手持ちでまだ試していないレンズが2本あって、少しの晴れ間にその2本の星像チェックをしてみました。
これまでも主にPENTAXレンズでの星像を試していますが、例えば前回の2本は期待の135mm F4がいまいち、300mm F4が意外に良かったなど、なかなか予想し難くて、これまでの成績は1勝、2敗、2分け(自己評価)といったところです。
今回試すのは
撮影した領域はオリオン座のM42と三つ星が入るくらい。リゲルもギリギリ入っています。それぞれのレンズにCANON EF用の変換マウントを取り付け、EOS 6Dで撮影します。カメラはCGEM IIにアルカスイス互換マウントを取り付け、カメラに取り付けたL字プレートに固定します。撮影条件は
まずは、昨年10月前半に手に入れていたNikkonの135mm F2.8です。
このレンズを買った直後の、同じ10月の後半からPENATXレンズに走り始めてしまって、いまいちNikonレンズに対する盛り上がりに欠けてしまっていて、ずっとほっぽらかしでした。いや、元々の動機はFS-60CB+レデューサの焦点距離255mmを下回るレンズを探していたことにあります。以前撮影したアンタレス周辺をもう少し広角で撮影したいというのが最初の動機です。このレンズはちょうど255mmの半分くらいの焦点距離で良かったのですが、なにしろPENTAXの方が面白くなってしまったのが原因で今になってしまったというわけです。
カメラのモニターで見る限りは拡大してもそれほど悪くありません。ピントは回し切って少し戻すくらいが星像の最小点になります。中心像ではピント最小点で赤ハロ、青ハロ共に消えてくれます。
ISO1600、5秒の撮って出しJPGです。取っているときに気づいたのですが、薄ーい雲がかかってき始めていたようで、星いっぱいというわけにはいきませんでした。
それでも四隅の像を比較することはできます。いつもの300ピクセルを切り出して見てみます。
右上と右中にに少しコマ収差が出てしまっていますが、それ以外はそれほどひどくはなく、一応使えるレベルでしょうか。コマ収差も一部のみの方向ですし、大きさそのものも105mmの時よりはマシです。
少しわかりやすいように、上の画面をPixInsightでオートストレッチをかけてみました。
細かく見ると、右側以外にも四隅ともコマ収差は確認できます。そのために星像の外側が角ばっているような印象を受けます。それでもひどいものではないので、拡大して見ない限りはそれほど気にならないくらいだと思います。
次は先月、中古TSA-120をスターベースで見る前に、同じ秋葉原のキタムラで見つけてしまったPENTAX 6x7 165mm F2.8です。
ISO1600、5秒の撮って出しJPGです。この頃には結構雲がかかってしまい、続行するか迷いましたが、同じ日で比べたいので、とりあえず撮影だけはしておきました。
四隅です。
そもそも雲であまり星の数が写っていませんが、それを差っ引いてもかなりいいです。間違いなく当たりクラスです。75mmのときも悪くないと思っていましたが、それでも強拡大すると周辺で十字になっていたりします。今回の165mmはそれと同等か、それよりもいいくらいです。
念のため、これもオートストレッチをかけたものを載せておきます。
多少の崩れは見えてきますが、それでも全然悪くありません。比較しやすいように75mmの星像も再掲載しておきます。
これも当時はかなり良く思えましたが、今回の165mmの方がやはりいいと思います。
今回は2本とも悪くないです。特にPENTAXの方は大当たりで、しかもF2.8と、そこそこ明るいので使いがいがありそうです。今年の春から初夏にかけてこれでアンタレス付近を攻めることになると思います。
さて、今回のものを含めて順位で言うと、
ちなみに値段は
3.5諭吉 > PENTAX 105mm F2.4 >> PENTAX 165mm F2.8 > 2諭吉 > NIKKON135mm F2.8 > 1諭吉 > PENTAX 75mm F4.5 > PENTAX 135mm F4 > PENTAX 200mm F4 >> PENTAX 300mm > 1漱石
と言ったところです。値段はあまり当てにならないようです。
今回ダメだったらもうPENTAXは諦めようと思っていたのですが、こんなふうに当たってしまうときがあると思うと、ますますレンズあさりはやめられないです。安いからまだいいですが、これもまた沼ですね。
これまでも主にPENTAXレンズでの星像を試していますが、例えば前回の2本は期待の135mm F4がいまいち、300mm F4が意外に良かったなど、なかなか予想し難くて、これまでの成績は1勝、2敗、2分け(自己評価)といったところです。
機材と撮影条件
今回試すのは
- PENTAX 6x7 165mm F2.8
- Nikkon 135mm F2.8
