ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:鏡筒 > C8

連休中の一連の太陽撮影で、PSTでのHα撮影と、白色光撮影で粒状斑出しに挑戦しています。




時間的には少し前後しますが、今回は連休2日目の朝に太陽撮影で朝から粒状斑に挑戦した時の記事です。


アルミシート巻き

まず朝からC8の周りにアルミシートを貼り付けます。アルミシートは手持ちでいくつか持っているので、単に幅だけ合わせてハサミで切って両面テープで取り付けるだけです。

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4倍PowerMATE

もう一つの新しいことは、かんたろうさんにお借りしているTeleVueの4倍のPowerMATEを使ってみたことです。以前も試したことはありましたが、それ以前にシーイングがボロボロで全く意味がありませんでした。前日に続き、この日もシーイングは悪くありません。もしかしたら何か見えるかもと期待ながら試します。

少し出たか?

4倍の画像です。

09_55_18_lapl4_ap631_PI_cut

結果だけ見てみると、多少ですが明らかに粒状班らしきものが出ています。シーイングは昨日とそこまで変わっていないと思います。アルミシートを貼りはそこまで効いているわけではないと思います。

では何が一番違ったかというと、画像処理です。昨日の粒状班を出そうとした画像で、PowerMATEなしの1倍での画像はそれらしき粒のようなものが見え始めているのに、PowerMATEで2倍にしてもその効果がほとんど分からないほどつぶつぶ感は出てきませんでした。画像処理はAutoStakkert!3で重ねた後、ImPPGを使っているのですが、2倍に拡大したらより大きな構造での解像度を上げるべきではないかと思ったわけです。ImPPGだとその調整ができないので、PixInsightのMultiscaleLinearTransformを使って、必要な大きさの構造を強調するようにしてみました。すると、無理な画像処理をすることなく上記くらいの粒々が出てきました。この方法、実は以前も試しているのですが、シーイングがダメな時はやはり何をやってもダメなようで、今回は春のゆらぎの落ち着きでここまで出てきたのかと思います。

昨日の2倍の画像も同様に再処理してみました。こちらはPixInsighの代わりにRegistaxを使っています。
13_36_09_lapl4_ap737_RS_cut

こちらも前日の処理よりはかなり粒状斑っぽくなってます。

でも逆に言うと、さらに粒状感を増そうと思ったら、もっとましなシーイングが必要だということです。今回も撮影中のPCの画面をじっくりみていると、1分の動画の中でも例えば10秒くらいのスパンであからさまに解像度が良くなったりすることがありました。そういう時を狙って撮影して、更にラッキーイメージでその中でもいい画像を抜き出すことで解像度を出していくのかと思いました。撮影中の分解能のゆらぎが見えるくらいまでになっていれば、ピントがあっているかどうかという判断もできるようになってきました。

まとめ

今回粒状斑についていくつかの改善をしました。
  • カメラがグローバルシャッタータイプになったこと。
  • 鏡筒にアルミシートを巻いて筒内気流を軽減したかもしれないこと。
  • 4倍に拡大したこと。
  • 画像処理を拡大率に応じて変えたこと。
などです。それでもシーイングの良し悪しに大きく依存しそうです。しばらく気流は安定している季節なので、もうし少し挑戦してみたいと思います。

あと、4倍のPowerMATEはかんたろうさんから長期間お借りしているものなので、流石にそろそろ返さなければいけません。 

最近太陽の黒点群やそれに伴うフレアがすごいと騒がれてます。でも残念ながら土日は曇りでチャンスがありませんでした。

2022年4月25日、今日は在宅勤務。せっかくなので、昼休みを利用して太陽撮影といきたいと思います。実は赤道儀は昨晩からのM104の撮影をそのまま朝までとっておいたので、極軸も取れていてかなりの手抜きで精度良い追尾が期待できます。鏡筒をSCA260からC8+PSTに載せ替えるだけです。

シーイングはそれほど悪くはないようですが、何しろ時間がありません。でも黒点の数がけっこうあるので、それを回るだけでも時間がかかり、プロミネンスなどは見ることができませんでした。

サクッと画像処理を済ませてしまいます。共通のデータは以下の通りです。
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGX-L
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.0 (64bit)
  • 画像処理: AS3にてスタック、Registaxで細部出し、PhotoshopCCで後処理

