9月の3週目は土日も合わせてなんと4連休。本当は初日からかんたろうさんのお誘いで乗鞍に遠征の予定でしたが、ギリギリまで待っても天気がどうしようもないので残念ながら中止に。その代わりに正月以来帰っていなかった名古屋の実家へ急遽帰省することにしました。


久しぶりのSCORPIO

名古屋で色々やることはあったのですが、とりあえずは目的の一つSCORPIOへ直行することにしました。Twitterでいのさんと連絡を取り、開店の13時にお店で待ち合わせるすことに。最初は余裕で間に合うと思ってましたが、名古屋の渋滞をなめていて結局13時10分くらいの到着でした。

店の前にはいのさんと、他にお知り合いの方が何人かいました。ちょっと長居しそうだったので、駅方向の少し離れた有料駐車場をいのさんに案内してもらいました。店舗では店長さんとこの間の日本空調のその後を少し話し、店舗内と展示場をみてました。

展示場はSkyWatcherのAZ-GTeと屈折、反射の機器群がズラーっと並んでいて圧巻でした。店長さん曰く「そこまで数は出ていない」とのこと。値段から考えたら圧倒的なパフォーマンスだと思うのですが、多分初心者はここまでたどり着かないのではないでしょうか。やはり最初に行くのはホームセンターや家電量販店などで、なんだかんだで入門機では全国に販売網を持つVixenが一番目につくのかと思います。AZ-GTeだと自動導入までついているので、より長い期間楽しめると思うのですが、初心者だとその判断にたどり着くのも大変なのかもしれません。

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SharpStarの製品も少し展示してあり、実物を見ることができました。Askarブランドのものはまだ並んでいませんでしたが、こちらも期待できそうです。SkyWatcherといい、SharpStarといい、中国メーカーの台頭が本当にすごいです。しかも四隅の星像まできちんと出してくる機種も普通に存在します。今後10年でどうシェアが変わっていくのか、楽しみなような、怖いようなです。もちろんユーザーとしてはいい機材が安価で帰るようになるのは嬉しいことですが、あまり疲弊して潰し合うようなことはユーザーとしては悲しいことになります。

店舗に戻ると、注目のCelestronのスターセンスエクスプローラーを載せた102mmの屈折が置いてあり、やっと実物を見ることができました。これ、リアルタイムでプレートソルブをやっているのですが、よく考えてあると思います。実際に滞在中もお客さんが購入していったので、かなり出ているのかと思います。この部分だけ欲しいのですが、ここだけ外して使うのはメーカーとしては推奨しないような情報が流れていました。私はPCを使って導入するのでそこまで必要性を感じませんが、眼視中心の特にドブソニアンの人とかはPCなしで淡いターゲットを入れることができると、本当に便利なのかと思います。

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その後来た、いのさんのお知り合いの方とも話しながらで、午後4時くらいまで居ついてしまいました。しかもこの日は結局何も買わずで申し訳なかったです。

本当は一つ欲しいものがあったのです。それはサイトロンから出た3倍の星座ビノです。3倍の星座ビノは笠井からも出ていて以前レポートしていますが、サイトロンから出たものはそれとはまた違っていて、まず48mmのフィルターを取り付けることができること、もう一つは光学的にも違っていて、周辺の歪みがなくなっているとのことです。

店長さんは「酔うことがなくなった」と表現していましたが、確かにその通りです。お店にはちょうど笠井の3倍のものも置いてあったので、直接ビルのタイルなどを見比べてみると、笠井の方で見られたビルの輪郭部の大きな歪みがサイトロンのものではかなり抑えられています。実際には暗いところで星を見るだけだと違いがわかりにくいかもしれませんが、3倍の笠井のものがすごく好評なのでもう一つ3倍のものが欲しいのと、フィルターをつけてみて違いを見るとかもできそうなので、手に入れておきたいです。ところが在庫はまだこの見本だけ。というかまだ販売体制が整っていないようで、残念ながら今回は諦めました。

