ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2023年06月

実は福島の星まつりでSWAT350を手に入れました。UNITECさんのところで話していて盛り上がり、後日レポートを書くということで、特価で譲ってもらうことになりました。実際に試してみて、忌憚のない意見が聞きたいということなので、思う存分楽しみます。


SWAT到着

福島の星まつりの後、しばらくしてから自宅にSWATが到着。ご存知の方はご存知かと思いますが、そもそもSWATは1軸での追尾精度を追求したコンパクトなポータブル赤道儀です。

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青いボディーがかっこいいです。

今回手に入れたものは、PEC付きのSWAT-350V-spec Premiumという機種で、SWATの中でもフラッグシップモデルに当たります。ピリオディックエラーの精度はノーマルでも+/-4.5秒前後と相当なもので、PECが効く片側荷重だとなんと+/-2.8秒前後と驚異的な性能を出すそうです。基本的にはその高精度な追尾を利用した、ガチ撮影用のポータブル赤道儀なので、元々考えていた使用法は、
  • 海外での撮影のための軽量機材
  • もしくは本格撮影の横で、簡単に設置しての撮影
とかです。


SWAT超進化

でも今回SWATで試したのは精度を測るとか、そんな高尚なことでは全然ありません。代わりに超面白いアイデアを思いついてしまったのです!!

SWATは1軸のポタ赤なので、赤緯にあたる2軸目をそもそも持っていません。できることは基本的に精度のいい自動追尾のみ。当然自動導入はできませんし、最近流行りのプレートソルブなんかは夢のまた夢です。もちろんそれを納得して手に入れました。でも実際に撮影しようとすると、これまでずっと自動導入とプレートソルブに頼り切っている軟弱な私には、DSOのマニュアル導入はめんどくさすぎることに気づいてしまったのです。天気もあまり良くなく、実際テスト撮影しようとしても画角もなかなか定まらずで、しばらくSWAT君放っておいてしまいました。

ある日、SWATのことを考えながら風呂場でシャワーを浴びていたら、ふと思いついてしまいました。追尾精度は全然無いが超高機能のAZ-GTiを、超シンプル機能だが超高精度のSWATに載っけたらどうなるんだろう?

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「えーっ??」と思った方もいるかもしれませんが、でもこれかなりすごいですよ。


SWATで自動導入とプレートソルブ!?

SWATは普通に三脚にネジ止めします。底面が斜めに傾いているので、日本だと北方向に置くと、ちょうど回転軸が北極星方向を向くようになります。

AZ-GTiはデフォルトでは経緯台ですが、ファームをアップデートすれば(メーカー保証はありませんが)赤道儀モードで動かすことができます。今回はセットアップといっても、赤道儀モードのAZ-GTiを、本当にそのままSWATに載っけるだけです。AZ-GTiを赤道儀モードで使うときに大変なのは、極軸方向に向けるための傾いたアダプターを用意することです。タカハシなどで販売していますが、それでもそこまで頑丈ではなくて揺れてしまうこともあり、気にする人は自作したりしています。今回はこの斜めアダプターもSWAT自身が兼ねてくれます。

鏡筒は北極星方向に向けて取り付けます。天体導入完了まではSWATの電源は入れず、AZ-GTiだけを使います。なんならPC上のSynScan Proと接続して、さらにASCOM経由でSharpCapと繋いでおけば、初期アラインメントの時からプレートソルブすることさえできます。もちろん、自動導入の際もプレートソルブ機能を使えます。

導入が完了したら、駆動をAZ-GTiからSWATに切り替えます。撮影は精度のいいSWATを使うということです。ちなみに、以前測定したAZ-GTiの追尾精度が実測+/-75秒くらいだったので、SWATの精度が+/-4.5秒とすると17倍、+/-2.8秒だとしたら27倍の精度向上になります。なので、こんなことができます。

キャプチャ

え?何がこんなことかって?露光時間をよく見てください。望遠鏡接続パネルでは確かにSynScan Proに接続しているにもかかわらず、何と1枚180秒の3分露光ですよ!もちろんノータッチガイド(死語?)です。

鏡筒はFMA135で、カメラがUranus-Cと、とりあえず普段の電視観望そのままですが、画角的には撮影対象に困ることはない、ちょうど良いくらいです。これくらいの焦点距離なら、このSWATの性能で3分露光だと、1ピクセルさえも動かないくらいで、ガイドなしで全然余裕です。

SWATの精度とAZ-GTiの機能のいいとこ取りというわけです。


実際の設置

実際に試した手順を書いておきます。まず、組み立ては簡単そのも。三脚とSWATとAZ-GTiと鏡筒とカメラをネジで止めていくだけです。全部組み合わせても、片手で持てるくらいの軽さで、持ち運びも余裕です。

電源はというと、カメラを駆動させるためのPCからのUSB、SWATを駆動させるためのDC12Vだけなので、ケーブルは全部でわずか2本です。ケーブルの数が少ないのも簡単撮影ならではだと思います。ケーブル数が少ないのは、トラブルを起こす率も下がるので、実用上もメリットがあります。

設置ですが、今回はSharpCapの極軸合わせを使いました。ドリフトでズレていく量を抑えたいからです。1分角程度のGoodまで出せばもう十分です。

次にAZ-GTiで初期アラインメントをします。最近は面倒くさいので、本格撮影の時でも極軸は合わせても水平は取っていないです。そのため、一番最初の導入では少し目標とズレてしまうこともありますが、気にせずアラインメント完了にして、そのままプレートソルブしてしまいます。プレートソルブはすごく便利で、これが使いたくてAZ-GTiをくっつけたといっても過言ではありません。同期までうまくいくと、初期アラインメントした天体が画面に出てきます。SWAT使用でこんなことができるとは感無量です。初期アランメント完了後は、目的の天体に自動導入します。今回はM8干潟星雲とM20三裂星雲としました。

天体が画面内に入ってきたら、SWATに切り替えます。きちんと撮影位置まで来なくても、そこそこの位置に見えたら、SWATに切り替えてしまって構いません。この切り替えがまたポイントで、まずSWATの電源を入れますが、その際にAZ-GTiの電源を切るのではなく、恒星追尾をオフにするだけします。そうするとAZ-GTiはこれ以上追尾はしませんが、モーター駆動は2軸ともまだ生きているので、画角の微調整がSynScan ProやSharpCapの望遠鏡制御パネルなどからできてしまうのです。AZ-GTiは追尾さえしなければ精度が悪くなることはなく、構造的にはかなり頑丈です。

AZ-GTiをワイヤレスのリモートコントロールができる強固な微動雲台と考えると、ある意味とんでもなく格安です。AZ-GTiと組み合わせることで、SWATが精度そのままで根本的にアップグレードされたみたいで、便利すぎる使用感となります。


撮影の開始

準備ができたので、実際に撮影までしてみましょう。

撮影ソフトは簡単のためにSharpCapを使います。SWATの精度が期待できるので、ガイドはしません。なので、わざわざガイドにきっちり対応したNINAとかを使う必要もありません。EAFも使わないのでピントはマニュアルです。カメラの冷却さえもしないので、PlayerOneのカメラのDPS(Dead Pixel Suppression)機能でホットピクセル除去を期待します。一応今回はSharpCapの簡易ホットピクセル除去も念のため使いました。できるだけ簡単撮影がモットーで、後でダーク補正をする気など全くありません。

露光時間ですが、とりあえず今回は3分で試します。電視観望を利用した撮影に比べて、1枚あたり十分な露光時間が取れるため、合計撮影枚数を減らすことができるます。このことは二つのメリットがあります。
  1. 1回の露光のたびに入ってくる読み出しノイズの緩和が期待できること。
  2. カメラのアナログゲインを下げることもでき、ダイナミックレンジを十分に残した撮影ができ、飽和を防ぎやすくなります。今回はHGCモードが発動するゲイン200を選びました。
これまでのAZ-GTiを利用した電視観望的な撮影(1回の露光時間が10秒とかの短い撮影のこと)とは一線を画します。

撮影は後の画像処理を簡単にするために、試しに電視観望的な撮影としてライブスタックを使ってみました。一旦撮影が始まったらあとは放っておくだけです。たまにライブスタックされている画面を見てみますが、順調にノイズが軽減さていきます。

調子に乗って、3分露光で合計2時間くらいライブスタックしてしまいました。それだけ撮影しても、見ている限り恒星の流れはなく、SWATの精度とAZ-GTiが動いていないことでその精度を壊す様なことはなく、全体として非常に精度良く追尾してくれているようです。

取得できた画像ですが、3種類あります。
  • 全てスタックされて見た目も画面そのままのPNGフォーマットの画像が1枚
  • ストレッチなどしていないRAW画像のFITSフォーマットの画像が1枚
撮影終了時にすでにスタックや、PNGファイルはストレッチまで完了しているので、その後の画像処理もかなり楽になります。

今回は比較のために、
  • 毎回の露光ファイルも全て保存
の計3種類です。

SharpCapで自動的に1枚にスタックされたPNGとRAW、さらに自分でスタックしたものでそれぞれ仕上げて、後で出来を比べることにします。


画像処理しての比較

3種の画像で最後まで処理してみます。

ライブスタックされたものを見たまま:
まずはライブスタックされ、ストレッチまでされたPNGファイルです。あらかたの画像処理はすでに終わっているようなものです。これに5分程度Photoshopで処理しただけのものになります。

Stack_39frames_7020s_ABE_NXT3

8bitで出力されるので、あまり大したことはできませんが、それでもかなり出ていますね。周りの分子雲がノイジーなことと、恒星が少しうるさいかもしれません。それでも3分x39枚=1時間57分の露光で、星は全くズレていません。これだけでも驚異的かと思います。


