SkyWatcherから、新しい経緯台VIRTUOSOが発売されました。「ヴィルトオーソ」と呼ぶそうです。サイトロンさんから試用を頼まれましたので、いろいろ試してみようと思います。


初心者のために

VIRTUOSOの特徴はなんといってもその値段で、自動導入経緯台のみで実売税込みで2.8万円、口径13cmのニュートン反射型の鏡筒まで込みで実売税込み約4万円と、これまでにない値段となっています。口径15cmニュートン反射、口径127mmのマクストフカセグレンのモデルもあります。星を始めてみたいという初心者の方にも相当注目されるのかと思います。



というわけで、今回からターゲットをこれから星空観察を始める初心者に絞って、実際に使用しながら各種機能を見ていきたいと思います。今のところの予定ですが、
  1. 明るいところでの準備
  2. 実際に天体を見てみよう
  3. 電視観望に星雲に挑戦
  4. リモート観望できるかな?
というようなテーマで、4回くらいに渡ってこのブログでできるだけ詳しく解説していこうと思います。

あらかじめ使用するものを挙げておきます。

準備段階:
  • 小さめのプラスドライバー(スコープファインダーの電池カバーを外します)
  • 単3電池8本(充電式が経済的)
眼視での天体観測
  • 水準器
  • スマートフォン、またはタブレット(iPhoneでもAndroidでもOK)
電視観望
  • CMOSカメラ(今回はPlayer OneのNeptune-C IIを使おうと思っていますが、他にも選択肢はたくさんあります)
  • PC(Windows10が走るくらいの性能があれば十分)
  • USBケーブル(CMOSカメラを繋ぐためのもの)
なくてもいいが、あると便利なもの
  • 0.5倍レデューサ(視野が広くなるので導入しやすくなります)
  • 椅子(意外に覗くところの位置が低いので、低めの椅子があるといいです)
  • 机(電視観望の時にPCを置くのに机があると楽です)
 
今後試す過程で、他にも必要なものが出てきたら、随時追加しています。


到着から開封まで

今回到着したモデルは、13cmのニュートン反射型とセットのものです。大きな箱に入っています。

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段ボールの蓋を開けるときにテープをカッターなどできるときは注意です。すぐ下に日本語マニュアルが入っているので、これを切ってしまわないように刃を少しだけ出して、テープだけを切るようにするか、安全のためハサミなどでテープをカットするようにしてください。

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下の写真のように茶色のダンボール箱の中に、VIRTUOSOの箱が入っていますが、この中の箱は無理に取り出さなくていいです。茶色の箱を処分したい場合はこの限りではないですが、そうでなければ無理せずに茶色の中にVIRTUOSOの箱を入れたままVIRTUOSOの箱の蓋を開け、そこから中身を取り出した方が楽です。

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中身は上から引っ張り上げて取り出してもいいですが、箱を倒してゆっくり横に引っ張り出してもいいでしょう。

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本体は結構大きいので、気をつけてください。ちなみに、VIRTUOSOの箱の中に英語版のマニュアルが入っています。これと日本語版を比べると、かなりそのまま訳したものをサイトロンジャパンの方でつけているのかと思います。ただし、日本語版も英語版も最低限の説明は書いていますが、全くの初心者だとこれでは辛いかもしれません。このブログでできるだけ補足していこうと思います。

他に箱が入っていて、その中には
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  • スコープファインダー
  • 25mmアイピース
  • 10mmアイピース
  • 光軸調整用接眼キャップ
が入っています。まずは、これらの機器のセットアップから始めます。


昼間の明るいうちにできる準備

何の準備もせず、夜に突然外に機器を持ち出して組み立てようとしても、まずうまくいかないでしょう。最初に明るい所でやれる準備をできるだけしておくべきです。

まず最初に重要なことは、経緯台に鏡筒をしっかり固定すること。車で運んで暗いところに持っていく等でいずれ外すとしても、一度は明るい所で練習しておいた方がいいでしょう。アリガタ、アリミゾと呼ばれるクランプ構造で、ネジを締めて固定します。

