原村星まつり初日の前半に引き続き、今回の記事は初日の後半です。

そういえば昼間のことでひとつ書き忘れていたことがありました。6月に韓国に行った時EXO SKYという天文ショップに行きました。日本ではタイムラプス撮影のためのSKYPIXという機器を製作しているメーカーとして知られています。その際日本SKYPIXのOさんという方にわざわざ電話をかけていただいて色々助けてもらったのですが、今回の星まつりでやっとOさんにお会いすることができて、お礼を言うことができました。さらにそのつながりで、忙しくしている中の星まつり実行委員の方々にも紹介していただきました。何気ない人のつながりがどんどんつながりを呼んでいくのだなと、改めて思いました。


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だんだん暗くなってくるので、太陽から星雲星団モードへの切り替えです。つい先週購入し、まだテストしたばかりのSky-Watcherの自動導入経緯台AZ-TGiに、いつものタカハシの口径6cm、FS-60CBにフラットナーをつけ、焦点距離374mmにしたものです。そこにZWO製ASI294MCを取り付けています。ただしPCの画面が明るいので、観望エリアの中でもできるだけ端の方の車と車の間の少し奥まったところに陣取り、あまり目の順応の邪魔にならないように気をつけました。

電視観望を始めて、何か星雲や星団が入るたびに周りにいる人たちに、「〜が入りましたよー、電視観望で星雲に色がついて見えますよー」などと呼びかけると、お客さんが来てくれます。よく見たのはやはり定番のM57、M27、M13、M8、M20くらいでしょうか。色がつく星雲にはみなさん驚くようで、ちょうど眼視でM57やM27、M13を見せてもらって来たと言う方も何人もいて、眼視と電視で見比べるのが楽しかったようです。電視観望は列に並ぶ必要がなく、画面の周りに集まってみんなで見ることができるので、「何々が見たい」とお客さんからリクエストがあることもあります。

意外に惑星を見てみたいと言う声が多く、やはり今年は火星大接近もあり人気なようです。ただし残念ながら、口径が6cmと小さいことと、焦点距離が短すぎるのて、カメラの解像度で制限されてしまい、ドットが目立って見えてしまいます。それでも土星の輪っかや木星の縞もかろうじて認識はできる(バローを入れると多少マシですが)ので、お客さんのリクエストに応じて何度か入れたりはしましたが、やはり原村ではもっと大口径のいい機材が並んでいるので、そちらでシャープな惑星を楽しんでいただけたらと思いました。

電視観望の間は、ほぼずっとかんたろうさんと一緒にいました。妻がホテルでの食事を終えて、途中からやって来ました。真っ暗な道なので自転車は危ないと、ホテルの方が送ってくれたそうです。私の星の話は普段聞きもしないのですが、かんたろうさんが丁寧に解説してくれる星の話は面白そうに聞いていたようです。せっかくなのでとドブソニアンなどの大口径も覗いて回ったみたいで、みんな親切だったと喜んでいました。それでも結局会場にいたのはせいぜい1時間位でしょうか。疲れたから帰ると言って、ホテルの方に電話をかけて迎えに来てもらっていました。

後で聞いた妻の話にはインパクトがありました。「解説がすごくわかりやすくてよかった。みんなすごく親切だった。こんなに綺麗に見えるならお金取ればいいのに。木星一回200円とか、土星300円とか。これだけ見るのにものすごくお金かけているのだから、別にいいんじゃない?」えっ、私はそんなこと考えもしなかったです。まあ機材にお金をかけすぎだという私に対する警告とも取れなくはないですが、もしかしたら天文マニアと一般の人の考え方には思っている以上の乖離があるのかもしれません。でもやはりアマチュアで趣味として楽しくやっているので、お金なんか取れないと思います。Natsuの一言「お金なんかとったら誰も見に来なくなるよ。」私もこの意見が正しいのかと思います。

夜22時を過ぎても続々とお客さんが来てくれて、最近このほしぞloveログにコメントをよく頂くせろおさんが来てくれました。Sukeの話が途中出たので、「そういえばせろおさんという方がコメントくれるんですよね」とか話したら、その方がせろおさん本人でした。Sukeのことをすごく褒めてくれていたので、Sukeにお礼を言わせたかったのですが、あいにく全然観望エリアに現れず。確かSukeは22時頃に一度眠いから寝るとテントの方に行ったはずです。ところが実際は、Natsuと昼間一緒にいたY君と遊びまわっていて、0時半頃になってやっと戻って来て、そのまま椅子に座って毛布で包まって眠るという、超自由人状態でした。せろおさんはかんたろうさんと結構話し込んでいたようで、私もいろいろお話ししたかったのですが、お客さんの相手もありあまり話すことができずに申し訳なかったです。

