調していますが、おそらくこれまででは最も満足のいくバラ星雲になったかと思います。魔女の横顔で苦労したときのテクニックも随所に生きています。


綺麗に出た!

結果を見てください。自宅撮影でこれです。バラの細かい構造も結構出ています。私的にはかなり満足です。やはり光害地だとQBPの効果絶大です。

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あえて不満を言うと、QBPのせいか恒星のオレンジ色が出にくいこと。もう少し恒星をうまく際出させることが次の課題でしょうか。

ちなみに、かなり昔に同じ6Dで自宅撮影で撮ったのがこれです。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS1acut

2018年の3月なので1年半以上前です。違いはQBPだけのはずなのですが、本当に雲泥の差です。6Dもまだ使い始め、PixInsightも使い始めなので、もちろん慣れや画像処理の腕も違うと思いますが、こうやってみるとなんとか進化していますね。


まとめ

QBPって得意不得意があると思います。Hα領域は自然な色に近くなるので威力が発揮できるのかと思います。反面、青やオレンジは苦手な様で、自然な色に見せるためには画像処理でうまく補填してやる必要がありそうです。

魔女の横顔に引き続き、自宅で色々撮影ができる目処がついてきました。これくらい写るのなら、私的には今のところ満足です。もちろんうまく写るのは限定された天体だとは思いますが、できれば系外銀河まで自宅でうまく撮影できるようになればというのを目標にしたいと思います。


最近仕事の方が忙しく、全然時間が取れなくてブログ更新がかなり停滞してしまっています。年末になってやっと少し時間が取れたので、溜まっていた画像処理を進めます。

今回の記事はもう記憶の彼方で、一ヶ月前のことです。珍しく晴れていたこの週は機材調整とかいろいろやっていたのですが、撮影もしていました。でも画像処理が途中で壁にあたってから全く進まなくなり、今に至ります。撮影条件も既に忘れかけています。やっぱりすぐに書いておかないとダメですね。

この時の撮影の目的はちょっと前の自宅でのバーナードループ撮影で、思ったより魔女の横顔も出ていたので、単体で写したくなったからです。さて、どこまで出てくることやら。


機材

撮影条件はこんなところでした。
  • 富山県富山市自宅, 2019年12月1日0時27分-4時13分
  • FS-60CB + FC/FSマルチフラットナー (口径6cm、合成焦点距離370mm)+ CGEM II赤道儀
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出90秒x58枚 総露出1時間27分
  • f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
  • PixInsight、StarNet++、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理

一応ガイドもしましたが、赤道儀がCGEM IIと大きめなのと、FS-60CBで350mmかつ90秒と短い焦点距離と短い露光時間だったので、もしかしたらガイドは必要なかったかもしれません。途中、南天を超えてしまい、反転するのに手間取って1時40分くらいから2時半くらいまで撮影できませんでした。


淡い、かなり淡い

とりあえずJPG撮って出しの一枚画像です。
LIGHT_6D_90s_3200_+7cc_20191201-00h55m27s497ms

はい、魔女さん全く出ていません。いくら自宅撮影といえ、こんなんでうまく出るのでしょうか?

あと、左にたくさん線が見えていますが、多分これSpaceX社のStarlinkです。他の画像も見てみると次々来ています。


画像処理開始

画像処理の時間があまり取れなさそうなのと、一枚画像からあまり見込みがないと思って、最初はバイアスだけ以前撮ったまともなやつで、ダークフファイルは温度も露光時間も違うものを使い回し、フラット補正は無しで処理しました。でも処理してみたら意外に魔女さん出てくるので、もう少しまともに処理してみようと思い、ダークを取り直し、フラットもその時の状況を再現し(回転装置を回していなかったのでなんとかなりました)新たに撮影してきちんと補正することにしました。

画像処理はいつも通りPixInsightです。フラット補正でも処理しきれないところもあったので今回もDBEに頼ります。

今回、少しだけいつもと違う処理を試してみました。nabeさんのブログで紹介されていたように、ArcsinhStretchを再び使ってみることにしました。以前は赤ハロがどうしても出てしまって使うのを諦めたのですが、nabeさんによるとサチっている恒星でハロが出るのは仕様らしいので、今回はサチっていないことを期待してやってみたら、ここは大きな違いが出ました。下はストレッチまでした段階での比較です。ArcsinhStretchを使っていない場合(上)とArcsinhStretchを使った場合(下)になります。

light_BINNING_1_integration_DBE3_cc
ArcsinhStretchを使わず、ScreenTransferFunctionと
HistogramTransformation だけで仕上げた場合。 

integration_DBE_DBE1_PCC_AS
ArcsinhStretchでストレッチした場合。

出だしの彩度に雲泥の差があります。当然下のほうがその後の処理もはるかに楽になります。このことは下にもある、StarNet++を使った時の恒星の不自然な繋ぎの解決にもつながりました。


壁にぶち当たる

その後は、最近味をしめてしまったStarNet++で背景と恒星を分離し、最後はPhotoshop CCで仕上げています。ここで2つの壁に当たりました。一つは斜めに走る縞ノイズです。撮影した画像を連続で見てみると、これはすぐに原因がわかりました。SpaceX社のStarlinkです。処理の時に弾いた画像を見せます。

light-BINNING_1_rejected

すごい人口衛星の数です。オリオン座付近なので人工衛星が入るのは仕方ないのですが、この数は流石に閉口してしまいます。今回撮影した全ての枚数に衛星の軌跡が入っていました。一本、二本ならいいのですが、3ー4本同時に固まって次々とくると流石に辛いものがあり、処理でもどうこうなるレベルを超えてきます。

もう一つは、画像全面を覆う縦に走る縞ノイズです。これは最初どこで入ったかわからなかったのですが、いろいろ見ていくとバイアスフレームに全く同じような模様が入っていました。もちろんバイアス補正はしていますし、そもそもバイアスに入っていると言っても、加算したマスターバイアスをものすごく炙り出した状態でやっと見えてくるようなノイズです。うまく補正されていないのかと思い、バイアス補正をなくして処理してみましたがかえって悪化するので、なんらかの補正処理はとりあえずされているようです。ということは、補正した後にも残ってしまった縞があぶり出しの過程で出てきてしまったのかと思われます。あ、もちろん、バイアス補正がダークフレームやフラットフレームも含めてまだうまくできていない可能性も捨て切れません。ここらへんはもう少し検証の余地がありそうです。

