数週間前に牛岳の雪が融けたとの情報が入っていたのですが、海外出張などでなかなか行くことができなく、5月19日の週末やっと今年初めて娘を誘って牛岳に行きました。実はこの日も金曜で出張から帰宅してほとんど自宅に滞在せずにそのまま直行。22時半頃到着するとたくさんの人がいました。頂上手前の南天が開けている坂のところにはおなじみの県天のYさん、Oさん、Aさん、県立大の皆さんが6人。Aさんには双眼鏡を覗かせていただきました。頂上のところには富山大の皆さんが2-30人はいたでしょうか。

ついて早速下の写真に写っている展望台に上りました。2台の眼鏡で木星とスピカを親子で見ていると、ちょうどそこに流れ星が。二人とも双眼鏡ではっきり見ることができました。

人が多かったので電視でもしようかと思ったのですが、痛恨のミスで赤道儀のバッテリーを忘れてしまいました。予備のバッテリーも充電できてなく、USBバッテリーは9Vの変換ケーブルしかないなど、回避策もどれもダメ。9VでもAVXが初期アラインメントとかで中途半端に動くのですが、電力不足で途中で止まったりして、なかなか諦めきれないためにさらにたちが悪いです。ほとんど海外出張仕様のまま、あまり手入れしていなかった罰です。時間がなくても事前準備はきちんとすることが大切です。結局時間の無駄になってしまいます。

私が何もできない間に娘は自分で撮影を始めてしまいました。その時の写真がこちらです。この日は何もできなかった私よりも成果を出しています。牛岳の展望台にかかる天の川だそうです。画像処理だけは私が手伝いましたが、撮影は構図からカメラの設定から全部娘が一人でやっています。

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2017年5月20日0時39分 富山県牛岳
EOS X7(ISO1600, RAW), 露出25秒、固定撮影
EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM をF4 18mmで使用
Photoshop CC + Nik collectionで画像処理



娘は珍しくこの日は睡魔に負けずに片付けの途中くらいまでは起きていました。


リベンジがてら土曜日の晩も、20時くらいからでしょうか、牛岳に向かいました。娘も懲りずについてきましたが、部活で疲れていたせいか、この日はかなり早々と外に出した椅子に座ってスヤスヤと眠り出しました。山の上なのですが、外で眠れるくらい暖かくなってきました。この日は昨日の電視ができなかったので、まずはその確認。途中なんと赤道儀本体を三脚上から落下させてしまい、赤緯の回転の動きが鈍くなってしまったので、直したりしていると結局時間が過ぎてしまい、セットアップできたのは22時半過ぎでした。M57、M27、M13などおなじみの天体を導入し、今年もよく見えるといいながら、あまり撮影までの気合が入らなくて、完全にまったりモードでした。

途中坂の下に降りていくと、昨日に引き続き今日もYさんが来ていて、猫の手?(私は知らなかったですが、蠍座にあるほんとに猫の手の形の星雲ですね)という星雲を撮っていました。その隣に、珍しく女性が二人いて、カメラで天の川を撮影していました。電視で星雲見ませんかと誘ったら、そのうちの一人がきてくれたのでいろいろ話したのですが、女性二人といったのは実は親子で、お母さんがカメラが好きで、子供の方は今年大学一年生とのことです。その子はそれほど星に興味があるわけではないのですが、神話とかは好きとのことで、お母さんの撮影に付き合ってきているみたいです。電視と合わせて、iPadのプラネタリウムソフトで星座の位置を確認しながら、M57はこと座にあるとか、M27はこぎつね座にあるとか、空にある星座を見ながら、PCの画面で星雲や星団を写していました。これまで星雲とかを見たことはほとんどないとのことなので、面白そうみたいでした。

その後、寝ている娘を放っておいて、お母さんの方とカメラのことや、天の川の撮影ことなど、結構長い時間いろいろ話し、さすがに心配になって娘のところへ戻ると、なぜか外の椅子には娘の姿はなく、どこにいったのかなと探すと車の座席でスヤスヤと眠っていました。私はその後一人で最近はやりの星座観察と、これまたまったりモードでした。乙女座に始まり、天秤、カラス、コップ、牛飼い、ヘラクレス、へびつかい、へび、サソリ、いてと、その後夏の星座のこと、白鳥、わし、矢、こぎつねなどを巡りました。暗いので目で見ても結構星をたどれます。朝起きてから、娘に聞いたら「パパどこいっとたん?全然おらんかった!」と文句を言われました。外の椅子から車の中へ移動した時以外はほとんど記憶にないみたいです。


日曜日は先日の記事で宣伝した黒部の科学館で、「天体写真の楽しみ」というギャラリートークでした。トークはちょっと時間オーバーしてしまいましたが、笑ってくれる人もいて、まあまあ受けたのではないかと思います。タイトルは「星歴一年の初心者が語る星の楽しさ」で、内容はこの一年間でやってきたことで、このブログのまとめみたいなものです。その中で、望遠鏡の説明ついでに、FS-60Qを鏡筒部分だけですが実物を持っていきました。こんな60mmの口径の小さな望遠鏡で、星雲がきれいに撮影できることに驚いてくれたようです。惜しむらくは、お客さんが県天の方が多くて、一般の方が少なかったことです。もっと宣伝していただいて、星の写真を撮ったことがない人に聞いて欲しかったです。この話で、一人でも星を見る人が増えたらと思っていました。


出張とかでずっと忙しかったのですが、久しぶりに富山の星をゆっくり眺め、締めは天体トークと、星三昧の週末を過ごして大満足です。