ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2020年01月

先日、富山県天文学会で新年の例会がありました。そこで話すために昨年やったことを見直していたのですが、昨年もちょうどこの時期にやりたいことを書いています。




いい機会なので、それがどれくらい達成できたかの反省と、今年のやりたいことを書いていきたいと思います。いつものように長文です。読みにくくてごめんなさい。

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機材関連


とりあえず去年の目標を再度書き出してみます。
  1. FS-60Qにカメラを付けたままでしまえるケース
  2. MEAD 25cmシュミカセ用フードをヒーターに改造
  3. Vixen Portaの経緯台の評価と安定化
  4. α7sの入手
  5. 焦点距離100mmくらいの、いいカメラレンズを手に入れる
  6. FS-60Qより長焦点の撮影鏡筒を手に入れる
  7. 双眼鏡の性能がわかるようになる
パッとみても、うーん微妙です。まず、進んだことです。

 6. ここ最近で一番大きなことですが、つい最近TSA-120をとうとう手に入れてしまったことでしょうか。TwitterでTSA-120が来たときと購入までの経緯の記事の報告をしたときは、みなさん新しい機材の購入の喜びを知っているのでしょう、凄いおめでとうコメントの数でとても嬉しかったです。他にもゴールデンウィーク中にFC-76も手に入れてます。白濁したレンズの格安のものですが、作りは素晴らしく、マルチフラットナーとの組み合わせで撮影にも使えます。一方、さらなる長焦点としては夏にVISACもヤフオクで落札しましたが、おにぎり星像が解決されたのかまだ確証がなくて、こちらはさらに検証が必要です。

1. ケース関連はホームセンターで売っているプラスチックケースを利用するというのが大体定着しつつあります。TSA-120用にも、Twitterでりょーじんさんにアイリスオーヤマのケースでちょうどいい大きさだという情報をいただきました。私も同様のものを考えていたのですが、すでに使っていて実用的だという情報はありがたいです。

5. カメラレンズですが、最近PENTAXの中判の6x7レンズを集めています。すでに6本目を手に入れていて、当たり外れも多いですが、安価なので気軽に様々な焦点距離のものを試すことができます。いつかSIGMAのArtのような高級機にも手を出したいですが、しばらくはPENTAXで楽しむことにします。

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7. 双眼鏡はブログであまり報告していないですが、SVBONYを昨年初めに購入していて、庭の鳥を見るのに使ったりしています。他にも「星もと」で50年くらい前のJasonというクラシック双眼鏡を買ったりしています。どちらも高級機というわけではないので、シビアな性能は求められないと思いますが、私の目には十分不満なく見えています。ということはあまり目が肥えたというわけではないのかもしれませんが、東京に行くたびに秋葉原のヨドバシに行って双眼鏡を見比べています。明るさとか収差とか周辺像とかは、多少見分けがつくようになってきました。ただ、星を見たわけではないので、星を見ながらじっくり比べてみたいと思っています。

双眼鏡での見え方もそうですがせっかくTSA-120を買ったので、眼視の方も少し真剣にやりたいと思っています。アイピースは実は最初の頃に買ったPENTAXとかもあるのですが、あまり活用できていなかったので、今後は使う機会を増やせるかと思います。


逆にあまり進まなかったことです。

2. ヒーター関連は完全にサボってます。材料とかはとっくに揃っていたのですが、昨年は天気が悪く撮影回数が少なかったことと、自宅の庭で撮影するのがほとんどで、曇りはあまり影響ありませんでした。加えてLambdaさんの放射冷却対策の話が出てきたので、そちらの方の材料も買っているのに、これもまだ未対策。あまり進展ないです。

3. 経緯台はSCOPETECHのZEROに期待しています。Vixen Portaの方持ち経緯台との比較とかしてみたいです。

4. α7sは結局購入に至っていません。その前にモノクロ冷却CMOSカメラを購入したいのですが、予算申請がまだ認められそうにありません。


以上を踏まえて、今年の目標です。
  1. モノクロ冷却CMOSカメラを手に入れる。
  2. TSA-120を利用した眼視体制の強化。
  3. PENTAX 6x7レンズをできるだけ試して星景、星野の向き不向きを判別し、焦点距離の抜けを補完する。
大物は1番目の一つですね。後は眼視もPENTAXレンズもそれほど大きな買い物にはならないかと思います。

屈折はTSA-120の購入でしばらく物欲は抑えられそうです。少なくともTOAが(予算も含めて)視界に入ってくるまでは何年もかかるでしょう。反射は飛騨コスモス天文台の振動が抑えられて星像がもう少しシャープになれば満足するかもしれません。さらにVISACもあるので、反射もしばらく物欲は抑えられそうです。赤道儀も今のCGEM IIとサブでAdvanced VX、お気楽でAZ-GTi(こちらは主に経緯台で使用)で特に不満はありません。

細かいものはTSA-120用のフラットナーとかレデューサー、他にもフォーカサーとか、ASIAIR Proとか他にも色々欲しいもはありますが、これからしばらくは子供にお金もかかりそうで、あまり無駄遣いはせず地道に行くことになりそうです。

庭撮りがうまくいっているので、気軽に撮影するために固定で設置できるドームとかも欲しいかなと少し思い始めていますが、これはさらなる長期計画でしょう。


撮影

去年の目標です。
  1. FS-60CBでのレデューサとマルチフラットナーを使った継続的な撮影
  2. AZ-GTiの赤道儀モードでのガイド撮影
  3. C8での太陽Hα撮影
  4. シュミカセのコマ収差の補正
  5. シュミカセを使ったラッキーイメージ法での遠方銀河の撮影
  6. 冷却CMOSカメラに慣れる
  7. モノクロでの天体撮影
  8. モノクロ冷却カメラの入手と撮影

こちらも進んだことから。

1. FS-60CB、FS-60Q、FC-76でのフラットナーやレデューサーを組み合わせての撮影は天気さえ良ければコンスタントに進んでいると思います。特にQBPを使った庭撮りが結構満足がいくレベルになってきていて、例えばFC-76とQBPで自宅で撮影したバラ星雲なんかは白濁レンズの影響を微塵も感じません。



でもとにかく去年は天気が悪かった。夏場から秋ははほとんどだめでした。秋の終わりから年末にかけて少し晴れて進んだくらいです。特に進んだのは、PENTAXレンズでの星野に近い広角での撮影でしょうか。



こちらはレンズを揃えると色々焦点距離を選択できるのではと思っています。

2. AZ-GTiの赤道儀モードでの2軸ガイドでの撮影は一応目処がつきました。600mmで5分露光で、85%以上の採用率なので結果としては十分でしょう。でもこれを常時使うかというと、結構設定も大変で、風に弱かったりもするので、車で重い赤道儀でも運べるならば、普通の赤道儀を使います。海外とか徒歩とか、制限された環境のためのテストだったと言えるでしょうか。

5. ラッキーイメージングは少しは試しました。結果としてあるのはMEADE25cmでの10秒露光x50枚のオリオン大星雲



が大した処理もせずにトラペジウムまで余裕で写っています。このとき0.1秒5000枚とかやりましたが、流石にノイズが大きく無理がありました。もう一つはVISACでのM57の中心星まではっきり見えたときのものくらいでしょうか。




次はできなかったことです。

4. MEADEは周辺像が悪く、コマ収差の補正のためにクローズアップレンズなども購入したのですが、まだ試せていません。コマ収差がいやでVISACを試したのに星像が三角になるなど、なかなか思い通りにいきません。

いずれにせよ、天気が悪いのと、平日は流石に時間も取りにくく、撮影回数が少なかったために、そもそも色々試す機会も少なく、他はほとんど成果が出ていません。

3. 太陽も昨年はほとんど成果がありませんでした。C8での20cmPSTの準備はしてますが、こちらも黒点が全然出ないのでなかなか盛り上がらず進んでいません。

6, 7, 8. 冷却、モノクロも全然です。


そんなことから今年の目標ですが、結構継続が多いですね。
  1. TSA-120での撮影確立
  2. 飛騨コスモス天文台での満足のいく撮影
  3. ラッキーイメージングでの高分解能の追求
  4. ナローバンド撮影
  5. 電視観望技術を利用した超お手軽撮影で、どこまで迫れるか
  6. 太陽黒点の高解像度撮影
  7. 太陽アニメーションを作る手法を編み出す

1のTSA-120は眼視と共に撮影は大きな目標の一つです。

2の飛騨コスモスは機材としては優れているはずです。振動を抑えることとコマ収差を抑えることで、撮影レベルで実用となればと思っています。

3、4は継続ですね。

5ですが、凝った撮影とは全く逆の方向です。いかに低予算、軽量で、初心者でも撮影できる方法がないかという検証です。電視観望の技術が応用できそうで、広角なカメラレンズ、経緯台、ソフトでの補正などでどこまで迫れるかといものです。制限をつけるところと、力を入れる所を緩急つけてみようと思っています。

6, 7は黒点が出ないとあまり面白くないですが、アニメーションを作るために太陽をきちんとガイドする方法を編み出したいです。色々アイデアはあるのですが、太陽自身が活動していないのでいまいち盛り上がっていません。太陽関連でもう一つ、3.5nmのHαフィルターをBF(ブロッキングフィルター)の代わりに使えないかという試みを考えていました。国際光器さんに提供して頂いたフィルターなのですが、すでに過去すでに2度試して結果がうまくいかなくて、結局お蔵入り状態の記事になっています。今一度確認して、結果をきちんと記事にしたいと思っています。

撮影はどうしても時間がかかります。仕事も忙しくて平日はなかなか時間が取れないので、休みの日くらいは晴れて欲しいと今年も願うのですが、まあ天気ばかりは仕方ないです。富山も今日からやっと雪がふっています。


画像処理

去年はFS-60CBに凝っていました。
  1. FS-60CB用+レデューサーの四隅の処理法
  2. FS-60CB用+マルチフラットナーの四隅の処理法
が昨年の目標になります。特にレデューサーは四隅が少し流れるのですが、そこまで不満かというと、許容範囲の気もするので、画像処理での補正もあまり進んでいません。というより、やはり少し不満だからレデューサーで撮影する機会も少ないので進まないというのもあります。

今年はそれよりも
  1. 恒星処理
を目標にします。一つだけです。

難しい光害があるような中でも、一番最初の目的の「天体写真を撮ってみたい」という観点からでは自分ではそこそこ満足するようになってきました。まだ分子雲の炙り出しとかありますが、ここからは時間、お金など全てをかけなければならない修羅の道になっていくはずです。私はまだそこまでの覚悟はできていません。

それでも最近の不満はやはり恒星で、これまで星雲の方ばかりに力を入れていて、恒星の方は少し軽視していました。目標としては画像処理で恒星が飛ばないこと、周りへの自然なつながりです。画像処理にあたっては最近はStarNet++を結構使うことも多いです。星雲と恒星に分けた後、再び合わせるときにどうしても恒星とのつなぎが不自然になってしまいます。今年はTSA-120も参戦するはずなので、そこらへんに気をつけながら画像処理ができればと思っています。

一方、PixInsightに流石に慣れてきて、もうこれなしでは画像処理ができなくなりつつあります。いまだに使いこなせていない機能もたくさんあるのですが、使っている機能だけでも相当強力です。特にフラットは私はiPadとかのLEDでサボってしまっているので、PixInsightのDBEに頼りっきりです。


電視観望

去年の目標は
  1. 季節ごとの電視観望に適した天体リストの作成
  2. 電視メシエマラソン
で全然進んでいないのですが、ある意味一番進んだのが電視観望かもしれません。 これは技術的にというよりは、普及という意味です。

このブログでも紹介していますが、昨年はCANP小海の星と自然のフェスタで、2度電視観望関連の講演をしています。 CANPは本当のマニアが来ているので聞く人は限られていますが、小海の方は一般の天文好きな人も自由に参加できます。

そもそもCANPでのんたさんが「電視観望の講演一番面白かった」と言ってくれて、星まつりでも話すことができないかと助言してくれました。KYOEIのMさんとも話が進み、合同で話すことになりました。そのときのスライドをここに公開しています。エッセンスを詰めたつもりなのでよかったらご覧ください。小海では講演に続いて夜に電視観望の実演までできて、多くの方に実際に見えてもらえたのはとても有意義でした。特に小海でいっしょだったシベットさんが、各種フィルターを使った電視観望の様々な試みを凄い勢いで進めてくれています。毎日に近い頻度で更新されていて、例えば今日の記事はこれですし、6ヶ月のまとめの記事なんかは秀逸です。