この縞ノイズ、これまでほとんど気にしたことがなかったのですが、そもそもなんでこんなことになったかというと、一つの原因がStarNet++で恒星と、その他星雲などをうまく切り分けられて、相当強引な炙り出しが可能になったからです。恒星以外の画像がこちらです。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_org

その他の部分には系外銀河がチラッと写っているのさえもうまくとりだしていることがわかります。これをわかりやすいようにあえて無理やり限界近くまで炙り出してみます。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_shima

この画像を見ていると、全体に縦の線がかなり気になります。ゴミ起因の黒丸は無視してください。撮影中ゴミが移動していたみたいで、全然補正し切れていません。左の方の太い少し斜めに走る線がStarLinkの影響です。全体に覆う縦線が、バイアスにも入っているノイズです。バイアスをあえて強調してみましょう。

20190316_bias_6D_ISO3200_s4000x100

Lightフレームにも同様の縦縞が入ってしまっているがわかると思います。これらの縞ノイズが、画像処理の過程で星雲とか背景の淡い部分を炙り出していくと目立ってきてしまいます。

この縞ノイズは結局センサー自身が持っているもので、昔のデジカメではこれが相当大きかったそうです。今使っているEOS 6Dなどの天体撮影に適したカメラではかなり目立たなくなったとのことなので、普通にあぶり出すレベルでは、あまり問題にならないのでしょう。私もこれまでほとんど気にしたことはありませんでした。

今回は自宅での庭撮りで、フィルターも何も無しのわずか90秒露光というかなり厳しい条件なので、最初の撮って出し画像でも分かる通りものすごく淡い像しか写っていません。StarNet++を使って強度の炙り出しをする様になると、結構この縞ノイズが気になるようになってきました。

何か解決策はないかと思っていたら、PixInsightからのメールでちょうど似た様なテーマを扱っていました。今回はこの手法は用いていませんが、結構大変そうなので余裕のあるときにきちんと検証してみたいと思います。

あと最近ずっと不満だったのが、StarNet++の弊害なのでしょうが、とにかく明るい恒星がうまく背景とつながらなかったことです。どうしても恒星がサチってしまうか、不自然につながってしまいます。でも今回怪我の功名でしょうか、StarNet++が出した恒星以外をもとに、さらにそこからマスク画像を作り、恒星の周りの光芒を強調しすぎないように、マスクを何段階かに分けて処理する手段をある程度確立することができました。

同時に、これまであまり理解できていなかったPhoshopのアルファチャンネルを利用して、複数のマスクを入れ替えながら処理する方法もやっとわかりました。

マスク処理に関してはまだ未熟な点はありますが、以前よりはだいぶんマシになったかと思います。


処理結果、ここまで長かった

さて、そんなこんなで紆余曲折して長い時間かかってしまった結果ですが、以下のようになりました。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_mask_all2a_cut


センサー面のゴミが目立っていたのは手で補正しています。また縦縞ノイズを目立たせない様に、背景を少し暗くしてあります。恒星の一部中心はまだ飛んでいますが、一番懸案だった繋ぎの部分はあまりに不自然なことはなくなりました。


今回のまとめ

いろいろ問題があってえらい時間がかかってしまいましたが、自宅での撮影で1時間半露光でこれだけ魔女さんがでるのなら、まあ満足といっていいかと思います。

実は合計5回画像処理をフルでやって、やっとここまでたどり着きました。結果は画像処理にものすごく依存することがわかりました。最初のなんて今見るとノイジーで、階調不足で、かつ光芒部分が全部サチっていてひどいもんです。

その過程で
  • ArcsinhStretchが改めて有用であることがわかった。
  • StarNet++での恒星の自然なつなぎ方の手法が確立できた。
  • Photoshopのマスクの使い方に慣れた。
  • バイアスノイズが縞ノイズとして入る可能性がある。
など、いくつかのことを学ぶことができました。少し画像処理の上達を実感することができた1ヶ月でした。

あとまだ一つこの日に撮った画像が残っています。でもすでに記事が長くなりすぎたので、次の記事で今度はあっさりと書こうと思います。

 

先週末の撮影ですが、やっと最後の記事になります。

飛騨コスモス天文台ドームの調整後
、ピラーと赤道儀の振動のために星像が三角になるという問題は依然ありますが、せっかくなので撮影を敢行しました。


初めてのM1:かに星雲

最低限の光軸調整はできました。振動は手元にあるものではどうにもなりそうにありません。今度来るときまでに太いゴムバンドでも用意して、振動をダンプさせようかと思います。星像は後で画像処理で何とか誤魔化すとして、撮影を試みました。

ドームの3000mmの鏡筒にASI294MCをつけて、十分寒いのでとりあえずは冷却もなしで撮影してみます。露光時間は60秒、ゲインは470、枚数は121枚撮ったうちの106枚を使いました。合計106分ということになります。bias補正100枚、ダーク補正100枚撮っています。flatは無しです。結果は以下のようになります。

integration_average_DBE_CC_morph_cut2


画像処理は星像の三角をごまかすのがかなり大変でした。色々試しましたが、結局PixInsightのMorphologicalTransformationを使いました。星像をDilationで一旦大きくしがてら円形に近づけ、その後Eroisionで再び元の大きさに縮めます。ただ、その時の星雲マスクがあまりうまくできなくて、星雲内の恒星が分離できなかったので、星雲内の星像は三角はままで結局手付かずでした。

なお、今回Starnet++がうまく分離処理できなかったので、使うのを諦めました。M57で試した時も一度うまくいかないことがあったのですが、長焦点で星像がボテっとしているようなものはどうも苦手なようです。そのため、マスクなしで処理したので恒星の色が過剰に出てしまっています。