他にもEAFやASI462MCと買いたいものもあったのですが、10月の福島のスターライトフェスティバルが間もなくなので、ちょっと我慢しました。


トップカメラ

その後実家に到着。電灯がつかないとか、ドアの鍵が調子悪いとか、一通り母の要求を満たし、食事はいつもの近くの「まる重」へ。基本的に飲み屋なのですが、定食っぽいのもやっていて、あまり飲まない私にはありがたいです。刺身系がものすごくお値打ちで、普段美味しい魚を食べている富山人の私でもおいしいと思います。写真の上寿司、なんと千二百円です。ウニの美味しいこと。

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もし晴れていたら電視観望でもやろうと思いましたが、この日も曇り。そのまま実家に戻り一泊して、次の日の午前はトップカメラの栄本店へ。ここでは特価のフィルターやらフィルターケース、レンズケースなどを大量に購入しました。

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ここは中部圏でも、多分全国的にもトップクラスの中古カメラの在庫。集めているPENTAXの6x7レンズも見ましたが、在庫は何種類もあったもののとりあえず食指が動くものはなく、今回はせっかく名古屋に行ったにもかかわらず、大したものは買えませんでした。午後は母親のスマホの買い替えにつきあい、結局夕方に実家を出て自宅に戻ったのは22時前くらい。この日は疲れていて、天気も悪かったので寝てしまいました。


あんとんシュガーさん

連休3日目の月曜は、最近Twitterでやりとりを始めたあんとんシュガーさんが午後から来るので、朝から部屋の片付けと、機材の準備です。晴れていたので太陽でも見るかと思って赤道儀を出しておきましたが、午後曇っていて使うことはありませんでした。午後1時半頃だったでしょうか、まだ窓の掃除をしている時にあんとんシュガーさんが到着しました。同年代で、明るくて、とても話しやすそうな方です。でも家族からは相変わらず「ネットで知り合った人とはあってはいけません」と言われています(笑)。

早速部屋にあがってもらい、少し機材を見てもらった後、目的の微動雲台を受け取りました。

あ、そもそもなんで知り合ったのだろうかと二人で話してたのですが、やはりきっかけはあんとんシュガーさんがFS-60CBをユーシートレードで購入したことでしょう。みんなで「購入おめでとう」とか言っているときに、私もFS-60Qユーザーなので「わーい仲間だ!」と思ってコメントした覚えがあります。

聞いてみると金沢に住んでいるとのことで、いつか富山に遊びに来ませんかとか言っていました。そのうちあんとんシュガーさんが、大阪あすとろぐらふぃ〜迷人会の方とつながりができ、迷人会の井戸端秀樹さん製作のポタ赤用の微動雲台を試すことに。そこに私が反応したところ、同じく迷人会のこたろうさんからその微動雲台を私のところに持っていくようにと命が下ったというわけです。

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無事に微動雲台を受け取りましたが、かなりしっかり作ってあるようで、評価するのが楽しみです。詳しい評価は後日別途またするとして、せっかくあんとんシュガーさんに自宅に来てもらうので、その場で画像処理特訓でもとか思っていました。でもでも最近ずっと天気が悪くて、あんとんシュガーさんの方がなかなか撮影できなかったみたいです。色々聞いてみると、今年3月に初めて星景写真で天の川を撮り、そこからハマり始めて色々揃え出したとのこと。まだまだ機材を揃えているところで、なかなか撮影まで辿り着けないとのことです。目的はまずはアンドロメダ銀河、その後オリオン大星雲を撮影してみたいとのこと。

面白かったのは「FS-60CBを買って良かったー。」としみじみ言っていたことです。最初からきちんとした機材を買うのは一つの手なのですが、確かに今回他の機材を買っていたらもしかしたら私は連絡をとっていなかった可能性もあります。私もFS-60Qには惚れ込んでいるので、同じ機材のユーザーというのはなんだかんだ言ってつながりを感じてしまいます。

結局19時近くまでいたと思うのですが、こんな長い時間何をしてたかというと、ホント何をしてたんだろうというくらい時間があっという間に経ってしまいました。最初の頃はあんとんシュガーさんがマンガを書いていたというくらいマンガ好きなので、私のマンガ本棚を見てもらったり、天文雑誌本棚を見てもらったり、おすすめの本を紹介したりです。