また、ネットを見ていると全国的に電視観望をやったという話が普通に出てきます。このブログを参考にして試されている方も多いようです。Twitterなんかでも、例えばどこかの大学の天文部の学生さんでしょうか、多分女の子だと思うのですが、「電視観望凄い」などと呟いてくれています。もう普通の人にも認識されそうな勢いです。これはとても嬉しいことです。以前KYOEIのMさんが言っていたのですが「電視観望をブームにしたくない」と。「ブームだと必ず落ち込みが来るので、じわじわと広まっていくような形で、観測手段の一つとして広まって欲しい」というようなことを言っていました。さすがハレー彗星の時の盛り上がりとその後を知っている方の意見です。電視観望は一般の人たちにも広まりつつあって、ちょうど今そんな感じにうまく広まっている最中なのかと思います。折しもMさんが今月発売の星ナビで電視観望について書いてくれているとのことです。まもなく発売なので、私も記事を楽しみにしています。

技術的にはシベットさんが進めているフィルター関連を追試して行きたいかなと思っています。撮影のところでも書きましたが、光害防止フィルターと安いレンズなど、安価で初心者でも気軽にトライできる電視観望を提案できたらと思っています。観望会で誰かがやっている電視観望で見たりするのも楽しいですが、やはり自分で星雲とか色付きでリアルタイムで見るのが一番楽しいはずです。

でもこうやって書いていると、基本的な技術はある程度確立してきているので、電視観望のタネを播くというのは終わりに近づきつつあるかなと思ってしまいます。シベットさんのように全国で新しいことを進めてくれる人がどんどん出てくるはずで、私個人では思いつかないようなアイデアがたくさん出てくることに期待したいです。電視観望で講演とかできるチャンスがあれば、普及につながると思いますので、頑張りたいと思います。なので、目標は
  1. 電視観望がさらに一般的な観測手段になっていくように努力する。
というのを今年の目標にしたいと思います。


考察、実験、評価など

昨年の目標は
  1. シュミカセの補正レンズの設計と簡単な試験
  2. FS-60CBの光学設計を理解、フラットナー、レデューサーでの星像の再現
  3. CMOSカメラのゲインの最適値の議論
でしたが、1,2のレンズ関連はほとんど進展ありません。クローズアップレンズなども関連するので、また興味が出たときに進めるつもりです。

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一方、昨年もまた興味の赴くままに、たくさんの考察や実験をしました。3に関連することでは、最近またMATLABで再開しましたが、結論出ずです。いや、実は結論出たと思って長い記事を書いたところで理解不足に気づき、一本記事がまるまるお蔵入りになっています。でもまだ諦めてはいません。

色々やっているので、何をやったか時系列で箇条書きでまとめておきます。
  1. リードノイズの温度依存性 (2019/1/27)
  2. リードノイズの実測 (2019/1/31)
  3. FS-60でのエクステンダー、フラットナー、レデューサの比較 (2019/2/9)
  4. コンバージョンファクターの実測 (2019/3/2)
  5. ラッキーイメージングでどこまで見えるか (2019/4/14)
  6. 星座ビノのレビュー (2019/4/27)
  7. 白濁レンズの眼視電視観望撮影画像処理への影響 (2019/5/11-6/29)
  8. 光学的分解能の考察とカメラの分解能の関係 (2019/8/17)
  9. 地面などの振動がどう星像に表れるかの考察 (2019/9/1)
  10. 光害下での電視観望でのQBPの効果の検証 (2019/9/15)
  11. 格安電視観望の試み (2019/11/4)
  12. アトムレンズの放射線測定 (2019/11/20)
  13. 顕微鏡でCMOSセンサー面を見る (2020/1/12)
書き切れないのもあるのですが、振り返るとまあ色々やっていますね。中にはくだらないのもありますが、これだけ楽めているのならこの趣味を選んだ甲斐があったというものでしょう。少しだけ補足です。

1,2. リードノイズ止まりで、結局まだ次のダークノイズの解析までたどり着いてもいません。
4. コンバージョンファクターはEOS 6Dのユニティーゲインを測定するのがいまだに目標です。
5. ラッキーイメージングもまだまだ入り口に立ったくらいです。
6. 星座ビノはすでに沼ですね。
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7. 白濁レンズは多分誰も欲しいとは思わないでしょうが、驚くほど全然使えます。
8. 分解能の検討はガイドカメラなどになってしまいあまり日の目を見なかった高解像度のASI178MCの再利用につながりました。
9. 地面振動は飛騨コスモスでの撮影につなげようと思っています。
13. 顕微鏡はすでにあぷらなーとさんが結果を出しているのですが、自分でもやってみようと思っています。

目標を立てるのは難しいです。その時その時で興味がわっと沸いて、結構短期間で終わらせています。ノイズの方の考察はもう少し実践に即したスカイノイズとかも考えてみたいです。


課外活動

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県天の資料でまとめたもののコピペです。

星まつり等参加
  • 6/15-16: CANP、電視観望の講演
  • 8/2-8/:4 原村星まつり、電視観望の実演
  • 8/24: 胎内星まつり
  • 9/22: 星をもとめて
  • 10/12-14: 星の村スターライトフェスティバル中止
  • 10/25-27: 小海星と自然のフェスタ、電視観望で講演と夜の実演

電視観望実演
  • 県天: 8/6山室、9/6富山駅前ゲリラ
  • 富山市科学博物館観望会: 3/9、3/16、3/24、5/25
  • 飛騨コスモス天文台観望会: 4/27、7/6、9/7星と二胡のコラボ、10/7、11/4
  • 名古屋名城公園観望会: 1/2、9/16、12/31、4/30
  • 牛岳: 4/12
  • 自宅観望会: 5/25星座ビノ、6/2白濁FC-76、8/17、 8/10法林寺、9/14QBP
 
天文ショップ訪問
  • KYOEI東京(5-6回)
  • スターベース東京(5-6回)
  • SCOPIO(名古屋: 5/11、9/21)
  • シュミット(東京: 3/30)
  • スターベース名古屋 (5/1閉店直前)
  • SKYBIRD(西国分寺: 1/11)
  • 三基光学館(相模原: 2/20)
  • CAT(春日部: 5/10)
  • ケンコートキナーサービスショップ(東京中野: 10/10)
  • ヨドバシカメラ秋葉原(5-6回)
  • キタムラ秋葉原店(5-6回)、東京駅八重洲口店(12/19)
  • トップカメラ(名古屋) (夏と冬)
もう毎年のことになりつつありますが、 結構いろんなところを飛び回っているのがわかります。よくもまあ飽きもせずと言ったところでしょうか。いや、もちろん全然飽きてないです。はい。


その他

その他、ソフト関連、工作や分解などもちょこちょこやってたみたいです。

AZ-GTiの不具合 (2019/1/6)
PythonとOpenCVを使った簡単な四隅切り出しプロブラム (2019/2/7) 
天文棚を2本作った (2019/8/10, 8/31)
電源内のバッテリー交換 (2019/12/24)

工作とかは好きなので、その場その場で必要なことをこれからもやっていくのかと思います。

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まとめ

ああ、また今回も記事が長くなってしまいました。今年の目標はブログを短くとかですかね(笑)。

目標は少し数を減らしました。数が多すぎてもやり切れなくて意味がないかなと反省しています。

昨年はなかなか忙しくて時間があまり取れませんでしたが、それでもまとめると色々やっていたことが実感できます。ブログの楽しみ方の一つが自分で書いた記事を読み返すことです。昔のことをずいぶん忘れていることに気づきます。なので、その時その時の気持ちだとか、他人には役立たないと思うので申し訳ないのですが、できるだけ細かく書いていこうと思っています。こうやって一年間のことをすぐにまとめることができるのも、こまめに記事を書いているかいあってのことなのだと思います。

今年も自分のできる範囲で、無理をせず、気をてらわず、気の向くままに突き進んでいきたいと思います。今後とも「ほしろloveログ」をよろしくお願いいたします。
 

この日はなんとも数奇な運命を感じる一日でした。


12月半ば、スターベース東京にて

少し時間をさかのぼり、12月半ばに戻ります。この日も東京出張で秋葉原に寄る機会があり、スターベースに顔を出しました。スターベースのWebページで得た情報によるとアウトレットページにいくつか魅力的な機材があり、TSA-120Nの展示品が販売されていることを知りました。店に入って見てみるとμ180などかなりお値打ちな機材がいくつか置いてあります。でもTSA-120Nの姿はなく、もう売れてしまったのかなとも思ったのですが、一応聞いてみると実際の物が奥においてあるといいます。見ることもできるというのでわざわざ出して見せてもらいました。展示品で鏡筒バンドもついているので通常よりはお値打ちです。ものすごく欲しかったのですが、その場は一旦冷静になってその日は帰宅。

TSA-120は悪い噂をほとんど聞くことがないくらい、ものすごく評判の良い鏡筒です。躊躇した理由は限定の廉価版のNモデルなので、フードが固定なこと。フード固定自身は別にいいのですが、フードが縮まない分全長が長くなってしまい、収納や持ち運びが大変そうです。アウトレットに出ていたものは鏡筒バンドがついていてその分お得なのですが、実は鏡筒バンドはK-ASTEC製のものを使いたかったので、鏡筒バンド無しでいいのであと少しで値段を追加して、Nでない通常のTSA-120にした方がいいのかなと思っていたりしました。

それでも屈折の眼視に関しては最強に近いTSA-120Nを割安で手に入れるチャンスです。家族とも相談し、散々迷いながら、その後しばらくは毎日webページをチェックしていました。でもでも意外に売れないのです。売れてしまったら縁がなかったとあきらめがつきます。なぜか1月に入ってもずっと残っていて、毎日TSA-120Nのことを考える日々が続きました。「これだけ残っているのならまだしばらくありそうだ、もし、もし次回東京出張まで残っていたら買おう」と決心。でもありがちなことに、そう思った矢先、1月半ばにとうとう在庫切れになってしまいました。

人間勝手な物で、在庫切れになると「あー、やっぱり迷ったりせず買っておけばよかった」と思ってしまうものなのです。でも同時に、少しホッとしている自分もいて「あー、なんとかやり過ごせた。やっと諦めがついた」と思っている自分もいます。


1月半ば、つい先日のスターベース東京にて

そして今回1月の出張で訪れたスターベース。その日会ったIさんも交えて、店長とS君と「TSA-120Nをやっとの思いで、幸か不幸か買い逃した」というこの一ヶ月の思いを語り、「FS-128がヤフオクで出てるみたいでそれも考えてる」とか言っていたら「たまたま今日中古のTSA-120が入ってきましたよ」とのこと。「見ます?」というので即答で「ハイ!」。しかも今回のものはラッキーなことに、最後にNが付かない通常モデルのフードが短くできる方のTSA-120です。2011年のモデルでしたが、とてもきれいで状態も全然悪くなく、もうほとんど迷いはありません。あとは値段のみです。

と思って値段を聞いたら、まだついさっき工場から送られてきたばかりで値段がついていないとのこと。ああ、スターベースでタカハシの中古を購入することの強みはここだなあと。中古といえどもしっかりメンテナンスしてから販売してくれます。値段がわかったら連絡してくれるとのことなので、ここでIさんとスターベースを退散して近くの居酒屋に移ることにしました。ここからの話は前半部分に書いています。


なぜTSA-120?