また、光状線が二重になっているのと、きちんと十字にならないことも気づきました。おそらくまだ光軸がずれているのと、スパイダーが曲がっている可能性があります。

とまあ反省点は多々ありますが、初めてのかに星雲です。長焦点で撮ってみたいものの一つでした。モジャモジャもなんとか出たので、まあ満足です。

あ、M57も撮影していたのですが、撮影枚数が少ないのと、分解能がまだVISACに全然追いつかないので今回はお蔵入りです。


まとめ

結局4つの記事になってしまいましたが、やっと先週末のまとめが終わりました。普段あまり遠征とかしないので、寒い中コンビニ飯を温めたりしてなかなか楽しかったです。

飛騨コスモス天文台で撮影までしようとすると、まだまだ問題点があることがやっとわかってきました。テコ入れの方法はまだありそうなので気長にやっていきたいと思います。現地はもう雪が降り始めているらしいので、多分春になってからでしょうか。

今回、画像処理に時間がかかってしまいましたが、今週末撮影した画像がすでに処理を待っています。忙しいですが、もう年末ですが今年やっとまともに撮影できている感じです。日本海側は冬は全然ダメなので、今のうちが数少ないチャンスです。
 

飛騨コスモスで撮った画像、やっと処理をする時間が取れました。2本のレンズ、PENTAX 6x7マウントの105mm f/2.4で撮影したものと、PENTAX 6x7マウントの200mm f/4で撮影した画像を処理してみます。


機材と撮影条件1

最初は105mmです。アトムレンズの性能を見い出せるかがポイントです。
  • カメラ: Canon EOS 6D HIKIR改造
  • レンズ: ASAHI PENTAX Super TAKUMAR/6x7 105mm f/2.4 (アトムレンズ)
  • 撮影条件: ISO1600、露光時間90秒 x 36枚、総露光時間54分
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
  • 撮影日時: 2019年11月23日21時19分 - 22時14分
撮影範囲は北アメリカ星雲からサドル付近を含んだ範囲、かなり賑やかなところです。夏の星座なので、高度もある程度下がってきていて、山に沈むまでの時間で制限されました。


画像処理と結果

今回は結構綺麗に出ました。使ったソフトはPixInsiteとStarnet++、Photoshop CCです。前回Starnet++を使ってみてかなり楽だったので、今回も味をしめて星雲と恒星を分離してから、星雲をあぶり出しています。

masterLight_integration_DBE_DBE_DBE_CC_STR_SNP2_cut

色もわりと簡単に出ます。画像処理の過程で、黄変は全く気になりませんでした。周辺に少しコマは残りますが、拡大してみない限りはそこまで気にならないレベルです。そもそもf/2.4の開放での撮影なので、少し絞ればもっとマシになるのかもしれません。次回チャンスがあるときに試してみたいと思います。

結局アトムレンズのことは画像処理の間は全く気になりませんでした。特に悪いところも、特筆すべきところも意識できませんでした。周辺減光が少ないのは中判だからかと思います。センサーに放射線がノイズとして現れるというのがあぷらなーとさんから報告されていましたが、PIでホットピクセル処理をするのと、Integrationのときにminimumになるように重ねることで、ほとんど気になりませんでした。




機材と撮影条件2

さて後半ですが、ここからはもうただのおまけです。200mmは全然ダメでした。

撮影の時に目立った赤ハロがどうなるかがポイントです。
  • カメラ: Canon EOS 6D HIKIR改造
  • レンズ1: ASAHI PENTAX SMC TAKUMAR/6x7 200mm f/4
  • 撮影条件: ISO3200、露光時間90秒 x 47枚、総露光1時間10分30秒
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
  • 撮影日時: 2019年11月23日23時50分 - 11月24日2時13分
こちらはエンゼルフィッシュ星雲です。少し焦点距離が長かったかもしれません。エンゼルフィッシュが大きくなりすぎて、全然エンゼルフィッシュになりませんでした。

そうそう、そういえばエンゼルフィッシュにするときに、カメラを90度回転させたくなりました。今回はカメラを赤道儀に固定していたのでここで苦労しました。赤道儀にはアリガタからアルカスイスクランプに変換する自分で組み合わせたアダプターを取り付けて、そこにカメラを取り付けています。カメラの底面につけたアルカスイルプレートで固定するので、普通に水平におく場合には何の問題もないのですが、90度傾けようとするとプレートが側面についていないのでどうしようかと迷いました。今回は自由雲台を取り付けてカメラを倒すように取り付けて90度回転させましたが、200mmレンズが重すぎて自由雲台のボールが耐えられずズルズルとずれていきます。これは冴えないので何か解決策が必要です。(2019/12/21追記: L字アルカスイスクランプで解決しました。)


画像処理

いやあ、このレンズは星撮りにはダメでした。赤ハロの処理がこんなに大変だとは。

まずはごく普通の処理でやりましたが、全く歯が立ちません。背景はざらざら、色は出ない。

こうなったら持っている技術を注ぎ込みます。例えばPixInsightt上でRGB分解してRのみ星像を小さくしてみます。それでも残る赤いシミをいかに誤魔化すかにすごい手間がかかりました。75mmでの自宅撮影ではあんなに簡単に色が出たのに、はるかに光害の少ない場所での撮影で全然色が出ません。

時間ばかりかかる割に、全然仕上がりまで辿り着きません。四隅のコマ収差も酷いですがもうそれどころではないです。もう諦めてここら辺にします。撮影する時間も、処理する時間も結構かけたのですが、こんな仕上がりなら載せない方がいいかもしれません。

このレンズはお蔵入りです。

masterLight_integration_DBE_DBE_DBE_CC_RGB_STR_SNP_PS_cut
疲れました...。限界です。


まとめ

PENTAXのレンズ3種を画像処理まで試したことになります。

まずはさすが中判、3本とも周辺減光がほとんど気になりません。今回フラットは撮っていないですが、PixInsightのDBEを軽く適用するくらいでした。周辺の補正はほとんど無いレベルでした。

一方、コマ収差に関しては75mmが圧倒的にいいです。たとえるならFS-60CB+レデューサーで出てくる歪みくらいでしょうか。FS-60CBに新フラットナーを合わせたときには負けますが、個人的には全然不満にならないレベルです。105mmのアトムレンズのコマ収差は無視できないレベルですが、もう少し絞ったらマシになるかもれません。それでもまだ許容範囲の口です。200mmのコマは許容範囲外です。それよりも赤ハロのひどさには閉口しました。撮影の時にはこんなもんかと思っていたのですが、画像処理をして大変さを実感しました。

