今回はEVOSTAR 72EDでのいくつかの失敗などの裏話です。
前回までで、EVOSTAR 72EDのフルサイズの星像とレデューサーをつけた時の星像、追加でタカハシのマルチフラットナーを試した場合の星像を実際に撮影して示しました。
ところがこの試み最初全然うまくいかなかったのです。今回のお話は、何がうまくいかなかったのか、なんでうまくいかなかった、そんな反省の記事です。
EVOSTAR 72EDを受け取ったのが1月30日、最初のテストでASI178MCで簡易星雲撮影をしたのが2月1日、
2つめの記事の公開が、2月10日になります。主にこの2つめの使用記でのコメントをもとに、フルサイズの星像に挑戦しようと思うとともに、同じくリクエストのあった72ED用の専用レデューサーを借りることができないか、シュミットさんの方に問い合わせてみました。すると、ちょうど一つサンプルでレデューサーがあるというので、送ってもらえることになりました。
やはりアクロマートと言っても2枚玉なので、そのままフルサイズで写すだけだと星像の流れが大きいことが予想されます。でもレデューサーがあれば俄然やる気が出てきます。とりあえずレデューサーが到着するまで、撮影を進めることにしました。
短時間だけ晴れた2月14日(金)の夜中近く、EVOSTAR 72DとASI294MC Proを使って、いきなりフルサイズには行かずに、まずはフォーサーズ相当での画像チェックをしてみました。なぜフルサイズにいかなかったかいうと、3つくらい理由があって、
ASI294MCをAZ-GTiをEVOSTAR 72Dとに取り付け、AZ-ZTiに載せ経緯第モードで薔薇星雲を自動導入します。SharpCapで10秒露光をLiveStackで18枚重ねて保存し、それを1枚の画像とします。合計5枚撮影したので15分ぶんの画像があります。他にも4枚の12分ぶんの馬頭星雲と燃える木も撮影しました。
ところがどの画像を見てもなぜか片側がずれるのです。その中の1枚です。撮影したFITS画像をPixInsightでオートストレッチして、JPEGに変換してあります。四隅の切り出し画像も載せておきます。
レデューサーなどの補正レンズをまだ使っていないので、四隅で流れるのは仕方ないのですが、明らかに左右のズレ方が違います。左側の方がズレが大きく、右側の方がズレが小さいです。他の4枚の画像も、馬頭星雲4枚も比べましたが、全て同様の傾向でした。私は当時この片ズレを鏡筒のせいだと思い込んでいました。
その後、シュミットさんからレデューサーが届いたのが2月15日、次に晴れた2月19日の平日、曇るまでの少しの間レデューサーをつけて、再度ASI294MC Proで同様の撮影をします。この時もAZ-GTiに載せて10秒露光の18枚LiveStackで180秒露光が一枚画像なのは変わりません。この日は10枚のバラ星雲を撮影しました。その中の1枚ですが、他の9枚も同様の映り具合です。
やはりこの場合も左側の星像の伸びが大きくて、右側が小さいです。右側は前回より少しだけマシかもしれませんが、それでも全然です。問題はこの時きちんとレデューサーつけてるんですよね。レデューサーは星像をかなりマシにするはずです。もしこの結果が本当だとしたらレデューサーでの星像改善が全然なされない!?ことになります。
ここでそうとう悩みました。もしこの片ズレが鏡筒から来ているのなら、カメラ側のスケアリング調整で直る可能性もあります。一旦シュミットさんと電話で相談して、「もしスケアリング調整でも片ボケが直らないのなら一度送り返してもらって調整してみましょうか?」という提案も頂きました。この個体だけなのか、もし他のユーザーにも同様の傾向があるなら販売店として心配だという思いがありありと伝わってきました。「いずれにせよ次の晴れ間に再度確認して、それでもダメなら送り返します。」という約束をして、次の晴れ間を待つことに。結構気合の必要なテストなので、ある程度の時間安定した晴れ間が必要です。
その間、短い晴れ間を利用してTSA-120のテストなどをしていたのですが、ここで重要なことに気づきました。
3月3日のトラペジウム撮影の際のことです。M42をTSA-120をCGEM IIに載せてASI294MC Proで1秒露光で60回LiveStackして、それを14枚重ねました。
20時41分から21時17分となっているので、実際にはスタック失敗のコマ落ちがたくさんあり、36分間かけて14分ぶんの画像を撮影しています。その14枚をスタックしたものをですが、ガイド撮影とか何もしていないため36分で一方向に結構な距離流れてしまい、縞ノイズが見えています。