ライブスタックされた1枚画像をストレッチなしで:
上のように、これくらいまで出るならもう十分かとも思いますが、ここから次の画像と比較していきます。二つ目はスタックまではされてますが、ストレッチはされていない暗いままで、RAWフォーマットに近いものになります。RAW画像なのでPixInsightでSPCCなどのリニア処理をして、ストレッチした後にPhotoshopに渡します。

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さすがに画像処理も多少凝ったことができるので、PNG画像よりはマシになります。StarNetを使うことで特に恒星がうるさいのを消すことができています。BXTは比較するにはチートすぎるので、今回は使っていません。


ライブスタック時の1枚1枚を個別に保存し、マニュアルでスタック:
最後が一番手間のかかる、3分露光が48枚あるファイルを、自分でスタックするところから始めます。ホットピクセルはほとんど出ていないとして、ダーク補正はなし、公平を期すためにフラット補正も無しとします。

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一から手間をかけただけあって、多少滑らかになってます。でも、輝点が少し目立ってしまっています。やはりここまでやるなら真面目にダーク補正をしてもいいかもしれません。


SWAT+AZ-GTiの威力

今回のアイデアですが、もしかしたらすごい組み合わせかもしれません。ガイド無しで本格的な撮影がかなり楽にできる可能性を秘めています。というかなんか楽しくて、早く次の撮影を試したいです。梅雨で天気待ちなのですが、メイン鏡筒の横で気楽に試せそうなのが良いです。

あまりに楽なので、是非みなさんにこのアイデアをオススメしたいです。
  • SWAT持ってる人はAZ-GTiを買おう!
  • AZ-Gtiを持っていて精度のいい撮影をしたい人はSWATを買おう!
  • SWATとAZ-Gtiの両方を持っている人はすぐにでも試してみてください!

SWATを高いと思うかもしれませんが、1軸に絞っていることもあり、この価格でこの精度を出せるのはむしろ格安というか、多分最安です。一気に長時間露光の本格撮影に手が届きます。


反省点と次回挑戦

今回の撮影の失敗点ですが、ノータッチガイドだけありどうしてもわずかなドリフトが出てしまい、数時間という露光時間のオーダーだとゆっくり画角が一方向に流れていきました。これが結果として、縞ノイズとなって出てしまいました。画像処理である程度誤魔化しましたが、やっぱりガイド必須かなあと思ってしまったのは事実です。それでもやはり「簡単撮影にしたいのになあ」、「ケーブルが増えるのやだなあ」との思いがあります。

そんなことを考えていたのですが、「そういえばSharpCapのライブスタックにディザー機能があったはずで、確かガイドなしでも単独で動いたはずだ」と思い出しました。マニュアルを確認してみたのですが、どうやらうまく動きそうです。次回はこれでリベンジしたいと思います。

今回はテストで135mmと短い焦点距離にしましたが、まだまだ全然大丈夫そうなので、今度はもう少し長焦点で試して、SWATの性能に迫りたいと思います。当然ガイドなしです。

他にも次回以降、検証、挑戦したいことを書いておきます。
  • 焦点距離と、カメラのピクセルと、追尾精度の関係の確認
  • ギヤの大きさと精度の関係の確認
  • 精度の実測
  • SWAT各機種との比較と、それぞれどこまでガイドなしでできるか計算
などです。たくさんやりたいことありますが、無理のない範囲で進めていきたいと思います。




 
 
 
 
 

ここまでε130Dで3例のテスト撮影(1, 2, 3)をしてきましたが、2つの大きな問題があることがわかってきました。
  1. 光軸が合っていないこと、特に、カメラを回転させると像が変わる
  2. 迷光がありそう
などです。

この二つの問題について、福島の星まつりでHBさんから重要な情報を聞くことができました。ε130Dには特有の問題があり、
  1. 回転装置がアイピース口の光軸に対して垂直な面で回っていない可能性があること。
  2. ε130D固有の特徴的な迷光があること。
ということです。実際のテスト撮影でいずれも経験していることに近いです。今回は特に、迷光について少し検証してみました。


迷光をリアルタイムで見る

迷光が存在していることはテスト撮影からある程度わかっています。問題は何が原因なのか、改善する手段はあるかです。

まず、何も設定を変えずにフラットを撮影して再現性があるか見てみます。SharpCapで明暗が見やすいように、ヒストグラムで適当にストレッチしています。

キャプチャ3_with_hood

中心が明るくて、右にシャープな円弧状の段差があり、左になだらかな円孤状の減光があります。

前回のおとめ座銀河団の時に示したフラット画像は以下のようでした。ABEの4次をかけたストレッチしたものです。
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中心が暗くて、今回の画像と少し形が違うように見えて迷ったのですが、形が良く見えるようにSharpCap上でマニュアルでストレッチしているためと判明しました。RAW画像を撮影して、PixInsightで同様にABEを4次でかけオートストレッチしたら以下のようになったので、そこそこ再現性はあると考えていいでしょう。

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以前の画像と一致したので、これ以降はリアルタイム性を優先し、SharpCapの画像で検証するようにします。

ちなみに、SharpCap状でもヒストグラムをいじることである程度再現はでき、
キャプチャ2

さらに、これは重要なのですが、何もストレッチしないと以下の様になり、
08_22_13_Capture_00001 08_22_13s
一見少し周辺減光があるだけの、特に何も問題ないようなフラット画像に見えてしまいます。


問題箇所の特定

さてSharpCapで左右非対称な迷光が見えている状態から、鏡筒の回転装置を180度回してみます。その結果が以下になります。

キャプチャ5_without_hood_rotete180deg

像が反転して、今度は左側がシャープに明暗が分かれます。カメラ側を回転させると像も回転するということは、原因は少なくとも回転装置よりカメラ側ではなく、鏡筒側にあることになります。

次に、フードを被せてみます。福島で特価で買ったプラスチック製のものです。きちんと真っ直ぐ取り付けることに気をつけます。

キャプチャ4_with_hood_rotete180deg
少し光量は減るので、フードがないと多少入り込む光はあるようです。でも微々たるもので、フードの有り無しで変な形を作る迷光は変わりないようです。

ここまでの結果から、回転装置より鏡筒側が原因で、フードを取り付けた鏡筒入射光側からの迷光も関係ないとすると、結論としては鏡筒の内部そのものに迷光を発生する原因があると言わざるを得ません。

この結果が正しいとすると、外部から何か改善することは期待できず、鏡筒を分解するなどして内部にアクセスして、反射する部分などを見つけて反射防止塗料などで防ぐことになるのかと思います。

例えば、フォーカサーの筒、副鏡、補正レンズなど、外からは見にくいですが、もしかしたら光を反射する明るい部分があるのかもしれません。補正レンズは取り外しができるので、(撮影では使わざるをえませんが)一度取り外して影響があるかどうか見ることは可能だと思います。もしレンズのARコート面からの反射とかだと致命的ですね。


この迷光はε130D一般のこと?

ところでですが、こんな迷光の話ネットを検索しても全然出てきません。少し気になったので、ε130Dのフラット画像がどこかにないか探してみました。少なくともすぐに2つ見つかって、
  1. 一つは本家のスターベースさんのもの、
  2. もう一つはYosshidaさんの「天体写真の世界」
で共にかなり信頼のおけるサイトです。ところが、掲載されているフラット画像を見ると、上のような円状の迷光はほとんど見られません。私の場合と全然状況が違うので、これは何かがおかしいと思い、もう少し検証してみました。

まず、両サイトともフルサイズの一眼レフカメラ(CanonのEOS 6DとNikonの810A)での撮影です。特徴的なのは上下のケラレです。

まずはこれを確認するために、私も6Dでフラットを撮影してみました。
キャプチャ8_6D_nostretch_mono
ぱっと見は上下のケラレも含めて、そこそこ再現できているようで、上記サイトの画像をかなり似ています。この場合の撮影条件は、見た目のDebayerをオフにしてモノクロにしたことと、「ストレッチをかけていない」ことです。

この画像だけ見ると特に問題はないように思えてしまいます。でも実際にはここからが問題です。上の状態から、先の検証でも試したようにSharpCap上で適当にストレッチをかけます。
キャプチャ9_6D_stretch_mono
ストレッチで炙り出すことで、見事にリング状の迷光が現れました。しかも上下のケラレの境の明暗さの方が大きいので、リング状の迷光はケラレに隠されてしまっていたということが言えると思います。

確かによく見るとスターベースの画像も、天体写真の世界の画像も、うっすらですがリング状の明暗さがあることに気が付きます。その証拠に、例えばスターベースのフラット画像をPixInsightでABEの4次をかけ適当にストレッチすると、同様のリング状の形がはっきりと出てきます。ここでは画像は掲載しませんが、興味がある方は各自試してみてください。


ちょっと迷光について検討

おそらくですが、実際にはスターベースのブログに書いてあるとおり、これまでフラット補正についてはあまり問題になっていなかったのかもしれません。そもそも、フルサイズクラスで問題になってくるリングの大きさですし、例えフルサイズでも一眼レフカメラで撮影している限りはケラレの方が大きいので、問題はそこまで露呈しないと思います。フルサイズのCMOSカメラになって初めて顕著になる問題かと思います。

もう一つは、近年画像処理の技術が発達してきて、相当淡いところまで炙り出すことができるようになってきたことも関係するかと思います。私はギリギリまで情報を引き出す傾向があるので、特に問題と感じてしまったのかもしれません。

その一方、前節で検証したようにフードを被せると入射光量は確かに変わるようなので、フラット補正後の残差はフードを使うことで軽減できる可能性はあります。まずは内部をいじるとかよりは、ちゃんとしたフードを作ることですね。これで上手く補正でき問題にならなければ、単なる程度問題なのかと思います。