というわけで、同じPENTAXの6x7マウントといっても手に入れた範囲だけでも色々です。75mmはこれからも使い続けます。かなりお買い得でした。105mmは絞ってからもう一度判断したいです。でもアトムレンズの性能が味わえたかというと、ちょっと微妙です。値段的にも(中古なので十分安いですが)75mmと比べると少し割高だと思いました。200mmはもう使いません。あの赤ハロでは時間の無駄になってしまいます。あ、昼間のレンズとしてなら使うかもしれません。

それでも結構面白い経験でした。もしかしたら当たりを求めてもう少し6x7レンズ買い足すかもしれません。また沼ですかね。
 

先週末、透明度が良さそうだったので、月が出るまでの時間だけでもと思い急遽コスモス天文台に向かい、ドームの望遠鏡を活用することができないかと、少し試してきました。時間が限られていたので、ASI294MC Pro(ただし、冷却はせず)をそのまま取り付けてM57をテスト撮影してみました。


ドームの機材

さてドームの中の機材ですが、実はこれまであまりきちんと確認したことがなくて、聞いているところでは口径250mm、焦点距離3000mmのf12鏡筒ということはわかっています。 カセグレン式だと思うのですが、メーカーはおそらくタカハシ。タカハシでこの条件に当たるのはミューロン250だけです。でも旧式だからでしょうか、結構形が結構違うのでもしかしたら他のメーカーかもしれません。赤道儀はたぶんNJPかと。そこにLX200互換モードで駆動するモーターが後付けで付いているようです。

IMG_8360

IMG_5140



カメラを取り付けて星を見てみた

ドームの鏡筒はいつもは眼視でしか使っていませんが、カメラで見たときにどれくらいの撮像になるのか興味があります。とりあえずテストで画面に映し出して、様子を見てみました。
  • まず、光軸がおそらくきちんとあっていません。内外像もかなり差がありました。
  • 鏡筒に触ると、星像がある一定時間一方向に伸びます。どうもある振動モードだけが励起されやすいようです。
  • 長時間たつと像がずれていくので、極軸がきちんとあっていないようです。
今回は時間があまりなかったので、調整は諦めました。極軸はSharpCapのPolar Align機能ですぐに合わせられると思います。光軸はまだちょっとよくわかりません。


M57を撮影

光軸がおそらくあっていないのですが、とりあえず一番まともそうなピントで撮影してみました。露光時間は10秒で301枚、合計50分10秒です。テストなのであまり気合を入れて画像処理はしていません。なので、フラットもダークも無しです。結果は以下のようになりました。

integration_DBE_STR_cut

やはり星像がぼーっとしています。今まで撮った中で一番まともなVISACの画像と比較してみます。左が今回のコスモス天文台、右がVISAC。解像度はまだまだ雲泥の差です。

comp

ただ、口径が250mmで焦点距離が3000mmあるので、ポテンシャルは高いはずです。光軸を一度きちんと合わせて再度挑戦してみたいと思っています。

あと一つ気づいたことですが、今回は10秒露光なのである意味ラッキーイメージングに相当するかと思います。そのせいか、相当透明度は良かったはずなのに、そばに見えるはずのIC1296がほとんど出ていません。やはり露光時間が短いせいなのかと思います。ラッキーイメージの星像の鋭さと、淡い星雲をあぶり出すことを両立するのは、やはりHDRのような多段階露光が必要になるのかなと思います。


また来年か

ドームを使って撮影するのは初めての経験です。今回はあまり時間もなかったのでまだまだ調整不足ですが、次回機会があったら時間をかけて光軸調整までして撮影に臨みたいと思います。

でも間も無く雪のシーズンが始まります。豪雪地帯のコスモス天文台は冬の間は近づくことさえできません。今年無理なら、来年暖かくなってからの課題としたいと思います。



初の中判レンズ

先日秋葉原のキタムラに寄った際に、ちょっと面白いオールドレンズを手に入れました。PENTAXの6x7マウントのSMC TAKUMARレンズの75mm/f4.5と200mm/f4を2本まとめ買いです。値段は2本合わせても1諭吉さんちょっと。格安です。

今回の購入の狙いは単純で、中判レンズのような大きな面積で使われていたならば、現在のフルサイズカメラで使えばレンズの中心像だけを使うことになり、周辺減光なども少ないのではないかというものです。

IMG_8437
帰りの新幹線の中で早速物色

購入時、店頭でレンズを覗かせてもらったら、特に黄変などもなく、外観もきれい。少しゴミが見えたのですが、ブロアーを貸してもらって吹いたらほとんどなくなったので全く問題なし。即買いです。でも実は75mmの方が200mmに比べて3倍近い値段だったんです。なのでむしろ200mmはおまけです。

実はオールドカメラレンズについてはあまり詳しくないのですが、6x7は55mm × 70mmに相当し中判カメラに分類されるとのこと。現在のデジカメの主流のフルサイズの24mm x 35mmと比べても、辺で倍以上、面積だと4倍以上大きな像を写すことができるレンズだったようです。調べてみると、アサヒペンタックス6×7(1969年7月発売)シリーズ用のレンズで、今回購入したモデルは1975年には少なくとも存在していたみたいです。実際いつ作られたものかはわかりませんが、モデルとしては45年ほど前で、私がまだ鼻たれ小僧だった頃です。

さてこれらのレンズ、実際には写りはどうなのでしょうか?半世紀近くたった星の撮影で使い物になるのでしょうか?