四隅を気をつけて見てみると、右下の星像の伸びが一番ひどく、左上もまあひどい。一方、右上と左下はそれほどでもありません。このズレは当然、ガイドなしのために30分の撮影の間に赤道儀が左上から右下にかけて流れて知ってしまったために起こったものなのですが、少なくとも右下左上と右上左下でここまで違いが出るのです。
ここで「あ、EVOSTAR、片ズレとか言っていたけど、もしかしたら追尾のせいかも」と思うに至りました。EVOSTARでの撮影、鏡筒が軽いのをいいことに手を抜いてAZ-GTiで撮影していたのです。しかも1枚の画像が180秒露光に相当します。そもそもAZ-GTiの経緯台モードで撮影しているので、画面は1日で360度回転します。
例えAZ-GTiが誤差なしで完全に天体を追尾しても、3分間だと360度 x 3分 / (24時間 x 60分) = 18/24度 = 45分角と結構ズレます。これは0.013radに相当するので、画像の横幅が4144ドットとすると、4144 x 0.013 = 54ドットもずれていることになります。回転ズレはあぷらなーとさんが以前コメントしてくれたように、南天で最大、東と西で最小になりますが、この時はまだ西に沈む前。そこそこの回転速度のはずです。さらに加えてAZ-GTiの追尾誤差が入ってきます。
今回のズレの主な原因が回転だとしたら、効きは当然左右で逆方向になります。片ズレにもなるわけです。また、これだけずれていたらレデューサーの星像補正もへったくれもありません。
というわけで、改めて鏡筒の片ボケ(まだこの時は片ボケも仮定はしていました)と視野の回転から来るズレを分離するために、まずは赤道儀に載せます。今回はCGEM IIを使い、極軸もSharpCapの極軸ツールを使い1分角以下のズレまで抑えました。また、露光時間も30秒に抑え、時間によるずれの効果を少なくしました。カメラも当然一気にフルサイズです。
その結果が、前回の
になるわけです。実際に撮影してみると、鏡筒の片ボケなんかは存在せず。純粋にAZ-GTiでの経緯台モードでの撮影から来る回転と、追尾の精度(光学系による星像の悪化を評価するには、露光時間が長すぎたということ)が問題だったということがわかりました。
その上でレデューサーの星像補正の効果も十分に見ることができたというわけです。これでやっと一安心できました。
今回のことは色々教訓を含んでいます。まず技術的な面。
もう一つ、こちらは別の意味でもっと重要なのですが、機器をお借りしての評価なので、間違った方法で判断してしまうと、メーカーの信頼を損なう恐れがあることです。もともと勝手に始めた評価だったのですが、自分の発した言葉には必ず責任が伴ってきます。自分のことだけならまだしも、他人を巻き込んでのことなので、安易な結論を出す前に、きちんと考える必要があります。以下が、今回得た教訓と言ってもいいのかもしれませんが、
実際、今回は鏡筒がおかしいと判断して送り返してしまう一歩手前まで行きました。当然送り返した先の検査では問題ないと出たでしょうし、そうなると泥沼です。このブログを読んでくれている方に間違った情報を伝えてしまいますし、このブログの内容も信頼をなくすことになるでしょう。もしかしたら機材の売り上げにも影響するかもしれません。
もちろん、所詮個人が試しているレベルのことなので、ミスもあるでしょうし、これからも勘違いもあることでしょう。完璧は難しいですが、今回のことを反省材料に、できる限り客観的に、精確に評価できるよう心がけてきたいと思います。
正直、実際に撮影しながらレデューサーの性能が出た時、やっとほっとしました。評価終了までずいぶんと時間がかかってしまったので、サイトロンさんには申し訳なく思っています。
今回の反省記事も含めて4回(最初の簡易星雲撮影も入れたら5回 (2020/3/30 追記: ついでにおまけ記事と撮影まで試したので計7回の記事になりました。) )にわたりEVOSTAR 72EDについて書いてきました。色々紆余曲折もありましたが、実際に触りながらのレポートで、EVOSTAR 72EDの魅力も十分に伝わってくれていればと思います。
EVOSTAR 72EDですが、電視観望鏡筒として、入門機の次のステップとして、初めての撮影になど、すでに持っている方も、今後実際に購入して試す方もたくさんいらっしゃるかと思います。レデューサーはじめ、いろいろ工夫することで撮影にも十分耐えうる鏡筒だと思います。値段も付属品の充実具合とともに、アポクロマートとしては十分魅力的だと思います。
