自分で修理したAdvanced VXのテストの一環として、カメラ撮影を試してみました。2017年11月25日の晩、対象は月が沈んだ頃に出てくるオリオン座が一晩中いるので、その中の馬頭星雲と燃える木。テスト撮影なので、色々試せるように自宅の庭での撮影です。

月が沈むまでに時間があったので、ついでに冬場の寒さに備えての家の中からのリモートコントロールを試しました。Advanced VXとCarte du CielとAstro TortillaをASCOMでつないでの自動導入とPlate solvingです。この組み合わせは春の寒いうちにやっていたことがあるので、その再テストになります。前回の記事で書いたように、Windows10に色々問題点もあったのですが、その甲斐あって夜のテストではほとんど問題なく導入と、BackYardEOSから画像を撮って、AstroTortillaが解析、さらにCarte du Cielへのフィードバックアラインメントの自動補正で、またBackYardEOSから画像を撮ってAstroTortillaで位置の再確認まですることができました。このおかげで自動導入の精度に全く困らなくなるので、暖かい家の中から導入から撮影まで安心して実現でき、非常に快適です。


さて、実際の撮影ですが機材はCarte du CielやStellariumで持っている機材の場合の画角を調べるとFS-60Q(焦点距離600mm)にAPS-CEOS60Dの組み合わせが良さそうです。実は9月に改造版の6Dを購入しているのですが、未だに使うチャンスがありません。MagicLanternもインストールして準備はできているのですが、使い始めはいつになることやら。ということで結局いつものセットアップで進めます。

AVXですが自動導入までは志摩でのテストで心配ないことはわかっているので、今回は実際にガイド撮影をしてのテストです。ところがこの日はものすごく風が強く、そのせいかわかりませんが、赤緯側に分単位の周期的な変動があります。壊れたのは赤経側ですが、もしかしたら偏心みたいな影響があるのかもしれません。それでも撮影している画像を見る限り、ほとんど流れたりすることはなく、むしろ風の影響のブレが大きいくらいでした。どれくらい風が強かったかというと、午前1時頃に撮影を始めてから眠ってしまったのですが、朝4時頃にあまりの風の音に目が覚めて心配で外に出たら、セットしてあったテーブルが風で遠くに吹っ飛んでいってしまっていました。色々置いてあったものも散らばっていて、写真を見てみると結局午前2時半頃以降はうまく撮れていなかったようです。まあ、三脚が倒れなかっただけでもよかったかもしれません。それくらい風が強かったので、ダークもフラットも撮る間も無くすぐに撤収しました。

というわけで画像処理したものですが、風でブレているものと薄雲がかかっていた分を除くと3分x13枚と大した枚数は稼げずに、粗い画像となってしまいました。もう少し色が出るかなと思ったのですがこれ以上出すと背景のノイズばかりが目立ってきます。自宅だとこれくらいが典型的なのかもしれません。やはりこれ以上は暗いところに遠征に行かざるを得ないみたいです。

New5b

富山県富山市, 2017年11月26日1時24分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出3分x13枚 総露出39分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理



さて、壊れてなんとか自分で修理したAdvanced VXですが、ガイドでも一応撮影に耐えうるくらいは動くみたいです。ただ、赤緯の周期変動が気になるので、今一度風のない日に試してみようと思います。

(追記: 2018/2/920187/2/17に赤経の回転が噛んでしまいました。さらに修理です。)