ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: 観測・撮影

台風19号が過ぎた日の夜、少しだけ晴れ間がありました。ほぼ満月だっとことと、雲も多かったので、何か簡単にできることと思い、10月26日、27日に開かれる長野県小海の「星と自然のフェスタ」の準備をすることにしました。

それはそうと今回の台風19号、私がいる富山はそれほどでもなかったですが、日本全国で見ると被害は甚大でした。特に長野は堤防が決壊し、よく使う北陸新幹線の車両が水に浸った映像は、かなりショックでした。スターライトフェルティバルに行こうとしていた福島も阿武隈川の堤防が決壊し多数の犠牲者が出たようです。小海でも数日間の間停電が続いたと聞いています。まだまだ生活を立て直すことができない方も大勢いらっしゃると思います。一日も早く復旧できるよう願っています。

さて、来たる 「星と自然のフェスタ」で、なんと電視観望について講演をすることになりました。講演プログラムはこちらになります。私の講演の時間は26日の土曜日午後15時30分からで、KYOEIの方と時間を分け合って話します。以前原村で、のんたさんから言われた「電視観望の話をどこかの星まつりでしたら、ものすごく受けるのではないか」という助言が早くも実現する形になります。さらっと記事を書いているように見えるかもしれませんが、内心ものすごく嬉しくて、できる限りわかりやすく、私が持っている電視観望の経験を惜しむことなく伝えることができたらと思っています。

伝えたいことは「なぜ小口径の鏡筒で電視観望が成り立つのか?」ということです。具体的な機器や操作法はもちろんですが、一番伝えたいのは「なぜ?」という理由の部分です。このブログをよく読んでくれている方にとっては新しいことではないかもしれません。でも最近「なんで小口径で見えるのかよくわからない」とか「暗くてよく見えない」とか、実際に困っている人が結構いることを知りました。わけもわからずやるより、絶対に背景にある理屈を理解して試した方がはるかに面白いだろうし、次のことを試す場合にもいろいろ応用が効くはずです。そんな思いで、講演用のスライドを作っています。

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その一つとして、SharpCapでの画像調整の動画を撮影しました。宣伝も兼ねてここに掲載しておきます。


もう一つ、スライドの中から実際の画面での説明のページも掲載しておきます。

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でもあくまで講演のメインは「なぜ?」の部分です。講演当日は「なぜ」このようなSharpCapの設定になるのかを理解してもらえるように話したいと思っています。そしてもし天気が良ければ、夜はそのまま電視観望の実演をしたいと思います。当日の講演でも、夜の実演のときにもできる限り質問にも答えたいと思います。

もし興味がある方がいましたら、ぜひ「星と自然のフェスタ」にいらして下さい。電視観望の話以外にも他の方のたくさんの面白そうな話があります。昨年は個人的には五藤テレスコープの分光の話がすごく面白かったです。今年は日曜日の昼前の重力波の話も面白いかもしれません。なんでも研究者が子供の頃どんなだったかとか、地元の子供達に向けてこんな世界もあるんだよ、というような話も交えてしてくれるそうです。


日本の電視観望の現状を振り返ってみようと思います。できるなら、これから電視観望を始める人の機材とかの選定に役立ってくれればと思います。


「電視観望」に至るまでの歴史

アマチュアレベルで、CCDカメラを使って星雲星団などを撮るという意味では、おそらく最古に近いものは昔の天文ガイドに出ている1980年年代前半くらいなのでしょうか。


上の記事では宇宙科学研究所と書いてあるくらいなので、アマチュアというよりは研究室レベルの話なのかもしれません。その後、CCDカメラが発達してアマチュア天文家に撮影の門戸が開かれていったのかと思いますが、それでもカメラの値段は相当高価で、一部のハイアマチュアの方に限られていたのかと思います。

むしろ電視観望に直結するのは、それよりも以前に行われていたイメージインテンシファイアを使ったリアルタイム表示でしょうか。昔の1981年1月号の天文ガイドにも記事があります。当然私はこの時代のことは知らないのですが、いつの時代にも同じようなことを考える人は必ずいるのかと実感させられます。そのころのイメージインテンシファイアは、当然星雲に色なんかつかないですし、値段からいっても一般の人にとってはとても手が出るものではなかったのかもしれませんが、今ではそれよりはるかに高感度なセンサーが、もう全然手の出る値段で出ています。以前のこの記事



でもないですが、天文に関して言えば今は夢にまで見た未来の世界なんだと思います。

一般のアマチュアでも星雲を高感度のCCDや一眼レフカメラを使って電視観望っぽいことをやっていた方は、結構前からいたようです。動画という意味で一番古そうなのは、Youtubeで見つけた限り7年前。でもこれらは今の電視観望のような、リアルタイムでその場で見るというよりは、「天体を動画で撮影をしてみる」という意味合いが強かったように思えます。

Sonyのα7Sが出た2014年あたりから、さらに電視観望に近いことをやっていた方が増えているのは特筆すべきです。やはり、高感度カメラの一般化とともに発展していくような技術なのかと思います。それでもまだ、モニターに映してみんなで見るというようなスタイルにはなっていなくて、あくまで動画で撮影してみるという類のものだったと思われます。


「電視観望」の始まり

「電視観望」という言葉は、SWATマニアで有名な愛知のHUQさんの造語です。HUQさんの方法は、α7Sを使うところはそれ以前と同じなのですが、それをHDMIで外部モニターにつないで、赤い星雲をみんなで共有して見ていたところが新しいのかと思います。当然α7Sも天体改造済みで、さらに色がおかしくならないようにUVカットフィルターも入れていたはずです。



HUQさん曰く、もともと「電視」としたかったらしいのですが、これだと中国語でテレビの意味になってしまうので「観望」をつけて電視観望としたとのことです。最近は電”子”観望と言われることもあるようですが、「でんしかんぼう」という造語を端に「電子観望」もできたものなので、大元は「電視観望」なのでしょう。言葉は時代とともに変わっていくので、どちらでも良いのかと思いますが、私は個人的にこの手法を直接見せてくれたHUQさんに敬意をはらい「電視観望」の方を使っています。


CMOSカメラを使っての電視観望のはじまり

おそらく日本では私が最初に、ZWO社のCMOSカメラを使ってその場で見ることを目的に電視観望を始めたのかと思います。当時調べた限りでは、少なくともCMOSカメラを電視観望相当のことに使っている例は見つかりませんでした。



当時私はまだ星を始めたばかりで、α7Sなんていう高級機はとても買えませんでした。上のHUQさんの方法をなんとか使えないかと、苦し紛れに、惑星用に使っていた同じSonyセンサーのASI224MCを流用したわけです。たまたまセンサーの感度がSony製で物凄く良かったこと、センサー面積などの制限から、小口径短焦点化など、逆に色々と発展させることができたのではと、後になって理解することができました。


海外の状況

ちなみに海外で電視観望に相当するのは別の言葉があって、EAA(Electronically-Assisted Astronomy)というのが正式名称のようです。直訳すると「電子補助天文」くらいでしょうか。調べてみるとEAAという言葉ができたのはそう古いことではなく、Cloudy Nightsでは2015年くらいから使われ始めたようです。私が始めたのが2016年なので、その一年くらい前ということになりますが、EAAの概念はもっと前からあったと思われます。2016年にはEAAをより一般化しようとするRevolution Imagerという製品がすでにできていました。



私はその当時、海外の状況を全然(それどころか、日本の天文事情もまだほとんど全く)知らなかったので、今の日本の電視観望の方法はある意味独立に発展してきたと言っていいと思います。というより、私は今だに海外のEAAの状況をあまり把握していないので、これまでの日本での電視観望の技術がどれくらい通用するか、一度海外の方で披露などしてみて、技術をすり合わせてみたいと思っています。少なくとも今の光害地でも余裕で見ることのできる技術は、海外と比べてもそんなに引けを取るものでもないと思っているのですが、どうでしょうか?


電視観望の広がり

さてこんな状況なのですが、日本では2016年夏の当初、電視観望なんて言葉は全く浸透していませんでした。その後、星まつりで披露して注目を浴びたり、



2017年にCAMPで披露してハイアマチュアの方の目にも入ったりしたのですが、



実際に電視観望という言葉がかなり一般的になってきたのは、2018年に入ってからくらいかと思います。日本で最大規模の販売店のKYOEIさんが力を入れてくれたり、天リフさんで積極的に取り上げてくれたのも影響が大きいと思います。

そんなこんなで、今では少なくとも天文マニアの間では電視観望という言葉はほぼ一般用語となり、会話の中でも普通に使われていますし、実際にかなりの人数の方が電視観望を試してくれていて、各地の観望会で成果を挙げているようです。


電視観望の分類

独断と偏見でですが、現在の電視観望を分類してみたいと思います。大きく分けて4通りくらいあるかと思います。
  1. まずはHUQさんが用いたオリジナルのα7Sを使う方法。これは後に明るさに走り、RASAを用いるような形に発展していきます。
  2. 2つ目は私が始めたCMOSカメラを比較的小口径の鏡筒で使う方法。これはひとえにSharpCapというソフトがあって発展した方法だと思います。今の日本で電視観望というと、これが主流なのかと思います。
  3. もう一つはRevolution Imagerを使った、PCを使わない簡単な方法。日本ではKYOEIさんで販売が開始されたのがきっかけです。
  4. さらに最近はASIAIRを使った方法なども出てきています。
これに加え、公共天文台などの大型望遠鏡を使った電視観望も始まっていますが、こちらはここ一年くらいでやっと公共天文台も注目し始めてくれたといった状況でしょうか。まだ、どこの天文台にもあるという状態からは程遠いです。大型モニターなどを常設することで、より多くの方に宇宙の深淵を身近に、リアルタイムに感じてもらうことができると思います。


