ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2021年04月

今回は、Mちゃん自宅に来るシリーズの第3段です。




4月27日の日曜の朝、曇ってはいるものの、予報では夕方くらいから晴れるみたいなので、Mちゃんに声をかけました。実は土曜も誘ったのですが、どこかの天文台でオンラインの講義があるとかで忙しいみたいでした。じゃあ次は連休中でいいかと思ってたのですが、MILTOLを試すのなら月が見える方がいいと思い、まだ満月前なので昨日の今日ですが声をかけてみました。電話口で既にMちゃんの喜んでいる声が聞こえてきましたが、午後からお母様が用事があるとのことで、昼頃に自宅に来て、今回はなんとMちゃん一人で夜まで居ることになりました。さて、どうなることやら。


到着

13時過ぎ、お母さんとやってきたMちゃん。まず最初に手渡されたのが、大きなロールケーキでした。手ぶらできてくださいと伝えてはあるのですが、気を使ってくれたのでしょう。Mちゃんのおうちはケーキ屋さんで、聞いたらなんとお母さんの方がお店をやっているとのこと。そういえばお父さんは建築関係と言っていたことを思い出しました。実は私、甘いものには目がなく、後でみんなで食べたのですが、フルーツたっぷりの、それはそれは美味しいロールケーキでした。

次に出てきたのは、アイピースやMILTOLのケースとともに、赤道儀が入った大きな箱でした。車のトランクに積むようなケースで、三脚も入っているとのこと。荷物だけ運んだら、全然気兼ねない様子でお母さんにバイバーイとしていたので、一人でいても全く大丈夫そうでした。

今日やりたいことは、
  1. 何か質問があるというのでそれを考えること
  2. MILTOLの改造
  3. 赤道儀を使いこなすこと
  4. 時間があれば天リフの中継を見ること
です。


課題の確認

まず最初にやったことは昨日聞いていたというオンラインの講義の課題でした。小学生向けにしてはえらい難しいなと思いましたが、ほとんど出来ています。「考えてみたけど、どうしても迷ったところがある」というので聞いてみたのですが、それも十分きちんと考えていて、特に何も言うことがないくらいでした。まだ途中でやっていないところもあったのですが、まずは自分でやるとのこと。とてもいい心がけだと思います。「また分からないことがあったら、次回聞く」とのことでした。


MILTOL改造

次はMILTOLの改造の続きです。

ファインダー:
聞いてみると、何回か自分で使ってみたようです。多分科学博物館での観望会でしょう、ファインダーは県天のKさん(家の前の人)につけてもらったみたいで、塩ビ管をうまく加工して、台座をつけてくれてました。そこにポルタのファインダーを付ければいいみたいで、十分かと思います。


カメラ接続:
今回はカメラへのアダプターをZWOのものからAmazonで見つけたノーブランドのT2-31.7mmアイピース変換のものにしました。



SVBONYでも同様のものがありましたが、こちらの方が安かったです。これまではT2ネジでASI224MCを固定していましたが、これでカメラの先にアイピース と同じ径のノーズを付けることができます。そうすると、将来アメリカンサイズのQBPとかを取り付けることができるようになります。でもアメリカンサイズのQBPでも小学生にとっては非常に高価なものになります。「サンタさんを信じて待とう」ということになりました。


アリガタ固定:
アリガタとのMILTOLの固定ネジは一本のままだったので、今回2本固定にするように改造します。どうもお父さんがネジで固定しようとしてくれたみたいでしたが、そもそもMILTOLのネジ穴がインチ規格です。インチのキャップネジを渡しておいたのですが、そもそもインチ規格の六角レンチがなかったようで、マイナスドライバーで締めることができるネジに代わっていました。聞いたら、お父さんネジの入手もかなり苦労していたみたいです。建築関係とのことなので、ネジは詳しいとのことですが、インチ規格は結構大変です。なので今回のもう一つの穴はM6ネジにします。

この日にやったことは、MILTOLの台座の既存の穴にM6のタップを切ること、そこのネジ穴に合わせるように、前回取り付けたアリガタに穴を開けることです。

まず、MILTOL台座の穴の位置に合わせて、アリガタの真ん中らへんの穴を開けたい位置に、マーキングと、センターポンチで位置決めをします。当然、Mちゃんに全部やってもらいます。マーキングは最初定規でやってもらいましたが、いい機会なのでノギスを使ってもらいました。ネジの径とかも測るので、ノギスで精度よく測る方法を学んでもらいました。ドリル穴の実際の位置決めのセンターポンチはバネ式のバチンとかやって打つやつで、しかも小学生の女の子の力だと結構大変そうで、頭を近づけたところで大きな音とともに跳ね返ってきたので、かなりびっくりしてました。ドリルでの穴あけは前回もやってもらったのでいいのですが、最初細いドリルで、段階を追ってM6まで開けてもらいました。太いドリルになるとちょっと怖そうにしてましたが、回転数を落とし、持ち方をしっかりしてもらうことで、基本全部自分で空けてもらいました。

MILTOLの台座の方は、タップ切りです。こちらもM5の下穴を開けて(これはバイスに固定できなかったので、私が手持ちで空けました)、そこにM6のタップでねじ山を切ります。最初大変そうなので私がやろうと思ってたら「やりたい」と言い出すので、どうぞどうぞと渡しました。垂直に立ててやるのはほぼ問題なし。タップを回すのが固いので少し躊躇してましたが「たまに戻しながらやるんだよ」というので、徐々に進んでいき、無事に下まで貫通しスルスル回るようになりました。戻すときに引っ掛けないように気をつけながらタップを外し、ネジがきちんと嵌ることを確認します。

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あまり写真を撮ってなかったのですが、
これはその中の数少ない一枚で、タップ切りの最中のものです。
塩ビ菅と、ファインダーの台座も少し見えますね。 

これで準備完了。アリガタをMILTOLの台座に、一つは1/4インチネジ、もう一つはM6ネジで固定します。最初の寸法採りが良かったのでしょう。特に修正することもなく、うまく取り付けることができました!


休憩

ここで一旦休憩。お腹が空いたみたいで、持ってきたお弁当を広げてます。宙のまにまにを持ってきたら、お弁当を食べながら夢中になって読んでました。宙のまにまには、天文ファンならご存知の方も多いと思います。高校の天文部の話で、基本ラブコメなのですが、星ネタが満載で、その中で使われた望遠鏡のモデルと言われているPENTAX75SDHFは一時期本気で欲しいと思っていました。

Mちゃんは、一度入り込むとほとんど周りの声が聞こえないみたいで、私もその間に自分のことをやってました。お弁当もそこそこに、1巻を読み終えたので「返してくれるなら持って帰っていいよ」と言っておいたのですが、コミックは鬼滅の刃全巻以降買わないとの約束があるらしいです。迷ってたみたいですが、判断は任せました。

私もお腹が空いてきて、カップ焼きそばを平らげてしまいました。


赤道儀

この時点でもう16時過ぎくらいでしょうか。次にやったことが赤道儀の動作確認です。赤道儀をプラスチックケースの中から出して、玄関で組み立ててみます。

まずは先ほどのMILTOLを赤道儀に取り付けてみます。ところがここで問題発生。赤道儀自身はVixenのSPなのですが、そこにアリガタを取り付けられるように、Vixenで売っているアリミゾを取り付けてあります。でも今回のアリガタが少し幅が狭かったようで、そのアリミゾについているネジが短すぎて届かず、固定できません。仕方ないのでM8の長めのキャップネジに付け替え、ついでに落下防止のねじ穴にM6のキャップネジをさしておきました。アリガタに切り欠きが入ってないので落下防止にはならないですが、普通のキャップネジを手で締めることになるので、もう一本ネジがあれば多少補助にはなるでしょう。

次に困ったのが、ウェイトでした。落下防止ネジがついてないのです。とりあえず手持ちの大きめのワッシャーとM8ネジで、簡易的な落下防止リングを作ることにしました。というのは、ワッシャーの穴がM6用でM8ネジが通らなかったので、穴を広げる加工が必要だったからです。はめてみると、手持ちのM8ネジだったので少し長くて取り付けが面倒とかありましたが、少なくともウェイトのネジが緩んでていても最後で止まって、落ちるようなことは無くなりました。

電池ボックスと、コントローラーをケーブルでモーターに繋げて動作確認をします。コントローラーのボタンを押すと、モーターシャフトは回っているので大丈夫そうです。が、そもそもモーターがー回っていても赤道儀が動いているかどうか分からなかったみたいです。そう、赤道儀はギヤ比がものすごく大きいので、本当に動いているかどうか分からないんですよね。まず、モーターをx32の高速回転をさせて、メモリ環のところをじっとみててもらい、やっと動いていることを確認してもらいました。次に等倍にして、カチカチ音が鳴っていることで、きちんと動いていることを実感してももらいました。


極軸の精度について

さて、この時点で18時前くらい。ここで空を見てみますが、まだまだ雲が厚く月は見えそうにもありません。ちょっと時間があるので、今回もう一つ理解して欲しかった、極軸についてです。

まず、赤緯については赤道儀に目盛りがついているので、富山なら36度から37度に合わせます。次に北向きですが、これをどう合わせればいいかあまりわかっていないみたいでした。方位磁針の磁北が、天の真北とずれるということは知っていました。調べてみると7度ほど「も」ずれていることが分かりました。7度が大きなズレということは実感しているみたいです。

ちなみに、iPhoneのコンパスは、表示を「磁北」か、補正した「真北」かを選べるので楽ですね。

基本的には北極星の位置に合わせればいいのですが、これも40分角くらいのズレがあるそうです。じゃあ、この40分のずれって、どれくらいのものなのでしょうか?これを理解してもらいたいのです。

基本は以前記事にも書いた

の話なのですが、これを小学生にもわかるように噛み砕きます。

  • まずは基本、もし赤道儀の赤経体の回転軸の向きが、極軸から1度上にずれていたら?
東の空を見たときに、星が進む方向に比べて、望遠鏡の視野は時間が経つと南側にずれていきます。これを天球を想像しながら手で指し示して理解してもらいます。なので、実際に望遠鏡をのぞいていると、星は左(北方向)にずれていきますね。

  • 次に、もし赤道儀の赤経体の回転軸の向きが、極軸から1度右(東方向)にずれていたら?
南の空を見たときに、星が進む方向に比べて、望遠鏡の視野は時間が経つと下(地上方向)側にずれていきます。これも天球を想像しながら手で指し示して理解してもらいます。実際に望遠鏡をのぞいていると、星は上にずれていきますね。

ここまではよく理解できたようでした。次はMちゃんへのクイズです。

  • もし赤道儀の赤経体の回転軸の向きが、極軸から1度東にずれていたら、東の空を見たときに、星が進む方向に比べて、望遠鏡の視野は時間が経つとどの方向にずれていくか?

