先週のこととなってしまいますが、太陽撮影のため土、日と天気に期待していたのですが、晴れたのは土曜の夜から。かろうじて日曜朝が晴れていましたが、雲が無かったのは短時間。すぐに薄雲がかかって、昼前には厚い雲で完全に太陽は隠れてしまいました。前々回試したいと言っていたティルトマウントは、土曜朝には届いたのですが、時間切れで試すことはできませんでした。


今回やっと画像処理が少し固まってきましたので、メモがわりに書いておきます。

まず撮影ですが、センサー画素がRGGBでGが2つあるのでそちらを使った方が得だという話があります。そのためRをサチらせるようにして、G(とBも)をサチらせないように撮るということを試しました。ただ、そのせいかどうかまだわかりませんが、画像処理を進めて強調していくと数十ドット角の模様がどうしても出てしまいます。もう少し検討の余地ありですが、これは感度の点からもモノクロカメラを買った方が早い気がしています。

カメラは今回もASI178MCを使っています。SharpCapで16bit RAWモードで.serフォーマットで書き出しています。ソフトはいずれFireCaptureに移行するかもしれませんが、惑星のように激しくぶれることはないので、FireCaptureの1番の魅力の撮影時の自動アラインメントの機能が生きてきません。色などの度合いはSharpCapの方が見やすいので、しばらくはこのままSharpCapでいきます。


太陽表面の画像処理ですが、まずは撮影した動画をAutoStakkert3でスタックします。その後、最初は惑星と同じようにRegistaxに行っていたのですが、どうも全体にギトギトしてうまく出したいところだけ出すということができません。なので、スタックしたtiffファイルをそのままPhotoShopに持って行っています。

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PhotoShop上ではサチっていない色の情報のみを使います。今回はG(Green)のみを使いました。実はモノクロ画像を扱うのは今回がほとんど初の経験になり、操作に少し戸惑いました。ある特定の色のみ使う場合は、普通にPhotoshopでカラーのファイルを開いて、「チャンネル」パネルを選んで、その右上の4本線のアイコンを押して、オプションのところから「チャンネルの分割」を選びます。すると3つの色がそれぞれグレーになった画像ができます。この際、レイヤーが複数あると「チャンネルの分割」が選べないので、その前にレイヤーの統合をしてください。

新たにできた3つの画像から今回はグリーンを使います。なので後の2枚は消してしまっていいでしょう。ここからは主に「庭先天体写真家?」さんのブログの「太陽面の画像処理」を参考にさせていただいています。というか、ここくらいしか画像処理の解説をしているページが見当たらないです。ほとんど同じ説明の繰り返しになってしまいますが
  1. まずは「レベル補正」で左のスライダーで暗い部分をなくしてしまい、右スライダーで明るい部分もギリギリまで削って階調を広げます。
  2. 次に背景をコピーして別のレイヤーに貼り付け、それに「フィルター」「その他」から「ハイパス」を選んで出したい模様が出るくらいのピクセルをセットして適用。そのレイヤーを「オーバーレイ」で重ねます。
  3. ハイパスしたレイヤーをレベル補正でチューニング。左スライダーをあげて適度に強調します。ここと、上のハイパス工程はグリーンだけ引き出してからRegistaxを使うというのでもいいかもしれません。海外のページも当たると、ImPPG(フリー、2018/3/26追記: 後日使ってみました)やAstra Image(有料)がRegistaxよりもいいという記述が各所にあります。
  4. これを「イメージ」メニューの「モード」「RGBカラー」で再びカラー画像に変換します。変換直後はグレーなので、ここから擬似太陽色をつけていきます。
  5. レベル補正で、Rは中央スライダーを左に持って行って強調、Bは中央スライダーを右に持って行って暗くします。これで太陽のような色になります。Gは触る必要はないでしょう。
  6. その後、トーンカーブでBを絞ってやると、P.S.T.の飛び気味なところが目立たなくなって少し模様が見やすくなります。逆に活動領域を白く強調したい場合はBをあげてやるといいそうですが、私はまだ太陽を始めたばかりで活動領域に出会ったことがないので試せていません。
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カラーにする手前です。


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カラー化後です。


プロミネンス部分ですが、こちらはエタロンの角度を合わせてプロミネンスが見やすいところを別撮りしています。

  1. まず、暗いプロミネンスが見えるくらいに、露光時間やゲインを上げて太陽表面ではサチルくらいで動画で撮影します。星雲と同じで写っていないものを出すのは難しいみたいです。フォーマットなどは同じです。
  2. あとは惑星と同じで、Autostakkertでスタックして、Registaxを使いWavelet変換で細かいところを出します。
  3. 真ん中を暗くするために、Photoshopで「楕円形選択ツール」で丸く選択して、一旦選択してから「選択範囲の変形」で微調整してリムのキワまで持っていきます。
  4. あとは選択した範囲を「露光量」で暗くするだけです。
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あとは、Photoshopで上の2枚を「比較(明)」で重ねます。

このような工程で3月11日の太陽を処理したのが以下のものになります。前回のような80mmに改造したP.S.T.ではなく、普通の40mmのP.S.T.です。


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プロミネンスもフィラメントもほんの小さなものしかなく、のっぺりしたものです。小さな黒点らしきものも見えているでしょうか。でも解像度、コントラスト不足でまだよくわかりません。


少し方法が見えてきたので、同じようなことを3月4日に80mmで撮っておいたものにも同様な加工をしてみました。ただし撮影時にGreenを最適化しなかったので、Redのみを使っています。

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明らかにフィラメントなどが見えてきました。同様に40mmで撮って以前処理したもの(まだ試行錯誤中だったもの)を再掲載しておきます。

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少しだけ時間は違いますが、ほぼ同じ太陽です(ちょっと角度がずれてしまっています)。口径の40mm
と80mmの違い、画像処理方法の違いもあって今回かなりマシになったのがわかります。

でもやっていてわかったのですが、
  • フィラメント以外のもじゃもじゃは果たして意味があるのか?他の方の写真とも比べましたが、再現性がなさそうなので、ただランダムなものを撮ったらあのような模様が浮き上がってきたのか、それとも何か確かに写っているのかがまだ判断できません。
  • あと、P.S.T.のエタロンはHアルファを通す場所にかなり偏りがあるので、太陽全景を均等に処理するのはやはり難しそうです。
やはりP.S.T.だと、そもそもこれくらいが限界のようです。P.S.T.のエタロンを使ってもう少し口径を広げて試そうとは思っていますが、コントラストが上がるわけではなさそうです。コントラストを上げるのはダブルスタックがいいらしのですが、手持ちのダブルスタック用の口径40mmを別の大口径の鏡筒に適用するのはなかなか例もないようなので、何か別の手を考える必要がありそうです。90mmダブルスタックの結果はものすごいみたいですが、値段もものすごいです。

さて、明日から香川の天体望遠鏡博物館へ家族4人で大旅行です。今晩夜中に走って、明日の午前は香川観光。午後から博物館入りしてます。夜は観望会があるので、電視観望で参加者に楽しんでもらえればと思っています。


続き P.S.T. (その11): ニュートンリングが消えた