さて、毎度長くて申し訳ないのですが、ここまでが前置きです。今回の記事の目的は、こんな背景を元にこれから電視観望を始める人がどんな方法があるのか、機材はどんなものを揃えたらいいのかというのを理解してもらうことにあります。

というわけで、まずは1から4の方法をもう少し詳しく見ていきましょう。

1. α7Sを使った方法

この方法が電視観望のオリジナルの方法と言ってしまっていいと思います。なぜなら電視観望という言葉を作ったHUQ氏本人が提唱している方法だからです。

  • 発案者: HUQ氏
  • カメラ: Sony α7S(天体改造済み)
  • 鏡筒など: F値の低い明るいカメラレンズ、のちにRASAに発展。
  • その他: HDMIケーブルで外部モニターにつなげると、みんなで共有して見ることができます。
  • 金額: α7Sが中古で10万からα7SIIが25万円くらい+天体改造3万円くらい、レンズはピンキリ(1万程度から、明るいレンズだと10万円以上の場合も)。HDMIモニターが1万円位。RASAだと8インチで25万円、11インチで45万円。11インチRASAを駆動するなら中~大型赤道儀でそれだけでも数十万円コースか。
α7Sの超高感度特性を利用した方法です。当初はカメラの天体改造も含め敷居が高かったのですが、最近は中古で10万円程度でα7Sを手に入れることができるので、かなり敷居は下がりました。

初期の頃は、50mm程度でF1.2というそこそこ広角のかなり明るいカメラレンズを使い、天の川なども含めてモニターに映す方法を取っていましたが、のちに焦点距離を伸ばす方向にも発展していきました。

カメラ単体は高感度なのですが、ISOを上げることのみで、外部ソフトを使うなどは基本できないので、どうしても鏡筒の明るさが欲しくなります。行き着く先はRASAなどの大口径で超低F値のものとなり、2017年の福島では11インチRASAで電視?と一部世間を騒がせました。



流石に11インチRASAは、それを乗せる赤道儀まで考えるとちょっと敷居が高くなりますが、ある意味究極の方法なのかもしれません。

ちなみに、α7S動画の場合の露光時間が秒最長でも0.25秒なので、その制限もあり明るさに限界があるのですが、必ず0.25秒刻みより速く見えるので、逆にリアルタイム性ではこれが一番面白いです。


2. 高感度CMOSカメラを使った方法

おそらく現在では、電視観望を言えばこの方法が主流なのかと思います。特徴はSony製の超高感度CMOSセンサーを使ったカメラを使い、比較的安価で小口径な鏡筒でもそこそこ見えるため、最初に始めるのには敷居が低く、とっかかりやすいことだ思います。

  • 発案者: Sam
  • カメラ: CMOSカメラ、ASI224MCやASI385MC、ASI294MCなど。
  • 鏡筒など: 短焦点で安価なものからOK。自動導入があるといいのでAZ-GTiがおすすめ。
  • コントローラー: SharpCap
  • その他: 画面を写すためにPCが必要。
  • 金額: カメラがセンサーサイズに応じて3万から10万円、鏡筒が安価な1万円くらいのものから。AZ-GTiなどの自動導入ができるもの3.5万円。計算機が5万円くらいから。
一番最初こそ口径20cm、F4の明るい鏡筒+FireCaptureで試しましたが、SharpCapの存在をRevolution Imagerの開発者のMikeに教えてもらってからは、ひとえにSharpCapに助けられて小口径化していきました。SharpCapを使うのはリアルタイムで画像処理を行っているようなもので、オートストレッチとLiveStackで星雲などあぶり出すために鏡筒を選びません。私は基本的に普段は口径60mmの小型のFS-60CBで電視観望をしています。

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PCが必要なのは、余分な機材が必要ということから欠点の一つもと言えます。逆に、PCの自由度の高さから任意のソフトが使え、特にSharpCapでカメラと鏡筒の能力の限界まで引き出せるのは利点ともいえるでしょう。値段も鏡筒を選ばないなど、いろいろ安価にする工夫がとれそうです。

また、広角のカメラレンズを使って、星座電視観望とか天の川電視観望なんかも楽しむことができます。


3. Revolution Imagerを使った方法

手持ちの望遠鏡などがあり、新たに簡単に試してみたいときはこれが一番でしょう。セットを買うだけで、必要な機材が全て入っています。PCもいらないのでとにかくお手軽です。

もともとアメリカのロサンゼルス近郊のOrange County TelescopeのMikeが機材を組み合わせて販売したのが始まりです。たまたま出張でこのショップに遊びに行った際、店長のMikeから日本に紹介してほしいと頼まれたものです。現在ではKYOEIから販売されています。
  • 発案者: Mike (Orange County Telescope)、日本への紹介者: Sam
  • カメラ: Sony製アナログカメラ(PAL出力)
  • 鏡筒など: とりあえず手持ちのものでOK。焦点距離を縮めるために0.5倍のレデューサが付属。
  • その他: モニターも付属。
  • 金額: Revolution Imagerが4万円程度。あとは手持ちの機材で。
PCを必要としない、最も手軽な電視観望セットです。画像処理に相当する機能がカメラに含まれています。日本語にも対応しています。

その代わり、自由度は少ないのでPC+SharpCapには機能的にかないません。ただし、付属のカメラは素子サイズがASI294MCよりも大きいので、感度は相当いいです。実はこれをビデオ入力ができるUSBキャプチャーアダプターなどを通してPCに入れて、SharpCapでLiveStackなどするという方法をあっかさんという方が試しました。これは素子サイズの大きさから侮れないくらいよく見えるようです。


4. ASIAIRを使った方法

2018年終わりころからでしょうか、当時から電視観望に力を入れていたKYOEIのMさんが、ZWO社のASIAIRを使った電視観望を提唱し始めました。当初はRED Cat51などの小口径の鏡筒を使っていましたが、最近は8インチのRASAと組み合わせて使っているようです。理由の一つが、ASIAIRの画像処理が、レベル補正の上と下しかいじれないことで、ガンマ補正に相当するものがなく、やはりある程度明るい鏡筒を必要とするからだと思われます。

  • 発案者: KYOEIのMさん
  • カメラ: ASI294MCなど
  • 鏡筒など: 明るいものがいいが、とりあえず小口径でも可能。
  • コントローラー: ASIAIR
  • 金額: ASIAIRが2.5万円、手持ちのスマホやタブレットがモニタになります。あとはカメラ、鏡筒、赤道儀など。小口径の場合は安価ですが、明るい方がいいのでRASAとかにすると、金額はそこそこ高くなります。
CMOSカメラを使っているので、2番の方法と変わらないと思えそうですが、PCのいらないASIAIRで、スマホなどがモニタがわりになるのは特筆すべきでしょう。さらに、ASIAIRに標準装備のplate solvingが物凄く優秀で、適当にセットしても、その時の画像を解析して位置を割り出し、赤道儀にフィードバックすることで、いとも簡単に精度よく目的の天体を導入してしまいます。

ASIAIRの画像処理が、やはりSharpCapに比べると機能的に劣るのは否めないのですが、もしこのまま開発が進んでSharpCapに匹敵する画像処理機能やLiveStackを持ったら、多分最強になります。


参考: Night Vision

電視観望ではないですが、Night Visionにも少し触れたいと思います。

といっても私は全然詳しいわけではなく、今年の原村で一度覗かせてもらったくらいです。色とかはつかないのですが、完全リアルタイムで淡い星雲を見ることができます。ドブソニアンとかの組み合わせで、さらに感度が出るので、DSO観測にかなり向いていると思われます。

ただし、値段がものすごく高いのと、明るいところで使わないなど、扱いが相当大変なようです。ナイトビジョン自身はものとしては昔からあるものですが、数が出るものでもないので値段がこなれるのがあまり期待できないのが難しいところでしょうか。観望会でお客さんにより気軽にみてもらうという観点からは、電視観望と相通づるものがあるのかと思います。


どんな機材で始める?

最近、電視観望を始めたいが、どんな機材から始めたらいいかわからないという話をちょくちょく聞きます。上で説明したように、いろんな方法があるのですが、
  • 手持ちの機材があるなら、CMOSカメラかRevolution Imagerを買えば比較的簡単に電視観望セットを構築することができると思います。
  • 手持ちの機材がないなら、最初は小口径の短焦点の安価な鏡筒でいいかと思います。
  • その時のカメラはASI224MCかASI385MCでしょうか。カメラ選びは以下のページを参考にしてください。
  • ASI294MCはセンサー面積が大きいのでやはりいいです。予算が許すならこれでしょう。何が違うかというと、広い範囲が一度に見えるので導入が圧倒的に楽です。
  • 自動導入はあった方がいいので、最初はAZ-GTiが安価で現状ではほぼ一択でしょう。もちろん普通の自動導入ができる赤道儀でも全然構いません。
  • あとは適当に余っているPCなどを流用して一度試すことだと思います。
  • ASIAIRは手軽さ、精度など兼ね備えています。画像処理がもう少し良くなればこれが決定打なるかもです。
  • 突き詰めていくと、究極的にはやはりRASAだと思います。RASAの明るさを生かすことで、ごまかしなしの本当にリアルタイムで星雲に色がつきます。α7Sとの組み合わせはある意味最強です。でも敷居もものすごく高いので、相当なマニア向けです。
とまあこんなところですが、参考になりますでしょうか?


