大きな低気圧が抜けていき、透明度のいい日だったので、自宅からですがTSA-120で初めてまともな撮影を試みました。
TSA-120に関しては、これまで撮影のためにいくつか準備をしてきました。
ガイド鏡のカメラにはこれまでピクセルサイズが2.4umと比較的小さいASI178MCを使っていましたが、カラーなので解像度的には4分の1になり、あまり得をしません。ピクセルサイズは2.9umと少し大きくなりますが、モノクロのASI290MMを使うことにしました。2.4/2.9x4 = 3.3倍くらい分解能が良くなっているはずです。ガイド鏡自身も焦点距離50mmのレンズから128mmにしたので、こちらも2.5倍くらい分解能の面で得しているはずです。合わせると8.5倍くらい分解能が良くなるので、精度向上が期待できます。
撮影するくらいまで準備が整ったので、チャンスを伺っていました。焦点距離880mmで、フォーサーズサイズのCMOSカメラなので、これまでのFS-60Qと6Dとかよりももう少し拡大して撮影できます。そこで、春で構図的にもちょうど治りがいいので、しし座の三つ子銀河をターゲットにすることにしました。
さて、TSA-120にフラットナーをつけての初のDSO撮影になります。テストでガイドなしのM42とか月とかの撮影はしていますが、今回はガイドありでの銀河です。四隅の星像にも注目したいと思っています。
そういえば、前回の月の撮影の時くらいから、鏡筒に差し込むカメラの回転角度に気を付けています。Facbookのあるフォーラムで解説されていた方法でやってみました。極軸合わせが終わった後、鏡筒が北極付近を向いている状態で、赤緯だけを揺らして星が平行、または(カメラの画角によっては90度傾いた状態だと)垂直に動くように、カメラの角度を調整すればいいというものです。
これまで画角の傾きには全く無頓着で、適当に水平垂直になったかなと思うくらいで合わせていました。ひどいと数十度のずれになっていることもありました。この方法は手軽で正確なのでいいです。後で示しますが、plate solvingで確認すると、ほとんど回転角0度になっていました。
今回のもう一つの大きな進展は、ガイド鏡の強化によりオートガイドの精度が大幅に上がったことでした。PHD2の画面の写真ですが、
これをみるとRMSで1秒を切っています。
これまでのFS-60Qで撮影してきた時のとかの典型的なやつが
になります(これでもかなり調子が良い時のものです)。グラフは同じスケールです。赤線、青線が相当フラットになったことからも、同心円のところばらつきが減ったことからも、明らかに精度が上がったことがわかります。
ところが、撮影した画像を位置合わせをせずに順に見ていくと

ランダムディザーで揺れてはいるのですが、やはり右に流れていきます。オリジナル画像だと1ピクセル1秒角くらいで、最初と最後を比べると約2時間で80ピクセルくらい右に流れていくので、約80秒角くらいずれたことになります。画像1枚が5分で、5分あたり3秒角ちょっとドリフトしてることになります。結構な量です。まだ撓み(たわみ)があるものと考えられます。これは一度きちんと定量的に評価する必要がありそうです。
今(ブログアップ直前)、ガイドグラフを改めて見てて気づいたのですが、ガイドの赤経をよく見ると一方向にのみ定期的にパルスが出ています。これってもしかしたらたわみがフィードバック信号に現れてしまって、その結果ドリフトを起こしているいるのかもしれません。パルス量とその周期から計算した赤道儀の回転量が、画面から計算したドリフト量あっていれば面白いです。このパルスがなくなるような対策をすればいいので、短時間で効果が見えると対策が楽になるはずです。
あと、撮影使ったソフトはAPTなのですが
このとき試せなかったのが、天頂越えでの赤道儀の自動反転です。天頂越えくらいで月画で始めるので、ギリギリまで反転せずに撮っていたからです。いつかチャンスがあったら試したいです。
画像処理に関してはまあいつも通りです。透明度が良かったせいか、RAW画像のコントラストが良かったこともあり、あまり苦労することはありませんでした。
フラットは前回までの検証から、100ミリ秒の短時間露光100枚でOKのはずです。ダークはバラ星雲の時に撮ったものの使い回し。
DeNoiseを少し使っています。ノイズが確実に緩和されるので随分と助かります。ヒストグラムで見るとすごいですよ。幅が尋常でないほど狭くなっています。最初、え、別のファイル開いたのか?と思ったくらいでした。
撮影結果です。
上手く取れたので、Annotationもつけてみました。nabeさんがやり方書いてくれていましたが、PIでScript -> Image Analysis -> ImageSolver で位置を解決して、そのままScript -> Render -> AnnotateImageでできます。