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紹介した本は、望遠鏡とか撮影の理解に、リンク先にもある「デジタル点写真のための天体望遠鏡ガイド」、吉田正太郎著「天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編」と「「天文アマチュアのための望遠鏡光学・屈折編」」、撮影対象を選ぶのに「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」と「星座の事典」、さらに画像処理の入門として「天体写真のレタッチテクニック」です。でも最初の3冊は「式があるー」と言って拒否反応を示していました。自然科学が好きなのですが、理系を諦めた文系人間とのことですが、多分謙遜で、話を聞いている限りかなりいろんなこと調べているので、ここらへんのことはすぐに理解していくのかと思います。

画像処理のソフトの話にも当然なりました。問題はPCと英語が得意でないとのこと。でもソフトについてもかなり調べていて、DSSとSIとPIのどれがいいかとかの話にもなりました。私は回り道するくらいなら最初からPIでいいと思うのですが、英語ができないとすると確かに辛いので、その場合はSIかと思います。最初はとりあえずフリーで試してみたいというならDSSでしょうか。でも最近の最初からPIで始めた人たちの画像処理の伸び具合を見ると、PIから始めるというのが解の一つなのかとも思ってしまいます。あんとんシュガーさんはまだ迷っているようですが、結局は自分で楽しめる物を選ぶのが一番いいのかと思います。あ、でも「PIにお金払ってしまって背水の陣で臨むのもいいかも」とか言っていたので、なんとかしてしまうでしょう。

そのうち機材を出したり、どうやって撮影したりとかいう話になっていきました。あんとんシュガーさんの機材はFS-60CBとレデューサー、さらにエクステンダーをやはり迷人会の方から頂いた(!)そうです。フラットナーはまだ持っていなくて、いまいちフラットナーの価値が分かりにくいようでした。エクステンダーとフラットナーとレデューサーの役割と利点、欠点を説明し、アンドロメダ銀河を撮影するにはという話になりました。

赤道儀はポラリエUなので1軸です。オートガイドをしたいとのことなのですが、PCが苦手なのでできればPC無しでやりたいと言います。色々聞いていると、オートガイドの前に極軸をきちんと取る方がいいというアドバイスになってきました。

少し焦点距離は短くなるかもしれませんが、まずはFS-60CBにレデューサーをつけて焦点距離255mmとして、ノータッチガイド、60秒露光でズレが出なくなるくらいまで目的とし、極軸を精度良く合わせることをチャレンジした方がいいのかと思いました。ある程度極軸を合わせておかないと、一軸のガイドをしても結局ずれていってしまいます。赤径のピリオディックモーションが支配的になるくらいまで極軸を合わせ込むと、やっとオートガイドが生きてきます。

SharpCapのPole Align機能が便利なこと、微動雲台を利用してうまくすると1分くらいまでは合わせることができること、微動雲台なしでも三脚アジャスターで頑張るとそこそこ精度が出ること、微動雲台がどれくらい効くかは私の方できちんと評価することなど、ずっと話してました。

でも実際には天体の話よりも、他の話の方が多かったかもしれません。家族の話とか、仕事の話とか、2011年の震災の時の話とか、その他くだらないことも含めていろいろです。晴れていたら早めの夕食をとって、その後撮影とかでもと思っていましたが、結局天気が回復することもなく、あんとんシュガーさんは次の日仕事ということで、また再開を約束して帰宅されました。

ずっと話してましたが、どれだけアドバイスとかできたかはちょっと微妙です。でもTwitterでたくさん得るものがあったと言ってくれたので、ちょっとほっとしています。この日は私も疲れて早く寝てしまい、夜中一度起きてもまだ曇ってたので、諦めてそのまま朝まで寝てしまいました。

今ブログを書いている連休最終日の今晩も曇りみたいです。この連休、昼間は青空も見えたりして雨も降ってないので天気がそこまで悪かった印象はないのですが、全然星は見えませんでした。最初はこの記事のタイトルを「4連休の星活」としてたのですが、ほとんど星活してないのでタイトルを上のものに変更したくらいです。

星的には冴えない連休でしたが、あんとんシュガーさんがきてくれてとても楽しかったです。コロナ禍で自宅にあまりお客さんも来てなかったので、部屋をきれいにするいい機会にもなりました。いつか一緒に撮影とかしたいです。あんとんシュガーさん、今後ともよろしくお願いいたします。