星を始めてから初の南半球、オーストラリアに来ています。といっても満月期なので、天体写真はあまり期待はできません。それでも以前オーストラリアに来た時はまだ星には全く興味はなく、せいぜい南十字を見て「ああ、あれがそうか」というくらいでした。今回は興味が出てからの南半球なので、普段北半球では見えないものをいろいろ見たいと思っています。

場所はHamilton Islandというところで、オーストラリアの東側の離れ島。南緯でいうと20度くらいのところなので、南極軸があまり高いところにこないため、写真撮影にはあまり適していません。それでも初日に南十字星と人生初のカノープスを見て、結構感動しました。

初めての南半球の空には結構戸惑いました。星座を見ても位置関係がよくわからなくて混乱してしまいます。例えば当然北極星は見えないのですが、北斗七星の柄杓の底の部分が上になって水平線ギリギリに見えます。 黄道が北の空にあるので、北の空を見ていると月が大きく右から左に弧を描いて動いていきます。なんだか空が反対に回っているような感覚です。それでも馴染みのオリオン座やシリウスが見えたり、月と木星とスピカは近くにあるので、少しづつ方角と星座と動く方向が理解できてきました。

初日は写真を撮る余裕がなかったので、Widebino28で星座を見るくらいにとどめたのですが、満月に近い月とホテルの明かりに負けずに、うっすらと天の川まで見えたのは透明度がかなりいいからなのでしょう。Widebinoの威力はやはりすごいです。計算上2等近く明るく見えるので、目で見て十字と認識できなかった南十字星もはっきりと4つ目を見ることができました。周りの普通(特に星好きではないという意味)の人たちにもWidebinoを渡して見てもらったのですが、その見え具合にとても驚いていました。

2日目はあいにくの曇り空。雲の合間に唯一撮った写真がこれです。

IMG_3306

オーストラリア、ハミルトン島 2017年5月8日20時12分(現地時間)
NIKKOR-S Auto 50mm F1.4 + EOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5秒一枚撮り
ダーク補正なし、フラット補正なし、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理


左の雲の下に南十字星が見え、右に少しイータカリーナ星雲が見えています。雲が明るくて5秒露光の一枚撮りなので、ノイジーですが、それでも初の南半球でしか見ることのできない星座と星雲です。このあと雨になってしまい、朝まで雨が続いたのでこの日は諦めました。

今晩も雨が降っています。夜明け前とかには晴れてくれるといいのですが。


 その2に続きます。