先日作った画像四隅切り抜きソフトを使って、FS-60CBでの星像を比較してみました。比較対象は焦点距離の長い順から
それでも下に示す画像を見てもらえればわかりますが、同じ鏡筒でも取り付けるオプションによって星像の違いがはっきりと出るのがわかります。
まずは、1番のエクステンダーです。四隅と真ん中をそれぞれ250ドット角で切り取った画像と、その元の画像(モンキー星雲)になります。
四隅でもほぼ真円になっています。これなら全く文句ないです。
次に旧フラットナーです。カメラが60DなのでAPS-Cサイズでの撮影であることに注意してください。北アメリカ星雲です。
やはり四隅がかなり流れているのがわかります。結局旧フラットナーではちゃんとした撮影はこの一枚だけでした。それでも天リフの今日の一枚に選ばれた感慨深い一枚です。
星像比較とは関係ないのですが、この画像の撮影日は2017年9月13日で一年以上前です。フィルターも何もなしで、ISO3200で露光時間1分ですが、他の3つと比べてこれだけかなり背景が明るくなっています。他の3つはQBPで露光時間を伸ばせているので、QBPの効果がかなり大きいことがわかります。
新型のフラットナーです。昨日の記事で出したものと同じ画像でカモメ星雲です。
星像ですがほぼ真円。それでも拡大してエクステンダーとよく見比べてみると、四隅で極々僅かに円周方向に伸びているのがわかります。でもこれくらいなら私的には十分許容範囲です。
最後はレデューサーです。オリオン座のM42と馬頭星雲一帯です。
まず、広角なのでさすがに周辺減光が目立ってくることがわかります。フラット補正は必須でしょう。星像も真ん中はまだそれほどでもないですが、四隅では円周方向にもそれと垂直にも伸びていて、十字のように見えます。それでも旧フラットナーよりはましですが、新フラットナーには完全に負けています。
拡大しなければ気にならない範囲とも言えますが、これは画像処理での補正方法を検討した方がいいのかと思います。ちょっと色々試してみようと思います。
今回はFS-60CBについて、4種類のアダプターを試してみました。結果としては
といったとことでしょうか。ほぼ評判通りで、メーカーの言っていることも正しいと思います。やっぱり自分で確かめると納得しますね。細かい違いもよくわかりました。
できれば、これをレンズ設計ソフトで再現してみたいです。だれかFS-60CBのレンズデータとかどこかにあるか知りませんでしょうか?タカハシに聞いてもさすがに教えてくれないだろうなあ。
- FS-60CB + エクステンダー => FS60Q: F10、焦点距離600mm
- FS-60CB + 旧フラットナー(フラットナー FS-60C): F6.2、焦点距離370mm
- FS-60CB + 新フラットナー(FC/FSマルチフラットナー1.04): F6.2、焦点距離370mm
- FS-60CB + レデューサー(RD-C0.72×): F4.2、 焦点距離255mm
- カメラは2番目の旧レデューサーのみEOS 60DでAPS-Cですが、他3つは6Dでフルサイズになります。
- また、旧レデューサー以外はQuad Band Passフィルターが入っています。ほとんど影響はないと思いますが、稀に星像が歪むという報告もあるようなので、一応気に留めておいてください。
- 撮影場所は全て富山市の自宅ですが、どれも撮影日が違うので、条件は同じでないことをご了承ください。
- 画像は全て撮って出しのJPEGですが、ホワイトバランスはその時々でいじっているので色はあてにならないです。
- 何も校正していないので、周辺減光を読み取るのは厳しいです。
それでも下に示す画像を見てもらえればわかりますが、同じ鏡筒でも取り付けるオプションによって星像の違いがはっきりと出るのがわかります。
エクステンダー: 600mm
まずは、1番のエクステンダーです。四隅と真ん中をそれぞれ250ドット角で切り取った画像と、その元の画像(モンキー星雲)になります。
四隅でもほぼ真円になっています。これなら全く文句ないです。
旧フラットナー: 370mm
次に旧フラットナーです。カメラが60DなのでAPS-Cサイズでの撮影であることに注意してください。北アメリカ星雲です。
やはり四隅がかなり流れているのがわかります。結局旧フラットナーではちゃんとした撮影はこの一枚だけでした。それでも天リフの今日の一枚に選ばれた感慨深い一枚です。
星像比較とは関係ないのですが、この画像の撮影日は2017年9月13日で一年以上前です。フィルターも何もなしで、ISO3200で露光時間1分ですが、他の3つと比べてこれだけかなり背景が明るくなっています。他の3つはQBPで露光時間を伸ばせているので、QBPの効果がかなり大きいことがわかります。
新フラットナー: 370mm
新型のフラットナーです。昨日の記事で出したものと同じ画像でカモメ星雲です。
星像ですがほぼ真円。それでも拡大してエクステンダーとよく見比べてみると、四隅で極々僅かに円周方向に伸びているのがわかります。でもこれくらいなら私的には十分許容範囲です。
レデューサー: 255mm
最後はレデューサーです。オリオン座のM42と馬頭星雲一帯です。
まず、広角なのでさすがに周辺減光が目立ってくることがわかります。フラット補正は必須でしょう。星像も真ん中はまだそれほどでもないですが、四隅では円周方向にもそれと垂直にも伸びていて、十字のように見えます。それでも旧フラットナーよりはましですが、新フラットナーには完全に負けています。
