ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: 観測機器


SharpCapの一眼レフの対応にあたって、これまでEOS 6Dで試してきましたが、今回残りの手持ちの機種でもテストしてみました。

 



手持ちの一眼レフカメラの接続テスト

前回電視観望まで試したEOS 6D以外にはEOS kiss X5とEOS kiss X7とEOS 60Dがあります。



X7はノーマルですが、娘のものなのでとりあえず手を出さないようにしておいて、X5と60Dを試すことにします。この2機種は天体改造済みのもの。なので接続テスト後は赤外の星雲とか見てみるのも面白いはずです。

先週末の金曜の夜、時間が少しあったのでその2機種のテストをしました。60Dはそのまま問題なく繋がり、X5の方も最初つながらないと思ったのですが、単なるミスで、手順さえ間違えなければそのまま順調に動きました。ちなみにミスというのは、
  • 最初動画モードでやっていてエラーが出た(でもそのあとさらに動画モードで試したら動いたので、この時点でバッテリーがギリギリだったのかも)。
  • バッテリーが空だった。
  • バッテリーを変えて、1枚だけ撮れたが、また動かなくなった。と思ったら変えたバッテリーも空だった。
  • 接続ケーブルのコネクタがゆるゆるで、いつのまにか抜けていた。
と、簡単なことばかりです。でも古い機種とかいう先入観があるとダメですね。「あー、やっぱり動かないんだな」と思ってしまいます。皆さんはくれぐれも私のような間抜けなミスは避けてください。


安価な電視観望入門セットアップの可能性

60DとX5の両方ともが動いたのと、夜になって天気も良くなってきたので、外でどう映るかのテストをしてみます。どちらにしようか迷いましたが、より安価で使える方をと思い、X5で試すことにしました。

レンズはキタムラかどこかで中古で数千円で手に入れた、キットレンズクラスのEF 28-80mm  F3.5-5.6で、昔一度三脚ごと倒れて壊れたやつです。CANON CAMERA MUSEUMに1991年発売で、定価42000円とあるので、付属レンズではなかったのかもしれません。これを80mm側で使います。なのでF5.6でそこそこ暗いです。

ちなみに、当時のX5のレンズキットにはEF-S18-55 IS IIがついてきたそうです。ダブルズームキットだとEF-S55-250mm F4-5.6 IS IIなので、電視観望には後者の方が焦点距離的にはいいかもしれません。中古だと、本体だけだと1万円台前半から後半、レンズキットで2万円代前半でした。もしこのテストがうまくいくなら、これくらいの値段からなら始めたいという人がいるかもしれません。

全くの初心者、
もしくは一眼レフカメラだけを持っている人が
電視観望に挑戦した場合、どんなことができるのか?

という可能性を示せればと思っています。いかに電視観望に対する敷居を下げるのかというのも目標としたいところなので、できるだけ安価にすむというのは大きなファクターの一つです。

以前も格安電視観望について記事を書いたことがありますが、電視観望をする際、一番高価になるなのがCMOSカメラなのです。安価なCMOSカメラはセンサー面積が小さく導入が難しくなり、その一方、十分な面積のセンサーを持つCMOSカメラはかなり高価で、そのことが初心者に対する敷居を上げてしまっています。

中古市場ではもうかなり安価なX5でもAPS-Cサイズで、電視観望で主流のマイクロフォーサーズサイズのASI294MCより既に大きいのです。でも値段だけで考えたら5分の1から10分の1とかでしょうか。これはうまくいったら相当インパクトがありそうです。


EOS X5による電視観望テスト

とりえずテストの結果を見てみましょう。まずはファーストライト。雲がある時のオリオン座付近です。全景が見えるようにZoomが25%です。20秒露光で4枚スタックなので、80秒ぶんです。

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ノイズも多少ありますが、意外に悪くなさそう。

雲がなくなった時に少しだけ拡大(33%)。同じく20秒露光で4枚スタック、80秒ぶんです。

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馬頭星雲とかも一応出てますね。

さらにM42部分を拡大。20秒が5枚です。

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うーん、ノイズはまだ多いですが、写りはそんなに悪くないですね。高々80mmのレンズで、M42部分をかなり拡大していることになるのですが、恒星がそこまで肥大していないです。レンズ枚数が少ないのか?F5.6で暗いから収差も小さいのか?これなら観望会で見せることも許容範囲かと思います。

X5のセンサーはAPS-Cの22.3×14.9mmで5184×3456ドット。ここから計算すると1ピクセル4.3μmで、ASI294MCのピクセルサイズとほぼ同じサイズです。感度はほぼほぼ1ピクセルのサイズに比例するので、ASI294MCクラスが格安で買えると考えると、かなりお得かもしれません。

一方、馬頭星雲と燃える木をみると、もう少し赤の感度が欲しいかなというところです。

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これで20秒x6枚です。一応天体改造済みでこれなので、センサーの感度そのものはASI294MCに比べるとやはりもう少しといったところなのでしょうか。今回使ったのがF5.6と結構暗いレンズなので、レンズを明るいものに変えることでまだまだ改善はするはずです。さらにQPBとかの光害フィルターもつけていないので、その分も改善するかもしれません。

もう一つ、M31アンドロメダ銀河です。これで20秒x5枚、計100秒です。

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ちょっとノイジーですが、何とか構造も見えかています。ここらへんまで見えるなら、十分楽しめるのではないかと思います。

視野が回転し始めてるがわかるくらいまで、5分くらいまでスタックしたのが下の画像です。ノイズがまだノイズが大きいですね。スタックでのノイズ軽減があまり効果的に見えません。でも今回はダーク補正もしていないので、次の課題はここらへんのノイズの緩和とかでしょう。

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最後はM42すばるの20x13=4分20秒スタック。これも回転が見え始めています。青い分子雲がわずかに見えかています。CBPとか試すと面白いかもしれません。

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この日の環境

ちなみにですが、この日は月齢23日で、下弦からもう少し欠けた位の、まだまだ明るい月夜です。場所も自宅の庭からで、光害フィルターも無しです。普通に考えたら星雲や銀河を見るような状況ではないにもかかわらず、ここまで見えているのは随分と頑張っているのではないでしょうか。環境がいい状態で試すとまだまだ改善しそうです。

今回使ったものは一眼レフカメラの中でも入門クラスで、レンズもキットレンズクラス。それも結構昔のもので中古市場では値段もかなりこなれています。少なくとも、CMOSカメラしか選択肢がなかった状況から、中古の一眼レフカメラまで範疇に入ってくるとなると、はるかに可能性が開けると思います。


電視観望と撮影の境界

実はこのテストをしている時に、結構いろいろ考えさせられました。果たして電視観望と撮影の境界はどこだろうというものです。一眼レフカメラを使って、15秒とか20秒とかの露光で連続してシャッターを切るのは、もう撮影ではないのか?という疑問を持つ方も多いと思います。リアルタイム性として考えると、少なくとも動画のようになるわけではありません。

私自身は、それでもまだはっきりとした境界が存在すると考えています。特に今回のテストを通してよりはっきり自覚できるようになりました。

大枠での定義は、目的の天体がモニターなどを通して「観望しているその場で」十分に見えているなら、それは電視観望と言っていいのでは。もし、その場で十分に見えなくて、「後の画像処理」をして初めて十分に見えるようになるのなら、それは電視観望というよりは撮影という範疇に入るのではということです。

例えば、
  • 今回使ったX5とレンズだけで、赤道儀に載せて10秒の露光をして、カメラ付属のモニターに出してみるだけだと、おそらく「後の画像処理」がなければ十分天体が見えることにならないと思うので、これは電視観望ではないと思います。
  • 一方、HUQさんが最初にやったように、α7Sで1/4秒露光で動画モードでHDMI出力してその場で十分見えるようにしている場合は、十分電視観望と言えるでしょう。
  • 例えば、暗い空でX5で1分くらいと十分露光して、目的とする天体が十分出ていて、それをその場で楽しむというのなら、これはリアルタイム性は薄いけれども電視観望と言ってしまってもいいのかと思います。
どれくらいの露光時間かではなかなか定義はできないので、その場で楽しめるかどうかというところがポイントになるのかと考えるようになってきました。 


電視観望を可能にする重要な技術

電視観望の技術の中で、いくつか非常に重要なものがあります。例えばSharpCapのヒストグラムでのオートストレッチボタンや、ストレッチ関数と呼ばれる中間値と黒レベルを利用した、リアルタイムでの簡易画像処理です。これは「その場で天体を楽しむ」ということに大きく貢献しています。