撮影した領域はオリオン座のM42と三つ星が入るくらい。リゲルもギリギリ入っています。それぞれのレンズにCANON EF用の変換マウントを取り付け、EOS 6Dで撮影します。カメラはCGEM IIにアルカスイス互換マウントを取り付け、カメラに取り付けたL字プレートに固定します。撮影条件は
- ISO1600
- 露光時間5秒
Nikon 135mm F2.8
まずは、昨年10月前半に手に入れていたNikkonの135mm F2.8です。
このレンズを買った直後の、同じ10月の後半からPENATXレンズに走り始めてしまって、いまいちNikonレンズに対する盛り上がりに欠けてしまっていて、ずっとほっぽらかしでした。いや、元々の動機はFS-60CB+レデューサの焦点距離255mmを下回るレンズを探していたことにあります。以前撮影したアンタレス周辺をもう少し広角で撮影したいというのが最初の動機です。このレンズはちょうど255mmの半分くらいの焦点距離で良かったのですが、なにしろPENTAXの方が面白くなってしまったのが原因で今になってしまったというわけです。
カメラのモニターで見る限りは拡大してもそれほど悪くありません。ピントは回し切って少し戻すくらいが星像の最小点になります。中心像ではピント最小点で赤ハロ、青ハロ共に消えてくれます。
ISO1600、5秒の撮って出しJPGです。取っているときに気づいたのですが、薄ーい雲がかかってき始めていたようで、星いっぱいというわけにはいきませんでした。
それでも四隅の像を比較することはできます。いつもの300ピクセルを切り出して見てみます。
右上と右中にに少しコマ収差が出てしまっていますが、それ以外はそれほどひどくはなく、一応使えるレベルでしょうか。コマ収差も一部のみの方向ですし、大きさそのものも105mmの時よりはマシです。
少しわかりやすいように、上の画面をPixInsightでオートストレッチをかけてみました。
細かく見ると、右側以外にも四隅ともコマ収差は確認できます。そのために星像の外側が角ばっているような印象を受けます。それでもひどいものではないので、拡大して見ない限りはそれほど気にならないくらいだと思います。
PENTAX 6x7 165mm F2.8
次は先月、中古TSA-120をスターベースで見る前に、同じ秋葉原のキタムラで見つけてしまったPENTAX 6x7 165mm F2.8です。
ISO1600、5秒の撮って出しJPGです。この頃には結構雲がかかってしまい、続行するか迷いましたが、同じ日で比べたいので、とりあえず撮影だけはしておきました。
四隅です。
そもそも雲であまり星の数が写っていませんが、それを差っ引いてもかなりいいです。間違いなく当たりクラスです。75mmのときも悪くないと思っていましたが、それでも強拡大すると周辺で十字になっていたりします。今回の165mmはそれと同等か、それよりもいいくらいです。
念のため、これもオートストレッチをかけたものを載せておきます。
多少の崩れは見えてきますが、それでも全然悪くありません。比較しやすいように75mmの星像も再掲載しておきます。
これも当時はかなり良く思えましたが、今回の165mmの方がやはりいいと思います。
まとめ
今回は2本とも悪くないです。特にPENTAXの方は大当たりで、しかもF2.8と、そこそこ明るいので使いがいがありそうです。今年の春から初夏にかけてこれでアンタレス付近を攻めることになると思います。
さて、今回のものを含めて順位で言うと、
- PENTAX 165mm F2.8 >
- PENTAX 75mm F4.5 >>
- PENTAX 300mm(全面に青ハロによるわずかの星像肥大) =
- NIKKON135mm F2.8(右側コマ小) >
- PENTAX 105mm F2.4(全体にコマ中) >>
- PENTAX 135mm F4(全体にコマ中大) >>
- PENTAX 200mm F4(全体にコマ大、赤ハロ大)
ちなみに値段は
3.5諭吉 > PENTAX 105mm F2.4 >> PENTAX 165mm F2.8 > 2諭吉 > NIKKON135mm F2.8 > 1諭吉 > PENTAX 75mm F4.5 > PENTAX 135mm F4 > PENTAX 200mm F4 >> PENTAX 300mm > 1漱石
と言ったところです。値段はあまり当てにならないようです。
今回ダメだったらもうPENTAXは諦めようと思っていたのですが、こんなふうに当たってしまうときがあると思うと、ますますレンズあさりはやめられないです。安いからまだいいですが、これもまた沼ですね。
コメント
コメント一覧 (16)
自分の焦点は、このレンズは赤外域のピンボケを起こすかどうか、なのですが今回の検証に使用された、「EOS 6D」ボディのフィルター改造はどのような状況でしょうか?