拡大しなければ気にならない範囲とも言えますが、これは画像処理での補正方法を検討した方がいいのかと思います。ちょっと色々試してみようと思います。
まとめ
今回はFS-60CBについて、4種類のアダプターを試してみました。結果としては
エクステンダー > 新フラットナー > レデューサー >> 旧フラットナー
といったとことでしょうか。ほぼ評判通りで、メーカーの言っていることも正しいと思います。やっぱり自分で確かめると納得しますね。細かい違いもよくわかりました。
できれば、これをレンズ設計ソフトで再現してみたいです。だれかFS-60CBのレンズデータとかどこかにあるか知りませんでしょうか?タカハシに聞いてもさすがに教えてくれないだろうなあ。
コメント
コメント一覧 (11)
こちらは、自作のFITSファイル解析ソフトが、ステライメージを通した後(コンポジット後16bit整数型保存)の画像を正常に読み取れず暗礁に乗り上げました。既存のFITS用ライブラリーを介さずに全部自力でやろうとしたところに無理があったのかなぁ。理屈上はヘッダに記録されている情報だけでどんなFITSでも読めるハズなので、まだ諦めませんけれど(笑)。
全然詳しいわけではないのですが、PixInsightを使っているとFITSはいろんな亜流があるような感じを受けます。例えばPixInsightの標準フォーマットの.xifsもFITSの一種みたいです。あと、何枚かの画像を一つのFITSファイルで保存できたり。ヘッダも色々書き込めたり書き込めなかったりとかです。ちなみにPixInsightでFITSのヘッダー情報を見ることもできます。あと、FITSに保存するときにも埋め込みデータのオプションがあったり、いろいろです。
またダークノイズの解析も進めたいのですが、先週平日に晴れて撮影していて、ちょっとサチり気味です。連休なので焦らずに進めようと思っています。
FITSについて、もう一度勉強し直してみます(涙)。
PixInsighgt.fitsでの保存のオプションを見ると、「Sample Format」だけでも
8-bit unsigned integer
16-bit integer
32-bit integer
32-bit IEEE 754 floating point
64-bit IEEE 754 floating point
の5種類の選択肢があって、同じ「Sample Format」エリア内にさらにチェックボックスで
unsigned integer 16/32-bit integer
があります。通常はこのチェックボックスはチェックされた状態がデフォルトみたいです。
さらに、「Embedded Data」というエリアがあり
ICC Profile
Properties
Thumbnail Image
Fixed-precision words
とう4つのチェックボックスがあり、通常はThumbnail Imageだけがチェックされています。
この情報役に立ちますかね?
こんばんは。
ありがとうございます。
なるほどです。実はFITSのヘッダ情報にどんな形式で保存しているのかが書かれているのですが、どうも手持ちのステライメージで、意図通りの形式で保存できてない気がしていて難儀してます。
このまま停滞したら、言語を変えてFITS用のライブラリに頼るかもしれません。
レデューサー、四隅だけ見ると、流れているのは分かりますね。でも、自分的には許容範囲です。周辺減光も、カメラがAPSーCなので、それほどではないでしょうし、フラット処理をできるようになればいいんですよね。
ますます、ポチ病にかかりそうです。
りっくんさん、こんばんは。
いや、レデューサーの星像も十分許容範囲だと思いますよ。旧フラットナーだけだった時は、レデューサーの方がはるかにいいと言う評判だったくらいですから。
でもレデューサーはちょっと高いんですよね。それでも新しい短焦点の高性能の鏡筒、もしくは同程度の焦点距離のカメラレンズを買うことを考えたら、はるかに安いと思って購入に至りました。一応かなり長いこと悩んだ上でですが、買ってしまえば同じことです。
新フラットナーと同時購入でしたが、いろいろ比較もできたので、十分満足しています。これからもっとバンバン撮っていこうと思います。
Delphi対応のライブラリを見つけたので試してみたら、とりあえず手持ちの開発環境下でコンパイルできて、ステライメージ処理後のFITSファイルが正常に読めるところまでは確認しました。これで一歩前進です。(実用レベルまで持って行くのは遠い道のりのようですが)お騒がせしました。
おお、それはよかったです!
やはり何か秘密があるのですね。
そのライブラリを読めば何かわかるかもしれませんね。
今後の展開を考慮してPython用のライブラリ(Astropy)も試してみたのですが、こちらの方はとにかく完成度がスゴくて、なんか今すぐにでも実用レベルに持って行けそうな印象でした。
・・・というわけで、たぶんPythonに走ると思います。『解析ごっこ』はもちろんですが、画像処理関連でも今『企んでいること』がありますので。
おお、とうとうpythonですか。私も使いすい言語だと思います。
Astropyも見てみました。元々fitsも天文用なので、天文屋さんのライブラリを使うのは正しい方向なのかもしれませんね。でもやっぱり場合わけなんですね。
またあぷろなーとさんの画像処理も楽しみにしています。