また、LiveStackも電視観望の重要な技術だと思います。もっと具体的に言うと、単に画像をその場で重ね合わせるだけでなく、また画面の平行移動や回転だけで星を合わせるだけでもなく、LiveStack時に星の位置をきちんと認識して画面を歪ませて星を合わせていく技術です。PixInsightやSequatorなどでは後の処理で同様の画面を歪ませての位置合わせはできます。でもその場で毎回やるわけにはいかないので、電視観望のツールにはなり得ません。こういった高度な処理をリアルタイムで行うことで、星像を肥大させずにスタックし、ノイズを減らしていくことができます。さらに言うと、この技術を用いると赤道儀も必要とせず、たとえ経緯台で視野が回転してもきちんと星の位置が合うということです。もっと言うと、ある程度広角にして、見ている間に天体が画面から逃げていかなければ、経緯台さえも必要とせず、固定の三脚だけで星像の肥大を避けスタックしていくことができます。

このような高度な技術はいまのところ私が知る限り、PC上ではSharpCapとASIStudioのみ。私はまだ使っていないですがASIAIRも同様の機能を持っているはずです。最近ではeVscopeも同等の機能を持っているのかもしれません?他には、電視観望用のハードウェアのRevolution Imagerがありますが、こちらはスタック機能は持っていますが、スタック回数を何回かに制限しているだけで、星像を合わせてスタックするような機能は持っていません。

リアルタイムで画像処理に近いような事をして、その場で天体をあぶり出す事でより楽しめるようになり、そう言った意味ではSharpCapは電視観望という分野を切り開いた秀逸なソフトと言うことができるでしょう。

こういった高度な機能はあればもちろんいいのでしょうが、たとえそんな機能がなくても、その場でモニターとかに写して天体がみんなと共有で楽しめたりするならば、もう電視観望の一種と言ってしまっていいのかと思います。これから先、さらに技術が発達して、その場で楽しむことはより簡単になり、手法もどんどん広がっていくことでしょう。電視観望の概念も柔軟に変化していけばいいのかと思います。


まとめ

今回のEOS X5は、元々中古で安価で手に入れたたものです。SharpCapが一眼レフカメラを扱えるようになったことで、使う機会が少なくなってきた中古のカメラに、また一つ大きな可能性が開かれようとしています。

本来SharpCapと一眼レフカメラを繋ぐというのは、撮影時の取り扱いを便利にするというが元々の目的だと思います。それだけではなく、LiveViewモードを明示的に分けて実装してくれるなど、EAA(電視観望)用途として考えると、今回のアップデートは相当なエポックメーキングなのかと思います。

現在はテスト段階なので、本当に初心者が触るとなるとまだ敷居が高くて不安定なところもあります。でもこれは今度どんどん改良されていくことでしょう。このブログも、興味を持った人たちができるだけスムーズに楽しめるように、説明やサポートなどで貢献できていければと思っています。

手持ちのカメラや、安価な中古の一眼レフカメラを利用するなどで、電視観望の敷居が下がり、天文人口の裾野が広がってくれればと思っています。

CBPの作例の最後になります。みずがめ座のらせん星雲です。撮影日が8月21日でのんびり画像処理していたので、もうかなりのことを忘れてしまっています。下の文書の撮影時の様子は、撮影当日か次の日に書き留めておいたことです。やっと記事として日の目を見ます。

一晩で2対象の撮影

秋の星座なので、そこそこ高度が上がってくるのが夜少し遅くなってからです。なので前半は前回示した三日月星雲を撮影してました。



らせん星雲がのぼる頃には三日月星雲の撮影をやめて、らせん星雲へと移りました。

撮影時のStick PCのトラブル

三日月星雲のときは調子良かったStick PCでの撮影ですが、らせん星雲に移ろうと準備をしているときにStick PC自身が何度か落ちました。特に、ShaprCapを使う時が多かったような気がします。このStick PCの弱点の一つなのですが、ファン側を床などにくっつけてしまってしばらく運用すると、温度が上がって確実に落ちるようです。また、極度に暑い夏はSharpCapとかでの計算量が増えると反応が無くなってしまうことがあるようです。ただしファンは回りっぱなしなので、外見を見ただけではわかりません。

今回は外での撮影だったので、直につなぐモニターを用意していなくて、リモートデスクトップで見ていて反応が無くなったということしか分からかったので、最後どうやって落ちたのかよくわかっていません。ネットワークトラブルでただ単にリモートデスクトップが繋がらなくなって落ちたと勘違いした可能性ももしかしたらあり得ます。特に、Stick PCをモニターしているクライアントの方のWi-Fiを弱い方につなげていたことが後でわかったので、そのせいの可能性があります。

今回一番の失敗が、夜中に赤道儀を反転してから撮影を初めて放って寝てしまって、朝確認したら午前2時で撮影ファイルの生成止まっていたことです。1時間半ぶんくらいの撮影時間を無駄にしてしまいました。確認したら撮影用に走らせておいたソフトも全部立ち上がっていなかったので、どうもPCが再起動されたような形跡があります。これがトラブルで止まったのか、アップデートとかで再起動されたのかは分かりません。そもそのアップデートはその日のうちに事前にしておいたので、そんなに連続であることはないと思うのですが。

-> その後記録を見たら、撮影をしたその日(夜中)に幾つかの「品質更新プログラム」というのが3つインストールされていました。これが再起動を要請したかどうかまで分かりませんでしたが、どうやらこれが怪しいです。アクティブ時間を撮影時の夜から明け方にしておく方がいいですね。


画像処理と結果

最初、ダークを昔撮ったもので使いまわして処理しました。露光時間は3分で同じですが、温度が0度のライトフレームに-10℃のダークフレーム、ゲインが220のライトフレームに180のダークフレームを使ってしまってます。これだとものの見事にアンプグローが出てしまいました。気を取り直して露光時間、ゲイン、温度全部合わせて取り直して改めて処理。きちんとアンプグローも消えてくれました。やっぱり横着はダメですね。バイアスはあり、フラットは無しです。バイアスはダーク内に含まれているはずなのでなしでもいいのかもしれません。フラットは代わりにABEを使い、StarNetで恒星と分離してから、星雲側の背景にのみ、細かいところを補正するために再度DBEを使いました。そこそこ炙り出していることになって、ノイズが目立ち始めてるので、これ以上を求める場合は露光時間を増やすしか改善していかないと思います。

masterLight_ABE_ABE_DBE_ALL3

  • 撮影日: 2020年8月21日午前0時2分-1時29分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: 鏡筒: Takahashi TSA-120 + 35フラットナー + CBPフィルター
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro、温度0℃
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: NINA、ゲイン220、露光時間180秒x32枚 = 1時間36分  
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

期待していた、瞳の虹彩のような線はあまり出なかったです。背景が少し荒くなっています。これらは露光時間が1時間半と短かったせいでしょう。

今回は赤と青とかだけでなく、惑星状星雲らしいカラフルな天体です。CBPで撮影しているので、色がどこまで正しいかがよくわかりません。そもそも色情報は欠けてしまっている可能性が高いので、それらしい色に仕上げているだけです。そこに根拠はありませんが、大きくいじるような必要は全然なかったので、CBPの色バランスはそれほど悪いわけではないかと思います。


CBPフィルター検証のまとめ

これまで、CBPで三裂星雲の一部網状星雲北アメリカとペリカン星雲三日月星雲、らせん星雲と

あとやり残したのは、M42すばると、アンタレス付近とかでしょうか。多分これらはCBPでも難しいと思います。暗い空に勝るものはなくて、これらを自宅から満足いくくらい出すのがもっと大きな目標ですが、焦らずにゆっくりやっていこうと思います。

今回でCBPの初期評価はおしまいです。今回の検証を通して把握できたのは以下のようなことです。
  • QBPほどではないにしろ、十分な光害防止効果がある(QBPの1.3倍くらいしか背景が明るくならない)
  • 青色もかなり出る(紫外の方まで透過して、かつCMOSカメラも感度がある)
  • 赤外起因のハロも防げる
  • 色バランスがあまり崩れない
これまで評価の高かったQBPにも勝るほどメリットが多いです。はっきり言って、十分すぎるほど使えることがよくわかったので、今後も完全に実戦投入決定です。


 

昨晩とても晴れていたので、SharpCapを使った一眼レフカメラでの電視観望テストの第2段です。


SharpCap3.3β接続確認状況

まずはこれまで私が聞いた可動情報を書いておきます。情報は全てTwitterや本ブログのコメント、個別のやりとりなどです。

(9月22日午後23時10分現在)

Canon

  • EOS 6D (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS 6D (RAINYさん): 動作確認済、ASCOMドライバーでのLive ViewオプションでCapture Areaがデフォルトでは960X640なることを確認
  • EOS X7i (ぺんぱるさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • EOS 6D Mark II (steorraさん): 動作確認済、LiveStack可能
  • EOS R (steorraさん): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーレスで初確認
  • EOS Ra (steorraさん): さすがに試すのを躊躇
  • EOS X2 (ソルトさん): 接続してミラーアップはするが、シャッター切れずエラー
  • EOS RP (リュウさん): 動作確認済
  • EOS 7D (kumbenさん): 動作確認済
  • EOS 60D (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS X5 (Sam): 動作確認済、LiveStack可能、ミラーアップモードでは動作せず
  • EOS M  (薜さん): 動作せず