これはひっかけ問題みたいで、なかなか難しいです。Mちゃん、しばらくの間ものすごく考えているみたいでした。でも結局超えたにはたどりつかづ「星と視野の動きは平行になるので動かない」と説明すると、なるほどと納得したようでした。やはりきちんと考えようと色々頭を使うと、答えを聞いたときもきちんと納得できるようです。


ずれを定量的に見積もって実感してみよう

少なくとも、極軸がある方向にずれると、視野から星がある方向にずれていくということは定性的には理解できたみたいです。じゃあ、実際どれくらいの極軸のずれで、どれくらい星が逃げていくのかという定量的な理解をして欲しいのです。

とりあえず、赤経体の軸が極軸から北に1度ずれているとしましょう。そうすると、実際の星と視野が1度の角度を持ってずれていくということはすぐに理解できました。1時間に星は15度進むということも当然知っていました。なので、半径15度で内角1度の扇型の弧の長さを求めればいいということはすぐに思いついたようです。とても勘のいい子です。

円周の長さを求めるのは学校で習ったはず。円をたどると1回転で360度ということも知っている。なのですぐに計算を始め出しました。でも半径なのに15「度」というのがややこしかったようです。「じゃあ、度じゃなくてm(メートル)」にしてしまったら?」というと、またすぐに計算が進み出し、答えが0.26メートルと出ました。今、メートルには意味はなく、度にすればいいので、答えは0.26度です。

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でもこの0.26度という大きさ自体の価値がよくわかりません。なので、今度はポルタで見ている視野角を求めてもらいました。ポルタの焦点距離は910mmです。面倒なので1000mmとしてしましましょう。ここに焦点距離10mmのアイピースをつけます。倍率は100倍です。この視野角はMちゃんも普段よくポルタを見ているので感覚的にわかります。

倍率が100倍というのを視野角に置き換えます。人間の目が顔の前面、すなわち180度を見ていると仮定します。倍率2倍はそれの半分、90度を見ることができます。倍率10倍は18度を見ることができます。ということは100倍というのは1.8度を見ることができると考えます。

面倒なので先の0.26度を0.25度、1.8度を1.75度として計算してみましょう。極軸1度のズレで、1.75度の視野に見える星が、1時間経つと0.25度ずれるので、0.25/1.75 = 1/7と、視野の7分の1ずれることになります。例えば極軸から5度ずれていたらそれの5倍なので、1時間で視野の7分の5がずれていき、最初に見ていた星のほとんどは逃げてしまいます。

ではここでさらに、赤道儀でなく経緯台で考えてみます。視野は1.75度と同じとして、経緯台でみた時は追いかけることも何もしないので、星のずれは天球の動きと同じ1時間で15度です。この時どれくらいの速さで星が視野から逃げていくかという問題です。1.75度は面倒なのでもう1.5度としてしまいましょう。すると、1.5/15=0.1時間、すなわち6分間で視野の端にあった星が反対側の視野にきてしまいます。経緯台をずっと使ってきたMちゃんにとってもこの「6分で視野から逃げていく」という計算結果は実感としてかなり納得だったみたいです。

途中、みんなでケーキを食べました。「自宅がケーキ屋さんだと食べ放題でいいね」とか、好き勝手なことを言ってましたが、太るので普段はほとんど食べないそうです。6年生だともうお年頃ですね。うちの家族は「おいしいおいしい」と言って、パクパク食べてました。楽しいひと時です。

さて結論としては、赤道儀の極軸合わせの精度は5度くらいずれても経緯台よりははるかに逃げていかないことがわかったので「赤道儀は北極星のある方向に適当にどんとおいてやればいいでしょう」ということになります。撮影をしない限り、眼視や電視観望ではこれで十分だと思います。

と、ここらへんの計算をかなり実感してもらって、今回わかったことを自分でノートにまとめてもらいました。私はその間に、天リフ中継を見る準備です。


天リフ中継

20時ちょうど、まだMちゃんはノートをまとめていたみたいですが、時間なので「始まるよー」と呼んで、しばらく出演者の写真を見ることに。Youtubeの映像を50インチのテレビに映し出して大画面で見ます。かずーさんの山の頂上へ登っていく光の列を見てMちゃんが「きれーい!」と感嘆の声をあげていました。

どうも写真も撮ってみたいようで、カメラのことを少し話しました。カメラは1台X5が余っているので、またそのうち貸してあげようと思います。しばらく中継を見ていたのですが、20時半過ぎくらいでしょうか、外を見ると雲が少なくなってきて少し月が出始めています。


月を見てみる

次の日は月曜で学校なので、あまり遅くなるのもよくありません。天リフの中継は後でも見えるからと、ぱっとここで切り替えて、せっかくなのでセットアップした赤道儀を試すことにしました。外に出た直後はまだ月に雲がかかって淡くしか見えてませんでした。時間もないのでCMOSカメラではなく、MILTOLにアイピースをつけての月の観望です。

まずは今回学んだように赤道儀を北向きにどんと置きます。次にクランプを緩めてある程度MILTOLを月の方向に向けます。今回はファインダーもついているので導入は比較的簡単です。モーターがきちんと回転することも確かめて、微調整をコントローラーで行います。途中「片方動かない!」とか叫んでましたが、ケーブルの差込みが不十分なだけでした。ここらへんもきちんと自分でチェックできるみたいです。

月が視野に入って、アイピースで見たときの一言目が「明るーい!」でした。10mmのアイピース なので、MILTOLだと20倍、小さいですが満月前なのでかなり明るく見えるはずです。あ、ピントを合わせるのに少し苦労しました。天頂プリズムは長すぎるし、アイピース だけだと短すぎます。なので、少しアイピースを抜き出すようにして固定してピントを出しました。

程なくしてお母さんの迎えの車が入ってきました。Mちゃん、早速お母さんに「見て見て!」と自慢げに覗いてもらっていました。21時過ぎ、赤道儀を全部最初にあったケースの中に入れ、MILTOLも箱にしまい、計算のメモなんかも全部後片付けをして、お土産の本(本?コミック?)を何冊か持っていって今日は終了です。とても楽しかったみたいで、何度もお礼を言ってくれました。「今度は月のない暗い時に銀河を見てみよう」と次回の約束をして、帰っていきました。

この日は午後から夜までずっとMちゃんに付き合ってたことになりますが、私自身とても楽しい時間でした。また遊びに来てくれるといいなぁ。


週末の土日の天気の予報はあまり良くなかったので諦めていたのですが、土曜日は意外なほど天気が良く、太陽もそこそこ出ていました。最近黒点が結構出ているとのことなので、久しぶりに太陽撮影となりました。

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といっても午前中は週末のコメダ珈琲にいってたりで、14時頃からのんびり準備を始めました。さすがに4月も後半となってくると14時、15時でも十分に日が高くて助かります。


黒点

最近太陽もまた活発になってきているようで、光球面も彩層面も賑やかに感じます。今回のメインの黒点です。

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擬似カラー版です。
15_02_44_lapl4_ap2482_IP._cut_color


この黒点には2818という番号がついています。

番号についてはこのページがわかりやすいです。


どうやらこの2818ですが、次の25日には新しい番号2820というのがついて、2つの黒点とされたようです。

こちらは少し前に出た2816です。黒点は小さいですが、プラージュが長く出てます。
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シンチレーションがそこまで悪くなかったので、両方とも中心部はそこそこ解像度が出てます。その一方、周辺はボケてしまっていて不満になってきました。


プロミネンス

続いてプロミネンスです。見栄えがいいのを3つです。

最初のですが、大きい割になんかのぺーっとしています。これは濃いからなんでしょうか?他のに比べて圧倒的に目立ってました。
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あとふたつは、もう少し淡いものです。
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撮影データです。
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.0beta (64bit)
  • 撮影時間: 2021/4/24 14:45-14:49 gain 100-120, 2.5ms x 500 or 1000フレーム中上位75%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、Registaxで細部出し、PhotoshopCCで後処理

カメラセンサーのゴミがひどくて、カットしたたり、誤魔化してます。この間センサー面を暴露する必要があり、その時にホコリがついてしまったようです。一度気合を入れてクリーニングする必要があります。


色々反省

太陽は星雲などと違い、機材さえ揃ってれば短時間で撮影できてしまいます。なので意外に多数のショットを撮影してしまいます。しかも画像処理をしてみないと細部まで出ているか、わかりにくいことが多々あります。