まとめ

ここまでの検証で、やはりε130Dには残念ながら一般的にリング状の迷光が存在すると結論づけて良さそうです。でもフードでフラット補正の度合いが改善する可能性はありますし、画像処理をもう少し工夫するなどの手もあるかと思います。次回撮影で検証したいと思います。

言うまでもありませんが、ε130Dの明るさと分解能は特筆すべきものがあるので、いい点を上手く利用して今後も撮影していきたいと思います。撮影したいものもまだまだたくさんあり、今後どう改善していくのか、楽しみでなりません。


先週末の観望会の電視観望でプレートソルブがうまくいかずに大敗を喫したのですが、その原因を調べました。




機材など

一例ですが、私が使っている機材を今回の検証の前提条件として書いておきます。必ずしも同じ状況にしなくても、同様のトラブルはありえると思いますので、参考にしてください。

  • ハードウェア: 鏡筒(FMA135)、CMOSカメラ(Uranus-C)、AZ-GTi or TRAVERSE、三脚、PC(Surface 8, Surface 9, StickPC)
  • ソフトウェア: OSはWindows 10 or 11、SharpCap 4.1、SynScan Pro 231 or older、ASCOMプラットフォーム 6.1、SynScanアプリ用ASCOMドライバー 1.31 or 1.30、カメラドライバーなど

状態:
  1. AZ-GTiをスマホなどのSynScan Proを使って操作する準備ができている。
  2. PC上にSharpCapがインストールされていて、電視観望などができる準備ができている。
  3. PC上にSynScan Proがインストールされ、AZ-GTiに接続して操作する準備ができている。
  4. PC上にASTAPやASPSなどのプレートソルブ環境がインストールされている。
  5. SharpCapからASCOMを介して、SynScan Proに接続する。
  6. SharpCapを使ってプレートソルブをする。
今回は特に1、3、5、6がトラブル箇所で、中でも3と5、特に5が不安定な箇所です。


最初に確認しておきたいこと

まず最初は基本的なところで、PC上のSynScan ProとAZ-GTiがWi-Fi経由できちんと接続されているかです。接続ができているかと思っていても失敗している、もしくは接続していても知らない間に接続が切れていることなどもよくあります。チェックすべきことは
  • PC上のSynScan  Proの「ユーティリティ」の「情報」を見て、きちんと数字が動いているか?スマホやタブレットだけで繋がっていることがあります。
  • スマホとPCの両方から同時にAZ-GTiに接続していないか?
  • PC上で二つ以上のSynScan  Proが立ち上がっていて、重なってAZ-GTiに接続していないか?
  • 観望会などで間違えて他人のAZ-GTiに接続していないか?SynScan  Proの矢印ボタンを押して、きちんと自分のAZ-GTiが回転するか見ます。
などです。ここまではバグとかの可能性はほとんどないので、自分の設定ミスの可能性が高いです。でもこれ以降は自分の設定ミスというより、バグに近いものがたくさんあることがわかりました。ここまでで、きちんとPC上のSynScan ProとAZ-GTiが接続されていることが、ここからのトラブルシューティングの前提条件となります。


トラブル1: SharpCapとSynScan Pro接続の不安定性

ここからはさらにややこしい状況で、この不安定性はバグの一つかと思われます。

現象
  • SharpCapからASCOM経由でAZ-GTi(実際にはSynScan Pro)に接続しようとするとエラーメッセージが出て接続できない。
  • もしくは一旦SharpCapから接続できても、SharpCap上の矢印ボタンからAZ-GTiが反応しない。
  • もしくはSharpCapから接続できていたものを一旦外して、再度接続しようとするとエラーメッセージが出て接続できなくなる。

エラー
  • エラーメッセージはASCOMドライバーからで、下のように接続先が存在しないとか言われる。
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状況確認
  • PC上のSynScan Proの「ユーティリティー」「情報」から、方位などの数字が動いているかどうか見る。止まっていたら(Wi-Fiなどの問題で)すでにPC上のSynScan ProとAZ-GTiの接続が切れているので、特に前項を見ながら接続をきちんと確認する。
スクリーンショット 2023-06-21 204520
  • SharpCapからまだ接続されいるなら、SharpCapのタブの望遠鏡パネルの数字が動いているかどうか見てみる。止まっていたらすでにSharpCapとPC上のSynScan Proの接続は確立されていない。次の解決策を試す。
  • SharpCapとの接続が確立されていないなら、次の解決策を試す。

解決策
  • PC上のSynScan Proを立ち上げ直す。わざわざ画面上部をクリックして「接続を切る」とかをする必要はありません。そのまま右上のxボタンを押してバチッと閉じてしまっていいです。


トラブル2: プレートソルブした時に解がない

トラブル1までで、ShaprCapとSynScan Proとの接続はうまくいっているはずです。その後プレートソルブをしようとして、以下画面のように「プレートソルブに解がない」とか言われる場合は、それでも前提のSynScan ProとAZ-GTiの接続がうまくいっていないことが多いです。再度前項目をチェックするなどして、SynScan ProとAZ-GTiの接続を確立、チェックしてください。

次にチェックするのが、ShaprCapとSynScan Proとの接続です。普通は右パネルの「望遠鏡制御」のチェックボックスを押すて5秒くらい待つとチェックボックスが出て接続が確立されます。この時点でチェックマークがつかない場合はトラブル1などを見直します。問題はチェックマークがつくのに、実際には接続されていない場合です。

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その証拠の一つが、上の画面の右下の接続状況を示すパネルです。接続のチェックマークがきちんと出ていますが、AZ-GTiからの数値の多くが0になっていて明らかにおかしいです。接続されたと見えて実は接続できていないケースで、バグの一つです。

最初接続されても、途中で接続が切れて、右下の接続状況を示すパネルの数値が止まってしまっている場合などもこのケースですが、これはバグというよりは例えばAZ-GTiの電池がなくなったとか、Wi-Fiがなんらかの原因で切れたとかの、ミスの部類になります。

解決方法ですが、とにかく右下の接続状況を示すパネルの数値がきちんと動き出すまで、PC上のSynScan Proを立ち上げ成すなどして接続を繰り返してください。どうしても上手くいかない時は、ASCMOMドライバーのバージョンを落とすなどして入れ替えたり、SynScan Pro のバージョンを落とすなどして入れ替えたりしたら途端に直るということを何度か経験しました。ただし、どのバージョンだと動くとか(3種のPCで試しましたが)法則は無いようで、どうも入れ替えたこと自体が何か書き換えて回避するような感じです。


トラブル3: プレートソルブが全く進まない

現象
  • プレートソルブすると「星が多すぎるので、露光時間を減らすとかしろ」とエラーが出て全く進まない。実際の画面の星の数はそんなに多くはない。
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状況
  • PC上のSynScan Proの緯度経度情報が大きく間違っている。
  • AZ-GTiが向いていると思っている方向と、実際の方向があまりに違う。

解決策
  • PC上のSynScan Proの緯度経度情報を確認します。「設定」の「観測位置」から確認できます。PCは普通GPSユニットはもっていないことが多いので、マニュアルで数値を入れる必要があります。スマホなどのコンパスアプリでその場の緯度経度の値を取得できるかと思います。
  • 緯度経度を合わせ直したら、再度一からアラインメントをやり直します。
  • 星が多いというのはおそらくノイズをカウントしてしまっています。エラーメッセージとは逆ですが、まずは露光時間を伸ばしてみてください。

トラブル4: 同期なしプレートソルブはできるが、同期ありだと何も進まない

これはかなりたちの悪いバグです。

現象
  • 同期なしのプレートソルブはうまくいくのに、同期ありだとプレートソルブすることなく「星が多すぎる」とエラーが出る。
  • ASTAPだと上記の状況だが、ASPSだと同期ありもとりあえずプレートソルブには進むが、次のトラブル5のように実際には同期できない。

原因
  • トラブル2のところでチェックしたように、右下の接続パネルの数値が動いていて一見うまく接続できているように見えても、実はまだ内部で接続がうまくいっていない。
  • PC上のSynScan用のASCOM driverが悪い。

解決策
  • トラブル2でやったように、ShaprCapとSynScan Proの接続を何度かやり直す。
  • ASCOM  driverのバージョンを変える。最新版(1.31)は明らかに挙動がおかしかった。1.30戻したらエラーは出なくなり、プレートソルブを継続するようになった

ハマってしまうと、一番時間がかかるところだと思います。不思議なことに、全くトラブルなしで行く場合もあれば、接続をし直して一度うまくいくとそれ以降は問題が一切出なくなったり、何度接続し直してもうまくいかずに、ASCOMドライバーのバージョンを一つ(1.31から1.30)に落としたら途端に上手くいったとか、とにかく現象も解決策も不安定なバグです。

あと、ドライバーなどの以前のバージョンを落とすには

https://inter-static.skywatcher.com/downloads/setup_synscan_app_ascom_driver_131.exe



https://inter-static.skywatcher.com/downloads/setup_synscan_app_ascom_driver_130.exe

などとウェブブラウザーのアドレスのところを書き換えてアクセスすると、そのファイルが存在すれば落とすことができます。

SynScan Proの場合は

https://inter-static.skywatcher.com/downloads/synscanpro_windows_238.zip



https://inter-static.skywatcher.com/downloads/synscanpro_windows_220.zip

などと書き換えます。


トラブル4: 同期しようとするが、実際には同期されない

これもかなり解決しにくいバグです。

現象
  • 同期なしのプレートソルブはうまくいって、同期ありだと何度ずれているという計算結果まで出てこれから同期すると表示されるのに、実際にはAZ-GTiが反応せずに同期されない。
  • ASTAPでもASPSでも同じ状況。
スクリーンショット 2023-06-21 211349
ここまで行くのに、なぜが経緯台側が動いてくれない。