機材と撮影条件

手持ちのEOS 6DにPENTAX 6x7レンズを取り付けるために、K&Fというメーカーの変換アダプターを購入しました。アマゾンですぐに手にはいります。このアダプター取り付ける時は多少硬いですが、無理してはめ込むほどではありません。取り付け後のガタですが、レンズが回転する方向に少しあります。回転方向なので、撮影には影響はないと思っていいでしょう。それ以外の方向は上下左右に触っても全く揺れることはありません。

IMG_8618

実は一時期、同じ中判のMAMIYAレンズで同様のことを試そうとしたのですが、変換アダプターが高すぎて断念したことがあります。なのである意味、PENTAXでのリベンジということになります。

今回はまず75mmの方を試してみました。

IMG_8606

取り付けて実感したのですが、とりあえずまあ、でかいレンズです。


さて、撮影機材です。
  • カメラ: Canon EOS 6D HIKIR改造
  • レンズ: ASAHI PENTAX Super-Muti-Coated TAKUMAR/6x7 75mm f4.5
  • 撮影条件: ISO1600、露光時間90秒 x 99枚、総露光時間2時間28分30秒
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • 撮影場所: 富山市自宅
  • 撮影日時: 2019年11月9日午前2時43 - 5時14分
  • 撮影枚数: 99枚
今回は庭撮りですが、魔女の横顔を出したかったので、多分青系をカットしてしまうQBPなどの光害防止フィルターは使っていません。


四隅の星像

まずは試しに一枚、JPG撮って出しです。

IMG_4305

次に、四隅を見てみます。。

IMG_4305

  • 拡大して見てみると、中心像はほぼ丸。やはり4隅が僅かに歪みますが、私的には十分許容範囲です。いや、むしろ購入した値段が値段なのでこれなら文句はないでしょう。
  • 周辺減光もさすが中判、ほとんどフラットに近いです。右側が暗く見えますが、これは撮影時右の方が天頂に近く、実際の空がより暗いからです。
  • 気になっていたハロですが、この時点ではほとんど確認できません。これは期待以上でした。画像処理が進むともっと明らかになっていくと思います。
  • 気になったのが、無限遠が出ているかです。焦点リングを無限の方向に回すと、星像は小さくなっていきます。かなり小さくなったのですが、最小を超えて大きくなるところまでは確認することができませんでした。
  • また、絞りは横にマニュアルかオートを選べるスイッチがあるのですが、マニュアルの時のみ絞りを調整できます。問題は手を離すと勝手にオートになってしまうので実質絞りは使えず、いつもf4.5のままです。この仕組みはよくわからなかったです。何かテープとかで固定するしかないのでしょうか?


オリオン座周辺の撮影

遡ること、この撮影の2日前の11月6日、本当に久しぶりに夜に晴れたので、同画角での撮影を敢行しました。月の沈む(明けて7日の)0時半頃から薄明まで、約5時間。平日なのでセットアップして撮影開始したらあとは寝ていましたが、朝起きて片付けがてら画像を見てみると、撮影開始ほぼ直後から雲が出始め、全枚数の8-9割方、どこかに雲がかかっていました。画像処理までしたのですがさすがに無理があったので、再度11月8日の金曜(実際には明けて土曜)の夜中からリベンジ撮影です。

この日は月が沈むのが3時近くと遅いのですが、空は快晴。次の日は休みなので、本当は暗いところまで遠征に行っても良かったのですが、最近近所でクマに襲われた事件を連日聞いているので、妻から一人遠征のストップが出て結局自宅での撮影になりました。まあ、まだ初機材のテスト撮影なので自宅で十分でしょう。星は瞬いていますが、昼間も立山がよく見えていたので、透明度は良いようです。

午前2時すぎ、機材を準備し始めますが、前々日と全く同じセットアップなので楽なもんです。SharpCapで極軸もきちんと取っても、2時40分頃には撮影開始となりました。撮影開始後はもう眠いので、そのまま就寝です。


画像処理と結果

朝起きて機材を片付け、画像を無事に回収してチェック。全ての枚数で綺麗に撮れていることがわかりました。そのままフラット、バイアス、ダークを新たに撮影し、画像処理に入ります。フラットはiPadのColor Screenというソフトで白色を出し、iso100, 100msで50枚撮影、バイアスは1/4000秒でiso1600で100枚撮影、ダークは同じiso1600、90秒露光で50枚撮影です。

基本的に処理ソフトはPixInsight。Batch Processingでほぼ自動処理。その後、DBEで残ったカブリ除去とPCCで色合わせ。適当にストレッチしてからPhotoshop CCに引き渡します。

今回は途中、最近はやりの星を除去できるStarnet++を使いました。ここからコマンドライン版のMac版をダウンロードして展開。あとは処理したい画像を同じフォルダにコピーしてきて、

./rgb_starnet++ ファイル名.tiff

とやるだけです。処理時間はきっちりと計っていませんでしたが、15分程度だったでしょうか?出来上がった画像が以下です。かなり綺麗に星雲のみ分離できます。

light_BINNING_1_integration_DBE_DBE2_PCC_stretch_s

そこから元画像との差分で星だけ取り出したものがこちら。

light_BINNING_1_integration_DBE_DBE2_PCC_stretch_star

M42の一部のみ残っていますが、まあ優秀なものです。

その後、Photoshop CCで処理しましたが、背景と恒星が分かれているので処理が随分楽です。懸案だったハロはほとんど出てきませんでした。結果が以下のようになります。

light_BINNING_1_integration_DBE_DBE3_PCC_stretch_s5_brighter_cut

目的だったIC2188魔女の横顔星雲も、Sh2-264エンゼルフィッシュ星雲も綺麗に出ています。バーナードループ は電視観望とかでうっすら見たことがありますが、今回初めて写すことができました。実は魔女の横顔もエンゼルフィッシュも初めて撮影しました。さすがにこの領域は盛り沢山ですね。

あ、初と言いましたが、実はむかーし三脚固定撮影でバーナードループ を試したことがありますが、あれは5秒 x 100枚で完全に遊びです。今回は、やっとまともな撮影となりました。


中判レンズを使ってみて

うーん、PENTAXの中判レンズでのテスト撮影のつもりが自分では結構というか、かなり満足のいく仕上がりになってしまいました。狙い通り周辺減光が少ないことと、ハロがほとんどなかったことが幸いでした。

200mmも早めに使ってみたいです。手持ちのFS-60CBにレデューサをつけると255mmです。それより少し画角が広いくらいです。

実はもう一本、ちょっと前にNIKKORの135mmのオールドレンズもジャンクで購入したのですが、こちらもまだ未テストです。

あと、Starnet++がなかなかいい仕事をしてくれるので、あぶり出しがしやすいです。自宅のニワトリで光害フィルターもなしでこれだけ出せるのなら十分な満足です。

今年は晴れている日が少ないので久しぶりの撮影でしたが、十分に楽しむことができました。


白濁したレンズを納得済みで購入したFC-76を使って、干潟、三裂、猫の手星雲撮影した画像の仕上げです。いろいろ紆余曲折して時間がかかってしまいました。


3枚の画像を合わせて処理

まずは前回の記事で使った、3枚の画像をまとめて仕上げてみました。FC-76とFSQ-60の2機種で、FC-76は180秒と300秒露光の2枚、FS-60Qは300秒露光が1枚です。総露光時間はそれぞれ30分なので、計1時間半分の画像があるわけです。