今後の発展

今の電視観望の技術だけでも、自分で見て楽しんだり、観望会で実際にお客さんの反応を見たりすると、かなりのインパクトがあるのかと思います。

それでも電視観望はまだ非常に歴史が浅く、今現在もどんどん技術が進んでいます。例えば最近でもQBPを入れると格段に見やすくなるなど、まだまだ工夫の余地がありそうです。センサーの進化にも大きく依存するはずなので、今後も飛躍的に電視観望が発達して観望の中の重要な位置を占めてくるかもしれません。

まとめ

もしちょっと面白そうだなと思った方がいましたら、是非とも始めてみてください。わからないところがあれば、このブログのコメント欄にでも書いてもらえれば、できる限り答えたいと思います。

それでも機材を持っていないゼロからの状態だと、それなりの初期投資が必要となります。どこまで安く実用的に電視観望ができるのか、できたら今度挑戦してみようと思います。


あ、以前電視観望のトラブル解決集を作ったの思い出しました。よかったらどうぞ。(そろそろ一回更新しないと...。)




休日に名古屋に行く用事がありました。


まずはショップ訪問

せっかくの名古屋なので、SCOPIOによって店長さんと少し話しました。話題は「最近若い人来ますか?」というもの。

店長さん曰く「結構来ますよ」とのこと。天文部の学生や、若い社会人のマニアの方も多いみたいです。スターベース名古屋店が閉店になってしまったので、名古屋の天文ショップは本当にここだけになってしまいました。そのせいもあってか、近辺のマニアはもちろん、一般の方も結構来るみたいです。夏が始まる前から秋くらいまでは小・中学生を連れた親子もたくさん来るとか。まだまだ期待が持てそうです。流石に冬はマニアがメインとのこと。

そんな話をしていると、ちょうど「テレビで見たから来ました。」と、小学4年生くらいの男の子を連れた親子が店に入ってきました。名古屋ではSCOPIOは結構テレビで取材されていて、それを見てくる人も多いみたいです。と思っていたら、さらに小学生くらいの子を連れた親子連れと、さらにさらに中学生くらいの子を連れたお母さんが「駐車場ここだけですか?」と言いながら入ってきました。車は3台しか駐めることができません。もう少し居たかったのですが、せっかくきてくれた子を逃すのは惜しいので「あ、私もう出ますよ」と言って空いたスペースに車を置いてもらいました。

滞在時間15分くらいでしょうか。珍しく短かったですが、フレキシブルハンドルのジャンク品を2つ手に入れて満足でした。店長曰く、「あ、いいもの見つけましたね」とのことでした。


名古屋市科学館が面白い

その後、寄ったのが名古屋市科学館です。以前は名古屋に来るたびに子供と来ていたのですが、最近はご無沙汰でした。星を始めてからは2年前に来た以来、多分2度目でしょうか。今回は到着が午後3時半頃と遅かったので、プラネタリウムの券はすべて売り切れでした。プラネタリウムでアンドロメダ銀河とか見ようと思って、星座ビノとさらに双眼鏡もカバンの中に用意してきたので、ちょっと残念でした。

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それでも見所はたくさんあります。今回の注目は5Fの「宇宙のすがた」コーナーにある望遠鏡の内部構造です。まずはタカハシの屈折。上が口径10cm、下が7.6cmと書いてあるので、FC-100とFC76でしょうか。レンズの位置がよくわかります。特に下の方は、レーザーを使ってどうやって光線が焦点に向かっていくかがわかるようになっています。

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上の写真にも少し写っていますが、タカハシの反射とMEADEのシュミカセも同じように丸裸にされています。

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こういった工夫は科学館ならではだと思います。写真だけでは面白さが全然伝わらないので、是非とも名古屋市科学館で実際に見てもらいたいと思います。

もう一つ面白かったのが、トリウムレンズです。昔のレンズで放射性物質を含んでいて、その崩壊過程をγ線センサーで検出しています。他のものと比べて結構頻繁にセンサーが鳴ります。安全性については問題ない距離においてあるはずなので、ここでは議論はしませんが、科学的には目に見えないものを測定するという観点から、非常に面白い展示なのかと思います。ちなみに私も2つ持っています。

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もう一つの目的、科学館で知り合いの方に会うことができました。なんでも毎月観望会を開催しているらしくて、その中で電視観望も試しているとか。最近はASI294MCも手に入れて、名古屋のど真ん中で色々見ているようです。そうか!名古屋でもどれくらい見ることができるのか、早速この日の夜に自分でも試してみようと思いました。


名古屋のヨドバシカメラ

科学館は結局閉館時までいたのですが、その後、せっかく矢場町らへんに来たついでに名古屋のヨドバシカメラに寄っていきました。なんとヨドバシが松坂屋の中にあるんですよ。しかも3フロア占めています。時代も変わったものです。望遠鏡を見ていきましたが、VixenとMEADEが置いてありました。びっくりしたのはミニポルタがまだ置いてあること。残念ながら展示してあるのは可動部が壊れていましたが、まだ在庫あるのでしょうか、普通に買えるみたいでした。

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ただやはり、周辺パーツはほとんど置いていないので、これなら富山のケーズデンキの方が遥かにマシな気がしました。東京のヨドバシはまだ色々置いてあるので流石です。

でもホントに、天体望遠鏡ってどこで買えばいいのでしょうか?一般の人にとっては専門のショップは敷居が高い気もしますし、やはりネット?できれば初心者ほど、きちんと見て、アドバイスを聞いて買った方がいいと思います。


初めてのカメラ雑誌

せっかく都会に来たので、栄方面まで歩いて、ついでにMARUZEN(名古屋有数の大型の本屋)に寄りました。ここでやっと話題のアサヒカメラの9月号を手に入れることができました。富山の本屋では軒並み売り切れでした。例の自然画のレタッチしすぎの件です。ちなみにカメラ雑誌を買ったのはこれが初めてです。

私はそもそも、一眼レフカメラで自然どころか、明るいところでほとんど撮ったことがない、初心者にも入門者にもならないようなズブの素人です。記事をただ読むことくらいしかできません。それでもあえて一言だけ言うなら「手に入る技術は目一杯試すべき」なのかと思います。そこで不満が出てきたときに全く新しい技術を生み出すようなすごい人が出てくるはずです。自然を自然らしくと言うのは理解できますが、そのために技術の進化ををさえぎるような、技術を使わないことを記事の中で推奨するのはどうかと思います。ハードウェアというカメラを作る努力と、撮影時に工夫したり苦労したりすることと、画像処理アルゴリズムを独自で組むような姿勢に、なんら変わりはないと思います。星なんかレタッチの究極みたいなもんですからね。


やっと電視観望

というわけでここまでが前書きで、やっと今回の記事のメインに入ります。今回のテーマは「都会の光害下で、QBPをつかった場合に電視観望は実用になるのか?」です。前回の記事で、満月のときに富山でQBPを使って電視観望試したのですが、明るい時と言ってもそれでも田舎の富山。都会の光害には遠く及びません。富山駅前でも同様のことをQBPで試したので、感触がもてそうなことはわかりますが、やはり実際に都会で試してみたくなります。場所はだんだん定番になってきた、名城公園のスターバックの横の、階段の上の踊り場です。

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今年の初めにここで同じように電視観望を試したのですが、その時はQBPを途中から入れたのですが、画面半分にカブリがあるとか、あまりうまくいっていませんでした。今回はそのリベンジも兼ねています。現場では向こうに名古屋城が見えています。

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名古屋での電視観望の見え方 with QBP

さて、まずは手始めにM57。QBPの威力でしょう、全く問題なく見えています。
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次にM27。こちらも都会の光害地とは思えないくらい綺麗に見えています。輝度のある星雲は全く問題ないですね。

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と、ここで曇ってきてしまったのでちょっと休憩。スターバックスに大好きな抹茶クリームフラペチーノを買いに行きました。スターバックスにすぐに行ける観望会なんて、結構すごいと思うのですがどうでしょうか?そんな便利なところで星雲まで見えるのです。

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ちょっと脱線、月と雲

月も上ってきました。雲がかかっていますが、その雲と月とのコントラストがすごく綺麗で、これを全部表現するのにはダイナミックレンジが全然足りないのかと。

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名古屋でもここまで見える

しばらく待っていると、天頂部分が晴れてきました。さすがに富山と比べると多少厳しいですが、比較のために北アメリカ星雲です。

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まあ、名古屋の繁華街の近くの公園でこれだけ見えれば十分ではないかと思います。

あとこれらも比較のための網状星雲と三日月星雲です。とりあえず形がわかるくらいは十分に見えています。

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Twitterで呼びかけしていた22時すぎ、明日の仕事があるのでここで終わりにし、片付けの後22時半頃に実家へと向かいました。


まとめと感想

もう十分満足しました。確かに富山と名古屋では差があることはわかりましたが、QBPの威力はすごいです。名古屋でこれだけ見えれば、あとは東京でどれくらい見えるかですね。東京の本当の繁華街でどれくらい見えるかとか、一度試してみたいです。

ちなみにこの日の一人観望会、直前にTwitterで声をかけて反応は上々だったのですが、さすがに平日前の休日だったので現場には誰も現れてくれませんでした。それはまだいいのですが、普通の人もだーれもいません。せっかく綺麗に見えたので、少しくらい見て欲したったです。残念。


今月号(2019年10月号)の天文ガイドに天の川沿いの赤い星雲ガイドがありました。こうやって実写とともに、位置情報まで含めて一覧で見どころを示してくれているのは今まであまりなかったのでありがたいです。これに沿ってどれくらい見えるのか電視観望でいくつかみてみました。条件は前回の記事と同じ機器で、QBPをはめてです。


QBPでの電視観望でここまで見える

まずは、前回の記事のテストでも試した天文ガイドのページに沿って、北アメリカ星雲です。何枚か撮ったうちの一つです。

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位置はサドルより下流でも、さすがに天文ガイドの記事のトップに来るくらいメジャーで明るい星雲です。電視観望でも十分見栄えがします。

次は白鳥座のガンマ星、二等星のサドルがある付近です。

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天文ガイドでは星3つで「とにかく明るい」と書いてある場所で、電視観望でもその場で結構楽に見ることができてます。

調子に乗って、サドルから少しデネブ方向に移動してみました。天文ガイドには「3つの連なった青い星雲」とありますが、写真の右の少し下くらいのところです。残念ながら、それらしい青いものは見えません。もしかしたらQBPは青を出すのが苦手なので、そのせいかもしれません。