今回の私のような失敗をしないように、いや例え失敗したとしてもきちんと検証して次に進み、鏡筒が持っている性能をうまく引き出すことができるようになると、さらに楽しさが増すのかと思います。今回のEVOSTAR 72EDは、そんなテストにも十分耐えうるだけの性能を持ち、かつ値段的にもいろんなテストが気軽にできる、ある意味とても使いがいのある鏡筒なのかと思います。鏡筒の性能を十二分に引き出して、もしそこで不満が出たら次のステップに進むのも、さらにまた道が広がっていくのかと思います。
EVOSTAR 72EDシリーズの記事もこれでひと段落になります。また何か面白いことがあったら記事にします。
追記: その後撮影の一例として、レデューサーにASI294MC Proをつけ、バラ星雲を撮影し画像処理まで進めてみました。
あ、撮影中にカメラ(EOS 6D)を落下させたこと書くのを忘れてました。これも失敗の一つです。
私の持っているM42から2インチスリーブへの変換のカメラアダプター、長さが1cm位と短いのです。しかもそのアダプターを固定する2インチスリーブの3つあるネジの一つを閉め忘れて赤道儀に鏡筒を取り付けたら、6D君が見事に外れてそのままアスファルトの地面に落下。落下はC8以来、久しぶりにやらかしました。
実はこのカメラL字アルカスイスプレートをつけてあって、後で傷を見たら、ラッキなーことにそのL字プレートのところで地面に激突したみたいです。
動作も問題ありませんでした。L字アダプターさまさまです。アダプターの選択と、ネジの閉め忘れには十分なご注意を。
前回までで、EVOSTAR 72EDのフルサイズの星像とレデューサーをつけた時の星像、追加でタカハシのマルチフラットナーを試した場合の星像を実際に撮影して示しました。
ところがこの試み最初全然うまくいかなかったのです。今回のお話は、何がうまくいかなかったのか、なんでうまくいかなかった、そんな反省の記事です。
フルサイズの撮影にいたるまで
EVOSTAR 72EDを受け取ったのが1月30日、最初のテストでASI178MCで簡易星雲撮影をしたのが2月1日、
2つめの記事の公開が、2月10日になります。主にこの2つめの使用記でのコメントをもとに、フルサイズの星像に挑戦しようと思うとともに、同じくリクエストのあった72ED用の専用レデューサーを借りることができないか、シュミットさんの方に問い合わせてみました。すると、ちょうど一つサンプルでレデューサーがあるというので、送ってもらえることになりました。
やはりアクロマートと言っても2枚玉なので、そのままフルサイズで写すだけだと星像の流れが大きいことが予想されます。でもレデューサーがあれば俄然やる気が出てきます。とりあえずレデューサーが到着するまで、撮影を進めることにしました。
ASI294MC画像の片ズレ
短時間だけ晴れた2月14日(金)の夜中近く、EVOSTAR 72DとASI294MC Proを使って、いきなりフルサイズには行かずに、まずはフォーサーズ相当での画像チェックをしてみました。なぜフルサイズにいかなかったかいうと、3つくらい理由があって、
- アメリカンサイズのQBPをCMOSカメラに取り付けての撮影テストを同時に試したかった。
- いきなりフルサイズだと、大きすぎる星像の流れが予想された。
- 手持ちのEOS 6Dへの接続準備がまだできていなくて、前回と同じCMOSカメラをアイピース口に差し込むだけの方が簡単だった。
ASI294MCをAZ-GTiをEVOSTAR 72Dとに取り付け、AZ-ZTiに載せ経緯第モードで薔薇星雲を自動導入します。SharpCapで10秒露光をLiveStackで18枚重ねて保存し、それを1枚の画像とします。合計5枚撮影したので15分ぶんの画像があります。他にも4枚の12分ぶんの馬頭星雲と燃える木も撮影しました。
ところがどの画像を見てもなぜか片側がずれるのです。その中の1枚です。撮影したFITS画像をPixInsightでオートストレッチして、JPEGに変換してあります。四隅の切り出し画像も載せておきます。
レデューサーなどの補正レンズをまだ使っていないので、四隅で流れるのは仕方ないのですが、明らかに左右のズレ方が違います。左側の方がズレが大きく、右側の方がズレが小さいです。他の4枚の画像も、馬頭星雲4枚も比べましたが、全て同様の傾向でした。私は当時この片ズレを鏡筒のせいだと思い込んでいました。
レデューサーでも片ズレ、しかも星像改善みられず
