今回の記事は悪いことをしているので真似しないでください(笑)。
冗談はさておき、撮影の準備をどこまで短縮できるか考えてるのですが、最近大きな進歩があったので書いておきます。
私は普段は自宅での撮影なので、赤道儀が玄関に置いてあります。全部CelestronでAdanced VXとCGEM IIとCGX-Lと、3つあります。
でも今日の話はこんなことではありません。この後の話です。
三脚、赤道義、ウェイト、鏡筒がそろった段階からは共通で、
まず一つは、赤道儀の自動導入は私の場合ワンスターアラインメントなのですが、鏡筒の移動が終わった後に星が視野に入ったことを何も確認しません。その代わりにSharpCapのプレートソルブでズレを確認し、赤道義側にフィードバックすることで自動導入の精度を担保します。プレートソルブで、目的の天体をほぼ視野(例えば焦点距離1300mmでセンサーはフォーサーズサイズくらいの視野でも)の真ん中に入れてくれます。
その際気をつけることは、Celestronのコントローラーの場合、ワンスターアラインメントで導入して、星が入っていない段階で、「Enter」ボタンと「Alignment」ボタンを押して、アラインメントを終了させておくことです。これができてないと、プレートソルブで赤道儀を返そうとするとエラーになります。あと当然ですが、赤道儀に誤差を返すためSharpCap上であらかじめ赤道儀に接続しておく必要があります。
これだけで時間にしてうまくいくと5分程度時間が短縮できます。
最近思いついたもう一つの省ける点ですが、水準器で赤道儀の水平をとることをしません。私は長らく「赤道儀の水平をとることはものすごく重要で、ここをサボると精度が出ない」と主張してきました。基本的な考えは変わってませんが、そもそもなぜ赤道儀の水平をとる必要があるか、よく考えてみると疑問が出てきました。
通常の場合、水平出しの一番の目的は、初期アラインメントの時にきちんとガイド鏡もしくは主鏡の視野に天体が入っていくることです。でもこの条件は、既に上のようにプレートソルブに任せてしまったので、必須条件になっていません。
あともう少し条件があります。極軸が十分な精度でとれていることです。SharpCapだと極軸を1分角以下の精度で余裕で合わせることができるので、これくらいきちんと合わせてあれば、水平が合っているかどうかに関わらず、十分な追尾ができます。極端なことを言うと、極軸さえあって入れば、自動導入でもマニュアル導入でも、水平がとってあってもなくても、追尾精度は同じでですよね。自動導入があると便利というだけです。
あと水平が出ていないと、初期導入時の誤差が大きくなるので、繰り返しになりますが、プレートソルブは必須(少なくとも合った方が楽でしょう)です。極軸の精度が出ていない場合、プレートソルブがない場合は、真面目に水平をとった方がいいのはこれまでとなんら変わりはありません。
この水平出しを止めることでも、うまくいくと5分程度時間を短縮することができます。
5月末のこの季節、21時近くに天文薄明が終了します。大体20時半近くに、玄関からCGX-Lをえっちらおっちら運び始めて準備を始めます。トラブルがなければ実質30分以内に準備が済んで、21時には撮影を開始できます。準備の30分のうち、5分とか10分とか時間を短縮できるのは無視できないくらいの効果があり、精神的にもかなり楽です。
プレートソルブを使った初期アラインメントの簡略化はかなり前からやっていましたが、水平出しを無視するのは最近始めました。既に3度ほど撮影していますが、今のところ精度が落ちたようなことはありません。といっても、いつも同じような場所に置くので、実際にはものすごく水平からズレるということはあまりないです。水平を確認しないだけで、そこそこの水平度は出ているので、極端に大きくずれているというのは検証していませんが、まあ原理的には大丈夫なはずです。
あ、あと私は(極軸の精度は十分出しているので)ワンスターアラインメントしかしませんが、ツースターとかスリースターアラインメントをすると追尾中に赤緯も動かす可能性があるので、もしかしたら上の話は成り立たないかもしれません。