原因
  • ASTAPでもASPSでも同じ状況なので、プレートソルブソフトの問題ではないと推測。SharpCapの信号を出す部分か、その信号を受け取る部分が悪いと推測。結局PC上のSynScan Proが悪かった。 

解決策
  • トラブル2でやったように、ShaprCapとSynScan Proの接続を再度やり直す。
  • SynScan Proのバージョンを最新版から戻したら解決した。

はっきりした解決策は、いまだに分かっていません。再接続を何度かやったり、PC上のSynScan Proを入れ替えると突然直ったりしました。

一つ言えることは、どうも全体的にSharpCapのバグというよりは、ASCMOドライバー、SynScan Pro側のトラブルという感触です。SharpCapのバージョンもいくつかえて試したりしましたが、何ら改善も悪化もしませんでした。なので疑うとしたら ASCMOドライバー、SynScan Proかと思います。あとAZ-GTiのファームウェアを赤道儀化をかなり昔にして以来アップデートしていないので、それが問題の可能性もありますが、今回は少なくともAZ-GTiの方はいじらずに、また、TRAVERSEのファームは最新に近いはずなので、あまり関係ないと思っています。


ASTAPは動かずASPSだと動く

うまくいくならASTAPのほうが速いので、私は普段ASTAPを使うのですが、ASTAPだと解まで辿り着かなくて、ASPSだと解決して同期までできるるということが何度かありました。でも不思議なことに、一度ASPSで同期までできると次はASTAPでも同期までできたりします。まだ感覚的な範囲なのですが、どうもAZ-GTiで認識している方向と、実際の方向に大きな差があったりするとASTAPだとうまくいかないことがあるような気がしています。でも気のせいかもしれません。とにかくASTAPでうまくいかない時はASPSも試してみてください。ちなみに、ASPSがうまくいかなくてASTAPだけ上手くいったことは今のところありません。なので普段使いでASPSでもいいのかと思います。ただし遅いです。


まとめ

もちろん、今回のトラブル回避が全てではなく、環境によっては再現できなかったり、違った振る舞いになることもあるかと思います。この情報を鵜呑みにするのではなく、トラブルに出会った場合は、こんなところが怪しい可能性があるという程度で参考にするのがいいのかと思います。基本的にトラブルさえなければ必ずプレートソルブは動きます。

今回は3台のPCで試したところ、とりあえず飛騨コスモス観望会で発生したトラブルを全て再現できて、無事にどのPCでも解決しました。解決する手段は必ずあるということです。でもその解決策もまだまだ不安定で、ソフトやドライバーのバージョンを変えるとしても最新版が必ずしもいいわけでもなさそうです。さらに古いものも、どのバージョンがいいかまでは検証できませんでした。途中でも書いたのですが、入れ替えること自体がどこかの値を書き直して、それで解決している可能性もあります。

今回の経験から、まずはSynScan ProとAZ-GTiの接続をきちんと確立すること、緯度経度情報が重要なことなどがわかりましたし、さらにはShapCapとSynScan Proの接続の確立が一番大切なこと。むやみやたらに最新版にバージョンアップしないことが重要なようです。もし安定に動いているならそれを保つこと。アップデートする場合は、必ず時間のあるきに行い、実際の星空でテストすることが大事かと思います。安定に動いていても、何かの拍子に不安定になることもあります。

今思うと、AZ-GTiだけなら安定だったのが、2台目としてTRAVERSEもつないだことが突然のトラブル発生の気もしています。最初TRAVERSEで発生したので、一度はTRAVERSEを疑いましたが、同じことがAZ-GTiで起ったのでTRAVERSEのせいというわけでも、かと言ってAZ-GTiのせいというわけでもなく、複数台を運用したことが問題の可能性が高いのかと思われます。おそらくですが、複数台でどこかのアドレスの値を共有しているのが原因かなと思います。

今回、一応全部解決はしましたが、明らかにバグと思われる部分もあるので、できればメーカーの方で複数台のテストも十分にしていただけると、ユーザーは助かるかなと思います。特に、SynScan Pro単体では問題には見えなくても、ASCOM経由で接続すると不安定さが露呈します。3台のPCで同様のトラブルが確認できたので、偶然とかではないはずです。AZ-GTiはかなりの数が出ているので、複数台を使っている方も少なくないかと思います。ちなみに、Celestronの赤道儀を3種をこれまで3台程度のPCで入れ替えて使っていますが、同様のASCOM経由の接続でのプレートソルブで、このようなトラブルは一度も遭遇したことはありません。


2023年6月17日、先月5月に続いて今年2回目の飛騨コスモス天文台での観望会です。




観望会にお誘い

火曜日くらいでしょうか、RYOさんから TwitterのDMがあって金沢に用事があるので、「土曜日に富山でお茶でもしませんか」とデート?のお誘いがありました。ほぼ同時刻にあんとんシュガーさんから「土曜日一緒に撮影でもしませんか」と、こちらもデート?のお誘い。なんかモテモテです(笑)。

二人ともに「土曜は飛騨コスモス天文台で観望会なので、よかったら一緒にどうですか?」と聞いてみたら、衝撃の事実が!なんとRYOさんの言う土曜日は先週の土曜日とのこと。よくよく聞いみると、先週の木曜くらいにDMを送ったそうです。そう、DMの遅配です。

実は全く同じことが過去にもあって、その時は重要なDMとともにジャンクDMも10通くらいいっぺんに来ましたが、重要なDMは約2ヶ月半遅れて到着というとんでもないことに。今回も2通いっぺんに来たので、遅配の場合は何か別のDMがきっかけでいっぺんに送られるのかもしれません。とにかくTwitterのDMは遅配が複数回あったので、そんな可能性があり得ると想定して使うことしかできないということがわかりました。

というわけで、当然RYOさんのデートのお誘いには応えることもできなくて、あんとんシュガーさんとは何度か連絡を取り 飛騨コスモス天文台の観望会に来てもらうことになりました。以前から撮影の様子を見て欲しいと頼まれていたので、やっと約束が果たせそうです。さらにあんとんしゅがーさんが智さんを誘ってくれて、わざわざ岐阜の反対側から来てくれることになりました。智さんも何か聞きたいことがあるそうです。


飛騨コスモス天文台に向けて出発 

観望会当日は、現在故障中のドームの開閉装置の高い位置にあるモーターの様子を見るために脚立を積み込んでの出発になります。少し早めの15時頃に自宅を出ます。

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16時半頃には到着したでしょうか。現地は雲ひとつない青空です。

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さっそくドームの開閉部のモーターをチェックします。モーター2つで開け閉めするのですが、そのうちの一つが動いていません。高い位置にあるので脚立に上り、型番を写真で撮影します。

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調べてみると現行品のようですが、値段を見るとかなり高い!以前壊れたモーターの倍くらいの値段です。しかもギヤボックも電源がいるみたいです。それも合わせると以前の交換の3倍くらいの値段がします。まだモーター故障かどうかの断定まではできていなくて、スイッチ故障や断線の可能性も捨てきれはしていません。でも状況証拠からはモータ故障の可能性が一番高いのと、もう10年以上経っているのでいざとなったら予備にすればいいと思い、発注して交換してみることにしました。

モーターをチェックしている最中に智さんが到着です。チェックが終わってから車の近くでしばらく智さんと話していると、あんとんシュガーさんも到着。「近くまで来て、何度も迷った」と言っていました。確かに奥まった夜は暗いところなので、昼間に来ても初めてだとわかりにくいかもしれません。

智さんの聞きたいことは、撮影用のフィルターをどうしてるかということと、NINAのAF(オートフォーカス)がうまくいかないことがあるみたいで何が原因か知りたいということの二つでした。

前者の答えは、私は星まつりとかで安く買い集めたBaaderと、2インチのLRGBはZWOを使っていることを伝えました。「ナローバントフィルター高いよね」という話になりました。モノクロ撮影を少し考えているみたいで、何がメリットかという話にもなりました。

もう一つのAFは、以前NINAのオートスストレッチのパラメーターが劇的に効いたことを伝えました。




撮影と観望会準備

この後、3人とも機材の準備を始めます。

智さんはiOptron CEM26に載せたACL200+ASI2600MC Proでアイリス星雲狙いと、EQ5に載せたFRA300 Pro+Nikon Z6(多分)で網状星雲狙いの2台体制です。

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智さん自作のフードがすごくて、初めて実物を見せてもらいました。現地で話していましたが、バッフルもきちんとついていて売り物になりそうなレベルです。

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あんとんシュガーさんはタカハシのEM200のTemma2にVixenのR200SS+ASI294MM Proでヘルクレス座の球状星団M13狙いだそうです。金ピカアルミ箔できちんと結露対策をしています。

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私はというと、ACUTER TRAVERSEで電視観望の準備と、いつもの自由に触っていいSCORPTECHを出します。

ここら辺でかんたろうさんが到着。かんたろうさんもいつもの45cmドブの準備を始めます。さらに飛騨コスモスの会のスタッフの方達も到着します。


天体写真カードの配布

19時半頃からでしょうか、ポツポツお客さんが来始めます。今回の目玉は来てくれた子供達に配る、新作の天体写真カードです。といっても、私が撮りためた画像をL版で印刷しただけなのですが...。でもこれ、子供達はすごく喜んでくれます。昨年も230枚用意して配っていたのですがもう在庫がなくなったということで、今年はとりあえず30種類x10枚の合計300枚を用意しました。10種くらいは惑星など昨年人気があったものを焼き増し、20種くらいが新しいものです。

