木星撮影の仕上げです。WinJUPOSに挑戦してみました。ちょっと癖のあるソフトなのですが、効果は絶大です。結果をまず載せます。
WinJUPOSでのDe-rotationのおかげで前回より明らかに解像度が増しています。処理したファイルは前回処理したときの記事と同じ6月4日に撮影したもので、その日は計5つの動画ファイルを撮影して、そのうちの4つが5倍バロー、一つが3倍バローです。前回の記事では3倍バローの800x600pixelものをdrizzleで3倍の解像度にしましたが、今回は5倍バローの1024x768pixelのものをちょと無理をしてdrizzleで3倍の解像度にしてから処理しています。さすがに1024x768のdrizzle3倍はスタック時に結構時間を食いましたが、それでも一つ20分くらいでしょうか。
4つのファイルの内訳は
の様にしました。drizzleで3倍の解像度にしているので、空間周波数で5段階目くらいまで有効に使えています。数字の小さい、周波数の高いところほど大きく強調して、かつDenoiseでノイズを除去しているのがわかると思います。前にも書きましたが、Previewを押してどのくらいの解像度に効いているか見ながら、どの周波数を強調したいかを意識していじるといいと思います。
パラメータはセーブできるので、拡張子.rwvで保存すると同じパラメータで何度も処理を繰り返すことができます。最初拡張子がわからず、セーブしたファイルが読めなかったのですが、拡張子をきちんと指定することでロード時に読み込むことができるようになりました。4つのスタック画像を全てRegistaxで処理して、WinJUPOSに移ります。
WinJUPOSはちょっと癖のあるソフトです。今回使ったバージョンは10.3.5です。
その後、Photoshopなどで調節し完成です。
WinJUPOSの効果は結構強力で、長い露出時間の画像をスタックしたことに相当するので、よりノイズが少なくなり、解像度も増したというわけです。
富山県富山市下大久保 2017/6/4 21:36:31
C8 + Explore Scientific x5 barlow lense + ZWO ASI224MC + Advanced VX
F50, Shutter 10.00-20ms, 79-49fps, gain 409-460, 20000/40000 frames
WinJUPOSでのDe-rotationのおかげで前回より明らかに解像度が増しています。処理したファイルは前回処理したときの記事と同じ6月4日に撮影したもので、その日は計5つの動画ファイルを撮影して、そのうちの4つが5倍バロー、一つが3倍バローです。前回の記事では3倍バローの800x600pixelものをdrizzleで3倍の解像度にしましたが、今回は5倍バローの1024x768pixelのものをちょと無理をしてdrizzleで3倍の解像度にしてから処理しています。さすがに1024x768のdrizzle3倍はスタック時に結構時間を食いましたが、それでも一つ20分くらいでしょうか。
4つのファイルの内訳は
- 10ms, 79fps, gain460, 10000frame
- 20ms, 49fps, gain409, 10000frame
- 20ms, 49fps, gain409, 10000frame
- 20ms, 49fps, gain410, 10000frame
の様にしました。drizzleで3倍の解像度にしているので、空間周波数で5段階目くらいまで有効に使えています。数字の小さい、周波数の高いところほど大きく強調して、かつDenoiseでノイズを除去しているのがわかると思います。前にも書きましたが、Previewを押してどのくらいの解像度に効いているか見ながら、どの周波数を強調したいかを意識していじるといいと思います。
パラメータはセーブできるので、拡張子.rwvで保存すると同じパラメータで何度も処理を繰り返すことができます。最初拡張子がわからず、セーブしたファイルが読めなかったのですが、拡張子をきちんと指定することでロード時に読み込むことができるようになりました。4つのスタック画像を全てRegistaxで処理して、WinJUPOSに移ります。
WinJUPOSはちょっと癖のあるソフトです。今回使ったバージョンは10.3.5です。
- 起動時にJupitarを選んでから、まずファイルを「Recording」メニューの「Image measurement」を押して、でて来た画面の「Open Image」で開きます。
- 画像が表示されたら「Adj.」タブを押して「Zoom」で木星全体が表示されるように調整します。
- 木星画像のところで右クリックをして、「Automatic detection of outline frame」を押します。
- すると白いサークルが画像の木星にフィットするかと思います。Nの位置が上下逆だとうまくフィットできないことがあるので、その場合は「N」キーと「P」キーでNの位置を下にしたりします。その際コントロールキーを押すと大きく動きます。サークルの位置はカーソルで移動できますが、基本的に使うことはないでしょう。こちらもコントロールキーで大きく動きます。
- 回転方向も含めてうまくフィットできたら「Imag.」タブを押して「Save」で.imsファイルとして保存します。
- これを全ての(今回は4枚)の画像について同じことをします。
- 次に「Tools」タブの「De-rotation of images」を選び、右上の「Edit」ボタンを押し「Add」で先ほど作った.imsファイルを順次加えていきます。
- その後「Compile image」を押してしばらく待つと木星の自転を補正してスタックした画像が出来上がります。
その後、Photoshopなどで調節し完成です。
WinJUPOSの効果は結構強力で、長い露出時間の画像をスタックしたことに相当するので、よりノイズが少なくなり、解像度も増したというわけです。
コメント
コメント一覧 (6)
慣れてしまえばそうでもないと思いますが、なかなか手順が複雑でね。
ある方のブログの記事ですが、このソフトはシーイングの良い時の画像
処理では顕著に効果が現れるが、それ以外はこのソフトを使ってもほと
んど変わり映えしないと述べておりました。
これから観測OFFが増えるので、このソフトをジックリ触ってみようかと思っています。
色々精力的にされているようですね。
さて、WinJUPOS(特にDe-rotation機能)を使いこなしておられる方が結構おられるようですが、つい最近、そのWinJUPOS HTMLヘルプ英語版を日本語化編集(完璧なものではないですが)してブログ上に公開しました。
このソフトを使う上でのマニュアル的なようなものですから、一読してみても良いと思います。
他に、Maxlm_DL6のPDF英語版マニュアル(700ページ余)を、日本語版として作成したりしました。(これは商用ソフトなので未公開)
現在は、オートフォーカスソフトFocusMax V4 英語版ヘルプを同じく日本語版にする作業中です。
・・・とういうことで、今年は本来の惑星観測そっちのけで、このようなことにはまっております。
ブログ:https://nabepla.blogspot.com/
精力的に日本語訳をされているようで頭が下がります。
私は英語は特に苦にならないのですが、SharpCapなども英語しかないために拒否反応が出てしまうという方がいることも聞いています。
天体ソフトは海外にいいものがあるから、ある程度仕方ないですが、日本語訳で少しでも敷居が下がるといいのかと思います。
更に今日追記事として、WinJUPOS実行ソフト画面から日本語HTMLヘルプを開けるようにした設定手順を書き込んでおきました。
もし興味がありましたら試してみてください。
これはライセンス違反なのであまり公にできませんが、そのMaxlm_DL6の実行ファイル自体のメニューバー、ダイアログボックスの全てを日本語化
して、自分用として使っています。
久し振りに投稿します、相変わらず精力的にやっておられますね頭がさがります。
さて、この度WinJUPOSプログラムに日本語が組み込まれて、新バージョン(12.0.6)として公開されました、ヘルプファイルと併せての翻訳は約3ヶ月かかり大変な作業でした。
このソフトについてWinJUPOS製作者の方は、これで完璧とは思っていないとプログラム完成後に私に話してくれました。
と言う事で、新バージョンを一度試してみてください。