先の立山の室堂での写真動画の記事のおまけで、明るくなるまでの187枚の連続撮影を比較明合成しました。

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この記事は、今回の撮影の経緯です。

4月22日から泊まりで立山の室堂で撮影をしました。元々は県天の行事の一環で観望会のお手伝いをさせてもらったのですが、年度始めなので行き帰りに各所の機器のチェックや数の確認なども行い、フル日程の2日間でした。

天気予報では午後からずっと晴れと出ていたので楽しみだったのですが、実際にはあいにく朝から曇りで、午後を過ぎても曇りのままです。それでも機器を揃えて車で地鉄の立山駅へ。そこから立山の室堂に行くのにはいくつもの経路があるのですが、今回は一般的だと思われる立山駅から美女平までケーブルカーで、その後バスに乗り室堂まで向かいました。 バスの中もずっと曇りだったのですが、容堂の近くになってやっとごく一部から青空がのぞいていました。

容堂のバスターミナルに到着後、早速観望会の機器のチェックと準備でしたが、それよりも天気が心配です。時折青空が少し見えるのですが、空のほとんどは雲で覆われています。雪が少しぱらついていたので、機器を外に出すこともできないため準備も進まず、少し時間があったので周りを散策しました。まだ一面雪に覆われていて、しかも雪が硬いのでどこへでもいけます。写真の様に「みくりが池」も雪で覆われています。

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みくりが池の上を歩いて行くと人が何人か集まっているところがあり、そこに行くと雷鳥を見ることができました。つがいでいるのですが、全く人を怖がらないので、すぐ近くにまで寄ることができます。雷鳥は4000羽ほどいるらしく、この季節は少し歩けばほぼ100%見ることができるそうです。

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食事後、空はまだほとんど雲に覆われていたのですが、雪は止んでいたので機材だけ外に出しました。暗くなってきましたが、雲で星が全く見えないので極軸を取ることもできません。それでも時間が迫ってきたので案内のスライドの準備を始め、だいたい準備ができたところで、今一度外に出たのですが、ごく一部に星は見えているものの、まだかなり雲に覆われている状況は変わりません。星が出ていないとスライドでのお話だけになってしまいます。話を始めて、星が出てきたら外に案内しようということになり、とりあえずスライドを始めました。

北極星の見つけ方に始まり、春の大曲線や天の川の話をしているくらいのところで、星が出てきたとの連絡が入り、急遽話を切り上げ、外に出る案内だけをして屋上に出て見ると、まだ少し雲は残っているものの、空の上には星がいっぱい広がっていました。

先ほど話した北極星が雲の隙間からも見えています。おおぐま座から春の大曲線をお客さんと辿ると、だんだん目が慣れてきてあちこちから「わー!星がこんなにある」とか、「どんどん見えてくる」など歓声が上がり盛り上がってきます。この日はちょうどいいことに、こと座流星群の極大が午後9時で、ちょうど観望会と重なりました。流れ星が出るたびに盛り上がります。流れ星を初めて見た人もいたみたいで、あちこちから「もう3個見た!」とか、「まだ一個も見えてない」とか大騒ぎです。

ここまでは良かったのですが、問題は機材の方でした。電子観望で星雲星団を見てもらいたいと、FS-60Qとなんと思いAdvanced VXをバッテリー込みで自宅から手で運んできたのですが、そもそも極軸も合わせていなくて、しかもむちゃくちゃ寒いせいかネットワークも切れ気味で、全く導入までたどり着きませんでした。ここで思ったのは、お客さんがいるときはシンプルでいいので、確実に動く組み合わせを用意しておくことだと、すごく反省させられました。しかも、やはり私の星の知識はまだまだ付け焼き刃で、一緒に案内をされた県天のFさんの解説の足元にも及びません。やはりここら辺は経験がモノを言うようです。

こんな調子で反省すべきことはたくさんあるのですが、ラッキーなことに、こと座流星群のおかげでみなさん流れ星を探すのに夢中で、肉眼での観測の方が楽しいようで、手軽な双眼鏡さえ不人気なほどでした。木星を導入してあったので何人かの方は望遠鏡を覗いたのですが、やはり満天の星空と流れ星が迫力があり、結果的には皆さん満足された様で何よりでした。

ちなみに温度は夕方の準備の時でマイナス5度。観望会の最中はもっと寒くなっていたと思います。さすがに1時間もすると人も少なくなってきて、残りは本当に好きな人が話し込んでいた地、撮影などをしていました。私も寒くなってきたので、機材を片付け始め、23時頃から仮眠をとりました。

午前1時頃に一度起きて外に出ると、空は本当に雲ひとつなく晴れ渡り、はっきりとした天の川が大きく山の上にかかっていました。

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 「雪の立山にかかる天の川とこと座流星群」
撮影地: 富山県立山室堂, 2017年4月24日2時52分
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用
Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


雪景色と天の川ですごく綺麗で神秘的でした。撮影をする余裕があるとあまり思っていなかったので、撮影用は大した機材を用意していなくて、しかたないので赤道儀の三脚にカメラを載せて、追尾はせずに固定撮影でず30秒露光で午前2時頃から2時間ほど撮影をしました。レリーズも自宅に置いてきていたので、急遽Magic Lanternを使ってのバブル撮影です。その間あまりに寒いので部屋で暖を取っていましたが、4時過ぎに薄明が始まる頃に再びカメラを見に行ったら電池も切れずにまだ撮影が続いていました。試しに何枚か見て見ると天の川が何の加工もせずにともすごく綺麗に、217枚連続して写っていました。無加工のままのが前々回の記事の写真で、上が加工したものです。加工は好みがすごく出ます。今回は冬の寒さを表現したくて少し青を強調しました。

かなり明るくなってきたので、午前4時半頃に機材を片付けてロビーに行って見ると、ご来光ツアーで人が集まっていて、天の川の写真を見せると「こんな綺麗なのが出ていたんだ」という様な声とともに、「ぜひ見たかった」とか「さすがに起きれなかった」という声が上がりました。集まっている人にできるだけ写真を見せ、特に流星が同時に写っている写真は皆さんすごく喜んでくれたみたいです。

その後少し寝たのですが、結局7時過ぎに起きて、食事と後片付け、それでも少し時間があったので「雪の大谷」を見に行きました。食事の時も、雪の大谷でも昨晩のお客さんが昨晩の観望会と天の川の写真の感想で声をかけてくれて、べつの写真を見せたり、雷鳥の話などで盛り上がりました。ちなみに雪の大谷の今年の高さはなんと19m。そして初めて明るいところで撮る一眼レフでの写真の楽しさが少しわかりました。その記念すべき何枚かです。

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最後に眼下の富山側に雲海が見渡せました。

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その後もう一軒機材のチェックを終え、無事にふもとの立山駅に帰り着きました。今回は撮影が思いの外うまくいったので、大満足です。


一枚撮りを少し加工したものを載せましたが、星景写真はまだまだ研究の余地がありそうです。流れをもう少し抑えたいですし、レンズの四隅の歪みも気になります。スタックとかした方がノイズが少なくなるでしょうし、その場合ずれていく景色をどう合成するかも課題です。


最後その4に続きます。