まずは一番大きなAR2993、2994です。
11_55_30_lapl3_ap2556_IP_cut
  • 撮影時間: 2022/4/24 11時55分
  • gain70, 0.6ms x 1000フレーム中上位80%を使用
こうやってみると、これだけ大きい黒点群だとエタロンの精度の均一さが追い付かなくて、周辺とかはHα線からかなりずれてしまっています。そろそろPSTの限界を感じてしまいます。

可視光画像です。といってもPSTのエタロンをHαからずらしただけです。
12_01_46_lapl3_ap2356_IP_cut
  • 撮影時間: 2022/4/24 12時1分
  • gain70, 0.15ms x 5000フレーム中上位80%を使用

AR2995です。一つだけだとまだマシですが、これもHαが出ているところか黒点がずれてしまってますね。
12_04_11_lapl3_ap2490_IP_cut
  • 撮影時間: 2022/4/24 12時4分
  • gain70, 0.5ms x 1000フレーム中上位80%を使用

最後は出たばかりの新しい黒点で、まだ番号はついていないみたいです。撮影時はきづかなかったのですが、ここには大きなプロミネンスも出ていたので画像処理で出してみました。
12_09_29_lapl3_ap1726_HP_L

こうやってみると最近の撮影の中ではシーイングは多少良かったですが、まだそこそこです。季節的にはどんどんよくなるはずなので期待したいです。特に可視光はもう少し細かく見えてもいいのではと思います。

どうも全面でHαを見るのが難しいので、エタロンを一度調整する必要があるかもしれません。もしくはもう少し焦点距離の短い鏡筒(以前使っていた10cmで1000mm、F10の屈折?)で低倍率にして、エタロンのいい範囲に入る面積を増やして広角で見ると、全体の中に黒点がどこら辺にあるか分かっていいのかと思います。もしくは、もう一台持っているPSTを別の鏡筒付けるかです。

時間をかけてタイムラプスもやりたいですが、流石にこれは休日でないと無理っぽいです。

夏の酷暑で太陽撮影は控えていたのですが、最近はめっきり涼しくなってきました。ちょうど休日で快晴、しかも最近は黒点もコンスタントに出ているようです。


昨晩から快晴に

前の晩の土曜は天リフのDSPでそのまま双望会に参加していました。0時頃に終了しましたでしょうか。外に出ると快晴で、M33を朝まで撮影していました。M33についてはまた別の記事にしますが、日曜の朝は意外に9時過ぎに目が覚めて、いつものコメダ珈琲へ。ブログ記事を書きつつ、昼前くらいに自宅に戻り、太陽撮影です。

最後の撮影が6月26日、ガチ天の準備でトーク当日の朝にテスト的に撮ったものなので、もう3ヶ月以上前になります。その後一度機材を出して撮影しようとしたところ、機材全体が熱くなりすぎてしばらくお休みにしようと決めたので、機材を出すのもそれ以来です。

機材はこれまで通り、口径20cmのC8にPSTを接続しています。赤道儀はCGEM II、しかも前日の夜からの撮影で極軸も取れているので、鏡筒を載せるだけです。

ケーブルもカメラを繋ぐだけなので、DSOの撮影みたいに冷却などの電源もなく手軽なものです。また、撮影時間も1ショット10秒程度と短いので、何ショットか撮っても大した時間にはなりません。 

久しぶりの太陽を画面で見てみると、太陽真ん中らへんに突然大きな黒点が現れました。

キャプチャ
SharpCap上で見ている画像です。


あと、太陽右上の方にかなり小さな黒点も見えました。プロミネンスも淡いですが、いくつか出ています。


撮影結果

結果だけ示します。AR2882です。

「AR2882」
13_06_17_lapl3_ap2496_IP_cut
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.0 (64bit)
  • 撮影時間: 2021/10/10 13時6分 gain70, 1.25ms x 2000フレーム中上位50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、Registaxで細部出し、PhotoshopCCで後処理

シンチレーションは可もなく不可もなくといったところでしょうか。黒点が大きいこともあり、そこそこの解像度が出ています。あと、Hα特有の縞模様が見えている範囲が限られています。特に黒点の左側はほとんど見えていません。PSTの限界でしょうか。撮影時にもう少しはっきりわかればいいのですが、次回は気をつけてよく見ながら撮影してみたいと思います。

