原村星まつり2019 (その2): 2日目からの続きの記事です。
朝から電視観望談義
昨晩は午前4時に寝たのに、なぜか興奮気味で結局午前7時には目覚めてしまいました。
起きてしばらくすると早速お客さんが一人。のんたさんです。少し詳しく書かなければならないのですが、実はのんたさん6月に開催されたCANPにも出席されていて、2日目の午後の自主セミナーでの私の電視観望の講演を聞いてくれていました。その時「電視観望の話が一番面白かった」と言ってくれた人がいて、とても嬉しかったとブログの記事の中で書いたのですが、そう言ってくれた人が実はのんたさんだったと、原村でこの時やっとわかったのです。
そもそも私、のんたさんのことはあまり知らなくてブログで記事を読んだことがあるくらいでした。のんたさんのブログの中でCANPの記事があって、電視観望のことをかなりのスペースで書いてくれていて、嬉しかったのでコメントしたのですが、どうも本当にかなり電視観望が面白いと思ってくれたみたいで、あの「一番面白かった」というセリフを言ってくれたというわけです。CANP当日は講演が終わったばかりでドタバタしていて顔も認識できていなくて申し訳なかったのですが、あの言葉にどれだけ勇気付けられたことか。
こんな経緯があって、この原村3日目の朝、のんたさんとかなりじっくり話すことができました。のんたさんは私なんかよりはるかにはるかに長く星をやっていて、自宅にスライドルーフの観測所を持っていたりとすごい人なのですが、現在本当に電視観望にすごく注目してくれているのかと思います。実際電視観望を自分で試したくて、着々と準備を進めているとのことなのですが、「CANPで話したような、電視観望の話をどこかの星まつりでしたら、ものすごく受けるのではないか」という提案を受けました。これは目からウロコでした。CANPはごくごく限られたマニアが集まるのですが、星まつりならもっと広く伝えることができるはずです。普通に星好きでとりあえず電視観望をやりたいと思っている人や、観望会で電視観望を使ってみたい人、マニアでない一般の人でも電視観望でここまで見えるんだという宣伝になるのではということです。例えば、実際に電視観望でプロジェクターに星雲を映し出しながら、手法を解説するということなんかもできそうです。
天文趣味の裾野を広げたいとか、若い人に入ってきてほしいとか、考え方が私とかなり近いと感じました。一般の人が望遠鏡を買って、月と土星と木星を見た後見るものがなくなってしまいます。かと言って本格的な撮影はかなり敷居が高いです。最近はお手軽にスマホでの月や惑星の撮影も流行っていますが、電視観望は、初心者が次に進む時に一つの選択としてあってもいいのではないかと、このような話をずっとしていました。のんたさん、観望会で月や惑星がない時、見せるものがなくて苦労していて、曇っているとそもそも見せることができないのでホッとしてしまうこともあると、正直な気持ちを聞くこともできました。電視観望があれば観望会ももっといろいろな手を考えることができると思ってくれたそうです。
のんたさんとの話は、私自身かなり得るものがあって、いろいろ考えさせられました。また星まつりとかでお会いしたいです。そういえば「小海 星と自然のフェスタ」は講演が充実した、新しい形の星まつりです。こんなところで電視観望の話ができて、興味がある人に伝えることができれば嬉しいです。
星まつりもとうとう終わり
Sukeが8時すぎに「あれ、抽選は?」と寝ぼけながら起きてきて、「もうやってるんじゃない」とか言うと、そのまま抽選会場へ直行。私も少し遅れて会場の方へ行ってみると、もうブースの方もほとんど片付いていて、昨晩の賑わいを思うとさみしい限りです。抽選会場にはペンションから早めにでてきたNatsuもSuekと一緒にいて、3Dの恐竜のポスターをもらったみたいです。飛行機大会でもらったものと同じで、同じものが3つもあるので、地元の観望会の景品にでもしようかなと思います。
その後、初日の記事で書いたレストランで卵かけご飯を食べ、あとは後片付け。テントをたたみ、昨晩の機材を今一度整理して、大量の荷物を車に積み込みます。子供達はY君ともお別れです。来年も会えるのでしょうか。
さて、移動準備完了。いざ次の目的地へ。
木曽シュミットへ
原村を10時出発して、お風呂に入っていない私とSukeで昨日と同じ「もみの湯」に行きます。時間もあまりないので、さっと洗う程度ですぐに出て移動。次は木曽シュミットです。
