前回の記事で、赤道儀を太陽時に合わせ、月食を連続して撮影すると、月をスクリーンにして月食部分の形が地球の形を表すのでは?ということを書きました。
しかしながら結果は、影の形がひしゃげてしまい、位置合わせなしでは地球の形は再現できませんでした。なぜだったのでしょうか?今回はその点をもう少し詳しく議論してみたいと思います。
まずは国立天文台のこの図から。
まずこの座標ですが、地球の影が動かないような座標系を基準にしています。しかも上が真北です。
これが何を意味するかというと、まず太陽光源に対して地球の位置が動かないような太陽時に合わせた座標ということです。なおかつ、地球の影が真円近くになっているので、(これから書く)月食中の(地球の自転による)観測位置の変化による視野の差を無視したものになっているものと考えらえます。
次に基準となる地球の影に対して月が動いていく理由は、月の公転運動が原因です。なんのことはない、月食そのものですね。一月で360度回るとすると、30日で割って1日あたり12度動きます。部分日食開始から部分日食終わりまで約4時間として、6分の1日なので、12度を6で割り、約2度動きます。月の視直径がやく30分(0.5度)なので、月の約4個分となります。上の図で確認すると、部分日食開始から部分日食終わりまで約4.5個分くらいでしょうか?少し誤差がありますが、まあそこそこ合っています。
さて、公転運動なので上の図において西から東へ横に動くのはよくわかります。ではなぜ南から北へ、上向の動きがあるのでしょうか?これは地球の地軸の傾きからきています。地軸に対して垂直な面と、月の公転軌道面に差があるために、地球の上にいる観測者から見ると月が上下に動いているように見えます。月食の時期は冬に近く、北極は一日中真っ暗で、南極は一日中明るいです。日本は北半球にあるので、月食開始の夕方にから夜中にかけて日本にいる観測者は自転により南側に沈み込んでいくような動きをします。月の公転軌道面を地球の公転軌道面に水平だと仮定すると(実際には +/-5度程度の範囲で周期的に動くのですが)、相対的に月は上に昇っていきます。月食4時間で横軸に約2度動くので、地軸の傾きが23.4度とすると、2度 x sin(23.4度) = 0.8度 = 月の直径の1.6倍となります。上の図で部分食の始まりと部分色の終わりまでの移動距離を見ると、ちょうど説明できるくらいの量ですね。
次の画像は、上の国立天文台の図の月の移動位置合わせて、撮影した月を位置合わせして合成したものです。
左上と右上の枠のズレかたが各位置合わせの様子を示しています。
一方、赤道儀を太陽時に合わせて連続撮影し、位置合わせなしに重ねた図がこちらになります。
縦に長く、横に短くなってしまっています。この違いはどこから出てくるのでしょうか?
答えは前回の記事にも書きましたが、地球の自転によって観測者の位置が移動し、視点の位置がズレることによる視野の違いがこのズレの原因になります。と言っても定量的に評価しない限りは、きちんとこのズレを説明できるかどうかよくわからないので、ここで近似的にですが見積もってみます。
そもそも前回の記事で、
月は単なるスクリーンです。月食開始時には左の方にいる地球の影の右側を映し、月食終了近くには右の方に移動した地球の影の左側を映します。少なくとも地球の半径くらいのオーダーで観測者である自分は移動しているので、視野の中の地球の影もそのくらいの大きさでズレてしまい、位置合わせなしに重ねると縦長の影に見えてしまったというわけです。
では実際にどれくらいズレたかざっくり見積もってみましょう。 簡単のためにズレを横(東西)と縦(南北)に分けて考えます。
まずは横ズレ。月食の4時間の間に地球は約60度自転します。スクリーン上への投影は、地球からスクリーンへの方向を自転0度とした時に、部分月食開始から部分月食終了までに19度から79度まで自転します。その時にスクリーン上に投影される移動距離は、赤道上で見ているなら4900km、北極で見ているなら0です。観測点が北緯36度だとすると、移動距離は約4000kmで地球の半径の3分の2くらいになります。地球の影を固定するためにずらして重ねた画像の枠のズレ量の横成分を見てみると、ちょうど地球の影の半径の3分の2くらいになっているので、うまく説明できそうです。