とまあ、今回はやってはいけないことシリーズとなります(笑)。もし試す場合はくれぐれも自己責任でお願いします。これで精度が出なくて写真がうまく撮れなかったとか言われても、私は何の責任も取ることができません。
冗談はさておき、撮影の準備をどこまで短縮できるか考えてるのですが、最近大きな進歩があったので書いておきます。
赤道儀のセットアップ
私は普段は自宅での撮影なので、赤道儀が玄関に置いてあります。全部CelestronでAdanced VXとCGEM IIとCGX-Lと、3つあります。
- AVXは軽いので、組み上がったまま、ウェイトも鏡筒もつけたまま(クランプは緩めて)運びます。ケーブルまで含めて組み上がっているので楽です。
- CGEM IIは三脚と赤道儀をまとめて運びます。これで運べるギリギリの重さで、ウェイトや鏡筒が載っているととてもじゃないけど運べません。でもケーブルとかは赤道儀までは接続されているので、まだ楽です。
- CGX-Lは赤道義単体だけでもすごく重いです。ウェイトバーはまだつけたまま運びますが、毎回三脚から切り離して運びます。三脚も上二つとは段違いにゴツくて、三脚単体で運ぶのだけでも大変です。固定するのはM10のキャップネジ3本なので、載せて固定するのに六角レンチが毎回いるのでちょっと面倒です。ケーブル類も当然毎回接続し直しです。
でも今日の話はこんなことではありません。この後の話です。
三脚、赤道義、ウェイト、鏡筒がそろった段階からは共通で、
- 赤道儀についている水準器を使って水平をとる。
- SharpCapで極軸を合わせる。
- 鏡筒をホームポジションに合わせる。
- 赤道儀の電源を入れる。
- ワンスターアラインメントで初期導入をする。
- ガイドカメラの映像をSharpCap上で大まかにあっていることを確認する。
- メイン鏡筒のカメラをSharpCapで見て中心に持っていく。
省ける操作1
まず一つは、赤道儀の自動導入は私の場合ワンスターアラインメントなのですが、鏡筒の移動が終わった後に星が視野に入ったことを何も確認しません。その代わりにSharpCapのプレートソルブでズレを確認し、赤道義側にフィードバックすることで自動導入の精度を担保します。プレートソルブで、目的の天体をほぼ視野(例えば焦点距離1300mmでセンサーはフォーサーズサイズくらいの視野でも)の真ん中に入れてくれます。
その際気をつけることは、Celestronのコントローラーの場合、ワンスターアラインメントで導入して、星が入っていない段階で、「Enter」ボタンと「Alignment」ボタンを押して、アラインメントを終了させておくことです。これができてないと、プレートソルブで赤道儀を返そうとするとエラーになります。あと当然ですが、赤道儀に誤差を返すためSharpCap上であらかじめ赤道儀に接続しておく必要があります。
これだけで時間にしてうまくいくと5分程度時間が短縮できます。
省ける操作2
最近思いついたもう一つの省ける点ですが、水準器で赤道儀の水平をとることをしません。私は長らく「赤道儀の水平をとることはものすごく重要で、ここをサボると精度が出ない」と主張してきました。基本的な考えは変わってませんが、そもそもなぜ赤道儀の水平をとる必要があるか、よく考えてみると疑問が出てきました。
通常の場合、水平出しの一番の目的は、初期アラインメントの時にきちんとガイド鏡もしくは主鏡の視野に天体が入っていくることです。でもこの条件は、既に上のようにプレートソルブに任せてしまったので、必須条件になっていません。
あともう少し条件があります。極軸が十分な精度でとれていることです。SharpCapだと極軸を1分角以下の精度で余裕で合わせることができるので、これくらいきちんと合わせてあれば、水平が合っているかどうかに関わらず、十分な追尾ができます。極端なことを言うと、極軸さえあって入れば、自動導入でもマニュアル導入でも、水平がとってあってもなくても、追尾精度は同じでですよね。自動導入があると便利というだけです。