今撮影したファイルを見直してみたのですが、撮影時間は14時45分から15時15分。雲があったりで途中少し休んでいるのですが、それを引いたらわずか20分くらいです。その間に10ショット撮って、ここに載せたのが5ショット。結局雲で撮影も終了となりましたが、クリーニングなども含めて、画像処理もある程度その場でやって判断し、撮影にフィードバックするなどもっと落ち着いて撮影すべきかもしれません。

パラメータとしては、シンチレーション、ピント、エタロンの調整、センサー面のゴミです。撮影している時は(外が明るくて画面が見にくいとかもあり)意外に分からなくて、画像処理をして「あー、ここがダメだった」というようなことがよくあります。1枚撮影してシンチレーションがダメならすっぱり諦める、良ければピントとエタロン調整をやり込む。ゴミは出てたら必ず清掃とかです。

もっと時間をかけて撮影してもいいかもしれませんが、休日で雲がない快晴もなかなかないので、いざ雲ひとつない晴れだと、アニメとか撮影したくなってしまいます。なかなか難しいです。

C8での撮影も既に何度か試していますが、徐々に不満も出てきました。分解能は出るけれども、全体像が撮影できないとかもそうです。もう少しテコ入れするかもしれません。

 

これまでラッキーイメージで分解能を出そうと、露光時間を300秒と10秒で比較してきました。確かに星像を見ると、ほんの少し良くなってはいますが、30分の1の露光時間にしては、改善度合いがあまりに小さすぎる気がします。




なぜこれほど改善度が小さいのか、少し考えて見たいと思います。


目的

ラッキーイメージのような短時間露光でシンチレーションの影響を除きたいが、どれくらいの露光時間にすれば十分な効果があるのかを見積もる。


仮定

最初に簡単化のためにある仮定を置きます。

仮定: 恒星を見た時に、光学性能で決まるような最小の径が動くことで最大径になるとする。
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言い換えると、下の図の左のような最小径自身が、シンチレーションの速い成分で右のように歪んで大きくなるようなことはないとする。
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星像の線をぼやかして描いてあるのは、星像自身が正規分布に従うような輝度分布を持っているからです。


モデル化

この仮定をもとに、以下のように考えました。
  1. ものすごい短い時間で露光した場合には、シンチレーションの影響を無視できるので、光学性能のみで決まるような径に収束していく。
  2. ものすごい長い時間で露光した場合には、シンチレーションで支配されるような最大径に収束していく。
  3. シンチレーションは、ランダムウォークのような過程で、ある中心値を持った正規分布のような振る舞いをする。
  4. シンチレーションの動きはある点を中心に、典型的な中心周波数を持って揺れているとする。この周波数も中心周波数周りに正規分布に従い揺らいでいるとする。
  5. 中心周波数の1周期以上では、シンチレーションで決まるような最大径に近くなっていく。
  6. 中心周波数の1周期以下では、周期に1次で反比例して小さくなる。例えば、半分の周期なら約半分の径。10分の1の周期なら最大径の10分の1となる。

言葉だとわかりにくいので、図とともにもう少しわかりやすく書き下します。

恒星は時間とともに、水平方向及び垂直方向には以下のように動きます。
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典型的な周期に対して、長いか短いかが効いてきて、この周期より短い時間で露光することにより劇的に径が小さくなる。光学性能で決まるような最小径以下になることはない。

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以上のようなモデルを考えると、そこそこ定式化できるのではないかと思ったわけです。


定式化

さてここで考えやすい径としてFWHMを考えます。FWHMとは、Full Width Half Maximumの略で、例えば横軸を水平方向、縦軸を輝度として恒星を見てみると、輝度が最大値の半分の幅という意味です。その幅をその恒星の水平の径と定義します。垂直の径も同様に定義できます。

星の径は、鏡筒の光学性能や、シンチレーションで決まります。大事なことは撮影した1枚の画像の中に写っているたくさんの星は、原理的には明るい星でも暗い星でもFWHMは同じということです。明るい星は見かけの径が大きく、暗い星は見かけの径が小さいですが、その明るさと見かけの径の比はいつも同じなので、FWHMは同じ条件で写して1枚の画像の中ではどの星でも全て同じということです。

露光時間を変えて撮影した場合に、FWHMがどう変わるかを考えます。上で考えたように、
  • ものすごい短い時間で露光した場合には、シンチレーションの影響を無視できるので、光学性能のみで決まるような径に収束していく。
  • ものすごい長い時間で露光した場合には、シンチレーションで支配されるような最大径に収束していく。
  • 中心周波数の1周期以下では、周期に1次で反比例して小さくなる。
ということから、FWHMと露光時間は以下のようなグラフで関係づけられると考えれらます。

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  • 横軸は周波数で、一回の露光時間の逆数。対数で表示してあります。左に行くほど長い露光時間、右に行くほど短い露光時間です。1秒露光なら1Hz、10秒露光なら0.1Hz、300秒露光なら0.033Hzです。0.1秒くらいの短い露光時間で10Hzになります。
  • 縦軸はFWHMなどの、典型的な恒星の径です。
  • グラフの左側、ものすごく長い時間をかけて露光すると、シンチレーションが効いてある一定の径 dmaxになる。典型的には3~10秒角程度か。
  • グラフの右側、ものすごく短時間で露光すると、シンチレーションの影響が無視できるために、回折や収差などで決まる光学的に決まる径 dminになる。典型的には~1秒角程度か。
  • シンチレーションの典型的な揺れの周波数 f0を測定から決める。典型的には~1Hz程度か。
ここからわかることは、
  1. シンチレーションの影響が効かなくなるような周波数をfsとすると、f0からfsの間では周波数の-1次で径が小さくなる。言い換えると、この領域では露光時間を短くすることで効果的にシンチレーションの影響をなくすことができ、結果として分解能を上げることができる。
  2. 逆にいうと、この領域外で露光時間を変えても、分解能向上に対する効果は小さく限定的である。
もともと露光時間を30分の1と相対的に短くしたことが効くと思っていたのですが、実際にはシンチレーションの揺れの速度に対してどのような露光時間を設定するかということが大事だと、今回やっと理解することができました。

これらの結果をライブスタックを使ったラッキーイメージに適用すると
  • ライブスタックの場合には、例えば1回を10秒露光にした場合、毎回恒星の中心値を合わせるように画像を重ね合わせて平均化していくので、10秒露光の時の径がそのまま保たれます。
  • 普通の長時間露光の場合には、例えば300秒だった場合、1/300Hzのところの径になるとも言えますし、10秒露光の径の中心値がばらついて1/300Hzの径になるとも言えます。
ということが言えるのかと思います。

ただし注意ですが、最初に恒星像自身はシンチレーションで歪まないと仮定したので、実際にはここで考えているような最小径まではいかないはずです。また、最大径も恒星像の歪みの影響は当然受けるので、今回の見積もりよりわずかに大きくなると考えられます。しかしながら、改善の比率が知りたいと考えると、0次ではそこまで大きな誤差にはならないと思います。ここらへんの歪みのモデル化も入れることができるといいのですが、複雑になりそうなのでこのブログではここまでの範囲とします。

また、今回のモデルがそもそも根本的におかしくないか、実際の測定と照らし合わせたり、議論していただけると嬉しいです。

さて、次に具体的な例を少し考えてみましょう。


パラメータの測定

実際の測定は、
  1. 恒星が写る範囲でできるだけ短い露光時間で動画を撮影し、その時のFWHMを測定(dmin)し、その揺れの動きの典型的な周波数を求める(f0)。この周波数は、各コマでの恒星の位置(最も明るいピクセル)を測定し、FFTで周波数分布を見てピーク周波数を取り出せばいい。簡単には10秒程度動きを見て、左右に何回位動くか見ればいい。
  2. 分単位の十分長い露光時間で1枚撮影し、そのFWHMを測定する(dmax)。

揺れの典型的な周波数あたりではFWHMは最大径から -3dB ~ 1/1.4 = 0.71 倍と小さくなるので、限定的とはいえ無視できない量の改善となります。



では、例としてNGC4216の撮影で300秒露光から10秒露光にした場合、どれくらいの分解能の改善となるのでしょうか?

どれくらいの割合で改善するかを知りたいだけなら、最大径や最小径を測定する必要もなく、揺れの典型的な周波数のみ分かればいいわけです。例えばその典型的な揺れを1Hzとしてみましょう。回路などをやっている人にとっては、「ゲイン1で1Hzの1次のローパスフィルターがある時に、3.3mHzと0.1Hzの振幅の違いは」といった方がわかりやすいかも知れません。3.3mHzも面倒なので、十分低い周波数としましょう。

その場合、このページなどによるとゲインGはG = 1/(sqrt(1+(/ f0)^2))と表すことができるので、f=0.1Hz、f=1Hzを入れるとGは0.995となります。

これは簡単に暗算でも計算できます。f0が0.1なのでその2乗が0.01。sqrt(1+a)はaが1より十分小さいなら 1+a/2と近似できるので分母は1.005。1/(1+a)もaが1より十分小さいなら近似でき、1-aとなり、答えは0.995となります。

わずか0.5%ですか!ずいぶん小さい改善です。ちょっとこれだと見た目ではわからないかもしれないですね。

それでは、揺れの典型的な周波数f0を3Hzとしてみましょう。そうすると今度も暗算でG = 1-(0.1)/2 =0.95で約5%の改善です。これくらい違いがあれば目で見てわかる範囲になるでしょう。

前回比較した画像を見ると、まあなんとか有意に違いがわかるかどうかというところです。なので、この見積もりもそこまでおかしくもないかと思います。


どうすればいいか?