縦ズレはもう少し複雑で、地軸の傾き23.4度を考慮してやる必要があります。自転による上記の横ズレが起きる間に、地軸が傾いている場合地球の公転軌道面と並行な面に対して自転でどれだけ落ち込むかを計算してやればいいはずです。北緯36度にいることも考慮すると、約1600kmとなります。横ズレの半分以下くらいですね。これもずらして重ねた画像の枠のズレ量の横成分を見てみると、ちょうど横ズレの半分以下くらいなのでうまく説明できそうです。
さらに、横ズレは最初夕方近くなので、観測者はスクリーンに対して垂直に動くためゆっくり動き徐々に速くなっていく。縦ズレは最初激しく落ち込み、月が天頂付近に来ると落ち込みが止まることから、落ち込みスピードが遅くなります。枠のズレを見ていると、横ズレのスピードは徐々に速くなり、縦ズレのスピードは徐々に遅くなっていることから、これらのことも説明できそうです。
というわけで、今回の撮影結果と影固定での座標系とのズレは視野のズレというので定量的にも説明できそうなことがわかりました。
ところで、今回は赤道儀の追尾設定を恒星時ではなくあえて頑張って太陽時に設定したのですが、はたして意味はあったのでしょうか?
そもそも、赤道儀の太陽時とは、太陽を観測する際に視野の中にいる太陽が移動していかないようなついビスピーにするということです。太陽は正午に南中するので、閏秒を無視すれば、1日に赤道儀がぴったり1回転するというスピードです。一方、恒星時は1年で一回転する星空の分を補正して追尾するようなスピードです。いつものざっくり計算ですが、1年約360日で360度補正するとすると、1日で太陽時から1度ズレていく計算です。今回の月食の4時間では約15分角ズレます。月の視直径が30分角とすると、月の半径くらいはズレていく計算になり、今回の2つの比較画像でさらにこの補正を入れなくてはならなくなっていたでしょう。
少なくとも光源である太陽のを追尾していたので、ズレを視野角だけに落とし込むことができたという意味では、太陽時追尾にしていたということの意味はあったという結論でいいのかと思います。
他にもまだ無視できない変化が残っているのか、ここまでの説明でばばっちり動かない影を再現できるのか?細かいところでは例えば、太陽光は実際には平行光でないので影の大きさは地球の大きさより小さくなること、スクリーンである月までの距離が観測者から変わることなど、細かいズレがあるはずです。
これらの誤差は無視できるのかできないのか、それらを含めてこの視野の補正を赤道儀にどう伝えるかを考えて実装し、その後の月食で本当に影が動かなくなるのか検証することになるのかと思います。長々期的な計画ですね。うーん、やっぱり現実的には難しいかな...?
最初Twitterの議論で視野による誤差があると聞いて、あまり理解できていなかったのですが、自分で改めて考えることでだいぶん理解できたのかと思います。
やっていることは特に難しいことではなく、それこそ頑張れば中学生くらいでも理解できるようなことなのですが、できる限り文献や資料は見ないで、シンプルに太陽と地球と月の位置関係と、地軸と月の公転軌道だけから、自分頭の中で考えることで色々理解できてくるのはとても楽しいです。しかも実際に撮影したものと正しいと思われる月の見た目の位置関係の比較から、そのズレが計算値とかなり一致し、そのズレ方もうまく説明できたというのは過去の偉人たちの足跡を辿るようで、なんとも言えないいい気分です。
うーん、これだから天文趣味はやめられません。
しかしながら結果は、影の形がひしゃげてしまい、位置合わせなしでは地球の形は再現できませんでした。なぜだったのでしょうか?今回はその点をもう少し詳しく議論してみたいと思います。
地球の影固定の座標系
まずは国立天文台のこの図から。
まずこの座標ですが、地球の影が動かないような座標系を基準にしています。しかも上が真北です。
