クリスマスイブ。連休の最終日です。昼間は雲が多かったのに、なぜか夜は全面晴れ。次の日仕事でしたが、今週から雪らしいのでもうチャンスもなかなかなくなると思い、家族とのクリスマスパーティー後、下の子の「トランプやって!」の声を振り切って、21時頃から庭に機材を出しはじめました。この日の目的は、前回からの引き続きでQBPのテストです。満月後わずか2日目、まだまだ空は明るいです。一昨日のQBPのテストは輝度の高いM42オリオン座大星雲でしたが、もう少し淡い星雲はQBPでどのくらいまで撮ることができるのか見極めるのが今回の目的です。 


ターゲット天体

あまり夜遅くなると次の日の仕事に響くので、ターゲットは一つとしました。画角に当てはまることと、そこそこ淡く、月にそこまで近くないという条件から、
  • IC405 勾玉星雲とIC410
としました。それでも月から40度角ないくらいなので、比較的明るい領域と言えます。


機材セットアップ

 前回と同じセットアップです。ほとんど組み直すことなく使えるのですぐにセットアップできて楽です。
  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間3分x10枚、2分x11枚の計52分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • フィルターサイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
  • 日時: 2018年12月24日、22時頃から
  • 月齢: 17.2

撮影

前回のM42はISO1600、露光時間1分くらいが限界でしたが、今回はISO3200、露光時間3分での撮影が可能でした。ISOで2倍、時間で3倍で、前回と比べて計6倍明るく撮れている計算になります。
  • 月が満月よりは少し暗くなったこと、
  • 以前より月からもう少し(10数度角くらい)離れていること、
  • 色温度を6000度にして、青を落としてRGBのバランスをとったため、サチルまでに余裕が出たこと
などが理由かと思います。

露光時間を取れたのはいいのですが、その代わりに星が流れてしまうのでガイドありでの撮影になりました。前回は600mm、1分でガイドなしで大丈夫でしたが、3分になると流石にCGEMIIでもガイドなしでは少し流れてしまいます。それと、以前縞ノイズで懲りたので、PHD2とBackyardEOSの連携でディザーもしています。

そういえば最近またAstroTotillaを使ったPlatSolvingで画角を決めています。これ、ものすごく楽なので、またそのうちに一度記事にまとめたいと思います。

実際の撮影は、ぬくぬく自宅の中からリモートでと、至って快適でしたが、カメラの電池が切れてしまった夜中の1時頃、風も少し出てきたのでその時点で撤収としました。


画像処理


前回のM42の時の画像処理と大きく違うのが、フラット補正をしたことです。鏡筒の先にスーパーの袋を2重にしたものをつけて、PCの画面を明くして白で埋め、そこを1/100秒の露光時間で撮影しました。ISOはライトフレーム撮影時と同じ3200としました。

今回は赤い領域が全体に広がっていたので、PixInsightのDBEでは周辺減光を取ることが困難だったからです。今回のフラット補正は結構効果が大きくて、変なムラみたいなのも一切出なくなりました。基本的なことをサボっていたのがそもそもの問題なのですが、QBPを使うときにはフラット補正は必須かと思いました。これは一度きちんと検証したいと思います。

その後の画像処理はこれまでとそう変わりません。PixInsightで処理して、DBEで最後のカブリを取り、PCCで色を合わせて、ArcsinhStretchでストレッチします。その後、Photoshop CCで仕上げます。


撮影結果

撮影結果を示します。

light_BINNING_1_integration1_AS_DBE_cut


撮影時間が52分と長くはないため、ノイズがまだ結構残っていますが、満月2日後の、自宅庭からのお気楽撮影でこれだけ出ればまあ満足です。恒星の青もそこそこ出ています。

もちろん、新月期に遠征をして光害の少ない場所で撮影するよりは、撮影した素材画像のクオリティーは絶対悪いです。そのため、色バランスやフラット補正など、多少画像処理で苦労はします。それでも、自宅で気楽に撮影ができ、数がこなせることは何物にも代え難く、私的にはこのQBPは買ってよかったものの一つと言えます。