Nikon
  • D750 (智さん): 動作確認、ミラーアップモードでは動作せず
  • D5000 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D810 (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、一度本体動作しなくなった、復帰後に動作確認済、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能、重い
  • D810a (あぷらなーとさん): さすがに試すのを躊躇
  • D5300 (ソルトさん): 動作せず
  • D50 (智さん): 動作せず
  • D7000 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • CooLPix B700 (ソルトさん): 動作せず
  • D3300 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能(SDカード必須)
  • D3100 (あぷらなーとさん):  ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能(SDカード未確認)
  • Z6 (OSAさん): 動作確認済、LiveStack可能、サイレント撮影モード(シャッター動作による振動とシャッター音を出さずに撮影できる)は動かなかった
  • D3 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D300 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D90 (あぷらなーとさん): ニコンレガシー使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D610 (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能
  • D810a (あぷらなーとさん): 「ニコン」使用、FITS書き出し・ライブビュー・ライブスタック・ROIが可能、重い

PENTAX
  • K-30 (ソルトさん): 動作確認済
  • K-S2 (ソルトさん): 動作せず
  • K-50 (ソルトさん): 動作確認済
  • KP (薜さん): 動作せず
  • ist D (ソルトさん): 動作確認済
  • K100D (ソルトさん): 動作確認済
  • K-70 (Shinjiさん): 動作確認済、LiveStack可能

SONY
  • α7S or α7SII?(HUQさん): 動作せず

もし上記リストの訂正や、漏れている方で載せておきたい方がいましたら、Twitterかコメントに書いておいてください。上のリストをアップデートしておきます。また公開したくないという方がいましたら、TwitterのDMかコメントに書いてください。後でコメント自身も消しておきます。


さあ、6D電視観望の2回目のテストだ!

一昨晩は台風のせいか風も強かったのですが、昨晩は晴れて、風が吹いた後のこともあり透明度がそこそこ良かったです。でも21時半頃から月が出るので、長時間撮影も気が引けます。なので、まずは21時半まで少し暗いところに行って天の川撮影。これはまた記事にします。結局22時過ぎに自宅に戻って、眼視、惑星、電視観望と選択肢がありましたが、この日はやっぱりまだホットな一眼レフ電視観望です。

今回の目的はとにかく実践で使ってみること。できる限りいろんなところに向けて、これくらいまで見え、これくらいの使用にまで耐えうるとかいうことを示したいと思います。

前回のテストと少し変更したところがあります。まずはレンズですが、前回はNikonの135mm F2.8でしたが、今回はPENTAX 6x7の中判レンズの165mm F2.8です。理由は、周辺減光が顕著で、しかも色によって反応が多少違うようで、結果四隅に行くに従ってひどくなるカブリのようになってしまい、炙り出しが制限されるからです。フラット補正をリアルタイムでやってもいいのですが、いまだにうまく行ったことがなくて、今回も躊躇してしまいました。

もう一つの変更点は、今回Stick PCを使ったことです。前回はSurface PCなので、そこそこ速いですが少し大きいです。普段撮影用に使うStick PCが使えれば、さらにコンパクトにできます。


準備とトラブル

さて、まずは前回の状態の復帰です。機材はシンプルでポン置きでいいので、楽なもんです。レンズを水平にそこそこ北向きになるようにセットして、AZ-GTiでアラインメントを始めます。広角なので1スターアラインメントでもう十分です。計算によると3.65°x2.45°だそうです。これくらいの精度で最初置くだけでターゲットが視野に入ってくるので、まず取りこぼすことがありません。さすがフルサイズセンサーです。

すぐに網状星雲まで入って、画像が取り込めるようになったので、一つ新しいことを試しました。前回の一番大きな問題が、LiveViewモードの間シャッターをずっと「カシャン、カシャン」と切り続けること。6D本体のモニターをオンにすることでシャッターを開けっぱなしにしてかどうできないかです。

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一枚撮りではリモートでカラーバランスを調整できないです。
必要なら本体の方で色を合わせる必要があります。

まずSharpCapのStillモードで撮影開始してないときに、カメラ本体のモニター開始ボタンを押したらシャッターが開いて、SharpCapも落ちたりしないので、このまま行けるか!と期待しました。さらにSharpCapでLiveViewモードにして撮影開始しても音も鳴らずOKかと一瞬思いました。ところが、一枚撮影が終わったらわざわざシャッターを一度閉じて!?またすぐ開いて次の撮影にいくのです。結局各枚各枚の撮影終了時に必ずシャッターを閉じるという機能が働くらしくて、モニターオフにしている時と同じことでした。

さて、次にLiveViewへの移行です。途中SharpCapが落ちることが何度かありました。しかも一度落ちると、SharpCapを立ち上げ直してもASCMOの設定画面に行ってしまい、その後それを繰り返しカメラとの接続ができなくなってしまいました。SharpCapの立ち上げでも、カメラ本体の再起動でも解決しなくて、しばらくはPCの再起動で解決していたのですが、途中からタスクマネージャーで見てみるとSharpCapのゴミプロセスが残っていて、それを消すと再度SharpCapが問題なく立ち上がることに気づきました。

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こんなエラーが出て、これ以降接続できなくなりました。
でも実は反応がものすごく遅くなってるだけで、
分単位で待つと反応したりする時もあります。
SharpCapのゴミプロセスが残っているために起こる現象です。 

何度かやっているうちに、LiveStackに行こうとすると必ずSharpCapが落ちることに気づきました。前回とSharpCapのバージョンが違うのではとかも疑ったのですが、それも同じ。違うのはPCだけだということに気付いて、Stick PCから前回のSurface PCに戻しました。すると全く問題なくLiveStackに移行します。というより改めてSurfaceに戻ると、いかにStick PCでのSharpCapの反応が遅かったかに気づきました。少なくとも3.2の普通のCMOSカメラを繋いでいる時まではそんなことは気にならなかったので、今の3.3βと6Dは相当重いことになります。CPUが非力なためなのか、もしくはUSBの接続が遅い可能性もあります。でもUSB2.0って流石に転送速度に差が出るとは思えないので、やはりCPUの違いかなと思ってます。


充実の電視観望フルツアー

さて、これ以降は極めて順調。シャッター回数を節約したいので、15秒露光にしました。ISOは6400です。回った順番に示していきます。

状況はというと、月齢21日の半月以上の大きい月が出ていて、富山の中心の街から少し離れた住宅地です。普通なら決して星雲を見るようないい状況ではないです。そのため、QBPを入れてます。

  • 網状星雲です。赤と緑の色の違いもはっきり見えてます。
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LiveStackになると色バランスをリモートで調整することができるようになります。

  • 小さなM27亜鈴状星雲
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左端にかわいいM27が見えてます(笑)。
面倒だったので真ん中に持ってくのをサボりました。
この前にM57を見ましたが、流石に小さすぎました。
これくらいの大きさの天体だとレンズの焦点距離を伸ばす必要があります。


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拡大するともう少し形もわかりますが、恒星のハロが目立ちます。
レンズのせいです。
赤外起因だとしたらもしかしたらCBPにすると消えるかも。

  • M31アンドロメダ銀河、QBPは銀が苦手かもと思ってましたが、意外にいいかも
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構造も少しわかります。


  • らせん星雲
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  • 北アメリカ星雲一帯、ここまではっきり見えると迫力あります
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  • 白鳥座のサドル付近
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左下に小さく三日月星雲も見えます。

  • M33さんかく座銀河
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かろうじて腕らしきものが見えるくらいでしょうか。


  • カリフォルニア星雲
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月が近くにあるので、かなりカブってます。それでもこれくらい見えました。

  • ハート星雲と胎児星雲
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ここまで見えるとは。
でもかなり炙り出してるので周辺減光が目立ちます。

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でもセンサーの解像度はあるので、
多少拡大してしまえば周辺減光も気にならなくなってきます。

  • エンゼルフィシュ星雲?
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ここらへんはもうネタです。
まだ光度が低いのでほとんど見えません。
かろうじて右上を向く頭がわかるか?

