星を始めたのが2016年5月、それ以降日本で日食が見られたのが2019年の1月6日と12月26日と先日の2020年6月21日の3回。2019年は両方とも冬なので日本海側の富山ではほとんど見られず。というわけで、今回の日食は実は星を始めてから初めての日食になります。
最近忙しくて、最低限の時限ネタの撮影だけはしているのですが、画像処理をしている時間が取れません。当然ブログも進まないです。溜まる一方なので、まずは新しいものからというので日食だけ処理します。
日食当日、朝から晴れていますが、日食時の天気予報は微妙。SCWで見ても富山が晴れと曇りの境界となっています。撮影場所をどうするか迷っていましたが、前日のテストで夕方近くになると太陽の位置が電線が引っかかることが判明。そのため、見晴らしのいい近くの神通川の堤防下の河原に決めました。
朝から準備を始めますが、こんな時に限って庭の木を切るのを頼まれたり結構時間ギリギリです。以前、富山のIさんに雑誌を譲ってもらった時にいただいた太陽用のフィルムを鏡筒とカメラレンズに取り付けます。河原への移動は5分もかからないのですが、16時には日食が始まるとして15時には着いていないと機材を出す時間も無くなってしまいます。結局自宅を出たのが14時半頃。結構ギリギリです。
今回は3台体制での撮影になりました。
実際の準備はドタバタ状態でした。まず、6Dにつけたレンズが14mmでしたが、もう少し焦点距離の長いものでも良かったかもしれません。横向きで撮影して、日食開始から終了まで縦の半分くらいを占めました。なので倍の焦点距離にして縦向きで撮影するくらいでちょうど良かったくらいでした。でも時間に余裕がなくて画角も結構適当に決めたので、放っておけるこれくらいの画角でも良かったかもしれません。
AZ-GTiは経緯台モードでガイド無し、CGEM IIも以前FireCaptureでガイドを試したですが、今回はその余裕もなくガイド無しです。極軸合わせもできていないので、AG-GTiもCGEM IIも数分もすれば太陽の位置がずれていきます。仕方ないので、手動ガイド状態でずれたら合わせるということを2時間半くらい繰り返していました。
天気はというと、最大食くらいまでの前半は快晴に近かったのですが、
徐々に雲が出てきて、
食の終わりの頃にはかなり厚い雲に覆われました。
それでも雲に隠れながらも時々は撮影できるくらい見える時もあり、結局最後食の終わりまでなんとか太陽を見続けることができました。
EOS 6Dで1分おきに149枚撮影してgifアニメにしたものです。

5分おきに比較明合成してみました。
反省点としては、同じ画角で太陽フィルムなしのものを撮影しておけば景色と合成できたので良かったかもしれません。今回は時間がなくてフィルムをレンズに直接貼ってしまったのですが、やはり簡単に取り外せるように別途穴あきのフードとかを用いてそこにフィルムを貼ったら良かったかと思いました。
FS-60CBでもう少し見てみます。実際には167枚撮影していて食の様子をアニメにしようと思っていたのですが、途中雲にやられて位置合わせが難しかったので、今回は諦めて15分おきの9枚だけを取り出して一枚の画像にしました。
あまり目立たないように明るくしてますが、カメラのセンサーが少し汚れていて、少しシミができてしまいました。やはり時間に余裕を持って準備したかったです。
太陽の全体像を写したかったので、センサー面の大きいASI294MC Proを使いました。ただしPSTのBFが5mmと小さく画角がここで制限されるので、ある程度太陽を画角の真ん中にキープしておく必要があります。前述したように時間的に余裕もなくガイドもできなかったので、手動で真ん中のあたりにキープしているに過ぎません。この状態で、1分ごとに100フレームし、合計118ショットを撮影しました。ところが前半モノクロの8ビットで撮影してしまい、どうもゲインが高すぎたようでうまく光球面が出ませんでした。最大食の少し前にこのことに気づき、RAW16にしRのみをGとBに比べて大きくしましたが、前半はほとんど使い物にならなかったです。後半も雲にやられてアニメ化するにも厳しかったので、最大食の一枚だけを処理しました。
準備中も撮影中も、結構何人かのお客さんがきてくれました。でもみんな鮎釣りの人です。「こんにちは」と声をかけるとみんな「何か見てるのですか?」と物珍しいのか、興味津々のようです。「今日日食ですよ」というと、ニュースとかで聞いていた人がほとんどで、「え、太陽見えなくなるのですか?」とか聞いてくれます。「もう欠けてますよ」といって、太陽グラスで見てもらうと皆さん結構喜んでくれます。
もう終わりがけの頃、鮎の様子を見にきていたご夫婦が話しかけてきてくれました。なんでも前日にすぐ見えるところでクマが駆除されたとのことです。この奥様が発見者とのことで、駆除されたのが子グマだったのでまだ親グマがいる可能性があるので、注意して声をかけているとか。撮影始めの頃にはたくさんいた鮎釣りの方たちも、終わりの頃にはすっかりいなくなって、最後はほぼ自分一人でした。さすがに怖くなって、もう食も終わっていたので、すぐに後片付けをして自宅に戻りました。