今回の結果からわかるように10秒露光はまだ少し長すぎたと言えます。例えば露光時間を3秒にしたら急激にもっと違いがわかるようになるかもしれません。1秒なら相当な違いになるでしょう。

当然かなり暗くなるので、あとは露光時間を短くしたときに、ノイズに負けずにどこまで写すことができるかでしょうか。感度勝負になっているので、少しでも感度の良いカメラを使うとか、少しでも口径の大きい鏡筒を使うかが大きな違いを生みそうです。


まとめ

さて、ラッキーイメージでの改善の見積もり、いかがだったでしょうか?大体感覚と合ってるとか、全然実際と違うとか、いろいろ当てはめてみると面白いと思います。

今回の話は、VISACでのラッキーイメージを始めたくらいから考え始めて、1週間ほどで大体のアイデアはまとまりました。本当はここまでに至るまでに相当考えたんですよ。
  • 10秒露光と300秒露光の恒星の中心値の振る舞いをどうやってシンプルに表せばいいか?
  • シンチレーションはランダムに動くし、中心値もランダムに動く。
  • 中心値は長い時間が経てば収束する。
  • でも短い時間だと、中心値は収束せず、いろんな値を取る。
  • でも中心値の代わりにFWHMみたいな径」で考えてやれば、短い時間でも収束する。
と、最後のところをある朝のベッドの中で閃いて、その後は10分くらいで定式化まで行きました。そこから記事にするまでに時間がかかってしまったのは、図を書くのが面倒だったからです(笑)。でもできるだけわかりやすくと思い、ちょっと頑張ってみました。


さて、3秒露光とか、1秒露光、実際にやってみますか。
 
やっぱり暗いかな?
 
結局は素直にシンチレーションが小さい日を狙った方がいいのかもしれません。


前々回前回とVISACで試した、10秒露光の30枚ライブスタック


 

を普通の300秒露光で以前撮影したM104ソンブレロ銀河で再び試してみました。でも今回は結果が出なかったので、単なる記録記事です。


撮影と結果

今回の撮影時間は 10秒露光x30枚ライブスタックx32枚 = 2時間40分です。スタックした直後の画像をオートストレッチして見てみます。

masterLight_ABE_ABE_PCC

前のM104と比べてみます。左が前回の連続300秒露光、右が今回10秒露光の30回ライブスタックです。

comp

違いは
  1. ○ 今回の方が星像はほんの少しだけ締まっています。
  2. × ノイズは今回の方が圧倒的に多いです。
  3. × 微恒星も今回は完敗です。
これはNGC4216で見た傾向と全く同じです。というか、トータル露光時間のさは前より小さくなっている(前は7時間と1時間、今回は4時間と2時間半)のに、ノイズに関しては差がさらに大きく出ています。ノイズに関しては2つ理由が考えられます。

まず一つは読み出しノイズです。そもそも読み出しノイズは一回露光したら必ず読み出されるノイズなため、一回の露光時間を伸ばすのが唯一の改善策です。もちろん撮影枚数を増やすことでもへらすことができますが、その効果は小さいです。実際、300秒から10秒にしたので、√30で5.5倍くらいになります。トータル撮影時間が前回が4時間10分で、今回が2時間40分なので、250分/150分 = 5/3のルートで1.3倍。読み出しノイズがゲイン120のところと420のところでまあ1.3倍くらいよくなるので、これでトータル露光時間での悪化と相殺とすると、やはり5倍強程度悪くなっていることになります。

もう一つは、リアルタイムのダーク補正をしているのですが、このダークファイルのノイズがコヒーレントに重なってしまっていることが考えられます。ダークファイルは10秒露光で8枚撮影して平均したものです。ライトフレームのトータル露光時間減るべきノイズよりも、ダークファイルのノイズの方が遥かに大きい状況かと思います。ディザーが十分なら、適当にちらされるはずなのですが、どうもディザーの振幅が小さかった可能性があります。ホットピクセルやクールピクセルは後で検出して画像処理で除去できるので、もしかしたらダーク補正はしないほうがいいのかもしれません

一応最後まで仕上げましたが、やはりノイズが大きいことが災いしてか、全くダメです。

masterLight_cut_ABE_ABE_PCC_ASx3_ET3

どうも露光時間を30分の1にしているのに、星像の改善があまりにも少ないです。また、ノイズと微恒星に関してもちょっと厳しい結果になっています。もう少しやり方を変えた方がいいのかもしれません。

星像の改善に関しては少し計算して見ました。結構面白い結果が出たので、これについてはまた記事にします。


最近の撮影時のトラブル

VISACでの銀河撮影を始めて、ASCOM経由で接続している赤道儀が動かないことが2−3度ありました。一度はケーブルを赤道儀のコントローラーに繋いでいないという間抜けなミスでした。あとはちょっといやなトラブルで、接続されていると表示されるのに信号を送っても赤道儀が反応しないというものです。接続しているソフトやセレストロンドライバーを落とした後に発生するみたいで、これが起きるとPCを再起動する以外は解決策がなかったです。

銀河撮影の後に、FS-60CB(青い馬星雲を撮影しました。また画像処理して記事にします。)で撮影した時、BackYarEOS (BYE) でカメラに接続できないことが一度ありました。カメラの電源が切れたのかなと思ったのですが、そうでもありません。また、PC再起動直後だったので前の接続がとかいうことはありません。結局BYEを再起動することで解決しました。

あと、PHD2が何故が赤経側の一方向にずっとドリフトがあり、補正信号を出し続けているという現象が起きました。最初VISACの固定方法を疑ったのですが、問題になるようなところは見当たらず、その後に変えたFS-60CBでも同様のドリフトが起きたので、PHD2自身か赤道儀に問題がありそうです。でもこれは赤道儀の電源を入れ直したら直りました。


VISACのさらなる強化

今回のM104撮影後、まだどうも鏡筒を横から弾くと星が振動します。一番の問題はやはり一つの鏡筒バンドに対して、下側一本のネジで固定していることです。鏡筒が赤道儀から横に転げ落ちるようなモード(一般的にロールモードと言います)が弱いです。鏡筒がお辞儀するようなピッチモードや、水平面に回転するようなヨーモードは、たとえ鏡筒を叩いて励起しても、星像はほとんど揺れません。

ただ、ネジを補強するにしてもどうやればいいのか?鏡筒バンドとアリガタとの設置面積がちいさいので、ネジなどをつけるのもなかなか大変です。

Twitterで呟くと、何人かの方反応してくれました。その中でrimpaさんがアリガタ下からの押しネジでリングを固定しているとのこと。「そうか、押しネジでいいのか!」と思い、さらにシンプルに改良しました。

もともと橋頭バンドとアリガタを取り付けたM6のネジの左右に、M8のいもネジを入れました。これで押し引きネジ構造になります。

IMG_2194

下の写真の左側、鏡筒の先の方は穴にねじ山が切ってあったのですが、右側、接岸側はただの穴でした。そのためM8のタップを切り、そこに同様にいもネジを入れました。

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手で触っても違いがわかるくらいガチガチになりました。次回これで撮影を試してみます。


まとめ

VISACについてはある程度クセが見えてきました。強化は必須ですね。まだ不十分かもしれません。

光軸は副興側はある程度調整しましたが、接眼側もふくめて調整する必要がありそうです。今のところおにぎり星像が出る確率は減ってきました。でもこれは光軸調整がまだ不十分だからという可能性もあります。

ラッキーイメージはもう少し見直します。シンチレーションも大いに関係するのですが、分解能ができるだけ出るようなパラメータをもう少し見つけたいと思います。


シュミットさんから4月13日に新しいカメラメーカー「Player One」から5機種のCMOSカメラが発売されました。

 


新カメラを試す機会が!

CP+のSIGHTRONブースでの電視観望配信の反応が良かったのか、なんとPlayer OneのCMOSカメラのフラッグシップモデル「Neptune-C II」の評価を頼まれてしまいました !! こうやって信頼していただけることは、ユーザーとしては素直に嬉しいです。

さてさて、到着を楽しみに待っていると、先週4月13日の火曜日、仕事から帰るとSIGHTRONから荷物が届いていました。早速中身を開けてみると、カメラ本体、UV/IRカットフィルター(この時期だけサービス付属みたいです)、日本語マニュアル、そして「電視観望実践ガイドブック」が入っています。

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電視観望の冊子がすごい!