その際の位置決めですが、経緯台外側のパネル上部にある大きな固定ネジを手で緩めて、鏡筒がスムーズに動くようになったのを確認してから、鏡筒が水平になるように動かします。手を離しても水平を保てるように、重さバランスが大体合うように左右アリミゾの位置をずらしながら位置を決めます。位置が決まったら、一旦鏡筒を垂直に立てて、下側が経緯台に当たらないか確認してください。これで当たるようなら、下に行き過ぎです。ちなみにどちらが上に来てどちらが下に来るかですが、アイピースを挿し込む覗き口が付いている方が上になります。下側奥には主鏡と呼ばれる、メインの大きな鏡が取り付けられています。

鏡筒が固定できたら、スコープファインダーを取り付けましょう。スコープファインダーはLEDを使い、その光の指している方向にターゲットの天体を合わせることで鏡筒の向きを調整する機器です。LEDをつかうので電池が入っています。電池の蓋は小さめのプラスドライバーでねじをゆるめて開けます。電池と電極の間に薄いプラスチックのシートが入っているので、まずはそれを取り除きます。再び蓋を閉め、ネジを締めます。これで電源が入るようになるので、次に横にあるつまみをカチッと音が鳴るように回します。すると赤いLEDが光るはずです。それが確認できたら、鏡筒の前部にあるファインダー台のところにはめ込み、ネジを締めて固定します。LEDはつけっぱなしだと電池を消耗するので、すぐに消すのを忘れないでください。

アイピースも明るい所で一度つけておいた方がいいかと思います。最初に使うのは25mmの方で、プラスチックのキャップを外しておきます。このキャップはアイピースの保管の時に必要なので、無くさないようにして下さい。次に接眼部のネジを緩めてアイピースを差し込みますが、その際ネジを緩めすぎて落とさないようにして下さい。暗い所で落とすとみつからないこともありますので、どこら辺まで緩めればいいか確認しておくといいでしょう。アイピースを奥まで差し込んだら、ネジを締めて固定します。

次に経緯台本体に電池を入れます。まず経緯台外側パネルのところにある電池ケースの蓋を開け、電池ケースを取り出します。このケース、ケーブルの収まり具合が微妙で、方向を間違えるとうまく入らなくなることがあります。ケースを取り出してケーブルから外すときに、ケーブルの収まり方と、ケースの方向をよく確認しておくといいでしょう。電池は単3のものが8本必要です。恐らく一晩を数回使うと電池は空になると思うので、これから何度も使うことを考えると、充電タイプの単3電池を8本用意したほうが経済的かもしれません。

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あと、このVIRTUOSOを操作するためには、スマホかタブレットが必要になります。PCでもいいのですが、スマホかタブレットの方が手軽でしょう。あらかじめSynScan Proというアプリを検索して、ダウンロード、インストールしておいて下さい。

ただし、Android版でGoogle Playストアでダウンロード出来るSynscanアプリは、バージョンが古すぎてandroid11ではクラッシュしてしまうそうです。回避する為にはSkyWatcherサイトの該当ページから最新版を直接ダウンロードしてください。詳しくはサイトロンのページをご参照ください。





明るいうちにアイピースを覗いてみよう

できるならば一度、練習がてら望遠鏡で昼の景色をみておいた方がいいでしょう。

経緯台外側のパネル上部にある大きな手回しネジを緩めて鏡筒がお辞儀方向に動くように、経緯台下の真ん中にある大きな手回しネジを緩めて経緯台の上部を鏡筒ごと回転できるようにします。これで鏡筒がどの方向でも自由に動くようになるはずなので、なにか遠くの景色をアイピース を覗いてみて下さい。最初はピントが全然ずれているので、ボケボケだと思います。アイピースを覗きながら、アイピースの下の接眼部についているつまみをゆっくり回して、ピントが合うところを探してみてください。このとき、ピントを合わせるのにつまみをどれくらいの速度でまわせばいいかの感触をよくつかんでおいてください。夜に星を見ながらだと、早く回しすぎたり、動かなさすぎてピントが合わなかったりで、何も見えないということもあります。昼間に練習しておけば、夜に慌てなくてすみます。

ここまでのことが暗くなってもできるように、明るいうちに何度も練習しておくといいのかとおもいます。


次回

今回はここまでです。次回の記事では、実際に夜にVITUOSOを外に出して、天体を導入し、アイピース で見てみます。うまく見えるでしょうか?





連載記事:VIRTUOSOを使いこなそう