ちなみに、スターベースを出る直前にTSA-120を欲しいと思った理由をK君に聞かれました。実はこれ、かなりずっと考えていて、いくつかはその場で話したのですが、改めて列挙しておきます。
  • もともと、周辺像を気にしなくていいくらいの撮影レベルで使える、口径の大きい焦点距離の少し長めな素性のいい鏡筒を欲しいと思うようになっていた。
  • 屈折か反射にこだわりはなかったが、光状線があまり好きでないので屈折か、反射なら少し制限されてシュミット系などのスパイダーが無いものが良かった。
  • きっかけは12月のTSA-120Nのアウトレットで、これを見てTSA-120について色々調べて真剣に考え始めた。
  • これまで眼視をほとんどやってこなかったので、少し眼視での観測を真剣にやってみたかった。眼視ならTSA-120はもうほぼベストの選択。
  • 撮影ならTOAの方が有利そうだが、重くなるのと温度順応に時間がかかるかも。何より予算が...。
  • TSA-120はTOAに比べて相当軽い。気軽に使うにはこれくらいの軽さでも限界か。
  • 星像の鋭さの限界が、シンチレーションのせいなのか鏡筒のせいなのかをはっきりさせるために、しっかりした基準が欲しい。VISACの周辺までの点像は設計は素晴らしいが、やはり製造と調整の過程で不確定要素が入り込む可能性がある。
  • かなり調べてもTSA-120の悪い噂がほとんど出てこない。この鏡筒はタカハシの良心だとの意見も。
  • FS-60Qは星を始めて結構すぐに、その価値もわからずに手に入れてしまった。TOAの価値はまだ理解できないかもしれないが、今ならTSA-120の価値を一番享受できるのではないか。
  • 900mmの焦点距離は持っていないので楽しめそう。レデューサーをつけて670mmにしたら、FS-60QやFC-76+マルチフラットナーと比較できて楽しそう。
  • TSA-120で満足できなかったら、現行機ではもうあとはTOAくらいしか残っていない。かなり長い間、多分一生ものとして使うことができそう。
  • 稼働率まで考えたら今の時点ではベストの選択ではないか。
などです。やはり中古といえども高価な鏡筒。これくらいは考えてしまいます。

逆に心配だった点は
  • TSA-120Nだとフードが固定で全長が1メートル超え。ケースを探すのが大変なのと、トランクのスペースが厳しい。
  • TSA-120は撮影の作例があまりないこと。
  • レデューサーとエクステンダーのスポットダイアグラムがフラットナーと比較して少し周辺で崩れること。
くらいです。

  • 今回はTSA-120なので、フードが縮み約15cm短くなるので解決。
  • 撮影に関しては、スターベースブログにフラットナーと組み合わせたM31の作例が載っていました。実際にスターベース の店頭で印刷されたものも見せてもらいましたが、全く不満はありませんでした。撮影にも十分すぎるくらい使えると判断しました。
  • レデューサーとエクステンダーはフラットナーに比べて高価なので、将来少し余裕が出た時に試すことにするつもりです。
と、レデューサーとエクステンダー以外はすでに解決。最初にフラットナーを買ってみれば撮影は相当楽しめそうですし、眼視でまた違った世界がひらけそうです。


今回のTSA-120との不思議な縁

居酒屋での話は前半を見ていただくとして、20時半頃にお店を出てIさんと別れた後に乗った帰りの山手線、なぜか隣の席にKYOEIのMさんが。私は最初気づかなくてMさんから声をかけてくれたのですが、むしろMさんの方が何でこんなところにいるんですか!と驚いているようでした。しかもその日の午前に、たまたまスターベースのS君とも電話していたとか。「スターベースでTSA-120の中古がたまたま出ていてS君に見せてもらった、もしかしたら買うかも」というような相談をしたらもう大絶賛。とにかく全く悪いところのない、非常にいい鏡筒とのことです。KYOEIの方も同じように言うのですから、やはり評判は間違いなさそうです。

  • もし、12月の時点でNモデルの方に決めてしまっていたら、今回の話は全てなかったでしょう。
  • もし、Iさんがブログにコメントしてくれなかったら、多分この日のことはなかったでしょう。
  • もし、スターベースを待ち合わせ場所にしなかったら、たまたまこの日に入荷したばかりの中古TSA-120に出会わなかったでしょう。
  • もし、たまたま乗り込んだ山手線でMさんと会わなかったら購入相談もできなかったでしょう。
なんか色々運命的なことを感じてしまい、Mさんと話した時点でTSA-120の購入を決めました。

そうしてMさんと東京駅で別れ、富山への新幹線の切符を買って「はぁなんとか最終便に間に合った」とやっと落ち着いたところでメールを見てみたら、ちょうどスターベースのS君から「値段が出たので連絡が欲しい」とのこと。中古ということもあり、前回のNモデルの展示品よりも安くなっていました。

もうこのTSA-120は私に買ってもらうために
現れてくれたんだとしか思えず

即決で購入の連絡をしました。連絡のメールを入れたのは新幹線に乗り込んですぐのことでした。


とうとう到着!

翌日金曜日に支払いを済ませて、土曜日発送。そして今日、日曜日の夕方、とうとうタカハシから大きな箱が届きました。

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蓋を開けてみると、緑の文字が見えます。これだけでもう大興奮。すでにチラッとTSAの文字が。

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箱から出してみました。比較でEOS 6Dと並べてみます。

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6Dが小さく見えるくらいなので、相当太いです。でも長さはフードがたたまれているせいか、非常にコンパクトに感じます。

ファインダーもついているモデルで、タカハシ純正の鏡筒バンドも前オーナーのものが付いてきています。手持ちの赤道儀がCelestronのCGEM IIなので、VixenかLosmandy規格のアリガタに変換してやらなくてはいけません。とりあえず手持ちの機材で工夫して取り付けてみようと思います。

残念ながら今夜はどんどん曇ってきました。ファーストライトを試す様子は次回また書きます。乞うご期待。

年末のことです。事の発端はこのブログに来たコメント。以前書いたCMOSセンサーの撮影時のノイズのページのIさんからのコメントでの質問でした。ノイズについて詳しく知りたいとのこと。コメントで書くと大変そうなので、メールでやりとりすることになりました。


会ってみることに

何度かメールでやりとりをして
  • 子供の頃天文少年だったが、その後天文から離れていて、つい最近出戻りで電視観望を始めたこと。
  • 電視観望の露光時間の最適化をしたいこと。
  • 秋葉原に毎日通っているのにまだ天文ショップを覗いたことがないこと。
などがわかりました。かなり熱心な方のようで、というか逆に私も全然知らなかったSharpCapの作者のRobin Glover氏の講演のビデオとか、同じくRobin Glover氏のスカイノイズの導出の式の解説とか教えてもらいました。

そんな折、私の方が1月に東京出張で秋葉原に寄る機会があるので「ノイズに関する資料を渡すついでにもしよかったら食事でもご一緒しませんか?」と、懲りもせずにネットで知り合った人と積極的に会うことに。むしろ向こうから見たら怪しい誘いに見えなくもありません。子供に言わせたら絶対やっちゃダメなことだそうです。ちょっと意味が違うかもしれませんが、天文の人って会っていても暗い中なので顔を知らないとかよくありますからね。

せっかくなので待ち合わせ時間がずれてもひまを潰せるように、待ち合わせは天文ショップにしましょうと、スターベースで落ち合うことにしました。


キタムラでいつもの6x7レンズを物色

スターベースに寄る前にキタムラに行って、最近お気に入りのPENTAX6x7レンズを物色に。150mmから200mm位までのレンズを探していたのですが、ちょうど160mmというバッチリの長さのレンズがありました。明るさはf2.8で悪くありません。中古機器はホントに出会いです。

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帰りの新幹線の中でパシャリと撮影。

いつもの格安のf4のレンズとかよりは少し値が張りましたが、それでも十分安いです。ただ、裏キャップがついていなかったので少し迷いました。こんな古いキャップは単体ではもうどこにも売っていないので見つけるのが大変です。いっその事、その場に売っていた格安のペンタ6x7のコンバーターとかの裏キャップを代わりに使うかと思いました。でもよく考えたら、以前買った収差が酷すぎでお蔵入りの200mmの裏キャップを外して使えばいいのかと思いつき、結局今回も購入することに。当たり外れは試さない限り分からないので、早く晴れて星像テストしてみたいです。でも後からのことを考えたら今回は少し節約しておいたほうがよかったかもしれません。


スターベースで待ち合わせ

17時半頃、スターベースに到着してしばらくするとIさんらしき方がやって来ました。が、ずいぶん若く見えます。復帰組なのとメールのやり取りで、絶対私より年上だと思っていました。実際聞いてみたら「いくつに見えます?」というので、正直なところ40位、下手したら30代かと思ってしまいましたが、年齢を聞いたら自分より少しだけ上。ちょっとびっくりでしたが、やっと納得しました。

Iさんは仕事の関係で店の前はしょっちゅう通っているのに、スターベースはおろか天文ショップも初めてだというので、店の中で店長さんや仲のいいS君に紹介がてら、天文少年だった頃のこととか色々話しました。なんでも1980年くらい、当時小学5、6年生の頃に10cmの反赤だったというので、ずいぶんと理解のある親だったとのことです。中学くらいで天文から離れてしまったのですが、つい最近C8とレデューサーとASI294MC Proで電視観望に興味が出て復帰とのことです。色々調べた末、Cloudy NightsでのEAAのためのおすすめ機材らしく、復帰の経緯だけ聞いてもなんか期待大です。初期投資でちょっとかけてしまったので、タカハシは「いつかはタカハシ」とのことでなかなか店舗まで来る機会がないとのことでしたが、最近のスターベースはタカハシ以外にも他メーカーの入門機から太陽観測などまで、店に置いていある機器を見るだけでも楽しいです。

近頃はネットで天文機器を購入することが主流なのでしょうが、せっかく東京などの都会に来たら(どうせ明るくて星は見えないので)天文ショップに来て店員さんと話しながらいろんな機材を実際に見るというのが都会での天門の楽しみ方の一つだと思います。初心者にもおすすめですし、私みたいな田舎で天文ショップがあまりないところに住んでいる天文マニアには特におすすめです。

この日のスターベースにはアルバイトのK君がいなかったのが残念でした。K君に頼まれていたCMOSセンサー面の顕微鏡撮影の話をしたかったからです。でもIさん、このほしぞloveログを相当読み込んでいてくれてるようで「あ、こちらがブログによく出てくるS君のことで、今話していた方がK君のことですね。」とか、すぐに話が通ります。ここで色々盛り上がるのですがそこは後半で詳しく話します。


居酒屋へ移動

私の方が今日中に富山に帰らなければならず、あまり時間もないことなので、ここでIさんと一緒にスターベースを退散して近くの居酒屋に移ることにしました。お店はスターベース から秋葉原方面に歩いてすぐのところ。Iさんに選んでおいていただいたお店で、職場で利用したことがあるとのことです。平日で二人なので予約なしで入ることができました。私は帰りに運転があるのとIさんもお酒はそれほどというので、二人ともソフトドリンクでした。頼んだメニューは刺身盛り合わせとぶりかま、タコ唐、サラダくらいでしょうか。3人とか4人分が目安みたいで、頼みすぎなほど量がありました。刺身も新鮮で美味しかったです。ぶりかまもその大きさに驚きました。写真撮っておけばよかったです。

でも今日のメインはお話。よくよく聞いてみると元々物理出身で、もうその時点で話がすぐに合います。物性理論専攻で、今は画像処理関連のソフトウェアエンジニア屋さん。ある意味天文に直結しそうなスキルを持っているのかと思います。昔は超天文少年で、観望会でたまにいるような異常に詳しいような子だったみたいです。天文ではないですが、中学の頃はPC8801を安く譲ってもらったそうで、マイコン時代の話でも盛り上がりました。ちなみに私はPC6001mkIIが最初のマイコンです。

もちろん天文の話でも盛り上がりました。天文は子供の頃以来遠ざかっていて、残りの人生を考えた時に天文に復帰することにしたとのことです。その時に電視観望に興味が出てこの「ほしぞloveログ」も見てくれてコメントをくれたとのことです。さすが理論物理出身だけあって、ノイズの観点から電視観望での最適な露光時間を求めてみたいというのが一番興味があるところのようです。びっくりしたのは、専用のノートを用意してあって、手書きで何ページにも渡り式が並んでいることです。しかもすでに数値条件も入っていて、時間まで具体的に出ています。さすがに居酒屋で式は追えませんでしたが「これブログにしたら興味持ってくれる人いるんじゃないですか?」とかいう話をしたので、もしかしたらそのうち公開してくれるかもしれません。天文趣味の人で理論物理出身の人はあまりいないと思うので、色々解析とか進めてくれるはずです。ちょっと期待してしまいました。

復帰間も無いのに、多分調べたり吸収する速度が相当速いのでしょう。最近のアマチュア天文業界にも詳しくて、今の日本の天文機材メーカーと中国メーカーの勢いの比較とかの話も盛り上がります。多分ソフト業界で機械学習とかの分野の事情もあり色々海外事情も詳しいのかと思います。他にも機械学習を天文でどう利用できるかとか、AZ-GTiみたいにソフトをうまく組み合わせた新しい機材のアイデアとか、色々盛り上がりました。最終電車の関係で20時半前にはお店を出る必要があったのですが、全然話し足りないくらいでした。秋葉原駅まで歩いてそこで別れましたが、星まつりとかも面白いですよと誘っておいたので、またすぐに会うことはできそうです。多分これからどんどん沼にはまっていくのかと思いますが、末長く議論を交わしていきたいです。


山手線で偶然の出会い

秋葉原から東京駅まで乗った帰りの山手線、偶然乗った車両の、偶然座った席の隣になぜかKYOEIのMさんが!「いままで今日初めて会った天文仲間と居酒屋にいたんですよ」とか話したら「相変わらず活発でね」と、感心されたんだか呆れられたんだか。

