週末土曜日に飛騨コスモス天文台に行って、M57とM27を撮影しました。それぞれの撮影枚数は、露光時間が20秒と短いこともあり、かなりの枚数になります。具体的にはM57が282枚、M27が244枚をなり、処理の前に簡単に閲覧するだけでも大変になります。しかもSharpCapで撮影したRAWファイルなので、拡張子が.fitsファイルとなり、開けるソフトも限られています。

最初の頃はfitsファイルもステライメージで確認していたのですが、これだけ数が多いと大変になります。PixInsightでも開くことができますが、一枚一枚が結構重いので、全部を気楽に開くわけにいかなくて、選別するのが結構大変です。

そんなときはPixInsightの「ImageInspection」->「Blink」が便利です。

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  1. 下のフォルダマーク「Add Image Files」から複数ファイルを選択して読み込みます。
  2. 読み込みは数百枚だど数分かかるので、50枚くらいずつにしたほうがいいと思います。
  3. RAW画像でも、Debayerした画像などでも読み込むことができます。
  4. 画像が暗くて見にくい場合でもSTFがかけられた状態で表示されるので、見やすくなっているはずです。これは真ん中に3つ縦に並んでいるアイコンの、真ん中を押すと確認することができます。
  5. 読み込んだ後は、左右の矢印を押すか、画像のファイル名を一つ選択してあとはカーソルの上下で、すごい勢いで画像を連続で切り替えることができます。
  6. 左の三角ボタンを押せばアニメーション表示することもできます。
  7. ただし、ソート順はファイル名のみのようなのがちょっと残念なところです。
  8. 弾きたい画像は、マウスでファイル名を選択(複数も可能)してから、下のアイコン群の左から5つ目の小さい矢印がついているアイコンを押すと、移動したいフォルダが選択できるので、そこに移動されます。
  9. 終わった後は、下の左から3番目のアイコンを押して、すべてのファイルを閉じます。
  10. これを次の50枚とか繰り返すと、かなり効率よく見た目で明らかに悪い画像ファイルを弾くことができます。


もう一つ便利なのが、「Script」->「Batch Processing」->「SubframeSelector」になります。各画像の星像のFWHM(半値全幅)やEccentricity(偏心度)を測定してくれます。自動でだめな画像を別ディレクトリに移動することなどもできます。

詳しいことはマニュアルを読むといいのですが、英語で結構大変なので簡単な説明を書いておきます。

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  1. いつものようにAdd Filesで解析したいファイルを複数選択します。
  2. 最低限解析するだけなら、そのまま一番下の「Measure」を押します。
  3. CPUや解像度にも依りますが、一枚解析するのに7-8秒程度なので、数百枚でもなんとか耐えられる時間の範囲です。結構かかりますが、それでも一枚一枚やるよりははるかに楽です。最初は少数枚でテストするといいでしょう。
  4. 「Plots」を開くと結果が出ています。「FWHM」や「Eccentricity」で飛び抜けている画像を判断することができます。
  5. 飛び抜けているところをクリックするとx印がつくので、Outputで弾きたいファイルをMoveなどする設定をすると、移動してくれます。
  6. 式で評価して、自動で弾くこともできますが、そのためには下に示すようなパラメータを入れたほうがいいですし、式の入力にはいろいろやり方があるようなので、詳しくはマニュアルなどを参照してください。「星見庵日記」さんのこのページが日本語で比較的詳しく説明しています。
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もう少しきちんとしようとすると、最低限入力する値は、「System Parameters」の中の「Subframe scale」になります。ざっくりした見積もりの「1ピクセルあたりの画角は焦点距離600mm、ピクセルサイズ4umで約1.5秒」とかから考えてもいいですし、こんなサイトから焦点距離と自分の持っているセンサーのサイズを選択して、センサーのピクセル数で割ってやっても簡単に求めることができます。

「Camera gain」も入れるべきでしょう。でもこれは結構難しいです。メーカーのページに行ってもいいですが、例えばASI294MC場合ここの「GAIN」というグラフの横軸「Gain」の実際に撮影した時の値のところを見ればいいのですが、グラフから読み取ろうと思っても0近くになり正確な値は読み取れません。SharpCapがあれば自分で測定することもできます。結果の表からある程度の値は読み取ることができます。それでも誤差があるので、ある程度の値でかまわないでしょう。

ここまで入れると、結果もある程度(絶対値に近いという意味で)正しい値になってくるので、センサーやカメラが変わっても比較することができるようになりますし、式を使った評価でも正確性が出てきます。が、とりあえず面倒なら何も考えずに「Measure」ボタンを押してしまったほうが幸せかもしれません。