6DはHKIR改造です。改造済みの中古をハタヤさんで買いました。
今のところ不満はありません。
それはそうと、総フィルターと、CLSでの小宇宙見ました。すばらしいです。
観望会でこのくらい見せられるなら、多分みんな大満足だと思います。
特に銀河の形がはっきり分かるのは普通の人にとっては衝撃的だと思います。
これだけ見えるのも電視観望ならではだと思います。
また検証楽しみにしています。
HKIR改造ということは、色調補正フィルターをUV/IRカットフィルターに換装してあるパターンですね。承知いたしました。当方のX2(全然使ってませんが)も同じ仕様です。
CLSフィルターの記事読んでくださってありがとうございます。もう少し長焦点を使って画質を改善したいのですが、FL= 400mmではあの辺が限界かと。しかし、おっしゃるとおり形の個性ぐらいはわかるので、エッジオンやフェイスオンの違いとか、腕が中心に向かって渦を巻くだとか、暗黒物質の存在とかには言及できそうです・・・問題はそれらを一般の方に興味深く聞かせられるか、の点ですが(笑)。
銀河の形が見えることだけでも凄いことだと思います。下手したら色付き星雲よりも興味を持たれるのかと。子持ち銀河なんかあの形だけで相当なインパクトですよ。
対象が銀河だと電視観望でももう少し長焦点にするか迷うところです。長焦点にすると暗くなって時間もかかるので、それも迷うところの一つです。大口径化も必須ですね。時間と空間分解能は表裏一体です。
親子亀方式で、もし単焦点と長焦点二つ用意できるのなら面白いのかと思います。もしくは広域も入れて3つとか。モニター3つ並べた観望会は壮観だろうなあと思います。ついでにプラネタリウムソフトも一緒に表示して4つモニターとか。明るすぎて怒られますかね?
Ai-Nikkor135mmF2.8は僕も持ってますが、色収差が自分のはもっとあると思うので、個体差もあるのかも。
ただ、もう15年以上前だったと思いますが、Hαフィルタ使って、でしたが、月間天文で入選してくれたこともあったので、基本的にシャープで良いレンズだと思ってます。
実は昔のNIkkorの50mmとか35mmの明るいレンズの収差の大きさから、135mmもほとんど期待していませんでした。でも見てみたら思ったより良かったと言うのが感想です。この性能なら、昔雑誌に入選したというのも納得かもしれません。
そもそも安価だったので、悪くても何も文句も言えないのですが、思わぬ拾い物といったところでしょうか。高級レンズは値段的にもなかなか揃えられませんが、この値段なら失敗してもあまり痛くないので、宝探し気分で楽しんでいます。
中古で安く手に入るとなると、何かと理由を付けて手を出してしまいますよね!
私の場合はコンデジです。
新たにアダプターが必要になるかもしれませんが、APOじゃない
Carl Zeiss Sonnar T* 135/2.8 も結構良いと思いますよ?
http://photozou.jp/photo/photo_only/3173906/230449411
(F2.8開放です)
ヤフオクで8,000円ぐらいですからカメラ屋さんでもそんなに高くないと思います。
ScrewTrackerさん、こんばんは。
コンタックス用のレンズなんですね。しかもコンパクトデジカメ!コンデジでもこんなレンズを交換できることをそもそも知りませんでした。すみません、カメラ知識がほとんどないので知らないことばかりです。
ゾナー135/2.8は比較的入手しやすいんですね。 C/Y-EOSアダプターで6Dにも取り付けられるみたいです。
こんなことを調べるのも、オールドレンズの楽しみでしょうか。
オールドレンズが集まってくると、星だけでなく普通の明るい写真も試してみたくなります。
すみません。
書き方が紛らわしかった様です。
前半と後半は別の話で、ゾナーはEOSに付けています。
あ、やっぱりEOSに付けていらっしゃるのですね。
カメラ側がCanonだとたいていのアダプターがあるので試したい放題ですね。
中版用のレンズは、広いイメージサークルの中央部のみを使えて良いですね。
それと「160mm/2.8」ではなくて「165mm/2.8」と思います。
重箱の隅ですみません。
Nardisさん、こんにちは。
ありゃ、本当ですね。私の勘違いです。
記事の方も訂正しておきました。どうもありがとうございました。
QBPやHαフィルターで、HⅡ領域の電視観望に使おうと思っています。
もしよろしければ、Samさんの使用されている、PENTAX 6x7 →CanonEFマウントアダプターを教えていただければありがたいです!
とうとうシベットさんもPENTAX沼友でしょうか?(笑)
私はK&Fを買いました。6x7用です。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B06W5JKXRX/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1
ケニ屋さん、こんばんは。
やっぱりそんな高価だったんですね!
手頃な値段で手に入れることができるのが申し訳ないくらいです。
私にとっては昔の雰囲気を知ることができる貴重な存在です。
オートフォーカスや自動絞りにはこだわっていないので、昼間でも撮りたくなってしまいます。のんびり撮る分には今でも全然使えるのかと思います。