小さい方の黒点です。この黒点前日にはなかったみたいで、撮影日の日曜に出たみたいです。月曜に見てみると「AR2883」という番号がついていました。でもやはり解像度が足りないですね。これくらい小さい黒点だとあるていどシンチレーションが良くないときれいに見えないです。
13_02_44_lapl3_ap539_IP


続いてプロミネンスです。でもあまり気合が入っていないので画像処理も適当です。
13_10_40_lapl5_ap279_IP_cut
プロミネンスの一つですが、やはり解像度は出ていません。

白色で見てみる

あと、夏の間に手に入れたアイテムが一つあります。太陽用のNDフィルターです。フィルムタイプは国際光器などで扱っていますが、ガラスタイプはジズコで扱っているORIONのものしか見つけることしかできませんでした。



C8は200mmなので、240mmタイプにしました。ネジで3方向から固定するので、一度取り付けたら外れたりするようなこともありません。ND5タイプのようで、光を10万分の1にするため十分な減光効果があります。

今回これで撮影してみたのですが、シンチレーションがそこまでいいわけではないようで、べナール対流のような粒状斑を確認するには至りませんでした。

13_28_26_lapl3_ap2553_IP

口径から考えたら、分解能はなんとか足りるはずです。表面に何らかの模様があるようなのは確認できましたが、ハッキリとはしません。白色光だと見にくいのかと思い、7nmのHαを取り付けてみましたが、光量も足りなくなり余計見にくくなりました。フィルターは他の種類もいくつか試してみてもいいかもしれません。いずれにせよ、シンチレーションが勝負な気がしています。撮影できるのは休日のみなので、チャンスは少ないですが、いつかうまく撮影できればと思っています。


まとめ

久しぶりの太陽でした。黒点は楽しめたものの、シンチレーションはたいしたことなかったです。機材は揃ったはずなので、今後日を改めてベナール対流のチャンスを狙おうと思います。

晴れが続いているので、夜も通して連続撮影です。実は太陽撮影の後、簡易画像処理をしてTwitterに投稿した後、VISACの光軸調整に挑戦したのですが、時間切れでまだ大した成果は得られず。その後はM33の撮り増しでした。晴れるのはいいけど、ずっと続くと体が持ちません。月曜は雨でしたが、火曜以降また少し晴れるみたいです。どうなることやら。
 

まだ梅雨入り宣言はないものの、先週はずっと雨でもう梅雨入りしたかのような北陸。でも今日5月23日(日)は、朝10時くらいからどんどん晴れてきました。新しい黒点も出ているようなので、朝から太陽撮影です。


何気ない太陽撮影が、好シーイングに

いつものように機材を出して、PCの画面で見てるのですが、今日は結構シーイングが良さそうです。黒点のHαを何ショットかと、エタロンをずらして可視光に近い状態を1ショット撮影しました。 速報としてTwitterで早く出したかったので、プロミネンスの撮影は後回しにして、早速画像処理です。

画像処理はいつものAutoStakkert!3とImPPGですが、シーイングがいいとImPPGであまり強調しない方がいいみたいです。実はこれ結構面白くて、シーイングがボロボロだとそもそもあまり強調できません。そこそこいいとかなり強調できて見栄えが良くなります。でも今回みたいにシーイングが相当いいと、強調でせっかくの細かい分解能が略されたようになってしまい、逆にあまり強調しない方がいいみたいです。

「AR2824」
10_18_30_lapl4_ap2271_IP_cut
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.0beta (64bit)
  • 撮影時間: 2021/5/23 10:18 gain70, 1.25ms x 5000フレーム中上位25%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、Registaxで細部出し、PhotoshopCCで後処理
今日はかなり細かいところまで見えています。ここまで見えたのは初めてかも。これくらシーイングがいいと、20cmの口径が効いてくるのがよくわかります。

擬似カラー化もしてみました。カラーの方は少し派手にしましたが、どうでしょうか?カラー化するとたいていモノクロより見栄えがしなくなるので、多少明暗をはっきりさせてみました。これくらで上のモノクロと同じくらいの見栄えでしょうか?

10_18_30_lapl4_ap2271_IP_color_cut




ベナール対流?