これが何を意味するかというと、まず太陽光源に対して地球の位置が動かないような太陽時に合わせた座標ということです。なおかつ、地球の影が真円近くになっているので、(これから書く)月食中の(地球の自転による)観測位置の変化による視野の差を無視したものになっているものと考えらえます。
月の公転軌道による移動量の見積もり
次に基準となる地球の影に対して月が動いていく理由は、月の公転運動が原因です。なんのことはない、月食そのものですね。一月で360度回るとすると、30日で割って1日あたり12度動きます。部分日食開始から部分日食終わりまで約4時間として、6分の1日なので、12度を6で割り、約2度動きます。月の視直径がやく30分(0.5度)なので、月の約4個分となります。上の図で確認すると、部分日食開始から部分日食終わりまで約4.5個分くらいでしょうか?少し誤差がありますが、まあそこそこ合っています。
さて、公転運動なので上の図において西から東へ横に動くのはよくわかります。ではなぜ南から北へ、上向の動きがあるのでしょうか?これは地球の地軸の傾きからきています。地軸に対して垂直な面と、月の公転軌道面に差があるために、地球の上にいる観測者から見ると月が上下に動いているように見えます。月食の時期は冬に近く、北極は一日中真っ暗で、南極は一日中明るいです。日本は北半球にあるので、月食開始の夕方にから夜中にかけて日本にいる観測者は自転により南側に沈み込んでいくような動きをします。月の公転軌道面を地球の公転軌道面に水平だと仮定すると(実際には +/-5度程度の範囲で周期的に動くのですが)、相対的に月は上に昇っていきます。月食4時間で横軸に約2度動くので、地軸の傾きが23.4度とすると、2度 x sin(23.4度) = 0.8度 = 月の直径の1.6倍となります。上の図で部分食の始まりと部分色の終わりまでの移動距離を見ると、ちょうど説明できるくらいの量ですね。
なぜ太陽時だとズレるのか?
次の画像は、上の国立天文台の図の月の移動位置合わせて、撮影した月を位置合わせして合成したものです。
左上と右上の枠のズレかたが各位置合わせの様子を示しています。
一方、赤道儀を太陽時に合わせて連続撮影し、位置合わせなしに重ねた図がこちらになります。
縦に長く、横に短くなってしまっています。この違いはどこから出てくるのでしょうか?
視野のズレ
答えは前回の記事にも書きましたが、地球の自転によって観測者の位置が移動し、視点の位置がズレることによる視野の違いがこのズレの原因になります。と言っても定量的に評価しない限りは、きちんとこのズレを説明できるかどうかよくわからないので、ここで近似的にですが見積もってみます。
そもそも前回の記事で、
「地球の半径が約6400km、北緯36度くらいにで観察しているので、4時間の間に2 x π x 6400km x cos(46/180*π) x 6hour/24hour = 5400km程度、地球の時点により観測点が移動します。月と地球の距離が約38万kmなので、ざっくり1.4%になりますが、そこまで大きな影響ではなさそうです。」
と書きましたが、これは全くの見積り違いです。前回記事を書いている途中で気づいたのですが、実際そのように考えてもいたので、反省の念を込めて残しておきました。
まずは定性的な話からやり直します。地球から見て月の位置に、月の大きさよりはるかに大きなスクリーンがあると仮定します。赤道儀を用いて、無限遠にある恒星が視野の中で固定されるような追尾を恒星時に合わせた望遠鏡でそのスクリーンを見ているとします(太陽時とのズレは最後の方で議論します)。スクリーンには地球の影が投影されますが、 光源である太陽と地球の間の距離は地球と月の間の距離より十分に長いため、平行光線で投射していると仮定します。そのためスクリーンに当たっている影の大きさは地球の大きさをそのまま表します。
望遠鏡では無限遠の恒星を追尾しているため、望遠鏡の向いている角度は常に同じです。その一方、地球から見たスクリーンは無限遠に比べて十分に近いために、観測地点の位置ズレはそのままスクリーン上での位置ズレになります。すなわち、スクリーン上に映った地球の影を望遠鏡で見ていると、夕方から夜中にかけて時間と共に地球の自転で自分の位置がズレていくために、夕方見ていた地球の影は視野の中で自分の位置のズレと同じ量だけズレていくというわけです。今回の月食では、部分月食初めの頃には撮影画像の左の方にあった地球の影が、部分月食の終わりに頃には自分が地球上で移動したのと同じ分だけ、影の大きさが右にズレていくというわけです。