以前金環日食とかの時は子供と観察したりしてましたが、実際には撮影なども含めた日食は初めての体験といっていいかと思います。やっぱり準備不足のこともありドタバタしましたが、全国的に見たら富山はかなり天気に恵まれていたようで、結構満足できました。画像処理が遅くなってしまったのですが、いつかまたチャンスがあったらもう少し戦略を練ってみたいと思います。
でも次回の日本での日食は10年後。その時はどんな状態になっているのか?機材も進化しているでしょう。もしかしたらもう興味が他にいってるかもしれません。10年後なんてわかんないですよね。
最近忙しくて、最低限の時限ネタの撮影だけはしているのですが、画像処理をしている時間が取れません。当然ブログも進まないです。溜まる一方なので、まずは新しいものからというので日食だけ処理します。
日食撮影の準備
日食当日、朝から晴れていますが、日食時の天気予報は微妙。SCWで見ても富山が晴れと曇りの境界となっています。撮影場所をどうするか迷っていましたが、前日のテストで夕方近くになると太陽の位置が電線が引っかかることが判明。そのため、見晴らしのいい近くの神通川の堤防下の河原に決めました。
朝から準備を始めますが、こんな時に限って庭の木を切るのを頼まれたり結構時間ギリギリです。以前、富山のIさんに雑誌を譲ってもらった時にいただいた太陽用のフィルムを鏡筒とカメラレンズに取り付けます。河原への移動は5分もかからないのですが、16時には日食が始まるとして15時には着いていないと機材を出す時間も無くなってしまいます。結局自宅を出たのが14時半頃。結構ギリギリです。
今回は3台体制での撮影になりました。
- EOS 6DとSamyang 14mmレンズで広角、三脚に乗せての固定撮影
- FS-60CBにASI178MCで日食の形、AZ-GTiの経緯だモードで追尾
- PSTと1000mmの屈折でHα、CGEM IIで追尾
向こうに見えるのが6D、手前がFS-60CBです。
さらにHα撮影用にPSTです。
実際の準備はドタバタ状態でした。まず、6Dにつけたレンズが14mmでしたが、もう少し焦点距離の長いものでも良かったかもしれません。横向きで撮影して、日食開始から終了まで縦の半分くらいを占めました。なので倍の焦点距離にして縦向きで撮影するくらいでちょうど良かったくらいでした。でも時間に余裕がなくて画角も結構適当に決めたので、放っておけるこれくらいの画角でも良かったかもしれません。
AZ-GTiは経緯台モードでガイド無し、CGEM IIも以前FireCaptureでガイドを試したですが、今回はその余裕もなくガイド無しです。極軸合わせもできていないので、AG-GTiもCGEM IIも数分もすれば太陽の位置がずれていきます。仕方ないので、手動ガイド状態でずれたら合わせるということを2時間半くらい繰り返していました。
天気はというと、最大食くらいまでの前半は快晴に近かったのですが、
徐々に雲が出てきて、
食の終わりの頃にはかなり厚い雲に覆われました。
それでも雲に隠れながらも時々は撮影できるくらい見える時もあり、結局最後食の終わりまでなんとか太陽を見続けることができました。
広角での撮影
EOS 6Dで1分おきに149枚撮影してgifアニメにしたものです。

5分おきに比較明合成してみました。
反省点としては、同じ画角で太陽フィルムなしのものを撮影しておけば景色と合成できたので良かったかもしれません。今回は時間がなくてフィルムをレンズに直接貼ってしまったのですが、やはり簡単に取り外せるように別途穴あきのフードとかを用いてそこにフィルムを貼ったら良かったかと思いました。
食の様子
FS-60CBでもう少し見てみます。実際には167枚撮影していて食の様子をアニメにしようと思っていたのですが、途中雲にやられて位置合わせが難しかったので、今回は諦めて15分おきの9枚だけを取り出して一枚の画像にしました。
あまり目立たないように明るくしてますが、カメラのセンサーが少し汚れていて、少しシミができてしまいました。やはり時間に余裕を持って準備したかったです。
PSTで日食時のHα画像を撮影
太陽の全体像を写したかったので、センサー面の大きいASI294MC Proを使いました。ただしPSTのBFが5mmと小さく画角がここで制限されるので、ある程度太陽を画角の真ん中にキープしておく必要があります。前述したように時間的に余裕もなくガイドもできなかったので、手動で真ん中のあたりにキープしているに過ぎません。この状態で、1分ごとに100フレームし、合計118ショットを撮影しました。ところが前半モノクロの8ビットで撮影してしまい、どうもゲインが高すぎたようでうまく光球面が出ませんでした。最大食の少し前にこのことに気づき、RAW16にしRのみをGとBに比べて大きくしましたが、前半はほとんど使い物にならなかったです。後半も雲にやられてアニメ化するにも厳しかったので、最大食の一枚だけを処理しました。
なんと前日クマがこの場所で駆除されていた!