さて、この話はこの日あったもう一つの大きなことにつながっています。長くなるので、それはまた後半で。

あぷらなーとさんはじめ何人かの方がMatlabを購入し画像処理に活用し始めましたようです。



私もMatlabは学生の頃から使っていて、今調べてみたら一番古いファイルは1998年でした。なので20年以上使っていることになりますが、 これまで画像処理に使ったことはありませんでした。

あぷらなーとさんが指摘しているように、確かにMatlabは行列を容易に扱えるので、2次元が基本の画像処理は向いているはずです。最近過去のコードをpython化したりしてるのですが、pythonは2次元だと必ず繰り返し処理が入るので、コードが冗長になりがちです。私も少し試してみたのですが、どうやら画像処理に関してはMatlabの方がコードがかなりシンプルになり見通しが良くなるので、有利というのは正しそうです。とうわけで、遅ればせながら私もMatlab画像処理に参画します。

Matlabを使ってまず手始めに試したのが、昨年3月依頼謎が解けなくて止まってしまっているASI294MC Proのノイズ解析の続きです。

 


最初にごめんなさいと謝っておきます。今回の記事はかなり細かくてめんどくさい話で、ほとんどの人には役に立たないです。しかもうまくいかなかったという結果なので、ほんとに興味のある方だけ読んでみてください。

Matlabで画像処理を始めてみたいという人がいたら、もしかしたらコードが参考になるかもしれません。


以前のおさらい 

ざっとおさらいしてみます。ZWO社のASIシリーズは性能を示すデータを公開してくれています。例えば広いセンサー面積を利用した電視観望や、撮影にも十分に使うことができるASI294MC Proのページを見ていくと、下の方にいくつかグラフが出てきます。このグラフ、一見分かりそうで分かりにくいところもあるので、以前その読み方を解説しました。



上のページでも解説している通り、SharpCapを使うとZWOのページにあるようなデータを測定することができます。冷却バージョンのProも



で実際に測定した記事を書いています。特にGain[e/ADU]の値はコンバージョンファクターとも呼ばれて、設定gainが0の時のコンバージョンファクターはユニティーゲインなどにも直結するような非常に重要な値になります。少しコツは必要ですが、SharpCapのスクリプトでCMOSカメラの特性を実測すると、ZWOにあるような値に非常に近いものを測定することができます。2つのツールで同様のデータが取れているということはかなり信頼が置けるはずです。さらにもう一歩進めて、このようなツールでのスクリプトでなく、実際に自分でノイズを撮影して解析してみようと試したのが、昨年3月までの一連の記事になります。

ところが、実際に撮影して解析してみるとどうしてもZWOのデータやSharpCapでの解析結果と合いません。

SharpCapで撮影した時の撮影条件は限りなく再現させたと思っています。具体的には撮影対象の明るさ、カメラのゲイン、露光時間です。明るさは同等のものが撮れているので、撮影に関しては問題ないと思います。問題はノイズです。明るさとノイズの関係からコンバージョンファクターを求めるのですが、撮影された画像の明るさのばらつきが、想定していたものよりかなり大きいと出てしまいます。

具体的には標準偏差を用いるとノイズが大きすぎると出てしまい、苦肉の策で(ノイズが小さいとでる)平均偏差を使うと、大体ZWOとSharpCapの測定と一致するという結果でした。

ヒントになるかと思いモノクロのASI290MMで測定したら、標準偏差で計算してもZWOやSharpCapと一致した結果を得ることができました。ということはやはりカラーの場合も平均偏差などを使わずに標準偏差を用いるのが正しいのではと推測することができます。

そんな折、あぷらなーとさんがRGGBを一素子づつ解析したCFA(Color Filtr Array)で評価した場合と、RGBにdebayerした場合では、debayerの方が標準偏差で考えて0.75倍とか0.79倍程度に小さくなることを示してくれました。



それでもdebayerで計算してもまだZWOやSharpCapでのノイズの少なさには辿りつきません。

いろいろやっていて結局行き着いたところはこの画面で、

IMG_6436

小さいと思われるRGBの標準偏差よりも、Lの標準偏差の方がなぜかさらに小さいことがSharpCapの一枚の撮影で出てしまっていることです。いまだにSharpCapが内部でどうやって計算しているのかよくわかりません。このLの標準偏差を仮定するとノイズはかなりZWOもしくはSharpCapのスクリプトで測定した結果に一致します。言い換えると、これくらい小さい標準偏差くらいのばらつきになっていないと結果は一致しないということです。


Matlabでの画像処理の実際

やっと前振りが終わりましたが、今回Matlabで以前のpythonコードを書き直すかたらわら、どうしたら一致した結果を出せるか、なぜSharpCapのLがノイズが小さく出ているかを念頭に置きながらいろいろ試してみました。

Matlabを初めて使う人が一番面食らうのは、配列の表記法かと思います。これが独特なのですが、この独特な表記によりコードがシンプルになるので避けるわけにもいきません。私が書くよりももっといい説明がたくさんあるかと思いますが、今回の画像処理に必要な最低限だけ書いておきます。

まず2次元の配列、Matlabだと行列といっていますが、例えば2行x3列の配列Aを

>> A=[1 2 3;4 5 6;]

A =
     1     2     3
     4     5     6

と作ります。例えば第2行,第1列成分を見たい場合には

>>A(2,1)

と打つだけです。答えは

ans = 4

と出ます。これは至って普通です。独特なのは:(コロン)の使い方で、例えばAの1行目すべてを見たい場合は

>>A(1,:)

と打ちます。答えは 1 2 3となります。:はどこからどこまでを意味し、

>>A(1,1:2)

だと

ans =     1     2

となります。:(コロン)だけだとその次元の最初から最後まで全部という意味です。これがMatlabで絶対理解しておかなければならない表記法の一つです。

今回は画像を扱うのに4次元の配列を使っています。1、2次にy座標とx座標。左上からyは向かって下に、xは右に移動していきます。3次目はRGBやCFAのインデックス。RGBなら3つ、CFAなら4つとっています。 4次目は何枚目の画像かを表しています。今回8枚の画像を使っていますが、その何枚目かを表します。あと成分を表す数字は1から始まることにも注意です。0からではありません。 

例えば、AにRGBで別れた画像が8枚入っているとすると、5枚目のG画像を表す時は

A(:, :, 2, 5)

と表します。:が2つあるのはy、x座標それぞれ全部を表しています。"2"はRGBの2番目と言う意味です。Bなら3ですね。"5"は5枚目と言うことです。

例えばサンプルコードの最初の方にある

 Raw(:, :, i) = fitsread(ファイル名);

はi番目の画像にfitsファイルを読み込んで、1次目にy座標のデータ、2次目にx座標のデータを全部入れていきなさいと言うのをわずか1行で表記したものです。

これらの表式は慣れるしかないのですが、ここらへんを感覚的に理解できるとコードもすらすら読めて、シンプルなコードを書くことができるようになるのかと思います。


モノクロセンサーASI290MMの場合

とりあえずMatlabでやってみた画像処理を説明していきます。まずはモノクロのASI290MMの結果です。

ASI290MM
このグラフを出したMatlabのソースコードをアップロードしておきます。使用した画像も(サイズを切り詰めるために中心部のみ切り取ったものですが)一緒に入れておきましたので、すぐに走らせることができると思います。もしMatlabを持っていて興味があったら走らせてみてください。

ASI290MM.zip 


結果は前述したとおり、平均偏差ではなく一般的な標準偏差を使っています。メーカー値はコンバージョンファクターが3.6程度、ユニティーゲインが110程度ですので、グラフ内の数値と比較してみるとそこそこ一致していることがわかります。なので、カラーでも標準偏差を用いる方向を探りたいと思います。

また、以前pythonで書いたコードと比較して同等の結果を出すことできています。

Conversion_Factor_ASI290MM_std

Maltabでもこれまでと同様のことができることがわかり、かつ遥かにシンプルに書けることがわかりました。


カラー版ASI294MC Proの場合: CFAで解析 

さて、Matlabでの画像処理にも慣れたところで問題のカラーのASI294MC Proの解析です。

結論から言うと、結局今回も謎は解けずじまいでした。

まずはシンプルなCFAの方から。RAW画像からCFAへ分離するところはビルトインの関数とかはないようなので自分で書いてみました。以前は平均偏差(mad)で無理やり答えを合わせましたが、今回ASI290MMの結果なども含めていろいろ考えた末に、結局諦めて標準偏差(std)を使うことにしました。

ASI294MCPro_CFA

各測定点はそのまま解析した結果を表示していますが、フィッティングは無理やり合うように補正してます。考え方としては、謎な部分をunknown factorとしてフィッティングするところで無理やり補正するというやりかたです。今回のCFAの場合、unknown factorはノイズ(標準偏差の2乗)を2分の1とすることでZWO、SharpCapの結果と一致することがわかりました。

ちなみにメーカー値はコンバージョンファクターが3.9程度、ユニティーゲインが117程度です。繰り返しますが、CFAで測定されたノイズを無理やり半分にすることでメーカー値に近くなります。

先に説明したように、SharpCapでLのノイズが小さく出ている理由がわからなかったので、もうこのように無理やり合わせてしまうしかなかったという苦肉の策です。これはあぷらなーとさんが示してくれた、CFAとRGBで標準偏差で0.75倍違うというのを考慮してもまだ少し足りません。

まあ、このやり方に言いたいことはたくさんあるかと思いますが、とりあえず先に進むことにします。


カラー版ASI294MC Proの場合: RGBで解析

次はRGBでの解析です。

最初はMatabビルトインのdemozaicという関数を使ったのですが、これだと中で何か変に処理しているのかノイズが話にならないくらい大きくなりすぎました。仕方ないので自分でRGBに落とすコードを書いています。そこそこまともそうな値は出たのですが、ただしこのコードまだ未完成です。なぜかというと、センサーアレイはRGGBなのでG(グリーン)が二つあるのですが、その応答が少し違うことに起因します。Gを2つ使って求めると強度の山が2つでできてしまい、ばらつきが大きくなりすぎるからです。そのため今回は2つあるG素子のうち1つだけを使うことにしました。

ASI294MCPro_RGB

RGBになりあぷらなーとさんが示してくれた通り、CFAの時よりもばらつきは少なくなることがわかりました。それでもまだノイズが大きすぎるのでCFAの時と同様にunknown factorとしてフィッティングするところに無理やり入れました。RGBの場合、unknown factorはノイズ(標準偏差の2乗)をルート2で割ってやることでZWO、SharpCapの結果とかなり一致することがわかりました。


考察

ASI294MC Proで使ったファイルもアップロードしておきます。よかったら参考にしてください。

ASI294MCPro.zip 

今回はまだ苦肉の策で、無理やり答えを合わせるように測定結果を割っているだけなので、考察と呼べるようなものにはなりません。CFAの場合出てきたノイズを半分に、RGBの場合ルート2でわってやるとSharpCapやZWOの結果とかなり近い結果になりましたが、その理由は全然わかっていません。

前回のpythonコードを使った時はCFAやRGBの変換はPixInsightを使いました。でも今回はRAWファイルから直接計算してCFAもRGBも取り出しています。ここら辺はMatlabに移ったことでやりやすくなったところだと思います。このように今回はかなり噛み砕いてブラックボックスがないように進めてきたつもりです。撮影した画像はSharpCapのスクリプトで撮影したものと同等と仮定していいかと思います。これでも結果が一致しないということは、
  • ZWOもSharpCapも何か特殊なことをやっているか
  • もしくはまだ私が馬鹿なミスを犯しているか
です。とにかく怪しいのがZWOのLのノイズが小さく出過ぎていること。この謎が解けない限り進展がない気がします。


まとめ

週末を結構な時間費やしましたが、コンバージョンファクターに関しては結局昨年から進展がなかったので疲れてしまいました。それでも得られた成果としては、
  • Matlabでの画像解析の手法に慣れることができた。
  • あぷらなーとさんが出してくれた、debayerの方がCFAよりもノイズが0.8倍程度と小さくなることを確かめることができた。
ことくらいでしょうか。でも全然だめですね。これ以上は時間の無駄になりそうなので、一旦ここで打ち切ることにします。

それでもMatlabが使いやすいことは分かったので、今後の画像解析はMatlabで進められそうな目処はついたと思います。

元々この解析はダークノイズ解析につなげたいとか、EOS 6Dのユニティーゲインを測定したいとかで始めたのですが、なかなか進みません。いつ実現できるのかまだまだ未定ですが、諦めることはしたくないのでまたいつか再開する予定です。

私は物理屋さんで、化学と生物はど素人です。しかも物理といっても物性屋さんでもないのでこれまで顕微鏡をまともに使ったことはほとんどありませんでした。前回CMOSセンサー面を生物顕微鏡で見て興味が出たので調べてみたのですが、顕微鏡の世界も面白いです。今回はそんなお話です。

あ、普段から顕微鏡を触っている人にとっては、なんでこんな当たり前のことをと思われるかもしれませんが、どうかご容赦ください。私にとっては新しいことだらけで、間違ったことを書いているかもしれません。何か気づいたらご指摘願います。


手持ちの顕微鏡は?