木曽シュミットは昨年も原村の帰りに寄っていきました。ちょうど原村の星まつりと、木曽シュミットの一般公開が同じに開催され、ともにそれほど遠くはないので、両方とも楽しむことができます。昨年は土曜移動にして、木曽シュミットの夜の観望会に参加しました。今年は日曜移動で、結局到着したのが13時すぎ。昨晩電視観望でご一緒したSさんはじめ、明らかに原村星まつりからきていると思われる方もたくさんいました。
今年は手前に駐車場があって、そこから300mくらい歩いて行きます。
ちょうど14時から講演会があるというので聞いていくことにしました。内容はハワイのすばるの話でした。「スバル」ではなくて「すばる」、「SUBARU」ではなくて「Subaru」だそうです。もう一つのスバルは言わずと知れた車の方ですね。講演は話もわかりやすく、とても面白かったです。
講演後、望遠鏡の方へ行きます。望遠鏡は直径1mの非常に大きなもので、これがドームとともにウィーンと動きます。
ちょうどお尻から覗けるようにセットしてくれたと思ったら、なんと今回は目玉の84個のCanon製CMOSセンサー Tomoe-Gozenを覗けると言うのです。実際に穴から覗くとセンサー群を見ることができました。
スマホが反射してしまっていますが、
細かいセンサーが並んでいるのがわかるかと思います。
ピースしているのはSukeです。
細かいセンサーが並んでいるのがわかるかと思います。
ピースしているのはSukeです。
4月に84個でフル稼動し始めたのですが、その前の3月にテスト段階の63個でも直径わずか10mクラスの惑星を発見したそうです。発見者は修士の学生で、卒業する直前に再撮影し成果を出したそうで、最後まで諦めずに観測する執念のようなものを感じました。
その後、Sukeは小惑星探査に夢中。モニター上に交互に映る2枚の画像を見て、移動している天体を見つけます。
去年もそうでしたが、今年もずーっと集中していて、全19個中、なんと21個見つけて最高記録更新だとか。想定していなかった未発見のものも2個新たに見つけたとのことです。ちなみに私は16個で5個も負けました。でも未発見1個を含んでいます。ちなみに、8個見つけるごとにクリアファイルがもらえます。2人で4枚ももらいました。
Tomo-Gozenセンサーのクリアファイルかっこいいです。
午後4時で一般公開も終了。お世話になったスタッフの方達に挨拶し、帰路につきます。
楽しかった星まつり
帰りの車は流石に寝不足で、ずっと妻が運転してくれ、私はこんこんと眠り続けていました。20時くらいに無事に自宅に到着。大量の荷物の後片付けが終わったのは21時半くらい。
本当に楽しかった星まつりでした。スタッフの皆さん、本当にご苦労様です。また来年もよろしくお願いします。
お会いした皆さん、色々お話楽しかったです。またいつかの星まつりでお会いできたらと思います。
来年も家族で行けるといいのですが、あまり期待はしないでおこうと思います。でもSukeくらいはついてきてくれるかなあ。
最後、戦利品の記事に続きます。
コメント
コメント一覧 (5)
原村星まつりからもう1週間。Samさんとは今回じっくりお話が出来て大変光栄でした。本文にも書かれていますが、この電視観望という新ジャンルは観望会そのもののスタイルと意義を変えるエポックメイキング的な可能性を感じさせてくれます。
Samさんのような影響力のある方の話は説得力があります。是非とも広げて言ってください。自分も身近な所から初めて行きたいと考えています。
いえいえ、こちらこそのんたさんとの話はすごい刺激になりました。電視観望の講演の話は本当に目から鱗でした。
以前に比べたら少なくとも「電視観望」という言葉はもう普通の言葉になってきていますし、実践されている方も多くなってきています。
のんたさんのようなベテランの方が電視観望に本気で興味を持っていただいたのはとても心強いです。何か試されたらよかったらまたブログで発信してください。ベテランの方の発信は説得力もありますし、興味を持って読んでいただけると思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
私は 原村星まつりの頃、山梨県北杜市清里の美し森の少し上に上がったところの駐車場で天体観察してました。まだ星まつり未経験で 行こうと思ってましたが、到着時刻か遅かっのと 久しぶりの山梨県での観察なので、土地勘のある慣れたところで落ち着きました。 住まいは神奈川県川崎市の方です。
土日と京都で行われていた「星をもとめて」もそうですが、星まつり面白いですよ。
次回大きいのは、10月12、13日の福島の「スターライトフェスティバル」、次は10月26日、27日の長野県小海の「星と自然のフェスタ」でしょうか。確か同日で三鷹市の国立天文台のイベントもあったはずですが、私は小海の方に行く予定です。
よかったらモスモスさんもぜひ。