印刷は今回もフジプリで頼みました。L版だと「最高級印画紙」を選んでも通常仕上げなら1枚あたり10円、送料と消費税を入れても1枚あたり12円切っています。今回も全部で3520円なので、貰ってくれる子供達の喜ぶ様子を見たらすごいコストパフォーマンスです。注文時に「最高級レーザーペーパー(サイズ限定)」を選んで、画像をアップロード。ポイントは「色調自動補正」を必ずオフにすることです。今回注文した後にこれを本当にオフにしたかどうか確証が持てなくて、30分以内ならキャンセル可だったので、泣く泣く一旦キャンセルして、一からやり直しました。

一回観望会に来ると1枚のカードがもらえるのですが、子供達がカードを真剣に選ぶ様子がもう可愛くて可愛くて。「どれが新しいやつ?」とか、「こっちとこっちどっちがレア?」とか色々聞かれます。「こっちは皆既月食だからその時しか見えないからレアだけど、こっちの象の鼻星雲は目ではなかなか見えないからこっちもレアかなあ?でもこの象の鼻って忍者に見えない?」とか答えます。

電視観望の準備をしているときも女の子が何人かカードのお礼を言いに来てくれました。皆既月食の地球影の連続写真のカードを選んでいたので「この影が地球なんだよ」とか、タイムラプス動画を見せてあげたりして、「なんで月食が起こるかわかる?」とか聞くと身振り手振りで説明してくれて、すごく盛り上がりました。

帰るときもわざわざ「カードありがとうございました」と言いに来てれる子もいます。「また来月も参加してね。またカードもらえるよ!」と言うとすごく嬉しそうにしています。このカード作戦、単純ですが思った以上の効果のようです。

自宅に帰った後にこの天体写真カードについて妻と話しました。妻曰く「写真を印刷するって文化がなくなったので、子供たちにとっては印刷された写真を見ること自身が珍しいことなのでは?」ということでしたが、妙に納得させられました。スマホとかの画像で見ることはあっても、手に持って写真を見ることがもうほとんどないのです。もらったカードを飾っている子もいると聞いているのですが、確かにスマホだと飾るとかもできません。我々世代が思っているよりも、今の子供たちははるかに印刷された写真に価値を見出しているのかもしれません。


電視観望は大失敗

カードは好評でした。SCORPTECH望遠鏡も、夕方から金星を見たりで上手く行きました。でも電視観望は今回稀に見る大失敗でした。

今回はAZ-GTiの代わりに、新兵器でACUTERのTRAVERSEを持っていきました。実は前日の金曜日に、きちんとテストして自動導入からプレートソルブ、電視観望まできちんとできることを確認しておいたのです。それでも本番のこの日は、自動導入とプレートソルブが全く上手くいきません。

そもそも、電視観望用のPCを新しくしたので前日のテストはその確認も兼ねていました。まず、接続がイマイチです。最初にスマホで接続してGPS情報を提供して初期アラインメントまで済まし、その後にプレートソルブをするためにPCで接続するのですが、どうも切り替えがうまくいっていないようで、接続が不安定になります。

なんとか接続しても、プレートソルブが全く上手くいきません。現象としては、ASTAPが「星の数が多すぎる」とか出て上手くいかないのです。しかもこれ、プレートソルブ単体(経緯台を同期しない)だと上手くいくのに、同期しようとすると途端に星の数エラーが出ます。バグのような感じです。ASTAPの代わりにASPSを使うとプレートソルブして同期までしようとするのですが、実際には同期しようとしても経緯台の方が反応がないのです。元の古いPCも一応持ってきていたので、戻してみたのですがそれでも同様の現象。

これはTRAVERSEの問題かと思い、AZ-GTiにしたのですが、なんと不思議なことにAZ-GTiでも全く同じ現象です。これには困り果てて、今日の電視観望は諦めることにしました。結局見せることができたのは、たまたま入ったM27だけでした。

でもTRAVERSEだけでなく、なぜこれまで安定していたAZ-GTiでもダメだったのか、冷静になって色々考えてみました。緯度軽度はきちんと確認したし、天気もよかったので星もきちんと見えていたはずです。唯一思い当たるのが、どうせプレートソルブするからいいやと思って水平を出さなかったことです。TRAVERSEでサボって、AZ-GTiに変えたときも焦っていて水平をとっていなかったのです。いや、正確に言うと、ハーフピラーを外していたので、AZ-GTi本体の下部で三脚の台座についている水準器が隠れてしまい見えなかったので「まあいいや」と思ってしまったのです。他にもプレートソルブで画面に入っているはずと判断差されたM57が実際には画面にいなかったりなど、不可思議なことが連発していました。もしかしたら水平に置いていないことは思ったより深刻な誤差を生むのかもしれません。今後のこともあるので、時間のある時に再度検証することにします。

電視観望が全然ダメだったのですが、かんたろうさんがドブでお客さんに色々見せてくれてたので、とても助かりました。本当は、眼視と電視の比較、特にM101の超新星の見比べをしたかったのですが、その機会を作ることができなくて非常に残念で、申し訳なかったです。


あんとんシュガーさんの撮影をヘルプ 

明るいうちにあんとんシュガーさんの撮影の準備状況を少し確認しました。ここでいくつかアドバイスを。メモがわりに書いておきます。
  • 極軸合わせ、カメラの回転角の調整、あらかたのピント合わせまではSharpCapでやる。
  • PCと赤道儀を接続して、SharpCap上の方向ボタンを押すことできちんと赤道儀に反応があるかを確認。
  • ハンドコントローラーでも赤道儀が動くかどうかを確認。実際最初動かなくて、かんたろうさんからのアドバイスで、EM200のコントローラーからのケーブルの、赤道儀本体側での接続コネクタをきちんと押し込まないと接触不良を起こすことがわかった。
  • これらの確認は、SharpCapのカメラの画像の動きを見ることで確かめること。NINAにも画像モニターはあるが、遅くてリアルタイム性ではSharpCapにはるかに劣るので、最初の動作確認はSharpCapを使った方がはるかに効率がいい。

その後、観望会の終わり近くで電視観望を諦めた後、気を取り直してあんとんシュガーさんの撮影にじっくり付き合うことにしました。とりあえず「調子はどうですか?」と聞いてみたのですが、「いや全然、まだ撮影まで行ってません」とのこと。具体的によく聞いてみると「NINA」のプレートソルブをしているとのこと。でも様子を見てみると、全然進んでいなくて途中で止まってしまっているようです。まだM13の導入もできていないようなので、プレートソルブを一旦止めて、NINAのスカイアトラスから自動導入してみますが、そもそも赤道儀が反応しません。ここから怒涛のトラブル回避でしたが、覚えている限り書いておきます。
  • NINA上で「望遠鏡(実際には赤道儀)」の接続を切って再び接続すると、止まってしまっていた導入やプレートソルブをリセットでき、赤道儀がきちんと反応するようになった。その後、プレートソルブをするとうまく機能し始め、赤道儀の同期もうまくいく。さらにNINAのスカイアトラス画面で自動導入をすると、無事にM13が画面に入った。
  • NINAのAF(オートフォーカス)が全く上手くいかなかった。星の大きさが全然変わっていない。これはEAFがスタック?か何かで全く回転していなかったようである。AFの前に、改めてNINA上でマニュアルでフォーカス移動のボタンを押してきちんと軸が回転しているかを確認することが大事。
  • 撮影カメラとガイドカメラを2つUSBケーブルで繋いでいると、PHD2がカメラの選択でミスることがある。特に新規ウィザードを使ってセットアップするときは、ガイドカメラでなくて撮影カメラが勝手に選択されることがよくある。撮影カメラのUSBケーブルを抜いて新規ウィザードを走らせることで、確実にガイドカメラを選択できる。
  • 赤道儀が子午線を少し超えたところで稼働範囲限界を越えるようで追尾が止まってしまう。これがPHD2のキャリブレーション中に起きたので、上手くいかなかった。星が一方向に流れっぱなしになったので気づいた。
  • 一旦うまく動き始めたPHD2でのガイドが、途中何度も止まった。撮影用とガイド用の2つのカメラの切り分けがうまくできていないようで、例えばNINAから PHD2に接続した時など、途中でダークライブラリーが使えないとか、プロファイルがわかったとか何度も出て、その度にカメラ設定を一からとか、キャリブレーションを(次回も結果を使い回すと指定していても)何度もやり直す羽目になった。これはバグクラスの不具合なので、操作でどうこうすることはできず、今回はダークライブラリーをマニュアルで取り直したりでなんとか回避。どうもNINAは今年になって一回、PHD2はかなり前、ZWOのカメラドライバーはアップデートしたことがないようなので、全て最新版にアップデートするようにアドバイス。
他にも、
  • 導入時や撮影時にStellariumはいらない、導入だけならNINA単独で十分。
  • AFの露光時間が長すぎたので短く(10s->5sくらい)、プレートソルブの露光時間が長すぎたので短く(15s->5sくらい)、ライブビューの露光時間が長すぎた(10s->2sくらい)のとゲインが低すぎたので大きく(100->400くらい)。
  • オーバーシュートのバックラッシュの値が大きすぎる(200->100)。
  • オフセットが0だったので40にした
などです。

他にも何かありましたでしょうか?一応覚えているのは書き出したつもりです。とにかくトラブルだらけで、撮影までたどり着くのがかなり困難な状況でした。これだと、あんとんシュガーさんが全然うまくいかないというのも納得で、初心者だとほとんど回避不可能状態です。今回一緒にやる機会があってよかったです。

