遅ればせながら今季初の惑星です。今年もとりあえずは木星から。5月30日のものです。

先週の調整失敗があったので、いつかの夜の撮影に備えて、前日のまだ明るいうちに遠くのBSのパラボラアンテナを見ながら副鏡の調整をしておいたので、ピントはそこそこあっているはずです。前日の晩は曇りでダメでしたが、この日は昼間の雨でが止んだ後、ずっと曇っていたのですが、一旦ベットで横になってふと外を見たらきれいに晴れていたので急遽撮影開始です。

撮影は去年の方法をほぼ踏襲しています。機材はやっと使い始めることができたMEADEのLX200-25CGEM IIに載せて、カメラは自分にとって初のモノクロのASI290MMと去年まで使っていたASI224MCです。焦点距離が1600mmと少し短いので、3倍バローをいれて4800mm換算になっています。まだマイクロフォーカサーは取り付けれていないので、ミラーシフトありでのピント合わせになります。木星の高度が高かったのでADCはつけませんでしたが、スタックした後の画像を見てつけておけばよかったと反省しました。撮影はLとRGBをできるだけ間髪置かずに取ります。ファイル形式は16bitの.serです。

撮影した動画はいつも通りAutoStakkert!3でスタックして、Registaxでwavelet処理です。確認したかったことの一つ、モノクロカメラの性能ですが、RGBとLではやはり細かさに明らかな違いが出るようで、新兵器投入の甲斐はあったのですが、まだいまいち釈然としないところもあります。理屈の上ではASI290MMの方が分解能はいいのは当たり前なのですが、それでも以前ちょっと考察したように、25cm程度の口径ならASI224MCの解像度でも十分足りているはずです。それでも明らかにモノクロの方が分解能が良くなるのはやはりDeBeyer時の処理によるものなのでしょうか?もう少し検証が必要なようです。

さて、実は初めてのカラー合成になるのですが、これは思ったより簡単でした。
  1. まずASI224MCで撮ったRGB画像をPhotoShopで開いてLabモードに変換します。
  2. 同時にASI290MMで撮影した画像を開き、拡大、縮小、回転などでRGB画像と位置を合わせます。
  3. RGBで開いた画像を、チャンネルタブの右上のメニューのようなアイコンから「チャンネル分割」を選んで、出てきたL画像をASI290MMの画像で置き換えます。
  4. その後、3枚の画像が開いた状態で、どれかの画像のチャンネルタブのメニューから「チャンネル結合」を選んでLab合成するだけです。
ここで一つ注意することは、L画像にレイヤーが存在するとチェンネル結合を選ぶことができません。他の画像で無理やり選んでもLab合成できないです。レイヤーが一枚でもとにかくレイヤーだとダメなようで、きちんと「背景」となっていないと結合できないみたいです。さて、そうやって作った画像がこれになります。

jupitar_L
富山県富山市下大久保 2018/5/30
LX200-25 + X-Cel LX 3x barlow lense  + CGEM
RGB  2018/5/30 22:05: ASI224MC, Shutter 5ms, 127fps, gain 390, 9190/15318 frames
L  2018/5/30 22:12 : ASI290MM, Shutter 10ms, 147fps, gain 350, 10653, /17756 frames



去年なんとか撮った大赤斑ですが、今年はしょっぱなから大赤斑を撮ることができました。それでも多少は進歩しているでしょうか。でもまだまだ25cmの口径の分解能を引き出しているとは全然言い難いです。まあ、シンチレーションが良くなかったようなのでまだ今回は練習のようなものです。WinJUPOSも今回は見送りました。


惑星撮影も3年目にして機材はだいぶん揃ってきました。これからの課題は
  • マイクロフォーカサーを取り付ける。
  • 鏡筒カバーを取り付ける。
  • ADCを使う。
  • WinJUPOSで合成。
くらいでしょうか。いずれにせよシンチレーションのいい日を狙うことは言うまでもありません。今年は火星もあります。土星も楽しみです。

月が出てれば惑星、月がなければ星雲星団、昼間は太陽。うーん、忙しいですね。でもまだ彗星には手を出していません。