望遠鏡マニアの数はまだたくさんいると思うのですが、顕微鏡マニアというのはそれよりもかなり数が少ないのではと思いました。そもそも店があまり無い。天文ショップの数も少ないですが、顕微鏡ショップの数はさらに少ないみたいです。多分顕微鏡は、教育用と研究用の別れ方が顕著なせいなのかと思いました。

IMG_9095


まず、手持ちの顕微鏡がどの程度のものなのか調べてみました。MIZARと書いてますが、星まつりのいつものあのショップで購入したものなので、メーカー名はあまり意味がないのかと思います。Googleの画像検索で調べてみると、形状からヤガミというところのYMシリーズ YM-400というのが同等品の様です。



学校で使われているとか書いてあるので、せいぜい小中学校の理科教材クラスのものと思われます。実売3万円程度です。私は1万円くらいで購入したので、市価の3分の1程度だったことがわかります。でも付属のレンズが通常は4倍、10倍、40倍の様なのですが、手持ちのものは40倍の代わりに100倍のものがついていました。

機能を見てみます。
  • 上部が360度回転し、どの方向からでもみることができます。接眼レンズは10倍と15倍のものが付いていました。
  • 対物レンズを3本取り付けることができます。レンズは上で書いたように4倍、10倍、100倍が付属してました。
  • ステージは粗動と微動の2段回で動かすことができます。
  • プレパラートを照らすライトは無く、反射鏡が下についています。これはLED灯などに取り替えることができそうです。
  • ステージは下に絞りがついていて、光量を調整することができます。

光学性能は別にして、値段は機能の多さに比例する様なので、最低限の機能がついたシンプルな分安価なのかと思われます。


対物レンズ

IMG_9102


対物レンズを少し詳しくみます。3本のレンズにはそれぞれ
  • 4/0.1 160/0.17
  • 10/0.25 160/0.17
  • 100/1.25 OIL 160/0.17
と書いてあります。最初意味がわからなかったのですが、調べてみるとアクロマートとかアポクロマートではない普通のレンズで、最初の数字が倍率、次の数字が開口数NA(Numerical Aparture)、160は鏡筒長160mm用、0.17が0.17mmの厚さのカバーガラスに対応という意味のようです。

ここで重要なのは最初の倍率と、次の開口数です。顕微鏡の原理的な分解能を表す式は何種類かあるのですが、天文関係の人にも馴染みが深いレイリーの式だと

δ=0.61 x λ / NA

となります。分解能はざっくりと波長λのオーダー、これは光を使ってみるのでまあ当たり前です。NAは開口数といいます。開口数は見たい試料までの距離とレンズ径で決まるような数で、鏡筒で言うF値の逆数のような数です。開口数が小さいと分解能は悪くなり、開口数が大きいと分解能は良くなります。開口数はレンズと試料までの間の屈折率にも依存するため、大きな開口率をとるために空気よりも屈折率の高いオイルをレンズと試料の間に満たす場合もあるとのことです。

というわけで、手持ちの100倍のところにある「OIL」というのは開口数を上げるために対物レンズ筒がオイルで満たされているイマージョンオイルと呼ばれる専用のオイルを試料に垂らして(点着すると言うそうです)レンズをそこに浸して使うための表記ということがわかります。詳しくはオリンパスのこちらのページ参照。さらに、100倍のものはスプリングと呼ばれる機構がついていることがわかりました。これはレンズの先が試料に当たると、試料を破壊することがないようにレンズ先がバネで凹むようになっています。

他に重要なパラメータとして、収差をどう補正しているかがあるようです。屈折鏡筒で言うアクロマートとか、アポクロマートとかのことです。それとは別に「プラン」と呼ぶのがあるらしくて、像面湾曲収差を補正してあることを意味するらしいです。手持ちのものはこれらは何も書いていないので、安価なノーマルなものということが分かります。

それでも、一応性能を辿るくらいの事はできるので、対物レンズもおもちゃクラスではないようです。やはり教育用の最低限の入門レベルといったところでしょうか。

対物レンズについてはオリンパスのこのページが詳しいです。


実際のレンズ探し

今回の目的ですが、CMOSセンセー面を見るのに手持ちの対物レンズの100倍だと倍率が高過ぎ、10倍は低過ぎというので、

40倍程度の対物レンズがあればいい

というところからいろいろ調べています。40倍で対物レンズを探すと、新品やヤフオクの中古品、格安から研究用の超ハイエンドまで、値段で言うと数百円からはては百万超えまであります。怖い世界の一端を見た気がします。

ここで豪華コースに行くのか、格安コースに行くのかで別れます。

少なくとも今回分かったのは、そもそもCMOSセンサー面のような基板とかを見るのは生物顕微鏡の目的からは外れているということ。だって、対物レンズの最後の0.17という数字はプレパラートにかぶせるカバーガラスの厚みに応じて球面収差を補正していると言う意味で、CMOSセンサーにカバーグラスは関係ないのです。さらにカバーガラスの厚みも実際にはばらつきがあるので、高価な対物レンズにはそれを補正する機能もついているようです。こういった機能も今回の目的では無駄になってしまいます。

ちなみに、対物レンズの取り付けネジの径ですが、生物用では20.32mm、ネジピッチ36山/インチが昔から一般的のようで、手持ちのものもこの径でした。これはRMS(Royal Microscopical Society, 英国王立顕微鏡協会)ねじとよばれるもので、この径にあっているものであれば取り付けることはできるようです。ですが、正しい倍率や性能が出ないこともあるので、注意が必要とのことです。

アクロとかアポとかプランとかの収差補正は、天文マニアにはどうしても魅力的に聞こえてしまいます。実際、センサーを見た時も中心に像を合わせると周辺の歪みが確かに気になりました。そうは言っても、まあ今のところ顕微鏡にはそこまでこだわってはいないので、実用上は問題なさそうです。

というのも、今議論している対物レンズは全て生物顕微鏡用で、そもそも基板とかをみる場合には、金属顕微鏡とかいう類の上から光を当てる顕微鏡を使うそうです。生物顕微鏡は下から光を当ててみるものですが、CMOSセンサーは基板にくっついていて当然光を通さないので、上から光を落とす反射型とか落射型とかいう範疇の顕微鏡を使うのだと、やっと分かってきました。実体顕微鏡もその仲間になるのかもしれません。でも実体顕微鏡に高倍率のものはあまり無く、そもそも金属顕微鏡自体の種類が生物顕微鏡に比べると圧倒的に少ないので、手に入れようとしても割高になってしまいそうです。

というわけで、実はもう少しいい顕微鏡を中古ででも手に入れることも考えていましたが、生物顕微鏡くらいで無いと手が出ないこともわかってきました。なので今回は諦めて格安の対物レンズだけを手に入れる方向でいくことにします。

今回の勝因は、SVBONYの顕微鏡ポートに差し込めるT2アダプターを買っておいたことです。高価な研究レベルの顕微鏡は撮影用の専用ポートがあり、そこにカメラを固定できるようなのです。でもSVBONYのアダプターさえあれば、手持ちの顕微鏡でもASI178MCを接眼部に取り付けることもできるので、少なくとも今の目的にはとりあえず十分です。研究のように毎日使うものでも無ければ、撮影のセットアップに手間は少しかかりますが全く問題ないでしょう。

で、ヤフオクとかも考えましたが、結局アマゾンで安い対物レンズを注文してみました。到着したら今一度、今度はできればASI294MCのセンサー面をもう少し拡大してみたいと思います。

こんな安いのを買うまでにどれだけ時間をかけているのか。 でもやっと納得して買うことができました。もしこれで不満だったら顕微鏡本体も含めて一から考え直します。

 

連休ですが、富山は相変わらず天気はよくありません。こんな時はたまっていた課題を片付けます。


CMOSセンサーを顕微鏡で見るとどうなる?


事の発端は、小海の星と自然のフェスタでスタベのアルバイトのK君がASI294のセンサー面を実体顕微鏡で見てみたいと言った事です。ASI294は電視観望用に持っていますが、うちにはたまたま実体顕微鏡もあります。下の子Sukeの自由研究のために2017年の原村星まつりで買ったものです。これならなんとかなりそうです。

ところがシベットさんからコメントで実体顕微鏡では倍率が低すぎるのではという指摘がありました。なぜかうちには倍率の高い生物顕微鏡もあります。これも同じく下のSukeの自由研究のために2016年の原村星まつりで購入しています。というわけで、必要なものはそろっているので実際に見ることにしました。果たして何が見えるのか?

IMG_9068


まずは実体顕微鏡

手持ちの実体顕微鏡は対物レンズが4倍、接眼レンズが10倍で、40倍のものです。ここにASI294を置いてやればいいのですが、カメラ本体が大きすぎでレンズに近づき過ぎてしまいピントが出ません。仕方ないので、今回はもっと奥行きの短いASI224MCで試すことにします。K君、ごめんなさい。

ASI224MCのセンサーサイズは4.8×3.6mm、解像度は1304×976で一素子のサイズは3.75×3.75ミクロンとのことです。

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センサーは思ったより小さく、周りに金色の線がたくさんつながっています。これを40倍の実体顕微鏡で見てみました。とりあえずiPhoneのカメラで撮ってみます。

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よく見えていますが、センサー面はのっぺりしているだけでやはり全然倍率が足りないことがわかります。

でも実体顕微鏡は簡単には倍率を変えることができません。いろいろ考えて、手持ちのアイピースを利用することにしてみました。接眼レンズを片方外します。31.7mmのアメリカンサイズは径が大き過ぎたので、昔の1インチタイプのものを使いました。手持ちは20mmと12.5mmと9mmの3つ。

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最初に20mmのもので見てみます。1インチサイズだと今度は径が小さすぎるので、とりあえず固定せずに穴に入れるだけです。

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もともとついていた10倍のレンズより少しだけ大きく見えます。

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10倍レンズは焦点距離25mmとか30mmくらいなのかと思います。この時点で50倍とか60倍相当かと思います。当然これだけだとまだ倍率は不十分なので、さらに倍率を上げるために12.5mmレンズを取り付けます。

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これも穴に入れただけで固定していませんが、まあとりあえずそこそこ安定して見えるものです。像はというと、

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接続線は大きく見えてきましたが、センサー面はほとんど変化なしです。最後9mmを試します。

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ここでiPadのLEDで光を当てたこともあり、基板のパターンが見えてきました。しかもピントを調整してセンサーの端をよく見ると目盛りのようなものが見えます。

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小さな目盛り10個につき大きな目盛りがあり、大きな目盛りを数えると長辺で14個、短辺で10個程度あります。センサーサイズが4.8×3.6mmなので、大きな目盛り2個で1mmはないくらいということがわかります。上2枚の写真のセンサーの枠の太さは同じなので、遡っていくと全体サイズまで直接比較することができると思います。

これで倍率は手持ちの1インチアイピースでは限界です。最終倍率は120倍程度かと思われますが、それでもセンサー面の構造は全く見えてきません。やはりもっと倍率の高い生物顕微鏡が必要なようです。


生物顕微鏡なら見えるか?