まずPixInsightのStarAlignment機能を使って3枚をあわせてスタックするのですが、鏡筒が違うので星像には微妙なズレが出てしまいました。

IMG_7557
例として右上隅の様子。星像の下半分が二重になっています。
上半分がずれていないように見えるのは
画角のずれで重なり合っていない部分だからです。

このずれはデフォルトの位置と回転のみでは補正しきれないので、StarAlignmentのいくつかのパラメータを調整します。

IMG_7554

触ったところは「Registration modl」を「2-D Surface Splines」にしたこと。これは2次元スプライン補間で画面全体を歪ませるモードです。でもこれだけだと不十分で、さらに「Distortion correction」をチェックしたこと。これは非線形な歪みを修正するとのことです。これで周辺部までずれずに綺麗に星像を合わせることができました。


結局2枚だけ使うことに

ここで問題に気づきます。

まず、FC-76が1.04倍のフラットナーを使っているので焦点距離は624mm、FS-60Qは600mmとFS-60Qの方が少し広いエリアを写しています。FS-60Qで写したの画角の中に、FC-76で写したエリアが全て入ってれば何の問題もなかったのですが、FS-60Qへの切り替え時に時間がなくて焦っていていくつかの確認工程を省いてしまい、狭いFC-76の方にしか写っていない部分があることに気づきました。しかもカメラの回転角のチェックも甘かったので、回転でも15度位ずれていたようです。

共通する部分だけを取り出そうとすると、かなりトリミングしなくてはいけません。それに加えて、FS-60Qの星像がピンボケで肥大していること、おそらく口径が小さいことによりノイジーに見えることなどを鑑み、FC-76で撮影した2枚のみを使うことに決めました。


2枚だとダメ!?

しかしここでもまた問題が発生。PixInsightのImageIntegration機能(スタックのことです)は何と最低3枚からしか動かないようです。他のソフトに行くか迷って、それでもいろいろ調べていると、PixInsightの英語のフォーラムの中に同じ画像を登録してしまえばいいと言う記述を見つけました。このページを見つけるためにgoogleで検索したワードは「pixinsight integration two image sources」です。では、なぜこのワードが出てきたかというと、PixInsightで2枚のみでIntegrationしようとしたら

"This instance of ImageIntegration defines less than three source images."

と出てきたからです。普通 "source images" という単語はパッとはなかなか出てきません。このようにエラーメッセージからヒントを得て、PixInsightとつけて検索してやるとすぐに

"ImageIntegration can't integrate 2 images? - PixInsight"

というページが2番目に出てきたと言うわけです。ちなみに日本語のページではこのような情報を見つけることはできませんでした。

さて、2枚の画像を2回登録して4枚にしてスタックしてやると無事に完了。ただし、少しカブリが残っているようなので、DynamicBackgroudExtractionで暗黒帯もなさそうな暗い部分を6-7点ほどのみ選んでカブリを除去しました。少し色がずれているようなので念の為PhotometricColorCalibrationをして、その後ScreenTransferFunctionでAutoStretchをして、HistgramTransformationで適用します。あとはPhotoshop CCに引き渡し、画像処理です。


最終画像

Photoshopで色々いじって、最終的にできたのが以下の画像です。

integration_DBE_PCC_stretched3
富山県富山市下大久保 2019/6/25 22:02-23:21
FC-76 + QBP + 新フラットナー+ CGEM II + EOS 6D(HKIR改造)
f=624mm, F8.2, ISO3200, 露出180秒x10枚 + 露出300秒x6枚, 総露出60分
PixInsightでダーク、フラット補正、スタック, Photoshop CCで画像処理


普段あまりしていないのですが、今回は少し茶色いモジャモジャも出してみました。でも高々トータルで1時間分の画像なので、まだまだノイジーです。ところでこのモジャモジャ部分って名前あるのでしょうか?モジャモジャの間の黒い部分は暗黒帯でいいんですよね。

あと、参考に四隅の切り出し画像を示しておきます。FC-76に新フラットナーをつけたもので、300秒露光したJPG撮って出し画像をオートストレッチしたものです。6Dなのでフルサイズです。これを見る限り、ほぼ点像ですね。新フラットナーいい仕事しています。

M8_LIGHT_6D_300s_3200_+24cc_20190625-22h51m58s692ms_8cut



まとめ

今回白濁したレンズが付いているFC-76で撮影して、上で示したくらいまで写すことができました。これがオリジナルのFC-76に比べてどれくらい劣っているのかはまだわかりませんが、少なくともまともなFS-60Qに比べて、遜色ない程度に撮影することはできるのは示すことができたのではないかと思います。

IMG_7576
改めて白濁が見えやすいように撮ってみました。
一様でもなく、濃いところ薄いところもあります。
結構ひどいことがわかるかと思います。

ではこの白濁の度合いはどうなのでしょうか?これだけ写るのならそもそも大した白濁でないのじゃないか?という疑問も出てきます。単に大げさに騒いでいるだけではないかということです。なので今一度自分自身でも確認の意味を込めて、まとめておきます。
  1. 対物レンズが白濁したFC-76をスターベース名古屋店で閉店直前に格安で購入しました。白濁があるため、タカハシ直営店ではジャンクとみなしてそれだけの値段しかつけることができなかったということです。
  2. 昼間明るいうちに見てみると、接眼側からアイピースを外してのぞいてみると対物レンズは真っ白近く。これはダメだろうと半分諦めながら実際にアイピースで覗いてみたのですが、解像度にため息が出て、少し眠い気もするが、白濁なんか全く気にならないレベルの鏡筒であることがわかりました。
  3. 眼視で月を見ると、FS-60Q年隠して多少コントラストが低下するところがわかりましたが、単体で見たら(少なくとも私レベルでは)絶対気づかないくらいの影響しかなかったこと。
  4. 撮影でも、と言うよりは眼視よりもさらに白濁の影響は少ないのでは、という今回の撮影結果を得たこと。
要するに、メーカーの直営ショップが白濁部分をジャンクレベルと評価し(おそらく世間一般でも同様の評価かと思いますが)安い値段をつけたものであるが、撮影まですると実は性能はその値段ほど落ちているとは思えないというのが今回の結論かと思います。もちろん、白濁していること自体が嫌な方がいるのは十分理解できますので、売値としては正しいものなのかもしれません。でも私は、白濁にさえ目をつぶれば性能的にはいまのところ不満はないので、十分満足です。むしろこの値段でこれだけ面白い経験をさせてもらったので、それだけでお得感満載です。

