金曜日に続いて土曜も天気が良かったので、数河高原の飛騨コスモス天文台に行ってきました。「撮影だからつまんないかもよ」といったのですが、それでもNatsuの方はついてきました。Sukeは最近一人でやりたいことが多すぎるみたいで、あまり付いてきてくれません。Natsuはもう中2で女の子なのに、まだよく付いてきます。と言っても、実はこの日午後8時過ぎには車でぐっすりで、なんのためについてきたのかよくわからないのですが、後で聞いたらそれでも楽しかったそうです。

「M57とIC1296」
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岐阜県飛騨市数河高原 2018/11/3 19:24-21:00
LX200-25 + CGEM II + ASI294MC
f=1600mm, F6.3, gain 370/570, 20sec x 204frames、総露出時間1時間8分
PixInsight , Photoshop CCで画像処理後、中心部をトリミング 

昼に少し仮眠をとって夕方5時ころに自宅を出ました。途中コンビニで弁当を買っていって、その時点でもまだどこにいくか迷っていました。昨日と同じ楡原か、いつもの牛岳か、ちょっと足を伸ばしてコスモスかです。M57狙いだったので、西側が暗いのと、沈むのが早いので時間との勝負です。スマホアプリのAPT DCによると18時20分頃から十分暗くなるとのことなので、まだ少し時間があることがわかり、空の条件のいいコスモスに決定です。

到着は18時ちょうどくらい。この日はなんと鏡筒2本だし。PCも2台です。

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この日の目的の一つはMEADE LX200-250でコマコレクターをつけて撮影を試みることです。ターゲットはM57とできればM27。もう電視観望では両方とも何度となく見ていますが、 撮影となるとM57の自宅でのテスト撮影くらいが一回きりだけです。牛岳で再挑戦しようとしたのですが、補正板が曇ってしまい、数枚撮ったところでギブアップでした。今回は国際光器から250mmシュミカセ用のフードを購入したので、迷光、曇り対策もバッチリです。もしこれでダメならヒーターを考えます。

撮影はASI294MCでダーク補正だけリアルタイムでしました。フラット補正もしたかったのですが、白いビニル袋の大きなものが無くて諦めました。後でわかるのですが、フラット補正もやっておいたほうが良かったです。露光時間は20秒と短め。ガイドはとりあえず無しなので、流れないように短時間露光としました。枚数は282枚撮って204枚使いました。この時の選定方法は先の記事に書いておきましたが、枚数が多いとだんだん大変になってきます。

画像処理は、PixInsightとPhotoshop CCです。

CCをするとうまくDebayerできないです。Debayerしても白黒のままなので、CCは飛ばすことにしましたがfitsファイルはそうなのでしょうか?理由は不明です。

フラット補正の代わりにDBEを使いましたが、ここでなぜか中心に大きなリング状の明るい部分が入っていることがわかりました。

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これを画像処理の過程で取り除くのは結構苦労したので、フラット補正はやっておいたほうが良かったと反省しました。でも一体これなんなんでしょうか?

マスクなども使いましたが、M57とIC1296の輝度差が激しいのが大変だったところでしょうか。あとはごくごく一般的な画像処理かと思います。結果は一番上に載せてあるものになります。

今回はIC1296も腕がはっきりと見えています。これは目標の一つだったので、とりあえずやっと実現できました。今回はそれだけではなくて、M57周りのガスもかろうじてですが見えています。中心の白色矮星が放出する紫外線により、周囲のガスが電離して輝いているとのことです。さらに外側にもう一重あるみたいなので、それが見えるのはいつになることやら。まだコマ収差が残っているのと、星像がどうしても真円でないのですが、今回は少し満足です。

今この記事をM27の画像処理をしながら書いています。次はM27です。