と書きましたが、これは全くの見積り違いです。前回記事を書いている途中で気づいたのですが、実際そのように考えてもいたので、反省の念を込めて残しておきました。
まずは定性的な話からやり直します。地球から見て月の位置に、月の大きさよりはるかに大きなスクリーンがあると仮定します。赤道儀を用いて、無限遠にある恒星が視野の中で固定されるような追尾を恒星時に合わせた望遠鏡でそのスクリーンを見ているとします(太陽時とのズレは最後の方で議論します)。スクリーンには地球の影が投影されますが、 光源である太陽と地球の間の距離は地球と月の間の距離より十分に長いため、平行光線で投射していると仮定します。そのためスクリーンに当たっている影の大きさは地球の大きさをそのまま表します。
望遠鏡では無限遠の恒星を追尾しているため、望遠鏡の向いている角度は常に同じです。その一方、地球から見たスクリーンは無限遠に比べて十分に近いために、観測地点の位置ズレはそのままスクリーン上での位置ズレになります。すなわち、スクリーン上に映った地球の影を望遠鏡で見ていると、夕方から夜中にかけて時間と共に地球の自転で自分の位置がズレていくために、夕方見ていた地球の影は視野の中で自分の位置のズレと同じ量だけズレていくというわけです。今回の月食では、部分月食初めの頃には撮影画像の左の方にあった地球の影が、部分月食の終わりに頃には自分が地球上で移動したのと同じ分だけ、影の大きさが右にズレていくというわけです。
月は単なるスクリーンです。月食開始時には左の方にいる地球の影の右側を映し、月食終了近くには右の方に移動した地球の影の左側を映します。少なくとも地球の半径くらいのオーダーで観測者である自分は移動しているので、視野の中の地球の影もそのくらいの大きさでズレてしまい、位置合わせなしに重ねると縦長の影に見えてしまったというわけです。
定量的な評価
では実際にどれくらいズレたかざっくり見積もってみましょう。 簡単のためにズレを横(東西)と縦(南北)に分けて考えます。
まずは横ズレ。月食の4時間の間に地球は約60度自転します。スクリーン上への投影は、地球からスクリーンへの方向を自転0度とした時に、部分月食開始から部分月食終了までに19度から79度まで自転します。その時にスクリーン上に投影される移動距離は、赤道上で見ているなら4900km、北極で見ているなら0です。観測点が北緯36度だとすると、移動距離は約4000kmで地球の半径の3分の2くらいになります。地球の影を固定するためにずらして重ねた画像の枠のズレ量の横成分を見てみると、ちょうど地球の影の半径の3分の2くらいになっているので、うまく説明できそうです。
縦ズレはもう少し複雑で、地軸の傾き23.4度を考慮してやる必要があります。自転による上記の横ズレが起きる間に、地軸が傾いている場合地球の公転軌道面と並行な面に対して自転でどれだけ落ち込むかを計算してやればいいはずです。北緯36度にいることも考慮すると、約1600kmとなります。横ズレの半分以下くらいですね。これもずらして重ねた画像の枠のズレ量の横成分を見てみると、ちょうど横ズレの半分以下くらいなのでうまく説明できそうです。
さらに、横ズレは最初夕方近くなので、観測者はスクリーンに対して垂直に動くためゆっくり動き徐々に速くなっていく。縦ズレは最初激しく落ち込み、月が天頂付近に来ると落ち込みが止まることから、落ち込みスピードが遅くなります。枠のズレを見ていると、横ズレのスピードは徐々に速くなり、縦ズレのスピードは徐々に遅くなっていることから、これらのことも説明できそうです。
というわけで、今回の撮影結果と影固定での座標系とのズレは視野のズレというので定量的にも説明できそうなことがわかりました。
太陽時追尾の意味
ところで、今回は赤道儀の追尾設定を恒星時ではなくあえて頑張って太陽時に設定したのですが、はたして意味はあったのでしょうか?