あと水平が出ていないと、初期導入時の誤差が大きくなるので、繰り返しになりますが、プレートソルブは必須(少なくとも合った方が楽でしょう)です。極軸の精度が出ていない場合、プレートソルブがない場合は、真面目に水平をとった方がいいのはこれまでとなんら変わりはありません。
この水平出しを止めることでも、うまくいくと5分程度時間を短縮することができます。
実際の感想
5月末のこの季節、21時近くに天文薄明が終了します。大体20時半近くに、玄関からCGX-Lをえっちらおっちら運び始めて準備を始めます。トラブルがなければ実質30分以内に準備が済んで、21時には撮影を開始できます。準備の30分のうち、5分とか10分とか時間を短縮できるのは無視できないくらいの効果があり、精神的にもかなり楽です。
プレートソルブを使った初期アラインメントの簡略化はかなり前からやっていましたが、水平出しを無視するのは最近始めました。既に3度ほど撮影していますが、今のところ精度が落ちたようなことはありません。といっても、いつも同じような場所に置くので、実際にはものすごく水平からズレるということはあまりないです。水平を確認しないだけで、そこそこの水平度は出ているので、極端に大きくずれているというのは検証していませんが、まあ原理的には大丈夫なはずです。
あ、あと私は(極軸の精度は十分出しているので)ワンスターアラインメントしかしませんが、ツースターとかスリースターアラインメントをすると追尾中に赤緯も動かす可能性があるので、もしかしたら上の話は成り立たないかもしれません。
まとめ
とまあ、今回はやってはいけないことシリーズとなります(笑)。もし試す場合はくれぐれも自己責任でお願いします。これで精度が出なくて写真がうまく撮れなかったとか言われても、私は何の責任も取ることができません。
コメント
コメント一覧 (9)
AVXが軽いとは・・・
赤道儀3台を置いておける玄関、自宅で撮れる環境が羨ましいです。
車への積み込み、移動、セッティング等を考えると
撮影時間が1時間以上取れないと出掛ける気になりません。
今週末も微妙な天気です。
試したいレンズが溜まっているのに・・・
水平出しは私も省略しますね。
極軸合わせのネジ回しも面倒なので、水平出しした方がイイとは思うのですが。
自宅でも数時間撮影できる見込みがないと、気軽に電視観望にしてしまいます。
富山は週末天気も良さそうです。明日は飛騨コスモス天文台の観望会です。その後撮影かと思っています。
極軸があってないとガイドがあっても負担が大きくなるおで、極軸はSharpCapでデジ流だけ合わせるようにしています。1分角以下だとほとんどトラブルはないです。
今度の撮影時に試してみようと思います。
是非一度試してみてください。極軸があっていることが必要かと思いますが、撮影に支障ないと思います。もし何か問題とかあったら情報共有したいので、よろしければ教えてください。
投稿される素晴らしい星雲星団写真を拝見しいつも羨ましく思っています。今回も準備の時短化について大変参考になりました。三脚の水平の件ですが、一点疑問があるので教えてください。ラフな設置の場合、追尾精度には影響しないのでしょうか?(設置した時の水平レベルでキャリブレーションされるから問題ない?)まだ初心者のためいつも追尾やガイド精度に悩まされており勉強中です。よろしくお願いします。
極軸さえ取れていれば、水平はどうなっていても追尾精度には影響ないはずです。ただし、自動導入の精度は落ちると思います。それは今回はプレートソルブで補助するという考えです。
あ、但しこれは赤道儀の話で、もしAZ-GTiのような自動追尾の経緯台だと、水平出さないと追尾精度が出ないと思います。
もし追尾やガイドがうまくいってないならですが、極軸はきちんと精度良く合わせていますでしょうか?極軸望遠鏡を使った目での極軸合わせでは精度が一桁くらい違うので、できればSharpCapなどのPCを使った極軸合わせで精度を出したほうがいいです。SharpCapだと定量的に合わせることができ、1分角以下くらいまで余裕で合わせることができ、ここら辺まで合わせるとピリオディックモーションとかが支配的になります。
全く意味がないとかは言い過ぎだと思いますが、条件によっては必須ではないでしょうね。
楽をする方向でいいと思います。