すごい雪
もう天気があまりに悪くて、全くネタがありません。たまに昼間晴れるときや、たまに雲間から星が見える時もありますが、長くは続かず、撮影も電視観望も厳しいような状況です。それにまして雪が酷すぎます。今日あたりやっと少し溶けてきましたが、庭に望遠鏡を出すのを躊躇してしまうような雪の量でした。先週末はずっと降り続いていました。自宅周りでの積雪は1mを優に超えました。
日曜、久しぶりに青空を見ました。太陽望遠鏡を出そうとも思いましたが、庭も犬走りも雪で埋まって断念。それよりも車の雪かきの方が優先です。
際画像処理
何もネタがないので、昔の画像の再処理をしてみました。約2年前に撮影したIC443くらげ星雲です。自宅庭撮りの一環で、QBPを手に入れて結構すぐのものです。FS-60QとEOS 6Dで、ISO3200で300秒露光、約2時間半の露光時間になります。
これがBeforeで
これがAfter
QBPを手に入れて初期の頃の上の画像と、いろいろクセなど分かった上での画像処理を施した下の画像を比較すると、随分変わっていることがわかります。細部が出ているのはもちろん、恒星の色の再現がかなりマシになりました。恒星の肥大も防げています。Hαも赤一辺倒から、青成分、緑成分も入り階調豊かになっています。
相違点
画像処理において前回と違うところがいくつかあります。
- 同温度のダークフレームのストックがあったので枚数を増やしたこと。
- バイアスを枚数の多いものに変えたこと。
- PixInsightでの処理もBPPからWBPPになったこと。
- ArcsinhStretchとMaskedStretchを併用したこと、その結果恒星の色がかなり豊かになっています。
- StarNetで背景と恒星部分に分けることで、背景を思う存分いじることができます。
QBPの色について
恒星に関してですが、QBPの欠点でオレンジの恒星はやはり出にくいのは補正し切れなくて、赤い星のようになってしまっています。これはUV/IRカットフィルターを併用すると解決するかもしれません。もしくはCBPだと星のオレンジ色は出ているので、再度撮影からするときはQBPよりもCBPの方がより自然になるかもしれません。
あと、星雲の色に関しての処理も初期のQBPの時の扱いから大きく変わっています。QBPはその名の通り4つの輝線スペクトルを取り出すようなフィルターのため、カラーバランスがどうしても崩れてしまいます。PCCで恒星の色は合わせますが、そのことが星雲部の色を合わせている保証は何もないはずです。しかも、そもそも恒星の色も限られた波長から、既存のデータベースとできるだけ一致するように合わせたというだけなので、一見合っているように見えても元のスペクトルが全然違い、正しいとは限りません。とりあえずは見た目で合っている恒星の色のバランスは崩さないように、星雲の方の色バランスは結構ずらしています。具体的には
- トーンカーブで星雲の青と緑の成分を増やすことで、階調よく見えるようにしている。正しい色はわからないので、これは自分の好みに。
ノイズ
あと、ノイズに関しはそもそも露光時間がそこまで長いわけではないので、素材としてまだノイジーなのは否めません。
- 今回DeNoiseを使っているので、ノイズに関してはかなり軽減できています。
今後の課題
この背景のモコモコカラーノイズは課題の一つです。露光時間を伸ばすのが一番の解だと思うのですが、露光時間が稼げない時もあり、画像処理でもっとうまくなんとかならないかといつも思っています。
いまだにPixInsightでのノイズ除去や、細部出しの処理を実戦投入できていません。かと言って、使ったことがないわけではなく、毎回いろんな方法を試しています。でも今のところPhotoshopとDeNoiseなどのツールとの組み合わせに結果として勝つことができていないような気がして、結局元に戻ってやり直してしまっています。DeNoiseを使うのは少し悔しい気もするのですが、今のところまだ他の手法を確立し切れていません。
コメント
コメント一覧 (5)
お話には聞いていましたが、こうやって積雪の画像を見ると、雪の凄まじさが実感されます。仕事に行かれるのにどうしているのか、心配にもなってきます。自分のところは毎日のように晴天が続き、晴れてさえいれば夜半前と明け方にやっているので、少々疲れ気味です(今朝久しぶりに曇天でしたW)。昨年末に15cm反射を購入し、今はそれがメインになっています(換装するのがめんどくさいだけ)。どうせ一ケ月もすると空が濁ってくるので、透明度の良い間にできるだけやっていこうと思っています。
ケニ屋さん、こんばんは。
今年の富山の雪はさすがにすごかったです。普通は海側から湿った雲が山に行くに従って雪を降らすので、山に近づく方が雪が多いのですが、今回は海側に近い市街地の積雪の方が多いという珍しい状況でした。除雪が全然間に合わず、雪が車で押し固められ、いったんあいた穴が車の進行とともに大きく深くなる方向で、もう道がガッタガタ、ぜんぜんスピードを出せない状況でした。普段3-40分の通勤が5時間かったという人もたくさんいたようです。今週末は気温が上がって雨になったので、もう雪はかなり溶けましたが、富山も近年大雪が少なくなってきたため、豪雪に弱くなっていているのかもしれません。
なかなか星が見えるほど晴れてくれないのですが、天気に文句を言っても仕方ないので気長に待つことにします。
スケール感が訳わかりませんもう宇宙は😱
宇宙スケールでは止まって見えますが、凄まじい爆風が今も広がっているのでしょう😲
クラゲの頭から湯気が出ているようにも見えます。
くらげ星雲は超新星爆発の名残ですね。いろんな形に名前をつけるのも面白いですよね。茹でクラゲ星雲とかでもおもしろいかもしれません。