そもそも、赤道儀の太陽時とは、太陽を観測する際に視野の中にいる太陽が移動していかないようなついビスピーにするということです。太陽は正午に南中するので、閏秒を無視すれば、1日に赤道儀がぴったり1回転するというスピードです。一方、恒星時は1年で一回転する星空の分を補正して追尾するようなスピードです。いつものざっくり計算ですが、1年約360日で360度補正するとすると、1日で太陽時から1度ズレていく計算です。今回の月食の4時間では約15分角ズレます。月の視直径が30分角とすると、月の半径くらいはズレていく計算になり、今回の2つの比較画像でさらにこの補正を入れなくてはならなくなっていたでしょう。
少なくとも光源である太陽のを追尾していたので、ズレを視野角だけに落とし込むことができたという意味では、太陽時追尾にしていたということの意味はあったという結論でいいのかと思います。
その他誤差
他にもまだ無視できない変化が残っているのか、ここまでの説明でばばっちり動かない影を再現できるのか?細かいところでは例えば、太陽光は実際には平行光でないので影の大きさは地球の大きさより小さくなること、スクリーンである月までの距離が観測者から変わることなど、細かいズレがあるはずです。
これらの誤差は無視できるのかできないのか、それらを含めてこの視野の補正を赤道儀にどう伝えるかを考えて実装し、その後の月食で本当に影が動かなくなるのか検証することになるのかと思います。長々期的な計画ですね。うーん、やっぱり現実的には難しいかな...?
まとめ
最初Twitterの議論で視野による誤差があると聞いて、あまり理解できていなかったのですが、自分で改めて考えることでだいぶん理解できたのかと思います。
やっていることは特に難しいことではなく、それこそ頑張れば中学生くらいでも理解できるようなことなのですが、できる限り文献や資料は見ないで、シンプルに太陽と地球と月の位置関係と、地軸と月の公転軌道だけから、自分頭の中で考えることで色々理解できてくるのはとても楽しいです。しかも実際に撮影したものと正しいと思われる月の見た目の位置関係の比較から、そのズレが計算値とかなり一致し、そのズレ方もうまく説明できたというのは過去の偉人たちの足跡を辿るようで、なんとも言えないいい気分です。
うーん、これだから天文趣味はやめられません。
コメント
コメント一覧 (6)
が、追尾精度だけでなく、視野のずれなんてものがあるのですね。
そうなると大気差による高度ずれとかも影響するのか?とか思い始め、やっぱり後で修正して合わせるしかないのかなぁ、と思ってみたり。
今のところ視野ズレを位置合わせすることなく地球の影を再現する方法は見い出せていません。おそらく全て後から位置合わせしたものになっていると思われます。
大気収差も影響はあるかと思いますが、1分角くらいのオーダーでそこまで大きなズレではないです
約38万km先にある地球の影の中心を地表から観察を続けると、視差と自転によって、ほぼ空に見えている間は衝前後の外惑星のように「逆行」するので、恒星時よりも速い追尾が必要になります。
動きの速い彗星を追尾する2軸のコメットトラッカーならばすんなりできるかもしれませんが、低空の大気差を考えたらまたハードルが上がりますね。
まいくろさん、コメントありがとうございます。
私も視野のズレを最初全然甘く見ていました。今回視野のズレに関しては色々考えたので、そこまで間違ってないと思いますが、もしこれが正しいとするとさすがに動きが複雑すぎます。おっしゃる通り、コメットトラッカーのように外部で計算して座標指定で追っかけるしか手がないと思います。その手段を見つけるのが次の課題でしょうか。影固定の時系列の座標とそれを赤道儀に送る方法です。なかなか大変そうです。
私も考えていたことなので、拙ブログで引用させていただき、自分なりの考察も書かせていただきました↓。次回月食までに何らかの解決策を見いだせるといいですね。
https://kuusou.asablo.jp/blog/2022/12/14/9547905
みゃおさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ブログ記事、ある程度過去まで含めて一通り拝見させていただきました。
にゃあさんの長年の考察素晴らしいです。
私はにわかですので、難しさにやっと気づいたくらいです(笑)。
月の視野ズレについては計算方法の目処が立ってきましたが、本影中心に固定する方法についてはまだ見通しも何も立っていません。
でも丁寧に計算していけばそのうち繋がるのではと思っています。まとまってきたらそのうちに記事にしますね。