  • のぼり掛けのM42オリオン大星雲と馬頭星雲、バーナードループ?
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これもネタです。黒い影は木の葉っぱです。
左端のカブリの中にバーナードループが淡く見えてます。
昇り立てで高度が低いのでこれくらい。
冬に向かって持って見やすくなるはずです。


M45プレアデス星団も導入したのですが、月が真横にあり、流石にダメでした。


まとめ

午前0時20分くらいから2時くらいまでの1時間40分。夏から冬までの星雲と銀河、もうフルコースです。ここまで見えれば大満足です。

一言で言うと、さすが撮影でも十分な実績がある6Dです。電視観望でも遺憾無く実力を発揮しています。センサーのピクセルサイズがASI294MC Proが4.6μm、6Dが6.3μmなので、一辺で1.4倍くらい大きいのです。1ピクセルの面積が大きければより多くの光子を取り込めるので、根本的に有利です。

かつ同じ焦点距離ならより広い面積を見ることができます。逆に同じ面積を見るならより焦点距離の長いレンズを使うことができるので、より暗い恒星を見ることができるはずです。実際に使ってみての感想は、確実にASI294MC Proよりも迫力があるということです。

その一方、シャッター回数の制限から一枚一枚の露光時間を長くせざるを得ないので、動きは少なくリアルタイム性には欠けます。ただ、移動する時は星の軌跡は写るので、それはみている人にとっては動きを感じるところで、全く動きがないというわけではないです。

さて、最後の画像の記録を見たら2時間近くで365回のシャッターを切っていました。15秒で一回なので、連続なら1分で4枚、1時間で240枚計算です。途中LiveViewモードからStillモードにしたりもしてたので、数的にはまあこんなもんでしょう。メカニカルシャッターの寿命が10万回だとすると、300回位観望回避r区と壊れる計算です。実際タイムラプスでは平気でこれくらいのシャッター回数になるので、15秒露光でのシャッター回数ならまあ許容範囲でしょうか。


今後やりたいこと

まだまだ試すべきことがたくさんあります。ソフト自身はアップデートを待つとして、手持ちでEOS X5があるので、これで電視観望できるかどうか。天体改造なしなので、赤は出にくいはずです。

X5の中古の値段が1万円台中くらいでしょうか。キットレンズ付きで2万ちょいです。これで本格的な電視観望が簡単にできるなら、裾野が広がりそうです。

あと、SharpCapからのプレートソルブを試してみたいです。これで導入が簡単になるかも。うまくいったらAZ-GTiなしで、StarSense ExplorerみたいなことがPCを使って実現しないかと思っています。そうするとハードは三脚と雲台とカメラとレンズ(とPC)だけで、ほぼ一般的な一眼レフカメラセットになるので、さらに敷居が下がるかもしれません。



最近SIGMA fpに触る機会がありました。Webカメラとして使おうと思っているのですが、せっかくなので少しだけ電視観望してみました。レンズはキットの45mm F2.8です。初めてのフルサイズのセンサーでの電視観望です。


SIGMA fp

あまりカメラに詳しくない私が語っても、何の説得力もないのですが、SIGMAという名前は星の写真を撮る人なら誰でも必ず一度は聞いたことがあるはずです。星景、星家写真用(もちろん一般用途にも素晴らしいです)に適した素晴らしいレンズを数多く出しています。

レンズが有名で、カメラ市場においてはCanonやNikonほど大きなメーカーではありませんが、これまでカメラ本体も何台も出しています。そんな中でも、SIGMA fpは昨年7月に発表され、その小ささと、機能を絞り切った潔さですごく話題になりました。もちろんその時点で好きな人はかなり気にしていたはずですが、春からのコロナ禍において状況が一変しました。

Zoom会議などのWeb会議がメジャーになると、SIGMA fpがWebカメラになるフルサイズのカメラとして一気に話題になったのです。会議に参加するときに自分の写りが全然変わると言うのです。私は天体用にはEOS 6Dがあるので、そこまで注目はしてなかったのですが、今回Webカメラとして会議で使うこととなり実際に使ってみてWebカメラとしてのインパクトに驚きました。それとは別に、もしかしたら天体用にもどうだろうかと思ったのが今回の記事です。


一眼レフ、ミラーレスカメラを利用したWebカメラの現状

PCに繋ぐカメラとしてみた場合、Sigma fpの最大の特徴は、何もドライバーとかも入れなくてWebカメラとして働くこと。これは一眼レフ、ミラーレス含めて、フルサイズのカメラとしては唯一で、Webカメラとして使いたいならほぼ一択となります。

EOSも5月頃からWebカメラとして動かすことはできるようになってきました。米国CanonがCanon EOSシリーズをWebカメラ化するドライバーをリリースしたのですが、EOSの場合にはからなずPCにドライバーをインストールする必要があります。

 

私の持っている6Dは一見上のドライバーではサポートされてないのですが、実際に試してみるとWebカメラとしてきちんと動いて、WindowsではZoom上でも使えたりします。ただし、Mac版はまだ相当制限があり、例えばZoomで使うのは難しいです。

Nikonも8月に入ってWebカメラ化するソフトを公開しましたが、私はNikonユーザーではないので試してはいません。Windows10以外は未対応など、制限がかなりありそうです。

Sonyもつい最近、8月後半に入って同様のソフトを出しましたが、Nikon同様に制限が多いみたいです。

いずれにせよ状況としては、SIGMA fpが唯一そのままWebカメラとして使え独走体制、ついで大きく離れてCanon、さらにNikon、Sonyと続いているような状態で、WebカメラとしてはSIGMA fpはほぼ一強と言っていい状態です。


SharpCapとSIGMA fp

PCやMacからも普通のWebカメラとして認識されるSIGMA fpなので、SharpCapからも当然Webカメラとしてきちんと認識されます。

ただし、色々制限もあります。例えば露光時間は25fpsが最長。しかも、SharpCapから露光時間を変えることはできまえん。かと言ってそのままカメラ本体を触って露光時間を変更しようとしても、これもできません。一度PCとの接続を切って、初めてカメラ本体で露光時間を操作できるようになります。あと、多分バグなのですが、設定を25fpsにしてもどうこうするとSharpCap上で15fpsとなる時があります。少しでも長い方がいいので、今回のテストはこのままで進めました。

ISOはデフォルトでは25600まで、拡張すると102400まで増やせます。でも流石に10万台はノイジーなので、25600で試しました。

とにかくこの状態でSharpCapに画像を取り込むことができます。実はこれ大きな一歩で、フルサイズの一眼レフ、ミラーレス含めて、SharpCapで生で取り込めたのはSigma fpが初めてではないかと思います。

以前HUQさんがα7SのHDMI出力をUSBに変換しwebカメラとして認識させる機器を利用して、SharpCapに取り込んでたりしてましたが、生映像というわけにはいかず、いったん変換が入ります。

 

また、Webカメラ化した6DもWindows上のZoomなどでは使えても、SharpCapで認識させようとすると、少なくとも私のところの状況ではエラーメッセージが出て使うことはできませんでした。


実際の取り込み画像

いずれにせよ、SIGMA fpはフルサイズセンサーでSharpCapで動くので、いやがおうでも期待してしまうわけです。

IMG_0525

上の写真のようにAZ-GTiにつけて試してみます。アンバランスについていますが、経緯台モードで、横長の画像にしようとすると不安定な取り付けになってしまいます。しかもこれ、AZ-GTiのファームが最新ではないので、レンズが南向きになるのが初期状態になってしまっていて、上下逆になります。なんでこんなことになるかというと、アルカスイスプレートを写真で見て左側につけようとするとUSBケーブルが干渉して取り付けられないからです。ここら辺はL字フレームを買って取り付けるなどして解決すると思います。

さて、SIGMA fpに、キットで付いてきた45mm F2.8のレンズを取り付け、CINE(動画)モードでWebカメラ状態にして、SharpCapで実際に取り込んでみます。下がその時の画面をいつものようにiPhoneで撮影したものなります。まあ、とりあえずあまり期待しないでください。

IMG_0530

これくらいが精一杯です。白鳥座付近を写してます。真ん中右下くらいにデネブとサドルがあります。左にイルカ座が見えてます。

もじゃもじゃがよく見えるはずの場所ですが、まず条件が極めて悪いです。満月の日、光害カットフィルター無しなので、相当背景が明るいです。そもそもこんな日にテストするなという話ですが、とりあえず一番最初の軽いテストですでに大きな問題が発覚したような状態です。

ちなみに、30秒露光で普通のSTILL(静止画)モードで写した撮って出しJPEGが下のようになりました。流れてしまっているので、四隅の星像の評価などは保留とします。

SDIM0010

明るすぎる状況なのです。RAW画像を処理して炙り出しても

SDIM0010_RGB_VNG_ABE

これも適当な画像処理なので、評価は保留ですが、最低限20秒露光すると何かモジャモジャは少しは見えるみたいです。


ちょっとだけ検討

一番の問題は、Webカメラにすると露光時間を全く長く取れないことです。最も長くした場合で15fpsなので、高々0.068秒露光でです。上はそれを55フレームスタックした画面になります。感度のいいASI294MCとかでも最低800ミリ秒くらいで、ゲインも相当上げて電視観望します。

しかもこのfpsだと、速すぎてSharpCapで全てのフレームをキャプチャーしきれなくて、半分近くのフレームを取りこぼしている状態になります。かけてる実時間分さえも成果として画像に出てこないというわけです。

それでも心眼クラスでSharpCapの画面をよーく見ると、サドル付近はほんの少しだけ淡い模様が見える気もしないこともないかもというくらいの感じです(笑)。いずれにせよ、露光時間が最長でも15fpsと短過ぎるのでは電視観望は無理と言わざるを得ません。

ちなみに、Sony α7Sが動画モードで1/4秒まで露光できます(これでも短いと思っていて、もっと長くできるならと思ってます)。これだけでSIGMA fpの露光時間と比べて4倍くらいの違いがあります。さらにISOの最大値が40万越えで、これもSIGMA fpの最大ISOと比べると4倍の違い。さらにさらにピクセルサイズが5.9umと8.4umで面積比だと2倍の違い、全部掛けるとと32倍の差になります。これだけ違うと、流石に電視観望用途ではα7Sに遠く及ばず、厳しいと言わざるを得ません。


シグマさーん!