重要なことは、問題をきちんと切り分けることだと思います。また、自動でやる高機能なものは、まずはマニュアルで反応があるか確認するなども重要です。

そうそう、この時にMちゃん親子が来ていることに気づきました。Mちゃん4月からもう中2だそうです。最初にあったのが小4か小5の頃だったはずなので、早いものです。ケーキ屋のお母様からシュークリームの差し入れがあり、残っていたみんなで頂きました。いつもの通り、ものすごくおいしかったです。どうもごちそうさまでした。次の日試験があるとかで、0時頃には帰ってしまいましたが、今回もかんたろうさんのドブを十分楽しいでいたようです。


さすがの智さん

一方智さんの方は、困っていると言っていたNINAでのAFも、オートストレッチパラメタをすでに自分で調整していて、うまくV型のグラフになっていました。私がアドバイスするどころか、フードもそうですし、PCの収納方法など見習うところが多かったです。さすがかなりの頻度で撮影されてる智さんです。

アイリス星雲の撮影時には観望界にきてくれていたお客さんにもPC画面を見せてくれていて、皆さん青のアイリス星雲の美しさに「きれいー!」と声をあげていました。


あんとんシュガーさんの撮影

あんとんシュガーさんですが、結局数々のトラブルをなんとか回避して、やっと撮影体制に入りました。もう0時くらいだったでしょうか。Windyで雲が迫ってくることが予測されていたので、最低限の成果だけでも出るようにと、ピントなどをマニュアルで合わせたのみでまだ不十分でしたが、撮影を開始しました。あ、この時球状星団にはHαは取らなくていいこともアドバイスしました。

最初は3分露光でL10枚とRGBをそれぞれ2枚。この1ターン分の約1時間を実行します。

最初のターンが終わった後にAFを試したら、バッチリV字のグラフが得られ、恒星の径も3.5ピクセルくらいから2.5ピクセルくらいまで改善されたので、少し薄雲が南と西にかかってきたようですが、もう1ターンピントが合った状態で撮影します。

対象が球状星団だったので比較的雲影響がすくなかったので、2時前くらいからさらにもう1ターンの撮影を開始します。この時点で私は眠くなってきて、片付けもすでに終えていたので、午前2時に退散です。

3時頃には自宅に到着して、後片付けは朝にやることにして、そのままベッドですぐに眠ってしまいました。


まとめ

電視観望はうまくいかずに残念でしたが、かんたろうさんドブでお客さんを楽しませてくれましたし、天体写真カードは好評でした。あんとんシュガーさんも智さんも来てくれて、特にあんとんシュガーさんのトラブルシューティングは実は私にとってはとても楽しいものでした。トラブルの例を知っておくのは私自身のためにもなります。

あと、かんたろうさんとも話していたのですが、天の川が余裕で見えるくらいの場所で定期的な観望会が続けられているこの環境は、日本全体で見てもかなり貴重なのではと思います。スタッフの方は地元なので当たり前の環境みたいでもしかしたらピンと来なかったかもしれませんが、この貴重な観望会が今後も長く続けばと思います。


一連のε130Dテスト撮影で、北アメリカ星雲とペリカン星雲網状星雲と撮ってきました。




今回は3例目で、光軸調整前にもう一つ撮っておいたものです。といっても網状星雲が昇ってくる前の夜の前半で撮るものがないので、春の残りのおとめ座銀河団をお遊びで撮ったというだけです。でも結果だけ見たら流石にすごいことになってたので、記事にまとめておきます。

おとめ座銀河団に関しては、2年前の2021年3月にFS-60CBとEOS 6Dで結構な広角で撮影しています。


さて今回は、2年前の結果をどこまで超えられるでしょうか?


撮影

今回の撮影でのポイントの一つは、カメラがASI6200MMで高解像度になったこと。頑張ってbin1で撮影したので、ピクセルサイズは3.74μmとなり、前回の6Dのピクセルサイズは6.5μmで、6.5/3.75=1.75倍。さらにカラーからモノクロになっているので単純に2倍をかけると一辺3.5倍の解像度になります。面積で見ると14倍なので、ピクセルを14ピクセルで表すことになります。もちろん光学性能の限界やシンチレーションなどから、ここまで差がつくことはないかと思いますが、どこまで光分解のに迫れるのか、少し楽しみです。

撮影画角ですが、前回のFS-60CBの焦点距離370mmに比べて、今回のε130Dは430mmなので、少し画角が小さくなります。前回は南北はM100からM87まで、東西はM90からNGC4216まで入れたのですが、今回はそこまで欲張れません。少し迷ったのですが、今回はM100とNGC4216は諦めました。その代わりにマルカリアンの鎖が画面真ん中に近くなるように、M87のさらに南側を少し入れています。

あ、そういえば初のε130DでのLRGB撮影になります。LRGBフィルターはZWOのものです。高くなく、性能もいいという評判でしたが、実際はどうでしょうか?


これまでの問題点

ε130Dの撮影に関しては、これまで問題点として
  • 北アメリカ星雲では四隅の星像が流れること、BlurXTerminator(BXT)でかなり補正できること
  • 網状星雲で迷光による明暗が残ってしまうこと
などがありました。今回特に、後者を今一度確認してみます。


背景ムラの確認

迷光についてですが、L画像の1枚撮りを見てみます。ABEの4次をかけて、その後オートストレッチをかけたものです。

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背景が何もない銀河団の撮影なのでよく分かりますが、かなりひどい変なムラがあります。

試しに、今回の処理のために撮影したフラットフレームの1枚撮りの画像を、同様にABEの4次をかけ、オートストレッチをしたものがこれです。

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はい、ものの見事に再現できています。フラットは明るい部屋の中で壁に向かって撮影したものです。

最初は撮影時の自宅部屋の電気の明るさがカメラに漏れていったのかと思っていましたが、時間も状況も違うのに出るということは、鏡筒由来でしょうか?これは次の記事で検証しようと思います。


画像処理: 背景ムラ対策

上の画像の背景ムラは共に1枚撮りです。画像処理の際に、多少の背景ムラはフラット補正で消えてくれるのですが、ここまでひどいと完全には消えてくれないようです。例えば、WBPPの後にスタックされたmaster L画像にABEの4次をかけ、オートストレッチしてみてみると、以下のようにどうしても補正しきれない残差成分が残ってしまいます。

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この取りきれない背景のムラを誤魔化すのに、かなり苦労をしました。今回は小さな銀河がメインで、背景に星雲に相当するようなものは(たとえあったとしても)無視するので、DBEをしつこく適用することにします。

一例ですが、以下のようなパラメータで自動でサンプルポイントを割り振り、さらに手動で銀河付近や恒星付近にかかっているものを削除又は移動して除きます。ポイントはsmoothing factorでデフォルトの0.25を0.05にしています。これは2次元のスプライン補完をどこまでスムーズにするかというパラメータで、0にすると最もスムーズに補完してくれるようです。
DBE
実際の打点がこれくらいです。
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例えばRGB画像はスタックしてRGB合成した直後は以下のような画像でした。
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補正された背景はこのようになります。かなりスムーズな除去になっているのがわかると思います。
ABE1_Image10_RGB_crop_backgroundのコピー

出来上がった画像ですが、これくらいまで補正することができました。
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まだ少しリング状のムラが残っていますが、今回は銀河の画像なので後の画像処理で背景を暗くすることで、目立たなくすることができます。

でも分子雲が背景にもくもくしているような画像ではそう簡単にはいかず、前回の網状星雲では同様の形が残ってしまっているのが分かります。
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BXTによる星像ひずみの改善

まだ光軸調整をしていない状態で撮影しているので、今回もこれまで同様に四隅で星像が歪んでしまっています。

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下方向、もしくは右下方向に伸びてしまっています。これまでと同様な伸びなので、再現性はあるようです。

これらの歪みはBlurXTerminator(BXT)のおかげでかなりのレベルで改善されますが、残念ながら一部の伸びてしまった星は二重星のようになってしまいます。

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これは流石に許容範囲外なので、やはり光軸をきちんと直す必要があります。

bin1画像だからでしょうか、BXTによる恒星の縮小がちょっと効きすぎてしまい、星が全体に小さくなりすぎるので、今回は0.05と軽くだけかけました。一部を拡大して見た時に自然な大きさになる程度の大きさです。星雲部の細部出しも効きすぎるので、PSFはオート(数値を大きくするより機器が小さくなる)として、「Sharpen Nonsteller」も0.7と少し抑えました。これで十分な効果がありました。

最後にNoiseXTerminatorをかけ、背景のノイズを落としました。


画像処理結果

テスト撮影ですが、せっかくなので仕上げてみます。bin1のままだと画像サイズが大きすぎてアップロードできないので、一辺を50%に縮小してbin2相当にしています。

「おとめ座銀河団」
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  • 撮影日: 2023年5月15日21時1分-16日0時7分、5月16日21時2分-23時23分、5月17日21時0分-23時6分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D(f430mm、F3.3)
  • フィルター: ZWO LRGB
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f50mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin1、Gain 100、露光時間5分、L: 55枚、R: 11枚、G: 8枚、B: 11枚の計85枚で総露光時間7時間5分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、37枚
  • Flat, Gain100、L: 0.01秒、128枚、RGB: 0.01秒、64枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、0.01秒、256枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

ただし、仕上げたというには問題があることもわかっています。一つは、既に上で説明しましたが、一部の星がBXTで二重星のようになってしまうことです。もう一つは上下でピントにずれがあるため、明るい恒星の光条線が二重になってしまっていることです。

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これもみっともないので許容範囲外です。どう光軸調整するか、最優先事項でやらないと、今後撮影が進まなくなりそうです。

LRGBフィルターに関しては、特にハロなども出なくて、今のところ特に不満は感じません。2インチフィルターは根が張るので、安価なものが使えると助かります。ZWOのLRGBフィルターは見ている限り十分な性能を持っているようです。


