我が家に3台目のCMOSカメラ、通称赤カンがやってきました。ZWO社の新製品ASI294MCで、目的はもちろん電視です。1台目の224MCは星見屋さん、2台目の178MCはZWOのwebサイトから直で、今回はKYOEIさんでの入手になります。

元々は今回もZWOで手に入れようともしたのですが、国内の販売店の方がサポートなども楽にできるのでお勧めとのことです。実はKYOEIホームページを見てもZWOの新製品は載っていないので、最初ZWOに直に行ったのですが、残念ながらZWOでは在庫切れでした。一方KYOEIさんの方は、webには載せていなくても在庫があるとのことで、問い合わせてみることが大事だとよくわかりました。


ASI294の中身

さて、実際に箱を開けてみた中身ですが、

IMG_3231


  • まずはセンサーサイズの大きさに驚きます。これまで使っていたCMOSカメラとは全然違う印象です。
  • ASI224MCやASI178MCと違って、まずCSマウントの簡易レンズが入っていません。なので初めてのCMOSカメラとして一番最初に使おうとすると、簡単にテストができないので戸惑うかもしれません。フォーサーズレンズか、鏡筒を別途用意しておくといいでしょう。
  • 1.25インチ(φ31.7mm)に変換するアダプターは同じですが、それに加えてT2径を11mm伸ばすアダプターが付いていて、そこに先のφ31.7mm変換アダプターを取り付けることができます。そのため普通のアイピース差込口にそのままはめることができます。
  • さらに16.5mmと書いてあるアダプターがあるのですが、これは「M43-T2 adapter」と呼ばれるものなのでしょうか、4/3レンズをつけるマウントみたいですが、私はまだフォーサーズレンズを持っていないので確かめられません。
  • どうもいくつかZWOのASI294MCページの説明と写真とは少し違うようで、まず説明の方の1から7番の部品で、3、5、6番がオプションとなっていますが、2番のEOS-T2アダプターもオプションで付属はしていません。私は以前電視用に購入しているのですが、Canonレンズを使いたい場合は持っていてもいいかもしれません。
  • 1番のM43-T2 adapterは写真の方には載っていませんが付属しています。代わりに写真の「T2-1.25'' adapter」は付いてこないようなので注意が必要です。
  • キャップが1.25インチ、2インチともに付いているのは好感が持てます。


ASI294MCの特徴

さて、ASI294MCの特徴ですが、電視観望という観点からなにが面白いかと言いますと、

1. まずはフォーサーズという大きなサイズでありながら、2017年6月とかなり最近発表されたSONYの裏面照射CMOSセンサーIMX294を使うことで、SNR1s0.14lxという驚異的な数値を出しているところでしょう。これはこれまで最高だったASI224MCにも使われてるIMX224や、ZWOのもう一方の新製品ASI385MCに使われるIMX385の0.13lxに相当する値で、なおかつセンサーサイズが2.5倍から4倍と圧倒的に大きいということです。同じ画角で焦点距離の長いレンズを使うことでより暗い星まで映し出すことができるはずです。SNR1sは電視にかなり直結する値だというのが以前調べた時の印象で、今回は大きく期待できるところです。

2. また画素数も4144x2822もあり、不足気味だったASI224MCの1305x977と比べると、撮影にも十分対応できるくらいの分解能です。

IMG_3234


右がフォーサーズサイズのASI294MC、左が1/3インチサイズのASI224MCになりますが、実際のセンサーサイズを比べてみると、その差は歴然です。単純に一辺で4倍なので、面積は16倍になります。

なお、中の黒いリングは最初から固定されていて、取り外して使うことは想定していないようです。私は最初これにフィルターをつけることができるのかと思っていましたが、よくみるとネジを切っているわけではないので、取り付けることはできなく、下手に取り付けようとすると下のガラス面を傷つけるので気をつけた方がいいです。

3. 一素子のサイズも3.75umから4.63umと大きくなっているので、一素子あたり受けるフォトン数も約1.5倍となります。

それでもSonyのα7Sに使われている一素子8.4umでフルサイズ35mmというお化けセンサーに勝つことは到底できませんが、あれはセンサー単体では発表されていないのと、一眼レフカメラという制限がどうしても付いてしまうために、星食い問題があったり、別途スタックができないということなどから、意外に今回のIMX294でもなんとか太刀打ちできるのではないかと考えています。

4. 伏兵なのがFull wellが63700とかなり大きいということかもしれません。これまでASI224MCでの電視で不満だったことの一つが、明るい恒星がすぐに飽和してしまうことでした。大きなFull wellはダイナミックレンジに直結するので、飽和を緩和できるかもしれません。


考えられる使い方

まず一番に考えられるのが、大きなセンサーサイズを利用した、50mm以下の短焦点レンズを用いての広角の電視です。星が画面一面に散らばったような映像を楽しむことができると期待しています。
(追記: 2017/12/17にやっと少しだけ雲間から星が見えてファーストライトが実現しました。本当に圧倒的な迫力で星がちりばめられていました。)
その中に色がついた星雲がいくつも見えるような電視観望ができたらと思っています。実際、天の川などの淡い部分もかなりの光害下でも見えてしまうのではと思っています。いろいろ試してみたいと思っていますが、問題が一つ。これまでASI224MCの電視で使っていたようなCSマウントやCマウントのレンズを使うことは苦しくなってくるはずなので、別途レンズを揃える必要があります。以前買ったNIKORの50mm、f=1.4でまずは試して見たいと思います。

これまではASI224MCのセンサーサイズの制限から、星雲などを見るときも200mm以下の非常に短い焦点距離のレンズを使っていましたが、もう少し長い焦点距離のレンズを使うことができます。具体的にいうと、FS-60CBに0.5倍のレデューサーをつけて180mm程度にしていたものから、FS-60Q状態の600mmで使うことが十分できるようになります。圧倒的な解像度で楽しむことができるでしょう。その一方、当然焦点距離が伸びた分暗くなるので、電視にとっては幾分不利になるのも事実で、より明るい光学系が欲しくなるかもしれません。もしかしたら一番最初に買って最近あまり出番のない口径20cm、焦点距離800mmのSKYWatcherのニュートン反射BKP200がかなり使えるかもしれません。

できることなら撮影にも使いたいと思っています。冷却タイプではないのですが、解像度、14bitという分解能、圧倒的なセンサー感度から考えて、かなり「気軽」にそこそこの撮影ができてしまうのではないかと密かに期待しています。

さて、富山は冬型の気圧配置で今日も雲一面です。雪も降り始めているのですが、新CMOSカメラのテストができるように、晴れてくれる日がとても待ち遠しいです。


その2でASI294MCの性能評価しています。