私はまずカメラ本体よりも、電視観望の冊子の方に目がいってしまいました。

これはすごい。一気に読んで、思わず唸ってしまいました。全48ページ(表紙なども入れると全52ページ)のカラー版で、スタッフの電視観望を試してみて欲しい、ユーザーにできるだけ簡単に見て欲しい、楽しんで欲しいという思いが溢れ出ています。この日だけで3回くらい読み返してしまいました。

私もこのブログで電視観望を一般化すべく、ずっと記事を書いてきました。でもその内容はあちこちに散乱してしまっています。それが一冊にコンパクトにまとまっています。しかも私が言いたかったことがほぼ全て含まれています。その上、初心者が陥りやすいところとか、このブログで書いてきたこと以上に親切に書かれています。

実はこの冊子の最後に、協力者として私、Samの名前が出ています。でも実際は具体的に何か協力したというわけではなくて、おそらくCP+の配信のことを冊子の中で触れていたので、それを協力とわざわざ載せてくれたのかと思います。なので話だけは聞いていましたが、実際はこの冊子を受け取って初めて中身を見たわけです。

おそらくこの冊子を書いたSIGHTRONのスタッフさんは、自分で電視観望を相当試してから冊子を書いているのかと思います。SharpCapを電視観望で使うときの説明が主体となっていますが、おそらく自分で分かりにくいと実感したことなど、かなりうまく説明してくれています。多分ですが、この「ほしぞloveログ」も参考にしてくれていると思います。こんな冊子を出してくれたことをとても嬉しく思います。

私の名前も載っていたので、妻に「すごいでしょう!」と自慢げにこの冊子を見せたら「これだったら読んでみる気がする。パパのは難しい式とか書いてあってよくわかんない。たくさんありすぎてどこを読めばいいかわからないから、こっちのほうが全然いい。」とのこと...。初心者の方には多分バイブルクラスの冊子になるかと思います。


カメラ開封

カメラが到着してからしばらく天気が良くなかったのですが、4月19日にやっと快晴となり試すことができました。

カメラのケースを開けてみます。
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カメラはスケアリング調整のために、前面に押し引きネジがついています。

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おもしろいのは付属品で、このスケアリング調整用に4本の六角レンチが専用でついています。

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さらに、ブロアーが付属しています。このブロアー、大きくなくコンパクトなのに、空気吸い込み口と吐き出し口が金属でできていて、吐き出し口の径が小さいのか、大きさの割にかなり圧が強いです。これはお気に入りのブロアーになりそうです。


セットアップ

せっかく冊子で電視観望を勧めてくれているので、やはり電視観望から始めたいと思います。月が少し出ていますが、電視観望なら星雲まで見えると思うので、あまり気にしなくていいでしょう。

セットアップは、CP+の配信の時と同じで、EVOGUIDE 50EDとAZ-GTiを使います。カメラをNeptune-C IIにして、EOGUIDEに取り付けます。

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USB3.0ケーブルをカメラに取り付けます。カメラを水平に設置した場合、ケーブルは横からつける形になります。

セットアップは日本語マニュアルに全て書いてあって、困ることはないと思いますが、どんな感じか簡単に書いておきます。

カメラをPCに接続する前に、ドライバーをインストールしておきましょう。ドライバーはPlayer Oneのホームページの「Service」->「Software Downloads」からダウンロードできます。




IMG_2251


ドライバーは一番上の「Camera Driver」になります。ダウンロードできたら解凍して、インストールします。

ドライバーインストール後、カメラを繋いで、SharpCapを立ち上げます。SharpCapは4.0以降を使ってください。メニューのCameraでPlayer Oneのカメラが出てきたら成功です。

IMG_2252


ファーストライトは月

早速カメラを選択して、AZ-GTiで適当な天体を導入してみましょう。いよいよファーストライトです。この日は月が出ているので、まずは月を導入してみます。

moon_01_mod

EVOGUIDEの焦点距離242mmで1/1.8インチのIMX464センサーので、月がこのサイズになります。ピントが合っていなかったらここで合わせておきます。ピントを合わせると、かなりシャープに見えます。

よく見ると、ちょうど月面Xが写ってました。

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地球照なんかも見えます。

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家族、友人なんかと一緒に見ることもできるので、月を見るだけでもいろいろ楽しいですね。


電視観望の本領発揮

さて、次はいよいよ星雲です。この時期でも、早い時間ならまだ西の低空にオリオン座が見えます。沈んでしまう前に、M42オリオン大星雲を導入して見ましょう。まずはライブスタックなしの1.6秒ワンショットです。

M42_01_1shot

ここで確認したいことは、変なノイズが出ていないかです。少なくとも見ている限り、縞ノイズのようなものは見えません。新しいメーカーで少し心配でしたが、素直な画質でかなりいいと思います。

次に、ライブスタックしてみます。

M42_02_LS

トラペジウムも見えて、かなりいい感じです。この時高度は西の空で15度くらい。月もそう遠くないところにあるので、相当悪い状況ですが、ここらへんまでは簡単に写ります。カブリがあるように見えるのは、西の空の状況が悪いのを表しています。

最初アラインメントがうまくいかずスタックされずに何枚かドロップされて(捨てられて)いましたが、Alignmentタブの「Reduce Noise」の値を少しあげたら、それ以降ドロップはなくなりました。

月があるのと、西向きは光害がひどいので、ここでQBPを入れてみます。
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カブリの影響が少なくなるのと、コントラストが良くなります。

次に淡い馬頭星雲を見て見ましょう。

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さすがにこの高度だと厳しそうです。馬頭星雲は来シーズンでしょうか。

一応薔薇星雲も見てみます。

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なんとか見えるくらいでしょうか?これも高度25度とやはり低い西の空です。月もさらに近くなるので、まあこれくらいでしょう。

春は星雲が少ないので、少し高度の高いところを狙って、マルカリアンの鎖を見てみます。

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十分見えますね。ただ、右下にアンプグローが見えるのと、いくつかライブスタックによるホットピクセルの軌跡が見えます。ホットピクセルの数はかなり少ない方でしょう。アンプグロー、ホットピクセルいずれも、ダーク補正をすればほとんど目立たなくなります。

SharpCapでダークファイルを撮影し、リアルタイムで補正したのが以下のものです。

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アンプグローは全くわからないくらいになり、ホットピクセルは1-2個残っていますが、相当改善されるのがわかると思います。端の黒い部分は、AZ-GTiが経緯台のために、長時間のライブスタックで視野が回転してしまった結果です。

アノテーションもできるかな?と思ったら、すんなりいきました。

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最後は球状星団で、M5です。
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この時期はあまり派手な天体が少ないのでこれくらいです。これから夏に向かって色も綺麗な星雲がたくさん見えてきます。今から電視観望の準備をしておくのもいいのかもしれません。


このカメラの評価は?

ここまで見てる限り、画像に関しては電視観望レベルではほとんど不満はありません。SharpCapでの操作性もかなりこなれています。

ただ一点、惜しむらくはホワイトバランスのRGBの調整で、カーソルやマウスクリックで左右に動かすと一気に500とか移動するので、実質数値を入れてしか調整できません。なのでここで調整するより、ライブスタックのところのカラーバランスで揃えてしまいがちになります。

Player Oneはカメラメーカーとしては新しいところなのかと思いますが、既にかなりこなれていると思います。気になるところもドライバーレベルで直せるようなことですし、デザインも六角形で特徴がありかっこいいです。

ZWOが徐々にハイエンドに移行してきて入門用の新機種をあまり出さなくなり、SVBONYは値段的に最安の部類になります。Player Oneのラインナップはちょうどその橋渡し的なモデルが多く、入門者向けのいい選択肢になるのではないでしょうか。


まとめ

さて、今回Player Oneの新しいカメラNEPTUNE-C IIをパッと使ってみましたが、いかがでしたでしょうか?

実質不満だったのがカラーバランス調整のところのみで、あとは今のところ不満なしです。かなり素直なカメラだと思います。値段的には最安ではないですが、入門用のカメラとしてはかなりいいのかと思います。

冊子がものすごくいい出来なので、初心者にかなりお勧めです。正直この冊子、初心者のみでなく電視観望をすでに始めている方でも、眼から鱗だと感じるところがたくさんあると思います。それくらいよくできています。

今回はこのカメラの目玉の一つ、スケアリング機能は使っていませんが、撮影になったら必要になるかもしれません。ベテランの方には、この機能はかなり嬉しいのではないでしょうか。IMX464センサー の赤外領域の反応の良さも楽しみです。次回は撮影でも試してみたいと思います。

ラッキーイメージの過程で、M87を撮影して見ました。M87といえば...

目的はもちろんジェットを見ることです。

さてさて、うまく見えるのでしょうか?


SharpCapでのディザー

実際の撮影は前回のラッキーイメージNGC4216の後に続けて撮影しています。なので設定は全く同じで、10秒露光を30回LiveStackして、今画像を見たら10枚撮影していたので、合計50分でした。

前回書くのを忘れましたので、今回改めて書いておきます。SharpCapの最新ベータ版を使っていますが、ディザー対応がかなり改善されています。

一番大きいのがLiveStackパネルのguidingタブのところに「Reduce Exposure While Dithering 」とうオプションができたことです。これはPHD2などとの連携でディザーをしている間は露光時間を短くするという意味で、以前はDhitherの間も露光し続けていたので、例えば5分間の露光とすると、ディザーが終わっても最大5分近く待たなければならず、まるまる1枚は必ず無駄になっていました。撮影毎にディザーしていたら、撮影時間の最低半分はディザーに取られてしまっていたので、ほとんど使い物にならなかったのです。

そのため、SharpCapでディザーは実質やる気にならず、結果SharpCapは長時間露光は向いていない、もしくはできないという結論でした。今回のオプションで、SharpCapにも長時間露光での撮影に道が開いたことになります。

今回のLiveStack撮影でも、ディザーは使っています。ディザーを15分毎にするように設定しているために、(10秒x30ライブスタックを)3枚撮影するたびにディザーが適用されます。でもディザー量を試しに減らしたため、揺れ幅が不十分で、縞ノイズが少し出てしいました。


画像処理と結果

今回は鑑賞目的というよりは、少し科学写真に近くなりますので、画像処理はほとんど凝ったことはしてません。ダーク補正はLiveStack中にリアルタイムでしてます。WBPPではフラット補正のみで、バイアス補正もなし、ダーク補正もなしです。あとはストレッチと、一度トーンカーブで暗いところを持ち上げて暗いでしょうか。あ、恒星の色を出すために少しだけ彩度を上げています。


「M87」
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  • 撮影日: 2021年4月11日0時49分-4月8日1時45分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: なし
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro、-10℃
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: SharpCap、gain420、露光時間10秒x30枚のライブスタック x10枚 = 50分、ダークは10秒x64枚をライブスタック中にリアルタイムで補正、フラット128枚(gain420、露光0.78ミリ秒)、フラットダーク128枚(gain420、露光0.78ミリ秒)
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC


でも困ったことに、JPEGに落とす時点でM87の周りの淡いところの諧調が制限されてしまい、階段上になってしまいます。あと撮影中に少したわみで流れたみたいで、ディザーであまり散らしてなかったので明るくすると縦の縞ノイズが少し出ていました。

さてさて、ジェットは見えてますでしょうか?拡大してみます。

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おおー、右上にはっきり見えてますねー!上が北なので、方向から考えてもジェットで間違いなさそうです。不思議なのは、切り出すとJPEGでも諧調が飛ばないことです。そこそこきれいに見えてますね。自分で撮影したものだと、感動もひとしおです。

6000万光年先の銀河で、ジェットの長さは7-8000光年におよぶそうです。ご存知の通り、2019年に超長基線の電波干渉計によりM87の姿が映し出されました。リング形の中心にブラックホールが存在すると考えられています。このリング中の黒いところは直径1000億km程度なのですが、これがそのままブラックホールというわけではなく、事象の地平線は直径400億kmでもっと小さいと考えられているそうです。



ついでにアノテーションです。ここにもそこそこの数の銀河があります。

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少し斜めになってしまっています。これは前々回の記事の最後に書いた、鏡筒バンドに対してまだ鏡筒の回転方向を合わせ切らずに撮影してしまったからです。実際にはこのM87で回転が残っているのに気付いて、この撮影の直後に直しました。


M87といえば

M87といえば、M87JETさんを真っ先に思い出します。胎内星まつりで初めてお会いしたのですが、当時からほしぞloveログを読んでいてくれて、興奮気味に自分で撮影したM87のジェットを見せてくれした。ペンネームをそのままM87JETとしようと思っている」と、その時お聞きしました。その後は小海の星と自然のフェスタでも一緒に食事したりしてました。いつも面白い文体のブログ記事を書いていて、最近はISSの追尾でご活躍されています。



M87JETさーん、やっと私もジェットを取ることができましたよ!


 

前回までに5分露光のトータル7時間コースでNGC4216、4時間コースでM104ソンブレロ銀河を撮影しました。





ところが両方ともどうも星像がボテっとしていて、いまいち不満が残ります。光軸調整やピント精度、シンチレーションなどいろんな原因が考えられますが、やはり一回の露光が5分と長いので、シンチレーションでの揺れがそのまま積分された星像になり、ボヤっとなってしまっている可能性が高いです。今回は露光時間を10秒と短くして、シンチレーションの影響をみようと思います。


短時間露光の効果

この手のことは以前ラッキーイメージ撮影と、その後の考察で試していて、やはり短時間露光の方が解像度が出るという結果でした。http://hoshizolove.blog.jp/archives/37040131.html

 
 

これと同様なことを銀河で試してみたかったのです。ただし、撮影枚数が膨大になるので、今回はLivestackを使いリアルタイムでスタックすることで撮影枚数を減らそうと考えています。露光時間は銀河なので淡いため、とりあえず10秒で始めます。これは以前のラッキーイメージのテスト(オリオン大星雲で、かなり明るかった)での一番長い露光時間にあたります。それでも前回の撮影の5分(300秒)と比べたら30分の1と相当短くなります。

最近注目なのはgotodebuさん。30cmのドブソニアンとASI294MM Proで、かなりの分解能で成果を出しています。素晴らしいです。

 

MMいいなあ。カラーでの分解能の限界を感じたら、そろそろモノクロに移るかもしれません。


3通りで比較

ターゲットはVISAC復帰第一弾で撮影したNGC4216、NGC4206、NGC4222です。
  1. 前回の撮影で4月5日にgain120で5分露光したもの
  2. 今回4月10日に改めてgain120で5分露光で撮影したもの
  3. 今回4月10日にgain420で10秒露光を30回LiveStackしたもの
の3通りです。撮影時間はいずれも22時半前後です。2.から3.でgainを300 = 30dB = 20dB+10dB = 10倍x約3倍 = 約30倍増やしました。1回の露光時間を300秒から10秒にした30分の1をちょうど相殺するため、得られた画像はほぼ同じ明るさになります。これを30枚Livestackすることでトータル同じ露光時間(同じ光子量)とします。それぞれの画像はABEでフラット化して、STFとHTでオートストレッチしています。


短時間露光、LiveStackの問題点

でもこの3番目の方法、もう一つ大きな欠点があります。例えガイドをしていてもLivestack中に微妙に位置がずれてしまうと、例えばホットピクセルが動いてしまい、後でダーク補正をしても補正しきれなくなります。フラットも同じことで、画面にゴミなどの影があったりするとそれが動いてしまうので、補正しきれません。周辺減光は後でABEやDBEをかければなんとかなるでしょう。

この欠点をリアルタイムでダーク補正することで緩和します。SharpCapには露光ごとにダークとフラットを補正できる機能があります(ただし有料版のみだったはず)。フラットはこれまでうまくいったためしがないので、今回はダーク補正のみです。10秒で64枚撮ったものをダークフレームとして使いました。でもこれが吉と出るか、凶と出るか、長時間撮影して画像処理までしないとわからないです。高々640秒、10分程度の露光のマスターダークなので、まだそこに残っているノイズはライトフレームの後のスタック時にそのまま加算されるはずです。それが縞ノイズとかになるかも知れません。

このダークフレームに残ったノイズの緩和や、ゴミの影を除去しきれない問題は、ディザーである程度解決します。十分揺すってやれば多少のコヒーレントなノイズは散らされて目立たなくなるはずです。「ディザーは七難隠す」はこんな時でも有効です。


一枚画像での比較

まず、スタックをする前の一枚撮りでの比較をします。それぞれ撮影した画像からわかりやすいところを一部切り出しました。左から、1.、2.、3.となります。

comp
左1: 4月5日の300秒露光、真ん中2: 4月10日の300秒露光、右3: 4月10日の10秒露光の30枚LiveStack

まず1.と2.を比べます。基本的にセッティングは全く同じで、同じ時刻なのでほぼ同高度。VISACの補強が違うのみです。あ、縦横入れ替えました。それでも2.の方が圧倒的に解像しているので、4月5日より4月10日の方が明らかにシンチレーションがいいことがわかります。

次に2.と3.を比べます。2を写した直後に3を写しているので、時間的な差はほぼないはずです。ピントなども前後でいじってないので、直接比較ができるはずです。一見そこまで差がないように見えますが、じっくり見るとやはり3.の短時間露光方が明らかに解像しているように見えます。その代わりに大きなゲインで増えた読み出しノイズを、30回ぶん読み込んでいるので、その分ノイジーになっているのかと思います。

でも、果たして露光時間を30分の1にしたにしては、星像の違いが少なすぎる気もします。これ数学的にモデル立てられないでしょうか?理論と実測を比較してみたいです。


10秒x30枚露光画像を12枚スタックしてみる

この比較撮影後、3.の状態で12枚、合計1時間分の画像を撮影したのでそれをスタックしてみます。

スタックはPixInsightのWBPPで最初やったのですが、ちょっとてこずりました。ダーク補正はリアルタイムでしているので、バイアス、フラット、フラットダークをそれぞれ撮影して、それらをWBPPに放り込んで処理したのですが、どうもうまくいきません。カラーバランスが全然崩れた暗い画像になってしまいます。

問題点は3つありました。
  1. ライブスタック後のfitsファイルは既にDeBayerされているらしく、ライトフレームのCFAをオフにする必要がありました。
  2. もう一つはリアルタイムダーク補正の時にバイアスも一緒に補正していたので、WBPPでバイアスを補正してしまうと過剰補正になってしまう点でした。なので結局WBPPではフラット(とフラットダークも合わせて)のみ補正しています。
  3. フラットも問題でした。できたフラットファイルはBayer配列でモノクロです。でもライトフレームはカラーなので、補正できません。そのためできたマスターフラットフレームを手作業でDeBayerして、それをWBPPで使っています。

スタック直後、ABEだけかけてオートストレッチしたものです。

integration_ABE

前回5分露光で、トータル7時間撮影したものと比較してみます。左が前回、右が10秒x30を12枚です。

comp

分解能だけ見ると、今回の右の短時間露光が圧倒的ですね。銀河の模様もはっきりしてますし、星像も鋭いです。一方、微恒星に関してはさすがに左の7時間の方が出ています。というよりノイズの差でしょうか。トータル時間でも差が出ますし、10秒露光の30回ということはその都度リードノイズ入ってくるので、ノイズ的にはやはり右は不利なようです。

実際には分解能の差は、まずは第一に日の違いによるシンチレーションの差が大きいでしょう。その上で、1枚で比べたときの差からも分かるように、やはり露光時間の差も出ているのかと思います。


試しに仕上げてみる

さて、その1時間ぶんのスタックした画像ですが、試しに画像処理をして仕上げてみます。

integration_ABE_DBE_PCC_ABE_DBE2


どうでしょうか?前回の仕上げた画像(縦横ひっくり返っています)と比べてみましょう。一部を拡大して向きを合わせました。左が前回4月5日の300秒露光をトータル7時間、右が今回4月10日の10秒露光の30枚LiveStackを12枚でトータル1時間です。

comop

色の濃さの違いは置いておくとして、分解能は銀河の模様も恒星も右が圧勝ですね。でもこの違いはシンチレーションの違いが大きいので、短時間露光がそのまま効いているわけではないことに注意です。短時間露光の効果を比べたい場合は、先に出した1枚画像の真ん中と右を比べるべきです。