でも露光時間ってソフトでどうこうなると思うのですが、どうなのでしょうか?いっそのこと30秒くらいまで動画モードで露光できるようにしてくれると一気にα7Sを抜けるのですが、シグマさんどうでしょうか?本気で考えてくれませんか?それでも、リアルタイム性では負けてしまいますが、いい勝負くらいにはなる気がします。


今回の結論と、SIGMA fp本来の魅力

今回試して分かったのは、電視観望をするためには動画モードの露光時間が全然足りないことでした。満月の日にテストするのもどうかと思いましたが、多分別の暗い日で試したとしても相当状況は厳しいはずです。

少しというか、かなり期待していましたが、結論としては電視観望には今のままでは厳しいかなと。今一度、光害防止フィルターなどを入れて、流石にもう少し暗い空で試してみようと思ってますが、それでも露光時間がこれだけ短いと電視観望特性については結論は変わらないと思います。

もちろん、星景写真とかは別ですよ。静止画モードで十分な露光時間をとり、シグマお得意の超高性能のレンズで撮る分には、十分過ぎる画が撮れるはずです。

でも思ったのですが、このSIGMA fpは普段使いにあってこそ、真に生きるのではと。だってこの大きさ、すごい魅力ですよ。私は天体改造した大きなカメラしか持ってないので、昼間の明るい写真を撮ることはほとんどないし、あまり撮ろうとも思ってなかったんです。でもこのカメラとなら持ち歩いていろんなところを撮ってみたくなります。軽くて、最低限の研ぎ澄まされた機能、必要なら機能を足すことのできる拡張性。一言で言うと、カッコイイです。手持ちのNIKKORやPentaxの6x7のオールドレンズと一緒に撮っても面白いと思います。

会議でのWebカメラとしての機能も申し分ないです。ここでの話題ではないので詳しくは書きませんが、レンズを交換できるWebカメラの威力は、実際に試してみると破壊的です。一度、手持ちのSamyangの14mをつけて超広角のWebカメラにしたのですが、もうすごい臨場感です。

今回テストで使っただけですが、これは持っていて普段使いで欲しくなるカメラです。所有欲も満たされます。使ったらわかる、本当に魅力的なカメラです。


急遽状況が一転

実は今回のテスト、少し前に試したのですが、記事を書くのをもたもたしている間にSharpCapがまだテストリリースながら3.3βへとアップデートしました。このバージョンでは一眼レフカメラのサポートがされてます。最低限試したところ、6DでLive Stackまでできるようです。これはこれまで長いこと望んでいた電視観望をフルサイズで安価に楽しめることを意味します。

とりあえずこれから色々テストするので、詳しいことは次回以降の記事で。

昨晩、今年初の惑星撮影を試みました。

ブログを読み直しても、去年も火星が遠かったせいもあるのか一度も惑星撮影してないみたいで、どうも自分の中では惑星はあまり盛り上がってないみたいです。去年の夏は星まつりとか観望会とかでほとんどつぶれていた気がします。しかもVISACを手に入れた頃で、ひたすらM57の分解能を目指してました。惑星の最終撮影は一昨年前の8月、土星と火星を撮影しています。この時もあまり気合を入れずにC8でASI224MCで簡単に済ましてます。

一時期MEADEの25cm、LX-200-25とASI290MMを使ってモノクロでLも撮影したりしてたのですが、あまりうまくいかずに、簡単にC8で撮影した方が綺麗に出たりしてしまったのが原因です。大目標はシンチレーションのいい日に25cmでLRGBもしくはLとカラーで合成してというのですが、C8とVC200Lと25cmの比較もしてみたいです。

今回はC8とASI224MCでやっぱり簡易撮影。なんでかというと、本当に久しぶりでフリップミラーとか探しまくったし、延長筒とか必要のない機材も勘違いして用意したり時間がかかってしまいました。さらにFireCaptureを2.6から2.7βにしたら、色々変わってて戸惑ってました。撮影前のテストでFPSが20位しか出ないので、一旦2.6に戻したら普通に100位出ます。何かおかしいと思って、散々いじってとうとう諦めて、仕方ないかと撮影ボタンを押したら100位出たりとか、細かいところが違います。でも新しい方がインターフェースとか印象は相当いいです。慣れの問題なので、何度か触っておこうと思います。

もう一つ、この日やる気にならなかった理由が、台風が来ているからか風も吹いていて、シンチレーションがあまりにも悪かったからです。俗にいうタコ踊り状態で、みんなピョコピョコしてました。火星は揺れすぎててピントをどこで合わせればいいか全くわかりません。

公開してもほとんど意味がないのですが、一応木星、土星、火星と画像処理まではしたので記録がわりにのせておきます。5000枚撮影して、適当に15%とか25%とか使ってます。もうかなり適当です。

2020-09-02-1255_0-U-UV-Jup_lapl5_ap938_RS-gigapixel-scale-2_00x

2020-09-02-1302_5-U-B-Sat_lapl5_ap299_RS-gigapixel-scale-2_00x

2020-09-02-1331_7-U-UV-Mars_lapl5_ap39_RS

まあ、あの元の動画からよくここまで出たというのが正直な感想です。ただ、相当強引な画像処理をしているので、フェイクの模様も多いはずです。つい最近までシンチレーションよかったみたいですが、完全に時期を逃しました。

シンチレーションついでに、以前の月の画像を見ていて気づいたのですが、C8VISACで同じような場所を撮影した画像がありました。同じ口径、同じ焦点距離なので比較しやすいです。

test
左がC8、右がVISACになります。明らかにVISACの方が解像してます。

比べてみるとVISACの方が圧倒的に解像度がいいです。もちろん日は違うので、影の出来具合やシンチレーションが違うのはもちろんなのですが、これが本当にVISACの性能が良いのか、たまたまシンチレーションが良かったのか、決着をつけてみたい気はしています。本当にシンチレーションのいい日に惑星を撮影してみて差が出るかです。

再びシンチレーションが良くなることを期待して、あと火星接近を期待しつつ、機材準備を進めていきます。



CBPの作例の3つ目(三裂星雲も入れたら4つめ)です。前回の北アメリカとペリカン星雲に引き続き、今回は三日月星雲です。




セットアップ

前回まではFS-60CBだったのですが、再びTSA-120に戻ります。画角的に焦点距離900mmとフォーサーズのASI294MC Proでぴったりです。実は三日月星雲、その前の週に三裂星雲を撮ったときに、最後に20分ほどだけ撮影して感触を掴んでいました。簡単に三日月本体が出たので、結構舐めてました。

セットアップが前日と違うので、ガイド鏡をTSA-120に載せ替えるなど少し時間がかかります。Twitterで初期アラインメントで議論が盛り上がっていたので少しだけ。

いつも通りSharpCapのPolar Alignで極軸を取ります。初期アラインメントは1点のみ。極軸の精度が1分角以下までとってあるので星像のズレは大きくなく(パッと計算すると4分間で最大1秒角のズレ。紙を使わず頭だけでできる計算方法はここを参照。)、1点アラインメントで全く問題ありません。もっと言うならアラインメントプロセス自体必要なく、手動でターゲットを入れてあとは恒星時で自動追尾していれば大丈夫です。この場合、ピリオディックモーションが星像のズレを支配するような状態になります。長時間露光になるのでガイドは必須ですが、極軸を十分な精度で合わせてあるため、ガイドはピリオディックモーションのみに集中すればよく、変な負担も全くかかりません。

準備も終わりPHD2でガイドも初め、NINAで20時半頃には撮影を始めました。ただし、プレートソルブが全然動かなかったので、ここは再度検証が必要です。StickPCで新しくインストールにたNINAなので、まだ設定がうまく行ってないのかと思います。

撮影自身は順調でしたが、この日は三日月星雲の撮影は22時40分でおしまい。40枚撮影して、少し流れていた7枚を除いて33枚を拾い上げました。この後は登ってきたらせん星雲にバトンタッチですが、こちらの画像処理はまた次に。三日月星雲は高度が高いのでこれからも長い期間撮影することができますが、らせん星雲は南天時でも高度が低く、撮影できる期間が限られているのでこちらを優先します。

