2016/6/10の夜8時ころ、空が少し晴れてきたので自宅で何か見ようと思い望遠鏡を出し始めたところに、県天のK会長から電話があり、明日の県天の例会での画像講習会の講師をやってくれないかと、突然の依頼がありました。しかも今牛岳にいるとこのことで、とりあえず講演の準備はそっちのけで、せっかく出した望遠鏡をしまい急きょ娘のNatsuと一緒に牛岳に行くことにしました。

満月なのと、雲が少し出ているので、来ているのはKさんだけで、ほかの一般の人も全部で数人夜景を見に来たくらいの、寂しい状態でした。講演の準備はまあ朝にでもやればいいやと、C8とFS-60CBを出して、まったり話しながら、晴れ間を待っているような感じでした。Natsuはシートをひいて毛布にくるまりながら寝袋の中へ、一体何のために来たのかと思うくらい一瞬で眠りにつきました。

この日はうす曇りが続くのですが、アイピースで見ても木星の縞がはっきり見え、土星もカッシーニの間隙までくっきり見えます。撮影をする気はあまりなかったのですが、これだけシーイングがいいのなら今年まだ撮っていない土星を撮っておこうと思い、撮影を開始しました。

木星では気にならなかった大気収差が、土星だと動画の時点ですごく気になります。というわけで昨年買って結局使う機会がなかったADCを初めてまともに使ってみました。FireCaptureには赤と青を分離してサークルで表してくれる機能があるので、それを見ながら合わせます。基本的に大気収差は水平に対して縦方向にのみ出るので、ADCは最初水平に設置してやります。縦方向の収差成分はほぼ消えるのは確認したのですが、横方向の収差成分が、残ったというよりは最初より大きくなった気がします。ADCの水平の精度の問題なのか、もう少し調査する必要があります。

さて、撮り終わった動画を見るだけでも、カッシーニの間隙が綺麗に撮れています。これは処理が楽しみです。

と、次の日の朝に動画ファイルを改めて見ていたら、致命的なことに気づきました。なんとSERファイルが8bitで撮影されているのです。FireCaptureを注意深くみると、ROIの設定のすぐ上のところに16bitで撮影するオプションがあるではないですか。今まで全く気づいていませんでした。それでもこれまで木星もそこそこは出ているので、ビット数はそこまで影響ないのかもしれません。

結局その晩は3倍バローで4本、5倍バローで4本、それぞれ5000フレームとってHDDがいっぱいになったので終了としました。土星を撮影したら満足してしまって、夜中の12時半頃に解散となりました。自宅に着いた時には空に結構雲がかかっていました。


県天の例会で土星の動画を見せても、結構取れているのではとの評判でした。例会では惑星撮影の講演がNさん。星雲の画像処理の担当が私でした。惑星の方は撮影時にフリップミラーを使うと楽だというのや、議論の中であったDebayerをせずに録画した方がfpsを稼げるなど、有益な情報がいくつもありました。私がこれまでDebayerしてもfpsが出ていたのは8bitで録画していたからかもしてません。後日チェックし直します。

講演の方ですが、私の担当分はなにぶん昨日の今日で、朝の準備しかできなかったので、パワポで作った初心者向けの大まかなものと、以前のこのブログの記事をワードでまとめた細かいものの2本立てとしました。みなさんやはり興味があるので、トーク中も質問が次々でて、かなり盛り上がって楽しかったです。ただ、後半は少し細かい話になりすぎた感もあり、画像処理をやったことがない人にとっては初めて聞く単語ばかりになってしまい、少し申し訳なかったです。でもやはり画像処理はソフトに依存した話になってしまうのもある意味仕方なく、皆さんの使い方もいろいろ聞くことができたので、個人的にはすごく有益な講習会でした。


とりあえず土星の撮影時のパラメータとファイルを処理したので、アップします。5倍バローの方を処理しました。

2017-06-10-1510_0-RGB_rot

富山県牛岳 2017/6/11 00:07:05
C8 + Explore Scientific x5 barlow lense + ZWO ASI224MC + Advanced VX 
F50, Shutter 15ms, 65fps, gain 560, 6000/20000 frames
 

C8にしてはかなりでているのではないでしょうか。やはり気流のいい日は結果もよくなるのだと思います。昨年撮った土星がこちらになります。こちらと比較してもだいぶんよくなっているのがわかります。シーインが良かったせいもあるかと思いますが、ADCを使ったことと、昨年から画像処理の技術も向上しているのだと思います。