ただ、色を出そうとしたりして炙り出すことや、微恒星(背景のノイズと言い換えてもいい)に関しては、左の7時間の方がさすがに圧勝です。ここらへんはトータル露光時間が正義といったところでしょうか。


まとめ

シンチレーションか短時間露光かわかりませんが、少なくともVISACでここらへんまでの解像度を得られることが分かりました。星像の鋭さも含めて、これくらいがコンスタントに出るのなら、そこそこ満足です。シンチレーションが悪い日に短時間露光をしてみるとか、シンチレーションがいい日に長時間露光を試すとか、今後も検討していくことになるかと思います。

いまのところまだ、短時間露光の効果と画像処理の煩雑さなども含めると、どちらが有利か分かりません。LiveStackでの重ね合わせはそこまで問題ない気がしています。これで枚数が多くなりすぎるのを避けることができるなら、有効かと思います。例えば10秒をそのまま保存して7時間撮影したら、360 x 7 = 2520枚と流石にちょっと処理するのに大変な数になっていました。

とりあえず今後いくつかの天体を、この短時間露光の手法で撮影してみたいと思います。

今回はVISACの強化計画です。


ドリフト

ここ何回かの撮影で分かったのですが、どうもVISACでガイドすると1-2時間経つと天体が画面中央から右にドリフトして(流れて)いきます。これはガイド鏡と鏡筒が相対的にズレていくことが原因なのですが、同じガイド鏡を使ってもFS-60CBやTS−120を使った時には気付かなかったので、VISAC自身の問題の可能性が高いです。もちろんVISACの場合焦点距離が1800mmと長いので、より目立つだけという可能性もあります。でも900mmと約半分焦点距離のTS-120で同じようにたわむなら、半分程度のドリフトはあるはずですが、これまで気になったことはありません。

改めてVISACを見てみると、鏡筒の筒自身の金属の厚さが薄く、相当ペラペラです。下部にはVixen規格のアリガタが全長にわたって付けてあるのでまだいいのですが、上部は人工皮の柔らかいベルトがついているだけでなんの補強もありません。筒自身が自重でたわみ、赤道儀の回転とともに丈夫に取り付けてあるガイド鏡がずれていくのは十分ありえる話だと思いました。

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たわみ対策案

そんなドリフトのことをTwitterで呟いたら 、けーたろさんより鏡筒バンドを使うとたわみが 一気に解決というアドバイスがありました。確かにHIROPONさんが教えてくれた参照したページを見ると、昔から皆さんVISACでのガイドに苦労しているみたいです。

このページにはガイドがうまくいかない例から書いてましたが、私の場合はSharpCapで極軸の精度をそこそこ出しているので、ガイド自身はうまくいっています。また、クランプ部分を二つつかうといいといことも書いてありますが、CGEM IIのクランプはそこそこ長いのでこれも問題なさそうです。

その上でたわむ場合は鏡筒バンドがいいということで旧誠報社のものを紹介していましたが、今は誠報社自身がありません。


強化道具を探そう

少し調べると、Vixen製でRS200用に同じ232mm径のものが1万円程度と安価に出ていました。



ただし、固定がねじ1本で心許なそうです。更に調べるとタカハシからもε180用に同じ232mm径のものが出ていて、こちらは固定が2本ネジ。でも価格が5万程度と跳ね上がります。三基光学でも232mmがありましたがこちらもタカハシと同程度の価格です。日本で買えるのはこの3種程度のようです。流石に鏡筒バンドに鏡筒を買った値段と同程度かける気にはなれず、Vixen製としました。

同時に、moreblueのLosmandy規格の352mmのアリガタ



アマゾンでアルカスイス互換の400mmのプレートを注文しておきました。



これで上下からプレートで挟み込めるので、強度的にも改善されると思います。


改造開始

届いたものを並べるとこんな感じ。

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元々下に長いVixen規格のアリガタ、上に皮バンドがついていたVISACが随分と変わりました。Losmandy企画のアリガタを少し接眼側にはみ出して重心を取りやすくして、上はガイド鏡などの固定と持ち手を兼ねたアルカスイスプレートを取り付け、こんな写真のようになりました。アルカスイスプレートは全部のネジ穴がインチ規格で、中止を通る長穴がギリギリM6ネジが通らなかったので、固定したい位置にドリルで穴を広げてM6ネジが通るようにしました。
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触った感じでもかなり頑丈そうです。固定が1本ネジで心配でしたが、上下にプレートをつけることでそこそこ頑丈になったようです。もしこれでもヤワいようならリングを3本にするか、ネジ穴をリングの固定部に空けて、更に強固に固定するかもしれません。


実際に夜に試してみた

さて、この日は新月期で天気も良く、しかも昼間の立山を見るに透明度も良さそう。3択です。
  1. 能登まで行って、真脇遺跡や見附島と天の川を写す。
  2. せっかくセットしたVISACを自宅で試す。
  3. 岐阜方面に下り、南のアンタレス付近を狙う。
結局VISACの結果をどうしても見たくて、とりあえず自宅で撮影して、そのまま放っておいて夜中くらいに移動してアンタレスの上の青い馬星雲を狙うことにしました。ところがこれがトラブルだらけ。


たくさんの彗星が見えた!?

まずは強化したとかしないとか以前の問題で、アラインメントで試しに星を入れて視野をカメラで見てみたのですが、なんと全部の星が彗星のように尾を引いています。どうも、元からついていたアリガタプレートが鏡筒を歪ませていて、外した段階で光軸が相当ずれてしまったようなのです。これまで星像がオニギリになるとか言っていたのですが、その比ではありません。しかたないので光軸調整です。

今回は鏡筒部の歪みで光軸がずれたと考え、主鏡と接眼部はいじらずに、鏡筒の先端についている副鏡のみをいじることにしました。押し引きネジ構造なのですが、真ん中の引きネジがあまりに固くてプラスネジ時だったのでナメるのが怖くて、周り3本の押しネジのみで調整することになりました。押しネジは六角レンチなのですがこちらも結構固く締められています。カメラに映った星を見ながら押しネジをいくつか緩める方向で調整することで、完全とは言い難いですがそこそこの星像にはなりました。


鏡筒の回転方向の調整

次に困ったのが鏡筒バンドに置くときの鏡筒の回転方向の角度決めです。きちんとスパイダーが水平垂直になるように鏡筒とカメラを置かないと、撮影時に光条線がへんな方向を向いてしまいます。

いろいろ考えたのですが、結局やったことをまとめておきます。
  1. まずは鏡筒にカメラを取り付け、鏡筒の角度はどうでもいいので、カメラで写した光条線の十字が水平垂直になるようにカメラの向きを合わせます。
  2. その後、適当に明るい星を画面中央になるようにコントローラーで持ってきて、SharpCap上で画面に十字の線を出します。
  3. 赤緯を動かしたときに、星が線と平行に動くようになるまで鏡筒バンドを緩めて鏡筒全体を回転させます。
これで、これ以降はずっと鏡筒が赤道儀に対してきちんとした角度で設置されることになります。カメラの平行度はその都度、赤緯体を動かして星が垂直か水平に動くかを見ることで調整します。


撮影

少し撮影もしたのですが、長くなるのでこれはまた次の記事にします。短時間露光で分解能を狙うことを考えています。



VISAC復帰第2段です。前回のNGC4216に続き、今回はM104ソンブレロ銀河。




今回のターゲット

M104にした理由ですが、あまりこだわりはなくフォーサーズのASI294MCの画角に合うところを探したらM104だったといっても良いかもしれません。M104は意外に大きくて、VISACの1800mmとフォーサーズでもそこそこの大きさになります。自宅から見てくらい東や南の空でこの画角にちょうど良い大きさの銀河が意外に少ないのです。

でもM104って、南のかなり高度がかなり低い位置にいるんですよね。撮影期間が意外に限られているので、ちょうどよかったかもしれません。


撮影

セットアップは前回のNGC4216と同じなので、ピント合わせくらいでほとんどいじるところはありません。露光時間などもNGC4216の時と同じゲイン120で5分露光で撮影しています。

22時頃から撮影を始めたのですが、平日なので撮影が始まったら放っておいて寝てしまいました。あとからチェックしたら、使えるのは50枚だったので、5分 x 50枚 = 250分で、合計4時間10分となります。


NINAで自動で天頂越え


そういえば前回から撮影ソフトにNINAを使っています。最近はCMOSカメラでの撮影は課金までしたAPTから完全にフリーのNINAに移りつつあります。構図決めや導入時のプレートソルブもうまくいくので非常に快適です。LiveViewでのオートストレッチも便利で、短時間の露光でターゲット天体が見えるので、一決めも正確です。

最近の撮影時間は結構長いので、どうしても天頂越えをしてしまいます。前回の撮影からNINAの赤道儀の自動反転機能を使い始めています。ケーブルの絡みが心配だったので、最初だけはその場にいて見ていましたが、全く問題なさそうです。最近はケーブルの固定位置を赤道儀の赤緯体の可動部付近だけ一箇所にしていて、他は余裕があるようにかなり緩めています。こうすることで、最終稼働部である赤緯体のモーター位置から、鏡筒やカメラまでのケーブルの長さが固定されるのでトラブルが少ないです。赤緯体からバッテリーやStick PCまでのケーブルはあえて固定せず、余裕があるケーブル長さでプラプラしています。赤経体が回転する時にケーブルが引っかからないか心配なのですが、赤経体がホームポジションにある時に北側から見て左右対象になるようにStick PC、バッテリーなどを配置し、(赤道儀の電源口が片側に寄っているので全部は無理なのですが)ケーブルもできるだけ左右均等になるように配置します。そうすると、たとえ赤経体が反転しても、反転前後どちらの場合もケーブルもバランスよく配置されるので、スムーズに反転します。