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ここらへんで、やはりかなり明るいものでないと厳しいといことがわかってきました。

次は天文ガイドには書かれていませんでしたが、やはり白鳥座にある三日月星雲です。

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こちらも形はきちんとでているようです。少し拡大してあります。

同様に網状星雲です。網状星雲が電視観望でこんなに綺麗に見えたことは私は初めてです。QBPの効果絶大かと思います。周辺減光がひどいので、フラット補正をしたほうがより見栄えするのかもしれません。

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ずーっと飛んで胎児星雲です。こちらは天文ガイドで星二つ。それでも明るいので星三つでもいいのではと書いてありました。電視観望だとこれでやっとかろうじて見えるくらいです。

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網状星雲もそうなのですが、意外に画角が広いので、もしかしたらレデューサを入れたほうがいいかもしれません。ただしレデューサーの効果で、もともと小さくしか見えないM57とかは流石に小さくなりすぎると思うので、分解能的に厳しいかもしれません。M57は輝度が高く電視観望の目玉の一つなので考えものです。

ちなみに、胎児星雲までずーっと飛んだわけは、ここまで星二つとか星一つのSh2がほとんどだったからです。でもケフェウス座のIC1396はきちんとトライしてみてもよかったかもしれません。ただ、富山は北のほうがかなり明るいのであまり北寄りだとやはり厳しいいかもです。もう少し時間が経つとカリフォルニア星雲とか勾玉星雲とかが見えたかもしれませんが、昨晩はここらで時間切れでした。


逆にQBPが電視観望に向かないケース

ここからは失敗例です。

意外だったのがM31アンドロメダ銀河です。先日の演奏会とのコラボの時もそうだったのですが、意外に綺麗にでません。もう天頂付近に来ていたので、雲とかのせいではないです。もしかしたらQBPのせいなのかもしれません。

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一度QBPを外したものと比較してみたいです。

あと、M45すばるもダメ。悲しいくらいの苦労の跡が見えますが、どうやっても青が出ませんでした。これもやはりQBPのせいでしょうか。

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ちょっと気になって調べてみました。まず、中川光学研究室ブログにQBPでM45を撮影した例が出ています。綺麗に反射光の青が出ています。ではこの青の波長はというと、ここを見ると430nmらしいのですが、これだと下のグラフからもわかるようにQBPを透過することができません。

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M45の波長データが違うのか?QBPの透過周波数特性が違うのか?今度自分できちんと撮影して確かめてみることにします。



最後は二重星団です。SynScan Proのリストでパッと目に入ったので導入してみました。

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失敗と言ってしまうのもあれなんですが、QBPに関係なく、やはり恒星はシャープさがなかったり、偽色が出たりで、電視観望で見るのはイマイチです。こちらは絶対にアイピースで見たほうがいいでしょう。電視観望だとみんなで一緒に見えるというくらいのメリットしか見い出せません。球状星団なら電視観望で淡いところも出せるので、まだマシかもしれません。

今回のテストはこれくらいです。実は時間的な順序では網状が最後でしたが、この時点でバッテリー切れと、気力切れでした。


改善点

今回のテストは一般の観望会を想定しています。安全のため、それほど暗い場所でなく、たくさんのお客さんがいるために装備はトラブルレスを第一に、とことんまでシンプルにというような方針です。

これ以上の改善をするなら、
  • CMOSカメラを冷却してノイズを減らす
  • ダークフレームを撮影してリアルタイムで補正し、輝点ノイズなどを減らす
  • フラットフレームを撮影してリアルタイムで補正し、周辺減光を減らす
  • 暗い場所に行く
  • 月のない日を選ぶ

などでしょうか。確かにこうやってみると改善の余地はまだありそうですが、時間の限られている観望会でこれをするかどうか?お客さんを待たせないようにとか、少し考えなくてはいけないかもしれません。


まとめと結論

秋も電視観望で色々な天体を楽しむことができることがわかったかと思います。ただ、北アメリカ星雲とかはいいのですが、サドル付近とかを観望会で見せて果たして一般の人は喜んでくれるのかどうか。胎児星雲ももう少し画角が必要です。網状星雲はインパクトがありますが、三日月星雲を一般の人に見せてどんな反応を示すのかとかはちょっと興味があります。

天文好きな人は反応がめちゃくちゃいいのはいうまでもなく、以前の福島の星まつりで三日月星雲が見えて大騒ぎした覚えがあります。福島の時も確か月が明るかったです、その時から比べてもASI294MC ProとQBPが投入されたことで電視観望の技術もずいぶん進歩したことがわかります。

あと、QBPが苦手そうな天体があることがわかったのも儲けものでした。こちらはQBPを外す手段を考えるとか、2台体制でいくなどを考えたほうがいいのかもしれません。アンドロメダ銀河なんかはもう少し見えるかと思っていました。

あ、ちなみにこのテストはちょうど満月の日に行われました。星雲を見るのには最も適していない日です。煌々と輝くまん丸のお月様の下でこれだけ見えるなら、多少の光害地でも、観望会で見せるくらいのネタはなんとかなることがよくわかりました。


QBPがあれば、もうこの電視観望、場所と日を選ばずに星雲見えそうで超強力な観望会ツールになりそうです。あ、もちろん雨とか雲はダメですよ。
 

昨晩、綺麗な満月が出ていたので、光害時を想定した電視観望のテストをしてみました。


目的

もしかしたら、Hαフィルターを使えば電視観望でももっと星雲をあぶりだせるのではないかと考え、試してみることにしました。元々のアイデアは、NV(ナイトビジョン)です。NVはそもそもモノクロなので、実際に見る時に、ターゲットを見やすくするためにナローのフィルターを入れているそうです。

そうか、カラーにさえこだわらなかったら電視観望でもナローフィルターを入れてみればもっとコントラスト良く星雲が見えるのではないか?と思ったわけです。たまたま胎内星まつりでHαフィルターを安く手に入れたので、これを使って試してみます。


機材

いつもの電視観望機材です。
  • 鏡筒: タカハシ FS-60CB (口径60mm, 焦点距離355mm) + 旧フラットナー
  • 架台: AZ-GTi(経緯台モード)
  • センサー: ZWO ASI294MC Pro
場所は自宅の庭。そこまでひどい光害地ではないですが、北は街明かりでほぼ全滅。年1-2日ですが、月のない透明度の良い日は、天の川がかろうじて見えるくらいの場所です。普段は天の川は全く見えません。


実際の比較条件

今回、3つのパターンを試します。
  1. フィルターなし
  2. サイトロン製QBP(Quad Band Pass)フィルターあり
  3. バーダープラネタリム社製、Hαフィルター(バンド幅7nm)あり
です。

ターゲットは北アメリカ星雲です。観望会を想定して、ライブスタックありで、数十秒待ちそこそこ見えるようになってきたものの比較です。私が普段の電視観望でやっているようなパラメーターを調整して、そこそこ頑張って、その設定でもっともよく見えるようにしたものです。

さあ、果たしてうまくいくでしょうか?


1. フィルターなし

先ずはフィルター無しの画像です。露光時間4秒で、20枚スタックしてあります。

IMG_8067

まあ、それでもきちんと見えていますね。ちなみにライブスタックなしだと、4秒露光で下くらいが限界。何か少し見えていますが、リアルタイムで見ているとは少し言い難いです。

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2. QBPフィルターあり

やはり星雲の形もはっきりして、かなり見えるようになります。2秒露光で70枚スタックしています。

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電視観望でここまで見えれば、かなり十分なのではないかと思うような結果です。

ちなみに、70枚スタックは実はあまり意味がなくて、見え方の改善があまりなくなったところで適当にシャッターを押しただけです。それよりもQBPは明らかに良く見えるので、露光時間を半分の2秒にしてもまだフィルターなしより良く見えるというところがポイントです。

ちなみに、スタック無しのものがしたのになります。3.2秒露光ですが、それでもかろうじて北アメリカの形がわかります。でもスタックなしだと流石にここら辺が限界です。これ以上劇的に露光時間を短くすることはできません。

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Hαフィルター

さて、かなり期待してHαフィルターをつけてみました。結果はというと

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確かにQBPよりも細かい描写ができている部分もありますが、やはり全体的にコントラストに乏しく見にくくなっていて、観望会に使うにはまあどうかと思います。ちなみに、4秒露光でこれくらい。これ以上短くするとかなり見えにくくなってくるので、この点からもQBPの方に軍配が上がります。。

スタックなしだと下のようになります。ほとんど何か良くわかりません。

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QBPとHαフィルターのまとめ

うーん、Hαフィルター思ったより出ませんでした。理由の一つはカラーCMOSカメラを使っているからだと思います。それでももう少しコントラスト良く出てくれてもいいかと思ったのですが、少し期待しすぎだったようです。もっとコントラストが良くなっていたら、あわよくば露光時間を短くできないかなとも思っていたのですが、この結果からはそれは難しいということがわかります。

結論としては、色付きで星雲を見るならQBPをつけたほうがいい。色がなくなることを犠牲にして、Hαに特化しようとしても、それほどのメリットはないということでしょうか。モノクロカメラだとまた結果は違ってくるのかもしれません。



ついでの実験

ちなみに、星座ビノにフィルターを入れたらもっとコントラスト良く見えるのではという実験もしみてみました。こちらは結果だけ書いておきます。

昔買ったφ31.7mmのかなり弱めの光害防止フィルターを星座ビノの片側の手前側(目の方)に置いて夜空を見てみました。光害防止フィルターを入れただけで、まず視界そのものが暗くなって見にくくなります。また恒星は基本白色に近いものがほとんどなので、光害防止フィルターは恒星の光もある程度カットしてしまいます。なのでコントラストがあがり星が多く見えるということも、ほとんどありませんでした。あえて言うなら、星の見える数はあまり変わらないが、全体が暗くなって見えにくくなるだけだったというところでしょうか。