IMG_9094


さて、生物顕微鏡に移ったのですが、ここで問題が発生しました。ASI224MCでも奥行きがあり過ぎて、ステージを一番下に下げても対物レンズの間に入らないのです。

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最初はセンサーがついている基板を外そうかと思いました。

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ですが、基板の右側についているコネクタをうまく外すことがどうしてもできなくて、泣く泣く諦めることにしました。ちなみに左上についている赤い検品シールは触るとすぐに崩れるタイプで、ネジを緩めるとシールが簡単にとれてしまいます。改造したかどうかのチェックを兼ねている様です。なのでこのカメラはもうメーカーのサポートは受けることができないと思っておいたほうがよさそうです。もし個人で分解する際は気をつけてください。

結局今回は仕方ないので、下の写真の様に顕微鏡のステージを取り外すことにしました。

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ステージに置くことができないので、CMOSカメラを手で持ちながら見ることになります。バランスが悪いのですが、何度か撮影すればいい位置とピントで写ることもあり、何とかなりそうです。

倍率は対物レンズが4倍、10倍、100倍。接眼レンズが10倍と15倍のものがあります。

とりあえず対物4倍と接眼15倍で目で見てみます。明かりがもっと欲しかったので、先日中身を取り替えたパワータンクの強力LEDで照らすことにしました。この状態で目で見てみると、手でカメラを押さえながらですが、何とか見ることができます。

ここで秘密兵器登場。今回の撮影のために、SVBONYの顕微鏡の差込口に挿すことができるアダプターを買っておきました。

IMG_9089

これはT2ネジが切ってあるので直接ZWOのASIカメラに取り付けることができます。

IMG_9084

これを生物顕微鏡の接眼レンズの代わりに取り付け、直焦点撮影をします。

最初はASI294MC Proを撮影用のカメラとして使いました。まずは最低倍率の4倍の対物レンズで撮影します。撮影はMacのASICAPを使いました。

2020-01-12-0626_0-CapObj_0001

すでに先ほどより大きく写り、遥かに精細に写っています。だんだん楽しくなってきました。

対物レンズの倍率を4倍のものから10倍のものに上げます。

2020-01-12-0607_4-CapObj_0000

おお!とうとうセンサー面の構造が見えてきました。

もっと倍率をあげたいのですが、100倍の対物レンズはセンサー面に相当近づけなければならなく、保護カバーを外さなければピントが合わなさそうです。さらに、かなり暗くなることがわかっているのであまりやりたくありません。いろいろ考えて、ASI294MCよりも一素子のサイズが小さくて分解能の高いASI178MCを使ってみることにしました。その結果がこちらです。

もうセンサー面の構造もはっきりと見えます。

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でも構造は見えますが、RGBフィルターとかの影響がわかりません。目盛りがついているところから少し中に進むと紫のエリアがなくなる境目があるのですが、わかるのはこれくらいです。この頃になるとカメラの固定方法の工夫でかなりピントも合わせやすくなってきました。下はピントや撮影カメラのゲインを相当合わせ込んだ場合です。

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かなりはっきり見えて、センサー10素子で目盛りが一つ進むこともわかります。なので目盛りはセンサーの数を表していたんですね。でも、これでも全部同じ素子のように見えてしまっています。

どうやっても進展がないので、ここでかなり悩みました。最後にとった方法が、わざとカメラを回転させて素子を45度傾けてみること。理由ははっきりとわかりませんが、これでやっとうまく見ることができました。最終結果です。

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見事にRGGBフィルターの配列を見ることができます。これを見て改めて思うのですが、これだけの微細構造を作る技術は見事なものです。これが民生レベルで安価に購入できるというのはなんと幸せな世の中なのでしょう。

最後に、その時の撮影風景です。

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考察

とりあえずセンサー面の構造とRGGBフィルターの存在を確認することができました。対物レンズの倍率を上げ、十分な灯りを用意することができれば、もっと微細な構造を見ることができるかもしれません。

RGGBフィルターがかかっている部分と、かかっていない部分の境目もはっきりとわかります。RGGBフィルターは全面にかかっているわけではなく、センサーの端の方はフィルターはないことがわかります。


問題はここから何を引き出すかです。K君と話した時、サッポロポテト現象を解明したというようなことを言っていた気がします。サッポロポテト現象はあぷらなーとさんも困っているようです



サッポロポテト現象は各素子についているマイクロレンズ効果が原因のようですが、はっきりとした解決策はあまりないようです。今回はやっとCMOSセンサーの素子の構造が見えたくらいなので、まだゴールまでは程遠いと思います。

今回の結果をどう活かすのかが今後の課題でしょう。


まとめ

こんなふうに工夫でどんどん見えてくるような実験は超面白くて大好きです。

とりあえず今回分かったことは、
  • 実体顕微鏡ではCMOSセンサーの構造を見るには倍率が低すぎる。
  • 生物顕微鏡を使うことでCMOSセンサー面の構造、RGBフィルターの様子を見ることができる。
  • センサー1素子そのものを十分な解像度で見るには至らなかったが、まだ拡大率を上げる手は残されているので、1素子をもう少しはっきり見ることもできるかもしれない。

課題としては
  • センサーを置く架台をしっかりしたほうがいい。
  • センサー面についている保護ガラスを外して、高倍率で撮影してみる。
  • 動画撮影でスタックするとさらに解像度が上がるかもしれない。
  • ASI294MCのセンサー面を見てみる。
ことくらいでしょうか。あー、今回も面白かった。


K君、遅くなってすみませんでした。やっとなんか見えるくらいにはなってきました。

K君、次は何を見てみたいですか?



帰省で生えたレンズ2本

年末年始に実家の名古屋に行った際、PENTAX 6x7レンズが2本生えてきました。帰省生えの一種ですね。

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今回見つけたのは
  • ASAHI OPT Super-Multi-Coated MACRO-TAKUMAR/6x7 135mm F4
  • ASAHI OPT Super-Multi-Coated TAKUMAR/6x7 300mm F4
です。購入先はトップカメラ。名古屋では昔からある大型カメラ店で中古品もたくさん扱っています。135mmはアメ横の中のトップカメラで、300mmは栄本店での購入です。栄の本店は中部地区では最大級の中古在庫があると店員さんがいっていました。

PENTAX 6x7レンズも選ぶのに困るほどたくさんあって、中でも300mmは大きくて場所をとるせいかかなり割安な値段のものが多かったです。その中でもなぜか一本だけ1980円とホントかと思うような値段のものがあったので、店員さんになんでこんなに安いんか聞いてみました。やはりあまり出ないらしく、特に問題があるわけではないが、安くでも売ってしまいたいとのことでした。レンズを覗いてみましたが、問題もなさそうです。FS-60CBが焦点距離355mmでレデューサーをつけたら255mmになるので被ってしまいます。さらに前回の同じく格安の200mmは赤ハロで使い物にならなかったので、若干というか、かなり心配なのですが、まあこの値段なら多少被っても失敗してもいいやと思い購入です。


これまでのPENTAX 6x7レンズ

これまで75mm/f4.5、200mm/f4、105mm/f2.4と3本のPENTAXの6x7レンズを試してみましたが、





戦績は1勝(75mm)、1敗(200mm)、1分け(105mm)と言ったところでしょうか。今回の2本も星像を比較してみます。


期待の135mm

まずは135mmです。前回買った105mmからFS-60CB+レデューサーの255mmまで2.5倍の開きがあるので、そこを埋める意味でも欲しかった焦点距離の一つです。f4で暗いのは仕方ないですが、期待しながらのテストです。

たまたま途中から晴れた週末の金曜日、満月の夜なので撮影も気乗りしないので、絶好のテスト日和です。オリオン座付近で撮影してみました。条件は以下の様になります。
  • EOS 6Dに6x7からCANON EFようの変換マウントを取り付け
  • ISO1600
  • 露光時間5秒
  • f4
カメラのモニターで10倍に拡大してピントを合わせます。星像が最小になる点を超えるのでピント合わせをきちんとすることはできます。最小点を超えると盛大に赤ハロが出ます。赤ハロが出る直前が再焦点と判断し、そこに合わせました。

全景と、中心/周辺像です。
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あれあれ?という感じです。これだとさすがにコマ収差が大きくて使い物になりそうにないです。何とかならないかと絞ってみました。
  • ISO3200
  • 露光時間5秒
  • f5.6
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同じく
  • ISO3200
  • 露光時間10秒
  • f6.8
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絞れば多少はマシになりますが、やはり厳しそうです。ちょっと期待していたのに、残念ですがお蔵入り決定のようです。


ついでの300mm

こちらは正月で半分浮かれたかったレンズなので、あまり期待していません。全くだめだった200mmより安かったくらいです。あと、重い。条件は以下の様です。
  • EOS 6Dに6x7からCANON EFようの変換マウントを取り付け
  • ISO1600
  • 露光時間5秒
  • f4
こちらもピント合わせは問題なく、同様に最小点を超えると赤ハロが出ます。こちらも赤ハロが出る直前に合わせました。


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おおっ!135mmより遥かにマシです。周辺減光も流石に中判なのでかなり良好。ただ、星像のキレがあまりないか。というか、青ハロみたいなのが出ていますね。撮影に使うにはどうでしょう?ちょっと厳しいでしょうか。でもこのレベルならなんか使い道はありそうです。


次回テスト

本当はもう少しテストを続けたかったのですが、ここらへんで曇ってきておしまいです。例えば105mm/f2.4を絞ってf4くらいで撮ってみるとか、NIKONの135mm/f2.8もまだテストしていないので試してみたいです。曇ったついでに月に少し傘が出ていたので撮影してみました。こちらはSamyangの14mmです。右下にオリオン座が入っています。

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この日は半影月食でしたが、曇ってきたので諦めて寝てしまいました。でもどうやらその後晴れたみたいです。残念。



まとめ

一枚画像ですが、とりあえず星像を見てみました。結果は1敗(135mm)、1分け(300mm)と言ったところでしょうか。PENTAXレンズトータルでは1勝、2敗、2分け(自己評価)となります。

まだ懲りていないです。Wikipediaによると6x7レンズ21種類あるとのこと。あまり必要ない300mm以上やズームを除いても14種類あります。その中で持っているのはまだわずか4つ。最初に当たってしまうとダメですね。75mm位の使えるレンズに当たるをの追い求めてもう少し集めることになりそうです。



 

いまの若い人には全く通じないタイトルですが、気分はホントにこんな感じです。

あっかさんのブログ
で、笠井から3倍の星座ビノCS-BINO 3x50が発売されていたことを知って、私も年末に早速注文しました。年越し観望には間に合いませんでしたが、年明けに実家の名古屋から富山に帰ってすぐに届きました。それでも富山は全然晴れなくてなかなか試せません。この日もずっと曇りで、夜もダメかと思ったのですが、22時頃外に出てみたら、少し薄い雲があるところもありますが、結構晴れています。月齢11日の明るい中ですが、早速3倍ビノの見え味を試してみました。

ちなみに、以前7種類の星座ビノの見比べの記事を書いたことがあります。よかったらご覧ください。




笠井の星座ビノたち

笠井からは3 種類、単眼を合わせたら4種類の星座ビノが販売されていることになります。
  • 古くから販売されているWideBino28
  • WideBino28の廉価版と言ってもいいCS-BINO 2x40。2019年春の発売。これはSIGHTRONのStella Scanと色違いの同等品とのことです。
  • 単眼バージョンのCS-MONO 2x40というのもあるので、これも入れたら笠井から販売されている星座ビノ(単眼にビノはおかしい?)は4種になります。
  • そして今回発売されたCS-BINO 3x50です。
前回のまとめ記事ではまだCS-BINO 2x40を手に入れてなかったのですが、5月の連休の時に名古屋のSCOPIOで手に入れ、その後見え味などのレポートも書いています。今回はまとめて3種レビューしてみようと思います。


CS-BINO 3x50と、CS-BINO 2x40のレビュー

CS-BINO 3x50と、よく考えたら前回のまとめ記事以降CS-BINO 2x40はきちんとレビューしていないので、ついでにこちらもまとめて書いておきます。

CS-BINO 3x50、2x40ともにはケース付きの星座ビノで、落下防止の首からかけるヒモがついています。2x40の時には付いてこなかったレンズキャップも、対物側だけですが付属されるようになりました。

品名: CS-BINO 3x50
販売: 笠井トレーディング
倍率: 3倍
口径: 公称48mm (対物側が実測で47.5mm、接眼側が実測で18.5mm)

長所: 倍率が高いので、暗い星までよく見える。CS-BINO 2x40よりは高いが、それでもまだ安価。
短所: 周辺の歪みが多少ある。倍率が高すぎるので、星座ビノというには星座の全景が見えにくい。

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品名: CS-BINO 2x40
販売: 笠井トレーディング
倍率: 2倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で40.5mm、接眼側が実測で17.5mm)

長所: 安価。星座ビノの中では最安。星座ビノとしては一般的で十分。 
短所: 周辺の歪みが多少ある。

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では3種を比べてみましょう。上からCS-BINO 3x50、CS-BINO 2x40、WideBino28です。

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付属品なども含めてです。あ、どれもレンズ拭き取り布が付属していますが、今回はケースの中に入れっぱなしです。

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外観を見るとCS-BINOは2x40とCS-BINO 3x50は作りがよく似ています。同じメーカーなのでしょうが、倍率の違いを除けば歪みも含めて見え味もよく似ているので、設計思想がやはり同じなのかと思われます。接眼レンズの大きさはWideBino28がかなり小さいのに比べて、CS-BINOは2x40, 3x50はともに同じ大きさに見えます。ですが実測すると少し違いがある様です。3x50はその名の通り対物レンズが50mmと一番大きいのですが、前後の長さが意外に長いので、比べると大きい印象を持ちます。それでも普通の双眼鏡に比べたら遥かにコンパクトで軽いので、ずっと首からぶら下げていてもそれほど気にならないでしょう。ただし紐が細いので、できればもう少し太い紐だと首に食い込まなくていいかもしれません。