こうやってみるとかっこいいですね。格子がほぼ完全に縦横になっているので、カメラの回転角はかなり合わせることができていたとわかります。でもnabeさんのページにあるように、多少斜めになっていた方がカッコよく見えるのは気のせいでしょうか?(笑)
そういえば今回、PCCでも上のImageSolverでもそうだったのですがplate solvingが全然うまくいきませんでした。いろいろやって、結局解決したのがカタログをUCAC3に変更してからです。オートとか他のカタログは全滅でした。星の数が少ないから?原因不明です。
ところで、今回撮影した三つ子銀河が昔とどれくらい変わったかと言うと、以前FS-60Qで撮影した三つ子銀河が以下のものになります。
PixInsight使いたての頃で、縞ノイズに悩まされた時です。今回は口径が120mmで2倍になったのもありますが、QBPでコントラストが上がっていることと、縞ノイズを回避したこと、画像処理の腕は多分上がっていること、StarNet++のマスク効果と、DeNoiseの効果もあることなど、いろいろ進化していることがわかります。
でも不満なところもいくつかあって、一つはASI294MC特有のアンプグローです。背景を炙り出そうとすると目立ってくるので、なんとかごまかさないといけません。もう一つは、下の画像を見て欲しいのですが、強度に背景を強調したものです。
右上のアンプグローは原因もわかっているからまだいいとして、背景全体にある格子状の模様はサッポロポテト現象の一種なのでしょうか?銀河周りの淡い腕とか出したいときはここらへんまで炙り出す必要があり、どうしてもこの格子が邪魔になります。今回は適当にごまかしましたが、アンプグローも取り切れていないのも合わせて、バイアス補正とかがうまくいってないのでしょうか?今後の課題です。
2020/4/18 追記: Twitterでnagahiroさんから「この格子DeNoiseのせいでは?」と言う情報がありました。「画像をあの格子で区切って、それぞれにニューラルネットかけているのだと思ってます」とのことです。で、改めて確認してみました。その結果、DeNoiseの前後で格子がなかったのが見事に出てきました。DeNoiseの思わぬ欠点発覚ですね。さっそく一つ原因がわかってしまいました。nagahiroさん、どうもありがとうございました。
TSA-120にフラットナーをつけて、ガイド、ディザーをしながら撮影してみました。カメラの回転角を合わせることもできるようになりましたし、ガイドもRMSで1秒角以下になっているので十分な精度です。やっと撮影までできる体制が整ったことになります。銀河の分解能から見ても鏡筒自身の性能は申し分ないです。基本的にTSA-120、眼視用で有名ですが撮影でも十分使い甲斐があると思います。
課題は
今回は自宅でしたが、もっと暗いところに遠征することも考えても良さそうです。
これまでの準備
TSA-120に関しては、これまで撮影のためにいくつか準備をしてきました。
ガイド鏡のカメラにはこれまでピクセルサイズが2.4umと比較的小さいASI178MCを使っていましたが、カラーなので解像度的には4分の1になり、あまり得をしません。ピクセルサイズは2.9umと少し大きくなりますが、モノクロのASI290MMを使うことにしました。2.4/2.9x4 = 3.3倍くらい分解能が良くなっているはずです。ガイド鏡自身も焦点距離50mmのレンズから128mmにしたので、こちらも2.5倍くらい分解能の面で得しているはずです。合わせると8.5倍くらい分解能が良くなるので、精度向上が期待できます。
撮影するくらいまで準備が整ったので、チャンスを伺っていました。焦点距離880mmで、フォーサーズサイズのCMOSカメラなので、これまでのFS-60Qと6Dとかよりももう少し拡大して撮影できます。そこで、春で構図的にもちょうど治りがいいので、しし座の三つ子銀河をターゲットにすることにしました。
撮影
さて、TSA-120にフラットナーをつけての初のDSO撮影になります。テストでガイドなしのM42とか月とかの撮影はしていますが、今回はガイドありでの銀河です。四隅の星像にも注目したいと思っています。
そういえば、前回の月の撮影の時くらいから、鏡筒に差し込むカメラの回転角度に気を付けています。Facbookのあるフォーラムで解説されていた方法でやってみました。極軸合わせが終わった後、鏡筒が北極付近を向いている状態で、赤緯だけを揺らして星が平行、または(カメラの画角によっては90度傾いた状態だと)垂直に動くように、カメラの角度を調整すればいいというものです。
これまで画角の傾きには全く無頓着で、適当に水平垂直になったかなと思うくらいで合わせていました。ひどいと数十度のずれになっていることもありました。この方法は手軽で正確なのでいいです。後で示しますが、plate solvingで確認すると、ほとんど回転角0度になっていました。
今回のもう一つの大きな進展は、ガイド鏡の強化によりオートガイドの精度が大幅に上がったことでした。PHD2の画面の写真ですが、