Annotation画像

恒例のアノテーションですが、やはり銀河団はこれをやらないと気が済まないですね。すごいことになります。

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一体幾つの銀河があるのか...。宇宙はすごいですね。

でもこれだと流石にちょっと分かりにくいので、PCGを除いたものです。メシエ、NGC、ICまでなのでずいぶんシンプルになるとはいえ、それでも結構な数の銀河です。
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マルカリアンの鎖

このままの大きさで見るだけだと細かすぎて面白くないので、ここから拡大していきます。まずはマルカリアンの鎖。

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過去画像と比較します。上から2017年3月: FS-60Q+EOS 60D2021年3月: FS-60CB+EOS 6D、同画角で切り出した今回のものとなります。

MARKARIAN_edit2

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Markarian

こうやってみると、分解能、恒星、色など格段に進歩しているのがわかると思います。


更なる拡大

もっと変わりやすい比較をしてみます。2021年の時には完全にアラが見えていた、拡大しすぎた画像になります。まずはM99付近です。上が2021年、下が今回です。
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M99


流石に雲泥の差ですね。銀河の分解能もそうですが、特に肥大していない恒星、恒星の色など、前回の拡大画像はは出すのを憚られましたが、今回は十分に見ることができます。ここまで拡大しても破綻しないのはε130DとASI6200MM Proの分解の、さらにBXTの効果もあるかと思います。というか、ここまで出ていいのでしょうか?すごいです。

ついでにですが、前回はどうしてもできなかったAnnotationが今回は素直に通りました。恒星の写りが良くなったからでしょうか?これだけ見てても楽しいです。
M99_Annotated

最後、M88とM91回りの拡大です。同じく上が2021年で、下が今回です。こちらも分解能が格段に上がっているのがよく分かります。
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M88_M91

Annotationです。
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まとめ

まだまだ光軸調整など問題も残っていますが、ε130Dのポテンシャルを十分に感じることのできる結果でした。BXTの効果もありますが、それでもここまで拡大しても恒星が十分鋭く写っているのはすごいと思います。

とりあえず、今回でテスト撮影は終わりです。とにかく早く光軸問題と、背景ムラ問題をなんとかして、早く本番撮影を迎えたいです。

2023年もいよいよ星まつりシーズンの始まりです。昨年から6月に移った福島の星まつり。今年は6月2日(金)から4日(日)の開催です。私は2日目の土曜日から参加。でも今回参加するかどうか散々迷っていました。いちばんの理由は最近ちょっと忙しいからなのですが、それに加えて台風が心配でした。北陸地方から福島に行くのは大丈夫なのですが、で太平洋側の状況がひどいみたいで高速道路もかなり通行止めのようです。関東勢が来ないと、そもそも人が来ないのではという心配もありました。どうしようかぎりぎりまで迷っていたのですが、今回は4人の人に会いたいと思っていたので、それを目標に星まつりに行くことを決めました。


出発直前までグダグダと悩む

一応準備は金曜の夜からしています。土曜日の午後からは晴れの予報であること、今回の星まつりは満月と重なることを考慮し、機材は太陽セットと電視観望のみにして撮影はしないこととしました。なので量的には大したことはないです。まだ行くかどうか決心していなかった金曜21時、とりあえず早めに寝ておきます。でも実際に寝られたのは多分22時過ぎ。でもなぜか0時に目が覚めてしまい、その後寝られなかったので、とりあえず車に荷物を詰め込んでシャワーまで浴びていつでも出れるようにします。あと少し寝ておこうと思ってソファでウトウトまではするのですが、結局どうしても眠れなくて気づくと午前3時。荷物詰め込みの時から雨も全然大したことなかったので、ここでやっと決断して自宅を出ました。

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道中の高速でちょっと眠たかったですが、運転自体は極めて順調でした。途中2度ほどサービスエリアで休憩します。例年の新潟手前の黒崎SAのすごく気さくなスタバですが、今回もSAには寄ったのですが通過時間が朝の6時頃と店が空いていませんでした。今年もお姉さんとお話ししたかった...。8月の胎内の前にも寄ることにしよう。

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朝早すぎて開いてなかった黒崎SAのスターバックス。

8時半前にはETC専用の田村インターを降りて下道を10kmほど走ります。最後の山に登る前に、ガソリンを入れコンビニで買い出しです。ガソリンはもし夜に会場を立つ場合に備えて、店が空いている明るいうちに満タンにしておきます。コンビニでは万が一キッチンカーにあり付けない場合も想定して、少し多めに食料を買い込みます。複数日にまたがる場合はクーラーボックスも持っていくようにしているので、ここで氷を買って補充しておきます。まだそこまで暑くないので、1日くらいなら持つでしょう。


会場到着

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会場に到着したのは朝8時半過ぎくらいだったでしょうか、駐車場に到着して早速、会いたかった4人のうちの一人と会うことができました。陣馬写真工業のHBさんです。HBさんは学生時代の私の先輩にあたる方です。今回もかなり話し込ませて頂きました。

早速HBさんと少しだけ会場を回りましたが、まだ9時前なので開いているブースはわずか数件です。

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国際光器はいつもの朝イチ営業で、早速48mmのBaaderのSIIフィルターのB級品をゲットしました。国際光器はチェックがかなり厳しいので、B級品といっても私の撮影レベルでは全く問題なく、むしろお値打ちなのがありがたいです。今回も通常価格との差額だけで往復交通費の半分を節約できてしまいます。まあ、買い物をしている分だけお金は出ていっているので「節約?いったい何を言ってるんだ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いつか絶対買うものならば得なのです...。多分...。

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昨晩はほとんど寝られなかったので、この時点でかなりの眠気。HBさんも「寝るなら今のタイミングが一番かも」と言ってくれたので、一旦車に戻って寝ます。でも遠足前のワクワクと同じで、眠いのに全然寝られません。結局少しウトウトしただけで、10時頃に再び会場に。もうブースもかなり開いてきたので、気を取り直して早速ブース周りです。


ブース廻り

今回の目玉はなんと言ってもZWOのSeeStarでしょうか。ZWO製品を扱うKYOEIさんにも、星見屋さんにも置いてありました。残念ながら事前情報の通り電源を入れることはできないとのことでしたが、持ち上げてみることもでき、大きさや重さがよくわかりました。星見屋さんによると「試用版」とのことで、まだ製品版は変わる可能性はゼロではないとのことです。値段がこれまでの同様な一体型の機器に比べ、格段に安くなっているのでこれは相当な人気になるかと思います。日本だけでなく、世界的にかなりの数が出回るはずで、きちんとZWOから出荷されるのかまだ予断を許さないとのことだそうです。SeeStar人気で天文人口が増えてくれればと思います。

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こっちはKYOEIさんのSeeStar。

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こっちは星見屋さんのSeeStar。

Vixenは2月のCP+でのブースと同じく、VSDとアイピース差し込みタイプのファインダーが展示されていました。いつも福島で会うことができるI君は今回きていないとのこと。新しいファインダーもI君のアイデアとのことなので、直接会って話をしたかったです。残念。

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外山電子ブースではHBさんの皆既日食の写真が。これまで全く見たことないようなものすごい解像度のコロナ(病気の方ではなく、元の意味での太陽コロナのことです)です。今月号の天文ガイドに掲載されるそうなので、皆さんぜひとも買って読んでみてください。

同じ外山電子ブースに、これもHBさんの出品とのことですが、NJPが置いてありました。陣馬写真工業ではピリオディックモーションを直接測定する業務用の機器を開発販売しているのですが、これで測定した実測値がなんと3秒台前半で、NJPの中でも飛び抜けて精度が出ているとのことです。でも値付けもかなり飛び抜けていて、結局最後まで売れ残ってしまったとのことです。

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今回のブース巡り、話ばっかりしていてほとんど写真撮ってませんでした。例えば、星見屋では店長とHBさんとで若者のパスポート所持率と、自宅に星を見るための望遠鏡がある率をめぐってずっと話し込んでました。驚くことにこれ、両方とも17%とのこと。高いか低いかよくわかりませんが、星見屋店長が「これだったらもっと天文人口増やせるはず」と密かな野望を抱いているようでした。

アストロアーツでは星ナビのネタについて編集長と長話です。もしかしたらこのブログか少しだけ関連する記事がいつか出るかもしれません。

ブース廻りの戦利品は、まずはなんと言っても300円双眼鏡です。「ジャンク、カビあり」とか書いてましたが、全然許容範囲でその時点で7倍、12倍、20倍(?)と3台あったうちの7倍のものを手に入れました。

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もう一つは鏡筒カバーです。ε130用のものを袋なしで安く売ってもらいました。手作りで作る予定なのですが、それまでの繋ぎと予備でちょうどいいかと思いました。

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ε130情報

そういえばε130でHBさんから重要な情報を聞くことができました。回転装置を90度、180度、270度と変えると星像が変わるのは、回転装置廻りの精度の問題で、既知のεの一般的な問題の一つとのことです。なので、回転を固定して使うか、シムをどうにかして組み込んで調節するなどの必要があるとのことです。シムも入れる場所は確定しているわけでもなく、どこで精度が出てないかを見極めて決める必要があるみたいです。ツワモノのHBさんは、旋盤で接触面を削って精度を出したとか。動画を見せてもらいましたが、旋盤の回転でマイクロメーターの表示が周期的に動いていました。私は流石にここまでできないので、シムでなんとかならないか探ってみるつもりです。