明るいところでの見え味

まずは昼間の明るいとことで覗いてみます。
  • 視野ですが、CS-BINO 2x40が倍率2倍、WideBino28が2.3倍、CS-BINO 3x50が3倍なので、当然倍率が高くなるほど見える範囲も狭くなってきます。
  • 明るさの違いは昼間ではほとんど分かりません。
  • 中心像は3機種ともどれもそれほど大差ないように見えます。分解能も特に不満はありません。低倍率なので手持ちで使う分には十分な性能だと思います。
  • WideBino28は光軸中心から目がずれるとボケるのですが、CS-BINOは2x40、 3x50も同様にボケます。さらに周辺の歪みがWideBino28より大きいと感じます。ですが以前のレビューでも書いたように、昼間では気になる周辺の歪みも夜に星を見ている限りは、(少なくとも私は)ほとんど気になりません。
まあ、昼間に見てもただの倍率の低い双眼鏡にしか見えないので、その魅力は全くわかりません。夜の評価に移りましょう。


実際の星を見て

夜の星を見てみました。見比べたのは月齢11日の上弦の月を越えて満月に近づきつつある、かなり月明かりのある日です。ここでもWideBino28が基準になります。

一般的に星座ビノを使うと、この日の月の明るさや自分の目の悪さもあり、肉眼で見るより遥かに見える星の数が増えます。星座早見番をみながら、一つ一つの星が十分にトレースすることができるくらいです。WideBino28は基本性能もしっかりしていて星座を見るという目的は十分に達成することができます。星座早見盤に載っていない様な小さな星も見ることができるので、そこら辺がさらなる星座ビノの面白さと行ったところでしょうか。

それに比べてCS-BINO 2x40は倍率が少し低いため、見える範囲が広がって星座の全景が見やすくなる反面、逆に暗い星が見えにくくなるので見える星の数が減ります。ですが印象としては両方共ほとんど変わらないと言っていいかと思います。歪みも共に昼間に見るときほど気になりません。あえていうなら、CS-BINO 2x40のほうが星を見た時のインパクトが少し小さいかということくらいでしょうか。倍率が少し低いということとほぼ同義なのですが、見える範囲が広くて星座の形がわかりやすい代わりに、細かい所が少し見えないということです。でも繰り返しますが大した差ではないです。むしろWideBino28のバランスの良さを褒めるべきでしょう。

さて、肝心のCS-BINO 3x50です。一言で言うとものすごくよく見えます。いや、はっきり言って想像以上の見え方です。あっかさんがブログで言っていたことがよく理解できます。

まず星の数が圧倒的に増えます。ある明るさの空でどこまで暗い星が見えるかは(口径に依らずに)倍率のみで決まる(理由は以前の評価記事、もしくは望遠鏡で見える星の数の記事参照)ので、2倍と3倍の比較なら単純に3/2=1.5の2乗で、2.25倍暗い星、大雑把にいうと1等分位暗い星まで見ることができます。2等星と3等星の星の数の違い、3等星と4等星の星の数の違いを考えてもわかるように、数で考えると1等暗い星が見えると飛躍的に星の数が増えて見えます。

星座を見ていても細かいところの星までよくわかるようになります。例えばオリオンの小三つ星ですが、CS-BINO 2x40だと「あ、星が縦に並んでいる」というくらいです。これがCS-BINO 3x50だとはっきりと「星が3つある」という感想に変わります。月のすぐ横にあったM45プレアデス星団すばるも、CS-BINO 2x40だと「あ、すばるだ」とひとまとめの感想ですが、CS-BINO 3x50だといくつ星があるか数えたくなってきます。明るい環境でも暗い環境でも単純に見える星の数が増えるので、この日も月明かりに負けることなく十分に楽しむことができました。


星の色がよくわかる

星の数の違いはある程度予測できていて期待通りだったのですが、期待していなかった違いは星の色でした。そこに気づいたのはしし座の首の根本の星Algiebaを見た時でした。Algiebaは赤い星で目立つのですぐにわかるのですが、そのすぐ横にある小さな星が青く綺麗に対比して見えるのです。この対比はCS-BINO 2x40で見ても、WideBino28で見ても、まあ頑張れば見えることは見えるのですが、気付くことはありませんでした。あと、北極星ポラリスはこんなにオレンジなんだとか、すばるって他と比べるとやっぱり青いんだとか、ほかの星と広範囲で見比べることができるので、倍率の高い双眼鏡でその星だけ見ていてもなかなか気づけないことに気づくことができます。星座の形と対比して一つ一つの恒星の特徴が分かるので、例えば牡牛座の角のところのアルデバランもすごく目立ちます。これは今までの星座ビノにない面白さです。


欠点

一方、拡大率が大きいので、これまでの2倍程度のビノで楽しめた星座の全景が入らなくなりがちで、どの星座を見ているのか分かりにくくなることがあります。オリオン座とか、あからさまに星座の形がはっきりわかっているもはいいのですが、星座自身は知っていてもその形まで覚えていないものは、途中で迷ってしまうことがありました。加えて星の数も増えるので、特に初心者だと少し混乱してしまうかもしれません。


CS-BINO 3x50は買いか?

では、はじめての星座ビノとしてCS-BINO 3x50は買いかどうかということですが、これが最初だとしても間違いなく面白いと思います。でも、できるなら通常の2倍程度の星座ビノを一度見てから、もしくは併用しながら見ると、その違いや星座の全景と細かいところが交互に見えるなど、より「星座」というものを認識できると思います。私個人の意見としては、3x50は2台目の星座ビノとしてが一番のお勧めでしょうか。

こうやって考えるとWideBino28のバランスの良さがよくわかります。倍率2.3倍というのは星座全景も多く楽しめて、細かいところまで見える、絶妙なバランスなのかもしれません。

実は星座ビノではないのですが、MIZARの倍率4倍という双眼鏡を持っています。普通の双眼鏡としてはかなり低倍率の部類です。星座用にと2017年の原村星まつりでたまたま見つけたものです。これ確かに星の数が増えるのですが、4倍だともう拡大しすぎで星座の形を捉えること自体が困難になってきます。なので、結局あまり使っていなくてお蔵入りになってしまっています。4倍は星座全景を見ようとすると倍率が高すぎることは確かで、そういった意味では3倍という倍率はギリギリの線なのかもしれません。

値段的にはCS-BINOシリーズは星座ビノとしては最安の部類に入ります。最初から2x40と3x50をまとめて買ってしまっても、得られる感動と実用度から考えたら相当パフォーマンスがいいのかもしれません。


まとめ

結論ですが、星座ビノを既に持っていてその性能を実感できる人にはCS-BINO 3x50は絶対お勧めです。見え方の違いを存分に楽しめるでしょう。初めての星座ビノとしてCS-BINO 3x50を使う場合、星座の全景を見るのに少し慣れは必要ですが、夜空にはこんなに星があるのかと実感できることでしょう。特に都会や、月夜の明るいときに見ると劇的な星の数の増加にびっくりするはずです。CS-BINO 3x50で天の川はまだ見ていませんが、これも夏になった時の楽しみの一つです。

レビューを兼ねたCS-BINO 3x50のファーストライトでしたが、感想はとにかく「あー面白かった」です。この値段なら間違いなく「買ってよかった」です。常時車の中に入れておいて末長く使うこととなりそうです。 

先日の年越し電視観望で、智さんのレデューサーがうまく働かなかった件の追記です。

これは鏡筒とレデューサーという2つのレンズを使うと合成焦点距離はどうなるのかという極々一般的な問題です。基本となる合成焦点距離の式については以前の記事



をご覧ください。今回の記事に合わせて、式を見やすい様にTeX化しておきました。


0.5倍レデューサーの計算例

例えば焦点距離800mmの鏡筒に、焦点距離が50mmのレデューサーを取り付けてみましょう。レデューサーをCMOSカメラに取り付けるためのアダプターの長さによって、センサー面からレデューサーまでの距離はほぼ一意に決まってしまいます。

センサー面からレデューサーまでの距離が決まると、拡大率も一意に決まってしまい、以下のグラフのような関係で表されます。

adapter_mag

しかもこのセンサー面からレデューサーまでの距離に応じて、フォーカサーで対物レンズまでの距離を調節してやる必要があり、以下のグラフで表される距離おいてのみ焦点を合わせることができます。

adapter_dis

逆にたどると、フォーカサーでの調整距離がせいぜい10cmくらいあったとしても、センサー面からレデューサーまでの距離が取れる範囲は高々10mmちょっとです。なのでアダプターをきちんと選ばないと範囲から外れてしまい、焦点を結ばなくなるというわけです。


サンプルファイのアップロード

Livedoorブログではファイルのアップロードもできるようなので、上のグラフを書くために作ったファイルを添付しておきます。Excelで作ったものなので多くの人が読めると思います。

Sample file (Excel形式)


アダプターについて

安価なレデューサーの焦点距離ですが、例えばレデューサーで指などをみてみると分かります。せいぜい50mmくらい離れたところでピントが合うくらいなので、焦点距離は50mm程度ということがわかります。これに相当するセンサー面からレデューサーまでの距離は25mm程度です。そうやってみるとASIカメラに付属のアダプターにレデューサーを取り付けると40-50mm程度にはなってしまうので、はやはりこのアダプターは長すぎます。

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ではどんなアダプターがいいかというと、ZWOからロープロファイルカバーとかいう名前で出ていて、国内だとKYOEI星見屋などから購入することができます。これはカメラの赤いカバー部分を取り外して、その代わりに取り付けるタイプです。

でも実は私が持っているのは全く別のもので、言うなればC(S)マウントから31.7mmへの変換アダプターです。

IMG_9008
この写真では上がカメラ側について、したがレデューサーを取り付ける側。

これにASIカメラ付属のCSマウント変換アダプターを取り付ければ、うまく赤い部分を外すことなく取り付けることができます。

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いうなればこれ



とかこれ



の短いバージョンなのですが、探したけど見つかりません。どなたか知りませんでしょうか?

じゃあ私はどこで手に入れたかというと、多分昔Revolution Imagerを買った時についてきたのをそのまま使ったのかと思います。


本ブログとTwitterで宣伝しておいた名古屋の名城公園での電視観望ですが、大晦日という忙しい時間にもかかわらず一般の人、地元の同級生、天文マニアと何人もの人が集まってくれました。天リフさんでも告知して頂いたおかげです。


いざ実家の名古屋へ

天気予報によると、天気は問題なさそうでしたが、風が強いという予報が出ていたが少し心配でした。当日、車で名古屋に移動する際はずっと曇りで、小雨もぱらついていたので少し心配でした。

私自身は12月31日の午後に名古屋入り。実家に少し寄って用事を済ませてから16時半前くらいに現場に到着しました。ホントは暗くなる前くらいでいいかなと思っていたのですが、Twitter上で午後かなり早いうちから、5月に観望会で一緒だった高校生の智志君が既に現場についたと連絡があったので、急いで用事を済ませて名城公園に向かいました。まだ少し雲は残っていますが、夜半にかけて晴れていくでしょう。風もたいしたことはありません。なんとかなりそうです。


現場到着、早速高校生の智志君が

現場に着くと既にスターバックスの横に智志君が機材を展開してました。でもここだと建物があって少し視野が悪いので、いつものように階段デッキ上に移りました。

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この日の名古屋、とにかく寒い。風があるせいもあって夕方でもすでにかなり体感で寒いです。しかも智志君、てんこ盛りの機材を自転車と電車で持ってきたとのことで、上の写真の通りなんと上着なしです。「自転車で暑くなるから」とのことですが、流石に寒そうです。ちょうどコートとスキーウェアが車に入っていたので、コートを貸して、さらに自分もですがカイロを智志君にも渡し、やっと少しマシになりました。


セットアップ開始

階段デッキの上のほうで機材をセットします。

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機材を設置している途中から、周りにいた人たちに声をかけて、まだ明るいうちの月を見てもらいました。今回は入門用のSCOPETECHも持ってきているので、興味がある人には自分でマニュアル追尾や、最初から導入までしてもらいます。子供たちも何人かきてくれました。子供は暗くなってからだとなかなか来れないので、明るいうちに月を見てもらうことができてラッキーでした。これは早く来てくれた智志君に感謝ですね。


月の電視観望開始

暗くなり始めるくらいから、早速月の電視観望も始まります。

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月齢5日なのでまだそこまで明るくなく、CMOSカメラのゲインを上げると地球照もよく見ることができます。やはり一般の方だと望遠鏡を覗く機会もあまりないようで、クレーター初めて見たという方もたくさんいました。