準備中も撮影中も、結構何人かのお客さんがきてくれました。でもみんな鮎釣りの人です。「こんにちは」と声をかけるとみんな「何か見てるのですか?」と物珍しいのか、興味津々のようです。「今日日食ですよ」というと、ニュースとかで聞いていた人がほとんどで、「え、太陽見えなくなるのですか?」とか聞いてくれます。「もう欠けてますよ」といって、太陽グラスで見てもらうと皆さん結構喜んでくれます。
もう終わりがけの頃、鮎の様子を見にきていたご夫婦が話しかけてきてくれました。なんでも前日にすぐ見えるところでクマが駆除されたとのことです。この奥様が発見者とのことで、駆除されたのが子グマだったのでまだ親グマがいる可能性があるので、注意して声をかけているとか。撮影始めの頃にはたくさんいた鮎釣りの方たちも、終わりの頃にはすっかりいなくなって、最後はほぼ自分一人でした。さすがに怖くなって、もう食も終わっていたので、すぐに後片付けをして自宅に戻りました。
以前金環日食とかの時は子供と観察したりしてましたが、実際には撮影なども含めた日食は初めての体験といっていいかと思います。やっぱり準備不足のこともありドタバタしましたが、全国的に見たら富山はかなり天気に恵まれていたようで、結構満足できました。画像処理が遅くなってしまったのですが、いつかまたチャンスがあったらもう少し戦略を練ってみたいと思います。
でも次回の日本での日食は10年後。その時はどんな状態になっているのか?機材も進化しているでしょう。もしかしたらもう興味が他にいってるかもしれません。10年後なんてわかんないですよね。
コメント
コメント一覧 (8)
ケニ屋さん、こんにちは。理事会大変でしたね。私も今回はたまたま日曜だったから良かったですが、平日だと休むとしても気を使ってしまいます。
とりあえず日食は見えたということで、天気の悪い地域もあったと思いますので、結果オーライというところでしょうか。
昔の日食とか、黒点が物凄いたくさんあった頃とか、とても羨ましいです。今の興味を持ったまま過去に戻りたいくらいです。それでもこれからも予期しない天文現象もまだまだ出てくると思います。せっかく知り合った友人同士、大いにいっしょに楽しみたいものです。今後ともぜひともよろしくお願いいたします。
日頃の太陽撮影のノウハウが活きているようで流石です。
10年はさすがに長いですよねえ。天文学的には一瞬なのでしょうが・。
できれば、2035年の皆既日食は見たい!
UTOさん、ありがとうございます。
本当はガイドまで試したかったのですが、準備不足でした。
でもやはりこういったイベントは楽しいですね。
2035年、本当に楽しみです。
しかも、見やすくて。感謝です。
現場で見た感動と、こうして編集していただいた画像と。素晴らしく心に残ります。
東京では雲が厚く見れなかったとか。。
富山で見れてラッキーでした。
天の川も見たくなりました!
ありがとう😊ございました\(^-^)/💕
とやまんさん、こんばんは。
富山ラッキーでしたよね。最大食まではほぼ快晴で、太陽グラスでも撮影でも十分堪能できました。
天の川は牛岳が気楽に見えるかと思います。梅雨が明けたら久しぶりに行きたいです。コロナも落ち着いてきたので、また人も集まるのかと期待しています。
ところで、とやまんさんは富山の方だと思うのですが、知り合いの方でしょうか?
こちらはほぼ曇りでした。
欠け始めは薄曇りでどうにか見えましたが、最大食分時には太陽の位置がわかる程度・・・
日食には恵まれません。
20191226部分日食は曇って全く見えず、
20190106部分日食は薄曇りからの曇り
2012年の金環日食は北限界線まで行き、バッチリ見られました
2009年の皆既日食は中国まで行って土砂降り・・・
次回は10年後、20300601 北海道金環日食ですが、旅行がてら見に行きたいです。
2035年には日本でも皆既日食!
それまでは絶対に死ねません!
あと南半球の星空も見に行かないと死ねません。
オーロラもまた見たいですし、前回は失敗したハレー彗星の回帰も見たいです。
せろおさん、こんばんは。
金環日食は朝早く子供達と一緒に見た覚えがあります。昔の写真をあさったら、iPhoneで金環まじかの写真を撮ったのが残ってました。手持ちなのでブレブレですが。
皆既日食日本で見たいですね。周りが暗くなるのを一度でいいので見ておきたいです。