今回、Hαの方がかなり細かいところまで見えて満足だったのですが、もう一つの可視光に近いものが私的には面白かったです。。こちらもAS!3とImPPGは変わりませんが、画像処理でかなり強調してあります。するとベナール対流っぽいのがやっと見えてきました

10_14_45_lapl4_ap2491_IP-SharpenAI-focus_cut

わかりやすいように、少しカラー化してもう少し拡大します。

10_14_45_lapl4_ap2491_IP-SharpenAI-focus_color_cut

どうでしょうか?色はベナール対流っぽいのを想像してこれくらいにしました。単なる好みです。もっと真っ赤なイメージでもいいかもしれません。小さいですが、ポコポコしているところが見え始めています。いつかこの一個一個のセルの中身の違いをはっきり見てみたいです。

ベナール対流は可視光のほうが見えやすいのは知っていたのですが、思ったより構造が小さく、C8の分解能がありここまで拡大して初めて、というかここまでシンチレーションが良くて初めて見えたのかと思います。その証拠に、午後も全く同じ状態で再撮影したのですが、動画で見ていて既に揺れていて、実際に画像処理までしても今度はかすりもしませんでした。

ここでいくつか今後の課題です。
  • エタロンを使わずにベットNDフィルターとかでもう少し広い波長で見ること。周辺部まで均一に見えるようになるはず。
  • 地面や風の揺れを軽減すること。
  • バローなどで拡大すること。
  • バローでダメなら口径20cmをもう少し大きくすること。
  • よりピクセルサイズの小さいカメラを使うこと。
  • 一番重要なのはシンチレーションのいい日を狙うこと
などです。おそらく午前の段階でもシンチレーションリミットだと思います。撮影できるのは休日のみなので、チャンスがあれば黒点に囚われずに積極的に見ていきたいと思います。

午後に撮影したもう一つの小さな黒点といくつかのプロミネンスも処理したので載せておきます。まずは新しく出た黒点(このページによると5/23 16:56の時点ではまだ番号は付いていないようです。)です。

13_57_17_lapl4_ap1745_IP_cut

でも黒点の解像度は全然ダメで、やはり午前中の方がシーイングは相当良かったとのでしょう。

目立ったプロミネンス二つです。

13_59_09_lapl4_ap871_IP_cut

14_01_59_lapl4_ap1357_IP_cut

でも午前の黒点で力尽きて、画像処理もあまり気合が入りませんでした。


はたして?

一般的に午前中の方がシーイングがいいのか?それともたまたまなのか?来週末ももし晴れたら少し早く起きて試してみます。

今日はこれから皆既月食の準備です。さっき撮影場所の下見に行ってきました。

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堤防沿いです。立山が遠くに見えるので、高さを測ってみました。5度以下なので、ほとんど問題なさそうです。

あと、先ほどSharpCapで極軸が何時頃から撮れるかやってみたら、19時30分で位置を認識し始めました。うまくいくと19時40分くらいから撮影に入れそうです。

当日晴れるといいなあ。


 

先週末の2月27日の太陽ですが、ほとんど忘れてましたが、一応撮るには撮ったのでブログに記録だけしておきます。

この日はCP+の中継の前日で、スライドとか機材とか色々準備してた最中でしたが、晴れてしかも黒点が出てるという情報で、我慢できなくなって撮影しました。もう裏側へ回り込む直前ですが、前回(2/21)と違い今回ははっきりとした黒点になっています。

13_01_29_lapl4_ap1700_IP_cut

が、見ての通りシンチレーションが悪くてボケボケです。

13_06_46_lapl4_ap1651_IP_cut

プロミネンスが光球面のフィラメントとつながっています。いまだに両方をうまく出すのが難しです。と言っても今回はこのボケ具合であまり気合い入らず、光球面とプロミネンス層の境界の処理も適当です。こんなのを、シンチレーションのいい日にアニメで撮りたいです。でも処理が大変だろうなあ。

あとは多少大きなプロミネンスがいくつか。
13_13_54_lapl4_ap1552_IP_cut

13_11_27_lapl4_ap2057_IP

13_12_06_lapl4_ap1565_IP_cut

13_18_59_lapl4_ap2398_IP_cut

最後二つはかなり淡いものです。

と今回はこんなところです。少し活発になってきたので、また晴れたら撮影します。

一応データです。
  • 撮影日時: 2021/2/27 13:01-13:011
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 110-150, 1.25ms x 2000フレーム中上位50%もしくは30%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理