最後の疑問、これからもこの白濁レンズFC-76を撮影に使うかと言うと
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今回は間違いなくこれからも使います。だってホント、全然問題に思えないんですもの。



ラッキーイメージング事始め

以前から興味があったラッキーイメージングを始めようと思っています。必要そうなものは大口径の鏡筒、感度のいいCMOSカメラでしょうか。

とりあえず手持ちのMEADEの25cmのシュミカセと、新カメラASI294MC Proを投入します。初めての冷却カメラは、実はこのためでした。ターゲットは明るい星雲など。目的はどれだけシンチレーションを回避でき、微細構造を出せるかです。

今回はシンプルなテストで、ラッキーイメージングがどれくらい効果を期待できそうなのか、自分の環境でメリットはあるかなどを、まずはざっくりと知りたいと思います。


機材

今回使った機材です。
  • 鏡筒: MEADE LX-200-25 (口径254mm、焦点距離1600mm、F6.3)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー:  ZWO ASI294MC Pro (ただし冷却機のは使用せず)
  • 電子ファインダー: ASI178MC + 50mm, f1.2ノーブランドレンズ
  • 対象: オリオン座 M42、トラベジウム周辺
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.2 (64bit)
ラッキーイメージングは短時間撮影が特徴の一つなので、オートガイドもディザーも当然無し。ケーブルもカメラとPCを繋ぐだけのシンプルなものです。

MEADE25cmを出すのは久しぶりだったので、少し手入れしました。一番の懸念は赤道儀との固定で、これまでビクセン規格の細いアリガタを使っていたのですが、以前スターベースでLosmady規格の幅広のありがたを手に入れたので、これを新たに取り付けました。実際、CGEM IIに取り付けると、ずいぶんと楽に取り付けができ、位置調整もスムーズに行うことができました。やはり流石にこのクラスだと幅広の方が安定していて、調整している最中も安心感があります。

IMG_6762
Losmandyの幅広を初めて使いました。

夕方に鏡筒を赤道儀に設置して、暗くなるのを待ちます。極軸はASI178MCを使って50mmの焦点距離で、SharpCapのPolar Alignment機能で合わせただけです。自動導入も適当だったので、電子ファインダーがわりのASI178MCを使ってマニュアルでM42を入れました。極軸があっているのでとりあえず入りさえすれば、あとはほとんどずれることもなく、なんとかなります。

準備をしていると、ちょうどピント出しをしているくらいにかんたろうさんがやってきました。 長野から富山への移動の途中で寄ってくれたみたいです。そこからずっと一緒に試していました。


撮影条件

今回はSharpCapを使い、3つの条件で撮影しました。画素数はASI294MC Proの最大サイズの4414x2822ピクセルになります。露光時間、ゲイン、撮影枚数は以下の通り
  1. 露光時間: 0.1秒、gain: 570(max)、撮影枚数5000枚
  2. 露光時間: 1秒、gain: 370(maxの10分の1)、撮影枚数500枚
  3. 露光時間: 10秒、gain: 170(maxの100分の1)、撮影枚数50枚
露光時間をそれぞれ10倍づつ変えていって、出来上がりの明るさを同じになるようにするため、ゲインで10分の1づつなるように調整しています。1番のゲイン570はあぷらなーとさんの解析によると高すぎてデータが欠落するようなので、損をしているはずですが、最初のテストなのでとりあえず一枚あたりの明るさが同じになることを優先しました。

撮影枚数はトータル時間が同じになるようにこれも10分の1づつ調整します。ちなみに、5000枚のファイルは114GBと凄い大きさになりました。これでもトータル時間わずか500秒、10分いかない程度です。10FPS程度出ていたので、実際の撮影時間はほぼそう露光時間と同じ500秒程度でした。

撮影中Darkだけはリアルタイムで補正しました、0.1秒露光のものは64枚、1秒のものは16枚、10秒のものは8枚のdarkフレームをスタックしてSharpCap上で撮影時に補正しています。

保存形式は16bit RAWのserの動画ファイルとなります。

当日のシンチレーションですが、目で見ても恒星が瞬いて見えたため、決していい方ではないです。透明度はそこそこ良かったです。


画像処理

まだあまりよくわかっていないので、とりあえずAutoStakkert3でスタックし、上位40%を使用しました。この40%については、今の所なんの根拠もありません。

さすがに0.1秒露光の5000枚の処理は1時間近くかかりました。惑星の時にはこんなにかからないので、やはり画素数が多くなると途端に処理が大変になります。

トラベジウムの比較


スタックして出来上がった画像のトラベジウム部分を、まずはなんの処理もせずそのまま拡大してみます。

0.1秒露光:
Capture_20_24_09__20_24_09_lapl5_ap21_Preview011

1秒露光:
Capture_20_36_54__20_36_54_lapl5_ap21_Preview01

10秒露光:
Capture_20_51_32__20_51_32_lapl5_ap21_Preview01


トラペジウムをよーく見比べると、一応ですが、露光時間が短い方が恒星間の隙間の距離が大きくなっています。でも「え、わずかこれだけ?」というレベルです。ラッキーイメージのシンチレーションを軽減するだけの価値がないレベルの結果です。どうやらいろいろ試す以前に、そもそも中心部での星像がどれだけ点像になるかの議論が必要そうです。

ピントの合い具合にもよるでしょうし、光軸調整もあまりしていなかったので、それも問題でしょう。さらに、シュミカセで副鏡があるために中心部分が遮蔽されMTFが落ちてしまうのも避けられません。また、画像処理している途中で気づいたのですが、撮影時すでにトラベジウムの恒星の中心部分がが0.999とほぼサチってしまっています。これだとそもそもの径を定義するのさえ、うまくできなくなってしまいます。MEADE以外にC8もあるので、鏡筒を変えて比較するという手も考えられます。

もう一つは、スタックするときにうまく恒星が最小になるようにする方法を考える必要があるかもしれません。AS3のパラメータをいじるだけで済むのか?他のソフトを使うべきなのか?それともそもそもあまり改善しないのか?