これをみるとRMSで1秒を切っています。
これまでのFS-60Qで撮影してきた時のとかの典型的なやつが
になります(これでもかなり調子が良い時のものです)。グラフは同じスケールです。赤線、青線が相当フラットになったことからも、同心円のところばらつきが減ったことからも、明らかに精度が上がったことがわかります。
ところが、撮影した画像を位置合わせをせずに順に見ていくと

ランダムディザーで揺れてはいるのですが、やはり右に流れていきます。オリジナル画像だと1ピクセル1秒角くらいで、最初と最後を比べると約2時間で80ピクセルくらい右に流れていくので、約80秒角くらいずれたことになります。画像1枚が5分で、5分あたり3秒角ちょっとドリフトしてることになります。結構な量です。まだ撓み(たわみ)があるものと考えられます。これは一度きちんと定量的に評価する必要がありそうです。
今(ブログアップ直前)、ガイドグラフを改めて見てて気づいたのですが、ガイドの赤経をよく見ると一方向にのみ定期的にパルスが出ています。これってもしかしたらたわみがフィードバック信号に現れてしまって、その結果ドリフトを起こしているいるのかもしれません。パルス量とその周期から計算した赤道儀の回転量が、画面から計算したドリフト量あっていれば面白いです。このパルスがなくなるような対策をすればいいので、短時間で効果が見えると対策が楽になるはずです。
あと、撮影使ったソフトはAPTなのですが
- 撮影画面のカラーバランスが取れず、赤く表示されてしまう。
- やはりヒストグラムがあまり見やすくない。
- オートストレッチが使いにくい。
- カラーのヒストグラムを見ることができない。
このとき試せなかったのが、天頂越えでの赤道儀の自動反転です。天頂越えくらいで月画で始めるので、ギリギリまで反転せずに撮っていたからです。いつかチャンスがあったら試したいです。
画像処理
画像処理に関してはまあいつも通りです。透明度が良かったせいか、RAW画像のコントラストが良かったこともあり、あまり苦労することはありませんでした。
フラットは前回までの検証から、100ミリ秒の短時間露光100枚でOKのはずです。ダークはバラ星雲の時に撮ったものの使い回し。
DeNoiseを少し使っています。ノイズが確実に緩和されるので随分と助かります。ヒストグラムで見るとすごいですよ。幅が尋常でないほど狭くなっています。最初、え、別のファイル開いたのか?と思ったくらいでした。
撮影結果です。
「M65 M66 NGC3628: 三つ子銀河」
- 撮影日: 2020年4月14日21時4分-23時1分
- 撮影場所: 富山県富山市下大久保
- 鏡筒: Takahashi TSA-120
- 赤道儀: Celestron CGEM II
- カメラ: ZWO ASI294MC Pro
- 撮影条件: ゲイン220、温度-15℃、露光時間300秒x22枚 = 1時間50分
- フィルター: サイトロン QBP (48mm)
- PixInsight、StarNet++、Photoshop CC、DeNoise AIで画像処理
上手く取れたので、Annotationもつけてみました。nabeさんがやり方書いてくれていましたが、PIでScript -> Image Analysis -> ImageSolver で位置を解決して、そのままScript -> Render -> AnnotateImageでできます。
こうやってみるとかっこいいですね。格子がほぼ完全に縦横になっているので、カメラの回転角はかなり合わせることができていたとわかります。でもnabeさんのページにあるように、多少斜めになっていた方がカッコよく見えるのは気のせいでしょうか?(笑)
そういえば今回、PCCでも上のImageSolverでもそうだったのですがplate solvingが全然うまくいきませんでした。いろいろやって、結局解決したのがカタログをUCAC3に変更してからです。オートとか他のカタログは全滅でした。星の数が少ないから?原因不明です。
ところで、今回撮影した三つ子銀河が昔とどれくらい変わったかと言うと、以前FS-60Qで撮影した三つ子銀河が以下のものになります。
PixInsight使いたての頃で、縞ノイズに悩まされた時です。今回は口径が120mmで2倍になったのもありますが、QBPでコントラストが上がっていることと、縞ノイズを回避したこと、画像処理の腕は多分上がっていること、StarNet++のマスク効果と、DeNoiseの効果もあることなど、いろいろ進化していることがわかります。
でも不満なところもいくつかあって、一つはASI294MC特有のアンプグローです。背景を炙り出そうとすると目立ってくるので、なんとかごまかさないといけません。もう一つは、下の画像を見て欲しいのですが、強度に背景を強調したものです。