画像処理と結果

バイアス、ダーク、フラット、フラットダークも前回のNGC4612の時の使い回しです。セットアップが同じで冷却カメラで、カメラの回転角とかを触っていないと、これらのファイルがそのまま使えるので、画像処理が楽になります。

銀河はまだ画像処理に慣れていないのか、少し迷走しています。あまりシンチレーションが良くなかったこともあると思いますが、焦点距離が長いこともあり、星像がどうしてもボタっとしてしまいます。最初はArcsinhStretchでストレッチしたのですが、色は出てもすごく眠い恒星となったので、結局STFとHistgramTransformationのみでストレッチしました。なので恒星の色があまり出ていません。それでもまだ鈍い星像には不満で、ピントが合っていなかったのか、5分露光で長すぎたのか、赤外の収差で大きくなっているのか、まだまだ改善の余地がありそうです。


結果

結果です。

「M104: ソンブレロ銀河」
masterLight_ABE_DBE_PCC_HT
  • 撮影日: 2021年4月7日22時4分-4月8日3時28分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: なし
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro、-10℃
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、gain120、露光時間300秒x50枚 = 4時間10分、ダーク128枚(gain120、露光300秒、最適化なし)、フラット256枚(gain120、露光40ミリ秒)、フラットダーク256枚(gain120、露光40ミリ秒)
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC、Sharpen AI

恒例のAnnotationです。

masterLight_ABE_DBE_PCC_HT_Annotated

今回も水平がバッチリ決まっていて気持ちいいです。


まとめ

まだまだ反省点だらけです。星像をキリッとさせるためにまだできることがたくさんありそうです。ピントはEAFを導入した方がいいかもしれません。VISACの星像がまだ安定しないので、ピントが合ってないのか光軸がまだずれているのか迷う時がよくあります。撮影に関しても、露光時間が長すぎるのでラッキーイメージが効果的かと思います。ノーフィルターの方向性は間違っていないと多いますが、どうもIRで星像が肥大化している可能性があるので、UV/IRフィルターは入れた方がいいのかもしれません。それとは別に、最近赤外が流行っているので分解能目的でIRだけを撮るのはありかもしれません。

次回は鏡筒自身の強度を上げるために、VISACを改造します。でもこれも大きな落とし穴があったのでした。


前回の撮影で、おとめ座銀河団をFS-60CBで一網打尽にしました。



その中でいくつか面白い領域があることがわかりました。画像を切り出して拡大とかもしたのですが、流石に口径6cmで短焦点355mmでは分解能に限界もあります。長焦点のVISACを使って、狭い領域を切り出して撮影しようと思っています。


VISACでの撮影

しばらく使っていなかった、口径200mm、焦点距離2000mmの VC200L、通称VISACを久しぶりに使います。最後の使用が約1年前、TSA-120と比較してM51などを撮影していました。星像がなかなか微妙で、うまく行く時とダメな時の差が激しいです。

今回狙うのは前回範囲の右下のNGC4216、NGC4206、NGC4222と3つの大きな銀河が見えるところです。3つ入れるとフォーサーズのASI294MCでちょうどいい範囲になりそうです。

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4月3日と5日の二日間にかけて撮影しました。と言っても1日目はすごい風で、鏡筒が揺れまくって星像も伸びてしまっているのがほとんどで使い物にならなかったです。でもFS−60やTSA−120で同じくらいの風が吹いても、ここまで星像が崩れることはないので、焦点距離が長いことの難しさか、もしくはVISACやわ過ぎのどちらかです。2日目は平日でしたが、長い時間にわたり概ね順調でした。実際には軌道にのってからは寝てただけですが...。

撮影できた星像を見てみると、うまく真円に近いものもあれば、三角っぽくなっているものや、伸びてしまっているものなど、いろいろです。少なくともTSA−120みたいに、全部の枚数が使えるとかの安定性は無さそうです。それでもよほどひどくないものでなければ平均化されることを見越して、2日目に撮影した86枚中、81枚を使って画像処理をすすめます。

フラットフレームは部屋の明るい壁を写すだけです。最近はずっとこの方法です。安上がり、手軽で、ほとんど失敗していません。撮影時の機材を何もいじらずに壁に近づけ、影にならないように気をつけます。唯一の欠点は、部屋の外の明るさを光源とするので、昼間しか撮影できないところでしょうか。明るさの調整は、ヒストグラムのピーク位置がちょうど真ん中になるくらいになるように露光時間を調整します。今回は40ミリ秒で256枚撮影しました。その状態で鏡筒に蓋をして、フラットダークを撮影します。

ダークは新たに128枚撮影しました。冷却CMOSカメラは、当たり前ですが温度が一定にできるので、後からダークを撮影できて楽でいいです。IMX294センサーはアンプグローが目立つので、ダーク補正の時の最適化がきかないため、同じ露光時間の5分で撮影します。128枚なので撮影だけで半日作業です。


画像処理

いつも通りPixInsightのWBPPでスタックまでしてしまいます。今回はABEもDBEも全く必要がないくらいフラットが合いました。20cmの大口径に入ってくる部類でも壁際フラット法は十分有効なようです。Pinkstarを復元し、PCCをかけます。

銀河団の処理は前回やりましたが、銀河だけの画像処理は久しぶりです。ライトフレームはArcsinhStretchでストレッチしたのですが、長焦点の成果どうも恒星がぼやっとしています。見栄えを良くするためにExpornentialTransformationのPIPで恒星のピークを出しました。これをPhotoshopに渡します。

星マスクを作るのですが、StarNetが小さい銀河と恒星を分離できないことに困りました。星マスクはストレッチ前にクローンを作り、HTで控えめにストレッチして、ExpornentialTransformationのPIPで恒星のピークを出し、さらにMorphologicalTransformation (MT)で星像を小さくして、やっとうまく分離できました。これをMTで星像を少し拡大して星マスクとして、Photoshopに渡します。

トータル露光時間が長かったせいか、Photoshopでのあぶり出しはそこまで困ることはありませんでした。結果は以下のようになります。


NGC4216、NGC4206、NGC4222

masterLight_cut_ABE_pink_ASx4_ET_ok_tune4a

  • 撮影日: 2021年4月5日20時12分-4月6日4時14分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: なし
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、gain120、露光時間300秒x81枚 = 6時間45分、ダーク128枚(gain120、露光300秒、最適化なし)、フラット256枚(gain120、露光40ミリ秒)、フラットダーク256枚(gain120、露光40ミリ秒) 
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC、Sharpen AI

どうでしょうか?長時間の撮影のせいもあるのか、ノーフィルターにもかかわらず銀河内の模様もそこそこ出ているのではと思います。ただ、恒星がまだぼてっとしている気がします。もう少し鋭く撮影できればと思います。これは鏡筒の分解能と言うよりは、シンチレーションで揺れが積分しされてしまっているからだと思います。


ついでアノテーションです。

masterLight_cut_ABE_pink_ASx4_ET_ok_Annotated

こんな小さな領域の中にも20個以上の銀河が写っています。NGC4216とNGC4222を結ぶように、淡いリングがあるのですが、今回さすがにこれは出ませんでした。というか、少しは期待していたのですが、どれだけあぶり出してもかすりもしなかったです。もっと暗いところに行くか、口径の大きな望遠鏡を使うか、露光時間をもっと増やすか、まだかなりの努力をしなくてはダメなようです。


切り出し画像との比較

前回撮影した広域の画像から、同じ構図で切り出してみます。あれ?ここではじめて今回縦横間違えて撮影していたことに気づきました。なので、今回は左側が北側になります。

cut

もちろん今回撮影した方が分解能も色も何もかも良く出てるのですが、口径と焦点距離から考えたら広域で撮影したものも思ったより善戦している気がします。


そういえばAVX

今回久しぶりにVIASACを持ち出したのですが、この間のカリフォルニア星雲とかおとめ座銀河団の撮影あたりからAdvanced VXも久しぶりに引っ張り出してきました。いつも玄関にCGEM IIがおきっぱなしにしてあるので、FS-60とかの軽い鏡筒でもそのままCGEM IIで済ませてしまっていたのですが、最近2台撮影体制を考えているので、軽いものはAVXで済まそうという考えです。その過程でガタつきを無くすとかの調整をしてきました。



AVXの何がいいって、CGEM IIに比べてとにかく軽いことです。CGEM IIの持ち運びでコツを覚えたからか、AVXなら5kgのウェイトをつけたままでも移動することが出来ます。ケーブルとかもつけっぱなしにしておけば、玄関から運んでかなりの短時間で撮影が開始出来ます。おかげで玄関には赤道儀が二台。昔CGEM IIを買った時にバレないようにこっそりAVXと入れ替えて誤魔化して以来(結局カード明細でバレて修羅場となったのですが)、久しぶりに玄関にAVXが鎮座するようになりました。


まとめ

今回久しぶりにVISACを使い銀河を撮影しました。VISACでやりたいことがいろいろあります。春は銀河を少し撮影していきたいと思っています。

長焦点はMEADEの25cmとC8とVISACがあるのですが、前者二つはコマ収差が大きいので周辺像は流石に厳しいです。VISACが唯一周辺まで星像がいいはずなのですが、本当にこいつはじゃじゃ馬です。いい時はすごくいいのに、星像が不安定で突然悪くなったりします。いまだに原因ははっきりしませんが、まずは鏡筒の強化から始めたいと思います。またブログの記事にしていきます。



 

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