結論としては、Hαでの電視観望とともに、星座ビノ光害フィルター作戦も完全に失敗です。


原村星まつり2019 (その1): 初日からの続きの記事です。


朝起きると、なんと快晴 

原村星まつり2日目。朝7時頃に起きると、空はなんと快晴。なんでも午前2時頃から晴れたとか。でもかなりの人が諦めて寝てしまっていたようです。私も午前1時までは起きていたのですが、もう晴れないと思い諦めてしまいました。

朝は富山のIさんと少し話をしました。実はお風呂に行こうとしていたのですが、「まだ空いていないのでは?」と言われ調べてみると朝10時からとのこと。Iさんに言われなければそのまま出発してしまうところでした。

風呂のついでに朝食でもと思っていたのですが、仕方ないので持ってきていたレトルトのカレーとご飯をカセットコンロで温めて朝食にしました。その時もすでにほしぞloveログの看板を見て訪問者が。(実際にはライターなしでついたのですが、壊れていると思って)コンロをつけるライターを貸していただきました。ブログを見てきてくれるので話もしやすく、とても嬉しいです。


毎年恒例、タカハシブースでの飽くなき戦い

午前9時過ぎになるとタカハシブースでの販売があります。今年も相変わらずものすごいです。あまりの人だかりで、私は完全に戦意喪失。後で空いてる時に行きましたが、今回はあまり欲しいものがありませんでした。あ、一つだけ、スリービーチの反射が販売されていました。ロゴが取れているのが惜しかったです。ロゴがきちんと残っていたら買っていたかも。どれくらいの見えなささか知りたいと言ったら、店員のS君が「そう言った意味ではよく見える方なので、期待はずれかもしれない」とのことでした。

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朝の販売時の様子。9時10分からで、9時15分に行ったらこんな感じでした。

FCT-100(追記: 初出間違えていました。2枚玉のFCー100かと思っていたら3枚玉のFCT-100。だから少し高かったのですね。)が出ていましたが、この間やっと(白濁したジャンクの)FC-76を手に入れたばかりなので、今回は断念。でもちょっと欲しかったです。

FC-76といえば、5月に閉店したスターベース名古屋店の元店長も会場で会うことができました。白濁していても綺麗に撮影までできたことを報告すると、「貰ってくれるべき人のところに行ったみたいで良かったです。」というようなことを言ってもらえました。とても嬉しかったです。その際、あの白濁はすでにタカハシの工場で清掃もしてあって、それでもあれだけ残ってしまったということを聞くことができました。どうやらこれ以上は研磨かレンズ交換しかないようですが、レンズ交換をすると焦点距離が少し短くなって、レデューサ(もしかしたらフラットナーと言っていたかも)とカメラ回転装置をつけるとピントが出なくなるということを聞きました。なので、やはりレンズ交換もきちんと考えてから実行したほうがいいようです。あ、鏡筒を切って短くすればピントは出るそうですが、流石にタカハシを切るのはちょっと気が引けます。


お風呂

さて、そんなこんなで午前10時前になったので、「もみの湯」という一番近いお風呂に行きます。会場からは1キロ以上ありそうですが、下り坂で歩いて行けない距離ではないです。お風呂に着くと星関係の人ばかり。20人くらいはいたでしょうか。地元住民は500円らしいのですが、星関係の人は皆地元でないので、一般の650円を払って入場します。お風呂場では名古屋のドブ使いのHさんと話しました。露天風呂もあり、星仲間が朝から盛り上がっています。私も話の輪に入りますが、買い物もあるので先に出て、車でスーパーに買い出しです。スーパーもコンビニも同じような距離のところにあり、会場からは車で10分くらいです。氷とかを多めに買い、朝昼ご飯を少し買い込みすぐに会場へ戻ります。


星まつりでの子供達

会場では子供向けのブースやイベントもたくさんあります。Sukeはいつもの紙飛行機ブースで初日から入り浸りですし、Natsuも2日目からは会場で楽しんでいたみたいです。前回星まつりで友達になったY君が今年も来ていて、今年も3人一緒にずっとつるんでいたようです。Y君もNatsuと同じ中3。二人とも受験生なのに今年も参加です。

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紙飛行機飛ばし大会では、3人とも入賞。中でもSukeは6位で、3人とも豪華な景品をもらったみたいです。他にもプラネタリウム作り教室や、理科実験ブース、手作り望遠鏡教室、化石掘り、天文クイズなど、子供向が来ても飽きないようになっているので、小さなお子さんとの家族旅行がてらでも十分楽しめると思います。何より、夜に望遠鏡でいろいろ見せてくれるのは星まつりならではだと思います。

もう子供の面倒を見ていなくても、勝手に遊んでくれているので楽なものです。寄ってくるのはご飯の時くらい。ちょっと寂しい気もします。旅行先で、親から少し離れて3人で遊ぶのは楽しかったみたいで、いい思い出になってくれればと思います。Sukeは「来年も絶対行く」、Natsuも「もう一年くらい行ってもいいかなあ」とか言っていますが、多分来年はもうついてこない気もします。


星仲間たち

この日も昼間は結局風呂から戻ってしばらくで全面曇り出し、一時は結構な雨が降りました。曇っている昼間に、ほしぞloveログの看板に気づいて車のところに来てくれた方もたくさんいました。FS-60CBでの電視観望セットアップと、魔改造10cmアクトマートPSTを興味深く見てくれる人も多く、天文談義に花が咲きました。Twitterでフォローしてくれている人で、昔天文少女だったという奥様の方が星が好きで、旦那様とお嬢さんと一緒に訪れてくれて、やっと実物を見ることができたと喜んでくれた方もいます。SCOPETECHのブースとほしぞloveログが目的で、もう大満足だと言ってくださって、とても嬉しかったです。(追記: あとからマリーチさんという方だとわかりました。)

これは多分初日だったと思うのですが、kaienさんに手作りのFS-60用のバーティノフマスクをいただきました。kaienさんのブログで希望者にお渡ししますと言う募集があって手を挙げていたのですが、なにぶんkaienさんとお会いしたことがないので見つけられるか自信がありません。でもちょうど私を知っている方が近くにいたので、kaienさんの方から声をかけていただけました。3Dプリンタで作ったという小さなバーティノフマスク。なかなかこんなの市販されないので、大事にしようと思います。kaienさん、どうもありがとうございました。

会場には富山勢もたくさんいました。仲のいいかんたろうさん、星まつりでしょっちゅう会うY君、朝お話しした、以前雑誌をたくさんいただいたIさん、他に私の車の富山ナンバーを見て話しかけてくれる方がいて、聞いたら車で数分くらいの本当に近くに住んでいる方もいました。運営の方で少し関わっているようで、コンサートのときに本部前でいろいろされていました。残念ながら県天の方は最近加入したかんたろうさんとY君以外はお見かけしませんでした。

他にも、12月から初めて恐ろしい勢いで電視観望を組み上げたYさん、天体望遠鏡博物館のSさんとも会うことができました。でもごめんなさい、今回あった方だけでも、もうハンドルネームと顔と名前がごちゃごちゃで、間違えた人と思って話していたりしたかもしれません。顔と名前を覚えるのが実は苦手で、たまにとんでもない失礼をしてしまうのでいつも困っています。もし勘違いとかしていたり、名前を忘れてしまったりしていましたら本当に申し訳ありません。

2日目午後は何かいろいろ忙しくて、抽選会やオークションはあまり参加できませんでした。抽選会は子供に任せっきりでしたが、ほとんど何も当たらずに、最終日に残った人たちだけで実施されたかなり率のいい抽選会で、やっと恐竜の3Dのポスターを手に入れてました。この日のオークションは少しだけ見ていたのですが、その時に面白いことがありました。忙しくてTwitterをあまり見ていなかったのですが、オークションで時間があったのでTwitterをチェックしてみると、昨年小海ですれ違ったAramisさんが「オークションを今見ている」と!すかさず会場の真ん中にいますと返事をしたら、後ろの方から出てくる人がいて、「あ、Aramisさんですか?」と無事に会うことができました。Aramisさんもっと年配の方かと思っていたら実際はかなり若い方で、奥様と小さなお子様を連れて家族旅行をかねてということでした。奥様とも少しお話しさせていただいたのですが、星にものすごく理解のある方で、とてもうらやましい一家です。


夜の部

一部で話題になっていた重力波の講演。私自身は"聞くこと"はできなかったのですが、聞いていた方の話によると会場はかなりの熱気で、話もわかりやすくて面白かったとのこと。途中から後ろの方で立ち見まで出ていて、午後8時台でこれだけの人数が集まるのは珍しいのではとのことです。最後の方に天文マニア向けに天体写真撮影時の振動対策みたいな話があって、こちらはイマイチだったという人と物凄く参考になったという人で分かれていたみたいです。質問も次々出ていて、終わってからも質問で囲まれてたみたいなので、かなり盛り上がっていたのではないかと思います。星まつりでの話がマンネリ化しているので、こういった宇宙の話も新鮮で良かったという話を何人かの方から聞きました。講演が充実している小海の「星と自然のフェスタ」でもこんな宇宙に想いを馳せるような話があるといいなあと思っています。

この日は暗くなり始めた頃から、薄雲はまだ結構残っていましたが、木星は比較的明るく夏の大三角がそこそこ認識できるくらいで、そこそこマシな状況でした。本部前や観望エリアではたくさんの人が望遠鏡を覗いています。中でも、8インチRASAとASIAirで電視観望をやっていたKYOEI?のブース前はかなりの人だかりでした。私が見たときはあんな明るいブースのところで網状星雲を余裕で色付きで見せていました。さすがRASAです。ある意味単焦点の究極みたいな明るさなので、電視観望の理想の形の一つと言えるかもしれません。