その後、シュミットさんからレデューサーが届いたのが2月15日、次に晴れた2月19日の平日、曇るまでの少しの間レデューサーをつけて、再度ASI294MC Proで同様の撮影をします。この時もAZ-GTiに載せて10秒露光の18枚LiveStackで180秒露光が一枚画像なのは変わりません。この日は10枚のバラ星雲を撮影しました。その中の1枚ですが、他の9枚も同様の映り具合です。
やはりこの場合も左側の星像の伸びが大きくて、右側が小さいです。右側は前回より少しだけマシかもしれませんが、それでも全然です。問題はこの時きちんとレデューサーつけてるんですよね。レデューサーは星像をかなりマシにするはずです。もしこの結果が本当だとしたらレデューサーでの星像改善が全然なされない!?ことになります。
ここでそうとう悩みました。もしこの片ズレが鏡筒から来ているのなら、カメラ側のスケアリング調整で直る可能性もあります。一旦シュミットさんと電話で相談して、「もしスケアリング調整でも片ボケが直らないのなら一度送り返してもらって調整してみましょうか?」という提案も頂きました。この個体だけなのか、もし他のユーザーにも同様の傾向があるなら販売店として心配だという思いがありありと伝わってきました。「いずれにせよ次の晴れ間に再度確認して、それでもダメなら送り返します。」という約束をして、次の晴れ間を待つことに。結構気合の必要なテストなので、ある程度の時間安定した晴れ間が必要です。
TSA-120での片ズレ!?
その間、短い晴れ間を利用してTSA-120のテストなどをしていたのですが、ここで重要なことに気づきました。
3月3日のトラペジウム撮影の際のことです。M42をTSA-120をCGEM IIに載せてASI294MC Proで1秒露光で60回LiveStackして、それを14枚重ねました。
20時41分から21時17分となっているので、実際にはスタック失敗のコマ落ちがたくさんあり、36分間かけて14分ぶんの画像を撮影しています。その14枚をスタックしたものをですが、ガイド撮影とか何もしていないため36分で一方向に結構な距離流れてしまい、縞ノイズが見えています。
四隅を気をつけて見てみると、右下の星像の伸びが一番ひどく、左上もまあひどい。一方、右上と左下はそれほどでもありません。このズレは当然、ガイドなしのために30分の撮影の間に赤道儀が左上から右下にかけて流れて知ってしまったために起こったものなのですが、少なくとも右下左上と右上左下でここまで違いが出るのです。
ここで「あ、EVOSTAR、片ズレとか言っていたけど、もしかしたら追尾のせいかも」と思うに至りました。EVOSTARでの撮影、鏡筒が軽いのをいいことに手を抜いてAZ-GTiで撮影していたのです。しかも1枚の画像が180秒露光に相当します。そもそもAZ-GTiの経緯台モードで撮影しているので、画面は1日で360度回転します。
例えAZ-GTiが誤差なしで完全に天体を追尾しても、3分間だと360度 x 3分 / (24時間 x 60分) = 18/24度 = 45分角と結構ズレます。これは0.013radに相当するので、画像の横幅が4144ドットとすると、4144 x 0.013 = 54ドットもずれていることになります。回転ズレはあぷらなーとさんが以前コメントしてくれたように、南天で最大、東と西で最小になりますが、この時はまだ西に沈む前。そこそこの回転速度のはずです。さらに加えてAZ-GTiの追尾誤差が入ってきます。
今回のズレの主な原因が回転だとしたら、効きは当然左右で逆方向になります。片ズレにもなるわけです。また、これだけずれていたらレデューサーの星像補正もへったくれもありません。
赤道儀を使った短時間露光撮影でやっと解決
というわけで、改めて鏡筒の片ボケ(まだこの時は片ボケも仮定はしていました)と視野の回転から来るズレを分離するために、まずは赤道儀に載せます。今回はCGEM IIを使い、極軸もSharpCapの極軸ツールを使い1分角以下のズレまで抑えました。また、露光時間も30秒に抑え、時間によるずれの効果を少なくしました。カメラも当然一気にフルサイズです。
その結果が、前回の
になるわけです。実際に撮影してみると、鏡筒の片ボケなんかは存在せず。純粋にAZ-GTiでの経緯台モードでの撮影から来る回転と、追尾の精度(光学系による星像の悪化を評価するには、露光時間が長すぎたということ)が問題だったということがわかりました。
その上でレデューサーの星像補正の効果も十分に見ることができたというわけです。これでやっと一安心できました。
