天リフオフ会でのMさんからのリクエストにお応えして、SharpCapを使った電視観望でのトラブル解決集を作りました。うまく見えない時に参考にしてください。

電視観望の基本的な説明は
  1. 電視観望を始めてみたい方へ
  2. 電視観望実践編
  3. 電視の楽しさ
をお読み下さい。一度試してみてうまくいかないときに、今回のトラブル解決集が役に立つかもしれません。



以下FAQ集です。他にも気づいたら随時追加していきます。

・バージョンはどれを使ったらいいの?
2018年3月現在の最新版の3.1は、電視観望に使える最適化ボタンがついているのでオススメです。有料ですが大部分の電視観望に必要な機能は無料で使うことができます。バージョン3.0台もしくは2.9台でも電視観望でもちろん使えますが、調整に少しテクニックが必要になります。

・星雲の色が薄い 
まずは比較的見やすい天体から始めましょう。冬ならオリオン大星雲M42、夏なら惑星状星雲のM57が明るくてオススメです。

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・それでもまだ暗い。
露光時間とゲインを調整しましょう。露光時間は1秒くらいから始めましょう。ゲインはとりあえず最大(カメラによって違います)か、ゲイン最大であまりにノイズが多いならそれから50(5dB=1.7倍)とか100(10dB=~3倍)下げたくらい。

・明るさはこれくらいでいいの?
右パネルの中にある、ヒストグラム(Display Histogram Streatch)を見て下さい。ピークが左すぎたりしていませんか?ピークの位置を左側3分の1くらいになるような明るさを目安に、露光時間とゲインを合わせてください。

・画面は十分明るいんだけど、星雲が全く見えません、導入はうまくいっているはずなのに、なんで?
ヒストグラムのところにある、雷のようなマークのボタンを押してください。かなり見栄えが良くなると思います。

・あ、なんか見えた、でもちょっと見えにくいです。
カラーバランスはあっていますか?ヒストグラムの赤、青、緑のピークの位置が同じところになるくらいに、White Bal(R)とWhite Bal(B)を調整してください。その後、もう一度雷ボタンを押してください。


・でもなんか、色が赤っぽかったり、逆に緑ぽかったりしてます。
カラーバランスはかなり微妙です。White Bal(R)とWhite Bal(B)の値を5とかかえると相当印象が変わります。1とか、2くらいでかえて、好みの色になるよう微調整してみてください。その後、雷ボタンを押すのをお忘れなく。

・さっきまで見えていたのに、どこか触ったら突然見えにくくなった。
ゲインとか、露光時間とか、何か変えたりしませんでしたか?そんな時は雷ボタンを必ず再度押してください。

・結構見えるようになったけど、まだ見栄えがイマイチ
雷ボタンも完璧ではありません。試しにヒストグラムにある3本ある黄色い縦の点線のうち、左2本を動かしてみてください。左2本の間の隙間が小さいほど、淡い部分をあぶり出します。一番左の線を動かすと真ん中の線も合わせて動きますが、これで全体の明るさ(バックグラウンド)を調整できます。2本の線の隙間でピークを挟むようにするくらいがいいでしょう。

・結構見えるようになったけど画面がザラザラしている。
ゲインが高すぎるなど、ノイズが多いからです。SharpCapの目玉機能のライブスタックを試してみましょう。上の方にある「Live Stack」ボタンを押してください。下にパネルが出てきます。同時に画面がスタックされてノイズがどんどん少なくなっていくのがわかると思います。

・ライブスタックがうまくいかない 。
「Alignment」機能がうまくいっていない可能性が高いです。画素数が多くて細かすぎるカメラの場合少し調整が必要です。「Alignment」タブの「Minimum star width」と「Maximum star width」の値を増やしてみてください。「Highlight Detected Stars」にチェックを入れると画面上で検出された星にマークがつきます。マークがつかなかったらうまく検出できてない証拠です。

・Alignmentがどうしてもうまくいかない。
とりあえずAlignment機能を切ってしまうのも一つの手です。星が少し流れていきますが、自動追尾のついている赤道儀や経緯台なら多少の時間はだいじょうぶなはずです。

・ライブスタックをしたら突然画面が暗くなったり明るすぎたり。
ライブスタックのヒストグラムで雷ボタンを押していませんか?その場合は右のパネルにある小さいヒストグラムの雷ボタンをの下のリセットボタンを押してください。少し解説すると、①まずはライブスタックにあるヒストグラムでの調整した結果が、②次に右パネルにあるヒストグラムに反映されます。さらに③右パネルでの効果と重ね合わせたものが結果として④メイン画面に表示されます。2箇所のヒストグラムで操作すると混乱してややこしいので、ライブスタックにあるヒストグラムを触るときは、右パネルのヒストグラムは(雷ボタンの下のリセットボタンで)リセットして何の効果もない状態するなどしてわかりやすい状態で試すのがいいと思います。

・いろいろやったけど、それでもまだ星雲が見えない。
暗い星雲に挑戦していませんか?その場合は露光時間を増やして、ゲインを下げてみてください。読み出しノイズが小さくなるので、より淡い星雲まで見えるようになります。15秒くらいまで増やしてみてもいいです。

・それでもどうしても見えない場合は?
都会で明るすぎるとか、満月で明るすぎるとか、環境が悪すぎる場合は見えにくいです。また、カメラの感度が低い、望遠鏡の口径が小さすぎて暗すぎるなどの機器の問題も。薄雲が出ていて見えにくい場合もあります。諦めが肝心な時もあります。時間を置いて冷静に考えるとおかしい部分を思いつくこともあります。トラブル解決も楽しみの一つと思うくらいの気持ちで、余裕を持ってやるのがいいのかなと思います。


皆さんどうでしょうか?役に立ちましたか?
どうしても解決しない場合はこのブログにコメントしてください。相談に乗ります。