ちょっとまったり座談会

22時前くらいでしょうか、昼間にほしぞloveログの看板を見ていた人で電視観望に興味があるという方達が集まり出しました。メンバーはわかっている限りかんたろうさん、Aramisさん、半田からきているいのさん、けーたろさん、けーたろさんの大学時代の友人であとから来られたKさん、さらに以前シュミットでお会いして以来ちょくちょく交流のあるアルさんと小学2年のお嬢さん。

ただ、空はこの頃には結構曇っていたので、とりあえずは天文談義です。ネット上では知り合いなのですが、実際に会うのは初めての方も多いので、自己紹介から始まります。自己紹介といってもすぐに脱線して、いつ星を始めたとか、天文少年時代の話、機材の話、撮影の話など全然話題は尽きません。自己紹介が一周するのに1時間近くかかったのではないでしょうか。特に、撮影場所の話が盛り上がって、有名どころにいったことない私は聞いたことある場所の名前で想像するしかなく、メジャーな撮影場所でのその場の雰囲気に少し憧れながら聞いていました。

Alamisさんがされた奥様の話がよかったです。なんでも、何か機材を買うときはまず奥様に相談するそうです。例えば「レンズを買いたいが、候補はこれとこれとこれ、それぞれいくらで、満足度はこれくらい」とかいうと、客観的にじゃあこれがいいんじゃない?とアドバイスをもらえるそうです。まるで夢のようなご一家です。Aramisさんの奥様への気配りを見て、私も少し反省しました。妻はなかなか星のことまでは理解してくれませんが、私が多少物を買っても、遠征に行っても文句はほとんど言わないし、今回も原村についてきてくれるし、かなり幸せな状況ではないかと思うようになりました。

アルさんの小2の娘さんと、うちのNatsuがなぜか大の仲良しで、2日目晩にアルさんが到着してからずっと一緒に会場を回っていたみたいです。Sukeと会場で友達になったY君も一緒に、中3二人、中1一人、小2一人という、なんとも楽しそうな組み合わせで、座談会の最中もずっと4人で遊んでいて、すぐに何処かに行ってしまいます。妻とNastuのペンションの門限が23時なので、23時前にNatsuがいなくなってから今度は3人でまた何処かに行ってしまい、なかなか帰ってきません。

途中午前0時頃でしょうか、アルさんが明日も仕事ということで、帰ろうとしても全然戻ってこないので何人かで探しに行きました。しばらく探しているとアルさんから電話で「いた」と連絡があり、そのついでに我々は話題のナイトビジョンを見せてもらいました。ちょうどパックマン星雲が入っている時で、こちらは完全リアルタイムで見えるので、非常に面白かったです。何かチカチカするのが見えたのですが、ナイトビジョン特有のノイズなのかと思います。ナイトビション興味はありますが、なにぶん値段が...。本当に一桁違うみたいです。


やっと電視観望

0時過ぎ頃からでしょうか、空の様子がだんだん良くなってきました。0時半頃からは天頂を横切る天の川をはっきりみることができました。唯一南の低空の空がずっと曇っていて、射手座方向の星雲が見えなかったのが残念でしたが、すでに上ってきている秋の星座まで十分に楽しむことができました。集まった皆さんは電視観望に興味があってきてくれているので、十分に楽しむことができたのでとてもよかったです。実は集まったメンバーの中ではかんたろうさんが23時半頃、明日の木曽シュミットのボランティアのために帰宅。後で聞いたら結局晴れた空を見れなくていつもタイミングが悪い、あともう少しいればよかったと悔やんでました。

さて、お待ちかねの電視観望です。まずは定番のM57から始まります。まず、色がはっきり出てきているので「おおーっ!」と声が上がります。電視観望のことは少なくともこのブログで見て知っている皆さんですが、その場でここまで見えるとは認識されていなかったのかもしれません。

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M27亜鈴状星雲も綺麗に見えています。

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この日は北アメリカも結構映りました。暗い空なのでQBPは入れていませんが、もしかしたらQBPを入れたらもっと綺麗に赤が出るのかもしれません。今度また暗いところの電視観望で試してみようと思います。
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M13も面白いです。
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二重星団は電視観望よりはアイピースで見た方がいいです。
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M31アンドロメダ銀河。秋の星たちも、もう見え始めています。
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最後に、カメラレンズに変えて口角を天の川で見て、もう午前1時前でしょうか、いろいろ見ていたらPCが電池切れ。それほど長い時間ではなかったですが、空の様子もよく、電視観望で見る星雲星団も結構満足したもらえたのかなと思います。また再会を誓って、ではそろそろと解散となりました。


電視観望第2部

はあ疲れた、もう片付けようと思っていたら、すぐに別のお客さんが二人来てくれました。若く見えるので聞いてみたら、学生さんとのことです。電視観望に興味があるということだったので、PCの電池を別電源で改めて充電して、再び見始めます。まだセットアップが残っていた天の川を見てもらいます。

東の空、天の川の薄い方です。すでにスバルが下の方に見えています。でも下の方は少し雲がかかっています。

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中心部ですが、iPhoneのピントがずれてしまいました。目で見ると白くしか見えない天の川も、COMSカメラで見ると色がついて見えます。
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その後、第一部電視観望会と同じようにM27とかM57とかアンドロメダとか巡ります。この時のM27とアンドロメダの写真が残っていました。空も良くなっていて、上のよりも少し綺麗に出ています。
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二人とも電視観望に興味がありそうなので、できる限りの技術を見せます。それでも午前2時過ぎでしょうか、とうとう空が曇ってきました。ところがそこでは終わらず、結局ずーっと3時半近くまで話し続けていました。一人はあせとあみのふぇんさんといい、私のブログもよく見てくれているそうです。ちょうど少し前にあせとあみのふぇんさんモノクロで電視観望にトライしていたTwitterの投稿を見た覚えがあります。もう一人は同じ大学の天文サークルのメンバーで、この星まつりでAZ-ZTiを星まつり特価で購入して満足気です。あとで、Twitterでせきしょうさんという方だとわかりました。サークルの観望会で電視観望をやってみたいとのこと。実はあせとあみのふぇんさん、帰ったら早速電視観望を試していました。都内ですがそれでもそこそこ見えて驚いたとのこと。行動が早いです。この二人とは、大学のこと、サークルのこと、仕事のこと、もちろん星のことかいろいろ話し込みました。こうやって若い学生と話すのもまた期待が持てて、とても楽しいです。

さすがに次の日運転もあるので、そろそろ寝ようかと解散し、後片付けをして寝たのは午前4時くらい。もう薄明はじめくらいでした。今晩も車中泊、疲れてすぐに眠ってしまいました。

3日目に続きます。

白濁したレンズを納得済みで購入したFC-76を使って、干潟、三裂、猫の手星雲撮影した画像の仕上げです。いろいろ紆余曲折して時間がかかってしまいました。


3枚の画像を合わせて処理

まずは前回の記事で使った、3枚の画像をまとめて仕上げてみました。FC-76とFSQ-60の2機種で、FC-76は180秒と300秒露光の2枚、FS-60Qは300秒露光が1枚です。総露光時間はそれぞれ30分なので、計1時間半分の画像があるわけです。

まずPixInsightのStarAlignment機能を使って3枚をあわせてスタックするのですが、鏡筒が違うので星像には微妙なズレが出てしまいました。

IMG_7557
例として右上隅の様子。星像の下半分が二重になっています。
上半分がずれていないように見えるのは
画角のずれで重なり合っていない部分だからです。

このずれはデフォルトの位置と回転のみでは補正しきれないので、StarAlignmentのいくつかのパラメータを調整します。

IMG_7554

触ったところは「Registration modl」を「2-D Surface Splines」にしたこと。これは2次元スプライン補間で画面全体を歪ませるモードです。でもこれだけだと不十分で、さらに「Distortion correction」をチェックしたこと。これは非線形な歪みを修正するとのことです。これで周辺部までずれずに綺麗に星像を合わせることができました。


結局2枚だけ使うことに

ここで問題に気づきます。

まず、FC-76が1.04倍のフラットナーを使っているので焦点距離は624mm、FS-60Qは600mmとFS-60Qの方が少し広いエリアを写しています。FS-60Qで写したの画角の中に、FC-76で写したエリアが全て入ってれば何の問題もなかったのですが、FS-60Qへの切り替え時に時間がなくて焦っていていくつかの確認工程を省いてしまい、狭いFC-76の方にしか写っていない部分があることに気づきました。しかもカメラの回転角のチェックも甘かったので、回転でも15度位ずれていたようです。

共通する部分だけを取り出そうとすると、かなりトリミングしなくてはいけません。それに加えて、FS-60Qの星像がピンボケで肥大していること、おそらく口径が小さいことによりノイジーに見えることなどを鑑み、FC-76で撮影した2枚のみを使うことに決めました。


2枚だとダメ!?

しかしここでもまた問題が発生。PixInsightのImageIntegration機能(スタックのことです)は何と最低3枚からしか動かないようです。他のソフトに行くか迷って、それでもいろいろ調べていると、PixInsightの英語のフォーラムの中に同じ画像を登録してしまえばいいと言う記述を見つけました。このページを見つけるためにgoogleで検索したワードは「pixinsight integration two image sources」です。では、なぜこのワードが出てきたかというと、PixInsightで2枚のみでIntegrationしようとしたら

"This instance of ImageIntegration defines less than three source images."

