5月29日、平日ですが先週あたりからC8を出したので、久しぶりに自宅で木星の撮影をしてみました。木星の撮影は去年の5月28日拡大撮影でX7で撮って以来ほぼ一年ぶりです。

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機材は前年中断した時と同じ鏡筒: Celestron C8 + 赤道儀: Advanced VXにCMOSカメラ: ASI224MCを付けています。ピント調節用に笠井トレーディングのシュミカセ用マイクロフォーカス接眼部を使っています。バローレンズは以前特価の時にKYOEIで購入したScientific Explorer社の5倍のものです。昨年買って少しだけ試して結局撮影での使用までいかなかったADCですが、今回少し使って見ましたが、木星が南天高くのぼっていたせいか調整してもほとんど変化が見られませんでした。一度画像処理をして見てから再度使用してみようと思います。

以前はCelestronの3倍のバローレンズを使っていたのですが、ADCを入れた時にバローレンズから撮影面の距離が変わると拡大率が変わってしまうという欠点がありました。今回新兵器のExplorer Scientific社のフォーカルエクステンダーはテレセントリック系のバローレンズで、距離が変わっても拡大率がほとんど変わらないというメリットがあります。そのおかげでしょうか、拡大率が5倍に変わっても、ADCを入れてもターゲットを見失うことが圧倒的に少ないです。

これまで惑星用のソフトの解説をしたことがなかったので、いい機会なのでメモがわりに今回少し書いておこうと思います。また、以前書いた胎内星まつりでのChristfer Goさんの講演のメモも役にたつと思います。

撮影用のソフトはFireCapture2.6βです。βのバージョンが去年の2.5から2.6に上がっていました。今回試したのは2.6.01です。インストールは特に問題なく、最初に実行ファイルをダブルクリックして、その後はASIカメラ用のショートカットができるので、それをクリックします。カメラの認識は特に問題ないです。設定したところだけメモしておくと
  • 画像が出ているWindowの左横のアイコンの「Set capture folder」で、ファイルの保存場所のルートディレクトリを好きなところに設定。私はD:¥home¥starの下にBYEやらSharpCapやらのフォルダがあるので、そこに指定。
  • 「Image」タブのROIで1024x768を選択
  • 「Capture」タブのところで、フォルダ名とファイル名に関係してくるJupitar, RGBを選択。5000Framesを選択。ファイル形式をAVIからSERに変更。
  • 「Option」タブの「Debayer」にチェックを入れカラー画像にする。
最初StickPCで取り込んだのですが、ROIで1024x768ピクセルにしてフレームレートが15fpsとかひどいと10fps以下になってしまうので、結局MacbookProのbootcamp上で撮り込みました。OSはStickPCもMacのbootcampもWindows10の64bit版です。それでもMacbookProでも25fps程度までしか上がりません。そこで、「Setting」タブから「Performance」を選んで、「Force agressive memory recovery during capture」を選びます。このメモリオプションありだと80fpsでも安定に保存までできました。

おそらくもう少し早いフレームレートも撮り込みができるのですが、暗くなりすぎてゲインを500以上に増やさなければならなくなるので、一旦80fpsまでとして出来上がりの明るさとノイズのバランスを見てこれからどこまでフレームレートを下げていけるかの調整していきたいと思います。 ちょうど天文リフレクションズで惑星撮影で有名なRB星のブログのまとめを紹介していて、その中で50fpsと書いてあったので、(追記) 最近のRB星のブログを見てみると、木星の場合はLが90fps、RGBが50fpsのようです。今後そこらへんを目処に試していきます。

実際の撮影では、21時頃まではシンチレーション(大気ゆらぎ)がひどかったのですが、その後22時頃にかけて揺れがかなり収まりました(追記)かなり像が揺らいでいて、21時頃からやっと筒内気流が落ち着いてきて少しましになりましたが、まだ空の揺らぎがひどく、また少し霞みがかっていることもあり、もう少しシーイングのいい日を待つ必要がありそうです。撮影中は画像が出ている左横のアイコンの中の「AutoAlign」をオンにします。すると、1024x768の画面を自動的に惑星が真ん中になるように移動してくれます。4つの赤い点が出て今画面のどこらへんを写しているかわかるので、端の方になった時は赤道儀のコントローラーで4つの点が真ん中になるように移動してやります。

ADCを使う時はWindowの左横のアイコンの中の「ADC tuning」というのを使うと楽ですが、今回は効果のほどがわからなかったのでこれは次回以降にもう少し試します。

アイコンを見ていくとダークフレームもふらっとフレームも取れるみたいですが、まだ試していません。実は手持ちのASI224MCは電視で酷使していてかなり汚れがひどく、惑星撮影時にセンサー保護ガラス面の汚れがそのまま拡大されて写ってしまい、黒いシミができまくっていました。撮影には致命的です。かなり綺麗に掃除したのですが、それでもまだ少し汚れが残っているので、フラット補正はしておいたほうがいいのでしょう。

結局、ファイルを80GBくらい取ったところでHDDが残り少なくなってきてしまったので、この日はおしまいにしました。今回の反省点は
  • なぜかRedがすごく強くBlueが弱い。
  • SERファイルにしたつもりがAVIのままだった。
  • C8がF10なので、5倍のバローでF50となり拡大しすぎかもしれない。
  • 多分シーイングはまだまだ全然良くないので、もっといい日を狙う。
くらいでしょうか。とりあえず今回の文の画像処理をして、後日また記事にしたいと思います。



あと、惑星関連でやってみたいことを少し書いておきます。
  • ASI290MMを手にいれて少なくともLとASI224MCのカラー合成、できればフィルターを使ってRGB合成を試す。
  • 昨年頂いたMEADEの250mmを試す。
  • MagicLanternでのRAW動画での惑星撮影がどこまでASIに迫れるか試す。
などです。