でも、この判断があっていたのかどうか...? 三日月星雲の露光時間が短すぎて、画像処理に相当苦労しました。


画像処理

画像処理はいつものように、最初はPixInsightです。使うのはライトフレームとダークフレームのみ。フラットはTSA-120の広いメージサークルのうちフォーサーズだけ使っているので省いています。バイアスもダークに含まれているとしてなしです。さらにダークは三裂星雲の時に撮影したものを使い回しです。結構手抜きですね。

今回、PixInsightのアップデートがありました。嬉しいのはStarNetがデフォルトの機能として取り込まれました。これまでMacだとコマンドを打って起動していたので、GUIで統一されます。StarNetは「Process」メニューの「MaskGeneration」の中に入っています。起動したら右下のスパナマークを押して、PixInsightをインストールしたフォルダからLibrary以下を選び、mono_starnet_weights.pbとrgb_starnet_weights.pbを選ぶと使えるようになります。 このラブラリの場所ではデフォルトでインストールした場合以下の場所になるとのことです。

Linux: /opt/PixInsight/library​
macOS: /Applications/PixInsight/library​
Windows: C:\Program Files\PixInsight\library​

コマンドの場合と違って、「Create star mask」にチェックを入れておけば、星雲のみでなく恒星のみの画像も同時に作ることができるので便利です。「Stride」の値はデフォルトは128ですが、コマンドラインのデフォルトが64だったので、とりあえず64で試すことにしました。ちなみにこのバージョンはまだCPUだけを使うそうですが、将来的にはGPUを使うことも考えているらしいので期待大です。

星雲部と恒星部が分離されたファイルができた後は、Photoshopに受け渡し、それぞれレイヤーに置いて「覆い焼き(リニア)- 加算」で重ねます。最初しばらくの間、恒星がなんか小さいなと思ってたら、「比較(明)」になってました。無理に恒星を合わせようとかなり大きくしてしまったところでやっと気づきました。やはり覆い焼き(リニア)- 加算のほうが自然になるようです。


結果

結果は以下のようになりました。

「三日月星雲」
masterLight_ABE_PCC_STR_SNP10_cut

  • 撮影日: 2020年8月20日20時30分-22時42分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: 鏡筒: Takahashi TSA-120 + 35フラットナー + CBPフィルター
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro、温度0℃
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: NINA、露光時間180秒x33枚 = 1時間39分  
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC
炙り出しは相当苦労しました。まず良かったところは、三日月本体の背部の青いとことろが出たのでびっくりでした。三日月星雲はナローバンドでの撮影の作例が多く、それぞれの基線の色をRGBに置き換えているので色はあまり信頼できなくて、あの青いのは置き換えした後の色かと思っていました。CBPで見てもきちんと存在しているようです。その一方、その青はとても淡いのでかなり無理してあぶりだしています。境がはっきりするサイドはきちんと出たのですが、上の淡いところはぼやけて出てしまっています。

三日月本体の赤ははっきり出ています。中心部の淡い赤はまだ不十分かもしれません。それよりも、背景全体に広がる赤がかなり淡いです。これは約1時間半の露光時間が決定的に足りないと思うに至りまた。赤の色がそもそも北アメリカとかとは違うみたいです。どちらかと言うと緑というか、黄色っぽい赤しか出ません。QBPでよく出る朱色に近い赤とも違います。なのでその赤の色がなかなか決まらないです。 かなりノイジーで無理して炙り出しているので、いつかもっと露光時間を伸ばしてリベンジしたいと思います。 


適した画像の大きさ

あと、最後の微調整でかなり迷いました。大きな画像でいいと思うものを、サムネイルクラスの小さな画像にするとインパクトが弱いのです。具体的にいうと、小さな画像では暗く、色が目立たなく見えます。逆に小さな画像でいいと思うものは、なんかモクモクしているようなやつで、それを大きな画面にしてしまうと背景が明るすぎて霞んで見えてしまうのです。

背景の明るさや、暗黒帯、淡い星雲部の炙り出しはまだまだ完全に経験不足です。一度10時間クラスの露光時間で試してみて、何が正しいかを自分自身できちんと認識する必要がありそうです。


最後に

あー、このブログの記事を書くのがすごく苦痛でした。画像処理に納得していないとなかなか筆が進みません。実は次のらせん星雲も撮影失敗して露光時間短くなってしまったんです。明日以降、のんびりと再び画像処理からはじめます。 

 

最近、少しいいモニターを手に入れました。といってもBenQのものでサイズも27インチと、最近の大型モニターから見たらまだ控えめの大きさなので、多少安価で、少なくとも最高級品というわけではないです。キャリブレーションもまだ試していません。パッと見の印象は色むらもなさそうで、悪くなさそうです。


事務用に使っていたモニターの色は全然おかしい

まだまだ使い始めのテスト段階のですが、たまたまそのBenQモニターと、昔(2009年発売開始)から使っている一般クラスのMitubishiのモニター(画像処理に使ったことはなかった)で、自分の撮影した星雲を何気なく比べてみたんです。ところが全然写りが違うのに気づきました。Mitsubishiの方は自分が持っている印象と全く違って写ります。暗い、コントラストが悪く霞みがかったみたい、黒が黒でない、鮮やかさがない、色が違うと、もう雲泥の差です。普段画像処理はMacBook Proだけでやっています。外部モニターに映したこともなかったのですが、今回初めてBenQのモニターに映してみたので、ついでにこれまでの物でも見てみようと思ったわけです。


おかしいモニターを調整してみる

一見MacBook ProとBenQモニターの色はかなり似通って見えます。まだキャリブレーション前なので、よくみると多少は違いますが、それでも印象が違うほど違っては見えません。一方、Mitsubishiモニターは一見して印象が違います。そこでMitsubishiモニターを改めて同じように見えるように調整してみました。といっても調整できるパラメータはそう多くはありません。大まかにはコントラストを上げれるだけ上げ、ブラックレベルをかなり落とすとかで、あとは色温度に相当する部分をRGBでマニュアルでバランスをとるくらいです。高度な機能(ダイナミックコントラストとか、黒白伸長とか、超解像設定など)はどれもオンにするとかけ離れていったので全てオフです。結果としては多少BenQと似た色になりましたが、同じと言えるほどにはまだ遠いと感じます。あー、これくらいしか表現できないのかと実感できました。

一番違いのあったMitsubishiiモニターの設定のビフォーアフターを、画面をiPhoneで直接撮影することで伝えようとしたのですが、撮った写真を見てもほとんど違いがわからなかったです。まあ、デフォルトそのままのダメだったパラメータと、多少はマシななったものを比較できるかもしれないので、一応載せておきます。

IMG_0515
こちらがBefore。パラメータも初期のままです。

IMG_0513
こちらがAfter。明るさもコントラストも精一杯ですが、まだ不足と感じました。
まあ、古い機種なのである意味仕方ないです。 

iPhoneで撮ったものを比べると、Beforeの方が一見階調が良く、Afterの方がサチっているようにみえますが、電視観望画面の撮影でもそうなのですが、iPhoneで写すと多少鮮やかに見えてしまいます。実際の画面はBeforeが暗く迫力がなく、Afterの方が階調豊かで自然に見えます。


さらに比べてみると違いが

しかしさらにここで改めて比べてみると、設定し直したMitsubishiの画面は、BenQからは遠いですが、MacBook Proに結構近いです。最初、近いと思っていたBenQとMacBook PRoもまだまだ違いがあったのです。Mitsubishiモニター古いですが、もしかしたら意外にいいのかもと思ってしまいました。それでも目一杯増やした輝度とコントラストが不足しているのは明らかなので、まあ仕方ないですね。

色の違いを写真で表すのはどうやら不可能なようなので、言葉で説明することにします。
  • 最初のMitsubishiモニターの設定は先に書いたとおり初期設定そのままの酷いものです。実際の見え具合も全く意図したものと違っていました。
  • 合わせ直したMitsubishiモニターの設定では、MacBook Proにかなり近くなりました。それでも輝度が足りていないように、全体的に暗く見えます。コントラスト不足でもあり、背景部が霞がかって見えます。
  • MacBook Proはこれで最終調整までして画像処理したので、自分が思っているような色です。もちろん私の腕にも欠点が多々あるので、まだまだ不満なところもありますが、それでも自分なりの納得の色というのは3つのモニターを比べてもぶれてません。
  • BenQモニターはそれに比べると、赤がのっぺり出てます。彩度が高く見え、赤の階調が出ていないように見えます。ギラギラ見えるのに、諧調の豊かさはMacBook Proに劣るといったとことでしょうか。また、背景が暗く(黒く?)でるので、暗くて淡い諧調の違いがわかりにくくなります。WindowsとMacの違いかとも思いましたが、実際にWindowsからの出力とMacからの出力両方で比べてみて、少なくとも表示しているPCでの違いはほとんど感じられなくて、モニターの違いのほうが大きいと思いました。
  • 見比べたら違いははっきりわかりますが、一台だけパッと見せられたら見分けられるか?一度見て特徴を覚えておけば見分けはつきそうです。でも新たな画像を見せられて、このモニターは3つのうちどれかと聞かれたら、多分無理です。

IMG_0520
左からMitsubishi、BenQ、MacBook Pro。
でもこんな写真では全く違いを表すことができません。

Mitsubishiモニターは今回目で見て調整しました。MacBook ProはTrueToneはオプションを外して、あとはデフォルトの設定。BenQモニターもまだ何も調整していません。これが調整次第で今後どうなるのか、少なくともキャリブレーションで目で見て同じと思えるようなレベルまでにはなって欲しいです。

とこんなふうに言葉で伝えましたが、多分実際に画面を見てないと10分の1も伝わらないと思います。モニターの写り具合の違いをうまく伝える方法ってないのでしょうか?統一したものはキャリブレーションすれば伝えることは原理的にできるんですよね。キャリブレーションした後に、違いがわかるか?言葉でその違いを説明できるのか?ここら辺もきちんと検証したいです。


他の人は違って見えるのでは?