先週に引き続き、今週も午前は名古屋人心の故郷のコメダ珈琲に。Twitterで昨日の画像処理研究会の議論の続きをしつつ、2時間近くも長居してました。


PCCのカラーバランスについて

議論はPCCについてです。もともと昨日の研究会での議論は、PCCで撮影した画像の恒星を使い、合わせたカラーバランスは、星雲のカラーバランスにも適用できるか?というものでしたが、私の意見は星雲のカラーバランスは別物。理由はフィルターやセンサーのRBGの波長依存性があるので、たとえ恒星で合わせてもそれは必ずしも星雲のカラーバランスを保証するとは限らないのではというものです。APASSの参照カラーもTutrialにあるような特定のセンサーによって測定され、それは当然自分の持っているセンサー特性とは違うためです。

さらに今朝の議論は、星のカラーバランスも参照センサーと自分のセンサーの違いがあるので、厳密には正しくないのではないかということ。その通りかと思います。フィッティングしたグラフをよく見ると、各恒星の色データのばらつきは通常数10%程度はあり(グラフの数値は等級であることに注意、1は2.5倍の違いを表します)、それがセンサーバランスの違いと同程度のオーダーかと思います。なので、PCCはあるセンサーについてはベストエフォートのカラーバランスをしようとしているが、画像データだけからセンサー間の波長依存性の違いを補正するような魔法はないというのが私の考えです。


長焦点距離の電視観望

もう一つ別件で面白い議論をTwitterでしました。長焦点距離の電視観望は、短焦点距離の電視観望より効率が悪いのでは?というものです。シベットさんのC8での電視観望で効率が悪いという意見に端を発します。

シベットさんは実はLiveStackでとりこぼすので効率が悪いということを意味してたのですが、私は勘違いして長焦点そのものが効率が悪いと取り違えたのです。何でかというと、BKP200のF4の800mmでの電視観望と、FS-60CBでのF6の350mmでの電視観望、意外なほどFS-60CBの方が見えたりするのです。その後、cockatooさんからセンサーサイズやピクセルサイズが関係するのではという意見が出ました。最初私はあまりそれらのことは関係ないと思ってましたが、よく考えたら感度の悪いセンサーでQBPを使うと、むしろ悪化するという経験を思い出しました。もしかしたら、電視観望ではある明るさ以下になった時に途端に不利になるのではないかと考え始めました。例えば、
  • QBPで背景光が小さくなった結果、ノイズ(広がり)が大きくて中央値の小さい(例えば)リードノイズとかADCの量子化ノイズに埋もれた場合と
  • QBPなしで、ノイズ(広がり)が小さくて中央値の大きい背景光に乗っかった場合
の違いです。まだアイデアだけですが、定量的に評価できたら機材にある一定の制限をあたえることができそうです。


自宅へ帰って、太陽撮影

こんなことをずっと考えていたので、今日はコメダ珈琲では雑誌を読んだりすることもなく、午後1時前くらいに店を出ました。外が結構晴れてきてたので、自宅について少しだけ太陽撮影をしました。機材は最近流行のC8+PSTです。

太陽のHα像をまずはぐるっと見回すと、プロミネンス がいくつか出ています。光球面はダークフィラメントが少しありますが、あまり興味を引かれるほどではありませんでした。プロミネンス を4ショット撮っておしまい。その中の一つは結構大きくて、リング構造まで出すことができました。

14_35_25_lapl4_ap1540_RS_color_cut

14_38_10_lapl4_ap1318_IP_cut

14_39_23_lapl4_ap1371_IP_cut

14_42_32_lapl4_ap2326_IP_cut
  • 撮影日時: 2021/1/31 14:35から14時45分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 150-170, 1.25ms x 2000フレーム中上位50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理
もう少しプロミネンス の細かい構造が出て欲しい気もしますが、結構迫力はあるのでまあ満足です。


センサーのお掃除

ついでにASI290MMのセンサー面の掃除をしました。細かいゴミがついているみたいで、黒いスポットを作っています。保護ガラスを外してもゴミがまだ見えたので、どうもセンサー面に直接ゴミがついているようです。目で見ても全くわかりません。綿棒でそれらしいところを擦ります。カメラをセットし、太陽を見て確認して、ホコリがまだ残っていればまた清掃というのを何度か繰り返します。ホコリが全て取れたことを確認してから、再び保護ガラスをかぶせて元に戻します。

これで次回以降はもう少しまともに撮れるはずです。

 

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