露光時間で比較する以前に、こういった部分でまずは中心部の星像をできるだけシャープにして、うまくスタックする方法を検討することが先決だと実感しました。これがわかったことだけでも、今回のテストの価値があったということでしょうか。


背景の比較

さて、スタックした画像をPixInsightで開いて、それぞれSTFでオートストレッチしてみました。

0.1秒露光: ノイズが相当ひどいです。ダーク処理をし忘れたかと思いましたが、きちんとしていました。ゲインが高いので、ダイナミックレンジが小さく、また読み出しノイズが効いてきます。露光時間が短いと流石にこれくらいのノイズは仕方ないのでしょうか?
Capture_20_24_09__20_24_09_lapl5_ap2_str

1秒露光: あまり目立たないですが、下の10秒露光と比べるとまだなめらかさが足りないです。
Capture_20_36_54__20_36_54_lapl5_ap2_str

10秒露光: かなりなめらかになります。そのかわり、やはり星像は多少大きく見えてきます。
Capture_20_51_32__20_51_32_lapl5_ap2_str



解像度に関して

星像の大きさについて少し掘り下げます。トラベジウムはサチっていたために、きちんと比較するのは難しかったのですが、それならば他にサチっていない部分を探せば、露光時間によってその星像の大きさが違うのかをきちんと評価できるはずです。

画像をぱっと見るだけだと、輝度によって半径が見かけ上大きく変わるので、全然判断できません。なので評価はFWHMでします。今回はPixInsightを使いました。それぞれの露光時間の画像からPreview機能ででサチっていない恒星を切り抜き、Previewタブを右クリックして「Make Image」で独立した画像にします。これを一旦「IMAGE」「Color Spaces」「Convert to Grayscale」で白黒画像にしてから、「SCRIPT」「Image Analysis」「FWHMEccentricity」で半値全幅を見積もります。写真に撮った画像はすでにSTFでオートストレッチをかけて見かけ上サチっているように見えますが、実際の解析はスタックしたての画像で解析しています。そうしないと、多分輝度が圧縮されて半径も変わってきてしまうからです。

0.1秒露光: FWHM = 6.952 pixel
IMG_6771

1秒露光: FWHM = 7.333 pixel
IMG_6772

10秒露光: FWHM = 8.108 pixel
IMG_6774


となるので、確かに露光時間が短いほど星像は小さくなっていることがわかります。ただし100倍露光時間が変わって、わずか15%ほどの改善です。それでもこれは解像度に直結するはずで、実際2割解像度が変わると見た目にはっきり分かるくらい改善されます。

ここで元の画像をRegistaxでWavelet変換して細部を出してみます。0.1秒露光と10秒露光の画像を見比べます。Wavelet変換のパラメータは全く一緒にしてあります。ホワイトバランスは合わせていませんが、輝度のみ比較しやすいように、少しだけ変えています。

0.1秒露光
Capture_20_24_09__20_24_09_lapl5_ap2_RS_PS

10秒露光
Capture_20_51_32__20_51_32_lapl5_ap2_RS_PS

0.1秒露光の方がノイジーなのは変わらないとして、やはり多少細部まで出ていることがわかります。この部分をこれからいかに引き出すか、ノイズをいかに減らすかが今後の課題になってくるのかと思います。


一応仕上げ

せっかく撮影したので、少しだけ仕上げます。ただし、使ったのは10秒露光の画像です。流石に0.1秒露光の画像を仕上げても、ノイズが多すぎで全く使い物になりませんでした。むしろ、光害や露光時間不足で撮影がうまくいかなかった時の画像処理の苦労を彷彿とさせ、ものすごい無理をしてあぶり出す時の感じだったので、早々と諦めました。

Capture_20_51_32__20_51_32_lapl5_ap2_RS_finalize2

仕上がりを見ると、
  • コマ補正がまだ十分でない
  • 明る恒星がサチっているため不自然(RegistaxでのWavelet変換でエッジが強調されてしまった)
などの反省点がありますが、今回はまだテスト撮影なのであまり気合を入れずにこれくらいにしておきます。


課題と今後

もう一つ反省するところがあります。ダーク補正についてです。ダークフレームのノイズが0.1秒露光のものに一番残っている可能性が高いことに気づきました。やはりダークノイズの枚数も撮影枚数と比例させるべきでした。例えば0.1秒露光のものは1000枚、1秒露光のものは100枚、10秒露光のものは10枚とかです。今回の場合0.1秒露光のものが一番ノイジーだったのですが、単に相対的に少ない枚数で作ったダークフレームが、スタックした画像に比べてまだノイジーで、ダーク補正の時にノイズを新たに加えてしまっている可能性があります。


さて、課題をまとめておきます。
  • 光軸調整をきちんとする
  • トラベジウムがすでにサチっていたので、もっとゲインを落として比較すべき
  • ダークをきちんと考えて枚数を撮る
  • C8とも比べてみる
  • 冷却に挑戦する
といったところです。これらを踏まえて、もう少し検証したいと思います。


まとめ

今回は、ラッキーイメージングを試してみました。まずはテストでしたが、結構面白い結果が得られました。

  • 露光時間が短くなるにつれて星像の大きさは改善される。
  • 同時に解像度も改善されるようである。
  • ただし、その効果を生かすためには光学系の設定を詰める必要がある。

冷却でも改善されそうなので、まだまだ楽しみです。長焦点のキリッとした画像をいつか撮影したいです。


21時過ぎ、かなり寒くなってきたのでかんたろうさんと一緒に一旦自宅に退散。子供達、特にSukeがかんたろうさんと遊びたそうでしたが、次の日もかんたろうさんも私も仕事なので、あまり遅くまでダラダラしているわけにはいきません。子供達は春休みなので気楽なもんです。「泊まってっていいよ」とかふざけたことを言っていました。22時頃かんたろうさんが帰る時に外に出ると、空はすっかり曇っていました。ほんの少しのチャンスだったようです。また晴れ間を見つけて試します。


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