先日の撮影結果から、ファーストライトでVISACにASI294MC Proで撮影した際にはピンボケだったのではないかというお粗末な結論だったのですが、一応再度検証です。

この日は月齢13.5日、ほぼ満月に近いです。アペニン山脈を含んで撮影をし、これを以前の画像と比較します。


撮影条件

鏡筒: Vixen VC200L (口径200mm, 焦点距離1800mm)、通称VISAC
架台: Celestron CGEM II
センサー: ZWO ASI294MC Pro
フィルター: なし 
日時: 2019年8月14日、23時5分から
場所: 富山市下大久保
月齢: 13.5

露光時間4ms、ゲイン120、RAW16で1000フレーム撮影して、上位25%の250枚をAutostakkert!3でスタックします。Registaxで細部を出し、Photoshop CCでしあげます。


前回はピンボケだったのか?

まずは、今回撮影したものと、同条件で前回撮影してピンボケだったと思われるものの比較です。

comp_VISAC_focused
明らかに同条件での撮影で、今回の方が解像度が高いので、前回はピンボケだったと結論づけていいと思います。


ASI294MC Proのセンサーの分解能は足りているのか?

次に、今回ASI294MC Proで撮ったものと、前回ASI178MCで撮ったものとの比較です。1素子のサイズがそれぞれ4.65umと2.4umで、ASI178MCの方がより細かいです。比較してみます。

comp_VISAC_294_178
やはり明らかにASI178MCで撮った方が分解能が出ています。この時点で、左のASI294MCProで撮影した方は(ピンボケの可能性は捨て切れませんが、それでも相当気を使って合わせたので)、アンダーサンプリングのためカメラのセンサーの素子の細かさで制限されてしまっていて、鏡筒が持つ分解能を活かしきれていないと結論づけることができると思います。

その証拠の一つとして、上の画像の右のASI178MCで撮ったものをPhotoshopで解像度を約2分の1(正確には2.4um / 4.65um = 0.516倍)にして、もう一度もとの画素数に戻したものと比較します。

comp_VISAC_294_178low
これで見る限り、ASI178MCの解像度を半分にしたくらいで、かなり分解能は一致しているように見えるので、ASI294MC Proでの撮影結果も素子サイズ相当のものが得られていることがわかります。言い換えると、ASI294MC Proでの撮影はまだ工夫することによって分解能を上げることができそうだということです。


考察と結論

以上の結果から、VISACに素子サイズ4.65umのASI294MC Proで直焦点で撮影した場合、アンダーサンプリングで、センサーの素子の細かさが足りていないため、VISACの持つ光学的な分解能に達していなくて、その性能を引き出しきれていないことがわかりました。

今回は実際の画像でそのことを確認したのですが、定量的に理屈とどこまであっているかも時間があれば検証したいと思います。


今後の課題

さて、VISACの性能を生かすためには、素子のサイズが小さいセンサーを選ぶ必要がありますが、当然素子が小さくなれば感度は落ちます。例えばASI224MCとASI294MCは素子サイズがほぼ同じなので同様の感度がありますが、ASI178MCは素子サイズが小さいため、実際に試してみたところ感度は4分の1程度しかありません。





もしくは、ASI294MC Proのサイズの大きさと感度を生かすためには、バローレンズなどを入れて中心部を拡大して撮影するなどの工夫で、VISACの分解能を生かしきれると考えられます。でもバローレンズを入れることで問題が起きないかなど、実際にきちんと検証する必要がありそうです。



最後はお月様の全体像

さて、せっかく満月に近いの日の撮影だったので、2枚をモザイク合成して全体をが見えるようにしてみました。合成はMicrosoftのICEを使いました。

2019-08-14-1406_4-Capture__lapl3_ap14709_RS_stitch
解像度もそこそこあるのでかなりシャープな月になったと思います。

仕事前の最後の休日の夜でしたが、澄んだ空で、明るすぎるくらいの大きな月がものすごく綺麗でした。