もう一つ面白い実験として、かんたろうさんが持っていたTAMRONのF2.8 70-200mmのカメラレンズにASI183MCをつけたものをAZ-GTiに載せて電視観望を試しました。さすがに明るいレンズなので、北アメリカ星雲などもよく見えます。ASI183MCは1インチサイズとかなり広く、2000万画素とものすごい高解像度のCMOSカメラです。視野的にも70-200mmだと範囲を変えながら、ちょうどいいところを探すことができるのでかなり便利です。ただし高解像度の分だけ、SNR1sが少し落ちるのですが、これだけ解像度に余裕があるとビニングして感度を稼いでも、まだ十分な分解能があります。かんたろうさんオススメは3x3のビニングでした。明るいレンズと相まって、相当感度良く見ることができます。北アメリカや、登って来たアンドロメダなど、比較的大きな星雲を見る場合にはビニングした方がよく見えます。逆に、M57のような小さな星雲を見るときは分解能が問題になるので、ビニングを外した方が細かく見えます。ただ、ここまで一部を拡大して見るとレンズの分解能の限界が見えてくるようで、FS-60CBと比べると微恒星がどうしても大きく見えてしまうようです。さすがに使ってるいるレンズの枚数が全然違うので、ある意味当たり前でしょうという結論になりました。ここまで細かいものを見ずに、大きな星雲を見るならばこれで十分で、むしろズームとか持っているので、好きなように大きさを合わせることができ便利な印象でした。

そんなテストをしている最中、多分夜中の0時頃でしょうか、Y君がご両親を連れて遊びに来ました。もう10年もこの星まつりに来ているそうです。ついでに電視観望も見てもらいました。でもその頃にはかなりガスってきていて、明るい月もかなり高く登っていました。そんな中でもう顔を出し始めているアンドロメダ銀河を映し出しました。その時の画面の様子です。

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雲越しで条件があまり良くないのですが、それでも腕の構造もなんとか見えています。ある方から「今日見た中で、一番いいものを見せてもらった。」と言われた時はうれしかったです。

その後も薄曇りの中、もう一つかんたろうさんのアイデアで、ASI294MCにこの間買ったSAMYANGの14mm F2.8をつけて広角で天の川なんか見えないか?というのを試してみました。アダプターはZWO社のCanonレンズ用アダプターでASIカメラシリーズにレンズを直接つけることができます。かんたろうさんのTAMRONも同じアダプターを使っているのかと思います。この天の川も楽しかったです。その時の画面をiphoneで撮った写真を見てください。

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時間はすでに0時半すぎ。これ月齢21日の、半分より大きな月の明かりがある、しかも薄曇りですよ。こんな環境でも見えてしまうので、明るい広角レンズとASI294MCの威力が伝わるかと思います。観望会で天の川がこれだけ見えるとかなり楽しいのではないかと。広角も電視観望の可能性の一つかと思います。残っていたお客さんも少なくなってきていましたが、この天の川を見ていたお客さんはさすがにびっくりしていました。

結局午前1時すぎくらいまで見ていたでしょうか。片付けをしながら、途中FさんやHさんらドブ仲間自慢の大口径を覗かせてもらいました。彗星の尾っぽも見えたり、明るすぎるアルビレオなど、私の機材ではなかなか見ることのできないものも多く、とても楽しかったです。片付けも終わり、椅子で寝ているSukeを車の中に入れ、さて寝ようかなと思っていたら、確か午前2時くらいでしょう、かんたろうさんに誘われ、思いっきり濃そうなメンバーの夜の座談会の中に入れてもらいました。7ー8人はいましたでしょうか。ドブのFさんや、顕微鏡を買った店のSさんもいましたが、ほとんどの方は初めて話す方ばかりでした。星景写真家の方もいて、その方のとったタイムラプス映像が素晴らしく、ずっと繰り返し流されていました。カメラの話が中心で、6Dと6D Mark IIの比較だとかレンズの設計だとかいろいろ意見が飛び交い、カメラにあまり詳しくない私はただただ聞いているばかりでしたが、みなさん熱い思いを語るのは趣味の世界ならではだと思います。寒い中頂いた温かいコーヒーがとても美味しかったです。

午前3時前くらいに、さすがに眠くなって来たのと、明日は車で移動があるのでもう寝ることにしました。原村星まつり初日、この日はとても充実した1日でした。 


次の日に続きます。