さて、機器の差があるので、上のように違いが出ること自体は仕方ないので特に問題にはしてません。でもこのとき思ったのが「自分がいいと思って処理した画像も、他の人が他の環境で見ると多分違った印象で見えるのだろう」ということです。

今まで自分自身でも、モニターの色に関しては気を使ってこなかったので、いまさらあまり大きなことは言えません。最近少し派手目の色使いに傾いていることもあり、もしかしたら他の人には全然変なふうに見えているのかもと心配になってきました。少なくとも同じ画像を自分のMitsubishiのモニターで見たら最初あからさまに変でした。

画像処理の最後は微調整になってきます。ここら辺の作業が一番時間がかかる割に、その調整が全部吹っ飛んで伝わってしまうかもしれないのは、なんとも惜しいと感じました。MacBook Proも自分ではキャリブレーションはしていませんが、これは最初からある程度キャリブレーションされているらしいです。何も考えてなかったのですが、ずっとこれで画像処理をやってきたのはある意味ラッキーだったのかもしれません。


今後

今回、新しいモニターを手に入れて少しだけ比べてみたのですが、今までいかに色に気を使ってこなかったがよくわかりました。それでもMacBook Proの中で画像処理が閉じていたのがせめてもの救いです。

でもまだやっとモニターだけで、キャリブレーションまで行っていません。入り口に立つ準備を始めた程度です。これからもう少し時間をかけてきちんと色のことを理解しようと思います。

一連のCBPのテストの一環で、作例として前網状星雲を示しました。




連日のFS-60CBでの撮影

今回、同様のセットアップで北アメリカ星雲とペリカン星雲を撮影しました。これも平日の自宅庭撮りになります。鏡筒がFS-60CBにマルチフラットナー で焦点距離370mm、カメラがEOS 6Dで露光時間3分が40枚、5分が35枚なので、合計295分、ほぼ5時間の露光です。

IMG_0478

前日と同じセットアップのせいもあり、撮影準備開始が19時半頃、撮影開始がまだ少し明るいうちの20時と、とても順調でした。後から見ると最初の方に撮ったのは明るすぎたので、実際に画像処理に使ったのは十分に暗くなった20時半過ぎからのものです。一番最初、前回の網状星雲と同じ設定の300秒で撮影したのですが、(その時は気づかなくて)まだ明るかったこともあり、すぐに180秒露光に変更しました。途中、0時頃に赤道儀の天頂切り替えの時にやはり暗すぎと思い、そこから300秒に戻し午前3時半頃まで撮影しました。


画像処理

他に溜まっている画像もあり、画像処理は焦らずに結構のんびりやっています。

ISO1600、露光時間1/200秒で障子の透過光を利用して撮影したフラットフレーム102枚と、同設定で暗くして撮影したフラットダークフレームは100枚は、前回の網状で使ったものの使い回しです。

今回露光時間が180秒と300秒で2種類あるので、ダークはオプティマイズオプションをオンにして、前回撮影した300秒のダークフレームを使いました。オプティマイズが効いていると、ライトの露光時間に応じてダークノイズを適当に調整してダーク補正をしてくれるはずです。ASI294MCはアンプグローが大きいのでこの手法は使えませんが、6Dの場合は変な特徴的なノイズはないので、オプティマイズ機能が使えるはずで、今回の結果を見る限り特に問題なだそうです。


出来上がり画像

結果は以下のようになりました。結構派手に仕上げています。

integration_ABE_STR_all8_cut
  • 撮影日: 2020年8月19日20時26分-8月20日3時32分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: 鏡筒: Takahashi FS-60CB + マルチフラットナー
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO1600, RAW)
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI290MCM、PHD2によるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間180秒 x 40枚 + 300秒 x 35枚 = 4時間55分  
  • 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC
まず第一の感想として、そこまで苦労せずコントラストも色も十分出ています。前回の網状星雲同様、自宅庭撮りでここま基本的に満足な結果です。5時間という長い露光時間も効いているのかと思います。


どこまで見栄え良くするか

多分一過性のものだと思いますが、最近派手目に仕上げています。インスタグラムの影響でしょうか?

冷静に理由を考えると、天リフやTwitterとかでなのですが、小さなサムネイルになった時に印象に残ることを考えているのかと思います。画面を小さくするとある程度はっきりさせておかないと、ぱっと見よくわからないと思うのです。例えば網状星雲なんかは細い線になってしまうので、大きな画面の状態である程度出しておかないとかなり印象が薄くなってしまいます。

といってもやってみるとわかるのですが、実は最初なかなかうまくいかなくて、炙り出そうとしてもノイズばかりが目立ってしまうことが多いです。ノイズの少ないコントラストの高い素材を最近やっと撮影できるようになってきて、ようやく派手目にすることができるようになってきました。

派手目というのを別の言葉に置き換えて良く言うなら、狭いところに押し込められた諧調をできるだけ余すところなく、可視の諧調に置き換えて使えるようになってきたと言ったところでしょうか。どこまでやるかは人それぞれかと思いますが、海外の方が派手目なのが多い気がします。

この傾向、今のところ悪い評価よりもいい評価の方が多いみたいです。特にこれまでなかった海外からの反応もあるので、やはりパッとみたときの最初の印象は大事なのかと思いました。

でも果たして濃い天文マニアの人たちから見たらどうなのでしょうか?この色合いは好き嫌いが分かれるかと思います。少なくとも素材をそのまま生かしただけのシンプルな画像処理とは違うので、お絵かきになる可能性も十分にあり、ここら辺は自分自身肝に銘じておくべきかと思います。


その他評価など

その他細かい評価です。
  • 最初赤だけを強調していたのですが、そうするとかなりのっぺりしてしまいます。赤に比例して青と緑もきちんと炙り出してやると階調豊かになるようです。
  • 北アメリカ星雲とペリカン星雲では、同じ赤でも結構違うのが分かります。ペリカンの方が赤のみが多いのに対して、北アメリカは青や緑成分がかなり混ざるようです。他の方の作例でもこの傾向は同じなので、あまり間違ってはいないと思います。
  • 明るい恒星3つが、右から青、オレンジ、緑と綺麗に出ました。これはCBPの利点の一つで、QBPではなかなか出てこないと思います。
  • いまいち暗部の諧調が乏しいです。特に中央の黒い部分です。 三裂星雲でも、網状星雲でも暗部の諧調が出にくいような傾向が見られました。これまで分子雲とかをきちんと出したことがあまりないので、経験的にまだまだなのかもしれません。今回の5時間の撮影時間も私の中では最長の部類ですが、暗部をもっと出すためには根本的に露光時間が足りないのかもしれません。もしかしたらCBPの特徴という可能性もありますが、今の私にはまだよくわかりません。ここら辺は今後検討していく必要があるかと思います。
繰り返しになりますが、庭撮りででここまで出たのは個人的には十分満足です。CBPがうまく働いたと考えていいかと思います。QBPでも赤は十分出たと思いますが、青と緑も含めた階調や、特に恒星の色はなかなか出なかったと思います。


3年の進歩

ちなみに下は3年前にフィルターなしで同じFS-60CBで自宅の庭で撮ったものです。カメラがその当時EOS 60Dだったので、今回EOS 6Dになった違いはありますが、それ以外はフィルターの有無の違いだけです。当時もかなり頑張って画像処理して、それなりに満足していました。そこから見たら画像処理の腕も上がっているとは思いますが、CBPが入ることで素材の時点で優れたものが撮れていて、仕上がりも無理をしなくても素直に出てくるのかと思います。

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こうやってみると、わずか3年のことですが、機器も画像処理ソフトも自分の処理技術も確実にレベルが上がっていることが実感できます。進歩が目で見てわかるということは、趣味でも仕事でもモチベーションを保つ上ですごく重要で、それが実感できる天体撮影はなかなかやめられません。