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智志君も最近手に入れたというASI183MCで、同様に電視観望しているのが写真の奥に写ってます。


たくさんの人が

名城公園に来る前に、うちの子に頼まれて、二人を栄近くの東急ハンズに送っていきました。ハンズの帰り17時過ぎに名城公園に寄ってくれたのですが、ちらっとだけ顔を出して、後はスターバックスに直行。18時の閉店近くまでいて、寒いからといって今度は電話だけで顔も出さずにバスに乗って帰ってしまいました。上のNatsuは最近はギター、それに今回名古屋で買ったベースに夢中な中3の受験生、大丈夫か?下のSukeは中1で卓球部に入り最近は卓球しかしてません。二人ともあまり星に興味は示してくれなくて、成長の過程なのですがまあ寂しいものです。


何人か、天文好きな方も来てくれました。最初に来てくれたのは、名前を失念してしまいましたが60歳位の方で、直接告知を見たのではなく、知り合いに今日こんなのがあるよと教えてもらったそうです。聞いてみると東亜天文学会のメンバーの方で、相当経歴は長いようです。

程なくして、まささんが参入。最初わからなかったのですが、どこかで見た顔。よくよく聞いてみると名古屋のドブソニアン勢力の中の一人で、これまでも星まつりで何度かすれちがっているそうです。それどころか、3年半前の一番最初に行った原村の星まつりで息子のSukeと一緒にドブの人たちに「星雲に色がつきますか?」と一番最初に聞いた人らしいということが判明しました。あの頃は訳もわからず尋ねまくっていましたが、結局それが今の電視観望につながっています。そう思うと感慨深いです。この日も大口径で星雲に色がつくかどうかの議論に移ったことは、ごくごく自然な流れです。

このころ、Facebookで繋がっていた高校の同級生が息子さん二人を連れてわざわざ来てくれました。高3と中3の男の子で素直そうな子でした。旦那さんの実家に行く途中に寄ってくれたのとことです。子供二人も理系に興味があるようで、ノーベル賞を取った梶田さんの講演を聞いた話とかしてくれました。聞いたところ今年また同窓会とかもあるようです。たまに地元でこういったイベントをやって昔の知り合いが来てくれるのはとてもうれしいです。
 
同じ頃にTwitterで参戦を予告してくれていた智さんが到着。 結局電視観望機材を持ちこんでわざわざ恵那から電車で移動してきてくれたとのことです。 折角なので智さんの機材で電視観望はじめますが、早速問題が発覚です。

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智さんの電視観望でのトラブルシューティング

まず簡単に月を入れたのですが、何故かきれいに見えません。ピントが合わないようにも見えますが、どうも月の周りの光芒が明るすぎて恐ろしくコントラストが悪いみたいです。少なくとも私はこれまで電視観望でこんなのはみたことがないです。

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面白くなってきました。さて、何が悪いのか一つづつチェックしていきます。鏡筒は笠井の8cmクラスだったでしょうか、そこにASI385MCを付けています。

最初はレンズの曇りを疑いました。でも鏡筒をざっと見てみますが、まだ機材を出したばっかりで冬場で空気も乾燥していて、曇りのようなものは確認できません。ほかに何が問題があるのか?こんな時、トラブルシューティングで一番大事なのは問題の切り分けです。

まず、今のこの場で私の方で使っていてとりあえず問題のないASI294MCを、智さんの鏡筒につけてみることにしました。これで光芒が改善されなければ鏡筒側が悪く、改善されればカメラ側が悪かったことになります。結果は光芒がなくなり、月も全く問題なくきれいに見えるようになりました。ということは問題はカメラ側にあることになります。

ではカメラの何が悪いのでしょうか?曇っている?ホコリがついている?よくよく聞くとレデューサーを付けてあるとのこと。でもレデューサーなら私もASI224MCでセンサー面積が小さい場合は普通に使ってましたし、レデューサーが悪さをすることは基本的にないはずです。それでも智さんがレデューサーをはずしてみると、なんと変な光芒は見事に消えて無くなりました。レデューサーそのものが悪いのか?聞いてみるとSVBONY製とのことです。でもSVBONYって安いけど決して品質が悪いわけではありません。私も双眼鏡ひとつ持っていますが、全然不満ないです。というか、よくこの値段でこの品質が出せると思うくらい素晴らしいです。

それならと思い、私がこれまで使っていた手持ちのレデューサーをたまたま持ってきていたので、こちらに交換してみます。これで光芒が消えるなら本当にSVBONYのレデューサーが悪いということになります。結果は、同じように光芒が出てしまいます。この時点でSVBONYのレデューサーに問題があるわけでなく、何かレデューサーそのものに一般的に問題があることが分かりました。SVBONYのレデューサーAmazonでも最安で性能も十分でいいと思いますよ。

でもまだ納得がいきません。次に、智さんのカメラに私の手持ちレデューサーを付けたまま、私のFS-60CBに取り付けます。これは予想通り光芒が見えます。ここで、最後に智さんのカメラだけを私のASI224MCに取り替えます。以前はASI224MCで普通に見えていました。結果はこれでもまだ光芒が残っています。確認のため、月だけでなく明るい星でもやってみます。M42です。

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やはり同じように光芒が出ていてボヤボヤです。これまでこんなことはなかったので、何か違いがあるはずです。ここで心当たりのある唯一の違いが、レデューサーをCMOSカメラに取り付けるためのアダプターだと気づきます。今回使っていたのがZWOのカメラに標準でついてくる少し長めのもので、

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これだと長すぎるので私は普段短かめのアダプターを使っていたことです。

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残念ながら短いアダプターはこの日は持っていなくて直接試すことができなかったのですが、もうこの違いでしか説明できません。ずっと昔に、レデューサーがなぜ0.5倍に自動でなるのか考えてみたことがあります。今回きちんと検証できていませんが、やはりセンサー面とレデューサーの位置が離れすぎているのが問題なのかと思われます。短いアダプター持っていなかったのが悔やまれます。


やっと星雲電視観望

21時前くらいでしょうか、ここらへんで智さんの帰宅時間が迫ります。オリオンがビルの上にやっと上がってくることでしょうか。せめてと思い、ギリギリ見えるようになったM42だけは電視で見てもらい、ここで智さん退散です。東亜天文学会の方もここで帰宅なさるとのことで、智さんをJR駅まで送っていってくれることになりました。折角機材を持ってきていただいたのに、あまり時間をかけることができず残念でした。でも智さんがあとでTwitterで一人だと解決できなかったと書いてくれていました。来て頂いた甲斐はあったのかなと思い少し嬉しくなりました。

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その後気を取り直して、本日のメインの電視観望を再開です。といっても、寒いのと天文談義の方が盛り上がり、肝心のメインはなんかまったりモードです。とりあえずは馬頭星雲と燃える木。

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燃える木はまだ分かりますが、馬頭さんが厳しいです。かろうじて形が分かるくらいでしょうか。

次はバラ星雲。

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うーん、本当に厳しいです。ギリギリまで炙り出してこれです。かなりキワをついているので周辺減光も相当目立ってしまうレベルです。一応フラットを撮影して、SharpCapの機能にあるリアルタイムでのフラット補正をかけてみました。

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周辺減光は少しマシですが、以前厳しいことには変わりありません。あ、光害防止としてQBPを入れてもこれくらいです。名古屋ど真ん中の電視観望だとここらへんが限界でしょうか。

23時頃でしょうか、年越し直前に最後のゲストのkima_Aquariusさんが到着です。オリオンとか一通り見せて、次のモンキー星雲です。

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バラ星雲よりはすこしマシで、形もなんとかわかります。

ここらへんでだんだん雲が出てきました。雲間のクラゲ星雲を何度か入れているところで。0時ちょうど、年越しです。今年も充実した星ライフを送りたいのですが、仕事も忙しくどうなることやら。

肝心のクラゲですが、年が明けてやっと雲まで見ることができました。それでも流石にこの光害地では淡過ぎで、傘のところがかろうじて分かるくらいです。

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とにかく寒い。とても寒いです。しかも雲が広がってきて空を見ることもできなくて、むしろ話の方が盛り上がります。


智志君

あ、そうそう、智志君ですがこんな中でも電視観望とか撮影とか色々やっていたようです。

智志君の機材はSCOPETECHの80mm鏡筒。焦点距離が1000mmなので多少大きめになります。そこにASI183MCを取り付けて、AZ-GTiで自動導入までしています。鏡筒のF値が10を超えているので多少暗いのですが、月とかは明るいので電視観望でも問題ないはずです。M42とかは暗いことよりも、視野が多少狭くなるので中心部を見ることになります。SharpCapもまだ慣れていないようで、ヒストグラムでM42も十分明るく見えるようになることを伝えたら喜んでくれているようでした。

その状態で撮影を始めていました。ガイドとかはないので露光時間を伸ばすことはあまりできませんが、それでも何十秒かで露光していて、数十枚とか撮影できたようです。途中、SharpCapのLive Stackでアラインメントを試してたようで、1枚目以降うまくアラインメントできないというので少しみてみると、揺れが大きくて星を星と認識できていないようでした。揺れの原因は何かと思って探ってみました。最初は階段デッキがやわいのでそのせいかとも思いましたが、それよりもはるかに顕著だったのが風です。やはり鏡筒が大きいせいもあり、AZ-GTiだと少し強度不足で、風が吹くと途端に星像がものすごい数の線を描き出します。しかもよくみるとAZ-GTiと鏡筒の間に自作のL字のアダプターを入れているようで、ここも揺れを増幅させているようです。今回はこれを外すと、鏡筒が縦に90度回転してしまうので一から初期アラインメントし直しのため、直すのは諦めていたようですが、次回はここら辺が課題になると思います。

それでも撮った画像をその場で処理するなど、相変わらず高校生とは思えないくらいものすごい熱心です。それもそのはず、今高3なのですが、大学に推薦で既に合格して進路が決まっていること。しかも天文系の学科とのことです。大学生になったらアルバイトなどでお金を貯めて、もうごくごく自然にいい機材につぎ込むことになるのでしょう。若いというのは開けていく道しかないので羨ましいものです。

そんな智志君も、午前1時前くらいでしょうかお母様が現地まで車で迎えにきてくれました。少しだけお話ししましたが、高校生でこれだけのめり込むと親としても大変なのかと思います。でもこの興味を摘むことなく見守っているご両親の寛大さには敬服します。無事に大学が決まってほっとしたとおっしゃっていました。これも好きなものがあったからならではなのかとも思います。

帰るときの機材を見て、お母様も呆れていましたし、我々も呆れていました。ものすごい量の機材を自転車と電車で持ってきたというのです。完全に車で運ぶような量です。しかも上着は無し(笑)。あ、そういえばノートPCのバッテリーが持たないというので、手持ちのものを貸していたのですが、荷物の量を考えたら追加バッテリーを持ってくるのも無理だったと思います。

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京都の「星を求めて」での再開を約束して、この日は帰っていきました。将来アマチュアとして続けるのか、天文関連の仕事につくのか、はたまた研究者にでもなるのか、楽しみです。期待してしまいます。


そろそろ後片付け

さて、若い智志君が帰った後はおじさん組で、ほんとにまったりモード突入です。寒いのと曇っているのと話しているばかりで、もうグデグデ。とうとうAZ-GTiの赤いLEDが2回点滅する様になってきて、こちらももうバッテリー切れが近いみたいです。最後の最後で三つ子銀河だけ入れました。

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QBPを入れたまま見ているので、少し淡くなってしまっているかもしれません。光害の緩和とどちらが得かってとこですかね。

1時過ぎだったでしょうか、まだ予定の2時までには少し時間がありましたが、ここでギブアップ。とにかく寒いです。最後まで残ってくれたまささんとkima_Aquariusさんには片付けまで手伝ってもらいました。ありがとうございました。そのまま現地解散で、私も名古屋市内の実家に帰りました。

実家に着くとさすがにみんなもう寝ています。よく考えたらファミマで買ったサンドイッチ(3切れ入りを三人で分けたもの)しか食べていないことを思い出し、実家で大晦日のご馳走だった豪華焼肉の残りを一人で寂しく焼いて食べてました。


まとめ

今回は年越しを電視観望で過ごすことになりました。昨年は小海の星フェスで電視観望で講演することもできました。電視観望も、もう普通の技術として広まってきているのかと思います。今年もまた心機一転頑張ろうと思います。

かなり寒い中、突然思いついたように呼びかけた形になってしまいましたが、今回の名古屋電視観望オフに参加してくださって皆さま、本当にありがとうございました。ものすごく楽しかったです。また機会がありましたら呼びかけたいと思います。できれば今度は名古屋以外で。でも人が集まるかなあ?


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