もう一つε130の情報で、明るさのムラがどうしてもできてしまうそうです。前回見せた中心の暗くなるの(これはフードで解決できそう)とは違い、網状星雲の右片側にある三日月状の暗部はその典型だとのことです。原因ははっきりとはわかっていなくて、これはもうこんなもんだと思うのがいいのかもしれないとのこと。ちょうど悩んでいたところだったので、このことが聞けただけでも星まつりに来た甲斐がありました。

もちろんこれらの情報は自分では確かめていないので、実際本当かどうかはわかりませんが、こう言った意見もあるということを考慮して、今後の光軸調整や漏れ光問題に取り組んでいきたいと思います。


いろいろご馳走に

駐車場に戻ると、栃木のグループの方(多分)からお誘いがあり、焼き餃子とスパゲティーを頂きました。以前も子供と一緒にアヒージョを頂くなど、毎回美味しいものをご馳走になっています。毎回どこのグループか聞いていると思うのですが、いろんなグループの人がいるとのことで気にしなくていいと言われました。2017年だったと思いますが、ここ福島でお会いしてた柏で望遠鏡のある学習塾を開いているKさんもこのグループにいるらしく、間も無く到着とのこと。結局Kさんと話すことはできませんでしたが、夜の講演会で顔だけ確認することができ、Kさんも気付いているようでした。ここではさらに焼酎を頂いて、お酒にあまり強くない私は結構酔っ払ってしまいました。

ここだけでなく、夜にも2019年の胎内で知り合ったたつさわさんから誘われて、ポークウインナーをごちそうになりました。XRAYさんやyagiさんもいて、ぐらすのすちさんにはとても美味しいコーヒーをご馳走になりました。ぐらすのすちさんとは星見屋さんで2ショットで撮ってもらいました。

今回自分で用意したのはコンビニのサンドイッチとかがほとんどだったので、とても美味しくいただけました。どうもありがとうございました。


大抽選会から、一連のイベント

そんなこんなで、午後3時から大抽選会が始まりました。今回は番号のついた小さな札が受付をした人全員に配られ、希望の地元の名産品の前の箱に入れてくじ引きが始まります。

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残念ながら当たりませんでしたが、ここで外れても次の天文関連用品のチャンスがあります。天文関連の1位はVixenさん提供のPORTA IIなので、かなり豪華です。私はSVBONYさん提供のTシャツが当たりました。

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突然の講演

今回お会いしたかった4人のうち、一人は国立天文台の渡部先生。もう一人がKYOEIのMさんです。

まず、この星まつりの一番の目玉イベントの渡部先生の講演ですが、どうしても先生がご都合で来られなくなってしまたということで、代理の方の講演となってしまいました。

さらにKYOEIのMさんが電視観望の話をすることになっていたのですが、Mさんも体調不良で現地に来ることができず「講演は中止です」というアナウンスが流れました。

渡部先生の講演も、電視観望の講演も、それを楽しみに遠くから来ている方も多いのかと思います。そこでKYOEIの方と相談し、運営の台長と副台長にも相談して、せっかくの機会なので私でよければ電視観望の話をしましょうかという話をしました。運営の方々のとても柔軟な対応で、それでは電視観望講演急遽やりましょうということになりました。実際に決定したのが17時頃、講演は18時からです。スライドで話すので、場所を建物内の60インチ程度の大型モニターが置いてある所としました。すぐに接続テストと、ここからスライドの準備です。この時点で17時半、時間的にはかなり厳しかったのですが、ちょうどつい先週に天教で電視観望について話しています。そのスライドを一部手直しして話すことにしました。一部関係の薄いスライドを消し、タイトルやフッターなどを変更し、10分くらいでなんとか形にすることができました。というより、アナウンスが何度か入って17時40分ですでにお客さんが集まってきてしまい、講演前の雑談や質問コーナーになっていました。

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スライド準備中の様子。
右に写っているのが、新型のACUTERのTRAVERS。
これについては別記事で詳しく書きます。 

18時少し前にはすでに座席は一杯で、かなりの数の立ち見の方が。司会の方の紹介で講演が始まりましたが、途中もさらに人数が増えているようです。マイクとスピーカーは使いましたが、画面が見にくかった方もいるかもしれません。突然のことで準備不足なところもあり申し訳なかったと思います。

講演自体は先週にも話しているので、ギリギリの準備にもかかわらず特に問題なく進みました。初心者の方も、かなりマニアの方もいたかと思います。前半は電視観望の一般的な話、中頃は初心者に向けての機材やソフトの話、最後の方は電視観望経験者に向けて観望会でのテクニックなどです。ちょうど1時間くらいで、すごい人数が来てくれて、実際かなり盛り上がったと思います。講演後の質問も多く出ました。講演を聞かれた方は、よろしければぜひ参考にしていただければと思います。

この頃には少し空も晴れてきていて、月が見えたりしていました。夜も期待していたのですが、少し晴れたのはほとんどこの時だけだったようです。

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電視観望の講演後、天文ガイド編集長と話すことができました。最後の4人目の今回会いたかった人です。昨年電視観望で天文ガイドに何度か掲載していただいたのですが、直接お会いして話をすることができました。

その後19時半からコンサートがありました。アンコールも出て盛り上がっていました。
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午後8時から渡部先生の講演の代わりのトークです。天文の話ということで重力波についてでした。私はちょっと忙しくて?聞くことはできませんでしたが、話はかなり面白かったという評判で、質問もたくさん出ていて十分盛り上がったようです。地元出身の渡部先生の代わりというので、かなりのプレッシャーになるかと思いますが、なんとか代役を果たしたようです。

その後はさらに台長の呼びかけで、サプライズでオークション大会が始まりました。私はその頃には駐車場でXRAYさん達と双眼鏡を見比べさせてもらったりで参加はできませんでしたが、スピーカーからは盛り上がっている声が聞こえていました。時折雲間から月が出ていましたが、あとは金星が見えていたくらいで、ほとんどの時間は曇っていました。


最後に晴れた、電視観望だ!

今回、当初は土曜夜には晴れる予報だったのですが、結局ほとんどの時間で空は雲に大部分覆われていました。21時頃でしょうか、再び会場に行くともう片付けがはじまっていました。曇っているので各店舗ブースも観望を諦めたみたいです。でもこれがまた天文あるあるで、片付けが終わりに近づくにつれ星が見えてきます。これならと、ミニ電視観望セットのお披露目と星座ビノ見比べ会を開催です!

ACUTERのTRAVERSはミニAZ-GTiとも言うべきもので、つい何日か前にサイトロンさんから製品バージョンが完成したので、是非試してみてくださいと送られてきたものです。今回はFMA135と組み合わせています。今回詳しくは書かずに、別途独立した記事で書こうと思っていますが、初操作にもかかわらずノートラブルで導入までできました。

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(写真はyagiさん提供)

その時視えた北アメリカ星雲です。
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淡いですが、網状星雲。
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電視観望自身は導入も含めてうまくいったのですが、なんか出てくる星雲が淡いのです。でもよく考えたらそれもそのはずで、この日は満月です。月が建物の影になっていたので、直接の明るさが気にならなかったのですが、実際の空は相当の明るさだったはずです。


星座びの見比べ会

電視観望よりも「星座ビノ見比べ会」が異常に盛り上がりました。せっかくだからと手持ちの星座ビノ10個ほどを全部放出したら、来た人来た人みんなから変態呼ばわりで、ひどいもんです(笑)。

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(写真はyagiさん提供)


やっぱりNikonとSuperWide BINO36が人気でした。途中からNikonテレコンを利用した星座ビノの制作者の上板2丁目さんが来てくれました。というよりも、今回は元々上板2丁目さんから「今日見比べ会やりませんか?」とか呼びかけがあったイベントです。特に時間とか決めていなかったのですが、天気が悪かったのでもう帰ってしまったのかと心配していました。

上板さん、なんと今回は新作の星座ビノを片手に参戦です。1.4倍の2段が重ねのものや、小海で見せていただいたCarl Zeissも覗かせていただきました。中でも面白かったのが、本当の意味でのワイドビノで、倍率なんと0.6倍だそうで、視野が自分の目よりも広がる全く逆のコンセプトのものです。なんでも流星群観察に活躍するとのことで、さすがアイデアマンの上板さんです。今回これをしばらく貸していただいたので、流星群の時に使わせていただこうと思います。これを使ってトップカウントを狙います。


楽しかった星まつり

電視観望も星座ビノ見比べ会も、時間が経つにつれかなり寒くなってきて、徐々に流れ解散モードになってきました。私も撤収を始め、昨日からの寝不足もあってか、さすがに疲れ果ててしまいました。車に帰ったらちょうど0時頃。途中、M101の超新星を眼視するとかも誘われたのですが、猛烈な眠気で、そのまま寝てしまいました。その後、午前3時頃に目が覚めてメールなどチェックしたのですが、少し急用ができてしまったことがわかりました。まだ後ろ髪をひかれましたが、そのまま車を発進させ富山に向かうことにしました。台長、副題長始め、皆さんに挨拶できなかったことが心残りです。


戦利品

最後にいつものように戦利品です。

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あと、以下のセットは講演のお礼にといただいたものです。夏のお祭り観望会での景品などにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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まとめ

今回、そもそも参加できるかどうかもわからなかった星まつり。蓋を開けてみたら、十分すぎるほど楽しむことができました。突然の講演も大変でしたが、それを上回る反応があり、私自身とても楽しむことができました。微力ながらも今回の星まつりの盛り上がりに貢献できていればと思います。

星を初めて7年ですが、その間にも星まつりは徐々に形態を変えています。それに伴う運営も相当に大変かと思います。スタッフの皆様にはどれだけ感謝してもしきれません。最後に挨拶できず申し訳なかったのですが、本当にありがとうございました。この星まつりが、今後もずっと続くことを願って止みません。

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