まとめと今後

庭撮りCBPの2作目ですが、思ったより思い通りに出ました。CBPやはり結構いいです。

まだ未処理画像が2つあります。画像処理はブログを書くよりもはるかに時間がかかります。こちらも焦らずに進めていこうと思います。次は三日月星雲の予定です。


前回の三裂星雲はCBPも使いましたが、フィルターなしの画像が一番多くQBPも使っていましたので、CBPでの作例とはまだ言えませんでした。今回からが純粋なCBPだけでの撮影となります。




CBPを使っての庭撮り

今回のターゲットは網状星雲です。やはりCBPなので、青色近辺を含む星雲を選びました。

網状星雲はむかーし、フィルターなどまだ全然使ってなかった頃テストで撮っただけで、全然あぶり出なかったので、リベンジという意味もあります。撮影日は平日なので、仕事もあるため庭撮りになります。光害地での検証と言えると思います。その代わり自宅なので、一晩中放っておいて撮影できるというメリットがあります。

網状星雲全体を入れたいので、焦点距離の短いFS-60CBにマルチフラットナーをつけて、EOS 6Dで撮ります。?(クエスチョンマーク)の形の下のところまで入れたかったので最初縦長にしようと思ったのですが、縦だと幅がギリギリなのと、西網状、東網状と言いたかったのであえて横構図にしました。

午後7時頃から準備を始めたのですが、久しぶりのFS-60CBということもあり、少し戸惑ってしまって撮影を始めたのは21時半過ぎです。というのも、今回始めて新StickPCで長時間撮影を試みました。カメラがEOS 6Dなので、撮影ソフトはこれまで通りBackYard EOSを使いました。将来的には6DでもNINAを使ってもいいかもしれませんが、これはまた別の日に試したいと思います。いくつか設定不足のところがあり時間がかかってしまいましたが、トラブルというよりは、画像保存フォルダの場所とか、ファイル名が上手くつかなかったとか、細かいことです。撮影自身は、Stick PCに関してはほとんど何もトラブルなく、一晩中、朝まで問題なく撮影を続けることができました。

撮影時間は21時半過ぎから午前4時前まで、約6時間。失敗はなかったので全部使うことができました。ディザーもあるので実質露光時間は5時間ぴったりでした。

masterLight_ABE_PCC_STR_all3_DBE4_cut
  • 撮影日: 2020年8月18日21時47分-8月19日3時52分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: 鏡筒: Takahashi FS-60CB + マルチフラットナー
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO1600, RAW)
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI290MCM、PHD2によるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間300秒x60枚 = 5時間0分  
  • 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC
率直な感想ですが、淡いところまでかなり綺麗に出ました。庭撮りでしたが、ここまで出れば私的にはかなり満足です。


以下、細かい感想です。まずはよかった点:
  • 青い部分がかなりはっきり出た。
  • 赤もQBPの時より補正があまり必要なかった。
  • 青だけでなく、緑の淡い部分も残っているようです。
  • 全体的にカラーバランスはQBPよりははるかにとりやすいと思います。
  • 光害に関しては、月は出ていませんでしたが、住宅地なので前回の三裂星雲よりはるかに状況は悪いです。それでもこれだけ出せるので、QBPほどではないにしても相当迫る実力だと思います。
  • とくにゴーストなど問題になるようなところも見受けられませんでした。
  • ハロのようなものもほとんどなく、星像はかなりシャープに出ていると思います。

もう少し検討したい点:
  • 網状星雲の中央に赤と青の淡い線が走るはずなのですが、さすがにそこまでは出ませんでした。もっと明るい鏡筒か、真に暗い空、さらなる(10時間クラス?)の露光時間が必要なようです。
 
  • 右側に暗黒帯が大きく広がっているはずですが、試しに極度に強調しても全く出ませんでした。黄色っぽい色になるはずで、この波長帯は苦手なのかもしれません。
  • 下の写真のように、恒星だけを強調して見てみると右側が大きなエリアで減光しているのは確認できたのですが、背景がついてこれていないようです。
masterLight_ABE_PCC_STR_all_darkarea

まあ、庭撮りでここまでは望みすぎなのかもしれません。


おまけのAnotationです。

masterLight_ABE_PCC_STR_all3_DBE4_cut_Annotated



まとめ

今回は庭撮りで光害地での検証に当たるのですが、CBPやっぱりいいです。元々彗星用途ですが、星雲用途にも十分期待に答えてくれると思います。CBPの目的の一つであった青も淡いところまで出てくれたので、私的にはかなり満足です。

網状星雲はCBPのテストとしては格好の材料だったようです。でもさすがに上を見るとキリがなくて、網状星雲はまだ全部の顔を見せてくれません。これがCBPのせいなのか、それとももっと暗い空を求めなければならないのか、はたまた露光時間が足りないのか、これからも挑戦のしがいがあります。

次はCBPを赤のみの星雲で試して、QBPと色がどれくらい変わるのか試してみたいと思います。
 

前回のCBPの検証記事が長くなりすぎたので、撮影した三裂星雲の画像処理と仕上げは別途この記事で書いておきます。




撮影時の様子とトラブル

機材は前回の記事で書いたので詳しい事は省きます。撮影ソフトはNINAを使いました。最近これが多いです。撮影自体は問題なかったのですが、「撮像」タブにあるLiveviewがいまいちうまくいかなかったです。(→後に、LiveViewではなく、1秒露光とかにして循環(ループ)をオンにして、その上で「撮像」を押すといいと分かりました。)やはりLiveViewは安定性、操作性ともSharpCapに軍配が上がると思います。そのせいか、ASI294MC Prpの露光時間とゲインの調整がすこしうまくいきませんでした。結局180秒露光で、ゲイン120にしたのですが、まだ少し明るすぎたようで、恒星が一部サチってしまっていたようです。3分露光なら0dBでもいいかもです。ゲイン120下げるとすると、-12dBなので高々4分の1です。恒星がサチると、あぶり出しのときにArcsinhStretchが使えなかったりするので結構不利になったりします。 

あと、カメラの温度は-10℃に設定したのですが、夏場で夜でも暑かったのか思ったより電力を食い、冷却用のバッテリーが一番最初に切れました。真夏は-5℃とか0℃くらいの方がいいかもしれません。少し温度を上げるだけでバッテリーの持ちが随分とよくなるようです。


撮影結果

今回撮影した32枚、合計96分の画像を全て使い、最後まで画像処理してみました。北が上になります。三裂星雲M20の青がきれいに出ています。左上に写っているのは連番のM21になります。

「M20三裂星雲とM21」
integration1_PCC_ST_all_AS6
  • 撮影日: 2020年8月14日21時4分-23時40分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 鏡筒: 鏡筒: Takahashi TSA-120 + 35フラットナー赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro、温度-10℃
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: NINA、露光時間180秒x32枚(フィルター無し17枚、サイトロン CBP (48mm): 9枚、サイトロン QBP (48mm): 6枚)  = 1時間32分  
  • 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC

昔FC-76で自宅でQPBで撮影したもの
と比べると、もちろん機材も露光時間も違いますが、今回の方が明らかに青色も広範囲に渡って出ているのが分かります。ただし今回処理した画像は、フィルター無しのノーマル画像の数が一番多いので、青色がCBPによって出たかどうかの影響は少ないです。あくまで撮った全部を使いたかったという、私のもったいない精神でこうなりました(笑)。

CBP純粋の効果は次回以降のお楽しみとさせてください。


エピローグ

この日の撮影はお盆の金曜日。お盆はずっと晴れていたので、すでにこの日で3日連続の出撃でした。この後、三日月星雲とかも撮ったのですが、雲が出てきて枚数不足でした。この日は撤収で自宅に帰りましたが、夜起きてる習慣がついてしまい、結局明け方まで寝られませんでした。

その次の日、土曜の夜も同じ場所に行ったのですが、さすがに4晩目は疲れてきました。赤道儀まで出したのですが、少し雲が出ていたのを見て気力が萎えてしまって、早々と撤収。帰ろうとすると珍しく一台の車が。この場所で他の人を見るのは初めてです。

「こんばんは」と声をかけると、両親と男の子の3人で天の川を撮っているみたいです。話を聞くと子供は中学一年生、星はお父さんの趣味。小4の娘は車の中でぐっすり寝ていて、4人できているとのことです。と、こんなことを話していると奥様が突然「〇〇さんですか?」と真っ暗な中、私の名前を言うではありませんか?「えー!見えないのになんでわかるんですか?」と聞いたら「声でわかった」とのこと。でも私は心当たりはありません。聞いたら妻の知り合いで、子供つながりで私も何度か会ったことのある方です。でも声だけでわかるなんて...。そんなに特徴のある声だったのでしょうか?天の川狙いなので、短時間でもいいので雲の晴れるのを待っているとのことです。

私はこの日はもう諦めたのですが、どうやら後から晴れたみたいで、この日は全国的に天気が良かったとのことです。残念でしたが、家に着いたら結局すぐに寝てしまい、もう朝までぐっすりでした。

その後、今週はほぼずっと晴れていたので、自宅でCBP何度か撮影しました。画像処理が進んだらまた記事にします。

 

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