右上のアンプグローは原因もわかっているからまだいいとして、背景全体にある格子状の模様はサッポロポテト現象の一種なのでしょうか?銀河周りの淡い腕とか出したいときはここらへんまで炙り出す必要があり、どうしてもこの格子が邪魔になります。今回は適当にごまかしましたが、アンプグローも取り切れていないのも合わせて、バイアス補正とかがうまくいってないのでしょうか?今後の課題です。
2020/4/18 追記: Twitterでnagahiroさんから「この格子DeNoiseのせいでは?」と言う情報がありました。「画像をあの格子で区切って、それぞれにニューラルネットかけているのだと思ってます」とのことです。で、改めて確認してみました。その結果、DeNoiseの前後で格子がなかったのが見事に出てきました。DeNoiseの思わぬ欠点発覚ですね。さっそく一つ原因がわかってしまいました。nagahiroさん、どうもありがとうございました。
まとめ
TSA-120にフラットナーをつけて、ガイド、ディザーをしながら撮影してみました。カメラの回転角を合わせることもできるようになりましたし、ガイドもRMSで1秒角以下になっているので十分な精度です。やっと撮影までできる体制が整ったことになります。銀河の分解能から見ても鏡筒自身の性能は申し分ないです。基本的にTSA-120、眼視用で有名ですが撮影でも十分使い甲斐があると思います。
課題は
- まだガイドが長時間でドリフトすること
- アンプグローをもう少し取りたい
- 格子状のノイズが残ること
今回は自宅でしたが、もっと暗いところに遠征することも考えても良さそうです。
コメント
コメント一覧 (13)
TSA-120、順調そうで何よりです^^
三つ子のディテールもよく分かる綺麗な作品になりましたね!
これがニワトリというから恐れ入ります^^;
294MCのアンプグローですが、ダークファイルに問題があるような気もします。
私の場合は各露出毎に30枚のコンポジットをしてライブラリー化して使いまわしていますが、アンプグローはほぼ目立たないくらいに消えてくれます。
また、格子状のノイズの件ですが、これも私のカメラでは問題になったことが無いです。(気付いてないだけだったらゴメンナサイ)
サッポロポテト現象はセンサー前のマイクロレンズに起因するものだと思います。これはベイヤーフィルターの影響なのでしょうか。
ここまでクッキリ出てしまうと処理が大変ですよね。。
それにしても、今後のTSA-120の活躍から目が離せません^^
タカsiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
やっと自宅の銀河で多少まともなのを取ることができました。QBP少し心配でしたが、意外に銀河でも使えそうです。
TSA-120は相性いいみたいです。大きすぎず重すぎず、分解能も私にはちょうどいいくらい。自宅撮りが多いので、あまり気合を入れずにぱっと出せるのに高性能というのが気に入っています。
アンプグローは結構すぐ見えるのですが、格子ノイズは結構最後の方で気づきました。相当炙り出して見えるくらいです。
そうですか、アンプグローはダークで消えますか。どうも補正がうまくいっていないのかもしれません。少し時間かけて何が悪いか見てみようと思っています。
アンプグローの件、294は目立つのが特徴?みたいです。なので、自分もタカsiさんのようにダークファイルで処理しています。
それよりガイドの精度、いいですね。ASIAIRにガイドカメラ120mini、120mmのガイド鏡を使い、AVXをオートガイドしていますが、2“角以内に収まればいい方です。
ただ、ASIAIRのplate solvingは絶大です。skaysafariと組み合わせると、アライメント無し(ラストアライメント)でもどんな天体もしっかり導入してくれます。
これから天の川の季節になるので、色々な星雲や星団の星果をブログにあげてくれるのを心待ちにしています!
りっくんさん、こんばんは。
アンプグローやはりダークで消えますか。もう少し真面目にダーク 考えてみます。
私は撮影はStickPCでやっているのですが、APTのGOTO++が手軽なplate solvingを実現してくれるのでSharpCapの時より楽になりました。今のセットアップはそこそこ満足しています。ASIAIRに行くのはもう少し伸びそうです。それよりもStickPCがだんだん非力に感じるようになってきたので、もっと速くてメモリも多いのが欲しくなってきました。でもStickPC流行っていないので、新機種がほとんどありません。そうなったら、ASIAIRかもしれません。
TSA-120での撮影が面白くなってきたので、もう少し続けます。特に系外銀河が自宅からそこそこ撮れるのがわかったのは儲け物でした。富山は北側が明るいのですが、QBPも使えそうなのでもう少し北側も攻めてみようと思っています。
自分的な焦点は「やっぱりQBPは光害地での銀河撮影に有効ですよね!?」ですが、今後の撮影結果も楽しみにしています!