と出てきたからです。普通 "source images" という単語はパッとはなかなか出てきません。このようにエラーメッセージからヒントを得て、PixInsightとつけて検索してやるとすぐに

"ImageIntegration can't integrate 2 images? - PixInsight"

というページが2番目に出てきたと言うわけです。ちなみに日本語のページではこのような情報を見つけることはできませんでした。

さて、2枚の画像を2回登録して4枚にしてスタックしてやると無事に完了。ただし、少しカブリが残っているようなので、DynamicBackgroudExtractionで暗黒帯もなさそうな暗い部分を6-7点ほどのみ選んでカブリを除去しました。少し色がずれているようなので念の為PhotometricColorCalibrationをして、その後ScreenTransferFunctionでAutoStretchをして、HistgramTransformationで適用します。あとはPhotoshop CCに引き渡し、画像処理です。


最終画像

Photoshopで色々いじって、最終的にできたのが以下の画像です。

integration_DBE_PCC_stretched3
富山県富山市下大久保 2019/6/25 22:02-23:21
FC-76 + QBP + 新フラットナー+ CGEM II + EOS 6D(HKIR改造)
f=624mm, F8.2, ISO3200, 露出180秒x10枚 + 露出300秒x6枚, 総露出60分
PixInsightでダーク、フラット補正、スタック, Photoshop CCで画像処理


普段あまりしていないのですが、今回は少し茶色いモジャモジャも出してみました。でも高々トータルで1時間分の画像なので、まだまだノイジーです。ところでこのモジャモジャ部分って名前あるのでしょうか?モジャモジャの間の黒い部分は暗黒帯でいいんですよね。

あと、参考に四隅の切り出し画像を示しておきます。FC-76に新フラットナーをつけたもので、300秒露光したJPG撮って出し画像をオートストレッチしたものです。6Dなのでフルサイズです。これを見る限り、ほぼ点像ですね。新フラットナーいい仕事しています。

M8_LIGHT_6D_300s_3200_+24cc_20190625-22h51m58s692ms_8cut



まとめ

今回白濁したレンズが付いているFC-76で撮影して、上で示したくらいまで写すことができました。これがオリジナルのFC-76に比べてどれくらい劣っているのかはまだわかりませんが、少なくともまともなFS-60Qに比べて、遜色ない程度に撮影することはできるのは示すことができたのではないかと思います。

IMG_7576
改めて白濁が見えやすいように撮ってみました。
一様でもなく、濃いところ薄いところもあります。
結構ひどいことがわかるかと思います。

ではこの白濁の度合いはどうなのでしょうか?これだけ写るのならそもそも大した白濁でないのじゃないか?という疑問も出てきます。単に大げさに騒いでいるだけではないかということです。なので今一度自分自身でも確認の意味を込めて、まとめておきます。
  1. 対物レンズが白濁したFC-76をスターベース名古屋店で閉店直前に格安で購入しました。白濁があるため、タカハシ直営店ではジャンクとみなしてそれだけの値段しかつけることができなかったということです。
  2. 昼間明るいうちに見てみると、接眼側からアイピースを外してのぞいてみると対物レンズは真っ白近く。これはダメだろうと半分諦めながら実際にアイピースで覗いてみたのですが、解像度にため息が出て、少し眠い気もするが、白濁なんか全く気にならないレベルの鏡筒であることがわかりました。
  3. 眼視で月を見ると、FS-60Q年隠して多少コントラストが低下するところがわかりましたが、単体で見たら(少なくとも私レベルでは)絶対気づかないくらいの影響しかなかったこと。
  4. 撮影でも、と言うよりは眼視よりもさらに白濁の影響は少ないのでは、という今回の撮影結果を得たこと。
要するに、メーカーの直営ショップが白濁部分をジャンクレベルと評価し(おそらく世間一般でも同様の評価かと思いますが)安い値段をつけたものであるが、撮影まですると実は性能はその値段ほど落ちているとは思えないというのが今回の結論かと思います。もちろん、白濁していること自体が嫌な方がいるのは十分理解できますので、売値としては正しいものなのかもしれません。でも私は、白濁にさえ目をつぶれば性能的にはいまのところ不満はないので、十分満足です。むしろこの値段でこれだけ面白い経験をさせてもらったので、それだけでお得感満載です。

最後の疑問、これからもこの白濁レンズFC-76を撮影に使うかと言うと
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今回は間違いなくこれからも使います。だってホント、全然問題に思えないんですもの。


CANPの帰り道、太陽で活躍されているS氏と話すことができ、その縁で以前飛騨天文台で数多くの民生用の太陽用のHαフィルターを測定し、性能評価をしたまとめのプレゼンファイルを送っていただきました。そのファイルの簡易バージョンは出回っていて、ここで見ることができます。送っていただいたのは、この簡易版とともにもう一つ140ページもあるもっと細かい測定データまで載っているものです。

元々持っていた疑問は、ファブリーペローエタロン(Hαフィルターのこと、以下エタロンとか呼びます)の精度はどれくらいのものが出回っているかということ。ここのアホな記事のコメントの一番最後にも書いてある通り、ずっと疑問に思っています。私が持っているPSTのエタロンはお世辞にも精度がいいとは言えるようなものではないと思います。今使っている1000mmの鏡筒でASI290MMを使って直焦点で見ると、撮影画面全体を太陽光球面で埋めることができて、その中でHαに中心周波数があっていると思われるところは面積で言って30-40%もあるかというところでしょうか。もちろんPST標準の400mmの鏡筒を使えば全体像を見ることができ、エタロンの一部のみを使っていることになるので、中心周波数があっていると思われるところも見かけ上増えます。でもやはり太陽像全体を一度に見て、光球面すべてで中心周波数があっているようなエタロンが欲しくなります。でもそもそもそんなものが民生品で存在するのかどうか、PST以外の他のメーカーのエタロンの性能はどれくらいなのかというのを知りたいとずっと思っていました。

資料をいただいて、ここから導き出せた結論はというと、確かに全面をHαで見渡せるくらいの精度のエタロンは存在するが、相当選別しなければならないのではということです。CANPの帰り道のS氏との会話の中で、製品にとてもバラツキがあり、例えば実際に見て一番いいのを選んだという話がありました。上で挙げた簡易版の資料のP10をみても少しわかりますが、今回いただいた資料の中(おそらく太陽を相当マニアックにやっている方たちが持っているエタロンなので)の各測定結果をみても、性能にいい悪いがあることがわかります。見えると思っているもの中にもそれぞれ性能にバラツキがあるようです。まず中心周波数の半値全幅ですが、同じ型番のものでもバラツキがあります。また、画面内での一様性もなかなか一定にならないようです。例えば撮像のある部分ではHαの構造がものすごく綺麗に見え、ある部分ではあまり見えないとかです。これを一様に見えるように調整すると全体が均等に見えるが、全部が中心周波数からずれてしまって結局見え味が劣るとかです。

太陽に使われるエタロンはフィネス15程度のものが多いようで(ここの下の方に説明してあります)、光の折り返し回数としては10回程度です。言い換えると普通の望遠鏡などの光学素子より単純に10倍程度精度を必要とします。それを民生用に購入できる範囲の値段で作るわけですから、どうしても精度のバラツキは出てしまうのはある意味仕方ないと理解しています。もし実際の製品を見て選ぶことができるのなら、それに越したことはないでしょう。でもそれをできるようなユーザーは、よほどメーカーやショップの方と仲がいいとかいう状況でなければ、実際にはあまりいないと思います。太陽フィルターは当たるも八卦、当たらぬも八卦などと言われる理由はここらへんにあります。さらに、必要精度が10倍と言うことは、扱いもおそらく10倍くらい丁寧にするようにしないとだめで、鏡間の平行度が命のエタロンは壊れやすいため、中古などではそもそもうまく見えていないものも出回っていると思われます。オークションなどで手に入れる場合はそれを覚悟の上で落札しなくてはなりません。なので、太陽フィルターを購入する場合は信頼のあるお店でという話になるのかと思います。

いつか性能のいいエタロンを欲しいとは思いますが、今のところは完璧なエタロンを求めることはしないだろうと思います。理由はいくつかあって、撮影の際にPC上の画面で見えて暗すぎたり白くサチっているように見えても、実は情報としては残っていて、画像処理をすると多少救い上げることもできること。また、中心周波数からずれていてもトリミングでいいところだけをとることもできることなどです。例えば下の写真、動画からスタックして詳細を出した後のものです。

Capture_09_09_59__09_09_59_lapl5_ap2548_IP

中心部分以外は暗くなったり、中心周波数から明らかにずれてしまっています。これにフラット補正をして画像処理を加えると、下のように見えていないと思った部分も多少見えてきます。ただし、Hαの中心周波数からずれているところはやはり救いようがないのもまた事実です。

Capture_09_09_59__09_09_59_lapl5_ap2548_IP_mono_flat

でも中心周波数がそこそこあっていると思われるところだけトリミングすると

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これくらいにはなります。個人的には今のところは十分満足です。

また、まだPSTしか試したことのない私が最高のものを求めても、手に入れることは予算的にも手段的にも現実的には難しいだろうということ。太陽はハマると相当高価なので、そこまで予算をかけることもできません。使うことのできる機材の性能を引き出して、頑張って高級機に迫る方向でいければと思います。そう言った過程自身を楽しむことが、苦になるどころが大好きです。NEAFとかではDaystarのダブルスタックが$695で販売されているとかいう情報を見ると、実際どれくらいの見え味なのか試してみたくなります。

でもいい見え味のものが安価に手に入るのなら、やっぱり節操なく飛びつくんだろうなあ(笑)。



FC-76のセカンドライトで電視観望を試してみました。

名古屋スターベースの閉店前に手に入れた
対物レンズが白濁しているFC-76。昼間にアイピースで景色を見て全く問題なさそうなので実戦投入を決意。夜に一度月でコントラストの低下を試してみたのですが、他の鏡筒と比べると少し落ちるものの、単体ではわからないくらいでした。

次の課題は星や星雲などを試すことです。どれくらい白濁が影響するのか?先ずは簡単に電視観望で見てみました。


機材、条件など

鏡筒: タカハシ FS-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + 旧フラットナー
架台: AZ-GTi(経緯台モード)
三脚: Gitzo GT3840Cをシステマティック化 + AZ-GTi用のハーフピラー 
センサー: ZWO ASI294MC Pro
フィルター: なし 
日時: 2019年6月1日、22時半頃から
場所: 富山市下大久保
月齢: 27.1
SQM: 19.05 