反省点
今回のことは色々教訓を含んでいます。まず技術的な面。
- 経緯台での自動追尾は長時間露光だと星像が大きく流れてしまう。
- 誤差は一番大きなものが出てしまうので、レデューサーの微妙な補正効果などは吹っ飛んでしまう。
- 赤道儀でも長時間の追尾ズレ(ノータッチガイド、ガイド鏡のたわみなどによるガイドのドリフト)でも星像を壊す可能性が十分にある
- いくら性能のいい鏡筒を使っても、運用上のずれでその性能は容易に台無しになってしまう可能性がある
もう一つ、こちらは別の意味でもっと重要なのですが、機器をお借りしての評価なので、間違った方法で判断してしまうと、メーカーの信頼を損なう恐れがあることです。もともと勝手に始めた評価だったのですが、自分の発した言葉には必ず責任が伴ってきます。自分のことだけならまだしも、他人を巻き込んでのことなので、安易な結論を出す前に、きちんと考える必要があります。以下が、今回得た教訓と言ってもいいのかもしれませんが、
- おかしなことがあっても、必ず別の日、別の条件などで再現性があるか試す。
- 納得がいかなかったら、原因を色々考える。
- 安い機材だからダメだとか、高級機だからいいとか、先入観を持たない。
実際、今回は鏡筒がおかしいと判断して送り返してしまう一歩手前まで行きました。当然送り返した先の検査では問題ないと出たでしょうし、そうなると泥沼です。このブログを読んでくれている方に間違った情報を伝えてしまいますし、このブログの内容も信頼をなくすことになるでしょう。もしかしたら機材の売り上げにも影響するかもしれません。
もちろん、所詮個人が試しているレベルのことなので、ミスもあるでしょうし、これからも勘違いもあることでしょう。完璧は難しいですが、今回のことを反省材料に、できる限り客観的に、精確に評価できるよう心がけてきたいと思います。
まとめ
正直、実際に撮影しながらレデューサーの性能が出た時、やっとほっとしました。評価終了までずいぶんと時間がかかってしまったので、サイトロンさんには申し訳なく思っています。
今回の反省記事も含めて4回(最初の簡易星雲撮影も入れたら5回 (2020/3/30 追記: ついでにおまけ記事と撮影まで試したので計7回の記事になりました。) )にわたりEVOSTAR 72EDについて書いてきました。色々紆余曲折もありましたが、実際に触りながらのレポートで、EVOSTAR 72EDの魅力も十分に伝わってくれていればと思います。
EVOSTAR 72EDですが、電視観望鏡筒として、入門機の次のステップとして、初めての撮影になど、すでに持っている方も、今後実際に購入して試す方もたくさんいらっしゃるかと思います。レデューサーはじめ、いろいろ工夫することで撮影にも十分耐えうる鏡筒だと思います。値段も付属品の充実具合とともに、アポクロマートとしては十分魅力的だと思います。
今回の私のような失敗をしないように、いや例え失敗したとしてもきちんと検証して次に進み、鏡筒が持っている性能をうまく引き出すことができるようになると、さらに楽しさが増すのかと思います。今回のEVOSTAR 72EDは、そんなテストにも十分耐えうるだけの性能を持ち、かつ値段的にもいろんなテストが気軽にできる、ある意味とても使いがいのある鏡筒なのかと思います。鏡筒の性能を十二分に引き出して、もしそこで不満が出たら次のステップに進むのも、さらにまた道が広がっていくのかと思います。
EVOSTAR 72EDシリーズの記事もこれでひと段落になります。また何か面白いことがあったら記事にします。
追記: その後撮影の一例として、レデューサーにASI294MC Proをつけ、バラ星雲を撮影し画像処理まで進めてみました。
おまけ、カメラ落下事件
あ、撮影中にカメラ(EOS 6D)を落下させたこと書くのを忘れてました。これも失敗の一つです。
私の持っているM42から2インチスリーブへの変換のカメラアダプター、長さが1cm位と短いのです。しかもそのアダプターを固定する2インチスリーブの3つあるネジの一つを閉め忘れて赤道儀に鏡筒を取り付けたら、6D君が見事に外れてそのままアスファルトの地面に落下。落下はC8以来、久しぶりにやらかしました。
実はこのカメラL字アルカスイスプレートをつけてあって、後で傷を見たら、ラッキなーことにそのL字プレートのところで地面に激突したみたいです。
動作も問題ありませんでした。L字アダプターさまさまです。アダプターの選択と、ネジの閉め忘れには十分なご注意を。