しょうがない、正直に告白します。
実は、最初QBP入ってると思っていなくて撮影始めたんです。で、180秒露光で「あ、結構くらいな」と思って300秒まで上げて、「お!ちょうどいい、今日は結構暗い日だからか?」とかのんきに思ってました。
一昨晩M101を撮影しようとした時に「さあ、今日はQBP入れて実験だ!」「あれ?QBPケースの中にないぞ?どこやったっけ?」
さんざん探しまわって、もしかしてと思ってフラットナー外してみたら「あ、そういえば48mmで取り付けられるかテストしてたのすっかり忘れてた!」とTSA-120に既にセットされていたのが見つかりました。
というわけで、見事三つ子銀河もQBPが取り付けられたまま撮影されていたというわけです。
フィルターの外し忘れは自分も結構あって、あ、ノーフィルターでもコントラストがいいぞ! と思っていたら実はSVBONY CLSが付いていたりとか(笑)。
電視観望では結構いろいろフィルターを試しましたが最終的には、すべての対象でQBP付けっぱなし、あたりの運用に落ち着くかもしれません。あとは空の暗いところに持ち出したときにノーフィルターにする、くらいのオプションでしょうか。
シベットさんほどフィルターの種類を持っていないので大したことは言えないですが、私はQBPを結構気に入っています。
一番の好きな理由は、そこまでアグレッシブでないところです。QBPで露光時間は3倍くらい長くすることができます。今回の撮影のように露光時間は5分もあればもう十分で、読み出しノイズはそこまで不利にならないです。
カラーバランスがそこまでずれないのも楽です。使い慣れていない頃は、赤が強調されて、オレンジとか青系が出なくて困っていました。でもうまく補正するやり方を見つけた後は、そこそこ(まあ結局は見た目ですが)色を豊かに出せることがわかってきました。
とまあ、他のフィルターをあまり使ったことがない私が言っても説得力が無いかもしれませんが、必要以上に波長をカットするとそれを補正するのが大変になる気がします。だから銀河もQBPくらいゆるいフィルターなら適しているのかもしれません。とかいうことを「順を追って」テストしたかったのですが、その目論見は見事に最初から崩れました。
了解です。訂正しておきました。
ありがとうございました。
PIとか、CCDStackとかMaxImDLとかで、Optimize(ダーク伸長最適化機能)が入ってる場合、AMPグローは処理されませんので、OFFとするか、ステライメージのようなシンプルなソフトで処理する必要があります。
DSSも、Optimizeやってると聞いた気がします(これはOFFできないと思いますが、もしかしたらBIAS入れなければ働かないかも)
格子パターン・・は、DeNoiseでしたか。部分部分でパターン最適化して処理をしているのだと思います。
レベル調整までやってから適用すると目立たない可能性はありますが、どうでしょうか・・。あとは多分、少し背景持ち上げて適用してからトーン落とすなり、レベル落とすなりしたほうが良いかもしれません(すみません、自分、使ってませんので・・全くの想像です)
それにしても、TSA素晴らしい性能ですね。
自分のGENESIS SDFでも驚きましたが、昨今の高精細画素のCMOSカメラは、コントラストが高いAPO屈折望遠鏡と非常に相性が良さそう・・。
UTOさん、有用な情報ありがとうございます。
早速PIでOptimizeなしで試してみたら、アンプグローが劇的に減りました。BatchPreProcessingではOptimizeをオフにすることができなくて、ImageCalibrationのほうでのみオフにすることができるようです。なのでバッチ処理はできなくてマニュアルで全ての処理をやる必要がありますが、とりあえずは解決です。
DeNoiseもあぶり出しの途中で使ってしまったので、目立ってしまった可能性が否定できません。最後の方でのみ使うのなら影響は少ないと思います。でも途中で使いたい時も出てくるんですよね。一応Topazの方に改善の要求も出しておきましたが、どこまで相手にしてもらえるかはわかりません。
TSAはすごくコストパフォーマンスのいい鏡筒だと思います。出会うべき時に出会えたなあと思っています。TeleVueの製品群は実はあまりよくわかっていないのですが、GENESIS SDFもTeleVueの名に恥じない相当なものなのですね。TSAとの違いがわかるような鏡筒に出会ったら、やっぱり欲しくなるんでしょうか。まだ今しばらくかかりそうです。
BatchPreProcessingの方でもOptimizeをオフにするオプションがありました。一番右のグローバル設定のところにあるんですね。これで楽になりました。