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FC-76本体より高くついたK-ASTECの鏡筒バンド、プレート、持ち手は快適そのもの。特に持ち手は、これくらいの大きさがあるとしっかりホールドして運ぶことができます。持ち手のところにつけたASI178MCでの電視ファインダーも、特に運搬に邪魔になるようなことはありません。水準器も上手い具合についたので、AZ-GTiの初期アランメントの水平出しも簡単で、今回も一発でベガが入りました。

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AZ-GTiだとカメラのケーブル一本だけの接続なのであいかわらず楽なもんです。FS-60CBより鏡筒は重くなっていますが、AZ-GTiで特に問題なく駆動することができました。


電視観望に適した焦点距離

これまで電視観望はFS-60CBを主に使ってきましたが、FC-76にした場合に一番大きく違うところは焦点距離です。FS-60CBは355mmでしたから、2倍を切るくらいの焦点距離になります。そのため小さいものはより大きく見えるのですが、大きいものが画面に入りきらなくなってきます。カメラはフォーサーズのASI294MC Proを使っているのですが、なかなかフルサイズで電視観望に適したものを探すのは大変ですし、むしろさらにセンサーサイズが小さくなる方が最初に試す場合などは現実的なのかと思います。

今回見た惑星状星雲のM57なんかはかなり小さいので焦点距離が長い方が有利なのです。一方、例えば今回も試したのですが、北アメリカ星雲は全体像が見えなくてよくわからなかったですし、M8ラグーン星雲でも結構いっぱいいっぱいでしょう。秋冬だとM31アンドロメダ銀河やM42すばるは全然入りきらず、M42オリオン大星雲は画面いっぱいに広がります。

こうやって考えると、電視観望で見せることのできるネタの結構な割合を落としかねないので、実は焦点距離600mmというのは、フォーサーズカメラでも電視観望にはすでに長すぎの感があります。必要ならレデューサーなどの併用を考えて、焦点距離を短くできるようにしておいた方がいいかもしれません。

また、焦点距離が長いということは鏡筒の長さも長いということを意味します。実際に動かしてみて気づいたのですが、M57が天頂近くに来た時に、鏡筒に取り付けたカメラが三脚に当たるということがありました。アラインメントを合わせなおしになってしまい、時間が勿体無いのでこれも注意が必要です。

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実際の観望の様子

この日は昼くらいからずっと曇っていて、22時頃から少し星が見えてきた程度です。夏の大三角はまあまあわかります。ここらへんの北東の一部の分を除いて、基本的に薄い雲がかかり透明度はかなり悪い方でした。例えば肉眼だと、南では木星は見えますが、アンタレスは時間によってなんとか分かるくらいで、さそり座の形はほとんど全くわからないというくらいです。西はほとんど星が見えなく、北も光害と雲でダメ、天頂近くにある北斗七星は形がわかるくらいでした。こんな状態なので、とりあえず見えそうなものだけを試してみることにします。

先ずはM57。2秒露光で、Live Stackしています。ほおっておくと3分経つと一からスタックするようにしていて、下の写真は2分20秒くらい経ったところで撮影しています。実際には最初の10秒、20秒くらいでノイズがどんどん落ちていくのがわかり、あとは見た目はほとんど変化ないです。

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透明度の割に思ったより綺麗に見えています。中心星も何とか見えているので、分解能もまずまずです。これまでの口径60mmから76mmに変わった効果が出ているようです。これだけ見えるなら、少なくとも電視観望レベルではレンズの白濁はあまり気にしなくていいのかと思います。

ちなみに、上の画面ではかなり拡大表示していて、実際の画角は下を見てもらえればわかります。M57はやはりかなり小さい印象です。ASI294MCの画素数が多いため、上の画面くらいまで拡大してもそこそこ見えるわけです。

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次はM27。結果だけ載せておきます。ちょっと淡いですね。

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ついでに三烈星雲です。かなり無理してかろうじて色が出た感じです。透明度が悪いのでまあこのくらいなのでしょう。
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まとめ

あまり空の様子は良くなかったのですが、M57を見ている限り今回の目的のレンズの白濁は電視観望くらいでは特に問題にならないレベルなのかと思います。ただ淡いのが出なかったので、空の透明度のせいでなく、もしかしたら白濁レンズのせいもあるかもというのがふと頭をよぎりました。もう少し空がいい状態の時に今一度試してみたいと思います。

今回は白濁の問題というよりも、FC-76の焦点距離の長さでいろいろ制限されてしまったような感じでした。FS-60CBの方が軽くて取り回しがいいし、より広角なので見える天体が増えて、電視観望に適しているのではないかということです。

むしろFC-76を撮影に使ってみたくなりました。新フラットナーのFC-76用のリングはもう買ってあるので、次は撮影を試してみようと思います。FS-60Q状態と焦点距離が同じなので、直接の比較ができそうです。これでもし白濁が問題になるようなら、白濁除去の方法を考えようと思います。


仕事で疲れて帰ってきて遅めの食事をとり、ふと外に出ると綺麗な星空。月が出るまでにあと少しだけ時間があります。こんな日は撮影などせずに、自宅の庭でのんびりと星座ビノで星空観察をすることにしました。星座はPCを横に持ってきてStellariumで確認しながら見ます。

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ベガを目印にこと座の三角形と平行四辺形を確認。光害で目で見えなくても星座ビノならはっきり見えます。白鳥座も屋根から登ってくるところです。南東から東の空にかけて蛇の頭から尾っぽまで辿り天頂方向へ、へびつかい座の大きな盾型を確認。

天頂付近にはかんむり座とヘラクレス座の四角が見えます。M13を見ようと頑張りましたが、流石に星座ビノだと厳しかったです。

西の方にはまだからす座がかろうじて残っています。コップ座は屋根に隠れて一部のみ見えます。しし座は西の住宅の間に頭から突っ込んでいきます。

南にはさそり座が見えます。星座ビノだとS字まではっきりわかります。S字の先をよーく見ると大きな球状星団のM7も星座ビノでかろうじてわかります。M8干潟星雲もうっすら見えました。M6はどうしても見えませんでした。サソリの右には天秤座の四角があります。南の空の透明度がいいのでしょうか、サソリの左隣の射手座も今日ははっきり見えます。

実は見始めてすぐに、かんたろうさんが車でやってきました。長野に行くついでに寄ってくれたみたいです。「なんかやってると思った」とのことです。二人で星座ビノの品評会です。かんたろうさんは星座ビノでM6も見えると言っていました。私よりもかなり夜目がいいみたいです。

今日出した星座ビノは、まずは笠井の「WideBino28」と、この間名古屋のSCOPIOに行った時に手に入れた同じく笠井の「CS-BINO」です。同じ笠井で見比べると面白いです。

倍率が2.3倍と高いWideBino28。より暗い星まで見えますが、視野が狭くなります。CS-BINOは安価で2倍(メーカー値)と倍率は少し低いですが、私は初心者にはむしろこちらの方がオススメです。まず税込で1万円以下と安価なこと、実際に見える星の数はWideBino28とそれほど差がありません。大きめの星座も視野に一度に入るので星座の形がわかりやすいです。

他にも出したのは、スコープテックの「星座望遠鏡」、NIKONのテレコンビノ、Cokinのテレコンビノです。最近目の度が進んで眼鏡があってきていないせいなのか、ピント調整がないテレコンバーターを利用したNIKONとCokinが見にくくなってしまっています。目が悪い人は絶対ピント調整がついている現行の市販品の方がいいと思います。ピント調整のあるなしで、思ったより見える星の数が変わることが実感できました。特に目が暗闇に慣れてきて、じっくり細かい星まで見だした時の星の数ははっきりと違いがあります。目のいい人や、子供はテレコンビノの方が調整なしでもよく見えるのでいいのかもしれません。

今日の見え方の順位をつけます。あくまで目が悪い私の今日の評価です。

CS-BINO = 星座望遠鏡 > WideBino28 > NIKON > Cokin

でした。何故か今日は広角で見える方が気に入りました。こと座とか、かんむり座とかの小さな星座はWideBino28の方がいいかもしれませんが、大きな星座はWideBino28だと一度に入りきらずにはみ出てしまうので、少し倍率が低いほうがいいと思います。ひずみはNIKONが一番少ないですが、実際に夜に星を見ていてもひずみは、少なくとも私はほとんど気になりません。それよりもピント合わせがあるかないかが評価を分けた形です。

一方目のいいかんたろうさんはかなり逆の評価で、あからさまな順位は聞かなかったですが、聞いた限りでは見たものの中では概ね

NIKON > WideBino28 > CS-BINO  >  Cokin

と言った印象ところでしょうか。かんたろうさんはひずみが気になるそうです。見る人の目の良さや、好みによって随分印象が変わるのかと思います。私もかんたろうさんも今日はCokinが最低。視野はものすごく広いのですが、見える星の数が(少なくとも目の悪い私には)少ないです。目がいいといかんたろうさんはどう見えたのでしょうか?でも星が少ないというのは同様の印象だったみたいです。観望会で大人気なのとは対照的な評価でした。かんたろうさんとはその後少しだけ望遠鏡を見て、23時過ぎでしょうか、これから長野の自宅に戻ると言って帰って行きました。

その後も月が昇ってくるまで星座観察をつづけました。その際、普通の双眼鏡も一緒に使うと楽しいことを発見しました。ビノで広角で星団を見て、あたりをつけて星図を見ながら頑張って星雲や星団を探すという楽しみ方です。42mmで倍率も大したことのない7倍です。それでも双眼鏡だとM6も星の集まりとしてよく見えました。星座早見盤とか星図アプリ、星座ビノ、双眼鏡をセットで準備すると楽しさ倍増です。誰にも邪魔されずに、一人で星座をトレースしていくのは至福の時間です。

たまには撮影とかを忘れてこんなふうに気楽に星座を見るのも楽しいものです。


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